(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-19
(45)【発行日】2024-03-28
(54)【発明の名称】経口投与固体製剤の薬物受容装置及びそれを含む経口投与薬物送達装置
(51)【国際特許分類】
A61J 7/00 20060101AFI20240321BHJP
A61K 9/16 20060101ALI20240321BHJP
A61K 31/4439 20060101ALI20240321BHJP
A61K 31/43 20060101ALI20240321BHJP
A61K 31/7048 20060101ALI20240321BHJP
【FI】
A61J7/00 J
A61K9/16
A61K31/4439
A61K31/43
A61K31/7048
(21)【出願番号】P 2022516463
(86)(22)【出願日】2020-03-12
(86)【国際出願番号】 CN2020079017
(87)【国際公開番号】W WO2021062987
(87)【国際公開日】2021-04-08
【審査請求日】2022-03-14
(31)【優先権主張番号】201910939687.8
(32)【優先日】2019-09-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201921652286.6
(32)【優先日】2019-09-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】520255676
【氏名又は名称】シャンハイ ダブリュディー ファーマシューティカル カンパニー,リミティド
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】トン、リャンチャン
(72)【発明者】
【氏名】レイ、ヤン
(72)【発明者】
【氏名】ウー、カン
(72)【発明者】
【氏名】チャン、シーチョン
(72)【発明者】
【氏名】シー、チンミン
(72)【発明者】
【氏名】チェン、シーシャン
【審査官】村上 勝見
(56)【参考文献】
【文献】特表2008-507356(JP,A)
【文献】特開2005-027720(JP,A)
【文献】特表平11-510066(JP,A)
【文献】特表2002-536083(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2005/0109858(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2019/0254928(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61J 7/00
A61K 9/16
A61K 31/4439
A61K 31/43
A61K 31/7048
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
薬物受容装置を含み、
管状部材をさらに含み、前記管状部材は、二つの端部開口及び内部チャンバーを有し、その一つの端部開口を第一開口として、他の一つの端部開口を第二開口とすると、前記内部チャンバーが前記第一開口及び前記第二開口に連通し、
前記薬物受容装置は、外部から前記第一開口における自由端に接続され、薬物粒子・多粒子剤を載置するための空間と前記内部チャンバーとを連通させ、
前記薬物受容装置は、前記管状部材の外部に設置され、固定して周設されるという方式又は螺合して接続されるという方式により、前記管状部材の第一開口に維持され、及び/又は、
前記第二開口には、開口を閉じるための先端蓋がさらに設けられ、及び/又は、
前記管状部材は、長尺ストローとされ、及び/又は、
前記管状部材は、少なくとも二つの管部分を有し、前記管部分が互いに密封接続され、
前記管状部材における軸方向に引っ張られ又は収縮されており、前記管状部材が引っ張られている状態にある場合に、少なくとも一つの段階構成を有する乱流発生手段を形成し、
前記管部分は、その数が三個である場合に、前記第一開口から前記第二開口までの方向における第一管部分の内径と第三管部分の内径とが同じであり、第二管部分の外径が前記第一管部分の内径よりも小さいと共に、各管部分は、他の管部分における軸方向に沿って引っ張られ又は収縮され、又は、前記第一開口から前記第二開口までの方向における第一管部分の内径、第二管部分の外径と内径、及び、第三管部分の外径が次第に小さくなると共に、各管部分は、他の管部分における軸方向に沿って引っ張られ又は収縮され、
前記管部分は、その数が四個である場合に、前記第一開口から前記第二開口までの方向における第一管部分の内径と第三管部分の内径とが同じであり、第二管部分の内径と第四管部分の内径とが同じであり、ただし、前記第二管部分の内径が前記第一管部分よりも小さいと共に、各管部分が他の管部分における軸方向に引っ張られ又は収縮され、又は、前記第一開口から前記第二開口までの方向における第一管部分乃至第四管部分の内径が次第に小さくなると共に、各管部分が他の管部分における軸方向に引っ張られ又は収縮され、
前記薬物受容装置は、濾過手段及び前記濾過手段を支持するための支持手段を含み、前記支持手段は、前記濾過手段を間に挟み持つように前記濾過手段における上下面に設置され、又は、籠状構成で前記濾過手段を内部に包むように構成され、前記濾過手段と前記支持手段は、薬物粒子・多粒子剤を載置するための空間を、互いに組み合わせることにより形成しており、
前記濾過手段は、液体に通過を許容させる一つ以上の通路を有し、
前記濾過手段は、その厚さが0.5~20mmであり、
前記濾過手段の内部には、前記薬物粒子・多粒子剤を通過させないように、前記通路が、前記濾過手段を上下に貫通すると共に、左右に蛇行する千鳥状という方式で分布する、
ことを特徴とする、
経口投与薬物送達装置。
【請求項2】
前記濾過手段は、濾過膜とされ、
前記濾過膜における有効な直径は、4~20mmとされ、及び/又は、
前記薬物粒子・多粒子剤の粒径は、1~5000μmとされ、及び/又は、
前記薬物粒子・多粒子剤に含まれている薬物の活性成分には、ダビガトランエテキシレート又はその薬学的に許容される塩、アピクサバン、リバロキサバン、レボドパ-カルビドパ、モンテルカスト、ブルーソプラゾール、オメプラゾール、エソメプラゾール、アモキシシリン、クラリスロマイシン、アジスロマイシン、メトロニダゾール、リファンピシン、スルファサラジン、パラセタモール、デキストロメトルファン、ドキシラミン、プソイドエフェドリン、ジフェンヒドラミン、アンフェタミン、メチルフェニデート、デフェラシロックス、イバカフトール、ルマカフトール、タクロリムス、ジアゼパム、クロバザム、ビガバトリン、ボセンタン、メラトニン、ビオチン、ジメルカプトコハク酸二ナトリウム、アムロジピン及びエスモロールのうちの一種又は複数種が含まれる、ことを特徴とする、請求項1に記載の
経口投与薬物送達装置。
【請求項3】
前記濾過膜の形状は、円柱状で構成され、
前記濾過膜における上下面及び内部通路は、規則的でなく千鳥状的な構成となるように
設置され、
前記濾過膜の穴径は、1~500μmとされ、
前記濾過膜における有効な直径は、6~15mmとされ、及び/又は、
前記薬物粒子・多粒子剤の粒径は、25~2000μmとされる、
ことを特徴とする、請求項2に記載の
経口投与薬物送達装置。
【請求項4】
前記濾過膜の厚さは、0.5~15mmであり、
前記濾過膜における上下面及び内部通路は、複数の繊維層により規則的ではなく重なり合うように配列され、押さえつけられてなる緻密でない構成となるように、設置され、
前記濾過膜の穴径は、20~400μmとされ、
前記濾過膜における有効な直径は、8~12mmとされ、及び/又は、
前記薬物粒子・多粒子剤の粒径は、50~1000μmとされる、ことを特徴とする、請求項3に記載の
経口投与薬物送達装置。
【請求項5】
前記濾過膜の厚さは、0.5~10mmとされ、
前記濾過膜の穴径は、40~300μmとされる、ことを特徴とする、請求項4に記載の
経口投与薬物送達装置。
【請求項6】
前記支持手段の構成が以下の構成のうちのいずれかの一つであり、
前記支持手段は、上方支持手段と下方支持手段を含み、前記上方支持手段と前記下方支持手段とは、前記濾過手段を間に挟み持つように互いに係合可能であり、前記上方支持手段と前記濾過手段との上方空間は、薬物粒子・多粒子剤を収納するためのものであり、或いは、
前記支持手段は、濾過手段受容手段と薬物受容手段を含み、前記濾過手段受容手段と前記薬物受容手段とは、それぞれ、穴状構成端部及び開放端部を有し、前記穴状構成端部は、液体に通過を許可させる一つ以上の穴を有し、前記濾過手段受容手段の開放端部と前記薬物受容手段の穴状構成端部とは、前記濾過手段を収納するためのチャンバーを係合して形成可能であり、前記薬物受容手段は、開放端部が管状に開口として構成され、薬物粒子・多粒子剤を収納するためのものであり、或いは、
前記支持手段は、開口が上向きとなる籠状支持手段及び前記籠状支持手段と係合する上蓋を含み、前記上蓋には、薬物粒子・多粒子剤及び液体が流れるための通路が設けられ、前記籠状支持手段及び前記上蓋は、前記濾過手段を制限する中空の空間を囲んで形成可能であり、前記上蓋と前記濾過手段との上方空間は、薬物粒子・多粒子剤を収納するためのものである、ことを特徴とする、請求項1から5のうちのいずれか一項に記載の
経口投与薬物送達装置。
【請求項7】
前記長尺ストローは、少なくとも1つの折り目を有するように構成される、
請求項1に記載の経口投与薬物送達装置。
【請求項8】
前記折り目は、前記管状部材における軸方向に沿って引っ張られ又は収縮されており、引っ張られる時に乱流が形成されるように構成される、
請求項7に記載の経口投与薬物送達装置。
【請求項9】
薬物受容装置を含み、
管状部材をさらに含み、前記管状部材は、二つの端部開口及び内部チャンバーを有し、その一つの端部開口を第一開口として、もう一つの端部開口を第二開口とすると、前記内部チャンバーが前記第一開口及び第二開口に連通し、
前記薬物受容装置は、外部から前記第一開口における自由端に接続され、薬物粒子・多粒子剤を載置するための空間と前記内部チャンバーとを連通させ、
前記薬物受容装置は、濾過手段及び前記濾過手段を支持するための支持手段を含み、前記支持手段は、前記濾過手段を間に挟み持つように前記濾過手段における上下面に設置され、又は、籠状構成で前記濾過手段を内部に包むように構成され、前記濾過手段と前記支持手段は、薬物粒子・多粒子剤を載置するための空間を、互いに組み合わせることにより形成し、
前記濾過手段は、液体に通過を許容させる一つ以上の通路を有し、前記濾過手段の内部には、前記通路が、前記濾過手段を上下に貫通すると共に、左右に蛇行する千鳥状という方式で分布し、
前記濾過手段には、前記薬物粒子・多粒子剤に通過をさせず、水の吸引時には溶解するように、水溶性を持った高分子材料層がさらに設けられ、前記水溶性を持った高分子材料層は、前記濾過手段である濾過膜の上面又は下面に連続的に形成され、
前記薬物受容装置は、前記管状部材の外部に設置され、固定して周設されるという方式又は螺合して接続されるという方式により、前記管状部材の第一開口に維持され、及び/又は、
前記第二開口には、開口を閉じるための先端蓋がさらに設けられ、及び/又は、
前記管状部材は、長尺ストローとされ、
前記長尺ストローは、好ましくは、少なくとも一つの折り目を有するように構成され、
好ましくは、前記折り目は、一対の翼部及び一つの折曲端を有し、前記管状部材における 軸方向に沿って引っ張られ又は収縮され、引っ張られる時に乱流が形成されるように、構成され、及び/又は、
前記管状部材は、少なくとも二つの管部分を有し、前記管部分が互いに密封接続され、前記管状部材における軸方向に沿って引っ張られ又は収縮され、前記管状部材が引っ張られる状態にある場合に、少なくとも一つの段階構成を有する乱流発生手段を形成し、
前記管部分は、その数が三個である場合に、前記第一開口から前記第二開口までの方向における第一管部分の内径と第三管部分の内径とが同じであり、第二管部分の外径が前記第一管部分の内径よりも小さいと共に、各管部分が他の管部分における軸方向に沿って引っ張られ又は収縮され、又は、前記第一開口から前記第二開口までの方向における第一管部分の内径、第二管部分の外径と内径、及び、第三管部分の外径が次第に小さくなると共に、各管部分は、他の管部分における軸方向に沿って引っ張られ又は収縮され、
前記管部分は、その数が四個である場合に、前記第一開口から前記第二開口までの方向における第一管部分の内径と第三管部分の内径とが同じであり、第二管部分の内径と第四管部分の内径とが同じであり、ただし、前記第二管部分の内径が前記第一管部分よりも小
さいと共に、各管部分は、他の管部分における軸方向に沿って引っ張られ又は収縮され、又は、前記第一開口から前記第二開口までの方向における第一管部分乃至第四管部分の内径が次第に小さくなると共に、各管部分は、他の管部分における軸方向に沿って引っ張られ又は収縮される、ことを特徴とする、
経口投与薬物送達装置。
【請求項10】
薬物受容装置を含み、
管状部材をさらに含み、前記管状部材は、二つの端部開口及び内部チャンバーを有し、その一つの端部開口を第一開口として、もう一つの端部開口を第二開口とすると、前記内部チャンバーが前記第一開口及び前記第二開口に連通し、
前記薬物受容装置は、前記第一開口に近いように、前記内部チャンバーに設けられると共に、薬物粒子・多粒子剤を載置するための空間と前記第二開口とを連通させ、
前記第一開口の直径は、前記薬物受容装置の最小直径よりも小さく、
前記第二開口の直径は、前記薬物受容装置の最小直径よりも小さく、及び/又は、
前記第二開口には、開口を閉じるための先端蓋がさらに設けられ、及び/又は、
前記管状部材は、請求項9に記載されているように構成され、
前記薬物受容装置は、濾過手段及び前記濾過手段を支持するための支持手段を含み、前記支持手段は、前記濾過手段を間に挟み持つように前記濾過手段における上下面に設置され、又は、籠状構成で前記濾過手段を内部に包むように構成され、前記濾過手段と前記支持手段は、薬物粒子・多粒子剤を載置するための空間を、互いに組み合わせることにより形成し、
前記濾過手段は、液体に通過を許容させる一つ以上の通路を有し、前記濾過手段の内部には、前記通路が、前記濾過手段を上下に貫通すると共に、左右に蛇行する千鳥状という方式で分布し、
前記濾過手段には、前記薬物粒子・多粒子剤に通過をさせず、水の吸引時には溶解するように、水溶性を持った高分子材料層がさらに設けられ、前記水溶性を持った高分子材料層は、前記濾過手段である濾過膜の上面又は下面に連続的に形成される、ことを特徴とする、経口投与薬物送達装置。
【請求項11】
前記濾過手段は、濾過膜とされ、
前記濾過膜における有効な直径は、4~20mmとされ、及び/又は、
前記薬物粒子・多粒子剤の粒径は、1~5000μmとされ、及び/又は、
前記薬物粒子・多粒子剤に含まれている薬物の活性成分には、ダビガトランエテキシレート又はその薬学的に許容される塩、アピクサバン、リバロキサバン、レボドパ-カルビドパ、モンテルカスト、ブルーソプラゾール、オメプラゾール、エソメプラゾール、アモキシシリン、クラリスロマイシン、アジスロマイシン、メトロニダゾール、リファンピシン、スルファサラジン、パラセタモール、デキストロメトルファン、ドキシラミン、プソイドエフェドリン、ジフェンヒドラミン、アンフェタミン、メチルフェニデート、デフェラシロックス、イバカフトール、ルマカフトール、タクロリムス、ジアゼパム、クロバザム、ビガバトリン、ボセンタン、メラトニン、ビオチン、ジメルカプトコハク酸二ナトリウム、アムロジピン及びエスモロールのうちの一種又は複数種が含まれる、ことを特徴とする、
請求項9又は請求項10に記載の
経口投与薬物送達装置。
【請求項12】
前記濾過膜の形状は、円柱状で構成され、
前記濾過膜の厚さは、0.3~20mmとされ、
前記濾過膜における上下面及び内部通路は、規則的でなく千鳥状的な構成となるように設置され、
前記濾過膜の穴径は、1~500μmとされ、
前記濾過膜における有効な直径は、6~15mmとされ、及び/又は、
前記薬物粒子・多粒子剤の粒径は、25~2000μmとされる、
ことを特徴とする、
請求項11に記載の
経口投与薬物送達装置。
【請求項13】
前記濾過膜の厚さは、0.5~15mmとされ、
前記濾過膜における上下面及び内部通路は、複数の繊維層により規則的ではなく重なり合うように配列され、押さえつけられてなる緻密でない構成となるように、設置され、
前記濾過膜の穴径は、20~400μmとされ、及び/又は、
前記濾過膜における有効な直径は、8~12mmとされ、及び/又は、
前記薬物粒子・多粒子剤の粒径は、50~1000μmとされる、ことを特徴とする、
請求項12に記載の
経口投与薬物送達装置。
【請求項14】
前記濾過膜の厚さは、0.5~10mmとされ、
前記濾過膜の穴径は、40~300μmとされる、ことを特徴とする、
請求項12に記載の
経口投与薬物送達装置。
【請求項15】
前記濾過手段は、濾過膜とされ、
前記水溶性を持った高分子材料層を形成する構成は、前記濾過膜の上面又は下面に水溶性を持った高分子材料層を連続的に形成し、或いは、前記濾過膜の通路をぴったりと塞ぎ、水溶性を持った高分子材料層を完全にかつ緻密的に形成することによりなされるものであり、及び/又は、
前記水溶性を持った高分子材料層は、その溶解時間が10秒以下であり、及び/又は、
前記水溶性を持った高分子材料層における高分子材料の分子量が2000~200000とされ、及び/又は、
前記水溶性を持った高分子材料層における前記高分子材料の種類は、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、コポビドン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポビドン、ポリエチレングリコール、ゼラチン、ポロキサマー、キサンタンガム及びオイドラギットのうちの一種又は複数種から選ばれたものであり、及び/又は、
前記水溶性を持った高分子材料層は、成形の過程に、高分子材料の重さが0.01~60mg/cm
2だけ増やされる、ことを特徴とする、
請求項9から14のいずれか一項に記載の
経口投与薬物送達装置。
【請求項16】
前記水溶性を持った高分子材料層における高分子材料の分子量が2000~100000とされ、及び/又は、
前記水溶性を持った高分子材料層は、成形の過程に、高分子材料の重さが0.5~30mg/cm
2だけ増やされる、ことを特徴とする、
請求項15に記載の
経口投与薬物送達装置。
【請求項17】
前記支持手段は、その構成が如下の構成のうちのいずれかの一種であり、
前記支持手段は、上方支持手段と下方支持手段とを含み、前記上方支持手段と前記下方支持手段は、前記濾過手段を間に挟み持つように互いに係合可能であり、前記上方支持手段と前記濾過手段との上方空間は、薬物粒子・多粒子剤を収納するためのものであり、或いは、
前記支持手段は、濾過手段受容手段及び薬物受容手段を含み、前記濾過手段受容手段と前記薬物受容手段は、それぞれ、穴状構成端部及び開放端部を有し、前記穴状構成端部は、液体に通過を許容させる一つ以上の穴を有し、前記濾過手段受容手段の開放端部と前記薬物受容手段の穴状構成端部は、前記濾過手段を収納するためのチャンバーを係合して形成可能であり、
前記薬物受容手段は、開放端部が管状に開口として構成され、薬物粒子・多粒子剤を収納するためのものである、ことを特徴とする、
請求項9から16のいずれか一項に記載の
経口投与薬物送達装置。
【請求項18】
前記長尺ストローは、少なくとも1つの折り目を有するように構成される、
請求項9に記載の経口投与薬物送達装置。
【請求項19】
前記折り目は、前記管状部材における軸方向に沿って引っ張られ又は収縮されており、引っ張られる時に乱流が形成されるように構成される、
請求項18に記載の経口投与薬物送達装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、出願日が2019/9/30であるCN201910939687.8という中国特許出願、及び、出願日が2019/9/30であるCN201921652286.6という中国特許出願に基づいて、それらの優先権を主張しており、上記の中国特許出願のすべてを援用しているものである。
【0002】
本発明は、医療機器の分野に関し、特に、経口投与固体製剤の薬物受容装置及びそれを含む経口投与薬物送達装置に関する。
【背景技術】
【0003】
錠剤やカプセルは、最も便利で受けられやすい経口投与の剤形である。しかしながら、幾つかの患者、特に、子供や年寄りは、一般的に、大きなサイズの錠剤やカプセルを飲みこむことが難しい。幾つかの患者は、味が気に入らないためにこの薬物を服用したくない。従って、従来の技術では、大きなサイズの錠剤やカプセルを易く飲み込むように促すと共に、薬物の用量や味に対する患者の感知を可及的に削減する、様々な薬物送達装置が提供されてきた。様々な薬物送達装置は、いずれも、薬物を収納して貯蔵する薬物受容手段が含まれる。以下には、吸い取り装置における薬物受容手段に関連する特許及び出願をここに引用して結合する。
【0004】
特許文献1は、改良された装置を記載しており、当該装置における薬物受容手段がメッシュ篩であり、当該メッシュ篩の表面積が、管内部のチャンバーにおける横方向の断面の面積よりも大きく、単位用量あたりの治療剤を管に保持して位置決め、当該装置は、患者が正常に吸い取る動作により、当該用量だけ送達するように液体に管を通過させることに適用される。
【0005】
特許文献2は、吸い取り装置を記載しており、当該装置における薬物受容手段が塞ぎ手段であり、当該塞ぎ手段は、薬物の活性成分を受容しながら、液体により、塞ぎ手段が管の内腔を上向きに摺動するように連動することにより、薬物を送達するためのものである。
【0006】
特許文献3は、吸い取り装置を記載しており、当該装置における受容手段が、長方形のメッシュを有する一対のメッシュ篩であり、管内部のチャンバーに設置され、味調整対象を制限するためのものである。
【0007】
特許文献4は、吸い取り装置を記載しており、当該装置における薬物受容手段が逆止弁であり、吸い取られる状態にないと薬物を受容する一方、吸い取られる状態にあると変形が生じて液体に通過を許容させるようにする。
【0008】
特許文献5は、吸い取り装置を記載しており、それが細長い管状部材を含み、管状部材における各端に、濾過装置を一対だけ有し、味調整粒子を濾過装置に保持することにより、正常な吸い取ることにより、味調整剤を普通の飲み物に入れる。
【0009】
特許文献6は、流体制御手段を有する薬物の活性成分を送達する装置を記載している。前記流体制御手段は、多孔質とされる塞ぎ手段であり、管壁との摩擦が小さく、吸い取られる状態にないと薬物を受容する一方、吸い取られる状態にあると流体による押し出しにより、速めに薬物を患者口へ送達する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【文献】EP0383503A1
【文献】米国特許6096003
【文献】米国特許6109538
【文献】米国特許6333050B2
【文献】米国特許8334003B2
【文献】米国特許6224908B1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
上記した特許に係る薬物受容手段は、実際の応用に色々な問題が存在している。よく知られているように、湿式造粒法、乾燥法造粒法、押出と球形化法、溶融造粒法などのプロセスにより製造されAPIが含まれる粒子・多粒子剤は、一般的に、粒径が比較的広く分布しており、平均粒径よりも大幅に大きい粒子・多粒子剤が存在しているし、平均粒径よりも大幅に小さく微細な粉末である粒子・多粒子剤が存在している。従って、薬物受容手段の機能については、まず、液体が薬物受容手段を順調に通過できると共に抵抗力が小さく、患者が吸い取る時に力を掛けないようにするということが要求されると同時に、薬物受容手段の穴径があらゆる粒子や多粒子剤の直径よりも小さく、粒子・多粒子剤が薬物受容手段を通過して漏れてしまうことがないように保証するということが要求される。この二つの要求そのものが矛盾となり、穴径が十分に大きいように保証できるからこそ、液体が通過する抵抗力が小さい一方、穴径が大きいほど、比較的小さい粒径である粒子や多粒子剤が漏れてしまう確率が大きい。このことは、適用可能な範囲が制限されており、粒径が薬物受容手段の穴径以下である粒子や多粒子剤を有する材料は、人によるピックアップが無ければ、この装置を使うことができず、そして、吸収率が低く、コストが高まる。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明が解決しようとする技術的課題は、従来の技術において、薬物を飲み込むように促す装置に存在している薬物粒子・多粒子剤が漏れてしまい、吸い取る時に流体の抵抗力が大きいという欠陥を克服すべく、経口投与固体製剤の薬物受容装置及びそれを含む経口投与薬物送達装置を提供することにある。本発明に係る薬物受容装置は、使用の際にストローと共に全体として、粒径が薬物受容装置の穴径よりも大きく、等しく又は小さく、薬物の活性成分を含有する粒子・多粒子剤を収納するためのものである。
【0013】
本発明に係る発明者らは、研究して開発する最初に、液体の抵抗力を低くすること、及び、薬物の漏れを抑えることが、論理的に矛盾する一つの命題と言え、バランスを取ることがかなり難しいということが見つかったため、本発明に係る技術的難点は、液体の抵抗力が小さいように保証できると共に、載置されている粒子や多粒子剤が漏れないように保証できる、適正な解決手段を見出すということにある。
【0014】
メカニズムから見れば、本発明において、受容粒径が濾過手段の穴径以下であることが許容される薬物粒子・多粒子剤のメカニズムは、二つがある。その一つは、濾過手段における規則的でなく千鳥状となる通路により、細小な粒子を濾過手段内に止めるということであり、このような濾過手段は、例えば厚さが0.5mm以上であるという一定の厚さが要求されている。もう一つは、水溶性を持った高分子材料により、濾過手段に膜を形成して、濾過手段の穴目を塞ぎ、吸い取られる時に、高分子材料が一瞬に溶解して、水が通過するように流れ、薬物が患者の口に入るように連動するということであり、このようなメカニズムは、濾過手段の厚さに対する要求がない。
【0015】
本発明は、濾過手段及び前記濾過手段を支持するための支持手段を含み、前記濾過手段及び前記支持手段は、薬物粒子・多粒子剤を載置するための空間を、互いに組み合わせることにより形成し、前記濾過手段は、液体に通過を許容させる一つ以上の通路を有し、前記濾過手段の厚さが0.5mm以上である場合には、前記濾過手段の内部において、前記薬物粒子・多粒子剤に通過をさせないように、前記通路が上下において千鳥状という方式で分布する、経口投与固体製剤の薬物受容装置を提供することを一番目の目的とする。以下には、前記濾過手段の通路を、上下において千鳥状に設置する構成の形態について、詳しく説明する。
【0016】
本発明では、前記濾過手段が、本分野によく見られるタイプであり、好ましくは、濾過膜とされる。前記濾過膜の形状は、好ましくは、円柱状で構成される。前記濾過膜の厚さは、好ましくは、0.5~20mmとされ、より好ましくは、0.5~15mmとされ、さらにより好ましくは、0.5~10mmとされ、例えば2mmとされる。
【0017】
つまり、濾過膜が一定の厚さを有することから、濾過膜の通路を上下において千鳥状に設置する構成とは、好ましくは、濾過膜における上下面及び内部通路を規則的でなく千鳥状に設置する構成、例えばスポンジ状のような多孔質とされる構成、或いは、複数の繊維層により、規則的でなく重なり合うように配列され、押さえつけられることによりなされる緻密でない構成である。そうすると、たとえ薬物粒子・多粒子剤の粒径が濾過膜の穴径以下であっても、メッシュ篩を通過すると同様に薬物受容装置を直接に通過することもない。濾過膜の通路が折り曲状と千鳥状となることから、粒径が非常に小さい薬物粒子・多粒子剤は、その表面や内部に堆積されることになる。液体は、通過の際に、濾過膜の表面や内部に堆積されている薬物粒子・多粒子剤を患者の口に送り込む。以下には、濾過手段(例えば、濾過膜)の材質、穴径や製造プロセスにおける設置条件について、詳しく説明する。
【0018】
ただし、前記濾過膜の材質は、本分野に普通の濾過膜の材質とされ、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレンテレフタレート、酢酸セルロース、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリ乳酸-グリコール酸共重合体、ガラス繊維、ナイロン、ポリエーテルスルホン、ポリフッ化ビニリデン及びポリテトラフルオロエチレンのうちの一種又は複数種が含まれるが、これの限りではない。ただし、前記濾過膜の素材の形状は、本分野に普通のものとされ、粒子状、シート状や繊維状等などが含まれるが、それの限りではない。
【0019】
ただし、前記濾過膜は、その穴径のサイズが本分野の普通のものとされ、例えば、1~500μmとされ、好ましくは、20~400μmとされ、より好ましくは、40~300μmとされ、例えば、150μm、200μm、250μmや300μmとされる。
【0020】
ただし、前記濾過膜は、その直径が本分野の普通のものとされる。濾過膜の直径は、固体を止めながら液体を通過させる有効な直径として定義され、設計や取り付けのプロセスからの考えに基づくと、濾過膜における直径の最も外周が、濾過膜を固定する上方支持手段と下方支持手段により押さえつけられることがある。この場合には、例えば、10mmという直径の膜とし、外周の1mmだけが支持手段に押さえつけると、有効な直径が8mmだけとなる。濾過膜が常用する有効な直径範囲は、一般的に、4~20mmとされ、好ましくは、6~15mmとされ、より好ましくは、8mm~12mmとされ、例えば、10mmとされる。ただし、前記濾過膜は、その製造プロセスが本分野の普通のものとされ、焼成、射出形成、押さえつけや織り出し等が含まれるが、これの限りではない。以下は、支持手段の構成を、詳しく説明する。
【0021】
本発明では、前記支持手段は、本分野の普通の意味を有しており、前記濾過手段を支持できるが、前記濾過手段の濾過性及び透水性に影響を与えないという役割が叶う。好ましくは、前記濾過手段を間に挟み持つように、前記濾過手段の上下面に設置され、つまり、サンドウィッチと類似な形式に従って、前記濾過手段を間に挟み持ち、又は、籠状構成により、前記濾過手段を内部に包むように構成される。
【0022】
本願における好ましい実施形態では、前記支持手段が上方支持手段と下方支持手段を含み、前記上方支持手段及び前記下方支持手段は、前記濾過手段を間に挟み持つように互いに係合可能であり、前記上方支持手段と前記濾過手段との上方空間は、薬物粒子・多粒子剤を収納するためのものである。このような構成は、サンドウィッチと類似な形式である。
【0023】
本願におけるもう一つの好ましい実施形態では、前記支持手段が濾過手段受容手段及び一薬物受容手段を含み、前記濾過手段受容手段及び前記薬物受容手段は、それぞれ、穴状構成端部及び開放端部を有し、前記穴状構成端部は、液体に通過を許容させる一つ以上の穴を有し、前記濾過手段受容手段の開放端部と前記薬物受容手段の穴状構成端部は、前記濾過手段を収納するためのチャンバーを係合して形成可能であり、前記薬物受容手段の開放端部は、管状に開口として構成され、薬物粒子・多粒子剤を収納するためのものである。当業者にとって理解すべきところは、本実施形態に、濾過手段受容手段が実際に担う機能が、濾過手段を収納するように、薬物受容手段と共にチャンバーを形成するということにあり、このような構成も、サンドウィッチと類似な形式である。なお、薬物受容手段及び濾過手段受容手段の穴状構成については、そのサイズが前記濾過手段の濾過性及び透水性に影響を与えるものではない。
【0024】
本願もう一つのより好ましい実施形態では、前記支持手段が、開口が上向きとなる籠状支持手段及び前記籠状支持手段と係合する上蓋を含み、前記上蓋には、薬物粒子・多粒子剤及び液体が流通する通路が設けられ、前記籠状支持手段及び前記上蓋は、中空となる空間を囲んで形成可能であり、前記濾過手段を当該空間に制限し、前記上蓋と前記濾過手段との上方空間は、薬物粒子・多粒子剤を収納するためのものである。このような構成は、籠状構成と類似な形式である。
【0025】
ただし、前記支持手段の材質が本分野の普通のものとされ、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリ乳酸-グリコール酸共重合体、セラミックス、二酸化ケイ素、有機ケイ素化合物のうちの一種又は複数種が含まれるが、これの限りではない。ただし、前記支持手段を製造するプロセスが本分野の普通のものとされ、焼成、射出形成などが含まれるが、これの限りではない。以下には、薬物粒子・多粒子剤の形態や種類を詳しく説明する。本発明では、前記薬物粒子・多粒子剤は、本分野の普通の意味を有しており、一般的に、薬物の活性成分を含有している粒子、粉末又は多粒子剤を指す。ただし、前記薬物粒子・多粒子剤の粒径が本分野の普通のものとされ、一般的に、1~5000μmとされ、好ましくは、25~2000μmとされ、一層に好ましくは、50~1000μmとされる。好ましくは、前記薬物粒子・多粒子剤の粒径範囲が50~1000μmにある場合には、前記濾過手段の穴径が40~300μmとされる。
【0026】
ただし、前記薬物粒子・多粒子剤に含まれている薬物の活性成分が本分野の普通のものとされ、ダビガトランエテキシレート又はその薬学的に許容される塩(例えば、メシレートダビガトランエテキシレート)、アピクサバン、リバロキサバン、レボドパ-カルビドパ、モンテルカスト、ブルーソプラゾール、オメプラゾール、エソメプラゾール、アモキシシリン、クラリスロマイシン、アジスロマイシン、メトロニダゾール、リファンピシン、スルファサラジン、パラセタモール、デキストロメトルファン、ドキシラミン、プソイドエフェドリン、ジフェンヒドラミン、アンフェタミン、メチルフェニデート、デフェラシロックス、イバカフトール、ルマカフトール、タクロリムス、ジアゼパム、クロバザム、ビガバトリン、ボセンタン、メラトニン、ビオチン、ジメルカプトコハク酸二ナトリウム、アムロジピン及びエスモロールのうちの一種又は複数種が含まれるが、これの限りではない。
ただし、前記薬物粒子・多粒子剤の製造プロセスは、湿式造粒法、乾燥法造粒、押出と球形化法、溶融造粒法、イオン交換樹脂造粒法、微小粒子への薬物レイヤリング法のうちの一種又は複数種が含まれるが、これの限りではない。
【0027】
本発明は、一番目の目的に記載の前記薬物受容装置を含み、管状部材をさらに含み、前記管状部材は、二つの端部開口及び内部チャンバーを有し、その一つの端部開口を第一開口として、もう一つの端部開口を第二開口とすると、前記内部チャンバーが前記第一開口及び前記第二開口に連通し、前記薬物受容装置は、外部から前記第一開口の自由端に設置され、薬物粒子・多粒子剤を載置するための空間と前記内部チャンバーとを連通させる、経口投与薬物送達装置を提供することを二番目の目的とする。以下は、薬物受容装置が外部から前記第一開口の自由端に設置されるという方式を詳しく説明する。本手段では、好ましくは、前記薬物受容装置は、前記管状部材の外部に設置され、固定して周設されるという方式又は螺合して接続されるという方式により前記管状部材の第一開口に維持される。
【0028】
本手段では、薬物の活性成分を含有する粒子・多粒子剤は、薬物受容装置のチャンバーに置かれる。使用の際には、支持手段の一端が液体に接触して、吸い取りの作用により、濾過手段を介して液体を管状部材に吸い込み、薬物の活性成分を含有する粒子・多粒子剤が、液体と共に、管状部材内に入り、ひいては、口に入る。
【0029】
本手段では、好ましくは、前記第二開口に、開口を閉じるための先端蓋がさらに設けられる。そうすると、経口投与薬物送達装置が薬物を載置している場合には、たとえ運搬の過程に、揺れやひっくり返しが発生してしまう場合でも、薬物粒子・多粒子剤が第二開口から漏れてしまうことがないように保証することができる。さらに、独立する外部包装により、薬物を載置している経口投与薬物送達装置を密封してから、そのまま保存し又は運搬することが可能となり、防水や防湿という役割が叶う。以下は、管状部材の構成を詳しく説明する。
【0030】
本願における一つのより好ましい実施形態では、前記管状部材が長尺ストローとされる。前記長尺ストローは、好ましくは、少なくとも一つの折り目を有するように構成される。好ましくは、前記折り目は、一対の翼部及び一つの折曲端を有し、前記管状部材における軸方向に沿って引っ張られ又は収縮され、引っ張られる時に乱流が形成される、ように構成される。
【0031】
本願もう一つのより好ましい実施形態では、前記管状部材は、少なくとも二つの管部分を有し、前記管部分が互いに密封接続され、前記管状部材における軸方向に沿って引っ張られ又は収縮され、前記管状部材が引っ張られる状態にある場合に、少なくとも一つの段階構成を有する乱流発生手段を形成する。
【0032】
ただし、前記管部分は、その数が三個である場合に、前記第一開口から前記第二開口までの方向における第一管部分の内径と第三管部分の内径とが同じであり、第二管部分の外径が前記第一管部分の内径よりも小さいと共に、各管部分が他の管部分における軸方向に沿って引っ張られ又は収縮され、又は、前記第一開口から前記第二開口までの方向における第一管部分の内径、第二管部分の外径と内径、及び、第三管部分の外径が次第に小さくなると共に、各管部分が他の管部分における軸方向に沿って引っ張られ又は収縮される。
【0033】
ただし、前記管部分は、その数が四個である場合に、前記第一開口から前記第二開口までの方向における第一管部分の内径と第三管部分の内径とが同じであり、第二管部分の内径と第四管部分の内径とが同じであり、ただし、前記第二管部分の内径が前記第一管部分よりも小さいと共に、各管部分が他の管部分における軸方向に沿って引っ張られ又は収縮され、又は、前記第一開口から前記第二開口までの方向における第一管部分乃至第四管部分の内径が次第に小さくなると共に、各管部分が他の管部分における軸方向に沿って引っ張られ又は収縮される。
【0034】
本発明は、一番目の目的に係る前記薬物受容装置を含み、管状部材をさらに含み、前記管状部材は、二つの端部開口及び内部チャンバーを有し、その一つの端部開口を第一開口として、もう一つの端部開口を第二開口とすると、前記内部チャンバーが前記第一開口及び前記第二開口に連通し、前記薬物受容装置が、前記第一開口に近いように、前記内部チャンバーに設けられ、薬物粒子・多粒子剤を載置するための空間と前記第二開口とを連通させ、前記第一開口の直径が前記薬物受容装置の最小直径よりも小さい、経口投与薬物送達装置を提供することを三番目の目的とする。
【0035】
本手段では、第一開口の直径が薬物受容装置の最小直径よりも小さいように制限することにより、前記薬物受容装置が、如何な場合でも、前記管状部材の第一開口から落下することなく、前記内部チャンバーに維持される。本手段では、好ましくは、前記第二開口は、その直径が前記薬物受容装置の最小直径よりも小さい。
【0036】
本手段では、好ましくは、前記第二開口に、開口を閉じるための先端蓋がさらに設けられる。そうすると、経口投与薬物送達装置が薬物を載置している場合には、たとえ運搬の過程に、揺れやひっくり返しが発生してしまう場合でも、薬物粒子・多粒子剤が第二開口から漏れてしまうことがないように保証することができる。本手段では、管状部材の構成についての詳しい説明が二番の目的に記載のものと同じである。
【0037】
本発明は、構成が第一構成又は第二構成とされる、経口投与固体製剤の薬物受容装置を提供することを四番目の目的とする。
【0038】
第一構成においては、前記薬物受容装置は、濾過手段及び前記濾過手段を支持するための支持手段を含み、前記濾過手段及び前記支持手段は、薬物粒子・多粒子剤を載置するための空間を互いに組み合わせることにより形成し、前記濾過手段は、液体に通過を許容させる一つ以上の通路を有し、前記濾過手段には、前記薬物粒子・多粒子剤に通過をさせないように、水溶性を持った高分子材料層がさらに設けられる。
【0039】
第二構成においては、前記薬物受容装置は、先端部が開口とされ底部がメッシュ篩とされる筒状構成であり、前記メッシュ篩は、水溶性を持った高分子材料層が内面に設けられ、前記水溶性を持った高分子材料層は、上方の筒状構成における内部チャンバーが、薬物粒子・多粒子剤を収納するためのものである。
【0040】
本手段が適用する範囲は、幅広く、特に、前記薬物粒子・多粒子剤の粒径分布において、一部の粒径が前記通路の穴径以下であるという場面に適用され得る。以下には、第一構成に係る濾過手段の構成、材質、穴径や製造プロセスにおける設置条件を詳しく説明する。
【0041】
本発明では、前記濾過手段が本分野によく見られるタイプであり、好ましくは、濾過膜とされる。前記濾過膜は、好ましくは円シート状で構成される。前記濾過膜の厚さは、好ましくは、0.01~0.5mmとされ、より好ましくは、0.1~0.3mmとされ、例えば、0.2mmとされる。このような場合には、濾過膜の厚さが薄いため、その機能がメッシュ篩と類似であり、液体がメッシュ篩を通過する抵抗力が極めて小さいと、粒径が濾過膜の穴径以下である薬物粒子・多粒子剤が前記濾過手段から漏れてしまうことになる。そして、前記濾過膜には、水溶性を持った高分子材料層が設置される。
【0042】
ただし、前記濾過膜の材質が本分野の普通のものとされ、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレンテレフタレート、酢酸セルロース、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリ乳酸-グリコール酸共重合体、ガラス繊維、ナイロン、ポリエーテルスルホン、ポリフッ化ビニリデン及びポリテトラフルオロエチレンのうちの一種又は複数種が含まれるが、これの限りではない。前記濾過膜の素材は、その形状が粒子状、シート状や繊維状などが含まれるが、これの限りではない。ただし、前記濾過膜における通路の形状や構成は、本分野の普通の規則的構成とされてもよく、例えば、直線という方式で接続され、また、前記濾過膜の上下面を通り抜ける。
【0043】
ただし、前記濾過膜は、その穴径サイズが本分野の普通のものとされ、例えば、1~500μmとされ、好ましくは、20~400μmとされ、一層に好ましくは、40~300μmとされ、例えば、150μm、200μm、250μm、300μmとされる。
【0044】
ただし、前記濾過膜は、その直径が本分野の普通のものとされる。濾過膜の直径は、固体を止めながら液体を通過させる有効な直径として定義され、設計や取り付けのプロセスからの考えに基づくと、濾過膜における直径の最も外周が、濾過膜を固定する上方支持手段と下方支持手段により押さえつけられることがある。この場合には、例えば、10mmという直径の膜とし、外周の1mmだけが支持手段に押さえつけると、有効な直径が8mmだけとなる。濾過膜が常用する有効な直径範囲は、一般的に、4~20mmとされ、好ましくは、6~15mmとされ、より好ましくは、8mm~12mmとされ、例えば、10mmとされる。ただし、前記濾過膜を製造するプロセスが本分野の普通のものとされ、焼成、射出形成、押さえつけや織り出し等が含まれるが、これの限りではない。以下には、前記水溶性を持った高分子材料層についての設置方式を詳しく説明する。
【0045】
本発明では、前記水溶性を持った高分子材料層の成形方式が本分野の普通のものとされる。好ましくは、前記濾過膜における上面及び/又は下面に、高分子材料の溶液を吸着し、塗布し、又は、スプレー塗布し、或いは、前記濾過膜を高分子材料の溶液に浸漬してから乾燥を行うとよい。乾燥の後には、高分子材料が濾過膜の膜穴や膜材に分散して、一定の硬さを有する骨組みを形成すると共に、濾過膜の通路を塞ぐ。そうすると、濾過膜の穴径以下である薬物粒子・多粒子剤は、保存や運搬の過程でも、漏れがない。
【0046】
具体的には、前記水溶性を持った高分子材料層を形成する構成は、好ましくは、以下の二つある。濾過膜における上面又は下面には、水溶性を持った高分子材料層を連続的に形成し、或いは、高分子材料により濾過膜の通路をぴったりと塞ぎ、水溶性を持った高分子材料層を完全にかつ緻密的に形成する(例えば、浸すという方式を用いて、このような構成を形成する)。より好ましくは、濾過膜における上面又は下面にのみ、水溶性を持った高分子材料層を連続的に形成する(例えば、濾過膜におけるある面にのみ、吸着、塗布或いはスプレー塗布という方式で、このような構成を形成する)。さらにより好ましくは、濾過膜における下面に、水溶性を持った高分子材料層を連続的に形成する。
【0047】
ただし、前記水溶性を持った高分子材料層は、その溶解時間が、好ましくは、10秒以下であり、例えば、2秒である。使用の際には、患者が薬物受容装置を液体に置いて吸い取りながら、水溶性を持った高分子材料層が極めて短い時間内に溶解し、液体が極めて小さい抵抗力を持って薬物受容装置を通過してから薬物粒子・多粒子剤を患者の口に送達する。水溶性を持った高分子材料層が溶解することが速いため、患者による使用時に、抵抗力の変化に気がしない。
【0048】
ただし、高分子材料をより良く濾過膜の表面に成形するためには、好ましくは、より良い水溶性及び成膜性を持って、しかも、分子量が小さい高分子材料を、前記水溶性を持った高分子材料層として選択する。高分子材料の溶液を形成すると、一定のプロセスにより製造する。
【0049】
ただし、前記高分子材料は、その分子量が、好ましくは、2000~200000とされ、より好ましくは、2000~100000とされる。前記高分子材料は、その種類が、好ましくは、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、コポビドン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ポビドン、ポリエチレングリコール(PEG)、ゼラチン、ポロキサマー、キサンタンガムおよびオイドラギット(Eudragit)のうちの一種又は複数種から選ばれたものである。
【0050】
ただし、前記高分子材料の溶液を製造する方法が本分野の普通のものとされる。詳しくすると、高分子材料と溶剤とを均一に混ぜればよいというステップを含む。ただし、前記溶剤は、本分野によく見られる、例えば、水、エタノール、アセトン等、高分子材料を溶解でき、揮発しやすい溶剤とされる。
【0051】
ただし、前記水溶性を持った高分子材料層を成形する過程では、高分子材料の溶液の粘度が、成形の過程において鍵となるパラメータであり、粘度が、重合体に係る濃度、分子量及び化学構造という三つのパラメータに左右される。粘度の範囲は、一般的に、2ポアズ(cP)乃至5000ポアズ(cP)であり、好ましくは、2cP-1000cPである。ただし、前記高分子材料の溶液は、その濃度が好ましくは、0.1%-30%であり、例えば、10%であり、前記濃度は、質量分率によるものである。前記水溶性を持った高分子材料層を成形する過程では、高分子材料の重さが一般的に0.01-60mg/cm2だけ増やされ、好ましくは0.5-30mg/cm2だけ増やされ、例えば、6.4mg/cm2だけ増やされる。ただし、「高分子材料の重さが増やされる」とは、平方センチあたりの濾過手段(例えば濾過膜)或いはメッシュ篩に形成されている、水溶性を持った高分子材料層が固化して乾燥した後の重さ(重さの単位がミリグラムである)を意味している。本願における一つのより好ましい実施形態では、前記高分子材料の溶液は、濃度が10%であるヒドロキシプロピルメチルセルロースE3の溶液を選択する。以下には、第一構成に係る支持手段の構成を、詳しく説明する。本発明では、前記支持手段は、本分野の普通の意味を有しており、前記濾過手段を支持できるが、前記濾過手段の濾過性及び透水性に影響を与えないという役割が叶う。
【0052】
本願における一つのより好ましい実施形態では、前記支持手段が上方支持手段と下方支持手段を含み、前記上方支持手段と前記下方支持手段は、前記濾過手段を間に挟み持つように互いに係合可能であり、前記上方支持手段と前記濾過手段との上方空間は、薬物粒子・多粒子剤を収納するためのものである。このような構成は、サンドウィッチと類似な形式である。
【0053】
本願もう一つのより好ましい実施形態では、前記支持手段が濾過手段受容手段及び薬物受容手段を含み、前記濾過手段受容手段と前記薬物受容手段は、それぞれ、穴状構成端部及び開放端部を有し、前記穴状構成端部は、液体に通過を許容させる一つ以上の穴を有し、前記濾過手段受容手段の開放端部と前記薬物受容手段の穴状構成端部は、前記濾過手段を収納するためのチャンバーを係合して形成可能であり、前記薬物受容手段の開放端部は、管状に開口として構成され、薬物粒子・多粒子剤を収納するためのものである。当業者にとって理解すべきところは、本実施形態に、濾過手段受容手段が実際に担う機能が、濾過手段を収納するように、薬物受容手段と共にチャンバーを形成するということにあり、このような構成も、サンドウィッチと類似な形式である。薬物受容手段及び濾過手段受容手段の穴状構成については、そのサイズが前記濾過手段の濾過性及び透水性に影響を与えるものではない。
【0054】
ただし、前記支持手段の材質が本分野の普通のものとされ、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリ乳酸-グリコール酸共重合体、セラミックス、二酸化ケイ素、有機ケイ素化合物のうちの一種又は複数種が含まれるが、これの限りではない。ただし、前記支持手段を製造するプロセスが本分野の普通のものとされ、焼成、射出形成などが含まれるが、これの限りではない。
【0055】
以下は、第二構成に係る筒状構成を詳しく説明する。前記筒状構成の材質及び製造プロセスへの説明は、支持手段に係るものと同じである。前記メッシュ篩のサイズが本分野の普通のものとされ、例えば200μmとされる。以下には、薬物粒子・多粒子剤の形態及び種類詳しく説明する。本発明では、前記薬物粒子・多粒子剤とは、本分野の普通の意味を有しており、一般的に、薬物の活性成分を含有する粒子、粉末又は多粒子剤を指す。ただし、前記薬物粒子・多粒子剤の粒径が本分野の普通のものとされ、一般的に、1~5000μmとされ、好ましくは、25~2000μmとされ、一層に好ましくは、50~1000μmとされる。好ましくは、前記薬物粒子・多粒子剤の粒径範囲が50~1000μmにある場合には、第一構成に係る前記濾過手段又は第二構成に係る前記メッシュ篩の穴径が40~300μmとされる。
【0056】
ただし、前記薬物粒子・多粒子剤に含まれている薬物の活性成分が本分野の普通のものとされ、ダビガトランエテキシレート又はその薬学的に許容される塩、アピクサバン、リバロキサバン、レボドパ-カルビドパ、モンテルカスト、ブルーソプラゾール、オメプラゾール、エソメプラゾール、アモキシシリン、クラリスロマイシン、アジスロマイシン、メトロニダゾール、リファンピシン、スルファサラジン、パラセタモール、デキストロメトルファン、ドキシラミン、プソイドエフェドリン、ジフェンヒドラミン、アンフェタミン、メチルフェニデート、デフェラシロックス、イバカフトール、ルマカフトール、タクロリムス、ジアゼパム、クロバザム、ビガバトリン、ボセンタン、メラトニン、ビオチン、ジメルカプトコハク酸二ナトリウム、アムロジピン及びエスモロールのうちの一種又は複数種が含まれるが、これの限りではない。ただし、前記薬物粒子・多粒子剤を製造するプロセスは、湿式造粒法、乾燥法造粒、押出と球形化、熔融造粒、イオン交換樹脂造粒、微小粒子への薬物レイヤリング法のうちの一種又は複数種が含まれるが、これの限りではない。
【0057】
本発明は、四番目の目的に記載の薬物受容装置を含み、管状部材をさらに含み、前記管状部材は、二つの端部開口及び内部チャンバーを有し、その一つの端部開口を第一開口として、もう一つの端部開口を第二開口とすると、前記内部チャンバーが前記第一開口及び前記第二開口に連通し、前記薬物受容装置は、外部から前記第一開口の自由端に接続され、薬物粒子・多粒子剤を載置するための空間と前記内部チャンバーとを連通させる、経口投与薬物送達装置を提供することを五番目の目的とする。
【0058】
以下は、薬物受容装置が外部から前記第一開口の自由端に設置されるという方式を、詳しく説明する。本発明では、前記薬物受容装置は、前記管状部材の外部に設置され、好ましくは、固定して周設されるという方式又は螺合して接続されるという方式により、前記管状部材の外部における第一開口に維持される。
【0059】
本実施形態では、薬物の活性成分を含有する粒子・多粒子剤は、薬物受容装置のチャンバーに置かれる。使用の際には、支持手段の一端が液体に接触して、吸い取りの作用により、濾過手段を介して液体を管状部材に吸い込み、薬物の活性成分を含有する粒子・多粒子剤が、液体と共に、管状部材内に入り、ひいては、口に入る。
【0060】
本発明では、好ましくは、前記第二開口に、開口を閉じるための先端蓋がさらに設けられる。そうすると、経口投与薬物送達装置が薬物を載置している場合には、たとえ運搬の過程に、揺れやひっくり返しが発生してしまう場合でも、薬物粒子・多粒子剤が第二開口から漏れてしまうことがないように保証することができる。以下には、管状部材の構成を詳しく説明する。
【0061】
本願における一つのより好ましい実施形態では、前記管状部材が長尺ストローとされる。前記長尺ストローは、好ましくは、少なくとも一つの折り目を有するように構成される。好ましくは、前記折り目は、一対の翼部及び一つの折曲端を有し、前記管状部材における軸方向に沿って引っ張られ又は収縮され、引っ張られる時に乱流が形成されるように構成される。
【0062】
本願もう一つのより好ましい実施形態では、前記管状部材は、少なくとも二つの管部分を有し、前記管部分が互いに密封接続され、前記管状部材における軸方向に沿って引っ張られ又は収縮され、前記管状部材が引っ張られる状態にある場合に、少なくとも一つの段階構成を有する乱流発生手段を形成する。
【0063】
ただし、前記管部分は、その数が三個である場合に、前記第一開口から前記第二開口までの方向における第一管部分の内径と第三管部分の内径とが同じであり、第二管部分の外径が前記第一管部分の内径よりも小さいと共に、各管部分が他の管部分における軸方向に沿って引っ張られ又は収縮され、又は、前記第一開口から前記第二開口までの方向における第一管部分の内径、第二管部分の外径と内径、及び、第三管部分の外径が次第に小さくなると共に、各管部分が他の管部分における軸方向に沿って引っ張られ又は収縮される。
【0064】
ただし、前記管部分は、その数が四個である場合に、前記第一開口から前記第二開口までの方向における第一管部分の内径と第三管部分の内径とが同じであり、第二管部分の内径と第四管部分の内径とが同じであり、ただし、前記第二管部分の内径が前記第一管部分よりも小さいと共に、各管部分が他の管部分における軸方向に沿って引っ張られ又は収縮され、又は、前記第一開口から前記第二開口までの方向における第一管部分乃至第四管部分の内径が次第に小さくなると共に、各管部分が他の管部分における軸方向に沿って引っ張られ又は収縮される。
【0065】
本発明は、四番目の目的に記載の薬物受容装置を含み、管状部材をさらに含み、前記管状部材は、二つの端部開口及び内部チャンバーを有し、その一つの端部開口を第一開口として、もう一つの端部開口を第二開口とすると、前記内部チャンバーが前記第一開口及び前記第二開口に連通し、前記薬物受容装置は、前記第一開口に近いように、前記内部チャンバーに設けられ、薬物粒子・多粒子剤を載置するための空間と前記第二開口とを連通させ、前記第一開口の直径は、前記薬物受容装置の最小直径よりも小さい、経口投与薬物送達装置を提供することを六番目の目的とする。
【0066】
本発明では、第一開口の直径が薬物受容装置の最小直径よりも小さいように制限することにより、前記薬物受容装置が、如何な場合でも、前記管状部材の第一開口から落下することなく、前記内部チャンバーに維持される。本発明では、好ましくは、前記第二開口の直径は、前記薬物受容装置の最小直径よりも小さい。
【0067】
本発明では、好ましくは、前記第二開口に、開口を閉じるための先端蓋がさらに設けられる。そうすると、経口投与薬物送達装置が薬物を載置している場合には、たとえ運搬の過程に、揺れやひっくり返しが発生してしまう場合でも、薬物粒子・多粒子剤が第二開口から漏れてしまうことがないように保証することができる。本発明では、管状部材の構成についての詳しい説明が、五番目の目的に記載のものと同じである。
【0068】
本発明は、濾過手段及び前記濾過手段を支持するための支持手段を含み、前記濾過手段と前記支持手段は、薬物粒子・多粒子剤を載置するための空間を互いに組み合わせることにより形成し、前記濾過手段は、液体に通過を許容させる一つ以上の通路を有し、前記濾過手段の内部には、前記通路が上下において千鳥状という方式で分布し、前記濾過手段には、前記薬物粒子・多粒子剤に通過をさせないように、水溶性を持った高分子材料層がさらに設けられる経口投与固体製剤の薬物受容装置を提供することを七番目の目的とする。本手段が適用する範囲は、幅広く、特に、前記薬物粒子・多粒子剤の粒径分布において、一部の粒径が前記通路の穴径以下であるという場面に適用され得る。
【0069】
本手段のメカニズムは、薬物粒子・多粒子剤の粒径分布が一つの範囲にあり、プロセスによる制限により、一定の粒径よりも小さい粒子・多粒子剤を排除し切れることがあり得ないため、この場合に、吸い取り時に比較的小さい抵抗力を保証するために、上下において千鳥状となる通路構成を設置する時に、漏れない要求を満たすように、比較的大きい穴径を選ぶ。そして、濾過手段(例えば、濾過膜)を上下において千鳥状となる通路構成に設置すると共に、前記濾過膜に、水溶性を持った高分子材料層を設置することが必要となる。以下には、前記濾過手段の構成、材質、穴径や製造プロセスについての設置条件を詳しく説明する。
【0070】
本発明では、前記濾過手段が本分野によく見られるタイプであり、好ましくは、濾過膜とされる。前記濾過膜は、好ましくは、円柱状で構成される。前記濾過膜の厚さは、好ましくは0.3~20mmとされ、より好ましくは、0.5~15mmとされ、さらにより好ましくは0.5~10mmとされ、例えば2mmとされる。
【0071】
つまり、濾過膜が一定の厚さを有することから、濾過膜の通路を上下において千鳥状に設置する構成とは、好ましくは、濾過膜における上下面及び内部通路を規則的でなく千鳥状に設置する構成、例えばスポンジ状のような多孔質とされる構成、或いは、複数の繊維層により、規則的でなく重なり合うように配列され、押さえつけられることによりなされる緻密でない構成である。
【0072】
ただし、前記濾過膜の材質が本分野の普通のものとされ、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレンテレフタレート、酢酸セルロース、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリ乳酸-グリコール酸共重合体、ガラス繊維、ナイロン、ポリエーテルスルホン、ポリフッ化ビニリデン及びポリテトラフルオロエチレンのうちの一種又は複数種が含まれるが、これの限りではない。前記濾過膜の素材は、その形状は、粒子状、シート状や繊維状等などが含まれるが、それの限りではない。ただし、前記濾過膜における通路の形状や構成は、本分野の普通の規則的構成とされてもよく、例えば、直線という方式で接続され、また、前記濾過膜の上下面を通り抜ける。
【0073】
ただし、前記濾過膜は、その穴径サイズが本分野の普通のものとされ、例えば1~500μmとされ、好ましくは20~400μmとされ、一層に好ましくは40~300μmとされ、例えば150μm、200μm、250μm、300μmとされる。
【0074】
ただし、前記濾過膜の直径が本分野の普通のものとされる。濾過膜の直径は、固体を止めながら液体を通過させる有効な直径として定義され、設計や取り付けのプロセスからの考えに基づくと、濾過膜における直径の最も外周が、濾過膜を固定する上方支持手段と下方支持手段により押さえつけられることがある。この場合には、例えば、10mmという直径の膜とし、外周の1mmだけが支持手段に押さえつけると、有効な直径が8mmだけとなる。濾過膜が常用する有効な直径範囲は、一般的に、4~20mmとされ、好ましくは6~15mmとされ、より好ましくは8mm~12mmとされ、例えば10mmとされる。ただし、前記濾過膜を製造するプロセスが本分野の普通のものとされ、焼成、射出形成、押さえつけや織り出し等が含まれるが、これの限りではない。以下には、前記水溶性を持った高分子材料層についての設置方式を詳しく説明する。
【0075】
本発明では、前記水溶性を持った高分子材料層の成形方式が本分野の普通のものとされる。好ましくは、前記濾過膜における上面及び/又は下面に、高分子材料の溶液を吸着し、塗布し、又は、スプレー塗布し、或いは、前記濾過膜を高分子材料の溶液に浸漬してから乾燥を行うとよい。乾燥の後には、高分子材料が濾過膜の膜穴や膜材に分散して、一定の硬さを有する骨組みを形成すると共に、濾過膜の通路を塞ぐ。そうすると、濾過膜の穴径以下である薬物粒子・多粒子剤は、保存や運搬の過程でも、漏れがない。
【0076】
具体的には、前記水溶性を持った高分子材料層を形成する構成は、好ましくは、以下の二つある。濾過膜における上面又は下面には、水溶性を持った高分子材料層を連続的に形成し、或いは、高分子材料により濾過膜の通路をぴったりと塞ぎ、水溶性を持った高分子材料層を完全にかつ緻密的に形成する(例えば、浸すという方式を用いて、このような構成を形成する)。より好ましくは、濾過膜における上面又は下面にのみ、水溶性を持った高分子材料層を連続的に形成する(例えば、濾過膜におけるある面にのみ、吸着、塗布或いはスプレー塗布という方式で、このような構成を形成する)。さらにより好ましくは、濾過膜における下面に、水溶性を持った高分子材料層を連続的に形成する。
【0077】
ただし、前記水溶性を持った高分子材料層は、その溶解時間が、好ましくは10秒以下であり、例えば、2秒である。使用の際には、患者が薬物受容装置を液体に置いて吸い取りながら、水溶性を持った高分子材料層が極めて短い時間内に溶解し、液体が極めて小さい抵抗力を持って薬物受容装置を通過してから薬物粒子・多粒子剤を患者の口に送達する。水溶性を持った高分子材料層が溶解することが速いため、患者による使用時に、抵抗力の変化に気がしない。
【0078】
ただし、高分子材料をより良く濾過膜の表面に成形するためには、好ましくは、より良い水溶性及び成膜性を持って、しかも、分子量が小さい高分子材料を、前記水溶性を持った高分子材料層として選択する。ただし、前記高分子材料は、その分子量が、一般的に、2000~200000とされ、好ましくは、2000~100000とされる。好ましくは、前記高分子材料の種類は、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、コポビドン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HEC)、ポビドン、ポリエチレングリコール(PEG)、ゼラチン、ポロキサマー、キサンタンガム及びオイドラギット(Eudragit)のうちの一種又は複数種から選ばれたものである。
【0079】
ただし、前記高分子材料の溶液を製造する方法が本分野の普通のものとされる。詳しくすると、高分子材料と溶剤とを均一に混ぜればよいというステップを含む。ただし、前記溶剤は、本分野によく見られる、例えば、水、エタノール、アセトン等、高分子材料を溶解でき、揮発しやすい溶剤とされる。
【0080】
ただし、前記水溶性を持った高分子材料層を成形する過程では、高分子材料の溶液の粘度が、成形の過程において鍵となるパラメータであり、粘度が、重合体に係る濃度、分子量及び化学構造という三つのパラメータに左右される。粘度の範囲は、一般的に、2ポアズ(cP)~5000ポアズ(cP)であり、好ましくは、2cP~1000cPである。ただし、前記高分子材料の溶液の濃度は、好ましくは、0.1%~30%であり、例えば、10%であり、前記濃度は、質量分率によるものである。高分子材料は、一般的に、0.01~60mg/cm2だけ増やされ、好ましくは0.5~30mg/cm2だけ増やされ、例えば6.4mg/cm2だけ増やされる。本願における一つのより好ましい実施形態では、前記高分子材料の溶液は、濃度が10%であるヒドロキシプロピルメチルセルロースE3の溶液を選択する。以下には、支持手段の構成を詳しく説明する。本発明では、前記支持手段が本分野の普通の意味を有しており、前記濾過手段を支持できるが、前記濾過手段の濾過性及び透水性に影響を与えないという役割が叶う。
【0081】
本願における一つのより好ましい実施形態では、前記支持手段が上方支持手段と下方支持手段を含み、前記上方支持手段と前記下方支持手段は、前記濾過手段を間に挟み持つように係合して形成可能であり、前記上方支持手段と前記濾過手段との上方空間は、薬物粒子・多粒子剤を収納するためのものである。このような構成は、サンドウィッチと類似な形式である。
【0082】
本願もう一つのより好ましい実施形態では、前記支持手段が濾過手段受容手段及び薬物受容手段を含み、前記濾過手段受容手段と前記薬物受容手段は、それぞれ、穴状構成端部及び開放端部を有し、前記穴状構成端部は、液体に通過を許容させる一つ以上の穴を有し、前記濾過手段受容手段の開放端部と前記薬物受容手段の穴状構成端部は、前記濾過手段を収納するためのチャンバーを互いに組み合わせることにより形成し、前記薬物受容手段の開放端部は、管状に開口として構成され、薬物粒子・多粒子剤を収納するためのものである。当業者にとって理解すべきところは、本実施形態に、濾過手段受容手段が実際に担う機能が、濾過手段を収納するように、薬物受容手段と共にチャンバーを形成するということにあり、このような構成も、サンドウィッチと類似な形式である。薬物受容手段及び濾過手段受容手段の穴状構成については、そのサイズが前記濾過手段の濾過性及び透水性に影響を与えるものではない。
【0083】
ただし、前記支持手段の材質が本分野の普通のものとされ、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリ乳酸-グリコール酸共重合体、セラミックス、二酸化ケイ素、有機ケイ素化合物のうちの一種又は複数種が含まれるが、これの限りではない。ただし、前記支持手段を製造するプロセスが本分野の普通のものとされ、焼成、射出形成などが含まれるが、これの限りではない。以下は、薬物粒子・多粒子剤の形態及び種類を詳しく説明する。
【0084】
本発明では、前記薬物粒子・多粒子剤は、本分野の普通の意味を有しており、一般的に、薬物の活性成分を含有する粒子、粉末又は多粒子剤を指す。ただし、前記薬物粒子・多粒子剤の粒径が本分野の普通のものとされ、一般的に、1~5000μmとされ、好ましくは25~2000μmとされ、一層に好ましくは50~1000μmとされる。好ましくは、前記薬物粒子・多粒子剤の粒径範囲が50~1000μmにある場合には、前記濾過手段の穴径が40~300μmとされる。
【0085】
ただし、前記薬物粒子・多粒子剤に含まれている薬物の活性成分が本分野の普通のものとされ、ダビガトランエテキシレート又はその薬学的に許容される塩、アピクサバン、リバロキサバン、レボドパ-カルビドパ、モンテルカスト、ブルーソプラゾール、オメプラゾール、エソメプラゾール、アモキシシリン、クラリスロマイシン、アジスロマイシン、メトロニダゾール、リファンピシン、スルファサラジン、パラセタモール、デキストロメトルファン、ドキシラミン、プソイドエフェドリン、ジフェンヒドラミン、アンフェタミン、メチルフェニデート、デフェラシロックス、イバカフトール(ivacaftor)、ルマカフトール(lumacaftor)、タクロリムス、ジアゼパム、クロバザム、ビガバトリン、ボセンタン、メラトニン、ビオチン、ジメルカプトコハク酸二ナトリウム、アムロジピン及びエスモロールのうちの一種又は複数種が含まれるが、これの限りではない。ただし、前記薬物粒子・多粒子剤を製造するプロセスは、湿式造粒法、乾燥法造粒、押出と球形化、熔融造粒、イオン交換樹脂造粒、微小粒子への薬物レイヤリング法のうちの一種又は複数種が含まれるが、これの限りではない。
【0086】
本発明は、七番目の目的に記載の薬物受容装置を含み、管状部材をさらに含み、前記管状部材は、二つの端部開口及び内部チャンバーを有し、その一つの端部開口を第一開口として、もう一つの端部開口を第二開口とすると、前記内部チャンバーが前記第一開口及び前記第二開口に連通し、前記薬物受容装置は、外部から前記第一開口の自由端に設置され、薬物粒子・多粒子剤を載置するための空間と前記内部チャンバーとを連通させる、経口投与薬物送達装置を提供することを八番目の目的とする。以下には、薬物受容装置が外部から前記第一開口の自由端に設置されるという方式を詳しく説明する。本発明では、前記薬物受容装置は、前記管状部材の外部に設置され、好ましくは、固定して周設されるという方式又は螺合して接続されるという方式により、前記管状部材の外部の第一開口に維持される。
【0087】
本実施形態では、薬物の活性成分を含有する粒子・多粒子剤が薬物受容装置のチャンバーに置かれる。使用の際には、支持手段の一端が液体に接触して、吸い取りの作用により、濾過手段を介して液体を管状部材に吸い込み、薬物の活性成分を含有する粒子・多粒子剤が、液体と共に、管状部材内に入り、ひいては、口に入る。
【0088】
本発明では、好ましくは、前記第二開口に、開口を閉じるための先端蓋がさらに設けられる。そうすると、経口投与薬物送達装置が薬物を載置している場合には、たとえ運搬の過程に、揺れやひっくり返しが発生してしまう場合でも、薬物粒子・多粒子剤が第二開口から漏れてしまうことがないように保証することができる。以下には、管状部材の構成を詳しく説明する。
【0089】
本願における一つのより好ましい実施形態では前記管状部材が長尺ストローとされる。前記長尺ストローは、好ましくは、少なくとも一つの折り目を有するように構成される。好ましくは、前記折り目は、一対の翼部及び一つの折曲端を有し、前記管状部材における軸方向に沿って引っ張られ又は収縮され、引っ張られる時に乱流が形成されるように構成される。
【0090】
本願もう一つのより好ましい実施形態では、前記管状部材は、少なくとも二つの管部分を有し、前記管部分が互いに密封接続され、前記管状部材における軸方向に沿って引っ張られ又は収縮され、前記管状部材が引っ張られる状態にある場合に、少なくとも一つの段階構成を有する乱流発生手段を形成する。
【0091】
ただし、前記管部分は、その数が三個である場合に、前記第一開口から前記第二開口までの方向における第一管部分の内径と第三管部分の内径とが同じであり、第二管部分の外径が前記第一管部分の内径よりも小さいと共に、各管部分が他の管部分における軸方向に沿って引っ張られ又は収縮され、又は、前記第一開口から前記第二開口までの方向における第一管部分の内径、第二管部分の外径と内径、及び、第三管部分の外径が次第に小さくなると共に、各管部分が他の管部分における軸方向に沿って引っ張られ又は収縮される。
【0092】
ただし、前記管部分は、その数が四個である場合に、前記第一開口から前記第二開口までの方向における第一管部分の内径と第三管部分の内径とが同じであり、第二管部分の内径と第四管部分の内径とが同じであり、ただし、前記第二管部分の内径が前記第一管部分よりも小さいと共に、各管部分が他の管部分における軸方向に沿って引っ張られ又は収縮され、又は、前記第一開口から前記第二開口までの方向における第一管部分乃至第四管部分の内径が次第に小さくなると共に、各管部分が他の管部分における軸方向に沿って引っ張られ又は収縮される。
【0093】
本発明は、七番目の目的に記載の薬物受容装置を含み、管状部材をさらに含み、前記管状部材は、二つの端部開口及び内部チャンバーを有し、その一つの端部開口を第一開口として、もう一つの端部開口を第二開口とすると、前記内部チャンバーが前記第一開口及び前記第二開口に連通し、前記薬物受容装置は、前記第一開口に近いように、前記内部チャンバーに設けられ、薬物粒子・多粒子剤を載置するための空間と前記第二開口とを連通させ、前記第一開口の直径が前記薬物受容装置の最小直径よりも小さい、経口投与薬物送達装置を提供することを七番目の目的とする。
【0094】
本発明では、第一開口の直径が薬物受容装置の最小直径よりも小さいように制限することにより、前記薬物受容装置が、如何な場合でも、前記管状部材の第一開口から落下することなく、前記内部チャンバーに維持される。本発明では、好ましくは、前記第二開口の直径は、前記薬物受容装置の最小直径よりも小さい。
【0095】
本発明では、好ましくは、前記第二開口に、開口を閉じるための先端蓋がさらに設けられる。そうすると、経口投与薬物送達装置が薬物を載置している場合には、たとえ運搬の過程に、揺れやひっくり返しが発生してしまう場合でも、薬物粒子・多粒子剤が第二開口から漏れてしまうことがないように保証することができる。本発明では、管状部材の構成についての詳しい説明がが、八番目の目的に記載のものと同じである。
【0096】
当業者が理解するべきところは、本発明において、「第一開口」、「第二開口」、「第一管部分」、「第二管部分」、「第三管部分」、「第四管部分」等についての記載は、便宜上の説明に過ぎず、特定する位置や順番を限定するものとして理解されるべきではない。
【0097】
本分野の常識に合致している上で、上記した各好ましい条件を任意にして組み合わせると、本発明の各好ましい実施例を取得することができる。本発明に採用される試薬や素材は、いずれも、市販されているものである。
【発明の効果】
【0098】
本発明に係る積極的な進歩や効果は以下の通りである。
本発明に係る薬物受容装置は、薬物粒子が漏れてしまい、また、吸い取り時に流体の抵抗力が大きいという問題を良く解決して、管状部材と共に形成した経口投与薬物送達装置が、そのまま、薬物と直接に接触する薬品包装として利用され得るため、保存という機能を有する。本発明に係る経口投与薬物送達装置によると、使用の際に、検測を経たところ、ストローの長さが20cmである場合に、ストローに満たされている液体が重力だけによる作用で、排除されきる時間が12秒よりも短いと分かる。
【図面の簡単な説明】
【0099】
【
図1】実施例1に係る薬物受容装置における支持手段及び濾過手段の構成の模式図である。
【
図2】実施例1に係る薬物受容装置における支持手段及び濾過手段を組み立てた模式図である。
【
図3】実施例1に係る薬物受容装置とストローとを組み立て、内蔵式の経口投与薬物送達装置を形成する構成の模式図である。
【
図4】実施例2に係る薬物受容装置における支持手段及び濾過手段の構成の模式図である。
【
図5】実施例2に係る薬物受容装置における支持手段及び濾過手段を組み立た模式図である。
【
図6】実施例2に係る薬物受容装置とストローとを組み立て、内蔵式の経口投与薬物送達装置を形成する模式図である。
【
図7】実施例1~3に係る内蔵式の経口投与薬物送達装置がストローと共に使用される時の模式図である。
【
図8】実施例4に係る薬物受容装置における濾過手段受容手段、濾過手段及び薬物受容手段の構成の模式図である。
【
図9】実施例4に係る薬物受容装置における濾過手段受容手段、濾過手段及び薬物受容手段を組み立てた模式図である。
【
図10】実施例4に係る薬物受容装置とストローとを組み立て、外部設置式の経口投与薬物送達装置を形成する模式図である。
【
図11】実施例4に係る外部設置式経口投与薬物送達装置がストローと共に使用される時の模式図である。
【
図12】実施例に係る濾過手段における内部通路が規則的でなく、千鳥状で構成される断面図である。
【
図13】実施例8に係る薬物受容装置の構成の模式図である。
【
図14】実施例8に係る経口投与薬物送達装置の構成の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0100】
実施例1(水溶性を持った高分子材料層+内蔵)
図1~3に示すように、穴径が150μm、厚さが0.2mm、材質がポリプロピレンである濾過膜を、直径が1cmの円形状シートに切断する。上記した濾過膜を、10%ヒドロキシプロピルメチルセルロースE3溶液に置いて浸してから、オーブンで乾燥させる。乾燥の後には(重さが6.4mg/cm
2だけ増やされ)、それを、直径が1cm、厚さが3mmである二つのポリエチレン円形状シート間に置いて、二つのポリエチレン円形状シートに、上下に透過する2mm×2mmという網目がいっぱいとなるようにする。ただし、一つのポリエチレン円形状シートの表面には、直径が2mmである四つの突起があり、もう一つのポリエチレン円形状シートの表面における対称位置には、直径が2mmである四つの窪みがあり、二つの円形状シートは、凹凸という構成による機械的な係合により、濾過膜を間にしっかりと固定して、薬物受容装置を組み立てる。この装置を、液体と接触する一端に位置する管口より、内径が1.05cmであり折り目を付けるストローに置いてから、管口を内側へ折ると、薬物受容装置をストローに収容することになる。
【0101】
実施例2(千鳥状とされる通路構成+内蔵)
図4~6に示すように、穴径が300μm、厚さが6mm、材質がポリプロピレンである濾過膜を、(濾過膜には、千鳥状となり規則的でない通路を設置している)(
図12は、
図4及び
図8において、濾過手段における内部通路の構成の模式図である)直径が8mmである円柱に切断する。上記した円柱状とされる濾過膜を、内部チャンバーの直径が8.1mm、高さが6mmであり、円筒状とされる濾過膜受容装置に置く。筒底及び筒蓋には、上下に透過する2mm×2mmという網目がいっぱいある。筒蓋は、機械的な係合により筒胴体に固定され、濾過膜を包む。そして、薬物受容装置が組み立てられる。この装置を、接触液体と接触する一端に位置する管口より、内径が1.2cmであり折り目を付けるストローに置いてから、管口を内側へ折ると、薬物受容装置をストローに収容することになる。
【0102】
実施例3(千鳥状とされる通路構成+水溶性を持った高分子材料層+内蔵)
図1~3に示すように、穴径が300μm、厚さが1.5mm、材質がポリプロピレンの濾過膜を(濾過膜には、千鳥状となり規則的でない通路を設置している)、直径が1cmである円形状シートに切断する。上記した濾過膜を、10%ヒドロキシプロピルメチルセルロースE3の溶液に置いて浸してから、オーブンで乾燥させる。乾燥の後は(重さが25.5mg/cm
2だけ増やされる)、それを、直径が1cm、厚さが3mmである二つのポリエチレン円形状シート間に置く。二つのポリエチレン円形状シートには、上下に透過する2mm×2mmという網目がいっぱいある。ただし、一つのポリエチレン円形状シートの表面には、直径が2mmである凸起があり、もう一つのポリエチレン円形状シートの表面における対称位置には、直径が2mmである四つの窪みがあり、二つの円形状シートは、凹凸という構成による機械的な係合により、濾過膜を間にしっかりと固定して、薬物受容装置を組み立てる。この装置を、液体と接触する一端に位置する管口より、内径が1.05cmであり折り目を付けるストローに置いてから、管口を内側へ折ると、薬物受容装置をストローに収容することになる。実施例1、実施例2及び実施例3に係る装置は、使用の際に、その構成の模式図が
図7に示される。
【0103】
実施例4(千鳥状とされる通路構成+外部設置)
図8~11に示すように、穴径が100μm、厚さが2mm、材質がポリプロピレンである濾過膜を、(濾過膜には、千鳥状となり規則的でない通路を設置している)、直径が12mmである円形状シートに切断する。射出形成というプロセスを用いて、濾過手段における受容手段及び薬物受容手段を製造する。上記した濾過手段受容手段は、内径が12.1mm、内部の高さが4mmであり円筒状とされる構成であり、筒底部に直径が8mmであり、上下に透過する円穴がある。上記した薬物受容手段は、内径が9.1mmであり、内部の高さが1.5cmであり円筒状とされる構成である。濾過膜を、濾過手段受容手段の筒状構成に置いてから、薬物受容手段の下端を上面に押さえつけ、両者について、機械構成による係合に基づいて、濾過膜を間に固定して、薬物受容装置を取得する。そして、薬物受容装置の上端を、折り目を付けるストロー(内径が8.6mm)における液体と接触する一端に位置する管口に接続させる。504.1mgだけの熱溶解造粒に基づくメシレートダビガトランエテキシレート粒子(75mgだけダビガトランエテキシレートを含み、粒径分布が表1に示される)を、ストローの上端を介して、上記した薬物受容装置に充填すると、粒子が薬物受容装置を通過して漏れてしまうことがない。使用時には、ストローにおける薬物受容装置を付けた一端を、液体内に置くと、患者が吸い取りにより液体をストローに吸い込み、液体が円滑に薬物受容装置を通過しながらメシレートダビガトランエテキシレート粒子を、患者の口へ押し出して、薬物服用が終わる。
【0104】
【0105】
実施例5(千鳥状とされる通路構成+水溶性を持った高分子材料層+外部設置)
図8~11に示すように、穴径が300μm、厚さが1.5mm、材質がポリプロピレンである濾過膜(濾過膜には、千鳥状となり規則的でない通路を設置している)を、直径が12mmである円形状シートに切断する。上記した濾過膜を、10%KillidonVA64(コポビドン)エタノール溶液に置いて浸してから、オーブンで乾燥させ、乾燥の後に、重さが16.0mg/cm
2だけ増やされる。射出形成というプロセスを用いて、濾過手段における受容手段及び薬物受容手段を製造する。上記した濾過手段受容手段は、内径が12.1mm、内部の高さが4mmであり円筒状とされる構成であり、筒底部に直径が8mmであり上下に透過する円穴を有する。上記した薬物受容手段は、内径が9.1mm、内部の高さが1.5cmであり円筒状とされる構成である。濾過膜を濾過手段受容手段の筒状構成に置いてから、薬物受容手段の下端を上面に押さえつけ、両者について、機械構成による係合に基づいて、濾過膜を間に固定して、薬物受容装置を取得する。そして、薬物受容装置の上端を、折り目を付けるストロー(内径が8.6mm)における液体と接触する一端に位置する管口に接続させる。粒径範囲が75μm-150μmである500mgだけのD-マンニトールの丸芯を、ストローの上端を介して、上記した薬物受容装置の円筒に充填すると、微細な丸い薬物が薬物受容装置を通過して漏れてしまうことがない。
【0106】
実施例6(水溶性を持った高分子材料層+外部設置)
図8~11に示すように、穴径が250μm、厚さが0.3mm、材質がポリプロピレンの濾過膜を、直径が12mmである円形状シートに切断する。上記した濾過膜を、10%KillidonVA64(コポビドン)エタノール溶液に置いて浸してから、オーブンで乾燥させ、乾燥の後には、重さが8.9mg/cm
2だけ増やされる。射出形成というプロセスを用いて、濾過手段における受容手段及び薬物受容手段を製造する。上記した濾過手段受容手段は、内径が12.1mm、内部の高さが3mmであり円筒状とされる構成であり、筒底部には、直径が8mmであり、上下に透過する円穴を有する。上記した薬物受容手段は、内径が9.1mm、内部の高さが1.5cmであり円筒状とされる構成である。濾過膜を、濾過手段受容手段の筒状構成に置いてから薬物受容手段の下端を上面に押さえつけ、両者について、機械構成による係合に基づいて、濾過膜を互いに固定して、薬物受容装置を取得する。そして、薬物受容装置の上端を、折り目を付け(内径が8.6mm)液体と接触する一端に位置する管口に接続させる。
【0107】
実施例7(千鳥状とされる通路構成+外部設置)
実施例4に係る薬物受容装置は、長さ全体が20cm、内径が8.6mm、折り目の長さが4cmであるストローと共に組み立てられる。薬物受容装置の下端を手で塞ぎ、上端よりストローを液体で満たすと、重力の作用により、装置における液体を排除しきる時間が約2秒乃至3秒となる。
【0108】
実施例8(水溶性を持った高分子材料層+外部設置)
図13~14に示すように、射出形成というプロセスを用いて、薬物受容装置を製造する。上記した薬物受容装置は、内径が9mm、高さが2cm、肉厚が1mmであり円筒状とされる構成であり、筒底部には、内径が9mm、上下に透過する複数の穴径が200μmのメッシュ篩を有し、筒口内壁には、外部からストローを接続するように、突出している二重の環状構成が設けられる。7.5%HPMCE3水溶液を、筒底の内面に塗布して、乾燥させ、重さが17.7mg/cm
2だけ増やされ、薬物受容装置を取得する。
【0109】
実施例9(千鳥状とされる通路構成+外部設置)
図8~11に示すように、穴径が100μm、厚さが2mm、材質がポリプロピレンである濾過膜(濾過膜には、千鳥状となり規則的でない通路を設置している)を、直径が16mmである円形状シートに切断する。射出形成というプロセスを用いて、濾過手段における受容手段及び薬物受容手段を製造する。上記した濾過手段受容手段は、内径が16.1mm、内部の高さが4mmであり円筒状とされる構成であり、筒底部には、直径が12mmであり上下に透過する円穴を有し、上記した薬物受容手段は、内径が12.5mm、内部の高さが1.5cmであり円筒状とされる構成である。濾過膜を濾過手段受容手段の筒状構成に置いてから、薬物受容手段の下端を上面に押さえつけ、両者について、機械構成による係合に基づいて、濾過膜を間に固定して、薬物受容装置を取得する。そして、薬物受容装置の上端を、折り目を付けるストロー(内径が12mm)における液体と接触する一端に位置する管口に接続させる。320mgのオメプラゾール腸溶コーティング多粒子剤(20mgのオメプラゾールを含み)、1334mgのアモキシシリン粒子(1000mgアモキシシリンを含み)及び840mgのクラリスロマイシン粒子(500mgのクラリスロマイシンを含み)を、ストローの上端を介して、薬物受容装置に充填すると、多粒子剤又は粒子が薬物受容装置を通過して漏れてしまうことがない。使用時には、ストローにおける薬物受容装置を付けた一端を液体内に置いて、患者が吸い取りにより液体をストローに吸い込み、液体が円滑に薬物受容装置を通過しながら上記した多粒子剤を患者の口へ押し出して、薬物服用が終わる。ただし、オメプラゾール腸溶コーティング多粒子剤は、その粒径範囲が0.25-0.355mmにある。アモキシシリン粒子及びクラリスロマイシン粒子は、それらの粒径分布が、表2及び表3に示される。
【0110】
【0111】
【0112】
実施例10(千鳥状とされる通路構成+内蔵)
本実施例は、実施例2に係る構成及び他のパラメータとそれぞれ同じであり、得られる漏れ防止という效果は同じであるが、相違は、実施例2に係る濾過膜を、スポンジ状のような多孔質とされる構成に代わることにより、規則的ではなくかつ千鳥状とされる構成が得られるということにある。
【0113】
実施例11(千鳥状とされる通路構成+外部設置)
本実施例は、実施例4に係る構成及び他のパラメータとそれぞれ同じであり、得られる漏れ防止という效果は同じであるが、相違は、実施例4における濾過膜を、複数の繊維層により規則的に重なり合うように配列され、押さえつけられることにより形成される緻密でない構成に代わることにより、規則的ではなくかつ千鳥状とされる構成が得られるということにある。
【0114】
以上に本発明における具体的な実施形態を説明したが、当業者にとって理解するべきところは、これらが例示的な説明に過ぎず、本発明に係る原理及び実質内容を逸脱しない限り、これらの実施形態について、多種多様な変更や補正も可能である。従って、本発明による保護の範囲は、添付されている請求の範囲に準ずる。
【符号の説明】
【0115】
1a 下方支持手段
1b 濾過手段
1c 上方支持手段
2a 組み立て前
2b 組み立て後
4a 籠状支持手段
4b 濾過手段
4c 籠状支持手段の上蓋
7a 吸い取り前
7b 吸い取り後
8a 濾過手段受容手段
8b 濾過手段
8c 薬物受容手段
9a 組み立て前
9b 組み立て後
11a 吸い取り前
11b 吸い取り後