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  • -シールドバリア生成装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-19
(45)【発行日】2024-03-28
(54)【発明の名称】シールドバリア生成装置
(51)【国際特許分類】
   F41H 11/02 20060101AFI20240321BHJP
   F41H 13/00 20060101ALI20240321BHJP
【FI】
F41H11/02
F41H13/00
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2024026085
(22)【出願日】2024-02-25
【審査請求日】2024-02-25
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】593012963
【氏名又は名称】村上 博
(74)【代理人】
【識別番号】100205626
【弁理士】
【氏名又は名称】村上 博
(72)【発明者】
【氏名】村上 博
【審査官】塚本 英隆
(56)【参考文献】
【文献】特表2019-517083(JP,A)
【文献】特開2019-78446(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F41H 11/02
F41H 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
素数から選ばれる周波数の基礎周波数fに素数の組み合わせの積Pを乗じて得られる周波数fのうち周波数fp1から周波数fpnのn個(nは整数。)の電磁波を周波数fごとに生成する周波数別電磁波生成部と、
前記周波数別電磁波生成部から入力されたn個の前記電磁波を合成する合成器と、
前記合成器から出力された前記電磁波を増幅する増幅器と、
前記増幅器によって増幅された前記電磁波を空中に照射するアンテナと、
を備えるシールドバリア生成装置。
【請求項2】
素数から選ばれる角速度の基礎角速度ωに素数の組み合わせの積Pを乗じて得られる角速度ωを有する円偏波電磁波fのうち角速度ωp1の円偏波電磁波fp1から角速度ωpnの円偏波電磁波fpnのn個(nは整数。)の電磁波を周波数fごとに生成する周波数別電磁波生成部と、
前記周波数別電磁波生成部から入力されたn個の電磁波を合成する合成器と、
前記合成器から出力された電磁波を増幅する増幅器と、
前記増幅器によって増幅された電磁波を空中に照射するアンテナと、
を備えるシールドバリア生成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シールドバリア生成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
防衛上懸念されている攻撃に、いわゆるドローンによる攻撃がある。これは小型の自爆型のドローンを多数飛翔させ、破壊目標付近に接近して自爆させるものである。加えて、飛翔体による攻撃だけでなく、地上からのゲリラ的な兵士による攻撃も懸念されている。
【0003】
この点に関し、ドローンに高出力マイクロ波を照射し、ドローンの機体や制御回路を破壊する技術の開発が進められている(例えば、非特許文献1。)。
【0004】
しかし、この技術ではドローンが極めて多数になった場合や、地上からのゲリラ攻撃には対処できない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】「防衛省、「高出力マイクロ波」兵器を開発へ…軍用ドローンを無力化」(https://www.yomiuri.co.jp/national/20220205-OYT1T50129/)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、攻撃を効果的に防御できるシールドバリア生成装置を提供することである。
【0007】
なお、上記の「背景技術」、および「発明が解決しようとする課題」に記載した内容は、本発明をするに至った契機(きっかけ)を示すものであり、本発明の技術的範囲を限定するものではなく、また、本発明の技術的範囲の限定解釈を許容するものでもない(平成17年(行ケ)第10042号、及び出願日における特許庁審査基準第II部第2章 第2節3.2.1参照。)。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、素数から選ばれる周波数の基礎周波数fに素数の組み合わせの積Pを乗じて得られる周波数fのうち周波数fp1から周波数fpnのn個(nは整数。)の電磁波を周波数fごとに生成する周波数別電磁波生成部と、前記周波数別電磁波生成部から入力されたn個の前記電磁波を合成する合成器と、前記合成器から出力された前記電磁波を増幅する増幅器と、前記増幅器によって増幅された前記電磁波を空中に照射するアンテナと、を備えるシールドバリア生成装置を提供する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、攻撃を効果的に防御できるシールドバリア生成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】第1の実施形態に係るシールドバリア生成装置の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の一実施形態に係る攻撃を効果的に防御できるシールドバリア生成装置(以下、バリア生成装置1という。)を、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0012】
(第1の実施形態)
(基本的な考え方)
周波数fと周波数fの電磁波を合成して同方向に照射した場合、これらの周波数の最小公倍数の周波数fに相当する波長λを進むごとに電磁波が重畳して振幅が大きくなる。
【0013】
本実施形態のバリア生成装置1においては、素数から選ばれる周波数の基礎周波数fに素数の組み合わせの積Pを乗じて得られる周波数fを周波数fp1から周波数fpnのn個生成し、これらの位相を揃えて合成し、この合成波を照射する。
【0014】
そうすると、fp1からfpnのn個の周波数の最小公倍数の周波数fPLに相当する波長λを進むごとに電磁波が重畳して振幅が大きくなる。
【0015】
λを照射装置からある程度離れた距離に設定すれば、照射装置からλの直前では比較的エネルギーが小さいが、λの位置ではエネルギーがfのn倍になる。
【0016】
従って、λの位置に敵の攻撃や侵入を阻止する高エネルギー電磁波の幕であるシールドバリアを生成することができる。
【0017】
(構成例)
図1は、本実施形態のバリア生成装置1の構成を示すブロック図である。図1に示すように、バリア生成装置1は周波数別電磁波生成部11と、位相制御部12と、合成器13と、増幅器14と、アンテナ15と、を備える。
【0018】
周波数別電磁波生成部11は、電磁波生成部111と、位相器112と、を備える。周波数別電磁波生成部11は、生成する周波数ごとに周波数別電磁波生成部11-1から周波数別電磁波生成部11-nのn個(nは整数。)設けられる。
【0019】
電磁波生成部111のうちの一つである第1の電磁波生成部111-1は、電力供給部2から供給される電力を用いて、周波数fのうちの一つである周波数fP1の電磁波を生成する。
【0020】
周波数fP1は、素数から選ばれる基礎周波数fに素数の組み合わせPを乗じて得られる周波数である。
【0021】
素数から選ばれる基礎周波数fとしては、例えば3000より大きい素数から選ばれ、具体的には3011を選択できる。
【0022】
素数の組み合わせの積Pとしては、例えば比較的小さな素数から選ばれる素数の組み合わせが挙げられ、具体的には、1、5、7、11などの素数の組み合わせの積が選択できる。
【0023】
上述の素数を選択した場合、素数の組み合わせの積Pは例えば以下の中から一つ選ばれる。

1×5=5
1×7=7

1×5×7=35

1×5×7×11=385
【0024】
この素数の組み合わせの積Pの数Cは以下の(1)のとおり、15である。
【数1】
【0025】
従って、上記の場合にはn=C=15である。
【0026】
そして、基礎周波数fが3011、上記の素数の組み合わせの積Pを乗じて得られる周波数fをfp1からfp15の15個、とすると、fp1からfp15の15個の周波数の最小公倍数の周波数fPLは1,159,235である。
【0027】
この場合、最小公倍数の周波数fPLに相当する波長λは、以下の式(2)をλについて解くと、λ=258.791362mとなる。
【数2】
【0028】
ただし、Cは真空中の光速であり、上記の計算においては大気中の電磁波の速度を高速C=3×10mに近似して計算している。
【0029】
従って、上記の条件の場合には、照射装置からλ=258.791362mの直前では比較的エネルギーが小さいが、λの位置ではエネルギーがfの15倍となるシールドバリアが生成される。
【0030】
位相制御部12は、位相を揃えたり、揃えた位相の位置を変化させたりする。位相制御部12は、揃えた位相の位置を周期的に変化させることによりλの位置におけるバリアの進行方向に対する厚さを調整できる。
【0031】
位相器112は、位相制御部12の制御信号に従って、電磁波生成部111の位相を揃える。
【0032】
合成器13は、周波数別電磁波生成部11-1から周波数別電磁波生成部11-nのn個の周波数別電磁波生成部11から入力された電磁波を合成する。
【0033】
増幅器14は、合成器13から出力された電磁波を増幅する。
【0034】
アンテナ15は、増幅器14によって増幅された電磁波を空中に照射する。
【0035】
以上述べたように、本実施形態のバリア生成装置1は、素数から選ばれる周波数の基礎周波数fに素数の組み合わせの積Pを乗じて得られる周波数fのうち周波数fp1から周波数fpnのn個(nは整数。)の電磁波を周波数fごとに生成する周波数別電磁波生成部11と、周波数別電磁波生成部11から入力されたn個の電磁波を合成する合成器13と、合成器13から出力された電磁波を増幅する増幅器14と、増幅器14によって増幅された電磁波を空中に照射するアンテナ15と、を備える。
【0036】
従って、本発明によれば、攻撃を効果的に防御できるシールドバリア生成装置を提供することができるという効果がある。
【0037】
(第2の実施形態)
(基本的な考え方)
本実施形態のバリア生成装置1においては、素数から選ばれる角速度の基礎角速度ωに素数の組み合わせの積Pを乗じて得られる角速度ωを有する円偏波電磁波fを角速度ωp1の円偏波電磁波fp1から角速度ωpnの円偏波電磁波fpnのn個生成し、これらの位相を揃えて合成し、この合成波を照射する。
【0038】
そうすると、ωp1からωpnのn個の周波数の最小公倍数のωPLに相当する角度θを進むごとに電磁波が重畳して振幅が大きくなる。
【0039】
角度θを照射装置からある程度離れた距離Zにおいて生じるように設定すれば、照射装置からZの直前では比較的エネルギーが小さいが、Zの位置ではエネルギーがfのn倍になる。
【0040】
従って、Zの位置に敵の攻撃や侵入を阻止する高エネルギー電磁波の幕であるシールドバリアを生成することができる。
【0041】
(構成例)
本実施形態の構成例は、第1の実施形態の構成例のうち電磁波生成部111のみが異なる。従って、電磁波生成部111のみについて以下に説明し、そのほかの構成についての説明は省略する。
【0042】
素数から選ばれる角速度の基礎角速度ωは、例えば3ラジアンである。また、素数の組み合わせは第1の実施形態に挙げた素数である。
【0043】
素数の組み合わせの積Pは、第1の実施例の素数の組み合わせの積Pと同じである。従って、角速度ωp1の円偏波電磁波fp1から角速度ωpnの円偏波電磁波fpnのn個の円偏波電磁波fの合成波の振幅が最大となるのはθ=3×385=1,155(ラジアン)である。
【0044】
従って、Zは以下の式(3)にθ=3×385=1,155(ラジアン)を代入してZについて解けば得られる。
【数3】
【0045】
ただし、βは位相定数、tは時間であり、任意に設定できる。
【0046】
上記の条件の場合には、照射装置から距離Zの直前では比較的エネルギーが小さいが、距離Zの位置ではエネルギーがfの15倍となるシールドバリアが生成される。
【0047】
以上述べたように、本実施形態のバリア生成装置1は、素数から選ばれる角速度の基礎角速度ωに素数の組み合わせの積Pを乗じて得られる角速度ωを有する円偏波電磁波fのうち角速度ωp1の円偏波電磁波fp1から角速度ωpnの円偏波電磁波fpnのn個(nは整数。)の電磁波を周波数fごとに生成する周波数別電磁波生成部11と、周波数別電磁波生成部11から入力されたn個の電磁波を合成する合成器13と、合成器13から出力された電磁波を増幅する増幅器14と、増幅器14によって増幅された電磁波を空中に照射するアンテナ15と、を備える。
【0048】
従って、本発明によれば、攻撃を効果的に防御できるシールドバリア生成装置を提供することができるという効果がある。
【0049】
(第3の実施形態)
(基本的な考え方)
第1の実施形態における各周波数と第2の実施形態を向上適用する。つまり、第1の実施形態の周波数fp1から周波数fpnのn個(nは整数。)の電磁波を周波数fごとに生成する周波数別電磁波生成部11と、第2の実施形態の素数から選ばれる角速度の基礎角速度ωに素数の組み合わせの積Pを乗じて得られる角速度ωを有する円偏波電磁波fのうち角速度ωp1の円偏波電磁波fp1から角速度ωpnの円偏波電磁波fpnのn個(nは整数。)の電磁波を周波数fごとに生成する周波数別電磁波生成部11と、を両方設け、λ=ZとなるようにωPLとtとを選択する。
【0050】
そうすると、距離λ=Zの位置ではエネルギーがfの15×15=225倍となるシールドバリアが生成される。
【0051】
以上述べたように、本実施形態のバリア生成装置1は、素数から選ばれる周波数の基礎周波数fに素数の組み合わせの積Pを乗じて得られる周波数fのうち周波数fp1から周波数fpnのn個(nは整数。)の電磁波、及び素数から選ばれる角速度の基礎角速度ωに素数の組み合わせの積Pを乗じて得られる角速度ωを有する円偏波電磁波fのうち角速度ωp1の円偏波電磁波fp1から角速度ωpnの円偏波電磁波fpnのn個(nは整数。)の電磁波を周波数fごとに生成する周波数別電磁波生成部11と、周波数別電磁波生成部11から入力されたn個の電磁波を合成する合成器13と、合成器13から出力された電磁波を増幅する増幅器14と、増幅器14によって増幅された電磁波を空中に照射するアンテナ15と、を備える。
【0052】
従って、本発明によれば、攻撃をさらに効果的に防御できるシールドバリア生成装置を提供することができるという効果がある。
【符号の説明】
【0053】
1 シールドバリア生成装置
2 電力供給部
11 周波数別電磁波生成部
12 位相制御部
13 合成器
14 増幅器
15 アンテナ
111 電磁波生成部
112 位相器
【要約】
【課題】シールドバリア生成装置を提供する。
【解決手段】シールドバリア生成装置1は、素数から選ばれる周波数の基礎周波数fに素数の組み合わせの積Pを乗じて得られる周波数fのうち周波数fp1から周波数fpnのn個(nは整数。)の電磁波を周波数fごとに生成する周波数別電磁波生成部11と、周波数別電磁波生成部11から入力されたn個の電磁波を合成する合成器13と、合成器13から出力された電磁波を増幅する増幅器14と、増幅器14によって増幅された電磁波を空中に照射するアンテナ15と、を備える。
【選択図】図1
図1