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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-19
(45)【発行日】2024-03-28
(54)【発明の名称】排熱ファンシステム
(51)【国際特許分類】
   H05K 7/20 20060101AFI20240321BHJP
   F04D 29/64 20060101ALI20240321BHJP
   G06F 1/20 20060101ALI20240321BHJP
【FI】
H05K7/20 H
F04D29/64 E
G06F1/20 C
G06F1/20 B
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2022168856
(22)【出願日】2022-10-21
【審査請求日】2022-10-24
(73)【特許権者】
【識別番号】599052004
【氏名又は名称】株式会社コスミックエンジニアリング
(74)【代理人】
【識別番号】100086092
【弁理士】
【氏名又は名称】合志 元延
(72)【発明者】
【氏名】野中 治
【審査官】五貫 昭一
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-218284(JP,A)
【文献】特開2003-37385(JP,A)
【文献】特開2018-148149(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0055170(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 7/20
F04D 29/64
G06F 1/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐状をなす電子機器について、その側面から排気すべく、排熱冷却用のファンユニットが脱着可能に収納,配置されており、
該ファンユニットは、ファンの向きそして風向きを、予め左向きと右向きとに切替可能,変更可能であり、もって、該電子機器の左右側面のいずれからも、排気可能となっており、
該電子機器は、側面に排気口を備えており、該ファンユニットは、該ファンが該排気口に対応位置すべく配置され、電源ユニットに対し、該ファンの向きそして風向きを、左向きと右向きとに切替可能,変更可能に、取付けられており、かつ、該電源ユニットと共に該電子機器の側部に収納,配置され、
該電子機器は、映像信号及び/又は音声信号を信号処理する放送機器よりなり、正面に吸気口を備えており、
該ファンユニットと該電源ユニットは、該放送機器に前方から脱着可能であり、該電源ユニットは、少なくとも前面に吸気口を備え、上面に該放送機器内への排気口を備えており、もって、該排熱ファンシステムによる排熱冷却は、該電源ユニットについても実施されること、を特徴とする排熱ファンシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、排熱ファンシステムに関する。放送機器の内部熱を排熱冷却する、排熱ファンシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
《技術的背景および従来技術》
電子機器は、使用に伴い発熱し易く、熱対策が重要なテーマとなっている。もって排熱ファンシステムが、広く採用されている。
例えば放送機器では、内部熱をファンで排気して排熱冷却する、排熱ファンシステムが使用されている。
【0003】
図5の(2)図,(3)図は、このような排熱ファンシステム3の従来例,代表例を示す。
筐状をなす放送機器1その他の電子機器は、図示したように左側面に又は右側面に、もしくは図示によらず両側面に、排気口2を備えており、従来は、排熱ファンシステム3のファン3’が、それぞれこのような排気口2に対応位置して、固定配置されていた。
もって、吸気口4から吸気し、排気口2から排気,排熱する、空気の流れFが形成されるようになっていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
電子機器の一例である放送機器1としては、例えば、次の特許文献1に示されたものが挙げられる。
【文献】特開2022-65262号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、このような従来の排熱ファンシステム3については、次の問題が課題として指摘されていた。
第1に、左右で専用のファン3’が必要となっていた。
図5の(2)図に示したように、放送機器1その他の電子機器の左側面の排気口2には、その向きそして風向きが左向きの専用ファン3’が、使用,配置されていた。又、図5の(3)図に示したように、右側面の排気口2には、その向きそして風向きが右向きの専用ファン3’が、使用,配置されていた。
すなわちファン3’は、風向きが一定方向である。もって従来、左方向に排気,排熱する放送機器1等の場合は、それに合わせ、向きそして風向きが左向きの専用ファン3’が、使用,配置されていた。
右方向に排気,排熱する放送機器1等の場合は、それに合わせ、向きそして風向きが右向きの専用ファン3’が、使用,配置されていた。
このように、従来の排熱ファンシステム3では、左右で異なる風向きのファン3’が用いられていた。左右共通化,共通使用化,1種類化は困難であった。
【0006】
第2に、製造コストや保守コストに、問題が指摘されていた。
上述したように、従来の排熱ファンシステム3では、左向き用のファン3’と、右向き用のファン3’とが、用いられていた。個別に2種類の専用ファン3’が、用いられていた。
もって、その分だけ、従来の排熱ファンシステム3は、製造コストが嵩んでいた。又、故障対応用つまり修理や交換用として、2種類のファン3’を準備することを要し、その分だけ保守コストが嵩んでいた。
【0007】
第3に、簡単,容易,迅速な作業が、望まれていた。
放送機器1その他の電子機器は、長期安定運用のニーズが強いが、ファン3’は有寿命であり、修理や交換の必要が生じることも多い。そして、簡単,容易,迅速な修理作業や交換作業が望まれていたが、作業に支障が生じることが多々あった。
例えば、従来の排熱ファンシステム3のファン3’は、放送機器1等内に固定配置されており、現場での修理作業や交換作業が困難化することも多かった。
故障対応の修理や交換のため、放送機器1等ごと現場から持ち帰ることも多く、その間、放送機器1等が長期間使用不能となる、という指摘があった。
【0008】
《本発明について》
本発明の排熱ファンシステムは、このような実情に鑑み、上記従来技術の課題を解決すべくなされたものである。
そして本発明は、第1に、ファンが左右共通化,共通使用化,1種類化され、第2に、もって製造コストや保守コストに優れ、第3に、作業も簡単,容易,迅速化される、排熱ファンシステムを提案することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
《請求項について》
このような課題を解決する本発明の技術的手段は、特許請求の範囲の請求項1に記載したように、次のとおりである。
この排熱ファンシステムは、筐状をなす電子機器について、その側面から排気すべく、排熱冷却用のファンユニットが、脱着可能に収納,配置されている。
そして該ファンユニットは、ファンの向きそして風向きを、予め左向きと右向きとに切替可能,変更可能であり、もって、該電子機器の左右側面のいずれからも、排気可能となっている。
【0010】
該電子機器は、その側面に排気口を備えている。該ファンユニットは、該ファンが該排気口に対応位置すべく配置される。そして電源ユニットに対し、該ファンの向きそして風向きを、左向きと右向きとに切替可能,変更可能に、取付けられている。該ファンユニットは、該電源ユニットと共に該電子機器の側部に、収納,配置される。
【0011】
該電子機器は、映像信号及び/又は音声信号を信号処理する放送機器よりなる。そして正面に吸気口を備えている。
【0012】
該ファンユニットと該電源ユニットは、該放送機器に前方から脱着可能である。該電源ユニットは、少なくとも前面に吸気口を備え、上面に該放送機器内への排気口を備えている。もって、該排熱ファンシステムによる排熱冷却は、該電源ユニットについても実施されること、を特徴とする。
【0013】
《作用等について》
本発明は、このような手段よりなるので、次のようになる。
(1)本発明の排熱ファンシステムは、放送機器について、ファンユニットが、脱着可能に収納,配置される。放送機器の側面の排気口に、ファンユニットのファンが、対応位置すべく配置される。
(2)ファンユニットは、電源ユニットに取付けられており、電源ユニットと共に放送機器の側部に配置される。
(3)そして、左右両側面に排気口を備えた放送機器については、ファンユニットと電源ユニットは、その左右両側部に配置される。
(4)又、左右いずれか一方の側面のみに排気口を備えた放送機器については、ファンユニットと電源ユニットは、同じ左右いずれか一方の側部に配置される。
(5)さて、本発明の排熱ファンシステムのファンユニットは、ファンの向きそして風向きを、予め左向きと右向きとに、切替可能,変更可能となっている。
もって、放送機器の左右の側面のいずれの排気口からも、排気可能,排熱可能となっている。
(6)すなわちファンユニットは、電源ユニットに対し、ファンの向きそして風向きを、切替可能,変更可能に取付けられている。
そして、このようなファンの向きそして風向き変更は、連結部材による電源ユニットへの取付けを一旦解いて、左右反転することにより行われる。
(7)従って、本発明の排熱ファンシステムは、左右いずれから排気,排熱する放送機器にも、共通に使用可能である。
なお電源ユニットも、所定の吸気口と排気口とを備えており、その排熱冷却も実施される。
(8)このように、この排熱ファンシステム,ファンユニット,ファンは、左右共通化,共通使用化,1種類化される。
(9)そして作業も、ユニット化により簡単,容易、迅速である。
すなわち放送機器に、簡単,容易,迅速な作業にて脱着,収納,配置される。又、ファンの向きそして風向きの切替,変更も、前記項目(6)のように、簡単,容易,迅速な作業により行われる。更に、故障対応の修理作業や交換作業も、同様に簡単,容易,迅速に行われる。
【発明の効果】
【0014】
《第1の効果》
第1に、ファンが左右共通化,共通使用化,1種類化される。
本発明の排熱ファンシステムは、ファンユニットのファンの向きそして風向きを、切替可能,変更可能である。もって放送機器について、左右のいずれからも排気,排熱可能である。
左方向に排気,排熱する放送機器にも、又、右方向に排気,排熱する放送機器にも、更に、両方向に排気,排熱する放送機器にも、この排熱ファンシステム,ファンユニット,ファンは、共通に使用可能である。
前述したこの種従来例のように、左方向への排気,排熱専用のファンと、右方向への排気,排熱専用のファンとを、必要としなくなる。
このように、この排熱ファンシステムでは、ファンの左右共通化,共通使用化,1種類化が実現される。
【0015】
《第2の効果》
第2に、もって製造コストや保守コストに優れている。
本発明の排熱ファンシステムでは、上述したように、ファンユニットのファンが、左右共通化,共通使用化,1種類化される。
もって、2種類のファンが用いられていた前述したこの種従来例に比べ、ファンについて製造コストが半減される。又、ファンの故障対応用つまり修理や交換用に、ファンを予備に準備する保守コストも半減される。
このように、この排熱ファンシステムは、製造コストや保守コストに優れている。
【0016】
《第3の効果》
第3に、作業も簡単,容易,迅速化される。
本発明の排熱ファンシステムは、ファンユニットが電源ユニットに取付けられており、放送機器に対し、簡単,容易,迅速な作業により、脱着,収納,配置される。
なお電源ユニットも、所定の吸気口と排気口とを備えており、その排熱冷却も実施される。
又、ファンの向きそして風向きの切替,変更は、電源ユニットへの取付け固定を解いて、左右反転することにより、簡単,容易,迅速な作業により行われる。
更に放送機器は、長期間安定運用のニーズが強い。これに対し、ファンユニット,ファンの故障対応は、上述により、現場での修理作業や交換作業が、簡単,容易,迅速に可能となる。もって、ファンの故障に起因して、放送機器が長期間使用不能となる事も、大幅に解消される。
このように、この種従来技術に存した課題がすべて解決される等、本発明の発揮する効果は、顕著にして大なるものがある。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明に係る排熱ファンシステムについて、発明を実施するための形態の説明に供し、ファンユニットのファンの向きそして風向きが、左向きの場合に関する。そして、(1)図は平面図、(2)図は左側面図、(3)図は背面図、(4)図は正面図である。
図2】同発明を実施するための形態の説明に供し、ファンユニットのファンの向きそして風向きが、右向きの場合に関する。そして、(1)図は平面図、(2)図は右側面図、(3)図は正面図、(4)図は背面図である。
図3】同発明を実施するための形態の説明に供し、(1)図は、ファンユニットの斜視図、(2)図は、電源ユニットの斜視図である。
図4】同発明を実施するための形態の説明に供し、排熱ファンシステムが収納,配置された放送機器を示し、(1)図は平面説明図、(2)図は正面説明図である。
図5】(1)図は、ファンの回転方向と風向き等を示す斜視説明図である。(2)図,(3)図は、従来例の排熱ファンシステムの説明に供する平面説明図であり、(2)図は従来例1を、(3)図は従来例2を示す。
図6】同発明を実施するための形態の説明に供し、ファンユニットの写真である。そして、(1)図はその正面側、(2)図はその背面側、(3)図はその底面側を示す。
図7】同発明を実施するための形態の説明に供し、ファンユニットのファンの向きそして風向きが、左向きの場合に関する。 そして、ファンユニットと電源ユニットとが、(1)図は連結,取付け前、(2)図は連結,取付け後、(3)図は、放送機器の左側部に対し差込み,収納途中の段階を示す。
図8】同発明を実施するための形態の説明に供し、ファンユニットのファンの向きそして風向きが、右向きの場合に関する。 そして、ファンユニットと電源ユニットとが、(1)図は連結,取付け前、(2)図は連結,取付け後、(3)図は、放送機器の右側部に対し差込み,収納された段階を示す。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明について、図面を参照して、詳細に説明する。
《本発明の概要》
まず、本発明の概要については、次のとおり。
この排熱ファンシステム5は、筐状をなす放送機器1について、その側面6から排気すべく、排熱冷却用のファンユニット7が、脱着可能に収納,配置されている。
そしてファンユニット7は、ファン8の向きそして風向きAを、予め左向きと右向きとに切替可能,変更可能であり、もって、放送機器1の左右の側面6のいずれからも、排気可能となっている。
なお、ファンユニット7が取付けられる電源ユニット13も、所定の吸気口14と排気口15を備えており、その排熱冷却も実施される。
本発明の概要については、以上のとおり。以下、このような本発明について、更に詳述する。
【0019】
《放送機器1等について》
まず、本発明の前提となる放送機器1その他の電子機器について、図4を参照して一般的に説明する。
電子機器は、広く各種の制御回路,電子回路,電気回路等よりなるが、本発明の対象とする電子機器は筐状をなし、使用に伴い内部発熱し易く、内部熱の排熱冷却が重要なテーマとなっている。
放送機器1は、その代表例である。もって以下、本発明の使用対象として、放送機器1について説明する。
放送機器1は、例えばテレビ局のスタジオで使用される。そして、入力された映像信号及び/又は音声信号を、信号処理して出力する。すなわち、選択,切換,分配,変換,ルーティング,その他各種の信号処理を行う。
そして放送機器1は、筐状をなし、例えば折曲されたアルミ製よりなり、側面6,頂面9,底面10,正面11,背面12、等を備えている。
図4の図示例では、正面11に吸気口4を備えている。左側面6に左排気口2を備え、右側面6に右排気口2を備えている。
なお、図示例のように左右両側面6,6にそれぞれ左右排気口2,2を備えることなく、左側面6のみに左排気口2を備える例や、右側面6のみに右排気口2を備える例も可能である。
いずれにしても、側面6に排気口2を備え、少なくとも正面11に吸気口4を備えている。
放送機器1等の電子機器について、一般的な説明は以上のとおり。
【0020】
《排熱ファンシステム5のファンユニット7について》
本発明の排熱ファンシステム5は、このような放送機器1その他の電子機器について、その排熱冷却用に使用される。
以下、排熱ファンシステム5のファンユニット7について、図1図5の(1)図を参照して説明する。
ファンユニット7は、電源ユニット13に取付けられており、電源ユニット13と共に放送機器1の側部に、脱着可能に収納,配置される。図示例のファンユニット7と電源ユニット13は、放送機器1の前方から脱着可能である。
【0021】
《ファンユニット7の詳細》
ファンユニット7について、更に詳述する。図示のファンユニット7は、2個のファン8を備えている(図3の(1)図,図6を参照)。
電源ユニット13は、放送機器1およびファン8の電源として使用される。そして電源ユニット13のパッケージは、少なくとも前面に吸気口14を備え、上面に放送機器1内への排気口15を備えている。
もって、この排熱ファンシステム5による排熱冷却は、放送機器1のみならず電源ユニット13についても実施される(図1の(1)図,(4)図,図2の(1)図,(3)図,図3の(2)図,図4図7の(1)図,(2)図,図8の(1)図,(2)図等を参照)。16は電源のスイッチである。
【0022】
ファンユニット7は電源ユニット13に、連結部材17にて取付けられている。18は、電源ユニット13側の連結受けである(図1図2図7の(1)図,図8の(1)図等を参照)。
連結部材17は、ファンユニット7の底面から凸状に突出形成され、連結受け18は、電源ユニット13の端部上面に凹状形成されており、両者が連結時に密嵌着される。19は、連結部材カバーである(図6の(2)図を参照)。
ファンユニット7は、電源ユニット13と共に、放送機器1の側部内に、脱着可能に収納,配置される。そしてファン8が、放送機器1の側面6の排気口2に対応位置すべく配置され、放送機器1の排気口2から排気すべく配置される(図4の(1)図を参照)。
【0023】
図4の図示例については、次のとおり。図4の放送機器1は、左右両側面6,6にそれぞれ左右排気口2,2を備えており、排熱ファンシステム5のファンユニット7と電源ユニット13は、放送機器1内の左右両側部に、それぞれ脱着可能に収納,配置されている。
因に、このように電源ユニット13が二重化されているので、もしも一方が故障するようなことがあっても、他方により、全体の電力供給がまかなえ、停止事故が回避されるようになっている。
なお、このような図示例によらず、放送機器1が、左右いずれか一方側の側面6のみに排気口2を備えており、つまり、左側面6のみに左排気口2を備えるか、又は右側面6のみに右排気口2を備えており、もって、排熱ファンシステム5のファンユニット7と電源ユニット13は、放送機器1内の同じ左右いずれか一方側の側部のみに、脱着可能に収納,配置される例も可能である。
【0024】
いずれにしても、正面11等の吸気口4から、側面6の排気口2へと、空気の流れFが形成され、もって内部熱の排気、排熱が行われる。
因に、図7図8は、上述した図4の図示例のような左右両側の場合についてのステップ段階と、把握することも可能であるが、このような図示例によらず、上述したいずれか一方側のみの場合と、把握することも可能である。つまり、図7が左側の例で、図8が右側の例として、把握することも可能である。
【0025】
《ファン8の向きそして風向きAの変更について》
排熱ファンシステム5のファンユニット7は、ファン8の向きそして風向きAが、予め左向きと右向きとに、切替可能,変更可能である。
もって、放送機器1の左右の側面6のいずれからも、排気可能となっている。これらについて、図1図2図4図5の(1)図等を参照して説明する。
【0026】
ファンユニット7は、電源ユニット13に対し、ファン8の向きそして風向きAを、左向きと右向きとに切替可能,変更可能に、取付けられている。
ファンユニット7は、電源ユニット13上に連結部材17にて、取付けられている。そして、ファンユニット7のファン8の向きそして風向きAの変更は、放送機器1外において、連結部材17による電源ユニット13への取付けを一旦解いて、左右反転することにより行われる。
すなわち、ファンユニット7が連結された電源ユニット13を、放送機器1外に抜き出して、→連結を解き、→ファンユニット7を180度左右反転されてから、→再び電源ユニット13に取付けて、→放送機器1に差し込み、収納することにより、→ファン8の向きそして風向きAが切替、変更される。
【0027】
ファン8について、図中Bは時計方向の回転方向を示し、風向きAは前方方向,一定方向である。
もってファン8の向きを、左向きと右向き間で切替,変更することにより、その風向きAも左向きと右向き間で切替、変更される。
そこで、この排熱ファンシステム5は、このようなファンユニット7のファン8により、放送機器1の左側面6の左排気口2から排気,排熱することも、右側面6の右排気口2から排気,排熱することも、その放送機器1に合わせ自在に可能である。
【0028】
《作用等》
本発明の排熱ファンシステム5は、以上説明したように構成されている。そこで以下のようになる。
(1)排熱ファンシステム5は、放送機器1その他の電子機器について、その側面6から排気すべく、排熱冷却用のファンユニット7が脱着可能に収納,配置される。
放送機器1等は、側面6に排気口2を備えており、ファンユニット7は、ファン8が排気口2に対応位置すべく配置される。
【0029】
(2)ファンユニット7は、電源ユニット13上に連結部材17にて取付けられており、電源ユニット13と共に放送機器1等の側部に、脱着可能に収納,配置される。
【0030】
(3)図4に示した図示例の放送機器1等は、左右両側面6,6にそれぞれ左右排気口2,2を備えており、ファンユニット7と電源ユニット13は、その左右両側部に、それぞれ脱着可能に収納,配置されている。
もって、正面11中央の吸気口4から、左右両側面6,6の左右排気口2,2へと、空気の流れFが形成されて、内部熱の排気,排熱が行われる。
【0031】
(4)このような図示例によらず、左右いずれか一方の側面6のみに排気口2を備えている放送機器1等の場合、ファンユニット7と電源ユニット13は、同じ左右いずれか一方の側部に脱着可能に収納,配置される。
もって、正面11等の吸気口4から、左右いずれか一方の側面6の排気口2へと、空気の流れFが形成されて、内部熱の排気,排熱が行われる。
【0032】
(5)さて、本発明の排熱ファンシステム5において、ファンユニット7は、ファン8の向きそして風向きAを、予め左向きと右向きとに切替可能,変更可能となっている。
もって、放送機器1等の電子機器の左右の側面6のいずれの排気口2からも、排気,排熱可能となっている。
【0033】
(6)すなわちファンユニット7は、電源ユニット13に対し、ファン8の向きそして風向きAを、左向きと右向きとに切替可能,変更可能に、取付けられている。
そして、このようなファンユニット7のファン8の向きそして風向きAの変更は、放送機器1等外において、連結部材17による電源ユニット13への取付けを一旦解いて、左右反転することにより行われる。
【0034】
(7)以上のように、本発明の排熱ファンシステム5では、ファンユニット7のファン8の向きをそして風向きAを、左向きと右向きとに切替可能,変更可能である。
もって、左右のいずれの排気口2から排気,排熱する放送機器1等にも、共通に使用,配置可能である。
【0035】
(8)このように、本発明の排熱ファンシステム5,ファンユニット7,ファン8は、左右共通化,共通使用化,1種類化される。
【0036】
(9)そして作業も、ユニット化により簡単,容易,迅速である。
すなわち、ファンユニット7は電源ユニット13に取付けられており、電源ユニット13と共に、簡単,容易,迅速な作業にて放送機器1等に脱着,収納,配置される。
又、ファンユニット7のファン8の向きそして風向きAの切替,変更作業も、前述した項目(6)のように、簡単,容易,迅速に行われる。
更に、ファンユニット7故障の際の修理作業や交換作業も、上述に準じ簡単,容易,迅速に行われる。
作用等については、以上のとおり。
【0037】
《参考例:吸気タイプについて》
ところで、本発明の排熱ファンシステム5は、以上説明したように排気タイプに適用されるが、これによらず吸気タイプへ適用することも、本発明には属さない参考例として考えられる。
すなわち、以上説明したように本発明では、放送機器1について、側面6の排気口2から排気すべく、排熱冷却用のファンユニット7が収納,配置され、ファン8の風向きAを予め左向きと右向きとに切替可能,変更可能であり、もって、放送機器1の左右の側面6の排気口2のいずれからも、排気可能となっていた。
これに対し、次のような参考例も可能である。排気ではなく吸気に関する参考例も考えられる。
すなわち、放送機器1について、側面6の吸気口から吸気すべく、排熱冷却用のファンユニット7を収納,配置し、ファン8の風向きAを予め左向きと右向きとに切替可能,変更可能とし、もって、放送機器1の左右の側面6のいずれからも、吸気可能とする参考例も可能である。
なお、このような吸気の参考例の場合、ファン8の向きそして風向きAは、排気の場合の逆に設定される。
【符号の説明】
【0038】
A 風向き
B 回転方向
F 空気の流れ
1 放送機器(電子機器)
2 排気口
左排気口
右排気口
3 排熱ファンシステム(従来例)
3’ファン(従来例)
4 吸気口
5 排熱ファンシステム(本発明)
6 側面
左側面
右側面
7 ファンユニット
8 ファン(本発明)
9 頂面
10 底面
11 正面
12 背面
13 電源ユニット
14 吸気口
15 排気口
16 スイッチ
17 連結部材
18 連絡受け
19 連結部材カバー
【要約】
【課題】第1に、ファンが左右共通化,共通使用化,1種類化され、第2に、もって製造コストや保守コストに優れ、第3に、作業も簡単,容易,迅速化される、排熱ファンシステムを提案する。
【解決手段】この排熱ファンシステム5は、放送機器等の電子機器について、その側面から排気すべく、排熱冷却用のファンユニット7が、脱着可能に収納,配置されている。ファンユニット7は、ファン8の向きそして風向きを、予め左向きと右向きとに切替可能,変更可能であり、もって、放送機器等の左右側面のいずれからも、排気可能となっている。放送機器等は、側面に排気口を備えており、ファンユニット7は、ファン8が排気口に対応位置すべく配置される。そしてファンユニット7は、電源ユニット13に対し、ファン8の向きそして風向きを切替可能,変更可能に、取付けられている。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8