IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ フレクソウンド システムズ オサケユイチアの特許一覧

特許7457341振動を介して音知覚を向上させるために構成された座席
<>
  • 特許-振動を介して音知覚を向上させるために構成された座席 図1A
  • 特許-振動を介して音知覚を向上させるために構成された座席 図1B
  • 特許-振動を介して音知覚を向上させるために構成された座席 図2A
  • 特許-振動を介して音知覚を向上させるために構成された座席 図2B
  • 特許-振動を介して音知覚を向上させるために構成された座席 図3
  • 特許-振動を介して音知覚を向上させるために構成された座席 図4
  • 特許-振動を介して音知覚を向上させるために構成された座席 図5
  • 特許-振動を介して音知覚を向上させるために構成された座席 図6
  • 特許-振動を介して音知覚を向上させるために構成された座席 図7
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-19
(45)【発行日】2024-03-28
(54)【発明の名称】振動を介して音知覚を向上させるために構成された座席
(51)【国際特許分類】
   A47C 7/72 20060101AFI20240321BHJP
【FI】
A47C7/72
【請求項の数】 13
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2019018503
(22)【出願日】2019-02-05
(65)【公開番号】P2019146961
(43)【公開日】2019-09-05
【審査請求日】2021-11-24
(31)【優先権主張番号】18158736.1
(32)【優先日】2018-02-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】516140731
【氏名又は名称】フレクソウンド システムズ オサケユイチア
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100147555
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 公一
(74)【代理人】
【識別番号】100160705
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】ユッカ リニヤマ
(72)【発明者】
【氏名】トンミ インモネン
【審査官】永冨 宏之
(56)【参考文献】
【文献】実開平06-007389(JP,U)
【文献】特開平07-023829(JP,A)
【文献】特開平07-007777(JP,A)
【文献】国際公開第2017/194785(WO,A1)
【文献】特開2002-044768(JP,A)
【文献】実開平05-068525(JP,U)
【文献】特開平05-064291(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47C 7/02
A47C 7/40
A47C 7/72
A61H 23/02
B60N 2/879
H04R 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
振動を介して音知覚を向上するために構成された座席であって、この座席が、詰め物と、少なくとも1つの振動源(26)及び少なくとも1つの弾性要素(16、21)及び少なくとも1つのフレーム構造(18、22)を具備する、音響再生アセンブリ(20)と、を具備しており、
前記音響再生アセンブリが、前記詰め物の内側に少なくとも部分的に配置される、座席において、
前記少なくとも1つの弾性要素(16、21)は、不均質要素であり、かつ更に前記フレーム構造(18、22)と前記振動源(26)に接触するように配置されており、機械的に調整された設置台を提供するように構成されており、更に、
前記弾性要素は、少なくとも、前記座席の表面に横振動を生じさせるように構成されており、
前記少なくとも1つの弾性要素(16、21)は、前記少なくとも1つの振動源(26)と前記少なくとも1つのフレーム構造(18、22)の間の弾性連結を提供し、前記弾性連結により、前記座席の前記表面へ少なくとも揺動横振動を生成するように、前記少なくとも1つの振動源(26)によって生成された振動を、前記少なくとも1つのフレーム構造(18、22)を介して前記座席の他の身体部分へ機械的に伝達し、
前記座席(10)は背もたれ(11)を具備し、前記座席(10)は、揺動機構(17)を更に具備しており、前記揺動機構(17)は、前記揺動機構(17)による揺動振動を前記背もたれ(11)に伝達するために前記背もたれ(11)内の前記フレーム構造(18)に接続される、ことを特徴とする座席。
【請求項2】
前記座席は、背もたれ(11)、座席レスト(12)、前記振動源として振動及び音響アクチュエータ(26)を有するヘッド又はネックレスト(19)、アームレスト(13)及びフットレスト(14)の内の少なくとも1つを具備することを特徴とする請求項1に記載の座席。
【請求項3】
前記フレーム構造(18、22)は、座席の支持部分として構成される、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の座席。
【請求項4】
前記フレーム構造(18、22)は、前記座席の支持部分に対する追加的な構造として構成される、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の座席。
【請求項5】
前記フレーム構造(18、22)は、前記振動源(26)のための音響板として構成される、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の座席。
【請求項6】
前記音響再生アセンブリ(20)は、少なくとも2つの弾性要素(16、21)を具備しており、前記少なくとも2つの弾性要素(16、21)の少なくとも1つは、垂直弾性要素(16)であり、更に、前記少なくとも2つの弾性要素(16、21)の少なくとも1つは、横弾性要素(21)である、ことを特徴とする請求項1~5のいずれか一項に記載の座席。
【請求項7】
前記座席(10)は座席レスト(12)を具備し、前記座席(10)の前記座席レスト(12)は、横振動を介する音知覚の局所的向上のための少なくとも1つの横弾性要素(21)により、床(25)又は対応する構造に弾性的に連結される、ことを特徴とする請求項1~6のいずれか一項に記載の座席。
【請求項8】
前記座席(10)は背もたれ(11)及び座席レスト(12)を具備し、
前記座席(10)は、
前記揺動機構(17)により提供される前記背もたれ(11)の回転振動としての振動効果のために前記背もたれ(11)に接続された1つ以上の垂直弾性要素(16)と
記座席レスト(12)の横振動としての振動効果のために前記座席レスト(12)に接続された1つ以上の横弾性要素(21)と、を具備することを特徴とする請求項1~のいずれか一項に記載の座席。
【請求項9】
前記座席(10)は、背もたれ(11)、座席レスト(12)及びアームレスト(13)を具備し、
前記座席(10)は、
前記揺動機構(17)により提供される前記背もたれ(11)の回転振動としての振動効果のために前記背もたれ(11)に接続された1つ以上の垂直弾性要素(16)と
記座席レスト(12)及び前記アームレスト(13)の横振動としての振動効果のために前記座席レスト(12)に接続された、1つ以上の横弾性要素(21)と、を具備することを特徴とする請求項1~のいずれか一項に記載の座席。
【請求項10】
前記座席(10)は、背もたれ(11)、座席レスト(12)及びフットレスト(14)を具備し、
前記座席(10)は、
前記揺動機構(17)により提供される前記背もたれ(11)の回転振動としての振動効果のために前記背もたれ(11)に接続された1つ以上の垂直弾性要素(16)と
記座席レスト(12)及び前記フットレスト(14)の横振動としての振動効果のために前記座席レスト(12)に接続された、1つ以上の横弾性要素(21)と、を具備することを特徴とする請求項1~のいずれか一項に記載の座席。
【請求項11】
前記座席(10)は座席レスト(12)を具備し、
前記座席(10)は、少なくとも前記座席レスト(12)の揺動横振動としての振動効果のために、前記座席レスト(12)及び床(25)に接続された、1つ以上の横弾性要素(21)を更に具備する、ことを特徴とする請求項1~1のいずれか一項に記載の座席。
【請求項12】
音響再生アセンブリ(20)は、20~100Hzの周波数の腰部振動を送るように提供される、ことを特徴とする請求項1~1のいずれか一項に記載の座席。
【請求項13】
前記座席全体が、15~60Hzで主に横方向に振動するように構成される、ことを特徴とする請求項1~1のいずれか一項に記載の座席。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、振動を介して音知覚を向上させることができる、座席部分に関する。特に、本発明は、請求項1の前文による振動及び音の共同生成のために配置された座席に関する。
【背景技術】
【0002】
本書において、本明細書及び特許請求の範囲において「座席」という用語は、家庭用又は公共用の建物用並びに自動車、列車、船舶等の乗り物用の、あらゆる種類の家具等の部分、例えば椅子、ベッド、マットレス、コーチ(座席車)等、を意味しており、家具等の部分は、使用者が通常座ったり横になったりするためのものであり、更に家具等の部分に対して、使用者は、有利には、使用者の背中の又は後部の又は腕の又は大腿部の皮膚等のより大きな皮膚領域の皮膚接触を有する。
【0003】
機械的アクチュエータ(作動機)及び/又は大型の拡声器を使用することにより、座席の部分に振動効果、特には20~120Hzの低周波効果(LFE)、を発生させることが、従来技術から知られる。一般的には、振動アクチュエータは、使用者の腰部領域において、座席レスト(台)上及び/又は背もたれ上において椅子に設置される。
【0004】
ある特許文献において、詰め物の内側に包まれた機械装置を用いて振動及び音が生成される、音の包括的知覚のための装置、好適にはクッションであって、この装置は、詰め物の外面上において感じること及び聞くことができる、詰め物に機械的振動を直接発生させることにより音を放射し、更に空気伝達音を詰め物を介して放射しており、この装置は、音響的及び機械的共振を回避するために、音響的に、より高密度で損失のある層と、音響的により低い密度で且つ多孔質の層と、を具備しており、この装置は、少なくとも1つの板を更に具備しており、更に板の振動は、少なくとも1つの振動機械アクチュエータを使用して発生される、装置が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0005】
別の特許文献において、振動及び音を共同生成するための装置であって、入力として手段に提供される入力音信号を再生するように振動及び音を共同生成するための手段を具備しており、該手段は、詰め物の少なくとも1つの外面上において振動及び音として知覚可能である、機械振動を発生して且つ詰め物の該少なくとも1つの外面を介して音を放射するように、詰め物内に配置されており、更に手段は、入力音信号の少なくとも1つの特性に依存して、知覚可能な振動の強度を調整するためのものである、装置が開示されている(例えば、特許文献2参照。)。この既知の装置において、振動及び音を共同生成するための手段は、少なくとも1つの機械的アクチュエータと少なくとも1つの板とを具備してもよく、該少なくとも1つの機械的アクチュエータは、入力音響信号に従って該少なくとも1つの板を振動させるように構成される。
【0006】
また別の特許文献において、音響拡声器と、異なる程度の音響導電率及び圧縮率を有する層状の複数の材料と、を含む拡声器モジュールを具備する詰め物であって、該拡声器は、複数の材料内において支持されており、且つ複数の材料により囲まれる、詰め物が開示されている(例えば、特許文献3参照。)。
【0007】
さらに別の特許文献において、振動及び音の共同生成のために構成された座席であって、この座席は、入力として振動手段に提供される入力音響信号を再生するように振動及び音を共同生成するための振動手段を具備しており、該振動手段は、詰め物の少なくとも1つの外面上において振動及び音として知覚可能な機械的振動を発生させ更に詰め物の該少なくとも1つの外面を介して音を放射するように座席の詰め物内に配置されており、更に該振動手段は、少なくとも1つの機械的アクチュエータと、少なくとも1つの板と、を具備しており、該少なくとも1つの機械的アクチュエータは、入力音響信号に従って該少なくとも1つの板を振動させるように構成されており、更に振動手段を隣接する構造から機械的に遮断するための遮断手段を備える、座席が開示されている(例えば、特許文献4参照。)。板は、以下の内の1つ以上に配置された少なくとも1つの剛性の又は実質的に剛性の板を具備しており;以下とは、座席の背もたれ、座席の座席部分、座席のアーム(腕)レスト(台)、座席のフット(足)レスト、座席のヘッド(頭部)レストである。機械的アクチュエータは、空間音を再生するための少なくとも2つの機械的アクチュエータを具備する。この既知のものにより、一方では隣接する空間に激しい妨害を引き起こすことなく、強い低周波数効果を提供することを可能にし、他方では合理的な複雑さ及び費用において音景の空間/方向成分の忠実な再生を可能にする、音響再生装置が提供される。従って、椅子に弾性的に設置された音響板アクチュエータを有する構成は、振動し且つ床から機械的に遮断された椅子を提供する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】欧州特許出願公開第3097703号明細書
【文献】欧州特許出願公開第3244628号明細書
【文献】国際公開第2006/034125号
【文献】欧州特許出願公開第3244633号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、振動を介して音知覚を向上させるために構成された座席を作成することであり、そこにおいて、振動をより大きな人体領域に効率的に伝達することに関する不利益及び問題は、排除されるか又は少なくとも最小限に抑えられる。
【0010】
特には、本発明の目的は、振動を介して音知覚を向上させるために構成された座席を作成することであり、1つの主要動作位置のみにより、大きな人体領域に振動を効率的に伝達することに関する不利益及び問題は、排除されるか又は少なくとも最小限に抑えられる。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の目的及び後述の目的を達成するために、本発明による振動及び音の共同生成のために配置された座席は、請求項1の特徴により、主に特徴付けられる。従属請求項において、本発明の追加的な有利な特徴及び形態が定義される。
【0012】
本発明によれば、振動を介して音知覚を向上するために構成される、座席は、詰め物と、少なくとも1つの振動源及び少なくとも1つの弾性要素及び少なくとも1つのフレーム構造を具備する、音響再生アセンブリと、を具備しており、音響再生アセンブリは、詰め物の内側に少なくとも部分的に配置されており、弾性要素は、不均質要素であり、更にフレーム構造及び振動源に接触するように配置されており、弾性的に且つ機械的に調整された設置台を提供するように構成されており、更に弾性要素は、少なくとも、座席の表面に横振動を生じるように構成される。ここでの垂直方向及び横方向は、問題の部分の表面平面に対して定義される。
【0013】
本発明の有利な特徴によれば、座席は少なくとも、背もたれ、座席レスト、又は振動及び音響アクチュエータを有するヘッド又はネックレスト、及び選択可能にアームレスト及び/又はフットレストを具備する。
【0014】
本発明の有利な特徴によれば、フレーム構造は、座席の支持部分として構成されるか、又はフレーム構造は、座席の支持部分に対する追加的な構造として構成されるか、あるいはフレーム構造は、振動源のための音響板として構成される。
【0015】
本発明の有利な特徴によれば、音響再生アセンブリは、少なくとも2つの弾性要素を具備しており、少なくとも2つの弾性要素の少なくとも1つは、垂直方向において運動を可能にする垂直弾性要素であり、更に少なくとも2つの弾性要素の少なくとも1つは、横方向において運動を可能にする横弾性要素である。
【0016】
本発明の有利な特徴によれば、座席の座席レストは、横振動を介する音知覚の局所的向上のための少なくとも1つの横弾性要素により床又は対応する構造に弾性的に連結される。
【0017】
本発明の有利な特徴によれば、座席は、揺動機構による背もたれの揺動振動効果のために背もたれ内のフレーム構造に接続された揺動機構を更に具備する。
【0018】
本発明の有利な特徴によれば、座席は、背もたれに接続された1つ以上の垂直弾性要素と、背もたれの回転振動としての振動効果のために及び座席レストの並進振動としての振動効果のために、座席レストに接続された1つ以上の横弾性要素と、を具備する。
【0019】
本発明の有利な特徴によれば、座席は、背もたれに接続された1つ以上の垂直弾性要素と、背もたれの回転振動としての振動効果のために及び座席レスト及びアームレストの横の並進振動としての振動効果のために、座席レストに接続された1つ以上の横弾性要素と、を具備する。
【0020】
本発明の有利な特徴によれば、座席は、背もたれに接続された1つ以上の垂直弾性要素と、背もたれの回転振動としての振動効果のために及び座席レスト及びフットレストの横の並進振動としての振動効果のために、座席レストに接続された1つ以上の横弾性要素と、を具備する。
【0021】
本発明の有利な特徴によれば、座席は、少なくとも1つの座席レストの揺動並進振動としての振動効果のために、座席レスト及び床に接続された1つ以上の横弾性要素を更に具備する。
【0022】
本発明の有利な特徴によれば、音響再生アセンブリは、20~100Hzの周波数の腰部振動を送るように提供される。
【0023】
本発明の有利な特徴によれば、座席全体が、15~60Hzで主に横方向に振動するように構成される。
【0024】
本発明の有利な形態によれば、肩又は頭の後ろに設置された1つだけの音、有利にはステレオアクチュエータが、良好な空気伝達音放射のために使用されており、良好な振動感が、弾性的な設置台を有する機械的に調整されたフレーム構造を使用して、座席の大部分において提供されており、振動エネルギーは、弾性的に設置されて且つ機械的に調整されたフレーム構造を使用して、座席の別の部分に効率的に伝達される。従って、表面の横振動は、皮膚接触に対して垂直な方向の振動と同等に良好に知覚される。機械的エネルギー伝達(インピーダンス整合)は、皮膚や脂肪が表面に対して垂直であるほどには横方向においてそれほど硬くないため、良好であるので、従ってより多くの振動運動及び人間の知覚は、振動エネルギーを生成するために使用されるより少ない電力により、座席内において実現される。本発明はまた、低電圧及び低電流しか使用する必要がないので、良好なエネルギー効率及び電気的安全性を提供する。更に、加熱効果がほとんど又は全く発生せず、そのことは、使用者の快適さを提供することが留意されるべきである。
【0025】
本明細書に記載の座席は、様々な種類の家庭用、娯楽用及び職業用の分野で使用されてもよい。これに関する2~3の例として、座席は、家庭用又は公共用の肘掛け椅子又はベッド又はコーチ又は長椅子として、例えば車両(自動車内、バス内、トラック内、電車内、飛行機内等)の自動車用座席等の座席として、例えば映画館、講堂、会議室、ホテル等の公共空間の座席として、提供されてもよい。
【0026】
この特許出願において提示される本発明の例示的な実施の形態は、添付の特許請求の範囲の適用性に制限をもたらすと解釈されるべきではない。「具備する」という動詞及びその派生語は、記載されていない特徴の存在をも排除しない開いた制限として、この特許出願において使用される。以下に記載される特徴は、他に明示的に述べられない限り、お互いに自由に組み合わせ可能である。
【0027】
説明の編集上の明瞭さのためにおいて、以下において、我々は、音響再生手段として、音響再生アセンブリとして、振動手段として、又は振動アセンブリとして、音響及び振動発生装置(例えば、振動及び音響を共同生成するための手段)を主に参照する。
【0028】
しかしながら、本発明の形態は、その構造及びその動作方法の両方に関して、本発明の形態の追加的な目的及び利点と共に、添付の図面と関連して読まれる時、幾つかの例示的実施の形態の以下の説明から最も良好に理解されるであろう、更に以下において、本発明は、添付の図面を参照して、より詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1A図1Aにおいて、本発明による座席用の音響再生アセンブリの主要原理の一例が概略的に示される。
図1B図1Bにおいて、本発明による座席用の有利な音響再生アセンブリのための構成の一例が概略的に示される。
図2A図2Aにおいて、垂直振動が概略的に示される。
図2B図2Bにおいて、横振動が概略的に示される。
図3図3において、本発明による座席の有利な例が概略的に示される。
図4図4において、本発明による座席の別の有利な例が概略的に示される。
図5図5において、本発明による座席の更に別の有利な例が概略的に示される。
図6図6において、本発明による座席の更に別の有利な例が概略的に示される。
図7図7において、本発明による座席の更に別の有利な例が概略的に示される。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下の説明の過程中において、本発明及びその有利な実施例を例示する、異なる図に従って、同じ番号及び記号は、同じ要素を識別するように使用されるであろう。図面において、幾つかの繰り返しの参照記号は、明確化の理由のために省略される。本発明の様々な例示的実施の形態は、振動及び音の共同生成のための振動アセンブリ(組立体)を備えた、座席に関する。
【0031】
図1Aにおいて、座席用の音響再生アセンブリの主な原理の一例が、概略的に示される。音響再生アセンブリ20は、フレーム(骨組)構造18、22と、弾性的な不均質な要素16、21と、振動及び音源26と、を具備する。弾性的な不均質な要素16、21とフレーム構造18、22と振動源26とは、弾性的に設置されていて且つ機械的に調整された、座席用のフレーム構造を提供する。振動及び音源26は、欧州特許出願公開第3097703号に記載される種類のものであることが有利であるが、別の種類の振動源もまた使用可能である。音及び振動源26は、フレーム構造18、22に剛に又は弾性的な設置台を介して取り付けられており、フレーム構造18、22は、弾性区域又は不均質弾性部により構成されてもよい、不均質な支持部又は支持構成16、21を用いて座席の1つ又は複数の部分(図1B図3~7)に弾性的に設置される。音及び振動源26は、フレームの質量分布と共にフレームの振動モード及び共振周波数を決定する、弾性要素16、21により支持される、フレーム構造18、22に伝達する。弾性要素16、21は、フレーム構造18、22の所望の運動に基づいて選択される。弾性要素16、21は、例えば、発泡タイプのプラスチック材料、ゴム等の弾性材料、例えば、ばね又はねじり棒等の弾性的機械部分であってもよい。弾性材料の不均質性により、振動効果を変えるように、例えば、幾つかの周波数を強調するように及び表面の振動の振幅分布及び方向を最適化するように、調音効果を生成することが可能である。フレーム構造18、22は、例えば板又はパネル(壁板)又はパイプ(管)又はロッド(棒)型の構造であってもよい。
【0032】
図1Bにおいて、振動及び音源26を含む、ヘッド(頭部)レスト(台)又はネック(首部)レスト(台)19に第1の垂直弾性要素16により弾性的に連結されていて且つ座席の一部の破線で示された、詰め物の内側に配置された座席用の有利な音響再生アセンブリ20のための構成の一例が概略的に示されており、第1の垂直弾性要素16はまた、揺動機構17と、一対の第2の弾性要素16と。により座席10の背もたれ11に接続する、フレーム構造18に接続しており、一対の第2の弾性要素16は、揺動機構17により提供される回転振動運動の各々の側部に配置される。剛性フレーム構造18は、弾性要素16により支持されて、共振するように調整されるので従って、揺動機構17及び弾性要素16により、回転振動区域は、高さ方向において背もたれ11の中央領域に設けられて、中央領域の上と下において共振区域を調整する。揺動機構17は、その目的を果たすように垂直方向において剛であるが、しかしながら、揺動機構17は、横方向において剛であってもなくてもよい。
【0033】
図2A及び2Bにおいて、垂直方向(図2A)及び横方向(図2B)において弾性的設置台を有する、フレームにより構成される、音響再生手段により発生される垂直振動(図2A)及び横振動(図2B)の例が、概略的に示される。垂直振動において、音響再生手段20(図2A)により発生されるか、又は音響再生手段により発生されて更にフレーム構造22(図2B)により伝達される、振動の効果は、皮膚接触に対して実質的に垂直方向において知覚されており、横振動においては、音響再生手段により発生された振動の効果は、実質的に皮膚接触平面の方向において知覚される。振動の効果の方向は、垂直弾性要素16及び横弾性要素21による弾性連結を配置することにより提供されており、垂直弾性要素16及び横弾性要素21は、垂直振動において、垂直弾性要素16を介して皮膚接触に対して実質的に垂直方向において振動を伝達しており、横振動において、横弾性要素21を介して実質的に皮膚接触の方向において振動を伝達する。音響再生手段と座席の一部との間の又は音響再生手段とフレーム構造との間の弾性連結は、音響再生手段20により発生された振動効果を座席の別の身体部分に機械的に伝達して、音響再生手段20により生成されて且つフレーム構造22により座席の選択された構造に伝達される、横振動を発生させるための構成として、弾性連結が機能するように選択されてもよい。本発明による座席の部分の以下の有利な例において、所望の振動効果の弾性連結を実施するための1つ以上の垂直弾性要素16及び横弾性要素21は、弾性要素剛性定数k1の適切な選択により提供されても良く、弾性要素剛性定数k1は、音響再生手段20により形成される構成における目標共振周波数及び振動モードにおける有効質量に依存する。従って、本発明の以下の有利な実施例に示されるように、肩又は頭の後ろに設置された1つの音響、有利にはステレオ(立体音響)、アクチュエータ20のみが、優れた空気伝達音放射に使用され、優れた振動感が座席のほとんどの部分において提供され、更に振動エネルギーは、追加のアクチュエータなしで、座席の別の部分に効率的に伝達される。従って、横振動は、皮膚接触に対して垂直な方向の振動と同等に良好に知覚される。機械的エネルギー伝達(インピーダンス整合)は、皮膚及び脂肪が、表面に対して垂直方向においてほど横方向において剛ではないので、表面において接触する人にとって良好であり、従って、より多くの振動運動は、振動刺激及び振動の人間の知覚を生成するために使用される、より少ない電力により座席において達成される。
【0034】
図3において、本発明の一例に従って、この例において椅子型座席である、座席10の幾つかの構成要素が、概略的に示される。図3において、座席10は、ヘッドレスト又はネックレスト19と、背もたれ11と、座席レスト12(即ち、上に座ることが意図される座席10の一部)と、により示されており、それらは、座席10の本体の構成要素を表す。図3は、座席の一部の詰め物の内側、この例においてヘッドレスト又はネックレスト19の詰め物の内側、に配置される音響再生アセンブリ20を更に示しており、音響再生アセンブリ20は、一対の第2の弾性要素16と揺動機構17とにより座席10の背もたれ11に接続された、フレーム構造18に第1の垂直弾性要素16により弾性的に連結されており、一対の第2の弾性要素16は、揺動機構17により提供される回転振動運動の各々の側部に配置される。剛性フレーム構造18は、弾性要素16により支持されており、共振するように調整されるので、従って、揺動機構17及び弾性要素16により、回転振動区域が、背もたれ11に提供される。第2の弾性要素及び揺動機構17は次に、座席10の背もたれに連結される。図3において矢印S11により示されるように、ヘッド又はネックレスト19の内側に配置された、振動及び音響アクチュエータ26により発生された振動エネルギーは、垂直弾性要素16によりフレーム構造18に伝達されており、フレーム構造18は、順に、揺動機構17及び前後に運動する「揺動」振動効果により、揺動する振動運動を提供する。従って、この例は、背もたれ11の長手方向の実質的に中央に設置された揺動機構17と振動及び音響アクチュエータ26とにより発生される、振動を介する背もたれ11の振動の知覚の局所的向上を、座席10に提供しており、更に従って、背もたれ11の表面は、中心の周りで回転する。従って、振動に非常に敏感な肩骨及び胸部へのより少ない振動による腰部振動の向上が達成される。この例において、振動効果は、主に、座席10の使用者の背中接触に対する垂直振動である。
【0035】
座席10の本体は、順に、座席10をその環境に、例えば床に又は床の頂部上に配置された据付プラットフォームに、設置するための剛性の又は実質的に剛性の構造を具備する、基部(図示せず)に取り付けられてもよい。この座席10において、音響再生手段20と座席の本体10との間の弾性連結は、フレーム構造18に機械的に調整されて設置された1つ以上の弾性要素16として提供される。1つ以上の弾性要素16を使用する代わりに、別の種類の弾性材料が、使用されてもよい。
【0036】
図4の例において、振動及び音響アクチュエータ26、有利にはステレオアクチュエータ、を有する音響再生手段20は、座席10のヘッドレスト又はネックレスト19に配置されるか、あるいは図3による構成が、背もたれ11において使用される。この例において、椅子型座席が提示される。図4において、座席10は、ヘッド又はネックレスト19と、背もたれ11と、座席レスト12と、により示されており、それらは、座席10の本体の構成要素を表す。座席レスト12は、フレーム部分23により、床25又は対応する構造に接続する。座席レスト12は、座席レスト12の詰め物内に横弾性要素21を有する、フレーム構造22を具備して、矢印S12により示される座席レスト12表面の横振動運動を提供する。音響再生アセンブリ20は、座席10の詰め物の内側に配置される。図4において矢印により示されるように、振動及び音響アクチュエータ26により発生された振動エネルギーは、弾性要素16により背もたれ11に伝達されており、前述のように、この例の背もたれ11用の音響再生装置はまた、図2に関連して示されるように構成可能である。この例は、従って、矢印S11、S12により示されるように、振動及び音響アクチュエータ26により発生される振動を介するヘッド又はネックレスト19の音知覚の局部的向上を、座席10に提供する。この例において、背もたれ11における振動効果は、主に、座席10の使用者の背中接触に対する垂直振動であり、更に座席レスト12の振動効果は主に、横弾性要素21によりもたらされる横フレーム構造22の振動運動による横振動である。座席10の本体は、順に、座席10をその環境に設置するための剛性又は実質的に剛性のフレーム部分23により床25の基部に取り付けられる。この座席10において、音響再生手段20と座席10の本体との間の弾性連結は、1つ以上の垂直弾性要素16及び1つ以上の横弾性要素21として提供される。座席10の背もたれ及び座席レスト表面に対する振動効果の例が概略的に示される図4において、背もたれ11の振動効果は、全体として又は図4の実施の形態におけるように回転振動であり、更に座席レスト12の振動効果は、並進振動であり、従って、使用者の背中に腰部垂直振動及び使用者の背中と脚に横振動を提供する。この例において、垂直方向に剛性支持体を有する横方向の可撓性が実現される。更に、別の実施の形態において、横弾性要素21は、垂直方向においてもある程度の可撓性を有してもよく更に通常実際に有しており、座席レストフレーム構造22においてもわずかな垂直振動、及び背もたれ11においてある程度の横振動を可能にする。
【0037】
図5の例において、振動及び音響アクチュエータ26、有利にはステレオアクチュエータを有する音響再生手段20が、座席10内に配置される。図5において、この例では椅子型座席である座席10は、ヘッド又はネックレスト19と、背もたれ11と、座席レスト12と、アームレスト13とにより示されており、それらは、座席10の本体の構成要素を表す。座席レスト12は、フレーム部分23により床25又は対応する構造に接続する。座席レスト12は、座席レスト12の詰め物内に横弾性要素21を有するフレーム構造22を具備して、矢印S12で示される座席レスト12表面の横振動運動を提供する。図5は、弾性要素16により、座席10の背もたれ11に弾性的に連結された、音響再生アセンブリ20を更に示す。図5の矢印により示されるように、振動及び音響アクチュエータ26により発生された振動エネルギーは、弾性体16により背もたれ11に伝達される。当然ながら、この例における背もたれ11用の音響再生装置はまた、図3に関連して示されるように構成可能である。従って、この例は、矢印S11、S12により示されるように、振動及び音響アクチュエータ26により発生される振動を介して、音知覚の局所的向上を座席10に提供する。この例において、背もたれ11における振動効果は主に、座席10の使用者の背中接触に対する垂直振動であり、座席レスト12及びアームレスト13における振動効果は主に、横弾性要素21によりもたらされる横方向におけるフレーム構造22の振動運動による横振動である。座席10の本体は、順に、座席10をその環境に設置するための剛性又は実質的に剛性のフレーム部分23により床25基部に取り付けられる。この座席10において、音響再生手段20と座席10の本体との間の弾性連結部は、1つ以上の垂直弾性要素16と1つ以上の横弾性要素21と、を備える。座席10の背もたれと座席レストとアームレスト表面のための振動効果の例が概略的に示される図5において、背もたれ11の振動効果は、全体として回転振動であり、座席レスト12とアームレスト13の振動効果は、並進振動であり、従って使用者の背中に腰部垂直振動を、横振動を使用者の後部と腕と脚に提供しており、座席全体は、機械的に調整されたフレーム構造として構成される。この例において、垂直方向に剛性支持体を有する横方向の可撓性が、達成される。
【0038】
更に、別の実施の形態において、横弾性要素21は、垂直方向においてもある程度の可撓性を有してもよく、通常実際にはそれを有しており、座席10においてより効率的な振動モードを可能にする。例えば、少しの垂直方向の振動がまた、座席レスト12及びアームレスト13に存在し、幾らかの横振動が、背もたれ11に存在する。
【0039】
図6の例において、振動及び音響アクチュエータ26、有利にはステレオアクチュエータ、を有する音響再生手段20は、この例において椅子型座席である、座席10内に配置される。図6において、座席10は、ヘッド又はネックレスト19と、背もたれ11と、座席レスト12と、フットレスト14と、アームレスト13と、を有して示されており、それらは、座席10の本体の構成要素を表す。座席レスト12は、横弾性要素21を有するフレーム構造22により床25に接続された、フレーム部分23により床25又は対応する構造に接続する。この例において、座席レスト12とアームレスト13とフットレスト14との揺動横振動運動は、矢印S13により示されるように提供される。図6は、垂直弾性要素16により座席10の背もたれ11に弾性的に連結された、音響再生アセンブリ20を更に示す。図6において矢印により示されるように、振動及び音響アクチュエータ26により発生された振動エネルギーは、弾性要素16により背もたれ11に伝達される。当然に、この例における背もたれ11のための音響再生装置はまた、図3に関連して示されるように構成可能である。従って、この例は、矢印S11、S13により示されるように、振動及び音響アクチュエータ26により発生された振動を介して、座席10の音知覚の局所的な向上を提供する。この例において、背もたれ11における振動効果は主に、座席10の使用者の背中接触に対する垂直振動であり、座席レスト12とアームレスト13とフットレスト14とにおける振動効果は主に、矢印S13により示されるように、床25に接続する横弾性要素21によりもたらされる横方向におけるフレーム構造22の振動運動による揺動横振動である。この例において、音響再生手段20と座席10の本体との間の座席10の弾性的な連結は、1つ以上の垂直弾性要素16及び1以上の横弾性要素21として提供される。その重心の周りの実質的に剛性の座席の回転振動運動による座席10全体及びフットレスト14のための振動効果の例が概略的に示される図6において、従って背もたれの振動は主に、回転振動であり、座席レスト及びアームレストは、振動並進振動である。この例において、使用者の背中は、腰部垂直振動を受け、使用者の背中と脚と足と腕は主に、横振動を受ける。この例は、主に40~15Hzの非常に低い周波数効果についてである。
【0040】
図7において、本発明の一例によると、この例においてベッド型部分の家具として使用される、座席10の幾つかの構成要素が、概略的に示される。座席10は、ヘッド又はネックレスト19と背もたれ11と座席レスト12(それは、この型式の座席10において、使用者の後部が横たわることが意図される)とにより示されており、それらは、座席10の本体の構成要素を提示する。図3は、座席の一部の詰め物の内側、この例において背もたれ11の詰め物の内側、に配置される、音響再生アセンブリ20を更に示しており、背もたれ11は、第1の垂直弾性要素16によりヘッド又はネックレスト19に弾性的に連結されており、第1の垂直弾性要素16は、揺動機構17と、揺動機構17により提供される回転振動運動の各々の側部に配置された一対の第2の弾性要素16と、により座席10の背もたれ11に接続されたフレーム構造18に接続される。剛性フレーム構造18は、弾性要素16により支持されており、揺動機構17及び弾性要素16により共振するように調整されており、更に従って回転振動区域は、高さ方向において背もたれ部11の中央部において提供されており、更に中央領域の上下で共振区域を調整する。第2の弾性要素及び揺動機構17は次に、座席10の背もたれに連結する。矢印S11により示されるように、振動及び音響アクチュエータ26により発生される振動エネルギーは、垂直弾性要素16によりフレーム構造18に伝達されており、フレーム構造18は、順に、揺動機構17による揺動振動運動と、前後に運動する「揺動」振動効果と、を提供する。背もたれ11及び座席レスト12は、フレーム部分23により床25又は対応する構造に接続する。座席レスト12は、座席レスト12の詰め物内に横弾性要素21を有する、フレーム構造22を具備して、矢印S12により示される、座席レスト12表面の横振動運動を提供する。従って、この例は、矢印S11、S12により示されるように、振動及び音響アクチュエータ26により生成された振動を介して、音知覚の局所的な向上を座席10に提供する。この例において、背もたれ11における振動効果は主に、座席10の使用者の背中接触に対する垂直で且つ回転振動であり、座席レスト12における振動効果は主に、横弾性要素16によりもたらされる、横方向におけるフレーム構造22の振動運動による横振動である。座席10の本体は、順に、座席10をその環境に設置するための剛性又は実質的に剛性のフレーム部分23により床25の基部に取り付けられる。この座席10において、音響再生手段20と座席10の本体との間の弾性連結部は、1つ以上の垂直弾性要素16と1つ以上の横弾性要素21とを備える。座席10の背もたれ及び座席レストの表面に対する振動効果の例が概略的に示される図7において、背もたれ11の振動効果は、全体として回転振動であり、座席レスト12の振動効果は、並進振動であり、従って使用者の背中に腰部垂直振動を、使用者の後部と腕と脚に横振動を提供しており、座席全体は、機械的に調整されたフレーム構造として構成される。この例において、主に垂直方向に剛性支持体を有する横方向の可撓性が、実現される。この座席10において、音響再生手段20と座席本体10の本体との間の弾性連結は、フレーム構造18に機械的に調整されて設置された、1つ以上の弾性要素16として提供される。1つ以上の弾性要素16を使用する代わりに、別の種類の弾性材料が、使用されてもよい。
【0041】
実施例において、音響再生手段20と座席10の本体との間の連結は、少なくとも、1つ以上の垂直弾性要素16と、有利には1つ以上の横弾性要素21と、により提供される。弾性要素16、21により提供される機械的な調整の特徴は、音響再生手段20と弾性要素16、21と座席本体10とにより形成される、構成の共振周波数に依存し、更に従って、その様な構成は、所望の周波数及び共振周波数において機械的調整を提供する。本体と床25との間の弾性連結は、1つ以上の横弾性要素21として提供されてもよい。1つ以上の弾性要素を使用する代わりに、別の種類の弾性材料が、使用されてもよい。
【0042】
実施例において、20~100Hzの周波数における腰部振動を使用者の腰背部に伝達するための背もたれ11の構成と、人的接触による座席レスト12及びアームレスト13への横振動の構成と、15~60Hzの周波数において主に横方向に振動するための座席10全体の弾性的な設置台の構成とが、提供される。
【0043】
座席10の本体と床25との間の弾性連結の特性は、弾性連結が音響再生手段20を床25から機械的に遮断するための遮断配置として機能するように選択されても良く、その様な機械的な遮断は、弾性要素特性の適切な選択により提供されてもよい。
【0044】
この構成は、音響再生手段20を駆動するように使用される、入力音信号に含まれる音景の周波数成分の知覚を改善するために、大きな接触面積を介する、音響再生手段20から座席10に座る人への振動伝達を更に向上するので、音響再生手段20を詰め物の内側のフレーム構造18、22に連結することが、座席10内に剛性又は実質的に剛性な状態で提供できることに加えて、音響再生手段20は、座席10の詰め物のそれぞれの部分の内側に配置された、1つ以上の(問題の周波数域において剛性又は実質的に剛性の)フレーム構造18、22に、剛性又は実質的に剛性の状態で更に連結されてもよい。
【0045】
フレーム構造18、22はまた、座席10の外側布地により設置されてもよく、従って、その布地は、弾性要素16、21を提供する。例えば、フレーム構造18、22は、中間領域において関節式取り付け部を備えてもよく、取り付け部の周りの領域は、布地により支えられた振動運動において運動してもよい。また、フレーム構造18、22は、座席の外側布地の支持において、浮遊するように構成されてもよい。
【0046】
座席10は、使用者が少なくとも2つの周波数帯域において振動/音の強度(例えばレベル又は振幅)を別々に調整することを可能にする、機械的制御手段を更に具備してもよい。その様な振動/音の強さの調整を可能にする制御手段は、詰め物の該少なくとも1つの外面を介して放射された、音の強さを調整するための手段及び/又は詰め物の該少なくとも1つの外面上において振動及び音の強さを調整するための手段を座席10に提供するように使用されてもよい。制御手段は、弾性要素がより圧縮されて更により剛になり、更に従ってアセンブリの意図された共振周波数を変えるように、例えば、フレーム構造の向きを調整すること等であってもよい。別の制御手段は、弾性部分又は接続フレーム構造を直接調整してそれらの剛性を変えることである。
【0047】
前述において説明したように、例えば、前述の座席10の部分に関して説明された例による音響再生手段20は、少なくとも1つの機械的アクチュエータと、座席の詰め物の内側に配置された少なくとも1つのフレーム構造と、を具備しており、該少なくとも1つの機械的アクチュエータは、機械的アクチュエータに提供された入力音信号に応じて振動するように構成される。座席は、入力として振動発生装置に提供される音信号を再生するように振動及び音を共同生成するための音及び振動発生装置を具備しており、音及び振動発生装置は、座席の詰め物の内側に設置されて、前記詰め物の少なくとも1つの外面において振動及び音として知覚可能な機械的振動を発生し、更に詰め物の該少なくとも1つの外面を介して音を放射する。
【0048】
音及び振動発生装置は、また、座席の詰め物の内側にそのような装置を実現する複数の方法が存在するという事実を反映するように、振動及び音を共同生成するための手段として参照されてもよい。
【0049】
フレーム構造18、22は、対応する詰め物の内側に配置された板として構成可能であり、対応する座席レストの全長又は実質的に全長まで伸びてもよく、あるいは板は、対応するレストの全長の一部のみを覆ってもよい。それにもかかわらず、その剛性により、対応するレストに配置された板は、大きな接触領域を介して音響再生手段20から受けた振動を座席10に座る人に伝達し、それにより、音再生手段20を駆動するように使用される入力音信号に含まれる、音景の低周波数成分の改善された知覚のための触覚及び聴覚の触覚周波数の知覚を向上させる。
【0050】
上記の例の特徴がお互いに組み合わされて、音の再生が向上された座席の対応する部分を形成することができることを留意されるべきである。また、1つよりも多いアクチュエータは、1つのステレオアクチュエータ源構成の実施の形態において説明された、振動エネルギーの流れを最適化することと同じ原理を使用して、音生成又は振動向上のいずれかのために使用されてもよい。
【0051】
上記における説明において、幾つかの機能が特定の特徴を参照して説明されてきたが、それらの機能は、説明されるか否かに係わらず、別の特徴により実行可能であってもよい。特定の実施の形態又は実施例を参照して特徴が説明されたてきたが、それらの特徴はまた、説明されるか否かに係わらず、別の実施の形態又は実施例において提示されてもよい。上記で、本発明は、本発明を狭く限定するものではない、幾つかの有利な例のみを参照することにより、説明されてきた。多くの修正及び変更は、本発明の思想の範囲内で可能である。
また、本開示は以下の発明を含む。
第1の態様は、
振動を介して音知覚を向上するために構成された座席であって、この座席が、詰め物と、少なくとも1つの振動源(26)及び少なくとも1つの弾性要素(16、21)及び少なくとも1つのフレーム構造(18、22)を具備する、音響再生アセンブリ(20)と、を具備しており、
前記音響再生アセンブリが、前記詰め物の内側に少なくとも部分的に配置される、座席において、
前記少なくとも1つの弾性要素(16、21)は、不均質要素であり、かつ更に前記フレーム構造(18、22)と前記振動源(26)に接触するように配置されており、機械的に調整された設置台を提供するように構成されており、更に、
前記弾性要素は、少なくとも、前記座席の表面に横振動を生じさせるように構成される、ことを特徴とする座席である。
第2の態様は、
前記座席は、背もたれ(11)、座席レスト(12)、又は前記振動源として振動及び音響アクチュエータ(26)を有するヘッド又はネックレスト(19)、及び選択可能にアームレスト(13)及び/又はフットレスト(14)、を少なくとも具備することを特徴とする第1の態様における座席である。
第3の態様は、
前記フレーム構造(18、22)は、座席の支持部分として構成されるか、又は前記フレーム構造(18、22)は、前記座席の支持部分に対する追加的な構造として構成されるか、あるいは前記フレーム構造(18、22)は、前記振動源(26)のための音響板として構成される、ことを特徴とする第1の態様又は第2の態様における座席である。
第4の態様は、
前記音響再生アセンブリ(20)は、少なくとも2つの弾性要素(16、21)を具備しており、前記少なくとも2つの弾性要素(16、21)の少なくとも1つは、垂直弾性要素(16)であり、更に、前記少なくとも2つの弾性要素(16、21)の少なくとも1つは、横弾性要素(21)である、ことを特徴とする第1の態様~第3の態様のいずれか1つにおける座席である。
第5の態様は、
前記座席(10)の前記座席レスト(12)は、横振動を介する音知覚の局所的向上のための少なくとも1つの横弾性要素(21)により、床(25)又は対応する構造に弾性的に連結される、ことを特徴とする第1の態様~第4の態様のいずれか1つにおける座席である。
第6の態様は、
前記座席(10)は、揺動機構(17)を更に具備しており、前記揺動機構(17)は、前記揺動機構(17)による前記背もたれ(11)の揺動振動効果のために前記背もたれ(11)内の前記フレーム構造(18)に接続される、ことを特徴とする第1の態様~第5の態様のいずれか1つにおける座席である。
第7の態様は、
前記座席(10)は、
前記背もたれ(11)に接続された1つ以上の垂直弾性要素(16)と、
前記背もたれ(11)の回転振動としての振動効果のために及び前記座席レスト(12)の並進振動としての振動効果のために、前記座席レスト(12)に接続された1つ以上の横弾性要素(21)と、を具備することを特徴とする第1の態様~第6の態様のいずれか1つにおける座席である。
第8の態様は、
前記座席(10)は、
前記背もたれ(11)に接続された1つ以上の垂直弾性要素(16)と、
前記背もたれ(11)の回転振動としての振動効果のために及び前記座席レスト(12)及び前記アームレスト(13)の並進振動としての振動効果のために、前記座席レスト(12)に接続された、1つ以上の横弾性要素(21)と、を具備することを特徴とする第1の態様~第7の態様のいずれか1つにおける座席である。
第9の態様は、
前記座席(10)は、
前記背もたれ(11)に接続された1つ以上の垂直弾性要素(16)と、
前記背もたれ(11)の回転振動としての振動効果のために及び前記座席レスト(12)及び前記フットレスト(14)の並進振動としての振動効果のために、前記座席レスト(12)に接続された、1つ以上の横弾性要素(21)と、を具備することを特徴とする第1の態様~第8の態様のいずれか1つにおける座席である。
第10の態様は、
前記座席(10)は、少なくとも前記座席レスト(12)の揺動並進振動としての振動効果のために、前記座席レスト(12)及び前記床(25)に接続された、1つ以上の横弾性要素(21)を更に具備する、ことを特徴とする第1の態様~第9の態様のいずれか1つにおける座席である。
第11の態様は、
音響再生アセンブリ(20)は、20~100Hzの周波数の腰部振動を送るように提供される、ことを特徴とする第1の態様~第10の態様のいずれか1つにおける座席である。
第12の態様は、
前記座席全体が、15~60Hzで主に横方向に振動するように構成される、ことを特徴とする第1の態様~第11の態様のいずれか1つにおける座席である。
図1A
図1B
図2A
図2B
図3
図4
図5
図6
図7