(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-19
(45)【発行日】2024-03-28
(54)【発明の名称】食品管理システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20240321BHJP
【FI】
G06Q50/10
(21)【出願番号】P 2019223192
(22)【出願日】2019-12-10
【審査請求日】2022-07-01
(73)【特許権者】
【識別番号】503376518
【氏名又は名称】東芝ライフスタイル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】篠原 健朗
【審査官】渡邉 加寿磨
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-48091(JP,A)
【文献】特開平9-265492(JP,A)
【文献】特開2018-95450(JP,A)
【文献】特開2018-32289(JP,A)
【文献】国際公開第2018/021229(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
B65G 1/137
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
保管庫に格納されている食品の在庫を管理する食品管理システムであって、
ユーザによって購入される食品に関する購入情報を前記食品管理システムの外部から取得する取得部であって、前記保管庫の使用状況を前記保管庫から取得する前記取得部と、
取得済みの前記購入情報を用いて、食品管理情報を登録する登録部と、
登録済みの前記食品管理情報および前記使用状況に基づいて、摂取を推奨する食品に関する摂取推奨食品情報を出力する出力部と、を備え
ており、
前記出力部は、前記購入に関連するタイミングにおいて、前記保管庫の空き容量を表す空き容量情報を出力する、食品管理システム。
【請求項2】
前記保管庫の前記使用状況は、前記保管庫の扉が開閉されたことを示す開閉情報を含んでおり、
前記出力部は、前記開閉情報によって特定される表示タイミングにおいて、前記摂取推奨食品情報を出力する、請求項1に記載の食品管理システム。
【請求項3】
前記取得部は、さらに、前記ユーザによって購入以外で取得される食品に関する取得情報が前記ユーザによって入力される場合に、前記取得情報を取得し、
前記登録部は、さらに、取得済みの前記取得情報を用いて、前記食品管理情報を登録する、請求項1
または2に記載の食品管理システム。
【請求項4】
前記登録部は、
取得済みの前記購入情報に含まれる前記ユーザによって前記食品が購入された日時を表す購入日時情報を用いて、前記購入に関連する前記タイミングを推定し、
前記購入に関連する前記タイミングにおいて、登録済みの前記食品管理情報を用いて、前記保管庫の空き容量を算出する、請求項1から
3のいずれか一項に記載の食品管理システム。
【請求項5】
前記登録部は、さらに、取得済みの前記購入情報が入力された時期を表す時期情報を用いて得られる前記ユーザが前記食品を摂取すべき推奨期限に関する推奨摂取情報を登録する、請求項1から
4のいずれか一項に記載の食品管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に開示する技術は、食品の在庫を管理する食品管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に庫内を撮像するカメラを備える冷蔵庫が開示されている。カメラで撮像された冷蔵庫内の画像は、インターネットを介して表示端末に送信される。これにより、ユーザは、買い物先で、表示端末を用いて、冷蔵庫内の画像を確認することによって、食品の在庫を認識する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
冷蔵庫内では、食品が整然と整列されていない場合がある。また、外形からでは食品の種類を判別することが難しい場合がある。この場合、カメラで撮像された画像だけでは、食品の在庫を正確に特定することが難しい。さらに、冷蔵庫は、通常、複数の空間(冷蔵室、冷凍室、野菜室等)に分割されている場合がある。この場合、冷蔵庫の全ての空間の画像を取得しようとすると、多数のカメラを冷蔵庫に設置する必要がある。
【0005】
本明細書では、カメラ等によって撮像された食品の画像を確認せずに、食品の在庫を管理することができる技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書で開示される技術は、食品の在庫を管理する食品管理システムに関する。食品管理システムは、ユーザによって購入される食品に関する購入情報を前記食品管理システムの外部から取得する取得部と、取得済みの前記購入情報を用いて、食品管理情報を登録する登録部と、登録済みの前記食品管理情報を出力する出力部と、を備えていてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図2】食品管理システムが実行する事前処理に係るシーケンス図である。
【
図3】食品管理システムが実行する購入情報に基づく登録処理に係るシーケンス図である。
【
図5】食品管理システムが実行する取得情報に基づく登録処理に係るシーケンス図である。
【
図6】食品管理システムが実行するレシートを用いた購入情報に基づく登録処理に係るシーケンス図である。
【
図8】取得情報に基づく登録処理における画像である。
【
図9】サーバが実行する表示処理のフローチャートである。
【
図10】サーバが実行する表示処理のフローチャートである。
【
図11】食品管理システムが実行する削除処理に係るシーケンス図である。
【
図12】変形例の在庫品管理テーブルを示す図である。
【
図13】変形例の食品管理システムの構成ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図面を参照して、実施例に係る食品管理システム2を説明する。食品管理システム2は、例えば、家庭や店舗において、購入等によって入庫され、摂取等によって出庫される食品の在庫状況を管理する。
図1に示すように、食品管理システム2は、食品管理サーバ10と、冷蔵庫50と、複数個の携帯端末70、80と、を備える。
【0009】
(食品管理サーバ10の構成)
食品管理サーバ10は、例えば、冷蔵庫50の製造会社によって設置される。なお、変形例では、食品管理サーバ10は、冷蔵庫50の製造会社とは異なるプロバイダによって設置されていてもよい。以下では、食品管理サーバ10の設置元をサーバ提供者と呼ぶ。食品管理サーバ10は、インターネット4に接続されている。食品管理サーバ10は、インターネット4を介して、冷蔵庫50及び携帯端末70、80等と通信可能に接続されている。また、食品管理サーバ10は、インターネット4を介して、食品管理システム2の外部に設置されている外部サーバ100、110等と通信可能に接続されている。食品管理サーバ10は、制御部12と、記憶部14と、通信モジュール16と、を備える。
【0010】
記憶部14は、ハードディスクドライブ等を備え、大容量の格納領域を有する。記憶部14は、食品管理システム2の処理によって生成される食品管理テーブル92及び廃棄テーブル94を格納可能である。また、記憶部14は、携帯端末70等の外部端末にインストールされるアプリケーションにデータを送信するためのアドレス等を格納可能である。
【0011】
通信モジュール16は、食品管理サーバ10とインターネット4とを接続するための通信インターフェイス、例えばLAN(Local Area Networkの略)インターフェイスを備える。
【0012】
制御部12は、CPUとRAM、ROM等のメモリを含む。制御部12は、図示省略した配線によって、記憶部14と通信モジュール16とのそれぞれに制御可能に接続されている。制御部12は、メモリに、記憶部14と通信モジュール16を制御するためのコンピュータプログラムを格納する。制御部12は、CPUとメモリによって、後述する様々な処理を実行する。
【0013】
(冷蔵庫50の構成)
冷蔵庫50は、家庭、オフィス等に設置されて用いられる。冷蔵庫50は、インターネット4に接続されている。冷蔵庫50は、インターネット4を介して、食品管理サーバ10及び携帯端末70、80等と通信可能に接続されている。冷蔵庫50は、制御部52と、通信モジュール56と、冷蔵・冷凍機構60と、を備える。
【0014】
通信モジュール56は、冷蔵庫50とインターネット4とを接続するための通信インターフェイス、例えば無線LANインターフェイスを備える。なお、通信モジュール56は、無線ルータを介してインターネット4と通信可能であってもよい。
【0015】
冷蔵・冷凍機構60は、冷蔵室、冷凍室、野菜室等の複数個の保管室、各他個室内の温度を調整するためのヒートポンプ等を備える。冷蔵・冷凍機構60は、制御部52によって制御される。制御部52は、CPUとRAM、ROM等のメモリを含む。制御部52は、図示省略した配線によって、通信モジュール56と冷蔵・冷凍機構60とのそれぞれに制御可能に接続されている。制御部52は、メモリに、通信モジュール56と冷蔵・冷凍機構60とを制御するためのコンピュータプログラム及び食品管理サーバ10と通信するための情報を格納する。制御部52は、CPUとメモリによって、冷蔵庫50を制御する。
【0016】
(携帯端末70、80の構成)
携帯端末70、80は、携帯電話、スマートフォン、タブレット端末等の冷蔵庫50のユーザが携帯可能なデバイスである。携帯端末70、80は、インターネット4に接続されている。携帯端末70、80は、インターネット4を介して、食品管理サーバ10及び冷蔵庫50等と通信可能に接続されている。なお、食品管理システム2に含まれる携帯端末の第数台数に制限は無い。また、携帯端末70、80と共に、また、これに替えて、携帯しないPC等であってもよい。
【0017】
携帯端末70は、制御部72と、記憶部74と、通信モジュール76と、表示部78と、読取部79と、を備える。記憶部74は、フラッシュメモリ等を備える格納領域を有する。記憶部74は、携帯端末70で利用される1個以上のアプリケーション90を格納可能である。通信モジュール76は、携帯端末70とインターネット4とを接続するための通信インターフェイス、例えば移動体通信ネットワークと通信可能な通信インターフェイスを備える。表示部78は、液晶パネルを有する。表示部78は、制御部72によって制御され、携帯端末70のユーザに通知すべき情報(例えば電子メールの内容)を表示する。表示部78は、ユーザの操作を許容する、いわゆるタッチパネルディスプレイである。読取部79は、カメラを有する。
【0018】
制御部72は、CPUとRAM、ROM等のメモリを含む。制御部72は、図示省略した配線によって、記憶部74と、通信モジュール76と表示部78と読取部79とのそれぞれに制御可能に接続されている。制御部72は、ユーザによって実行される表示部78への操作を特定する。制御部72は、特定済みの操作に従って、携帯端末70を動作する。なお、ユーザの操作を許容する操作部は、例えばテンキーやキーボード等、表示部78と別体で設けられていてもよい。携帯端末80は、携帯端末70と同様の構成を有する。
【0019】
(外部サーバ100、110の構成)
複数の外部サーバ100、110は、例えば、クレジットカード会社、スーパーマーケット、コンビニエンスストア等、ユーザが購入した食品に関する情報を取得可能な企業等によって設置される。外部サーバ100、110は、インターネット4を介して食品管理サーバ10と通信可能に接続されている。外部サーバ100、110は、ユーザが購入した食品の種類、個数、価格、購入時期、購入場所の少なくとも1個を含む購入情報を、ユーザを識別するユーザ識別情報と組み合わせて記憶している。ユーザ識別情報は、複数の外部サーバ100、110のそれぞれによって異なっていてもよい。例えば、外部サーバ100が、クレジットカード会社によって設置されるサーバである場合、ユーザ識別情報は、クレジットカード番号であってもよい。また、例えば、外部サーバ110が、スーパーマーケット、コンビニエンスストアによって設置されるサーバである場合、ユーザ識別情報は、スーパーマーケットやコンビニエンスストアで利用されるポイントカードの番号等のユーザに対して固有に割り当てられる番号であってもよい。
【0020】
(食品管理システム2が実行する処理)
次いで、図面を参照して、食品管理システム2が実行する処理を説明する。食品管理システム2では、食品管理サーバ10が、食品管理システム2内の携帯端末70、80及び冷蔵庫50と、食品管理システム2外の外部サーバ100、110から、様々な情報を取得して、ユーザが取得する食品の在庫状況を管理する。なお、以下の処理では、主に携帯端末70と関連して処理が実行されるが、携帯端末70に替えて、携帯端末80と関連して処理が実行されてもよい。
【0021】
(事前処理)
図2を参照して、食品管理システム2が実行する事前処理を説明する。事前処理では、食品管理システム2が食品を管理する際に予め必要な情報が食品管理サーバ10に登録される。事前処理は、ユーザが冷蔵庫50を購入し、自宅等に設置する場合、ユーザが携帯端末70、80に食品管理システム2に対応するアプリケーション90をインストールする場合、あるいは、ユーザがアプリケーション90に、新しいユーザ識別情報を登録する場合に実行される。アプリケーション90は、例えば、冷蔵庫50の製造会社によって提供される。
【0022】
ユーザは、アプリケーション90がインストールされている携帯端末70の表示部78を操作することによって、アプリケーション90を起動させることができる。アプリケーション90が起動されると、制御部72は、表示部78に、食品管理システム2が実行すべき処理をユーザに選択させるための画像を表示させる。具体的には、表示部78には、「ユーザ登録」、「食品登録」及び「食品管理」のボタンを含む画像が表示される。
【0023】
事前処理は、ユーザによって「ユーザ登録」ボタンが操作される場合に開始される。まず、S70において、携帯端末70の制御部72は、ユーザに、食品管理システム2においてユーザを識別するためユーザIDを入力するための入力画像を、表示部78に表示させる。ユーザが既にユーザIDを有している場合には、既存のユーザIDを入力する入力操作を実行させる。一方、ユーザが未だユーザIDを有していない場合、ユーザに、ユーザIDを新規に登録するための登録操作を実行させる。入力操作又は登録操作が完了されると、S71において、制御部72は、ユーザに、ユーザが使用している冷蔵庫50の機種を指定するための機種選択画像を、表示部78に表示させる。アプリケーション90には、予め、アプリケーション90を提供する製造会社によって製造される複数種類の冷蔵庫の機種を表す複数の機種情報が登録されている。ユーザは、表示部78を操作することによって、複数の機種情報から、ユーザが使用している冷蔵庫50の機種に対応する機種情報を指定する指定操作を実行する。
【0024】
ユーザによる指定操作が実行されると、S72において、制御部72は、インターネット4を介して、ユーザIDと、機種情報と、携帯端末70のアプリケーション90にインターネット4を介してデータを送信するための通信情報と、の組み合わせを、食品管理サーバ10に送信する。
【0025】
食品管理サーバ10の制御部12は、ユーザIDと機種情報との組み合わせを受信すると、S12において、ユーザIDと機種情報と通信情報との組み合わせを、記憶部14に登録する。なお、既に、ユーザIDと通信情報とが登録されている場合(例えば、冷蔵庫50を買い替える場合)、制御部12は、登録済みのユーザIDに組み合わせて、機種情報を登録する。また、既に、ユーザIDと機種情報とが登録されている場合(例えば、携帯端末70を買い替える場合)、制御部12は、登録済みのユーザIDに組み合わせて、通信情報を登録する。
【0026】
次いで、S14において、制御部12は、食品管理テーブル92を新たに生成し、記憶部14に、S12で登録済みのユーザID等の組み合わせと食品管理テーブル92とを組み合わせて記憶させる。
図4に示されるように、食品管理テーブル92は、食品管理情報と登録されるテーブルである。食品管理情報は、食品の種類、個数、価格、購入日時、購入場所、摂取期限、体積、所有者のそれぞれを表す情報を含む。また、食品管理情報は、食品の格納場所を表す格納情報を含む。摂取期限は、食品の種類によって表わされる食品を摂取すべき期限(例えば、食品の風味を落とさずに摂取することができる年月日、食品を安全に摂取することができる年月日等)を表す。
【0027】
なお、既に、ユーザIDと組み合わせて食品管理テーブル92が記憶されている場合、S14の処理はスキップされる。S12でユーザIDと組み合わせて登録される機種情報及び通信情報と、食品管理テーブル92とが組み合わせて記憶される。
【0028】
携帯端末70の制御部72は、S72でユーザID等を送信した後、S74において、ユーザにユーザ識別情報を入力させるための識別情報入力画像を、表示部78に表示させる。ユーザは、表示部78の入力画面に、ユーザによって入力されるユーザ識別情報は、ユーザが食品を購入するために利用するクレジットカードの情報(例えばカード番号、有効期限等)と、ユーザが食品を購入するために利用するスーパーマーケット等の小売業で利用されるポイントカードの情報と、を含む。ユーザ識別情報が入力されると、S76において、制御部72は、入力済みのユーザ識別情報をユーザIDと組み合わせて、食品管理サーバ10に送信する。
【0029】
食品管理サーバ10の制御部12は、ユーザ識別情報とユーザIDを受信すると、S16において、記憶部14に登録済みのユーザIDに組み合わせて、ユーザ識別情報を登録する。ユーザは、携帯端末80を用いても、上記の事前処理を実行することができる。ユーザが、携帯端末80において、携帯端末70と同一のユーザIDを用いて、事前処理を実行する場合、食品管理サーバ10は、ユーザIDと組み合わせて、2個の異なる通信情報を記憶部14に登録する。3個以上の複数の携帯端末で同様の事前処理を実行されると、異なる複数の通信情報が、1個のユーザIDと組み合わせて登録される。一方、ユーザが、携帯端末80において、携帯端末70と異なるユーザIDを用いて、事前処理を実行する場合、食品管理サーバ10は、異なるユーザIDと組み合わせて、異なる食品管理テーブルを新たに生成し、記憶部14に登録する。
【0030】
(登録処理)
次いで、
図3~
図7を参照して、食品管理システム2が実行する登録処理を説明する。登録処理では、食品管理システム2が、食品管理サーバ10に記憶されている食品管理テーブル92に、ユーザによって取得される食品に関する情報を登録する。登録処理では、ユーザが食品を取得する過程によって、処理手順が異なる。
図3は、ユーザが、クレジットカード等を用いて食品を購入する等、支払いを仲介する業者が購入された食品に関する情報を有しているか、ポイントカード等の使用によって、購入元のスーパーマーケット等が購入された食品に関する情報を有している場合の登録処理の手順を示す。
図5は、ユーザが、例えばプレゼント等によって食品を購入以外の取得する場合の登録処理の手順を示す。
図6は、ユーザが食品を購入する際に受け取るレシートを用いる場合の登録処理の手順を示す。
【0031】
図3に示すように、食品管理サーバ10の制御部12は、外部サーバ100、100から、購入情報を取得することを監視している。具体的には、S20において、制御部12は、定期的に、又は、携帯端末70、80等からの要求に応じて、外部サーバ100、110に購入情報を問い合わせる。ユーザは、携帯端末70を操作することによって、アプリケーション90を用いて、食品管理サーバ10に外部から購入情報を取得させるための取得要求を、携帯端末70から食品管理サーバ10に送信させてもよい。問い合わせでは、制御部12は、記憶部14に登録されているユーザ識別情報を、外部サーバ100、110のそれぞれに送信する。外部サーバ100、110は、ユーザ識別情報を受信すると、ユーザ識別情報に組み合わせて記憶されている購入情報を、食品管理サーバ10に送信する。
【0032】
例えば、ユーザ識別情報が、クレジットカードのカード番号である場合、クレジットカード会社の外部サーバ100は、受信済みのカード番号に対応付けられている情報(購入品の種類、個数、価格、購入日時、及び、購入場所(例えば購入店舗)を、購入情報として、食品管理サーバ10に送信する。購入情報には、食品以外の種類の商品も含まれる。
【0033】
制御部12は、S21において購入情報が受信されると、S22において、購入情報を用いて、食品管理テーブルに、食品管理情報を登録する。具体的には、制御部12は、最初に、購入情報のうち、食品の種類、及び、食品に関連する関連情報、即ち、個数、価格、購入日時、及び、購入場所を特定する。なお、関連情報は、食品の購入に関連する情報であればよく、個数、価格、購入日時、及び、購入場所の少なくとも1個を示す情報であってもよいし、個数、価格、購入日時、及び、購入場所以外(例えば、食品の栄養素、熱量等)を含んでいてもよい。次いで、制御部12は、
図5に示すように、特定済みの食品の種類(トマト)、個数(3個)、価格(P1)、購入日時(10月10日 AM11:00)、及び、購入場所(Xスーパーマーケット、Y店)を、食品の種類に組み合わせて登録する。
【0034】
次に、S24において、制御部12は、推奨摂取期限、及び、体積、格納場所を特定する。記憶部14には、予め、食品の種類と摂取期間情報、推定体積、及び、推奨格納場所情報が組み合わせて記録されている。摂取期間情報は、組み合わせられる食品の種類で示される食品を摂取すべき期間(例えば食品の種類が「トマト」の場合「10日間」)を表す。推定体積は、食品の種類で示される食品の体積を表し、例えば、食品の平均の大きさである。推奨格納場所情報は、組み合わせられる食品の種類で示される食品の最適な格納場所を示す。推奨格納場所情報は、冷蔵庫50内と冷蔵庫50外とを含む。例えば、冷蔵庫50内は、冷蔵室、冷凍室、及び、野菜室に分類されていてもよい。冷蔵庫50外は、暗所、直射日光が当たらない場所に分類されていてもよい。サーバ提供者は、食品の種類と摂取期間情報、推定体積、及び、推奨格納場所情報を組み合わせて記憶させる。
【0035】
制御部12は、特定済みの食品の種類(例えばトマト)に組み合わせて記憶部14に記憶されている摂取期間情報(例えば10日間)、推定体積、及び、推奨格納場所情報(例えば野菜室)を特定する。次いで、制御部12は、購入情報に含まれる購入日時に、摂取期間情報で表わされる期間を加算した推奨摂取期限を算出する。次いで、S26において、制御部12は、特定済みの推定体積、及び、推奨格納場所情報と、算出済みの推奨摂取期限を表す期限情報と、を、食品管理テーブル92に登録する。なお、食品管理テーブル92には、「所有者」の欄に、予め設定されている所有者を表す情報(例えば「母」)が登録される。所有者を表す情報は、クレジットカード会社等の支払を仲介した業者から取得した購入情報に基づいて取得すればよい。
【0036】
次いで、S28において、制御部12は、食品管理テーブル92と組み合わせて登録されている通信情報を用いて、食品管理テーブル92に新たに食品が登録されたことを表す登録通知を送信する。これにより、携帯端末70、80は、登録通知を受信する。携帯端末70の制御部72は、登録通知が受信されると、S82において、表示部78に、食品管理テーブル92に食品が新たに登録されたことを示す新規登録画像を表示させる。新規登録画像には、「表示」ボタンと、「終了」ボタンと、が含まれる。制御部72は、S82の表示の後、ユーザによって、食品管理テーブル92に登録された食品管理情報を表示させるための所定の表示操作(即ち「表示」ボタンの操作)を、表示部78において受け付けると(S84)、S86において、食品管理情報要求を、食品管理サーバ10に送信する。
【0037】
食品管理サーバ10の制御部12は、食品管理情報要求が受信されると、S30において、食品管理テーブル92に登録されている全ての情報を含む食品管理情報を、食品管理情報要求の送信元の携帯端末70に送信する。
【0038】
S87では、携帯端末70の制御部72は、食品管理情報が受信されると、受信済みの食品管理情報に含まれる期限情報を用いて、推奨摂取期限が迫っている食品(例えば、推奨摂取期限が1日後に迫っている食品)の種類を特定する。次いで、S88では、制御部72は、受信済みの食品管理情報を用いて、冷蔵庫50の各室の空き容量の割合を算出する。具体的には、制御部72は、食品管理情報に含まれている食品の体積及び格納場所を表す情報から、冷蔵庫50の各室に格納されている食品の体積の総和を算出する。次いで、制御部72は、アプリケーション90に予め設定されている冷蔵庫50の各室の容量に対する各室に格納されている食品の体積の総和の割合を算出する。この空き容量の割合は、食品の体積の総和そのものではなく、食材を格納したときの隙間率を考慮して算出するようにするとよい。
【0039】
次いで、S90において、制御部72は、食品管理情報と、S86で特定された食品の種類と、S88で算出された空き容量の割合と、を含む画像120(
図7参照)を、表示部78に表示させる。また、制御部72は、S86で特定済みの食品の種類を含む摂取推奨表示を、画像120内の「お知らせ」に表示させる。画像120では、「トマトの期限が迫っています」と表示されている。さらに、制御部72は、S88で算出済みの各室の空き容量の割合を、室毎に表示する。なお、画像120では、横にスクロールすることによって、食品管理テーブル92に登録されている全ての情報を確認することができる。変形例では、ユーザは、携帯端末70を操作することによって、画像120に含まれる情報を選択可能であってもよいし、表示される情報の順序を変更可能であってもよい。例えば、
図7において、「格納場所」よりも「期限」を左側に配置するように変更可能であってもよい。
【0040】
ユーザは、表示部78を操作することによって、食品管理情報を更新する更新操作を実行することができる。例えば、ユーザは、食品管理情報に含まれる推奨摂取情報、食品の体積を表す情報、格納場所を表す情報、所有者を表す情報等を、更新することができる。例えば、ユーザは、特定の食品について購入したものの、冷蔵庫50等に格納せずに、すぐに摂取した場合、特定の食品に関する情報を全て削除するための操作を実行することができる。また、例えば、ユーザは、冷蔵庫50の格納場所が実際の格納場所と異なる場合に、実際の格納場所を表す格納場所情報に更新することができる。S92において、制御部72は、ユーザによる更新操作を受け付けると、S94において、更新操作によって更新された情報を含む更新情報を、食品管理サーバ10に送信する。
【0041】
S32において、食品管理サーバ10の制御部12は、更新情報を受信すると、受信済みの更新情報を用いて、食品管理テーブル92を更新する。次いで、S34において、制御部12は、食品管理テーブル92を更新したことを表す更新通知を、S28と同様に、携帯端末70、80に送信して、登録処理を終了する。なお、ユーザは、携帯端末70以外の携帯端末80を用いて、登録処理を実行することができる。
【0042】
次いで、
図5に示す登録処理について説明する。本登録処理は、携帯端末70のユーザが、取得食品入力操作を実行すると開始される。ユーザは、携帯端末70のアプリケーション90を起動して、取得食品入力操作を実行することができる。具体的には、アプリケーション90が起動されて、ユーザによって、「食品登録」ボタンが操作されると、制御部72は、アプリケーション90に従って、表示部78に食品に関する情報をユーザが入力するか、レシートを読み取るか、をユーザに選択させる画像を表示させる。ユーザが食品に関する情報を入力することを選択すると、制御部72は、アプリケーション90に従って表示部78に、取得食品入力操作を実行させるための画像を表示させる。例えば、
図8に示すように、画像130において、食品管理情報が全て空欄である画像が表示される。
【0043】
ユーザは、表示部78を操作することによって、入力すべき情報に対応する空欄(例えば『食品の種類』)を選択し、食品の種類を入力し、さらに選択済みの食品の種類に関する情報を入力する取得食品入力操作を実行する。制御部72は、取得食品入力操作を受け付ける(S100)と、取得食品入力操作によって入力された情報(以下では「取得情報」と呼ぶ)を、食品管理サーバ10に送信する(S102)。
【0044】
食品管理サーバ10の制御部12は、取得情報が受信されると、S40において、取得情報を、食品管理テーブル92に登録する。次いで、S42において、制御部12は、取得情報が取得された日時を特定し、食品管理テーブル92の購入日時として登録する。次いで、S44において、制御部12は、S24と同様に、制御部12は、推奨摂取情報、及び、体積、格納場所を特定する。なお、制御部12は、取得情報に、推奨摂取情報、及び、体積、格納場所の少なくとも1個が含まれる場合に、当該情報を特定しない。次いで、S46では、制御部12は、S26と同様に、S44で特定済みの情報を、食品管理テーブル92に登録する。次いで、S48では、制御部12は、S28と同様に、登録通知を、携帯端末70、80に送信する。なお、変形例では、ユーザによって、価格等の情報が取得情報として入力されない場合、食品管理サーバ10の制御部12は、推定価格等の食品管理テーブル92に登録してもよい。この場合、記憶部14には、予め、食品の種類と推定価格等の情報とを組み合わせて記憶されていてもよい。
【0045】
携帯端末70、80のユーザは、携帯端末70、80のアプリケーションを起動させて、S84、S86、S87、S88、S90、S92、S94の処理と同様の処理を実行することによって、食品管理サーバ10に食品管理テーブル92を表示させ、更新させることができる。
【0046】
次いで、
図6に示す登録処理について説明する。本登録処理は、携帯端末70のユーザが、読取操作を実行すると開始される。ユーザは、携帯端末70のアプリケーション90を起動して、読取操作を実行することができる。アプリケーション90が起動され、ユーザによって、レシートを読み取ることが選択される(即ち読取操作が実行される)と(S110)、制御部72は、読取部79に、レシートを読み取らせる。ユーザは、読取部79に読み取り可能な位置に、レシートを配置する。制御部72は、アプリケーション90に従って読み取られたレシートから食品に関する情報を取得する(S112)。例えば、レシートにユーザによって購入された食品の種類、個数、価格、購入日付、購入場所等が印字されている場合、制御部72は、これらの文字列から、食品に関する情報を取得する。また、あるいは、レシートに、ユーザによって購入された食品に関する情報が2次元コード等によってコード化されている場合、制御部72は、これらのコードを解読することによって、食品に関する情報を取得する。
【0047】
次いで、S114では、制御部72は、表示部78に、S112で取得済みの情報を表示させる。具体的には、制御部72は、S112で取得済みの情報を用いて、
図7と同様の画像データを生成して、表示部78に表示させる。ユーザは、表示部78を操作することによって、表示部78に表示されている情報を修正する修正操作を実行することができる。例えば、S112において、購入日付が読み取られていない場合に、ユーザは、表示部78を操作することによって、購入日付を入力する修正操作を実行することができる。
【0048】
制御部72は、修正操作を受け付けると(S115)、S116において、S112で取得済みの情報を更新する。次いで、S118では、制御部72は、S116で更新済みの情報、S114で修正操作を受け付けない場合には、S112で取得済みの情報を、購入情報として、食品管理サーバ10に送信する。以下では、
図5の登録処理におけるS40以降の処理と同様の処理が実行される。
【0049】
この構成によれば、食品管理サーバ10において、冷蔵庫50にカメラを設置せずに、食品管理テーブル92を作成させることができる。また、ユーザが直接的に入力せずに、購入情報を用いて、食品管理テーブル92を登録することができる。これにより、取得される食品を、食品管理テーブル92を利用して管理することができる。さらに、ユーザは、携帯端末70、80を用いて、食品管理テーブル92を更新することができる。これにより、購入情報では情報が不十分な場合でも、ユーザによって食品管理テーブル92を適切に修正することができる。
【0050】
また、ユーザによって購入されていない食品が取得される場合に、ユーザによって食品管理テーブル92を更新することが許容される。これにより、購入情報によって取得することができない食品についても、食品管理テーブル92によって管理することができる。
【0051】
(表示処理)
次いで、
図9、
図10を参照して、食品管理システム2が実行する表示処理を説明する。
図9の表示処理では、携帯端末70、80に、摂取すべき食品である摂取推奨食品を表示させるための処理が実行される。表示処理では、食品管理サーバ10の制御部12は、冷蔵庫50から開閉情報が受信されることを監視している。冷蔵庫50は、冷蔵庫50の扉が開閉される毎に、冷蔵庫50から扉が開閉されたことを示す開閉情報を食品管理サーバ10に送信する。冷蔵庫50は、開閉情報と組み合わせて、予めユーザによって登録済みのユーザIDを、食品管理サーバ10に送信する。S50において、制御部12は、開閉情報が受信されると、開閉情報とユーザIDとの組み合わせを記憶部14に記憶させる。制御部12は、さらに、開閉情報が受信される時刻を表す時刻情報も、開閉情報に合わせて記憶部14に記憶させる。制御部12は、複数回に亘って開閉情報を取得して、記憶部14に記憶させる。
【0052】
次いで、S52において、制御部12は、複数個の開閉情報と時刻情報を用いて、摂取推奨食品の表示タイミングを特定する。具体的には、複数個の時刻情報によって、冷蔵庫50が開閉される頻度が高い時刻を、表示タイミングとして特定する。冷蔵庫50が開閉される頻度が高い状況は、冷蔵庫50に格納されている食品を取り出して使用している状況(例えば、料理中)である可能性が高い。即ち、S52では、制御部12は、食品を使用していると推定されるタイミングを、表示タイミングとして特定する。なお、このタイミングで表示される摂取推奨食品は、例えば、冷蔵庫に保管された食材のうち、摂取期限が近い食品を含む。冷蔵庫の開閉が多いタイミングは、料理するときの食材を取り出すタイミングである可能性があり、料理するタイミングで推奨することでユーザがその食材を使う可能性を高めることができる。
【0053】
次いで、S54において、制御部12は、表示タイミングに至るまで待機する。表示タイミングに至った場合(S54でYES)、S56において、制御部12は、食品管理テーブル92を用いて、摂取推奨期限が迫っている食品(例えば摂取推奨期限の1日前)を特定する。次いで、S58において、制御部12は、S56で特定済みの食品を表す摂取推奨食品情報を、携帯端末70、80に送信する。なお、制御部12は、S56によって食品が特定されない場合、摂取推奨食品情報を送信せずに、S54に戻る。携帯端末70、80では、摂取推奨食品情報が受信されると、摂取推奨食品情報によって表わされる食品を、摂取推奨期限が迫っている食品として表示する。
【0054】
この構成によれば、ユーザは、携帯端末70、80の表示を確認することによって、摂取すべき食品を認識することができる。これにより、食品が摂取されずに、廃棄されることを抑制することができる。
【0055】
次いで、
図10の表示処理を説明する。
図10の表示処理では、携帯端末70、80に、冷蔵庫50の空き容量を表示させるための処理が実行される。本表示処理では、まず、S60において、食品管理サーバ10の制御部12は、ユーザが食品を購入する購入タイミングを特定推定する。具体的には、食品管理テーブル92の購入日時情報を用いて、ユーザが最も食品を購入している時刻を表す購入タイミングを特定することが多い時間帯を購入タイミングとして推定する。次いで、S62では、制御部12は、S60で特定済みの購入タイミングに至るまで待機する。
【0056】
購入タイミングに至る場合(S62でYES)、S64において、制御部12は、冷蔵庫50の各室について、空き容量を算出する。具体的には、制御部12は、食品管理テーブルに含まれている食品の体積及び格納場所を表す情報から、冷蔵庫50の各室に格納されている食品の体積の総和を算出する。次いで、制御部12は、機種情報から特定される冷蔵庫50の各室の容量から、算出済みの食品の体積を減算することによって、推定空き容量を算出する。次いで、S66において、制御部12は、算出済みの推定空き容量を表す情報を、携帯端末70、80に送信して、S62に戻る。
【0057】
携帯端末70、80では、推定空き容量を表す情報が受信されると、推定空き容量を表す情報によって表わされる各室の空き容量を表示する。この構成によれば、ユーザは、食品を購入するタイミングで、冷蔵庫50の各室の空き容量を認識することができる。この結果、食品を購入しすぎて、冷蔵庫50に格納しきれない事態を回避することができる。
【0058】
上記の購入タイミングの推測の際、購入日時情報に代えて、あるいは併用して、食材管理情報が新たに登録されることが多い時間帯を示す情報や、冷蔵庫50の開閉履歴を示す情報に基づいて、購入タイミングを推定するようにしてもよい。また、購入タイミングは、曜日ごとに推定するようにしてもよい。例えば、毎週所定の曜日に所定の時間帯で、新たに食材が登録されて、冷蔵庫50の開閉が多いということであれば、それは購入してきた食材を新たに冷蔵庫50に入庫したと考えられるので、その少し前の時間帯がユーザが買い物をするタイミングと考えられる。買い物をするタイミングで冷蔵庫50の空き容量をユーザに報知することで、より有益な情報とすることができる。このような推定された買い物のタイミングでユーザに報知する情報としては、冷蔵庫50の空き容量を示す情報に限られず、例えば、ユーザがこれから買い物する可能性が高いタイミングで、食材管理情報の内容確認を促す通知をするようにしてもよい。上述した通り、食材管理情報は、ユーザの求めに応じていつでも表示可能な情報であるが、確認を促す通知をすることで、ユーザが現在の食材管理情報を確認し忘れて、まだ在庫があるにも関わらず食材を買い足してしまったといった事態を減らすことが可能となる。
【0059】
(削除処理)
次いで、
図11を参照して、食品管理システム2が実行する削除処理を説明する。食品管理システム2では、ユーザによって摂取、譲渡又は廃棄等によって、出庫された食品については、ユーザが、食品管理テーブル92から削除するための更新操作を実行する必要がある。しかしながら、ユーザが削除操作を忘れている場合等に、更新操作が実行されない事態が想定される。削除処理では、ユーザに食品管理テーブル92を見直す機会が付与され、食品管理テーブル92が実際の食品の在庫状況から逸脱することが抑制される。
【0060】
削除処理では、まず、S202において、食品管理サーバ10の制御部12は、削除通知タイミングに至るまで待機する。削除通知タイミングは、S62の購入タイミングを用いて、購入タイミングよりも前に設定される。なお、購入タイミングが未だ特定されていない場合、制御部12は、S202でNOと判断する。なお、変形例では、購入タイミングの後に、あるいは、購入タイミングとは無関係に設定されていてもよい。
【0061】
通知タイミングに至る場合(S202でYES)、S204において、制御部12は、削除提案通知を、携帯端末70、80に送信する。S120において、携帯端末70の制御部72は、削除提案通知を受信すると、表示部78に、ユーザに食品管理テーブル92のうちの摂取又は廃棄した食品を削除することを提案する画像を表示させる。S110の表示の後、ユーザによって、食品管理テーブル92に登録された食品管理情報を表示させるための所定の表示操作を、表示部78において受け付けると(S122)、S124において、食品管理情報要求を、食品管理サーバ10に送信する。
【0062】
食品管理サーバ10の制御部12は、食品管理情報要求が受信されると、S206において、食品管理テーブル92に登録されている全ての情報を含む食品管理情報を、食品管理情報要求の送信元の携帯端末70に送信する。
【0063】
S126において、携帯端末70の制御部72は、S90と同様に、画像データが受信されると、画像データによって画像、即ち、食品管理情報を表す画像120(
図7参照)を、表示部78に表示させる。ユーザは、表示部78を操作することによって、食品管理情報のうち、摂取又は廃棄した食品に関する情報を削除するための削除操作を実行することができる。具体的には、ユーザは、画像120の中で、摂取又は廃棄した食品の種類を選択する。制御部72は、ユーザによって、食品の種類が選択されると、「摂取」を表すボタンと、「廃棄」を表すボタンと、を表示部78に表示させる。次いで、ユーザは、表示部78に表示される「摂取」を表すボタンと「廃棄」を表すボタンのうち、一方を選択する。制御部72は、削除操作を受け付けると(S128)、S130において、削除操作によってユーザが選択した食品の種類と、「摂取」と「廃棄」のどちらか一方と、の組み合わせである削除情報を、食品管理サーバ10に送信する。
【0064】
食品管理サーバ10の制御部12は、携帯端末70から削除情報を受信すると、S208において、食品管理テーブル92を更新する。具体的には、削除情報に含まれる食品の種類に関連する情報を、食品管理テーブル92から削除する。次いで、S210において、制御部12は、削除情報に「廃棄」が含まれているか否かを判断する。「廃棄」が含まれていない場合(S210でNO)、S202に戻る。一方、「廃棄」が含まれている場合(S210でYES)、S212において、制御部12は、廃棄テーブル94を更新する。具体的には、制御部12は、廃棄テーブル94に、削除した食品の種類と個数と価格とを、登録して、S202に戻る。
【0065】
ユーザは、アプリケーション90に従って携帯端末70、80を操作することによって、廃棄テーブル94に登録されている情報を、携帯端末70、80に表示させることができる。これにより、ユーザは、自身が廃棄した食品の量や価格を知ることができる。
【0066】
削除処理について、一般的には、以下のように表現することができる。即ち、管理システム2は、登録済みの食品管理情報のうち、廃棄する食品の種類をユーザが選択することを許容する廃棄選択許容部を備え、管理システム2の登録部は、ユーザによって選択済みの廃棄する食品の種類を含む廃棄情報を登録する。廃棄情報は、廃棄する食品の種類、廃棄する食品の個数、廃棄する食品の量(例えば質量、体積)及び廃棄する食品の価格のうち、少なくとも1つを表す情報を含んでいてもよい。この構成によれば、ユーザは、廃棄情報を確認することによって、ユーザがどの種類の食品を摂取せずに廃棄しているかを認識することができる。
【0067】
管理システム2は、さらに、廃棄する食品の種類をユーザが選択することを促す通知(例えば表示部72への表示、発音等)を実行する通知部を備えていてもよい。管理システム2は、登録済みの食品管理情報のうち、廃棄以外(例えばユーザによる摂取、譲渡等)によって食品管理情報から削除すべき食品の種類をユーザが選択することを許容する削除選択許容部を備え、管理システム2の登録部は、削除選択許容部においてユーザによって選択済みの食品の種類を廃棄情報として登録しなくてもよい。
【0068】
(第2実施例)
第2実施例の食品管理システム2について説明する。本実施例の食品管理システム2では、食品管理テーブル92に替えて、
図12に示すように、在庫品管理テーブル292が、食品管理サーバ10に格納されている。食品管理システム2は、食品に限らず、ユーザによって取得された物品に関する購入情報や取得情報を取得して、在庫品管理テーブル292を更新する。食品管理システム2は、第1実施例と同様に、事前処理、登録処理、表示処理、削除処理を実行してもよい。なお、食品と食品以外の物品とで、管理テーブルを分けてもよい。
【0069】
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
【0070】
(変形例)
(1)上記の各実施例では、食品管理システム2は、食品管理サーバ10と、冷蔵庫50と、携帯端末70、80とを備える。しかしながら、食品管理システム2の構成は、これに限られない。例えば、食品管理システム2は、食品管理サーバ10と、携帯端末70、80と、を備えており、冷蔵庫50を備えていなくてもよい。この場合、食品管理システム2は、冷蔵庫50との通信を必要とする処理(例えば
図9の表示処理)を実行しないか、あるいは、食品管理システム2の外部と通信を実行することによって、実行されてもよい。
【0071】
あるいは、食品管理システム2は、食品管理サーバ10を備える一方、携帯端末70、80を備えていなくてもよい。この場合、携帯端末70、80との通信を必要とする処理は、食品管理システム2の外部と通信を実行することによって、実行されてもよい。あるいは、冷蔵庫50が、携帯端末70、80の機能を有していてもよい。例えば、冷蔵庫50が表示部及び操作部を備えており、食品管理サーバ10から食品管理情報を受信して、表示部に表示させてもよい。
【0072】
(2)食品管理システム2は、食品管理サーバ10を備えていなくてもよい。この場合、冷蔵庫50が、食品管理サーバ10の代わりに食品管理サーバ10の機能を有していてもよい。この場合、冷蔵庫50は、液晶ディスプレイ等を含む表示部を備えていてもよい。冷蔵庫50の制御部52は、
図3のS26において、食品管理テーブル92への登録が終了すると、S28~30の処理とともに、あるいは、これらの処理に替えて、冷蔵庫50の表示部に、食品管理情報を表す画像(例えば画像120)を表示させてもよい。本変形例では、制御部52が表示部に食品管理情報を表す画像を表示させる処理が、「出力部」が実行する処理の一例である。あるいは、複数の携帯端末70、80のうちの1個以上の携帯端末(例えば携帯端末70)が、食品管理サーバ10の代わりに食品管理サーバ10の機能を有していてもよい。この場合、携帯端末70の制御部72は、
図3のS28、S30に替えて、S86~S90の処理を実行してもよい。この場合、S90において、表示部72に画像120を表示させる処理が、「出力部」が実行する処理の一例である。
【0073】
この場合、
図13に示すように、2個以上の携帯端末70、80のそれぞれが、食品管理サーバ10の記憶部14と同様に、食品管理テーブル92を記憶していてもよい。1個の携帯端末(例えば携帯端末70)において、食品管理テーブル92に登録又は更新が実行される場合、他の携帯端末に情報を送信してもよい。他の携帯端末は、自身に記憶されている食品管理テーブルを情報に従って、更新してもよい。他の携帯端末の送信は、登録又は更新が実行されたタイミングで行ってもよいし、定期的に行ってもよい。
【0074】
(3)上記の実施例では、購入情報に含まれる全ての食品が、食品管理テーブル92に登録され、既に、食品管理テーブル92に登録されている食品と区別なく登録される。しかしながら、新規に登録される食品は、既に登録されている食品と区別して登録されていてもよい。この場合、携帯端末70、80に表示される画像120上でも、区別して表示されてもよい。
【0075】
この場合、ユーザが表示部78を操作することによって、食品管理テーブル92に登録されるべき食品を選択してもよい。携帯端末70の制御部72は、ユーザの選択結果を食品管理サーバ10に送信してもよい。食品管理サーバ10は、選択結果を用いて、選択されなかった食品に関する情報を、食品管理テーブル92から削除してもよい。言い換えると、食品管理システム2は、購入情報を用いて得られる購入済みの食品の種類を表す購入済み食品情報を出力する食品情報出力部と、出力済みの購入済み食品情報から食品管理情報に登録すべき食品の種類をユーザが選択することを許容する許容部と、を備えていてもよい。食品管理システム2の登録部は、選択済みの食品の種類について、購入情報を用いて、食品管理情報に登録してもよい。さらに、食品管理システム2の登録部は、購入済み食品情報に含まれる食品の種類のうち、ユーザに選択されなかった食品の種類について、食品管理情報に登録しなくてもよい。この構成によれば、ユーザが購入した食品の種類のうち、ユーザによって選択される食品の種類を、食品管理テーブル92に登録することができる。
【0076】
例えば、購入後、すぐに摂取する場合等、食品管理テーブル92に登録する必要がない食品に関して、食品管理テーブル92から削除することによって、適切に食品を管理することができる。さらに、ユーザからの選択が無い場合に、ユーザに食品管理テーブル92に登録されるべき食品を選択することを促す通知を、食品管理サーバ10が携帯端末70に送付してもよい。携帯端末70は、ユーザに選択を促す表示を表示部78に実行させてもよい。なお、表示のタイミングは、冷蔵庫50の扉の開閉タイミングであってもよいし、購入情報を受信してから所定期間経過後であってもよい。
【0077】
(4)食品が実際に冷蔵庫50に入庫されたか否かは、冷蔵庫50に設置されるカメラやタグ読取器等の検知装置によって検知してもよい。冷蔵庫50は、検知装置によって検知される食品の種類を、食品管理サーバ10に送信してもよい。食品管理サーバ10は、購入情報に含まれる食品の種類のうち、冷蔵庫50から取得される食品の種類を、食品管理テーブル92に登録してもよい。
【0078】
(5)食品管理システム2は、ユーザに対して、スーパーマーケット等の小売店のセール情報等の食品の購入に有用な情報を提供してもよい。食品管理サーバ10は、購入情報に含まれる購入場所に基づいて、ユーザの購入頻度が高い小売店等の外部サーバから、セール情報を取得してもよい。食品管理サーバ10は、取得したセール情報を、例えば削除提案通知の通知タイミングあるいは購入タイミングのタイミングで、携帯端末70に送信してもよい。携帯端末70は、受信したセール情報を表示部78に表示させてもよい。また、食品管理サーバ10は、削除提案通知に合わせて、削除すべき食品のセール情報が含まれている場合に、当該セール情報のみを携帯端末70に送信してもよい。
【0079】
(6)摂取推奨食品は、摂取している栄養の情報を取得できる場合は、足りない栄養素を補う食品であってもよい。また、摂取推奨食品の表示は、ユーザの操作に応じて常に閲覧可能であってもよい。この場合、制御部12は、冷蔵庫50の扉の開閉により料理開始前と推定される時間帯でその表示を携帯端末70にプッシュ通知させるための信号を携帯端末70に送信してもよい。
【0080】
本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
本明細書に開示の技術の態様を列挙する。
(態様1)
食品の在庫を管理する食品管理システムであって、
ユーザによって購入される食品に関する購入情報を前記食品管理システムの外部から取得する取得部と、
取得済みの前記購入情報を用いて、食品管理情報を登録する登録部と、
登録済みの前記食品管理情報を出力する出力部と、を備える、食品管理システム。
(態様2)
前記取得部は、前記購入される前記食品の種類と、前記食品に関連する関連情報と、を含む前記購入情報を取得し、
前記登録部は、前記種類と前記関連情報とが組み合わせられる前記食品管理情報を登録する、態様1に記載の食品管理システム。
(態様3)
前記取得部は、さらに、ユーザによって入力される更新情報であって、登録済みの前記食品管理情報を更新するための前記更新情報を、取得し、
前記登録部は、前記更新情報に基づいて、登録済みの前記食品管理情報を更新する、態様1又は2に記載の食品管理システム。
(態様4)
前記取得部は、さらに、前記ユーザによって購入以外で取得される食品に関する取得情報が前記ユーザによって入力される場合に、前記取得情報を取得し、
前記登録部は、さらに、取得済みの前記取得情報を用いて、前記食品管理情報を登録する、態様1から3のいずれか一項に記載の食品管理システム。
(態様5)
前記取得部は、さらに、前記食品の摂取の期限に関する期限情報を、前記食品管理システムの外部から取得し、
前記登録部は、さらに、前記期限情報を用いて得られる前記ユーザが前記食品を摂取すべき推奨期限に関する推奨摂取情報を登録する、態様1から4のいずれか一項に記載の食品管理システム。
(態様6)
前記登録部は、さらに、取得済みの前記購入情報が入力された時期を表す時期情報を用いて得られる前記ユーザが前記食品を摂取すべき推奨期限に関する推奨摂取情報を登録する、態様1から5のいずれか一項に記載の食品管理システム。
【符号の説明】
【0081】
2:食品管理システム
4:インターネット
10:食品管理サーバ
50:冷蔵庫
70、80:携帯端末
92:食品管理テーブル
94:廃棄テーブル
100、110:外部サーバ