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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-19
(45)【発行日】2024-03-28
(54)【発明の名称】情報処理装置
(51)【国際特許分類】
   G01C 21/26 20060101AFI20240321BHJP
   G08G 1/00 20060101ALI20240321BHJP
   G06Q 10/04 20230101ALI20240321BHJP
   G08G 1/14 20060101ALI20240321BHJP
   G08G 1/13 20060101ALI20240321BHJP
   G08G 1/01 20060101ALI20240321BHJP
【FI】
G01C21/26 A
G08G1/00 C
G06Q10/04
G08G1/14 A
G08G1/13
G08G1/01 A
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2019184800
(22)【出願日】2019-10-07
(65)【公開番号】P2021060292
(43)【公開日】2021-04-15
【審査請求日】2022-08-05
(73)【特許権者】
【識別番号】000204608
【氏名又は名称】大下産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100154405
【弁理士】
【氏名又は名称】前島 大吾
(74)【代理人】
【識別番号】100079005
【弁理士】
【氏名又は名称】宇高 克己
(74)【代理人】
【識別番号】100201341
【弁理士】
【氏名又は名称】畠山 順一
(74)【代理人】
【識別番号】230116296
【弁護士】
【氏名又は名称】薄葉 健司
(72)【発明者】
【氏名】藤田 利彦
【審査官】上野 博史
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-186408(JP,A)
【文献】特開2018-159996(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01C 21/26
G08G 1/00
G06Q 10/04
G08G 1/14
G08G 1/13
G08G 1/01
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のナビゲーション端末と通信可能である通信部と、
前記ナビゲーション端末から、前記ナビゲーション端末に入力された目的地、入力されたときの現在位置、入力されたときの現在時刻を含む端末入力情報を取得する端末入力情報取得部と、
前記現在位置および前記現在時刻を含む情報に基づいて、前記ナビゲーション端末が前記目的地を含む特定位置に到着する時刻を予測する到着時刻予測部と、
機械学習より生成された予測モデルを適用して前記特定位置における特定事項に係る予測をおこなう特定事項予測部と、
前記到着時刻予測部が予測した前記ナビゲーション端末の到着時刻に基づいて、到着時刻予測データを生成し、前記到着時刻予測データに基づいて、前記特定事項予測部がおこなった特定事項に係る予測情報を修正する修正部と、
前記修正部が修正した特定事項に係る予測情報を出力する出力部と、
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記目的地への案内情報と前記案内情報以外の情報を切替表示可能な表示装置が設けられる特定位置において、前記表示装置に切替指令する装置であって、
前記到着時刻予測部は、前記ナビゲーション端末が、特定位置を通過する時刻を予測し、
前記特定事項予測部は、機械学習より生成された交通量推定モデルを適用し、前記特定位置から前記目的地への交通量時刻分布に対応して、前記案内情報を表示する時間帯を設定し、
前記修正部は、前記特定事項予測部が予測した前記ナビゲーション端末の通過時刻に基づいて、通過時刻予測データを生成し、前記通過時刻予測データに基づいて、前記特定事項予測部が設定した前記案内情報を表示する時間帯を修正し、
前記出力部は、前記修正部が修正した時間帯に前記案内情報を表示するように前記表示装置に切替指令を出力する
ことを特徴とする請求項1記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記目的地にて提供する料理の調理スケジュールを作成する装置であって、
前記到着時刻予測部は、前記ナビゲーション端末が前記目的地に到着する時刻を予測し、
前記特定事項予測部は、機械学習より生成された予測モデルを適用して前記目的地にて提供する料理の調理スケジュールを作成し、
前記修正部は、前記到着時刻予測部が予測した前記ナビゲーション端末の到着時刻に基づいて、到着時刻予測データを生成し、前記到着時刻予測データに基づいて、前記特定事項予測部が作成した調理スケジュールを修正し、
前記出力部は、前記修正部が修正した調理スケジュールを料理提供場所に設置されている端末に出力する
ことを特徴とする請求項1記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記端末入力情報は、前記ナビゲーション端末の端末IDを含み、
前記端末IDごとに記憶されている嗜好性情報を取得する嗜好性情報取得部を更に備え、
前記修正部は、前記到着時刻予測部が予測した前記ナビゲーション端末の到着時刻および前記嗜好性情報に基づいて、前記特定事項予測部が作成した調理スケジュールを修正する
ことを特徴とする請求項3記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記目的地周辺の駐車場の駐車状況を予測する装置であって、
前記到着時刻予測部は、前記ナビゲーション端末が目的地に到着する時刻を予測し、
前記特定事項予測部は、機械学習より生成された予測モデルを適用して前記目的地周辺の駐車場の駐車状況を予測し、
前記修正部は、前記到着時刻予測部が予測した前記ナビゲーション端末の到着時刻に基づいて、到着時刻予測データを生成し、前記到着時刻予測データに基づいて、前記特定事項予測部が作成した駐車状況予測情報を修正し、
前記出力部は、前記修正部が修正した駐車状況予測情報と誘導案内とを前記ナビゲーション端末に出力する
ことを特徴とする請求項1記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記目的地周辺の駐車場の誘導員配置を管理する装置であって、
前記到着時刻予測部は、前記ナビゲーション端末が目的地に到着する時刻を予測し、
前記特定事項予測部は、機械学習より生成された予測モデルを適用して前記目的地周辺の駐車場への誘導員の配置を計画し、
前記修正部は、前記到着時刻予測部が予測した前記ナビゲーション端末の到着時刻に基づいて、到着時刻予測データを生成し、前記到着時刻予測データに基づいて、前記特定事項予測部が計画した誘導員配置計画情報を修正し、
前記出力部は、前記修正部が修正した誘導員配置計画情報を駐車場管理者の端末へ出力する
ことを特徴とする請求項1記載の情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は複数のナビゲーション端末と通信可能であり、特定事項に係る予測可能な情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ナビゲーション端末において、GPS信号等により現在位置を認識し、目的地が入力されると、最適ルートと、所要時間、到達予測時刻等が表示される(例えば特許文献1)。ナビゲーション端末は車載搭載型が主流であるが、ナビゲーションアプリを有する携帯端末(スマートフォン等)をナビゲーション端末として利用することもある。
【0003】
また、近年のナビゲーション端末は通信機能を有し、交通情報(渋滞情報)等が反映される。これにより、到達予測時刻の精度が向上する。
【0004】
さらに、移動中も現在位置を認識し、到達予測時刻は随時更新される。これにより、更に到達予測時刻の精度が向上する。
【0005】
ところで、近年、様々な分野において、ビッグデータを活用し、学習モデルに基づいた需要予測がなされている(例えば特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特許4725637号公報
【文献】特開2019-128922号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
たとえば、過去の曜日、時刻、休日か否かなどの日時情報や、気温や降水量等の気象情報などの入力パラメータのデータと、特定事項の実測データとの相関関係に基づいて学習モデルを構築する。予測対象時刻の予測パラメータを学習モデルに入力することで、特定事項の予測が出力される。このような予測システムは、因果関係を検証することなく、予測パラメータを入力するだけ、大まかな予測結果を出力できるため、汎用性が高い。
【0008】
しかしながら、過去のデータに基づく予測では、予測精度に限界がある。
【0009】
一方で、ナビゲーション端末を含むナビゲーションシステムにおける到達予測時刻は精度が高く、非常に有用である。また、比較的直近状況に基づく予測であり、この点でも有用である。しかしながら、到達予測時刻がナビゲーション端末の使用者に提示されるのみで、有効活用されている例はあまりなかった。
【0010】
そこで、本願発明者は、特定事項の予測において、到達予測時刻を活用することにより、予測精度を向上させることを検討した。
【0011】
本発明は上記課題を解決するものであり、予測精度の高い予測システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決する本発明の情報処理装置は、複数のナビゲーション端末と通信可能である通信部と、前記ナビゲーション端末から、前記ナビゲーション端末に入力された目的地、入力されたときの位置、入力されたときの時刻を含む端末入力情報を取得する端末入力情報取得部と、前記ナビゲーション端末が前記目的地を含む特定位置に到達する時刻を予測する到達時刻予測部と、機械学習より生成された予測モデルを適用して前記特定位置における特定事項に係る予測をおこなう特定事項予測部と、前記到達時刻予測部が予測した前記ナビゲーション端末の到達時刻に基づいて、前記特定事項予測部がおこなった特定事項に係る予測情報を修正する修正部と、を備える。
【0013】
これにより、前日までに大まかな特定事項に係る予測ができるとともに、当日に修正することで、予測精度が向上する。
【0014】
上記課題を解決する本発明の情報処理装置は、複数のナビゲーション端末と通信可能である通信部と、前記ナビゲーション端末から、前記ナビゲーション端末に入力された目的地、入力されたときの位置、入力されたときの時刻を含む端末入力情報を取得する端末入力情報取得部と、前記ナビゲーション端末が、前記目的地への案内情報と前記案内情報以外の情報を切替表示可能な表示装置が設けられる特定位置を通過する時刻を予測する通過時刻予測部と、機械学習より生成された交通量推定モデルを適用し、前記特定位置から前記目的地への交通量時刻分布に対応して、前記案内情報を表示する時間帯を設定する案内情報表示時間帯設定部と、前記通過時刻予測部が予測した前記ナビゲーション端末の通過時刻に基づいて、前記案内情報表示時間帯設定部がおこなった前記案内情報を表示する時間帯を修正する修正部と、を備える。
【0015】
精度良い予測により、ドライバーを確実に誘導することができるとともに、広告収入を増やすことができる。
【0016】
上記課題を解決する本発明の情報処理装置は、複数のナビゲーション端末と通信可能である通信部と、前記ナビゲーション端末から、前記ナビゲーション端末に入力された目的地、入力されたときの位置、入力されたときの時刻を含む端末入力情報を取得する端末入力情報取得部と、前記ナビゲーション端末が前記目的地に到着する時刻を予測する到着時刻予測部と、機械学習より生成された予測モデルを適用して前記目的地にて提供する料理の調理スケジュールを作成する調理スケジュール作成部と、前記到着時刻予測部が予測した前記ナビゲーション端末の到着時刻に基づいて、前記調理スケジュール作成部が作成した調理スケジュールを修正する修正部と、を備える。
【0017】
精度良い予測により、客にほとんど待ち時間なく出来立ての料理を提供できるとともに、食材の過剰廃棄を低減できる。
【0018】
上記発明において好ましくは、前記端末入力情報は、前記ナビゲーション端末の端末IDを含み、前記端末IDごとに記憶されている嗜好性情報を取得する嗜好性情報取得部を更に備え、前記修正部は、前記到着時刻予測部が予測した前記ナビゲーション端末の到着時刻および前記嗜好性情報に基づいて、前記調理スケジュール作成部が作成した調理スケジュールを修正する。
【0019】
嗜好性情報を反映させることにより、注文料理を考慮して、調理スケジュールを生成できる。
【0020】
上記課題を解決する本発明の情報処理装置は、複数のナビゲーション端末と通信可能である通信部と、前記ナビゲーション端末から、前記ナビゲーション端末に入力された目的地、入力されたときの位置、入力されたときの時刻を含む端末入力情報を取得する端末入力情報取得部と、前記ナビゲーション端末が目的地に到着する時刻を予測する到着時刻予測部と、機械学習より生成された予測モデルを適用して前記目的地周辺の駐車場の駐車状況を予測する駐車状況予測部と、前記到着時刻予測部が予測した前記ナビゲーション端末の到着時刻に基づいて、前記駐車状況予測部が作成した駐車状況予測情報を修正する修正部と、を備える。
【0021】
精度良い予測により、ドライバーは空いている駐車場に誘導される。
【0022】
上記課題を解決する本発明の情報処理装置は、複数のナビゲーション端末と通信可能である通信部と、前記ナビゲーション端末から、前記ナビゲーション端末に入力された目的地、入力されたときの位置、入力されたときの時刻を含む端末入力情報を取得する端末入力情報取得部と、前記ナビゲーション端末が目的地に到着する時刻を予測する到着時刻予測部と、機械学習より生成された予測モデルを適用して前記目的地周辺の駐車場への誘導員の配置を計画する誘導員配置計画部と、前記到着時刻予測部が予測した前記ナビゲーション端末の到着時刻に基づいて、前記誘導員配置計画部が計画した誘導員配置計画情報を修正する修正部と、を備える。
【0023】
精度良い予測により、限られた誘導員を適切に配置できる。
【0024】
上記課題を解決する本発明の情報処理装置は、ナビゲーション端末と通信可能である通信部と、前記ナビゲーション端末から、前記ナビゲーション端末に入力された目的地、入力されたときの位置、入力されたときの時刻を含む端末入力情報を取得する端末入力情報取得部と、前記ナビゲーション端末が特定位置を通過する時刻を予測する通過時刻予測部と、前記通過時刻予測部が予測した通過時刻を含む時間帯に特定位置を通過するナビゲーション端末に対し、前記特定位置から前記目的地への案内情報を送信する案内情報送信部とを備える。
【0025】
精度良い予測により、ドライバーを確実に誘導することができる。
【0026】
上記発明において好ましくは、前記ナビゲーション端末は、無線受信可能領域では広域無線通信と近距離無線通信とが可能であり、前記特定位置は、前記ナビゲーション端末の広域無線通信不可能領域であり、前記案内情報送信部は、前記特定位置近傍に設けられた近距離無線通信装置を介して、案内情報を送信する。
【0027】
これにより、広域無線通信が不可能であっても、ドライバーを確実に誘導することができる。
【0028】
上記課題を解決する本発明の情報処理装置は、ナビゲーション端末と通信可能である通信部と、前記ナビゲーション端末から、前記ナビゲーション端末に入力された目的地、入力されたときの位置、入力されたときの時刻、および、前記ナビゲーション端末の端末IDを含む端末入力情報を取得する端末入力情報取得部と、前記ナビゲーション端末が特定位置を通過する時刻を予測する通過時刻予測部と、前記通過時刻予測部が予測した通過時刻を含む時間帯に特定位置を通過するナビゲーション端末に対し、前記端末IDを確認し、ナビゲーション端末を特定する特定部と、前記特定部がナビゲーション端末を特定した場合、前記特定位置近傍に設けられ、前記特定位置から前記目的地への案内情報と前記案内情報以外の情報を切替表示可能な表示装置に、切替指令を送信する切替指令送信部とを備える。
【0029】
精度良い予測により、ドライバーを確実に誘導することができるとともに、広告収入を増やすことができる。
【発明の効果】
【0030】
本発明の情報処理装置は、予測システムの一部である。本発明の情報処理装置を用いれば、予測精度向上を期待できる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1】予測システムの概略構成である
図2】情報処理装置の動作フローの一例である
図3】本願予測システムを、案内看板表示切替に適用する例のイメージ図である。
図4】案内看板表示切替の基本動作のイメージ図である。
図5】各通過量データのイメージ図である。
図6】案内看板表示切替に係る変形例のイメージ図である。
図7】案内通知に係るイメージ図である。
図8】本願予測システムを、大型飲食店の調理スケジュールに適用する例のイメージ図である。
図9】調理スケジュールのイメージ図である。
図10】調理スケジュール作成に係る変形例のイメージ図である。
図11】本願予測システムを、遊園地等のレジャー施設の駐車場の駐車状況予測に適用する例のイメージ図である。
図12】駐車状況予測のイメージ図である。
図13】本願予測システムを、遊園地等のレジャー施設の駐車場の誘導員配置計画に適用する例のイメージ図である。
図14】誘導員配置計画のイメージ図である。
図15】本願ポイントのイメージ図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
~共通構成~
図1は、予測システムの概略構成である。予測システムは、情報処理装置1と複数のナビゲーション端末2とを含む。
【0033】
情報処理装置1は、一般的な情報処理装置と同様、プロセッサ、メモリ、入出力インターフェイス、通信インターフェイス、データベースを有する。データベースは外部にあってもよい。情報処理装置1は、情報を入力し、プログラムにより所定の演算を実行し、演算結果を出力する。
【0034】
情報処理装置1と複数のナビゲーション端末2とはネットワークを介して相互に通信可能である。
【0035】
ナビゲーション端末2は、車載型端末が一般的であるが、ナビゲーションアプリを組み込んだ携帯端末(スマートフォン等)でもよい。ナビゲーション端末2は、GPS信号等により現在位置を認識している。目的地が入力されると、最適ルート、所要時間、到達予測時刻等を出力する。移動中も随時演算を継続し、出力結果を更新する。ナビゲーション端末2は一般的なナビゲーション端末と同等の構成を有する。
【0036】
情報処理装置1にける機能ブロック図について説明する。情報処理装置1は、通信部11と、端末情報取得部12と、到達時刻予測部13と、特定事項予測部14と、予測出力部15と、予測モデル更新部16と、修正部17とを備える。
【0037】
端末情報取得部12と、到達時刻予測部13とは、一般的なナビゲーションシステムの構成と類似する。
【0038】
端末情報取得部12は、通信部11を介して、ナビゲーション端末2から端末の現在位置情報、入力された目的地情報、端末識別情報を含む端末情報を取得する。
【0039】
到達時刻予測部13は、現在位置と目的地との距離と標準速度から所要時間を演算し、現在時刻と所要時間から目的地への到達時刻を予測する。適宜、外部より交通情報(渋滞情報)等を入力し、修正する。
【0040】
なお、上記形態では、情報処理装置1が、到達予測時刻を演算しているが、端末側または別の情報処理装置が到達予測時刻を演算し、端末情報の一つとして取得してもよい。すなわち、到達予測時刻を取得できれば、限定されない。
【0041】
また、最適ルート、所要時間、到達予測時刻等の出力情報は、通信部11を介して、ナビゲーション端末2に送信され、ナビゲーション端末2の画面に表示される。
【0042】
特定事項予測部14と、予測出力部15と、予測モデル更新部16とは、一般的な予測システムの構成と類似する。
【0043】
特定事項予測部14は、機械学習より生成された予測モデルを適用し、特定位置(たとえば目的地)にて発生する特定事項に係る予測をおこなう。過去の複数のパラメータに係るデータと特定事項の実測データとの相関関係に基づいて予測モデルが構築されている。対象時刻の対応パラメータを予測モデルに入力し、特定事項に係る予測結果を出力する。
【0044】
予測出力部15は、特定事項に係る予測結果を外部3~5に出力する。例えば、通信部11を介して、ナビゲーション端末2や、特定事項が発生する場所にある携帯端末5や、特定事項が発生する場所に設置されている別の情報処理装置4に送信する。
【0045】
予測モデル更新部16は、通信部11を介して、特定事項に係る実測結果を入力し、予測が実測に近づくように、予測モデルを再調整する。
【0046】
修正部17は、本願の特徴的な構成である。到達時刻予測部13での到達予測時刻に基づいて、特定事項予測部14がおこなった特定事項に係る予測情報を修正する。
【0047】
たとえば、到達予測時刻分布が特定事項予測分布に相似すると仮定して、概形が近似するようにキャリブレーションをおこない、特定事項予測分布を修正する。
【0048】
また、到達予測時刻分布を予測モデルのパラメータの1つとして入力し、特定事項に係る予測結果を出力してもよい。この場合、予測モデル更新部16は、到達時刻予測部13における到達予測時刻分布を学習データとして再活用し、実測結果との相関関係を解析し、予測モデルを再調整する。
【0049】
~共通動作~
図2は、情報処理装置1の動作フローの一例である。
【0050】
ナビゲーション端末2は固有の識別情報を有している。ナビゲーション端末2は現在位置を認識している。また、ナビゲーション端末2には目的地が入力される。
【0051】
端末情報取得部12は、通信部11を介して、ナビゲーション端末2から端末の現在位置情報、入力された目的地情報、端末識別情報を含む端末情報を取得する(ステップ1)。なお、現在時刻は、情報処理装置1側またはナビゲーション端末2側または両方にて取得する。
【0052】
到達時刻予測部13は、端末情報取得部12より端末情報を入力し、所定の演算を行ない、到達予測時刻等を出力する(ステップ2)。適宜、通信部11を介して、演算結果をナビゲーション端末2に送信する。
【0053】
一方で、ナビゲーション端末2の動作と並列して、特定事項予測部14は、機械学習より生成された予測モデルを適用し、特定位置(たとえば目的地)にて発生する特定事項に係る予測をおこなう(ステップ3)。たとえば、特定事項が発生する前日にて大まかな予測が可能である。予測出力部15は、特定位置にある携帯端末5や別の情報処理装置4に、前日に予測を出力する(ステップ4)。
【0054】
一方で、ステップ2における到達予測時刻は、特定事項が発生する当日(例えば数時間前)にて取得可能である。
【0055】
これにより、修正部17は、直近かつ精度のよいデータ(到達予測時刻)を特定事項に係る予測に反映させることができる(ステップ5)。なお、到達予測時刻は随時更新されるため、特定事項に係る予測も随時修正される。予測出力部15は、特定位置にある携帯端末5や別の情報処理装置4に、最新の予測を出力する。
【0056】
予測モデル更新部16は、通信部11を介して、特定事項に係る実測結果を入力し(ステップ6)、予測が実測に近づくように、予測モデルを再調整する(ステップ7)。
【0057】
~共通効果~
従来型予測システムは、過去の実測データに基づき予測する。当該データは、機械学習により相関性の高いパラメータと関連付けられるものの、直接の因果関係は不明である。その結果、予測精度に限界がある。
【0058】
一方、ナビゲーション端末2に目的地が入力された場合、特に、ナビゲーションシステムによる誘導が継続している場合は、ナビゲーション端末2の使用者(ドライバー)が当該目的地に来る可能性が極めて高い。さらに、到達予測時刻は精度も極めて高い。従来型予測システムで用いるデータが例えば特定事項が発生する前日以前に取得されているのに対し、到達予測時刻は直近(例えば数時間前)に取得されたものである。言い換えると、予測通りにドライバーが目的地に到着する可能性が極めて高い。
【0059】
到達予測時刻に基づいて特定事項に係る予測を修正することにより、予測精度向上を期待できる。
【0060】
~案内看板表示切替~
<概要>
図3は本願予測システムを、案内看板表示切替に適用する例のイメージ図である。
【0061】
ゴルフ場等の郊外のレジャー施設は、途中の要所(分岐地点等)に案内看板を設けることが多い。案内表示に誘導されることにより、ドライバーは迷わず目的地に到着できる。近年は殆どのドライバーがナビゲーションシステムを利用しているが、分岐等の表示が分かりにくいこともある。これに対し、併用して、ドライバーが案内看板を視認することにより、ナビゲーションシステムを補完できる。
【0062】
案内看板の周りには商業用の宣伝広告看板も併設されていることが多い。看板が多いと死角が増えて安全上の問題がある、景観を損なうといった批判もある。そのため、なるべく看板の数を減らすことが好ましい。このような批判に対し、近年はデジタルサイネージが注目されている。近年、デジタルサイネージは大型化および廉価化する傾向にある。
【0063】
デジタルサイネージでは、表示内容を適宜切り替えることができる。一つの案内看板によりレジャー施設への案内表示と複数の商用広告とを切り替えて表示できる。その結果、他の看板は不要となる。
【0064】
ところで、ゴルフ場等のレジャー施設へ向かうドライバーが、案内表示を必要とする時間帯は限定的であると推測される。例えば、ゴルフを朝から昼過ぎまでプレーすることが一般的であり、ゴルフ場に向かうドライバーは朝の時間帯に集中する。なお、ゴルフ場から帰宅するドライバーに案内表示は必要ない。
【0065】
ドライバーへの案内表示の必要性が少ない時間帯に、商業用宣伝表示を増やすことで広告収入が得られ、デジタルサイネージを維持運営できる。ここで、案内表示の時間帯や割合が重要になる。案内表示が不充分であると、ドライバーが迷い目的地に到着できないおそれもある。案内表示が過剰であると、充分な広告収入が得られない。そこで、本願予測システムは、最適な案内表示の切替を判断する。
【0066】
<通過量予測および時間帯設定>
図4は本願予測システムの基本動作のイメージ図である。図5は各データのイメージ図である。
【0067】
まず、どのくらいのドライバーが案内表示視認の必要であるか、すなわち需要量を推定する。案内看板を確認して目的地に向かう交通量を直接実測できればよいが、通過車両から当該目的地に向かう車両のみを抽出することは難しく、例えば以下のように推定する。
【0068】
案内看板3にセンサ(例えばカメラ)を設置し、当該目的地方面に向かう通過量を実測することは可能である(実測データA)。
【0069】
また、目的地入口にセンサ(例えばカメラ)を設置し、当該目的地に到着する通過量を実測することは可能である(実測データB)。
【0070】
実測データAには、当該目的地方面に向かうが、目的地とは無関係な車両も含まれている。実測データBには、当該案内看板に無関係な経路を経て目的地に到着した車両も含まれている。そこで、案内看板から目的地までの所要時間を考慮しながら、実測データAと実測データBとに含まれる車両を抽出する。画像解析により車両を特定してもよい。これにより、実測に準ずる案内看板前の車両通過量を推定できる。これを時系列とすることにより、交通量分布データ(推定データC)を取得できる。
【0071】
ところで、一般に、ゴルフ場等のレジャー施設の需要は、気象状況(気温、降水量、風速、日射量等)や休日か否か等の日時情報に左右されると推測される。例えば、休日かつ天候が良ければ来場者が多い可能性が高い。逆に、平日や悪天候であれば来場者が少ない可能性が高い。また、ゴルフ場等のレジャー施設は長時間滞在する傾向があり、目的地への来場者の車両が案内看板前を通過する時間帯は午前中に集中するものと思われる。その他、需要予測に影響するパラメータを特定する。
【0072】
過去の入力パラメータと過去の交通量分布データ(推定データC)との相関関係を解析し、予測モデルを構築する。たとえば、機械学習より予測モデルを生成する。
【0073】
さらに、当日のパラメータを予測し、予測モデルに入力し、交通量分布データ(予測データD)を予測する。すなわち、予測データDは、案内表示を必要とするドライバーに関する需要予測である。レジャー施設の特殊性により、需要が集中する時間帯が発生する。
【0074】
なお、上記通過量予測の手法は一例であり、他の手法でも良い。
【0075】
案内情報表示時間帯設定部14は、予測データDに対応して、需要が集中する時間帯を抽出し、案内表示を優先的に表示する時間帯を設定する。例えば、当該時間帯では、案内表示の割合を60%以上とする。具体的には、10秒間、案内表示をした後、5秒間、商用広告表示をし、これを繰り返す。当該時間帯以外では、案内表示の割合を40%以下とする。具体的には、5秒間、案内表示をした後、10秒間、商用広告表示をし、これを繰り返す。
【0076】
上記の例では、説明の簡略化の為、案内表示を優先的に表示する時間帯とそれ以外の時間帯の2つに分けたが、時間帯を細分化し、予測データDに対応して、需要に応じて案内表示の割合を設定してもよい。
【0077】
上記の例では、案内情報表示時間帯設定部14による案内表示優先の具体例として、表示時間に着目したが、表示面積に着目してもよい。例えば、案内表示と商用広告表示案内表示を同一画面に表示する。案内表示優先時間帯では、案内表示の面積割合を70%以上とし、商用広告表示の面積割合を30%未満とする。当該時間帯以外では、案内表示の面積割合を30%未満とし、商用広告表示の面積割合を70%以上とする。
【0078】
さらに、ドライバーが案内表示を見落とすことによる不利益(例えばドライバーからの苦情件数)を減益評価とし、減益評価を含めて広告収入益が最大化するように強化学習し、案内表示の時間帯を設定してもよい。すなわち、案内表示が適正に機能する範囲で、商用広告表示を増やす。
【0079】
<修正>
交通量分布データ(予測データD)は、過去の実測データに基づく予測である。過去のデータの傾向がそのまま再現されるとは限らない。また、入力パラメータと予測対象(交通量分布)には相関関係があると推測されるが、直接の因果関係は不明である。したがって、予測精度に限界がある。そこで、ナビゲーションンシステムから得られる通過予測時刻に基づいて、交通量分布データ(予測データD)を修正する。
【0080】
ゴルフ場等のレジャー施設への来場者(ドライバーまたはナビゲーション端末使用者)は、自宅等からレジャー施設に向かう際、ナビゲーション端末2に目的地(レジャー施設)を入力する。
【0081】
通過時刻予測部13は、ナビゲーション端末2を乗せた車両が、案内看板前を通過する時刻を予測する。なお、予測経路上に当該案内看板がない場合は、通過時刻予測を省略する。
【0082】
複数(多数)のナビゲーション端末2より、通過予測時刻を取得し、時系列とすることにより、予測データEを生成する。車両移動中も通過予測時刻を随時更新し、予測データEを随時更新する。
【0083】
予測データEには、ナビゲーション端末2に目的地を入力した来場者の情報のみしか反映されない。言い換えると、予測データEには、ナビゲーションシステムを利用しない来場者の情報は反映されない。
【0084】
しかし、近年は殆どのドライバーがナビゲーションシステムを利用していることから、多数の情報が得られる。また、ナビゲーション端末2に目的地を入力した来場者の殆どが当該目的地に向かうことから、予測再現性が高い。さらに、通過予測時刻は例えば数時間後の予測であり、かつ、ナビゲーションシステムの予測精度が高いことから、通過予測時刻の予測精度は高い。したがって、予測データEは実際に案内看板前を通過する通過量と近似もしくは相似するものと推測できる。
【0085】
言い換えると、予測データDは相関関係に基づくが、予測データEは因果関係に準ずる。
【0086】
修正部17は、通過時刻予測部13での通過予測時刻(予測データE)に基づいて、交通量分布データ(予測データD)を修正し、通過予測時刻(予測データF)を生成する。さらに、案内情報表示時間帯設定部14がおこなった案内情報を優先表示する時間帯を修正する。これにより予測精度が向上する。
【0087】
<出力と予測モデル更新>
出力部15は、通信部11を介して、案内看板3に表示切替情報(案内表示と商用広告表示との切替指令)を出力する。案内看板3は、切替指令に基づき、案内表示を優先表示し、または、商用広告表示優先を表示する。案内看板前を通過するドライバーは案内表示を視認する。
【0088】
これにより、ドライバーを確実に誘導することができるとともに、広告収入を増やすことができる。
【0089】
本願予測システムは、通過量を予測するとともに、通過量実測を行なっている。
【0090】
予測モデル更新部16は、修正後の予測データFが実測に準ずる推定データC(準実測データ)に近づくように、予測モデルを再調整する。これにより、予測モデルの予測精度も向上する。
【0091】
~案内看板表示切替 変形例~
<概要>
図6は、案内看板表示切替に係る変形例のイメージ図である。
【0092】
上記適用例と本変形例では、デジタルサイネージにより看板数を減らす点、最適な案内表示の切替を判断する点で共通する。
【0093】
上記適用例では、機械学習より生成された予測モデルを、ナビゲーションシステムよる予測時刻で修正するのに対し、本変形例ではナビゲーションシステムよる予測時刻を中心に最適な案内表示の切替を判断する。
【0094】
情報処理装置1と複数のナビゲーション端末2とはネットワークを介して相互に通信可能である。通信には、携帯電話網等の広域無線通信が用いられる。しかしながら、ゴルフ場等のレジャー施設の案内看板が設置される場所は、山間部など広域無線通信が不可能な場合も多い。ナビゲーションシステムによる誘導に不具合が発生するおそれもあり、案内看板の視認が重要になる。
【0095】
そこで、本変形例では、案内看板または案内看板近傍に近距離無線通信の基地局を設ける。近距離無線通信基地局は情報処理装置1と有線または無線により通信可能である。なお、ナビゲーション端末2は、広域無線通信と近距離無線通信の両方が可能である。したがって、ナビゲーション端末2は近距離無線通信基地局とも通信可能である。
【0096】
なお、広域無線通信と近距離無線通信の明確な区別は難しいが、説明の簡略の為、通信距離が100m以上(一般的に数km)のものを広域無線通信とし、通信距離が100m未満(かつ10m以上)のものを近距離無線通信とする。
【0097】
<切替指令>
ゴルフ場等のレジャー施設への来場者(ドライバーまたはナビゲーション端末使用者)は、自宅等からレジャー施設に向かう際、ナビゲーション端末2に目的地(レジャー施設)を入力する。
【0098】
端末情報取得部12は、通信部11を介して、ナビゲーション端末2から端末の現在位置情報、入力された目的地情報、端末識別情報を含む端末情報を取得する。
【0099】
通過時刻予測部13は、ナビゲーション端末2を乗せた車両が、案内看板前を通過する時刻を予測する。なお、予測経路上に当該案内看板がない場合は、通過時刻予測を省略する。移動中もナビゲーション端末2の現在位置を認識し、通過予測時刻は随時更新される。
【0100】
ナビゲーション端末特定部18(図示省略)は、通過予測時刻直前になると、近距離無線通信基地局を介して、ナビゲーション端末2の端末識別情報を確認し、特定する。たとえば、ナビゲーション端末2の端末識別情報を再取得し、最後に取得したナビゲーション端末2の端末識別情報と一致するか否か判断する。一致する場合は、ナビゲーション端末2を特定する。
【0101】
切替指令出力部15は、近距離無線通信基地局を介して、案内看板に表示切替情報(案内表示と商用広告表示との切替指令)を出力する。具体的には、ナビゲーション端末2を特定すると、案内表示に切り替えるように指令する。案内看板は、商用広告表示を基本とし、切替指令を受信すると案内表示を表示する。案内看板前を通過するドライバーは案内表示を視認する。案内看板は、所定時間経過すると商用広告表示に戻す。
【0102】
これにより、ドライバーを確実に誘導することができるとともに、広告収入を増やすことができる。
【0103】
~案内通知 変形例~
<概要>
図7は、案内通知に係るイメージ図である。
【0104】
本変形例は、上記案内看板表示切替の更なる変形例である。近年では、安全面や景観面から案内看板の撤去が求められている。
【0105】
情報処理装置1と複数のナビゲーション端末2とはネットワークを介して相互に通信可能である。通信には、携帯電話網等の広域無線通信が用いられる。しかしながら、ゴルフ場等のレジャー施設の案内看板が設置される場所は、山間部など広域無線通信が不可能な場合も多い。ナビゲーションシステムによる誘導に不具合が発生するおそれもあり、案内看板の視認が重要になる。本変形例では、案内看板を撤去し、これに変えて、ナビゲーション端末2に案内表示を通知する。
【0106】
<案内通知>
案内撤去位置またはその近傍に近距離無線通信の基地局を設ける。近距離無線通信基地局は情報処理装置1と有線または無線により通信可能である。なお、ナビゲーション端末2は、広域無線通信と近距離無線通信の両方が可能である。したがって、ナビゲーション端末2は近距離無線通信基地局とも通信可能である。
【0107】
ゴルフ場等のレジャー施設への来場者(ドライバーまたはナビゲーション端末使用者)は、自宅等からレジャー施設に向かう際、ナビゲーション端末2に目的地(レジャー施設)を入力する。
【0108】
端末情報取得部12は、通信部11を介して、ナビゲーション端末2から端末の現在位置情報、入力された目的地情報、端末識別情報を含む端末情報を取得する。
【0109】
通過時刻予測部13は、ナビゲーション端末2を乗せた車両が、案内撤去位置を通過する時刻を予測する。なお、予測経路上に案内撤去位置がない場合は、通過時刻予測を省略する。移動中もナビゲーション端末2の現在位置を認識し、通過予測時刻は随時更新される。
【0110】
ナビゲーション端末特定部18(図示省略)は、通過予測時刻直前になると、近距離無線通信基地局を介して、ナビゲーション端末2の端末識別情報を確認し、特定する。たとえば、ナビゲーション端末2の端末識別情報を再取得し、最後に取得したナビゲーション端末2の端末識別情報と一致するか否か判断する。一致する場合は、ナビゲーション端末2を特定する。
【0111】
案内通知出力部15は、近距離無線通信基地局を介して、特定したナビゲーション端末2に案内通知を出力する。仮に、広域無線通信不可能によりナビゲーションシステムによる誘導に不具合が発生する場合でも、ナビゲーション端末2には案内表示される。これにより、ドライバーを確実に誘導することができる。
【0112】
~飲食店調理スケジュール~
<概要>
図8は本願予測システムを、大型飲食店の調理スケジュールに適用する例のイメージ図である。
【0113】
従来の大型飲食店では、別の場所に設けられたセントラルキッチンにてあらかた調理しておき、加工済み料理を冷凍保存して店舗に運搬し、店舗にて解凍等の簡単な仕上げをすることで料理を提供している。一方で、近年は、地元の特産品を地元で食す、いわゆる地産地消が注目されている。地産地消では鮮度の良い地元食材を味わうことができる。
【0114】
セントラルキッチン方式では工業製品と同様に調理スケジュールを立てられるのに対し、地産地消方式では、需要・供給とも不安定であり、調理スケジュールが立てづらい。特に、冷凍保存等したり、保存料を使用してしまうと、鮮度の良い地元食材と言う長所が失われてしまう。いわゆる作り置きができない。この点でも、地産地消方式では、調理スケジュールが立てづらい。そこで、本願予測システムは、地産地消方式の飲食店の調理スケジュールを作成する。
【0115】
<調理スケジュール作成>
図9は調理スケジュールのイメージ図である。
【0116】
一般に、飲食店での需要は、気象状況(気温、降水量、風速、日射量等)や休日か否か等の日時情報に左右されると推測される。例えば、休日かつ天候が良ければ来客が多い可能性が高い。逆に、平日や悪天候であれば来客が少ない可能性が高い。また、ランチ時とディナー時に需要が集中する。その他、需要予測に影響するパラメータを特定する。例えば、春夏秋冬により旬の食材が異なる。
【0117】
過去の入力パラメータと過去の各食材使用量および各料理提供量(時系列含む)との相関関係を解析し、予測モデルを構築する。たとえば、機械学習より予測モデルを生成する。
【0118】
調理スケジュール作成部14は、当日のパラメータを予測し、予測モデルに入力し、各食材使用量および各料理提供量(時系列含む)を予測する。各提供料理に用いる対応食材や調理時間等を反映させ、調理スケジュールを作成する。
【0119】
図示の例では、説明を簡略化するため、工程を各使用食材の下処理と、各提供料理の本調理に分けている。各提供料理の需要時刻分布に対応できるように、各使用食材の下処理を行なう時刻を設定する。
【0120】
なお、上記需要予測の手法は一例であり、他の手法でも良い。
【0121】
出力部15は、通信部11を介して飲食店に設置してある端末4に調理スケジュールを出力する。飲食店運営者は、端末に表示されている調理スケジュールを閲覧する。調理スケジュールには各食材使用量も表示されている。大まかな調理スケジュールは前日に取得可能である。飲食店運営者は、調理スケジュールに対応できるように、各食材を前日までに発注し、調達しておく。
【0122】
<修正>
上記需要予測は、過去の実測データに基づく予測である。過去のデータの傾向がそのまま再現されるとは限らない。また、入力パラメータと予測対象(各料理提供量等)には相関関係があると推測されるが、直接の因果関係は不明である。したがって、予測精度に限界がある。そこで、ナビゲーションンシステムから得られる到着予測時刻に基づいて、需要予測および調理スケジュールを修正する。
【0123】
飲食店で食事しようとする客は(ドライバーまたはナビゲーション端末使用者)は、自宅等から飲食店に向かう際、ナビゲーション端末2に目的地(飲食店または飲食店が含まれる施設)を入力する。
【0124】
到着時刻予測部13は、ナビゲーション端末2を乗せた車両が、飲食店に到着する時刻を予測する。
【0125】
複数(多数)のナビゲーション端末2より到着予測時刻を取得し、時系列とすることにより、来店予想時刻分布を生成する。車両移動中も到着予測時刻を随時更新し、来店予想時刻分布を随時更新する。
【0126】
なお、飲食店の駐車場に車両が到着してから、飲食店にて客が着席するまでの時間はほぼ一定であると推測される。すなわち、来店時刻分布は到着時刻分布より所定時間(たとえば10分)ほど遅れて発生する。
【0127】
上記来店予想時刻分布には、ナビゲーション端末2に目的地を入力した来客の情報のみしか反映されない。言い換えると、ナビゲーションシステムを利用しない来客、車以外の手段でアクセスする来客の情報は反映されない。
【0128】
しかし、近年は殆どのドライバーがナビゲーションシステムを利用していることや、地産地消の飲食店へのアクセスは車が多いことから、多数の情報が得られる。また、ナビゲーション端末2に目的地を入力した来客の殆どが当該目的地に向かうことから、予測再現性が高い。さらに、到着予測時刻は例えば数時間後の予測であり、かつ、ナビゲーションシステムの予測精度が高いことから、到着予測時刻の予測精度は高い。したがって、上記来店予想時刻分布は実際の来店時刻分布と近似もしくは相似するものと推測できる。
【0129】
言い換えると、前日までに予測した各料理提供量等は相関関係に基づくが、当日の来店予想時刻分布は因果関係に準ずる。
【0130】
修正部17は、到着時刻予測部13での来店予想時刻分布に基づいて、各料理提供量等の予測や調理スケジュールを修正する。これにより予測精度が向上する。
【0131】
出力部15は、通信部11を介して飲食店に設置してある端末4に当日の調理スケジュールを出力する。飲食店運営者は、端末に表示されている調理スケジュールを閲覧する。
【0132】
飲食店に到着した客は車を駐車場に停めて来店し、着席する。ほとんど待ち時間なく出来立ての料理が客に提供される。
【0133】
当日の各食材使用量の予測が各食材調達量より多い場合は、過剰食材について鮮度を保つ処理を施し、可能であれば翌日使用する。当日の各食材使用量の予測が各食材調達量より少ない場合は、不足食材について当日追加発注する。地産地消の飲食店では、少量であれば食材調達は容易である。
【0134】
これにより、食材切れで料理を提供できないことがないし、食材が過剰に廃棄されることがない。
【0135】
<予測モデル更新>
本願予測システムは、各食材使用量や各料理提供量(時系列)を予測するとともに、各食材使用量や各料理提供量(時系列)を実測する。
【0136】
予測モデル更新部16は、修正後の各食材使用量や各料理提供量の予測値が実測値に近づくように、予測モデルを再調整する。これにより、予測モデルの予測精度も向上する。
【0137】
さらに、客が注文してから料理が提供されるまでの待ち時間に起因する減益評価、食材欠品による減益評価、食品廃棄による減益評価を換算して、減益評価が最少となる様に強化学習をしても良い。
【0138】
<変形例>
図10は調理スケジュール作成に係る変形例のイメージ図である。
【0139】
端末情報取得部12が取得する端末情報には、ナビゲーション端末2の端末識別情報が含まれる。
【0140】
情報処理装置1のデータベースまたは情報処理装置1と通信可能な別の情報処理装置のデータベースには、各端末識別情報に対応づけてナビゲーション端末2の使用者の嗜好性情報が記憶されている。そこで、端末情報取得部12が取得する端末情報に嗜好性情報を含める。嗜好性情報取得部は、端末情報取得部12の一部である。
【0141】
嗜好性情報と飲食店において注文される料理とは相関関係があると推定される。客は嗜好性情報に関連付けられた料理を注文する可能性が高い。到着時刻予測部13は、提供料理ごとに来店予想時刻分布、言い換えると、注文予想時刻分布を生成する。
【0142】
修正部17は、注文予想時刻分布に基づいて、各料理提供量等の予測や調理スケジュールを修正する。注文される料理まで予想可能であるため、予測精度が更に向上する。
【0143】
~駐車状況予測~
<概要>
図11は本願予測システムを、遊園地等のレジャー施設の駐車場の駐車状況予測に適用する例のイメージ図である。
【0144】
遊園地等のレジャー施設は数千人~数万人の集客力を有する。これに対応可能な駐車場が必要となる。1つの駐車場では不充分な場合は、レジャー施設の周辺に幾つかの駐車場を設ける。
【0145】
駐車場が広範囲に設けられると、混雑しているエリアと、空きがあるエリアとが混在することが発生する。しかしながら、来場者(ドライバー)には駐車場の駐車状況を把握できず、他に空きあるにもかかわらず、駐車場待ちをすることもある。仮に、駐車場管理者が、空きがあるエリアに誘導を試みても、ドライバーは全体状況を把握できていないので混乱するおそれがある。そこで、本願予測システムは、駐車場の駐車状況を予測し、事前にドライバーに通知する。
【0146】
<駐車状況予測>
図12は駐車状況予測のイメージ図である。
【0147】
来場者が多いと、駐車場は混雑する。来場者が少ないと、駐車場は空いている。したがって、来場者需要を介して、駐車状況を予測できる。
【0148】
一般に、レジャー施設の来場者需要は、気象状況(気温、降水量、風速、日射量等)や休日か否か等の日時情報に左右されると推測される。例えば、休日かつ天候が良ければ来場者が多い可能性が高い。逆に、平日や悪天候であれば来場者が少ない可能性が高い。
【0149】
レジャー施設は長時間滞在する傾向があり、到着時刻は午前中に集中するものと思われる。一方、夜間イベントがあれば、到着時刻分布も変化する。また、複数の駐車場がある場合や、複数の入口がある場など、各来場者の来場経路によっても、混雑具合は変化する。
【0150】
一方、ある程度の滞在時間が経過すると、駐車場は空いてくる。滞在時間は気象状況やイベント内容に左右されると推測される。その他、需要予測に影響するパラメータを特定する。
【0151】
過去の入力パラメータと過去の駐車状況との相関関係を解析し、予測モデルを構築する。たとえば、機械学習より予測モデルを生成する。
【0152】
駐車状況予測部14は、当日のパラメータを予測し、予測モデルに入力し、時刻ごとの各駐車場の駐車状況を予測する。
【0153】
図示の例では、予測対象時刻にて、駐車場Aには駐車場に充分空きがあり、駐車場Bには駐車場の空きは充分でなく、駐車場Cには駐車場は満車状態であり、待ち時間が発生すると予測されている。
【0154】
出力部15は、予測状況をホームページ等にて公開する。来場者は、各自の端末5にて事前にホームページ等を閲覧し、レジャー施設の駐車状況予測を把握し、空いている駐車場を選択する。事前に状況を把握しているので、現地にて混乱することがない。
【0155】
<修正>
上記需要予測は、過去の実測データに基づく予測である。過去のデータの傾向がそのまま再現されるとは限らない。また、入力パラメータと予測対象(需要予測に基づく駐車状況予測)には相関関係があると推測されるが、直接の因果関係は不明である。したがって、予測精度に限界がある。そこで、ナビゲーションンシステムから得られる到着予測時刻に基づいて、需要予測および駐車状況予測を修正する。
【0156】
レジャー施設への来場者は(ドライバーまたはナビゲーション端末使用者)は、自宅等からレジャー施設に向かう際、ナビゲーション端末2に目的地(レジャー施設)を入力する。
【0157】
到着時刻予測部13は、ナビゲーション端末2を乗せた車両が、レジャー施設に到着する時刻を予測する。
【0158】
複数(多数)のナビゲーション端末2より到着予測時刻を取得し、時系列とすることにより、到着予想時刻分布を生成する。車両移動中も到着予測時刻を随時更新し、到着予想時刻分布を随時更新する。
【0159】
上記到着予想時刻分布には、ナビゲーション端末2に目的地を入力した来場者の情報のみしか反映されない。言い換えると、ナビゲーションシステムを利用しない来場者の情報は反映されない。
【0160】
しかし、近年は殆どのドライバーがナビゲーションシステムを利用していることから、多数の情報が得られる。また、ナビゲーション端末2に目的地を入力した来場者の殆どが当該目的地に向かうことから、予測再現性が高い。さらに、到着予測時刻は例えば数時間後の予測であり、かつ、ナビゲーションシステムの予測精度が高いことから、到着予測時刻の予測精度は高い。したがって、到着時刻予測部13による到着予想時刻分布は実際の到着時刻分布と近似もしくは相似するものと推測できる。
【0161】
言い換えると、前日までに予測した到着予想時刻分布は相関関係に基づくが、当日の到着予想時刻分布は因果関係に準ずる。
【0162】
修正部17は、到着時刻予測部13での到着予想時刻分布に基づいて、駐車状況予測を修正する。これにより予測精度が向上する。
【0163】
出力部15は、各自の端末5に表示されるホームページ等における予測状況表示を更新する。さらに、通信部11を介してナビゲーション端末2に誘導案内を出力する。ドライバーは、誘導案内により、空いている駐車場に誘導される。全体状況を把握していなくても、現地にて混乱することがない。
【0164】
ナビゲーションシステムは、来場経路と駐車場状況を考慮して、最適な駐車場を選択し、ドライバーに提案する。ドライバーは、空いている駐車場があるにも関わらず、無駄に駐車場待ちをすることがない。
【0165】
<予測モデル更新>
本願予測システムは、各時刻の駐車場状況を予測するとともに、各時刻の駐車場状況を実測する。
【0166】
予測モデル更新部16は、修正後の駐車場状況予測が駐車場状況実測に近づくように、予測モデルを再調整する。これにより、予測モデルの予測精度も向上する。
【0167】
さらに、駐車場待ち時間が最少となる様に強化学習をしても良い。
【0168】
~誘導員配置計画~
<概要>
図13は本願予測システムを、遊園地等のレジャー施設の駐車場の誘導員配置計画に適用する例のイメージ図である。
【0169】
遊園地等のレジャー施設は数千人~数万人の集客力を有する。これに対応可能な大規模な駐車場が必要となる。1つの駐車場では不充分な場合は、レジャー施設の周辺に幾つかの駐車場を設ける。
【0170】
駐車場が大規模化したり広範囲に設けられると、混雑しているエリアと、空きがあるエリアとが混在することが発生する。また、満車になる時間帯にタイムラグが生じる。その結果、駐車場誘導員の必要性にバラツキが生じる。
【0171】
近年は人手不足の傾向と言われている。限られた人的資源を有効活用することが重要である。必要性の高い場所や時間帯に誘導員を重点配置する。そこで、本願予測システムは、誘導員配置計画を作成する。
【0172】
<誘導員配置計画>
図14は誘導員配置計画のイメージ図である。
【0173】
来場者が多いと、駐車場は混雑し、誘導員の必要性は高まる。来場者が少ないと、駐車場は空いており、誘導員の必要性はそれほど高くない。したがって、来場者需要は誘導員配置計画を練るにあたり重要な要素である。
【0174】
一般に、レジャー施設の来場者需要は、気象状況(気温、降水量、風速、日射量等)や休日か否か等の日時情報に左右されると推測される。例えば、休日かつ天候が良ければ来場者が多い可能性が高い。逆に、平日や悪天候であれば来場者が少ない可能性が高い。
【0175】
レジャー施設は長時間滞在する傾向があり、到着時刻は午前中に集中するものと思われる。一方、夜間イベントがあれば、到着時刻分布も変化する。また、複数の駐車場がある場合や、複数の入口がある場合など、各来場者の来場経路によっても、混雑具合は変化する。
【0176】
一方、ある程度の滞在時間が経過すると、帰宅客が発生する。滞在時間は気象状況やイベント内容に左右されると推測される。帰宅客が集中すると、誘導員の必要性は高まる。
【0177】
その他、誘導員の必要性に影響するパラメータを特定する。
【0178】
過去の入力パラメータと過去の誘導員必要性や誘導員配置状況との相関関係を解析し、予測モデルを構築する。たとえば、機械学習より予測モデルを生成する。
【0179】
誘導員配置計画部14は、当日のパラメータを予測し、予測モデルに入力し、時刻ごとに誘導員の必要性を予測し、誘導員の必要性が高いところに誘導員を配置する。
【0180】
図示の例では、当初、駐車場A、駐車場B、駐車場Cに1名づつ誘導員を配置するとともに、駐車場A→駐車場B→駐車場Cの順番で混雑すると予測し、混雑状況に合わせて誘導員を補強している。特に、正午前には、駐車場Aでは満車になり、誘導員の必要性は低下するとともに、駐車場Cでは来場者で混雑し、誘導員の必要性が増加すると予測し、駐車場Aには誘導員を配置せず、駐車場Cには誘導員を3人配置する。
【0181】
午後からは、駐車場Aから来場者が帰宅しはじめると予想し、駐車場Aには誘導員を2人配置する。以降、帰宅客の混雑状況に合わせて、誘導員を重点配置する。
【0182】
出力部15は、通信部11を介して駐車場管理者の端末4に誘導員配置計画を出力する。駐車場管理者は、端末に表示されている誘導員配置計画を閲覧する。大まかな誘導員配置計画は前日に取得可能である。駐車場管理者は、本願予測システムによる誘導員配置計画に瑕疵がないか検証し、承認する。
【0183】
出力部15は、通信部11を介して各誘導員の有する端末5に、誘導員ごとのスケジュールを出力する。各誘導員は、各自のスケジュールに従って、配置箇所にて従事する。
【0184】
<修正>
上記需要予測は、過去の実測データに基づく予測である。過去のデータの傾向がそのまま再現されるとは限らない。また、入力パラメータと予測対象(需要予測に基づく誘導員必要性予測)には相関関係があると推測されるが、直接の因果関係は不明である。したがって、予測精度に限界がある。そこで、ナビゲーションンシステムから得られる到着予測時刻に基づいて、需要予測および誘導員配置計画を修正する。
【0185】
レジャー施設への来場者は(ドライバーまたはナビゲーション端末使用者)は、自宅等からレジャー施設に向かう際、ナビゲーション端末2に目的地(レジャー施設)を入力する。
【0186】
到着時刻予測部13は、ナビゲーション端末2を乗せた車両が、レジャー施設に到着する時刻を予測する。
【0187】
複数(多数)のナビゲーション端末2より到着予測時刻を取得し、時系列とすることにより、到着予想時刻分布を生成する。車両移動中も到着予測時刻を随時更新し、到着予想時刻分布を随時更新する。
【0188】
上記到着予想時刻分布には、ナビゲーション端末2に目的地を入力した来場者の情報のみしか反映されない。言い換えると、ナビゲーションシステムを利用しない来場者の情報は反映されない。
【0189】
しかし、近年は殆どのドライバーがナビゲーションシステムを利用していることから、多数の情報が得られる。また、ナビゲーション端末2に目的地を入力した来場者の殆どが当該目的地に向かうことから、予測再現性が高い。さらに、到着予測時刻は例えば数時間後の予測であり、かつ、ナビゲーションシステムの予測精度が高いことから、到着予測時刻の予測精度は高い。したがって、到着時刻予測部13による到着予想時刻分布は実際の到着時刻分布と近似もしくは相似するものと推測できる。
【0190】
言い換えると、前日までに予測した到着予想時刻分布は相関関係に基づくが、当日の到着予想時刻分布は因果関係に準ずる。
【0191】
修正部17は、到着時刻予測部13での到着予想時刻分布に基づいて、誘導員配置計画を修正する。これにより予測精度が向上する。
【0192】
出力部15は、通信部11を介して駐車場管理者の端末4に当日の誘導員配置計画を出力し更新する。駐車場管理者は、端末に表示されている当日の誘導員配置計画を閲覧し、検証し、承認する。
【0193】
出力部15は、通信部11を介して各誘導員の有する端末5に、誘導員ごとのスケジュールを出力し更新する。各誘導員は、変更指示に従って、配置箇所にて従事する。
【0194】
<予測モデル更新>
本願予測システムは、誘導員の必要性を予測するとともに、誘導員の必要性を実測する。たとえば、来場車両や退出車両の通行量や、駐車待ち車両や退出待ち車両の滞留時間を測定し、誘導員必要性の指標とする。
【0195】
予測モデル更新部16は、修正後の誘導員の必要性予測が誘導員の必要性実測に近づくように、予測モデルを再調整する。これにより、予測モデルの予測精度も向上する。
【0196】
~本願ポイント~
図15は本願ポイントのイメージ図である。
【0197】
本願は、需要予測システムとナビゲーションシステムとから構成されている。需要予測システムは、過去のデータの相関関係に基づき予測モデルを構築する。上記予測モデルは過去のデータの相関関係に基づくが、直接の因果関係は不明であるため、予測精度に限界がある。
【0198】
一方、ナビゲーションシステムにおいて、目的地が入力された場合、ほとんどの場合、目的地に向かう。また、到着予測時刻の精度は非常に高い。したがって、到着予測時刻に高確率でナビゲーション端末2の使用者が目的地に到着する。すなわち、他のパラメータに比べて、直接の因果関係が高い。言い換えると、実測データに準ずる。
【0199】
一方、ナビゲーションシステムに基づく到着予測時刻は、前日には取得できない。したがって、前日までに需要予測システムにより、大まかな需要予測をし、需要予測に対して対応し、当日に到着予想時刻分布に基づいて修正する。これにより、予測精度が向上する。
【0200】
前日までの予測は予測精度に限界があり、前日までに適切に対応していても、当日、不具合が発生するおそれがある。修正後の予測は数時間前の情報に基づく予測(厳密には過去データによる予測)ではあるが、不具合があれば、この数時間(目的地入力から目的地到着までの移動時間)で対応できる。すなわち、対応を修正できる。
【0201】
本願発明は、この数時間を有効活用することに着目した点に特徴がある。
【符号の説明】
【0202】
1 情報処理装置
2 ナビゲーション端末
3 表示装置(案内看板)
4 管理端末
5 携帯端末
11 通信部
12 端末情報取得部
13 到達時刻予測部
14 特定事項予測部
15 予測出力部
16 予測モデル更新部
17 修正部
18 ナビゲーション端末特定部
図1
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