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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-19
(45)【発行日】2024-03-28
(54)【発明の名称】加工野菜流通システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/087 20230101AFI20240321BHJP
【FI】
G06Q10/087
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2019225822
(22)【出願日】2019-12-13
(65)【公開番号】P2021096528
(43)【公開日】2021-06-24
【審査請求日】2021-07-16
(73)【特許権者】
【識別番号】524060898
【氏名又は名称】内藤 靖雄
(74)【代理人】
【識別番号】100080160
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 憲一郎
(72)【発明者】
【氏名】内藤 靖雄
【審査官】加内 慎也
(56)【参考文献】
【文献】特開平09-212556(JP,A)
【文献】特開平07-021256(JP,A)
【文献】特開2011-100488(JP,A)
【文献】特開2001-243556(JP,A)
【文献】特開2013-161296(JP,A)
【文献】特開2014-191618(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
システムを管理運用するシステムサーバと、
野菜を生産する生産者が所有する生産者端末と、
前記生産者が出荷した野菜を加工して加工野菜を生産する加工施設が所有する加工施設端末と、
前記加工野菜を販売する販売店が所有する販売店端末と、
が公衆通信回線網で相互に通信可能に接続された加工野菜流通システムであって、
前記システムサーバは、
前記加工施設端末に対して前記加工野菜の生産に必要な野菜の種類毎の作業手順や生産量、生産に必要な情報を指示するとともに、前記加工施設端末から受信した加工野菜の在庫量を管理し、前記販売店端末からの受注に応じて当該加工野菜の出荷を前記加工施設端末に指示し、前記加工施設における加工野菜の在庫量の減少に応じて生産する加工野菜の種類や生産量を前記加工施設端末に指示するように構成し、
しかも、前記加工施設端末を所有する前記加工施設は、
前記加工施設端末で受信した前記システムサーバからの加工野菜の生産に必要な野菜の種類毎の作業手順や加工野菜の生産量、生産に必要な情報に基づいて、加工する野菜の種類に応じて、洗浄、皮むき、へた取り、根部の切削等の料理に用いない部位を除去する一次加工処理と、
一次加工処理した野菜の種類に応じて加工する野菜をあらゆる料理の最終形態に用いられる大きさよりも大きくカットすると共に、カットした野菜の変色を防止し、鮮度を保持するために殺菌・滅菌を行う二次加工処理と、
前記二次加工処理後の野菜を、野菜の名称や内容量が記載され、収納された野菜を外側から確認できるように一部透明部を有する袋やコンテナに収納し、加工野菜が個人消費者用の購買物である場合には、グラム単位で袋にパッケージするパッケージ処理との順序で加工野菜の生産を加工施設作業者に行わせるように構成し、
更に、前記加工施設は、前記二次加工処理において、前記一次加工処理において料理に用いない部位の除去処理した野菜の種類に従って前記加工施設端末で受信した野菜の種類毎の作業手順や生産量等の、生産に必要な情報を二次加工処理情報として表示装置に表示するように構成した、
とを特徴とする加工野菜流通システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加工野菜流通システムに関し、詳しくは、購買者が目的とする料理の種類に応じた任意の大きさにカットして使用可能な加工野菜を提供する加工野菜流通システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、スーパー等の店舗で販売されているカット野菜(所謂、加工野菜)は、販売時に既にカット野菜の用途(例えば、サラダ用、野菜炒め用、煮物用等)に合わせて野菜の種類やカットされる最終形態の大きさが決められている。このようなカット野菜のカット形態は、カット野菜の使用する料理に応じて、例えば、千切り、角切り、みじん切り、輪切り、短冊切り、さいの目切り、乱切り等でカットされている。
【0003】
このようなカット野菜は、十分に洗浄・殺菌された状態でパッケージされているため、購買者は、カット野菜を入れた密封袋から取り出してそのまま又は調理して食することができる。このため、購買者は、料理に応じたカット野菜を購入するだけで、簡単に料理ができ、野菜の皮むき、へた取り等の下処理(料理に用いられない野菜の部位の切除)による生ごみ等が生じることもなく、その需要は極めて大きい。
【0004】
上記カット野菜は、用いられる料理の最終形態に合わせて小さくカットされている場合が殆どであるため、細胞組織が切断されることにより、細胞組織から栄養分が流出する。また、カット処理により損傷した部位の切断面等が露出するため、短時間でカット野菜の鮮度が劣化し、細菌等の増殖による変質、腐敗、変色等が生じ易い。このため、細菌等の増殖を抑制し、カット野菜の変質、腐敗、変色(黒色化)等を抑止するとともにカット野菜の鮮度の保持期間を長期間(例えば、10日間程度)とする技術が開示されている(例えば、特許文献1を参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2016-67234号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記特許文献1開示されているカット野菜は、大きさは特に限定されていないとはいえ、料理の最終形態に合わせて小さくカットされていることが殆どであるため、目的の料理にしか使用できず、購買者(料理人)が任意に選択した料理に使用することはできない。つまり、サラダ用や野菜炒め用のカット野菜は、煮物等の煮込み料理には使用できないという問題がある。
【0007】
さらに、用いられる料理の最終形態に合わせてカットされたカット野菜は、野菜の種類が料理の用途に応じて限定されている。このため、購買者が好みの他の野菜を追加する場合には、結局、野菜(原型の野菜)を別途購入して、料理の最終形態に合わせて野菜を洗浄したり料理に用いない部位(例えば、皮、へた、根部)を切削したりする下処理を行なわなければならない。つまり、従来の料理の用途が限定されているカット野菜では、購買者(料理人)が任意に選択した料理に対応できないため、購買者(個人消費者や飲食店)における生ごみの発生を無くすことはできない。
【0008】
本発明は、上述した課題を解決するために、購買者が使用する野菜の販売店(スーパーや小売店)を介した、従来の野菜の流通形態を基本的に変革するために、野菜の販売店においては、野菜を洗浄したり料理に用いない部位(例えば、皮、へた、根部)を切削したりする下処理のみを行い、購買者が任意に選択したあらゆる料理の最終形態に用いられる大きさ(又は、重量)よりも大きくカットした加工野菜を提供する。このように、敢えて購買者が任意に選択した料理の最終形態に使用する大きさにカットするという一手間が必要な加工野菜を故意に作り出して提供することで、野菜を原型(つまり、未加工の野菜)のまま流通して販売するという従来の野菜の流通形態とは異なる新たな野菜の流通形態を提供することができる。
【0009】
つまり、従来の農業生産者から提供された原型のままの野菜を購買者に提供するという流通形態に代わり、購買者が任意に選択した料理に使用することができるように、生ごみ等が発生する下処理のみを行い、購買者が任意に選択した料理に使用することができる大きさにカットした加工野菜を提供するという、新たな野菜の流通形態である加工野菜流通システムを構築することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、本発明は、システムを管理運用するシステムサーバと、野菜を生産する生産者が所有する生産者端末と、前記生産者が出荷した野菜を加工して加工野菜を生産する加工施設が所有する加工施設端末と、前記加工野菜を販売する販売店が所有する販売店端末と、が公衆通信回線網で相互に通信可能に接続された加工野菜流通システムであって、前記システムサーバは、前記加工施設端末に対して前記加工野菜の生産に必要な野菜の種類毎の作業手順や生産量、生産に必要な情報を指示するとともに、前記加工施設端末から受信した加工野菜の在庫量を管理し、前記販売店端末からの受注に応じて当該加工野菜の出荷を前記加工施設端末に指示し、前記加工施設における加工野菜の在庫量の減少に応じて生産する加工野菜の種類や生産量を前記加工施設端末に指示するように構成し、しかも、前記加工施設端末を所有する前記加工施設は、前記加工施設端末で受信した前記システムサーバからの加工野菜の生産に必要な野菜の種類毎の作業手順や加工野菜の生産量、生産に必要な情報に基づいて、加工する野菜の種類に応じて、洗浄、皮むき、へた取り、根部の切削等の料理に用いない部位を除去する一次加工処理と、一次加工処理した野菜の種類に応じて加工する野菜をあらゆる料理の最終形態に用いられる大きさよりも大きくカットすると共に、カットした野菜の変色を防止し、鮮度を保持するために殺菌・滅菌を行う二次加工処理と、前記二次加工処理後の野菜を、野菜の名称や内容量が記載され、収納された野菜を外側から確認できるように一部透明部を有する袋やコンテナに収納し、加工野菜が個人消費者用の購買物である場合には、グラム単位で袋にパッケージするパッケージ処理との順序で加工野菜の生産を加工施設作業者に行わせるように構成し、更に、前記加工施設は、前記二次加工処理において、前記一次加工処理において料理に用いない部位の除去処理した野菜の種類に従って前記加工施設端末で受信した野菜の種類毎の作業手順や生産量等の、生産に必要な情報を二次加工処理情報として表示装置に表示するように構成した、ことを特徴とする加工野菜流通システムとした。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、購買者が任意に選択する料理に使用することができる加工野菜を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本実施形態の加工野菜流通システムの構成を示す図である。
図2】本実施形態の加工野菜流通システムのシステムサーバの電気的構成を示すブロック図である。
図3】本実施形態の加工野菜流通システムの野菜の流通の概要を説明する図である。
図4】本実施形態の加工野菜流通システムの加工野菜の生産及び流通の概要を説明する図である。
図5】本実施形態の加工野菜流通システムの野菜加工処理を説明する図である。
図6】本実施形態の加工野菜流通システムの野菜加工処理を説明する図である。
図7】本実施形態の加工野菜流通システムの野菜加工処理を説明する図である。
図8】本実施形態の加工野菜流通システムの野菜の流通の概要の変形例を説明する図である。
図9】本実施形態の加工野菜流通システムの野菜の種類別の加工野菜の製品仕様を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明は、本発明は、システムを管理運用するシステムサーバと、野菜を生産する生産者が所有する生産者端末と、前記生産者が出荷した野菜を加工して加工野菜を生産する加工施設が所有する加工施設端末と、前記加工野菜を販売する販売店が所有する販売店端末と、が公衆通信回線網で相互に通信可能に接続された加工野菜流通システムであって、前記システムサーバは、前記加工施設端末に対して前記加工野菜の生産に必要な野菜の種類毎の作業手順や生産量、生産に必要な情報を指示するとともに、前記加工施設端末から受信した加工野菜の在庫量を管理し、前記販売店端末からの受注に応じて当該加工野菜の出荷を前記加工施設端末に指示し、前記加工施設における加工野菜の在庫量の減少に応じて、生産する加工野菜の種類や生産量を前記加工施設端末に指示することを特徴とする加工野菜流通システムに関するものである。
【0014】
以下、本実施形態に係る加工野菜流通システムの一例について、図面を参照して説明する。図1は、本実施形態の加工野菜流通システムの構成を示す図である。図2は、本実施形態の加工野菜流通システムのシステムサーバの電気的構成を示すブロック図である。図3は、本実施形態の加工野菜流通システムの野菜の流通の概要を説明する図である。図4は、本実施形態の加工野菜流通システムの加工野菜の生産及び流通の概要を説明する図である。図5~7は、本実施形態の加工野菜流通システムの野菜加工処理を説明する図である。図8は、本実施形態の加工野菜流通システムの野菜の流通の概要の変形例を説明する図である。図9は、本実施形態の加工野菜流通システムの野菜の種類別の加工野菜の製品仕様を説明する図である。
【0015】
[1.加工野菜流通システムの構成]
図1に示すように、加工野菜流通システム1は、この加工野菜流通システム1を運用するシステム事業者100が管理するシステムサーバ10と、加工野菜流通システム1へ生産した各種野菜(根菜、葉物野菜等)を提供する生産者200が所有する生産者端末20と、複数の加工施設300が所有する複数の加工施設端末30と、加工野菜を販売する複数の販売店400が所有する販売店端末40と、により構成され、システムサーバ10と各端末(生産者端末20、加工施設端末30、販売店端末40)は、公衆通信回線網60を介してそれぞれ相互に通信可能に接続されている。
【0016】
システム事業者100は、新たな野菜の流通システムである加工野菜流通システム1を運用する事業者である。このシステム事業者100は、生産者200が出荷した複数種類の野菜の数量の管理、加工施設300における加工野菜の生産の管理、加工施設300で生産した加工野菜の販売店400への出荷等を管理する業務を行う事業者である。このため、システム事業者100としては、野菜の流通の専門家である従来の青果市場等を経営する事業者が好適ではあるが、生産者200、加工施設300、販売店400等を経営する事業者が加工野菜流通システム1のシステム事業者100として参加してもよい。
【0017】
生産者200は、加工野菜流通システム1を流通する加工野菜の原料となる各種野菜(根菜、葉物野菜等)を生産する野菜生産農家である。加工施設300は、加工野菜流通システム1を流通する加工野菜を生産する事業者である。販売店400は、加工野菜流通システム1を流通する加工野菜を販売する大型スーパーや野菜の小売店である。
【0018】
システムサーバ10、生産者端末20、加工施設端末30及び販売店端末40は、周知のコンピュータ(サーバ、デスクトップパソコン、ノートパソコン等)が好適に用いられるが、公衆通信回線網60を介して相互に通信可能な機能を備えたものであればよい。また、公衆通信回線網60は、周知のインターネット回線、携帯電話通信回線、電話回線、通信衛星回線等である。
【0019】
上記構成において、システムサーバ10は、加工野菜流通システム1において、生産者200から加工施設300へ出荷された複数種類の野菜を加工するために、加工施設端末30に対して加工野菜の生産に必要な野菜の種類毎の作業手順や生産量、生産に必要な情報(後述の一次加工情報、二次加工情報、パッケージ情報)を指示するとともに、加工施設端末30から受信した加工野菜の生産(在庫)量を管理する。また、販売店端末40からの受注に応じて、販売店400への加工野菜の出荷を加工施設端末30に指示するとともに、加工施設300における加工野菜の在庫量の減少に応じて、生産する加工野菜の種類や生産量を加工施設端末30に指示する。
【0020】
生産者端末20は、システムサーバ10に対して、生産者200から加工施設300へ出荷された複数種類の野菜の種類や数量をシステムサーバ10に送信する。加工施設端末30は、システムサーバ10から受信した加工野菜の生産に必要な野菜の種類毎の作業手順や生産量、生産に必要な情報に基づいて、作業員に対して、複数種類の野菜の加工における作業手順を開示するとともに、生産した加工野菜の種類別の数量や重量、消費期限等をシステムサーバ10に送信する。また、システムサーバ10の指示に基づいて、販売店400へ加工野菜を出荷する。販売店端末40は、販売する加工野菜の種類別の数量をシステムサーバ10に発注し、販売店400は、入荷した加工野菜を店頭に陳列し、購買者500へ販売する。
【0021】
上記のように、本実施形態の加工野菜流通システム1においては、システム事業者100のシステムサーバ10と、生産者200の生産者端末20と、加工施設300の加工施設端末30と、販売店400の販売店端末40とが公衆通信回線網60を介してそれぞれ相互に通信可能に接続されている。このため、システムサーバ10において、加工野菜流通システム1で流通する加工野菜の種類、数量、販売量等を一元的に管理することができる。このため、例えば、年間を通した加工野菜の種類に応じた販売量を分析し、生産者200に提示することができ、生産者200は自身が生産する野菜の効率の良い生産計画を立案することができる。
【0022】
また、加工野菜流通システム1における野菜や加工野菜の流通に係る各種費用、例えば、生産者200が出荷した野菜の収益、加工施設300が生産した加工野菜の生産に係る費用、加工施設300が販売店400に出荷した加工野菜の費用、販売店400における加工野菜の小売価格等をシステムサーバ10により一括して管理・配分することで、電子決済等の手段を活用することができる。
【0023】
さらに、本実施形態の加工野菜流通システム1は、野菜には用いない野菜の部位を削除する下処理(皮むき、へた取り、根部の削除)のみを行い、購買者が任意に選択した料理に使用することができる大きさにカットした加工野菜を提供するという新たな野菜の流通システムである。このため、加工野菜を購入した購買者500の元では、野菜の下処理で発生する野菜くず(皮、へた、野菜の芯、根部等の生ごみ)の発生を可及的に低く抑えることができるため使い勝手がよい。これにより、野菜の摂取不足が指摘されている現代社会において、野菜の消費を積極的に促進することができる。
【0024】
[2.システムサーバの電気的構成]
以下、図2を参照して、本実施形態の加工野菜流通システム1におけるシステムサーバ10の電気的構成を説明する。図2に示すように、システムサーバ10は、記憶部11、入出力制御部12、制御部13、外部通信制御部14などから構成されている。
【0025】
記憶部11は、HDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリ等の大容量記憶装置により構成されている。この記憶部11には、上述した野菜の種類毎の加工野菜の製品仕様(後述の一次加工処理情報、二次加工処理情報、パッケージ処理情報に必要な情報)や加工施設300毎の加工野菜の種類毎の生産量(在庫)等の各種情報が記憶されている。
【0026】
入出力制御部12は、システムサーバ10に接続されている図示しない液晶表示装置や、キーボード/マウスなどの外部入出力装置との通信を制御する。
【0027】
制御部13は、図示しないCPU(中央演算装置)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリなどで構成されている。また、この制御部13のCPUは、ROM又は記憶部11に予め記憶されている各種プログラムを実行することにより、本実施形態における各種手段(各種処理)として機能することになる。
【0028】
外部通信制御部14は、外部の公衆通信回線網60と接続され、制御部13の指示に基づいて、加工野菜流通システム1における複数の生産者端末20、複数の加工施設端末30及び複数の販売店端末40との通信を制御する。
【0029】
[3.加工野菜流通システムにおける野菜の流通の概要]
以下、図3を参照して、本実施形態にける加工野菜流通システム1における野菜(加工野菜を含む)の流通の概要を説明する。図3に示すように、加工野菜流通システム1は、野菜を生産する複数の生産者200と、生産者200が出荷した野菜を加工する複数の加工施設300と、加工施設300から加工野菜を購入する複数の販売店400と、販売店400から加工野菜を購入する購買者500と、により構成される。
【0030】
生産者200は、加工野菜流通システム1を流通する加工野菜の原料となる各種野菜(根菜、葉物野菜等)を生産する野菜生産農家である。加工施設300は、生産者200が生産した野菜の野菜加工処理を行う施設を有する業者である。販売店400は、加工施設300から加工野菜を購入し、店頭に陳列して購買者500に販売する店舗(スーパー、小売店舗)である。購買者500は、販売店400の店頭において加工野菜を購買する個人の消費者又は料理を提供する飲食店の料理人である。
【0031】
生産者200は、生産した野菜を加工施設300に出荷する。加工施設300は入荷した野菜に対して、野菜の種類に応じた所定の加工処理をして加工野菜を生産し、この加工野菜を販売店400に出荷する。販売店400は入荷した加工野菜を店頭に陳列・販売する。購買者500は、自身が任意に選択した料理を調理するのに必要な加工野菜を購入する。
【0032】
[4.加工野菜流通システムの加工野菜の生産及び流通の概要]
以下、図4を参照して、本実施形態の加工野菜流通システム1の加工野菜の生産及び流通の概要を説明する。
【0033】
まず、生産者200は、生産した野菜を加工施設300に出荷する(ステップS1)。生産者200が加工施設300に出荷した野菜の種別や数量(重量)は、加工施設300の加工施設端末30からシステムサーバ10に送信され、システムサーバ10において加工野菜の原料としてその種別や数量(重量)が管理される。これにより、システムサーバ10は、加工施設300に入荷された加工野菜の原料となる野菜の種別や数量(重量)を管理し、加工施設300において、加工野菜の原料となる野菜が不足していた場合は、システムサーバ10から生産者端末20に出荷を依頼する。なお、生産者200が加工施設300に出荷した野菜の種別や数量(重量)は、適宜(例えば、月1回等)、野菜市場の価格等に応清算され、システム事業者100と生産者200間で決済される。
【0034】
加工施設300は、入荷した野菜を所定の倉庫(冷蔵・冷凍倉庫を含む)に保存する(ステップS2)。そして、システムサーバ10からの指示(加工野菜を生産する野菜の種類・数量(重量))に応じて、入荷した野菜に対して一次加工処理(ステップS3)、二次加工処理(ステップS4)、パッケージ処理(ステップS5)の順序で本実施形態における加工野菜を生産する。この一次加工処理(ステップS3)、二次加工処理(ステップS4)、パッケージ処理(ステップS5)が本実施形態における野菜加工処理である。加工施設300は、生産した加工野菜を冷蔵庫に保管する(ステップS6)。
【0035】
加工施設300は、システムサーバ10から加工野菜の出荷指示を加工施設端末30で受信(ステップS7)すると、指示された加工野菜の種類、数量を冷蔵庫から出庫して販売店400へ出荷する。本実施形態においては、販売店400からの加工野菜の発注は、販売店端末40からシステムサーバ10へ加工野菜の種類・数量(重量)が指定されて発注される。システムサーバ10は、受注した加工野菜の出荷を加工施設300に指示することで、加工施設300から販売店400に加工野菜が出荷される。
【0036】
販売店400は、入荷した加工野菜を店頭に陳列して販売する(ステップS8)。購買者500は、販売店400が店頭に陳列した加工野菜の中から、購買者500が任意に選択した料理を調理するのに必要な加工野菜を購入する(ステップS9)。
【0037】
システムサーバ10は、加工施設300から販売店400へ出荷した加工野菜の種類・数量(重量)の在庫を管理し、加工施設300において在庫が少ない種類の野菜の加工野菜の生産を加工施設端末30に指示する。これにより、加工施設300において、上述した野菜加工処理(一次加工処理(ステップS3)、二次加工処理(ステップS4)、パッケージ処理(ステップS5))が実行されて加工野菜が生産されることで、加工施設300は、適正な在庫(数量又は重量)の加工野菜の在庫を確保することができる。
【0038】
本実施形態の加工施設300は、生産者200から出荷された加工野菜の原料となる野菜から適正な在庫の加工野菜を生産した後は、加工施設300から販売店400へ出荷した分の加工野菜を生産するシステムとしている。加工野菜の適正な在庫(数量又は重量)は、野菜の種類、季節等により変動するものではあるが、このように加工野菜の適正な在庫をシステムサーバ10で管理することで、無駄に在庫を増やすことで生じる加工野菜の賞味期限(消費期限)が切れることを防止することができる。
【0039】
また、詳細は後述するが、上述したパッケージ処理においては、購買者500が個人消費者である場合と、飲食店である場合を想定して、容量の異なる二種類のパッケージで加工野菜をパッケージする。例えば、個人消費者を想定してグラム(100g)単位の袋(ビニール袋等)にパッケージしたり、飲食店を想定してキログラム(10kg)単位のコンテナ等にパッケージしたりする。
【0040】
[5.加工野菜流通システムの一次加工処理]
以下、図5を参照して、本実施形態の加工野菜流通システム1の加工施設300で実行される一次加工処理を説明する。
【0041】
最初に、加工施設端末30は、システムサーバ10から受信した加工野菜の生産の指示情報(製品仕様)に含まれる野菜の種類毎の作業手順や生産量、生産に必要な情報(一次加工処理情報)を表示装置(図示しない液晶表示装置等)に表示する(ステップS10)。
【0042】
加工施設300の作業者は、入荷した野菜の洗浄を行う(ステップS11)。この処理は、入荷した野菜の種類にかかわらず実行され、このとき、加工野菜の原料に適さない傷んだ野菜は取り除かれる。
【0043】
加工施設300の作業者は、洗浄した野菜が、皮むきが必要な野菜(大根、カボチャ、馬鈴薯、人参等)であった場合は、野菜の皮むきを行う(ステップS12)。また、加工施設300の作業者は、洗浄した野菜が、へた取りが必要な野菜(人参、トマト、キュウリ、玉ねぎ、なす等)であった場合は、野菜のへた取りを行う(ステップS13)。加工施設300の作業者は、野菜の根部(例えば、芯)を料理に使用しない野菜(キャベツ等)であった場合は、野菜の根部を切削する(ステップS14)。
【0044】
なお、本実施形態における一次加工処理は、野菜の洗浄と調理に必要ない部位を除去する作業を行うものであり、野菜の種類に応じて上記手順は適宜順序を入れ替えてもよい。例えば、野菜によっては野菜のへた取り(ステップS13)を行った後に洗浄した方が効率よく野菜の汚れを除去できる場合がある。このような場合は、野菜のへた取り(ステップS13)を行った後に野菜の洗浄(ステップS11)を行ってもよい。
【0045】
これら野菜の種類に応じた野菜の種類毎の作業手順は、加工する野菜の種類ごとに加工施設端末30の表示装置に一次加工処理情報として表示されているので、加工施設300の作業者は、加工施設端末30の表示装置で確認しながら作業を行うことで、初心者等の作業者でも正しい一次加工処理を実行できる。また、野菜の種類毎に効率の良い皮むきやへた取り等の手順も加工施設端末30の表示装置に一次加工処理情報として表示することで、さらに作業者は効率よく作業することができる。
【0046】
[6.加工野菜流通システムの二次加工処理]
以下、図4を参照して、本実施形態の加工野菜流通システム1の加工施設300で実行される二次加工処理を説明する。
【0047】
最初に、加工施設端末30は、システムサーバ10から受信した二次加工処理における加工野菜の二次加工に必要な指示情報(製品仕様)に含まれる野菜の種類毎の作業手順や生産量、生産に必要な情報(二次加工処理情報)を表示装置(図示しない液晶表示装置等)に表示する(ステップS20)。
【0048】
加工施設300の作業者は、上記一次加工処理を終えた野菜を、所定の大きさにカットする(ステップS21)。本実施形態でカットされる野菜の所定の大きさは、加工する野菜をあらゆる料理の最終形態に用いられる大きさよりも大きくカットするところに特徴がある。カットされる野菜の大きさは、あらゆる料理の最終形態に用いられる大きさよりも大きければよく、野菜の種類に応じて適宜設定可能である。
【0049】
このとき、上述したステップS20で受信した生産に必要な情報には、この野菜毎に異なるカットの大きさも含まれている。例えば、大根であれば所定の長さ(例えば、20cm)より大きければカットし、それ以下ならそのままとする等の大きさの情報も野菜毎に設定されている。これにより、加工施設300の作業者は、加工施設端末30の表示装置を確認するだけで、初心者等の作業者でも正しい二次加工処理を実行できるようにしている。また、野菜の所定の長さだけではなく、野菜の所定の重量(例えば、200g)以上ならカットし、それ以下ならそのままとする等の重量の情報も野菜の種類毎に応じて設定することもできる。このため、加工施設300の二次加工処理の現場には、野菜の長さや重量の自動計測装置等が設置されている。
【0050】
加工施設300の作業者は、カットとした野菜の殺菌・滅菌を行う(ステップS22)。この殺菌・滅菌を行うことで、カットした野菜の変色の防止や鮮度の保持期間が延長され、賞味期限(消費期限)を延長することができる。なお、この殺菌・滅菌に用いられる殺菌のための溶液には、次亜塩素酸を含む溶液が好適に用いられるが、その他、人体に影響がなく、野菜の変色の防止や鮮度が保持される機能を有するものであれば、次亜塩素酸に限定されるものではない。また、野菜の種類に応じて最適な殺菌用の溶液であればよい。
【0051】
また、本実施形態においては、加工野菜は、料理の最終形態に合わせて購買者が任意にカットできる大きさにしているため、従来のカット野菜と比較して細胞組織から栄養分の流出を可及的に低く押されることができる。また、カット処理により損傷した部位の切断面が露出する面積を小さく抑えることができ、短時間で、加工野菜の鮮度が劣化し、細菌等の増殖、変質、腐敗、変色等が生じることを効率よく防止することができる。
【0052】
[7.加工野菜流通システムのパッケージ処理]
以下、図7を参照して、本実施形態の加工野菜流通システム1の加工施設300で実行されるパッケージ処理を説明する。
【0053】
最初に、加工施設端末30は、システムサーバ10から受信したパッケージ処理における加工野菜のパッケージ処理に必要な指示情報(製品仕様)に含まれる野菜の種類毎に必要な情報(パッケージ処理情報)を表示装置(図示しない液晶表示装置等)に表示する(ステップS30)。
【0054】
加工施設300の作業者は、パッケージする加工野菜が個人消費者用の購買者500であるか否かを判別する(ステップS31)。この情報は、パッケージ処理情報として加工施設端末30の表示装置に表示されている。作業者は、加工野菜が個人消費者用の購買者500であると判別した場合(ステップS31:Yes)は、野菜をグラム(100g)単位で所定のパッケージ用の袋(ビニール袋等)にパッケージする(ステップS32)。所定のパッケージ用の袋は、パッケージされる野菜の名称や内容量、賞味期限(消費期限)等が表記され、収納された野菜を外側から確認できるように一部透明部を有するものが好適に用いられる。一方、加工野菜が個人消費者用の購買者500ではないと判別した場合(ステップS31:No)は、野菜をキログラム(10kg)単位で所定のパッケージ用のコンテナ(所定のビニール袋で覆われたコンテナ)にパッケージする(ステップS33)。所定のパッケージ用のコンテナは、パッケージされる野菜の名称や内容量、賞味期限(消費期限)等が表記され、収納された野菜を外側から確認できるように一部透明部を有するものが好適に用いられる。
【0055】
このパッケージ処理では、人体に影響がなく、野菜の変色の防止や鮮度が保持される機能を有する溶液が同時にパッケージされる場合もある。また、余分な空気の混入を防ぐために、真空パックや窒素ガスと一緒にパッケージする等、加工野菜の変色の防止や鮮度を保持するための各種手段が適宜用いられる。
【0056】
加工施設300の作業者は、パッケージした野菜を冷蔵庫(冷凍冷蔵庫を含む)に保管管理する(ステップS32)。この冷蔵庫に保管された加工野菜の種類や数量は、加工施設端末30からシステムサーバ10に送信される。これにより、加工施設300における加工野菜の生産量(在庫)は、システムサーバ10において加工野菜の種別毎に数量(重量)が管理される。
【0057】
ここで、上記パッケージ処理でパッケージされ、加工施設300の冷蔵庫に保管された加工野菜は、システムサーバ10が販売店端末40からの発注を受信すると、システムサーバ10からの出荷指示が加工施設端末30に送信され、発注に応じた種類や数量の加工野菜が販売店400に出荷される。そして、販売店400の店頭に販売用の商品として陳列される。購買者500は、販売店400が店頭に陳列した加工野菜の中から、購買者500が任意に選択した料理を調理するのに必要な加工野菜を購入する。
【0058】
また、加工施設300から出荷して減少した分の加工野菜の種類や数量は、システムサーバ10で管理され、生産量(在庫)の少ない加工野菜に対しては、システムサーバ10から加工施設端末30に対する加工野菜の生産の指示に応じて、上述した野菜加工処理(一次加工処理、二次加工処理、パッケージ処理)を繰り返すことで補充される。
【0059】
また、購買者500が飲食店の場合は、直接システムサーバ10にインターネット等を利用して発注することもできる。つまり、本システムのシステムサーバ10に直接、購買者500が有するパソコンや携帯端末(スマートフォン)により公衆通信回線網60(例えば、インターネット)を介してアクセスし、購買者500が購入を希望する加工野菜の種類や数量を設定して発注することで、上述したパッケージ処理で野菜をキログラム(10kg)単位でパッケージしたコンテナを、冷凍冷蔵車等を利用して、加工施設300の冷蔵庫から購買者500に配送するサービスを行うこともできる。
【0060】
[8.加工野菜流通システムにおける野菜の流通の概要の変形例]
以下、図8を参照して加工野菜流通システム1における野菜(加工野菜を含む)の流通の概要の変形例を説明する。なお、以下の説明では、図3に示す加工野菜流通システム1における野菜の流通の概要の説明と異なる点を重点的に説明し、重複する点は同じ符号を付して説明は省略する。
【0061】
図8に示すように、加工野菜流通システム1の野菜(加工野菜を含む)の流通の概要の変形例は、野菜を生産する複数の生産者200と、生産者200が出荷した野菜を加工する複数の加工施設300と、加工施設300から加工野菜を購入する複数の販売店400と、販売店400から加工野菜を購入する購買者500とから構成され、さらに、複数の生産者200と複数の加工施設300との間に、生産者200が生産した野菜の入荷や加工施設300への出荷の管理を行う青果販売事業者301が介在する。
【0062】
この青果販売事業者301は、従来の青果市場や青果仲卸等の事業者である。このように、複数の生産者200と複数の加工施設300との間に、青果販売事業者301を介在させることで、生産者200は、従来と同様に青果販売事業者301に生産した野菜を出荷することができる。なお、青果販売事業者301は、青果販売事業者端末(図示せず)を備え、この青果販売事業者端末において、複数の生産者200から入荷した野菜の種類や量(重量)や複数の加工施設300に出荷した野菜の種類や量(重量)を管理し、公衆通信回線網60を介して接続されたシステムサーバ10に、複数の生産者200毎に入荷した野菜の種類や量(重量)や複数の加工施設300に出荷した野菜の種類や量(重量)を送信する。これにより、複数の生産者200は自身が出荷した野菜の種類や量(重量)を管理する必要がなくなり、青果販売事業者301がその役目を担うことで、複数の生産者200の負担を軽減することができる。
【0063】
さらに、複数の加工施設300と複数の販売店400との間に、加工施設300が生産した加工野菜の卸売りを行う青果卸売業者302が介在する。このように、複数の加工施設300と複数の販売店400との間に、青果卸売業者302を介在させることで、加工施設300は、生産した加工野菜を一括して青果卸売業者302に出荷することができる。なお、青果卸売業者302は、青果卸売業者端末(図示せず)を備え、この青果卸売業者端末において、加工施設300から入荷した加工野菜の種類や量(重量)や販売店400に販売した加工野菜の種類や量(重量)を管理し、公衆通信回線網60を介して接続されたシステムサーバ10に、複数の加工施設300から入荷した加工野菜の種類や量(重量)や販売店400に販売した加工野菜の種類や量(重量)を送信する。これにより、複数の加工施設300は生産した加工野菜の保管(在庫管理)や生産量の管理をする必要がなくなり、青果卸売業者302がその役目を担うことで、複数の加工施設300の負担を軽減することができる。
【0064】
つまり、図8に示す加工野菜流通システム1の野菜(加工野菜を含む)の流通の概要の変形例では、従来の野菜の流通システムを担ってきた業者(青果販売事業者301や青果卸売業者302)を選択的に参入・介在させることができるので、特に複数の生産者200や複数の販売店400は、従来の野菜の流通システムを大幅に変更することなく、加工野菜流通システム1に参入することができる。なお、上述した青果販売事業者301や青果卸売業者302だけではなく、従来の野菜の流通システム参加している他の事業者も、加工野菜流通システム1に参入することもできる。
【0065】
図8に示す加工野菜流通システム1の野菜(加工野菜を含む)の流通の概要の変形例では、生産者200は、生産した野菜を青果販売事業者301に出荷する。青果販売事業者301は集荷した野菜をまとめて加工施設300に出荷する。加工施設300は入荷した野菜に対して、野菜の種類に応じた所定の野菜加工処理をして加工野菜を生産し、この加工野菜を青果卸売業者302に出荷する。青果卸売業者302は入荷した加工野菜を販売店400に出荷する。販売店400は入荷した加工野菜を店頭に陳列・販売する。購買者500は、自身が任意に選択した料理を調理するのに必要な加工野菜を購入する。
【0066】
[9.野菜の種類別の加工野菜の製品仕様]
以下、図9を参照して、本実施形態の加工野菜流通システム1の加工施設300で実行される野菜加工処理(一次加工処理、二次加工処理、パッケージ処理)に必要な、野菜の種類別の加工野菜の製品仕様(指示情報)を説明する。
【0067】
図9に示すように、野菜の種類別の加工野菜の製品仕様においては、最上蘭左から「コード」、「品名」、「サイズ」、「1袋容量」、「加工処理」、「袋厚み(μ)」、「真空度合」、「販売単位」、「備考」の順序で項目が設けられている。「コード」は、加工野菜流通システム1において野菜の種類別に付された番号(コード)である。「品名」は、加工野菜流通システム1において野菜の種類別に付された野菜の名称である。
【0068】
「サイズ」は、加工野菜流通システム1における野菜の種類別の長さの単位であり、例えば、1Lは二次加工処理でカットされる野菜の長さ(例えば、20cm)に対応している。「1袋容量」は、上述したパッケージ処理において、所定のパッケージ用の1袋(ポリエチレン、ポリ塩化ビニル等の透明度の高いビニール袋)にパッケージされる野菜の容量である。「加工処理」は、上述した一次加工処理又は二次加工処理における野菜の加工処理である。「袋厚み(μ)」は、所定のパッケージ用の袋の厚み(単位μ)であり、加工野菜の重量に応じてそれぞれ使用される所定のパッケージ用の袋の厚みが異なる。
【0069】
「真空度合」は、上述したパッケージ処理において、所定のパッケージ用の袋に加工野菜を密封する場合の袋の中の空気の脱気状態(真空度合)であり、「100」の数値は、ほぼ100%(97%以上)袋の中の空気を脱気した状態を示している。「販売単位」は、加工野菜の最小の販売単位であり、本実施形態においては、「1袋」単位で加工野菜の販売が行われる。「備考」は、特に加工野菜の生産時における注意事項等が記載される。
【0070】
一例として、「コード」が「01」の場合は、加工野菜の「品名」は「大根」であり、「サイズ」は「2L」である。「1袋容量」は「1/3」であるため、所定のパッケージ用の袋に1/3カットした状態でパッケージされる。「加工処理」は「皮むき」であるので、1次加工処理において皮むきが行われ、二次加工処理で1-/3にカットされる。「袋厚み」は「30」であるため、パッケージ処理において厚みが30μの所定のパッケージ用の袋にパッケージされる。「真空度合」は「100」であるため、パッケージ処理においてパッケージされた後に、袋の中の空気は殆ど脱気されてほぼ真空状態にする。「販売単位」は「1袋」であるため、最小の販売単位は1袋から販売される。
【0071】
本実施形態においては、上述した野菜加工処理(一次加工処理、二次加工処理、パッケージ処理)において、図9に示す野菜の種類別の加工野菜の製品仕様は、加工野菜の生産する作業者に指示情報として参照されることで、統一規格の加工野菜を安定して生産することを可能としている。なお、図9に示す野菜の種類別の加工野菜の製品仕様は、入荷した野菜の種類別の生産時期に応じて変更される場合がある。また、同じ種類の野菜でも、品種により大きさや重量が異なるため、品種別により詳細に設定することが望ましい。
【0072】
本実施形態の加工野菜によれば、購買者500が任意に選択した料理に使用することができる大きさの野菜を提供することができる。これにより、購買者500が任意に選択した料理に使用することができる大きさにカットした加工野菜を提供するという、新たな野菜の流通形態である加工野菜流通システム1を構築することができる。
【0073】
また、一次加工処理により、料理に使用しないで破棄される部分(皮、へた等)する分は予め除去されているため、本実施形態の加工野菜の購買者500は、料理に必要な正確な分量(内容量)の加工野菜を購入することができ、無駄を抑えることができる。また、個人消費者の家庭や、飲食店において発生する生ごみの量を可及的に低く抑えることができる。また、購買者500が任意に選択した料理に併せてカットするだけで、料理を直ちに行うことができるので、料理の配給等の計画が簡易である。
【0074】
以上、上記実施形態を通して本発明を説明してきたが、本発明はこれらに限定されるものではない。また、上述した各効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本実施の形態に記載されたものに限定されるものではない。
【符号の説明】
【0075】
1 加工野菜流通システム
10 システムサーバ
20 生産者端末
30 加工施設端末
40 販売店端末
60 公衆通信回線網
100 システム事業者
200 生産者
300 加工施設
400 販売店
500 購買者
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9