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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-19
(45)【発行日】2024-03-28
(54)【発明の名称】レーザ照射装置
(51)【国際特許分類】
   G01C 15/00 20060101AFI20240321BHJP
【FI】
G01C15/00 103C
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2019111095
(22)【出願日】2019-06-14
(65)【公開番号】P2020204484
(43)【公開日】2020-12-24
【審査請求日】2022-06-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000220343
【氏名又は名称】株式会社トプコン
(74)【代理人】
【識別番号】100098796
【弁理士】
【氏名又は名称】新井 全
(74)【代理人】
【識別番号】100121647
【弁理士】
【氏名又は名称】野口 和孝
(74)【代理人】
【識別番号】100187377
【弁理士】
【氏名又は名称】芳野 理之
(72)【発明者】
【氏名】青木 武夫
【審査官】眞岩 久恵
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-098194(JP,A)
【文献】特開平09-257477(JP,A)
【文献】特開2016-103399(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01C 1/00-1/14
G01C 5/00-15/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
土木工事を行う際の基準線を設定するレーザ照射装置であって、
略円筒形状を呈するとともに前記基準線を設定するときの設置状態において法線が斜め上方に延びるように傾斜した傾斜面を一方の端部に有する筐体と、
ターゲットに向けてレーザ光線を射出する射出手段と前記ターゲットで反射された反射レーザ光線を受光する受光手段とを有し前記筐体の内部に設けられたレーザ発振装置と、
前記傾斜面に設けられた操作部と、
締結部材により前記操作部の下端部の両端部に締結され、前記締結部材を外すことにより前記筐体から取り外し可能であり、前記下端部から前記法線に沿って延び、前記略円筒形状の前記筐体の中心軸に沿ってみたとき、前記両端部の一方の端部から前記筐体の外形の内側の範囲で円弧状に延び前記両端部の他方の端部まで到達した把持部と、
を備えたことを特徴とするレーザ照射装置。
【請求項2】
前記筐体は、前記略円筒形状の前記筐体の中心軸からみて前記操作部とは反対の側に設けられ外形が前記中心軸に向かって後退し指を掛けられる凹部をさらに有することを特徴とする請求項1に記載のレーザ照射装置。
【請求項3】
前記筐体の内部において前記操作部と前記凹部との間に設けられ、前記レーザ発振装置に電力を供給する電源部をさらに備えたことを特徴とする請求項に記載のレーザ照射装置。
【請求項4】
前記略円筒形状の前記筐体の中心軸に沿ってみたとき、前記筐体は、前記操作部の両側に設けられ外形が平坦に形成された平坦部をさらに有することを特徴とする請求項1~のいずれか1項に記載のレーザ照射装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、土木工事を行う際の基準線を設定するレーザ照射装置に関する。
【背景技術】
【0002】
土木工事を行う場合には、水平基準線、或いは、水平線に対して所要の角度で傾斜した基準線が必要になる。このような基準線を設定する装置として、レーザ基準レベル装置が使用されている。例えば、下水工事において、コンクリートパイプを埋設する場合、所定の勾配を付けて屈曲のない状態でコンクリートパイプを地中に設置しなければならない。もし、埋設されたコンクリートパイプが上下方向、或いは、左右方向に蛇行している場合には、液状物がコンクリートパイプ中に滞留したり、詰まったり、或いは、地中に漏出したりすることがある。そうすると、コンクリートパイプは、流路としての機能を果たすことができない。従って、コンクリートパイプの埋設の時に、適当な基準線を設ける必要がある。
【0003】
このような基準線としては、レーザ光線が好都合である。レーザ光線は、糸のように弛むことがないので、一直線に遠距離に到達することができ、コンクリートパイプの埋設作業の障害にならず、コンクリートパイプと干渉して切断されるおそれもない。
【0004】
特許文献1には、レーザ照射装置とターゲットとで構成されたレーザ基準レベル装置が開示されている。特許文献1に記載されたレーザ照射装置は、円筒状の本体部を有する。本体部の筐体の内部には、レーザ発振装置が上下方向、水平方向の2方向に揺動可能に設けられている。レーザ発振装置は、水平方向、鉛直方向の2方向にレーザ光線を照射するとともに、水平方向に射出されたレーザ光線がターゲットにおいて反射された反射レーザ光線を検知する。
【0005】
特許文献1に記載された本体部の後部には、操作パネルを兼ねた傾斜面が設けられている。操作パネルには、各種操作スイッチおよび表示部などが設けられている。傾斜した操作パネルに表示部が設けられているため、作業者等は、縦穴の外(上方)から表示部に表示された内容を確認することができる。操作パネルの下方には、作業者等がレーザ照射装置を把持するための把持部が設けられている。把持部は、操作パネルの下側の部分から水平方向に突出しており、作業者等が操作パネルに設けられた表示部などを確認する際に邪魔になることを回避している。
【0006】
ここで、本発明者の得た知見によれば、レーザ照射装置の把持部は、作業者等がレーザ照射装置を把持するために使用されるだけではなく、作業者等が把持部にロープを取り付けて引っ張ることによりレーザ照射装置をパイプ内で取り回すために使用されている。また、例えば複数のパイプが所定の角度を付けられた状態で地中に設置された場合において、作業者等がレーザ照射装置をパイプ内で取り回す作業は、把持部が例えば複数のパイプの境界部等において引っかかり易いため困難な作業であることが分かった。パイプ内におけるレーザ照射装置の取り回し作業を容易にするための手段のひとつとして、把持部の水平方向の突出量を減少させることが挙げられる。しかし、そうすると、作業者等が把持部に手を挿入し難くなり、把持部を把持し難くなるおそれがある。例えば特許文献1に記載されたようなレーザ照射装置において、把持部の操作性を確保しつつ作業者等がパイプ内における装置の取り回し作業を容易に行うことができる点については、改善の余地がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開平9-257477号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、前記課題を解決するためになされたものであり、把持部の操作性を確保しつつ作業者等がパイプ内における装置の取り回し作業を容易に行うことができるレーザ照射装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題は、土木工事を行う際の基準線を設定するレーザ照射装置であって、略円筒形状を呈するとともに前記基準線を設定するときの設置状態において法線が斜め上方に延びるように傾斜した傾斜面を一方の端部に有する筐体と、ターゲットに向けてレーザ光線を射出する射出手段と前記ターゲットで反射された反射レーザ光線を受光する受光手段とを有し前記筐体の内部に設けられたレーザ発振装置と、前記傾斜面に設けられた操作部と、前記操作部の下端部に接続され前記下端部から前記法線に沿って延びた把持部と、を備えたことを特徴とする本発明に係るレーザ照射装置により解決される。
【0010】
本発明に係るレーザ照射装置によれば、筐体は、略円筒形状を呈するとともに、一方の端部に傾斜面を有する。傾斜面は、レーザ照射装置が基準線を設定するときの設置状態において、法線が斜め上方に延びるように傾斜している。筐体の傾斜面には、操作部が設けられている。そして、把持部が、操作部の下端部に接続されており、操作部の下端部から操作部が設けられた傾斜面の法線に沿って延びている。そのため、把持部は、操作部を覆うことはなく、作業者等が縦穴の外(上方)から操作部を確認したり操作したりする際に邪魔になることを回避することができる。また、把持部が操作部の下端部から傾斜面の法線に沿って延びているため、把持部が水平方向に突出した場合と比較して、把持部を容易に把持することができる。これにより、把持部の操作性が確保される。さらに、把持部が操作部の下端部から傾斜面の法線に沿って延びているため、把持部が水平方向に突出した場合と比較して、水平方向に対する突出量を抑えることができる。そのため、例えば、作業者等が把持部にロープを取り付けて引っ張ることによりレーザ照射装置をパイプ内で取り回す際に、把持部がパイプ内の所定箇所において引っかかることを抑えることができる。これにより、作業者等は、パイプ内におけるレーザ照射装置の取り回し作業を容易に行うことができる。
【0011】
本発明に係るレーザ照射装置において、好ましくは、前記略円筒形状の前記筐体の中心軸に沿ってみたとき、前記把持部は、前記下端部の両端部に接続されるとともに前記両端部の一方の端部から前記筐体の外形の内側の範囲で円弧状に延び前記両端部の他方の端部まで到達したことを特徴とする。
【0012】
本発明に係るレーザ照射装置によれば、略円筒形状の筐体の中心軸に沿ってみたとき、把持部は、操作部の下端部の両端部に接続されるとともに、その両端部の一方の端部から筐体の外形の内側の範囲で円弧状に延び両端部の他方の端部まで到達している。また、前述したように、把持部は、操作部の下端部から傾斜面の法線に沿って延びている。そのため、作業者等は、筐体の傾斜面と把持部との間の空間に容易に手を挿入することができ、把持部を容易に把持することができる。これにより、把持部の操作性が確保される。また、把持部は、筐体の外形の内側の範囲で円弧状に延びているため、略円筒形状の筐体の中心軸に沿ってみたとき筐体の外側には突出していない。そのため、例えば、作業者等が把持部にロープを取り付けて引っ張ることによりレーザ照射装置をパイプ内で取り回す際に、把持部がパイプ内の所定箇所において引っかかることをより一層抑えることができる。これにより、作業者等は、パイプ内におけるレーザ照射装置の取り回し作業をより一層容易に行うことができる。
【0013】
本発明に係るレーザ照射装置において、好ましくは、前記筐体は、前記略円筒形状の前記筐体の中心軸からみて前記操作部とは反対の側に設けられ外形が前記中心軸に向かって後退した凹部をさらに有することを特徴とする。
【0014】
本発明に係るレーザ照射装置によれば、外形が略円筒形状の筐体の中心軸に向かって後退した凹部が、その中心軸からみて操作部とは反対の側に設けられている。そのため、作業者等は、把持部を把持する際に、把持部に親指を掛け、人差し指、中指、薬指および小指の少なくともいずれかの指を凹部に掛けることができる。これにより、例えば、作業者等は、凹部に掛けた人差し指、中指、薬指および小指の少なくともいずれかの指を支点として把持部に掛けた親指を回動させることにより、縦穴を通してレーザ照射装置を略水平方向に延びたパイプ内に容易に配置し、基準線を設定するときの設置状態に容易におくことができる。
【0015】
本発明に係るレーザ照射装置は、好ましくは、前記筐体の内部において前記操作部と前記凹部との間に設けられ、前記レーザ発振装置に電力を供給する電源部をさらに備えたことを特徴とする。
【0016】
本発明に係るレーザ照射装置によれば、レーザ発振装置に電力を供給する電源部が、筐体の内部において操作部と凹部との間に設けられている。電源部は、レーザ照射装置を構成する部材のうちで比較的重い。そのため、電源部が操作部と凹部との間に設けられていない場合と比較すると、レーザ照射装置の重心は、操作部および凹部に近い位置に存在する。これにより、作業者等は、把持部を把持してレーザ照射装置を容易に持ち上げ、レーザ照射装置を搬送したりパイプ内に配置したりすることができる。例えば、作業者等は、把持部に親指を掛け、人差し指、中指、薬指および小指の少なくともいずれかの指を凹部に掛けることにより、片手で容易にレーザ照射装置を搬送したりパイプ内に配置したりすることができる。
【0017】
本発明に係るレーザ照射装置において、好ましくは、前記略円筒形状の前記筐体の中心軸に沿ってみたとき、前記筐体は、前記操作部の両側に設けられ外形が平坦に形成された平坦部をさらに有することを特徴とする。
【0018】
本発明に係るレーザ照射装置によれば、筐体は、外形が平坦に形成された平坦部を有する。平坦部は、略円筒形状の筐体の中心軸に沿ってみたとき、操作部の両側に設けられている。そのため、作業者等は、例えば、操作部の両側のうちのいずれか一方の側に設けられた平坦部に親指を掛け、操作部の両側のうちのいずれか他方の側に設けられた平坦部に人差し指、中指、薬指および小指の少なくともいずれかの指を掛けることができる。これにより、作業者等は、親指と、人差し指、中指、薬指および小指の少なくともいずれかの指と、の間に筐体を挟むことにより、片手で容易にレーザ照射装置を把持し搬送することができる。また、平坦部の外形が平坦に形成されているため、泥や土が平坦部に付着し溜まることを抑えることができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、把持部の操作性を確保しつつ作業者等がパイプ内における装置の取り回し作業を容易に行うことができるレーザ照射装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の実施形態に係るレーザ照射装置が利用される土木工事の方法の一例を説明する断面図である。
図2】本実施形態に係るレーザ照射装置を前側から眺めたときの斜視図である。
図3】本実施形態に係るレーザ照射装置を後側から眺めたときの斜視図である。
図4】本実施形態に係るレーザ照射装置の側面図である。
図5】本実施形態に係るレーザ照射装置の正面図である。
図6】本実施形態に係るレーザ照射装置の上面図である。
図7】本実施形態に係るレーザ照射装置の底面図である。
図8】本実施形態に係るレーザ照射装置がパイプ内に設置される状況を説明する断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下に、本発明の好ましい実施形態を、図面を参照して詳しく説明する。
なお、以下に説明する実施形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。また、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
【0022】
図1は、本発明の実施形態に係るレーザ照射装置が利用される土木工事の方法の一例を説明する断面図である。
本実施形態に係るレーザ照射装置2は、土木工事を行う際の基準線を設定する場合に用いられる。例えば、コンクリートパイプ等を地中に埋設する場合の作業の代表的な例として、地面を掘り下げて、掘り下げた溝にコンクリートパイプを順次配置して埋設し、土を埋め戻すオープンカット工法が知られている。オープンカット工法を用いて設置されるパイプとしては、パイプの口径に応じてコンクリートパイプ、鋳鉄管、プラスチックパイプなどが挙げられる。いずれの種類のパイプにおいても、パイプの設置方法はほぼ同じである。本実施形態では、オープンカット工法を例に挙げ、レーザ照射装置2を用いてコンクリートパイプを地中に埋設する土木工事の方法を説明する。
【0023】
図1に表したレーザ基準レベル装置は、レーザ照射装置2と、ターゲット3と、を備える。レーザ照射装置2は、水平方向または勾配が設けられた方向にレーザ光線を射出する。レーザ照射装置2から照射されるレーザ光線は、水平方向に合致すると水平基準線になり、所要の角度で傾斜すると勾配を有する基準線になる。
【0024】
作業者等は、一定の直線区間毎に、コンクリートパイプ61を埋設する始点においてコンクリートパイプ61を設置する深さ以上の縦穴63を掘削し、縦穴63に連続する埋設溝64をコンクリートパイプ61を設置する深さ以上に掘削する。レーザ照射装置2は、縦穴63内に設置され、水平線に対して角度θ1で傾斜した方向にレーザ光線を射出し、基準レーザ光線Lを形成する。なお、前述したように、レーザ照射装置2は、水平方向にレーザ光線を射出し、水平基準線としての基準レーザ光線Lを形成してもよい。コンクリートパイプ61の軸心が基準レーザ光線Lに合致するように、コンクリートパイプ61は、埋設溝64内に仮台62を介して設置される。コンクリートパイプ61の軸心が基準レーザ光線Lに合致すると、作業者等は、埋設溝64を埋戻してコンクリートパイプ61を埋設する。
【0025】
レーザ照射装置2は、水平方向の位置が正確に設定されなければならない。レーザ照射装置2の水平方向の位置は、次の方法で設定される。すなわち、作業者等は、縦穴63の上方に支持台65を設け、支持台65にトランシット66を設置し、トランシット66の求心望遠鏡で観察し、レーザ照射装置2から鉛直方向に射出された鉛直レーザ光線Lvが接地点を照射するように位置合わせを行う。測定の基準がレーザ光線であるため、風等の外的要因の影響を受けることを抑えることができる。
【0026】
オープンカット工法では、コンクリートパイプ61が埋設溝64の終端位置に仮設置され、埋設溝64の終端位置に仮設置されたコンクリートパイプ61の内部にターゲット3が設置される。ターゲット3の中心と、接地点と、の間の距離は、コンクリートパイプ61の内径に等しくなっている。ターゲット3がコンクリートパイプ61の内部に設置されると、ターゲット3の中心は、コンクリートパイプ61の中心に一致する。
【0027】
ターゲット3のレーザ光線照射部分は、半透明の部材から構成されている。そのため、作業者等は、ターゲット3における基準レーザ光線Lの照射位置を確認できるとともに、ターゲット3を透過し例えば円錐状や鉛直方向の扇状に拡散した基準レーザ光線Lの照射位置を拡散の範囲内で確認できる。作業者等は、レーザ照射装置2から照射される基準レーザ光線Lの傾斜角度を設定する場合には、レーザ照射装置2に傾斜角度の設定値を入力する。レーザ照射装置2は、パルスモータを駆動源とする傾斜機構を内蔵しており、傾斜機構を作動させ、所定の角度で傾斜した方向に基準レーザ光線Lを射出する。
【0028】
このように、作業者等は、レーザ照射装置2から照射される基準レーザ光線Lの延長上に置かれたターゲット3により、基準レーザ光線Lの照射位置を確認できる。照射された基準レーザ光線Lがターゲット3の中心からずれている場合には、レーザ照射装置2は、レーザ照射装置2から照射される基準レーザ光線Lでターゲット3を走査し、基準レーザ光線Lがターゲット3の反射部で反射された反射レーザ光線を受光し、反射レーザ光線の受光状態からターゲット3の中心を演算し、基準レーザ光線Lの照射位置を自動的に調整する。つまり、レーザ照射装置2は、ターゲット3の照射中心を検出し、基準レーザ光線Lの照射位置をターゲット3の照射中心に自動的に合致させる。
【0029】
以上、オープンカット工法を例に挙げ、レーザ照射装置2を用いてコンクリートパイプ61を地中に埋設する土木工事の方法を説明した。但し、コンクリートパイプ61を地中に埋設する土木工事の方法は、オープンカット工法に限定されるわけではなく、他の方法であってもよい。
【0030】
次に、本実施形態に係るレーザ照射装置2を、図面を参照して説明する。
図2は、本実施形態に係るレーザ照射装置を前側から眺めたときの斜視図である。
図3は、本実施形態に係るレーザ照射装置を後側から眺めたときの斜視図である。
図4は、本実施形態に係るレーザ照射装置の側面図である。
図5は、本実施形態に係るレーザ照射装置の正面図である。
図6は、本実施形態に係るレーザ照射装置の上面図である。
図7は、本実施形態に係るレーザ照射装置の底面図である。
【0031】
本実施形態に係るレーザ照射装置2は、本体部のケーシングとして機能する筐体21と、レーザ発振装置22(図4参照)と、操作部23と、把持部24と、脚部27と、を備える。筐体21は、略円筒形状を呈し、レーザ照射装置2が基準線を設定するときの設置状態において4本の脚部27により支持される。なお、脚部27の数は、4本に限定されるわけではない。脚部27は、筐体21に対して着脱可能に装着されている。そのため、例えば、作業者等は、コンクリートパイプ61の口径に応じて脚部27を長さの異なる他の脚部27に差し替えることができる。
【0032】
図4に表したように、筐体21は、傾斜面211を有する。傾斜面211は、略円筒形状の筐体21の中心軸A11の方向における一方の端部281に形成されている。傾斜面211の法線Nは、レーザ照射装置2の設置状態において斜め上方に延びる。つまり、傾斜面211は、レーザ照射装置2の設置状態において、法線Nが斜め上方に延びるように傾斜している。図4に表したように、レーザ照射装置2を側方からみたときに、傾斜面211と中心軸A11との間の角度θ3は、例えば約30°以上、40°以下程度である。但し、角度θ3は、この範囲に限定されるわけではない。
【0033】
筐体21の上面には、レーザ保護カバー261と、素通しガラス264と、が設けられている。レーザ保護カバー261は、軸ボルト263を中心として筐体21に対して回転可能に設けられており、外縁部から中心に向かって切り欠かれた切欠部262を有する。また、レーザ保護カバー261は、軸ボルト263からみて切欠部262とは反対の側の対称な位置に設けられたND(濃度)フィルタ265を有する。NDフィルタ265は、拡散フィルタ(図示せず)に接して設けられ、レーザ光線のより良い視認性を確保する。素通しガラス264は、筐体21を貫通して設けられた天孔(図示せず)を覆っており、レーザ光線を透過させることができる。
【0034】
作業者等は、軸ボルト263を中心として筐体21に対してレーザ保護カバー261を回転させることにより、切欠部262およびNDフィルタ265のいずれかを素通しガラス264を介して天孔の上方に配置することができる。切欠部262が素通しガラス264を介して天孔の上方に配置された状態では、鉛直レーザ光線Lvは、レーザ照射装置2から天孔、素通しガラス264および切欠部262を通して鉛直方向に照射される。NDフィルタ265が素通しガラス264を介して天孔の上方に配置された状態では、鉛直レーザ光線Lvは、レーザ照射装置2から天孔、素通しガラス264およびNDフィルタ265を通して鉛直方向に照射される。NDフィルタ265は、レーザ照射装置2から射出されるレーザ光線の一部を遮蔽してレーザ光線を僅かに透過させる。そのため、作業者等は、NDフィルタ265を通して照射される鉛直レーザ光線Lvの照射位置を確認することができる。
【0035】
図3に表したように、筐体21は、中心軸A11の方向における他方の端部282に設けられた透過窓223を有する。基準レーザ光線Lは、レーザ照射装置2から透過窓223を通して照射される。また、基準レーザ光線Lがターゲット3(図1参照)で反射された反射レーザ光線は、透過窓223を通して筐体21の内部に進行し、筐体21の内部に設けられた受光手段222(図4参照)により受光される。
【0036】
筐体21の表面には、防汚コートが施されている。例えば、筐体21の基材の表面には、 エッチングが施され、ナノオーダーの微細な凹凸が形成されている。また、筐体21の基材の表面には、主にケイ素および酸素から構成されたガラスライクコート層が積層され、筐体21の基材の表面に形成された微細な凹部に入り込んでいる。筐体21の基材とガラスライクコート層とは、アンカー効果により互いに物理的に接着された状態である。
【0037】
ガラスライクコート層上には、パーフルオロアルキルシラン層が積層されている。両層では、ガラスライクコート層の表面に存在するOH基と、パーフルオロアルキルシラン層の表面(下側)に存在するOH基と、が互いに縮合し、シロキサン結合(Si-O-Si)によって互いに化学的に結合した状態である。
【0038】
パーフルオロアルキルシラン層の表面(上側)には、パーフルオロアルキル基が配向している。パーフルオロアルキル基は、汚れの付着、拭き取りの際の擦り傷、汚れ成分によるシミの発生に対して防汚性を発揮する。
【0039】
あるいは、防汚コートの他の例として、筐体21の基材の表面には、ガラスライクコート層に相当する部分と、パーフルオロアルキルシラン層に相当する部分と、が1層の内部に形成されている防汚層が積層されていてもよい。この防汚層は、一液積層によって形成されていて、明確な界面を有しているわけではないが、ガラスライクコート部分とパーフルオロアルキルシラン部分とに分離している。防汚層の下側に存在するガラスライクコート部分が、筐体21の基材の表面に形成された微細な凹部に入り込んでいる。筐体21の基材とガラスライクコート部分とは、アンカー効果により互いに物理的に接着された状態である。
【0040】
防汚層内では、ガラスライクコート部分由来のOH基と、パーフルオロアルキルシラン部分由来のOH基と、が互いに縮合し、シロキサン結合(Si-O-Si)によって互いに化学的に結合した状態である。
【0041】
防汚層の表面(上側)には、パーフルオロアルキル基が配向している。前述したようにおり、パーフルオロアルキル基は、汚れの付着、拭き取りの際の擦り傷、汚れ成分によるシミの発生に対して防汚性を発揮する。なお、筐体21の表面に施された防汚コートは、これらだけに限定されるわけではない。
【0042】
図4に表したように、レーザ発振装置22は、筐体21の内部において上下方向および水平方向の2方向に揺動可能に設けられ、水平方向および鉛直方向の2方向にレーザ光線を照射する。具体的には、レーザ発振装置22は、水平方向にレーザ光線を照射し、透過窓223を通してターゲット3に向けて基準レーザ光線Lを射出する。また、レーザ発振装置22は、鉛直方向にレーザ光線を照射し、素通しガラス264を通して鉛直方向に鉛直レーザ光線Lvを射出する。
【0043】
レーザ発振装置22には、レーザ照射装置に用いられるレーザ発振装置としての既存の技術が適用されている。すなわち、レーザ発振装置22は、射出手段221と、受光手段222と、を有する。射出手段221は、例えばレーザダイオードなどの発光素子と、例えばコリメートレンズなどの光学部材を含む光学系と、を有し、ターゲット3に向けて基準レーザ光線Lを射出する。受光手段222は、例えばフォトダイオードなどの受光素子と、例えば合焦レンズおよび偏光板などの光学部材を含む光学系と、を有し、ターゲット3で反射され筐体21の内部に進行してきた反射レーザ光線を受光する。
【0044】
操作部23は、筐体21の傾斜面211に設けられている。言い換えれば、筐体21の傾斜面211は、操作部23を兼ねている。操作部23は、表示部231と、受光窓232と、各種操作スイッチ233と、を有する。表示部231は、例えば、勾配の設定値、作動の状態、レーザ光線の照射方向、およびターゲット3の検出位置などを表示する。また、表示部231は、レーザ照射装置2から射出される基準レーザ光線Lの水平線に対する設定角度θ1(図1参照)を表示したり、水平角および傾斜角などのコンクリートパイプ61に関する測定結果を表示したりする。法線Nが斜め上方に延びるように傾斜した傾斜面211に表示部231が設けられているため、作業者等は、縦穴63の外(上方)から表示部231に表示された内容を確認することができる。
【0045】
受光窓232は、リモートコントローラ(図示せず)から発光されたリモートコントロール操作信号を受光する。受光窓232は、傾斜面211に設けられているため、水平方向および垂直方向のいずれの方向からもリモートコントロール操作信号を受光することができる。これにより、作業者等は、リモートコントローラを用いて水平方向および垂直方向のいずれの方向からもレーザ照射装置2を遠隔操作することができ、例えば縦穴63の外からレーザ照射装置2を遠隔操作することができる。各種操作スイッチ233は、作業者等がレーザ照射装置2の電源の入/切を操作したり、基準レーザ光線Lの水平線に対する角度θ1を設定したり、基準レーザ光線Lをターゲット3の中心に合わせるオートアライメントを設定したりする際に用いられる。
【0046】
図5に表したように、中心軸A11に沿ってみたとき、操作部23の両側には、平坦部212、213が設けられている。図5に表したレーザ照射装置2では、平坦部212は、操作部23の右側において筐体21の外形が平坦に形成された部分である。また、平坦部213は、操作部23の左側において筐体21の外形が平坦に形成された部分である。つまり、平坦部212、213は、略円筒形状の筐体21の外形の一部に形成された平坦な部分である。
【0047】
中心軸A11からみて、操作部23と反対の側には、凹部214が設けられている。言い換えれば、凹部214は、中心軸A11の方向における一方の端部281の近傍の筐体21の底面に設けられている。凹部214は、筐体21の外形が中心軸A11に向かって後退した部分である。凹部214の詳細については、後述する。
【0048】
把持部24は、操作部23の下端部234に接続されている。具体的には、図5に表したように、把持部24は、操作部23の下端部234の一方の端部235と、操作部23の下端部234の他方の端部236と、に接続され、ねじなどの締結部材241により操作部23の下端部234の両端部235、236に締結されている。作業者等は、締結部材241を外すことにより、把持部24を筐体21から取り外すことができる。締結部材241が操作部23の下端部234に設けられているため、例えば、作業者等は、レーザ照射装置2をコンクリートパイプ61の内部に設置した状態において締結部材241を容易に外すことができ、把持部24が筐体21から取り外された状態のレーザ照射装置2の取り回し作業をコンクリートパイプ61内において容易に行うことができる。
【0049】
図4に表したように、把持部24は、操作部23の下端部234から傾斜面211の法線Nに沿って延びている。本願明細書において、「法線Nに沿って延びている」とは、把持部24が法線Nに平行に延びている状態だけではなく、把持部24の操作性が確保されるとともに作業者等がコンクリートパイプ61内におけるレーザ照射装置2の取り回し作業を容易に行うことができるという効果が得られる限りにおいて、把持部24が法線Nに略平行に延びている状態を含むものとする。本実施形態に係るレーザ照射装置2において、把持部24が延びた方向と、法線Nの方向と、の間の角度は、例えば約±5°程度である。すなわち、把持部24と、傾斜面211と、の間の角度θ2は、例えば約85°以上、95°以下程度である。
【0050】
図5に表したように、中心軸A11に沿ってみたとき、把持部24は、操作部23の下端部234の一方の端部235から筐体21の外形の内側の範囲で円弧状に延び、操作部23の下端部234の他方の端部236まで到達している。つまり、中心軸A11に沿ってみたとき、把持部24は、筐体21の外形から外側に出ない状態で、操作部23の下端部234の両端部235、236から円弧状に延びている。
【0051】
図4に表したように、本実施形態に係るレーザ照射装置2は、電源部25をさらに備える。電源部25は、筐体21の内部に設けられ、操作部23と凹部214との間に配置されている。つまり、電源部25は、中心軸A11の方向における一方の端部281の近傍の筐体21の内部に設けられている。電源部25は、レーザ発振装置22や表示部231などに電力を供給する。
【0052】
電源部25は、例えば電池パックを有する。電池パックの内部には、乾電池あるいは可充電型電池等の電池が収納される。電池の数は、特に限定されるわけではなく、1本であってもよく、複数本であってもよい。電源部25は、中心軸A11の方向における一方の端部281に設けられたロック摘まみ251を有する。作業者等は、ロック摘まみ251を回転させることにより、電源部25を筐体21の内部に固定したり、筐体21に対する電源部25の固定を解除したりすることができる。つまり、作業者等は、ロック摘まみ251を操作することにより、電源部25を筐体21の内部に取り付けたり、電源部25を筐体21の内部から取り外したりすることができる。
【0053】
ここで、本発明者の得た知見によれば、レーザ照射装置の把持部は、作業者等がレーザ照射装置を把持するために使用されるだけではなく、作業者等が把持部にロープを取り付けて引っ張ることによりレーザ照射装置をパイプ内で取り回すために使用されている。また、例えば複数のパイプが所定の角度を付けられた状態で地中に設置された場合において、作業者等がレーザ照射装置をパイプ内で取り回す作業は、把持部が例えば複数のパイプの境界部等において引っかかり易いため困難な作業であることが分かった。
【0054】
これに対して、本実施形態に係るレーザ照射装置2によれば、把持部24が、操作部23の下端部234に接続されており、操作部23の下端部234から傾斜面211の法線Nに沿って延びている。そのため、把持部24は、操作部23を覆うことはなく、作業者等が縦穴63の外(上方)から操作部23を確認したり操作したりする際に邪魔になることを回避することができる。また、把持部24が操作部23の下端部234から傾斜面211の法線Nに沿って延びているため、把持部24が水平方向(例えば、操作部23の下端部234から前方)に突出した場合と比較して、把持部24を容易に把持することができる。これにより、把持部24の操作性が確保される。
【0055】
また、把持部24が操作部23の下端部234から傾斜面211の法線Nに沿って延びているため、把持部24が水平方向に突出した場合と比較して、水平方向に対する突出量を抑えることができる。そのため、例えば、作業者等が把持部24にロープを取り付けて引っ張ることによりレーザ照射装置2をコンクリートパイプ61内で取り回す際に、把持部24がコンクリートパイプ61内の所定箇所において引っかかることを抑えることができる。これにより、作業者等は、コンクリートパイプ61内におけるレーザ照射装置2の取り回し作業を容易に行うことができる。
【0056】
また、中心軸A11に沿ってみたとき、把持部24は、操作部23の下端部234の一方の端部235から筐体21の外形の内側の範囲で円弧状に延び、操作部23の下端部234の他方の端部236まで到達している。また、前述したように、把持部24は、操作部23の下端部234から傾斜面211の法線Nに沿って延びている。そのため、図4に表した矢印A1のように、作業者等は、筐体21の傾斜面211と把持部24との間の空間242(図3参照)に容易に手を挿入することができ、把持部24を容易に把持することができる。これにより、把持部24の操作性が確保される。
【0057】
また、把持部24は、筐体21の外形の内側の範囲で円弧状に延びているため、中心軸A11に沿ってみたとき筐体21の外側には突出していない。そのため、例えば、作業者等が把持部24にロープを取り付けて引っ張ることによりレーザ照射装置2をコンクリートパイプ61内で取り回す際に、把持部24がコンクリートパイプ61内の所定箇所において引っかかることをより一層抑えることができる。これにより、作業者等は、コンクリートパイプ61内におけるレーザ照射装置2の取り回し作業をより一層容易に行うことができる。
【0058】
さらに、筐体21の外形が中心軸A11に向かって後退した凹部214が、中心軸A11からみて操作部23とは反対の側に設けられている。そのため、作業者等は、把持部24を把持する際に、把持部24に親指を掛け、人差し指、中指、薬指および小指の少なくともいずれかの指を凹部214に掛けることができる。これについて、図面を参照してさらに詳しく説明する。
【0059】
図8は、本実施形態に係るレーザ照射装置がパイプ内に設置される状況を説明する断面図である。
前述したように、筐体21の凹部214が、中心軸A11からみて、操作部23と反対の側に設けられている。そのため、図8に表したように、作業者等は、把持部24を把持する際に、把持部24に親指41を掛け、人差し指、中指、薬指および小指の少なくともいずれかの指42を凹部214に掛けることができる。これにより、例えば図8に表した矢印A2のように、作業者等は、凹部214に掛けた人差し指、中指、薬指および小指の少なくともいずれかの指42を支点として把持部24に掛けた親指41を回動させることにより、レーザ照射装置2を略水平方向に延びたコンクリートパイプ61内に容易に配置し、基準線を設定するときの設置状態に容易におくことができる。
【0060】
なお、図8に表したコンクリートパイプ61は、互いに直交する複数のパイプが接続された形状を有し、互いに直交する複数の空洞を内部に有する。但し、コンクリートパイプ61は、図8に例示した形状のパイプに限定されるわけではなく、例えば図1に表したように一方向に延びた形状を有し、一方向に延びた空洞を内部に有していてもよい。この場合であっても、作業者等は、凹部214に掛けた人差し指、中指、薬指および小指の少なくともいずれかの指42を支点として把持部24に掛けた親指41を回動させることにより、縦穴63を通してレーザ照射装置2を略水平方向に延びたコンクリートパイプ61内に容易に配置し、基準線を設定するときの設置状態に容易におくことができる。
【0061】
また、電源部25が、筐体21の内部において操作部23と凹部214との間に設けられている。電源部25は、レーザ照射装置2を構成する部材のうちで比較的重い。そのため、電源部25が操作部23と凹部214との間に設けられていない場合と比較すると、レーザ照射装置2の重心は、操作部23および凹部214に近い位置に存在する。これにより、作業者等は、把持部24を把持してレーザ照射装置2を容易に持ち上げ、レーザ照射装置2を搬送したりコンクリートパイプ61内に配置したりすることができる。例えば、作業者等は、把持部24に親指41を掛け、人差し指、中指、薬指および小指の少なくともいずれかの指42を凹部214に掛けることにより、片手で容易にレーザ照射装置2を搬送したりコンクリートパイプ61内に配置したりすることができる。
【0062】
また、筐体21は、外形が平坦に形成された平坦部212、213を有する。平坦部212、213は、中心軸A11に沿ってみたとき、操作部23の両側に設けられている。そのため、作業者等は、例えば、操作部23の両側に設けられた平坦部212、213のいずれか一方に親指41を掛け、操作部23の両側に設けられた平坦部212、213のいずれか他方に人差し指、中指、薬指および小指の少なくともいずれかの指42を掛けることができる。これにより、作業者等は、親指41と、人差し指、中指、薬指および小指の少なくともいずれかの指42と、の間に筐体21を挟むことにより、片手で容易にレーザ照射装置2を把持し搬送することができる。また、平坦部212、213の外形が平坦に形成されているため、泥や土が平坦部212、213に付着し溜まることを抑えることができる。
【0063】
以上、本発明の実施形態について説明した。しかし、本発明は、上記実施形態に限定されず、特許請求の範囲を逸脱しない範囲で種々の変更を行うことができる。上記実施形態の構成は、その一部を省略したり、上記とは異なるように任意に組み合わせたりすることができる。
【符号の説明】
【0064】
2:レーザ照射装置、 3:ターゲット、 21:筐体、 22:レーザ発振装置、 23:操作部、 24:把持部、 25:電源部、 27:脚部、 41:親指、 42:指、 61:コンクリートパイプ、 62:仮台、 63:縦穴、 64:埋設溝、 65:支持台、 66:トランシット、 211:傾斜面、 212、213:平坦部、 214:凹部、 221:射出手段、 222:受光手段、 223:透過窓、 231:表示部、 232:受光窓、 233:操作スイッチ、 234:下端部、 235、236:端部、 241:締結部材、 242:空間、 251:ロック摘まみ、 261:レーザ保護カバー、 262:切欠部、 263:軸ボルト、 264:素通しガラス、 265:NDフィルタ、 281、282:端部、 A11:中心軸、 L:基準レーザ光線、 Lv:鉛直レーザ光線、 N:法線
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8