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特許7457559保険管理装置、保険管理方法および保険管理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-19
(45)【発行日】2024-03-28
(54)【発明の名称】保険管理装置、保険管理方法および保険管理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 40/08 20120101AFI20240321BHJP
   G06Q 30/0226 20230101ALI20240321BHJP
【FI】
G06Q40/08
G06Q30/0226
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2020063334
(22)【出願日】2020-03-31
(65)【公開番号】P2021163132
(43)【公開日】2021-10-11
【審査請求日】2023-02-07
(73)【特許権者】
【識別番号】519045343
【氏名又は名称】Mysurance株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100087480
【弁理士】
【氏名又は名称】片山 修平
(74)【代理人】
【識別番号】100134511
【弁理士】
【氏名又は名称】八田 俊之
(72)【発明者】
【氏名】高橋 明生
(72)【発明者】
【氏名】竹中 陽子
(72)【発明者】
【氏名】近藤 栄之助
(72)【発明者】
【氏名】山崎 義信
【審査官】塩田 徳彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-341913(JP,A)
【文献】特開2006-053806(JP,A)
【文献】特開2005-165544(JP,A)
【文献】特開2004-220454(JP,A)
【文献】特開2006-085223(JP,A)
【文献】特開2002-133121(JP,A)
【文献】特開2002-259707(JP,A)
【文献】特開2002-373258(JP,A)
【文献】特開2003-022367(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
保険会社との間で保険購入ルール設定を行なった保険契約者が保険料を前記保険会社に支払う場合の決済を行なう決済部と、
前記決済部が前記保険購入ルール設定に基づく決済を行なうごとに、前記保険購入ルール設定で定められた保険料率と前記保険契約者が支払った保険料に応じた保険金額の保険ポリシーを、前記保険購入ルール設定に基づく保険として、前記保険購入ルール設定に関連付けて管理する管理部と、
前記保険契約者からの贈与依頼を受信した場合に、贈与対象の保険ポリシーについて、前記保険契約者が設定した保険購入ルール設定に対する関連付けを解除し、前記保険契約者以外の他の保険契約者が設定した保険購入ルール設定に関連付ける贈与処理部と、を備えることを特徴とする保険管理装置。
【請求項2】
前記保険料の支払いは、企業発行ポイントでの支払いであることを特徴とする請求項1に記載の保険管理装置。
【請求項3】
前記決済部が前記保険購入ルール設定に基づく決済を行なうタイミングを格納する格納部を備え、
前記決済部は、前記格納部に格納された前記タイミングで決済を行なうことを特徴とする請求項1または2に記載の保険管理装置。
【請求項4】
前記決済部は、前記保険契約者が任意のタイミングで保険料を支払う場合の決済を行なうことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の保険管理装置。
【請求項5】
前記保険契約者からの照会依頼を受信した場合に、前記保険購入ルール設定に関連付けられておりかつ保険期間が終了していない各保険ポリシーの保険金額の合計を前記保険契約者に対して送信する照会処理部を備えることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の保険管理装置。
【請求項6】
前記保険契約者からの保険金の請求を受信した場合に、前記保険購入ルール設定に関連付けられておりかつ保険期間が終了していない各保険ポリシーの保険金額の合計を出力する保険金処理部を備えることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の保険管理装置。
【請求項7】
前記保険購入ルール設定に関連付けられた保険ポリシーが所定条件を満たした場合に、前記保険契約者に前記保険ポリシーに関する提案情報を送信する提案処理部を備えることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の保険管理装置。
【請求項8】
前記保険契約者からの贈与依頼を受信した場合に、贈与対象の保険ポリシーを、前記保険契約者が設定した保険購入ルール設定に対する関連付けを解除し、前記保険契約者以外の他の保険契約者が設定した保険購入ルール設定に関連付ける贈与処理部を備えることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の保険管理装置。
【請求項9】
コンピュータが、
保険会社との間で保険購入ルール設定を行なった保険契約者が保険料を前記保険会社に支払う場合の決済を行なう決済処理と、
前記決済処理によって前記保険購入ルール設定に基づく決済を行なうごとに、前記保険購入ルール設定で定められた保険料率と前記保険契約者が支払った保険料に応じた保険金額の保険ポリシーを、前記保険購入ルール設定に基づく保険として、前記保険購入ルール設定に関連付けて管理する管理処理と、
前記保険契約者からの贈与依頼を受信した場合に、贈与対象の保険ポリシーについて、前記保険契約者が設定した保険購入ルール設定に対する関連付けを解除し、前記保険契約者以外の他の保険契約者が設定した保険購入ルール設定に関連付ける贈与処理と、を実行することを特徴とする保険管理方法。
【請求項10】
コンピュータに、
保険会社との間で保険購入ルール設定を行なった保険契約者が保険料を前記保険会社に支払う場合の決済を行なう決済処理と、
前記決済処理によって前記保険購入ルール設定に基づく決済を行なうごとに、前記保険購入ルール設定で定められた保険料率と前記保険契約者が支払った保険料に応じた保険金額の保険ポリシーを、前記保険購入ルール設定に基づく保険として、前記保険購入ルール設定に関連付けて管理する管理処理と、
前記保険契約者からの贈与依頼を受信した場合に、贈与対象の保険ポリシーについて、前記保険契約者が設定した保険購入ルール設定に対する関連付けを解除し、前記保険契約者以外の他の保険契約者が設定した保険購入ルール設定に関連付ける贈与処理と、を実行させることを特徴とする保険管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、保険管理装置、保険管理方法および保険管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
保険契約において、インターネットなどが活用されるようになってきている(例えば、特許文献1参照)。例えば、保険契約者が保険会社と契約する保険契約について、保険金額を増減させる場合、当該保険契約の契約内容を変更して保険金額を増減させている。契約内容の変更により保険金額の増減が不可である保険契約では、保険契約者が保険金額の増減を希望する場合、既存契約を終了させ、新たな契約を締結する中途更改を行なっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018-77792号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記の保険契約のように保険金額の変更に制約があると、保険契約者にとっては利便性が良くない。一方、保険契約者の利便性を向上させようとすると、保険の管理が煩雑となる。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、保険契約者の利便性を向上させつつ保険の管理を容易にすることができる保険管理装置、保険管理方法、および保険管理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る保険管理装置は、保険会社との間で保険購入ルール設定を行なった保険契約者が保険料を前記保険会社に支払う場合の決済を行なう決済部と、前記決済部が前記保険購入ルール設定に基づく決済を行なうごとに、前記保険購入ルール設定で定められた保険料率と前記保険契約者が支払った保険料に応じた保険金額の保険ポリシーを、前記保険購入ルール設定に基づく保険として、前記保険購入ルール設定に関連付けて管理する管理部と、を備えることを特徴とする。
【0007】
上記保険管理装置において、前記保険料の支払いは、企業発行ポイントでの支払いとしてもよい。
【0008】
上記保険管理装置において、前記決済部が前記保険購入ルール設定に基づく決済を行なうタイミングを格納する格納部を備え、前記決済部は、前記格納部に格納された前記タイミングで決済を行なってもよい。
【0009】
上記保険管理装置において、前記決済部は、前記保険契約者が任意のタイミングで保険料を支払う場合の決済を行なってもよい。
【0010】
上記保険管理装置において、前記保険契約者からの照会依頼を受信した場合に、前記保険購入ルール設定に関連付けられておりかつ保険期間が終了していない各保険ポリシーの保険金額の合計を前記保険契約者に対して送信する照会処理部を備えていてもよい。
【0011】
上記保険管理装置において、前記保険契約者からの保険金の請求を受信した場合に、前記保険購入ルール設定に関連付けられておりかつ保険期間が終了していない各保険ポリシーの保険金額の合計を出力する保険金処理部を備えていてもよい。
【0012】
上記保険管理装置において、前記保険購入ルール設定に関連付けられた保険ポリシーが所定条件を満たした場合に、前記保険契約者に前記保険ポリシーに関する提案情報を送信する提案処理部を備えていてもよい。
【0013】
上記保険管理装置において、前記保険料の支払いは、前記企業発行ポイントでの支払いであり、前記保険契約者が使用可能な前記企業発行ポイントが所定条件を満たした場合に、前記保険契約者に前記企業発行ポイントの使用に関する提案情報を送信する提案処理部を備えていてもよい。
【0014】
上記保険管理装置において、前記保険契約者からの贈与依頼を受信した場合に、贈与対象の保険ポリシーを、前記保険契約者が設定した保険購入ルール設定に対する関連付けを解除し、前記保険契約者以外の他の保険契約者が設定した保険購入ルール設定に関連付ける贈与処理部を備えていてもよい。
【0015】
本発明に係る保険管理方法は、コンピュータが、保険会社との間で保険購入ルール設定を行なった保険契約者が保険料を前記保険会社に支払う場合の決済を行なう決済処理と、前記決済部が前記保険購入ルール設定に基づく決済を行なうごとに、前記保険購入ルール設定で定められた保険料率と前記保険契約者が支払った保険料に応じた保険金額の保険ポリシーを、前記保険購入ルール設定に基づく保険として、前記保険購入購入ルール設定に関連付けて管理する管理処理と、を実行することを特徴とする。
【0016】
本発明に係る保険管理プログラムは、コンピュータに、保険会社との間で保険購入ルール設定を行なった保険契約者が保険料を前記保険会社に支払う場合の決済を行なう決済処理と、前記決済部が前記保険購入ルール設定に基づく決済を行なうごとに、前記保険購入ルール設定で定められた保険料率と前記保険契約者が支払った保険料に応じた保険金額の保険ポリシーを、前記保険購入ルール設定に基づく保険として、前記保険購入ルール設定に関連付けて管理する管理処理と、を実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、保険契約者の利便性を向上させつつ保険の管理を容易にすることができる保険管理装置、保険管理方法、および保険管理プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】(a)は保険ポリシーを例示する図であり、(b)は経過時間と保険金額との関係を例示する図である。
図2】(a)は保険管理システムの全体構成を例示するブロック図であり、(b)はアカウントデータベースに格納されるテーブルを例示する図である。
図3】(a)は保険管理装置が実行する保険管理処理の一例を表すフローチャートであり、(b)および(c)は契約データベースに格納されるテーブルを例示する図である。
図4】保険契約者による消費行動と、保険ポリシーの追加との関係を例示する図である。
図5】保険管理処理の一例を表すフローチャートである。
図6】契約照会処理の一例を表すフローチャートである。
図7】保険金請求処理の一例を表すフローチャートである。
図8】提案処理の一例を表すフローチャートである。
図9】贈与処理の一例を表すフローチャートである。
図10】(a)は保険管理装置のハードウェア構成を説明するためのブロック図であり、(b)はポイント管理装置のハードウェア構成を説明するためのブロック図であり、(c)は端末装置のハードウェア構成を説明するためのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照しつつ、実施形態について説明する。
【0020】
まず、本実施形態に係る保険管理装置、保険管理方法、および保険管理プログラムが実現する保険管理の概要について説明する。
【0021】
保険契約者が保険会社との間で保険購入ルール設定を行うことによって、保険購入ルール設定が成立する。保険購入ルール設定の内容には、保険契約者、被保険者、追加する保険ポリシーの種類、保険ポリシーの補償内容、保険期間の長さ、保険料と保険金額との関係(保険料率)などが含まれている。なお、保険購入ルール設定の内容としてはこれらの項目がすべて含まれている必要はなく、その一部が含まれていてもよいし、その他の項目が含まれていてもよい。保険契約者が保険料を保険会社へ支払う決済が行われると、保険料率と保険契約者が支払った保険料に応じて定まる保険金額の保険ポリシーが追加される。これにより保険ポリシーに定められた保険期間中、被保険者に保険事故が発生した場合、保険会社は被保険者に対して保険ポリシーに定められた保険金を支払う。保険期間の開始日と、保険料が支払われた日とは、必ずしも一致していなくてもよい。
【0022】
本実施形態においては、図1(a)で例示するように、保険購入ルール設定で定められた保険料率と保険契約者が支払った保険料に応じた保険金額の保険ポリシーが、保険購入ルール設定に基づく保険として、保険購入ルール設定に関連付けて管理される。最初に関連付けられる保険ポリシーを保険ポリシー1とする。以降、保険購入ルール設定に基づく決済が行なわれるごとに、保険ポリシー2、保険ポリシー3、保険ポリシー4、…が保険購入ルール設定に基づく保険として、保険購入ルール設定に関連付けて管理される。
【0023】
保険ポリシー1の保険期間開始日以降に、保険契約者によって、当該保険契約に関する保険料が保険会社に支払われると、保険ポリシー2が保険購入ルール設定に関連付けられる。保険ポリシー2の保険期間開始日は、保険ポリシー1の保険期間開始日以降となる。保険ポリシー1および保険ポリシー2の保険期間の長さは同じである。したがって、保険ポリシー2の保険開始日が保険ポリシー1の保険開始日よりも後の日にちとなる場合、保険ポリシー2の保険期間終了日は、保険ポリシー1の保険期間終了日よりも後の日にちとなる。
【0024】
保険契約者は、同様に、保険ポリシー3、保険ポリシー4などと保険ポリシーを追加することができる。保険ポリシーが追加されると、それに伴って保険金額が加算されていく。図1(b)は、経過時間と保険金額との関係を例示する図である。日数の経過とともに保険ポリシーが追加されると、図1(b)で例示するように、保険金額が段階的に増加していく。途中で保険ポリシーの追加が無くなると、最新の保険ポリシーが追加された時点の保険金額が、保険終期を迎えていない保険ポリシーの中で一番古い保険ポリシーの保険期間が終了するまで継続する。
【0025】
各保険ポリシーの補償内容は同じであるが、各保険ポリシーについて保険期間は互いに連動していない。具体的には、保険開始日および保険終了日は、他の保険ポリシーの保険開始日および保険終了日に対して独立している。例えば、保険終了日が異なる2つの保険ポリシーについて、一方の保険ポリシーの保険期間が終了しても、他方の保険ポリシーの保険期間は独立して継続する。
【0026】
保険ポリシー1の保険期間が終了すると、保険ポリシー1の分の保険金額が減少する。途中で保険ポリシーの追加が無い場合、以下、日数の経過とともに各保険ポリシーの保険期間が終了するため、日数の経過とともに保険金額が減少していく。全ての保険ポリシーの保険期間が終了すると、保険金額が0円となる。
【0027】
本実施形態に係る保険管理を実現することによって、保険購入ルール設定単位での保険金額の変更が容易となり、例えば少額での変更を頻繁に実施することが可能となる。したがって、保険契約者の利便性が向上する。一方、保険会社は、複数の保険ポリシーを、保険購入ルール設定単位でまとめて管理することができるようになる。したがって、保険の管理が容易となる。以上のことから、保険契約者の利便性を向上させつつ保険の管理を容易にすることができる。
【0028】
続いて、本実施形態に係る保険管理を実現するための装置構成および処理の具体例について説明する。図2(a)は、本実施形態に係る保険管理システム500の全体構成を例示するブロック図である。図2(a)の例では、一例として、保険契約者の消費行動によって保険契約者に付与される企業発行ポイント(以下、ポイントと称する)が保険料の支払いに用いられている。
【0029】
図2(a)で例示するように、保険管理システム500は、保険管理装置100、ポイント管理装置200、端末装置300などを備える。保険管理装置100とポイント管理装置200とは、無線または有線の通信回線で接続されている。保険管理装置100と端末装置300とは、無線または有線の通信回線で接続されている。一例として、通信回線として、インターネット400が用いられている。
【0030】
保険管理装置100は、初期設定部110、決済部120、管理部130、契約データベース140、照会処理部150、保険金処理部160、提案処理部170、贈与処理部180、送受信部190などを備える。ポイント管理装置200は、ポイント発行部210、アカウントデータベース220、送受信部230などを備える。
【0031】
保険契約者は、端末装置300から保険会社に、保険購入ルール設定に必要な情報を送信する。保険購入ルール設定に必要な情報が保険会社に送信されかつ保険会社が当該情報に対して承認すると、保険会社と保険契約者との間に、保険購入ルール設定が成立する。
【0032】
保険購入ルール設定の内容には、保険契約者、被保険者、追加する保険ポリシーの種類、保険ポリシーの補償内容、保険期間の長さ、保険料と保険金額との関係(保険料率)、ポイント管理装置200が保険管理装置100にポイントを送信するタイミング、一度のポイント送信時のポイント数(上限や、ポイント残高に対する比率)などが含まれる。
【0033】
保険契約者は、ポイント管理装置200を運用するポイント管理会社において、ポイント発行対象者として登録されているものとする。したがって、アカウントデータベース220は、図2(b)で例示するように、この保険契約者のID(以下、保険契約者ID)に関連付けて、ポイント残高などの情報を格納している。
【0034】
図3(a)は、保険管理装置100が実行する保険管理処理の一例を表すフローチャートである。図3(b)および図3(c)は、契約データベース140に格納されるテーブルを例示する図である。以下、図3(a)~図3(c)を参照しつつ、保険管理処理について説明する。
【0035】
送受信部190は、端末装置300から、保険購入ルール設定を受信する(ステップS1)。次に、初期設定部110は、送受信部190が受信した保険購入ルール設定に基づいて初期設定を行う(ステップS2)。例えば、初期設定部110は、保険契約者IDおよび保険購入ルール設定IDに関連付けて、保険料率を設定する。また、初期設定部110は、保険契約者IDおよび保険購入ルール設定IDに関連付けて、ポイント管理装置200からポイントを受信するタイミングを設定する。これらの情報は、図3(b)で例示するように、契約データベース140に格納される。保険契約者ID、保険購入ルール設定ID、設定された設定タイミングなどは、送受信部190からポイント管理装置200に送信される。
【0036】
ポイント管理装置200の送受信部230は、保険管理装置100から、保険契約者ID、設定タイミングなどを受信する。それにより、アカウントデータベース220は、図2(b)で例示するように、保険契約者IDに関連付けて、ポイントを送信するタイミングを格納する(ステップS11)。
【0037】
ポイント管理装置200から保険管理装置100がポイントを受信する設定タイミングは、所定の周期であってもよく、ポイントが所定量に達するごとであってもよく、ポイントが保険契約者に対して付与される各タイミングなどであってもよい。本実施形態においては、ポイント管理装置200から保険管理装置100にポイントが送信される設定タイミングは、一例として、ポイントが保険契約者に対して付与される各タイミングであるものとする。
【0038】
保険契約者は、店舗で品物を購入するために、もしくはサービスの提供を受けるために、代金を支払う。または、保険契約者は、インターネット上の店舗で品物を購入するために、もしくはサービスの提供を受けるために、代金を支払う。保険契約者はアカウントデータベース220に予め登録されているため、これらの消費行動によって、ポイント発行部210は、保険契約者に対してポイントを発行して加算する。送受信部230は、ポイント発行部210が当該保険契約者に対してポイントを発行するタイミングで、発行されたポイントを自動で保険管理装置100に送信する(ステップS12)その後、ステップS12が繰り返される。
【0039】
なお、ポイントは、ポイント管理会社から保険契約者に対して付与されるものである。付与されたポイント数に相当する金額が、ポイント管理装置200を運用するポイント管理会社から、保険管理装置100を運用する保険会社に対して支払われることになる。したがって、ポイント管理装置200から保険管理装置100にポイントが送信されることは、保険契約者から保険会社に保険料が支払われることと同義である。
【0040】
決済部120は、契約データベース140でIDが登録されている保険契約者について、送受信部190がポイント管理装置200からポイントを受信したか否かを判定する(ステップS3)。ステップS3で「No」と判定された場合、ステップS3が再度実行される、ステップS3で「Yes」と判定された場合、決済部120は、受信したポイントで決済を行なう(ステップS4)。
【0041】
その後、管理部130は、受信したポイント数に相当する金額を保険料として扱う。管理部130は、図3(c)で例示するように、保険購入ルール設定で定められた保険料率と当該保険料に応じた保険金額の保険ポリシーを保険契約者IDおよび保険購入ルール設定IDに関連付けて契約データベース140に格納する(ステップS5)。その後、ステップS3から再度実行される。なお、ステップS5の初回実行時には、保険ポリシー1が保険契約者IDおよび保険購入ルール設定IDに関連付けられる。
【0042】
保険ポリシー1の保険期間開始日以降に、ポイント管理装置200から保険管理装置100にポイントが送信されると、当該ポイント数に応じた保険金額の保険ポリシー2が保険契約者IDおよび保険購入ルール設定IDに関連付けられる。保険ポリシー2の保険期間開始日は、保険ポリシー1の保険期間開始日以降となる。保険ポリシー1および保険ポリシー2の保険期間は同じである。その後、ポイント管理装置200から保険管理装置100にポイントが送信されるごとに、保険ポリシー3、保険ポリシー4などと保険ポリシーが追加される。
【0043】
図4は、保険契約者による消費行動と、保険ポリシーの追加との関係を例示する図である。例えば、図4で例示するように、保険契約者は、スーパーマーケットなどの実店舗で買物をする。それにより、ポイント管理会社から保険契約者に対して、支払金額に応じたポイントが付与される。ポイントが付与されるタイミングで、当該ポイントが保険管理装置100に送信され、当該ポイントに応じた保険金額の保険ポリシーが追加される。また、保険契約者は、飲食店で食事などをする。それにより、ポイント管理会社から保険契約者に対して、支払金額に応じたポイントが付与される。ポイントが付与されるタイミングで、当該ポイントが保険管理装置100に送信され、当該ポイントに応じた保険金額の保険ポリシーが追加される。また、保険契約者は、EC(Electronic Commerce)で買物をする。それにより、ポイント管理会社から保険契約者に対して、支払金額に応じたポイントが付与される。ポイントが付与されるタイミングで、当該ポイントが保険管理装置100に送信され、当該ポイントに応じた保険金額の保険ポリシーが追加される。
【0044】
図3の例では、ポイント管理装置200から自動的にポイントが保険管理装置100に送信されたが、保険契約者が任意のタイミングでポイント残高を使用して保険ポリシーを追加してもよい。図5は、この場合の保険管理処理の一例を表すフローチャートである。
【0045】
保険契約者は、ポイント残高のうち保険に使用するポイント数を決定する。保険契約者は、端末装置300を操作して、保険契約者IDおよび保険購入ルール設定IDとともに、使用するポイント数を指定してポイント管理装置200に送信する(ステップS21)。送受信部230は、アカウントデータベース220を参照し、受信した保険契約者IDに対応するポイント残高のうち、指定されたポイント数に相当するポイントを保険管理装置100に送信する(ステップS22)。その後、図3のステップS3~ステップS5の処理によって、保険ポリシーが追加される。
【0046】
このように、保険契約者は、任意のタイミングでポイントを使用して保険料を支払うことができる。したがって、保険契約者の利便性が向上する。
【0047】
図6は、保険契約者が保険契約の照会を行う場合に端末装置300および保険管理装置100が実行する契約照会処理の一例を表すフローチャートである。図6で例示するように、保険契約者が端末装置300を操作して、保険契約者IDおよび保険購入ルール設定IDとともに、契約照会の依頼を保険管理装置100に送信する(ステップS31)。
【0048】
この場合、保険管理装置100の送受信部190は、契約照会の依頼を受信する(ステップS41)。送受信部190が契約照会の依頼を受信すると、照会処理部150は、契約データベース140を参照し、保険購入ルール設定IDに関連付けられている保険契約について、保険期間が継続されている全ての保険ポリシーの保険金額の合計を算出する(ステップS42)。
【0049】
次に、送受信部190は、少なくとも、ステップS42で算出された保険金額を端末装置300に送信する(ステップS43)。この場合、送受信部190は、保険期間が継続されている全ての保険ポリシーについての情報も端末装置300に送信してもよい。
【0050】
端末装置300は、保険管理装置100から受信した情報を表示する(ステップS32)。
【0051】
このような照会処理によって、保険契約者は、任意の時点での保険金額を照会することができるようになる。継続中の各保険ポリシーの保険金額を合計するだけで済むため、処理が簡略化される。
【0052】
図7は、保険契約者が保険金を請求する場合に端末装置300および保険管理装置100が実行する保険金請求処理の一例を表すフローチャートである。図7で例示するように、保険契約者が端末装置300を操作して、保険契約者IDおよび保険購入ルール設定IDとともに、保険金支払いの依頼を保険管理装置100に送信する(ステップS51)。
【0053】
保険管理装置100の送受信部190は、端末装置300から、保険金支払いの依頼を受信する(ステップS52)。保険金処理部160は、送受信部190が保険金支払いの依頼を受信すると、契約データベース140を参照して、保険購入ルール設定IDの継続中の全ての保険ポリシーの保険金額の合計を算出し、算出結果と当該全ての保険ポリシーに係る情報を出力する(ステップS53)。例えば、印刷装置によってプリントアウトされてもよく、保険会社の社員等のメールアドレスに送信されてもよい。
【0054】
その後、保険会社の社員等が、出力された情報を基に、必要書類の案内を当該保険契約者に送付する。保険契約者は、受け取った案内に基づいて、必要書類を保険会社に提出する。保険会社は、提出された必要書類について査定を行う。査定の結果、当該保険契約者が保険金支払い対象であれば、保険会社は当該保険契約者に対して保険金を支払う。査定の結果、当該保険契約者が保険金支払い対象でなければ、保険会社は当該保険契約者に対して無責通知を行う。
【0055】
このような保険金請求処理によって、保険契約者は、保険金を請求することができる。継続中の各保険ポリシーの保険金額を合計するだけで済むため、処理が簡略化される。
【0056】
図8は、保険管理装置100が保険契約者に保険契約に関する提案を行う場合に保険管理装置および端末装置300が実行する提案処理の一例を表すフローチャートである。図8で例示するように、提案処理部170は、契約データベース140およびアカウントデータベース220を参照する(ステップS61)。
【0057】
次に、提案処理部170は、保険契約者について、所定条件を満たすか否かを判定する(ステップS62)。ここでの所定条件とは、保険契約者に対して提案を行うか否かを判定するための条件である。例えば、一部の保険ポリシーの保険期間が終了となることによって、保険金額の合計が閾値を下回ったことが挙げられる。その他にも、保険契約者のポイント残高が閾値を超えたこと、所定期間内に複数回のポイント発行があったこと、などが挙げられる。
【0058】
ステップS62で「No」と判定された場合、ステップS61から再度実行される。この場合、所定期間が経過してからステップS61を再実行することによって、処理の負荷を低減することができる。ステップS62で「Yes」と判定された場合、提案処理部170は、端末装置300に対して、提案情報を送受信部190に送信させる(ステップS63)。この場合の提案情報とは、保険契約者の保険ポリシーに係る提案情報であって、例えば保険ポリシーの追加を案内するための情報である。
【0059】
端末装置300は、保険管理装置100から提案情報を受信する(ステップS64)。端末装置300は、受信した提案情報を表示する(ステップS65)。
【0060】
このような提案処理によって、保険契約者が気付いていない情報を保険契約者に通知することができる。予め定めておいた条件を満たすか否かを判定するだけで済むため、処理が簡略化される。
【0061】
図9は、保険契約者が他者に保険ポリシーを贈与する場合に端末装置300および保険管理装置100が実行する贈与処理の一例を表すフローチャートである。図9で例示するように、保険契約者が端末装置300を操作して、保険ポリシーの少なくとも一部の贈与依頼を保険管理装置100に送信する(ステップS71)。贈与依頼には、贈与対象の保険ポリシー、譲受人などが情報として含まれている。
【0062】
保険管理装置100の送受信部190は、端末装置300から、贈与依頼を受信する(ステップS72)。贈与処理部180は、送受信部190が贈与依頼を受信すると、契約データベース140に格納されている贈与対象の保険ポリシーを、譲受人のIDに関連付けることで譲受人の保険ポリシーとして追加する(ステップS73)。贈与処理部180は、譲受人が契約データベース140のIDとして登録されていなければ、譲受人に保険契約を提案する情報を譲受人の端末装置などに送信する。
【0063】
複数の独立した保険ポリシーが保険契約者単位でまとめて管理されているため、このような贈与処理によって、譲受人に保険ポリシーを容易に贈与することができる。
【0064】
図10(a)は、保険管理装置100のハードウェア構成を説明するためのブロック図である。図10(a)で例示するように、保険管理装置100は、CPU101、RAM102、記憶装置103、通信装置104などを備える。これらの各機器は、バスなどによって接続されている。CPU(Central Processing Unit)101は、中央演算処理装置である。RAM(Random Access Memory)102は、CPU101が実行するプログラム、CPU101が処理するデータなどを一時的に記憶する揮発性メモリである。記憶装置103は、不揮発性記憶装置である。記憶装置103として、例えば、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリなどのソリッド・ステート・ドライブ(SSD)、ハードディスクドライブに駆動されるハードディスクなどを用いることができる。記憶装置103に記憶されている保険管理プログラムをCPU101が実行することによって、保険管理装置100の各部の機能が実現される。なお、保険管理装置100の各部の機能は、それぞれ専用の回路等によって構成されていてもよい。通信装置104は、インターネット400に対するインタフェースである。
【0065】
図10(b)は、ポイント管理装置200のハードウェア構成を説明するためのブロック図である。図10(b)で例示するように、ポイント管理装置200は、CPU201、RAM202、記憶装置203、通信装置204などを備える。これらの各機器は、バスなどによって接続されている。CPU201は、中央演算処理装置である。RAM202は、CPU201が実行するプログラム、CPU201が処理するデータなどを一時的に記憶する揮発性メモリである。記憶装置203は、不揮発性記憶装置である。記憶装置203として、例えば、ROM、フラッシュメモリなどのソリッド・ステート・ドライブ、ハードディスクドライブに駆動されるハードディスクなどを用いることができる。記憶装置203に記憶されているプログラムをCPU201が実行することによって、ポイント管理装置200の各部の機能が実現される。なお、ポイント管理装置200の各部の機能は、それぞれ専用の回路等によって構成されていてもよい。通信装置204は、インターネット400に対するインタフェースである。
【0066】
図10(c)は、端末装置300のハードウェア構成を説明するためのブロック図である。図10(c)で例示するように、端末装置300は、CPU301、RAM302、記憶装置303、通信装置304、タッチパネル305などを備える。これらの各機器は、バスなどによって接続されている。CPU301は、中央演算処理装置である。RAM302は、CPU301が実行するプログラム、CPU301が処理するデータなどを一時的に記憶する揮発性メモリである。記憶装置303は、不揮発性記憶装置である。記憶装置303として、例えば、ROM、フラッシュメモリなどのソリッド・ステート・ドライブ、ハードディスクドライブに駆動されるハードディスクなどを用いることができる。通信装置304は、インターネット400に対するインタフェースである。
【0067】
なお、上記例では、保険料の支払いに企業発行ポイントを用いたが、現金やクレジットカードによる支払いのほか、保険料として決済可能な支払手段であれば用いることができる。すなわち、換金可能なものであれば保険料の支払いに用いることができる。例えば、企業発行ポイント以外の景品を保険料の支払いに用いることができる。または、商品券、プリペイドカード、電子マネーなどの前払い式証票を保険料の支払いに用いてもよい。これらのうち、複数のものを組み合わせて保険料の支払いに用いてもよい。
【0068】
ただし、保険契約者が企業発行ポイントの使い道に迷っている場合がある。このような場合には、企業発行ポイントを有効利用することができるようになる。例えば、使用期限付きの企業発行ポイントなどの場合には、使用期限内に有効利用することができるようになる。また、保険契約者の消費行動によって不定期に付与されるものであるため、不定期に使用することができる。
【0069】
上記例において、決済部120が、保険会社との間で保険購入ルール設定を行なった保険契約者が保険料を前記保険会社に支払う場合の決済を行なう決済部の一例として機能する。管理部130が、前記決済部が前記保険購入ルール設定に基づく決済を行なうごとに、前記保険購入ルール設定で定められた保険料率と前記保険契約者が支払った保険料に応じた保険金額の保険ポリシーを、前記保険購入ルール設定に基づく保険として、前記保険購入ルール設定に関連付けて管理する管理部の一例として機能する。契約データベース140が、前記決済部が前記保険購入ルール設定に基づく決済を行なうタイミングを格納する格納部の一例として機能する。照会処理部150が、前記保険契約者からの照会依頼を受信した場合に、前記保険購入ルール設定に関連付けられておりかつ保険期間が終了していない各保険ポリシーの保険金額の合計を前記保険契約者に対して送信する照会処理部の一例として機能する。保険金処理部160が、前記保険契約者からの保険金の請求を受信した場合に、前記保険購入ルール設定に関連付けられておりかつ保険期間が終了していない各保険ポリシーの保険金額の合計を出力する保険金処理部の一例として機能する。提案処理部170が、前記保険購入ルール設定に関連付けられた保険ポリシーが所定条件を満たした場合に、前記保険契約者に前記保険ポリシーに関する提案情報を送信する提案処理部の一例として機能する。提案処理部170は、前記保険契約者が使用可能な前記企業発行ポイントが所定条件を満たした場合に、前記保険契約者に前記企業発行ポイントの使用に関する提案情報を送信する提案処理部の一例として機能する。贈与処理部180が、前記保険契約者からの贈与依頼を受信した場合に、贈与対象の保険ポリシーを、前記保険契約者が設定した保険購入ルール設定に対する関連付けを解除し、前記保険契約者以外の他の保険契約者が設定した保険購入ルール設定に関連付ける贈与処理部の一例として機能する。
【0070】
以上、本発明の実施形態について詳述したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【符号の説明】
【0071】
100 保険管理装置
110 初期設定部
120 決済部
130 管理部
140 契約データベース
150 照会処理部
160 保険金処理部
170 提案処理部
180 贈与処理部
190 送受信部
200 ポイント管理装置
210 ポイント発行部
220 アカウントデータベース
230 送受信部
300 端末装置
400 インターネット
500 保険管理システム
図1
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