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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-19
(45)【発行日】2024-03-28
(54)【発明の名称】記録装置及びその搬送制御方法
(51)【国際特許分類】
   B41J 11/42 20060101AFI20240321BHJP
   B65H 23/14 20060101ALI20240321BHJP
   B65H 23/188 20060101ALI20240321BHJP
【FI】
B41J11/42
B65H23/14
B65H23/188
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2020085493
(22)【出願日】2020-05-14
(65)【公開番号】P2021178477
(43)【公開日】2021-11-18
【審査請求日】2023-04-03
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 智洋
(72)【発明者】
【氏名】若山 直樹
(72)【発明者】
【氏名】高橋 龍太朗
(72)【発明者】
【氏名】長島 匡和
(72)【発明者】
【氏名】野澤 秀幸
(72)【発明者】
【氏名】佐伯 和一郎
【審査官】大谷 謙仁
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-108560(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0153993(US,A1)
【文献】特開平05-221568(JP,A)
【文献】特開2012-088548(JP,A)
【文献】特開2004-181847(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 11/42
B65H 23/14
B65H 23/188
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
連続する記録媒体を搬送し、記録ヘッドにより該搬送された記録媒体に記録を行う記録装置であって、
前記記録媒体を給送する給送手段と、
前記給送手段により給送された前記記録媒体を第1のローラと、前記記録媒体の搬送方向に関し前記第1のローラより下流側に設けられた第2のローラとによりニップし、該ニップされた前記記録媒体を搬送する搬送手段と、
前記記録媒体の搬送方向に関し前記第1のローラより上流側に設けられ、前記記録媒体を切断する切断手段と、
前記記録媒体の搬送と前記切断手段の動作を制御する制御手段であって、
(1)前記搬送手段により搬送された前記記録媒体に対する前記記録ヘッドによる記録が開始され、印刷長の後端の近くに達するまでは前記第1のローラの指令速度を前記第2のローラの指令速度に対して小さくするよう制御し、
(2)前記記録ヘッドによる記録が印刷長の後端の近くに達すると、前記第1のローラの指令速度を前記第2のローラの指令速度より大きくして、
(3)その後に、前記記録媒体を切断する前記切断手段を制御する前記制御手段と、を有することを特徴とする記録装置。
【請求項2】
前記制御手段はさらに、
(1-1)前記搬送手段により搬送された前記記録媒体に対する前記記録ヘッドによる記録が開始され、印刷長の後端の近くに達するまでは前記第1のローラの指令速度に基づく前記第1のローラの回転方向と前記第2のローラの指令速度に基づく前記第2のローラの回転方向を逆方向にして前記記録媒体にテンションをかけるよう制御し、
(2-1)前記記録ヘッドによる記録が印刷長の後端の近くに達すると、前記第1のローラの回転トルクを減少させることにより前記テンションを減少させるよう制御し、
(2-2)前記テンションがゼロになった時点で前記第1のローラと前記第2のローラの回転の方向を同じ方向にし、前記第1のローラと前記第2のローラとの間の前記記録媒体の搬送路に前記記録媒体のループを形成し、
(3-1)前記ループが形成された前記記録媒体を切断する前記切断手段を制御することを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
【請求項3】
前記第1のローラを回転させるモータは、PWM制御されるDCモータであり、
前記制御手段は、前記PWM制御のためのデューティ比を変化させることにより、前記第1のローラの回転トルクを変化させることを特徴とする請求項2に記載の記録装置。
【請求項4】
前記第1のローラの回転トルクの減少は線形的であることを特徴とする請求項3に記載の記録装置。
【請求項5】
前記第1のローラの回転トルクの減少は階段状であることを特徴とする請求項3に記載の記録装置。
【請求項6】
前記制御手段は、前記記録ヘッドによる記録が開始され、印刷長の後端の近くに達するまでは、前記記録媒体に対して一定のテンションをかけることを特徴とする請求項2乃至5のいずれか1項に記載の記録装置。
【請求項7】
前記制御手段は、前記記録ヘッドによる記録が開始され、印刷長の後端の近くに達するまでの期間と、前記ループが形成される期間とにおいて、前記モータの駆動パルスを変化させるよう制御することを特徴とする請求項3に記載の記録装置。
【請求項8】
前記制御手段は、前記テンションを減少させる制御を、前記記録媒体の種類に従って変化させることを特徴とする請求項2乃至7のいずれか1項に記載の記録装置。
【請求項9】
前記記録媒体はロール紙であることを特徴とする請求項2乃至8のいずれか1項に記載の記録装置。
【請求項10】
前記記録ヘッドは前記記録媒体の幅に相当する記録幅をもつフルライン記録ヘッドであることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の記録装置。
【請求項11】
前記記録装置は、前記記録ヘッドを搭載して往復走査するキャリッジをさらに有したシリアルタイプの記録装置であり、前記キャリッジに搭載した前記記録ヘッドによりマルチパス記録を行うことが可能であり、
前記制御手段は、前記テンションを減少させる制御を、前記マルチパス記録におけるパスの数に従って変化させることを特徴とする請求項2乃至9のいずれか1項に記載の記録装置。
【請求項12】
連続する記録媒体を搬送し、記録ヘッドにより該搬送された記録媒体に記録を行う記録装置における搬送制御方法であって、
前記記録媒体を給送する給送工程と、
前記給送工程において給送された前記記録媒体を第1のローラと、前記記録媒体の搬送方向に関し前記第1のローラより下流側に設けられた第2のローラとによりニップし、該ニップされた前記記録媒体を搬送する搬送工程と、
前記記録媒体の搬送方向に関し前記第1のローラより上流側に設けられたカッタにより前記記録媒体を切断する切断工程と、
前記記録媒体の搬送と前記カッタの動作を制御する制御工程とを有し、
前記制御工程は、
(1)前記搬送工程において搬送された前記記録媒体に対する前記記録ヘッドによる記録が開始され、印刷長の後端の近くに達するまでは前記第1のローラの指令速度を前記第2のローラの指令速度に対して小さくするよう制御し、
(2)前記記録ヘッドによる記録が印刷長の後端の近くに達すると、前記第1のローラの指令速度を前記第2のローラの指令速度より大きくして、
(3)その後に、前記記録媒体を切断するために前記カッタを制御することを特徴とする搬送制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は記録装置及びその搬送制御方法に関する。本発明は、特に、例えば、インクジェットフルライン記録ヘッドを備えた記録装置及びその装置における搬送制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、記録媒体としてロール紙を用い、記録が終了すると記録済の部分をカッタにより切断し、装置外に排出する構成の記録装置がある。このような記録装置では、次の記録動作を停止させないため、ロール紙の切断前にロール紙の搬送経路上にロール紙のループ(弛み)を形成し、その切断時にはループより下流側の搬送を停止させ、ループが消費される時間を利用してロール紙を切断している。
【0003】
更に正確なロール紙搬送を実現するため、例えば、引用文献1では次のような制御構成を備えている。即ち、搬送ローラを駆動するための搬送モータに印加する回転パルス数を補正する手段と、ループ量を制御する手段を備え、印刷ジョブにより指定された用紙長さが規定以上であればループ量を減らし、用紙長さが規定未満であればループ量を減らさず制御する。このような制御により、ループ量を減らしている間はロール紙にテンションが働き、搬送ローラでの斜行や蛇行が抑制される。
【0004】
また、指定された用紙長さが規定値以上かどうか(ループ量減らし制御の有無)によって、搬送ローラを駆動する搬送モータの回転パルス補正値を切り替える。これにより、ループ量の大小による用紙にかかるテンションの違いに起因するパルス数と実際の用紙搬送量との搬送ズレを補正する。そして、ループ量を減らした場合は、印刷中のページ終了までの残り長さが規定量以下になったらループ量を増やし、十分なループを形成してからロール紙を切断する。
【0005】
この構成では、印刷ジョブ中で一律の搬送モータの回転パルス補正値を用いるため、一つの印刷ジョブ全体でのロール紙搬送を高精度に実現できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2009-220498号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら上記従来例では、ループ量を減らす制御をした場合、ループ量を途中で変化させた時点でロール紙にかかるテンションが急激に変化するため、ループ量変化の前後でロール紙の搬送量が急激に変わってしまう。このような急激な搬送量の変化は、記録画像ムラを生じさせ、画像品位を低下させてしまうという問題がある。
【0008】
本発明は上記従来例に鑑みてなされたもので、高精度な記録媒体の搬送を実現し高品位な画像記録が可能な記録装置及びその搬送制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために本発明の記録装置は、次のような構成からなる。
【0010】
即ち、連続する記録媒体を搬送し、記録ヘッドにより該搬送された記録媒体に記録を行う記録装置であって、前記記録媒体を給送する給送手段と、前記給送手段により給送された前記記録媒体を第1のローラと、前記記録媒体の搬送方向に関し前記第1のローラより下流側に設けられた第2のローラとによりニップし、該ニップされた前記記録媒体を搬送する搬送手段と、前記記録媒体の搬送方向に関し前記第1のローラより上流側に設けられ、前記記録媒体を切断する切断手段と、前記記録媒体の搬送と前記切断手段の動作を制御する制御手段であって、(1)前記搬送手段により搬送された前記記録媒体に対する前記記録ヘッドによる記録が開始され、印刷長の後端の近くに達するまでは前記第1のローラの指令速度を前記第2のローラの指令速度に対して小さくするよう制御し、(2)前記記録ヘッドによる記録が印刷長の後端の近くに達すると、前記第1のローラの指令速度を前記第2のローラの指令速度より大きくして、(3)その後に、前記記録媒体を切断する前記切断手段を制御する前記制御手段と、を有することを特徴とする。
【0011】
また本発明を別の側面から見れば、連続する記録媒体を搬送し、記録ヘッドにより該搬送された記録媒体に記録を行う記録装置における搬送制御方法であって、前記記録媒体を給送する給送工程と、前記給送工程において給送された前記記録媒体を第1のローラと、前記記録媒体の搬送方向に関し前記第1のローラより下流側に設けられた第2のローラとによりニップし、該ニップされた前記記録媒体を搬送する搬送工程と、前記記録媒体の搬送方向に関し前記第1のローラより上流側に設けられたカッタにより前記記録媒体を切断する切断工程と、前記記録媒体の搬送と前記カッタの動作を制御する制御工程とを有し、前記制御工程は、(1)前記搬送工程において搬送された前記記録媒体に対する前記記録ヘッドによる記録が開始され、印刷長の後端の近くに達するまでは前記第1のローラの指令速度を前記第2のローラの指令速度に対して小さくするよう制御し、(2)前記記録ヘッドによる記録が印刷長の後端の近くに達すると、前記第1のローラの指令速度を前記第2のローラの指令速度より大きくして、(3)その後に、前記記録媒体を切断するために前記カッタを制御することを特徴とする搬送制御方法を備える。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、高精度な記録媒体の搬送を実現し高品位な画像記録を行うことができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の代表的な実施例であるインクジェット記録装置の概略構成を示す外観斜視図である。
図2】記録ヘッドの概略構成を示す斜視図である。
図3図1に示した記録装置の制御構成を示すブロック図である。
図4図1に示した記録装置の側断面の概要であり、ロール紙の搬送構成を模式的に示した図である。
図5】ロール紙のループ形成を行う構成要素を示す拡大図である。
図6】搬送ローラとLFローラとの間でロール紙に付与されるテンション(N)とロール紙の印刷済長さ(Y)との関係を示す図である。
図7】テンション減少制御とループ形成制御を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下添付図面を参照して本発明の好適な実施形態について、さらに具体的かつ詳細に説明する。なお、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。実施形態には、複数の特徴が記載されているが、これらの複数の特徴の全てが発明に必須のものとは限らず、また、複数の特徴は任意に組み合わせられても良い。さらに添付図面においては、同一若しくは同様の構成に同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。
【0015】
なお、この明細書において、「記録」(「プリント」という場合もある)とは、文字、図形等有意の情報を形成する場合のみならず、有意無意を問わない。また人間が視覚で知覚し得るように顕在化したものであるか否かを問わず、広く記録媒体上に画像、模様、パターン等を形成する、または媒体の加工を行う場合も表すものとする。
【0016】
また、「記録媒体」とは、一般的な記録装置で用いられる紙のみならず、広く、布、プラスチック・フィルム、金属板、ガラス、セラミックス、木材、皮革等、インクを受容可能なものも表すものとする。
【0017】
さらに、「インク」(「液体」と言う場合もある)とは、上記「記録(プリント)」の定義と同様広く解釈されるべきものである。従って、記録媒体上に付与されることによって、画像、模様、パターン等の形成または記録媒体の加工、或いはインクの処理(例えば記録媒体に付与されるインク中の色剤の凝固または不溶化)に供され得る液体を表すものとする。
【0018】
またさらに、「ノズル」とは、特にことわらない限り吐出口ないしこれに連通する液路およびインク吐出に利用されるエネルギーを発生する素子を総括して言うものとする。
【0019】
以下に用いる記録ヘッド用基板(ヘッド基板)とは、シリコン半導体からなる単なる基体を指し示すものではなく、各素子や配線等が設けられた構成を差し示すものである。
【0020】
さらに、基板上とは、単に素子基板の上を指し示すだけでなく、素子基板の表面、表面近傍の素子基板内部側をも示すものである。また、本発明でいう「作り込み(built-in)」とは、別体の各素子を単に基体表面上に別体として配置することを指し示している言葉ではなく、各素子を半導体回路の製造工程等によって素子板上に一体的に形成、製造することを示すものである。
【0021】
<記録装置の概要(図1)>
図1は本発明の代表的な実施例であるインクジェット記録装置(以下、記録装置)の概観斜視図である。
【0022】
図1に示すように、記録装置1は印刷に関する各種設定を行ったり、装置の状態を表示するための操作パネル100が配置されている。また、記録装置1はスタンド101により支えられ、その記録部は通常、開閉可能なカバー16によりカバーされている。さらに、記録装置1はインクタンクを交換する際に操作するインクタンクカバーを有する。記録装置1には後述するように記録媒体の幅方向に相当する記録幅をもち、その記録媒体にインク液滴を吐出して画像を記録するフルライン記録ヘッド(以下、記録ヘッド)が備えられている。
【0023】
その記録ヘッドは、同じ構成をもつ、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロ(Y)の4色の記録ヘッドで構成されている。このため、インクタンクカバーの下部には、ブラック、シアン、マゼンタ、イエロのインクをそれぞれ収容した4つのインクタンクが収容される。これらのインクタンクは互いに独立に交換可能である。
【0024】
記録装置1には記録ヘッドの記録幅に対応して、例えば、10インチ~60インチの幅をもつロール状のシートのような記録媒体を装填し、その記録媒体を記録ヘッドによる記録領域に搬送して記録を行うことができる。
【0025】
なお、図1に示すように、ロール状の連続シートのような記録媒体は2段に格納可能(上段のロール紙取付部4a、下段のロール紙取付部4b)であり、装着されたいずれのロール状のシートに対しても記録が可能である。なお、図1には下段のロール紙取付部4bにロール紙Rが取り付けられている様子が示されている。
【0026】
次に、記録ヘッドの構造についてさらに詳しく説明する。
【0027】
<記録ヘッドの構成説明(図2)>
図2は記録ヘッド3の概略構成を示す斜視図である。記録ヘッド3はC/M/Y/Kの4色のインクを吐出可能な素子基板10が直線上に15個配列(インラインに配置)されたライン型の記録ヘッドである。なお、このような構成の他に、1つの記録ヘッド3が1色のインクを吐出する構成のものを4つ、記録媒体の搬送方向に配置してC/M/Y/Kの4色のインクを吐出するように構成しても良い。
【0028】
図2に示すように、記録ヘッド3には各素子基板10と、フレキシブル配線基板93および電気配線基板90を介して電気的に接続された信号入力端子91と電力供給端子92を備える。信号入力端子91及び電力供給端子92は記録装置1の制御部と電気的に接続され、それぞれ、吐出駆動信号及び吐出に必要な電力を素子基板10に供給する。電気配線基板90内の電気回路によって配線を集約することで、信号出力端子91及び電力供給端子92の数を素子基板10の数に比べて少なくできる。これにより、記録装置1に対して記録ヘッド3を装着する時又は記録ヘッドの交換時に取り外しが必要な電気接続部数が少なくて済む。
【0029】
素子基板10上には各々の吐出口に対応して不図示の電気熱変換素子(ヒータ)が形成されており、電気熱変換素子は通電加熱してインクを発泡させ、その発泡エネルギーでインクを吐出口から吐出させる。
【0030】
<制御構成の説明(図3)>
図3は記録装置1の制御回路の構成を示すブロック図である。
【0031】
図3に示すように、記録装置1は、主に記録部を統括するプリントエンジンユニット417と、スキャナ部を統括するスキャナエンジンユニット411と、記録装置1の全体を統括するコントローラユニット410によって構成されている。MPUや不揮発性メモリ(EEPROMなど)を内蔵したプリントコントローラ419は、コントローラユニット410のメインコントローラ401の指示に従ってプリントエンジンユニット417の各種機構を制御する。スキャナエンジンユニット411の各種機構は、コントローラユニット410のメインコントローラ401によって制御される。
【0032】
以下、制御構成の詳細について説明する。
【0033】
コントローラユニット410において、CPUにより構成されるメインコントローラ401は、ROM407に格納されているプログラムや各種パラメータに従って、RAM406を作業領域としながら記録装置1の全体を制御する。例えば、ホストI/F402またはワイヤレスI/F403を介してホスト装置400から印刷ジョブが入力されると、メインコントローラ401の指示に従って、画像処理部408は受信した画像データに対して所定の画像処理を施す。そして、メインコントローラ401はプリントエンジンI/F405を介して、画像処理を施した画像データをプリントエンジンユニット417へ送信する。
【0034】
なお、記録装置1は無線通信や有線通信を介してホスト装置400から画像データを取得しても良いし、記録装置1に接続された外部記憶装置(USBメモリ等)から画像データを取得しても良い。無線通信や有線通信に利用される通信方式は限定されない。例えば、無線通信に利用される通信方式として、Wi-Fi(Wireless Fidelity)(登録商標)やBluetooth(登録商標)が適用可能である。また、有線通信に利用される通信方式としては、USB(Universal Serial Bus)等が適用可能である。また、例えば、ホスト装置400から読取命令が入力されると、メインコントローラ401は、スキャナエンジンI/F409を介してこの命令をスキャナエンジンユニット411に送信する。
【0035】
操作パネル404は、ユーザが記録装置1に対して入出力を行うためのユニットである。ユーザは、操作パネル404を介してコピーやスキャン等の動作を指示したり、記録モードを設定したり、記録装置1の情報を認識したりすることができる。
【0036】
プリントエンジンユニット417では、CPUにより構成されるプリントコントローラ419がROM420に記憶されているプログラムや各種パラメータに従って、RAM421を作業領域として、プリントエンジンユニット417の各種機構を制御する。
【0037】
コントローラI/F418を介して各種コマンドや画像データが受信されると、プリントコントローラ419は、これを一旦RAM421に保存する。記録ヘッド3が記録動作に利用できるように、プリントコントローラ419は画像処理コントローラ422に、保存した画像データは記録データへ変換される。記録データが生成されると、プリントコントローラ419は、ヘッドI/F427を介して記録ヘッド3に記録データに基づく記録動作を実行させる。この際、プリントコントローラ419は、搬送制御部426を介して搬送ローラ81、82を駆動して、記録媒体2を搬送する。プリントコントローラ419の指示に従って、記録媒体2の搬送動作に連動して記録ヘッド3による記録動作が実行され、記録処理が行われる。
【0038】
ヘッドキャリッジ制御部425は、記録装置1のメンテナンス状態や記録状態といった動作状態に応じて記録ヘッド3の向きや位置を変更する。インク供給制御部424は、記録ヘッド3へ供給されるインクの圧力が適切な範囲に収まるように、液体供給ユニット220を制御する。メンテナンス制御部423は、記録ヘッド3に対するメンテナンス動作を行う際に、メンテナンスユニット(不図示)におけるキャップユニットやワイピングユニットの動作を制御する。
【0039】
スキャナエンジンユニット411においては、メインコントローラ401が、ROM407に記憶されているプログラムや各種パラメータに従って、RAM406を作業領域としながら、スキャナコントローラ415のハードウェア資源を制御する。これにより、スキャナエンジンユニット411が備える各種機構は制御される。例えば、コントローラI/F414を介してメインコントローラ401がスキャナコントローラ415内のハードウェア資源を制御して、ユーザによってADF(不図示)に積載された原稿を搬送制御部413を介して搬送し、センサ416によって読取る。そして、スキャナコントローラ415は読取った画像データをRAM412に保存する。
【0040】
なお、プリントコントローラ419は、上述のように取得された画像データを記録データに変換することで、記録ヘッド3にスキャナコントローラ415で読取った画像データに基づく記録動作を実行させることが可能である。
【0041】
<ロール紙の搬送構成の説明(図4)>
図4図1に示した記録装置1の側断面図であり、ロール紙の搬送構成を模式的に示している。図4には、ロール紙取付部4aにはロール紙R1が、ロール紙取付部4bにはロール紙R2が装填されている様子が示されている。図4において、ユーザがロール紙取付部4aにおいて、破線の部分にロール紙R1を装填すると、網掛された部分にロール紙R1が回転移動して記録装置に固定され取り付けられる。同様に、ユーザがロール紙取付部4bにおいて、破線の部分にロール紙R2を装填すると、網掛された部分にロール紙R2が回転移動して記録装置に固定され取り付けられる。
【0042】
例えば、ロール紙R1に画像を記録するに当たり、ロール紙取付部4aの回転軸に取り付けられた給送モータ(不図示)を駆動すると、ロール紙R1の先端が送り出され、その先端が給紙センサ21により検知されると、給送ローラ対23によりニップされる。そして、給送ローラ対23の回転によりロール紙R1の先端がさらに搬送され、カッタ25によりロール紙R1の先端部がカットされ、その形状がトリミングされる。
【0043】
同様に、ロール紙R2に画像を記録する場合には、ロール紙取付部4bの回転軸に取り付けられた給送モータ(不図示)を駆動すると、ロール紙R2の先端が送り出され、その先端が給紙センサ22により検知されると、給送ローラ対24によりニップされる。そして、給送ローラ対24の回転によりロール紙R2の先端がさらに搬送され、カッタ26によりロール紙R2の先端部がカットされ、その形状がトリミングされる。
【0044】
カッタ25、26のいずれかにより先端がトリミングされたロール紙はさらに矢印の方向に送り出され、その先端が先端検知センサ27により検知されると、搬送ローラが駆動されて回転を始める。そして、搬送ローラ28によりその先端がニップされたロール紙はさらに搬送されてLFローラ29に達する。ロール紙の先端がLFローラ29にニップされると、ロール紙の搬送はLFローラ29と搬送ローラ28とにより行われ、搬送ベルト41の上をロール紙は搬送される。なお、先端検知センサ27の近傍には固定ガイド30が設けられており、これによりロール紙の円滑な搬送をサポートしている。
【0045】
この時、LFローラ29の回転速度(V0)と搬送ローラ28の回転速度(V)とをわずかに異ならせ、V0よりVがわずかに大きくなるように制御すると、ロール紙に図4に破線で示すようにループ31が形成される。ループ31の形成に伴って、一端が固定され、その固定された箇所を回転軸として回転自在になっているフラッパー32が回転してロール紙のループ形成の妨げにならないような構成になっている。なお、LFローラ29の回転速度(V0)と搬送ローラ28の回転速度(V)はそれぞれのローラを駆動するモータに対して搬送制御部429が指令を与えることにより制御される。このため、各ローラはその指令により回転するので、それぞれの回転速度は指令速度ということもできる。
【0046】
このような状態でロール紙はさらに搬送され、記録ヘッド3の下部とプラテン40との間の記録位置に達する。
【0047】
図4に示されるように、プラテン40はロール紙の搬送方向に関し、記録ヘッド3の上流側と下流側との間でロール紙を搬送する搬送ベルト41の下部に設けられおり、プラテン40はダクト42を介して吸引ファン43に接続されている。このような構成により、吸引ファン43を動作させてダクト42の内部の空気を吸引して負圧を発生させることでプラテン40に設けられた孔を通してロール紙を搬送ベルト41に密着させ、ロール紙が搬送中に浮き上がることを防止している。
【0048】
また、ロール紙の搬送方向に関し、記録ヘッド3の上流側には回復ユニット51が、その下流側にはキャップ52と乾燥ユニット53とが設けられている。図4に示すように、回復ユニット51はロール紙の搬送方向に移動可能であり、キャップ52は回転軸52aの周りに回転可能な構成となっている。さらに、記録ヘッド3は上述のように記録媒体であるロール紙の幅に相当する記録幅をもち、記録中は固定されるが、記録動作以外の場合は図4に矢印で示すように上下方向に移動可能な構成となっている。
【0049】
このような構成により、例えば、記録ヘッド3の吐出状態を回復させる場合、記録ヘッド3は上方に移動し、これにより作られた空間に回復ユニット51を移動させる。その後、回復ユニット51は記録ヘッド3のインク吐出面をワイピングしたり、その吐出口を吸引したり、記録ヘッド3を予備吐出させるなどして回復動作を実行する。なお、これらの動作は周知技術なのでその説明は省略する。
【0050】
一方、記録動作も回復動作も行わない場合、記録ヘッド3のインク吐出面の乾燥防止のため、記録ヘッド3は上方に移動させ、これにより作られた空間にキャップ52を回転させる。その後、記録ヘッド3を下方に移動させキャップ52により記録ヘッド3をキャップする。
【0051】
また、乾燥ユニット53を動作させてロール紙の表面を加熱して、記録ヘッド3によるインク吐出により記録の終了したロール紙を乾燥させる。これにより、記録後、濡れた状態のロール紙がさらに搬送され、装置内部(特に、ロール紙の搬送経路)がインクにより汚染されるのを防止する。さらに、記録ヘッド3の上部には、ファン54とダクト55とが設けられ、ファン54を動作させることで外部の空気をダクト55を介して矢印の方向に吹き出し、その空気により記録後のロール紙の乾燥を促進させる。
【0052】
さて、操作パネル100からのユーザ指示、または、ホスト装置400からの指示のいずれかにより、ロール紙の搬送方向の記録長(L)が定められる。そして、カッタ25、26のいずれかにより先端がトリミングされたロール紙が、その先端から記録長(L)だけ搬送されたことが確認されると、カッタ25、26のいずれかにより、その後端がカットされる。
【0053】
記録ヘッド3により、記録がなされ、後端がカットされたロール紙(この時点以降はカット紙という)は背面バスケット60又は前面スタッカ61に排紙される。排紙場所の選択は、操作パネル100からのユーザ指示、または、ホスト装置400からの指示のいずれかによりなされる。
【0054】
背面バスケット60にカット紙が排紙される場合、フラッパー62が回転し、背面バスケット60の方向に搬送路を形成する。これにより、カット紙は搬送ベルト41の回転により搬送され、図4の破線が示すように背面バスケット60へと落下する。なお、紙センサ63からの出力信号により、カット紙の先端検出、通過中、後端検出が行われる。
【0055】
これに対して、前面スタッカ61にカット紙が排紙される場合、フラッパー62が回転し破線で示された場所に位置し、前面スタッカ61の方向に搬送路を形成する。これにより、カット紙は搬送ベルト41の回転により搬送され、排紙ローラ対64、さらに排紙ローラ対65に達し、最終的には前面スタッカ61に排紙される。なお、前面スタッカ61までの搬送路には、紙センサ66、67、排紙センサ68が設けられ、カット紙の排出状況が検知される。また、排紙ローラ対65と排紙センサ68との間には、後端押えレバー69が設けられ、カット紙の後端が跳ねることを防止し、円滑なカット紙の排出をサポートしている。
【0056】
なお、スキャナエンジンユニット411はユーザが画像原稿を実線の矢印方向に挿入することその画像を読取る。ただし、スキャナエンジン411の構成は従来の構成を用いるのでここでの説明は省略する。
【0057】
次に上記のような構成の記録装置において実行するロール紙搬送制御の詳細について説明する。
【0058】
図5はロール紙のループ形成を行う構成要素を示す拡大図である。
【0059】
なお、図5では、説明を簡単にするためにロール紙取付部4aに取り付けられたロール紙Rが給送されてループを形成する例について説明する。ロール紙取付部4bに取り付けられたロール紙R1が給送されてループを形成する場合も同様になされる。
【0060】
図5に示す構成によれば、ロール紙取付部4aから給送されたロール紙Rは給送ローラ対23によりニップされ、カッタ25を通過して、搬送ローラ28に達する。搬送ローラ28によりその先端がニップされたロール紙はさらに搬送されてLFローラ29に達する。このようにして、搬送ローラ28(上流側)とLFローラ29(下流側)とによりロール紙がニップされる。
【0061】
この状態で上述のように、LFローラ29の回転速度(V0)と搬送ローラ28の回転速度(V)とをわずかに異ならせ、V0よりVがわずかに大きくなるように制御すると、ループ31が形成される。
【0062】
さて、この実施例では、搬送ローラ28とLFローラ29とによりロール紙がニップされ記録ヘッド3によりロール紙に画像が記録される間、中間ローラとして機能する搬送ローラ28の回転方向をLFローラ29のそれと逆方向に回転させる。即ち、この実施例では、記録中はロール紙にループは形成されず、図5に示される矢印の方向に張力(テンション)が与えられる。また、搬送ローラ28の駆動トルクは、搬送モータ(不図示)に与えられる電流を制御するなどして可変とすることでロール紙のテンションは制御される。
【0063】
なお、搬送ローラ28はLFローラ29の回転方向とは逆方向に回転する場合、搬送ローラ28に与えられる回転トルクは弱いものであり、LFローラ29の回転によるロール紙の搬送を阻害しないように制御する。
【0064】
図6は搬送ローラとLFローラとの間でロール紙に付与されるテンション(N)とロール紙の印刷済長さ(Y)との関係を示す図である。ロール紙の印刷済長さとはロール紙の搬送路において、記録ヘッド3による記録位置からのロール紙の搬送量を表す。従って、図6において、横軸の印刷済長さ(Y)のY=0は、ロール紙の先端に記録ヘッド3により記録を開始する位置を示す。
【0065】
図6に示すように、記録が開始されて進行し、ロール紙が搬送され印刷済み長さがY=Y1に達するまではテンション(T)の大きさはT1を維持する。ここで、Y1は、印刷中のページ終了までの残り長さの規定量(L1)に対応する。図6によれば、印刷中のページ終了までの残り長さが規定量以下(即ち、Y≧Y1)になれば、ループを形成する前にテンション(T)を徐々に弱めていき、ロール紙の搬送量を徐々に変化させる。そして、ループ形成開始時点にはテンション(T)はゼロになる。この時点で、ページ終了までの距離はL2になっている。
【0066】
このように、この実施例によれば、ループ形成を開始しロール紙にテンションが全く働かなくなっても、残り搬送量は少なく、搬送量が急激に変化しないため、搬送方向への記録ムラを抑制することができる。
【0067】
なお、図6ではロール紙に付与されたテンションを線形的に低下させる制御を示したが本発明はこれによって限定されるものではない。例えば、そのテンションを階段状に低下させるように制御しても良い。
【0068】
また、ロール紙の種類がテンションの減少による記録ムラが目立ちにくい普通紙などである場合、テンションを低下させるタイミングをできるだけ遅くし、テンションの低下率を大きくし、テンションが付与される長さをできるだけ長くするのが望ましい。これにより、さらに一層のロール紙の斜行・蛇行の抑制が達成できる。
【0069】
図7はテンション減少制御とループ形成制御を示すフローチャートである。
【0070】
図7によれば、ステップS10ではロール紙がロール紙取付部から給送され、その先端がLFローラ29に到達する。これにより、ロール紙は搬送ローラ28とLFローラ29とによりニップされる。次に、ステップS20では搬送ローラ28の回転方向をLFローラ29のそれとは逆方向にするよう、搬送モータの回転を切り替える。そして、搬送ローラ28とLFローラ29との間のロール紙に図6に示すように、T=T1のテンションを付与する。このように記録の最初は、残りの印刷長さが十分長いため、斜行や蛇行を十分抑制するためにロール紙にテンションを与える。
【0071】
そして、記録ヘッド3による記録とロール紙の搬送を続ける。次に、ステップS30では、印刷中のページの残りの長さ(Y0-Y)がテンション減少開始位置(ページ終了位置からL1の位置)に達したかどうかを調べる。ここで、Y0-Y≧L1であれば、まだ残りの印刷長は十分にあると判断し、処理はステップS20に戻り、ロール紙へのテンション付与を続ける。これに対して、Y0-Y<L1であれば、ロール紙がテンション減少開始位置に達したと判断し、処理はステップS40に進む。
【0072】
ステップS40では、搬送モータの回転トルクを徐々に小さくし、図6に示したように、ロール紙に付与されるテンション(T)の大きさを減少させていく。そして、印刷中のページの残りの長さ(Y0-Y)がループ形成開始位置(ページ終了位置からL2の位置)に達したかどうかを調べる。搬送モータがDCモータであれば、そのDCモータを駆動させるために用いるPWM制御のデューティ比を変化させることで回転トルクを変化させることができる。
【0073】
ここで、Y0-Y≧L2であれば、テンションTはまだロール紙に付与されている(T>0)と判断し、処理はステップS40に戻り、付与テンションの減少を続ける。これに対して、Y0-Y<L2であれば、付与テンションはゼロになり、ページ終了までの距離が十分に短くなりロール紙がループ形成位置に達したと判断し、処理はステップS60に進む。
【0074】
なお、ループ形成は厳密に付与テンションが0になっていなくとも良い。テンションの変化量が十分に小さくなっていれば、ループ形成を開始しても良い。
【0075】
ステップS60では、搬送ローラ28の回転方向を逆転させてLFローラ29の回転方向と同じとし、さらに増速する。そして、ステップS70では、搬送モータを制御して、LFローラ29の回転速度(V0)より搬送ローラ28の回転速度(V)がわずかに大きくなるように制御して、ループ31を形成する。
【0076】
そして、ループ形成ができると、処理はステップS80において、給送ローラ対23による給送を停止し、カッタ25を動作させて、ロール紙を切断して、処理を終了する。
【0077】
従って、以上説明した実施例に従えば、ロール紙を用いて1ページの印刷中には搬送ローラとLFローラとの間のロール紙にテンションをかけ、残りが少なくなってくるとそのテンションを徐々に小さくし、そのループを形成し、最後にロール紙を切断する。これにより、記録中はロール紙にテンションを与えることでロール紙の斜行や蛇行を抑制し、記録の終わりの部分で徐々にテンションを減少させてループを形成し切断するので、急激なテンション変化がなく、ロール紙の搬送量に影響を与えることがない。その結果、高精度な搬送制御が達成され、高品位な画像記録が実現する。
【0078】
なお、以上説明した実施例ではフルライン記録ヘッドを用いた記録装置を例としたが、本発明はキャリッジに搭載した記録ヘッドを往復走査することで記録を行うシリアルタイプの記録装置にも適用できる。ただ、この場合、マルチパス記録による画像の重ね度合いにより画像ムラの現われ方が異なり、例えば、1パス記録では画像ムラが目立つので、テンションを減少させる制御においてテンション減少率をよりなだらかに制御する必要がある。
【0079】
また、以上説明した実施例において、印刷開始直後からテンション減少制御を始めるまでのロール紙への付与テンションを一定とした期間とループ形成時におけるテンションはゼロとした期間において、搬送モータを駆動する駆動パルスを変化させても良い。このような可変制御により、搬送モータの回転による搬送量とロール紙の実際の搬送量との差をより少なくするように制御することが可能になる。
【0080】
本発明は上記実施形態に制限されるものではなく、発明の精神及び範囲から離脱することなく、様々な変更及び変形が可能である。従って、発明の範囲を公にするために請求項を添付する。
【符号の説明】
【0081】
1 記録装置、2 インクタンクカバー、3 記録ヘッド、
4a、4b ロール紙取付部、10 素子基板、23、24 給送ローラ対、
25、26 カッタ、28 搬送ローラ、29 LFローラ、31 ループ、
32 フラッパー、100 操作パネル
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7