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特許7457463複数変数フィールドデバイス信号へのアクセスを構成するための方法および装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-19
(45)【発行日】2024-03-28
(54)【発明の名称】複数変数フィールドデバイス信号へのアクセスを構成するための方法および装置
(51)【国際特許分類】
   G05B 19/042 20060101AFI20240321BHJP
【FI】
G05B19/042
【請求項の数】 25
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2019117182
(22)【出願日】2019-06-25
(65)【公開番号】P2020004408
(43)【公開日】2020-01-09
【審査請求日】2022-06-10
(31)【優先権主張番号】16/018,721
(32)【優先日】2018-06-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】512132022
【氏名又は名称】フィッシャー-ローズマウント システムズ,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】弁理士法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ラリー オー. ユント
(72)【発明者】
【氏名】ジュリアン ケー. ナイドー
(72)【発明者】
【氏名】ブルース ヒューバート キャンプニー
(72)【発明者】
【氏名】プラシャント ジョシ
(72)【発明者】
【氏名】ダニエル アール. ストリンデン
(72)【発明者】
【氏名】クリストファー イアン サルミエント ウイ
【審査官】田中 友章
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-227460(JP,A)
【文献】特開2006-318102(JP,A)
【文献】特開2012-003681(JP,A)
【文献】特開2013-206473(JP,A)
【文献】特表2018-501596(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0282931(US,A1)
【文献】国際公開第2017/066304(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05B 19/042
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセスプラントを制御するためのプロセス制御システムを構成するコンピュータ実装方法であって、
前記プロセス制御システム内のデバイスオブジェクトを選択することであって、ここにおいて、前記デバイスオブジェクトが、前記プロセスプラント内の複数変数デバイスを表し、前記複数変数デバイスが、1次パラメータと1つまたは複数の後続パラメータとに関連する出力データを生成するフィールドデバイスであ前記デバイスオブジェクトは、前記1次パラメータを表すパブリックパラメータを有する親デバイスオブジェクトである、選択することと、
前記複数変数デバイスのパラメータを特定することであって、前記パラメータが、前記複数変数デバイスによって生成され、前記フィールドデバイスの前記1つまたは複数の後続パラメータの1つである出力変数に関連付けられた、特定することと、
前記プロセス制御システム内の前記特定されたパラメータを表す新しいデバイスオブジェクトを生成することであって、ここにおいて、前記新しいデバイスオブジェクトが、前記親デバイスオブジェクトの子デバイスオブジェクトであり、前記複数変数デバイスの前記出力変数を前記子デバイスオブジェクトのパブリックパラメータとして表す1次パラメータを含む、生成することと
前記デバイスオブジェクトを参照して前記1次パラメータに関連する出力データにアクセスすると共に、前記新しいデバイスオブジェクトを参照して前記特定されたパラメータに関連する出力データにアクセスするために、前記プロセス制御システムの1つまたは複数の機能ブロックを構成することと
を備える、コンピュータ実装方法。
【請求項2】
前記新しいデバイスオブジェクトを生成することが、前記プロセス制御システム内の前記新しいデバイスオブジェクトのための一意の仮想タグを生成することを含む、請求項1に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項3】
前記新しいデバイスオブジェクトを生成することが、前記デバイスオブジェクトのタグと共通の名前空間において前記一意の仮想タグを生成することを含む、請求項2に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項4】
前記特定されたパラメータを含む前記複数変数デバイスのパラメータのリストを、前記プロセス制御システムのユーザに提示することと、
前記ユーザから前記特定されたパラメータの選択を受信することであって、ここにおいて、前記特定されたパラメータは、前記受信された選択に基づいて特定される、受信することと、
前記ユーザから前記一意の仮想タグの指示を受信することであって、ここにおいて、前記新しいデバイスオブジェクトが、前記一意の仮想タグを前記複数変数デバイスの前記特定されたパラメータへの経路に関連付けることによって、前記一意の仮想タグの前記受信された指示を使用して生成される、受信することと
をさらに備える、請求項2または3に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項5】
前記プロセス制御システムのユーザから前記一意の仮想タグの参照の指示を受信することであって、ここにおいて、前記参照の前記指示が、前記一意の仮想タグを前記プロセス制御システム内の機能ブロックにさらに関連付ける、受信することと、
前記一意の仮想タグに関連する前記経路を介して、前記特定されたパラメータに関連する前記出力変数のための出力データを前記機能ブロックに与えることと
をさらに備える、請求項4に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項6】
前記子デバイスオブジェクトを生成することが、
前記プロセス制御システムのオブジェクトライブラリからデバイスオブジェクトのクラスを選択することと、
デバイスオブジェクトの前記選択されたクラスのインスタンスを前記子デバイスオブジェクトとしてカスタマイズすること
とを含む、請求項1から5のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項7】
前記複数変数デバイスが、複数のタイプの出力変数に関連するデータを生成するスマートフィールドデバイスである、請求項1からのいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項8】
前記複数変数デバイスが制御モジュールを含み、
前記パラメータが、前記制御モジュール内の他の変数に基づいて前記制御モジュールによって生成された計算された変数である、
請求項1からのいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項9】
前記計算された変数が、前記プロセスプラントの制御において使用される重要性能指標(KPI)である、請求項に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項10】
前記新しいデバイスオブジェクトが、前記特定されたパラメータに関連するスケーリングパラメータを含む、請求項1からのいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項11】
前記複数変数デバイスが、複数のタイプの出力変数に関連付けられ、
前記パラメータを特定することが、前記複数変数デバイスのデバイス記述ファイルに含まれている情報に基づいて前記複数のタイプの出力変数の各々を特定することをさらに含む、
請求項1から10のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項12】
プロセスプラントを動作させるためのプロセス制御システムであって、
前記プロセスプラント内の複数の出力変数のための出力データを生成する複数変数デバイスであって、前記複数変数デバイスが、前記複数の出力変数に関連する前記出力データ
を生成して、1次パラメータと1つまたは複数の後続パラメータとを含むフィールドデバイスである、複数変数デバイスと、
前記複数変数デバイスと、実行可能な命令を記憶するプログラムメモリとに通信可能に接続された1つまたは複数のプロセッサであって、前記実行可能な命令は、前記1つまたは複数のプロセッサによって実行されたとき、前記プロセス制御システムに、
前記プロセス制御システム内の前記複数変数デバイスを表すデバイスオブジェクトを選択することであって、前記デバイスオブジェクトは、前記1次パラメータを表すパブリックパラメータを有する親デバイスオブジェクトである、選択することと、
前記複数変数デバイスのパラメータを特定することであって、前記パラメータが、前記複数変数デバイスの前記複数の出力変数のうちの1つに関連付けられ、出力変数が、前記フィールドデバイスの前記1つまたは複数の後続パラメータの1つである、特定することと、
前記プロセス制御システム内の前記特定されたパラメータを表す新しいデバイスオブジェクトを生成することであって、ここにおいて、前記新しいデバイスオブジェクトが、前記親デバイスオブジェクトの子デバイスオブジェクトであり、前記複数変数デバイスの前記1つの出力変数を前記子デバイスオブジェクトのパブリックパラメータとして表す1次パラメータを含む、生成することと
前記デバイスオブジェクトを参照して前記1次パラメータに関連する出力データにアクセスすると共に、前記新しいデバイスオブジェクトを参照して前記特定されたパラメータに関連する出力データにアクセスするために、前記プロセス制御システムの1つまたは複数の機能ブロックを構成することと
を行わせる、1つまたは複数のプロセッサと
を備える、プロセス制御システム。
【請求項13】
前記複数変数デバイスがスマートフィールドデバイスであり、前記複数の出力変数が複数のタイプの出力変数を含む、請求項12に記載のプロセス制御システム。
【請求項14】
前記複数変数デバイスが制御モジュールを含み、
前記出力変数のうちの前記1つが、前記制御モジュール内の他の変数に基づいて前記制御モジュールによって生成された計算された変数である、
請求項12または13に記載のプロセス制御システム。
【請求項15】
前記複数変数デバイスがデバイス記述ファイルを含み、
前記プロセス制御システムに前記パラメータを特定させる前記実行可能な命令が、前記プロセス制御システムに、前記複数変数デバイスの前記デバイス記述ファイルに含まれている情報に基づいて前記複数の出力変数の各々を特定させる、
請求項12から14のいずれか一項に記載のプロセス制御システム。
【請求項16】
前記プロセス制御システムに前記新しいデバイスオブジェクトを生成させる前記実行可能な命令が、前記プロセス制御システムに、前記プロセス制御システム内の前記新しいデバイスオブジェクトのための一意の仮想タグを生成させる、請求項12から15のいずれか一項に記載のプロセス制御システム。
【請求項17】
前記実行可能な命令が、前記プロセス制御システムに、
前記特定されたパラメータを含む前記複数変数デバイスのパラメータのリストを、前記プロセス制御システムのユーザに提示することと、
前記ユーザから前記特定されたパラメータの選択を受信することと、
前記ユーザから前記一意の仮想タグの指示を受信することと、
前記ユーザから前記一意の仮想タグの参照の指示を受信することと、
前記一意の仮想タグへの前記参照の前記受信された指示に基づいて、前記一意の仮想タ
グを前記プロセス制御システム内の機能ブロックに関連付けることと、
前記一意の仮想タグに関連する前記特定されたパラメータへの経路を介して、前記特定されたパラメータに関連する前記1つの出力変数のための前記出力データを前記機能ブロックに与えることと
をさらに行わせ、
前記プロセス制御システムに前記特定されたパラメータを特定させる前記実行可能な命令が、前記プロセス制御システムに、前記ユーザからの前記特定されたパラメータの前記受信された選択に基づいて前記特定されたパラメータを特定させ、
前記プロセス制御システムに前記新しいデバイスオブジェクトを生成させる前記実行可能な命令が、前記プロセス制御システムに、前記一意の仮想タグを前記複数変数デバイスの前記特定されたパラメータへの前記経路に関連付けることよって、前記一意の仮想タグの前記受信された指示を使用して前記新しいデバイスオブジェクトを生成させる、
請求項16に記載のプロセス制御システム。
【請求項18】
プロセスプラントを制御するためのプロセス制御システムを構成するための実行可能な命令を記憶する有形で非一時的なコンピュータ可読媒体であって、前記実行可能な命令は、コンピュータシステムの少なくとも1つのプロセッサによって実行されたとき、前記コンピュータシステムに、
前記プロセス制御システム内のデバイスオブジェクトを選択することであって、ここにおいて、前記デバイスオブジェクトが、前記プロセスプラント内の複数変数デバイスを表し、前記複数変数デバイスが、1次パラメータと1つまたは複数の後続パラメータとに関連する出力データを生成するフィールドデバイスであ前記デバイスオブジェクトは、前記1次パラメータを表すパブリックパラメータを有する親デバイスオブジェクトである、選択することと、
前記複数変数デバイスのパラメータを特定することであって、前記パラメータが、前記複数変数デバイスによって生成され、前記フィールドデバイスの前記1つまたは複数の後続パラメータの1つである出力変数に関連付けられた、特定することと、
前記プロセス制御システム内の前記特定されたパラメータを表す新しいデバイスオブジェクトを生成することであって、ここにおいて、前記新しいデバイスオブジェクトが、前記親デバイスオブジェクトの子デバイスオブジェクトであり、前記複数変数デバイスの前記出力変数を前記子デバイスオブジェクトのパブリックパラメータとして表す1次パラメータを含む、生成することと
前記デバイスオブジェクトを参照して前記1次パラメータに関連する出力データにアクセスすると共に、前記新しいデバイスオブジェクトを参照して前記特定されたパラメータに関連する出力データにアクセスするために、前記プロセス制御システムの1つまたは複数の機能ブロックを構成することと
を行わせる、有形で非一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項19】
前記コンピュータシステムに前記新しいデバイスオブジェクトを生成させる前記実行可能な命令が、さらに、前記コンピュータシステムに、前記プロセス制御システム内の前記新しいデバイスオブジェクトのための一意の仮想タグを生成させる、請求項18に記載の有形で非一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項20】
前記コンピュータシステムに、
前記特定されたパラメータを含む前記複数変数デバイスのパラメータのリストを、前記プロセス制御システムのユーザに提示することと、
前記ユーザから前記特定されたパラメータの選択を受信することと、
前記ユーザから前記一意の仮想タグの指示を受信することと
を行わせる実行可能な命令をさらに記憶し、
ここにおいて、前記コンピュータシステムに前記特定されたパラメータを特定させる前
記実行可能な命令が、前記コンピュータシステムに、前記ユーザからの前記特定されたパラメータの前記受信された選択に基づいて前記特定されたパラメータを特定させ、
ここにおいて、前記コンピュータシステムに前記新しいデバイスオブジェクトを生成させる前記実行可能な命令が、前記コンピュータシステムに、前記一意の仮想タグを前記複数変数デバイスの前記特定されたパラメータへの経路に関連付けることよって、前記一意の仮想タグの前記受信された指示を使用して前記新しいデバイスオブジェクトを生成させる、請求項19に記載の有形で非一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項21】
前記コンピュータシステムに、
前記プロセス制御システムのユーザから前記一意の仮想タグの参照の指示を受信することと、
前記一意の仮想タグへの前記参照の前記受信された指示に基づいて、前記一意の仮想タグを前記プロセス制御システム内の機能ブロックに関連付けることと、
前記一意の仮想タグに関連する前記特定されたパラメータへの経路を介して、前記特定されたパラメータに関連する前記出力変数のための出力データを前記機能ブロックに与えることと
を行わせる実行可能な命令をさらに記憶する、請求項19または20に記載の有形で非一
時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項22】
前記コンピュータシステムに前記新しいデバイスオブジェクトを生成させる前記実行可能な命令が、前記コンピュータシステムに、
前記プロセス制御システムのオブジェクトライブラリからデバイスオブジェクトのクラスを選択することと、
デバイスオブジェクトの前記選択されたクラスのインスタンスを前記子デバイスオブジェクトとしてカスタマイズすることと
ことによって前記新しいデバイスオブジェクトを生成させる、請求項18から21のいずれか一項に記載の有形で非一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項23】
前記複数変数デバイスが制御モジュールを含み、
前記パラメータが、前記制御モジュール内の他の変数に基づいて前記制御モジュールによって生成された計算された変数である、
請求項18から22のいずれか一項に記載の有形で非一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項24】
前記コンピュータシステムに前記新しいデバイスオブジェクトを生成させる前記実行可能な命令が、前記コンピュータシステムに、前記特定されたパラメータに関連するスケーリングパラメータを前記新しいデバイスオブジェクトに含めさせる、請求項18から23のいずれか一項に記載の有形で非一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項25】
前記コンピュータシステムに、
前記複数変数デバイスのデバイス記述ファイル内に含まれている情報にアクセスすることと、
前記デバイス記述ファイル内の前記情報に基づいて前記複数変数デバイスの複数の出力変数を特定することであって、前記複数の出力変数が前記特定されたパラメータを含む、特定することと
を行わせる実行可能な命令をさらに記憶する、請求項18から24のいずれか一項に記載の有形で非一時的なコンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般にプロセスプラントのためのプロセス制御システムに関し、より詳細には、プロセス制御システム内の複数変数デバイスのパラメータを構成する技法に関する。
【背景技術】
【0002】
化学、石油、または他のプロセスプラントで使用されるもののような分散型プロセス制御システムは、一般に、アナログ、デジタル、または組合せアナログ/デジタルバスを介して、あるいはワイヤレス通信リンクまたはネットワークを介して1つまたは複数のフィールドデバイスに通信可能に結合された1つまたは複数のプロセスコントローラを含む。たとえば、バルブ、バルブポジショナー、スイッチ、および送信機(たとえば、温度、圧力、レベルおよび流量センサー)であり得るフィールドデバイスは、プロセス環境内に配置され、概して、プロセスプラントまたはシステム内で実行する1つまたは複数のプロセスを制御するために、バルブを開くまたは閉じること、あるいはプロセスパラメータを測定することなど、物理的またはプロセス制御機能を実施する。同じく一般にプラント環境内に配置されるプロセスコントローラは、センサーまたはフィールドデバイスによって作成されたプロセス測定値、ならびにフィールドデバイスに関係する他の情報を示す信号を受信するように構成され得る。プロセスコントローラは、さらに、たとえば、プロセス制御決定を行う異なる制御モジュールを動作させるコントローラアプリケーションを実行し、受信された情報に基づいて制御信号を生成し、HART(登録商標)、ワイヤレスHART(登録商標)、およびFOUNDATION(登録商標)Fieldbusフィールドデバイスなど、フィールドデバイスにおいて実施されている制御モジュールまたはブロックと協調する。コントローラ中の制御モジュールは、フィールドデバイスに通信回線またはリンク上で制御信号を送り、それにより、プロセスプラントまたはシステムの少なくとも一部分の動作を制御する。
【0003】
フィールドデバイスは、単一変数デバイスであり得るか、またはスマートフィールドデバイスなど、複数変数デバイスであり得るかのいずれかである。単一変数デバイスは、ただ1つの出力変数値を生成し、複数変数デバイスは、複数の出力変数に対応する複数の値を生成する。複数変数デバイスは、プロセスプラント内の状態に関連する複数のプロセス変数を測定するフィールドデバイス、ならびに複数の出力変数のための出力データを生成する他のデバイスを含む。複数変数デバイスは、よく知られているFieldbusプロトコルに準拠するフィールドデバイスなど、スマートフィールドデバイスを含み、コントローラ内で通常実装される制御計算、アラーミング機能、および他の制御機能をも実施し得る。プロセス制御システム内のフィールドデバイスは、デバイスオブジェクトによって表され、各デバイスオブジェクトは、フィールドデバイスの1次出力変数のための1次パラメータを含む。複数変数フィールドデバイスを表すデバイスオブジェクトは、1次出力変数に関連する1次パラメータに加えて、複数変数フィールドデバイスの追加の出力変数に関連する1つまたは複数の後続パラメータ(たとえば、2次または3次パラメータ)をも含む。
【0004】
フィールドデバイスおよびコントローラからの情報は、通常、一般に制御室またはより厳しいプラント環境から離れた他の場所に置かれた、オペレータワークステーション、パーソナルコンピュータ、またはコンピューティングデバイス、データヒストリアン、報告生成器、集中型データベース、または他の集中型アドミニストラティブコンピューティングデバイスなど、1つまたは複数の他のハードウェアデバイスに対してデータハイウェイ上で利用可能にされる。これらのハードウェアデバイスの各々は、一般に、プロセスプラ
ントにわたってまたはプロセスプラントの一部分にわたって集中化される。これらのハードウェアデバイスは、たとえば、プロセス制御ルーチンの設定を変更すること、コントローラまたはフィールドデバイス内の制御モジュールの動作を修正すること、プロセスの現在状態を閲覧すること、フィールドデバイスおよびコントローラによって生成されたアラームを閲覧すること、人員をトレーニングするかまたはプロセス制御ソフトウェアをテストするためにプロセスの動作をシミュレートすること、構成データベースを保ち、更新することなど、プロセスを制御することまたはプロセスプラントを動作させることに関する機能をオペレータが実施することを可能にし得るアプリケーションを動作させる。ハードウェアデバイス、コントローラ、およびフィールドデバイスによって利用されるデータハイウェイは、ワイヤード通信経路、ワイヤレス通信経路、またはワイヤード通信経路とワイヤレス通信経路の組合せを含み得る。
【0005】
一例として、Emerson Process Managementが販売しているDeltaV(商標)制御システムは、プロセスプラント内の多様な場所に配置された異なるデバイス内に記憶され、それらによって実行される複数のアプリケーションを含む。これらのアプリケーションの各々は、ユーザ(たとえば、構成エンジニア、プロセスプラントオペレータ、保守技術者など)が、プロセスプラント動作および構成の態様を閲覧または修正することを可能にするためのユーザインターフェース(UI)を提供する。本明細書全体にわたって、「ユーザインターフェース」または「UI」という句は、プロセスプラントの構成、動作、またはステータスをユーザが閲覧または修正することを可能にするアプリケーションまたはスクリーンを指すために使用される。同様に、「ユーザインターフェースデバイス」または「UIデバイス」という句は、ユーザインターフェースがその上で動作しているデバイスが、固定(たとえば、ワークステーション、壁掛けディスプレイ、プロセス制御デバイスディスプレイなど)であるのか、モバイル(たとえば、ラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、スマートフォンなど)であるのかにかかわらず、そのデバイスを指すために使用される。1つまたは複数のオペレータワークステーションまたはコンピューティングデバイスに常駐する構成アプリケーションは、ユーザが、プロセス制御モジュールを作成または変更し、専用分散型コントローラにデータハイウェイを介してこれらのプロセス制御モジュールをダウンロードすることを可能にする。一般に、これらの制御モジュールは、通信可能に相互接続された機能ブロックからなる。構成アプリケーションはまた、構成設計者が、オペレータにデータを表示するために閲覧アプリケーションによって使用されるオペレータインターフェースを作成または変更することと、オペレータがプロセス制御ルーチン内の、セットポイントなど、設定を変更することを可能にすることとを可能にし得る。各専用コントローラおよびいくつかの場合には、1つまたは複数のフィールドデバイスが、実際のプロセス制御機能性を実装するためにそれに割り当てられ、ダウンロードされた制御モジュールを動作させるそれぞれのコントローラアプリケーションを記憶および実行する。1つまたは複数のオペレータワークステーション上で(またはオペレータワークステーションおよびデータハイウェイと通信接続した1つまたは複数のリモートコンピューティングデバイス上で)実行され得る閲覧アプリケーションは、データハイウェイを介してコントローラアプリケーションからデータを受信し、UIを使用してプロセス制御システム設計者、オペレータ、またはユーザにこのデータを表示し、オペレータのビュー、エンジニアのビュー、技術者のビューなど、いくつかの異なるビューのいずれかを提供し得る。データヒストリアンアプリケーションは、一般に、データハイウェイにわたって提供されたデータの一部または全部を収集および記憶するデータヒストリアンデバイスに記憶され、それによって実行され、構成データベースアプリケーションは、現在のプロセス制御ルーチン構成およびそれに関連するデータを記憶するために、データハイウェイにアタッチされたまたさらなるコンピュータにおいて動作し得る。代替的に、構成データベースは、構成アプリケーションと同じワークステーションに配置され得る。
【0006】
既存のプロセス制御システムにおいて、プロセスプラントの制御は、プロセス制御データを送信および受信するためにフィールドデバイスと通信するプロセス制御論理を実装する1つまたは複数の制御モジュールの動作を伴う。フィールドデバイスは、様々な動作および通信プロトコルのいずれかを使用し得るので、制御モジュールは、各デバイスについて適切なプロトコルを使用してプロセス制御データを受け付け、提供するように構成されなければならない。さらに、制御モジュールとフィールドデバイスとの間の通信リンクは、プロセス制御データの適切な送信および受信のための通信プロトコルまたはフォーマットのさらなるレイヤを追加し得る。したがって、プロセス制御システムは、一般に、フィールドデバイスによって生成されたデータを受信する多数のフィールドデバイスおよび制御モジュールを含む。プロセス制御システムの構成および動作を簡略化するために、フィールドデバイスタグが、プロセス制御システム内の一意の名前によってフィールドデバイスを特定するために使用され得る。構成されると、デバイスタグは、フィールドデバイスへのシステム内の全経路の仕様を必要とすることなしにフィールドデバイスを指すために使用され得る。そのようなタグは、単一変数フィールドデバイスには有用であるが、そのようなタグが複数変数デバイスに適用されたとき、問題が起こる。既存の制御システム内で、複数変数フィールドデバイスオブジェクトの後続パラメータは、利用される通信プロトコルにおける制限により、タグまたは他の簡略化された参照を使用して容易に特定され得ない。本明細書で説明される本発明は、これらの問題に対処する。
【発明の概要】
【0007】
プロセスプラントを制御するためのプロセス制御システム内の複数変数デバイスを構成するためのシステムおよび方法が、本明細書で開示される。説明されるシステムおよび方法の様々な態様は、複数変数デバイスの2次または他の後続パラメータへのアクセスを可能にするために、プロセス制御システム内の新しいデバイスオブジェクトを生成する。そのような後続パラメータは、新しいデバイスオブジェクトの1次パラメータとして使用され得る。新しいデバイスオブジェクトは、複数変数デバイスに関連する複数変数デバイスオブジェクトの子デバイスオブジェクトとして生成され得る。子デバイスオブジェクトは、一意のタグによってプロセス制御システム内で別個に特定可能であり、したがって、プロセス制御システムの構成を簡略化し得る。
【0008】
本明細書で説明される本発明の一態様によれば、プロセスプラントを制御するためのプロセス制御システムを構成する方法であって、プロセスプラント内の複数変数デバイスを表すプロセス制御システム内のデバイスオブジェクトを選択することと、複数変数デバイスのパラメータを特定することと、プロセス制御システム内の特定されたパラメータを表す新しいデバイスオブジェクトを生成することとを備える、方法が開示される。パラメータは、複数変数デバイスによって生成された出力変数に関連付けられ得、新しいデバイスオブジェクトは、複数変数デバイスの出力変数を表す1次パラメータを含み得る。本明細書で説明される本発明の別の態様によれば、プロセスプラントを動作させるためのシステムであって、プロセスプラント内の複数の出力変数のための出力データを生成する複数変数デバイスと、複数変数デバイスに通信可能に接続された1つまたは複数のプロセッサと、1つまたは複数のプロセッサに通信可能に接続され、実行可能な命令を記憶するプログラムメモリであって、実行可能な命令は、1つまたは複数のプロセッサによって実行されたとき、プロセス制御システムに、プロセス制御システム内の複数変数デバイスを表すデバイスオブジェクトを選択することと、複数変数デバイスのパラメータを特定することと、プロセス制御システム内の特定されたパラメータを表す新しいデバイスオブジェクトを生成することとを行わせる、プログラムメモリとを備える、システムが開示される。特定されたパラメータは、複数変数デバイスの複数の出力変数のうちの1つに関連付けられ得、新しいデバイスオブジェクトは、複数変数デバイスのその出力変数を表す1次パラメータを含み得る。そのようなシステムおよび方法の他の特性または構成要素が、以下で説明されるものなど、様々な実施形態に含まれ得る。本明細書で説明される本発明のまた別の
態様によれば、プロセスプラントを制御するためのプロセス制御システムを構成するための実行可能な命令を記憶する有形で非一時的なコンピュータ可読媒体であって、コンピュータシステムに、プロセスプラント内の複数変数デバイスを表すプロセス制御システム内のデバイスオブジェクトを選択することと、複数変数デバイスのパラメータを特定することと、プロセス制御システム内の特定されたパラメータを表す新しいデバイスオブジェクトを生成することとを行わせる命令を備える、有形で非一時的なコンピュータ可読媒体が開示される。パラメータは、複数変数デバイスによって生成された出力変数に関連付けられ得、新しいデバイスオブジェクトは、複数変数デバイスの出力変数を表す1次パラメータを含み得る。そのような方法、システム、およびコンピュータ可読媒体の他の特性または構成要素が、以下で説明されるものなど、様々な実施形態に含まれ得る。
【0009】
新しいデバイスオブジェクトは、デバイスオブジェクトの子デバイスオブジェクトとして生成され得る。いくつかの実施形態では、新しいデバイスオブジェクトは、特定されたパラメータに関連するスケーリングパラメータを含み得る。さらなる実施形態では、子デバイスオブジェクトは、プロセス制御システムのオブジェクトライブラリからデバイスオブジェクトのクラスを選択することと、デバイスオブジェクトの選択されたクラスのインスタンスを子デバイスオブジェクトとしてカスタマイズすることとによって生成され得る。
【0010】
複数変数デバイスのパラメータを特定するために、本方法、システム、または命令は、特定されたパラメータを含む複数変数デバイスのパラメータのリストを、プロセス制御システムのユーザに提示することと、ユーザから特定されたパラメータの選択を受信することとをさらに含み得る。次いで、パラメータは、受信された選択に基づいて特定され得る。
【0011】
いくつかの実施形態では、一意の仮想タグは、プロセス制御システム内の新しいデバイスオブジェクトのために生成され得る。そのような一意の仮想タグは、さらに、デバイスオブジェクトのタグと共通の名前空間において生成され得る。一意の仮想タグを生成するために、本方法、システム、または命令は、ユーザから一意の仮想タグの指示を受信することと、一意の仮想タグを複数変数デバイスの特定されたパラメータへの経路に関連付けることによって、一意の仮想タグの受信された指示を使用して新しいデバイスオブジェクトを生成することとをさらに含み得る。さらなる実施形態では、一意の仮想タグは、プロセス制御システムのユーザから一意の仮想タグの参照の指示を受信することであって、ここにおいて、参照の指示が、一意の仮想タグをプロセス制御システム内の機能ブロックにさらに関連付ける、受信することと、一意の仮想タグに関連する経路を介して、特定されたパラメータに関連する出力変数のための出力データを機能ブロックに与えることとによってプロセス制御システム内のデータ提供を構成するために使用され得る。
【0012】
複数変数デバイスは、複数のタイプの出力変数に関連するデータを生成するスマートフィールドデバイスであり得る。たとえば、複数変数デバイスは、1次パラメータと1つまたは複数の後続パラメータとに関連する出力データを生成する、プロセスプラントとともに設置されたフィールドデバイスであり得る。そのような事例では、特定されたパラメータは、後続パラメータのうちの1つに関連付けられ得る。複数変数デバイスは、いくつかの実施形態では、複数のタイプの出力変数に関連付けられ得、その場合、パラメータを特定することは、複数のタイプの出力変数の各々を特定することをさらに含み得る。出力変数のタイプは、複数変数デバイスのデバイス記述ファイルに含まれている情報に基づいて決定され得る。さらなる実施形態では、複数変数は、制御モジュールを含み得、その場合、特定されたパラメータは、制御モジュール内の他の変数に基づいて制御モジュールによって生成された計算された変数を含み得る。そのような計算された変数は、プロセスプラントの制御において使用される重要性能指標(KPI)であり得る。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1A】プロセスプラントを動作させるための例示的なプロセス制御ネットワークのブロック図である。
図1B】プロセスプラントを動作させるための例示的なプロセス制御ネットワークのブロック図である。
図2】複数変数デバイスを含むプロセス制御システムの例示的な制御回路を示すブロック図である。
図3】複数変数デバイスオブジェクトの、複数のデバイスオブジェクトへの例示的な変換を示すブロック図である。
図4】複数変数デバイスを表す複数のデバイスオブジェクトを含むプロセス制御システムの例示的な制御回路を示すブロック図である。
図5】複数変数デバイスオブジェクトから新しいデバイスオブジェクトを生成するための例示的な方法を示すフローチャートである。
図6】ユーザインターフェースデバイスを使用して新しいデバイスオブジェクトを生成するかまたはタグ付けするためのユーザインターフェースの例示的な表示である。
図7】親デバイスオブジェクトと子デバイスオブジェクトとに関連する情報の表現を示すユーザインターフェースの例示的な表示である。
図8】複数の子デバイスオブジェクトを有する例示的な複数変数デバイスを示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
プロセスプラントを監視し、それを動作させるためのプロセス制御システムが、広範囲の工業用途において使用されている。そのようなプロセス制御システムは、制御論理ブロック、ループ、ルーチン、または機能を実装する制御モジュールを利用するように構成され得る。制御モジュールは、(たとえば、プロセスプラント内の測定デバイスから)入力プロセス制御データを受信し、出力プロセス制御データ(たとえば、バルブ、ポンプなどを動作させるための制御コマンド)を生成する。入力プロセスデータは、一般に、プロセスプラント内に配設された複数のフィールドデバイスによって生成された出力データを含む。フィールドデバイスのうちのいくつかは、複数変数フィールドデバイスであり得、プロセスプラント内の複数の状態またはメトリックに関するデータを生成する。そのような複数変数フィールドデバイスは、複数変数デバイスオブジェクトによってプロセス制御システム内で表され、各々は、デバイスの1次変数に関連する1次パラメータと、デバイスの別の変数に関連する少なくとも1つの後続パラメータとを有する。プロセス制御において1次パラメータを使用するためのプロセス制御システムの構成は、デバイスを特定するタグを使用することによって簡略化され、それにより、デバイスが参照されるたびに、デバイスへの全経路を構成する必要を取り除く。
【0015】
複数変数デバイスオブジェクトの後続パラメータの使用の構成は、既存のプロセス制御システムが、後続パラメータに関連する出力データのタイプを示す情報なしに、一般的な2次、3次、4次などのパラメータとして複数変数デバイスの後続パラメータを表すので、より困難である。後続パラメータに関連する出力データにアクセスすることは、したがって、そのような後続パラメータが使用されるたびに、パラメータの経路およびタイプの構成を必要とする。この問題に対処するために、本明細書で説明されるシステムおよび方法は、プロセス制御システム内の複数変数デバイスを表すデバイスオブジェクトの後続パラメータのための新しいデバイスオブジェクトを生成する。新しいデバイスオブジェクトは、好ましくは、複数変数デバイスオブジェクトの子デバイスオブジェクトとして生成され、各そのような子デバイスオブジェクトは、複数変数デバイスオブジェクトの対応する後続パラメータに関連する出力変数を特定する1次パラメータを有する。新しいデバイスオブジェクトはまた、プロセス制御システム内の一意のタグによって特定され得、他のデ
バイスオブジェクトと同じ様式でプロセス制御システムにおいて参照され得る。
プロセス制御システム概要
【0016】
最初に、例示的なプロセスプラントの全体的アーキテクチャに目を向けると、図1Aは、プロセス制御システムまたはプロセスプラント10(またはそれの部分)において動作する例示的なプロセス制御ネットワーク100のブロック図である。プロセス制御ネットワーク100は、様々な他のデバイスの間で直接的にまたは間接的に接続性を提供するネットワークバックボーン105を含み得る。ネットワークバックボーン105に結合されたデバイスは、様々な実施形態において、アクセスポイント72と、外部システムへの(たとえば、インターネットへの)ゲートウェイ78と、UIデバイス112と、サーバ150と、データベース140と、(たとえば、ビッグデータヒストリアンを含む)ビッグデータアプライアンス102と、ビッグデータエキスパートシステム104と、スーパーバイザーエンジン106と、コントローラ11と、入出力(I/O)カード26および28と、ワイヤードフィールドデバイス15~23と、ワイヤード制御デバイス24と、ワイヤレスゲートウェイ35と、ワイヤレス通信ネットワーク70との組合せを含む。通信ネットワーク70は、ワイヤレスフィールドデバイス40~46と、ワイヤレスアダプタ52aおよび52bと、アクセスポイント55aおよび55bと、ルータ58とを含むワイヤレスデバイス40~58を含み得る。ワイヤレスアダプタ52aおよび52bは、それぞれ、非ワイヤレスフィールドデバイス48および50に接続され得る。コントローラ11は、プロセッサ30と、メモリ32と、1つまたは複数の制御ルーチン38とを含み得る。図1Aは、ネットワークバックボーン105に接続されたデバイスのうちのいくつかの、1つだけを示すが、デバイスの各々は、ネットワークバックボーン105上の複数のインスタンスを有することができること、および実際、プロセスプラント10は、複数のネットワークバックボーン105を含み得ることが理解されよう。
【0017】
UIデバイス112は、ネットワークバックボーン105を介してコントローラ11およびワイヤレスゲートウェイ35に通信可能に接続され得る。コントローラ11は、I/Oカード26および28を介してワイヤードフィールドデバイス15~23に通信可能に接続され得、ネットワークバックボーン105およびワイヤレスゲートウェイ35を介してワイヤレスフィールドデバイス40~46および非ワイヤレスフィールドデバイス48~50に通信可能に接続され得る。フィールドデバイス15~23または40~50は、単一変数フィールドデバイスであり得るか、またはスマート通信プロトコルを介して通信するように構成されたスマートフィールドデバイスなど、複数変数フィールドデバイスであり得る。複数変数フィールドデバイスは、出力変数に対応する2つまたはそれ以上のパラメータを測定、検知、計算、またはさもなければ生成する(ワイヤードまたはワイヤレスフィールドデバイス15~23または40~50などの)フィールドデバイスである。したがって、複数変数フィールドデバイスは、別個のタイプ(たとえば、温度、圧力、フロー、または性能パラメータ)のものであり得、プロセスから測定されるか、またはフィールドデバイスの制御モジュール内で算出され得る、複数のパラメータのための出力変数データを生成する。いくつかの実施形態では、複数変数フィールドデバイスの変数は、コントローラ11にフィールドデバイスによって通信される別個のチャネルであり得る。いくつかのフィールドデバイス22および23は、フィールドデバイス22および23と直接的に通信し、I/Oカード28を介してコントローラ11と通信する制御デバイス24を通してコントローラ11に間接的に接続され得る。
【0018】
コントローラ11は、フィールドデバイス15~23および40~50のうちの少なくともいくつかを使用してバッチプロセスまたは連続プロセスを実装するように動作し得る。例として、Emerson Process Managementが販売しているDeltaV(商標)コントローラであり得るコントローラ11は、プロセス制御ネットワークバックボーン105に通信可能に接続される。コントローラ11はまた、たとえば、
標準4~20mAデバイス、I/Oカード26、28、またはFOUNDATION(登録商標)Fieldbusプロトコル、HART(登録商標)プロトコル、ワイヤレスHART(登録商標)プロトコルなどの任意のスマート通信プロトコルに関連する任意の所望のハードウェアおよびソフトウェアを使用して、フィールドデバイス15~23および40~50に通信可能に接続され得る。図1Aに示されている実施形態では、コントローラ11、フィールドデバイス15~23および48~50、制御デバイス24、ならびにI/Oカード26、28はワイヤードデバイスであり、フィールドデバイス40~46はワイヤレスフィールドデバイスである。しかしながら、コンテキストが明確に別様に示さない限り、本明細書で参照されるフィールドデバイス15~23または40~50のいずれも、ワイヤードまたはワイヤレスフィールドデバイスとして実装され得、コントローラ11とフィールドデバイス15~23または40~50との間の通信接続は、ワイヤード接続またはワイヤレス接続のいずれかまたは両方を含むことができる。プロセス制御は、フィールドデバイスに関して本明細書で説明されるが、任意のタイプのプロセス制御デバイスが、さまざまに説明される実施形態のいずれかにおいて使用され得る。
【0019】
UIデバイス112の動作中、UIデバイス112は、いくつかの実施形態では、ユーザインターフェース(「UI」)を実行し、UIデバイス112が、入力インターフェースを介して入力を受け付け、ディスプレイにおいて出力を提供することを可能にし得る。UIデバイス112は、サーバ150からデータを受信(たとえば、ビッグデータアプライアンス102においてキャプチャおよび記憶され得るプロセスパラメータ、ログデータ、センサーデータ、または任意の他のデータなど、関係するデータを処理)し得る。他の実施形態では、UIは、全体的にまたは部分的に、サーバ150において実行され得、ここで、サーバ150は、UIデバイス112に表示データを送信し得る。UIデバイス112は、コントローラ11、ワイヤレスゲートウェイ35、またはサーバ150など、プロセス制御ネットワーク100における他のノードからバックボーン105を介して(表示データおよびプロセスパラメータデータを含み得る)UIデータを受信し得る。UIデバイス112において受信されたUIデータに基づいて、UIデバイス112は、プロセス制御ネットワーク100に関連するプロセスの態様を表す出力(すなわち、視覚表示またはグラフィックス)を提供し、ユーザがプロセスを監視することを可能にする。ユーザはまた、UIデバイス112において入力を与えることによってプロセスを制御し得る。例示のために、UIデバイス112は、たとえば、(1つまたは複数のフィールドデバイスからのデータを含む)タンク充填プロセスを表すグラフィックスを提供し得る。そのようなシナリオでは、ユーザは、タンクレベル測定値を読み取り、タンクが充填される必要があることを決定し得る。ユーザは、UIデバイス112において表示された入口バルブグラフィックと対話し、入口バルブが開くことを引き起こすコマンドを入力し得る。
【0020】
さらなる動作では、UIデバイス112は、UIに加えていくつかのルーチン、モジュール、またはサービスを実行し得る。一実施形態では、UIデバイス112は、たとえば、場所アウェアネス、機器アウェアネス、またはスケジューリングアウェアネスに関係する様々なルーチンまたはサブルーチンを含み得るコンテキストアウェアネスルーチンを実行し得る。これらのコンテキストルーチンは、UIデバイス112が動作している特定の環境またはコンテキストに適しているグラフィカルユーザインターフェース構成(「GUI構成」)をUIデバイス112がレンダリングすることを可能にし得る。UIデバイス112はまた、状態決定ルーチンを実行し、UIデバイス112が、(UIなどの)UIデバイス112において実行されているアプリケーションの状態を含む、UIデバイス112の状態を追跡および保存することを可能にし得る。UIデバイス112上のアプリケーションの状態を追跡することによって、UIデバイス112は、ユーザが、たとえば、第1のUIデバイス112上でセッションを始め、第2のUIデバイス112を使用することを開始することを可能にし、最小限の中断でその人の以前のセッションからのワークフローを再開し得る。
【0021】
UIデバイス112(あるいはUIデバイス112にアプリケーションまたはスクリーンをサービスするサーバ)はまた、プラント資産を管理することに関係するルーチンを実行し得る。たとえば、いくつかのルーチンは、プロセスプラントにおける資産を設置、交換、維持、較正、診断、または委託するために使用され得る。特定の資産に関連する作業命令を準備または完了するために、あるいはプラント人員(たとえば、特定のデバイスの近傍の人員)に作業命令を通知するために、他のルーチンが使用され得る。UIデバイス112は、プロセスを監視することに関係するルーチンを実行し得る。たとえば、いくつかのルーチンは、計器データをフィールドロギングする、ラボサンプルを報告する、リアルタイム資産パラメータを表示するなどのために使用され得る。UIデバイス112は、さらに、プラント手順およびワークフローとのコンプライアンスに関係するルーチンを実行し得る。たとえば、いくつかのルーチンが、標準操作手順(SOP)、スタートアップ手順、シャットダウン手順、ロックアウト手順、作業指示、または他の製品/資産ドキュメンテーションに関係する情報を提供し得る。さらに追加のルーチンが、UIデバイス112がネットワークに結合されたとき、作業命令の即時配信と、オフライン手入力データの即時システム利用可能性とを可能にし得る。通信ルーチンは、プラント人員あるいは、技術的または他のサポートを提供する外部関係者間の通信を可能にするための、電子メールルーチン、テキストメッセージングルーチン、インスタントメッセージングルーチンなどを含み得る。
【0022】
UIデバイス112(あるいはUIデバイス112にアプリケーションまたはスクリーンをサービスするサーバ)は、1つまたは複数の監査プロセスをサポートするかまたはそれを可能にするルーチンをさらに含み得る。監査プロセスは、たとえば、作業監査または規制監査を含み得る。実施形態では、ルーチンは、ユーザが、データを閲覧すること、または規制要件を満たす目的で収集、維持、または照合されたデータに関係する報告を生成することを可能にし得る。説明の目的で、モバイル制御室が製薬製造プラントにおいて実装された場合、モバイル制御室は、プラントの製品出力の安全に関係する政府要件を満たす目的で収集されたデータの閲覧または報告を可能にし得る。実施形態では、ルーチンは、ユーザが、作業命令、保守、または他のプラントプロセスの監査に関係する報告を閲覧または生成することを可能にし得る。
【0023】
いくつかの実施形態では、UIデバイス112は、シンクライアント、ウェブクライアント、またはシッククライアントなど、任意のタイプのクライアントを実装し得る。たとえば、UIデバイス112は、UIデバイス112の動作に必要な処理の大部分について他のノード、コンピュータ、またはサーバに依存し得る。そのような例では、UIデバイス112はサーバ150と通信し得、ここで、サーバ150は、プロセス制御ネットワーク100上の1つまたは複数の他のノードと通信し得、UIデバイス112に送信すべき表示データまたはプロセス制御データを決定し得る。さらに、UIデバイス112は、サーバ150が、ユーザ入力に関係するデータを処理し、それに応じて動作し得るように、受信されたユーザ入力に関係する任意のデータをサーバ150に渡し得る。言い換えれば、UIデバイス112は、グラフィックスをレンダリングすることと、データを記憶し、UIデバイス112の動作に必要なルーチンを実行する1つまたは複数のノードまたはサーバへのポータルとして働くこととを行うにすぎないことがある。シンクライアントUIデバイスは、最小限のハードウェア要件の利点をUIデバイス112に対して提供する。
【0024】
他の実施形態では、UIデバイス112はウェブクライアントであり得る。そのような実施形態では、UIデバイス112のユーザは、UIデバイス112においてブラウザを介してプロセス制御システムと対話し得る。ブラウザは、ユーザが、バックボーン105を介して(サーバ150などの)別のノードまたはサーバ150においてデータおよびリソースにアクセスすることを可能にする。たとえば、ブラウザは、サーバ150から、表
示データまたはプロセスパラメータデータなど、UIデータを受信し、ブラウザが、プロセスの一部または全部を制御または監視するためのグラフィックスを描くことを可能にし得る。ブラウザはまた、(グラフィック上でのマウスクリックなどの)ユーザ入力を受信し得る。ユーザ入力は、ブラウザに、サーバ150に記憶された情報リソースを取り出すかまたはそれにアクセスさせ得る。たとえば、マウスクリックは、ブラウザに、クリックされたグラフィックに関係する情報を(サーバ150から)取り出し、表示させ得る。また他の実施形態では、UIデバイス112に関する処理の大部分は、UIデバイス112において行われ得る。たとえば、UIデバイス112は、前に説明されたUI、状態決定ルーチン、およびコンテキストアウェアネスルーチンを実行し得る。UIデバイス112はまた、ローカルにデータを記憶、アクセス、および分析し得る。
【0025】
動作中、ユーザは、フィールドデバイス15~23またはデバイス40~50のいずれかなど、プロセス制御ネットワーク100にある1つまたは複数のデバイスを監視または制御するために、UIデバイス112と対話し得る。ユーザは、たとえば、コントローラ11に記憶された制御ルーチン38に関連するパラメータを修正または変更するためにUIデバイス112と対話し得る。コントローラ11のプロセッサ30は、制御ループを含み得る、(メモリ32に記憶された)1つまたは複数のプロセス制御ルーチン38を実装または監督する。プロセッサ30は、フィールドデバイス15~23および40~50と、ならびにバックボーン105に通信可能に接続された他のノードと通信し得る。本明細書で説明される(品質予測および故障検出モジュールまたは機能ブロックを含む)任意の制御ルーチンまたはモジュールは、それが望ましい場合、それの一部を、異なるコントローラまたは他のデバイスによって実装または実行し得る。同様に、プロセスプラント10内で実装されるべきである本明細書で説明される制御ルーチンまたはモジュールは、ソフトウェア、ファームウェア、ハードウェアなどを含む任意の形態を取り得る。制御ルーチンは、オブジェクト指向プログラミング、ラダーロジック、シーケンシャルファンクションチャート、機能ブロック図を使用する、あるいは任意の他のソフトウェアプログラミング言語または設計パラダイムを使用するなど、任意の所望のソフトウェアフォーマットで実装され得る。特に、制御ルーチンは、UIデバイス112を通してユーザによって実装され得る。制御ルーチンは、ランダムアクセスメモリ(RAM)または読取り専用メモリ(ROM)など、任意の所望のタイプのメモリに記憶され得る。同様に、制御ルーチンは、たとえば、1つまたは複数のEPROM、EEPROM、特定用途向け集積回路(ASIC)、あるいは任意の他のハードウェアまたはファームウェア要素にハードコーディングされ得る。したがって、コントローラ11は、任意の所望の様式で制御ストラテジーまたは制御ルーチンを実装するように(いくつかの実施形態では、UIデバイス112を使用するユーザによって)構成され得る。
【0026】
UIデバイス112のいくつかの実施形態では、ユーザは、機能ブロックと通常呼ばれるものを使用してコントローラ11において制御ストラテジーを構成または実装するためにUIデバイス112と対話し得、ここにおいて、各機能ブロックは、全体的制御ルーチンのオブジェクトまたは他の一部(たとえば、サブルーチン)であり、プロセスプラント10の動作を制御するためにプロセス制御システム内のプロセス制御ループを実装するように(リンクと呼ばれる通信を介して)他の機能ブロックと併せて動作する。制御ベース機能ブロックは、一般に、プロセス制御システム内の何らかの物理的機能を実施するために、送信機、センサーまたは他のプロセスパラメータ測定デバイスに関連するものなどの入力機能、PID、ファジー論理などの制御を実施する制御ルーチンに関連するものなどの制御機能、またはバルブなどの何らかのデバイスの動作を制御する出力機能のうちの1つを実施する。もちろん、ハイブリッドおよび他のタイプの機能ブロックが存在する。機能ブロックは、UIデバイス112において提供されるグラフィカル表現を有し、ユーザが、機能ブロックのタイプ、機能ブロック間の接続、およびプロセス制御システムにおいて実装された機能ブロックの各々に関連する入力/出力を容易に修正することを可能にし
得る。機能ブロックは、コントローラ11に記憶され、それによって実行され得、これは、一般に、これらの機能ブロックが、標準4~20mAデバイス、およびHART(登録商標)デバイスなど、いくつかのタイプのスマートフィールドデバイスのために使用されるか、またはそれらに関連付けられたときに当てはまり、あるいはフィールドデバイス自体に記憶され、それらによって実装され得、これは、Fieldbusデバイスの場合に当てはまり得る。機能ブロックがフィールドデバイス自体によって実装される事例では、機能ブロックの動作を模倣するために、シャドーブロック36がコントローラ11によって実行され得る。コントローラ11は、1つまたは複数の制御ループを実装し得る1つまたは複数の制御ルーチン38を含み得る。各制御ループは、一般に制御モジュール34と呼ばれ、機能ブロックのうちの1つまたは複数を実行することによって実施され得る。
【0027】
UIデバイス112は、いくつかの実施形態では、ビッグデータアプライアンス102と、あるいはエキスパートシステム104またはスーパーバイザーエンジン106と対話する。ビッグデータアプライアンス102は、センサーデータ、制御パラメータ、手入力データ(たとえば、プロセスプラントオペレータによって入力されたスタティックデータ)、人員の場所およびコマンド入力、データのすべてに関連するタイムスタンプ、ならびにプロセスプラント10おいて利用可能な任意の他のタイプのデータを含む、すべてのタイプのプロセス制御データをプロセスプラント10から収集し、それを記憶し得る。ビッグデータアプライアンス102に通信可能に結合されたエキスパートシステム104は、ビッグデータアプライアンス102に記憶されたプロセスプラントデータを分析するために独立してまたは特定のユーザ入力に従って動作し得る。エキスパートシステム104は、モデルを開発または使用し、データ傾向または相関を認識し、プロセスプラント10に影響を及ぼしていることがあるかまたはすぐに影響を及ぼすであろう、実際のまたは予測された問題または異常状況または準最適状態についてプラント人員に警告するなどし得る。いくつかの実施形態では、エキスパートシステム104は、特に、特定のデータのセットまたは傾向を特定の問題または状態に関連付けるようにプログラムされることなしにこれらの機能を実施し、代わりに、現在の傾向またはデータ一致が、(肯定的/望ましい状態または否定的/望ましくない状態であり得る)以前の状態の時間の前に、その時間に、またはその時間の辺りに起こったことを認識する。傾向またはデータ一致の前の発生の認識から、エキスパートシステム104は状態を予測し得る。エキスパートシステム104はまた、どのプロセス変数、センサー示度などが、プロセスプラント10における異常状況を検出、予測、防止または訂正する際に最も重要であるかを、ビッグデータアプライアンス102に記憶されたデータから決定し得る。たとえば、エキスパートシステム104は、炭化水素がスタックから排出されていると決定し得、炭化水素排出の原因を自動的に決定するか、あるいは炭化水素排出を引き起こす問題を訂正するための作業項目が(たとえば、スーパーバイザーエンジン106によって)生成されることを引き起こすか、あるいは機器を検査するか、またはネットワークを介して利用可能でないパラメータを観測/記録するための作業項目が生成されることを引き起こし得る。別の例として、エキスパートシステム104は、一連の以前のデータポイントによって示された傾向が、予測された異常状況、予測された保守の懸念、予測された障害などを示すと決定し得る。
【0028】
以下で詳細に説明されるように、スーパーバイザーエンジン106は、様々なスーパーバイザリーアクティビティを自動的に実施するかまたはそれを可能にするために、ビッグデータアプライアンス102またはエキスパートシステム104と対話し得る。たとえば、スーパーバイザーエンジン106は、エキスパートシステム104によって特定された傾向を監視し、プラント人員のための作業項目を作成し得る。別の例として、スーパーバイザーエンジン106は、プロセスプラントリソースの較正ステータスを監視し得、プラント人員のための作業項目を作成し得る。これらの機能に関して、スーパーバイザーエンジン106はまた、人員認証、スケジュールされた作業項目の実施中に機器にアクセスするための許可、および作業項目実施のタイミングを管理し得る。スーパーバイザーエンジ
ン106は、作業項目の実施を割り当て、追跡するために、UIデバイス112と対話し、作業項目の作成にその結果つながったステータスまたは指示(たとえば、特定された傾向、異常状況など)が解決されたことを検証するために、作業項目の完了の後にフォローアップし得る。たとえば、スーパーバイザーエンジン106は、バルブが故障しているとエキスパートシステム104から決定し、作業項目を作成し得る。スーパーバイザーエンジン106は、後で、UIデバイス112を携帯する保守労働者が、故障しているバルブの近傍にいると決定し、UIデバイス112を介して作業項目を受け付け得る保守労働者に作業項目を割り当てることを要求し得る。スーパーバイザーエンジン106は、保守労働者が作業項目を実施するための適切な技能セットを有することを検証し得、作業項目を実施するための必要な許可を保守労働者に与え得る。追加として、スーパーバイザーエンジン106は、作業項目が完了され得るように、プロセス制御アクティビティを再スケジュールし得る。スーパーバイザーエンジン106は、作業項目の実施の前または間に人員に標準作業手順、マニュアル、および他のドキュメンテーションを提供し得る。これらは、以下でさらに説明される、スーパーバイザーエンジン106のほんのいくつかの例である。
【0029】
ワイヤレスフィールドデバイス40~46は、ワイヤレスHART(登録商標)プロトコルなど、ワイヤレスプロトコルを使用してワイヤレスネットワーク70において通信する。いくつかの実施形態では、UIデバイス112は、ワイヤレスネットワーク70を使用してワイヤレスフィールドデバイス40~46と通信することが可能であり得る。そのようなワイヤレスフィールドデバイス40~46は、同じく(たとえば、ワイヤレスプロトコルを使用して)ワイヤレスに通信するように構成されたプロセス制御ネットワーク100の1つまたは複数の他のノードと直接的に通信し得る。ワイヤレス通信するように構成されていない1つまたは複数の他のノードと通信するために、ワイヤレスフィールドデバイス40~46は、バックボーン105に接続されたワイヤレスゲートウェイ35を利用し得る。もちろん、フィールドデバイス15~23および40~46は、将来において開発される任意の規格またはプロトコルを含む、任意のワイヤードまたはワイヤレスプロトコルなど、任意の他の所望の(1つまたは複数の)規格またはプロトコルに準拠することができる。
【0030】
ワイヤレスゲートウェイ35は、ワイヤレス通信ネットワーク70の様々なワイヤレスデバイス40~58へのアクセスを提供し得る。特に、ワイヤレスゲートウェイ35は、ワイヤレスデバイス40~58と(コントローラ11を含む)プロセス制御ネットワーク100の他のノードとの間の通信結合を提供する。ワイヤレスゲートウェイ35は、いくつかの場合には、ワイヤードおよびワイヤレスプロトコルスタックの1つまたは複数の共有レイヤをトンネリングしながら、ワイヤードおよびワイヤレスプロトコルスタックの下位レイヤへのルーティング、バッファリング、およびタイミングサービス(たとえば、アドレス変換、ルーティング、パケットセグメンテーション、優先度付けなど)によって通信結合を提供する。他の場合には、ワイヤレスゲートウェイ35は、プロトコルレイヤを共有しない、ワイヤードプロトコルとワイヤレスプロトコルとの間でコマンドを翻訳し得る。プロトコルおよびコマンド変換に加えて、ワイヤレスゲートウェイ35は、ワイヤレスネットワーク70において実装されたワイヤレスプロトコルに関連するスケジューリングスキームのタイムスロットおよびスーパーフレーム(時間的に等しく離間された通信タイムスロットのセット)によって使用される同期クロッキングを提供し得る。さらに、ワイヤレスゲートウェイ35は、リソース管理、性能調整、ネットワーク故障緩和、トラフィック監視、セキュリティなど、ネットワーク管理およびアドミニストラティブ機能をワイヤレスネットワーク70に提供し得る。
【0031】
ワイヤードフィールドデバイス15~23と同様に、ワイヤレスネットワーク70のワイヤレスフィールドデバイス40~46は、プロセスプラント10内の物理的制御機能、
たとえば、バルブを開くかまたは閉じることを実施するか、またはプロセスパラメータの測定値を取り得る。ワイヤレスフィールドデバイス40~46は、同様に、単一変数フィールドデバイスまたは複数変数フィールドデバイスであり得る。ワイヤレスフィールドデバイス40~46は、しかしながら、ネットワーク70のワイヤレスプロトコルを使用して通信するように構成される。したがって、ワイヤレスネットワーク70のワイヤレスフィールドデバイス40~46、ワイヤレスゲートウェイ、および他のワイヤレスノード52~58は、ワイヤレス通信パケットのプロデューサーおよびコンシューマである。
【0032】
いくつかのシナリオでは、ワイヤレスネットワーク70は非ワイヤレスデバイスを含み得る。たとえば、図1Aのフィールドデバイス48は、レガシー4~20mAデバイスであり得、フィールドデバイス50は、旧来のワイヤードHART(登録商標)デバイスであり得る。ネットワーク30内で通信するために、フィールドデバイス48および50は、ワイヤレスアダプタ(WA)52aまたは52bを介してワイヤレス通信ネットワーク70に接続され得る。追加として、ワイヤレスアダプタ52a、52bは、Foundation(登録商標)Fieldbus、PROFIBUS、DeviceNetなど、他の通信プロトコルをサポートし得る。さらに、ワイヤレスネットワーク30は、ワイヤレスゲートウェイ35とワイヤード通信している別個の物理的デバイスであり得るか、または一体型デバイスとしてワイヤレスゲートウェイ35を備え得る、1つまたは複数のネットワークアクセスポイント55a、55bを含み得る。ワイヤレスネットワーク70は、ワイヤレス通信ネットワーク30内のあるワイヤレスデバイスから別のワイヤレスデバイスにパケットをフォワーディングするために、1つまたは複数のルータ58をも含み得る。ワイヤレスデバイス32~46および52~58は、ワイヤレス通信ネットワーク70のワイヤレスリンク60上で、互いとおよびワイヤレスゲートウェイ35と通信し得る。
【0033】
したがって、図1Aは、プロセス制御システムの様々なネットワークにネットワークルーティング機能性およびアドミニストレーションを提供するように主に働くプロバイダデバイスのいくつかの例を含む。たとえば、ワイヤレスゲートウェイ35、アクセスポイント55a、55b、およびルータ58は、ワイヤレス通信ネットワーク70においてワイヤレスパケットをルーティングするための機能性を含む。ワイヤレスゲートウェイ35は、ワイヤレスネットワーク70のためのトラフィック管理およびアドミニストラティブ機能を実施し、ならびにワイヤレスネットワーク70と通信接続しているワイヤードネットワークとの間でトラフィックをルーティングする。ワイヤレスネットワーク70は、ワイヤレスHART(登録商標)など、プロセス制御メッセージおよび機能を特にサポートするワイヤレスプロセス制御プロトコルを利用し得る。
【0034】
いくつかの実施形態では、プロセス制御ネットワーク100は、他のワイヤレスプロトコルを使用して通信するネットワークバックボーン105に接続された他のノードを含み得る。たとえば、プロセス制御ネットワーク100は、WiFiまたは他のIEEE802.11対応ワイヤレスローカルエリアネットワークプロトコルなどの他のワイヤレスプロトコル、WiMAX(ワールドワイドインターオペラビリティフォーマイクロウェーブアクセス)、LTE(ロングタームエボリューション)または他のITU-R(国際電気通信連合無線通信セクタ)互換プロトコルなどのモバイル通信プロトコル、ニアフィールド通信(NFC)およびBluetooth(登録商標)などの短波長無線通信、または他のワイヤレス通信プロトコルを利用する1つまたは複数のワイヤレスアクセスポイント72を含み得る。一般に、そのようなワイヤレスアクセスポイント72は、ハンドヘルドまたは他のポータブルコンピューティングデバイスが、ワイヤレスネットワーク70とは異なり、ワイヤレスネットワーク70とは異なるワイヤレスプロトコルをサポートするそれぞれのワイヤレスネットワーク上で通信することを可能にする。いくつかの実施形態では、UIデバイス112は、ワイヤレスアクセスポイント72を使用してプロセス制御ネ
ットワーク100上で通信する。いくつかのシナリオでは、ポータブルコンピューティングデバイスに加えて、1つまたは複数のプロセス制御デバイス(たとえば、コントローラ11、フィールドデバイス15~23、またはワイヤレスデバイス35、40~58)も、アクセスポイント72によってサポートされたワイヤレスネットワークを使用して通信し得る。
【0035】
追加または代替として、プロバイダデバイスは、隣接したプロセスプラント10の外部にあるシステムへの1つまたは複数の外部システムゲートウェイ78を含み得る。そのような実施形態では、UIデバイス112は、前記外部システムを制御、監視するか、またはさもなければそれらと通信するために使用され得る。一般に、そのようなシステムは、プロセスプラント10によって生成、使用、または変更された情報のコンシューマまたはサプライヤである。たとえば、外部システムゲートウェイノード78は、(それ自体のそれぞれのプロセス制御データネットワークバックボーン105を有する)プロセスプラント10を、それ自体のそれぞれのネットワークバックボーンを有する別のプロセスプラントと通信可能に接続し得る。別の例では、外部システムゲートウェイノード78は、プロセス制御ネットワーク100またはバックボーン105を含まないレガシープロセスプラントにプロセスプラント10を通信可能に接続し得る。この例では、外部システムゲートウェイノード78は、プラント10のプロセス制御ビッグデータバックボーン105によって利用されるプロトコルと、レガシーシステムによって利用される異なるプロトコル(たとえば、Ethernet(登録商標)、Profibus、Fieldbus、DeviceNetなど)との間でメッセージを変換または翻訳し得る。そのような例では、UIデバイス112は、前記レガシーまたは従来のプロセスプラントにおけるシステムまたはネットワークを制御、監視するか、またはさもなければそれらと通信するために使用され得る。
【0036】
プロバイダデバイスは、ラボラトリシステム(たとえば、ラボラトリ情報管理システムまたはLIMS)、人員巡回データベース、マテリアルハンドリングシステム、保守管理システム、製品インベントリ制御システム、生産スケジューリングシステム、気象データシステム、出荷およびハンドリングシステム、パッケージングシステム、インターネット、別のプロバイダのプロセス制御システム、あるいは他の外部システムなど、外部パブリックまたはプライベートシステムのネットワークとプロセス制御ネットワーク100を通信可能に接続するために、1つまたは複数の外部システムゲートウェイノード78を含み得る。外部システムゲートウェイノード78は、たとえば、プロセス制御システムとプロセスプラントの外部の人員(たとえば、自宅の人員)との間の通信を可能にし得る。1つのそのような事例では、オペレータまたは保守技術者は、その人の自宅からUIデバイス112を使用し、ホームネットワーク(図示せず)、インターネット、およびゲートウェイ78を介してネットワークバックボーン105に接続し得る。別の事例では、オペレータまたは保守技術者は、任意の場所からUIデバイス112を使用し、モバイルテレフォニーネットワーク(図示せず)、インターネット、およびゲートウェイ78を介してネットワークバックボーン105に接続し得る。ゲートウェイノード78はまた、プロセスプラントにいるプラント人員と、プロセスプラントの外部のエンティティまたは人々との間の通信を可能にし得る。たとえば、プロセスプラントにあるプロセス制御デバイス上でサービスを実施する技術者は、その人のUIデバイス112から、プロセス制御デバイスの製造業者からのサポート代表者と通信し得る。さらに別の例では、スーパーバイザーエンジン106は、作業項目をスケジュールする、生産スケジュールを管理するなどの際にスーパーバイザーエンジン106を支援するために、気象を監視する、入来供給出荷を追跡する、金融データ(たとえば、商品先物)を追跡するなどし得る。もちろん、ゲートウェイ78を介して(または任意の2つのデバイスの間で)形成されたすべての接続は、セキュアな接続(たとえば、暗号化された接続、ファイアウォールされた接続など)であり得る。
【0037】
追加または代替として、1つまたは複数の外部システムゲートウェイ78は、プロセスプラント10の外部にあるプロセスプラントシステムに通信可能に接続し得る。そのような実施形態では、UIデバイス112は、前記外部システムを制御、監視するか、またはさもなければそれらと通信するために使用され得る。一般に、そのようなシステムは、プロセスプラント10によって生成、使用、または変更された情報のコンシューマまたはサプライヤである。たとえば、ゲートウェイノード78は、(それ自体のそれぞれのプロセス制御データネットワークバックボーン105を有する)プロセスプラント10を、それ自体のそれぞれのネットワークバックボーンを有する別のプロセスプラントと通信可能に接続し得る。別の例では、ゲートウェイノード78は、プロセス制御ネットワーク100またはバックボーン105を含まないレガシープロセスプラントにプロセスプラント10を通信可能に接続し得る。この例では、ゲートウェイノード78は、プラント10のプロセス制御ビッグデータバックボーン105によって利用されるプロトコルと、レガシーシステムによって利用される異なるプロトコル(たとえば、Ethernet、Profibus、Fieldbus、DeviceNetなど)との間でメッセージを変換または翻訳し得る。そのような例では、UIデバイス112は、前記レガシーまたは従来のプロセスプラントにおけるシステムまたはネットワークを制御、監視するか、またはさもなければそれらと通信するために使用され得る。
【0038】
図1Aは、少数のフィールドデバイス15~23および40~50とともに単一のコントローラ11を示すが、これは、例示的で、非限定的な実施形態にすぎない。任意の数のコントローラ11が、プロセス制御ネットワーク100のデバイスに含まれ得、コントローラ11のいずれかは、プラン10におけるプロセスを制御するために、任意の数のワイヤードまたはワイヤレスフィールドデバイス15~23、40~50と通信し得る。さらに、プロセスプラント10は、任意の数のワイヤレスゲートウェイ35、ルータ58、アクセスポイント55、ワイヤレスプロセス制御通信ネットワーク70、アクセスポイント72、またはゲートウェイ78をも含み得る。
【0039】
図1Bは、プロセスプラント10のプロセス制御システムにおいて動作するプロセス制御ネットワーク100の一部分のブロック図であり、特に、例示的なコントローラ11の動作を示す。図示のように、コントローラ11は、ネットワークバックボーン105を通してユーザインターフェースデバイス112に通信可能に接続される。コントローラ11は、プロセス制御デバイスまたはフィールドデバイス20、22、および23、ならびに制御デバイス24にさらに接続される。詳細には、コントローラ11は、制御デバイス24を通してフィールドデバイス22および23に接続される。I/Oアーキテクチャにおける追加の通信リンクまたは構成要素(図示せず)が、様々な実施形態においてさらに含まれ得る。
【0040】
示されている例示的な実施形態では、コントローラ11は、フィールドデバイス20から入力データを受信し、制御デバイス24を介してフィールドデバイス22および23に制御データを出力するように制御モジュール34を動作させるように構成される。制御モジュール34は、PIDコントローラなど、プロセスプラント10の動作中に使用される任意のタイプの制御モジュールであり得る。ただ1つの制御モジュール34が明快のために示されているが、プロセスプラントコントローラは、一般に、複数の制御モジュールを含む。そのような制御モジュールは、ハードウェアモジュール、ソフトウェアモジュール、または各々の組合せとして実装され得る。制御モジュール34は、任意の数の入力(IN)および出力(OUT)を含み得、それらの各々が、入力としてデータソースを参照するか、または出力として構成要素を参照し得る。入力または出力は、同様に、より複雑な制御モデルが、より単純な制御モジュールの組合せとして構成されることを可能にするために、他の制御モジュールを参照し得る。例示的な制御モジュール34は、フィールドデ
バイス20および参照定数37から入力を受信する。
【0041】
フィールドデバイス20は、フィールドデバイス20のタイプおよび構成に応じて、出力として1つまたは複数のプロセス変数パラメータ値を生成する。フィールドデバイス20は、1つの出力変数を生成する単一変数デバイス、または複数の出力変数を生成する複数変数デバイスであり得る。制御モジュール34の構成中に、制御エンジニアは、制御モジュール34への入力としてフィールドデバイス20の出力変数を選択する。フィールドデバイス20の変数の参照は、制御モジュール34の入力のためのデータソースとして選択され得る。構成が容易なように、出力変数は、以下でさらに説明されるように、特に、フィールドデバイスおよび/または(フィールドデバイスによって生成されたいくつかの変数のうちの1つであり得る)変数を特定するタグによって選択または参照され得る。参照定数37は、プロセスプラントオペレータまたは他のユーザによって永続的に固定、設定されるか、あるいはプロセス制御ネットワーク100内のコントローラ11または他のコンピューティングデバイスによって生成され得る記憶された値である。たとえば、参照定数37は、周期的に、あるいはビッグデータアプライアンス102、エキスパートシステム104、スーパーバイザーエンジン106、またはサーバ150による(たとえば、プロセスプラント10の初期セットアップ中の)イベントの発生時に設定され得る。いくつかの実施形態では、参照定数37は、UIデバイス112を介してプロセスプラントオペレータによって設定されるか、またはデータベース140から取り出され得る。さらなる例として、参照定数37は、プロセス状態のためのセットポイントなど、一定のデータ値を含んでいることがある。
【0042】
例示的な制御モジュール34は、フィールドデバイス22または23のうちの1つまたは複数への出力を生成するために、入力データを処理する。制御デバイス24は、制御モジュール34から出力を受信し、さらに、レガシーフィールドデバイス、またはコントローラ11との直接通信が不可能な他のフィールドデバイスであり得る、フィールドデバイス22および23と通信し、それらを制御する。いくつかの実施形態では、シャドーブロック(図示せず)は、フィールドデバイス20、22、および23の機能ブロックの動作をコントローラ11内で模倣するために使用され得る。そのようなシャドーブロックは、I/Oアーキテクチャを介したフィールドデバイス20、22、および23との通信を確立および維持することの必要性から制御モジュール34を隔離する。
【0043】
図1Bは、単一の制御モジュール34を実装する例示的なコントローラ11を示すが、これは、例示的で、非限定的な実施形態にすぎない。任意の数の入力および出力を有する任意の数の制御モジュール34が、様々な実施形態において使用され得る。同様に、任意の数のフィールドデバイスが、コントローラ11に(直接的にまたは間接的にのいずれかで)接続され得る。追加として、本明細書は、図1Aに関して説明されたプロセスプラントに範囲が限定されず、他の制御、監視、および安全システムなどに適用可能であり得る。本明細書は、プロセスプラント10に関する実施形態について説明するが、この取り決めは、便宜上のものにすぎず、限定するものではない。
プロセス制御システム構成
【0044】
既存のプロセス制御システムは、各フィールドデバイスについて1つのパブリックパラメータを扱うように設計され、これは、プロセスプラント内の単一変数を測定するにすぎなかったフィールドデバイスの場合、十分であった。(スマートフィールドデバイスなどの)複数変数フィールドデバイスの開発によって、プロセス制御システムは、今や、同じフィールドデバイスからの複数のパラメータを扱う必要が頻繁にある。しかしながら、既存の制御ルーチンおよびオペレータ予想と互換性があるままであるために、プロセス制御システムは、追加の後続パラメータ(たとえば、HART_SV、HART_TV、またはHART_FV)とともに、各複数変数フィールドデバイスについて1次パラメータ(
たとえば、HART_FIELD_VAL)を認識し続けることが望ましい。追加として、既存のシステムは、パラメータのタイプを暗黙的に示す一意の名前によって1次パラメータを表すタグを使用することによって、デバイスの1次パラメータを参照することを簡略化する(たとえば、PT-101は、PRESSUREという1次パラメータタイプを有する圧力送信機を示す)。そのようなタグは、フィールドデバイスパラメータの何千もの参照を含み得る、制御プロセスシステムを構成、修正、トラブルシューティングし、それを動作させる際に有用である。既存のプロセス制御システムは、パブリックパラメータとして公開される変数のためのそのようなタグを使用することに限定され、パブリックパラメータは、フィールドデバイスの1次パラメータに限定される。したがって、複数変数デバイスの2次パラメータおよび他の後続パラメータは、それらが、既存のプロセス制御システムにおけるパブリックパラメータとして公開され得ないので、既存のプロセス制御システムにおいてタグ付けされ得ない。本明細書で説明される方法およびシステムは、パブリックパラメータとして後続パラメータを公開することによって、詳細には、後続パラメータのための新しい仮想デバイスオブジェクトを生成することよって、プロセス制御システム内の複数変数デバイスの後続パラメータの参照の構成を簡略化するというこの課題を解決する。
【0045】
特に有利な実施形態では、仮想デバイスオブジェクトは、複数変数デバイスの1次パラメータに関連するデバイスオブジェクトの子デバイスオブジェクトとして作成される。したがって、親デバイスオブジェクトは物理的複数変数デバイスを表し、子デバイスオブジェクトは、親デバイスオブジェクトとのそれらの関連付けを通して物理的複数変数デバイスに関連付けられる。上記で説明された利点に加えて、これらの方法およびシステムは、さらに、パラメータに関連するデバイスオブジェクトが、物理的デバイスを表すのか、物理的デバイスの後続パラメータから作成された仮想デバイスを表すのかをシステムオペレータが特定することを可能にする。物理的デバイスと仮想デバイスとの間のそのような区別は、保守およびトラブルシューティング中に重要であり、ここで、オペレータは、プロセスプラント内の物理的デバイスの位置を特定する必要があり得る。親デバイスオブジェクトの子デバイスオブジェクトとして仮想デバイスオブジェクトを生成することによって、本システムおよび方法は、物理的デバイスにアクセスするかまたはそれを交換する必要が発生したならば、オペレータ(たとえば、技術者または制御システムエンジニア)が、プロセスプラント内の物理的デバイスに関する混乱を回避することを可能にする。
【0046】
図2図4は、複数変数フィールドデバイスのパラメータを表すために仮想デバイスオブジェクトを生成することのプロセスおよび効果を示すための、プロセスプラント10のプロセス制御システムのプロセス制御ネットワーク100の部分の代替表現を示す。図2は、単一変数フィールドデバイスオブジェクトと、パブリックパラメータとして公開される1次パラメータと後続パラメータの両方をもつ複数変数フィールドデバイスオブジェクトと、コントローラとをもつプロセス制御ネットワーク100の一部分を示す。図4は、プロセス制御ネットワーク100の同じ部分を示すが、複数変数フィールドデバイスは、親フィールドデバイスオブジェクトと、親デバイスオブジェクトの子フィールドデバイスオブジェクトとによって表される。図3は、複数変数フィールドデバイスオブジェクトの、親フィールドデバイスオブジェクトおよび子フィールドデバイスオブジェクトへの変換を示す。そのような変換は、新しいデバイスオブジェクトの1次パラメータとして複数変数フィールドデバイスオブジェクトの後続パラメータを使用して、新しいデバイスオブジェクト(子フィールドデバイスオブジェクト)を生成することを伴う。新しいデバイスオブジェクトは、親デバイスオブジェクトと同じ名前空間内のプロセス制御システム内のデバイスタグを別個に割り当てられ得、これは、新しいデバイスオブジェクトがプロセス制御システムの構成または修正中に容易に参照されることを可能にする。
【0047】
図2は、プロセス制御ネットワーク100の一部分であり得る、プロセス制御システム
の例示的な制御回路200のブロック図を示す。例示的な制御回路200は、それらの各々が、上記で説明されたフィールドデバイス15~23および40~50に含まれ得る、複数変数フィールドデバイスPT-101と単一変数フィールドデバイスFT-101とを含む。単一変数フィールドデバイスFT-101は、単一変数フィールドデバイスFT-101の唯一のパブリックパラメータ202である1つのパラメータ(FLOW)のための出力データを生成する。FLOWパラメータはまた、デバイスの1次パラメータのプライベート名(HART_FIELD_VAL)を用いて特定される。単一変数フィールドデバイスFT-101のタグは、それが、フロー変数(たとえば、プロセスプラント10の配管内の流量)を示すデータを生成することを示す。複数変数フィールドデバイスPT-101は、2つのタイプの測定された変数(圧力および温度)に関係する3つのパブリックパラメータ204(PRESSURE、PRESSURE_PCT、およびTEMPERATURE)のための出力データを生成する。複数変数フィールドデバイスPT-101のタグは、デバイスの1次パラメータ(PRESSURE)が圧力データに関連付けられたことを示す。1次パラメータPRESSUREは、デバイスの1次パラメータのプライベート名(HART_FIELD_VAL)を用いて特定されるパブリックパラメータである。パラメータPRESSURE_PCTは、割合として圧力測定値を表す。追加として、複数変数フィールドデバイスPT-101は、プライベート名HART_SVをもつ2次パラメータ(TEMPERATURE)のための出力データを生成する。2次パラメータ(TEMPERATURE)は温度測定値であるが、デバイスPT-101は、圧力測定値に関連する出力データを示し、プライベート名HART_SVは、出力データのタイプを示さない。したがって、温度変数のタイプとして2次パラメータを特定する別の手段が必要とされる。
【0048】
フィールドデバイスPT-101とフィールドデバイスFT-101の両方が、入力参照206を介して、上記で説明されたコントローラ11であり得るコントローラFIC-101に出力データを提供する。入力参照206は、タグ208を介して、単一変数フィールドデバイスFT-101のパラメータ(FLOW)と、複数変数フィールドデバイスPT-101の1次パラメータ(PRESSURE)とを参照し得る。したがって、FT-101のパラメータFLOW、およびPT-101のパラメータPRESSUREは、それぞれ、タグFT-101/FLOWおよびタグPT-101/PRESSUREによって参照され得る。対照的に、複数変数フィールドデバイスPT-101の後続パラメータTEMPERATUREは、パラメータを表すための新しい仮想デバイスオブジェクト(たとえば、1次パラメータTEMPERATUREを有するTI-101)を生成することなしにはそのように参照され得ない。さもなければ、(圧力を示す)デバイスタグPT-101と後続パラメータTEMPERATUREとの間のタイプ不整合が起こることになる。そのような不整合は、プロセス制御システムが、受信されたデータの解釈に関する情報を決定するためにデバイスタイプを使用することがあるので問題になり得、これは、不整合が起こったとき、不適切にフォーマットされたかまたは不適切に解釈されたデータを生じることがある。したがって、PT-101のTEMPERATUREパラメータのための入力参照206は、代わりに、PT-101の2次変数HART_SVへのそれの全経路によって、またはPT-101のパブリック2次変数TEMPERATUREへの経路によって参照される。パラメータPRESSURE_PCTは、示されている実施形態では、コントローラFIC-101への入力として使用されない。
【0049】
フィールドデバイスPT-101およびFT-101によって生成された出力データは、したがって、入力データとしてコントローラFIC-101によって受信される。コントローラFIC-101は、複数の制御ブロック210および212によって制御機能を実施するために、そのような入力データを使用する。示されている実施形態では、コントローラFIC-101は、圧力(PRESSURE)および温度(TEMPERATURE)に基づいてフロー入力(FLOW)を補正するために、複合ブロック210(PTC
OMP)を使用する。補正されたフローは、複合ブロック210によって出力され、PID制御論理モジュールへの入力として制御ブロック212によって受信され、PID制御論理モジュールの出力は、さらに、プロセスプラント10内のプロセスを制御するために使用され得る。
【0050】
図2に示されている構成は、たいていのシナリオの下でプロセス制御システムの部分を動作させるのに十分であるが、示された構成は、依然として、構成または修正することがやや困難である。複数変数フィールドデバイスPT-101の後続パラメータ(TEMPERATURE)を参照するために、コントローラFIC-101は、フィールドデバイス内の変数への全経路を参照しなければならず、変数から予想された出力のタイプを指定する命令をさらに含まなければならない。複数変数フィールドデバイスPT-101の1次パラメータ(PRESSURE)は、特性を圧力測定値に関連付けるためにプロセス制御システムによって理解され得るが、2次変数HART_SVは、予想されるデータタイプに関するそのような情報を搬送しない。したがって、制御システムエンジニアは、HART_SV変数のためのデータのタイプ(TEMPERATURE)をも指定しなければならない。これらの問題に対処するために、複数変数フィールドデバイスPT-101は、複数のデバイスオブジェクトとしてプロセス制御システム内で表され得る。
【0051】
図3は、プロセス制御システム内の複数変数フィールドデバイスオブジェクトPT-101から複数のデバイスオブジェクトPT-101およびTI-101を作成するための変換プロセス300の動作の例示的なブロック図を示す。複数変数フィールドデバイスPT-101は、図2に関して上記で説明された同じ複数変数フィールドデバイスPT-101であり、同じパブリックパラメータ204を有する。図3において、複数変数フィールドデバイスオブジェクトPT-101は、仮想フィールドデバイスTI-101の1次パラメータとして複数変数フィールドデバイスPT-101の後続パラメータTEMPERATUREを表す仮想デバイスオブジェクトとして、新しいデバイスオブジェクトTI-101を生成するために使用される。この新しいデバイスオブジェクトTI-101は、親デバイスオブジェクトPT-101の子デバイスオブジェクトとして生成される。追加として、親デバイスオブジェクトPT-101は、2次パラメータTEMPERATUREを隠すように修正され、それにより、混乱を回避する。したがって、修正された親デバイスオブジェクトPT-101は、それのパブリックパラメータ304としてPRESSUREおよびPTRESSURE_PCTのみを公開し、新しい子デバイスオブジェクトTI-101は、それのパブリックパラメータ302としてTEMPERATUREを公開する。
【0052】
図示のように、新しいデバイスオブジェクトTI-101は、パブリックパラメータ302としてTEMPERATUREパラメータのみを公開する。プロセス制御システム内では、したがって、TEMPERATUREパラメータは、デバイスオブジェクトPT-101の2次パラメータとしてではなく、仮想デバイスオブジェクトTI-101の1次パラメータとして特定される。その上、新しい仮想デバイスオブジェクト(TI-101)のデバイスタグは、出力データとして温度測定値を生成するフィールドデバイスを示す。対照的に、複数変数フィールドデバイスオブジェクトおよび親デバイスオブジェクト(PT-101)のデバイスタグは、出力データとして圧力測定値を生成するフィールドデバイスを示す。したがって、親デバイスオブジェクトと子デバイスオブジェクトの両方は、複数変数フィールドデバイスの1次パラメータまたは後続パラメータのいずれかであり得る、それぞれのデバイスオブジェクトの1次パラメータに一致するプロセス制御システム内のデバイスタグに関連付けられる。
【0053】
新しいデバイスオブジェクトTI-101は、パラメータの限られたセット(すなわち、1次パラメータTEMPERATUREのみ)をもつ子デバイスとして生成される。親
デバイスオブジェクトと子デバイスオブジェクトとの間の接続は、プロセス制御システムのオペレータが、デバイスオブジェクトPT-101とデバイスオブジェクトTI-101の両方に関連する物理的デバイスを容易に特定することを可能にする。追加として、プロセス制御システムの構成は、そのような配置によって簡略化される。任意の子デバイスオブジェクト(たとえば、TI-101)が、親デバイスオブジェクト(たとえば、PT-101)に影響を及ぼすことなしに、追加、削除、または修正され得る。ただし、親デバイスオブジェクトを削除することは、子デバイスオブジェクトを削除する。親デバイスオブジェクトが物理的複数変数デバイスを一意に表すので、親デバイスオブジェクトおよび子デバイスオブジェクトに対する変更間のこの非対称性は、プロセス制御システムの構成をさらに改善する。たとえば、プロセスプラント10から複数変数フィールドデバイスを削除するとき、プロセス制御エンジニアは、単に親デバイスオブジェクトPT-101を削除することによって、複数変数フィールドデバイスに関連するすべてのデバイスオブジェクトを削除することができる。いくつかの実施形態では、親デバイスオブジェクトを修正することは、任意の子デバイスオブジェクトを自動的に修正し得る。したがって、プロセス制御エンジニアは、単に親デバイスオブジェクトを修正することによって、プロセスプラント10内の複数変数フィールドデバイスの物理的場所の変更、または複数変数フィールドデバイスと通信するために使用される通信経路またはプロトコルの変更を反映するようにプロセス制御システムを再構成することができる。
【0054】
図4は、仮想デバイスオブジェクトを使用するプロセス制御ネットワーク100内の例示的な制御回路400のブロック図を示す。例示的な制御回路400は、パラメータ204をもつ複数変数フィールドデバイスオブジェクトPT-101を、パラメータ304をもつ親デバイスオブジェクトPT-101と、パラメータ302をもつ子デバイスオブジェクトTI-101の両方に変換した後の、上記で説明された例示的な制御回路200を表す。子デバイスオブジェクトTI-101は、TEMPERATUREパラメータと同じタイプのものであるので、タグ408は、タイプ不整合を生じることなしにTI-101/TEMPERATUREのためのタグを含む。したがって、複数変数フィールドデバイスの後続パラメータを表すための仮想デバイスオブジェクトの使用は、1次パラメータと後続パラメータの両方を参照するとき、タグの使用を可能にすることによって入力参照206の構成を簡略化する。その上、コントローラFIC-101の構成または動作に対するいかなる変更も、この改善を達成するために必要とされない。
【0055】
図5は、プロセスプラント10のプロセス制御システム内の複数変数デバイスを表す親デバイスオブジェクトから1つまたは複数の子デバイスオブジェクトを作成するための、例示的なデバイスオブジェクト生成方法500の流れ図を示す。方法500は、親デバイスオブジェクトおよび1つまたは複数の子デバイスオブジェクトなど、複数のデバイスオブジェクトにプロセス制御システム内の複数変数デバイスオブジェクトを変換するために使用され得る。方法500はまた、複数変数デバイスオブジェクトに関連する親デバイスオブジェクトから新しい子デバイスオブジェクトを生成するために使用され得る。上記で説明された複数変数デバイスオブジェクトPT-101など、デバイスオブジェクトは、フィールドデバイス15~23および40~50に関連付けられ得る。いくつかの実施形態では、デバイスオブジェクトは、同様に、フィールドデバイス15~23または40~50、制御デバイス24、あるいはコントローラ11内で動作する制御ブロックまたは同様のルーチンによって生成されたパラメータに関連付けられ得る。
【0056】
方法500は、デバイスのユーザ選択などによる、複数変数デバイスオブジェクトの特定(ブロック502)から始まる。いくつかの実施形態では、特定された複数変数デバイスのパラメータのリストが、ユーザに提示され得(ブロック504)、そのようなリストからのパラメータの選択が、ユーザから受信され得る(ブロック506)。そのようなユーザ選択によるのか、他の方法によるのかにかかわらず、複数変数デバイスのパラメータ
が、新しいデバイスオブジェクトの1次パラメータとして使用するために特定される(ブロック508)。いくつかの実施形態では、新しいデバイスオブジェクトのためのタグが、パラメータまたはユーザ入力に基づいて特定され得る(ブロック510)。次いで、新しいデバイスオブジェクトは、それの1次パラメータとして、好ましくは、複数変数デバイスオブジェクトの子デバイスオブジェクトとして、特定されたパラメータを用いて生成される(ブロック512)。次いで、新しいデバイスオブジェクトは、プロセス制御システムの構成において使用され得る。いくつかの実施形態では、新しいデバイスオブジェクトの参照が、ユーザから受信され得(ブロック514)、プロセス制御システムは、参照に基づいて新しいデバイスオブジェクトのパラメータにアクセスするように構成され得る(ブロック516)。たとえば、新しいデバイスオブジェクトのパラメータは、コントローラ11の制御ブロックへの入力として使用され得る。
【0057】
方法500は、プロセス制御ネットワーク100内のUIデバイス112およびサーバ150など、プロセス制御プラント10に関連する1つまたは複数のコンピュータによって実装され得る。いくつかの実施形態では、プロセス500は、プロセスプラント10を動作させない1つまたは複数のコンピュータ上で実装され得る。したがって、プロセス制御システムは、プロセスプラント10において利用されるより前に、他のコンピュータシステムを使用して設計、構成、およびテストされ得る。適切な動作の検証時に、構成されたプロセス制御システムプログラムは、非一時的コンピュータ可読記憶媒体(たとえば、ハードディスクドライブまたは光ディスクなど、不揮発性メモリデバイス)に記憶され得る。次いで、記憶されたプロセス制御システムプログラムの一部または全部は、プロセスプラント10を動作させるようにプロセス制御ネットワーク100内のプロセス制御システムを実装するために、プロセス制御ネットワーク100のコントローラ11、UIデバイス112、エキスパートシステム104、または他の構成要素にダウンロード、インストール、またはインスタンス化され得る。
【0058】
ブロック502において、プロセス制御システムは、プロセス制御ネットワーク100内の複数変数デバイスを表す複数変数デバイスオブジェクトを特定する。複数変数デバイスは、スマートフィールドデバイスなど、プロセスプラント10内の状態に関連する複数の出力変数のための出力データを生成する複数変数フィールドデバイスであり得る。いくつかの実施形態では、複数変数フィールドデバイスは、複数変数フィールドデバイス内で分析または制御論理を実行する1つまたは複数の機能ブロックを含み得る。そのような機能ブロックは、複数変数フィールドデバイスの出力変数として公開され得る計算された変数を生成し得る。他の実施形態では、複数変数デバイスは、コントローラ11または制御デバイス24であり得るか、またはそれは、その上で動作する機能ブロック、モジュール、または他のルーチンであり得る。コントローラ11または制御デバイス24は、プロセスプラント10内の状態に関連する複数の変数を生成、計算、またはアグリゲートし得る。そのような変数は、プラント動作の性能を示す重要性能指標(KPI)(たとえば、燃料使用または原材料使用の効率、プラントダウンタイムまたはアップタイム、あるいはプロセスプラント10の一部または全部についての同様の性能指標)の計算を含み得る。複数変数デバイスが、フィールドデバイス15~23または40~50であるのか、制御デバイス24であるのか、コントローラ11であるのかにかかわらず、本明細書で説明されるプロセスは、複数変数デバイスに関連する1つのデバイスオブジェクトから複数のデバイスオブジェクトを生成するために使用され得る。
【0059】
複数変数デバイスオブジェクトは、複数変数デバイスオブジェクトに関連するデバイスオブジェクトまたは他のインジケータのユーザ選択に基づいて特定され得る。たとえば、ユーザは、そのインジケータそれ自体が、デバイスオブジェクトの参照を含むそのプロセス制御システム内のオブジェクトであり得る、プロセス制御システム内の複数変数デバイスのグラフィカルまたはテキストインジケータを選択するために、UIデバイス112と
対話し得る。インジケータのユーザ選択は、したがって、参照に基づいて、対応する複数変数デバイスオブジェクトを特定するために使用され得る。たとえば、ユーザは、後続パラメータの構成が、何らかの目的のために必要とされるとき、複数変数デバイスオブジェクトの後続パラメータのための子デバイスオブジェクトを生成するために、複数変数デバイスオブジェクトを示す選択を行い得る。代替的に、複数変数デバイスオブジェクトは、プロセス制御システムによって自動的に特定され得る。いくつかのそのような実施形態では、プロセス制御システムは、プロセス制御システム内の1つまたは複数の複数変数デバイスオブジェクトを自動的に特定し得る。たとえば、複数変数デバイスオブジェクトは、それらがプロセス制御システムに追加されるとき、またはプロセス制御システム内の複数変数デバイスオブジェクトの一部または全部を特定するためのバッチプロセスにおいて特定され得る。自動特定は、1次パラメータと後続パラメータの両方を有するデバイスオブジェクトを特定することによって達成され得る。複数変数デバイスに関連する、以前に構成された親デバイスオブジェクトを特定することを回避するために、プロセス制御システムは、子デバイスオブジェクトがプロセス制御システム内でそれについて存在しない、後続パラメータを有するデバイスオブジェクトのみを特定し得る。しかしながら、複数変数デバイスオブジェクトは特定され、プロセス500は、次いで、少なくとも1つの後続パラメータを特定し、複数変数デバイスオブジェクトのそのような特定された後続パラメータのための新しいデバイスオブジェクトを生成することによって、複数変数デバイスオブジェクトを複数のデバイスオブジェクトに変換することに進み得る。
【0060】
ブロック504および506において、いくつかの実施形態では、プロセス制御システムは、ユーザにパラメータのリストを提示し、ユーザから選択を受信し得る。ブロック504において、複数変数フィールドデバイスオブジェクトのパラメータのリストが、生成され、次いで、UIデバイス112を介してユーザに提示され得る。パラメータのリストは、複数変数デバイスオブジェクトにおいて構成されたすべてのパラメータを収集することによって生成され得るか、またはパラメータのリストは、複数変数デバイスのすべての利用可能な出力変数を特定することによって、プロセス制御システムによって生成され得る。複数変数デバイスの出力変数は、たとえば、デバイスのためのデバイス記述ファイル内に含まれている情報の検査によって特定され得る。そのようなデバイス記述ファイルは、プロセス制御ネットワーク100のデータベースからアクセスされ得るか、または複数変数デバイスのデバイスメモリからアクセスされ得る。デバイス記述ファイルは、複数変数デバイスの出力変数を特定するために処理され得、出力変数は、次いで、複数変数デバイスオブジェクトの利用可能なパラメータとしてリストに収集され得る。パラメータのそのようなリストは、複数変数デバイスオブジェクトの1次パラメータを除外し得、いくつかの実施形態では、複数変数デバイスの1次パラメータとして、親デバイスオブジェクトの1次パラメータとして使用される。1つまたは複数のパラメータのリストが生成されると、リストは、UIデバイス112を介してユーザに提示され得る。応答して、ユーザは、リストからパラメータのうちの1つまたは複数を選択し得、プロセス制御システムは、ブロック506においてそのようなユーザ選択を受信し得る。いくつかの実施形態では、ユーザ選択は、プロセス制御システム内の参照としてパラメータと新しいデバイスオブジェクトとに関連付けられるべき仮想タグの指示をさらに含み得る。
【0061】
ブロック508において、プロセス制御システムは、新しいデバイスオブジェクトをそれについて生成すべき複数変数デバイスの出力変数に関連するパラメータを特定する。特定されたパラメータは、好ましくは、複数変数デバイスオブジェクトの後続パラメータである。パラメータは、上記で説明されたように、パラメータのリストからのパラメータのユーザ選択などによって、プロセス制御システムのユーザによって特定され得る。代替的に、パラメータは、プライベートまたはパブリックパラメータ名(たとえば、TEMPERATUREまたはHART_SV)を参照することなどによってパラメータを指定するユーザ入力によって特定され得る。他の実施形態では、パラメータは、プロセス制御シス
テムによって特定され得る。たとえば、プロセス制御システムは、新しいデバイスオブジェクトを生成するために、複数変数デバイスのパラメータの各々を反復的に特定し得る。
【0062】
ブロック510において、いくつかの実施形態では、プロセス制御システムは、新しいデバイスオブジェクトとパラメータとに関連付けられるべきタグを決定し得る。タグは、新しいデバイスオブジェクトを特定するためのプロセス制御システム内の仮想タグであり得る。上述のように、パラメータのユーザ選択は、ユーザからのタグの指示を含み得る。代替的に、ユーザは、タグを別個に指定し得るか、またはタグは自動的に決定され得る。タグは、ユーザ入力または選択に基づいて決定され得るか、またはパラメータのタイプのためのデフォルトタグが、プロセス制御システムによって生成され得る(たとえば、パラメータタイプのための次に利用可能な数のデバイスタグ)。そのようなタグは、新しいデバイスオブジェクトおよび/またはプロセス制御システム内の新しいデバイスオブジェクトに関連する特定されたパラメータのための参照として使用され得る。
【0063】
ブロック512において、プロセス制御システムは、特定されたパラメータのための新しいデバイスオブジェクトを生成する。新しいデバイスオブジェクトは、新しいデバイスオブジェクトの唯一のパブリックパラメータであり得る新しいデバイスオブジェクトの1次パラメータとして、特定されたパラメータを有するプロセス制御システム内のオブジェクトとして生成される。新しいデバイスオブジェクトは、複数変数デバイスの他のパラメータへのアクセスなしに、それの唯一のパラメータとして、特定されたパラメータを含み得る。したがって、新しいデバイスオブジェクトは、1つの1次パラメータ(すなわち、複数変数デバイスオブジェクトの特定された後続パラメータ)を用いて、および後続パラメータを用いずに生成され得る。いくつかの実施形態では、新しいデバイスオブジェクトは、それにもかかわらず、特定されたパラメータに関連するスケーリングファクタまたは他の情報を含み得る。追加として、新しいデバイスオブジェクトは、新しいデバイスオブジェクトへのおよび/または新しいデバイスオブジェクトの1次パラメータへのプロセス制御ネットワーク100内の経路を表し得る、プロセス制御システム内の仮想タグに関連付けられ得る。仮想タグは、親複数変数デバイスオブジェクトのためのタグと同じ名前空間内の、プロセス制御システム内の一意の仮想タグであり得る。さらなる実施形態では、新しいデバイスオブジェクトを生成することは、デバイスオブジェクトのクラスを選択するために、プロセス制御システムのオブジェクトライブラリにアクセスすることを含み得る。デバイスオブジェクトの選択されたクラスのインスタンスは、次いで、新しいデバイスオブジェクトを生成するために、特定されたパラメータに関連し、一意の仮想タグを割り当てられ、複数変数デバイスオブジェクトにリンクされた情報を用いてカスタマイズされ得る。
【0064】
好ましい実施形態では、新しいデバイスオブジェクトは、複数変数デバイスオブジェクトの子デバイスオブジェクトとして生成され、複数変数デバイスオブジェクトは、新しいデバイスオブジェクトに対する親デバイスオブジェクトになる。そのような構成は、新しいデバイスオブジェクトTI-101が、親デバイスオブジェクトPT-101の子デバイスオブジェクトとして生成される、上記の図3に示されている。また、上記の図3に示されているように、複数変数デバイスオブジェクトは、子デバイスオブジェクトに関連する後続パラメータ(すなわち、TEMPERATURE)を隠すために、親デバイスオブジェクトとして修正され得る。親デバイスオブジェクトの子デバイスオブジェクトとして新しいデバイスオブジェクトを生成することによって、新しいデバイスオブジェクトは、親デバイスオブジェクトによって一意に表されるプロセスプラント10における複数変数デバイスにリンクされる。
【0065】
生成されると、新しいデバイスオブジェクトは、任意の他のデバイスオブジェクトと同じ様式で、プロセス制御システム内で参照および使用され得る。ブロック514および5
16は、新しいデバイスオブジェクトを使用してプロセスプラント10を動作させるようにプロセス制御システムを構成することをさらに示す。ブロック514において、いくつかの実施形態では、プロセス制御システムは、新しいデバイスオブジェクトの参照を受信する。新しいデバイスオブジェクトの参照は、新しいデバイスオブジェクトの指示のユーザ選択によって示され得る。そのようなユーザ選択は、新しいデバイスオブジェクトからの出力データを受信するための、プロセス制御システム内の機能ブロックまたはモジュールをさらに示し得る。いくつかの実施形態では、ユーザは、新しいデバイスオブジェクトに関連する一意の仮想タグによって新しいデバイスオブジェクトを示し得る。同様に、パラメータを指定することなしに新しいデバイスタグを示すことは、新しいデバイスオブジェクトの1次パラメータ(すなわち、複数変数デバイスオブジェクトの特定されたパラメータ)の参照としてプロセス制御システムによって解釈される。したがって、新しいデバイスオブジェクトの仮想タグは、プロセス制御システム内の任意の他のデバイスオブジェクトに関連する任意の他のタグのように使用され得る。ブロック516において、いくつかの実施形態では、プロセス制御システムは、受信された参照に基づいて、特定されたパラメータに関連する出力データにアクセスするように構成され得る。プロセス制御システムは、新しいデバイスオブジェクトの1次パラメータの参照を使用して、プロセス制御システム内の機能ブロックまたは他のデータコンシューマに複数変数デバイスの対応する出力データを提供するように構成され得る。そのような構成は、出力データをスケーリングするために、新しいデバイスオブジェクトのスケーリングパラメータの使用をも含み得る。したがって、プロセス制御システムは、あたかも新しいデバイスオブジェクトが、プロセス制御ネットワーク100内の物理的単一変数デバイスを表すかのように、新しいデバイスオブジェクトを使用して、複数変数デバイスの後続パラメータに関連する出力データにアクセスするように構成され得る。
【0066】
図6は、複数変数デバイスオブジェクトからの子デバイスオブジェクトの構成を可能にするためにUIデバイス112を介してユーザに提示され得る、例示的な構成表示600を示す。ユーザは、上記で説明されたように新しいデバイスオブジェクトを生成するために、またはデバイスオブジェクトにタグを追加することなどによって既存のデバイスオブジェクトを構成するために、構成表示600と対話し得る。構成表示600は、複数変数デバイス(PT-114)への経路を示す経路表現602を含む。任意の子デバイスオブジェクトも、経路表現602において表示され得る(たとえば、TT-114)。構成表示600は、選択されたデバイスオブジェクトのパラメータを示すパラメータリスト604をも含み得る。図示のように、複数変数デバイスオブジェクトPT-114のパラメータリストは、1次パラメータ(HART_PV)と2次パラメータ(HART_SV)とを含む。ユーザは、パラメータリスト604のパラメータのうちの1つに関連する新しいデバイスオブジェクトをタグ付けまたは生成するために、コマンドの指示を入力し得、これは、矢印606によって示されている。そのようなコマンドまたはユーザ選択時に、デバイスオブジェクト構成ウィンドウ608が、ユーザに提示され得る。デバイスオブジェクト構成ウィンドウは、プロセス制御システム内の新たに生成された子デバイスオブジェクトまたは既存のデバイスオブジェクトであり得る、デバイスオブジェクトに関する情報をユーザが閲覧、修正、または入力することを可能にし得る。そのような情報は、デバイスオブジェクトのタグ(TT-114)を示すタグフィールド610と、デバイスオブジェクトに関連する1次パラメータのタイプ(TEMPERATURE)を示す変数タイプフィールド612と、デバイスオブジェクトまたは変数に関する任意のユーザメモを含むための説明フィールド614と、選択されたデバイスオブジェクトの1次パラメータへの経路(PT-114/HART_SV)を表示する経路フィールド616とを含み得る。図示された構成表示600は例にすぎず、他の同様の表示が代わりに使用され得る。そのような他の表示は、追加の、代替の、またはより少ない構成要素を含み得、他の表示の構成要素は、異なるレイアウトで配置され得る。
【0067】
図7は、親デバイスオブジェクトと子デバイスオブジェクトとに関連する情報を示すために、UIデバイス112を介してユーザに提示され得る、例示的な情報表示700を示す。情報表示700は、親デバイスオブジェクト(PT-101)に関連する情報を提示する親デバイスオブジェクトテーブル702と、子デバイスオブジェクト(TI-101)に関連する情報を提示する子デバイスオブジェクトテーブル710とを含む。親デバイスオブジェクトテーブル702は、親デバイスオブジェクトを特定するためにハイライトされている、親デバイスオブジェクト(PT-101)を含む経路704を示す。親デバイスオブジェクトテーブル702はまた、親デバイスオブジェクトのすべてのパラメータをリストする、親デバイスオブジェクトのためのパラメータリスト706を示す。同様に、子デバイスオブジェクトテーブル710は、子デバイスオブジェクトを特定するためにハイライトされている、子デバイスオブジェクト(TI-101)を含む経路712、ならびにパラメータリスト714を示す。親デバイスオブジェクトのパラメータリスト706とは異なり、子デバイスオブジェクトのパラメータリスト714は、1つのパラメータ、すなわち、プロセス制御システムにおける複数変数デバイスを表す親デバイスオブジェクトの2次パラメータである、子デバイスオブジェクトの1次パラメータのみを含む。したがって、情報表示700は、ユーザが、同時に複数のデバイスオブジェクトの経路およびパラメータに関する情報を取得することを可能にする。情報700はまた、デバイスオブジェクトが、実デバイスオブジェクト(すなわち、プロセスプラント内の物理的デバイスを表す親デバイスオブジェクト)であるのか、複数変数デバイスオブジェクトの後続パラメータから生成された仮想デバイスオブジェクト(すなわち、子デバイスオブジェクト)であるのかをユーザが迅速に決定することを可能にし得る。
【0068】
本明細書で説明される例は、しばしば、1つの1次パラメータと1つの2次パラメータとを有する複数変数デバイスに限定されたが、追加の2次パラメータが、いくつかのデバイスについて利用可能であり得る。したがって、いくつかの事例では、複数変数デバイスオブジェクトは、親デバイスオブジェクトおよび複数の子デバイスオブジェクトとして表され得る。図8は、5つのパラメータに関連する5つの出力変数を生成することを有する、複数変数デバイスの表現のブロック図を示す。複数変数デバイスは、親デバイスオブジェクト(TT-101)ならびに複数の子デバイスオブジェクト(TI-101、TI-102、TI-103、TI-104、およびTI-105)としてプロセス制御システム内で表される。子デバイスオブジェクトTI-101、TI-102、TI-103、TI-104、およびTI-105の各々は、それぞれ、それのパラメータリスト804、806、808、810、および812において示されている1つの1次パラメータを有する。図8に示されている例示的な実施形態では、親デバイスオブジェクトTT-101は、それに関連するパラメータをそれのパラメータリスト802中に有しない。代わりに、複数変数デバイスの1次パラメータ(HART_PV)は、子デバイスオブジェクトのうちの1つ(TI-101)に関連付けられる。親デバイスオブジェクトは、依然として、物理的複数変数デバイスを一意に特定するが、デバイスのすべてのパラメータは、それらの対応する子デバイスオブジェクトによって特定され得る。したがって、各親デバイスオブジェクトは、それに直接的に関連する0個以上のパラメータを有し得、任意の数のパラメータが、子デバイスオブジェクトとの関連付けを通して親デバイスオブジェクトに間接的に関連付けられ得る。
追加の考慮事項
【0069】
以下の追加の考慮事項は、上記の説明に適用される。本明細書全体にわたって、サーバ150、UIデバイス112、あるいは任意の他のデバイスまたはルーチンによって実施されるものとして説明された行為は、概して、機械可読命令に従ってデータを操作または変換するプロセッサの行為またはプロセスを指す。機械可読命令は、プロセッサに通信可能に結合されたメモリデバイスに記憶され、それから取り出され得る。すなわち、本明細書で説明される方法は、非一時的コンピュータ可読媒体に(すなわち、メモリデバイスに
)記憶された機械実行可能命令のセットによって実施され得る。命令は、対応するデバイス(たとえば、サーバ、モバイルデバイスなど)の1つまたは複数のプロセッサによって実行されたとき、プロセッサに本方法を実行させる。命令、ルーチン、モジュール、プロセス、サービス、プログラム、またはアプリケーションが、コンピュータ可読メモリにまたはコンピュータ可読媒体に記憶または保存されるものとして本明細書で言及される場合、「記憶される」、「保存される」という単語は、一時的信号を除外するものとする。
【0070】
さらに、「オペレータ」、「人員」、「人」、「ユーザ」、「技術者」という用語および同様の他の用語は、本明細書で説明されるシステム、装置、および方法を使用するかまたはそれらと対話し得る、プロセスプラント環境にいる人について説明するために使用されるが、これらの用語は、限定するものではない。上記の説明から諒解され得るように、本明細書で説明されるシステム、装置、および方法は、プロセス制御システムを構成するかまたはそれを動作させるためのそのような人員の能力を改善するという利益または効果を有し得る。特定の用語が説明において使用される場合、用語は、部分的に、プラント人員が従事する旧来のアクティビティのために使用されるが、その特定のアクティビティに従事していることがある人員を限定するものではない。
【0071】
追加として、本明細書全体にわたって、複数の事例が、単一の事例として説明された構成要素、動作、または構造を実装し得る。1つまたは複数の方法の個々の動作が、別個の動作として示され、説明されるが、個々の動作のうちの1つまたは複数は、同時に実施され得、いかなることも、示されている順序で動作が実施されることを必要としない。例示的な構成において別個の構成要素として提示される構造および機能性は、組合せ構造または構成要素として実装され得る。同様に、単一の構成要素として提示される構造および機能性は、別個の構成要素として実装され得る。これらおよび他の変形、修正、追加、および改善は、本明細書の主題の範囲内に入る。
【0072】
別段に明記されていない限り、「処理すること」、「算出すること」、「計算すること」、「決定すること」、「特定すること」、「提示すること」、「表示すること」などの単語を使用する本明細書における説明は、情報を受信、記憶、送信、または表示する1つまたは複数のメモリ(たとえば、揮発性メモリ、不揮発性メモリ、またはそれらの組合せ)、レジスタ、または他の機械構成要素内の物理(たとえば、電子、磁気、または光)量として表されるデータを操作または変換する、機械(たとえば、コンピュータ)の行為またはプロセスを指すことがある。
【0073】
ソフトウェアで実装されるとき、本明細書で説明されるアプリケーション、サービス、およびエンジンのいずれかは、磁気ディスク、レーザーディスク(登録商標)、固体メモリデバイス、分子メモリ記憶デバイス、または他の記憶媒体に、コンピュータまたはプロセッサのRAMまたはROMになど、任意の有形で非一時的なコンピュータ可読メモリに記憶され得る。本明細書で開示される例示的なシステムは、構成要素の中でも、ハードウェア上で実行されるソフトウェアまたはファームウェアを含むものとして開示されるが、そのようなシステムは、例示的なものにすぎず、限定するものと見なされるべきではないことに留意されたい。たとえば、これらのハードウェア、ソフトウェア、およびファームウェア構成要素のいずれかまたはすべては、もっぱらハードウェアで、もっぱらソフトウェアで、またはハードウェアとソフトウェアの任意の組合せで実施され得ることが企図される。したがって、当業者は、与えられる例が、そのようなシステムを実装する唯一の方法ではないことを容易に諒解するであろう。
【0074】
したがって、本発明は、例示的なものにすぎず、本発明の限定ではない特定の例に関して説明されたが、変更、追加または削除が、本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく、開示される実施形態に対して行われ得ることが当業者には明らかであろう。
図1A
図1B
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8