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特許7457154充放電制御方法、装置及び二相のエネルギー貯蔵システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-18
(45)【発行日】2024-03-27
(54)【発明の名称】充放電制御方法、装置及び二相のエネルギー貯蔵システム
(51)【国際特許分類】
   H02J 3/32 20060101AFI20240319BHJP
   H02J 3/38 20060101ALI20240319BHJP
   H02J 7/35 20060101ALI20240319BHJP
   H02J 13/00 20060101ALI20240319BHJP
【FI】
H02J3/32
H02J3/38 110
H02J3/38 130
H02J7/35 K
H02J13/00 311R
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2022558566
(86)(22)【出願日】2022-04-06
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-25
(86)【国際出願番号】 CN2022085380
(87)【国際公開番号】W WO2022237394
(87)【国際公開日】2022-11-17
【審査請求日】2022-09-27
(31)【優先権主張番号】202110577343.4
(32)【優先日】2021-05-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】518199702
【氏名又は名称】深▲せん▼市徳蘭明海科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】SHENZHEN POWEROAK NEWENER CO.,LTD
【住所又は居所原語表記】19F, Tower 1, Kaidaer Building, Tongsha Road No.168, XiLi Town, Nanshan District, Shenzhen, Guangdong, 518000 China
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【弁理士】
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】雷 健華
(72)【発明者】
【氏名】蘇岩
(72)【発明者】
【氏名】尹相柱
【審査官】早川 卓哉
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-199588(JP,A)
【文献】特開2014-027846(JP,A)
【文献】特開2005-073459(JP,A)
【文献】特開2007-300792(JP,A)
【文献】特開2010-180003(JP,A)
【文献】特開2008-042999(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J3/00-5/00
H02J7/00-7/12
H02J7/34-7/36
H02J13/00
H01M10/42-10/48
H02M7/42-7/98
G05F1/00-7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
二相のエネルギー貯蔵システムに適用される充放電制御方法であって、
前記二相のエネルギー貯蔵システムは、電池と、二相の双方向インバータと、ネットワーク要素管理システムと、ヒューマン・マシン・インタラクション・システムと、を備えており、前記電池は前記二相の双方向インバータに接続されており、前記ネットワーク要素管理システムは、通信回路を介して前記ヒューマン・マシン・インタラクション・システムに接続されており、前記電池はエネルギー貯蔵に用いられるものであり、前記二相の双方向インバータは、前記二相のエネルギー貯蔵システムの二相の充放電を制御することに用いられるものであり、前記方法は、
前記ネットワーク要素管理システムと前記ヒューマン・マシン・インタラクション・システムとの間の通信ネットワークを介して契約電流のアンペア数を取得することと、
電力網の電流が前記契約電流のアンペア数に近づき、かつ前記契約電流のアンペア数を超えないように、前記契約電流のアンペア数に基づいて各相の前記インバータの電流閉ループフィードバック調節を行うための目標電流を決定し、前記ネットワーク要素管理システムと電力網との間の通信回路を介して、前記電力網の電流を収集することと、
電流閉ループフィードバック調節を行うためのフィードバック量を決定することと、
前記目標電流と前記フィードバック量とに基づいて、前記インバータの電流を線形的に調節することと、
調節後のリアルタイムな前記インバータの出力電流が前記目標電流に達するか否かを判断して、各相の前記インバータが前記目標電流に従って充放電を行うことを判定することとを含むこと、を特徴とする充放電制御方法。
【請求項2】
上記した調節後のリアルタイムな前記インバータの出力電流が前記目標電流に達するか否かを判断することは、
前記電池と前記インバータの状態データを取得することと、
前記状態データに基づいて、前記電池と前記インバータの充放電制限値を決定することと、
前記インバータの充放電状態を判定することと、
前記充放電状態と前記充放電制限値とに合わせて、各相の前記インバータの出力電流が前記目標電流に達するか否かを判断することとを含むこと、を特徴とする請求項に記載の充放電制御方法。
【請求項3】
前記二相のエネルギー貯蔵システムは、
一端が前記電池に接続され、他端が前記通信回路を介して前記ネットワーク要素管理システムに接続される電池管理システムをさらに備えており、
前記ネットワーク要素管理システムも通信回路を介して前記二相の双方向インバータに接続されており、
上記した前記電池と前記インバータの状態データを取得することは、
前記ネットワーク要素管理システムと前記電池管理システムの通信ネットワークを介して、前記電池の状態データを取得することと、
前記ネットワーク要素管理システムと前記インバータの通信ネットワークを介して、各相の前記インバータの状態データを取得することとを含むこと、を特徴とする請求項に記載の充放電制御方法。
【請求項4】
二相のエネルギー貯蔵システムに適用される充放電制御装置であって、
前記二相のエネルギー貯蔵システムは、電池と、二相の双方向インバータと、ネットワーク要素管理システムと、ヒューマン・マシン・インタラクション・システムと、を備えており、前記電池は前記二相の双方向インバータに接続されており、前記ネットワーク要素管理システムは、通信回路を介して前記ヒューマン・マシン・インタラクション・システムに接続されており、前記電池はエネルギー貯蔵に用いられるものであり、前記二相の双方向インバータは、前記二相のエネルギー貯蔵システムの二相の充放電を制御することに用いられるものであり、前記装置は、
前記ネットワーク要素管理システムと前記ヒューマン・マシン・インタラクション・システムとの間の通信ネットワークを介して契約電流のアンペア数を取得するための取得モジュールと、
電力網の電流が前記契約電流のアンペア数に近づき、かつ前記契約電流のアンペア数を超えないように、前記契約電流のアンペア数に基づいて各相の前記インバータの電流閉ループフィードバック調節を行うための目標電流を決定するための決定モジュールであって、前記ネットワーク要素管理システムと電力網との間の通信回路を介して、前記電力網の電流を収集する、決定モジュールと、
電流閉ループフィードバック調節を行うためのフィードバック量を決定し、
前記目標電流と前記フィードバック量とに基づいて、前記インバータの電流を線形的に調節し、
調節後のリアルタイムな前記インバータの出力電流が前記目標電流に達するか否かを判断して、各相の前記インバータが前記目標電流に従って充放電を行うことを判定するための制御モジュールとを含むこと、を特徴とする充放電制御装置。
【請求項5】
電池と、
二相の負荷と、
二相の太陽光発電システム及び/又は二相の電力網と、
一端が前記電池に接続され、他端がそれぞれ前記二相の負荷、及び前記二相の太陽光発電システム及び/又は前記二相の電力網に接続される双方向インバータと、
前記双方向インバータに接続される少なくとも1つのプロセッサと、
前記少なくとも1つのプロセッサに通信接続されるメモリと、を備え、ここで、
前記メモリに前記少なくとも1つのプロセッサによって実行可能なコマンドが記憶され、前記コマンドは前記少なくとも1つのプロセッサによって実行され、前記少なくとも1つのプロセッサに請求項1~請求項のいずれか一つに記載の方法を実行させることができること、を特徴とする二相のエネルギー貯蔵システム。
【請求項6】
コンピュータで実行可能なコマンドが記憶されるコンピュータ読み取り可能な記憶媒体であって、前記コンピュータで実行可能なコマンドは、コンピュータに請求項1~請求項のいずれか一つに記載の方法を実行させるために用いられるものであること、を特徴とするコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本出願は、2021年05月26日付けに中国特許局に提出された202110577343.4という出願号である中国特許出願(発明名称:「充放電制御方法、装置及び二相のエネルギー貯蔵システム」)による優先権を請求し、その全体内容が参照によって本出願に組み込まれる。
【0002】
本発明に係る実施例は、電池貯蔵技術分野に関し、特に、充放電制御方法、装置及び二相のエネルギー貯蔵システムに関する。
【背景技術】
【0003】
電池コストの低減と人々のクリーンエネルギーに対する認識の向上に伴い、家庭用のエネルギー貯蔵製品は、家庭用電化製品として、千軒万戸に現れることが増えていて、電池エネルギー貯蔵システムは、電力供給方式によって単相のエネルギー貯蔵と多相のエネルギー貯蔵に分けられることができ、そして、多相のエネルギー貯蔵はされに二相システム(単相三線とも呼ばれる)と三相システムに細分化されることができる。近年、エネルギー貯蔵製品の応用方式は、日増しに多様性を呈しており、応用方式は通常的に機能モードと呼ばれ、エネルギー貯蔵製品により提供される機能モードの種類は多種多様であり、よく見られるのはピークロードシフトモード、バックアップ電源モード、整合負荷モードなどであり、一部分の地区や国家では、実際の応用の違いにより、目的性がある複数の機能モードが現れている。
【0004】
本発明に係る実施例を実現する過程において、発明者は、以上の関連技術には、少なくとも次のような問題があることを発見する。現在、日本の家庭ユーザーは電力会社と電力供給契約書を締結する必要があり、この契約書には、「契約のアンペア数」、即ち、家庭が電力網から電力を購入できる最大電流という要求があるため、現在の日本の家庭は電力を配電したり電化製品を購入したりする際に、電化製品の総電流が締結された「契約のアンペア数」より大きくなることを避けてしまう。このような電力消費設備の総電流が締結された「契約のアンペア数」より大きくなることを避けるために、「細かくそろばんをはじく」というライフスタイルを採用して電化製品を選択したり家庭の電力網を配置したりすることは、ユーザーの生活の質を大幅に低下させる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本出願に係る実施例は、充放電制御方法、装置及び二相のエネルギー貯蔵システムが提供される。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る実施例の目的は、次のような技術案によって実現される。
【0007】
上記の技術問題を解決するために、第1側面として、本発明に係る実施例において、二相のエネルギー貯蔵システムに適用される充放電制御方法が提供されており、前記二相のエネルギー貯蔵システムは、電池と、二相の双方向インバータと、ネットワーク要素管理システムと、ヒューマン・マシン・インタラクション・システムとを備えており、前記電池は前記二相の双方向インバータに接続されており、前記電池はエネルギー貯蔵に用いられるものであり、前記インバータは、前記二相のエネルギー貯蔵システムの二相の充放電を制御することに用いられるものであり、前記ネットワーク要素管理システムは、通信回路を介して前記ヒューマン・マシン・インタラクション・システムに接続されており、前記方法は、
前記ネットワーク要素管理システムと前記ヒューマン・マシン・インタラクション・システムとの間の通信ネットワークを介して契約電流のアンペア数を取得することと、
前記契約電流のアンペア数に基づいて前記二相の双方向インバータの目標電流を決定することと、
フィードバック調節により、前記二相の双方向インバータを制御して前記目標電流に従って充放電を行うようにすることを含む。
【0008】
いくつかの実施例において、前記フィードバック調節は、前記二相の双方向インバータの出力電流に対する電流閉ループフィードバック調節であり、
上記した前記契約電流のアンペア数に基づいて前記二相の双方向インバータの目標電流を決定することは、
前記契約電流のアンペア数に基づいて、電流閉ループフィードバック調節を行うための目標電流を決定することをさらに含む。
【0009】
いくつかの実施例において、上記したフィードバック調節により、前記二相の双方向インバータを制御して前記目標電流に従って充放電を行うようにすることは、
電流閉ループフィードバック調節を行うためのフィードバック量を決定することと、
前記目標電流と前記フィードバック量とに基づいて、前記インバータの電流を線形的に調節することと、
調節後のリアルタイムな前記インバータの出力電流が前記目標電流に達するか否かを判断して、前記二相の双方向インバータが前記目標電流に従って充放電を行うことを判定することをさらに含む。
【0010】
いくつかの実施例において、上記した調節後のリアルタイムな前記インバータの出力電流が前記目標電流に達するか否かを判断することは、
前記電池と前記インバータの状態データを取得することと、
前記状態データに基づいて、前記電池と前記インバータの充放電制限値を決定することと、
前記インバータの充放電状態を判定することと、
前記充放電状態と前記充放電制限値とに合わせて、前記二相の双方向インバータの出力電流が前記目標電流に達するか否かを判断することをさらに含む。
【0011】
いくつかの実施例において、前記二相のエネルギー貯蔵システムは、
一端が前記電池に接続され、他端が前記通信回路を介して前記ネットワーク要素管理システムに接続される電池管理システムをさらに備えており、
前記ネットワーク要素管理システムも通信回路を介して前記二相の双方向インバータに接続されており、
上記した前記電池と前記インバータの状態データを取得することは、
前記ネットワーク要素管理システムと前記電池管理システムの通信ネットワークを介して、前記電池の状態データを取得することと、
前記ネットワーク要素管理システムと前記インバータの通信ネットワークを介して、前記二相の双方向インバータの状態データを取得することをさらに含む。
【0012】
いくつかの実施例において、上記した前記充放電状態と前記充放電制限値とに合わせて、前記二相の双方向インバータの出力電流が前記目標電流に達するか否かを判断することは、
前記インバータが充電状態であると、前記二相の双方向インバータの出力電流がそれぞれ前記二相の双方向インバータの最大充電電流の制限値以下であるか否か、かつ、前記二相の双方向インバータの目標電流の和が前記電池の最大充電電流の制限値以下であるか否かを判断し、
そうであれば、前記二相の双方向インバータの出力電流が前記目標電流に達する判定することをさらに含む。
【0013】
いくつかの実施例において、上記した前記充放電状態と前記充放電制限値とに合わせて、前記二相の双方向インバータの出力電流が前記目標電流に達するか否かを判断することは、
前記インバータが放電状態であると、前記二相の双方向インバータの出力電流がそれぞれ前記二相の双方向インバータの最大放電電流の制限値以下であるか否か、かつ、前記二相の双方向インバータの目標電流の和が前記電池の最大放電電流の制限値以下であるか否かを判断し、
そうであれば、前記二相の双方向インバータの出力電流が前記目標電流に達すると判定することをさらに含む。
【0014】
上記の技術問題を解決するために、第2側面として、本発明に係る実施例において、二相のエネルギー貯蔵システムに適用される充放電制御装置が提供されており、前記二相のエネルギー貯蔵システムは、電池と、二相の双方向インバータと、ネットワーク要素管理システムと、ヒューマン・マシン・インタラクション・システムとを備えており、前記電池は前記二相の双方向インバータに接続されており、前記電池はエネルギー貯蔵に用いられるものであり、前記インバータは、前記二相のエネルギー貯蔵システムの二相の充放電を制御することに用いられるものであり、前記ネットワーク要素管理システムは、通信回路を介して前記ヒューマン・マシン・インタラクション・システムに接続されており、前記装置は、
前記ネットワーク要素管理システムと前記ヒューマン・マシン・インタラクション・システムとの間の通信ネットワークを介して契約電流のアンペア数を取得するための取得モジュールと、
前記契約電流のアンペア数に基づいて前記二相の双方向インバータの目標電流を決定するための決定モジュールと、
フィードバック調節により、前記二相の双方向インバータを制御して前記目標電流に従って充放電を行うようにするための制御モジュールを含む。
【0015】
上記の技術問題を解決するために、第3側面として、本発明に係る実施例において、二相のエネルギー貯蔵システムが提供されており、前記システムは、
電池と、
二相の負荷と、
二相の太陽光発電システム及び/又は二相の電力網と、
一端が前記電池に接続され、他端がそれぞれ前記二相の負荷、及び前記二相の太陽光発電システム及び/又は前記二相の電力網に接続される双方向インバータと、
前記双方向インバータに接続される少なくとも1つのプロセッサと、
前記少なくとも1つのプロセッサに通信接続されるメモリと、を備え、かつ
前記メモリに前記少なくとも1つのプロセッサによって実行可能なコマンドが記憶され、前記コマンドは前記少なくとも1つのプロセッサによって実行され、前記少なくとも1つのプロセッサに以上のような第1側面で記載される方法を実行させることができる。
【0016】
上記の技術問題を解決するために、第4側面として、本発明に係る実施例において、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体がさらに提供されており、前記コンピュータ読み取り可能な記憶媒体にはコンピュータで実行可能なコマンドが記憶されて、前記コンピュータで実行可能なコマンドは、コンピュータに以上のような第1側面で記載されるの方法を実行させるために用いられるものである。
【0017】
上記の技術問題を解決するために、第5側面として、本発明に係る実施例において、コンピュータプログラム製品がさらに提供されており、前記コンピュータプログラム製品は、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶されるコンピュータプログラムを含み、前記コンピュータプログラムはプログラムコマンドを含み、前記プログラムコマンドがコンピュータにより実行される時に、前記コンピュータに以上のような第1側面で記載されるの方法を実行させる。
【0018】
従来技術に比べて、本発明の有益な効果は以下のものである。従来技術の場合とは異なり、本発明に係る実施例において、充放電制御方法、装置及び二相のエネルギー貯蔵システムが提供されており、このシステムは、電池と二相の双方向インバータとを備えており、前記電池は前記二相の双方向インバータに接続されており、前記電池はエネルギー貯蔵に用いられるものであり、前記インバータは、前記二相のエネルギー貯蔵システムの二相の充放電を制御することに用いられるものであり、この方法は、前記契約電流のアンペア数に基づいて前記二相の双方向インバータの目標電流を決定して、フィードバック調節により、前記二相の双方向インバータを制御して前記目標電流に従って充放電を行うようにすることができ、本発明に係る実施例により提供される充放電制御方法は、電力供給契約書における最大電流に対する要求を超えないように、契約電流のアンペア数に基づいてエネルギー貯蔵システムにおける各負荷の電流作動状況を知的に調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
1つ又は複数の実施例において、その対応する図面における図に基づいて例示的に説明するが、これらの例示的な説明によって実施例を限定することはなく、図面において、同じ参照数字ラベルを有する要素/モジュール及び工程は、類似な要素/モジュール及び工程であることを表し、特に明記しない限り、図面における図は割合を制限しないものである。
図1】本発明に係る実施例により提供される充放電制御方法の一つの応用場面の構成模式図である。
図2図1に示す応用場面における二相のエネルギー貯蔵システムの通信トポロジ模式図である。
図3】本発明に係る実施例1により提供される一つの充放電制御方法のフロー模式図である。
図4図3に示す充放電制御方法におけるステップ130の一つのサブフロー模式図である。
図5図4に示す充放電制御方法におけるステップ133の一つのサブフロー模式図である。
図6】本発明に係る実施例2で提供される一つの充放電制御装置の構成模式図である。
図7】本発明に係る実施例3で提供される一つの二相のエネルギー貯蔵システムの構成模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、具体的な実施例に基づいて、本発明を詳細に説明する。以下の実施例は、当業者が本発明をさらに理解することに寄与するが、いかなる形でも本発明を制限するものではない。なお、当業者にとっては、本発明の概念を逸脱しないことを前提にして、いくつかの変形および改良を行うことができる。これらは、すべて本発明による保護範囲に属する。
【0021】
以下、本出願の目的、技術案及び利点をより一層明らかにするように、図面及び実施例に基づいて本出願をさらに詳細に説明する。ここで説明された具体的な実施例は、本出願を釈明するためのものだけであり、本出願を限定するものではないことは理解されるべきである。
【0022】
なお、矛盾しない限り、本発明に係る実施例における各特徴は相互に結合でき、いずれも本出願による保護範囲にある。また、装置の模式図において、機能モジュールの分割を行って、フローチャートに論理的な順序を示したが、いくつかの場合には、装置におけるモジュールの分割、あるいはフローチャートにおける順序と異なる分割、あるいは順序で、示されるあるいは説明されるステップを実行してもよい。なお、ある要素が別の要素に「接続」されると表現されている場合に、ある要素は別の要素に直接接続されてもよく、あるいは、これらの間には1つまたは複数の中央の要素が存在されてもよい。
【0023】
特に定義されない限り、本明細書で用いられるすべての技術用語および科学用語は、本発明の技術分野に属する技術者によって一般的に理解される意味と同じである。本発明の明細書に用いられる用語は、具体的な実施形態を説明するためのものだけであり、本発明を制限するためのものではない。本明細書で用いられる用語「及び/又は」は、1つまたは複数の関連するリストされた項目のいずれか及びすべての組み合わせを含む。
【0024】
また、以下に説明する本発明の各実施形態に係る技術特徴は、お互いに矛盾しない限り、相互に組み合わせることができる。
【0025】
現在の日本などの国家での家庭ユーザーは、自家が電力網と契約された電力使用契約書における契約のアンペア数の状況に応じて家庭用電化製品を選んで買うとともに、同時期に使用される家庭用電化製品の数を制御することに手数がかかる必要があるという問題を解決するために、本発明に係る実施例は、契約電流のアンペア数の状況に応じてシステムにおける電力消費設備を知的に調整することで、電力網の電力供給契約書における最大電流に対する要求を満たすことができる充放電制御方法が提供される。
【0026】
図1は、本発明に係る実施例により提供される充放電制御方法の一つの応用場面の構成模式図であり、図2は、図1に示す応用場面における二相のエネルギー貯蔵システムの通信トポロジ模式図であり、ここで、この応用場面は、二相のエネルギー貯蔵システム10であり、前記二相のエネルギー貯蔵システム10は、電池11と、二相の双方向インバータ12と、二相の負荷13と、二相の太陽光発電システム14と、二相の電力網15とを備える。さらに、前記二相のエネルギー貯蔵システム10は、ネットワーク要素管理システム16と、ヒューマン・マシン・インタラクション・システム17とをさらに備える。
【0027】
前記二相のエネルギー貯蔵システム10は、一つの多相のエネルギー貯蔵システムであり、単相三線システムまたは両活線システムとも呼ばれており、図1および図2に示す例では、それぞれ前記二相のエネルギー貯蔵システム10の二相をL1相およびL2相のそれぞれで表し、かつ、前記L1相と前記L2相の位相が180度ずれている。
【0028】
前記電池11は電気エネルギーを貯蔵するための装置であり、前記電池11は単一の電池であってもよいし、電池パックであってもよく、前記電池11はリチウム電池、鉛蓄電池、乾電池などであってもよく、具体的には、前記電池11の数、容量、タイプなどは、実際の状況に応じて設けることができ、この応用場面の限定に拘る必要がない。
【0029】
前記二相のエネルギー貯蔵システム10には、電池管理システム(BATTERY MANAGEMENT SYSTEM;BMS)11aがさらに設けられており、前記電池管理システム11aは、前記電池11に接続されて、かつ前記電池管理システム11aは、システムにおける電池または電池パックを管理することができ、かつ電池または電池パックの電圧収集、電流収集、温度制御、電池の電量状況の算出などを主に担っていて、一枚のチップ、印刷回路板、回路などであってもよく、具体的には、実際の必要に応じて設けることができる。
【0030】
前記二相の双方向インバータ12は、L1相のインバータ12aとL2相のインバータ12bとを備えており、前記L1相のインバータ12aと前記L2相のインバータ12bとの位相が180度ずれており、前記双方向インバータ12はDC/AC及びAC/DCの変換を実現することができる電源設備であり、かつ前記電池11に対する充放電を実現することができ、電源は、前記双方向インバータ12を介して前記電池11を充電することができ、電池11も前記双方向インバータ12を介して負荷13に電力を供給してもよい。
【0031】
前記二相の負荷13は、L1相の負荷13aとL2相の負荷13bとを備えており、前記負荷13は、前記二相のエネルギー貯蔵システム10における電力消費設備であり、具体的には、電球、コンピュータ、冷蔵庫、電磁調理器などの家庭用電化製品であってもよい。
【0032】
前記二相の太陽光発電システム14は、L1相の太陽光発電システム14aとL2相の太陽光発電システム14bとを備えており、前記太陽光発電システム14は、太陽エネルギーを取得して前記太陽エネルギーを前記電気エネルギーに変換した後、電気エネルギーを前記双方向インバータ12を介して電池11に送って貯蔵し、あるいは前記負荷13を直接作動させており、かつ通常的に、少なくとも太陽光パネルで構成されており、電圧及び/又は電流の調整回路、及び/又は蓄電池などを含んでもよく、具体的には、実際の必要に応じて選択することができる。
【0033】
前記二相の電力網15は、L1相の電力網15aとL2相の電力網15bとを備えており、前記電力網15は、商用ACをDCに変換して電気エネルギーを提供することができる装置であってもよい。
【0034】
前記ネットワーク要素管理システム(network element management system;EMS)16は、前記二相のエネルギー貯蔵システム10において通信ネットワークの管理を実現するための装置であり、少なくとも前記二相のエネルギー貯蔵システム10の内部ネットワークの通信を実現することができ、かつマイクロコントローラ、サーバ、管理制御モジュールまたはシステムなどであってもよい。
【0035】
前記ヒューマン・マシン・インタラクション・システム(Human Machine Interaction System;HMIS)17は、ユーザーのコマンドを受け付けることができるシステムであり、システムとユーザーとの間でインタラクションや情報交換を行うための媒体であり、キーボード、ボタン、またはインタラクションインタフェースを有するタブレット、コンピュータ、モバイル設備などの装置であってもよく、具体的には、実際の必要に応じて設置と選択をすることができる。
【0036】
図1を参照して、二相の双方向インバータ12において、L1相のインバータ12aの出力端が接続回路18aを介してそれぞれL1相の負荷13a、太陽光発電システム14a及び電力網15aに電気的に接続され、L2相のインバータ12bの出力端が接続回路18bを介してそれぞれL2相の負荷13b、太陽光発電システム14b及び電力網15bに電気的に接続されており、二相の双方向インバータ12(12a及び12b)の入力端が接続回路18cを介して前記電池11に電気的に接続される。
【0037】
図2を参照して、前記ネットワーク要素管理システム16は、通信回路19aを介して前記電池管理システム11aに通信接続され、通信回路19Bを介して二相の双方向インバータ12(12a及び12b)に通信接続され、通信回路19Cを介して二相の太陽光発電システム14に通信接続され、通信回路19Dを介して二相の電力網15に通信接続され、通信回路19eを介して前記ヒューマン・マシン・インタラクション・システム17に通信接続される。L1相のインバータ12aは通信回路19bを介してL2相のインバータ12bに通信接続され、L1相の太陽光発電システム14aは通信回路19cを介してL2相の太陽光発電システム14bに通信接続され、L1相の電力網15aは通信回路19dを介してL2相の電力網15bに通信接続される。ここで、前記ネットワーク要素管理システム16と前記太陽光発電システム14及び前記電力網15との間の通信回路は、実際に電力計という設備を使用する。
【0038】
具体的には、以下、本発明に係る実施例について図面を結合してさらに述べる。
【0039】
実施例1
本発明に係る実施例は、充放電制御方法が提供されており、図3を参照し、図3は、本発明に係る実施例により提供される一つの充放電制御方法のフローを示しており、前記方法は、以上のような応用場面に示される二相のエネルギー貯蔵システムに適用されることができ、前記二相のエネルギー貯蔵システムは、電池と二相の双方向インバータとを備えており、前記電池は前記二相の双方向インバータに接続されており、前記電池はエネルギー貯蔵に用いられるものであり、前記インバータは、前記二相のエネルギー貯蔵システムの二相の充放電を制御することに用いられるものであり、前記方法は、以下のステップを含むが、これらに限定されない。
【0040】
ステップ110:契約電流のアンペア数を取得する。
【0041】
前記二相のエネルギー貯蔵システムは、ネットワーク要素管理システムとヒューマン・マシン・インタラクション・システムとをさらに備えており、前記ネットワーク要素管理システムは、通信回路を介して前記ヒューマン・マシン・インタラクション・システムに接続されており、上記した契約電流のアンペア数を取得することは、前記ネットワーク要素管理システムと前記ヒューマン・マシン・インタラクション・システムとの間の通信ネットワークを介して前記契約電流のアンペア数を取得することをさらに含む。本発明に係る実施例において、前記契約電流のアンペア数は、ユーザーが前記ヒューマン・マシン・インタラクション・システムを介して前記ネットワーク要素管理システムに出し、前記ネットワーク要素管理システムが前記ヒューマン・マシン・インタラクション・システムを介して携帯電話関連ユーザが電力会社と締結された契約電流のアンペア数を取得し、他のいくつかの実施例において、他の方式で取得してもよく、具体的には、実際の必要に応じて設置することができる。
【0042】
ステップ120:前記契約電流のアンペア数に基づいて前記二相の双方向インバータの目標電流を決定する。
【0043】
前記フィードバック調節は、前記二相の双方向インバータの出力電流に対する電流閉ループフィードバック調節であり、上記した前記契約電流のアンペア数に基づいて前記二相の双方向インバータの目標電流を決定することは、前記契約電流のアンペア数に基づいて、電流閉ループフィードバック調節を行うための目標電流を決定することをさらに含む。本発明に係る実施例においては、前記契約電流のアンペア数を決定した直後に、ユーザーのニーズまたはデフォルト設定に応じて各相の負荷に流すことができる電流の大きさの制限値を設置することができ、つまり、前記目標電流を決定することができ、これにより、最終的に前記システムの総充放電電流が前記契約電流のアンペア数に近づき、かつこの値を超えないようにする。
【0044】
ステップ130:フィードバック調節により、前記二相の双方向インバータを制御して前記目標電流に従って充放電を行うようにする。
【0045】
本発明に係る実施例において、閉ループのフィードバック調節によって、前記インバータの出力電流に対して干渉調節を行って、目標電流に従って充放電を行うことができるようにすることで、前記システムの最大充放電電流を十分に利用しており、具体的には、図4を参照して、図4は、図3に示す充放電制御方法におけるステップ130の一つのサブフローを示しており、上記したフィードバック調節により、前記二相の双方向インバータを制御して前記目標電流に従って充放電を行うようにすることは、以下のステップをさらに含む。
【0046】
ステップ131:電流閉ループフィードバック調節を行うためのフィードバック量を決定する。
【0047】
ステップ132:前記目標電流と前記フィードバック量とに基づいて、前記インバータの電流を線形的に調節する。
【0048】
ステップ133:調節後のリアルタイムな前記インバータの出力電流が前記目標電流に達するか否かを判断して、前記二相の双方向インバータが前記目標電流に従って充放電を行うことを判定する。
【0049】
具体的には、図5を参照して、図5は、図4に示す充放電制御方法におけるステップ133の一つのサブフローを示しており、上記した調節後のリアルタイムな前記インバータの出力電流が前記目標電流に達するか否かを判断することは、以下のステップをさらに含む。
【0050】
ステップ1331:前記電池と前記インバータの状態データを取得する。
【0051】
上記の図1図2および応用場面に示すように、前記二相のエネルギー貯蔵システムは、一端が前記電池に接続され、他端が前記通信回路を介して前記ネットワーク要素管理システムに接続される電池管理システムをさらに備えており、前記ネットワーク要素管理システムも通信回路を介して前記二相の双方向インバータに接続されており、上記した前記電池と前記インバータの状態データを取得することは、前記ネットワーク要素管理システムと前記電池管理システムの通信ネットワークを介して、前記電池の状態データを取得することと、前記ネットワーク要素管理システムと前記インバータの通信ネットワークを介して、前記二相の双方向インバータの状態データを取得することをさらに含む。
【0052】
ステップ1332:前記状態データに基づいて、前記電池と前記インバータの充放電制限値を決定する。
【0053】
前記電池の状態データは、前記電池の容量、荷電状態、総電圧、総電流、充放電倍率、単体の電池の電圧及び/又は温度などのデータを含んでもよく、前記電池の各相の状態データ、すなわち前記電池の各相の情報に基づいて、前記電池の充電可能な最大充電電流の制限値と放電可能な最大放電電流の制限値を計算によって取得することができる。前記インバータの状態データ、すなわち前記インバータの各相の情報は、前記インバータの制御電流、出力電流、出力電力及び/又は温度などのデータを含んでもよく、前記インバータの各相の状態データに基づいて前記インバータの最大充電電流の制限値と最大放電電流の制限値を計算によって取得することができる。さらに、前記ネットワーク要素管理システムと前記電力網との間の通信回路を介して、前記電力網の電圧、出力及び/又は電流を収集してもよいし、及び/又は、前記ネットワーク要素管理システムと前記太陽光発電システムとの間の通信回路を介して、前記太陽光発電システムの電圧、出力及び/又は電流を収集してもよい。
【0054】
ステップ1333:前記インバータの充放電状態を判定する。
【0055】
具体的には、前記インバータの電流方向によって前記インバータの充放電状態を判定することができ、電流が前記電池に流れるときに、充電状態と判定して、電流が前記負荷に流れるときに、放電状態と判定する。
【0056】
ステップ1334:前記充放電状態と前記充放電制限値とに合わせて、前記二相の双方向インバータの出力電流が前記目標電流に達するか否かを判断する。
【0057】
具体的には、前記インバータが充電状態であると、前記二相の双方向インバータの出力電流がそれぞれ前記二相の双方向インバータの最大充電電流の制限値以下であるか否か、かつ、前記二相の双方向インバータの目標電流の和が前記電池の最大充電電流の制限値以下であるか否かを判断し、そうであれば、前記二相の双方向インバータの出力電流が前記目標電流に達すると判定する。
【0058】
あるいは、前記インバータが放電状態であると、前記二相の双方向インバータの出力電流がそれぞれ前記二相の双方向インバータの最大放電電流の制限値以下であるか否か、かつ、前記二相の双方向インバータの目標電流の和が前記電池の最大放電電流の制限値以下であるか否かを判断し、そうであれば、前記二相の双方向インバータの出力電流が前記目標電流に達すると判定する。
【0059】
実施例2
本発明に係る実施例は、充放電制御装置が提供されており、図6を参照し、図6は、本発明に係る実施例で提供される一つの充放電制御装置の構成を示しており、前記充放電制御装置200は、上記の応用場面で記載される二相のエネルギー貯蔵システム10に適用されることができ、前記二相のエネルギー貯蔵システムは、電池と二相の双方向インバータとを備えており、前記電池は前記二相の双方向インバータに接続されており、前記電池はエネルギー貯蔵に用いられるものであり、前記インバータは、前記二相のエネルギー貯蔵システムの二相の充放電を制御することに用いられるものであり、前記装置200は、取得モジュール210と、決定モジュール220と、制御モジュール230とを含む。
【0060】
前記取得モジュール210は、契約電流のアンペア数を取得するためのものであり、
前記決定モジュール220は、前記契約電流のアンペア数に基づいて前記二相の双方向インバータの目標電流を決定するためのものであり、
前記制御モジュール230は、フィードバック調節により、前記二相の双方向インバータを制御して前記目標電流に従って充放電を行うようにするためのものである。
【0061】
いくつかの実施例において、前記二相のエネルギー貯蔵システムは、ネットワーク要素管理システムとヒューマン・マシン・インタラクション・システムとをさらに備えており、前記ネットワーク要素管理システムは、通信回路を介して前記ヒューマン・マシン・インタラクション・システムに接続されており、
前記取得モジュール210は、前記ネットワーク要素管理システムと前記ヒューマン・マシン・インタラクション・システムとの間の通信ネットワークを介して前記契約電流のアンペア数を取得することにも用いられる。
【0062】
いくつかの実施例において、前記フィードバック調節は、前記二相の双方向インバータの出力電流に対する電流閉ループフィードバック調節であり、前記決定モジュール220は、前記契約電流のアンペア数に基づいて電流閉ループフィードバック調節を行うための目標電流を決定することにも用いられる。
【0063】
いくつかの実施例において、前記制御モジュール230は、電流閉ループフィードバック調節を行うためのフィードバック量を決定することと、
前記目標電流と前記フィードバック量とに基づいて、前記インバータの電流を線形的に調節することと、
調節後のリアルタイムな前記インバータの出力電流が前記目標電流に達するか否かを判断して、前記二相の双方向インバータが前記目標電流に従って充放電を行うことを判定することにも用いられる。
【0064】
いくつかの実施例において、前記制御モジュール230は、前記電池と前記インバータの状態データを取得することと、
前記状態データに基づいて、前記電池と前記インバータの充放電制限値を決定することと、
前記インバータの充放電状態を判定することと、
前記充放電状態と前記充放電制限値とに合わせて、前記二相の双方向インバータの出力電流が前記目標電流に達するか否かを判断することにも用いられる。
【0065】
いくつかの実施例において、前記二相のエネルギー貯蔵システムは、
一端が前記電池に接続され、他端が前記通信回路を介して前記ネットワーク要素管理システムに接続される電池管理システムをさらに備えており、
前記ネットワーク要素管理システムも通信回路を介して前記二相の双方向インバータに接続されており、
前記制御モジュール230は、前記ネットワーク要素管理システムと前記電池管理システムの通信ネットワークを介して、前記電池の状態データを取得することと、
前記ネットワーク要素管理システムと前記インバータの通信ネットワークを介して、前記二相の双方向インバータの状態データを取得することにも用いられる。
【0066】
いくつかの実施例において、前記制御モジュール230は、前記インバータが充電状態であると、前記二相の双方向インバータの出力電流がそれぞれ前記二相の双方向インバータの最大充電電流の制限値以下であるか否か、かつ、前記二相の双方向インバータの目標電流の和が前記電池の最大充電電流の制限値以下であるか否かを判断し、
そうであれば、前記二相の双方向インバータの出力電流が前記目標電流に達する判定することにも用いられる。
【0067】
いくつかの実施例において、前記制御モジュール230は、前記インバータが放電状態であると、前記二相の双方向インバータの出力電流がそれぞれ前記二相の双方向インバータの最大放電電流の制限値以下であるか否か、かつ、前記二相の双方向インバータの目標電流の和が前記電池の最大放電電流の制限値以下であるか否かを判断し、
そうであれば、前記二相の双方向インバータの出力電流が前記目標電流に達すると判定することにも用いられる。
【0068】
実施例3
本発明に係る実施例は、二相のエネルギー貯蔵システムがさらに提供されており、図7を参照し、図7は、図3図5で記載される充放電制御方法を実行可能な二相のエネルギー貯蔵システムのハードウェア構成を示す。前記二相のエネルギー貯蔵システム10は、図1及び/又は図2に示される二相のエネルギー貯蔵システム10であってもよい。
【0069】
前記二相のエネルギー貯蔵システム10は、電池11と、二相の負荷13と、二相の太陽光発電システム14及び/又は二相の電力網15と、一端が前記電池11に接続され、他端がそれぞれ前記二相の負荷13、及び前記二相の太陽光発電システム14及び/又は前記二相の電力網15に接続される双方向インバータ12と、前記双方向インバータ12に接続される少なくとも1つのプロセッサ101と、前記少なくとも1つのプロセッサ101に通信接続されるメモリ102と、を備えており、図7において、1つのプロセッサ101を例にとる。
【0070】
前記メモリ102に前記少なくとも1つのプロセッサ101によって実行可能なコマンドが記憶され、前記コマンドは前記少なくとも1つのプロセッサ101によって実行され、前記少なくとも1つのプロセッサ101に上記の図3図5で記載される充放電制御方法を実行させることができる。前記プロセッサー101と前記メモリ102は、バス又は他の手段で接続されてもよく、図7において、バスで接続されることを例にとる。
【0071】
メモリ102は、一つのコンピュータ読み取り可能な不揮発性記憶媒体として、本出願に係る実施例における充放電制御方法に対応するプログラムコマンド/モジュール(例えば、図6に示す各モジュール)のような、不揮発性ソフトウェアプログラム、コンピュータで実行可能な不揮発性プログラム及びモジュールを記憶することに用いられることができる。プロセッサ101は、メモリ102に記憶される不揮発性ソフトウェアプログラム、コマンド及びモジュールを実行することによって、サーバの各種の機能アプリ及びデータ処理を実行し、即ち、上記方法に係る実施例である充放電制御方法を実現する。
【0072】
メモリ102は、プログラム記憶領域とデータ記憶領域を含んでもよく、ここで、プログラム記憶領域には、システム、少なくとも1つの機能を取り扱うために必要であるアプリプログラムを記憶でき、データ記憶領域には、充放電制御装置の利用に従って生成されるデータなどを記憶できる。また、メモリ102は、高速ランダムアクセスメモリを含んでもよく、少なくとも1つの磁気ディスクメモリデバイス、フラッシュメモリデバイス、又は他の不揮発性固体メモリデバイスのような不揮発性メモリをさらに含んでもよい。いくつかの実施例においては、メモリ102は、プロセッサ101に対して長距離に設置され、ネットワークで充放電制御装置に接続されるリモートメモリを含んでもよい。上記ネットワークの実際な例には、インターネット、イントラネット、LAN、モバイル通信ネット及びその組み合わせが含まれるが、これらに限定されない。
【0073】
前記1つ又は複数のモジュールは前記メモリ102に記憶され、前記1つ又は複数のプロセッサ101により実行される時に、上記のいずれの方法の実施例における充放電制御方法を実行し、例えば、以上に説明される図3図5における方法のステップを実行し、図6における各モジュールの機能を実現する。
【0074】
上記の製品は、本出願に係る実施例により提供される方法を実行でき、方法の実行に対応する機能モジュールと有益な効果を備える。本実施例において詳細に説明しない技術細部については、本出願に係る実施例により提供される方法を参照できる。
【0075】
本出願に係る実施例は、コンピュータ読み取り可能な不揮発性記憶媒体がさらに提供されており、前記コンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、コンピュータで実行可能なコマンドが記憶されて、このコンピュータで実行可能なコマンドは、1つまたは複数のプロセッサによって実行されて、例えば、以上に説明される図3図5における方法のステップを実行し、図6における各モジュールの機能を実現する。
【0076】
本出願に係る実施例は、コンピュータ読み取り可能な不揮発性記憶媒体に記憶されるコンピュータプログラムを含むコンピュータプログラム製品がさらに提供されており、前記コンピュータプログラムはプログラムコマンドを含み、前記プログラムコマンドがコンピュータにより実行される時に、前記コンピュータに上記のいずれの方法の実施例における充放電制御方法を実行させ、例えば、以上に説明される図3図5における方法のステップを実行させ、図6における各モジュールの機能を実現する。
【0077】
本発明に係る実施例においては、充放電制御方法、装置及び二相のエネルギー貯蔵システムが提供されており、このシステムは、電池と二相の双方向インバータとを備えており、前記電池は前記二相の双方向インバータに接続されており、前記電池はエネルギー貯蔵に用いられるものであり、前記インバータは、前記二相のエネルギー貯蔵システムの二相の充放電を制御することに用いられるものであり、この方法は、前記契約電流のアンペア数に基づいて前記二相の双方向インバータの目標電流を決定して、フィードバック調節により、前記二相の双方向インバータを制御して前記目標電流に従って充放電を行うようにすることができ、本発明に係る実施例により提供される充放電制御方法は、電力供給契約書における最大電流に対する要求を超えないように、契約電流のアンペア数に基づいてエネルギー貯蔵システムにおける各負荷の電流作動状況を知的に調整することができる。
【0078】
なお、以上に説明された装置に係る実施例は、模式的なものだけであり、その中、上記した離間部品として説明されるユニットは、物理的に離間してもよいし、離間しなくてもよく、ユニットとして表される部品は、物理的なユニットでもよいし、物理的なユニットでなくてもよく、即ち、1つの箇所に位置してもよいし、複数のネットユニットに分布されて位置してもよい。実際の必要に応じてその中の一部又は全部のモジュールを選択して本実施例考案の目的を実現できる。
【0079】
以上の実施形態の説明によって、各実施形態が、ソフトウェアに汎用なハードウェアプラットフォームを加えることによって実現されてもよく、もちろん、ハードウェアによって実現されてもよいことは、当業者にとって明らかである。上記実施例方法の中の全部又は一部のフローの実現が、コンピュータプログラムが関連するハードウェアにコマンドを与えることによって成されることは、当業者にとって理解できる。上記プログラムは、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶されてもよく、このプログラムは実行される時に、上記各方法の実施例のようなフローを含んでもよい。その中、上記の記憶媒体は、磁気ディスク、光ディスク、リードオンリーメモリ(Read-Only Memory;ROM)、又はランダムアクセスメモリ(Random Access Memory;RAM)などであってもよい。
【0080】
最後に説明する。以上の実施例は、本発明の技術案を説明するためのものだけであり、これに制限されなく、本発明の主旨下、以上の実施例又は異なる実施例における技術特徴同士はお互いに組み合わせることができ、ステップはいずれの手順で実現でき、また、上記のような本発明の異なる局面での多くの他の変更があるが、説明の簡略化のために細部に提供されなく、前記実施例を参照して本発明を詳細に説明したが、当業者にとって理解されるべきように、依然として前記各実施例に記載される技術案に対して修飾し、又は、その中の一部の技術特徴を同等に置き換えることができ、これらの修飾又は置き換えは、対応する技術案を実質的に本発明の各実施例の技術案の範囲から逸脱させることはない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7