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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-19
(45)【発行日】2024-03-28
(54)【発明の名称】釣り糸整線器
(51)【国際特許分類】
   A01K 97/00 20060101AFI20240321BHJP
   A01K 89/00 20060101ALI20240321BHJP
【FI】
A01K97/00 Z
A01K89/00 Z
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2022082134
(22)【出願日】2022-05-19
(65)【公開番号】P2022180321
(43)【公開日】2022-12-06
【審査請求日】2022-05-19
(31)【優先権主張番号】110118629
(32)【優先日】2021-05-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】522198520
【氏名又は名称】曾少宏
【氏名又は名称原語表記】TSENG, Shao-Hung
(74)【代理人】
【識別番号】100148275
【弁理士】
【氏名又は名称】山内 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100142745
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 世子
(72)【発明者】
【氏名】曾少宏
【審査官】坂田 誠
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-212018(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01K 97/00
A01K 89/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
スプールの搭載に適用され、釣り糸をスムーズに巻き払い/巻き戻しさせる釣り糸整線器であって、
左側に立設された第1の縦壁と、右側に立設された第2の縦壁と、底部に設けられた台座とから構成され、断面がU字状となるベースである整線器本体と、
前貫通孔および放射状に形成された複数の前ガイド溝を形成する前回転板と、後貫通孔および螺旋状に形成された複数の後ガイド溝を形成する後回転板と、前記第2の縦壁に形成された第2の貫通孔内に挿入された軸受と駆動軸とを有する駆動部材とを組み立てなる整線ロータであって、前記前貫通孔は前記後貫通孔と連通し、前記複数の前ガイド溝と前記複数の後ガイド溝とに1対1で対応するようにガイドピンが挿入され、前記駆動軸は、前記整線ロータを駆動して回転させるために用いられる整線ロータと、
一端に受け座を有し、他端が前記第1の縦壁に形成された第1の貫通孔に貫通する軸棒本体であり、前記受け座は、前記軸棒本体に同軸で回転可能に固設される整線軸棒と、
釣り糸リールを支持するために整線軸棒の前記受け座に取り付けられる柔軟な球状の固定具と、を含み、
前記第1の貫通孔および前記第2の貫通孔の円心は、それぞれ同心軸線に位置し、
前記整線ロータは、着脱可能および回転可能のように前記第2の縦壁の前記第2の貫通孔に取り付けられ、
前記受け座は、着脱可能および回転可能のように前記整線軸棒に設けられ、
前記固定具によって、前記スプールを、前記整線軸棒と前記整線ロータとともに同心軸線に位置するように保持させる、ことを特徴とする釣り糸整線器。
【請求項2】
さらに、前記軸棒本体に設けられ、前記整線軸棒を固定および位置規制するための締結部材を含む、ことを特徴とする請求項1に記載の釣り糸整線器。
【請求項3】
前記軸受の内部に設置する内輪をさらに含む、ことを特徴とする請求項1に記載の釣り糸整線器。
【請求項4】
前記後回転板の後側に設けられ、前記内輪に挿入される筒状部材をさらに含む、ことを特徴とする請求項に記載の釣り糸整線器。
【請求項5】
前記後貫通孔は、前記筒状部材を貫通し、
前記駆動軸は、前記筒状部材、後貫通孔および前貫通孔を貫通する、ことを特徴とする請求項に記載の釣り糸整線器。
【請求項6】
前記前回転板の前側に貼り付けられる少なくとも1つの摩擦シートをさらに含む、ことを特徴とする請求項1に記載の釣り糸整線器。
【請求項7】
前記前回転板に設けられる少なくとも1つのガイドピンをさらに含み、
前記ガイドピンは、前記前ガイド溝を貫通し前記後ガイド溝内に設けられる、ことを特徴とする請求項1に記載の釣り糸整線器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、釣り糸 ライン スピニングリールに係り、特に、巻取ズレの発生を避けるため同心度を自動補正が可能である釣り糸整線器に関する。
【背景技術】
【0002】
生活水準の向上に伴い、釣りを利用してレジャーをする人も増えている。一方で、例えば、釣り竿や、釣り糸、釣り針、リールなどの釣り具の選定も、釣り客の間で重視されるようになってきている。
【0003】
一般に、釣り活動が終了した後、リールに巻きつけられた釣糸を引き出してリールのメンテナンスと洗浄を行う必要があり、さらにこのような作業を完成した後、釣糸を再びリールに巻き付ける。しかしながら、手動または電動のどっちらの方式で釣糸を再び巻く過程においても、リールの巻き取りがうまくいかず、釣糸が均一に巻けない様々な問題が発生しやすい。
【0004】
そのため、多種類の整線器が市販された。また、特許文献または実用新案文献にも、糸の巻取りを補助するための釣り糸整線機が多種類開示され、例えば、例として、実用新案登録第TWM544788U号に開示された釣り糸整線機構造、実用新案登録第TWM544206U号に開示された分離式釣り糸整線装置、発明特許公告第TWI577281B号に開示された釣り糸整線機、実用新案TWM530034Uに号に開示された釣り糸整線機構造、実用新案登録第TWM519402U号に開示された釣り糸整線機、及び、実用新案登録第TWM497442Uに号に開示された釣り糸整線機などを挙げられた。
【0005】
しかし、前記従来の整線器または整線機は、一対のテーパ状のスプールを利用してリールのスプールを挟むことによってある程度同心軸線に保持することができる。しかしながら、市販の紡糸型釣りリールのスプールは、寸法の大小にかかわらず回転する時に駆動する必要があるため、一般的にブレーキ制動のデザインが設けられ、軸孔の中心はすべて非円形のデザインであり、テーパ挟みで同心に達することができない。特に、軸穴は通常Dタイプの穴として設計されており、三角形円錐で中心を維持することはできない。したがって、前記従来の整線器または整線機は、「紡糸型リールのスプール」に適用できない欠点が存在されている。
【0006】
また、位置ズレが形成し、同心度方式で釣り糸の巻き付けを行うことができない以外、巻き付ける過程において、スプールとテーパスプールは高速運転により互いにぶれを引き起こし、釣り糸の巻き付けがうまくいかず、規則的に巻き付けられず、糸送り距離が不正確で、糸送りが詰まるなどの使用上の不便な問題を引き起こす。
【0007】
また、従来の整線器または整線機は、回転軸を有するため、通常に様々なスプールの構造に適用できない。一方、市販のスプールは、仕様や、型式、寸法、軸穴の大きさが異なるため、異なるスプールに対応した整線器で巻き払い、巻き戻しを行わなければならず、多くのスプールを持つユーザにとってはかなり不便である。
【0008】
そのため、関連業界は、前記従来の問題と欠点を解決できる釣り糸整線器を開発することを期待し、すなわち紡糸型リールのスプールに適用できる釣り糸整線器またはリールを開発し、特に、非円形軸孔を有する紡糸型リールのスプールに適用できる釣り糸整線器またはリールを開発することを望んでいる。
【発明の概要】
【0009】
そこで、本発明者は、前記の従来技術の不足を改善する各種の可能な方案を研究し、前記従来技術の各問題点を効果的に解決でき、かつ同心度を自動的に校正して巻き取りのズレを避けることができる釣り糸整線器を開発した。
【0010】
すなわち、本発明の目的は、釣り糸巻き機を搭載することに適用し、かつ釣り糸をスムーズに巻き払い/巻き戻しさせる釣り糸整線器であって、少なくとも、整線器本体と、整線ロータと、整線軸棒と、フレキシブル固定具とによって構成される釣り糸整線器を提供することにある。前記整線器本体は、左側に立設された第1の縦壁と、右側に立設された第2の縦壁と、底部に設けられた台座とから構成され、断面がU字状となるベースである。また、前記第1の縦壁に第1の貫通孔が形成され、前記第2の縦壁に第2の貫通孔が形成され、前記第1の貫通孔および前記第2の貫通孔の円心は、それぞれ同心軸線に位置する。
【0011】
前記整線ロータは、前記第2の貫通孔内に設けられ、前回転板、後回転板および駆動部材より構成される。また、前記前回転板は、前貫通孔および複数の前ガイド溝を形成する。前記後回転板は、後貫通孔および複数の後ガイド溝を形成する。前記駆動部材は、軸受と駆動軸とを有する。前記前貫通孔は、前記後貫通孔と連通し、前記各前ガイド溝は、それぞれ一つの後ガイド溝と連通し、前記駆動軸は、前記整線ロータを駆動して回転させるために用いられる。前記整線ロータは、着脱可能および回転可能のように前記第2の縦壁の前記第2の通孔に取り付けられる。
【0012】
前記整線軸棒は、一端に受け座を有し、他端が前記第1の貫通孔に貫通する軸棒本体であり、前記受け座は、前記軸棒本体に同軸で回転可能に固設される。前記受け座は、着脱可能および回転可能のように前記整線軸棒に設けられ、前記フレキシブル固定具によって、前記釣り糸整線器を前記整線軸棒、前記整線ロータとともに同心軸線に位置するように保持させる。
【0013】
前記フレキシブル固定具は、釣り糸リールを支持するために整線軸棒の前記受け座に取り付けられる。好ましくは、前記フレキシブル固定具は、フレキシブル物体或は弾性体である。より好ましくは、前記フレキシブル固定具は、フレキシブルボールである。
【0014】
より好ましくは、本発明に係わる釣り糸整線器は、さらに、前記軸棒本体に設けられ、前記整線軸棒を固定および位置規制するための締結部材を含む。前記締結部材は、周縁に貫通孔が設けられ前記軸棒本体に嵌めるスリーブと、前記スリーブの前記貫通孔に挿通可能で、前記スリーブを前記軸棒本体の設置位置に位置決めするための一つのノブとを含む。
【0015】
好ましくは、本発明に係わる釣り糸整線器は、前記軸受の内部に設置する内輪をさらに含む。
【0016】
好ましくは、本発明に係わる釣り糸整線器は、前記後回転板の後側に設けられるとともに前記内輪に設けられる回転板アセンブリをさらに含む。
【0017】
好ましくは、本発明に係わる釣り糸整線器において、前記後貫通孔は、前記回転板アセンブリを貫通し、前記駆動軸は、前記回転板アセンブリ、後貫通孔および前貫通孔を貫通する。
【0018】
好ましくは、本発明に係わる釣り糸整線器は、前記前回転板の前側に貼り付けられる少なくとも1つの摩擦シートをさらに含む。
【0019】
好ましくは、本発明に係わる釣り糸整線器において、前記前ガイド溝は、放射状を呈するように前記前回転板に開設される溝穴である。
【0020】
好ましくは、本発明に係わる釣り糸整線器の前記後ガイド溝は、螺旋状を呈するように前記後回転板の前側に凹み、前記前ガイド溝と連通する凹溝である。
【0021】
好ましくは、本発明に係わる釣り糸整線器は、前記前回転板に設けられる少なくとも1つのガイドピンをさらに含み、前記ガイドピンは、前記前ガイド溝を貫通し前記後ガイド溝内に設けられる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明の一実施例に係る釣り糸整線器を示す組立て斜視図である。
図2】本発明の一実施例に係る釣り糸整線器を示す分解斜視図である。
図3】本発明の一実施例に係る釣り糸整線器を他の視点から示す分解斜視図である。
図4】本発明の一実施例に係る釣り糸整線器のガイドピンの設置を示す模式図である。
図5】本発明の一実施例に係る釣り糸整線器のガイドピンの位置調整を示す模式図である。
図6】本発明の一実施例に係る釣り糸整線器の整線軸棒の設置を示す模式図である。
図7】本発明の一実施例に係る釣り糸整線器のリールスプールの設置および位置決めを示す模式図である。
図8】本発明の一実施例に係る釣り糸整線器の駆動軸によるリールスプールの回転を示す模式図である。
図9】本発明の一実施例に係る釣り糸整線器のリールスプールの回転を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明の上記目的ならびその構造および機能的特徴については、添付図面の好ましい実施例に基づいて説明される。
【0024】
以下では、本発明の釣り糸整線器の構成および技術内容等について、様々な適用例を列挙し添付された図面を参照しながら詳細に説明する。しかしながら、本発明は、例示されたこれらの実施例、図面、または詳細な説明に限定されるものではないことは言うまでもない。
【0025】
さらに、この技術に精通した当業者にとっては、例示された実施例および添付された図面は、参照および説明のためのものだけであり、本発明を限定するものではないことが明らかであろう。これらの記載に基づいて容易に実施することができる補正や変更、さらに完成した発明も、本発明の主旨に逸脱されなく、すべて本発明に係わる特許請求の範囲に含まれるべきである。
【0026】
なお、以下の実施例でいう方向用語、例えば、「上」「下」「左」「右」「前」「後」などは、単に図示した方向を参照するものである。したがって、使用される方向用語は、本発明を限定するものではなく、説明するものである。さらに、以下の各実施例では、同じまたは類似した要素には、同じまたは類似した符号を使用する。
【0027】
まず、図1図2および図3を参照し、図1図2および図3は、それぞれ、本発明の一実施例に係る釣り糸整線器の組立て斜視図、分解図、および他の視点からの分解斜視図である。図に示すように、本発明の釣り糸整線器1は、整線器本体2と、整線ロータ3と、整線軸棒4と、フレキシブル固定具41とによって組み立てられる。整線ロータ3および整線軸棒4は、それぞれ整線器本体2の対向両側に設けられ、整線ロータ3が整線器本体2に回転可能に設けられ、整線軸棒4が整線器本体2の他側に移動可能に設けられ、フレキシブル固定具41は整線軸棒4の一端に設けられ、整線軸棒4によってフレキシブル固定具41の位置を調整し、スプール(図示せず)が整線ロータ3に設けられ、整線ロータ3に従って回転する。フレキシブル固定具41は、スプールに当接し、整線ロータ3と整線軸棒4の間にスプールを挟んで位置決めして回転させる。
【0028】
また、整線器本体2は、前側に上向きに直立延伸した第1の縦壁21、後側に上向きに直立延伸した第2の縦壁22、および底部に設けられた台座によって構成される、断面がU字状となるベースである。また、前記第1の縦壁21に第1の貫通孔211が貫通され、前記第2の縦壁22に第2の貫通孔221が貫通されている。
【0029】
また、整線ロータ3は、前回転板31、後回転板32、および駆動部材より構成される。前記前回転板31は、中心位置に前貫通孔を形成し、前記前回転板31は、前貫通孔311の周辺に複数の前ガイド溝312を形成する。なお、前ガイド溝312の数には特に制限はなく、例えば、少なくとも2つであり、3つ以上が含まれることが好ましい。本実施例において、前記前回転板31に形成される3つの前ガイド溝312は、前貫通孔311を中心として放射状に開設される溝穴である。
【0030】
また好ましくは、前回転板31の前側に少なくとも1つの摩擦シート313が貼り付けされ、前回転板31とリールまたはスプールとの間の摩擦力を向上させる。
【0031】
また、後回転板32の中心位置に、前貫通孔311と連通する後貫通孔321が形成される。後回転板32の後貫通孔321の周辺に、前ガイド溝312と連通する複数の後ガイド溝322が形成される。なお、前ガイド溝322の数には特に制限はなく、例えば、少なくとも2つであり、3つ以上が含まれることが好ましい。本実施例では、後回転板32の前表面に凹んで形成する3つの後ガイド溝322は、後貫通孔321を中心として螺旋状を呈する凹溝である。
【0032】
また、後回転板32の後側に回転板アセンブリ323がさらに形成される。また、後貫通孔321は、回転板アセンブリ323を貫通する。駆動軸332は、回転板アセンブリ323、後貫通孔321、および前貫通孔311を貫通し、ガスケット315によって前回転板31と後回転板32に取り付けられる。さらに、回転板アセンブリ323を前記内輪331の通路内に設置することによって、整線ロータ3を前記第2の縦壁22に固設できる。
【0033】
前記駆動部材は、少なくとも軸受33と駆動軸332を含み、好ましくは、軸受33、駆動軸332、および通路のある内輪331を含む。また、前記軸受33は前記第2の貫通孔221に設けられる。
【0034】
また、整線軸棒4が第1の貫通孔211に設けられる。好ましくに、整線軸棒4は、一端に受け座401を有し、他端は前記第1の貫通孔に貫通する軸棒本体402である。受け座401は、軸棒本体402に同軸で回転可能に固設される。また、受け座401は、着脱可能および回転可能のように整線軸棒4に取り付けられる。
【0035】
また、フレキシブル固定具41は、リール軸棒41の受け座401内に装着可能で、リールまたはスプールを支持する。好ましくは、フレキシブル固定具41はフレキシブル物体であり、より好ましくはフレキシブルボールである。前記フレキシブル固定具によって前記釣り糸整線器を前記整線軸棒、前記整線ロータとともに同心軸線に位置するように保持させる。
【0036】
好ましくは、第1の縦壁21に前記整線軸棒4を固定および規制するための締結部材212がさらに設けられる。本実施形態の締結部材212は、位置決めボルトである。第1の縦壁21にねじ孔が設置され、ねじ孔が整線軸棒41を設置する第1の貫通孔211に連通し、締結部材212がねじ孔に螺合し、整線軸棒41に当接することによって、軸棒41の軸棒本体402を予定の設置位置に位置決めさせる。
【0037】
次に、図1図3を参照するとともに、図4も参照する。図4に示すように、本実施例では、前回転板31には、3つのガイドピン314が設けられており、各ガイドピンの後端は、前記前ガイド溝312を貫通し、対応する後ガイド溝322に組立ってされる。前ガイド溝312は、径方向のリニアガイド溝であり、後ガイド溝322は、螺旋状を呈して貫通孔321から後回転板32の縁に向かって延伸するため、前回転板31によって後回転板32に対してガイドピン314を回転する。
【0038】
次に、図1図3を参照するとともに、図5図6も参照する。本実施例では、3つのガイドピン314の先端は、それぞれ、この前回転板31の表面に突設されている。各ガイドピン314は、前ガイド溝312を経由して対応する後ガイド溝322に収容され、各ガイドピン314は、前回転板31に位置決めされる。前回転板31が後回転板32に対して逆時計方向で回転する場合、各ガイドピン314は牽引されて後ガイド溝322の螺旋状軌道に沿って移動するとともに螺旋状中心点へ移動し、各ガイドピン314間の相対距離が小さくなることによって、寸法が比較的小さいスプールに適する。この際、締結部材212を同時に回転させ、整線軸棒4を解放することができる。このように、整線軸棒4を前方または後方に移動させながら、フレキシブル固定具41と整線ロータ3との間の距離を増加または減少させることで、異なる寸法のスプールを挟持することができる。
【0039】
一方、前回転板31が後回転板32に対して時計方向に回転(図示せず)する場合、各ガイドピン314は牽引されて螺旋状の後ガイド溝322に沿って移動し、各ガイドピン314が同時に螺旋状の後ガイド溝322の中心から遠く離れるようにし、各ガイドピン314間の相対距離を増加させることによって、寸法が比較的に大きいスプールに適する。この際、締結部材212を回転させ、整線軸棒4を締め付けることができる。このように、整線軸棒4を前方または後方に移動させながら、フレキシブル固定具41と整線ロータ3との間の距離を短縮または増加させることで、異なる寸法のスプールを挟持することができる。
【0040】
次に、図1図3を参照するとともに、図7も参照する。前記方法でガイドピン314および整線軸棒4を予定の設置位置に調整してから、リールスプール5を前記ガイドピン314に嵌めて、さらにフレキシブル固定具41で保持する。その後、前回転板31を駆動して時計方向に回転させ、各ガイドピン314は前回転板31の牽引を受けて変位し、同時に螺旋状の後ガイド溝322の中心点から離れるようにそれぞれ展開しリールスプール5の内壁に接する。
【0041】
また、螺旋状の後ガイド溝322で3つのガイドピン314を牽引することにより、前記リールスプール5を規制する内壁にストッパ作用を生成することができる。また、各後ガイド溝322は、いずれも同じ螺旋状の軌跡を有するため、前回転板31が時計回りまたは逆時計回りに回転する際の回転中心では、いずれも前ガイド溝312の牽引によって後貫通孔321を中心とする回転位置に復帰し、同心度を自動補正する効果に達する。
【0042】
次に、図1図3を参照するとともに、図8図9も参照する。まず、本実施例では、フレキシブル固定具41は、フレキシブルボールを使用している。このように、本発明が開示する釣り糸整線器またはリールによって、紡糸型リールのスプールに適用でき、特に、非円形軸孔またはD型軸孔を有する紡糸型リールのスプールに適用できる。次に、図に示すように、整線軸棒4を後方に移動させ、フレキシブル固定具41で前記リールスプール5の前端縁に当接、規制し、3つのガイドピン314でリールスプール5の後端縁を規制し、締結部材212によって整線軸棒4を適当な位置に締め付ける。その後、手動回転、電動ドライバ、または駆動モータのいずれか一つの駆動方式によって前記駆動軸332を回転させ、前回転板31および後回転板32を同時に駆動して時計回りまたは逆時計回りの回転を発生させ、前回転板31の回転に従って前記リールスプール5を同様に回転させ、釣り糸の巻き払いまたは巻き戻しを行う。
【0043】
このように、リールスプール5の内壁が各ガイドピン314に当接されるため、巻き払いまたは巻き戻しを行う時、リールスプール5は各ガイドピン314に従って前ガイド溝312と後ガイド溝322の牽引によって一緒に後貫通孔321を中心点とする回転位置に復帰し、優れた同心度を保持することができる。
【0044】
また、フレキシブルボールであるフレキシブル固定具41を利用してリールスプール5の先端を固定するので、材料適応性、摩擦力が相対的に向上し、リールスプール5の中心点位置に対するズレを自動的に補正或は補償できる。さらに、フレキシブル固定具41の曲面によってスプールを曲面に沿って滑らせて、回転する時に自動的にリールスプール5の中心点に合わせる位置に移動することができる。
【0045】
したがって、整線器本体に、ガイドピン314、前ガイド溝312および後ガイド溝322を有する整線ロータ3、整線軸棒4、およびフレキシブル固定具41の設置によって、リールスプール5の同心度に対する自動補正を達成でき、さらに巻き取りズレの生成を避けて、規律的に巻き払いまたは巻き戻しを行う優れた効果に達する。
【0046】
以上、本発明の特定実施形態について詳細に説明したが、以上の説明は例示的なものにすぎず、本発明の実施範囲を限定するものと解釈すべきではなく、すなわち、本出願における特許請求の範囲についてなされた均等な変化と修飾などは、すべて依然として本出願における特許請求の範囲に属するべきである。
【符号の説明】
【0047】
1 釣り糸整線器
2 整線器本体
21 第1の縦壁
211 第1の貫通孔
212 締結部材
22 第2の縦壁
221 第2の貫通孔
3 整線ロータ
31 前回転板
311 前貫通孔
312 前ガイド溝
313 摩擦シート
314 ガイドピン
315 ガスケット
32 後回転板
321 後貫通孔
322 後ガイド溝
323 回転板アセンブリ
33 軸受
331 内輪
332 駆動軸
4 整線軸棒
401 受け座
402 軸棒本体
41 フレキシブル固定具
5 リールスプール
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9