IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社シマノの特許一覧

特許7457458出力装置、コンピュータプログラム、および記憶媒体
<>
  • 特許-出力装置、コンピュータプログラム、および記憶媒体 図1
  • 特許-出力装置、コンピュータプログラム、および記憶媒体 図2
  • 特許-出力装置、コンピュータプログラム、および記憶媒体 図3
  • 特許-出力装置、コンピュータプログラム、および記憶媒体 図4
  • 特許-出力装置、コンピュータプログラム、および記憶媒体 図5
  • 特許-出力装置、コンピュータプログラム、および記憶媒体 図6
  • 特許-出力装置、コンピュータプログラム、および記憶媒体 図7
  • 特許-出力装置、コンピュータプログラム、および記憶媒体 図8
  • 特許-出力装置、コンピュータプログラム、および記憶媒体 図9
  • 特許-出力装置、コンピュータプログラム、および記憶媒体 図10
  • 特許-出力装置、コンピュータプログラム、および記憶媒体 図11
  • 特許-出力装置、コンピュータプログラム、および記憶媒体 図12
  • 特許-出力装置、コンピュータプログラム、および記憶媒体 図13
  • 特許-出力装置、コンピュータプログラム、および記憶媒体 図14
  • 特許-出力装置、コンピュータプログラム、および記憶媒体 図15
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-19
(45)【発行日】2024-03-28
(54)【発明の名称】出力装置、コンピュータプログラム、および記憶媒体
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20240321BHJP
   G06Q 10/20 20230101ALI20240321BHJP
   B62J 99/00 20200101ALN20240321BHJP
【FI】
G06Q50/10
G06Q10/20
B62J99/00
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2019034681
(22)【出願日】2019-02-27
(65)【公開番号】P2020140382
(43)【公開日】2020-09-03
【審査請求日】2021-11-24
【審判番号】
【審判請求日】2023-08-04
(73)【特許権者】
【識別番号】000002439
【氏名又は名称】株式会社シマノ
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 英仁
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 登夫
(72)【発明者】
【氏名】廣冨 真也
(72)【発明者】
【氏名】名合 大輔
(72)【発明者】
【氏名】古家 隆
【合議体】
【審判長】渡邊 聡
【審判官】古川 哲也
【審判官】松田 直也
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-124791(JP,A)
【文献】特開2017-38757(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0150776(US,A1)
【文献】特開2010-280290(JP,A)
【文献】国際公開第2012/056522(WO,A1)
【文献】国際公開第2018/106427(WO,A1)
【文献】特表2003-507261(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q10/00-99/00
B62J99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
人力駆動車の部品を識別する識別データ、前記人力駆動車の走行時の走行情報、および、乗り手の情報を入力した場合に、前記人力駆動車を構成する部の組み合わせに対する評価情報を、学習アルゴリズムによって学習された学習モデルを用いて出力するように構成される処理部を備え、
前記学習モデルは、前記人力駆動車の前記識別データ、前記走行情報、および前記乗り手の情報を入力とし、前記人力駆動車の走行時の乗り手の快適度を示す値、および、前記人力駆動車の構成に対して与えられた評価を示す値の少なくともいずれか1つを、前記評価情報として出力とした、入力および出力の組みあわせを教師データとして用いて学習されている、出力装置。
【請求項2】
人力駆動車の走行時の走行情報、前記人力駆動車の乗り手のカテゴリー、および、前記人力駆動車の車体または部品の車両情報を入力した場合に、前記人力駆動車を構成する部品として推奨される部品の提案情報を、学習アルゴリズムによって学習された学習モデルを用いて出力するように構成される処理部を備え
前記乗り手のカテゴリーはタイプを含み、
前記学習モデルは、前記人力駆動車の走行時の走行情報、前記人力駆動車の乗り手のカテゴリー、および、前記人力駆動車の車体または部品の車両情報を入力とし、推奨される部品を特定する情報を出力とした、入力及び出力の組み合わせを教師データとして用いて学習されている、出力装置。
【請求項3】
人力駆動車の車体または部品の寸法情報、および、前記人力駆動車の乗り手による前記人力駆動車の過去の走行時の走行情報の少なくともいずれか1つを入力した場合に、前記人力駆動車の走行時の乗り手による前記人力駆動車への人力駆動力の入力位置に関する提案情報を、学習アルゴリズムによって学習された学習モデルを用いて出力するように構成される処理部を備え、前記提案情報は、前記人力駆動車のペダルに対する乗り手のシューズの位置に関する情報を含み、前記学習モデルは、入力および出力の組み合わせを教師データとして用いて学習されている、出力装置。
【請求項4】
前記提案情報は、前記人力駆動車の乗り方に関する情報である、請求項3に記載の出力装置。
【請求項5】
前記提案情報は、前記シューズに対して前記シューズに取り付けられるクリートの前記シューズに対する位置の修正に関する情報を含む、請求項3又は4に記載の出力装置。
【請求項6】
前記学習モデルは、前記人力駆動車の乗り手と異なる特定の乗り手の所定コースの走行時のタイムレコードに基づくラベルが付与された教師データを用いて学習され、
前記処理部は、前記人力駆動車が前記所定コースを走行することによって得られる前記人力駆動車の実走タイムレコードを前記学習モデルに入力することによって、前記乗り手による人力駆動車への人力駆動力の入力位置に関する提案情報、および、前記乗り手の身体の傾斜の大小の評価情報の少なくともいずれか1つを出力する、請求項3から5のいずれか一項に記載の出力装置。
【請求項7】
前記学習モデルは、前記教師データに、乗り手の快適度に基づくラベルを付与して学習され、
前記処理部は、前記人力駆動車が所定コースを走行することによって得られる実走快適度を入力に加えて前記学習モデルに入力することによって、評価情報および提案情報の少なくともいずれか1つを出力する、請求項1から請求項のいずれか一項に記載の出力装置。
【請求項8】
前記提案情報は、前記人力駆動車の走行時の走行情報に含まれるペダルへの荷重および角度の少なくともいずれか1つに基づいて前記荷重および角度の少なくともいずれか1つの変化が所定範囲になるように出力される、請求項に記載の出力装置。
【請求項9】
前記学習モデルは、前記人力駆動車の構成毎に準備されており、
前記処理部は、前記人力駆動車の構成毎に学習モデルを選択する、請求項1から請求項のいずれか一項に記載の出力装置。
【請求項10】
人力駆動車の部品を識別する識別データ、前記人力駆動車の走行時の走行情報、および、乗り手の情報を入力した場合に、前記人力駆動車を構成する各部品に対する評価情報を、学習アルゴリズムによって学習された学習モデルを用いて出力する処理を、コンピュータに実行させ、
前記学習モデルは、前記人力駆動車の前記識別データ、前記走行情報、および前記乗り手の情報を入力とし、前記人力駆動車の走行時の乗り手の快適度を示す値、および、前記人力駆動車の構成に対して与えられた評価を示す値の少なくともいずれか1つを出力とした、入力および出力の組みあわせを教師データとして用いて学習されている、コンピュータプログラム。
【請求項11】
人力駆動車の走行時の走行情報、前記人力駆動車の乗り手のカテゴリー、および、前記人力駆動車の車体または部品の車両情報を入力した場合に、前記人力駆動車を構成する部品として推奨される部品の提案情報を、学習アルゴリズムによって学習された学習モデルを用いて出力する処理を、コンピュータに実行させ
前記乗り手のカテゴリーはタイプを含み、
前記学習モデルは、前記人力駆動車の走行時の走行情報、前記人力駆動車の乗り手のカテゴリー、および、前記人力駆動車の車体または部品の車両情報を入力とし、推奨される部品を特定する情報を出力とした、入力及び出力の組み合わせを教師データとして用いて学習されている、コンピュータプログラム。
【請求項12】
人力駆動車の車体または部品の寸法情報、および、前記人力駆動車の乗り手による前記人力駆動車の過去の走行時の走行情報の少なくともいずれか1つを入力した場合に、前記人力駆動車の走行時の乗り手による前記人力駆動車への人力駆動力の入力位置に関する提案情報を、学習アルゴリズムによって学習された学習モデルを用い出力する処理を、コンピュータに実行させ、前記提案情報は、前記人力駆動車のペダルに対する乗り手のシューズの位置に関する情報を含み、前記学習モデルは、入力および出力の組み合わせを教師データとして用いて学習されている、コンピュータプログラム。
【請求項13】
請求項10から請求項12のいずれか一項に記載のコンピュータプログラムを記憶する、記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザに適した人力駆動車の提案、または人力駆動車の乗り方を提案するための出力装置、コンピュータプログラム、および記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
自転車をはじめとして電動アシスト付き自転車、Eバイクと呼ばれる電動自転車等、少なくとも部分的に人力が用いられる人力駆動車がある。人力駆動車は、多様なフレームからユーザが体格および走行目的に合わせていずれかのフレームを選択し、サドル、ペダル等のパーツ、変速機、サスペンション等のコンポーネントを組み合わせて構成される。
【0003】
診断装置を接続して故障の有無を含む診断を行なう技術が知られている(特許文献1、2参照)。従来の診断装置は、コンポーネントと通信し、コンポーネントに所定の動作を指示した場合に動作が終了したか否か等によって故障を診断する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】米国特許第7819032号明細書
【文献】米国特許第9227697号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
1つ1つのコンポーネントの故障の診断ができることは勿論のこと、ユーザの体格、目的、または乗り方の個性に応じて適切な他のパーツを提案したり、組み立てられた人力駆動車の仕様をいかす好ましい乗り方などを提案したりするサービスが期待される。
【0006】
本発明の目的は、ユーザに適した人力駆動車の提案、または人力駆動車の乗り方を提案するための出力装置、コンピュータプログラム、および記憶媒体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)本発明の第1側面に従う出力装置は、人力駆動車を構成する各部品の情報を含む車両情報、および、前記人力駆動車の走行時の走行情報の少なくともいずれか1つに関する評価情報および提案情報の少なくともいずれか1つを、学習アルゴリズムによって学習された学習モデルを用いて出力するように構成される処理部を備える。
このため、人力駆動車の構成に対する適切な評価、または部品、部品の使用方法、または乗り方の提案をコンピュータに実行させることが可能になる。
【0008】
(2)本発明の第2側面に従う出力装置では、前記処理部は、前記車両情報および前記走行情報の少なくともいずれか1つを、前記学習モデルに入力することによって、前記評価情報および前記提案情報の少なくともいずれか1つを出力するように構成される。
このため、人力駆動車の構成に対する適切な評価、または部品、部品の使用方法、または乗り方の提案をコンピュータに実行させることが可能になる。
【0009】
(3)本発明の第3側面に従う出力装置では、前記学習モデルは、前記車両情報および前記走行情報の少なくともいずれか1つに関して、タイムレコードに基づくラベルが付与された教師データを用いて学習され、前記処理部は、前記人力駆動車が所定コースを走行することによって得られる実走タイムレコードを前記学習モデルに入力することによって、前記評価情報および前記提案情報の少なくともいずれか1つを出力する。
このため、タイムレコードを早めるための人力駆動車の構成に対する適切な評価、または部品、部品の使用方法、または乗り方の提案をコンピュータに実行させることが可能になる。
【0010】
(4)本発明の第4側面に従う出力装置では、前記学習モデルは、前記車両情報および前記走行情報の少なくともいずれか1つに関して、快適度に基づくラベルが付与された教師データで学習され、前記処理部は、前記人力駆動車が所定コースを走行することによって得られる実走快適度を前記学習モデルに入力することによって、前記評価情報および前記提案情報の少なくともいずれか1つを出力する。
このため、所定コースを快適に走行するための人力駆動車の構成に対する適切な評価、または部品、部品の使用方法、または乗り方の提案をコンピュータに実行させることが可能になる。
【0011】
(5)本発明の第5側面に従う出力装置では、前記(4)の出力装置における前記快適度は、前記走行情報に含まれるペダルへの荷重および角度の少なくともいずれか1つに基づいて前記荷重および角度の少なくともいずれか1つの変化が所定範囲になるように出力される。
このため、ペダルへの荷重が軽いか、または角度が一定となる快適な走行を実現するための人力駆動車の構成に対する適切な評価、または部品、部品の使用方法、または乗り方の提案をコンピュータに実行させることが可能になる。
【0012】
(6)本発明の第6側面に従う出力装置では、前記提案情報は、乗り手による前記人力駆動車への人力駆動力の入力位置に関する情報を含む。
このため、乗り手がどのようなポイントで人力駆動すべきかの提案をコンピュータに実行させることが可能になる。
【0013】
(7)本発明の第7側面に従う出力装置では、前記提案情報は、前記人力駆動車のペダルに対する乗り手のシューズの位置に関する情報を含む。
このため、乗り手の人力駆動力の入力位置に関し、乗り手のシューズのペダルに対する位置の提案をコンピュータに実行させることが可能になる。
【0014】
(8)本発明の第8側面に従う出力装置では、前記提案情報は、前記シューズに対して前記シューズに取り付けられるクリートの前記シューズに対する位置の修正に関する情報を含む。
このため、乗り手の人力駆動力の入力位置に関し、乗り手のシューズに対するクリートの位置の修正案をコンピュータに実行させることが可能になる。
【0015】
(9)本発明の第9側面に従う出力装置では、前記学習モデルは、前記車両情報および前記走行情報の少なくともいずれか1つに関し、乗り手のカテゴリーに基づくラベルが付与された教師データで学習される。
このため、乗り手の熟練度、タイプ等のカテゴリーに応じた人力駆動車の構成に対する適切な評価、または部品、部品の使用方法、または乗り方の提案をコンピュータに実行させることが可能になる。
【0016】
(10)本発明の第10側面に従う出力装置では、前記処理部は、前記カテゴリーと前記車両情報および前記走行情報の少なくともいずれか1つとを、前記学習モデルに入力することによって、前記評価情報および前記提案情報の少なくともいずれか1つを出力するように構成される。
このため、乗り手の熟練度、タイプ等のカテゴリーに応じた人力駆動車の構成に対する適切な評価、または部品、部品の使用方法、または乗り方の提案をコンピュータに実行させることが可能になる。
【0017】
(11)本発明の第11側面に従う出力装置では、前記提案情報は、前記人力駆動車のカスタマイズに関する情報を含む。
このため、車両情報または走行情報に応じた人力駆動車の部品の組み合わせに関するカスタマイズの提案をコンピュータに実行させることが可能になる。
【0018】
(12)本発明の第12側面に従う出力装置では、前記提案情報は、乗り方に関する情報を含む。
このため、車両情報または走行情報に応じた人力駆動車の乗り方に関する提案をコンピュータに実行させることが可能になる。
【0019】
(13)本発明の第13側面に従う出力装置では、前記学習モデルは、前記人力駆動車の構成毎に準備されており、前記処理部は、前記車両情報の構成毎に学習モデルを選択する。
このため、人力駆動車の構成に応じた部品、部品の使用方法、または乗り方の提案をコンピュータに実行させることが可能になる。
【0020】
(14)本発明の第14側面に従うコンピュータプログラムは、人力駆動車を構成する各部品の情報を含む車両情報、および、前記人力駆動車の走行時の走行情報の少なくともいずれか1つに関する評価情報および提案情報の少なくともいずれか1つを、学習アルゴリズムによって学習された学習モデルを用いて出力する処理を、コンピュータに実行させる。
このため、人力駆動車の構成に対する適切な評価、または部品、部品の使用方法、または乗り方の提案をコンピュータに実行させることが可能になる。
【0021】
(15)本発明の第15側面に従うコンピュータプログラムでは、前記車両情報および前記走行情報の少なくともいずれか1つを、前記学習モデルに入力することによって、前記評価情報および前記提案情報の少なくともいずれか1つを出力する処理を、前記コンピュータに実行させる。
このため、人力駆動車の構成に対する適切な評価、または部品、部品の使用方法、または乗り方の提案をコンピュータに実行させることが可能になる。
【0022】
(16)本発明の第16側面に従う記憶媒体は、前記(14)または(15)のコンピュータプログラムが記憶される。
このため、コンピュータプログラムを記憶媒体から読み取ったコンピュータに、人力駆動車の構成に対して適切な評価をさせたり、または部品、部品の使用方法、または乗り方を提案させたりすることができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明のユーザに適した人力駆動車の提案、または人力駆動車の乗り方を提案するための情報を出力する出力装置によれば、人力駆動車の構成に対する適切な評価、または部品、部品の使用方法、または乗り方の提案を出力することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】第1実施形態における情報提供サービスを実現する装置群を示す図である。
図2】処理ユニットが搭載された人力駆動車Aの側面図である。
図3】第1実施形態における処理ユニットの構成を示すブロック図である。
図4】第1実施形態における端末装置および出力装置の構成を示すブロック図である。
図5】第1例の学習モデルの概要を示す図である。
図6】第1例の学習モデルの他の形態を示す図である。
図7】第2例の学習モデルの概要を示す図である。
図8】学習モデルを用いた評価または提案の出力処理の一例を示すフローチャートである。
図9】第2実施形態における端末装置の構成を示すブロック図である。
図10】第2実施形態の第1例の学習モデルの概要を示す図である。
図11】第1例の学習モデルの他の概要を示す図である。
図12】第2実施形態における学習モデルを用いた提案の出力処理の一例を示すフローチャートである。
図13】提案情報の表示例を示す図である。
図14】第2実施形態の第2例の学習モデルの概要を示す図である。
図15】ユーザに対する乗り方の提案情報の表示例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下の各実施形態に関する説明は、本発明に関する出力装置が取り得る形態の例示であり、その形態を制限することを意図していない。本発明に関する出力装置は、各実施形態の変形例、および、相互に矛盾しない少なくとも2つの変形例が組み合わせられた形態等のように各実施形態とは異なる形態を取り得る。
【0026】
以下の各実施形態に関する説明において、前、後、前方、後方、左、右、横、上、および、下等の方向を表す言葉は、ユーザが人力駆動車のサドルに着座した状態における方向を基準として用いられる。
【0027】
(第1実施形態)
第1実施形態では、人力駆動車メーカ、部品メーカまたは販売者によって管理される出力装置1と、出力装置1から提供される人力駆動車の関する評価または提案を表示させる端末装置2とを用いた人力駆動車に関する情報提供サービスを例に挙げて説明する。
【0028】
図1は、第1実施形態における情報提供サービスを実現する装置群を示す図である。情報提供サービスは、人力駆動車Aにおける走行中の情報を収集する処理ユニット100と、出力装置1と、ユーザが使用する端末装置2とにより実現される。情報提供サービスでは、人力駆動車Aに搭載された処理ユニット100から、人力駆動車Aの各部品の情報を含む車両情報、および、人力駆動車Aの走行時の走行情報のいずれかを端末装置2を介して出力装置1へ提供する。出力装置1は、ユーザの人力駆動車Aを構成する各部品の情報を含む車両情報、および、人力駆動車Aの走行時の走行情報の少なくともいずれか1つに関する評価情報および提案情報の少なくともいずれか1つを端末装置2へ出力する。情報提供サービスでは、人力駆動車Aのユーザに対し、人力駆動車Aの部品または走り方を評価し、端末装置2を介し、より快適に人力駆動車Aを走らせるための部品または走り方を提案する。
【0029】
以下、人力駆動車A内における処理と、人力駆動車Aから得られる情報に基づく出力装置1および端末装置2における処理とに分けて順に説明する。
【0030】
[人力駆動車における処理]
情報提供サービスで提案を行なうために、処理ユニット100が人力駆動車Aから車体に関する情報、または人力駆動車Aを走らせたときに得られる走行情報を出力装置1へ提供する必要がある。図2は、処理ユニット100が搭載された人力駆動車Aの側面図である。人力駆動車Aは、電気エネルギーを用いて人力駆動車Aの推進をアシストするアシスト機構Cを含むロードバイクである。人力駆動車Aの構成は、任意に変更可能である。第1例では、人力駆動車Aはアシスト機構Cを含まない。第2例では、人力駆動車Aの種類は、シティサイクル、マウンテンバイク、または、クロスバイクである。第3例では、人力駆動車Aは、第1例および第2例の特徴を含む。
【0031】
人力駆動車Aは、フレームA1、ステムA2、ハンドルバーA3、前輪A4、後輪A5、およびシートA6を備える。人力駆動車Aは、駆動機構B、アシスト機構C、操作装置D、変速機E、シートポストF、サスペンションG、バッテリユニットH、ブレーキJ、ディスプレイK、および処理ユニット100を備える。人力駆動車Aは、速度センサS1、加速度センサS2、角度センサS3、ケイデンスセンサS4、およびトルクセンサS5を備える。
【0032】
フレームA1は、ヘッドチューブA11、トップチューブA12、シートチューブA13、ダウンチューブA14、シートステーA15およびチェーンステーA16を含む。ヘッドチューブA11の上部で、棒状のステムA2の一端がフロントフォークA17と連動するように取り付けられる。ハンドルバーA3は、ステムA2の他端に設けられた孔に挿通された状態で固定される。フロントフォークA17は、ヘッドチューブA11にサスペンションGを介して取り付けられている。前輪A4は、フロントフォークA17のエンドに、ハブを介して取り付けられる。ヘッドチューブA11は、トップチューブA12およびダウンチューブA14とそれぞれ連結している。シートチューブA13は、トップチューブA12およびダウンチューブA14の間を連結する。シートA6は、シートチューブA13の上端に、シートポストFを介して取り付けられる。シートステーA15およびチェーンステーA16の一端が、シートチューブA13の上端および下端それぞれに連結される。シートステーA15およびチェーンステーA16は他端で互いに連結する。後輪A5は、シートステーA15およびチェーンステーA16の連結部分にハブを介して取り付けられる。
【0033】
駆動機構Bは、チェーンドライブ、ベルトドライブ、またはシャフトドライブによって人力駆動力を後輪A5へ伝達する。図2に示す人力駆動車Aはチェーンドライブの駆動機構Bを示している。駆動機構Bは、クランクB1、第1スプロケット組立体B2、第2スプロケット組立体B3、チェーンB4、および、一対のペダルB5を含む。
【0034】
クランクB1は、クランク軸B11、右クランクB12、および左クランクB13を含む。クランク軸B11は、シートチューブA13およびダウンチューブの結合部分に取り付けられたボトムブラケットに回転可能に支持される。右クランクB12および左クランクB13は、それぞれクランク軸B11に連結される。一対のペダルB5の一方は右クランクB12に回転可能に支持される。一対のペダルB5の他方は左クランクB13に回転可能に支持される。
【0035】
第1スプロケット組立体B2は、第1回転中心軸心を有し、クランク軸B11と一体回転可能に連結される。第1スプロケット組立体B2は、1または複数のスプロケットB22を含む。クランク軸B11の回転中心軸心と第1スプロケット組立体B2の回転中心軸心は同軸である。
【0036】
第2スプロケット組立体B3は、第2回転中心軸心を有し、後輪A5のハブに回転可能に支持される。第2スプロケット組立体B3は、1または複数のスプロケットB31を含む。
【0037】
チェーンB4は、第1スプロケット組立体B2のいずれかのスプロケットB22および第2スプロケット組立体B3のいずれかのスプロケットB31に巻き掛けられる。一対のペダルB5に加えられる人力駆動力によってクランクB1が前転すると、第1スプロケット組立体B2がクランクB1とともに前転し、第1スプロケット組立体B2の回転がチェーンB4を介して第2スプロケット組立体B3に伝達されることで後輪A5が前転する。
【0038】
第1実施形態におけるペダルB5は、乗り手の靴の靴底に取り付けられたクリートとの連結具をもつクリップレスペダルである。
【0039】
アシスト機構Cは、人力駆動車Aの推進をアシストする。アシスト機構Cは、一例では第2スプロケット組立体B3とダウンチューブA14との間に設けられ、第1スプロケット組立体B2にトルクを伝達することによって人力駆動車Aの推進をアシストする。アシスト機構Cは電気モータを含む。アシスト機構Cは減速機を含んでいてもよい。アシスト機構Cは、人力駆動車Aの後輪A5に駆動力を伝達するチェーンB4を走行させる。アシスト機構Cは、チェーンB4の走行をアシストするための信号制御によって制御可能なコンポーネントの一部である。
【0040】
操作装置Dは、ユーザが操作する操作部D1を含む。操作部D1は種々の形態をとり得る。コンポーネント群の任意のいずれかに対する操作信号を送ることができる操作装置D及び操作部D1であれば形態は問われない。操作部D1の一例は、1つまたは複数のボタンである。操作装置Dは操作部D1にて、変速機E、シートポストF、サスペンションG、およびブレーキJの少なくともいずれか1つの制御について指定操作を受け付ける。操作部D1は、アシスト機構Cのモード(省エネルギーモード、ハイパワーモード等)の切り替えを受け付けてよい。操作部D1は第1例では、ブレーキレバーである。操作装置Dは、ブレーキJに対するブレーキレバーの操作量を処理ユニット100へ出力することができる。変速機E等のコンポーネント群に対する操作部D1の操作はブレーキレバーに限られないことは勿論である。操作部D1は第2例では、変速機Eにおける変速段数を指定するボタン、シートポストFの高さを指定するボタン、サスペンションGの動作を指定するボタン、アシスト機構Cのモードを選択するボタン等を含んでよい。
【0041】
操作装置Dは、操作部D1の操作に応じた信号を送受信できるように、処理ユニット100または各コンポーネントに直接的に通信接続される。第1例では、操作装置Dは、通信線、または、PLC(Power Line Communication)が可能な電線によってコンポーネントと通信接続される。第2例では、操作装置Dは、無線通信が可能な無線通信ユニットによってコンポーネントと通信接続される。
【0042】
変速機Eは種々の形態を取り得る。第1例では、変速機Eは、第2スプロケット組立体B3とチェーンB4との連結の状態を変更する外装変速機である。第2例では、変速機Eは、第1スプロケット組立体B2とチェーンB4との連結の状態を変更する外装変速機である。第3例では、第1例および第2例の組み合わせである。第4例では、変速機Eは、内装変速機である。第4例では、変速機Eの可動部は、内装変速機のスリーブおよび爪の少なくとも一方を含む。第5例では、変速機Eは、無段変速機である。第5例では、変速機Eの可動部は、無段変速機のボールプラネタリー(遊星転動体)を含む。変速機Eは、変速段数を変更するための信号制御によって制御可能なコンポーネントの一部である。以下の説明では、第1スプロケット組立体B2とチェーンB4との連結の状態、および、第2スプロケット組立体B3とチェーンB4との連結の状態をいずれも変更する第3例を挙げて説明する。
【0043】
変速機Eは、フロントディレーラE1およびリアディレーラE2を含む。フロントディレーラE1は、フレームA1のシートチューブA13に取り付けられる。フロントディレーラE1は、チェーンガイド、モータ、および段数センサを備える。フロントディレーラE1はモータによって、第1スプロケット組立体B2のスプロケットB22に掛かるチェーンB4のチェーンガイドをシフトアップおよびシフトダウン方向に駆動する。フロントディレーラE1はモータによってチェーンガイドを、操作部D1に基づく操作装置Dからの変速指示、または図示しない制御ユニットからの自動変速指示に基づいていずれかの変速位置に位置決めする。
【0044】
リアディレーラE2は、後輪A5のクランク軸の端部を支持するチェーンステーA16およびシートステーA15の連結部分にディレーラハンガーを介して取り付けられる。リアディレーラE2はチェーンガイド、モータ、および段数センサを備える。リアディレーラE2はモータによって、第2スプロケット組立体B3のスプロケットB31に掛かるチェーンB4のチェーンガイドをシフトアップおよびシフトダウン方向に駆動する。リアディレーラE2はモータによってチェーンガイドを、操作部D1に基づく操作装置Dからの変速指示、または図示しない制御ユニットからの自動変速指示に基づいていずれかの変速位置に位置決めする。
【0045】
シートポストFは、シートA6をフレームA1に連結させる部品である。シートポストFは、フレームA1のシートチューブA13に設けられたポスト本体F1と、ポスト本体F1の上端に設けられたヤグラF2とを含む。シートポストFは第1例では、動作パラメータとして、シート高さを設定することで制御可能なコンポーネントの一部である。シートポストFは第2例では、制御不可であってポスト本体F1のシートチューブA13からの突出長は、乗り手自身またはメンテナンスのエンジニアによって調整される。
【0046】
サスペンションGは種々の形態をとり得る。サスペンションGは第1例では前輪A4を支持するフロントフォークA17とヘッドチューブA11との間に設けられ、前輪A4に加えられた衝撃を減衰するフロントサスペンションである。サスペンションGは、後輪A5に加えられた衝撃を減衰するリアサスペンションであってもよい。サスペンションGは、フロントサスペンションおよびリアサスペンションの両方を含んでもよい。サスペンションGは、シートポストFのポスト本体F1とシートチューブA13との間に設けられてフレームA1への衝撃を減衰するシートサスペンションであってもよい。
【0047】
バッテリユニットHは、バッテリH1およびバッテリホルダH2を含む。バッテリH1は、1つ、または複数のバッテリセルを含む蓄電池である。バッテリホルダH2は、例えば、人力駆動車AのダウンチューブA14に固定される。バッテリホルダH2は、フレームA1以外の自転車パーツに固定されてもよい。バッテリH1は、バッテリホルダH2に着脱可能である。バッテリH1は、バッテリホルダH2に取り付けられた場合に、アシスト機構C、変速機E、シートポストF、サスペンションG、および処理ユニット100に電気的に接続される。
【0048】
ブレーキJは、種々の形態をとり得る。ブレーキJは、第1例では図2に示すようにリムブレーキである。ブレーキJは、第2例ではハブブレーキである。
【0049】
ディスプレイKは、乗り手であるユーザ向けにハンドルバーA3に取り付けられている。ディスプレイKは一例では、液晶ディスプレイである。ディスプレイKは他の例では、有機ELディスプレイである。ディスプレイKは、変速機Eとの通信により取得した変速段数を表示することができる。ディスプレイKは、処理ユニット100と接続されており、処理ユニット100から出力される情報を表示出力する。
【0050】
速度センサS1は、フロントフォークA17に固定される。速度センサS1は、人力駆動車Aの走行速度を示す信号を出力するセンサである。速度センサS1は例えば、前輪A4のスポークに設けられたマグネットと、フロントフォークA17に設けられてマグネットを検知する本体とを含み、前輪A4の回転速度を計測する。速度センサS1は、後輪A5にも設けられ、後輪A5の回転速度も計測するとよい。
【0051】
加速度センサS2は、フレームA1に固定される。加速度センサS2は第1例ではシートチューブA13に取り付けられる。加速度センサS2は第2例では、アシスト機構Cまたは処理ユニット100と一体に設けられてもよい。加速度センサS2は、フレームA1の振動に対応する加速度を示す信号を出力する。加速度センサS2は、フロントフォークA17に取り付けられてもよい。
【0052】
角度センサS3は、フレームA1に固定される。角度センサS3は第1例では、シートチューブA13に設置される。角度センサS3は第2例では、アシスト機構Cまたは処理ユニット100と一体に設けられてもよい。角度センサS3は第3例では、ヘッドチューブA11およびステムA2に分けて設けられてもよい。角度センサS3は、人力駆動車Aのヨー、ロール、およびピッチを示す信号をそれぞれ出力するセンサである。角度センサS3は、三軸全てではなく少なくともいずれか1つを出力するものであってよい。角度センサS3は第1例ではジャイロセンサである。角度センサS3は第2例では回転角度を出力する方位センサである。
【0053】
ケイデンスセンサS4は、右クランクB12および左クランクB13のいずれかのケイデンスを測定するように設けられる。ケイデンスセンサS4は、測定したケイデンスを示す信号を出力する。トルクセンサS5は、右クランクB12および左クランクB13に掛かるトルクをそれぞれ測定するように設けられる。トルクセンサS5は、右クランクB12および左クランクB13の少なくとも一方において測定されたトルクを示す信号を出力する。
【0054】
人力駆動車Aは、上述のセンサ群S1からS5の他に、地磁気センサ、温度センサ、気圧センサ、集音センサまたは照度センサを備えてもよい。人力駆動車Aは、前輪A4または後輪A5の横力センサをハブ軸受に備えてもよい。人力駆動車Aは、ペダルB5に掛かる力を直接的に測定するセンサおよびペダルB5の角度を測定するセンサを備えてもよい。人力駆動車Aは、乗り手の心拍、発汗量または乳酸値を測定するセンサをハンドルバーA3に備えてもよい。
【0055】
処理ユニット100は、上述のセンサ群S1-S5から走行情報を取得するための装置である。処理ユニット100は第1例では、フレームA1のいずれかの箇所、図2に示したようにアシスト機構Cに設けられる。第2例では、バッテリホルダH2に設けられる。第3例では、コンポーネント間を通信接続するケーブル(図示せず)が接続されるジャンクションに設けられてもよい。第4例では、人力駆動車Aのいずれかの箇所に着脱可能に設けられ、コンポ―ネント群夫々から情報を取得してもよい。
【0056】
図3は、第1実施形態における処理ユニット100の構成を示すブロック図である。処理ユニット100は、処理部101、記憶部103、入出力部105、通信部107、およびGPS受信部109を備える。
【0057】
処理部101は、CPU(Central Processing Unit )またはGPU(Graphics Processing Unit)を用いたプロセッサである。処理部10は、内蔵するROM(Read Only Memory)およびRAM(Random Access Memory)等のメモリを用いて処理を実行する。処理部101は、内蔵するタイマーによって逐次、時間情報を取得することができる。
【0058】
記憶部103は、例えばフラッシュメモリ等の不揮発性メモリを含む。記憶部103は、処理部101によって作成された各コンポーネントの動作状態、およびセンサS1-S5から得られる情報を走行情報として逐次記憶する。記憶部103は、処理部101内蔵のタイマーによって得られる時刻情報を対応付けてログを記憶するとよい。
【0059】
入出力部105は、人力駆動車Aに設けられた操作装置D、およびセンサ群S1-5に接続される。入出力部105は、コンポーネント群に含まれる変速機E、シートポストF、サスペンションG、バッテリユニットH、およびブレーキJに接続される。処理部101は、入出力部105によってディスプレイKと接続されてもよい。
【0060】
通信部107は、無線通信を行なうデバイスである。通信部107は、例えばBluetooth(登録商標)等、近距離無線通信規格により、ディスプレイKまたは端末装置2と通信を行なうことができる。
【0061】
GPS受信部109は、GPS信号を受信して人力駆動車Aの位置を導出するデバイスである。処理部101は、GPS受信部109によって人力駆動車Aの位置を適宜特定することができる。
【0062】
このように構成される人力駆動車Aの処理ユニット100は、センサS1からS5から得られる情報またはコンポーネント群から得られる動作状態を示す情報を収集して記憶すると共に、ユーザ向けにディスプレイKに表示させる情報を出力する。処理部101は、記憶部103に各種情報を記憶する場合、時間情報と対応付けて記憶する。
【0063】
処理ユニット100の処理部101は第1例では、ブレーキJの制動に関する情報を求め記憶部103に記憶する。第1例において処理部101は具体的には、所定のサンプリング周期(10ミリ秒、30ミリ秒、100ミリ秒等)の都度に、速度センサS1で得られる車輪速と、車輪速から求められる速度とを特定して記憶部103に記憶する。処理部101は、加速度センサS2で得られる加速度および減速度を逐次記憶部103に記憶する。処理部101は、GPS受信部109によりサンプリング周期で特定される位置を示す位置情報を適宜、記憶部103に記憶する。処理部101は、ブレーキJに関し、所定のサンプリング周期の都度、操作装置Dから得られるブレーキ操作量、操作速度を記憶部103に記憶する。
【0064】
処理部101は、ブレーキJに関し、以下の処理を所定のサンプリング周期の都度に実行してもよい。以下の処理は、後述の出力装置1にて実行されてもよい。処理部101は、速度センサS1の車輪速から特定される速度との他に、GPS受信部109により特定された位置に基づいて得られた速度とを用いて、前輪A4または後輪A5のいずれか一方のスリップ率を算出し、記憶部103に記憶しておく。処理部101は、速度から減速時の減速度を算出して記憶部103に記憶しておく。処理部101は、ブレーキの頻度を算出して記憶部103に記憶しておく。
【0065】
処理ユニット100の処理部101は第2例では、車輪に関する情報を求め記憶部103に記憶する。第2例において処理部101は、速度センサS1に基づき得られる車輪速度を逐次、記憶部103に記憶する。処理部101は第2例においても走行速度を求めて記憶部103に記憶してよい。処理部101は、角度センサS3により得られるヨー、ロール、およびピッチそれぞれにおける傾斜、ハンドルの回転角を取得して記憶部103に記憶する。処理部101は、角度センサS3により得られる人力駆動車Aの前後の傾きを算出し、逐次記憶部103に記憶する。処理部101は、GPS受信部109によりサンプリング周期で特定される位置に基づいて、人力駆動車Aの進行方向を逐次特定して記憶部103に記憶してもよい。処理部101は車輪に関し、前輪A4または後輪A5のハブ軸受に設けた横力センサにおける計測値を記憶部103に記憶してもよい。
【0066】
処理部101は、車輪に関し、変速機E、サスペンションGの動作状態を取得して記憶部103に記憶してもよい。
【0067】
処理ユニット100の処理部101は、センサ群S1-3によって得られる情報をディスプレイKに表示する。例えば処理部101は、速度センサS1から得られる速度を示す数値をディスプレイKに表示する。処理部101は、人力駆動車Aの傾きを導出し、ディスプレイKに人力駆動車Aのイラストに合わせてグラフィック的に表示させる。処理部101は、ブレーキJの操作量をディスプレイKに表示させてもよい。
【0068】
処理ユニット100の処理部101は、通信部107により、端末装置2と通信接続が確立されたことを検知すると、記憶部103に記憶してあるブレーキJの制動に関する情報、または車輪に関する情報を読み出して端末装置2へ送信する。
【0069】
[端末装置2および出力装置1における処理]
図4は、第1実施形態における端末装置2および出力装置1の構成を示すブロック図である。第1実施形態において出力装置1は、サーバコンピュータを用いる。出力装置1は、パーソナルコンピュータであってもよい。出力装置1は、処理部10、記憶部12、および通信部14を備える。第1実施形態において以下では、出力装置1は1台のサーバコンピュータとして説明するが、複数のサーバコンピュータで機能または処理を分散させてもよいし、1台の大型コンピュータに仮想的に生成される複数のインスタンスの内の1つであってもよい。
【0070】
処理部10は、CPUまたはGPUを用いたプロセッサである。処理部10は、内蔵するROMおよびRAM等のメモリを用い、各構成部を制御して処理を実行する。処理部10は、記憶部12に記憶されている学習モデル1Mを含む制御プログラム1Pに基づき、学習モデル1Mを用いて人力駆動車Aの評価、または乗り方の評価を端末装置2へ向けて出力する。処理部10は、評価に基づいて部品、または乗り方に関する提案を端末装置2へ出力してもよい。
【0071】
記憶部12は、ハードディスク、または、SSD(Solid State Drive )を用い、制御プログラム1Pを含む処理部10が参照するプログラム、およびデータを記憶する。記憶部12は学習モデル1Mを記憶する。記憶部12には、人力駆動車Aおよび他の人力駆動車の部品の種別、品番、特性を示す情報がデータベース化されている。制御プログラム1P、および学習モデル1Mは、記憶媒体3に記憶された制御プログラム30Pおよび学習モデル30Mを読み出して記憶部12に複製されたものであってもよい。
【0072】
通信部14は、公衆通信網N1を含むネットワークNを介した端末装置2との通信接続を実現する通信モジュールである。通信部14は例えば、Wi-Fi に対応する無線通信デバイスである。通信部14は第2例では、ネットワークNに含まれるキャリアネットワークN2を介した通信接続を実現するキャリア通信用モジュールである。通信部14は第3例では有線接続用のネットワークカードである。
【0073】
端末装置2は、メンテナンスを行なう人力駆動車Aのユーザ、または人力駆動車Aの販売者が所有するタブレット等の通信端末である。端末装置2は、所謂スマートフォンであってもよい。端末装置2は、ラップトップ型のパーソナルコンピュータであってもよい。端末装置2は、処理部20、記憶部22、第1通信部24、第2通信部25、表示部26、および操作部28を備える。
【0074】
処理部20は、CPUまたはGPUを用いたプロセッサである。処理部20は、内蔵するROM、およびRAM等のメモリを用い、各構成部を制御して処理を実行する。処理部20は、プロセッサ、メモリ、記憶部22、第1通信部24および第2通信部25を集積した1つのハードウェア、SoC(System On a Chip)として構成されていてもよい。処理部20は、記憶部22に記憶されているメンテナンスアプリプログラム2Pに基づいて、人力駆動車Aの組み立てに関する情報を表示部26に表示する。
【0075】
記憶部22は、フラッシュメモリを用い、メンテナンスアプリプログラム2Pを含む処理部20が参照するプログラム、およびデータを記憶する。記憶部22に記憶されているメンテナンスアプリプログラム2Pは、人力駆動車Aの部品メーカから提供され、任意の配信サーバから配信され、汎用コンピュータである端末装置2にインストールされる。メンテナンスアプリプログラム2Pは、記憶媒体5に記憶されたメンテナンスアプリプログラム50Pを読み出して記憶部22に複製されたものであってもよい。
【0076】
記憶部22には、ユーザが使用する人力駆動車Aに関する情報が記憶されている。記憶部22には、人力駆動車Aの車両情報が記憶されている。車両情報は、人力駆動車Aの種類を示す情報を含む。種類は例えばシティサイクル、マウンテンバイク、および、クロスバイクである。車両情報は、人力駆動車Aを構成する変速機E、シートポストF、サスペンションG等のコンポーネント、および他の部品の品番を含む。車両情報は、人力駆動車AのフレームA1の寸法を含む。車両情報は、フォークオフセットの長さ、前輪A4の太さを含む。これらの車両情報は、メンテナンスアプリプログラム20Pに基づき表示される入力画面にて、ユーザの操作部28による入力操作を受け付けて記憶されてもよいし、処理ユニット100から取得されて記憶されてもよい。
【0077】
第1通信部24は、公衆通信網N1への通信接続を実現する通信モジュールである。第1通信部24は例えば、Wi-Fi に対応する無線通信デバイスである。第1通信部24は第2例では、キャリアネットワークN2を介した通信を実現するキャリア通信用モジュールである。第1通信部24は第3例ではネットワークカードである。
【0078】
第2通信部25は、処理ユニット100との通信接続を実現する通信モジュールである。第2通信部25は、例えばBluetooth(登録商標)等、近距離無線通信規格により、処理ユニット100と通信を行なうことができる。
【0079】
表示部26は、液晶パネルまたは有機ELディスプレイ等のディスプレイ装置を用いる。表示部26は、人力駆動車A、またはその乗り方に関する評価を表示する。表示部26は、人力駆動車Aに関するカスタマイズ等の提案を表示するために用いられる。
【0080】
操作部28は、利用者の操作を受け付けるインタフェースであり、物理ボタン、ディスプレイ内蔵のタッチパネルデバイス、スピーカ、およびマイクロフォン等を用いる。操作部28は、物理ボタンまたはタッチパネルにて表示部26で表示している画面上で操作を受け付けてもよいし、マイクロフォンにて入力音声から操作内容を認識し、スピーカで出力する音声との対話形式で操作を受け付けてもよい。
【0081】
上述のような構成を有する第1実施形態の出力装置1は、制御プログラム10Pに基づき、後述する学習アルゴリズムによって学習された学習モデル1Mを用いて、人力駆動車Aの車両情報および走行中に得られる走行情報に応じて、人力駆動車Aの構成を評価する評価情報を出力する。出力装置1は評価に基づいて人力駆動車Aのカスタマイズに関する提案情報を出力する。出力情報は端末装置2へ送信され、端末装置2では、メンテナンスアプリプログラム2Pに基づいてこれを受信し、受信した出力情報に基づいて人力駆動車Aの構成の評価および提案情報を表示部26に表示する。
【0082】
第1実施形態の出力装置1で用いられる学習モデル1Mについて説明する。学習モデル1Mは予め、出力装置1または外部装置によって生成され、学習される。図5は、第1例の学習モデル1Mの概要を示す図である。出力装置1は、ニューラルネットワーク(以下NN:Neural Network)を用いた教師ありの深層学習アルゴリズムによって人力駆動車Aの部品の取り付け状態に関する入力情報に対する出力情報を出力する学習モデル1Mを生成する。学習アルゴリズムは教師なしの学習アルゴリズムでもよいし、リカレントニューラルネットワーク(Recurrent Neural Network)でもよい。学習アルゴリズムは強化学習でもよい。
【0083】
図5に示す例では、学習モデル1Mは、人力駆動車AのブレーキJに関する入力情報を入力する入力層31と、人力駆動車Aの乗り手のカテゴリーに関する出力情報を出力する出力層32とを備える。学習モデル1Mは、入力情報が入力された場合に、乗り手の評価としてカテゴリーを出力するように教師データによって学習済みのパラメータを有する中間層33を備える。入力層31に、人力駆動車AのブレーキJに関する情報が入力された場合、学習済みパラメータによって中間層33で演算が行なわれ、出力層32から、人力駆動車Aの乗り手のカテゴリーに関する出力情報が出力される。
【0084】
乗り手のカテゴリーは、タイプ、乗車環境の種別、および技量レベルのいずれかに基づき分類される。入力される情報は例えば、走行速度、減速度およびスリップ率を含む走行情報である。図5に示すように処理部10は、時系列で記憶されてあったデータをグラフ化して画像として入力してもよい。出力装置1の処理部10は、車輪速から得られる走行速度と、GPSにより特定された位置情報に基づいて得られる走行速度とを用い、スリップ率を算出して学習モデル1Mに入力する。スリップ率についても処理部10は、時系列に算出し、グラフ化して画像として入力してもよい。スリップ率に関しては前輪A4および後輪A5それぞれについて算出してもよい。処理部10は、制動フィードバック操作、操作速度を算出して入力してもよい。出力情報の乗り手のタイプは例えば、直線的な道をより速く走行するスプリンタータイプ、傾斜の多い道を速く走行するクライマータイプ、または長い距離を走行できるスタミナタイプである。出力情報の乗車環境は例えば、舗装されたオンロード、舗装されていないオフロードである。技量は例えば、高レベル、中レベルである。
【0085】
処理部10は、試験環境にて多様な人力駆動車Aを走行させて得られるこれらの入力情報に、既知のカテゴリーが付与された情報群を教師データとして予め収集して学習モデル1Mを学習する。例えば、技量が高いレベルであってスプリンタータイプであることが既知の乗り手にオンロードを走行してもらい得られる走行速度、加速度、減速度、スリップ率等を入力情報として収集する。また技量が中レベルであってスタミナタイプであることが既知の乗り手にオンロードを走行してもらい得られる走行速度、加速度、減速度、スリップ率等を入力情報として収集する。このように、タイプ、乗車環境、および技量が既知の乗り手の走行情報を教師データとして学習された学習モデル1Mに対し、新たに入力された情報に基づいてユーザがいずれのタイプ、乗車環境および技量であるかの分類を、多様な入力情報に応じて出力できるように学習される。時系列に変化する走行速度、加減速度、スリップ率は、人力駆動車Aの1回の走行の分類は、タイプ等の分類によって差異がることが既知であるところ、それらの情報について閾値等で判別することは非常に困難である。統計的処理によって分類されてもよいが学習モデル1Mを用いることで分類が容易になる。図5に示す学習モデル1Mを用いる場合、出力装置1は、入力された情報に対して出力された出力情報に基づいて、タイプ別、乗車環境別、および技量別に適切な部品として記憶部12にデータベース化してある部品の情報を出力する。
【0086】
学習モデル1Mは、図5に示したようにカテゴリーとして乗り手のタイプ、乗車環境の種別、および技量レベルのいずれかを出力してもよいが、カテゴリーも入力情報として入力し、推奨されるブレーキJに関する部品を出力するものであってもよい。この場合、技量は累積走行距離等で判別されてもよい。図6は、第1例の学習モデル1Mの他の形態を示す図である。
【0087】
図6に示す例にて学習モデル1Mは、人力駆動車AのブレーキJに関する入力情報および乗り手のカテゴリーに関する入力情報を入力する入力層31と、推奨される部品に関する出力情報を出力する出力層32とを備える。学習モデル1Mは、入力情報が入力された場合に、推奨される部品の情報を出力するように教師データによって学習済みのパラメータを有する中間層33を備える。入力層31に、人力駆動車AのブレーキJに関する情報および乗り手のカテゴリーが入力された場合、学習済みパラメータによって中間層33で演算が行なわれ、出力層32から、推奨される部品に関する出力情報が出力される。
【0088】
図6における学習モデル1Mは、車輪速、走行速度、加速度、減速度、スリップ率が入力された場合に、推奨される部品を出力するように学習される。例えば、既知のカテゴリーの乗り手が使用している部品の情報を収集し、似たようなタイプの乗り手がよく使用している部品を出力するように学習されてもよい。既知のカテゴリーの乗り手に、プロのメンテナンスエンジニアが推奨している部品を出力するように学習されるとよい。例えば学習モデル1Mは、スリップ率が所定の限界を頻繁に超える場合には剛性が標準的な値よりも低く、摩擦係数が低い材料のブレーキJを出力するように学習してあるとよい。またブレーキの操作回数が多い場合にも剛性が標準的な値よりも低く、摩擦係数が低い材料のブレーキJを出力するように学習してあるとよい。
【0089】
図7は、第2例の学習モデル1Mの概要を示す図である。図7に示す例では、学習モデル1Mは、人力駆動車Aの車輪に関する入力情報を入力する入力層31と、車体または車輪に関する部品の選択肢から提案される出力情報を出力する出力層32とを備える。学習モデル1Mは、入力情報が入力された場合に、推奨される部品を出力するように教師データによって学習済みのパラメータを有する中間層33を備える。入力層31に、車輪に関する情報が入力された場合、学習済みパラメータによって中間層33で演算が行なわれ、出力層32から、人力駆動車Aに対し推奨される部品に関する出力情報が出力される。
【0090】
図7に示す第2例の学習モデル1Mに入力される情報は例えば、フレームの寸法、フォークオフセットの長さ、および車輪の太さ等の車両情報と、加速度、減速度、ハンドルの回転角度、車体の傾斜、軸荷重、および車輪横力等の走行情報とを含む。図7に示す例では入力情報は時系列で変化する情報と、変化しない車体情報とが含まれるので、学習モデル1Mを2つに分ける構成が好ましい。例えば、1つ目のモデルに時系列に変化する情報をまとめて入力して得られる出力と、車体情報とを2つ目のモデルに入力して最終的な出力情報を出力する構成が好ましい。
【0091】
図7に示す例において出力装置1の処理部10は、車体の傾斜とフレームの寸法に基づいて軸荷重を算出して入力する。処理部10は、車輪の接地長さ、車輪の種類から求められる弾性係数、スリップ角度を用いて遠心力と釣り合う力として車輪横力を算出して入力する。横力センサから直接得られる情報を入力してもよい。スリップ角度は、GPSに基づいて逐次求められる進行方向とハンドルの回転角度とで算出されてもよい。図7に示す学習モデル1Mは例えば、人力駆動車Aが直進しているにもかかわらず、頻繁に蛇行運転している場合には、短いオフセットのフロントフォークA17を提案するか、より太い車輪を提案するように学習される。図7に示す学習モデル1Mは、人力駆動車Aがコーナーを曲がる際に、車体傾斜角度が大きいにもかかわらず、回頭モーメントが小さい場合には、長いオフセットのフロントフォークA17を提案するか、より細い車輪を提案するように学習される。
【0092】
図5から図7に示した学習モデル1Mは、人力駆動車Aの種類別、具体的にはシティサイクル、マウンテンバイク、および、クロスバイク別に学習されてもよい。図5から図7に示した学習モデル1Mは、人力駆動車Aの構成毎に準備されてもよい。ここで構成とは、人力駆動車AのフレームA1、コンポーネント群E,F,G,H,Jそれぞれの組み合わせである。学習モデル1Mは例えばフレームA1のタイプ、変速機EおよびサスペンションGの品番の組み合わせ等の車両情報に対応する構成別に準備されるとよい。
【0093】
学習モデル1Mの内容例が図5から図7に示した例に限られないことは勿論である。評価または提案の内容に応じて適宜入力情報に応じた出力情報を出力するように学習されるとよい。
【0094】
図8は、学習モデル1Mを用いた評価または提案の出力処理の一例を示すフローチャートである。走行中にセンサ群S1-S5から得られた情報を記憶した処理ユニット100を備える人力駆動車Aを停車させた状態で、ユーザが端末装置2からメンテナンスアプリプログラム20Pに基づいてメンテナンス処理を開始させると、以下の処理が開始される。
【0095】
端末装置2の処理部20は、第2通信部25により処理ユニット100と通信接続を確立させると(ステップS201)、処理ユニット100から記憶部103に記憶してある走行情報を取得する(ステップS203)。処理部20は、記憶部22から、人力駆動車Aの車両情報の内の必要な情報を読み出して取得する(ステップS205)。処理部20は、取得した走行情報および車両情報を第1通信部24により出力装置1へ送信する(ステップS207)。
【0096】
出力装置1は、処理ユニット100にて得られた走行情報と、端末装置2に記憶されていた車両情報とを通信部14により受信する(ステップS101)。出力装置1の処理部10は、受信した走行情報および車両情報を学習モデル1Mに与え(ステップS103)、学習モデル1Mから出力される出力情報を特定する(ステップS105)。ステップS103では、学習モデル1Mが走行情報のみを入力する場合には走行情報のみを与えてもよいし、車両情報のみを入力する場合には車両情報のみを与えてもよい。
【0097】
ステップS103において処理部10は、図5から図7に示した学習モデル1Mの内、記憶部12に記憶してあるいずれかに情報を与えて出力情報を特定する。
【0098】
ステップS103において処理部10は、学習モデル1Mが人力駆動車Aの種類別に学習されている場合には、人力駆動車Aの種類の指定を端末装置2から受信し、指定された種類に対応する学習モデルを選択する。学習モデル1Mが、人力駆動車Aの構成毎に準備されている場合、処理部10は、車両情報の構成毎に学習モデル1Mを選択する。
【0099】
出力装置1の処理部10は、特定された出力情報に基づく評価または提案を端末装置2へ送信する(ステップS107)。ステップS107で送信される情報は、学習モデル1Mの出力情報の内容に応じて異なってよい。処理部10は上述したように、学習モデル1Mが図5に示したようにブレーキJに関する乗り手を評価する情報を出力するケースでは、乗り手のタイプ別、乗車環境別、および技量別に適切な部品を提案情報としてステップS107で送信する。処理部10はこの場合、端末装置2から送信された車両情報が示す部品と、学習モデル1Mから出力された適切な部品とに差異がある場合のみに提案情報を送信するようにしてもよい。
【0100】
端末装置2は、第1通信部24により評価または提案を受信し(ステップS209)、表示部26に表示し(ステップS211)、処理を終了する。
【0101】
このようにして、ベテランの組立エンジニア、またはコーチングスタッフによって提示されるような、人力駆動車Aの構成に対する適切な評価、または部品、部品の使用方法、または乗り方の提案をコンピュータに実行させることが可能になる。このため、熟練のメンテナンスエンジニア、適切なアドバイスができるエンジニアが全てのユーザに対し、メンテナンスアプリプログラム20Pをインストールした端末装置2から提供できる。
【0102】
第1実施形態では、処理ユニット100から得られる情報を、端末装置2を介して取得した出力装置1が、取得した情報に基づく提案を端末装置2へ示す構成とした。しかしながら処理ユニット100が学習モデル1Mを記憶して出力装置1の機能を果たし、ディスプレイKへ提案情報を出力するようにしてもよい。この場合、処理ユニット100が出力装置1として単体で機能し、端末装置2は使用されない。
【0103】
(第2実施形態)
第1実施形態では、外部の出力装置1が、学習モデル1Mに基づいて各種収集した情報に基づいて評価情報を出力した。しかしながらこれに限らず、ユーザが所持する端末装置2内で出力装置1の機能を果たしてもよい。
【0104】
第2実施形態では、端末装置2にて学習モデル2Mを用いて出力装置1の機能を果たす。図9は、第2実施形態における端末装置2の構成を示すブロック図である。第2実施形態における端末装置2の構成は、学習モデル2Mが記憶されていること、学習モデル2Mに基づくサポートアプリプログラム22Pに基づく処理の詳細が異なる点以外、ハードウェア構成は実施の形態1における構成と同様であるので、共通する構成には同一の符号を付して詳細な説明を省略する。第2実施形態では、処理ユニット100無しに、端末装置2が直接的にコンポーネント群又はセンサ群S1-S5から走行情報を取得してもよい。
【0105】
記憶部22には、サポートアプリプログラム22Pおよび学習モデル2Mが記憶されている。サポートアプリプログラム22Pおよび学習モデル2Mは、記憶媒体5に記憶されたサポートアプリプログラム52Pおよび学習モデル50Mを処理部20が読み出して記憶部22に複製したものであってもよい。
【0106】
処理部20は第1実施形態と同様に、第2通信部25により、処理ユニット100と接続可能であり、処理ユニット100から人力駆動車Aの走行情報を取得することができる。第2実施形態では処理部10は、第2通信部25により、生体情報を取得するセンサ29と通信接続が可能である。
【0107】
センサ29は、心拍、体表温度、発汗量、または乳酸値を取得する生体情報センサである。センサ29は第1例では胸部に貼り付ける態様のセンサである。センサ29は第2例では腕に巻くバンドを含むウェアラブルデバイスである。
【0108】
第2実施形態における処理ユニット100は、後述の学習モデル2Mで用いる快適度を算出してもよい。例えば処理ユニット100の処理部101は、乗り手の快適度に関する情報を求め記憶部103に記憶する。処理部101は、ケイデンスセンサS4から得られるケイデンスを逐次記憶部103に記憶する。処理部101は、トルクセンサS5から得られるトルクを逐次記憶部103に記憶する。処理部101は、トルクセンサS5から得られるトルクに基づいて、ペダルB5への荷重を算出して逐次記憶部103へ記憶してもよい。
【0109】
他の例において処理部101は、乗り手の快適度に関し、姿勢に関する情報を取得するセンサを用い、逐次記憶部103に記憶してもよい。乗り手の姿勢に関する情報は例えば角度センサS3から取得できるステムA2の角度であってもよいし、シートポストFから取得するシートA6の高さであってよい。シートポストFにてシートA6の傾きを取得できる場合には、シートA6の傾きであってよい。シートA6およびハンドルバーA3に掛かる体重分布を取得できるセンサが用いられてもよい。乗り手の姿勢によって乗り手への負荷を快適度として評価することができる。
【0110】
端末装置2に記憶されている学習モデル2Mは、以下のようにして生成され、学習される。学習モデル2Mは、端末装置2ではなく外部装置、例えば部品メーカが管理するコンピュータによって予め生成される。
【0111】
第2実施形態において第1例の学習モデル2Mは、所定の学習用のコースを多様な乗り手に各々の人力駆動車Aで走行させたときの人力駆動車Aの仕様を含む車両情報、および、走行中の加速度、減速度を含む走行情報の少なくとも1つに関し、快適度に基づくラベルが付与された教師データによって学習される。第2実施形態の第1例の学習モデル2Mは、人力駆動車Aが所定コースを走行することによって新たに得られる実走快適度を、車両情報または走行情報と共に入力することによって、走行情報または車両情報に対する評価情報および提案情報の少なくともいずれか1つを出力する。
【0112】
このため、多様な乗り手が乗る人力駆動車Aの構成、例えば部品の品番が教師データとして収集される。人力駆動車A毎に、人力駆動車Aを構成する各パーツの寸法、例えばハンドルの幅、ステムA2の長さ、シートポストFにおけるシートA6の高さ等の車両情報が教師データとして収集される。多様な人力駆動車Aについて人力駆動車A毎に、前輪A4または後輪A5の幅、リム幅、またはリム高さ等の車両情報が教師データとして収集されてよい。人力駆動車A毎に、クランクB1のクランク長、ギアの大きさ等の車両情報が収集されてもよい。多様な乗り手による所定の学習用コースを走行したときの走行情報、例えば加速度、減速度、傾斜、ケイデンス、またはトルクが、人力駆動車A毎に処理ユニット100から収集されるとよい。多様な乗り手による所定の学習用コースを走行したときの生体情報、たとえば心拍数、体表温度、発汗量または乳酸値が、人力駆動車A毎に収集されてもよい。人力駆動車Aそれぞれに対応付けて乗り手の身長または体重の情報が収集されるとよい。
【0113】
快適度に基づくラベルは例えば、収集された情報の内、走行情報に含まれるペダルB5への荷重および角度の少なくともいずれか1つの変化に基づいて学習モデル2Mを作成するオペレータによって付与されるとよい。ラベルは例えば、ペダルB5への荷重および角度の少なくともいずれか1つの変化が所定範囲内に収まるほどに、より快適であることを示す高評価で付与される。変化が所定範囲外にはずれる場合にはラベルは不快であることを示す低評価で付与される。快適度に基づくラベルは、収集された情報の内、車両情報に含まれるシートA6の高さ、走行情報に含まれるステムA2の角度を用いて付与されてもよい。快適度に基づくラベルはその他に、収集された情報の内、生体情報に含まれる心拍数、体表温度、発汗量または乳酸値に基づいて付与されてもよい。ラベルは例えば、心拍数が乗り手の通常の心拍数を基準として所定の割合以上高い場合には不快を示す低評価、所定範囲に収まる場合には高評価で付与されてもよい。
【0114】
図10は、第2実施形態の第1例の学習モデル2Mの概要を示す図である。図10に示す例では、学習モデル2Mは、人力駆動車Aで走行した場合の車両情報および走行情報を入力する入力層31と、乗り方の提案情報を出力する出力層32とを備える。入力層31には、走行情報の一部から得られる快適度が入力される。学習モデル2Mは、入力情報が入力された場合に、より快適に走行できるような乗り方の提案を出力するように教師データによって学習済みのパラメータを有する中間層33を備える。入力層31に、ユーザの人力駆動車Aの車両情報と、その人力駆動車Aで学習用コースと同一のコースを実際にユーザが走行した場合に得られる走行情報とが実走快適度と共に入力された場合、学習済みパラメータによって中間層33で演算が行なわれ、出力層32から、人力駆動車Aの乗り方の提案に関する出力情報が出力される。
【0115】
図10の例では出力層32から、提案に関する出力情報として、乗り手による人力駆動車Aへの人力駆動力の入力位置に関する情報を出力する。入力位置は例えば、力を入力すべきクランクB1の角度およびペダルB5の角度を示す。具体的には、その所定のコースではある角度で人力駆動力を入力することによって、快適に即ち、ペダルB5への荷重および角度が所定範囲内に収まるように人力駆動車Aを走行させることができると提案される。
【0116】
図11は、第1例の学習モデル2Mの他の概要を示す図である。図11に示す例では、図10と比較して、車両情報および走行情報、走行情報から得られる快適度を、所定のコースを走行した場合の時間分布でグラフ化して入力するようにしてある。これにより、所定のコース中では、どのタイミングでどの角度で人力駆動力を入力することでより快適に走行することができるかを端末装置2が提案することが可能になる。入力すべき人力駆動力の配分を提案するように学習されてもよい。
【0117】
第1例の学習モデル2Mは、図10または図11で示したように、人力駆動力を入力する位置に関する提案を出力したが、乗り方の提案情報はこれに限らないことは勿論である。乗り方の提案情報はその他、人力駆動車AのペダルB5に対する乗り手のシューズの位置に関する情報を含んでもよい。乗り方の提案情報は、ユーザのシューズに対してシューズに取り付けられるクリートのシューズに対する位置の修正に関する情報を含んでもよい。クリートの位置の調整は、ペダルB5側のクリートとの嵌合部にアクチュエータを設け、アクチュエータによって自動で可能であってもよい。この場合、処理ユニット100へ位置の調整を指示する信号が端末装置2から送信され、ユーザは自身でシューズとペダルB5との間の位置関係を調整することなく、処理ユニット100にて自動的に調整することが可能であってもよい。人力駆動車Aの傾斜に応じて処理ユニット100によってシューズとペダルB5との位置関係が自動で調整されてもよい。
【0118】
学習モデル2Mは、乗り方の提案情報を出力するのではなく、人力駆動車Aの車体または車輪に関する部品の選択肢から提案される部品の情報を出力してもよい。
【0119】
図12は、第2実施形態における学習モデル2Mを用いた提案の出力処理の一例を示すフローチャートである。端末装置2を用いてユーザがサポートアプリプログラム22Pに基づいて提案を開始させることで、以下の処理が開始される。
【0120】
端末装置2の処理部20は、記憶部22に記憶してある対象の人力駆動車Aの車両情報を読み出しておく(ステップS221)。
【0121】
処理部20は、サンプリング周期毎に、第2通信部25により処理ユニット100と通信接続を確立させると(ステップS223)、処理ユニット100から記憶部103に記憶してある前回取得した後に記憶された走行情報を取得する(ステップS225)。処理部20は、処理ユニット100との通信接続を切断し(ステップS227)、第2通信部25によりセンサ29と通信接続し(ステップS229)、センサ29から生体情報を取得し(ステップS231)、センサ29との通信接続を切断する(ステップS233)。
【0122】
端末装置2がセンサ29および処理ユニット100と同時に通信接続が可能な構成では、ステップS227、S233の処理は不要である。
【0123】
処理部20は、ステップS225で取得した走行情報から実走快適度を求め(ステップS235)、車両情報と走行情報とステップS235で求めた実走快適度とを学習モデル2Mへ与える(ステップS237)。処理部20は、学習モデル2Mから出力される提案に関する情報を特定する(ステップS239)。
【0124】
処理部20は、処理ユニット100と通信接続し(ステップS241)、特定された提案に関する情報、例えばペダルB5の位置または角度に関する提案情報を処理ユニット100へ送信し(ステップS243)、通信接続を切断する(ステップS245)。ステップS243において処理部20は、処理ユニット100のディスプレイKで提案情報を表示するための表示データを送信するとよい。
【0125】
処理部20は、所定のコースの走行が終了したか否かを判断する(ステップS247)。処理部20は、ステップS247にて、走行完了操作が行なわれたか、処理ユニット100から得られる位置情報に基づいて走行が終了したかを判断して終了してよい。走行が終了していないと判断された場合(S247:NO)、処理部20は処理をステップS223へ戻し、次のサンプリング周期での処理を実行する。
【0126】
ステップS247で走行が終了したと判断された場合(S247:YES)、処理部20は処理を終了する。
【0127】
処理ユニット100では、処理部101が端末装置2と提案情報が送信される都度これを受信し(ステップS301)、受信した提案情報に基づいて提案情報をディスプレイKに表示させる(ステップS303)。
【0128】
これにより、人力駆動車Aの走行中に、処理ユニット100のディスプレイKに例えば、ペダルB5の位置、例えばペダルB5に人力駆動力を入力するクランクB1の角度の提案が表示される。表示態様は、メッセージでもよいが、グラフィックでもよい。図13は、提案情報の表示例を示す図である。図13に示すように、右クランクB12がどのあたりでペダルB5をどのような角度で踏み込まれるとよいかの提案が表示される。その他、ペダルB5に対するシューズの位置をグラフィックで表示してもよい。
【0129】
第2実施形態において第2例の学習モデル2Mは、所定の学習用のコースを複数の特定の乗り手が各々の人力駆動車Aを走行させた情報に基づいて、特定の乗り手別に学習される。第2例の学習モデル2Mは、車両情報および前記走行情報の少なくともいずれか1つに関して、タイムレコードに基づくラベルが付与された教師データを用いて学習される。第2実施形態の第2例の学習モデル2Mは、人力駆動車Aが所定コースを走行することによって得られる実走タイムレコードを学習モデル2Mに入力することによって、評価情報および前記提案情報の少なくともいずれか1つを出力する。
【0130】
第2例の学習モデル2Mの生成および学習のために収集される教師データは、第1例の学習モデル2Mにおける教師データと同様である。人力駆動車A毎に、人力駆動車Aを構成する各パーツの寸法、例えばハンドルの幅、ステムA2の長さ、シートポストFにおけるシートA6の高さ等の車両情報が教師データとして収集される。人力駆動車A毎に、前輪A4または後輪A5の幅、リム幅、またはリム高さ等の車両情報が教師データとして収集されてよい。人力駆動車A毎に、クランクB1のクランク長、ギアの大きさ等の車両情報が収集されてもよい。各乗り手による所定の学習用コースを走行したときの走行情報、例えば加速度、減速度、傾斜、ケイデンス、またはトルクが、人力駆動車A毎に処理ユニット100から集中されるとよい。各乗り手による所定の学習用コースを走行したときの生体情報、たとえば心拍数、体表温度、発汗量または乳酸値が、人力駆動車A毎に収集されてもよい。人力駆動車Aそれぞれに対応付けて乗り手の身長または体重の情報が収集されるとよい。
【0131】
タイムレコードに基づくラベルは例えば、同一の所定コースについて走行タイムが短い程に高評価で付与され、走行タイムが長い程に低評価で付与されてもよい。
【0132】
図14は、第2実施形態の第2例の学習モデル2Mの概要を示す図である。図14に示す例では、学習モデル2Mは、人力駆動車Aを走行した場合の車両情報および走行情報を入力する入力層31と、乗り方の提案情報を出力する出力層32とを備える。入力層31には、タイムレコードが入力される。学習モデル2Mは、入力情報が入力された場合に、よりタイムレコードを短くできるような乗り方の提案を出力するように、特定の乗り手の走行情報およびタイムレコードに基づく教師データによって学習済みのパラメータを有する中間層33を備える。入力層31に、ユーザの人力駆動車Aの車両情報と、その人力駆動車Aで選択された所定の走行コースを実際にユーザが走行した場合に得られる走行情報とがタイムレコードと共に入力された場合、学習済みパラメータによって中間層33で演算が行なわれ、出力層32から選択された特定の乗り手の乗り方に則した提案情報が出力される。
【0133】
図14の例では出力層32から、提案に関する出力情報として第1例同様に、乗り手による人力駆動車Aへの人力駆動力の入力位置に関する情報を出力する。出力層32は、傾斜の大小の評価を出力してもよい。
【0134】
これにより、特定の乗り手として例えばプロライダーに所定コースを走行してもらい得られたデータに基づいて学習することで、ユーザの乗り方とプロライダーの乗り方との比較が可能になる。
【0135】
図14に示した学習モデル2Mを用いた評価または提案情報の出力手順は、快適度をタイムレコードに代替する点以外は図12のフローチャートに示した手順と同様であるから詳細な説明を省略する。
【0136】
学習モデル2Mは、入力される車両情報の種類別に、特定の乗り手別に前記乗り手による走行時の走行情報を教師データとして学習されていてもよい。例えば、ロードバイクにおけるレースで実績のある特定のプロライダーと、マウンテンバイクのオフロードレースで実績のある特定のプロライダーとで別個に学習されてあることで、ユーザの嗜好および人力駆動車Aの種類に応じた学習モデル2Mを適切に選択することが可能である。この場合、ユーザは端末装置2にてサポートアプリプログラム22Pに基づいて学習モデル22Mを特定の乗り手の名前等の識別情報で選択する。端末装置2の処理部20は、選択された乗り手の教師データで学習された学習モデル2Mを選択し、選択した学習モデル2Mにユーザの人力駆動車Aの車両情報およびユーザの走行情報を与え、出力される評価、または提案情報を表示してもよい。
【0137】
処理部20は、特定の乗り手に対応付けて選択した学習モデル2Mにユーザの走行中の走行情報を与えた場合に出力される評価を用いて、特定の乗り手の人力駆動車Aの走行中の走行情報と、走行中ユーザの走行情報との差分を出力してもよい。これにより、ディスプレイKには、ユーザの走行中の乗り方の概要を示すグラフィックを評価情報として表示することが可能である。図15は、ユーザに対する乗り方の提案情報の表示例を示す図である。図15では、ユーザと特定の乗り手との間の乗り方の比較を示している。図15に示すような図がディスプレイKに表示されることで、ユーザ(あなた)は例えば選択されたプロライダーQとの比較が可能になる。ユーザの走行中の乗り方についての情報を端末装置2にて記憶しておき、図15に示すような図は比較対象の特定の乗り手の乗り方との比較が端末装置2の表示部26に表示されるようにしてもよい。
【0138】
第2実施形態では、学習モデル2Mは、端末装置2にて処理に用いられるとして説明した。しかしながらこれに限らず、学習モデル2Mは、部品メーカが管理する出力装置1に記憶されており、処理ユニット100から得られる走行情報に基づいて、出力装置1にて乗り方を提案する処理に用いられてもよい。
【符号の説明】
【0139】
100…処理ユニット、101…処理部、103…記憶部、109…GPS受信部、1…出力装置、10…処理部、12…記憶部、1P…制御プログラム、1M,2M,30M,50M…学習モデル、2…端末装置、20…処理部、22…記憶部、24…第1通信部、25…第2通信部、26…表示部、28…操作部、2P,50P…メンテナンスアプリプログラム、22P,52P…サポートアプリプログラム、3,5…記憶媒体、A1…フレーム、A15…シートステー、A16…チェーンステー、A2…ステム、A3…ハンドルバー、A4…前輪、A5…後輪、D…操作装置、E…変速機、F…シートポスト、G…サスペンション、J…ブレーキ、K…ディスプレイ、S1…加速度センサ、S2…加速度センサ、S3…角度センサ、S4…ケイデンスセンサ、S5…トルクセンサ。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15