(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-18
(45)【発行日】2024-03-27
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 21/34 20130101AFI20240319BHJP
H04L 9/32 20060101ALI20240319BHJP
【FI】
G06F21/34
H04L9/32 100E
(21)【出願番号】P 2023198657
(22)【出願日】2023-11-22
【審査請求日】2023-11-22
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】519110124
【氏名又は名称】PayPay株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100154852
【氏名又は名称】酒井 太一
(74)【代理人】
【識別番号】100181124
【氏名又は名称】沖田 壮男
(74)【代理人】
【識別番号】100194087
【氏名又は名称】渡辺 伸一
(72)【発明者】
【氏名】近藤 優里栄
(72)【発明者】
【氏名】清水 啓輔
(72)【発明者】
【氏名】友添 祐一朗
(72)【発明者】
【氏名】國島 美紗子
【審査官】行田 悦資
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-109736(JP,A)
【文献】特開2021-131792(JP,A)
【文献】特開2003-208407(JP,A)
【文献】特開2011-141740(JP,A)
【文献】特開2003-031501(JP,A)
【文献】特開2007-080092(JP,A)
【文献】特開2003-331221(JP,A)
【文献】特開2013-101513(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 21/34
H04L 9/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
在留カードの券面に記載された処理対象の情報である券面情報と、
前記在留カードのICチップに記憶された処理対象の情報であるIC情報と、
端末装置を介して申告された処理対象の情報である申告情報と、を取得する取得部と、
前記申告情報と前記券面情報とが、第1合致要求度合で合致するか否かを判定する第1処理と、
前記券面情報と前記IC情報とが、第2合致要求度合で合致するか否かを判定する第2処理と、
前記申告情報と前記IC情報とが、第3合致要求度合で合致するか否かを判定する第3処理と、を実行し、
前記第1処理、前記第2処理、および前記第3処理の判定が肯定的である場合、対象者の本人確認を承認する処理部と、を備え、
前記第1合致要求度合は、少なくとも前記第2合致要求度合または前記第3合致要求度合とは異なる、
情報処理装置。
【請求項2】
前記第1合致要求度合は、前記第2合致要求度合および前記第3合致要求度合とは異なる、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記第1合致要求度合は、前記第2合致要求度合または前記第3合致要求度合よりも合致要求度合が高い、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記第1合致要求度合は、前記第2合致要求度合および前記第3合致要求度合よりも合致要求度合が高い、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記第1処理は、前記申告情報に含まれる対象の項目の情報と、前記券面情報に含まれる対象の項目の情報とが、前記第1合致要求度合で合致するか否かを判定する処理であり、
前記第2処理は、前記券面情報に含まれる対象の項目の情報と、前記IC情報に含まれる前記対象の項目の情報とが、前記第2合致要求度合で合致するか否かを判定する処理であり、
前記第3処理は、前記申告情報に含まれる対象の項目の情報と、前記IC情報に含まれる対象の項目の情報とが、前記第3合致要求度合で合致するか否かを判定する処理であり、
合致要求度合が高いとは、前記合致が判定される項目の数が多いことである、
請求項3または4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記券面情報、前記IC情報、および前記申告情報のそれぞれは、対象者の住所、氏名、生年月日、国籍、在留資格、在留期限、および顔が撮像された画像のうち複数の情報を含む、
請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記在留カードとは異なる本人確認用の証明書を利用した本人確認のリクエストが送信された場合、
前記処理部は、前記在留カードを利用した対象者の本人確認を行う処理と異なる処理を実行して、前記対象者の本人確認を行う、
請求項1から4のうちいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記異なる処理は、前記在留カードを利用した前記本人確認を行う処理よりも、前記処理部の処理負荷が小さい処理である、
請求項7に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記在留カードとは異なる本人確認用の証明書を利用した本人確認のリクエストが送信された場合、(1)または(2)の処理が実行され、
前記(1)は、
前記取得部が、
前記異なる本人確認用の証明書の券面に記載された処理対象の情報である券面情報と、
端末装置を介して申告された処理対象の情報である申告情報と、を取得し、
前記処理部が、前記申告情報と前記券面情報との合致を判定する処理であり、
前記(2)は、
前記取得部が、
前記異なる本人確認用の証明書のICチップに記憶された処理対象の情報であるIC情報と、
端末装置を介して申告された処理対象の情報である申告情報と、を取得し、
前記処理部が、前記申告情報と前記IC情報との合致を判定する処理である、
請求項8に記載の情報処理装置。
【請求項10】
コンピュータが、
在留カードの券面に記載された処理対象の情報である券面情報と、
前記在留カードのICチップに記憶された処理対象の情報であるIC情報と、
端末装置を介して申告された処理対象の情報である申告情報と、を取得し、
前記申告情報と前記券面情報とが、第1合致要求度合で合致するか否かを判定する第1処理と、
前記券面情報と前記IC情報とが、第2合致要求度合で合致するか否かを判定する第2処理と、
前記申告情報と前記IC情報とが、第3合致要求度合で合致するか否かを判定する第3処理と、を実行し、
前記第1処理、前記第2処理、および前記第3処理の判定が肯定的である場合、対象者の本人確認を承認し、
前記第1合致要求度合は、少なくとも前記第2合致要求度合または前記第3合致要求度合とは異なる、
情報処理方法。
【請求項11】
コンピュータに、
在留カードの券面に記載された処理対象の情報である券面情報と、
前記在留カードのICチップに記憶された処理対象の情報であるIC情報と、
端末装置を介して申告された処理対象の情報である申告情報と、を取得させる処理と、
前記申告情報と前記券面情報とが、第1合致要求度合で合致するか否かを判定する第1処理と、
前記券面情報と前記IC情報とが、第2合致要求度合で合致するか否かを判定する第2処理と、
前記申告情報と前記IC情報とが、第3合致要求度合で合致するか否かを判定する第3処理と、
前記第1処理、前記第2処理、および前記第3処理の判定が肯定的である場合、対象者の本人確認を承認する処理と、を実行させ、
前記第1合致要求度合は、少なくとも前記第2合致要求度合または前記第3合致要求度合とは異なる、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、在留カードに記憶された在留カード情報の読み取りが完了した場合、自装置の撮影機能を起動して、ユーザを含む撮影画像を撮影し、読み取った在留カード情報に含まれる顔画像と、撮影した撮影画像とに基づいて、顔照合処理を行う情報処理装置が開示されている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の技術では、精度よく本人確認を行うことができない場合があった。
【0005】
本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、より精度よく本人確認を行うことができる情報処理装置、情報処理方法、およびプログラムを提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、在留カードの券面に記載された処理対象の情報である券面情報と、前記在留カードのICチップに記憶された処理対象の情報であるIC情報と、端末装置を介して申告された処理対象の情報である申告情報と、を取得する取得部と、前記申告情報と前記券面情報とが、第1合致要求度合で合致するか否かを判定する第1処理と、前記券面情報と前記IC情報とが、第2合致要求度合で合致するか否かを判定する第2処理と、前記申告情報と前記IC情報とが、第3合致要求度合で合致するか否かを判定する第3処理と、を実行し、前記第1処理、前記第2処理、および前記第3処理の判定が肯定的である場合、対象者の本人確認を承認する処理部と、を備え、前記第1合致要求度合は、少なくとも前記第2合致要求度合または前記第3合致要求度合とは異なる情報処理装置である。
【発明の効果】
【0007】
本発明の一態様によれば、より精度よく本人確認を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】電子決済サービスが実現されるための構成の一例を示す図である。
【
図2】電子決済の大まかな流れを例示したシーケンス図(その1)である。
【
図3】電子決済の大まかな流れを例示したシーケンス図(その2)である。
【
図4】実施形態に係る決済サーバ100の構成図である。
【
図5】利用者情報172の内容の一例を示す図である。
【
図6】加盟店/店舗情報176の内容の一例を示す図である。
【
図7】申告情報、券面情報、およびIC情報を含む確認情報178の内容の一例を示す図である。
【
図8】決済サーバ100により実行される処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図9】上記のS106およびS108の処理の詳細について説明するための図である。
【
図10】合致要求度合について説明するための図である。
【
図11】変形例の処理部150が実行する処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図12】特定処理(1)について説明するための図である。
【
図13】特定処理(2)について説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照し、本発明の情報処理装置、情報処理方法、およびプログラムの実施形態について説明する。以下に登場する「決済サーバ(情報処理装置)」などの、利用者にサービスを提供したり内部解析を行ったりするための各種装置は、分散化された装置群によって実現されてよく、それぞれの装置を運用する事業者は異なってもよい。また装置のハードウェアの保有者(クラウドサーバの提供者)と実質的な運用を行う事業者も異なってよい。アプリケーションプログラムと決済サーバは、協働して電子決済サービスを提供する。以下の説明ではアプリケーションプログラムを決済アプリと称する。電子決済サービスは、店舗における商品やサービスの購買に係る決済をサポートするサービスである。店舗とは、例えば、現実空間に存在する物理的な店舗(実店舗)であるが、電子商取引の仮想店舗を含んでもよい。仮想店舗は、電子決済サービスの運営者とは異なる主体によって提供されるものを含んでもよい。その場合、仮想店舗における買い物の決済の際に、電子決済サービスのインターフェース画面に遷移するように制御される。電子決済サービスにおいて、店舗は、例えば加盟店(ブランド)に属するものとして扱われ、店舗において購買行動が行われた際の決済などの処理は、主として利用者と加盟店の間で行われる。これに代えて、決済などの処理が利用者と店舗との間で行われてもよい。
【0010】
[電子決済サービス]
図1は、電子決済サービスが実現されるための構成の一例を示す図である。電子決済サービスは、決済サーバ100を中心として実現される。決済サーバ100は、例えば、一以上の利用者端末装置10、一以上の第1店舗端末装置50、一以上の第2店舗端末装置70のそれぞれとネットワークNWを介して通信する。ネットワークNWは、例えば、インターネット、LAN(Local Area Network)、無線基地局、プロバイダ装置などを含む。
【0011】
[利用者端末装置]
利用者端末装置10は、例えば、スマートフォンやタブレット端末等の可搬型端末装置である。利用者端末装置10は、少なくとも、光学読取機能、通信機能、表示機能、入力受付機能、プログラム実行機能を有するコンピュータ装置である。以下の説明では、これらの機能を実現するための構成をそれぞれカメラ、通信装置、タッチパネル、CPU(Central Processing Unit)等と称する。利用者端末装置10では、CPU等のプロセッサにより決済アプリ20が実行されることで、決済サーバ100と連携して電子決済サービスを利用者に提供するように動作する。決済アプリ20は、例えば、アプリケーションストアから利用者端末装置10にインストールされ、カメラ、通信装置、タッチパネルなどを制御する。
【0012】
[第1店舗端末装置]
第1店舗端末装置50は、例えば、店舗に設置される。第1店舗端末装置50は、少なくとも、商品価格取得機能、光学読取機能、プログラム実行機能、通信機能を有するコンピュータ装置である。第1店舗端末装置50は、いわゆるPOS(Point of Sale)装置を含み、POS装置によって商品価格取得機能や光学読取機能を実現してもよい。店舗コード画像60は、店舗に置かれ、QRコード(登録商標)等のコード画像が紙やプラスチックの媒体に印刷されたものである。なお、店舗コード画像60は、店舗に置かれたディスプレイ(スマートフォンなどの端末装置のディスプレイでもよい)によって表示されてもよい。
【0013】
[第2店舗端末装置]
第2店舗端末装置70は、加盟店の運営者によって使用される。第2店舗端末装置70は、スマートフォンやタブレット端末、パーソナルコンピュータ等である。第2店舗端末装置70では、加盟店向けインターフェース72が動作する。加盟店向けインターフェース72は、加盟店向けアプリであってもよいし、ブラウザであってもよい。加盟店向けインターフェース72は、加盟店の運営者によるクーポンの設定等を受け付け、決済サーバ100に送信する。スマートフォンである第2店舗端末装置70は、加盟店向けアプリを実行することで、店舗コード画像に相当するコード画像を表示したり、利用者端末装置10が表示するコード画像を読み取ったりする機能を有する。
【0014】
決済サーバ100は、利用者端末装置10、第1店舗端末装置50、または加盟店サーバ300から受信した決済情報に基づいて電子決済を実現する。第1店舗端末装置50は、POS装置を含む場合があり、その場合、POS装置から加盟店サーバを介して決済情報が決済サーバ100に送信される。
【0015】
図2および
図3は、電子決済の大まかな流れを例示したシーケンス図である。電子決済には、パターン1とパターン2の二つが存在してよい。
【0016】
図2に示すパターン1(以下、ユーザスキャンと称する)の場合、決済アプリ20が起動した状態の利用者端末装置10が、光学読取機能によって店舗コード画像60をデコードする(S1)。店舗コード画像60には、店舗URL(Uniform Resource Locator)の情報が含まれている。この店舗URLは、電子決済サービスのドメインに対して店舗を識別可能な情報が付加されたものであり、決済サーバ100において加盟店IDや店舗ID等との対応付けがなされている(後述)。決済アプリ20は、店舗URLとアカウントIDを含む第1決済情報を決済サーバ100に送信する(S2)。決済サーバ100は、店舗URLに対応する加盟店ID、店舗IDから、店舗情報(後述)を検索して加盟店名と店舗名の情報を取得し(S3)、決済アプリ20に送信する(S4)。利用者は、加盟店名や店舗名が表示された画面において、決済金額を利用者端末装置10に入力する(S5)。そして、利用者端末装置10は、少なくとも決済金額を含む第2決済情報を生成し、決済サーバ100に送信する(S6)。決済サーバ100は、受信した第2決済情報に基づいて電子決済を行う(S7)。そして、決済サーバ100は、決済完了通知(決済完了画面を表示するための情報)を決済アプリ20に送信し(S8)、決済アプリ20は決済完了画面を表示する(S9)。なお、店舗コード画像60が店舗に置かれたディスプレイによって表示される場合、店舗コード画像60には、店舗URLだけでなく決済金額の情報が含まれる場合がある。この場合、利用者が決済金額を入力する手順が省略され、第1決済情報に決済金額の情報が含められて決済サーバ100に送信される。加盟店名や店舗名の情報は、決済完了画面に含めて表示されてよい。
【0017】
図3に示すパターン2(以下、ストアスキャンと称する)の場合、決済アプリ20の起動時、決済アプリ20において支払う操作が行われたとき、自動更新のタイミング(例えば1分おき)になったとき、およびその他のタイミングで、決済アプリ20はワンタイムコードの発行要求を決済サーバ100に送信する(S11)。決済サーバ100はワンタイムコードを生成し(S12)、決済アプリ20に送信する(S13)。決済アプリ20は、ワンタイムコードに基づいて生成した、QRコードやバーコード等のコード画像を表示する(S14)。利用者は利用者端末装置10の表示面を第1店舗端末装置50に翳し(提示し)、第1店舗端末装置50は、光学読取機能によってコード画像をデコードし、ワンタイムコード等を取得する(S15)。そして、第1店舗端末装置50は、ワンタイムコード、決済金額、加盟店ID、店舗ID等を含む決済情報を生成し、決済サーバ100に送信する(S16)。決済金額の情報は、予めバーコード読み取りや手入力等によって取得されている。決済サーバ100は、受信した情報に基づいて、ワンタイムコードに対応する利用者を特定し、電子決済を行う(S17)。そして、決済サーバ100は、決済完了通知を決済アプリ20に送信し(S18)、決済アプリ20は決済完了画面を表示する(S19)。
【0018】
なお、上記のいずれか一方のみのパターンで電子決済が行われてもよい。また、
図2で説明した「アカウントID」は、利用者を識別するための識別情報として用いられ得る他の情報(例えば電話番号)であってもよい。また、ストアスキャンにおいてワンタイムコードの発行が省略され、決済アプリ20は、利用者のアカウントIDに基づいて生成したコード画像を表示してもよい。その場合、決済サーバ100は、ワンタイムコードに対応する利用者を特定するのに代えて、アカウントIDに対応する利用者を特定する。
【0019】
[決済サーバ]
図4は、実施形態に係る決済サーバ100の構成図である。決済サーバ100は、例えば、通信部110と、コンテンツ提供部120と、決済処理部130と、情報管理部140と、処理部150と、記憶部170とを備える。通信部110および記憶部170以外の構成要素は、例えば、CPUなどのハードウェアプロセッサがプログラム(ソフトウェア)を実行することにより実現される。これらの構成要素のうち一部または全部は、LSI(Large Scale Integration)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、GPU(Graphics Processing Unit)、SOC(System On Chip)などのハードウェア(回路部;circuitryを含む)によって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアの協働によって実現されてもよい。プログラムは、予めHDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリなどの記憶装置(非一過性の記憶媒体を備える記憶装置)に格納されていてもよいし、DVDやCD-ROMなどの着脱可能な記憶媒体(非一過性の記憶媒体)に格納されており、記憶媒体がドライブ装置に装着されることで記憶装置にインストールされてもよい。情報管理部140は「取得部」の一例である。
【0020】
記憶部170は、HDDやフラッシュメモリ、RAM(Random Access Memory)などである。記憶部170は、決済サーバ100がネットワークを介してアクセス可能なNAS(Network Attached Storage)装置であってもよい。記憶部170には、利用者情報172、コンテンツ情報174、加盟店/店舗情報176、確認情報178などの情報が格納される。
【0021】
通信部110は、ネットワークNWに接続するための通信インターフェースである。通信部110は、例えばネットワークインターフェースカードである。
【0022】
コンテンツ提供部120は、例えば、Webサーバの機能を有し、電子決済サービスの各種画面を表示するための情報(コンテンツ)を利用者端末装置10に提供する。コンテンツ提供部120は、コンテンツ情報174から適宜、必要なコンテンツを読み出して利用者端末装置10に提供する。利用者端末装置10は、決済アプリ20によってコンテンツが再生された状態で利用者による各種入力を受け付け、前述した決済情報などを決済サーバ100に送信する。上記のように、コンテンツ提供部120と、決済アプリ20とは協働して利用者端末装置10の表示部に電子決済サービスに係るコンテンツを表示させる。
【0023】
決済処理部130は、利用者端末装置10または第1店舗端末装置50により送信された決済情報に基づいて、決済処理を行う。決済処理部130は、利用者情報172を参照しながら決済処理を行う。
【0024】
図5は、利用者情報172の内容の一例を示す図である。利用者情報172は、利用者の登録情報の一例である。利用者情報172は、例えば、利用者URL、アカウントID、電話番号、パスワードの他、メールアドレス、利用者ID、氏名・住所・生年月日、登録日、チャージ残高、後払い設定、後払い枠、後払い利用額、後払い利用可能額、決済方法設定、銀行口座、クレジットカード番号、チャージ履歴情報、決済履歴情報、eKYC情報(electronic Know Your Customer情報)などの情報が対応付けられたものである。利用者URLは、利用者間の送金処理に使用される。電子決済サービスへの新規登録時には、電話番号およびパスワードの登録が必須となる。アカウントIDは、決済サーバ100によって利用者に発行されるものであり、利用者IDは、利用者が任意に設定できる(設定しなくてもよい)IDである。メールアドレス、および氏名・住所・生年月日も同様に、利用者が任意に設定できる(設定しなくてもよい)情報である。登録日とは利用者が電子決済サービスに登録した日(アカウントを作成した日)である。以下、これらの情報が対応付けられた利用者のインスタンス(電子決済口座)のことをアカウントと称する。
【0025】
チャージ残高は、利用者が予めアカウントに送金することで設定された電子マネーの残高を示す情報である。送金の手段としては、指定業者(銀行)のATM(Automatic Teller Machine)からの送金、登録された銀行口座からの送金などがある。後払い設定は、後払いによる電子決済を可能とするための設定が済んでいるか否かを示す情報であり、「済」と「未」のいずれかに設定される。後払い枠は月ごとに利用可能な後払いの限度額であり、後払い利用額は、当月に既に利用された後払いの金額であり、後払い利用可能額は、後払い枠から後払い利用額を差し引いて求められる、当月に利用可能な後払いの金額である。図では後払い枠を一つだけ示しているが、実際には更に日ごとの上限額などが存在し、それらの低い方が後払い枠に設定されてよい。後払いの更なる詳細については後述する。決済方法設定は、その時点において利用者がチャージ残高による電子決済を行うのか、後払いによる決済を行うのかを示す設定情報である。銀行口座とクレジットカード番号のそれぞれは、電子決済サービスに入金可能な銀行口座またはクレジットカード番号の情報(口座番号、カード番号)である。チャージ履歴情報は、利用者が予め電子決済サービスに送金してチャージ残高を増加させた履歴である。決済履歴情報は、利用者が行った決済の内訳(日時、購買行動が行われた店舗の店舗ID、決済金額、決済方法など)を、決済ごとに示す情報である。
【0026】
eKYC情報は、利用者が本人確認済であるか否かを示す情報である。本人確認は、処理部150の処理結果に基づいて生成される情報である。処理部150が、本人確認を承認した場合に、対象の利用者に対する本人確認は「済」となる。本人確認が済である利用者は、本人確認が「未」の利用者が利用することができないサービスを利用することができる。サービスとは、電子決済サービスにおいて提供されているサービスである。例えば、本人確認済の利用者は、電子決済サービスを利用可能な加盟店が拡大したり、銀行口座からの出金が可能になったり、クレジット払い(後払い)の限度額が拡大したりする。
【0027】
図6は、加盟店/店舗情報176の内容の一例を示す図である。加盟店/店舗情報176は、例えば、店舗URLに対して加盟店IDと店舗IDが対応付けられた第1テーブル176Aと、加盟店IDに対して加盟店名と売上金(前述)が対応付けられた第2テーブル176Bと、店舗IDに対して店舗名が対応付けられた第3テーブル176Cとを含む。加盟店/店舗情報176には、これらの情報の他、加盟店または店舗のカテゴリ、店舗の所在地、決済パターン等の情報が含まれてもよい。
【0028】
情報管理部140は、利用者端末装置10や第2店舗端末装置70から取得した情報に基づいて、利用者情報172および加盟店/店舗情報176を管理する。情報管理部140は、利用者情報172および加盟店/店舗情報176について新規レコードの追加、編集、削除などを行う。
【0029】
情報管理部140は、利用者端末装置10を介して利用者が入力した情報を取得したり、利用者端末装置10が取得した情報を取得したりする。情報管理部140は、例えば、在留カードの券面に記載された処理対象の情報である券面情報や、在留カードのICチップに記憶された処理対象の情報であるIC情報、利用者端末装置10を介して申告された処理対象の情報である申告情報などを取得する。これらの情報の詳細については後述する。
【0030】
[電子決済]
決済処理部130は、利用者端末装置10または第1店舗端末装置50から決済情報が取得されると、利用者情報172を参照して当該利用者の「決済方法設定」を取得する。決済処理部130は、「決済方法設定」が「チャージ残高」に設定されている利用者に関して、以下のように電子決済を行う。決済処理部130は、例えば、利用者IDに対応付けて管理しているチャージ残高を減少させ、加盟店の売上金の項目値を増加させることで、電子決済を行う。加盟店の売上金の項目値は、例えば、それ自体が電子マネーとして使用されるものでは無く、加盟店と電子決済サービスとの取り決めに応じたサイクルで、売上金の項目値に対応する金額が銀行口座に送金される。
【0031】
決済処理部130は、「設定情報」が「後払い」に設定されている利用者に関して、以下のように電子決済を行う。後払いとは、電子決済サービスの運営者とは別主体であるクレジットカード会社との連携による「クレジット払い」とは別枠で設定されるものであり、電子決済サービスの運営者が与信者となって、後払い枠の範囲内でチャージ残高に依存しない電子決済を許容するものである。なお後払いサービスを受けるために、電子決済サービスの運営者が提供するクレジットカードの取得が要求されてよい。後払いで利用された金額は、一か月分まとめて翌月の支払日に、例えば銀行口座からの引き落としによって決済される。この場合、決済処理部130は、後払い利用額に決済金額を加算し、後払い利用可能額から同額を差し引くことで暫定決済を行い、締め日になると上記のように当月分の決済を翌月の支払い日に引き落とすための処理を行う、或いはクレジットカード会社の運営者に当該処理を依頼する。なお暫定決済の時点で決済金額が後払い利用可能額を超える場合は、エラー通知が決済アプリ20に返信される。
【0032】
[処理部]
処理部150は、第1処理、第2処理、および第3処理を実行する。第1処理は、申告情報と券面情報とが、第1合致要求度合で合致するか否かを判定する処理である。第2処理は、券面情報とIC情報とが、第2合致要求度合で合致するか否かを判定する処理である。第3処理は、申告情報とIC情報とが、第3合致要求度合で合致するか否かを判定する処理である。処理部150は、第1処理、第2処理、および第3処理の判定が肯定的である場合、対象者の本人確認を承認する。この場合、利用者情報172のeKYC情報が「済」となる。第1合致要求度合は、少なくとも第2合致要求度合または第3合致要求度合とは異なる。
【0033】
図7は、申告情報、券面情報、およびIC情報を含む確認情報178の内容の一例を示す図である。申告情報は、利用者が本人確認のためのインターフェース画面において入力した情報である。券面情報は、利用者が本人確認のための処理において利用者端末装置10の撮像部を利用して撮像した在留カードの券面を撮像した情報に基づいて得られた情報である。例えば、情報管理部140が、画像認識処理(例えばOCR:Optical Character Recognition/Reader)を実行して画像から券面情報に記載された項目および項目に対応する情報を取得する。IC情報は、在留カードのICチップに記憶された情報であって利用者端末装置10がICチップと通信して得た情報である。決済サーバ100は、利用者端末装置10を介して申告情報、券面情報、およびIC情報を取得する。
【0034】
申告情報、券面情報、およびIC情報は、例えば、住所、氏名、生年月日、国籍、在留資格、在留期限、および顔が撮像された画像の一部または全部を含む。申告情報の顔が撮像された画像は、利用者が撮像部を利用して撮像した画像である。この画像は、インターフェース画面に表示されたモーション指示に対応する動作に応じた顔の画像である。例えば、決済サーバ100は、正面を向いていた顔の画像や、斜め横を向いた顔の画像などを申請者に撮像させて、撮像させた画像を提供させる。決済サーバ100において、モーション指示に応じた画像が撮像されているかが判定される。指示に応じた画像が提供されない場合、本人確認は否定される。
【0035】
[フローチャート]
図8は、決済サーバ100により実行される処理の流れの一例を示すフローチャートである。まず、情報管理部140は、申告情報、券面情報、およびIC情報を利用者端末装置10から取得する(S100、S102、S104)。申告情報、券面情報、IC情報が取得される順番は任意の順番であってもよい。次に、処理部150は、取得した3つの情報をそれぞれ比較して(S106)、情報が合致するか否かを判定する(S108)。上記の3つの情報の比較は任意の順番であってもよい。例えば、処理部150は、3つの情報の対応する項目の情報同士を突合して、情報が合致するか否かを判定する。
【0036】
情報が合致する場合、処理部150は、eKYC完了の処理に進む(S110)。処理部150は、例えば、eKYCを完了するための処理に進んだり、eKYCの完了させるためのインターフェース画面をコンテンツ提供部120に提供させたりする。情報が合致しない場合、処理部150は、利用者端末装置10を介してeKYCが完了できないことを利用者に通知する(S112)。処理部150は、例えば、eKYCを完了できないことを示すインターフェース画面をコンテンツ提供部120に提供させる。これにより、本フローチャートの1ルーチンの処理が終了する。
【0037】
図9は、上記のS106およびS108の処理の詳細について説明するための図である。処理部150は、申告情報の項目の情報と、券面情報の項目の情報とを比較して、合致するか否かを判定する。比較は、対応する項目の情報同士が比較される。合致とは、完全に同一でなくてもよく、一部が一致または所定の度合以上一致していることである(以下の合致についても同様である)。
【0038】
処理部150は、券面情報の項目の情報と、IC情報の項目の情報とを比較して、合致するか否かを判定する。処理部150は、申告情報の項目の情報と、IC情報の項目の情報とを比較して、合致するか否かを判定する。
【0039】
申告情報と券面情報との合致要求度合は第1合致要求度合であり、券面情報とIC情報との合致要求度合は第2合致要求度合であり、申告情報とIC情報との合致要求度合は第3合致要求度合である。例えば、第1合致要求度合は、第2合致要求度合および第3合致要求度合とは異なる合致要求度合である。どの合致要求度合が高いかは任意に設定されてもよい。合致要求度合が高いとは、合致が求められる要求の度合が高いことである。例えば、第1合致要求度合は、第2合致要求度合または第3合致要求度合よりも高い合致要求度合である。例えば、第1合致要求度合は、第2合致要求度合および第3合致要求度合よりも高い合致要求度合である。
【0040】
処理部150は、申告情報に含まれる対象の項目の情報と、券面情報に含まれる対象の項目の情報とが、第1合致要求度合で合致するか否かを判定する。処理部150は、券面情報に含まれる対象の項目の情報と、IC情報に含まれる対象の項目の情報とが、第2合致要求度合で合致するか否かを判定する。処理部150は、申告情報に含まれる対象の項目の情報と、IC情報に含まれる対象の項目の情報とが、第3合致要求度合で合致するか否かを判定する。合致要求度合が高いとは、合致が判定される項目の数が多いことである。
【0041】
図10は、合致要求度合について説明するための図である。例えば、申告情報と券面情報とに対応する第1合致要求度合は、券面情報とIC情報とに対応する第2合致要求度合よりも要求度合が高い。第1合致要求度合では、第2合致要求度合よりも、より多くの項目の情報同士の合致が要求される。
【0042】
上記の処理において、処理部150は、公知の手法を用いて複数の画像のそれぞれの顔が合致するか否かを判定する。例えば、処理部150は、画像の顔の特徴量を抽出し、抽出した特徴量同士を比較して画像における顔が合致するか否かを判定する。
【0043】
例えば、上述した申告情報、券面情報、およびIC情報のうち一部は諸々の事情により、正しい情報でない場合がある。このような事情が存在する場合、合致要求度合を同一にしてしまうと、本来、スムーズに本人確認を承認することができるはずなのに、不備として扱われ、本人確認が否定されてしまうことがある。本実施形態では、上記のように処理部150が、対象の情報を比較する際に、比較する情報に応じた合致要求度合を利用することで、スムーズ、精度よく、且つ簡易に本人確認を行うことができる。
【0044】
以上説明した実施形態によれば、処理部150は、3つの情報を利用することで、より精度よく本人確認を行うことができる。更に、処理部150は、比較する情報に応じた合致要求度合に基づいて本人確認の判定を行うため、より簡易に本人確認の判定を行うことができる。
【0045】
<変形例>
上述した実施形態では、在留カードを対象としてが、変形例では、これに加えて(または代えて)、他の本人確認のための証明書が対象となる。以下、上述した実施形態との相違点を中心に説明する。
【0046】
在留カードとは異なる本人確認用の証明書を利用した本人確認のリクエストが送信された場合、処理部150は、在留カードを利用した対象者の本人確認を行う処理と異なる処理を実行して、対象者の本人確認を行う。異なる処理は、在留カードを利用した本人確認を行う処理よりも、処理部150の処理負荷が小さい処理である。
【0047】
処理部150は、在留カードとは異なる本人確認用の証明書を利用した本人確認のリクエストが送信された場合、(1)または(2)の処理を実行する。(1)は、情報管理部140が、異なる本人確認用の証明書の券面に記載された処理対象の情報である券面情報と、利用者端末装置10を介して申告された処理対象の情報である申告情報と、を取得し、処理部150が、申告情報と前記券面情報との合致を判定する処理である。
【0048】
(2)は、情報管理部140が、異なる本人確認用の証明書のICチップに記憶された処理対象の情報であるIC情報と、利用者端末装置10を介して申告された処理対象の情報である申告情報と、を取得し、処理部150が、申告情報とIC情報との合致を判定する処理である。
【0049】
[フローチャート]
図11は、変形例の処理部150が実行する処理の流れの一例を示すフローチャートである。まず、処理部150は、本人確認のためのインターフェース画面において、利用者が本人確認のための証明書として、在留カードを選択したか否かを判定する(S200)。在留カードが選択された場合、処理部150は、前述した
図8のS100-S112の処理を実行する(S202)。在留カードとは異なる証明書を選択した場合、処理部150は、選択された証明書に応じた特定処理を実行する(S204)。特定処理については、後述する
図11および
図12を参照して説明する。これにより本フローチャートの1ルーチンの処理が終了する。
【0050】
図12は、特定処理(1)について説明するための図である。例えば、本人確認のための証明書が、運転免許証またはマイナンバーカードである場合、処理部150は、申告情報と券面情報との合致度合が、第4合致要求度合である場合、本人確認の承認を行う。第4合致要求度合は、第1合致要求度合、第2合致要求度合、第3合致要求度合とは異なる合致要求度合であってもよいし、いずれかの合致要求度合と同様であってもよい。
【0051】
図13は、特定処理(2)について説明するための図である。例えば、本人確認のための証明書が、運転免許証またはマイナンバーカードである場合、処理部150は、券面情報とIC情報との合致度合が、第5合致要求度合である場合、本人確認の承認を行ってもよい。第5合致要求度合は、第4合致要求度合と同様であってもよいし、異なっていてもよい。第5合致要求度合は、第1合致要求度合、第2合致要求度合、第3合致要求度合とは異なる合致要求度合であってもよいし、いずれかの合致要求度合と同様であってもよい。
【0052】
以上説明した変形例によれば、処理部150が、本人確認のための利用する証明書の種別に応じた判定を行うため、簡易且つより精度よく本人確認を実施することができる。
【0053】
以上、本発明を実施するための形態について実施形態を用いて説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形及び置換を加えることができる。
【符号の説明】
【0054】
10 利用者端末装置
20 決済アプリ
100 決済サーバ
120 コンテンツ提供部
130 決済処理部
140 情報管理部
150 処理部
178 確認情報
【要約】
【課題】より精度よく本人確認を行うこと。
【解決手段】在留カードの券面に記載された処理対象の情報である券面情報と、前記在留カードのICチップに記憶された処理対象の情報であるIC情報と、端末装置を介して申告された処理対象の情報である申告情報と、を取得する取得部と、前記申告情報と前記券面情報とが、第1合致要求度合で合致するか否かを判定する第1処理と、前記券面情報と前記IC情報とが、第2合致要求度合で合致するか否かを判定する第2処理と、前記申告情報と前記IC情報とが、第3合致要求度合で合致するか否かを判定する第3処理と、を実行し、前記第1処理、前記第2処理、および前記第3処理の判定が肯定的である場合、対象者の本人確認を承認する処理部と、を備え、前記第1合致要求度合は、少なくとも前記第2合致要求度合または前記第3合致要求度合とは異なる情報処理装置である。
【選択図】
図1