(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-18
(45)【発行日】2024-03-27
(54)【発明の名称】マッサージ深さを調整可能なマッサージ装置
(51)【国際特許分類】
A61H 23/02 20060101AFI20240319BHJP
【FI】
A61H23/02 354
A61H23/02 330
(21)【出願番号】P 2023090124
(22)【出願日】2023-05-31
【審査請求日】2023-05-31
(31)【優先権主張番号】202310250406.4
(32)【優先日】2023-03-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】520117710
【氏名又は名称】深▲せん▼市予一電子科技有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】周 瑩
(72)【発明者】
【氏名】李 兵
【審査官】今関 雅子
(56)【参考文献】
【文献】中国実用新案第217091371(CN,U)
【文献】中国実用新案第213723448(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61H 23/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動手段と、前記駆動手段に直接接続される偏心輪であるクランクと、リンクと、マッサージヘッドユニットと、を含み、リンクは、一端がクランクに接続され、他端がマッサージヘッドユニットに接続され、駆動手段は、回転中心軸線L1を中心にして回転して、リンクを介してマッサージヘッドユニットを駆動してマッサージ動作を行わせるようにクランクを駆動して回転させることに用いられる、マッサージ深さを調整可能なマッサージ装置であって、
前記駆動手段は出力軸を含み、前記出力軸は、前記クランクに接続されて、クランクを駆動して、前記回転中心軸線L1を中心にして正逆転させ、前記回転中心軸線L1に位置し、
前記リンクの一端は、移動接続ユニットを介してクランクに接続され、
前記マッサージ装置は、調整ユニットをさらに含み、
前記移動接続ユニットは、互いにねじ嵌合されるナット部材とボルト部材を含み、前記ボルト部材は、ねじ軸と頭部を含み、前記ナット部材は前記ねじ軸に嵌め込まれ、前記ナット部材は前記リンクの一端に接続され、前記ボルト部材は前記クランクに取り付けられ、前記調整ユニットにより前記ボルト部材を正逆転駆動し、これにより、前記ナット部材が
前記ねじ軸に沿っ
た第1
方向に往復運動し、且つ、前記リンクとクランクとの接続位置の、前記回転中心軸線L1に対する距離が変わり、これによって、マッサージヘッドユニットのマッサージ深さが調整される、ことを特徴とするマッサージ装置。
【請求項2】
前記ボルト部材の頭部は歯状頭部であり、前記調整ユニットは、ボルト部材の歯状頭部と噛み合って伝動することで前記ボルト部材の頭部を正逆転駆動する歯状構造を含むか、又は、
前記調整ユニットは、前記ボルト部材の頭部に引張力を供給することで前記ボルト部材の頭部を正逆転駆動することを特徴とする請求項
1に記載のマッサージ装置。
【請求項3】
前記調整ユニットは前記歯状構造を有し、
前記歯状構造はラック又は歯車であり、前記ボルト部材の歯状頭部は平歯又は斜歯であ
ることを特徴とする請求項2に記載のマッサージ装置。
【請求項4】
前記調整ユニットは、前記ボルト部材の頭部に接続されて引張力を供給する引張ロッドを含む、ことを特徴とする請求項2に記載のマッサージ装置。
【請求項5】
前記調整ユニット
は歯状構造
を有し、
前記ボルト部材は傘歯車であり、前記歯状頭部は傘歯頭部であり、前記調整ユニットの歯状構造は
傘歯車であり、傘歯車は傘歯頭部とねじ軸を含む、ことを特徴とする請求項2に記載のマッサージ装置。
【請求項6】
前記ナット部材は、前記リンクの一端のピボット軸に接続され、ピボット軸が中心軸線L2に位置し、中心軸線L2は回転中心軸線L1に平行であり、
ボルト部材の中心軸線は、クランクの回転径方向に設けられ、回転中心軸線L1と直交する、ことを特徴とする請求項1に記載のマッサージ装置。
【請求項7】
前記調整ユニットは、ねじユニットと伝動ユニットとを含み、前記伝動ユニットは、前記移動接続ユニットと前記ねじユニットとの間に接続され、
前記ねじユニットは、回転可能な調整ディスクと、前記調整ディスク
に接続されてその回転運動を前記第1
方向に交差する第2
方向に沿った
直線運動に変えるねじ接続ジャケットとを含み、
前記伝動ユニットは、前記ねじ接続ジャケットに接続された移動ブロックと、一端で前記移動ブロックに接続され他端で前記ボルト部材の前記頭部に接続された伝動部材と、を含み、前記ねじユニットの回転運動により前記移動ブロックの前記
直線運動が駆動され、前記移動ブロックの前記
直線運動により前記伝動部材が前記第2
方向に運動駆動され、前記伝動部材の運動により前記移動接続ユニットが前記第1
方向に運動駆動され、
手動又は電動駆動手段により前記ねじユニットが運動駆動される、ことを特徴とする請求項1~
6のいずれか1項に記載のマッサージ装置。
【請求項8】
前記調整ユニットは、ねじユニットと、伝動ユニットと、を含み、
前記伝動ユニットは、移動ブロックと、伝動部材と、を含み、前記移動ブロックは前記ねじユニットに接続され、前記ねじユニットの運動により前記移動ブロックが運動駆動され、
前記移動ブロックは前記伝動部材と嵌合し、移動ブロックにより前記伝動部材が運動駆動されるか、又は、前記伝動部材と前記移動ブロックは一体部材とされ、移動ブロックと伝動部材は同期して運動し、前記伝動部材の運動により前記移動接続ユニットが運動駆動される、
ことを特徴とする請求項1~
6のいずれか1項に記載のマッサージ装置。
【請求項9】
前記ねじユニットは、調整ディスクと、調整ディスクにねじ嵌合するねじ接続ジャケットと、を含み、
調整ディスクには、雌ねじ孔として構成される中心軸孔が設けられ、ねじ接続ジャケットは雄ねじケーシングとして構成され、一端が調整ディスクの中心軸孔内に嵌め込まれてねじ嵌合し、他端が前記移動ブロックに接続され、前記調整ディスクが正逆転すると、前記ねじ接続ジャケットは、調整ディスクの中心軸孔に沿って直線往復運動し、ねじ接続ジャケットの直線往復運動により前記移動ブロックが駆動されて直線往復運動し、
手動又は電動駆動手段により前記調整ディスクが正逆転する、ことを特徴とする請求項
8に記載のマッサージ装置。
【請求項10】
前記移動ブロックには中心軸孔が設けられ、
前記ねじ接続ジャケットの他端は前記移動ブロックの中心軸孔と互いにネストされ、
前記出力軸の外部に前記出力軸を保護するための軸ブッシュが同軸に配置され、前記出力軸は前記軸ブッシュ内を正逆転可能であり、
前記出力軸及び軸ブッシュは、前記調整ディスクの中心軸孔及び中心軸孔内のねじ接続ジャケットに挿入されるとともに、前記移動ブロックの中心軸孔に挿入される、ことを特徴とする請求項
9に記載のマッサージ装置。
【請求項11】
ねじ接続ジャケットの内壁と前記軸ブッシュとの間に、ねじ接続ジャケットを軸ブッシュに沿って直線往復運動させる制限案内構造が設けられ、
前記移動ブロックと前記クランクとの間に、移動ブロックのクランクに対する直線往復運動及びクランクと同期化した正逆転運動に対して案内及び制限を行うための制限案内構造が設けられ、
前記ねじ接続ジャケットの他端と前記移動ブロックの中心軸孔との間に、環状フランジ-環状溝嵌合構造が設けられ、フランジが環状溝内に嵌められることにより、ねじ接続ジャケットの他端は前記移動ブロックに接続され、
移動ブロックとねじ接続ジャケットとは、移動ブロックがねじ接続ジャケットに対して正逆転可能であるとともに、ねじ接続ジャケットと同期して直線往復可能であるように接続されている、ことを特徴とする請求項
10に記載のマッサージ装置。
【請求項12】
前記伝動部材は歯状構造であり、前記移動接続ユニットは、互いにねじ嵌合するナット部材とボルト部材を含み、ボルト部材はねじ軸と頭部を含み、
前記ボルト部材の頭部は、前記歯状構造の伝動部材と噛み合って伝動して、伝動部材の運動によりボルト部材を正逆転駆動する歯状頭部であるか、又は、前記伝動部材は、前記ボルト部材の頭部に引張力を供給することで、伝動部材の運動によりボルト部材を正逆転駆動する、ことを特徴とする請求項
9に記載のマッサージ装置。
【請求項13】
前記伝動部材は傘歯車又は平歯車であり、ねじ軸と、傘歯頭部又は平歯頭部と、を含み、前記移動ブロックに雌ねじ孔が設けられ、前記伝動部材のねじ軸は前記雌ねじ孔内に挿入されてねじ嵌合し、前記移動ブロックの直線往復運動により前記伝動部材が正逆転駆動され、前記ボルト部材の歯状頭部は傘歯頭部又は平歯頭部であり、伝動部材とボルト部材の2つの傘歯頭部又は2つの平歯頭部は噛み合って伝動し、伝動部材の正逆転運動により前記ボルト部材が正逆転駆動されるか、又は
前記伝動部材はラックであり、前記ラックは前記移動ブロックに設けられるか、又は移動ブロックと一体部材とされ、移動ブロックと同期して直線往復移動し、ラックと前記ボルト部材の歯状頭部は噛み合って伝動し、ラックの直線往復運動により前記ボルト部材が正逆転駆動されるか、又は
前記伝動部材は引張ロッドであり、前記引張ロッドは前記移動ブロックに設けられるか、又は移動ブロックと一体部材とされ、移動ブロックと同期して直線往復移動し、引張ロッドの末端は前記ボルト部材の頭部に接続され、引張ロッドの直線往復運動により前記ボルト部材の頭部に引張力が供給され、ボルト部材を正逆転駆動する、ことを特徴とする請求項
12に記載のマッサージ装置。
【請求項14】
ケースと、電源ユニットと、制御盤ユニットと、を含み、前記駆動手段、クランク、リンク、マッサージヘッドユニット、電源ユニット、及び制御盤ユニットはケース内に設けられ、前記制御盤ユニットは、主制御盤と、ボタンと、を含み、前記ボタン、電源ユニット、駆動手段は主制御盤に電気的に接続され、前記主制御盤には外部電源インターフェースが設けられている、ことを特徴とする請求項1に記載のマッサージ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヘルスケア機器の技術分野に関し、特にマッサージ深さを調整可能なマッサージ装置である。
【背景技術】
【0002】
現在、マッサージ装置はリラックスと健康維持のためによく使用されているツールであり、例えば筋膜銃は、エクササイズの後にストレッチ回復に好適なツールである。生活の中で無視できないほどの痛みが生じる場合が多く、プロのスポーツ選手や一般のレジャー愛好者を問わず、きっと筋肉痛の経験があって、筋膜銃は振働を通じて主に大筋群をマッサージして、筋膜をリラックスさせ、凝り感を減らし、プロのスポーツ選手であってもアマチュアボディービルダーであっても、筋膜銃を利用して訓練を効率化することができる。筋膜銃は振動の周波数を活用して、筋肉の痙攣を緩和し、血流量を増やし、筋肉の回復時間を大幅に短縮する。
【0003】
既存の筋膜銃では、モータ軸に偏心輪が接続され、偏心輪にリンクが回転可能に接続され、リンクの両端にモータ軸とマッサージヘッドが接続され、モータ軸が回転して、偏心輪とリンクを介してマッサージヘッドを前後に移動させて人体に高周波打撃を与える。しかし、一般的なこのような構造は、マッサージの力と振幅が1種しかなく、マッサージ深さも1つしか得られず、人体の各部位の筋膜層の厚さの違いのため、例えば、頭部、手、脚、臀部、背中などの異なる位置の筋膜層の深さが一致していないため、マッサージヘッドのマッサージ深さもそれに合わせて調整する必要があるが、従来の筋膜銃はこのような調整をすることができない。
【0004】
したがって、現在市販されている筋膜銃などのマッサージ装置ではマッサージヘッドの移動深さを調整できないという問題を解決できるマッサージ装置を提供することが必要とされている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする技術的課題は、従来のマッサージ装置ではマッサージヘッドの移動深さを調整できないという問題を解決するマッサージ深さを調整可能なマッサージ装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の技術的課題を解決するために、本発明は、下記技術案を採用している。
駆動手段と、クランクと、リンクと、マッサージヘッドユニットと、を含み、リンクは、一端がクランクに接続され、他端がマッサージヘッドユニットに接続され、駆動手段は、回転中心軸線L1を中心にして回転して、リンクを介してマッサージヘッドユニットを駆動してマッサージ動作を行わせるようにクランクを駆動することに用いられるマッサージ深さを調整可能なマッサージ装置であって、
前記リンクの一端は、移動接続ユニットを介してクランクに接続され、
前記マッサージ装置は、調整ユニットをさらに含み、前記調整ユニットによって前記移動接続ユニットを運動駆動し、移動接続ユニットの運動により、前記リンクとクランクとの接続位置の、前記回転中心軸線L1に対する距離が変わり、これによって、マッサージヘッドユニットのマッサージ深さが調整される。
【0007】
いくつかの実施例では、前記移動接続ユニットは、互いにねじ嵌合されるナット部材とボルト部材を含み、前記ボルト部材は、ねじ軸と頭部を含み、前記ナット部材は前記ねじ軸に嵌め込まれ、ボルト部材が正逆転すると、前記ナット部材はねじ軸に沿って直線往復運動し、前記ナット部材は前記リンクの一端に接続され、前記ボルト部材は前記クランクに取り付けられ、前記調整ユニットは前記ボルト部材を正逆転駆動する。
【0008】
いくつかの実施例では、前記ボルト部材の頭部は歯状頭部であり、前記調整ユニットは、ボルト部材の歯状頭部と噛み合って伝動することで前記ボルト部材の頭部を正逆転駆動する歯状構造を含むか、又は、
前記頭部はキャップ頭部であり、前記調整ユニットは、キャップ頭部に接線方向力を供給することで前記ボルト部材の頭部を正逆転駆動する接線方向力機構を含む。
【0009】
いくつかの実施例では、前記調整ユニットの歯状構造はラック又は歯車であり、この場合、前記ボルト部材の歯状頭部は平歯又は斜歯であり、
前記調整ユニットの接線方向力機構は引張ロッドであり、前記引張ロッドはキャップ頭部に接続されて、接線方向引張力を供給する。
【0010】
いくつかの実施例では、前記ボルト部材は傘歯車であり、前記歯状頭部は傘歯頭部であり、前記調整ユニットの歯状構造はラック又は傘歯車であり、傘歯車は傘歯頭部とねじ軸を含む。
【0011】
いくつかの実施例では、前記ナット部材は、前記リンクの一端のピボット軸に接続され、ピボット軸が中心軸線L2に位置し、中心軸線L2は回転中心軸線L1に平行であり、
ボルト部材の中心軸線は、クランクの回転径方向に設けられ、回転中心軸線L1と直交する。
【0012】
いくつかの実施例では、前記調整ユニットは、ねじユニット又は歯車ユニットを含み、伝動ユニットをさらに含み、前記伝動ユニットは、前記移動接続ユニットと前記ねじユニット又は歯車ユニットとの間に接続され、前記伝動ユニットはねじユニット又は歯車ユニットの運動を通じて前記移動接続ユニットを運動駆動し、
前記伝動ユニットは、移動ブロックと、伝動部材と、を含み、前記移動ブロックは前記ねじユニット又は歯車ユニットに接続され、前記ねじユニット又は歯車ユニットの運動により前記移動ブロックが運動駆動され、前記移動ブロックの運動により伝動部材が運動駆動され、前記伝動部材の運動により前記移動接続ユニットが運動駆動され、
手動又は電動駆動手段により前記ねじユニット又は歯車ユニットが運動駆動される。
【0013】
いくつかの実施例では、前記調整ユニットは、ねじユニットと、伝動ユニットと、を含み、
前記伝動ユニットは、移動ブロックと、伝動部材と、を含み、前記移動ブロックは前記ねじユニットに接続され、前記ねじユニットの運動により前記移動ブロックが運動駆動され、
前記移動ブロックは前記伝動部材と嵌合し、移動ブロックにより前記伝動部材が運動駆動されるか、又は、前記伝動部材と前記移動ブロックは一体部材とされ、移動ブロックと伝動部材は同期して運動し、前記伝動部材の運動により前記移動接続ユニットが運動駆動され、
前記駆動手段は出力軸を含み、前記出力軸は、前記クランクに接続されて、クランクを駆動して、前記回転中心軸線L1を中心にして正逆転させ、前記回転中心軸線L1に位置する。
【0014】
いくつかの実施例では、前記ねじユニットは、調整ディスクと、調整ディスクにねじ嵌合するねじ接続ジャケットと、を含み、
調整ディスクには、雌ねじ孔として構成される中心軸孔が設けられ、ねじ接続ジャケットは雄ねじケーシングとして構成され、一端が調整ディスクの中心軸孔内に嵌め込まれてねじ嵌合し、他端が前記移動ブロックに接続され、前記調整ディスクが正逆転すると、前記ねじ接続ジャケットは、調整ディスクの中心軸孔に沿って直線往復運動し、ねじ接続ジャケットの直線往復運動により前記移動ブロックが駆動されて直線往復運動し、
手動又は電動駆動手段により前記調整ディスクが正逆転する。
【0015】
いくつかの実施例では、前記移動ブロックには中心軸孔が設けられ、前記クランクには中心軸孔が設けられており、
前記ねじ接続ジャケットの他端は前記移動ブロックの中心軸孔と互いにネストされ、
前記出力軸の外部に前記出力軸を保護するための軸ブッシュが同軸に配置され、前記出力軸は前記軸ブッシュ内を正逆転可能であり、
前記出力軸及び軸ブッシュは、前記調整ディスクの中心軸孔及び中心軸孔内のねじ接続ジャケットに挿入されるとともに、前記移動ブロックの中心軸孔に挿入され、出力軸の末端はクランクの中心軸孔に接続されて、クランクを駆動して同期して正逆転させる。
【0016】
いくつかの実施例では、ねじ接続ジャケットの内壁と前記軸ブッシュとの間に、ねじ接続ジャケットを軸ブッシュに沿って直線往復運動させる制限案内構造が設けられ、
前記移動ブロックと前記クランクとの間に、移動ブロックのクランクに対する直線往復運動及びクランクと同期化した正逆転運動に対して案内及び制限を行うための制限案内構造が設けられ、
前記ねじ接続ジャケットの他端と前記移動ブロックの中心軸孔との間に、環状フランジ-環状溝嵌合構造が設けられ、フランジが前記環状溝内に嵌められることにより、ねじ接続ジャケットの他端は前記移動ブロックに接続され、
移動ブロックとねじ接続ジャケットとは、移動ブロックがねじ接続ジャケットに対して正逆転可能であるとともに、ねじ接続ジャケットと同期して直線往復可能であるように接続されている。
【0017】
いくつかの実施例では、前記伝動部材は歯状構造であり、前記移動接続ユニットは、互いにねじ嵌合するナット部材とボルト部材を含み、ボルト部材はねじ軸と頭部を含み、
前記ボルト部材の頭部は、前記歯状構造の伝動部材と噛み合って伝動して、伝動部材の運動によりボルト部材を正逆転駆動する歯状頭部であるか、又は、前記伝動部材は、前記ボルト部材の頭部に接線方向力を供給することで、伝動部材の運動によりボルト部材を正逆転駆動する接線方向力機構である。
【0018】
いくつかの実施例では、前記伝動部材は傘歯車又は平歯車であり、ねじ軸と、傘歯頭部又は平歯頭部と、を含み、前記移動ブロックに雌ねじ孔が設けられ、前記伝動部材のねじ軸は前記雌ねじ孔内に挿入されてねじ嵌合し、前記移動ブロックの直線往復運動により前記伝動部材が正逆転駆動され、前記ボルト部材の歯状頭部は傘歯頭部又は平歯頭部であり、伝動部材とボルト部材の2つの傘歯頭部又は2つの平歯頭部は噛み合って伝動し、伝動部材の正逆転運動により前記ボルト部材が正逆転駆動されるか、又は
前記伝動部材はラックであり、前記ラックは前記移動ブロックに設けられるか、又は移動ブロックと一体部材とされ、移動ブロックと同期して直線往復移動し、ラックと前記ボルト部材の歯状頭部は噛み合って伝動し、ラックの直線往復運動により前記ボルト部材が正逆転駆動されるか、又は
前記伝動部材は引張ロッドであり、前記引張ロッドは前記移動ブロックに設けられるか、又は移動ブロックと一体部材とされ、移動ブロックと同期して直線往復移動し、引張ロッドの末端は前記ボルト部材の頭部に接続され、引張ロッドの直線往復運動により前記ボルト部材の頭部に接線方向引張力が供給され、ボルト部材を正逆転駆動する。
【0019】
いくつかの実施例では、前記マッサージ装置は、ケースと、電源ユニットと、制御盤ユニットと、を含み、前記駆動手段、クランク、リンク、マッサージヘッドユニット、電源ユニット、及び制御盤ユニットはケース内に設けられ、前記制御盤ユニットは、主制御盤と、ボタンと、を含み、前記ボタン、電源ユニット、駆動手段は主制御盤に電気的に接続され、前記主制御盤には外部電源インターフェースが設けられている。
【発明の効果】
【0020】
本発明の有益な効果は以下のとおりである。
本発明のマッサージ深さを調整可能なマッサージ装置は、調整ディスク及びねじ伝動を設けることで、マッサージヘッドを接続するリンクが偏心輪の軸心に接近又は離間して調整されて、偏心距離を調整することを可能にし、これによって、マッサージヘッドの移動深さ又はマッサージ深さの調整が可能とされている。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本発明の実施例に係るマッサージ深さを調整可能なマッサージ装置の斜視図である。
【
図2】本発明の実施例に係るマッサージ深さを調整可能なマッサージ装置の部分構造の斜視図である。
【
図3】本発明の実施例に係るマッサージ深さを調整可能なマッサージ装置の部分構造の斜視図である。
【
図4】本発明の実施例に係るマッサージ深さを調整可能なマッサージ装置の部分構造断面図である。
【
図5】本発明の実施例に係るマッサージ深さを調整可能なマッサージ装置の解体図である。
【
図8】本発明の実施例の調整ユニット及びクランクリンクユニットの概略図である。
【
図9】本発明の第2実施例に係るマッサージ深さを調整可能なマッサージ装置の解体図。
【
図10】本発明の第2実施例に係るマッサージ深さを調整可能なマッサージ装置の部分構造断面図である。
【
図11】本発明の第2実施例に係るマッサージ深さを調整可能なマッサージ装置の部分構造断面図である。
【
図12】本発明の第2実施例に係るマッサージ深さを調整可能なマッサージ装置の部分構造断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を参照して、本願の例示的な実施形態についてより詳細に説明する。本願の例示的な実施形態が図面に示されているが、本願は、ここで記載された実施形態に限定されるべきではなく、様々な形態で実施され得ることが理解されるべきである。むしろ、これらの実施形態は、本願をより完全に理解することを可能にし、本願の範囲を当業者に完全に伝えることを可能にするために提供される。
【0023】
なお、本明細書で使用される用語は、特定の例示的な実施形態を説明する目的のみであり、限定することを意図していない。文脈で別途明示的に指摘されない限り、本明細書で使用される単数形「1」、「1つ」、及び「前記」は、複素数形を含んでもよい。用語「含む」、「備える」、「含む」、及び「有する」は包含的であり、したがって、記載された特徴、ステップ、動作、要素、及び/又は構成要素の存在を示すが、1つ又は複数の他の特徴、ステップ、動作、要素、構成要素、及び/又はそれらの組み合わせの存在又は追加を排除するものではない。本明細書に記載された方法ステップ、プロセス、及び動作は、実行順序が明示的に示されていない限り、記載された又は示された特定の順序で実行される必要があるとは解釈されない。さらに、追加的又は代替的なステップが使用されてもよいことを理解すべきである。
【0024】
複数の要素、構成要素、領域、層、及び/又はセグメントは、第1、第2などの用語を使用して記述されてもよいが、これらの要素、構成要素、領域、層、及び/又はセグメントは、これらの用語によって限定されるべきではない。これらの用語は、1つの要素、構成要素、領域、層、又はセグメントを別の領域、層、又はセグメントから区別するためにのみ使用することができる。文脈で明示的に指摘されない限り、「第1」、「第2」などの用語、及び他の数値用語は、本明細書で使用される場合、順序又は優先順位を暗示するものではない。したがって、以下で説明する要素、構成要素、領域、層、又はセグメントの一部は、例示的な実施形態の教示から逸脱することなく、第2要素、構成要素、領域、層、又はセグメントと称されてもよい。
【0025】
説明を容易にするために、図に示されているような1つの要素又は特徴の別の要素又は特徴に対する関係は、空間的な相対関係用語を使用して説明することができ、これらの相対関係用語は、例えば、「内部」、「外部」、「内側」、「外側」、「下」、「下」、「上方」、「上方」、「先端」、「後側」などである。このような空間的相対関係の用語は、図に示されている方位に加えて、使用中又は動作中の装置の異なる方位を含むことを意味する。例えば、図における装置が反転した場合、「他の要素又は特徴の下に」又は「他の要素又は特徴の下方に」として記述された要素は、「他の要素又は特徴の上に」又は「他の要素又は特徴の上方に」となるように方向付けられる。したがって、例示的な用語「下方にある」は、上及び下にある方位を含んでもよい。装置は、さらに(90度回転又は他の方向に)方向付けられてもよく、ここで使用される空間的相対関係の記述はそれに応じて解釈されてもよい。
【0026】
図1~12に示すように、本発明に係るマッサージ深さを調整可能なマッサージ装置は、ケース7と、ケース7内に取り付けられた駆動手段1、クランクリンクユニット2、調整ユニット3、マッサージヘッドユニット4、電源ユニット、及び制御盤ユニットと、を含む。クランクリンクユニット2は、クランク20と、リンク21と、を含む。駆動手段1は、クランク20に接続されて、駆動クランク20を回転させ、回転中心軸線はL1である。一例として、クランク20に中心軸孔22が設けられ、駆動手段1は、正逆転可能な出力軸10を含み、出力軸10は中心軸孔22に接続されてクランク20を同期して回動させ、出力軸10は、中心軸孔22に同軸であって、回転中心軸線L1に対応している。リンク21の両端にはマッサージヘッドユニット4とクランク20がそれぞれ接続され、クランクは回転してリンク21を往復運動駆動することで、マッサージヘッドユニット4にマッサージ動作を行わせる。リンク21のクランク20への接続位置が移動調整され得る。リンク21のクランク20への接続位置の中心軸線がL2である。クランク20/駆動手段出力軸10/回転中心軸線L1に対して、中心軸線L2/リンク21のクランク20への接続位置が調整可能である。リンク21のクランク20での接続位置/中心軸線L2と駆動手段の出力軸10/クランクの中心軸孔22/回転中心軸線L1との間の距離が、クランクの回転半径Rに対応しており、移動調整されてもよく、リンク21のクランク20での接続位置(中心軸線L2)が駆動手段の出力軸10/クランクの中心軸孔22に接近又は離間し、すなわち、回転半径Rが減少又は増大することによって、マッサージヘッドユニット4のマッサージ深さ(振幅)が調整される。マッサージヘッドユニット4は、接続ユニット40と、マッサージヘッド41と、を含み、接続ユニット40はマッサージヘッド41及びリンク21に接続され、リンク21の往復運動は接続ユニット40を介してマッサージヘッド41をピストンのように往復運動させ、繰り返し叩いてマッサージする機能を実現する。制御盤ユニットは主制御盤6を含む。電源ユニット、駆動手段1は主制御盤に電気的に接続されて、駆動手段1への給電及びマッサージ装置の作動制御を実現する。調整ユニット3は、リンク21のクランク20での接続位置(中心軸線L2)の調節に用いられ、すなわち、クランク20の回転半径Rを調整して、マッサージヘッド41の振幅を調整することで、筋膜層に応じた叩き深さを採用するという目的を達成させることに用いられる。ケース7は、フロントケース70と、リアケース71と、エンドケース73、74と、を含み、これらは結合されて内部の取り付けチャンバーを形成する。フロントケース71はスリーブの形状として構成され、マッサージヘッドユニット4の接続ユニット40はフロントケースのスリーブ内に取り付けられて、マッサージヘッド41をケースのスリーブに沿って往復運動させる。
【0027】
リンク21のクランク20での接続位置の中心軸線L2が駆動手段出力軸10又は回転中心軸線L1に平行であるので、説明の便宜上、軸線L1、L2の方向又はこれらに平行である方向は、軸方向、上下直線方向又は垂直方向として定義され、軸線L1、L2に直交する方向は、水平方向、左右方向又は径方向として定義される。リンク21のクランク20での接続位置/中心軸線L2と、駆動手段の出力軸10/クランクの中心軸孔22/回転中心軸線L1との間の距離が、クランクの回転半径Rに対応している。
【0028】
図6に示すように、本実施例では、前記駆動手段1は、正逆転可能な出力軸10を含む。出力軸の外部に軸ブッシュ100が設けられており、軸ブッシュ100は、駆動手段の取り付けブラケットに取り付けられた固定構造であってもよく、出力軸10に同軸に設けられ、出力軸10の外部に嵌め込まれて出力軸10を保護し、出力軸10は軸ブッシュ内を回転する。一例として、軸ブッシュ100の外壁に軸方向制限案内構造13が設けられており、一例として、制限案内構造13は、直線状シュートや直線状レール(リブ)などの構造であってもよく、調整ユニット3の軸方向(上下)に沿う運動を制限したり案内したりする。出力軸10は、クランクに接続されて、クランクを同期して回動駆動し、固定接続方式の一例として、出力軸10には固定接続構造がさらに設けられ、例えば出力軸10の末端12に孔11が設けられ、末端12は、クランク20の中心軸孔に確実に接続されて、同期回動を可能にすることから、好ましくは非円柱状である。本実施例では、駆動手段1はモータであるが、従来技術における他の駆動方式はクランク20を正逆転駆動するために使用されてもよい。
【0029】
図7に示すように、一例として、クランク20には中心軸孔22が設けられており、中心軸孔22は、好ましくは非円形孔であり、駆動手段の出力軸10は、中心軸孔22と相対的に回動することなく、中心軸孔22内に挿入され、駆動手段の出力軸10は、中心軸孔22に枢着され、出力軸10の末端12は、締まり嵌め又は固定接続するようにクランク20の中心軸孔22内に挿入される。一例として、中心軸孔22の側壁に取り付け孔220が設けられ、取り付け孔220は出力軸の末端の孔11に対応しており、出力軸10が軸孔22に挿入されたときに、孔11と孔220は位置合わせ、ファスナー例えばピン29によりロックされ、これにより、駆動手段の出力軸10の末端とクランク20は固定して接続される。もちろん、駆動手段の出力軸10とクランク20は固定して接続されなくてもよく、駆動手段の出力軸10がクランク20を回転駆動できればよい。クランク20に取り付け調整ユニット3の嵌合構造が設けられ、一例として、嵌合構造は、制限案内構造、例えば案内柱(又は案内孔)25や貫通孔26などを含む。
【0030】
リンク21の両端に、クランク20及びマッサージヘッドユニット4にそれぞれ接続するための軸孔(又は取り付け孔)210、211が形成されている。
【0031】
本発明では、移動接続ユニット200が設けられて、リンク21の一端をクランク20に移動調整可能に接続する。リンク21のクランク20での接続位置は、クランクの回転中心軸線L1に接近又は離間して調整され得る。移動接続ユニット200は、接続位置をクランクの回転半径方向に沿って移動させ、すなわち、クランクの回転中心軸線L1に直交する方向に沿って直線移動させる。本実施例では、移動接続ユニット200として、ナット部材23とボルト部材24を含むボルトユニット(共に符号「200」)が使用されてもよいが、これに限定されない。ボルト部材24は、ねじ軸241と頭部240を含み、頭部240は円状キャップ、歯車や駆動回転されやすいほかの構造としてもよい。ナット部材23は、雌ねじ孔230を有し、ねじ軸241にねじ嵌合するように嵌め込まれ、ねじ軸241(ボルト部材の軸線)に沿って直線往復運動することができる要素又はユニットである。
【0032】
図8に示すように、ボルト部材24は、クランク20に取り付けられ、ナット部材23の雌ねじ孔230は、ボルト部材24のねじ軸241の雄ねじに嵌合するように嵌め込まれる。ナット部材23はリンク21の一端に接続され、一例として、ナット部材23はリンクの一端に枢着され、ナット部材23には短軸(ボス)231が設けられ、短軸231の末端の内部に取り付け孔が形成されている。ナット部材23の短軸(ボス)231はリンク21の一端の軸孔211内に挿入され、軸接続が形成される。まず、軸孔211内に座金(又は軸受け)232が嵌め込まれ、短軸231は座金(又は軸受け)232内に挿入され、これにより、ナット部材23の短軸231とリンク軸孔211とは接続される。ナット部材23とリンク21との枢着は、回動可能な接続又は固定接続(例えば密着嵌合)であってもよく、枢着対象の軸と孔は位置を交換して配置されてもよい。例えば螺子(又は螺子状構造)233であるが、これに限定されるファスナーが短軸231の端部の取り付け孔内に挿入されることにより、そのカバーは座金232及び軸孔211の端部に締め付けられ、ナット部材23の短軸はリンク21の軸孔に係止され、抜けが防止される。ナット部材23とリンク21との間の枢着については、中心軸線はL2である。ボルト部材24の正逆転(自転)によりナット部材23が駆動されて直線往復運動し、ねじ軸241に沿って様々な位置に移動することによって、リンク21のクランク20での接続位置が調整されてもよい。ボルト部材24の中心軸は、クランクの回転半径Rの方向に設けられ、駆動手段の出力軸10と直交し、このため、ナット部材23は、リンク21を駆動してクランク20に移動可能に接続し、これにより、リンク21のクランク20での接続位置(中心軸線L2)の位置、すなわち、クランク20の回転半径Rを調整して、マッサージ深さを調整することが可能とされている。
【0033】
一例として、クランク20には、取り付けキャビティ27が設けられており、ボルト部材24は、取り付けキャビティ27内に回動(自転)可能に取り付けられる。ボルト部材24のねじ軸241には、環状係合溝が設けられている。係合リング242はねじ軸241の環状係合溝内に係合されて、ボルト部材24を制限する。又は、クランク20(取り付けキャビティ内又は端壁)には、軸孔付きの支持壁が設けられ、ねじ軸241は軸孔内に回動可能に挿入され、支持壁はボルト部材24を支持する。限定的ではないが、ボルト部材24の頭部240は、少なくとも一部がクランク20の外に伸びる。
【0034】
ボルトユニット200(ボルト部材24及びボルト部材24にねじ嵌合して往復直線運動するナット部材23)によって、リンク21の一端は、移動して位置を調整可能にクランク20に接続される。
【0035】
調整ユニット3は移動接続ユニット(ボルトユニット)200を運動させて、接続位置をクランクの回転中心軸線L1に接近又は離間して移動するように調整することに用いられ、リンクのクランクでの接続位置はクランクの回転半径Rに沿って移動して調整される。調整ユニット3は、ねじユニット又は歯車ユニットを採用してもよいが、これらに限定されず、一例として、ねじユニット35を採用している。ねじユニット35は、調整ディスク350と、調整ディスク350にねじ嵌合するねじ接続ジャケット351と、を含み、調整ディスク350は正逆転してねじ接続ジャケット351を軸方向に往復移動させる。調整ディスク350は、円形ノブの形状(これに限定されない)に設計されてもよく、表面には摩擦力を大きくするための構成例えば粗い表面、凸起や歯状などが施されてもよい。調整ディスク350の中心に中心軸孔353が設けられ、この軸孔は雌ねじ孔として構成される。ねじ接続ジャケット351は雄ねじケーシングとして構成され、一端が調整ディスク350の中心軸孔353内に挿入されてネストされ、また、中心軸孔353にねじ嵌合し、他端が下記の移動ブロック34に接続される。調整ディスク350が回動すると、ねじ接続ジャケット351は軸線の方向に沿って上下動するように駆動される。ねじ接続ジャケット351の他端は環状溝3510として形成される。ねじ接続ジャケット351の内壁には、制限案内構造3511、例えばレール(リブ)又は直線状シュートなどの構造が形成されている。出力軸及びその軸ブッシュは調整ディスクの中心軸孔353内に挿入され、調整ディスク350及びその内部のねじ接続ジャケット351は、駆動手段の出力軸10及びその軸ブッシュ100の外に嵌め込まれ、軸ブッシュ100における制限案内構造(シュート)13とねじ接続ジャケット351内の制限案内構造(リブ)3511とは、相対的に、直線状に滑り嵌めして、ねじ接続ジャケット351の直線往復(軸方向に上下)移動を案内し、また、ねじ接続ジャケット351が出力軸10の軸ブッシュ100に沿ってしか上下動できないようにする。
【0036】
調整ユニット3は、ねじユニット35と移動接続ユニット(ボルトユニット)200との間に接続される伝動ユニット300をさらに含み、ねじユニット35は、伝動ユニット300を介して移動接続ユニット(スクリューユニット)200を動かす。伝動ユニット300は移動ブロック34を含み、移動ブロック34はねじ接続ジャケット351に接続され、ねじ接続ジャケット351は移動ブロック34を駆動して、同期して直線往復運動させる。伝動ユニット300は、移動ブロック34に接続されるか、又は移動ブロック34に設けられた伝動部材30をさらに含み、移動ブロック34は伝動部材30を駆動して、同期して直線往復運動させるか、又は伝動部材30と嵌合して伝動部材30を正逆転させる。
【0037】
移動ブロック34には中心軸孔340が設けられている。一例として、移動ブロック34の中心軸孔340内に環状フランジが形成され、ねじ接続ジャケット351の他端は中心軸孔340内に嵌め込まれ、中心軸孔340内のフランジは、環状溝3510に相対的に回転可能に接続されかつ抜けることなく、ねじ接続ジャケット35の環状溝3510に嵌められる。移動ブロック34が全体として回動する場合、ねじ接続ジャケット351は回動駆動されることはない。ねじ接続ジャケット351が直線往復運動する場合、移動ブロック34は駆動され、同期して直線往復運動する。移動ブロック34には、制限案内構造例えば案内孔(又は案内柱)342が設けられている。駆動手段の出力軸10及びその外部の軸ブッシュ100は移動ブロック34の中心軸孔340を挿通しており、出力軸10の末端12はクランクの中心軸孔22に接続され、移動ブロック34の制限案内構造(案内柱)342は、クランク20の制限案内構造(案内孔)25と嵌合して、移動ブロック34のクランクに対する軸方向の往復移動を案内したり制限したりする。
【0038】
伝動部材30は、移動接続ユニット(ボルトユニット)200と嵌合して、移動接続ユニット(スクリューユニット)200を運動駆動する。一例として、伝動部材30は、ボルト部材24の頭部240と嵌合して、頭部240を回動駆動することで、ボルト部材24を回動させる。伝動部材30は、ボルト部材24の頭部240と歯車又はラックを介して噛み合って伝動したり、接線方向力を供給したりすることで、ボルト部材24を回動させるように構成されてもよい。
【0039】
マッサージヘッドユニット4の接続ユニット40は、接続スリーブ42と、衝撃吸収ジャケット43と、を含む。衝撃吸収ジャケット43は、フロントケーススリーブの先端内に嵌め込まれて、密着嵌合するか、又は係止嵌合する。接続スリーブ42の一端(軸孔が設けられた)とリンク一端的軸孔210はピン軸214及び座金213を介して枢接される。マッサージヘッド41は、接続スリーブ42に固定して接続され、接続スリーブ42はマッサージヘッド41を駆動してフロントケーススリーブ内を往復運動する。リンク21とクランク20の接続位置が異なると、リンクが接続する接続スリーブ及びマッサージヘッドの往復運動の直線距離が異なり、これにより、筋膜層に応じた叩き深さを採用することが図られる。
【0040】
電源ユニットは電池又は充電モジュールであってもよい。制御盤ユニットは、主制御盤6と、ボタンと、を含む。主制御盤には充電インターフェースが設けられており、充電インターフェースを介して外部電源に接続されて電池を充電する。ボタンでマッサージ装置を起動させると、駆動手段(モータ)は作動して、出力軸10は回動し、出力軸10はクランク20を回動させ、このとき、伝動ユニット200、300はクランクと同期して回動し、クランクは回動してリンク21及び接続スリーブ42を介してマッサージヘッド41を直線往復運動させてマッサージを行う。マッサージ装置の作動中又は作動前に、手動操作又は電動で調整ディスク350を回動駆動することで、マッサージヘッドの直線運動距離を調整することによって、筋膜層に応じた叩き深さを利用するという目的を達成させる。調整ディスク350は手動操作のものであってもよく、この場合、手動操作を容易にするために、調整ディスク350は、少なくとも一部がケース7の外に露出し、調整ディスク350は電動で駆動されるものであってもよく、例えば、モータが別途設けられて、調整ディスク350はモータの出力軸に取り付けられ、又はモータの出力軸が歯車と嵌合して伝動することによって、調整ディスク350は回動する。
【0041】
図8に示すように、本発明の第1実施例では、ボルト部材24は、傘歯車を使用し、ねじ軸241と、その傘歯頭部240とを含み、ナット部材23は、雌ねじ孔230を有し、ねじ軸241に嵌め込まれてねじ軸241と互いにねじ嵌合し、ねじ軸241(ボルト部材の軸線)に沿って直線往復運動することができる。ボルト部材24は、クランク20に取り付けられ、ナット部材23は移動して位置を調整可能にクランク20に接続(枢着)される。移動接続ユニット(ボルトユニット)200の傘歯車が正逆転(自転)すると、ナット部材23は直線往復運動して、リンク21のクランク20での接続位置を調整する。傘歯車の中心軸は、クランクの回転半径Rの方向に沿って設けられ、駆動手段の出力軸10と直交する。このような場合、伝動部材30は、傘歯車の傘歯頭部240と歯車を介して噛み合って伝動し、伝動部材30も、傘歯車を採用しており、ねじ軸301と、傘歯頭部302と、を含む。移動ブロック34には雌ねじ孔341が設けられ、ねじ軸301は雌ねじ孔34に挿入されて雌ねじを介して嵌合し、移動ブロック34は、直線往復運動して、伝動部材(傘歯車)30を正逆転させる。伝動部材(傘歯車)30は傘歯車24の軸線と直交して設けられる。伝動部材(傘歯車)30のねじ軸301は、クランク20の貫通孔26を回動可能に挿通しており、ボルト部材(傘歯車)24、30の傘歯頭部240、302は互いに歯車を介して噛み合って伝動し、伝動部材(傘歯車)30の正逆転によりボルト部材(傘歯車)24が正逆転駆動される。
【0042】
本実施例では、駆動手段の出力軸及び軸ブッシュは、調整ディスク350、ねじ接続ジャケット351、移動ブロック34の中心軸孔を順次挿通しており、出力軸の末端12は、クランク20の軸孔22に固定して接続される。ねじ接続ジャケット351は、調整ディスク350及び移動ブロック34の中心軸孔内に嵌め込まれて、調整ディスク350の中心軸孔353の内壁にねじ嵌合し、調整ディスク350の内壁の軸方向に沿って直線往復運動し、移動ブロック34を駆動して、同期して直線往復運動させ、雌ねじ孔341と伝動部材(傘歯車)30のねじ軸301とがねじ嵌合して、伝動部材(傘歯車)30を回動し、伝動部材(傘歯車)30は、歯車を介してボルト部材(傘歯車)24と噛み合ってボルト部材(傘歯車)24を回動させ、これによって、ナット部材23及びこれが接続するリンクの一端(クランクとの接続位置)をボルト部材(傘歯車)24のねじ軸241に沿って直線往復運動させ、リンクの他端が接続スリーブ42を介して接続するマッサージヘッド41の直線往復運動距離もその分調整し、様々なマッサージ深さが得られる。
図9~10には、本発明のマッサージ装置の第2実施例が示されており、第1実施例と比べて、調整ユニット3の伝動ユニット300はラックユニット300’を採用しており、ラックユニット300’はラック30’と、移動ブロック34’と、を含む点は異なる。ラック30’は垂直に設けられ、第1実施例における伝動部材(傘歯車)30の代わりとして機能し、移動ブロック34’では、第1実施例の移動ブロック34と比べて、雌ねじ孔341が設けられていない点は異なる。実施例1の移動ブロック34との同じ点は以下のとおりである。移動ブロック34’は、中心軸孔340及び制限案内構造(案内柱)342が設けられた環状ディスクであり、水平に設けられ、ねじ接続ジャケット351は、調整ディスク350及び移動ブロック34’の中心軸孔351、340内に嵌め込まれ、ねじ接続ジャケット351の直線往復運動により、移動ブロック34’が駆動されて、同期して直線往復運動する。ラック30’は、実施例の移動ブロック34の雌ねじ孔341及び伝動部材30に対応している。ラック30’は、移動ブロック34’と一体部材として、移動ブロック34’に垂直に設けられてもよく、又は、ラック30’は、移動ブロック34’に固定して取り付けられてもよい。ねじ接続ジャケット351の直線往復運動により、移動ブロック34’は駆動されて、同期して直線往復運動し、これによって、ラック30’は駆動されて、同期して直線状に上下往復運動する。ラック30’は、ボルト部材(傘歯車)24の傘歯頭部240とラックを介して噛み合い、ラック30’は直線往復運動してボルト部材(傘歯車)24を正逆転させる。ラック30’はクランク20の貫通孔26を貫通しており、端部がボルト部材(傘歯車)24の傘歯頭部240と噛み合う。クランク20の貫通孔26は、第1実施例では、円状孔として構成され、伝動部材(傘歯車)30のねじ軸301が貫通孔26を貫通して自在に回動可能である。第2実施例では、貫通孔26は、ラック30’の形状に合わせる角形として構成され、ラックが自在に下へ移動することを可能にする。
【0043】
第2実施例では、他の構造は実施例1と同じであるので、実施例1における関連説明は、そのまま、第2実施例に引用されればよく、ここで繰り返して説明しない。
【0044】
図11~12には、本発明のマッサージ装置の第3実施例が示されており、第1実施例、第2実施例と比べて、調整ユニット3の伝動ユニット300の代わりとして接線方向力ユニット300’’が使用され、接線方向力ユニット300’’は接線方向引張ロッド30’’と、移動ブロック34’と、を含む点は異なる。接線方向力引張ロッド30’’は、軸方向に平行となるように、垂直に設けられ、第1実施例の伝動部材(傘歯車)30又は第2実施例のラック30’の代わりとして機能する。第2実施例、第3実施例の移動ブロック34’では、第1実施例の移動ブロック34と比べて、雌ねじ孔341が設けられていない点は異なる。同様に、ねじ接続ジャケット351は、調整ディスク350及び移動ブロック34’の中心軸孔340内に嵌め込まれ、ねじ接続ジャケット351の直線往復運動により、移動ブロック34’は駆動されて、同期して直線往復運動する。接線方向力引張ロッド30’’は、移動ブロック34’と一体部材であって、移動ブロック34’に垂直に設けられるものであってもよく、又は、接線方向力引張ロッド30’’は、移動ブロック34’に固定して取り付けられてもよい。ねじ接続ジャケット351の直線往復運動により、移動ブロック34’は駆動されて、同期して直線往復運動し、これによって、接線方向力引張ロッド30’’は駆動されて、駆動して直線往復運動する。本実施例におけるボルトユニット200のボルト部材24’では、第1実施例、第2実施例と比べて、ボルト部材24’の頭部として、傘歯頭部240の代わりに円形キャップ(頭部)240’が使用される点や、円形キャップ240’の端面において、その円心から離れた位置(好ましくは、円周の縁部又は円周の縁部に近い表面)にカムシャフト243が設けられる点は異なる。接線方向力引張ロッド30’’の末端に軸孔が設けられ、接線方向力引張ロッド30’’はクランク20の貫通孔26を貫通してボルト部材24’に接続され、ボルト部材24’の円形キャップの端面の短軸243は、接線方向力引張ロッド30’’の末端の軸孔内に挿入される。ねじ接続ジャケット351の直線往復運動により、移動ブロック34’は駆動されて、同期して直線往復運動し、よって、接線方向力引張ロッド30’’は、直線往復運動して円形キャップ(頭部)240’’に接線方向の引張力を印加し、円形キャップ(頭部)240’’(すなわち、駆動スクリュー要素24’)を回動駆動する。
【0045】
第2実施例では、他の構造は実施例と同様であるので、実施例における関連説明は、そのまま、第2実施例に引用されればよく、ここでは、書面で繰り返して説明しない。
【0046】
他の実施例では、調整ユニット3は歯車ユニットを採用してもよく、この場合、調整ディスク350は、歯車ディスクであってもよく、必要に応じて、多段歯車接続が設けられてもよく、これによって、波動又は調整ディスク(歯車ディスク)350とその他の歯車又はラックとの噛み合いを駆動することによって、ねじ接続ジャケット351を駆動して直線往復移動させてもよい。ねじ接続ジャケット351は、必要に応じて、歯車又はラック構造としてもよい。
【0047】
上記の実施例に係るマッサージヘッドユニット4は、様々な形態であってもよく、接続スリーブ42がマッサージヘッド41に接続される形態に限定されるものではなく、マッサージヘッドの形状も図面に示される形状に限定されるものではなく、マッサージヘッドユニット4は、リンク21を介してマッサージヘッドユニット4に接続され、駆動手段1によってクランク20を回転駆動し、リンク21を介してマッサージヘッドユニット4を駆動してマッサージ動作を実行させるように構成されている。
【0048】
上記の実施例では、傘歯車は平歯車として実装されてもよい。
【0049】
図面における矢印は、対応する部材の運動方向を示している。
【0050】
本発明の実施例は示されて説明されたが、当業者であれば、本発明の原理及び精神を逸脱することなくこれらの実施例について様々な変化、修正、置換及び変形を行うことができ、本発明の特許範囲は、添付の特許請求の範囲及びその同等範囲により定められる。
【符号の説明】
【0051】
1 駆動手段
3 調整ユニット
4 マッサージヘッドユニット
20 クランク
21 リンク
200 移動接続ユニット