(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-19
(45)【発行日】2024-03-28
(54)【発明の名称】ゲームシステム、ゲームプログラム、ゲーム装置、およびゲーム処理制御方法
(51)【国際特許分類】
A63F 13/69 20140101AFI20240321BHJP
A63F 13/48 20140101ALI20240321BHJP
A63F 13/79 20140101ALI20240321BHJP
A63F 13/792 20140101ALI20240321BHJP
A63F 13/533 20140101ALI20240321BHJP
【FI】
A63F13/69
A63F13/48
A63F13/79
A63F13/792
A63F13/533
(21)【出願番号】P 2019208774
(22)【出願日】2019-11-19
【審査請求日】2022-10-27
(73)【特許権者】
【識別番号】000233778
【氏名又は名称】任天堂株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001276
【氏名又は名称】弁理士法人小笠原特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100130269
【氏名又は名称】石原 盛規
(72)【発明者】
【氏名】堀田 順平
(72)【発明者】
【氏名】泉水 一慶
(72)【発明者】
【氏名】安原 真樹
【審査官】宮本 昭彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-217021(JP,A)
【文献】特開2013-162889(JP,A)
【文献】スマホ対戦デジタルカードゲーム「ドラゴンクエストライバルズ」事前登録開始,GAME Watch,[Online],2017年10月10日,[2023年8月22日検索],インターネット<URL:https://game.watch.impress.co.jp/docs/news/1085283.html>,主に「「ドラゴンクエストライバルズ」早期スタートキャンペーン開催」欄参照
【文献】Mobageを支える技術,初版第3刷,株式会社技術評論社,2012年08月25日,第3頁,ISBN978-4-7741-5111-3
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 13/00 - 13/98
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定イベントを含むゲームアプリケーションを実行するゲームシステムであって、
前記ゲームアプリケーションを利用するユーザに対応付けて、当該ゲームアプリケーションの当該ユーザによる利用の開始に関連する時期を示す開始時期情報を記憶する記憶手段と、
前記所定イベントを実行するイベント実行手段と、
前記所定イベントに対応づけられる基準待機時間と前記開始時期情報とに基づいて、所定の待機時間を決定する決定手段と、
前記所定イベントが開始されてから前記所定の待機時間の経過後、前記所定イベントに関連する報酬を前記ユーザに付与する付与手段と、
前記ユーザが所定の対価を払うことを条件としてゲームモードを第1モードから第2モードに切り替える切替手段とを備え、
前記決定手段は、前記ゲームモードが前記第1モードである場合は、前記基準待機時間を前記所定の待機時間として決定し、当該ゲームモードが前記第2モードである場合は、
前記開始時期情報で示される時期から前記所定イベントを開始するときまでの期間が長いほど、前記所定の待機時間が少なくなるように決定する、、ゲームシステム。
【請求項2】
前記決定手段は、
前記ゲームモードが前記第2モードである場合、前記開始時期情報に応じて決まる値である短縮値を前記基準待機時間から減らすことによって、前記
所定の待機時間を決定する、請求項
1に記載のゲームシステム。
【請求項3】
前記ゲームシステムは、前記ゲームモードが前記第1モードである場合に、前記第2モードに切り替えた場合の前記短縮値及び当該短縮値分だけ短くした後の前記所定の待機時間の少なくとも一方を前記ユーザに提示する想定待機時間提示手段を更に備える、請求項
2に記載のゲームシステム。
【請求項4】
前記決定手段は、前記ゲームモードが前記第2モードの場合、前記開始時期情報で示さ
れる前記ゲームアプリケーションの利用開始時期から前記所定イベントの開始までの期間の長さにかかわらず、0よりも大きい値である前記短縮値については少なくとも前記基準待機時間から減らすようにして前記所定の待機時間を決定する、請求項
2に記載のゲームシステム。
【請求項5】
前記ゲームシステムは、前記所定イベントに関する情報を前記ユーザに提示するイベント情報提示手段を更に備え、
前記イベント情報提示手段は、前記ゲームモードが前記第2モードである場合、前記基準待機時間からどの程度待機時間が少なくなっているのかが判別可能な態様で前記所定の待機時間をユーザに提示する、請求項1に記載のゲームシステム。
【請求項6】
前記イベント情報提示手段は、前記ゲームモードが前記第2モードの場合であって、前記所定イベントが進行中のときは、前記
所定の待機時間が前記基準待機時間よりも短い時間となっていることを示す画像を提示する、請求項
5に記載のゲームシステム。
【請求項7】
前記第2モードは、前記ユーザが対価を払うことで有効となった権利が存続していることを条件として切り替えることが可能なゲームモードであり、
前記決定手段は、前記権利が一旦無効となった後、再度前記ユーザが対価を払うことで当該権利が有効となり、前記ゲームモードが前記第2モードに切り替えられた場合でも、前記基準待機時間と前記開始時期情報とに基づいて、前記所定の待機時間を決定する、請求項1に記載のゲームシステム。
【請求項8】
前記記憶手段は、前記ゲームアプリケーションのセーブデータが作成されたタイミングを前記開始時期情報として前記記憶部に記憶する、請求項1乃至
7のいずれかに記載のゲームシステム。
【請求項9】
所定イベントを含むゲームアプリケーションをプロセッシングシステムのコンピュータに実行させるゲームプログラムであって、
前記コンピュータを、
前記ゲームアプリケーションを利用するユーザに対応付けて、当該ゲームアプリケーションの当該ユーザによる利用の開始に関連する時期を示す開始時期情報を記憶する記憶手段と、
前記所定イベントを実行するイベント実行手段と、
前記所定イベントに対応づけられる基準待機時間と前記開始時期情報とに基づいて、所定の待機時間を決定する決定手段と、
前記所定イベントが開始されてから前記所定の待機時間の経過後、前記所定イベントに関連する報酬を前記ユーザに付与する付与手段と、
前記ユーザが所定の対価を払うことを条件としてゲームモードを第1モードから第2モードに切り替える切替手段として機能させ、
前記決定手段は、前記ゲームモードが前記第1モードである場合は、前記基準待機時間を前記所定の待機時間として決定し、当該ゲームモードが前記第2モードである場合は、
前記開始時期情報で示される時期から前記所定イベントを開始するときまでの期間が長いほど、前記所定の待機時間が少なくなるように決定する、ゲームプログラム。
【請求項10】
所定イベントを含むゲームアプリケーションを実行するゲーム装置であって、
前記ゲームアプリケーションを利用するユーザに対応付けて、当該ゲームアプリケーションの当該ユーザによる利用の開始に関連する時期を示す開始時期情報を記憶する記憶手段と、
前記所定イベントを実行するイベント実行手段と、
前記所定イベントに対応づけられる基準待機時間と前記開始時期情報とに基づいて、所
定の待機時間を決定する決定手段と、
前記所定イベントが開始されてから前記所定の待機時間の経過後、前記所定イベントに関連する報酬を前記ユーザに付与する付与手段と、
前記ユーザが所定の対価を払うことを条件としてゲームモードを第1モードから第2モードに切り替える切替手段とを備え、
前記決定手段は、前記ゲームモードが前記第1モードである場合は、前記基準待機時間を前記所定の待機時間として決定し、当該ゲームモードが前記第2モードである場合は、
前記開始時期情報で示される時期から前記所定イベントを開始するときまでの期間が長いほど、前記所定の待機時間が少なくなるように決定する、ゲーム装置。
【請求項11】
所定イベントを含むゲームアプリケーションを実行するプロセッシングシステムのコンピュータに実行させるゲーム処理制御方法であって、
前記コンピュータに、
前記ゲームアプリケーションを利用するユーザに対応付けて、当該ゲームアプリケーションの当該ユーザによる利用の開始に関連する時期を示す開始時期情報を記憶させ、
前記所定イベントを実行させ、
前記ユーザが所定の対価を払うことを条件としてゲームモードを第1モードから第2モードに切り替えさせ、
前記
所定の待機時間の決定の際、前記ゲームモードが前記第1モード
だと判定された場合は、前記
所定のイベントに対応付けられる基準待機時間
を所定の待機時間として決定
させ、当該ゲームモードが前記第2モード
だと判定された場合は、
前記開始時期情報で示される時期から前記所定イベントを開始するときまでの期間が長いほど、前記所定の待機時間が少なくなるように決定させ
、
前記所定イベントが開始されてから前記所定の待機時間の経過後、前記所定イベントに関連する報酬を前記ユーザに付与さ
せる、ゲーム処理制御方法。
【請求項12】
所定イベントを含むゲームアプリケーションを実行するゲームシステムであって、
前記ゲームアプリケーションを利用するユーザに対応付けて、当該ゲームアプリケーションの当該ユーザによる利用の開始に関連する時期を示す開始時期情報を記憶する記憶手段と、
所定量のタスクを達成することが達成条件として設定されているイベントを前記所定イベントとして実行するイベント実行手段と、
前記所定量の基準となる値を前記所定イベントに対応づけて定義した値である基準必要量と前記開始時期情報とに基づいて、前記所定量を決定する決定手段とを備え、
前記決定手段は、前記開始時期情報で示される時期が早いほど前記所定量が少なくなるように決定する、ゲームシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所定イベントを含むゲームアプリケーションを実行するゲームシステム等に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、完了するまでに所定の待機時間が設定されているイベントを含むゲームアプリケーションが知られている。例えば、ゲーム内においてユーザキャラクタがノンプレイヤキャラクタに家具アイテムの作成を依頼することで家具の作成が可能となる生産系のイベントを含むゲームアプリケーションがある。そして、家具毎に設定されている制作時間分が経過すれば、その家具が完成し、ユーザはその家具を入手できる(例えば、非特許文献1)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【文献】任天堂株式会社、”どうぶつの森 ポケットキャンプ 「家具の作り方」”、[online]、[令和1年11月8日検索]、インターネット(URL:https://ac-pocketcamp.com/ja-JP/site/guide#aboutItem)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のようなゲームでは、イベントが開始した後、イベントに対応付けて定められる所定の時間が経過するまで、プレイヤは待機する必要があった。この点に関して、プレイヤの利便性を更に高めるという観点から、更なる改良の余地があった。
【0005】
それ故に、本発明の目的は、ユーザの待機時間を要求するイベントを含むゲームにおいて、プレイヤの利便性をより向上できるゲームシステム等を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、例えば以下のような構成例が挙げられる。
【0007】
構成例の一例は、所定イベントを含むゲームアプリケーションを実行するゲームシステムであって、記憶手段と、イベント実行手段と、決定手段と、付与手段とを備える。記憶手段は、ゲームアプリケーションを利用するユーザに対応付けて、当該ゲームアプリケーションの当該ユーザによる利用の開始に関連する時期を示す開始時期情報を記憶する。イベント実行手段は、所定イベントを実行する。決定手段は、所定イベントに対応づけられる基準待機時間と開始時期情報とに基づいて、所定の待機時間を決定する。付与手段は、所定イベントが開始されてから所定の待機時間の経過後、所定イベントに関連する報酬を上記ユーザに付与する。そして、決定手段は、開始時期情報で示される時期が早いほど、所定の待機時間が少なくなるように決定する。
【0008】
上記構成例によれば、ゲーム開始時期に応じて所定イベントにおける待機時間を変動させることができる。また、あるゲームのゲーム開始時期が早いほど、この待機時間を少なくすることができる。これにより、ゲーム開始時期が早かったユーザの利便性を高めることができる。
【0009】
他の構成例として、決定手段は、開始時期情報で示される時期から所定のイベントを開始するときまでの期間が長いほど、所定の待機時間が少なくなるように決定してもよい。
【0010】
上記構成例によれば、ゲーム開始時期が早かったユーザの利便性を高めることができる。
【0011】
他の構成例として、ゲームシステムは、ユーザが所定の対価を払うことを条件としてゲームモードを第1モードから第2モードに切り替える切替手段を更に備えていてもよい。そして、決定手段は、ゲームモードが前記第1モードである場合は、基準待機時間を所定の待機時間として決定し、ゲームモードが第2モードである場合は、基準待機時間と開始時期情報とに基づいて所定の待機時間を決定してもよい。
【0012】
上記構成例によれば、ユーザの状況に応じて第1モードと第2モードとを使い分けさせることができ、ユーザの利便性を高めることができる。
【0013】
更に他の構成例として、決定手段は、開始時期情報に応じて決まる値である短縮値を基準待機時間から減らすことによって、待機時間を決定してもよい。
【0014】
上記構成例によれば、待機時間の減少の効果をユーザにより実感させやすくすることができる。
【0015】
更に他の構成例として、ゲームシステムは、ゲームモードが第1モードである場合に、第2モードに切り替えた場合の短縮値及び当該短縮値分だけ短くした後の所定の待機時間の少なくとも一方を当該ゲームモードが仮に第2モードである場合における所定の待機時間をユーザに提示する想定待機時間提示手段を更に備えていてもよい。
【0016】
上記構成例によれば、第2モードの存在と、第2モードを利用した場合にどのような効果があるのかをユーザにわかりやすく提示することができる。
【0017】
更に他の構成例として、決定手段は、ゲームモードが第2モードの場合、開始時期情報で示されるゲームアプリケーションの利用開始時期から所定イベントの開始までの期間の長さにかかわらず、0よりも大きい値である短縮値については少なくとも基準待機時間から減らすようにして所定の待機時間を決定するようにしてもよい。
【0018】
上記構成例によれば、ゲームを利用開始して間もないユーザが第2モードを利用した場合であっても、ある程度は待機時間の軽減という効果を受けることができる。
【0019】
更に他の構成例として、ゲームシステムは、所定のイベントに関する情報をユーザに提示するイベント情報提示手段を更に備えていてもよい。そして、当該イベント情報提示手段は、ゲームモードが第2モードである場合は、基準待機時間からどの程度待機時間が少なくなっているか判別可能な態様で所定の待機時間をユーザに提示してもよい。
【0020】
上記構成例によれば、第2モードを利用している場合の効果をより実感しやすいようにユーザに提示できる。
【0021】
更に他の構成例として、イベント情報提示手段は、ゲームモードが第2モードの場合であって、所定のイベントが進行中のときは、上記待機時間が基準待機時間よりも短い時間となっていることを示す画像を提示してもよい。
【0022】
上記構成例によれば、第2モードを利用していることと、その効果について、より実感しやすい形式でユーザに提示できる。
【0023】
更に他の構成例として、第2モードは、ユーザが対価を払うことで有効となった権利が存続していることを条件として切り替えることが可能なゲームモードであってもよい。そして、決定手段は、権利が一旦無効となった後、前記ユーザが対価を払うことで当該権利が再度有効となり、ゲームモードが第2モードに切り替えられた場合でも、基準待機時間と開始時期情報とに基づいて、所定の待機時間を決定してもよい。
【0024】
上記構成例によれば、第2モードを利用するタイミングに関わらず、第2モードの利用中は常に、基準待機時間と開始時期情報とに基づいた上記待機時間の決定が適用されるようにすることができる。
【0025】
更に他の構成例として、記憶手段は、ゲームアプリケーションのセーブデータが作成されたタイミングを開始時期情報として記憶部に記憶してもよい。
【0026】
上記構成例によれば、ユーザがゲームアプリケーションを利用開始した時期を示す情報を簡易な処理によって記録しておくことができる。
【0027】
他の構成例の一例は、所定イベントを含むゲームアプリケーションを実行するゲームシステムであって、記憶手段と、イベント実行手段と、決定手段とを備える。記憶手段は、ゲームアプリケーションを利用するユーザに対応付けて、当該ゲームアプリケーションの当該ユーザによる利用の開始に関連する時期を示す開始時期情報を記憶する。イベント実行手段は、所定量のタスクを達成することが達成条件として設定されているイベントを所定のイベントとして実行する。決定手段は、所定量の基準となる値を所定イベントに対応づけて定義した値である基準必要量と開始時期情報とに基づいて、所定量を決定する。そして、決定手段は、開始時期情報で示される時期が早いほど、所定量が少なくなるように決定する。
【発明の効果】
【0028】
本実施形態によれば、イベントにおいて要求される待機時間に関してユーザの利便性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】本実施形態の一例である情報処理システムの全体像を示す模式図
【
図2】スマートデバイス102の構成の一例を示すブロック図
【
図4】本実施形態の未加入モード時のゲームの画面例
【
図5】本実施形態の未加入モード時のゲームの画面例
【
図6】本実施形態の未加入モード時のゲームの画面例
【
図10】サーバ101のメモリ123に格納されるプログラムおよびデータの一例
【
図13】家具マスタデータ305のデータ構成の一例
【
図14】短縮時間定義データ306のデータ構成の一例
【
図15】スマートデバイス102のメモリ113に格納されるプログラムおよびデータの一例
【
図16】利用開始時処理の詳細を示すフローチャート
【
図17】家具制作イベント処理の詳細を示すフローチャート
【
図18】未加入モード処理の詳細を示すフローチャート
【
図19】加入モード処理の詳細を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明の一実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係る情報処理システムの全体像を示す模式図である。本実施形態の情報処理システム100は、サーバ101と、複数の端末102とを含んでいる。本実施形態では、端末102の一例として、スマートデバイスを想定する。本実施形態では、スマートデバイス102の一例としては、スマートフォンやタブレット機等の携帯型の情報処理端末を想定するが、据え置き型のスマートデバイスの場合でも本実施形態の処理は適用できる。サーバ101と、スマートデバイス102とは、インターネット103を介して通信可能に構成されている。
【0031】
本実施形態では、このような構成で、情報処理が実行されるが、以下では、当該情報処理の一例として、ゲーム処理を例として説明する。具体的には、スマートデバイス上にゲームプログラムがインストールされ、サーバ101と適宜通信を行いながら実行されるゲーム処理である。なお、本実施形態にかかるゲーム処理では、プレイヤのプレイ状況を示すデータ自体はサーバ101に保存される形態を採っている。このプレイ状況を示すデータは、例えばそのプレイヤが操作するプレイヤキャラクタの情報や、後述するゲーム課題の進行状況や、所持アイテム等を示すデータであり、一例として、後述するセーブデータ308である。例えば、ゲーム開始時に、サーバ101へのログイン処理が行われ、プレイヤのプレイ状況を示すセーブデータ308がサーバ101からスマートデバイス102上に取得され、これに基づいてゲーム処理が実行される。
【0032】
[サーバのハードウェア構成]
次に、上記サーバ101のハードウェア構成について説明する。
図3は、サーバ101の機能ブロック図である。サーバ101は、プロセッサ121と、メモリ123と、通信部124とを少なくとも備えている。プロセッサ121は、サーバ101を制御するための各種プログラムを実行する。メモリ123には、プロセッサ121によって実行される各種プログラムおよび利用される各種データが格納される。通信部124は、有線、または無線通信によってネットワークと接続し、上記スマートデバイス102または他のサーバ(図示せず)との間で所定のデータを送受信する。
【0033】
[スマートデバイスのハードウェア構成]
次に、上記システムにおける各ハードウェアの構成について説明する。
図2は、スマートデバイス102の機能ブロック図である。
図2において、スマートデバイス102は、プロセッサ111と、メモリ113と、通信部114と、操作部115と、表示部116とを備えている。プロセッサ111は、後述する情報処理を実行したり、スマートデバイス102の全体的な動作を制御したりするためのシステムプログラム(図示せず)を実行することで、スマートデバイス102の動作を制御する。なお、プロセッサ111は、単一のプロセッサを搭載してもよいし、複数のプロセッサを搭載するようにしてもよい。メモリ113は、プロセッサ111によって実行される各種プログラムおよび当該プログラムで利用される各種データが格納される。メモリ113は、例えば、フラッシュEEPROMやハードディスク装置である。通信部114は、有線、または無線通信によってネットワークと接続し、上記サーバ101との間で所定のデータを送受信する。操作部115は、例えば、ユーザからの操作を受け付けるための入力装置である。表示部116は、典型的には液晶表示装置である。なお、本実施形態に係る処理では、操作部115及び表示部116として、液晶画面と一体化したタッチパネルを想定する。他の実施形態では、操作部115として、タッチパネル以外の所定のポインティングデバイスを用いてもよい。
【0034】
[本実施形態のゲーム処理の概要]
次に、本実施形態で実行される情報処理の概要について説明する。本実施形態では、情報処理の一例としてゲーム処理を例に説明する。特に、本実施形態は、ゲーム内において、所定の待機時間が設けられており、当該待機時間の経過後に所定の報酬が付与される所定のイベントにおいて、この待機時間を短縮させる処理に関するものである。
【0035】
まず、本実施形態で想定するゲームの概要について説明する。本実施形態で想定するゲームは、様々な仮想キャラクタが生活している仮想ゲーム世界内で、ユーザキャラクタとして仮想的に生活するゲームである。例えば、様々な素材アイテムを集めて自分の家を建てたり、庭を整備したりできる。また、ゲーム内で狩りや釣り等を行ったり、仮想キャラクタと会話等を行ったりすることで、様々なアイテムを得ることもできる。特に、本ゲームでは、上記自分の家に配置可能な「家具」というものがある。そして、上記所定のイベントの一例として、この家具を入手することが可能なイベントである「家具制作イベント」というものが用意されている。なお、本ゲームでは、家具の他、ユーザキャラクタの着せ替えに利用可能な「服装」やその他のアイテム類も同様に制作可能であるが、説明の便宜上、服装等の制作も当該「家具制作」に含むものとして説明する。
【0036】
上記家具制作イベントについてより具体的に説明する。本ゲームでは、家具を制作する役割を有するNPC(以下、家具職人NPCと呼ぶ)がゲーム内世界に存在している。そして、ユーザは、ユーザキャラクタを操作して当該家具職人NPCに家具の制作を「注文」することができる。また、本ゲームでは、制作に必要となる材料アイテムが家具毎に設定されている。そのため、この材料アイテムを揃えたうえで家具職人NPCに注文することが必要となる。そして、注文してから、家具毎に決められている所定の待機時間、すなわち、家具の制作にかかる時間(以下、家具制作時間)が経過すると、その家具が完成する。完成した家具は、所定のタイミングでユーザキャラクタが受け取り可能となっている。換言すれば、上記「家具製作イベント」の報酬として、完成した家具をユーザは入手することができる。このような家具製作の注文~家具の完成(あるいはその受け取り)の一連の処理が本ゲームで想定する家具製作イベントである。また、この場合の家具は、当該イベントの「報酬」という位置づけにもなる。なお、当該家具は、所定イベントの報酬の一例であり、他の実施形態で他のイベントを利用する場合は、その報酬も、家具以外の内容に変更すればよいことは言うまでもない。また、上記家具製作時間は、上記待機時間の基準となる時間(基準待機時間)の一例に過ぎない。他の実施形態では、このような家具制作時間以外の時間を基準待機時間として用いてもよい。
【0037】
上記のように、本ゲームでは、家具毎に家具製作時間が予め定められており、この時間が経過するまでは、プレイヤは家具の完成を待機することが要求されている。ここで、本ゲームでは、所定の条件を満たすことで、当該家具製作時間を短縮することができる。この家具製作時間を短縮する時間の決定について、本例では、本ゲームの利用を最初に開始した時期(以下、開始時期と呼ぶ)を利用して短縮時間を決定して、最終的な家具製作時間を決定する。
【0038】
また、上記家具製作時間を短縮する条件として、本ゲームでは、所定のサブスクリプションサービスに加入(入会)することが条件となっている。すなわち、当該サブスクリプションサービスへの加入の特典の一つとして、家具製作時間が短縮されるものである。また、本例では、当該サブスクリプションサービスは月額課金制のサービスであるとする。以下の説明では、短縮前の(デフォルトとして設定されている)家具製作時間のことを基準制作時間と呼ぶ。また、短縮後の家具製作時間(すなわち、サブスクリプションサービスの特典を受けている状態での家具製作時間)のことを、短縮後制作時間と呼ぶ。
【0039】
ここで、本例でいう「開始時期」について補足する。本実施形態では、本ゲームの利用を開始した時期、換言すれば、本ゲームを最初に起動した時点を開始時期としている。具体的には、いわゆるセーブデータ(ゲームの進行状況等を保存するためのデータ)の作成日を開始時期として用いる。具体的には、現在のゲームプレイを開始する際に読み込まれたセーブデータが最初に作成された日を開始時期としている。そのため、ゲームの初回起動後、何度かセーブデータを作り直してプレイを開始したような場合は、最後に作り直されたセーブデータの作成日時が開始時期となる。なお、このようなセーブデータ作成日時を用いるのは一例であり、他の実施形態では、別の時間的要素を開始時期として扱ってもよい。例えば、ゲームアプリケーションをスマートデバイスにインストールした後、最初にゲームを「起動」した日時を開始時期としてもよい。また、ゲームアプリケーションをスマートデバイスにインストールした日時(インストール完了のタイミング)を開始時期としてもよい。あるいは、ゲーム開始後にいわゆる「チュートリアル」が実行されるようなゲームであれば、このチュートリアルが終了したタイミングを開始時期としてもよい。また、ゲーム開始後にユーザ登録を求めるようなゲームであれば、ユーザ登録が完了したタイミングを開始時期としてもよい。
【0040】
次に、本実施形態における短縮時間の決定手法の概要と具体例を示す。本ゲームでは、セーブデータを作成してからの日数(日単位での計算)に応じて、基準制作時間から短縮する時間を固定値として予め設定している。そして、この短縮時間は、上記家具製作を行う際において、セーブデータを作成してからの日数(以下、経過日数)が長いほど短縮する時間がより多くなるように設定されている。なお、本例では、経過期間について「日数」を単位とする例を挙げるが、他の実施形態では、日数に限らず、週単位、月単位としてもよい。更には、時・分・秒単位で経過期間を計算してもよい。
【0041】
以下、具体的な例を示す。例えば、ある家具の上記基準制作時間が300分と設定されている場合を想定する。また、当該家具の製作を注文した時点で、上記セーブデータの作成日からの経過日数が10日の場合、30日の場合、90日の場合の、3つの場合を想定する。本ゲームでは、この経過日数に対応した短縮時間が予め設定されており、一例として、10日の場合は140分、30日の場合は180分、90日の場合は300分と設定されているとする。そのため、経過日数が10日の場合は、短縮後制作時間は、300分-140分=160分と決定される。経過日数が30日の場合は、短縮後制作時間は、300分-180分=120分と決定される。経過日数が90日の場合は、短縮後制作時間は、300分-300分=0分と決定される(なお、短縮後制作時間は0分より下がることは無いものとする)。この例の場合、経過日数が10日の場合が、この3つの中ではゲーム開始時期が最も遅い例であり、経過日数が90日の場合が、この3つの中ではゲーム開始時期が最も早い例である。このように、ゲームの開始時期が早い場合ほど、短縮時間が増加するように設定される。
【0042】
このように、本ゲームでは、ゲームのリリース後、より早くにゲームを開始したユーザのほうが、サブスクリプションサービスへの加入が条件とはなるが、家具製作時間をより短くすることが可能となっている。つまり、ゲームのリリース後、より早くそのゲームを開始したほうが、より多くの恩恵を受けることができる。ここで、ゲームの(実際の)プレイ時間の長さに応じて所定の恩恵をプレイヤに与えるような処理も考えられる。しかし、本実施例では、本ゲームのプレイ時間の長さ(本ゲームを起動した時間)については、上記のような短縮時間の増加には考慮せず、本ゲームを最初に起動した開始時期に基づいて短縮時間が増加するものとしている。これにより、リリース後のゲームの開始時期自体は早かったものの、その後の継続的なゲームプレイは行っておらず、一旦ゲームプレイを休止等しているようなユーザに対して、当該ゲームに復帰することへの動機付けを提供することができる。例えば、あるゲームのリリース直後にそのゲームを開始したものの、程なくしてゲームプレイを休止したようなユーザは、結局その後も当該ゲームをプレイしないまま、ということも考えられる。しかし、本実施形態であれば、ゲームの開始時期が早かったというだけで(換言すれば、プレイ時間自体の長さに関わらず)、より大きな恩恵を受け得ることになる。そのため、このようなユーザがゲームに復帰したいと考えた場合、例えば当該ゲームに関する新サービスが実装されたことで再度当該ゲームに興味を持った場合に、ゲームに復帰してもらう可能性を高めることができ、ひいては、当該ゲームのアクティブユーザ数を増やすことも期待できる。
【0043】
なお、上記の例では経過日数が90日の場合は、短縮後制作時間は、0分と決定されているが、この場合は、すなわち、注文と同時に家具が完成することになる(待機時間が無い)。そのため、材料さえあれば、待ち時間無しで次々に家具を完成させていくことも可能となっており、このような点でも、より早くゲームを開始(かつ、サブスクリプションサービスに加入)することで、より大きな恩恵を受けることができるといえる。
【0044】
また、本ゲームでは、上記経過日数が0日の場合でも、0よりも大きな時間である所定の時間が最低限ユーザに提供する短縮時間として設定されている。本ゲームの場合は、経過日数が0日の場合、例えば120分が短縮時間として定義されている。そのため、例えばゲーム開始日にサブスクリプションサービスにも加入した時点で、既に120分の短縮時間の恩恵をユーザは受けることができる。つまり、サブスクリプションサービスに加入するだけで家具制作時間の短縮の恩恵をある程度は得ることが可能となっている。これにより、サブスクリプションサービスに加入への動機付けを提供することもできる。
【0045】
以下、画面例を用いて、上記家具作成イベントにかかるゲームの流れの具体例を示す。まず、上記サブスクリプションサービスに加入していない状態の画面例を説明し、その後、上記サブスクリプションサービスに加入している状態での画面例を説明する。
【0046】
まず、本ゲームでは、メニューに「家具制作」のアイコンが表示されているものとする。そして、ユーザが当該「家具制作」アイコンをタップ操作すること等で、
図4に示すような家具製作メニュー画面が表示される。
図4では、加入誘導バナー201、4つの作業台202、ジャンルアイコン群203、家具選択領域204とを含むゲーム画像例が示されている。加入誘導バナー201は、上記サブスクリプションサービスの加入を促すメッセージ等が示されるバナー画像である。例えば、ユーザが当該加入誘導バナー201をタップ操作すると、上記サブスクリプションサービスの案内画面に遷移することができる。ユーザは、この案内画面から当該サブスクリプションサービスに加入するための操作を行うことも可能である。作業台202は、家具を制作する作業台をイメージした画像である。1つの作業台で1つの家具を制作できるものであり、
図4の例では、最大で4つまで同時に家具制作が可能である。また、本例では、家具制作を注文すると、左から順に空いている作業台を用いていくものとする。制作中の家具がある作業台については、そのことがわかるような表示(後述)がなされる。ジャンルアイコン群203は、制作する家具のジャンルを指定するためのアイコン群である。本例では、家具が予めグループ分けされており、そのグループをジャンルとしてアイコン画像で示している。ユーザは、このアイコン群の中からいずれか1つのジャンルをタップ操作することができる。この操作に応じて、家具選択領域204に表示される内容が変化する。家具選択領域204は、制作する具体的な家具を指定するための領域である。家具選択領域204には、家具アイコン205が複数表示されている。各家具アイコン205の下部には、制作に係るコスト(必要なゲーム内通貨)が示されている。また、制作のための材料をユーザキャラクタが有している場合は、各家具アイコン205の上部に「制作可能」であることを示す表示も行われる。また、家具選択領域204は、スクロール可能な領域である。ユーザは、制作可能とされているいずれかの家具アイコンをタップ操作することで、その家具の制作を家具職人NPCに注文するための注文詳細画面を表示することができる。また、その他、家具製作メニュー画面の下部には、当該メニュー画面を終了するための「閉じる」ボタン等も示されている。
【0047】
図5に、上記注文詳細画面の一例を示す。
図5では、上記家具選択領域204からユーザが指定した家具に対応する家具画像211、その家具の名称を示す家具名称212が示されている。更に、制作時間情報213、加入誘導バナー214も含まれている。制作時間情報213では、その家具に対応する家具制作時間が示される。ここでは、サブスクリプションに未加入の状態であるため、上述した基準制作時間が制作時間として示されている。加入誘導バナー214は、上記と同様に上記サブスクリプションサービスの加入を促すメッセージ等が示されるバナー画像である。ここで、当該注文詳細画面での表示においては、仮にサブスクリプションサービスに加入していた場合、どの程度制作時間が短縮されるのかを具体的に示した内容が当該加入誘導バナー214に含まれる。
図5の例では、1時間30分の家具製作時間が、サブスクリプションサービスに加入することで、45分に短縮されることが示されている。この短縮時間は、上記のように、このユーザがゲームを開始した開始時期に基づいて決められている。なお、本例では、短縮後の制作時間を表示しているが、他の実施形態では、例えば「30分短くなります」というように、短縮する時間そのものを表示するようにしてもよい。また、その他、注文詳細画面では、制作に係るコストを示す情報や、制作に必要な材料アイテムを示す情報も表示される。また、注文詳細画面の下部には、当該画面を終了するための「×」ボタンと、注文を確定して発注するための「注文する」ボタン215も示されている。
【0048】
上記注文詳細画面で「注文する」ボタン215がタップ操作されると、家具の制作処理が開始され、上記家具製作メニュー画面に戻り、
図6に示すような画面が表示される。
図6では、一番左の作業台202において家具が製作中であることが示されている。すなわち、当該作業台202に上方に、制作中の家具を示す制作中家具画像221が表示されている。また、当該作業台202に下方には、完成までの残り時間を示す残時間メーター222も表示されている。これにより、ユーザに、現在制作中の家具の存在と、完成までの待ち時間を把握させることができる。なお、家具が完成すれば、これらの表示は、家具が完成したことを示す内容に変化する。
【0049】
次に、上記サブスクリプションサービスに加入している状態における画面例について説明する。
図7に、サブスクリプションサービスに加入している状態における上記家具製作メニュー画面の一例を示す。基本的なレイアウトは上述した
図4の家具製作メニュー画面と同じであるが、以下の点で相違する。まず、サブスクリプションサービスに加入していない状態では表示されていた上記加入誘導バナー201は、
図7の家具製作メニュー画面では表示されていない。代わりに、
図7の家具製作メニュー画面では、特典内容情報206が表示されている。
図7の例では、家具を(普段よりも)急いで作る旨のメッセージとして表示されている。これは、サブスクリプションサービスに加入している状態であること、すなわち、家具制作時間の短縮という特典を受けている状態であることを示すものである。これにより、ユーザは、家具製作時間の短縮という特典が適用されている状態であることを把握できる。
【0050】
次に、
図8に、サブスクリプションサービスに加入している状態における上記注文詳細画面の一例を示す。当該画面も基本的には上述した
図5の注文詳細画面と同じレイアウトであるが、以下の点で相違する。まず、制作時間情報213では、
図5とは異なり、短縮後制作時間(すなわち、短縮後の待機時間)が示されている。更に、サブスクリプションサービスに加入していない状態では表示されていた上記加入誘導バナー214の代わりに、短縮内容情報216が表示されている。これは、サブスクリプションサービスに加入していることで、家具製作時間がどの程度短縮されたのかを明示的にユーザに示すものである。
図8では、基準制作時間に取り消し線が付された表示がなされ、その右方向に、右矢印マークと短縮後制作時間とが並べて表示されている。これにより、基準制作時間が短縮後制作時間に短縮されたことを明示的にユーザに示している。
【0051】
次に、
図9に、サブスクリプションサービスに加入している状態における、注文後の家具製作メニュー画面の一例を示す。この画面では、家具を制作している作業台202にかかる表示として、
図6と同様の制作中家具画像221と残時間メーター222とが示されている。更に、これに加えて、家具製作時間として短縮後制作時間が適用されていることを示す表示223も示されている。
図9では、「スピードUP!」との表示で、基準制作時間よりも早くに家具が完成することをユーザに示している。また、残時間メーター222で示される残時間も、短縮後制作時間に基づいた内容となっている。
【0052】
このように、サブスクリプションサービスに加入していない状態では、サブスクリプションサービスに加入した場合の時間短縮の効果をユーザに提示して、サブスクリプションサービスに加入することのメリットをユーザにわかりやすく提示する。また、サブスクリプションサービスに加入している状態では、当該加入による特典内容・効果が適用されていることをユーザに明示している。これにより、ユーザに、サブスクリプションサービス加入による具体的な特典内容を把握させることができる。すなわち、サブスクリプションサービスに加入することで家具製作に係る利便性が向上できることが明示的にユーザに提示されることになる。
【0053】
[本実施形態のゲーム処理の詳細]
次に、
図10~
図19を参照して本実施形態のゲーム処理をより詳細に説明する。
【0054】
[使用データについて]
まず、本ゲーム処理にて用いられる各種データに関して説明する。
図10は、サーバ101のメモリ123に格納されるプログラムおよびデータの一例を示している。メモリ123には、サーバ側プログラム301、ユーザデータベース302、家具マスタデータ305、短縮時間定義データ306が格納される。
【0055】
サーバ側プログラム301は、本実施形態に係るゲーム処理においてサーバ側が担当する各種機能をサーバ101に実行させるためのプログラムである。
【0056】
ユーザデータベース302は、本実施形態にかかるゲームの各ユーザについての情報を記憶したデータベースであり、複数のユーザデータ303で構成されている。各ユーザデータ303には、アカウントデータ307、セーブデータ308等が含まれている。
【0057】
アカウントデータ307は、各ユーザのアカウントに関する情報であり、各ユーザを識別するための情報でもある。サーバ101へのログイン処理等にも用いられる。
【0058】
セーブデータ308は、各ユーザのゲームのプレイ状況、進行状況等をセーブした情報である。
図11に、セーブデータ308の構成の一例を示す。セーブデータ308には、セーブデータ作成日情報321、セーブデータ更新日情報322、サービス加入モード情報323、所持アイテムデータ324、制作状況データ325等が含まれている。
【0059】
セーブデータ作成日情報321は、当該セーブデータ308が作成された日時を示す情報である。
【0060】
セーブデータ更新日情報322は、当該セーブデータ308が最後に更新された日時を示す情報である。なお、本例では、当該セーブデータ308は、ゲームが起動された後は、所定のタイミングで自動的に更新されるものとする。具体的には、ゲーム処理が開始された後は、ゲームプレイが終了するまで(プレイヤがログアウトするまで)、の間、例えばゲーム内のシーン遷移が発生したタイミングや、アイテムの増減が発生したタイミング等で、そのときのゲーム状態を示す情報(後述の端末側セーブデータ384)がスマートデバイス102からサーバに送信される。そして、この送信内容でセーブデータ308が更新されるものとする。
【0061】
サービス加入モード情報323は、上述のサブスクリプションサービスに加入しているかを示す情報である。換言すれば、上記のような家具製作時間の短縮を行い得るゲーム状態であるか否かを示す情報でもある。本実施形態では、ゲーム状態を第1のモードと第2のモードとの2つのモードで把握する。第1のモードは、一例として、上記サブスクリプションサービスに加入していない状態を示し、第2のモードは、一例として、当該サービスに加入している状態を示すものとする。なお、以下では説明をわかりやすくするため、上記第1のモードのことを「未加入モード」、第2モードのことを「加入モード」と呼ぶ。また、本例では、ユーザのサブスクリプションサービス加入手続きが完了した時点で、サービス加入モード情報323は自動的に「加入モード」に設定されるものとする。また、所定の退会手続き(月額料金未払い等による自動的な退会の場合も含む)が完了した時点で、自動的に「未加入モード」に設定されるものとする。
【0062】
所持アイテムデータ324は、そのプレイヤが所有しているゲーム内アイテム(上述の家具も含む)を示す情報である。家具制作を注文し、完成した家具をユーザキャラクタが受け取ることで、当該家具の情報が所持アイテムデータ324に追加されることになる。
【0063】
制作状況データ325は、家具の制作状態を管理するためデータである。換言すれば、上記作業台202のそれぞれの状態を示すデータである。
図12に、制作状況データ325のデータ構成の一例を示す。制作状況データ325は、作業台番号331、作業状態332、制作家具ID333、制作開始日時334、および制作時間335を少なくとも含むテーブル形式のデータである。制作状況データ325の1レコード(横1行分のデータ)が1つの作業台に対応する。なお、本例では、作業台の数が4つである場合を例とするため、制作状況データ325のデータ件数も4件であるものとする。作業台番号331は、各作業台202を識別するための番号である。作業状態332は、その作業台が現在空いている状態(以下、フリー状態)なのか、家具を制作している状態(以下、制作中)であるか、家具は完成したがまだ受け取りが行われていない状態(以下、完成済み)であるかを示す情報である。制作家具ID333は、その作業台で制作中の家具、あるいは、完成済みの家具を示すための情報である。後述する家具マスタデータ305の家具IDに対応する情報が設定される。なお、作業状態332がフリー状態を示す場合は、当該情報は空の情報となる。制作開始日時334は、その家具の制作を開始した日時を示す情報である。制作時間335は、その作業台で制作中の家具についての家具制作時間を示す情報である。「加入モード」であるか「未加入モード」であるかに応じて、上記基準制作時間、または、短縮後制作時間のいずれかが設定される。当該制作時間335と上記制作開始日時334とに基づき、完成までの残り時間が算出できる。
【0064】
図11に戻り、その他、図示は省略するが、セーブデータ308には、プレイヤキャラクタの外観を示す画像データや名前、ゲーム世界内でのプレイヤキャラクタの現在位置、フレンド情報等のゲーム処理に必要な各種データも格納されている。
【0065】
なお、本例では、上記ゲーム開始時期としてセーブデータの作成日を利用する例を示した。他の実施形態で、上述したようにセーブデータ作成日以外を利用する場合は、その内容に応じた日時を示す情報をゲーム開始時期を示す情報として適宜記憶すればよい。例えば、インストール日時をゲーム開始時期として利用する場合はインストール処理が完了した日時を記憶すればよい。また、チュートリアル処理が終わったタイミングをゲーム開始時期とする場合は、チュートリアル処理が終了した日時をゲーム開始時期として記憶すればよい。
【0066】
図10に戻り、家具マスタデータ305は、本ゲームで登場する各種家具に関する情報である。
図13に、当該家具マスタデータ305のデータ構成の一例を示す。家具マスタデータ305は、家具ID341、基準制作時間342、外観データ343の項目を少なくとも含む、テーブル形式のデータである。家具ID341は、家具を一意に識別・特定するためのIDである。基準制作時間342は、その家具の上記基準制作時間を定義した情報である。外観データ343は、その家具の外観を示す画像データである。また、その他、上記のような家具のジャンルを示す情報や、その家具の制作に必要な材料アイテムを示す情報等も定義されている。
【0067】
図10に戻り、短縮時間定義データ306は、上述のような、ゲームの開始時期に応じて、家具製作時間を基準制作時間からどのくらいの時間分短縮するのかを定義したデータである。
図14に、短縮時間定義データ306のデータ構成の一例を示す。短縮時間定義データ306は、経過日数情報351および短縮時間情報352とを少なくとも含む、テーブル形式のデータである。経過日数情報351は、本例では、セーブデータ作成日からの経過日数を定義した情報である。ここでは、1日単位の情報として定義されている。短縮時間情報352は、上記基準制作時間から短縮する(減算する)時間を定義した情報である。ここでは、1分単位の情報として定義されている。なお、本例では、サブスクリプションサービスに加入するだけで、上記経過日数が0日の場合でも、ある程度は制作時間短縮の特典を受けることができる。そのため、
図14では、経過日数が0日の場合についても所定の時間分の短縮時間(ここでは120分)が定義されている。この点、他の実施形態では、経過日数が0日の場合は短縮時間は定義しないようにしてもよい。また、本例では、最大値の例として、ゲーム開始時期からの経過日数が4460日の場合を例としている。これは一例であり、他実施形態では、経過日数の最大値は他の値としてもよいことは言うまでもない。
【0068】
図10に戻り、その他、図示は省略するが、メモリ123には、ゲーム処理に必要なその他の各種データも格納されている。
【0069】
次に、スマートデバイス側のデータに関して説明する。
図15は、スマートデバイス102のメモリ113に格納されるプログラムおよびデータの一例を示している。メモリ113には、クライアント側プログラム381、操作データ382、オブジェクトデータ383、端末側セーブデータ384等が格納される。
【0070】
クライアント側プログラム381は、本実施形態に係るゲーム処理においてスマートデバイス側が担当する各種機能をスマートデバイス102に実行させるためのプログラムである。
【0071】
操作データ382は、操作部115に対して行われた各種操作内容を示すデータである。本実施形態では、操作部115としてのタッチパネルへの入力の有無、タッチ座標等を示すデータや、図示しない各種ボタンの押下状態等を示すデータが含まれている。当該操作データ382の内容は、操作部115からの信号に基づき、所定の周期で更新されるものとする。
【0072】
オブジェクトデータ383は、ゲーム世界を構成する各種オブジェクトやステージの画像や形状等を定義したデータである。上記仮想キャラクタの外観を示す画像データ等も当該データに含まれる。
【0073】
端末側セーブデータ384は、ゲーム処理起動時に上記セーブデータ308がサーバ101から取得されて保存されたものである。そのため、データ構成も上記セーブデータ308と同じものとなる。また、上記のように、本例では所定のタイミングでセーブデータ308が自動的に更新される。これを実現するため、上述のようなゲーム内のシーン遷移が発生したタイミングや、アイテムの増減が発生したタイミング等の所定のタイミングで、スマートデバイス102側の処理結果に基づくゲーム状況が当該端末側セーブデータ384に反映され、サーバ101に送信される。そして、サーバ101側では、当該送信されたデータに基づいてセーブデータ308が更新されることになる。以下の説明において、「セーブデータ308が更新(あるいは作成)」の旨を説明する場合は、このような端末側セーブデータ384の更新処理およびサーバ101への送信処理も含まれるものとする。
【0074】
その他、メモリ113には、家具マスタデータ305、短縮時間定義データ306等の各種データが必要に応じてサーバ101から取得されて格納される。
【0075】
[ゲーム処理例の詳細]
次に、フローチャートを参照して、本実施形態にかかるゲーム処理の詳細を説明する。なお、ここでは、主に家具制作イベントに関する処理について説明し、その他のゲーム処理の説明については割愛する。また、以下の処理は、基本的には、スマートデバイス102のプロセッサ111が主体である場合を例に説明する。他の実施形態では、以下の処理の一部をサーバ101において実行し、その結果をスマートデバイス102における処理に反映するようにしてもよい。例えば、スマートデバイス102では、操作データの取得とサーバへの送信、各種画像音声処理を中心に行えばよい。そして、サーバ101では、当該操作データに基づいたゲーム処理、例えば仮想ゲーム空間内でのプレイヤオブジェクトの移動または各種の判定処理等を行い、その実行結果をスマートデバイス102に送るようにしてもよい。
【0076】
なお、サーバ101における処理については、図示は省略するが、プレイヤの操作(スマートデバイス102からの要求)に応じて、ログイン処理や、セーブデータ308等の送受信処理等が適宜行われている。
【0077】
まず、スマートデバイス102において本ゲームが最初に起動された場合の処理である、利用開始時処理に関して説明する。これは、例えば、本ゲームのスマートデバイス102へのインストール処理が完了した後、初めて本ゲームを起動して、ゲームの利用を開始した場合に実行される処理である。
図16は、当該利用開始時処理の詳細を示すフローチャートである。
図16において、まず、ステップS1で、プロセッサ111は、ユーザ情報登録処理を実行する。これは、ユーザ名等をユーザに入力させ、アカウント情報等を作成してサーバ101に登録するための処理である。
【0078】
次に、ステップS2で、プロセッサ111は、セーブデータ作成処理を実行する。すなわち、そのときの日時をセーブデータ作成日情報321として設定して、セーブデータ308を作成してサーバ101に記憶する処理が実行される。
【0079】
セーブデータ作成処理が終われば、利用開始時処理は終了し、この後続けて、所定のゲーム処理が開始されることになる。
【0080】
次に、画面例を用いて上述したような家具制作イベントにかかる処理の詳細について説明する。例えば、メニュー画面でユーザが「家具制作」のアイコンをタップ操作する等の、家具制作イベントを開始するための所定の操作が行われことに応じて、
図17に示すフローチャートの処理が開始する。
【0081】
図17は、家具制作イベント処理を詳細を示すフローチャートである。
図17において、まず、ステップS11で、プロセッサ111は、サービス加入モード情報323を参照して、現在のゲーム状態が「加入モード」であるか否か(「未加入モード」か)を判定する。当該判定の結果、「加入モード」ではない場合は(ステップS11でNO)、ステップS12で、プロセッサ111は、未加入モード処理を実行する。一方、「加入モード」の場合は(ステップS11でYES)、ステップS13で、プロセッサ111は、加入モード処理を実行する。
【0082】
図18は、上記未加入モード処理の詳細を示すフローチャートである。まず、ステップS21で、プロセッサ111は、上記
図4で示したような、未加入モードにおける家具製作メニュー画面を生成して表示する。具体的には、プロセッサ111は、制作状況データ325に基づいて作業台202の表示内容を決定する。また、家具マスタデータ305に基づき、ジャンルアイコン群203で指定されているジャンルに対応する家具の画像等を生成し、家具選択領域204に配置する。その他、プロセッサ111は、家具製作メニュー画面の生成に必要な処理を適宜実行して、家具製作メニュー画面を生成し、表示部116に表示する。またこのとき、制作中の家具が存在する場合は、プロセッサ111は、上記
図6で示したように、制作中家具画像221と残時間メーター222とが表示されるようにして家具製作メニュー画面を生成する。家具製作メニュー画面の表示後は、ユーザからの操作を待ち受ける状態となる。
【0083】
次に、ステップS22で、プロセッサ111は、操作データ382を取得し、続くステップS23で、操作データ382で示される操作内容が、上記家具選択領域204内のいずれかの家具を指定する操作であるか否かを判定する。当該判定の結果、家具を指定する操作ではない場合は(ステップS23でNO)、プロセッサ111は、操作内容に基づいたその他のゲーム処理を実行し、ステップS21に戻る。なお、このとき、前の画面に戻る操作等、家具製作メニュー画面を終了するための操作が行われていた場合は、当該その他のゲーム処理として、プロセッサ111は、当該未加入モード処理を終了する処理も実行する。
【0084】
一方、ステップS23の判定の結果、家具を指定する操作であった場合は(ステップS23でYES)、ステップS25で、プロセッサ111は、仮にそのユーザがサブスクリプションサービスに加入していた場合に想定される短縮後制作時間を算出する。具体的には、プロセッサ111は、セーブデータ作成日情報321と現在の日付とに基づき、ゲーム開始時期から現在までの経過日数を算出する。更に、短縮時間定義データ306を参照して、経過日数情報351に対応する短縮時間情報352を特定し、短縮する時間を決定する。そして、指定された家具にかかる基準制作時間から当該短縮時間を減算して、上記短縮後制作時間を算出する。
【0085】
次に、ステップS26で、プロセッサ111は、
図5を用いて上述したような、未加入モードの場合の上記注文詳細画面を生成して表示部116に表示する。具体的には、プロセッサ111は、指定された家具の基準制作時間、および、上記算出した短縮後制作時間に基づいて、
図5に示した加入誘導バナー214の表示内容を設定する。また、プロセッサ111は、制作時間情報213に上記基準制作時間が表示されるように設定する。その他、プロセッサ111は、家具の制作に必要な材料画像等を適宜配置し、注文詳細画面を生成して表示部116に表示する。その後、ユーザからの操作を待ち受ける状態となる。
【0086】
次に、ステップS27で、プロセッサ111は、操作データ382を取得し、続くステップS28で、操作データ382で示される操作内容が、注文を確定する操作(以下、注文確定操作)であるか否かを判定する。具体的には、
図5の「注文する」ボタン215がタップ操作されたか否かを判定する。当該判定の結果、注文確定操作ではない場合は(ステップS28でNO)、ステップS29で、プロセッサ111は、操作内容に基づいたその他のゲーム処理を実行し、ステップS25に戻る。なお、このとき、前の画面に戻る操作等、当該注文詳細画面を閉じる操作が行われていた場合は、ステップS21に戻る処理を実行する。また、家具製作メニュー画面を終了するための操作が行われていた場合は、プロセッサ111は、当該未加入時処理を終了する処理を実行する。
【0087】
一方、ステップS28の判定の結果、注文指示操作が行われていた場合は(ステップS28でYES)、次に、ステップS30で、プロセッサ111は、制作状況データ325の内容を更新する。すなわち、プロセッサ111は、上記注文指示された家具の制作が所定の作業台202で開始されたことを示すように制作状況データ325の内容を更新する。ここで、当該処理では、「未加入モード」であるため、上記基準制作時間が制作時間335として設定されることになる。これにより、指定された家具の制作が開始されることになる。以上で、未加入時処理は終了する。
【0088】
次に、
図19を用いて、上記加入モード処理の詳細を説明する。
図19は、加入モード処理の詳細を示すフローチャートである。基本的には、加入モード処理の流れは上記未加入モード処理の流れと同様であるが、以下の点で処理内容が相違する。
【0089】
まず、ステップS51で加入モードの場合の家具製作メニュー画面(
図7参照)が生成されるが、この際、プロセッサ111は、当該画面で加入誘導バナー201の代わりに特典内容情報206が表示されるように表示内容を設定する。またこのとき、制作中の家具がある場合は、プロセッサ111、上記制作中家具画像221と残時間メーター222に加えて、上記
図9で示したような「スピードUP!」の表示がなされるように家具製作メニュー画面を生成する。
【0090】
また、ステップS55において、プロセッサ111は、セーブデータ作成日情報321と短縮時間定義データ306とに基づいて、短縮後制作時間を決定する。そして、ステップS56で、プロセッサは、この短縮後制作時間に基づき、
図8で示したような加入モードの場合の注文詳細画面を生成する。具体的には、プロセッサ111は、制作時間情報213に上記短縮後制作時間が表示されるように設定する。更に、プロセッサ111は、短縮内容情報216として、未加入モードの場合と比べてどのくらい制作時間が短縮されたものであるかが示されるように、表示内容を設定する。これにより、ユーザは、サブスクリプションサービスの加入特典である制作時間の短縮が行われていること、および、その効果内容(具体的にどの程度短縮されているのか)を把握することが可能となる。
【0091】
また、ステップS60において、プロセッサ111は、制作状況データ325を更新するが、この際、上記短縮後制作時間に基づいた更新を行う。すなわち、当該短縮後制作時間が制作時間335として設定される。
【0092】
ここで、ステップS58の判定の結果、NOである場合の処理について補足する。本例では、注文詳細画面が表示された後、時間経過によって短縮する時間の変更が発生し得る状態となっても、注文詳細画面の表示内容(短縮内容情報216の内容等)をリアルタイムで更新するようなことは行わないものとする。更新しなくとも、特にユーザの不利益になるわけではないからである。但し、一旦注文詳細画面が閉じられた後、再度表示する際は、当該表示する内容は更新される。なお、他の実施形態では、このような場合、リアルタイムで表示内容を更新するようにしてもよい。
【0093】
以上で、加入モード処理の説明は終了する。
【0094】
図17に戻り、未加入モード処理、あるいは加入モード処理が終われば、家具制作イベント処理は終了する。なお、図示は省略するが、制作中の家具が完成すれば、プロセッサ111は、制作状況データ325を家具が完成したことを示す内容に更新する処理も実行する。その後、所定のタイミングにおけるユーザの操作に基づいて、プロセッサ111は、完成した家具を所持アイテムデータ324に追加する処理も適宜実行する。
【0095】
以上で、本実施形態のゲーム処理の詳細説明を終了する。
【0096】
このように、本実施形態では、サブスクリプションサービスに加入することで、家具の製作時間を短縮することができる。これにより、このような待ち時間に関する利便性を向上することができる。更に、この短縮する時間の決定について、本実施形態では、ゲーム開始時期を基準としている。これにより、特にゲームを早期に利用開始したが、その後ゲームの利用を休止したようなユーザに対して、ゲームに復帰させることへの動機付けを提供することができる。
【0097】
[変形例]
なお、上記サブスクリプションサービスの加入のタイミングに関して、以下のような処理を行ってもよい。まず、所定の家具の制作を開始後に、サブスクリプションサービスに加入した場合を想定する。この場合は、既に制作開始済みの家具に関しては基準制作時間を用いて、当該サービス加入後に注文した家具については短縮後制作時間を適用すればよい。また、加入モードのときに家具の製作を開始した後に、サブスクリプションサービスから退会したような場合は、退会前に制作開始した分については、そのまま短縮後制作時間に基づく処理を行えばよい。また、退会後に制作を注文した分については、基準制作時間を適用して処理すればよい。また、加入モードのときに家具制作を開始し、その完成前にゲーム開始時期からの経過時間に応じた短縮時間の変更が発生した場合、制作中の分については家具制作の注文を行ったときの短縮後制作時間をそのまま適用すればよい。つまり、注文を行った時点における短縮後制作時間を、その注文した家具について適用すればよい。また、一旦退会した後、再度入会した場合でも、ゲーム開始時期からの経過時間に基づき短縮後制作時間が決定されることに変わりはない。
【0098】
また、上記の例では、上述したような待機時間を短縮するための条件として所定のサブスクリプションサービスに加入することを例に挙げた。当該条件はこれに限るものではなく、他の条件としてもよい。例えば、ゲーム内における所定条件を満たすことを上述したような待機時間を短縮するための条件としてもよい。例えば、ユーザキャラクタのレベルが所定値を超えること、ユーザキャラクタが所定のアイテムを入手すること、ゲームのプレイ時間が所定時間を超えること、上記待機時間の短縮機能を利用可能とするための所定のクエストをクリアすること、等を上記条件としてもよい。
【0099】
また、上記実施形態は、家具を制作するときにかかる制作時間を待機時間として、これを短縮するという例を挙げた。これに限らず、他の実施形態では、以下のような要素を短縮してもよい。例えば、植物や野菜等を育てたり、家畜を飼育するゲーム(農園・牧場シミュレーションゲーム等)では、野菜等の成長時間・育成時間が上記待機時間に該当し、これを短縮する対象とすればよい。また、例えば街作りゲームや都市開発シミュレーションゲーム等の場合は、建物の建設にかかる建設時間が待機時間に該当し、これを短縮する対象とすればよい。その他、所定の報酬(上記植物や完成した建物が該当)をもらえるイベントであって、この報酬をもらうまでの時間が短縮されるような要素について、上記のような処理は適用可能である。
【0100】
更には、上記のような時間短縮に限らず、所定量のタスクを達成することでイベントが達成されものとして扱うようなイベントについても上記処理は適用可能である。例えば、上記基準制作時間に対応する要素としての基準必要量が定めされている所定のイベントがあるとする。そして、上記のようなサブスクリプションサービスの加入の有無とゲーム開始時期に応じて、所定の値を当該基準必要量から軽減するようにしてもよい。例えば、イベント達成のために、所定数のモンスターを討伐することが要求されるようなイベント(モンスター討伐というタスクを所定量行うことになる)において、必要討伐数をゲーム開始時期に応じて軽減するようにしてもよい。つまり、その達成により報酬を得られるようなイベントにおいて、上記のような処理を適用することで、当該報酬が得られるまでの条件を、ゲーム開始時期に応じて緩和されるよう調整を行うことが可能となる。
【0101】
また、上記実施形態では、サーバ101とスマートデバイス102とが協働してゲーム処理を行う例を挙げたが、他の実施形態では、スマートデバイス102のみで上記のようなゲーム処理が行われるようにしてもよい。すなわち、上述のサーバ101に記憶される各種データをスマートデバイス102に記憶するように構成し、スマートデバイス102だけで上述したような処理が完結する、いわゆるスタンドアローンの形式でゲーム処理を行ってもよい。
【0102】
また、上記のような処理は、ゲーム処理以外の情報処理にも適用可能である。他の実施形態において実行される(ゲーム以外の)情報処理において、所定の基準待機時間が設けられ、当該時間の経過後にユーザに所定の報酬を付与するようなイベントを実行する処理全般に、上述したような処理は適用可能である。
【符号の説明】
【0103】
101 サーバ
102 スマートデバイス
111 プロセッサ
113 メモリ
114 通信部
115 操作部
116 表示部
121 プロセッサ
123 メモリ
124 通信部