(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-19
(45)【発行日】2024-03-28
(54)【発明の名称】電子時計
(51)【国際特許分類】
G04C 3/00 20060101AFI20240321BHJP
G04C 10/04 20060101ALI20240321BHJP
G04C 3/14 20060101ALI20240321BHJP
【FI】
G04C3/00 E
G04C10/04 Z
G04C3/14 R
(21)【出願番号】P 2020093571
(22)【出願日】2020-05-28
【審査請求日】2023-01-18
(73)【特許権者】
【識別番号】000001960
【氏名又は名称】シチズン時計株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000154
【氏名又は名称】弁理士法人はるか国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】西田 雅俊
【審査官】細見 斉子
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2007/102412(WO,A1)
【文献】特開2006-153652(JP,A)
【文献】特開2011-203191(JP,A)
【文献】特開2011-112580(JP,A)
【文献】特開2010-197343(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G04C 1/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の使用状態と第2の使用状態との間で状態が変わる電子時計において、
指針と、
前記指針の位置を検出する検出動作を行う針位置検出手段と、
前記第1の使用状態における前記検出動作の実行頻度と、前記第2の使用状態における前記検出動作の実行頻度と、をそれぞれ設定する頻度設定手段と、
前記検出動作の検出結果に基づいて、前記第1の使用状態における前記指針の第1の位置ズレ量又は、前記第2の使用状態における前記指針の第2の位置ズレ量を取得する取得するズレ量取得手段と、
を有し、
前記頻度設定手段は、前記第1の位置ズレ量又は、前記第2の位置ズレ量に応じて、前記第1の使用状態又は、前記第2の使用状態における前記検出動作の実行頻度を設定する、
電子時計。
【請求項2】
第1の使用状態と第2の使用状態との間で状態が変わる電子時計において、
指針と、
前記指針の位置を検出する検出動作を行う針位置検出手段と、
前記第1の使用状態における前記検出動作の実行頻度と、前記第2の使用状態における前記検出動作の実行頻度と、をそれぞれ設定する頻度設定手段と、
前記電子時計をユーザが装着したことを検知するセンサと、
を有し、
前記第1の使用状態は、前記センサにより前記電子時計の装着が検知された装着状態であり、
前記第2の使用状態は、前記センサにより前記電子時計の装着が検知されていない非装着状態である、
電子時計。
【請求項3】
前記針位置検出手段は、少なくとも、前記第1の使用状態から前記第2の使用状態に変わる際に、前記検出動作を実行し、
前記ズレ量取得手段は、前記第1の使用状態から前記第2の使用状態に変わる際に実行された前記検出動作の検出結果に基づいて、前記第1の位置ズレ量を取得し、
前記頻度設定手段は、前記第1の位置ズレ量に応じて、次回の前記第1の使用状態において実行される前記検出動作の実行頻度を設定する、
請求項1に記載の電子時計。
【請求項4】
前記針位置検出手段は、少なくとも、前記第2の使用状態から前記第1の使用状態に変わる際に、前記検出動作を実行し、
前記ズレ量取得手段は、前記第2の使用状態から前記第1の使用状態に変わる際に実行された前記検出動作の検出結果に基づいて、前記第2の位置ズレ量を取得し、
前記頻度設定手段は、前記第2の位置ズレ量に応じて、次回の前記第2の使用状態において実行される前記検出動作の実行頻度を設定する、
請求項1に記載の電子時計。
【請求項5】
コイルとロータを含み、該ロータの回転に伴って前記指針を駆動させるステップモータと、
前記ロータの動きに伴い前記コイルに発生する逆起電流に基づいて衝撃を検出し、該衝撃が検出された際に、前記ロータを制動するロックパルスを出力するロックパルス出力回路と、
前記第1の位置ズレ量に応じて、前記第1の使用状態において出力される前記ロックパルスの強度を設定する強度設定手段と、
を有する請求項3に記載の電子時計。
【請求項6】
コイルとロータを含み、該ロータの回転に伴って前記指針を駆動させるステップモータと、
前記ロータの動きに伴い前記コイルに発生する逆起電流に基づいて衝撃を検出し、該衝撃が検出された際に、前記ロータを制動するロックパルスを出力するロックパルス出力回路と、
前記第2の位置ズレ量に応じて、前記第2の使用状態において出力される前記ロックパルスの強度を設定する強度設定手段と、
を有する請求項4に記載の電子時計。
【請求項7】
前記第1の位置ズレ量又は前記第2の位置ズレ量と、前記検出動作の実行頻度とが対応付けられるテーブルを記憶する記憶手段を有する、
請求項
5又は6に記載の電子時計。
【請求項8】
前記記憶手段は、前記第1の位置ズレ量又は前記第2の位置ズレ量と、前記ロックパルスの強度とが対応付けられるテーブルを記憶する、
請求項7に記載の電子時計。
【請求項9】
前記頻度設定手段は、前記第1の位置ズレ量又は前記第2の位置ズレ量が大きいほど、前記検出動作の実行頻度を高くする、
請求項1、3~8のいずれか1項に記載の電子時計。
【請求項10】
前記強度設定手段は、前記頻度設定手段により設定された前記検出動作の実行頻度が同じである場合、前記第1の位置ズレ量又は前記第2の位置ズレ量が大きいほど、前記ロックパルスの強度を大きくする、
請求項5又は6に記載の電子時計。
【請求項11】
前記第1の位置ズレ量又は前記第2の位置ズレ量は、単位秒あたりに所定の基準位置から前記指針がズレた量である、
請求項1、3~10のいずれか1項に記載の電子時計。
【請求項12】
外光が入射されることにより発電するソーラパネルと、
前記ソーラパネルの発電量を検出する発電量検出回路と、
を有し、
前記第1の使用状態は、前記発電量検出回路が検出した前記発電量が所定の閾値以上である状態であり、
前記第2の使用状態は、前記発電量検出回路が検出した前記発電量が所定の閾値未満である状態である、
請求項1~11のいずれか1項に記載の電子時計。
【請求項13】
前記頻度設定手段は、前記第2の使用状態における前記検出動作の実行頻度よりも、前記第1の使用状態における前記検出動作の実行頻度を高く設定する、
請求項11又は12に記載の電子時計。
【請求項14】
前記強度設定手段は、前記第1の使用状態における前記ロックパルスの強度よりも、前記第2の使用状態における前記ロックパルスの強度を強く設定する、
請求項5、6、又は10のいずれか1項に記載の電子時計。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子時計に関する。
【背景技術】
【0002】
アナログ式電子時計においては、振動や落下等により衝撃が生じた場合、指針位置がズレてしまう場合がある。そこで、例えば、特許文献1には、ステップモータのコイルに発生する逆起電力に基づいて衝撃を検出し、指針を制動する制動パルス(ロックパルスとも呼ばれる)を出力する構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような制動パルスを出力した場合においても、衝撃の大きさによっては、指針に位置ズレが発生する場合がある。そのような場合に備えて、定期的に指針の位置を検出し、位置ズレに応じて指針位置を修正するとよい。しかしながら、定期的(例えば、1分間に1回)に指針の位置の検出動作を行うと、消費電力が不要に大きくなってしまう場合がある。
【0005】
本発明の目的は、指針の位置ズレを抑制する機能を有する電子時計において、消費電力を抑制することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決すべく本出願において開示される発明は種々の側面を有しており、それら側面の代表的なものの概要は以下の通りである。
【0007】
(1)第1の使用状態と第2の使用状態との間で状態が変わる電子時計において、指針と、前記指針の位置を検出する検出動作を行う針位置検出手段と、前記第1の使用状態における前記検出動作の実行頻度と、前記第2の使用状態における前記検出動作の実行頻度と、をそれぞれ設定する頻度設定手段と、を有する、電子時計。
【0008】
(2)(1)において、前記検出動作の検出結果に基づいて、前記第1の使用状態における前記指針の第1の位置ズレ量又は、前記第2の使用状態における前記指針の第2の位置ズレ量を取得する取得するズレ量取得手段を有し、前記頻度設定手段は、前記第1の位置ズレ量又は、前記第2の位置ズレ量に応じて、前記第1の使用状態又は、前記第2の使用状態における前記検出動作の実行頻度を設定する、電子時計。
【0009】
(3)(2)において、前記針位置検出手段は、少なくとも、前記第1の使用状態から前記第2の使用状態に変わる際に、前記検出動作を実行し、前記位置ズレ量取得手段は、前記第1の使用状態から前記第2の使用状態に変わる際に実行された前記検出動作の検出結果に基づいて、前記第1の位置ズレ量を取得し、前記頻度設定部は、前記第1の位置ズレ量に応じて、次回の前記第1の使用状態において実行される前記検出動作の実行頻度を設定する、電子時計。
【0010】
(4)(2)において、前記針位置検出手段は、少なくとも、前記第2の使用状態から前記第1の使用状態に変わる際に、前記検出動作を実行し、前記位置ズレ量取得手段は、前記第2の使用状態から前記第1の使用状態に変わる際に実行された前記検出動作の検出結果に基づいて、前記第2の位置ズレ量を取得し、前記頻度設定部は、前記第2の位置ズレ量に応じて、次回の前記第2の使用状態において実行される前記検出動作の実行頻度を設定する、電子時計。
【0011】
(5)(3)において、コイルとロータを含み、該ロータの回転に伴って前記指針を駆動させるステップモータと、前記ロータの動きに伴い前記コイルに発生する逆起電流に基づいて衝撃を検出し、該衝撃が検出された際に、前記ロータを制動するロックパルスを出力するロックパルス出力回路と、前記第1の位置ズレ量に応じて、前記第1の使用状態において出力される前記ロックパルスの強度を設定する強度設定手段と、を有する、電子時計。
【0012】
(6)(4)において、コイルとロータを含み、該ロータの回転に伴って前記指針を駆動させるステップモータと、前記ロータの動きに伴い前記コイルに発生する逆起電流に基づいて衝撃を検出し、該衝撃が検出された際に、前記ロータを制動するロックパルスを出力するロックパルス出力回路と、前記第2の位置ズレ量に応じて、前記第2の使用状態において出力される前記ロックパルスの強度を設定する強度設定手段と、を有する、電子時計。
【0013】
(7)(2)~(6)のいずれかにおいて、前記第1の位置ズレ量又は前記第2の位置ズレ量と、前記検出動作の実行頻度とが対応付けられるテーブルを記憶する記憶手段を有する、電子時計。
【0014】
(8)(7)において、前記記憶手段は、前記第1の位置ズレ量又は前記第2の位置ズレ量と、前記ロックパルスの強度とが対応付けられるテーブルを記憶する、電子時計。
【0015】
(9)(2)~(8)のいずれかにおいて、前記頻度設定手段は、前記第1の位置ズレ量又は前記第2の位置ズレ量が大きいほど、前記検出動作の実行頻度を高くする、電子時計。
【0016】
(10)(5)又は(6)において、前記強度設定手段は、前記頻度設定手段により設定された前記検出動作の実行頻度が同じである場合、前記第1の位置ズレ量又は前記第2の位置ズレ量が大きいほど、前記ロックパルスの強度を大きくする、電子時計。
【0017】
(11)(2)~(10)のいずれかにおいて、前記第1の位置ズレ量又は前記第2の位置ズレ量は、単位秒あたりに所定の基準位置から前記指針がズレた量である、電子時計。
【0018】
(12)(1)~(11)のいずれかにおいて、前記電子時計をユーザが装着したことを検知するセンサを有し、前記第1の使用状態は、前記センサにより前記電子時計の装着が検知された装着状態であり、前記第2の使用状態は、前記センサにより前記電子時計の装着が検知されていない非装着状態である、電子時計。
【0019】
(13)(1)~(12)のいずれかにおいて、外光が入射されることにより発電するソーラパネルと、前記ソーラパネルの発電量を検出する発電量検出回路と、を有し、前記第1の使用状態は、前記発電量検出回路が検出した前記発電量が所定の閾値以上である状態であり、前記第2の使用状態は、前記発電量検出回路が検出した前記発電量が所定の閾値未満である状態である、電子時計。
【0020】
(14)(12)又は(13)において、前記頻度設定手段は、前記第2の使用状態における前記検出動作の実行頻度よりも、前記第1の使用状態における前記検出動作の実行頻度を高く設定する、電子時計。
【0021】
(15)(12)~(14)のいずれかにおいて、前記強度設定手段は、前記第1の使用状態における前記ロックパルスの強度よりも、前記第2の使用状態における前記ロックパルスの強度を強く設定する、電子時計。
【発明の効果】
【0022】
上記本発明の(1)~(15)の側面によれば、指針の位置ズレを抑制する機能を有する電子時計において、消費電力を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】第1の実施形態に係る電子時計の構成の概要を示すブロック図である。
【
図2】ステップモータのコイルに発生する逆起電流の波形の一例を示す図である。
【
図3】第1の実施形態における針位置検出動作を行うための構造を模式的に示す図である。
【
図4】第1の使用状態である装着状態における相関テーブルである。
【
図5】第2の使用状態である非装着状態における相関テーブルである。
【
図6】第1の実施形態における、装着状態における制御回路の動作を示すフローチャートである。
【
図7】第1の実施形態における、非装着状態における制御回路の動作を示すフローチャートである。
【
図8】第1の実施形態における、装着時ランクの設定動作を示すフローチャートである。
【
図9】第1の実施形態における、非装着時ランクの設定動作を示すフローチャートである。
【
図10】第1の実施形態の動作の一例を示すタイミングチャートである。
【
図11】第2の実施形態に係る電子時計の構成の概要を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の各実施形態について図面に基づき詳細に説明する。
【0025】
図1は、第1の実施形態に係る電子時計の構成の概要を示すブロック図である。電子時計1は、指針により時刻を表示するアナログ式の電子時計である。電子時計1は、指針として、時刻を表示する秒針11、分針、時針を少なくとも有しているとよい。また、電子時計1の外観の図示は省略するが、電子時計1は、ユーザが腕に装着可能な腕時計である。
【0026】
電子時計1は、不図示の水晶振動子によって所定の基準信号を出力する発振回路2と、基準信号を入力して各回路の制御と時刻の歩進を行う制御回路3と、駆動パルス発生回路4と、ロックパルス発生回路5と、パルス選択回路6と、針位置検出手段7と、衝撃検出回路8と、ドライバ回路20と、ステップモータ40とを有している。
【0027】
ステップモータ40は、コイルCと、ロータ41とを含む。ロータ41は、2極磁化された円盤状の回転体であり、その回転に伴い秒針11を駆動させる。コイルCは端子O1、O2を有している。端子O1、O2に、ドライバ回路20から出力される駆動波形が入力される。ドライバ回路20は図示しない複数のスイッチを有していて、このスイッチを制御回路3からの制御により切り替えることでコイルCを流れる電流を制御し、ロータ41に対して、回転駆動したり、回転を静止させたり、回転が自由な状態にすることができる。また、回転駆動後のロータ41の回転検出、時計への衝撃で指針が移動したことによるロータ41の回転検出も行うことができる。回転検出に関する動作については、以下で詳しく説明する。
【0028】
駆動パルス発生回路4は、制御回路3に制御され、ステップモータ40を駆動する駆動パルスをパルス選択回路6へ出力する。制御回路3の制御によりドライバ回路20をロータ41が回転駆動する状態に切り替える。パルス選択回路6で選択された駆動パルスがドライバ回路20に印加されることによりロータ41が回転する。それにより、秒針11が運針する。なお、図示は省略するが、電子時計1は、駆動パルスよりも駆動力の大きい補正パルスを出力する補正パルス発生回路をさらに有していてもよい。
【0029】
衝撃により秒針11が動き、これに伴いステップモータ40のコイルCに発生する逆起電流に基づいて、衝撃検出回路8は、電子時計1に発生した衝撃を検出し、衝撃信号を制御回路3へ出力する。衝撃検出回路8は、コンパレータを含んでおり、逆起電流の電流値と所定の閾値thとを比較し、逆起電流の電流値の最大値が所定の閾値th以上である場合、衝撃信号を出力するとよい。
【0030】
ロックパルス発生回路5は、衝撃を検出することで衝撃検出回路8から制御回路3に出力された衝撃信号に基づき、ロータ41を制動するロックパルスをパルス選択回路6へ出力する。パルス選択回路6で選択されたロックパルスは、制御回路3の制御によりロータ41の回転を制止する切り替えられたドライバ回路20に対して印加され、ロータ41の回転を静止させる。駆動パルスが出力されていない期間において、電子時計1に衝撃が発生すると、ロータ41が回転自由な状態にあるため静止状態を維持できず、秒針11に位置ズレが生じてしまう。ロックパルスは、秒針11の位置ズレを抑制するために出力されるものである。出力されるロックパルスの強度が大きいほど、ロータ41を保持する力が強くなり、秒針11の位置ズレが生じにくくなる。
【0031】
パルス選択回路6は、駆動パルス発生回路4が出力した駆動パルスを入力し、強度の異なる複数種類の駆動パルスのうちドライバ回路20へ出力する駆動パルスの波形を選択する。選択された駆動パルスは、ドライバ回路20へ出力される。
【0032】
同様に、パルス選択回路6は、ロックパルス発生回路5が出力したロックパルスを入力し、強度の異なる複数種類のロックパルスのうちドライバ回路20へ出力するロックパルスの波形を選択する。選択されたロックパルスは、ドライバ回路20へ出力される。
【0033】
パルス選択回路6は、制御回路3からの選択制御信号に基づいて、駆動パルス発生回路4から出力される強度の異なる複数種類の駆動パルスと、ロックパルス発生回路5から出力される強度の異なる複数種類のロックパルスとの中からいずれかのパルスを選択してドライバ回路20に出力する。ここで駆動パルスとロックパルスの強度とは、例えばパルスの時間幅のことであり、パルスの時間幅が広いほど駆動力、あるいはロック力が高い。また強度は、パルスの時間幅に限らず、単位時間内における一定時間幅のパルス数であってもよく、パルス数が多いほど駆動力、あるいはロック力が高い。
【0034】
針位置検出手段7は、秒針11の位置を検出する針位置検出動作を行う。針位置検出動作の詳細については
図3を参照して後述する。
【0035】
制御回路3は、メモリを内蔵するマイクロコンピュータであって、メモリに記憶されるプログラムに従って、電子時計1に含まれる各種回路等の動作を制御する。また、制御回路3は、
図1に示すように、ズレ量取得手段31と、頻度設定手段32と、強度設定手段33と、状態検出手段34と、記憶手段35を含む。
【0036】
ズレ量取得手段31は、針位置検出手段7による針位置検出動作の検出結果に基づいて、秒針11の位置ズレ量を取得する。詳細については後述するが、第1の実施形態においては、ズレ量取得手段31は、予め設定した針位置検出動作の周期から、前回の針位置検出動作から今回の針位置検出動作までの経過時間を求め、経過時間と検出した秒針11のズレ量から、基準位置に対する秒針11の1秒あたりの平均ズレ量を演算し、取得する。
【0037】
頻度設定手段32は、針位置検出手段7による針位置検出動作の実行頻度を設定する。第1の実施形態においては、頻度設定手段32は、記憶手段35に記憶されるテーブルに基づいて、針位置検出動作の実行頻度を設定する。
【0038】
強度設定手段33は、ロックパルス発生回路5を制御することで、ロックパルスの強度を設定する。第1の実施形態においては、強度設定手段33は、記憶手段35に記憶されるテーブルに基づいて、ロックパルスの強度を設定する。
【0039】
状態検出手段34は、電子時計1の使用状態を検出する。第1の実施形態においては、電子時計1にはセンサ70が備えられており、センサ70により、ユーザが電子時計1を装着しているか否かが検知される。センサ70は、電子時計1がユーザの腕に装着された状態であるか否かを検知し、装着されていることを検知した場合、検知信号を制御回路3へ出力する。
【0040】
例えば、センサ70は、静電容量方式や抵抗膜方式を用いた接触検知センサであるとよい。ただしこれに限られず、センサ70は、電子時計1がユーザの腕に装着された状態であるか否かを何らかの手段で検知するものであればよく、加速度センサ等であっても構わない。
【0041】
記憶手段35は、制御回路3が備えるメモリの一部を構成し、第1の実施形態においては、後述の
図4、
図5に示すテーブルを記憶している。
【0042】
さらに、電子時計1は、針検タイマ50、第1のランク変更タイマ51、第2のランク変更タイマ52を有している。
【0043】
針検タイマ50は、電子時計1の使用状態が変わった際に計測を開始するタイマである。針検タイマ50は、ズレ量取得手段31が単位秒あたりの秒針11のズレ量を演算する際に用いられる時間を計測する。
【0044】
第1のランク変更タイマ51は、後述の装着時に設定されるランクを下げるか否かの判定に用いられるタイマである。第1のランク変更タイマ51は、電子時計1が第1の使用状態である装着状態にある場合に計測を行い、装着状態から第2の使用状態である非装着状態に変わった際に、計測を停止する。
【0045】
第2の変更タイマ52は、後述の非装着時に設定されるランクを下げるか否かの判定に用いられるタイマである。第2のランク変更タイマ52は、電子時計1が非装着状態にある場合に計測を行い、非装着状態から装着状態に変わった際に、計測を停止する。
【0046】
ただし、第1の変更タイマ51は、設定される装着時ランクが最低ランクの場合は、計測を停止しておくとよい。それ以上ランクが下がることはないためである。同様に、第2の変更タイマ52は、設定される非装着時ランクが最低ランクの場合は、計測を停止しておくとよい。
【0047】
図2を参照して、第1の実施形態における衝撃検出について説明する。
図2は、ステップモータのコイルに発生する逆起電流の波形の一例を示す図である。
図2の横軸は時間[t]を示しており、縦軸は逆起電流の電流値[A]を示している。なお、
図2に示す波形は、秒針11の運針が停止している際に衝撃が発生した場合に、衝撃検出回路8により検出される逆起電流の一例である。
【0048】
図2において、衝撃波形W1は、比較的大きい衝撃が発生した場合の逆起電流を示しており、衝撃波形W2は、比較的小さい衝撃が発生した場合の逆起電流を示している。また、
図2に示す閾値thは、衝撃検出回路8が、衝撃信号を制御回路3へ出力する基準となる電流値である。衝撃検出回路8は、
図2に示す閾値th以上の衝撃波形W1の逆起電流を検出した場合、制御回路3へ衝撃信号を出力する。一方、衝撃検出回路8は、
図2に示す閾値thに満たない衝撃波形W2の逆起電流を検出した場合、制御回路3へ衝撃信号を出力しない。制御回路3は、衝撃信号を入力した場合、ロックパルス発生回路5からロックパルスを出力させる。
【0049】
次に、
図3を参照して、第1の実施形態における針位置検出動作について説明する。
図3(a)は、第1の実施形態における針位置検出動作を行うための構造を模式的に示す断面図である。
図3(b)は、第1の実施形態における針位置検出動作を行うための構造を模式的に示す平面図である。
【0050】
針位置検出手段7は、電子時計1が備える時刻を示す秒針11の位置が所定の基準位置からずれているか否かを判定する。第1の実施形態においては、0秒を示す位置を秒針11の基準位置とする。
【0051】
秒針11は、ロータ41の回転が輪列を介して伝達されることにより駆動する。当該輪列は、
図3(a)、
図3(b)に示す歯車61を含むとよい。歯車61は、中心軸61aを中心に回転し、貫通孔61bを有している。歯車61は、秒針11が60回動作(60秒分)するのに伴って1回転する。
【0052】
また、電子時計1は、発光部62と、貫通孔61bを介して反対側に設けられる受光部63とを有するとよい。発光部62は、例えば、LED等であるとよい。
【0053】
秒針11が0秒を示す基準位置に存在する場合、針位置検出手段7は、受光部63が貫通孔61bを介して発光部62から出射された光Lを受光し、制御回路3へ光検出信号を出力する。一方、秒針11が0秒を示す基準位置に存在しない場合、針位置検出手段7は、受光部63は発光部62から出射された光Lを受光せず(検出した光量が所定の閾値よりも小さく)、光検出信号を出力しない。
【0054】
秒針11に位置ズレが生じていない場合、制御回路3で歩進する時刻の秒桁が0秒の時、すなわち、基準位置で受光部63は1分間に1回、発光部62から出射された光Lを受光することとなる。一方、秒針11に位置ズレが生じている場合、発光部62から出射される光Lは、歯車61の貫通孔61bを通過しない。そのため、受光部63は、発光部62から出射される光Lを受光しない。基準位置で光Lを受光しない場合、光Lを受光するまで毎秒、発光部62から光Lが出射されることとなる。光Lが受光されるはずの基準位置に貫通孔61bが位置するタイミングから、歯車61が更に回転して受光部63が貫通孔61bを通過した光Lを受光した経過秒より、時刻のズレ量、すなわち秒針の位置ずれ量が判明する。
【0055】
制御回路3は、基準位置で針位置検出手段7からの光検出信号を入力しなかった場合、秒針11に位置ズレが生じていると判定する。そして、制御回路3は、秒針11に位置ズレが生じていると判定した場合、針位置修正動作を行う。具体的には、制御回路3は、秒針11の位置ズレを修正するように、ドライバ回路20に入力される駆動パルスを制御する。
【0056】
なお、
図3は秒針の針位置検出動作を行う構造の一例を示すものであり、これに限られるものではなく、秒針11が基準位置から何秒ズレているかを検出できるものであれば、他の構造を採用しても構わない。
【0057】
ここで、電子時計1に衝撃が発生する頻度や、電子時計1に加わる衝撃の大きさ等は、その電子時計1の使用状態により異なる。例えば、ユーザが電子時計1を腕に装着している状態(以下、装着状態という)においては、電子時計1に衝撃が発生する頻度は高い可能性が高いが、パソコンのキーボード入力の際に机に時計が当たることで生じる衝撃や、自転車の運転時にハンドルから伝わる振動などの、比較的細かな衝撃が連続的に時計に加わる場合が多い。また、装着状態においては、ユーザが時刻を見る頻度は高いため、針位置は正確であることが好ましく、針位置検出動作が実行される頻度は高い方が好ましい。
【0058】
一方で、ユーザが電子時計1を腕に装着していない状態(以下、非装着状態という)においては、電子時計1に衝撃が発生する頻度は低いものの、落下等により大きな衝撃が発生する可能性がある。また、非装着状態においては、ユーザが時刻を見る頻度は低いため、針位置検出動作が実行される頻度は低くても構わない。
【0059】
以上を鑑みると、例えば、非装着状態において、針位置検出動作が定期的に高頻度で実行されると、不要に消費電力が大きくなってしまう。また、例えば、装着状態において、ロックパルスの強度が高いと、不要に消費電力が大きくなってしまう。
【0060】
さらに、同じ使用状態においても、ユーザ毎に、針位置検出動作の頻度、及びロックパルスの強度の最適な設定は異なる。
【0061】
例えば、机の端に電子時計1を置く習慣があるユーザは、非装着時において、落下により大きな衝撃を電子時計1に発生させる可能性がある。そのようなユーザにおいては、消費電力が大きくなってはしまうものの、秒針11の位置ズレを防止するため、非装着状態におけるロックパルスの強度を強い設定にしておくのが好ましい。一方で、非装着時においては、収容箱等に電子時計1をしまっておく習慣のあるユーザは、非装着時において、大きな衝撃を電子時計1に発生させる可能性が低い。そのようなユーザにおいては、非装着時におけるロックパルスの強度を弱い設定することにより、消費電力を抑制することができる。
【0062】
また、例えば、砂利道等凹凸の大きな道を走行する車両を運転することの多いユーザは、装着時において、多数の衝撃を電子時計1に発生させる可能性が高い。そのようなユーザにおいては、消費電力が大きくなってはしまうものの、秒針11の位置ズレを防止するため、装着状態における針位置検出動作の実行頻度を高い設定にしておくのが好ましい。
【0063】
そこで、第1の実施形態においては、電子時計1が装着状態又は非装着状態のいずれであるか、及びユーザ毎の使用の実態に応じて、針位置検出動作が実行される頻度、及びロックパルスの強度をそれぞれ設定する構成を採用した。
【0064】
具体的には、電子時計1が装着状態にある場合、
図4に示すテーブルに基づいて、針位置検出動作が実行される頻度、及びロックパルスの強度を設定することとした。また、電子時計1が非装着状態にある場合、
図5に示すテーブルに基づいて、針位置検出動作が実行される頻度、及びロックパルスの強度を設定することとした。なお、
図4、
図5において、ロックパルスの強度を「LP強度」として示している。
【0065】
記憶手段35が、
図4及び
図5に示すテーブルを記憶する。
図4は装着状態において使用されるテーブルであり、
図5は非装着状態において使用されるテーブルである。これらテーブルに基づいて、針位置検出動作が実行される頻度、及びロックパルスの強度が、装着状態と非装着状態とのそれぞれにおいて設定される。
【0066】
第1の実施形態においては、消費電力の大きさに応じて設定をランク分けした。具体的には、
図4及び
図5に示すように装着時ランク及び非装着ランクを1~5の5段階とした。ランク1が最も消費電力が小さい設定であり、ランク5が最も消費電力が大きい設定である。
【0067】
また、第1の実施形態においては、ロックパルスの強度を0~4の5段階にランク分けした。強度0に設定される際に出力されるロックパルスの強度が最も弱く、強度4に設定される際に出力されるロックパルスの強度が最も強い。なお、第1の実施形態においては、ロックパルスの強度0を、ロックパルスが出力されない設定であるとした。ただし、これに限られるものではなく、最も強度の弱い設定であっても、ロックパルスが出力されることとしてもよい。
【0068】
針位置検出動作は、比較的消費電力が大きな動作である。そのため、その実行頻度が高くなると、消費電力が大きくなる。一方、ロックパルスの出力は、針位置検出動作と比較して消費電力が十分に小さい。そのため、例えば、
図4に示す装着時ランク4は、ロックパルスの強度は小さい設定であるが(LP強度1)、針位検出動作の実行頻度が高い設定であるため(1分に1回)、消費電力が大きい設定であるといえる。
【0069】
さらに、
図4で示すテーブルの詳細について説明する。
図4は、第1の使用状態である装着状態における相関テーブルである。ズレ量取得手段31は、針位置検出動作の検出結果に基づいて、秒針11の第1の位置ズレ量を取得する。
図4に示す位置ズレ量xは、1秒あたりに秒針11が基準位置からズレた量を示している。例えば、装着時において、1時間(3600秒)の間に、秒針11が基準位置から3秒分ズレていた場合、位置ズレ量xは、0.0008(≒3÷3600)となる。すなわち、この場合、0.0005≦x≦0.0019であるため、装着時ランクは3に設定されることとなる。そして、装着時ランク3に設定された状態においては、装着状態において、針位置検出動作が10分毎に実行され、衝撃が発生した場合、強度2のロックパルスが出力されることとなる。すなわち、頻度設定手段32により、装着状態における針位置検出動作の実行頻度が10分に1回に設定され、強度設定手段33によりロックパルスの強度が2に設定される。また、強度設定手段33は、例えば、
図4の装着時ランク4と装着時ランク5の場合のように、頻度設定手段32により設定された針位置検出動作の実行頻度が同じであっても、位置ズレ量xが大きい装着時ランク5の方のロックパルスの強度を大きくしている。これは、非装着状態の
図5のテーブルでも同じである。
【0070】
また、
図5は、第2の使用状態である非装着状態における相関テーブルである。ズレ量取得手段31は、針位置検出動作の検出結果に基づいて、秒針11の第2の位置ズレ量を取得する。
図5の相関テーブルの各項目は、
図4の相関テーブルと同等である。第1の実施形態においては、装着状態と非装着状態とで位置ズレ量xが同等であった場合、非装着状態よりも装着状態の針位置検出動作の実行頻度を高くした。上述のように、装着状態においては、秒針11の位置精度がより求められるためである。また、第1の実施形態においては、装着状態と非装着状態とで位置ズレ量xが同等であった場合、装着状態よりも非装着状態のロックパルスの強度を高くした。上述のように、非装着状態においては大きな衝撃が発生する可能性が高いためである。
【0071】
次に、
図6~
図9を参照して、第1の実施形態における、装着状態及び非装着状態におけるランク設定について説明する。
図6は、第1の実施形態における、装着状態における制御回路の動作を示すフローチャートである。
図7は、第1の実施形態における、非装着状態における制御回路の動作を示すフローチャートである。
図8は、第1の実施形態における、装着時ランクの設定動作を示すフローチャートである。
図9は、第1の実施形態における、非装着時ランクの設定動作を示すフローチャートである。
【0072】
第1の実施形態においては、電子時計1が非装着状態から装着状態に変わった際に、
図6に示す動作を開始する。また、電子時計1が装着状態から非装着状態に変わった際に、
図7に示す動作を開始する。
【0073】
まず、制御回路3は、電子時計1が非装着状態から装着状態に変わった後、針検タイマ50をクリアすると共に(ステップS61)、針検タイマ50の計測を開始させる(ステップS62)。また、第1のランク変更タイマ51の計測を実行させる(ステップS63)。
【0074】
そして、制御回路3は、現在設定されている装着時ランクに基づいて、針位置検出動作の実行頻度及びロックパルスの強度を設定する(ステップS64)。
【0075】
さらに、制御回路3は、状態検出手段34により、装着状態から非装着状態へ電子時計1の使用状態が変わったか否かを検出する(ステップS65)。
【0076】
状態検出手段34が使用状態の変更を検出しない場合(ステップS65のNO)、第1のランク変更タイマ51の計測値が、
図4に示すテーブルに基づいて現在設定されている針位置検出動作の実行頻度に基づく時間を経過しているか否かが判定される(ステップS66)。例えば、現在の装着時ランクが3の場合、第1のランク変更タイマ51の計測値が、10分を経過しているか否かが判定される。当該時間を経過した場合(ステップS66のYES)、制御回路3は、針位置検出手段7を制御し、針位置検出動作を実行させる(ステップS67)。
【0077】
一方、ステップS65において、状態検出手段34が使用状態の変更を検出した場合(ステップS65のYES)、状態変更フラグFを立てる。すなわち、制御回路3は、状態変更フラグF=1に設定する(ステップS68)。そして、制御回路3は、針位置検出手段7を制御し、針位置検出動作を実行させる(ステップS67)。
【0078】
そして、制御回路3は、装着時ランクを設定する(ステップS69)。ここで設定された装着時ランクに基づいて、次回装着状態になった際の、針位置検出動作の実行頻度、ロックパルスの強度が決まる。また、ステップS67における針位置検出動作による検出結果に基づいて、針位置修正動作を行う(ステップS610)。例えば、制御回路3は、秒針11が基準位置から2秒分ズレていた場合、そのズレを解消するように、駆動パルス発生回路4により駆動パルスを出力させる。なお、秒針11に位置ズレが無い場合は、ステップS610の針位置修正動作を行う必要はない。
【0079】
装着時ランクの設定については、電子時計1が非装着状態から装着状態に移行するタイミングで、前回設定された装着時ランクに基づき針位置検出動作の実行頻度、ロックパルスの強度を決定するように説明したが、第1のランク変更タイマ51の経過時間が一定時間に達すると装着時ランクを移行させ、針位置検出動作の実行頻度、ロックパルスの強度を変更しても良い。この際に第1のランク変更タイマ51は、装着時ランクの変更があった際にリセットされ、電子時計1の装着状態の継続に合わせて計測が実行される。これにより、カウンタが大きくならずに済むため、回路面積を小さくできる。また、第1のランク変更タイマ51は、衝撃を検知した時点で、装着時ランクを大きいランクに変更すると共に、タイマのカウント値がリセットされてもよい。
【0080】
さらに、制御回路3は、状態変更フラグF=0である場合(ステップS611のYES)、すなわち、使用状態が非装着状態に変わっていない場合、上記ステップS61~S610の動作を繰り返す。
【0081】
一方、制御回路3は、状態変更フラグF=1である場合(ステップS611のNO)、F=0にすると共に(ステップS612)、第1のランク変更タイマ51の計測を停止させる(ステップS613)。電子時計1の使用状態が非装着状態に変わったことより、続けて、
図7のフローチャートで示す動作を行う。
【0082】
制御回路3は、電子時計1が装着状態から非装着状態に変わった後、針検タイマ50をクリアすると共に(ステップS71)、針検タイマ50の計測を開始させる(ステップS72)。また、第2のランク変更タイマ52の計測を実行させる(ステップS73)。
【0083】
そして、制御回路3は、現在設定されている非装着時ランクに基づいて、針位置検出動作の実行頻度及びロックパルスの強度を設定する(ステップS74)。
【0084】
さらに、制御回路3は、状態検出手段34により、非装着状態から装着状態へ電子時計1の使用状態が変わったか否かを検出する(ステップS75)。
【0085】
状態検出手段34が使用状態の変更を検出しない場合(ステップS75のNO)、第2のランク変更タイマ52の計測値が、
図5に示すテーブルに基づいて現在設定されている針位置検出動作の実行頻度に基づく時間を経過しているか否かが判定される(ステップS76)。例えば、現在の非装着時ランクが3の場合、第2のランク変更タイマ52の計測値が、1時間を経過しているか否かが判定される。当該時間を経過した場合(ステップS76のYES)、制御回路3は、針位置検出手段7を制御し、針位置検出動作を実行させる(ステップS77)。
【0086】
一方、ステップS75において、状態検出手段34が使用状態の変更を検出した場合(ステップS75のYES)、状態変更フラグFを立てる。すなわち、制御回路3は、状態変更フラグF=1に設定する(ステップS78)。そして、制御回路3は、針位置検出手段7を制御し、針位置検出動作を実行させる(ステップS77)。
【0087】
そして、制御回路3は、非装着時ランクを設定する(ステップS79)。ここで設定された非装着時ランクに基づいて、次回非装着状態になった際の、針位置検出動作の実行頻度、ロックパルスの強度が決まる。また、ステップS77における針位置検出動作による検出結果に基づいて、針位置修正動作を行う(ステップS710)。例えば、制御回路3は、秒針11が基準位置から2秒分ズレていた場合、そのズレを解消するように、駆動パルス発生回路4により駆動パルスを出力させる。なお、秒針11に位置ズレが無い場合は、ステップS710の針位置修正動作を行う必要はない。
【0088】
非装着時ランクの設定については、電子時計1が装着状態から非装着状態に移行するタイミングで、前回設定された非装着時ランクに基づき針位置検出動作の実行頻度、ロックパルスの強度を決定するように説明したが、第2のランク変更タイマ52の経過時間が一定時間に達すると装着時ランクを移行させ、針位置検出動作の実行頻度、ロックパルスの強度を変更しても良い。この際に第2のランク変更タイマ52は、非装着時ランクの変更があった際にリセットされ、電子時計1の非装着状態の継続に合わせて計測が実行される。これにより、カウンタが大きくならずに済むため、回路面積を小さくできる。また、第2のランク変更タイマ52は、衝撃を検知した時点で、非装着時ランクを大きいランクに変更すると共に、タイマのカウント値がリセットされてもよいが、非装着時にはユーザが電子時計1の指針を見ている可能性が低いため、急いて指針位置を修正する必要が無く、電子時計1の非装着状態の間は、針位置検出動作と非装着ランクの変更は行わず、消費電力を低減することが望ましい。
【0089】
さらに、制御回路3は、状態変更フラグF=0である場合(ステップS711のYES)、すなわち、使用状態が装着状態に変わっていない場合、上記ステップS71~S710の動作を繰り返す。
【0090】
一方、制御回路3は、状態変更フラグF=1である場合(ステップS711のNO)、F=0にすると共に(ステップS712)、第2のランク変更タイマ52の計測を停止させる(ステップS713)。電子時計1の使用状態が非装着状態に変わったことより、続けて、
図6のフローチャートで示す動作を行う。
【0091】
以上のように、電子時計1の使用状態が変わる毎に、
図6、
図7で示す動作が繰り返し行われる。
【0092】
さらに、
図8を参照して、第1の実施形態における、装着時ランクの設定動作(
図6のステップS69)について説明する。
【0093】
まず、制御回路3は、針検タイマ50の計測値を取得する(ステップS81)。そして、制御回路3は、単位秒あたりの秒針11の位置ズレ量xを演算し、取得する(ステップS82)。例えば、針検タイマ50の計測値が10分(10×60秒)であって、その間の秒針11の位置ズレ量xが0であった場合、単位秒あたりの位置ズレ量xは、0となる。また、例えば、針検タイマ50の計測値が10分(10×60秒)であって、その間の秒針11の位置ズレ量xが2秒分であった場合、単位秒あたりの位置ズレ量xは、約0.0033(≒2÷600)となる。
【0094】
制御回路3は、取得した位置ズレ量xに基づいて、装着時ランクの仮設定を行う(ステップS83)。例えば、上記のように、x=0の場合、
図4に示すテーブルに基づいて、装着時ランクを0に仮設定する。また、上記のように、x≒0.0033の場合、
図4に示すテーブルに基づいて、装着時ランクを4に仮設定する。
【0095】
制御回路3は、x=0の場合(ステップS84のYES)、第1のランク変更タイマ51の計測値が1週間を経過しているか否か(ステップS85)、2週間を経過しているか否か(ステップS86)を判定する。
【0096】
第1のランク変更タイマ51の計測値が1週間を経過していない場合(ステップS85のNO)、現在の装着時ランクを維持する(ステップS87)。これは、位置ズレは発生していないものの、現在の装着時ランクを下げると判断するには十分な期間が経過していないためである。ユーザの使用の実態(生活のサイクル)をより反映させるためには、1週間程度経過を見ることが好ましい。
【0097】
第1のランク変更タイマ51の計測値が1週間を経過しており(ステップS85のYES)、かつ、2週間を経過していない場合(ステップS86のNO)、第1のランク変更タイマ51の計測値をクリアした上で(ステップS88)、装着時ランクを1ランク下げる(ステップS89)。位置ズレが発生していない期間が1週間経過した場合、不要に針位置検出動作が実行されることを抑制した方が、消費電力抑制の観点から好ましいためである。また、位置ズレが発生していない期間が1週間を経過した場合、ロックパルスの現在の強度が不要に大きい可能性があるためである。
【0098】
第1のランク変更タイマ51の計測値が2週間を経過している場合(ステップS86のYES)、第1のランク変更タイマ51の計測値をクリアした上で(ステップS810)、装着時ランクを1に設定する(ステップS811)。位置ズレが発生していない期間が2週間を経過した場合、装着時ランクが不要に大きなランクに設定されている可能性が高いためである。装着時ランクを最低ランクである1に設定することにより、次回の装着状態における消費電力を抑制することができる。
【0099】
ステップS84において、X=0でない場合、例えば、上述のようにx≒0.0033の場合(ステップS84のNO)、制御回路3は、まず、第1のランク変更タイマ51をクリアする(ステップS812)。
【0100】
そして、制御回路3は、現在の装着時ランクが、ステップS83で設定された仮設定ランクよりも大きい場合(ステップS813のYES)、現在の装着時ランクを維持する(ステップS814)。例えば、現在の装着時ランクが3であって、仮設定された装着時ランクが2の場合、装着時ランク3を維持する。これは、秒針11の位置ズレが発生している状態において、装着時ランクを下げると、位置ズレが発生する可能性がさらに高くなってしまうためである。
【0101】
一方、制御回路3は、現在の装着時ランクが、ステップS83で設定された仮設定ランク以下である場合(ステップS813のNO)、装着時ランクを、仮設定されたランクに変更する。例えば、現在の装着時ランクが3であって、仮設定された装着時ランクが4の場合、装着時ランクを4に変更する。これにより、次回装着状態になった際に、秒針11の位置ズレが発生する可能性を低くすることができる。
【0102】
次に、
図9を参照して、第1の実施形態における、非装着時ランクの設定動作(
図7のステップS79)について説明する。
【0103】
まず、制御回路3は、針検タイマ50の計測値を取得する(ステップS91)。そして、制御回路3は、単位秒あたりの秒針11の位置ズレ量xを演算し、取得する(ステップS92)。例えば、針検タイマ50の計測値が10分(10×60秒)であって、その間の秒針11の位置ズレ量xが0であった場合、単位秒あたりの位置ズレ量xは、0となる。また、例えば、針検タイマ50の計測値が10分(10×60秒)であって、その間の秒針11の位置ズレ量xが2秒分であった場合、単位秒あたりの位置ズレ量xは、約0.0033(≒2÷600)となる。
【0104】
制御回路3は、取得した位置ズレ量xに基づいて、非装着時ランクの仮設定を行う(ステップS93)。例えば、上記のように、x=0の場合、
図5に示すテーブルに基づいて、装着時ランクを0に仮設定する。また、上記のように、x≒0.0033の場合、
図5に示すテーブルに基づいて、装着時ランクを4に仮設定する。
【0105】
制御回路3は、x=0の場合(ステップS94のYES)、第2のランク変更タイマ52の計測値が1週間を経過しているか否か(ステップS95)、2週間を経過しているか否か(ステップS96)を判定する。
【0106】
第2のランク変更タイマ52の計測値が1週間を経過していない場合(ステップS95のNO)、現在の非装着時ランクを維持する(ステップS97)。これは、位置ズレは発生していないものの、現在の非装着時ランクを下げると判断するには十分な期間が経過していないためである。ユーザの使用の実態をより反映させるためには、1週間程度経過を見ることが好ましい。
【0107】
第2のランク変更タイマ52の計測値が1週間を経過しており(ステップS95のYES)、かつ、2週間を経過していない場合(ステップS96のNO)、第2のランク変更タイマ52の計測値をクリアした上で(ステップS98)、非装着時ランクを1ランク下げる(ステップS99)。位置ズレが発生していない期間が1週間経過した場合、不要に針位置検出動作が実行されることを抑制した方が、消費電力抑制の観点から好ましいためである。また、位置ズレが発生していない期間が1週間を経過した場合、ロックパルスの現在の強度が不要に大きい可能性があるためである。
【0108】
第2のランク変更タイマ52の計測値が2週間を経過している場合(ステップS96のYES)、第2のランク変更タイマ52の計測値をクリアした上で(ステップS910)、非装着時ランクを1に設定する(ステップS911)。位置ズレが発生していない期間が2週間を経過した場合、非装着時ランクが不要に大きなランクに設定されている可能性が高いためである。非装着時ランクを最低ランクである1に設定することにより、次回の非装着状態における消費電力を抑制することができる。
【0109】
ステップS94において、X=0でない場合、例えば、上述のようにx≒0.0033の場合(ステップS94のNO)、制御回路3は、第2のランク変更タイマ52をクリアする(ステップS912)。
【0110】
そして、制御回路3は、現在の非装着時ランクが、ステップS93で設定された仮設定ランクよりも大きい場合(ステップS913のYES)、現在の非装着時ランクを維持する(ステップS914)。例えば、現在の非装着時ランクが3であって、仮設定された非装着時ランクが2の場合、非装着時ランク3を維持する。これは、秒針11の位置ズレが発生している状態において、非装着時ランクを下げると、位置ズレが発生する可能性がさらに高くなってしまうためである。
【0111】
一方、制御回路3は、現在の非装着時ランクが、ステップS93で設定された仮設定ランク以下である場合(ステップS913のNO)、装着時ランクを、仮設定されたランクに変更する。例えば、現在の非装着時ランクが3であって、仮設定された非装着時ランクが4の場合、非装着時ランクを4に変更する。これにより、次回非装着状態になった際に、秒針11の位置ズレが発生する可能性を低くすることができる。
【0112】
次に、
図10を参照して、第1の実施形態の動作の一例を具体的に説明する。
図10は、第1の実施形態の動作の一例を示すタイミングチャートである。
【0113】
図10においては、ある日の8時~17時における、あるユーザが使用する電子時計1の動作を示している。
図10に示すように、当該ユーザは、9時に電子時計1を装着し、11時35分30秒に電子時計1を外し、13時30分に再び電子時計1を装着している。
【0114】
針位置検出動作は、少なくとも、電子時計1の使用状態が変わった際に実行される。そのため、針位置検出動作は、9時、11時35分30秒、13時30分のタイミングで実行される。
【0115】
位置ズレ修正動作は、針位置検出動作により秒針11の位置ズレの発生が検出された場合に行われる。
図10においては、8時~9時の間に1秒分の位置ズレが発生しており、9時から11時35分30秒の間に1秒分の位置ズレが発生しており、14時30分~15時30分の間に3秒分の位置ズレが発生した例を示している。そのため、位置ズレ修正動作は、9時、11時35分30秒、15時30分に行われている。
【0116】
電子時計1の使用状態が、第2の使用状態である非装着状態から第1の使用状態である装着状態へ変わった9時において、非装着状態において実行される非装着時ランクの設定が行われる。ここでは、8時~9時の非装着状態において、1時間(60×60=3600秒)の間に1秒分の位置ズレが発生している。
図5、
図7、
図9を参照して説明した動作に基づいて、非装着時ランクは2に設定される。そのため、非装着状態における針位置検出動作の頻度は、1日に1回行われる設定となる。
【0117】
電子時計1の使用状態が、第1の使用状態である装着状態から第2の使用状態である非装着状態へ変わった11時35分30秒において、装着状態において実行される装着時ランクの設定が行われる。ここでは、9時~11時35分30秒の装着状態において、2時間35分30秒(2×60×60+35×60+30=9330秒)の間に、1秒分の位置ズレが発生している。
図4、
図6、
図8を参照して説明した動作に基づいて、装着時ランクは、2に設定される。そのため、装着時における針位置検出動作の実行頻度は、1時間に1回行われる設定となる。
【0118】
電子時計1の使用状態が変わった13時30分において、非装着時ランクの設定が行われる。ここでは、11時35分30秒~13時30分の非装着状態において、秒針11の位置ズレが発生していない。
図5、
図7、
図9を参照して説明した動作に基づいて、非装着時ランクは維持される。すなわち、非装着時ランクは2を維持する。
【0119】
13時30分において、電子時計1の使用状態は装着状態である。また、この際の装着時ランクは2であるため、針位置検出動作は1時間に1回実行される。そのため、14時30分、15時30分に針位置検出動作が実行される。
【0120】
14時30分時点においては、秒針11の位置ズレが発生していないため、装着時ランクは維持される。
【0121】
14時30分~15時30分の装着状態において、1時間(60×60=3600秒)の間に、3秒分の位置ズレが発生している。
図4、
図6、
図8を参照して説明した動作に基づいて、装着時ランクは3に設定される。そのため、装着時における針位置検出動作の実行頻度は、10分に1回実行される設定となる。
図10においては、15時30分から10分に1回、針位置検出動作が実行されている様子を示している。
【0122】
また、第1のランク変更タイマ51は、装着状態に変わった際であって、装着時ランクが最低ランクの1でない場合に、その計測を開始する。第1のランク変更タイマ51は長期に亘って位置ズレが発生していない場合に、装着時ランクを下げるか否かの判定に用いられるものであるため、装着時ランクが最低ランクに設定されている場合には使用する必要がないためである。そのため、
図10に示す例においては、装着時ランクが2であり、非装着状態から装着状態に変わった13時30分のタイミングにおいて、第1のランク変更タイマ51の計測が開始している。
【0123】
同様に、第2のランク変更タイマ52は、非装着状態に変わった際であって、非装着時ランクが最低ランクの1でない場合に、その計測を開始する。第2のランク変更タイマ52は長期に亘って位置ズレが発生していない場合に、非装着時ランクを下げるか否かの判定に用いられるものであるため、非装着時ランクが最低ランクに設定されている場合には使用する必要がないためである。そのため、
図10に示す例においては、非装着時ランクが2であり、装着状態から非装着状態に変わった11時35分30秒のタイミングにおいて、第2のランク変更タイマ52の計測が開始している。
【0124】
なお、第1の実施形態においては、単位秒あたりの位置ズレ量xに基づいて、装着時ランク及び非装着時ランクを設定する構成を採用したが、これは一例であり、単位分あたりの位置ズレ量等を用いても構わない。また、時間を考慮することなく、単にズレ量を用いても構わない。すなわち、装着時におけるズレ量が1秒分であれば装着時ランク1、ズレ量が5秒分であれば、装着時ランク4等としても構わない。
【0125】
また、第1の実施形態においては、第1のランク変更タイマ51及び第2のランク変更タイマ52の計測値が、1週間又は2週間を経過した場合に、装着時ランク及び非装着時ランクを下げる構成を採用したが、一例であり、これに限られるものではない。
【0126】
また、
図4及び
図5に示すテーブルは、一例であり、これに限られるものではない。例えば、装着時ランクよりも非装着時ランクにおける針位置検出動作の実行頻度を高くしたり、装着時ランクよりも非装着時ランクにおけるロックパルスの強度を弱くしたりしても構わない。少なくとも、記憶手段35が、装着状態において用いられるテーブルと、非装着時状態において用いられるテーブルをそれぞれ記憶していればよい。
【0127】
また、第1の実施形態においては、記憶手段35が、位置ズレ量と、針位置検出動作の実行頻度及びロックパルスの強度とが対応付けられるテーブルを記憶する例について示したが、これに限られない。例えば、記憶手段35に記憶されるテーブルは、位置ズレ量と、針位置検出動作のみを対応付けたものであってもよい。この場合、いずれのランクにおいても、出力されるロックパルスの強度は同じとなる。
【0128】
また、第1の実施形態においては、秒針11の位置を検出し、その位置ズレを修正する例について説明したが、これに限られない。例えば、分針、時針の位置を検出し、その位置ズレを修正する場合においても適用可能である。
【0129】
また、第1の実施形態においては、使用状態が変わった直後に、針位置検出動作を行う例について説明したが、使用状態が変わってから所定期間(例えば、1分間)が経過した後、針位置検出動作を行うこととしてもよい。これにより、ユーザが電子時計1の付け外しを短期間に頻繁に行った場合に、不要に針位置検出動作が実行されることを抑制することができる。
【0130】
次に、
図11を参照して、第2の実施形態について説明する。なお、第1の実施形態で説明した構成と同様の構成については同じ符号を用いてその説明は省略する。
【0131】
図11は、第2の実施形態に係る電子時計の構成の概要を示すブロック図である。第2の実施形態に係る電子時計100は、センサ70を有する代わりに、ソーラパネル81及び発電量検出回路82を有している。
【0132】
ソーラパネル81は、入射される光により発電する。ソーラパネル81は、例えば、電子時計100が有する文字板の裏側に配置されており、透過性を有する文字板を透過した光が入射されることにより発電するものであるとよい。
【0133】
発電量検出回路82は、ソーラパネル81における発電量を検出する。
【0134】
第2の実施形態においては、状態検出手段34は、発電量検出回路82における検出結果に基づいて、電子時計100の使用状態を検出する。具体的には、発電量検出回路82において所定の閾値以上の発電量が検出された場合、状態検出手段34は、電子時計100が、第1の使用状態である屋外にある状態であることを検出する。一方で、発電量検出回路82において所定の閾値以上の発電量が検出されなかった場合、状態検出手段34は、電子時計100が、第2の使用状態である屋内にある状態であることを検出する。具体的には、例えば、発電量検出回路82において検出された発電量が1000ルクス以上であった場合、状態検出手段34は電子時計100が屋外にある状態であることを検出するとよい。
【0135】
第2の実施形態における屋外にある状態が、第1の実施形態における装着状態に対応する使用状態である。すなわち、第2の実施形態の電子時計100が屋外にある状態においては、記憶手段35が
図4に示すテーブルと同様のテーブルを記憶しており、制御回路3が
図6、
図8で示した動作を実行するとよい。
【0136】
同様に、第2の実施形態における屋内にある状態が、第1の実施形態における非装着状態に対応する使用状態である。すなわち、第2の実施形態の電子時計100が屋内にある状態においては、記憶手段35が
図5に示すテーブルと同様のテーブルを記憶しており、制御回路3が
図7、
図9で示した動作を実行するとよい。
【0137】
なお、第1の実施形態の構成と、第2の実施形態の構成を組み合わせてもよい。すなわち、電子時計は、センサ70、ソーラパネル81、及び発電量検出回路82を有していてもよい。この場合、記憶手段35が、装着状態、非装着状態、屋外にある状態、屋内にある状態を組み合わせたテーブルを有してもよい。すなわち、記憶手段35が、装着状態であり、かつ屋外にある状態において使用するテーブル、装着状態にあり、かつ屋内にある状態において使用するテーブル、非装着状態であり、かつ屋外にある状態において使用するテーブル、非装着状態であり、かつ、屋内にある状態において使用するテーブルをそれぞれ記憶していてもよい。この場合、例えば、装着状態にあり、かつ屋外にある状態において使用されるテーブルが、最も消費電力が大きく、秒針11の位置ズレが生じにくい設定であるとよい。
【0138】
以上、本発明に係る実施形態について説明したが、この実施形態に示した具体的な構成は一例として示したものであり、本発明の技術的範囲をこれに限定することは意図されていない。当業者は、これら開示された実施形態を適宜変形してもよく、本明細書にて開示される発明の技術的範囲は、そのようになされた変形をも含むものと理解すべきである。
【符号の説明】
【0139】
1,200 電子時計、2 発振回路、3 制御回路、31 ズレ量取得手段、32 頻度設定手段、33 強度設定手段、34 状態検出手段、35 記憶手段、4 駆動パルス発生回路、5 ロックパルス発生回路、6 パルス選択回路、61 歯車、61a 中心軸、61b 貫通孔、62 発光部、63 受光部、7 針位置検出手段、8 衝撃検出回路、11 秒針、20 ドライバ回路、40 ステップモータ、41 ロータ、C コイル、51 針検タイマ、52 第1のランク変更タイマ、第2のランク変更タイマ、70 センサ、81 ソーラパネル、82 発電量検出回路。