(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-19
(45)【発行日】2024-03-28
(54)【発明の名称】第1のドライバーアシスト機能から第2のドライバーアシスト機能へ切換えるための方法および装置
(51)【国際特許分類】
B60W 30/14 20060101AFI20240321BHJP
B62J 27/00 20200101ALI20240321BHJP
B62J 99/00 20200101ALI20240321BHJP
【FI】
B60W30/14
B62J27/00
B62J99/00
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2019144332
(22)【出願日】2019-08-06
【審査請求日】2022-07-19
(31)【優先権主張番号】10 2018 214 421.4
(32)【優先日】2018-08-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】591245473
【氏名又は名称】ロベルト・ボッシュ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】100177839
【氏名又は名称】大場 玲児
(74)【代理人】
【識別番号】100172340
【氏名又は名称】高橋 始
(74)【代理人】
【識別番号】100182626
【氏名又は名称】八島 剛
(72)【発明者】
【氏名】グレロード,マチュー
(72)【発明者】
【氏名】ションヘル,ミヒャエル
【審査官】鶴江 陽介
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-047795(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0166100(US,A1)
【文献】特開2016-034819(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60W 30/00-60/00
G08G 1/00- 1/16
F02D 29/00-29/06
B60K 31/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御器によって自動二輪車における第1のドライバーアシスト機能から第2のドライバーアシスト機能へ切換えるための方法において、前記
第1のドライバーアシスト機
能が順応型距離・速度制御機能
(102)であり、
前記第2のドライバーアシスト機能が
速度制御機能(101)であり、ドライバーが
操作要素を操作する際に前記第1のドライバーアシスト機能が作動していない場合には、前記操作要素の操作時間にかかわらず前記第2のドライバーアシスト機能へ切換えを行い、ドライバーが前記操作要素を操作する際に前記第1のドライバーアシスト機能が作動している場合には、予め設定された長さの
時間にわたって
前記操作要素を中断なく操作することによって前記
第2のドライバーアシスト機能へ切換えを行う方法。
【請求項2】
前記操作要素がキーであることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記操作要素が、前記第1のドライバーアシスト機能を起動させるために使用するキーと同じキーであることを特徴とする、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
予め設定された長さの前記時間が2秒よりも長いことを特徴とする、
請求項1に記載の方法。
【請求項5】
予め設定された長さの前記時間が3秒であることを特徴とする、
請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記操作要素が前記自動二輪車のステアリングに装着されていることを特徴とする、
請求項1に記載の方法。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか一項記載の方法を実施するために構成された手段を含む装置。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
特許文献1から、原動機つき単車の、特に自動二輪車の縦方向距離制御システムに影響を与えるための方法が公知であり、この方法では、ドライバー以外に他の乗員または同乗者が動力車両上にいるかどうかを検出し、他のモータサイクリストの存在によって縦方向距離制御システムに影響を与える。この場合、他のモータサイクリストが同乗していれば、ドライバーはたとえば組合せ計器上の操作要素を用いて設定を行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0002】
【文献】独国特許出願公開第102017201693号明細書
【発明の概要】
【0003】
本発明は、単軌道動力車両における第1のドライバーアシスト機能から第2のドライバーアシスト機能へ切換えるための方法に関し、前記ドライバーアシスト機能のうちの1つが順応型距離・速度制御機能であり、他のドライバーアシスト機能がテンポマート機能であり、ドライバーが予め設定された長さのタイムインターバルにわたって操作要素またはキーを継続的にまたは中断なく操作することによって前記切換えを行う。これによって、ドライバーが操作要素を意識的に操作することが保証される。
【0004】
本発明の有利な構成は、第1のドライバーアシスト機能が順応型距離・速度制御機能であり、第2のドライバーアシスト機能が速度制御機能またはテンポマート機能であることを特徴としている。
【0005】
本発明の有利な構成は、操作器具がキーであることを特徴としている。
【0006】
本発明の有利な構成は、操作要素が、第1のドライバーアシスト機能を起動させるために使用するキーと同じキーであることを特徴としている。
【0007】
本発明の有利な構成は、予め設定された長さのタイムインターバルが2秒よりも長いことを特徴としている。
【0008】
本発明の有利な構成は、予め設定された長さのタイムインターバルがほぼ3秒であることを特徴としている。
【0009】
本発明の有利な構成は、操作器具が単軌道動力車両のステアリングに装着されていることを特徴としている。
【0010】
本発明の有利な構成は、単軌道動力車両が自動二輪車であることを特徴としている。
【0011】
さらに、本発明は、本発明による方法を実施するために構成された手段を含む装置を包括する。装置とは、特に、本発明による方法を実施するためのプログラムコードがファイルされている制御器である。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【0013】
【
図1】テンポマート機能からACC機能へ切換えるための方法の流れを例示している。
【発明を実施するための形態】
【0014】
現在では、多くの自動二輪車が、テンポマート機能またはCC機能とも呼ばれるクルーズコントロール機能を装備している。将来的には、このシステムは、先行車両に対する距離を測定して快適な速度自動制御を可能にするとともに、それと同時に先行車両に対し測定した距離を維持するセンサ装置によって拡張される。このシステムは、アダプティブクルーズコントロールシステムまたはACCシステム、或いは、順応型距離・速度制御システムとも呼ばれる。このACCシステムは140km/hと160km/hの間の最大速度を有することが予想され、他方テンポマート機能の最大速度は200km/hの範囲にある。すなわち自動二輪車のドライバーは、ACC機能により先行車両に対する距離を制御することによって一層の快適性および安全性を得るものの、最大速度がより低いことによって制限も設けられている。
【0015】
自動二輪車の利用者にACCシステムの最大速度以上のテンポマート機能を利用させた場合は、以下の選択肢がある。
【0016】
可能な選択肢1:
ACCシステムの最大速度以上の高い速度、たとえば>160km/hの速度に対しては、システムはACC作動からテンポマート作動ヘダイレクトに切換える。その利点は、機能間で快適な移行が行われること、すなわちドライバーが複数の操作ステップを実施する必要がないことにある。しかしながら、これは、使用者がこの高速時においてもシステムが前方の人間に対する距離を検出して縦方向距離制御のために使用するものと前提としているならば、問題になりうる。
【0017】
可能な選択肢2:
ACCの最大速度以上の高い速度、たとえば>160km/hの速度に対しては、ドライバーは操作メニュー内でまずテンポマート機能を選択し、このテンポマート機能を引き続き使用できるようにするには、場合によっては操作メニュー内でACC機能を最初に解除しなければならない。この時点で利用者は、その意識的な選択によってどの機能が現時点で設定されているかは承知している。しかしながら、同時にこれは利用者にとって煩雑である。
【0018】
それ故、移行またはテンポマート機能の使用は可能な限り操作しやすいように構成されているべきであるが、それにもかかわらず、ACC機能が作動しているのか、或いは、テンポマート機能が作動しているのかが利用者またはドライバーに明確でなければならない。この場合、ドライバーへのディスプレイによる情報は十分でない場合がある。というのは、自動二輪車の場合、このような情報が知覚されないことが非常に多いからである。テンポマートシステムまたはACCシステムに対する操作コンセプトは、付加的な操作要素を必要とせず、それにもかかわらず両機能性がそれ自体非常に簡単に起動可能であるように、しかしながらACC作動からテンポマート作動への切換えがドライバーの非常に意識的な操作を必要とするように、起動のために切換えられるべきである。これは、ACCからテンポマート機能へ切換えるための操作要素または動作要素をドライバーが予め設定された長さのタイムインターバルにわたって中断なく操作し続けねばならないことによって達成される。
【0019】
図1には、テンポマート機能からACC機能へ切換えるための方法の流れが例示されている。ブロック100でこの方法をスタートした後、ブロック101で、ドライバーがCCで示したテンポマート機能を起動させたいかどうかを問い合わせる。これは、たとえばこのために設けられているキーを操作することによって検知可能である。もし起動させたくない場合には、ブロック100へ戻る。しかし、ブロック101で、CC機能を起動させたいというドライバーの要望が検知されれば、CC機能はすぐに起動されずに、まずブロック102で、この時点でACC機能が作動しているかどうかを問い合わせる。もし作動していない場合には、ブロック104でCC機能を起動させる。しかし、この時点でACC機能がオンになっていれば、ブロック103でACC機能を随意に解除させるが、しかしCC機能は、ブロック103でドライバーの起動要望が予め設定された長さのタイムインターバルにわたって中断なく存在している場合にはじめて起動される。
【符号の説明】
【0020】
101 速度制御機能
102 順応型距離・速度制御機能