(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-19
(45)【発行日】2024-03-28
(54)【発明の名称】接触検知センサ
(51)【国際特許分類】
H01H 35/00 20060101AFI20240321BHJP
E21D 11/10 20060101ALI20240321BHJP
G01B 7/00 20060101ALI20240321BHJP
【FI】
H01H35/00 Q
E21D11/10 B
G01B7/00 101R
(21)【出願番号】P 2020039061
(22)【出願日】2020-03-06
【審査請求日】2023-02-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000166432
【氏名又は名称】戸田建設株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】509294922
【氏名又は名称】ムネカタインダストリアルマシナリー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104927
【氏名又は名称】和泉 久志
(72)【発明者】
【氏名】二宮 伸二
(72)【発明者】
【氏名】中林 雅昭
(72)【発明者】
【氏名】山田 勉
(72)【発明者】
【氏名】海野 雄士
(72)【発明者】
【氏名】桑田 拓弥
(72)【発明者】
【氏名】金澤 彰裕
【審査官】関 信之
(56)【参考文献】
【文献】実公昭50-040604(JP,Y1)
【文献】特開平05-018703(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01H 35/00
E21D 11/10
G01B 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベースフィルムと、前記ベースフィルムの一方面に部材長手方向に所定の間隔をあけて複数配置された電極と、前記ベースフィルムの他方面に配置されるとともに、前記ベースフィルムを貫通するスルーホールを介して前記電極に電気的に接続された配線と、前記ベースフィルムの部材長手方向に沿って延び、前記電極から離隔するとともに前記電極に接触可能に配置された導電部材とを備え、
圧力を受けた際、前記導電部材が隣り合う前記電極に跨がって接触し、これら電極が前記導電部材を介して導通するとともに、これら電極に接続する配線が導通することによって、接触が検知できるようになっていることを特徴とする接触検知センサ。
【請求項2】
前記接触検知センサは、複数の区間に区画され、各区間にそれぞれ、2本の前記配線が導通可能に設けられるとともに、各配線に少なくとも1つの前記電極が接続されている請求項1記載の接触検知センサ。
【請求項3】
各区間の長さが同じか異なっている請求項2記載の接触検知センサ。
【請求項4】
隣り合う電極がそれぞれ異なる前記配線に接続されている請求項1~3いずれかに記載の接触検知センサ。
【請求項5】
前記ベースフィルムが弾性体からなる下部定着部材に取り付けられるとともに、前記導電部材が弾性体からなる上部定着部材に取り付けられている請求項1~4いずれかに記載の接触検知センサ。
【請求項6】
前記上部定着部材の弾性率が前記下部定着部材の弾性率より低く設定されている請求項5記載の接触検知センサ。
【請求項7】
前記配線を覆うように前記ベースフィルムの他方面に被覆層が設けられている請求項1~6いずれかに記載の接触検知センサ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、接触を検知するセンサに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、NATM工法に代表される山岳トンネル工事では、発破などによる掘進後、掘削されたトンネル内壁面に吹付けによって吹付けコンクリートを施工し、ロックボルトを打ち込んだ後、セントル(移動式の鋼製型枠)をトンネル方向に順次移動させながら、トンネル方向に1スパン毎、前記吹付けコンクリートの内周面に沿って防水シートを張設した状態(この面が地山側壁面となる。)で、この地山側壁面との間に距離を空けて周方向に沿って前記セントルの型枠を設置し、地山側壁面と型枠との間の空間内に覆工用コンクリート又はモルタルを打設し、所定の養生期間経過後、脱枠する工程が行われている。
【0003】
前記型枠は、打設済みのコンクリート又はモルタル(打設済コンクリート等)とのラップ側(トンネル坑口側)が、打設済コンクリート等との打継部に設けられたゴム等からなる目地材に当接して配置されるとともに、褄側(トンネル切羽側)に褄型枠が設けられることによって、地山側壁面との間に閉鎖された覆工コンクリート打設空間を形成する。
【0004】
このように型枠を設置してコンクリートを打設し脱枠する一連の工程において、型枠の打設済コンクリート等とのラップ側が打設済コンクリート等に押し付けられて(接触して)、打設済コンクリート等の打継部に角欠けやクラック(ひび割れ)などの不具合を与えることが従来から指摘されていた。この型枠による押し付けの発生要因としては、以下の5つが考えられる。
【0005】
要因1:型枠設置時における型枠による押し付け(
図15に示されるように、型枠の上昇・横移動・張りすぎなど。)。
【0006】
要因2:コンクリート打設時におけるセントルの移動による押し付け(
図16に示されるように、側方移動・左右の不等沈下・側圧発生による上昇など。)。
【0007】
要因3:脱枠時の手順ミスによる押し付け(
図17に示されるように、垂直ジャッキ降下の同調不足・側フォーム脱枠前の降下ミスなど。)。
【0008】
要因4:打設済コンクリート等と型枠のラップ部における形状の相違による押し付け(
図18に示されるように、一部で5mmの離隔を確保しても一部で接触する。)。
【0009】
要因5:急曲線・急勾配(曲率半径の小さい水路トンネル等)による幾何学的な不可視部の押し付け(
図19参照。)。
【0010】
このような型枠の打設済コンクリート等への接触を防止する手段として、例えば、下記特許文献1においては、トンネル内に型枠を設置して覆工用のコンクリートを打設する装置において、型枠のラップ側外周側縁に、検知バーを出没自在に突設させるとともに、この検知バーと型枠の昇降機構とを連動させてなり、検知バーの既コンクリート打設面への当接検知により、昇降機構による型枠の上昇を、既コンクリート打設面への当接位置より手前で停止させ、既コンクリート打設面への型枠の衝突によるクラックの発生を防止する型枠昇降制御装置が開示されている。
【0011】
また、下記非特許文献1においては、既打設コンクリートとセントルラップ部の隙間を両側壁部、両肩部及び天端部の5か所に配置した、超高速・高精度レーザー変位計で既打設コンクリートとセントルとの離隔を常時計測し、事前に設定した管理基準値を超えた場合、ブザーと回転灯で警報を発令するとともに、電動油圧ジャッキの上下動を強制的に停止させる施工管理システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【非特許文献】
【0013】
【文献】戸田建設ニュースリリース、2015年6月25日、「コンクリート端部のひび割れ発生を防止する「コンラップ監視システム」を開発」
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
しかしながら、上記特許文献1及び非特許文献1に記載される技術では、型枠の打設済コンクリート等への接触が、検知バー又はレーザー変位計を設置した点でしか把握できないため、このようなセンサを設置していない箇所の接触を見逃し、打設済コンクリート等にクラックを生じさせる場合があった。
【0015】
また、上記特許文献1記載の装置では、型枠設置時の接触しか考慮されていないため、上記要因2、3のようなコンクリート打設時や脱枠時の接触を見逃してしまい、打設済コンクリート等にクラックを生じさせる場合があった。
【0016】
そこで本発明の主たる課題は、全ての位置で接触を検知できるようにし、接触によるクラックの発生や破損を防止した接触検知センサを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上記課題を解決するために請求項1に係る本発明として、ベースフィルムと、前記ベースフィルムの一方面に部材長手方向に所定の間隔をあけて複数配置された電極と、前記ベースフィルムの他方面に配置されるとともに、前記ベースフィルムを貫通するスルーホールを介して前記電極に電気的に接続された配線と、前記ベースフィルムの部材長手方向に沿って延び、前記電極から離隔するとともに前記電極に接触可能に配置された導電部材とを備え、
圧力を受けた際、前記導電部材が隣り合う前記電極に跨がって接触し、これら電極が前記導電部材を介して導通するとともに、これら電極に接続する配線が導通することによって、接触が検知できるようになっていることを特徴とする接触検知センサが提供される。
【0018】
上記請求項1記載の発明では、構造物同士の接触が懸念される部分に沿って連続する接触検知センサを設置している。前記接触検知センサは、ベースフィルムと、前記ベースフィルムの一方面に部材長手方向に沿って所定の間隔をあけて複数配置された電極と、前記ベースフィルムの他方面に配置されるとともに、前記ベースフィルムを貫通するスルーホールを介して前記電極に電気的に接続された配線と、前記ベースフィルムの部材長手方向に沿って延び、前記電極から離隔するとともに前記電極に接触可能に配置された導電部材とを備えている。
【0019】
前記接触検知センサは、圧力を受けた際、前記導電部材が隣り合う前記電極に跨がって接触し、これら電極が前記導電部材を介して導通するとともに、これら電極に接続する配線が導通することによって、構造物同士の接触が検知できるようになっている。このように本接触検知センサは、接触が懸念される部分に沿って連続して設置するため、ほぼ全ての箇所で構造物同士の接触が検知でき、接触によるクラックの発生や破損が確実に防止できるようになる。
【0020】
請求項2に係る本発明として、前記接触検知センサは、複数の区間に区画され、各区間にそれぞれ、2本の前記配線が導通可能に設けられるとともに、各配線に少なくとも1つの前記電極が接続されている請求項1記載の接触検知センサが提供される。
【0021】
上記請求項2記載の発明では、前記接触検知センサが構造物同士の接触が懸念される部分に沿って複数の区間に区画され、各区間にそれぞれ、2本の配線が導通可能に設けられるとともに、各配線に少なくとも1つの電極が接続されているため、導通した配線によって、構造物同士の接触箇所が簡単に把握できるようになる。
【0022】
請求項3に係る本発明として、各区間の長さが同じか異なっている請求項2記載の接触検知センサが提供される。
【0023】
上記請求項3記載の発明では、前記接触検知センサを構造物同士の接触が懸念される部分に沿って複数の区間に区画した場合において、各区間の長さは、同じにしてもよいし、異なっていてもよい。
【0024】
請求項4に係る本発明として、隣り合う電極がそれぞれ異なる前記配線に接続されている請求項1~3いずれかに記載の接触検知センサが提供される。
【0025】
上記請求項4記載の発明では、隣り合う電極がそれぞれ異なる配線に接続されているため、導通した配線の識別が容易になる。
【0026】
請求項5に係る本発明として、前記ベースフィルムが弾性体からなる下部定着部材に取り付けられるとともに、前記導電部材が弾性体からなる上部定着部材に取り付けられている請求項1~4いずれかに記載の接触検知センサが提供される。
【0027】
上記請求項5記載の発明では、前記ベースフィルム及び導電部材をそれぞれ下部定着部材及び上部定着部材に取り付けている。
【0028】
請求項6に係る本発明として、前記上部定着部材の弾性率が前記下部定着部材の弾性率より低く設定されている請求項5記載の接触検知センサが提供される。
【0029】
上記請求項6記載の発明では、前記導電部材が取り付けられる上部定着部材の弾性率が、前記ベースフィルムが取り付けられる下部定着部材の弾性率より低く設定されているため、接触検知センサの持ち運びなどに際して長手方向に小さく丸めて巻き取ったときに、上部定着部材と下部定着部材との間に浮きが生じにくく、取付作業がしやすくなるとともに、構造物同士が接触したときの検知精度が向上する。また、上部定着部材の弾性率が高いと、急曲線に曲がりにくいため、断面の小さな部分では圧力を受けないときでも導電部材が電極に接触するおそれがあるが、上部定着部材の弾性率を相対的に低く設定しているため、上部定着部材が急曲線に追従して変形でき、そのようなおそれがなくなる。
【0030】
請求項7に係る本発明として、前記配線を覆うように前記ベースフィルムの他方面に被覆層が設けられている請求項1~6いずれかに記載の接触検知センサが提供される。
【0031】
上記請求項7記載の発明では、前記配線を覆うように前記ベースフィルムの他方面に被覆層が設けられているため、前記被覆層によって配線が保護され、配線の断線が防止できる。
【発明の効果】
【0032】
以上詳説のとおり本発明によれば、全ての位置での接触が検知できるようになり、クラックの発生や破損が防止できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【
図1】山岳トンネルにおける覆工コンクリートの打設要領を示す一部破断斜視図である。
【
図2】打設済覆工コンクリート等4とのラップ部における横断面図である。
【
図3】接触検知センサ10の配設状態を示す天端部の拡大縦断方向断面図である。
【
図7】(A)は接触検知センサ10の要部拡大平面図、(B)は(A)のB-B断面図、(C)は(A)のC-C断面図、(D)は(A)のD-D断面図、(E)は(A)のE-E断面図である。
【
図8】接触検知の仕組みを示す、接触検知センサ10の要部拡大平面図(その1)である。
【
図9】接触検知の仕組みを示す、接触検知センサ10の要部拡大平面図(その2)である。
【
図10】チャンネル区切りの一例を示す、接触検知センサ10の要部拡大平面図である。
【
図11】チャンネル区切りの変形例を示す、接触検知センサ10の要部拡大平面図である。
【
図12】第2形態例の接触検知センサ10を示す平面図である。
【
図13】第1形態例の接触検知センサ10の接触状態を示す平面図である。
【
図14】第3形態例の接触検知センサ10を示す平面図である。
【
図15】型枠による押し付けの要因1を説明する断面図である。
【
図16】型枠による押し付けの要因2を説明する断面図である。
【
図17】型枠による押し付けの要因3を説明する断面図である。
【
図18】型枠による押し付けの要因4を説明する断面図である。
【
図19】型枠による押し付けの要因5を説明する断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳述する。
【0035】
〔第1形態例〕
本発明に係る接触検知センサ10について、山岳トンネルTの構築に当たって、打設済みの覆工コンクリート又はモルタルと型枠との接触を検知する場合を例に挙げ、詳細に説明する。なお、本発明は、この実施例に限定されるものではなく、構造物同士の接触が懸念される部分の接触検知センサとして広く用いることが可能である。
【0036】
本接触検知センサ10は、
図1~
図3に示されるように、山岳トンネルTの構築に当たって、トンネル方向に1スパン毎、発破などによる掘進後、掘削されたトンネル内壁面に吹付けによって吹付けコンクリート1を施工し、ロックボルトを打ち込んだ後、その表面に防水シート2を貼設し、地山側壁面T1との間に距離を空けて周方向に沿ってセントル3(覆工コンクリート用移動型枠)の型枠5を設置し、地山側壁面T1とセントル3の型枠5との間の空間内に覆工コンクリート又はモルタルを打設した後、所定の養生期間の経過後脱枠する一連の工程において、打設済みの覆工コンクリート又はモルタル(以下、「打設済覆工コンクリート等4」という。)への型枠5の接触を検知するのに好適に使用されるものである。なお、図示例の吹付けコンクリートは、鋼アーチ部材を支保工として併用した構造となっている。
【0037】
前記セントル3は、トンネル施工用重機の後方に設置され、
図1及び
図2に示されるように、トンネルTの地山側壁面T1との間に所定間隔の空間を形成するように配設される型枠5と、この型枠5を支持する支持フレーム6と、この支持フレーム6が走行可能でトンネルTの下面に敷設される走行レール7とから主に構成される。
【0038】
前記型枠5は、トンネルTの地山側壁面T1に沿って設けられ、その外面は平滑に形成されるとともに、コンクリートとの剥離性に優れる材質で構成されている。また、前記型枠5は、トンネルTの周方向に対して、頂部に位置する天端フォーム5Aと、前記天端フォーム5Aの両端に回動可能に連結された側フォーム5B、5Bと、前記側フォーム5Bの下端に回動可能に連結された下端フォーム5C、5Cとから構成されている。さらに、
図3に示されるように、打設済覆工コンクリート等4とのラップ側(トンネル坑口側)には、打設済覆工コンクリート等4側に突出するオーバーラップフランジ5Dが設けられ、このオーバーラップフランジ5Dの表面又は前記各フォーム5A~5Cの表面に、打設済覆工コンクリート等4との打継部に設けられたゴムなどからなる目地材9が当接するように構成されている。また、褄側(トンネル切羽側)には褄型枠5Eが設けられ、覆工コンクリート打設時にコンクリートが漏れないように閉鎖されている。
【0039】
さらに、前記型枠5上部の坑口側近傍には、コンクリートを打設するためのコンクリート打設口8が設けられている。
【0040】
前記支持フレーム6は、
図1及び
図2に示されるように、略門型の鉄骨材などからなる門型フレーム6Dと、一端が前記門型フレーム6Dに支持され、他端にそれぞれ前記天端フォーム5A、側フォーム5B、下端フォーム5Cが支持された天端ジャッキ6A、側ジャッキ6B、下端ジャッキ6Cとから構成されている。
【0041】
前記天端フォーム5A、側フォーム5B、下端フォーム5Cはそれぞれ、前記天端ジャッキ6A、側ジャッキ6B、下端ジャッキ6Cの伸縮によって、トンネルTの断面に対して左右方向及び上下方向に移動自在に取り付けられている。
【0042】
前記走行レール7は、前記門型フレーム6Dを走行可能に支持し、トンネルTの下面に長手方向に沿って2条敷設されている。
【0043】
トンネル工事の施工に際しては、コンクリートを打つ場所にセントル3を移動し、前記天端ジャッキ6A、側ジャッキ6B、下端ジャッキ6Cを伸ばして、天端フォーム5A、側フォーム5B、下端フォーム5Cを展開するとともに、
図3に示されるように、打設済覆工コンクリート等4とのラップ側を前記目地材9に当接させ、かつ褄側に褄型枠5Eを設置することによって、地山側壁面との間に閉鎖された覆工コンクリート打設空間を形成し、この覆工コンクリート打設空間の内部にコンクリートを打設する。そして、所定の養生期間経過後、前記天端ジャッキ6A、側ジャッキ6B、下端ジャッキ6Cを縮めて、脱枠し、セントル3を移動する。
【0044】
本発明に係る接触検知センサ10は、このトンネル工事の施工に際して、型枠5を設置して覆工コンクリートを打設し脱枠する一連の工程において、打設済覆工コンクリート等4と型枠5とのラップ部の全ての位置において、打設済覆工コンクリート等4への型枠5の接触を検知し、型枠5を打設済覆工コンクリート等4に押し付けることによって打設済覆工コンクリート等4にクラックが発生するのを防止するためのセンサである。
【0045】
前記接触検知センサ10は、
図2及び
図3に示されるように、型枠5の設置前に、打設済覆工コンクリート等4と前記型枠5とのラップ部にトンネル周方向に沿って設置される。前記接触検知センサ10は、トンネルの周方向の全長に亘って配置するのが好ましいが、少なくとも天端フォーム5A及び側フォーム5B、5Bに対応する範囲に配置されていれば、下端フォーム5Cに対応する範囲には配置しないようにしてもよい。また、前記接触検知センサ10は、
図3に示されるように、打設済覆工コンクリート等4の外面(トンネル内空側の外面)に固定してもよいし、図示しないが、型枠5の外面(打設済覆工コンクリート等4の対向面)に固定してもよい。
【0046】
前記接触検知センサ10は、
図4~
図7に示されるように、ベースフィルム11と、前記ベースフィルム11の一方面に部材長手方向に所定の間隔をあけて複数配置された電極12、12…と、前記ベースフィルム11の他方面に配置され、前記ベースフィルム11を貫通するスルーホール13を介して前記電極12に電気的に接続された配線14と、前記ベースフィルム11の部材長手方向に沿って延び、前記電極12から離隔するとともに前記電極12に接触可能に配置された導電部材15とを備えている。
【0047】
前記電極12…及び配線14…が配置されたベースフィルム11は、弾性体からなる下部定着部材16に取り付けられ、前記導電部材15は、弾性体からなる上部定着部材17に取り付けられている。本発明に係る接触検知センサ10は、前記下部定着部材16と上部定着部材17とが積層され、これらの間に前記電極12…及び配線14…が備えられたベースフィルム11と、導電部材15とが所定位置に離隔した状態で配置された構造を成している。
【0048】
前記接触検知センサ10は、前記下部定着部材16の外面(下面)が両面テープや接着剤等の公知の接合手段によって、打設済覆工コンクリート等4と型枠5とのラップ部における打設済覆工コンクリート等4の外面又は型枠5の外面に固定される。
【0049】
前記接触検知センサ10を所定の位置に取り付けた状態で、型枠5が打設済覆工コンクリート等4に接触しそうになって、この接触検知センサ10に圧力が作用すると、前記接触検知センサ10は、
図8及び
図9に示されるように、前記導電部材15が隣り合う前記電極12、12に跨がって接触し、これら電極12、12が前記導電部材15を介して導通するとともに、これら電極に接続する配線14、14が導通することによって、打設済覆工コンクリート等4への前記型枠5の接触が検知できるようになっている。
図8は、(A)に示されるように、ベースフィルム11の幅方向両端の最外部に配置された配線14、14にそれぞれ接続された隣り合う電極12、12に跨がって導電部材15が接触した場合であって、この場合には、(B)に示されるように、これら電極12、12が前記導電部材15を介して導通するとともに、これら電極12、12に接続された配線14、14が導通することによって、打設済覆工コンクリート等4への前記型枠5の接触が検知できるようになっている。また、
図9は、(A)に示されるように、ベースフィルム11の幅方向両端の最外部から2本目に配置された配線14、14にそれぞれ接続された隣り合う電極12、12に跨がって導電部材15が接触した場合であって、この場合には、(B)に示されるように、これら電極12、12が前記導電部材15を介して導通するとともに、これら電極12、12に接続する配線14、14が導通することによって、打設済覆工コンクリート等4への前記型枠5の接触が検知できるようになっている。このように、接触検知センサ10を所定の区間に区画して、各区間毎に電極12に異なる配線14を接続することによって、導通した配線14から接触した位置が簡単に把握できるようになる。
【0050】
以下、各構成部材について詳細に説明すると、前記ベースフィルム11は、導電性を有しない非導電性のプラスチックフィルムからなり、前記接触検知センサ10のほぼ全長に亘って連続する細長い帯状のシート部材によって構成されている。
【0051】
前記ベースフィルム11は、部材長手方向に沿って湾曲変形可能な可撓性を有しており、全長に亘ってほぼ一定の厚みで形成されている。その厚みとしては、0.01~5mm、好ましくは0.05~0.3mmとするのがよい。
【0052】
前記ベースフィルム11には、所定の間隔をあけて表裏を貫通する多数のスルーホール13(開孔)が形成され、このスルーホール13を通じて一方面に配置された電極12と他方面に配置された配線14とが電気的に接続されている。前記スルーホール13は、前記電極12及びこれに接続する配線14と前記ベースフィルム11の厚み方向に重なる領域に形成する。つまり、スルーホール13内にベースフィルム11の厚み分だけ導電材料が充填されることにより電極12とこれに接続する配線14とが電気的に接続されるように形成する。
【0053】
前記ベースフィルム11の一方面に配置される電極12は、導電性の高い金属からなり、
図7に示される平面視で、ベースフィルム11の部材短手方向(幅方向)に長い長方形状に形成され、ベースフィルム11の部材長手方向に所定の間隔をあけて複数配置されるようにするのが好ましい。
【0054】
隣り合う電極12、12はそれぞれ異なる配線14に接続されるとともに、これら2本の配線14、14が導通可能に設けられている。これによって、隣り合う電極12、12に跨がって導電部材15が接触したときに、これら電極12、12が前記導電部材15を介して導通するとともに、これら電極12、12に接続する配線14、14が導通するようになる。
【0055】
本第1形態例では、前記電極12は、
図7に示されるように、幅方向の一方側の端部近傍から導電部材15の配設位置を跨いで反対側の幅方向中間位置まで配置されている。電極12をベースフィルム11の全幅に配置しないことにより、資材コストが低減できるとともに、接触検知センサ10が軽量化でき、打設済覆工コンクリート4の外面等に対する接着性が良好となる。また、隣り合う電極12、12同士では、幅方向の同じ側の端部近傍から幅方向反対側の中間位置まで延在させてもよいが、図示例のように、互い違いとなるように、幅方向の異なる側の端部近傍から幅方向反対側の中間位置まで延在させるようにするのが好ましい。これにより、幅方向の端部近傍まで延在する側の電極12部分に配線14に接続するスルーホール13を設けることにより、隣り合う電極12、12に接続する配線14を、導電部材15を境にその両側にそれぞれ配置することが可能となる。
【0056】
前記電極12のスルーホール13が設けられた側と幅方向反対側への前記導電部材15からの延出量Aは、圧力を受けた際に導電部材15が電極12に確実に接触できる範囲であれば任意であるが、導電部材15からベースフィルム11の側縁までの間の長さの半分以下とするのが好ましい。
【0057】
前記導電部材15が接触した際に導通する隣り合う電極12、12同士の離隔幅Bは任意であるが、接近しすぎるとほこり等が侵入したときに誤動作を生じやすくなるおそれがあり、離れすぎると圧力を受けた際に導電部材15が電極12、12間に跨がって接触できないおそれがあるため、好ましい範囲としては、3~200mm、特に10~100mmとするのがよい。
【0058】
図10に示されるように、前記接触検知センサ10は、トンネル周方向に沿って(ベースフィルム11の部材長手方向に沿って)複数の区間、図示例では1ch及び2chの2つの区間に区画され、各区間にそれぞれ、2本の配線14、14が導通可能に設けられるとともに、これらの配線14にそれぞれ少なくとも1つの電極12が接続されるようにするのが好ましい。各区間を通る2本の配線14、14は、導電部材15が電極12、12に接触したとき導通して、この区間に圧力が加わったことが認知できるようになっている。各配線14には、少なくとも1つ、好ましくは複数、
図10に示される形態例では3つの電極12が接続されている。各配線14に複数の電極12…を接続する場合、一方の配線14に接続された電極12と他方の配線14に接続された電極12とがベースフィルム11の部材長手方向に沿って交互に配置されるようにするのが好ましい。これによって、1つの区間内において、任意の隣り合う電極12、12に跨がって導電部材15が接触したとき、2本の配線14、14が導通できるようになる。
【0059】
図10に示される形態例について更に詳しく説明すると、1chでは、ベースフィルム11の幅方向両端の最外部に配置された配線14a、14bにそれぞれ、3つの電極12a…及び12b…が接続されている。2chにおいても同様に、幅方向両端の外側から2本目に配置された配線14c、14dにそれぞれ、3つの電極12c…及び12d…が接続されている。このように1本の配線14に複数の電極12を接続することによって、トンネル周方向のより広い範囲で接触を検知できるようになり、接触検知の感度が向上するようになる。各チャンネルに配置される電極12、12同士の離隔幅は異なっていても良いが、一定とするのが好ましく、
図10に示されるように、接触検知センサ10の全体に亘ってほぼ一定の離隔幅で配置してもよい。これにより、例えば配線14aと14bとが導通した場合、1chの範囲で型枠5が打設済覆工コンクリート等4に接触したことが把握できるようになる。
【0060】
図10に示される形態例では、各区間のトンネル周方向に沿う長さL1、L2がほぼ同じに形成されているが、
図11に示されるように、各区間のトンネル周方向に沿う長さL1、L2、L3が異なっていてもよい。施工を繰り返しているうちに、型枠5が打設済覆工コンクリート等4に接触しやすい箇所がある程度特定されてくるので、その箇所の区間長を相対的に短くして、接触検知に対する感度を向上させることが可能である。チャンネルの区間長を広げる場合は、
図11に示される1chのように、配線14a、14bに接続する電極12a、12bの数を増やしてもよいし、図示しないが、隣り合う電極12a、12bの離隔幅を他の区間より相対的に大きくしてもよい。また、チャンネルの区間長を狭める場合は、
図11に示される3chのように、配線14e、14fに接続する電極12e、12fの数を減らしてもよいし、図示しないが隣り合う電極12e、12fの離隔幅を他の区間より相対的に狭くしてもよい。
【0061】
前記配線14は、前記電極12の配置面と反対側面のベースフィルム11に、該ベースフィルム11の部材長手方向のほぼ全長に亘る線状に形成されるとともに、幅方向に間隔をあけて複数配置されている。前記配線14をベースフィルム11に対して前記電極12の配置面と反対面に設けることにより、本センサの製造が容易になる。また、前記配線14がベースフィルム11の全長に亘って形成されているため、連続する長尺フィルムを所定の長さで裁断して所望の長さのベースフィルム11が簡単に得られるようになるとともに、スルーホール13の位置を変えるだけで、各チャンネルの区間長を簡単に変化させることができるようになる。
【0062】
前記配線14を構成する材料としては、導電性を付与するために金属粒子が含有された導電性インク、導電性ペーストなどを用いるのが好ましい。このような金属粒子としては、金、銀、銅、ニッケル、アルミニウム、又はこれらのうちから選択した2以上の複合材などを用いることができ、特に安価で導電率の良い銅を用いるのが好ましい。
【0063】
本第1形態例では、隣り合う電極12、12がそれぞれ異なる配線14、14に接続され、これら2本の配線14、14は、前記導電部材15を境にその両側にそれぞれ配置されるのが好ましい。すなわち、ベースフィルム11の幅方向中央に長手方向に沿って配置される導電部材15を境に、隣り合う電極12、12のうちの一方が、幅方向の一方側に配置された配線14に接続され、他方の電極12が、幅方向の他方側に配置された配線14に接続されている。これにより、導通した配線の識別が容易になる。なお、隣り合う電極12、12に接続される配線14、14を導電部材15を境にその両側にそれぞれ配置する形態に代えて、2本の配線14、14を同じ側に配置してもよい。
【0064】
前記配線14を覆うように前記ベースフィルム11の他方面に、可撓性を有する樹脂材などからなる被覆層(図示せず)を設けるのが好ましい。前記被覆層を設けることにより、前記配線14が被覆層によって保護され、配線の断線が防止できる。
【0065】
前記配線14は、ベースフィルム11の端縁まで延び、
図4に示されるように、一方の端縁に設けられたコネクタ18を介して1本の平ケーブルとして外部に延びている。従来のように小片状のセンサを複数設置した場合には、各センサから延びるケーブルを多数配置する必要があり、設置が煩雑になるばかりでなく、センサからの信号と位置との整合が困難となるなどの欠点があった。これに対して、本接触検知センサ10では、センサ10から1本の平ケーブルが延びており、この平ケーブルを接続することによって、各電極12からの信号を簡単に出力機器(コンピューター等)に電送することが可能となり、設置作業が簡単になるとともに、センサからの信号と接触検知位置との整合が簡単にとれるようになる。
【0066】
図4に示されるように、前記接触検知センサ10による信号は、前記平ケーブルを介して出力機器20に電送されるようになっている。
【0067】
前記導電部材15は、前記電極12、12…が配置された領域のほぼ全長に亘って、前記ベースフィルム11の幅方向中央部に対応する位置に、前記ベースフィルム11の部材長手方向に沿って連続する線状に設けられているのが好ましい。なお、前記導電部材15は、必ずしも連続して設ける必要はなく、ベースフィルム11の部材長手方向の途中に不連続部を有する断続的に設けてもよい。前記導電部材15は、接触検知センサ10に圧力が作用しない状態では前記ベースフィルム11に配置された電極12…から離隔して配置されるとともに、接触検知センサ10が圧力を受けた際、圧力が作用した部分の導電部材15が前記電極12…に接触できるように配置されている。
【0068】
前記導電部材15の材質としては、電気を通しやすい材料、例えば金、銀、銅、アルミニウム、又はこれらのうちから選択した2以上の複合材などを用いることができる。
【0069】
前記下部定着部材16及び上部定着部材17は、非導電性の弾性体、具体的にはゴム又は可撓性を有するプラスチックからなり、トンネル周方向に沿って連続する帯状に形成されている。
【0070】
前記下部定着部材16の断面形状は、
図5及び
図6に示されるように、幅方向中央部に部材長手方向に沿って、内部に前記ベースフィルム11が固設される上方に開口したベースフィルム取付溝部16aが形成されるとともに、その両側にそれぞれ、上部定着部材17と係合する係合凸部16bが部材長手方向に沿って形成されている。前記ベースフィルム11は、前記電極12…の配置面を上面にし、前記配線14…の配置面が両面テープ又は接着剤等の公知の接合手段によって前記ベースフィルム取付溝部16aの底面に固設されている。
【0071】
一方、前記上部定着部材17の断面形状は、幅方向両側にそれぞれ前記下部定着部材16の係合凸部16bと係合する係合凹部17aが部材長手方向に沿って形成されるとともに、前記下部定着部材16のベースフィルム取付溝部16a内において、幅方向中央部に部材長手方向に沿って、内部に前記導電部材15が固設される下方に開口した導電部材取付溝部17bが形成されている。前記導電部材15は、前記導電部材取付溝部17bの底面の幅方向中央部に長手方向に沿って両面テープ又は接着剤等の公知の接合手段によって固設されている。前記下部定着部材16の係合凸部16bを上部定着部材17の係合凹部17aに係合させて下部定着部材16と上部定着部材17とを組み立てた状態で、前記ベースフィルム取付溝部16aの底面と、前記導電部材取付溝部17bの底面とは、厚み方向に所定の離隔距離を有しており、これによって前記導電部材15が前記電極12…から離隔して配置されるとともに、圧力を受けた際、前記上部定着部材17の導電部材取付溝部17bの底部が弾性変形して、導電部材15が電極12に接触できるようになっている。
【0072】
前記導電部材取付溝部17bの底面の前記導電部材15が固設される部分には、該溝部17bの開口部に向けて突出する導電部材固定凸部17cが設けられるようにするのが好ましい。前記導電部材固定凸部17cの頂部は、接触検知センサ10に圧力が作用しない状態で、前記ベースフィルム取付溝部16aに固定されたベースフィルム11の電極12…の上方に離隔して配置されるようになっている。前記導電部材固定凸部17cの断面形状は、
図5及び
図6に示される形態例では、略半円形であるが、矩形や台形、三角形などとしてもよい。前記導電部材固定凸部17cに導電部材15が固定されることにより、接触検知センサ10が圧力を受けたとき、導電部材15が電極12に接触しやすくなり、型枠5の接触検知精度が向上する。
【0073】
また、前記接触検知センサ10に圧力が作用したとき、前記導電部材15が電極12に確実に接触できるように、前記上部定着部材17の外面であって、幅方向中央部に部材長手方向に沿って外側に突出する受圧用凸部17dを形成するのが好ましい。すなわち、前記受圧用凸部17dは、前記導電部材固定凸部17cの外側に形成され、受圧用凸部17dが外側から押圧されたときに導電部材固定凸部17cが内側に変形しやすくなっている。前記下部定着部材16の下面(外面)を所定の位置に接着して接触検知センサ10を固定した状態で、前記接触検知センサ10に圧力が作用したとき、外側に突出する前記受圧用凸部17dに先行的かつ集中的に圧力を受けることにより、その内側に配置された導電部材15が電極12…に接触しやすくなり、型枠5の接触検知の精度が向上する。
【0074】
〔第2形態例〕
次に、本発明の第2形態例に係る接触検知センサ10について説明する。第2形態例の接触検知センサ10については、第1形態例の接触検知センサ10と異なる点について説明し、特に説明しない点は、第1形態例の接触検知センサ10と同様であり、第1形態例の接触検知センサ10の説明が適宜適用される。
【0075】
上記第1形態例の接触検知センサ10では、
図10に示されるように、1chに設けられた隣り合う電極12a、12bがそれぞれ異なる配線14a、14bに接続されるとともに、2chに設けられた隣り合う電極12c、12dがそれぞれ異なる配線14c、14dに接続されているが、本第2形態例の接触検知センサ10では、
図12に示されるように、各区間(1ch及び2ch)に配置された隣り合う電極のうち、一方の電極12が各区間に共通する1本の配線14に接続され、他方の電極12a、12bがそれぞれ異なる配線14a、14bに接続されている。
【0076】
これにより、
図13に示されるように、上記第1形態例の接触検知センサ10では、導電部材15が1chと2chの間の隣り合う電極12b、12cに跨がって接触した場合、これらの電極12b、12cに接続する配線14b、14cが導通可能となっていないため、接触が検知できないが、
図12に示されるように、本第2形態例の接触検知センサ10では、1chと2chの境目に配置された電極12が共通電極になるため、いずれの箇所に接触しても検知が可能となる。
【0077】
また、本第2形態例の接触検知センサ10では、配線の必要数が最小限に抑えられる利点もある。例えば、配線が24本の場合、上記第1形態例の接触検知センサ10では、各チャンネルで2本の配線が必要になるため、12chしか設置できないのに対して、本第2形態例の接触検知センサ10では、1本の共通する配線の他は各チャンネルに使用できるため、23chまで設置が可能となる。
【0078】
〔第3形態例〕
本第3形態例の接触検知センサ10については、上記第2形態例の場合と同様に、第1形態例の接触検知センサ10と異なる点について説明する。
【0079】
上記第1形態例の接触検知センサ10では、
図7に示されるように、電極12をベースフィルム11の幅方向に対して一方側又は他方側の端部近傍から幅方向反対側の中間位置まで延在させることにより、隣り合う電極12、12同士が互い違いとなるように配置されているが、本第3形態例の接触検知センサ10では、
図14に示されるように、全ての電極12…が、ベースフィルム11のほぼ全幅に亘って配置されている。これにより、接触検知センサ10の製造が容易になる。
【符号の説明】
【0080】
1…吹付けコンクリート、2…防水シート、3…セントル、4…打設済覆工コンクリート等、5…型枠、6…支持フレーム、7…走行レール、8…コンクリート打設口、9…目地材、10…接触検知センサ、11…ベースフィルム、12…電極、13…スルーホール、14…配線、15…導電部材、16…下部定着部材、17…上部定着部材、18…コネクタ、20…出力機器、T…トンネル、T1…地山側壁面