(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-19
(45)【発行日】2024-03-28
(54)【発明の名称】熱交換器、熱交換器ユニット、及び冷凍サイクル装置
(51)【国際特許分類】
F28F 9/02 20060101AFI20240321BHJP
F28F 9/22 20060101ALI20240321BHJP
F28F 1/02 20060101ALI20240321BHJP
F28D 1/053 20060101ALI20240321BHJP
F25B 39/02 20060101ALI20240321BHJP
【FI】
F28F9/02 301D
F28F9/02 301Z
F28F9/22
F28F1/02 B
F28D1/053 A
F25B39/02 J
(21)【出願番号】P 2020105446
(22)【出願日】2020-06-18
【審査請求日】2023-06-15
(73)【特許権者】
【識別番号】516299338
【氏名又は名称】三菱重工サーマルシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100162868
【氏名又は名称】伊藤 英輔
(74)【代理人】
【識別番号】100161702
【氏名又は名称】橋本 宏之
(74)【代理人】
【識別番号】100189348
【氏名又は名称】古都 智
(74)【代理人】
【識別番号】100196689
【氏名又は名称】鎌田 康一郎
(72)【発明者】
【氏名】左海 将之
(72)【発明者】
【氏名】青木 泰高
(72)【発明者】
【氏名】立野井 秀哲
(72)【発明者】
【氏名】田中 一成
【審査官】大谷 光司
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-056543(JP,A)
【文献】特開2015-127620(JP,A)
【文献】特開2015-127618(JP,A)
【文献】特開2016-070622(JP,A)
【文献】特開2018-013322(JP,A)
【文献】特開2016-148480(JP,A)
【文献】特開2019-158159(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0123696(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F28F 9/02
F28F 9/22
F28F 1/02
F28D 1/053
F25B 41/42
F25B 39/02
F28F 1/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気と冷媒とを熱交換させる熱交換器であって、
外形が扁平形状とされて一方向に延びるとともに、幅方向に配置され、前記一方向に延び、前記冷媒が流れる複数の流路を有する複数の扁平管と
前記複数の扁平管を収容した状態で、前記扁平管の延在方向に配置された複数のフィンと、
前記複数の扁平管の一方の端部が内側に配置されるように、前記複数の扁平管と接続され、前記内側に前記冷媒が流れるヘッダと、
を備え、
前記ヘッダは、上下方向に延びる筒状とされ、柱状の内部空間を区画するヘッダ本体と、
前記ヘッダ本体内に収容され、上下方向に延び、前記内部空間の上端部及び下端部において前記冷媒が流通可能な状態で、前記延在方向に前記内部空間を第1の空間と前記複数の扁平管の一方の端部が配置された第2の空間とに分割する仕切り板と、
前記第1の空間の下部に配置され、前記ヘッダの外部から供給される前記冷媒を前記ヘッダ本体の底面に向けて吹き出す吹出口を含むノズル部と、を有し、
前記ノズル部の幅方向両側には、前記第1の空間の一部である冷媒流通部がそれぞれ形成されている熱交換器。
【請求項2】
前記ヘッダ本体の底面は、前記第1の空間を区画する第1の底面と、前記第2の空間を区画する第2の底面と、を有し、
前記第1の底面に設けられ、前記第1の空間から前記第2の空間に向かう方向に前記冷媒を案内する第1の案内面を有する第1の冷媒案内部を備える請求項1記載の熱交換器。
【請求項3】
前記第1の案内面は、前記仕切り板の下端部から離れる方向に凹んだ凹曲面である請求項2記載の熱交換器。
【請求項4】
前記ヘッダ本体の底面は、前記第1の空間を区画する第1の底面と、前記第2の空間を区画する第2の底面と、を有し、
前記第2の底面に設けられ、前記第2の空間の下方から上方に向かう方向に前記冷媒を案内する第2の案内面を有する第2の冷媒案内部を備える請求項1から3のうち、いずれか一項記載の熱交換器。
【請求項5】
前記第2の案内面は、前記仕切り板の下端部から離れる方向に凹んだ凹曲面である請求項4記載の熱交換器。
【請求項6】
前記仕切り板の下端部のうち、前記ヘッダ本体の底面から上方に離れた部分に設けられ、前記第1の空間から前記第2の空間に向かう方向に前記冷媒を案内する第3の案内面を含む第3の冷媒案内部を備える請求項1から5のうち、いずれか一項記載の熱交換器。
【請求項7】
前記第3の冷媒案内部は、前記仕切り板の幅方向に延びる円柱状部材である請求項6記載の熱交換器。
【請求項8】
前記ノズル部は、前記ヘッダ本体の高さの1/2よりも低い位置に配置されている請求項1から7のうち、いずれか一項記載の熱交換器。
【請求項9】
前記ノズル部は、前記複数の扁平管のうち、一番下に配置された扁平管と下から2番目に配置された扁平管との間に配置されている請求項1から7のうち、いずれか一項記載の熱交換器。
【請求項10】
前記扁平管が延びる方向において、前記複数の扁平管の一端は、前記仕切り板と向かい合うように配置されており、
前記複数の扁平管のうち、一番下に配置された扁平管の一端から前記仕切り板までの距離は、他の扁平管の一端から前記仕切り板までの距離よりも長い請求項1から8のうち、いずれか一項記載の熱交換器。
【請求項11】
前記一番下に配置された扁平管の一端は、前記他の扁平管の一端の位置よりも前記第1の空間から前記第2の空間に向かう方向に後退させて配置する請求項10記載の熱交換器。
【請求項12】
前記一番下に配置された扁平管の一端と向かい合う前記仕切り板の下端部は、前記第2の空間から前記第1の空間に向かう方向にずれた位置に配置されている請求項10または11記載の熱交換器。
【請求項13】
前記第2の空間を区画する前記ヘッダ本体の内壁面に設けられるとともに、前記複数の扁平管のうち、一番下に配置された扁平管の一方の端部の下方に配置され、前記ヘッダ本体の底面から前記一番下に配置された扁平管の一端に向かう冷媒を整流させる整流部材を備える請求項1から12のうち、いずれか一項記載の熱交換器。
【請求項14】
前記整流部材は、前記一番下に配置された扁平管の一方の端部から離れた位置に配置され、前記ヘッダ本体の内壁面から前記仕切り板に向かう方向に延び、前記ヘッダ本体の内壁面からの突出量が前記一方の端部の突出量と等しい邪魔板である請求項13記載の熱交換器。
【請求項15】
前記整流部材は、前記一番下に配置された扁平管の一方の端部の下面と接触するように、前記一方の端部の下方に配置され、前記ヘッダ本体の内壁面から前記仕切り板に向かう方向に延び、前記ヘッダ本体の内壁面からの突出量が前記一方の端部の突出量と等しいブロックである請求項13記載の熱交換器。
【請求項16】
前記ブロックは、前記仕切り板側に形成され、前記冷媒の流れを上方に導く湾曲面を有する請求項15記載の熱交換器。
【請求項17】
前記第1の空間を区画する前記ヘッダ本体と前記仕切り板との間に設けられるとともに、前記第1の空間のうち、前記ノズル部の上方に位置する部分に配置された多孔板を備える請求項1から16のうち、いずれか一項記載の熱交換器。
【請求項18】
前記吹出口は、円形の穴であり、
前記仕切り板は、幅方向の一方側に配置され、下端が前記ヘッダ本体の底面に到達する一方の下端部と、前記幅方向の他方側に配置され、下端が前記ヘッダ本体の底面に到達する他方の下端部と、前記一方の下端部と前記他方の下端部との間に形成され、前記冷媒を流通させる切り欠き部と、を有する請求項1から17のうち、いずれか一項記載の熱交換器。
【請求項19】
前記吹出口は、前記ノズル部の幅方向に延びる溝形状とされており、
前記ノズル部の幅方向両側に配置された2つの前記冷媒流通部の幅の合計の値は、前記ノズル部の幅の値よりも小さい請求項1から17のうち、いずれか一項記載の熱交換器。
【請求項20】
請求項1から19のうち、いずれか一項記載の熱交換器と、
前記熱交換器に空気を送る送風機と、
を備える熱交換器ユニット。
【請求項21】
請求項20記載の熱交換器ユニットを備える冷凍サイクル装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、熱交換器、熱交換器ユニット、及び冷凍サイクル装置に関する。
【背景技術】
【0002】
熱交換器として、複数の扁平管と、複数のフィンと、一対のヘッダと、を備えたマルチフロー型熱交換器が知られている。
複数の扁平管は、上下方向に間隔を空けた状態で、複数のフィンに挿入されている。各扁平管には、幅方向に間隔をあけて配置された複数の流路が形成されている。複数のフィンは、扁平管が延びる方向に間隔を空けて配置されている。
【0003】
一対のヘッダは、それぞれ上下方向に延びている。一方のヘッダは、複数の扁平管の一方の端部を収容した状態で、複数の扁平管と接続されている。他方のヘッダは、複数の扁平管の他方の端部を収容した状態で、複数の扁平管と接続されている。
【0004】
ところで、上記熱交換器を蒸発器として用いる場合、ヘッダには、外部から冷媒として気液二相冷媒が導入される。
熱交換器の伝熱領域を十分に活用する観点から、ヘッダに導入される冷媒の流量に依存することなく、各扁平管及び各扁平管に形成された複数の流路に対する冷媒分配の偏りを抑制する必要がある。
しかしながら、ヘッダに複数の扁平管の一方の端部を挿入しただけの単純な構成では、慣性力や重力の影響により、各扁平管に対する冷媒分配の偏りが発生してしまう。即ち、冷媒の流量が少ない場合には、重力の影響が支配的となりヘッダの下方に位置する扁平管に液相冷媒が多く供給されてしまう。また、冷媒の流量が多い場合には、慣性力の影響が支配的となりヘッダの上方に位置する扁平管に液相冷媒が多く供給されてしまう。
【0005】
特許文献1には、冷媒の循環量に起因する冷媒の偏流を抑制することを目的とした熱交換器が開示されている。
具体的には、特許文献1には、ヘッダの内部空間の下部に配置された第1内部空間と第1内部空間の上方に配置された空間との間を仕切る第1整流板と、第1内部空間の上方に配置された空間を第1流出空間と第1ループ空間とに仕切る第1仕切り板と、を備え、第1整流板に形成された2つの第1流入口を介して、第1内部空間に導入された冷媒を第1流出空間に導き、第1流出空間と第1ループ空間との間で冷媒を循環させる熱交換器が開示されている。
【0006】
一方、扁平形状とされた熱交換器のフィンとして、上下方向に延び、厚さの薄い板状のフィン本体と、扁平管が挿入される複数の扁平管挿入部と、上方側から下方側へと凝縮水を導く連通部と、を有するものがある。
扁平管挿入部は、フィン本体に形成されており、上下方向に対して直交する左右方向に延びている。扁平管挿入部は、左右方向において、扁平管挿入部がフィン本体を分断しないように形成されている。
連通部は、フィン本体のうち、複数の扁平管挿入部の外側に位置する部分で構成されている。連通部は、上下方向に連続して延びている。
【0007】
上記構成とされたフィンを用いる場合、連通部のうち、左右方向において、扁平管挿入部と向かい合う部分において、フィンが倒れやすいという問題がある。このような問題を解決することを目的とした技術として、特許文献2に開示された熱交換器がある。
【0008】
特許文献2には、連通部に形成され、かつ上下方向に間隔を空けて形成されたフィン間隔調整部の間に、左右方向において、扁平管挿入部と向かい合うとともに、複数のフィンの配列方向(以下、「フィン配列方向」という)の一方側に突出する伝熱促進部を形成することが開示されている。伝熱促進部は、上下方向において、間隔を空けて複数配置されている。
【0009】
一方、特許文献3には、板状のフィンに形成された第1及び第2の間隔保持部により、互いに隣り合うフィンの間隔(フィンピッチ)を規定することが開示されている。
第1の間隔保持部は、フィンに扁平管が配置された状態で、扁平管の前縁(空気の流れ方向の上流側に位置する縁)側に形成されている。第2の間隔保持部は、上下方向に配置された扁平管の間に位置するフィンに形成されている。
【0010】
特許文献3には、フィンの一部を折り曲げることで第1及び第2の間隔保持部を形成することが開示されている。
また、特許文献3には、第1の間隔保持部を形成する際、空気の流れ方向に対して向かい合うようにフィンの一部を折り曲げることが開示されている。
さらに、特許文献3には、扁平管の先端部が第1の間隔保持部の一部のみと接触する構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【文献】特許第5754490号
【文献】特許第5397489号
【文献】国際公開第2019/239519号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
ところで、一般的に、扁平管の本数が多い場合には、ヘッダ内に水平方向に延びる水平仕切り板を上下方向に配置させることで、ヘッダ内の空間を複数の空間に分割することが行われている。
特許文献1に記載された熱交換器を用いて分配均等化するためには、第1流出空間及び第1ループ空間を上下方向に連続して配置することが望ましい。このため、第1内部空間を設けるスペースの確保が困難となり、第1内部空間を設けることが困難となる可能性がある。また、水平仕切り板の枚数が増加して製造工程が煩雑化する可能性が有る。
【0013】
また、特許文献1では、第1整流板に形成された2つの第1流入口を介して、第1内部空間に導入された冷媒を第1流出空間に導くため、扁平管の幅方向において冷媒の状態が異なる可能性がある。この場合、各扁平管の幅方向に形成された複数の流路に対して冷媒分配の偏りを抑制することが困難となる可能性がある。
【0014】
一方、特許文献2に開示された伝熱促進部は、フィンの母材となる板状の母材部材をプレス加工することで形成する。このため、伝熱促進部のフィン配列方向の他方側には底を有する窪みが形成されてしまう。これにより、連通部を流れる凝縮水が伝熱促進部の底に溜まり、連通部を介して、凝縮水を下方に排水することが困難となる可能性がある。
【0015】
一方、特許文献3では、第1の間隔保持部を形成する際に、空気の流れ方向に対して向かい合うようにフィンの一部を折り曲げる。このため、第1の間隔保持部が流動抵抗となり、空気の圧損が増加する可能性がある。
また、特許文献3では、扁平管の先端部が第1の間隔保持部の一部のみと接触するため、フィンと扁平管との間における熱伝導性を向上させることが困難となる可能性がある。
【0016】
本開示は、上記課題を解決するためになされたものであって、製造工程を簡略化可能で、かつヘッダ内に供給される冷媒の流量に依存することなく、各扁平管及び各扁平管の幅方向に形成された複数の流路に対する冷媒分配の偏りを抑制することの可能な熱交換器、熱交換器ユニット、及び冷凍サイクル装置提供することを目的とする。
また、本開示は、上記課題を解決するためになされたものであって、連通部における凝縮水の流れの阻害を抑制した上で、フィンの倒れを抑制することの可能な熱交換器、熱交換器ユニット、及び冷凍サイクル装置を提供することを目的とする。
さらに、本開示は、上記課題を解決するためになされたものであって、空気の圧損を抑制した上でフィンピッチを規定することが可能になるとともに、扁平管とフィンとの間の熱伝導性を向上させることの可能な熱交換器、熱交換器ユニット、及び冷凍サイクル装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上記課題を解決するために、本開示に係る熱交換器は、空気と冷媒とを熱交換させる熱交換器であって、外形が扁平形状とされて一方向に延びるとともに、幅方向に配置され、前記一方向に延び、前記冷媒が流れる複数の流路を有する複数の扁平管と前記複数の扁平管を収容した状態で、前記扁平管の延在方向に配置された複数のフィンと、前記複数の扁平管の一方の端部が内側に配置されるように、前記複数の扁平管と接続され、前記内側に前記冷媒が流れるヘッダと、を備え、前記ヘッダは、上下方向に延びる筒状とされ、柱状の内部空間を区画するヘッダ本体と、前記ヘッダ本体内に収容され、上下方向に延び、前記内部空間の上端部及び下端部において前記冷媒が流通可能な状態で、前記延在方向に前記内部空間を第1の空間と前記複数の扁平管の一方の端部が配置された第2の空間とに分割する仕切り板と、前記第1の空間の下部に配置され、前記ヘッダの外部から供給される前記冷媒を前記ヘッダ本体の底面に向けて吹き出す吹出口を含むノズル部と、を有し、前記ノズル部の幅方向両側には、前記第1の空間の一部である冷媒流通部がそれぞれ形成されている。
【発明の効果】
【0020】
本開示の熱交換器、熱交換器ユニット、及び冷凍サイクル装置によれば、製造工程が煩雑化することを抑制した上で、ヘッダ内に供給される冷媒の流量に依存することなく、各扁平管及び各扁平管の幅方向に形成された複数の流路に対する冷媒分配の偏りを抑制できる。
一方、本開示の熱交換器、熱交換器ユニット、及び冷凍サイクル装置によれば、連通部における凝縮水の流れの阻害を抑制した上で、フィンの倒れを抑制することができる。
一方、本開示の熱交換器、熱交換器ユニット、及び冷凍サイクル装置によれば、空気の圧損を抑制した上でフィンピッチを規定できるとともに、扁平管とフィンとの間の熱伝導性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本開示の第1の実施形態に係る冷凍サイクル装置の概略構成を模式的に示す図である。
【
図2】
図1に示す熱交換器の主要部を模式的に示す図である。
【
図4】
図2に示す領域Bで囲まれたヘッダの縦断面図である。
【
図5】
図4に示すヘッダのC
1-C
2線方向の断面図である。
【
図6】
図4に示すヘッダのD
1-D
2線方向の断面図である。
【
図7】第1の実施形態の第1変形例に係る熱交換器の主要部の断面図である。
【
図8】第2の実施形態に係る熱交換器の主要部の縦断面図である。
【
図9】第2の実施形態の第1変形例に係る熱交換器の主要部の縦断面図である。
【
図10】第2の実施形態の第2変形例に係る熱交換器の主要部の縦断面図である。
【
図11】第2の実施形態の第3変形例に係る熱交換器の主要部の縦断面図である。
【
図12】第3の実施形態に係る熱交換器の主要部の縦断面図である。
【
図13】第3の実施形態の第1変形例に係る熱交換器の主要部の縦断面図である。
【
図14】第3の実施形態の第2変形例に係る熱交換器の主要部の縦断面図である。
【
図15】第4の実施形態に係る熱交換器の主要部の縦断面図である。
【
図16】第4の実施形態の第1変形例に係る熱交換器の主要部の縦断面図である。
【
図17】第4の実施形態の第2変形例に係る熱交換器の主要部の縦断面図である。
【
図18】第4の実施形態の第3変形例に係る熱交換器の主要部の縦断面図である。
【
図19】第4の実施形態の第4変形例に係る熱交換器の主要部の縦断面図である。
【
図20】第4の実施形態の第5変形例に係る熱交換器の主要部の縦断面図である。
【
図21】本開示の第5の実施形態に係る冷凍サイクル装置の概略構成を模式的に示す図である。
【
図22】
図21に示す熱交換器の主要部を模式的に示す図である。
【
図25】
図23に示すフィンのE
1-E
2線方向の断面図であり、1枚のフィンの断面を示す図である。
【
図26】
図23に示すフィンのF
1-F
2線方向の断面図であり、フィンピッチ規定部が互いに隣り合う位置に配置されたフィンに当接されている状態を模式的に示す断面図である。
【
図27】
図22に示すフィンのG
1-G
2線方向の断面図であり、1枚のフィンの断面を示す図である。
【
図28】
図22に示す複数のフィンを製造する際に行う切断工程の前工程を説明するための平面図である。
【
図29】
図22に示す複数のフィンを製造する際に行う切断工程を説明するための平面図である。
【
図30】
図22に示す複数のフィンを製造する際の複数のフィンの他の配置例を説明するための平面図である。
【
図31】本開示の第6の実施形態に係る熱交換器の主要部を示す図である。
【
図32】
図31に示すフィンのI
1-I
2線方向の断面図であり、1枚のフィンの断面を示す図である。
【
図33】本開示の第7の実施形態に係る熱交換器の主要部を示す図である。
【
図34】
図33に示すフィンのK
1-K
2線方向の断面図であり、1枚のフィンの断面を示す図である。
【
図35】本開示の第8の実施形態に係る熱交換器の主要部を示す図である。
【
図36】
図35に示すフィンのL
1-L
2線方向の断面図であり、1枚のフィンの断面を示す図である。
【
図37】
図35に示すフィンのN
1-N
2線方向の断面図であり、1枚のフィンの断面を示す図である。
【
図38】本開示の第8の実施形態の第1変形例に係る熱交換器の主要部を示す図である。
【
図39】本開示の第8の実施形態の第2変形例に係る熱交換器の主要部を示す図である。
【
図40】本開示の第9の実施形態に係る冷凍サイクル装置の概略構成を模式的に示す図である。
【
図41】
図40に示す熱交換器の主要部を模式的に示す図である。
【
図43】
図42に示すフィンのQ
1-Q
2線方向の断面図であり、1枚のフィンの断面を示す図である。
【
図44】
図42に示すフィンのR
1-R
2線方向の断面図であり、1枚のフィンの断面を示す図である。
【
図45】
図42に示すフィンのS
1-S
2線方向の断面図であり、第1のフィンピッチ規定部が互いに隣り合う位置に配置されたフィンに当接されている状態を模式的に示す断面図である。
【
図46】
図42に示すフィンのT
1-T
2線方向の断面図であり、第2のフィンピッチ規定部が互いに隣り合う位置に配置されたフィンに当接されている状態を模式的に示す断面図である。
【
図47】本開示の第9の実施形態の変形例に係るフィンを説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
<第1の実施形態>
図1を参照して、第1の実施形態の冷凍サイクル装置10の全体構成について説明する。
図1において、実線の矢印は、暖房運転時に冷媒が流れる方向を示しており、点線の矢印は、冷房運転時に冷媒が流れる方向を示している。
(冷凍サイクル装置の全体構成)
冷凍サイクル装置10は、四方弁15、圧縮機16、第1の熱交換器ユニット18、膨張弁19、及び第2の熱交換器ユニット23が冷媒配管14で接続された構成とされている。冷凍サイクル装置10は、室外機11と、室内機12と、を有する。
【0023】
(室外機の全体構成)
室外機11は、四方弁15と、圧縮機16と、第1の熱交換器ユニット18と、膨張弁19と、を有する。
【0024】
(四方弁の構成)
四方弁15は、冷媒配管14を構成する第1及び第2の冷媒配管14A,14Bの両端のうち、いずれか1つが接続される接続部15A~15Dを有する。
接続部15Aには、第1の冷媒配管14Aの一端が接続されている。接続部15Bには、第1の冷媒配管14Aの他端が接続されている。
接続部15Cには、第2の冷媒配管14Bの一端が接続されている。接続部15Dには、第2の冷媒配管14Bの他端が接続されている。
【0025】
上記構成とされた四方弁15は、暖房運転時と冷房運転時とで冷媒が流れる方向を切り替える。具体的には、冷房運転時には、圧縮機16、第1の熱交換器ユニット18、膨張弁19、第2の熱交換器ユニット23の順に冷媒を循環させる。
一方、暖房運転時には、圧縮機16、第2の熱交換器ユニット23、膨張弁19、第1の熱交換器ユニット18の順に冷媒を循環させる。
【0026】
(圧縮機の構成)
圧縮機16は、第2の冷媒配管14Bに設けられている。圧縮機16は、第2の冷媒配管14Bを流れる冷媒を圧縮する。
【0027】
(第1の熱交換器ユニットの構成)
第1の熱交換器ユニット18は、第1の送風機26と、熱交換器27と、を有する。
【0028】
(第1の送風機の構成)
第1の送風機26は、熱交換器27に空気を供給する。
【0029】
(熱交換器の全体構成)
図1~
図6を参照して、熱交換器27について説明する。
図2~
図4及び
図6において、Z方向は上下方向を示している。
図2~
図5において、X方向はZ方向に対して直交する扁平管41の延在方向を示している。
図3、
図5、及び
図6において、Y方向はX方向及びZ方向に対して直交する扁平管41の幅方向(ノズル部49の幅方向)を示している。
図2において、空気は紙面方向(例えば、紙面に向かう方向)に流れる。
図4に示す矢印は、熱交換器27を蒸発器として利用した際の冷媒が流れる方向、Hはヘッダ本体45の高さ(以下、「高さH」という)をそれぞれ示している。
【0030】
熱交換器27は、冷房運転時には、凝縮器として用いられ、室外へ放熱し、暖房運転時には、蒸発器として用いられ、室外から吸熱する。
熱交換器27は、四方弁15と膨張弁19の間に位置する第1の冷媒配管14Aに設けられている。熱交換器27は、複数の扁平管41と、複数のフィン42と、一対のヘッダ43と、を有する。
【0031】
(扁平管の構成)
次に、
図2及び
図3を参照して、扁平管41について説明する。扁平管41は、外形が扁平形状とされた伝熱管である。扁平管41は、X方向に延びている。扁平管41の内部には、冷媒が流れる流路41AがY方向に間隔をあけて複数形成されている。
複数の扁平管41は、一番下に配置された扁平管41Fと、下から2番目に配置された扁平管41Sと、を含む。
【0032】
扁平管41は、X方向に配置された一対の端部41B,41Cを有する。一方の端部41Bは、一方のヘッダ43内に収容されている。他方の端部41Cは、他方のヘッダ43内に収容されている。複数の扁平管41は、Z方向に間隔を空けた状態で配置されており、一対のヘッダ43によりX方向の両側が支持されている。
【0033】
(フィンの構成)
次に、
図2を参照して、複数のフィン42について説明する。
複数のフィン42は、Z方向に間隔をあけて形成された扁平管挿入部42Aをそれぞれ有する。扁平管挿入部42Aには、扁平管41が挿入されている。
【0034】
(ヘッダの構成)
次に、
図2、及び
図4~
図6を参照して、一対のヘッダ43の構成について説明する。
一対のヘッダは、X方向において向かい合うように配置されている。一方のヘッダ43は、複数の扁平管41の一方の端部41Bが内側に配置されるように、複数の扁平管41と接続されている。他方のヘッダ43は、複数の扁平管41の他方の端部41Cが内側に配置されるように、複数の扁平管41と接続されている。
【0035】
ここで、一対のヘッダ43のうち、蒸発器入口側のヘッダ43の構成について説明する。
ヘッダ43は、ヘッダ本体45と、仕切り板47と、ノズル部49と、多孔板51と、を有する。
【0036】
(ヘッダ本体の構成)
次に、
図4~
図6を参照して、ヘッダ本体45について説明する。ヘッダ本体45は、Z方向に延び、かつ上下端が閉塞された筒状の部材である。ヘッダ本体45は、内側に柱状の内部空間53を区画している。
ヘッダ本体45は、開口部45Aと、底面45aと、を有する。
開口部45Aは、ヘッダ本体45の側壁に形成されている。開口部45Aには、第1の冷媒配管14Aの先端部が挿入される。開口部45Aは、X方向においてノズル部49と向かい合う位置に形成されている。
【0037】
底面45aは、第1の底面45aaと、第2の底面45abと、第3の底面45acと、を有する。
第1の底面45aaは、第1の空間54の下端を区画する面である。第2の底面45abは、第2の空間55の下端を区画する面である。
第3の底面45acは、X方向に配置された第1の底面45aaと第2の底面45abとの間に配置されている。第3の底面45acは、第1の底面45aaと第2の底面45abに接続されている。
【0038】
(仕切り板の構成)
次に、
図4~
図6を参照して、仕切り板47について説明する。
仕切り板47は、Z方向に延びた状態で、ヘッダ本体45内に配置されている。仕切り板47は、Y方向に配置された仕切り板47の両端は、ヘッダ本体45と接続されている。
仕切り板47は、内部空間53の上端部及び下端部において冷媒が流通可能な状態で、内部空間53をX方向に配置された第1の空間54と第2の空間55とに分割している。
第1の空間54は、第1の冷媒配管14Aが接続される側に配置されている。第2の空間55は、複数の扁平管41が接続される側に配置されている。仕切り板47は、冷媒の循環経路を形成している。
【0039】
仕切り板47は、上端面47aと、第1の面47bと、第2の面47cと、一対の下端部47A,47B(一方の下端部及び他方の下端部)と、切り欠き部47Cと、を有する。
【0040】
上端面47aは、Z方向において上端面47aと向かい合うヘッダ本体45から下方に離れた位置に配置されている。冷媒は、上端面47aと向かい合うヘッダ本体45と上端面47aとの間に形成された開口部を介して、第1の空間54と第2の空間55との間を移動する。
【0041】
第1の面47bは、X方向に対して直交する平面であり、第1の空間54のX方向の他方側を区画している。
第2の面47cは、第1の面47bの反対側に配置された面である。第2の面47cは、X方向に対して直交する平面であり、第2の空間55のX方向の一方側を区画している。
【0042】
下端部47Aは、Y方向の一方側に配置されている。下端部47Aの下端47Aaは、ヘッダ本体45の底面45aに到達している。
下端部47Bは、Y方向の他方側に配置されている。下端部47Bの下端47Baは、ヘッダ本体45の底面45aに到達している。
【0043】
切り欠き部47Cは、下端部47Aと下端部47Bとの間に形成されている。切り欠き部47Cは、矩形とされている。冷媒は、切り欠き部47Cと底面45aとで区画された開口部を介して、第1の空間54と第2の空間55との間を移動する。
【0044】
(仕切り板の下端部側の形状の効果)
例えば、ノズル部49の吹出口49Aとして円形の穴を用いる場合、下端部47Aと下端部47Bとの間に位置する切り欠き部47Cを介して、冷媒は第1の空間54から第2の空間55へと流通される。このとき、下端部47A,47Bにより冷媒が第2の空間55から第1の空間54へと逆流することを抑制できる。
【0045】
(ノズル部の構成)
次に、
図4及び
図5を参照して、ノズル部49について説明する。
ノズル部49は、第1の空間54に配置されている。ノズル部49は、ヘッダ本体45及び仕切り板47に固定されている。ノズル部49のY方向両側には、冷媒が通過する冷媒流通部54Aがそれぞれ形成されている。冷媒流通部54Aは、第1の空間54の一部で構成されている。
【0046】
ノズル部49には、下端側に配置された吹出口49Aを有する。吹出口49Aは、Z方向から視て円形とされている。
熱交換器27を蒸発器として運転させた場合、ノズル部49内には、第1の冷媒配管14Aを介して、冷媒(気液二相冷媒)が供給される。吹出口49Aは、この冷媒を第1の底面45aaに向かう方向に吹き出すことで、冷媒を第1の底面45aaに衝突させて、Y方向における冷媒の状態の差を小さくする。冷媒は、第1の底面45aaに衝突後、切り欠き部47Cを介して第2の空間55の下部に流れ、その後、第2の空間55の上端に向かう方向に流れ、各扁平管41に形成された複数の流路41A内へと導かれる。第2の空間55の上端部まで移動した冷媒は、第1の空間54の上端部へ流れ、その後、第1の底面45aaに向かう方向に流れる。
【0047】
なお、熱交換器27を凝縮器として運転させた場合、複数の扁平管41から第2の空間55内に流入する冷媒は、吹出口49Aを介して、第1の冷媒配管14A内に流れる。
【0048】
(ノズル部の効果)
上記構成とされたノズル部49を有することで、吹出口49Aから吹き出された冷媒をヘッダ本体45の第1の底面45aaに衝突させて、Y方向における冷媒の状態の差を小さくすることが可能となる。これにより、Y方向における状態の差の小さい冷媒が、第1の空間54から第2の空間55(複数の扁平管41の一方の端部41Bが配置された空間)に向かって流れていくため、ヘッダ43内に導入される冷媒の流量に依存することなく、各扁平管41のY方向に形成された複数の流路41Aに対する冷媒分配の偏りを抑制することができる。
【0049】
上記構成とされたノズル部49は、例えば、ヘッダ本体45の高さの1/2よりも低い位置に配置することが好ましく、より好ましくは、ヘッダ本体45の高さの1/3よりも低い位置、さらに好ましくは、ヘッダ本体45の高さの1/4よりも低い位置に配置するとよい。
また、上記構成とされたノズル部49は、例えば、複数の扁平管41のうち、一番下に配置された扁平管41Fと下から2番目に配置された扁平管41Sとの間に配置してもよい。
【0050】
(ノズル部を設ける位置の効果)
例えば、ヘッダ本体45の高さHの1/2よりも高い位置にノズル部49を配置させると、ノズル部49の吹出口49Aかヘッダ本体45の第1の底面45aaまでの距離が長くなりすぎるため、吹出口49Aから吹き出された冷媒の流れが減衰して、ヘッダ43内における冷媒の循環流れを形成することが困難となる可能性がある。
そこで、ヘッダ本体45の高さHの1/2よりも低い位置にノズル部49を配置させることで、吹出口49Aからヘッダ本体45の第1の底面45aaまでの距離を短くすることが可能となるので、ヘッダ43内における冷媒の循環流れを形成しやすくなる。
【0051】
また、ヘッダ本体45の高さの1/3よりも低い位置にノズル部49を配置することで、吹出口49Aからヘッダ本体45の第1の底面45aaまでの距離をより短くすることが可能となるので、ヘッダ43内における冷媒の循環流れをより形成しやすくなる。
【0052】
さらに、ヘッダ本体45の高さの1/4よりも低い位置にノズル部49を配置することで、吹出口49Aからヘッダ本体45の第1の底面45aaまでの距離をさらに短くすることが可能となるので、ヘッダ43内における冷媒の循環流れをさらに形成しやすくなる。
【0053】
上述したように、一番下に配置された扁平管41Fと下から2番目に配置された扁平管41Sとの間にノズル部49を配置することで、ヘッダ43内における冷媒の循環流れを容易に形成することができる。
また、熱交換器27を凝縮器として用いる場合、複数の扁平管41を介して、ヘッダ43内に流入する冷媒(液相冷媒)を容易にヘッダの外部に排出することができる。
【0054】
(多孔板の構成)
次に、
図4を参照して、多孔板51について説明する。
多孔板51は、ノズル部49の上方に位置する第1の空間54を水平方向に覆うように配置されている。多孔板51は、ヘッダ本体45及び仕切り板47に固定されている。多孔板51には、第1の空間54をZ方向に連通させる孔51Aが複数形成されている。
多孔板51としては、例えば、パンチング板を用いることが可能である。
なお、
図4では、一例として、多孔板51としてパンチング板を例に挙げて図示したが、多孔板51として、例えば、メッシュ状部材やポーラス板等を用いてもよい。
【0055】
(多孔板の効果)
このような構成とされた多孔板51を備えることで、第1の空間54の下方から上方に向かう方向に逆流するガス(ガス冷媒)の移動を抑制することが可能となるので、ヘッダ43内に冷媒の循環流れを形成し易くなる。
【0056】
(熱交換器の効果)
第1の実施形態の熱交換器27によれば、上記構成とされたノズル部49を有することで、吹出口49Aから吹き出された冷媒をヘッダ本体45の第1の底面45aaに衝突させて、Y方向における冷媒の状態の差を小さくすることが可能となる。これにより、Y方向における状態の差の小さい冷媒が、第1の空間54から第2の空間55(複数の扁平管41の一方の端部41Bが配置された空間)に向かって流れていくため、ヘッダ43内に導入される冷媒の流量に依存することなく、ヘッダ43内に冷媒の循環流れ(第1の空間54を下降して第2の空間55を上昇する流れ)を形成することで、製造工程の煩雑化を抑制した上で、各扁平管41に対する冷媒分配の偏りを抑制しつつ、各扁平管41の幅方向(Y方向)に形成された複数の流路41Aに対する冷媒分配の偏りについても抑制できる。
【0057】
(熱交換器ユニットの効果)
第1の実施形態の第1及び第2の熱交換器ユニット18,23によれば、上記構成とされた熱交換器27を有することで、熱交換効率を高めることができる。
【0058】
(膨張弁の構成)
次に、
図1を参照して、膨張弁19について説明する。
膨張弁19は、第1の熱交換器ユニット18と第2の熱交換器ユニット23との間に位置する14Aに設けられている。
膨張弁19は、熱交換をすることで液化した高圧の冷媒を膨張させることで低圧化させる。
【0059】
(室内機の構成)
室内機12は、第2の熱交換器ユニット23を有する。第2の熱交換器ユニット23は、熱交換器27と、第2の送風機32と、を有する。
第2の熱交換器ユニット23を構成する熱交換器27は、膨張弁19と四方弁15との間に位置する第1の冷媒配管14Aに設けられている。
【0060】
(冷凍サイクル装置の効果)
第1の実施形態の冷凍サイクル装置10によれば、上記構成とされた第1及び第2の熱交換器ユニット18,23を有することで、熱交換効率を高めることができる。
【0061】
なお、ノズル部49と第1の冷媒配管14Aとを一体に構成させてもよい。例えば、第1の冷媒配管14Aを仕切り板47に接するまで挿入し、第1の冷媒配管14Aの先端付近の側面に丸穴(吹出口49A)を設けてもよい。
【0062】
<第1の実施形態の第1変形例>
図7を参照して、第1の実施形態の変形例に係る熱交換器60について説明する。
図7において、
図5に示す構造体と同一構成部分には同一符号を付す。
図7において、W1はY方向におけるノズル部62の幅(以下、「幅W1」という)、W2はY方向における冷媒流通部54Aの幅(以下、「幅W2」という)をそれぞれ示している。
【0063】
(熱交換器の全体構成)
熱交換器60は、第1の実施形態の熱交換器27を構成する一対のヘッダ43に替えて、一対のヘッダ61を有すること以外は、熱交換器27と同様に構成されている。
【0064】
(ヘッダの構成)
ヘッダ61は、ヘッダ43を構成するノズル部49に替えて、ノズル部62を有すること以外は、ヘッダ43と同様に構成されている。
【0065】
(ノズル部の構成)
ノズル部62は、Y方向に延びる溝形状とされた吹出口62Aを有する。吹出口62Aは、ヘッダ本体45の底面に向けて冷媒を吹き出す。
ノズル部62の幅W1は、
図5に示すノズル部49の幅よりも広くなるように構成されている。これにより、ノズル部62のY方向の両側に配置された一対の冷媒流通部54Aの幅W2は、
図5に示す一対の冷媒流通部54Aの幅よりも狭くなるように構成されている。
ノズル部62の幅方向(Y方向)の両側に配置された一対の冷媒流通部54Aの幅W2の合計の値(=2×W2)は、例えば、ノズル部62の幅W1の値よりも小さくなるように構成するとよい。
【0066】
(熱交換器の効果)
第1の実施形態の変形例に係る熱交換器60によれば、吹出口62AをY方向に延びる溝形状とすることで、吹出口の形状が円形の場合と比較して、Y方向における冷媒の状態の差をさらに小さくすることができる。
また、ノズル部62の幅方向(Y方向)両側に配置された一対の冷媒流通部54Aの幅W2の合計の値(=2×W2)をノズル部62の幅W1の値よりも小さくすることで、一対の冷媒流通部54Aの流路断面積を小さくすることが可能となる。これにより、第1の空間54において下方から上方に向かう冷媒の逆流の発生を抑制できる。
【0067】
<第2の実施形態>
図8を参照して、第2の実施形態に係る熱交換器70について説明する。
図8において、
図4に示す構造体と同一構成部分には同一符号を付す。
図8に示す矢印は、熱交換器70を蒸発器として利用した際の冷媒が流れる方向を示している。
【0068】
(熱交換器の全体構成)
熱交換器70は、第1の実施形態の熱交換器27を構成するヘッダ43に替えてヘッダ71を有すること以外は、熱交換器27と同様に構成されている。ヘッダ71は、第1の冷媒案内部73を有すること以外は、ヘッダ43と同様に構成されている。
【0069】
(第1の冷媒案内部の構成)
第1の冷媒案内部73は、ヘッダ本体45の第1の底面45aaに設けられている。第1の冷媒案内部73は、第1の案内面73aを有する。
第1の案内面73aは、Z方向において第1の案内面73aの一部と吹出口49Aとが向かい合うように配置されている。第1の案内面73aは、第1の空間54から第2の空間55に向かう方向に冷媒を案内し、X方向において第1の案内面73aと向かい合うヘッダ本体45の内壁面45bに冷媒を衝突させて、幅方向における冷媒の状態の差を小さくする。
第1の案内面73aとしては、例えば、仕切り板47の下端部から離れる方向に凹んだ凹曲面を用いることが可能である。
【0070】
(熱交換器の効果)
第2の実施形態に係る熱交換器70によれば、上記構成とされた第1の冷媒案内部73を備えることで、ノズル部49の吹出口49Aから吹き出された冷媒を第2の空間55に案内するとともに、第2の空間55を区画するヘッダ本体45の内壁面45bに冷媒を衝突させて、幅方向における冷媒の状態の差の小さくすることができる。
また、冷媒が気液二相冷媒で、かつヘッダ本体45内に導入される冷媒の流量が少ない場合において、第1の空間54で冷媒が気液分離して、第1の空間54を気相冷媒が上昇することを抑制可能となる。即ち、ヘッダ本体45内に冷媒の循環流れが形成されにくくなることを抑制できる。
さらに、第1の案内面73aを仕切り板の下端部から離れる方向に凹んだ凹曲面とすることで、第1の空間54から第2の空間55に冷媒をスムーズに案内することができる。
【0071】
なお、第2の実施形態において、熱交換器70を構成するノズル部49に替えて、
図7に示すノズル部62を用いてもよい。
【0072】
<第2の実施形態の第1変形例>
図9を参照して、第2の実施形態の第1変形例に係る熱交換器80について説明する。
図9において、
図8に示す構造体と同一構成部分には同一符号を付す。
図9に示す矢印は、熱交換器80を蒸発器として利用した際の冷媒が流れる方向を示している。
【0073】
(熱交換器の全体構成)
熱交換器80は、第2の実施形態の熱交換器70を構成するヘッダ71に替えて、ヘッダ81を有すること以外は熱交換器70と同様に構成されている。ヘッダ81は、ヘッダ71の構成に、第3の冷媒案内部83を設けたこと以外は、ヘッダ71と同様に構成されている。
【0074】
(第3の冷媒案内部の構成)
第3の冷媒案内部83は、仕切り板47の下端部のうち、ヘッダ本体45の底面45aから上方に離れた部分に設けられている。第3の冷媒案内部83は、第3の案内面83aを有する。
第3の案内面83aは、第1の案内面73aと対向するように配置されている。第3の案内面83aは、第1の空間54から第2の空間55に向かう方向に冷媒を案内する。
第3の冷媒案内部83としては、例えば、仕切り板47の幅方向に延びる円柱状部材を用いることが可能である。
【0075】
(熱交換器の効果)
第2の実施形態の第1変形例に係る熱交換器80によれば、上記構成とされた第3の冷媒案内部83を備えることで、第3の案内面83a(円柱状部材の外周面)により第1の空間54から第2の空間55に向かう方向に冷媒を案内することができる。
【0076】
なお、第2の実施形態の第1変形例において、熱交換器80を構成するノズル部49に替えて、
図7に示すノズル部62を用いてもよい。
【0077】
<第2実施形態の第2変形例>
図10を参照して、第2の実施形態の第2変形例に係る熱交換器90について説明する。
図10において、
図8に示す構造体と同一構成部分には同一符号を付す。
図10に示す矢印は、熱交換器90を蒸発器として利用した際の冷媒が流れる方向を示している。
【0078】
(熱交換器の全体構成)
熱交換器90は、第2の実施形態の熱交換器70を構成するヘッダ71に替えて、ヘッダ91を有すること以外は熱交換器70と同様に構成されている。ヘッダ91は、ヘッダ71の構成に、第2の冷媒案内部93を設けたこと以外は、ヘッダ71と同様に構成されている。
【0079】
(第2の冷媒案内部の構成)
第2の冷媒案内部93は、第2の底面45abに設けられている。第2の冷媒案内部93は、第2の案内面93aを有する。第2の案内面93aは、第1の空間54の下端部から第2の空間55の下端部に流入する冷媒(第1の底面45aaに衝突することで幅方向の状態の差が小さくされた冷媒)を、第2の空間55の下方から上方に向かう方向に案内する。
第2の案内面93aとしては、例えば、仕切り板47の下端部から離れる方向に凹んだ凹曲面を用いることが可能である。
【0080】
(熱交換器の効果)
第2の実施形態の第2変形例に係る熱交換器90によれば、上記構成とされた第2の冷媒案内部93を備えることで、ヘッダ本体45の第1の底面45aaに衝突することで生成された幅方向における状態の差の小さい冷媒を第2の空間55の下方から上方に向かう方向に導くことができる。
また、第2の案内面93aを仕切り板47の下端部から離れる方向に凹んだ凹曲面とすることで、幅方向における状態の差の小さい冷媒を第2の空間55の下方から上方に向かう方向に容易に導くことができる。
【0081】
なお、第2の実施形態の第2変形例に係る熱交換器90において、
図9に示す第1の冷媒案内部73及び第3の冷媒案内部83のうち、少なくとも一方を設けてもよい。
【0082】
<第2実施形態の第3変形例>
図11を参照して、第2の実施形態の第3変形例に係る熱交換器100について説明する。
図11において、
図10に示す構造体と同一構成部分には同一符号を付す。
図11に示す矢印は、熱交換器100を蒸発器として利用した際の冷媒が流れる方向を示している。
【0083】
(熱交換器の全体構成)
熱交換器100は、第2の実施形態の第2変形例に係る熱交換器90を構成するヘッダ91に替えて、ヘッダ101を有すること以外は熱交換器90と同様に構成されている。ヘッダ101は、ヘッダ91の構成に、第1の冷媒案内部73を設けたこと以外は、ヘッダ91と同様に構成されている。
【0084】
(熱交換器の効果)
第2の実施形態の第3変形例に係る熱交換器100によれば、第1の案内面73aに衝突して生成された幅方向における状態の差の小さい冷媒を、第2の空間55の下方から上方に向かう方向にスムーズに案内することができる。
【0085】
なお、第2の実施形態の第3変形例に係る熱交換器100において、
図9に示す第3の冷媒案内部83を設けてもよい。
【0086】
<第3の実施形態>
図12を参照して、第3の実施形態に係る熱交換器110について説明する。
図12において、
図4に示す構造体と同一構成部分には同一符号を付す。
図12に示す矢印は、熱交換器110を蒸発器として利用した際の冷媒が流れる方向を示している。
【0087】
(熱交換器の全体構成)
熱交換器110は、第1の実施形態の熱交換器27を構成するヘッダ43に対して扁平管41Fの一端41Faを、他の扁平管41の一端41aの位置よりも第1の空間54から第2の空間55に向かう方向に後退させたこと以外は、熱交換器27と同様に構成されている。
これにより、扁平管41Fの一端41Faから仕切り板47の第2の面47cまでの距離Ds1は、他の扁平管41の一端41aから仕切り板47の第2の面47cまでの距離Ds2よりも長くなるように構成されている。
【0088】
(熱交換器の効果)
第3の実施形態に係る熱交換器110によれば、複数の扁平管41のうち、一番下に配置された扁平管41Fの一端41Faから仕切り板47までの距離Ds1を、他の扁平管41の一端41aから仕切り板47までの距離Ds2よりも長くすることで、一番下に配置された扁平管41Fの一端41Faと仕切り板47との間に形成される冷媒流路の断面積を大きくすることが可能となる。
これにより、扁平管41Fの高さ位置における縮流の程度を緩和することが可能となり、冷媒の流れが剥離しにくくなるので、従来であれば剥離(縮流)の影響によって液相冷媒が流入し難い可能性のあった扁平管41Fに対しても液相冷媒が供給され易くなり、その結果として各扁平管41への冷媒分配を均等化することができる。
【0089】
なお、第3の実施形態に係る熱交換器110において、
図9に示す第1の冷媒案内部73、
図9に示す第3の冷媒案内部83、及び
図10に示す第2の冷媒案内部93のうち、少なくとも1つを設けてもよい。
【0090】
<第3の実施形態の第1変形例>
図13を参照して、第3の実施形態の第1変形例に係る熱交換器120について説明する。
図13において、
図8及び
図12に示す構造体と同一構成部分には同一符号を付す。
図13に示す矢印は、熱交換器120を蒸発器として利用した際の冷媒が流れる方向を示している。
【0091】
(熱交換器の全体構成)
熱交換器120は、第2の実施形態の熱交換器70を構成するヘッダ71に対して扁平管41Fの一端41Faを、他の扁平管41の一端41aの位置よりも第1の空間54から第2の空間55に向かう方向に後退させたこと以外は、熱交換器70と同様に構成されている。
このように、一番下に配置された扁平管41Fの一端41Faから仕切り板47までの距離Ds1を、他の扁平管41の一端41aから仕切り板47までの距離Ds2よりも長くした上で、第1の冷媒案内部73を備えてもよい。
また、上記構成とされた熱交換器120に、
図9に示す第3の冷媒案内部83を設けてもよい。
【0092】
<第3の実施形態の第2変形例>
図14を参照して、第3の実施形態の第2変形例に係る熱交換器130について説明する。
図14において、
図4に示す構造体と同一構成部分には同一符号を付す。
図14に示す矢印は、熱交換器130を蒸発器として利用した際の冷媒が流れる方向を示している。
【0093】
(熱交換器の全体構成)
熱交換器130は、第1の実施形態の熱交換器27を構成するヘッダ43に替えてヘッダ131を有すること以外は、熱交換器27と同様に構成されている。ヘッダ131は、第1の実施形態のヘッダ43を構成する仕切り板47に替えて、仕切り板133を有すること以外は、ヘッダ43と同様に構成されている。
X方向における複数の扁平管41の一端41a,41Faの位置は、同じ位置とされている。
【0094】
(仕切り板の構成)
仕切り板133は、X方向において扁平管41Fの一端41Faと向かい合う下端部133Aを有する。下端部133Aは、下端部133Aを除いた仕切り板133を基準として、第2の空間55から第1の空間54に向かう方向にずれた位置に配置されている。
これにより、一番下に配置された扁平管41Fの一端41Faから仕切り板47までの距離Ds1は、他の扁平管41の一端41aから仕切り板47までの距離Ds2よりも長くなるように構成されている。
【0095】
(熱交換器の効果)
第3の実施形態の第2変形例に係る熱交換器130によれば、複数の扁平管41のうち、一番下に配置された扁平管41Fの一端41Faと向かい合う仕切り板133の下端部133Aを、第2の空間55から第1の空間54に向かう方向にずれた位置に配置させることで、一番下に配置された扁平管41Fの一端41Faと仕切り板133との間に形成される冷媒流路の断面積を大きくすることができる。
【0096】
なお、第3の実施形態の第2変形例に係る熱交換器130において、
図9に示す第1の冷媒案内部73、
図9に示す第3の冷媒案内部83、及び
図10に示す第2の冷媒案内部93のうち、少なくとも1つを設けてもよい。
【0097】
<第4の実施形態>
図15を参照して、第4の実施形態に係る熱交換器140について説明する。
図15において、
図4に示す構造体と同一構成部分には同一符号を付す。
図15に示す矢印は、熱交換器140を蒸発器として利用した際の冷媒が流れる方向を示している。
【0098】
(熱交換器の全体構成)
熱交換器140は、第1の実施形態の熱交換器27を構成するヘッダ43に替えてヘッダ141を有すること以外は、熱交換器27と同様に構成されている。ヘッダ141は、第1の実施形態のヘッダ43の構成に、さらに整流部材143を設けたこと以外は、ヘッダ43と同様に構成されている。
【0099】
(整流部材の構成)
整流部材143は、第2の空間55を区画するヘッダ本体45の内壁面45bに設けられた邪魔板145である。
邪魔板145は、扁平管41Fの下方であって、扁平管41Fから離れた位置に配置されている。邪魔板145は、ヘッダ本体45の内壁面45bから前記仕切り板に向かう方向に延びている。内壁面45bからの邪魔板145の突出量は、扁平管41Fの一方の端部41Bの突出量と等しくなるように構成されている。
【0100】
(熱交換器の効果)
第4の実施形態に係る熱交換器140によれば、上記構成とされた邪魔板145(整流部材143)を備えることで、一番下に配置された扁平管41Fの一方の端部41Bの前段において、冷媒の流れを剥離させて、扁平管41Fの一端における冷媒の流れを整流することが可能となる。
これにより、従来であれば剥離(縮流)の影響によって液相冷媒が流入し難い可能性のあった扁平管41Fに対しても液相冷媒が供給され易くなり、その結果として各扁平管41への冷媒分配を均等化することができる。
【0101】
<第4の実施形態の第1変形例>
図16を参照して、第4の実施形態の第1変形例に係る熱交換器150について説明する。
図16において、
図15に示す構造体と同一構成部分には同一符号を付す。
図16に示す矢印は、熱交換器150を蒸発器として利用した際の冷媒が流れる方向を示している。
【0102】
(熱交換器の全体構成)
熱交換器150は、第4の実施形態の熱交換器140を構成するヘッダ141に替えてヘッダ151を有すること以外は、熱交換器140と同様に構成されている。ヘッダ151は、第4の実施形態のヘッダ141の構成に、さらに第1の冷媒案内部73を設けたこと以外は、ヘッダ141と同様に構成されている。
このように、第4の実施形態で説明した邪魔板145と、第2の実施形態で説明した第1の冷媒案内部73と、を組み合わせて用いてもよい。
【0103】
<第4の実施形態の第2変形例>
図17を参照して、第4の実施形態の第1変形例に係る熱交換器160について説明する。
図17において、
図15に示す構造体と同一構成部分には同一符号を付す。
図17に示す矢印は、熱交換器160を蒸発器として利用した際の冷媒が流れる方向を示している。
【0104】
(熱交換器の全体構成)
熱交換器160は、第4の実施形態の熱交換器140を構成する邪魔板145に替えて、整流部材163であるブロック164を備えること以外は、熱交換器140と同様に構成されている。
【0105】
(ブロックの構成)
ブロック164は、扁平管41Fの一方の端部41Bの下面と接触するように、一方の端部41Bの下方に配置されている。ブロック164は、ヘッダ本体45の内壁面45bから仕切り板47に向かう方向に延びている。
ヘッダ本体45の内壁面45bを基準とした際のブロック164の突出量は、扁平管41の一方の端部41Bの突出量と等しい。
【0106】
(熱交換器の効果)
第4の実施形態の第1変形例に係る熱交換器160によれば、整流部材163として上記構成とされたブロック164を用いることで、一番下に配置された扁平管41Fの一方の端部41Bの前段において、冷媒の流れを剥離させて、扁平管41Fの端における冷媒の流れを整流することが可能となる。
これにより、従来であれば剥離(縮流)の影響によって液相冷媒が流入し難い可能性のあった扁平管41Fに対しても液相冷媒が供給され易くなり、その結果として各扁平管41への冷媒分配を均等化することができる。
【0107】
<第4の実施形態の第3変形例>
図18を参照して、第4の実施形態の第3変形例に係る熱交換器170について説明する。
図18において、
図17に示す構造体と同一構成部分には同一符号を付す。
図18に示す矢印は、熱交換器170を蒸発器として利用した際の冷媒が流れる方向を示している。
【0108】
(熱交換器の全体構成)
熱交換器170は、第4の実施形態の第2変形例に係る熱交換器160を構成するブロック164に替えて、整流部材173であるブロック174を備えること以外は、熱交換器160と同様に構成されている。
【0109】
(ブロックの構成)
ブロック174は、扁平管41Fの一方の端部41Bの下面と接触するように、一方の端部41Bの下方に配置されている。ブロック174は、仕切り板47側に形成され、冷媒の流れを上方に導く湾曲面174aを有する。
【0110】
(熱交換器の効果)
第4の実施形態の第3変形例に係る熱交換器170によれば、ブロック174が湾曲面174aを有することで、流れが剥離することなく、冷媒を第2の空間55の上方に導くことができる。
【0111】
<第4の実施形態の第4変形例>
図19を参照して、第4の実施形態の第4変形例に係る熱交換器180について説明する。
図19において、
図11及び
図17に示す構造体と同一構成部分には同一符号を付す。
図19に示す矢印は、熱交換器180を蒸発器として利用した際の冷媒が流れる方向を示している。
【0112】
(熱交換器の全体構成)
熱交換器180は、第4の実施形態の第3変形例に係る熱交換器170の構成に、さらに
図11に示す第1の冷媒案内部73及び第2の冷媒案内部93を加えたこと以外は、熱交換器160と同様に構成されている。
このように、ブロック174、第1の冷媒案内部73、及び第2の冷媒案内部93を組み合わせて用いてもよい。
【0113】
<第4の実施形態の第5変形例>
図20を参照して、第4の実施形態の第5変形例に係る熱交換器190について説明する。
図20において、
図14及び
図19に示す構造体と同一構成部分には同一符号を付す。
図20に示す矢印は、熱交換器190を蒸発器として利用した際の冷媒が流れる方向を示している。
【0114】
(熱交換器の全体構成)
熱交換器190は、第4の実施形態の第2変形例に係る熱交換器160を構成する仕切り板47に替えて、
図14に示す仕切り板133を有すること以外は、熱交換器160と同様に構成されている。
このように、ブロック174、第1の冷媒案内部73、第2の冷媒案内部93、及び仕切り板133を組み合わせて用いてもよい。
【0115】
<第5の実施形態>
図21を参照して、第5の実施形態の冷凍サイクル装置200について説明する。
図21において、実線の矢印は、暖房運転時に冷媒が流れる方向を示しており、点線の矢印は、冷房運転時に冷媒が流れる方向を示している。
図21において、
図1に示す構造体と同一構成部分には同一符号を付す。
【0116】
(冷凍サイクル装置の全体構成)
冷凍サイクル装置200は、第1の実施形態の冷凍サイクル装置10を構成する第1及び第2の熱交換器ユニット18,23に替えて、第1及び第2の熱交換器ユニット201,203を有すること以外は、冷凍サイクル装置10と同様に構成されている。
第1の熱交換器ユニット201は、熱交換器27に替えて、熱交換器205を有すること以外は、第1の熱交換器ユニット18と同様に構成されている。
第2の熱交換器ユニット203は、熱交換器27に替えて、熱交換器205を有すること以外は、第2の熱交換器ユニット23と同様に構成されている。
【0117】
(熱交換器の全体構成)
図21~
図23を参照して、熱交換器205について説明する。
図22において、
図2に示す構造体と同一構成部分には同一符号を付す。また、
図22において、X方向はZ方向(上下方向)に対して直交する扁平管41の延在方向を示している。
図23において、Y方向はX方向及びZ方向に対して直交する左右方向(フィン206に扁平管41が取り付けられた状態において、扁平管41の幅方向)、Jは空気が流れる方向(以下、「方向J」という)をそれぞれ示している。
【0118】
熱交換器205は、一対のヘッダ43及びフィン42に替えて、出入口用ヘッダ35、折り返し用ヘッダ37、及びフィン206を有すること以外は、熱交換器27と同様に構成されている。
【0119】
(出入口用ヘッダの構成)
出入口用ヘッダ35は、Z方向に延びる筒状の部材であり、上端及び下端が閉塞されている。出入口用ヘッダ35は、第1の冷媒配管14A、及び複数の扁平管41の一方の端部(X方向の一方側に配置された端部)と接続されている。
出入口用ヘッダ35は、第1の冷媒配管14Aを介して供給される冷媒を複数の扁平管41内の流路に導くとともに、折り返し用ヘッダ37を経由して出入口用ヘッダ35に戻ってくる冷媒を第1の冷媒配管14Aに戻す。
【0120】
(折り返し用ヘッダの構成)
折り返し用ヘッダ37は、X方向において、出入口用ヘッダ35と向かい合うように配置されている。折り返し用ヘッダ37は、Z方向に延びる筒状の部材であり、上端及び下端が閉塞されている。折り返し用ヘッダ37は、複数の扁平管41の他方の端部(X方向の他方側に配置された端部)と接続されている。
折り返し用ヘッダ37は、複数の扁平管41を介して、冷媒を出入口用ヘッダ35に戻す。
【0121】
(扁平管の構成)
図22~
図24を参照して、扁平管41について説明する。
図24において、
図22及び
図23に示す構造体と同一構成部分には、同一符号を付す。
【0122】
扁平管41は、扁平管41の幅方向(Y方向)の一方側に配置された第1の端部41Dと、扁平管41の幅方向(Y方向)の他方側に配置された第2の端部41Eと、外周面41bと、をさらに有する。
第1及び第2の端部41D,41Eの外形は、円形状または楕円形状とされている。
【0123】
複数の扁平管41は、Z方向に間隔を空けた状態で、複数のフィン206に支持されている。X方向に配置された複数の扁平管41の一方の端部は、出入口用ヘッダ35と接続されている。X方向に配置された複数の扁平管41の他方の端部は、折り返し用ヘッダ37と接続されている。
【0124】
【0125】
複数のフィン206は、X方向に対して所定のピッチで配置されている。フィン206は、フィン本体207と、複数の扁平管挿入部209と、複数の凹凸部211と、連通部213と、複数のフィンピッチ規定部215と、を有する。
【0126】
(フィン本体の構成)
フィン本体207は、板状とされており、Z方向に延びている。フィン本体207は、X方向に配置された第1及び第2の面207a,207bと、第2の平面部207Aと、を有する。
第1の面207aは、出入口用ヘッダ35と向かい合うように配置されている。第2の面207bは、第1の面207aの反対側に配置された面である。第2の面207bは、折り返し用ヘッダ37と向かい合うように配置されている。
【0127】
(第2の平面部の構成)
第2の平面部207Aは、Z方向において、互いに隣り合う扁平管挿入部209の間に配置されたフィン本体207のうち、凹凸部211及びフィンピッチ規定部215を除いた部分である。
第1及び第2の面207a,207bのうち、第2の平面部207Aを構成する第1及び第2の面207a,207bは、X方向に対して直交しており、Y方向及びZ方向に対して平行な面である。
第2の平面部207Aのうち、Y方向の一方側に配置された部分は、フィン206の一方の端部206Aを構成している。
【0128】
(扁平管挿入部の構成)
扁平管挿入部209は、フィン本体207に複数形成されている。複数の扁平管挿入部209は、Z方向に間隔を空けて配置されている。扁平管挿入部209は、Y方向の一方側から他方側に延びている。扁平管挿入部209は、Y方向の他方側に配置された先端部209Aと、Y方向の一方側に配置された後端部209Bと、を有する。
先端部209Aは、閉塞されており、扁平管41の第2の端部41Eの位置を規制する。後端部209Bは、扁平管41を挿入する観点から開放されている。
【0129】
扁平管挿入部209の後端側は、扁平管挿入部209に扁平管41を挿入するために開放されている。扁平管挿入部209は、第1の端部41D側から挿入された扁平管41を収容している。
先端部209Aの形状は、第2の端部41Eの外周面と先端部209Aを区画するフィン本体207とが面接触する形状とされている。即ち、第2の端部41Eが円形状の場合、先端部209Aの形状は、第2の端部41Eと面接触する円形状とされ、第2の端部41Eが楕円形状の場合、先端部209Aの形状は、第2の端部41Eと面接触する楕円形状とされている。
このような構成とすることで、扁平管41とフィン本体207との間の接触面積を増加させることが可能となるので、扁平管41とフィン206との間の熱伝導性を向上させることができる。
【0130】
(凹凸部の構成)
凹凸部211は、Z方向において互いに隣り合う扁平管挿入部209の間に位置するフィン本体207に形成されている。凹凸部211の周囲は、第2の平面部207Aで囲まれている。
凹凸部211は、第2の平面部207Aの第1の面207aから離れる方向に突出する山と谷とが交互配置されることで形成されている。凹凸部211は、Z方向に対して、間隔を空けて配置されている。
このような構成とされた凹凸部211を有することで、フィン本体207の面積を増加させつつ空気側の熱伝達率を向上させることが可能となるので、空気とフィン本体207との間の熱交換の効率を高めることができる。
【0131】
(連通部の構成)
連通部213は、フィン本体207のうち、複数の扁平管挿入部209よりもY方向の他方側に配置された部分であり、Z方向に連続して延びている。連通部213は、第1の平面部207Bと、凝縮水案内部217と、を有する。
【0132】
(第1の平面部の構成)
第1の平面部207Bは、Y方向から凝縮水案内部217を挟み込むように、凝縮水案内部217の両側に配置されている。
第1及び第2の面207a,207bのうち、第1の平面部207Bを構成する面は、X方向に対して直交するとともに、Y方向及びZ方向に対して平行な面である。
第1の平面部207Bのうち、Y方向の他方側に配置された部分は、フィン206の他方の端部206Bを構成している。
第2の面207bのうち、フィン206の一方の端部206Aを構成する面と第2の面207bのうち、他方の端部206Bを構成する面とは、同一平面上に配置されている。
【0133】
(凝縮水案内部の構成)
凝縮水案内部217は、第1の平面部207Bの第1の面207aに対して交差する方向に屈曲した状態で、第1の平面部207Bの第1の面207a側に突出している。凝縮水案内部217は、Z方向に亘って連続して延びている。凝縮水案内部217は、Z方向に対して直交する平面で切断した際の断面形状がV字形状とされ、かつZ方向において断面形状が一様とされた凸部218である。
凸部218を構成する第1の面207aは、第1の平面部207Bの第2の面207bから第1の面207a側に向かう方向にV字状に突出している。
凸部218を構成する第2の面207bは、第1の平面部207Bの第2の面207bから第1の面207a側に向かう方向にV字状に窪んだ面である。
【0134】
(フィンピッチ規定部の構成)
フィンピッチ規定部215は、Z方向において、互いに隣り合う扁平管挿入部209の後端部の間に形成されている。フィンピッチ規定部215は、凹凸部211のY方向の一方側に配置されている。
【0135】
フィンピッチ規定部215は、フィン本体207の一部を下側(Z方向の一方側)に折り曲げることで形成されている。フィンピッチ規定部215は、第1の面207a側に突出するように形成されている。
フィンピッチ規定部215は、X方向の一方側に配置されたフィン206の第2の面207bに当接されることで、X方向に配置されたフィン206のピッチ(フィンピッチ)を所望の値に保つ。フィンピッチ規定部215の形状としては、例えば、L字形状とすることが可能である。
【0136】
(複数のフィンの製造時に行う切断工程)
ここで、
図28~
図30を参照して、複数のフィン206を製造する際に行う切断工程について説明する。
図28~
図30において、
図23に示す構造体と同一構成部分には、同一符号を付す。
図28及び
図30において、Cpは切断工程において、
図28に示す構造体を切断する位置(以下、「切断位置Cp」という)を示している。
【0137】
上記構成とされたフィン206は、一枚の板材をプレス加工し、左右方向に複数のフィン206が連結された構造体220(
図28参照)の切断位置Cpを切断し、複数のフィン206を個片化することで製造される。
【0138】
(フィンの両端部の第2の面を同一平面上に配置する効果)
先に説明したように、第2の面207bのうち、フィン206の一方の端部206Aを構成する面と他方の端部206Bを構成する面とは、同一平面上に配置されている。
このような構成とすることで、板材(複数のフィン206の母材)をプレス加工して複数のフィン206が連結された構造体220の製造後に行う構造体220の切断工程において、切断装置のステージの上面に、切断位置Cpに対応する第2の面207bを接触させることが可能となる。これにより、ステージ上に安定した状態で構造体220を配置することが可能となるので、構造体220の切断を精度良く行うことができる。
【0139】
なお、
図28では、複数のフィン206の母材となる構造体の一例として、互いに隣り合うフィン206を構成する扁平管挿入部209の先端部209Aが同一方向を向くように、複数のフィン206が連結された場合を例に挙げて説明したが、例えば、
図30に示すように、互いに隣り合う一対のフィン206を構成する扁平管挿入部209の後端部209B同士が向かい合うように配置された構造体225を用いてもよい。
【0140】
上記構成とされた熱交換器205は、冷房運転時には、凝縮器として用いられ、室外へ放熱し、暖房運転時には、蒸発器として用いられ、室外から吸熱する。
【0141】
(熱交換器の効果)
第1の実施形態の熱交換器205によれば、連通部213に形成された凝縮水案内部217を第1の平面部207Bを構成する第1の面207aから突出する凸部218で構成することで、凝縮水の流れの阻害を抑制した上で、凸部218を構成する第1及び第2の面207a,207bに沿って、上方側から下方側に向かう方向に凝縮水を導くことができる。
また、上記構成とされた凸部218を設けることで、連通部213の強度を向上させることが可能となる。これにより、フィン206のうち、Y方向において扁平管挿入部209と向かい合う部分(フィン206の強度が弱い部分)にフィン折れが発生することを抑制できる。
さらに、上記構成とされた凸部218を有することで、凝縮水案内部217の表面積を増加させつつ空気側の熱伝達率を向上させることが可能となる。これにより、凝縮水案内部217と空気との間の熱交換効率を高めることができる。
【0142】
(第1の熱交換器ユニットの効果)
上述した凝縮水の排水性に優れた熱交換器205を備えることで、第1の熱交換器ユニット201を安定して稼働させることができる。
【0143】
(冷凍サイクル装置の効果)
上述した第1及び第2の熱交換器ユニット201,203を備えることで、冷凍サイクル装置200の性能を向上させた上で、冷凍サイクル装置200を安定して稼働させることができる。
【0144】
<第6の実施形態>
図31及び
図32を参照して、第6の実施形態の熱交換器230について説明する。
図31において、
図23に示す構造体と同一構成部分には、同一符号を付す。
図31及び
図32において、同一構成部分には、同一符号を付す。
【0145】
(熱交換器の全体構成)
熱交換器230は、第5の実施形態の熱交換器205を構成する複数のフィン206に替えて、複数のフィン231を有すること以外は、熱交換器205と同様に構成されている。
【0146】
フィン231は、フィン206を構成する連通部213に替えて、連通部233を有すること以外は、フィン206と同様に構成されている。
連通部233は、連通部213に形成された凝縮水案内部217(凸部218)に替えて、凝縮水案内部235を有すること以外は、連通部213と同様に構成されている。
【0147】
(凝縮水案内部の構成)
凝縮水案内部235は、第1の平面部207Bを構成する第1の面207aから突出し、左右方向に配置された凸部238(
図31及び
図32では、一例として2つ)と、Y方向において互いに隣り合う凸部238の間に配置された凹部239(
図31及び
図32では、一例として1つ)と、を有する凹凸部236で構成されている。
【0148】
凹凸部236は、第1の平面部207Bに対して交差する方向に屈曲して、Z方向に亘って連続して延びるとともに、Z方向に直交する平面で切断した際の断面形状(
図32の場合、W字形状)がZ方向において一様とされている。
【0149】
(熱交換器の効果)
上記構成とされた凹凸部236を凝縮水案内部235として用いることで、凝縮水の流れの阻害を抑制した上で、凹凸部236を構成する第1及び第2の面207a,207bに沿って、上方側から下方側に向かう方向に凝縮水を導くことができる。
また、凝縮水案内部235として凹凸部236を用いることで、連通部233の強度を向上させることが可能となるので、フィン231のうち、左右方向(Y方向)において扁平管挿入部209と向かい合う部分(フィン231の強度が弱い部分)にフィン折れが発生することを抑制できる。
さらに、凝縮水案内部235を凹凸部236で構成することで、凝縮水案内部217を1つの凸部218で構成した場合と比較して、凝縮水案内部235の表面積を増加させつつ空気側の熱伝達率を向上させることが可能となる。これにより、凝縮水案内部235と空気との間の熱交換効率を高めることができる。
【0150】
<第7の実施形態>
図33及び
図34を参照して、第7の実施形態の熱交換器240について説明する。
図33において、
図23に示す構造体と同一構成部分には、同一符号を付す。
図33及び
図34において、同一構成部分には、同一符号を付す。
【0151】
(熱交換器の全体構成)
熱交換器240は、第5の実施形態の熱交換器205を構成する複数のフィン206に替えて、複数のフィン241を有すること以外は、熱交換器205と同様に構成されている。
【0152】
フィン241は、フィン206を構成する連通部213に替えて、連通部243を有すること以外は、フィン206と同様に構成されている。
【0153】
(連通部の構成)
連通部243は、Z方向に連続して延びる凝縮水案内部245を有する。凝縮水案内部245は、段差部246であり、第1の平面部207Bを構成する第1の部分243A及び第2の部分243Bと、接続部248と、凝縮水案内部245と、を有する。
【0154】
第1の部分243Aは、第1の平面部207Bのうち、フィン本体207の一方の端部206A側に配置された部分であり、Z方向に連続して延びている。
【0155】
第2の部分243Bは、第1の平面部207Bのうち、フィン206の他方の端部206Bを構成しており、Z方向に連続して延びている。
第2の部分243Bは、第1の部分243Aが形成された位置からX方向の他方側にオフセットされた位置に配置されている。第2の部分243Bを構成する第1及び第2の面207a,207bは、第1の部分243Aを構成する第1及び第2の面207a,207bに対して平行とされている。
【0156】
接続部248は、第1の部分243Aと第2の部分243Bとの間に配置されており、Z方向に連続して延びている。
接続部248の一方の端部は、第1の部分243Aと接続されている。接続部248の他方の端部は、第2の部分243Bと接続されている。
接続部248を構成する第1及び第2の面207a,207bは、第1及び第2の部分243A,243Bを構成する第1及び第2の面207a,207bに対して傾斜している。
凝縮水案内部245(段差部246)は、X方向に段差が形成された構成とされている。
【0157】
(熱交換器の効果)
このような構成とされた段差部246を凝縮水案内部245として用いることで、凝縮水の流れの阻害を抑制した上で、接続部248を構成する第1及び第2の面207a,207bに沿って、上方側から下方側に向かう方向に凝縮水を導くことができる。
また、凝縮水案内部245を段差部246で構成することで、連通部243の強度を向上させることが可能となるので、フィン241のうち、Y方向において扁平管挿入部209と向かい合う部分(フィン241の強度が弱い部分)にフィン折れが発生することを抑制できる。
さらに、凝縮水案内部245を段差部246で構成することで、凝縮水案内部245の表面積を増加させつつ空気側の熱伝達率を向上させることが可能となる。これにより、凝縮水案内部245と空気との間の熱交換効率を高めることができる。
【0158】
<第8の実施形態>
図35~
図37を参照して、第8の実施形態の熱交換器250について説明する。
図35において、
図23に示す構造体と同一構成部分には、同一符号を付す。
図35~
図37において、同一構成部分には、同一符号を付す。
【0159】
(熱交換器の全体構成)
熱交換器250は、第5の実施形態の熱交換器205を構成する複数のフィン206に替えて、複数のフィン251を有すること以外は、熱交換器205と同様に構成されている。
【0160】
(フィンの構成)
フィン251は、扁平管挿入部209の周囲に第1の平面部207Bの第1の面207a側に突出する台座部252を設け、第1の平面部207Bの第1の面207aを基準としてX方向における凸部218(凝縮水案内部217)の先端218Aの高さH1を第1の平面部207Bの第1の面207aを基準としてX方向における台座部252の高さH2と等しくするとともに、凸部218の先端218Aの位置において、凸部218と台座部252とを接続させたこと以外は、先に説明したフィン206と同様に構成されている。
【0161】
(熱交換器の効果)
このように、X方向における凸部218の高さH1と台座部252との高さH2を等しくするとともに、凸部218の先端218Aの位置において、凸部218と台座部252とを接続させることで、Y方向において、台座部252と凸部218との間に第1の平面部207Bが配置されることがなくなる。これにより、台座部252と凸部218との間において、第1の平面部207BをZ方向に不連続にすることが可能となるので、台座部252と凸部218との間におけるフィン折れの発生を抑制することができる。
【0162】
なお、第8の実施形態では、一例として、凸部218(凝縮水案内部217)と台座部252とを接続させた場合を例に挙げて説明したが、例えば、凹凸部236を構成する凸部238と台座部252とを接続させてもよい。
【0163】
<第8の実施形態の第1変形例>
図38を参照して、第8の実施形態の第1変形例に係る熱交換器260について説明する。
図38において、
図35に示す構造体と同一構成部分には、同一符号を付す。
【0164】
(熱交換器の全体構成)
熱交換器260は、第8の実施形態の熱交換器250を構成するフィン251に替えて、フィン261を有すること以外は、熱交換器250と同様に構成されている。
【0165】
(フィンの構成)
フィン261は、フィン251を構成する台座部252に替えて台座部263を有すること以外は、フィン251と同様に構成されている。
【0166】
(台座部の構成)
台座部263は、凸部218と接続された部分の上側を台座部263から凸部218に向かう斜め下方に傾斜させたこと以外は、台座部252と同様に構成されている。
【0167】
(熱交換器の効果)
このような構成とされた台座部263を有することで、台座部263と凸部218とが接続された部分の上部側に凝縮水が溜まることを抑制可能となるので、台座部263が凝縮水の流れを阻害することを抑制できる。
【0168】
<第8の実施形態の第2変形例>
図39を参照して、第8の実施形態の第2変形例に係る熱交換器270について説明する。
図39において、
図38に示す構造体と同一構成部分には、同一符号を付す。
【0169】
(熱交換器の全体構成)
熱交換器270は、第8の実施形態の第1変形例に係る熱交換器260を構成するフィン261に替えて、フィン271を有すること以外は、熱交換器260と同様に構成されている。
【0170】
(フィンの構成)
フィン271は、フィン261を構成する台座部263に替えて台座部273を有すること以外は、フィン261と同様に構成されている。
【0171】
(台座部の構成)
台座部273は、凸部218と接続された部分の上側及び下側を台座部273から凸部218に向かう斜め下方に傾斜させたこと以外は、台座部263と同様に構成されている。
【0172】
(熱交換器の効果)
このような構成とされた台座部273を有することで、台座部273と凸部218とが接続された部分の上部側だけでなく、台座部273の裏側(
図39の紙面の裏側)の下部に凝縮水が溜まることを抑制可能となるので、台座部273が凝縮水の流れを阻害することを抑制する効果を高めることができる。
【0173】
<第9の実施形態>
図40を参照して、第9の実施形態の冷凍サイクル装置280について説明する。
図40において、実線の矢印は、暖房運転時に冷媒が流れる方向を示しており、点線の矢印は、冷房運転時に冷媒が流れる方向を示している。
図40において、
図21に示す構造体と同一構成部分には同一符号を付す。
【0174】
(冷凍サイクル装置の全体構成)
冷凍サイクル装置280は、第2の実施形態の冷凍サイクル装置200を構成する第1及び第2の熱交換器ユニット201,203に替えて、第1及び第2の熱交換器ユニット281,283を有すること以外は、冷凍サイクル装置200と同様に構成されている。
第1の熱交換器ユニット281は、熱交換器205に替えて、熱交換器285を有すること以外は、第1の熱交換器ユニット201と同様に構成されている。
第2の熱交換器ユニット283は、熱交換器205に替えて、熱交換器285を有すること以外は、第2の熱交換器ユニット203と同様に構成されている。
【0175】
(熱交換器の全体構成)
図40~
図42を参照して、熱交換器285について説明する。
図41及び
図42において、Z方向は第1の方向を示している。
図41において、X方向はZ方向に対して直交する扁平管41の延在方向を示している。
図42において、Y方向はX方向及びZ方向に対して直交する第2の方向(フィン290に扁平管41が取り付けられた状態において、扁平管41の幅方向)、Pは空気が流れる方向(以下、「方向P」という)をそれぞれ示している。
なお、本実施形態では、Z方向の一例として、Z方向が上下方向(鉛直方向)である場合を例に挙げて以下の説明を行う。
【0176】
熱交換器285は、第2の実施形態で説明した熱交換器205を構成する複数のフィン206に替えて複数のフィン290を有すること以外は、熱交換器205と同様に構成されている。
【0177】
【0178】
複数のフィン290は、X方向に対して所定のピッチで配置されている。
フィン290は、第5の実施形態で説明したフィン206を構成するフィン本体207に替えてフィン本体291を有するとともに、さらに複数の熱伝導部305、複数の第1のフィンピッチ規定部307、及び複数の第2のフィンピッチ規定部308を有すること以外は、フィン206と同様に構成されている。
【0179】
(フィン本体の構成)
フィン本体291は、板状とされており、Z方向に延びている。フィン本体291は、X方向に配置された第1及び第2の面291a,291bを有する。
第1の面291aは、出入口用ヘッダ35と向かい合うように配置されている。第2の面291bは、第1の面291aの反対側に配置された面である。第2の面291bは、折り返し用ヘッダ37と向かい合うように配置されている。フィン本体291は、板状とされ、Z方向に延びる連通部303を有する。
【0180】
(熱伝導部の構成)
熱伝導部305は、第1の面291a側に立ち上がるように、扁平管挿入部209の周囲に形成されている。熱伝導部305は、X方向に突出している。扁平管挿入部209に扁平管41が挿入された状態において、熱伝導部305の内周面305aは、扁平管41の外周面41bと面接触する。X方向における熱伝導部305の高さは、X方向に複数のフィン290を配置させた際、第1の面291a側に配置されたフィン290に当接されない高さとされている。
【0181】
(熱伝導部の効果)
このような構成とされた熱伝導部305を有することで、扁平管41と複数のフィン290との間の接触面積を増加させることが可能となる。これにより、扁平管41と複数のフィン290との間における熱伝導性を向上させることができる。
また、X方向における熱伝導部305の高さを、第1の面291a側に配置されたフィン290に熱伝導部305が当接されない高さとすることで、第1及び第2のフィンピッチ規定部307,308を用いてフィンピッチを規定した上で、扁平管41とフィン290との間の熱伝導性を向上させることができる。
【0182】
(第1のフィンピッチ規定部の構成)
第1のフィンピッチ規定部307は、Z方向において、互いに隣り合う扁平管挿入部209の後端部の間に形成されている。第1のフィンピッチ規定部307は、凹凸部211のY方向の一方側に配置されている。
【0183】
第1のフィンピッチ規定部307は、フィン本体291の一部を下側(Z方向の一方側)に折り曲げることで形成されている。第1のフィンピッチ規定部307は、第1の面291a側に突出するように形成されている。
第1のフィンピッチ規定部307は、X方向の一方側に配置されたフィン290の第2の面291bに当接されることで、X方向に配置されたフィン290のピッチ(フィンピッチ)を所望の値に保つ。第1のフィンピッチ規定部307は、例えば、L字形状とすることが好ましい。
【0184】
(第1のフィンピッチ規定部を扁平管挿入部の後端部側に形成する効果)
このように、第1のフィンピッチ規定部307を互いに隣り合う扁平管挿入部209の後端部側に形成することで、扁平管挿入部209に扁平管41を挿入する際の初期段階に発生しやすいフィン290の変形や座屈を抑制することができる。
【0185】
(第1のフィンピッチ規定部をL字形状とする効果)
このように、第1のフィンピッチ規定部307をL字形状とすることで、例えば、第1のフィンピッチ規定部307をI字形状とした場合と比較して、第1のフィンピッチ規定部307が第2の面291bと接触する確率を高めることができる。
また、第1のフィンピッチ規定部307をL字形状とすることで、第1のフィンピッチ規定部307と第2の面291bとの接触面積を増加させることが可能となるので、フィンピッチを安定して維持することができる。
【0186】
(第2のフィンピッチ規定部の構成)
第2のフィンピッチ規定部308は、Z方向において、第1のフィンピッチ規定部307を挟む2つの扁平管挿入部209のうち、第1のフィンピッチ規定部307の上方側に位置する扁平管挿入部209の周囲に配置されている。
具体的には、第2のフィンピッチ規定部308は、扁平管挿入部209の下側で、かつ先端部209Aの近く(先端部209Aよりも扁平管挿入部209の後端部側で、かつ先端部209A側)に配置されている。
第2のフィンピッチ規定部308は、フィン本体291の一部を下側(Z方向の一方側)に折り曲げて、第1の面291a側に突出させることで形成されている。
【0187】
第2のフィンピッチ規定部308は、X方向の他方側に配置されたフィン290の第2の面291bに当接されることで、先に説明した第1のフィンピッチ規定部307とともに、X方向に配置されたフィン290のピッチ(フィンピッチ)を所望の値に保つ。
X方向における第1及び第2のフィンピッチ規定部307,308の突出量は等しく、かつ上記フィンピッチを所望の値に保つことの可能な大きさに設定されている。
第2のフィンピッチ規定部308は、例えば、L字形状とすることが好ましい。第2のフィンピッチ規定部308をL字形状とすることで、先に説明したL字形状とされた第1のフィンピッチ規定部307と同様な効果を得ることができる。
【0188】
上記構成とされた熱交換器285は、冷房運転時には、凝縮器として用いられ、室外へ放熱し、暖房運転時には、蒸発器として用いられ、室外から吸熱する。
【0189】
(熱交換器の効果)
上述したように、フィン本体291の一部を下側に折り曲げることで、第1及び第2のフィンピッチ規定部307,308を形成することで、フィン本体291の一部をY方向に折り曲げた場合と比較して、第1及び第2のフィンピッチ規定部307,308がP方向(第2の方向の他方側から一方側に向かう方向)に流れる空気の抵抗体となることを抑制可能となるので、空気の圧損を抑制することができる。
【0190】
また、第1のフィンピッチ規定部307を扁平管挿入部209の後端部側に配置するとともに、第2のフィンピッチ規定部308を扁平管挿入部209の先端部209A側に配置することで、Z方向及びY方向に対して離れた位置に第1及び第2のフィンピッチ規定部307,308を配置させることが可能となる。これにより、X方向に配置された複数のフィン290のフィンピッチを安定して規定することができる。
【0191】
さらに、扁平管41の第2の端部41Eの外形を円形状または楕円形状とするとともに、第2の端部41Eを収容する扁平管挿入部209の先端部209Aの形状を扁平管41の第2の端部41Eの外周面41bとフィン本体291とが面接触する形状とすることで、扁平管41とフィン本体291との間の接触面積を増加させることが可能となる。これにより、扁平管41とフィン290との間の熱伝導性を向上させることができる。
【0192】
即ち、空気の圧損を抑制した上で、フィンピッチを安定して規定することができるとともに、扁平管41とフィン290との間の熱伝導性を向上させることができる。
また、第1の方向(Z方向)に延びる連通部303に第1及び第2のフィンピッチ規定部307,308を形成しないことで、第1の方向(Z方向)に排水される凝縮水の流れを第1及び第2のフィンピッチ規定部307,308が阻害することがなくなるため、良好な排水性を維持することができる。
【0193】
さらに、フィン本体291の一部を下方側に折り曲げることで第1のフィンピッチ規定部307を形成するとともに、Z方向において、第1のフィンピッチ規定部307を挟む2つの扁平管挿入部209のうち、第1のフィンピッチ規定部307の上方側に位置する扁平管挿入部209の周囲に第2のフィンピッチ規定部308を形成することで、フィンピッチを規定する位置をZ方向において等間隔に配置することが可能となるので、フィンピッチを安定して規定することができる。
【0194】
(第1の熱交換器ユニットの効果)
第1の熱交換器ユニット281によれば、上述した熱交換器285を備えることで、第1の熱交換器ユニット281の性能を向上させた上で、第1の熱交換器ユニット281を安定して稼働させることができる。
なお、熱交換器285を備える第2の熱交換器ユニット283も第1の熱交換器ユニット281と同様な効果を得ることができる。
【0195】
(冷凍サイクル装置の効果)
上述した第1及び第2の熱交換器ユニット281,283を冷凍サイクル装置280が備えることで、冷凍サイクル装置280の性能を向上させた上で、冷凍サイクル装置280を安定して稼働させることができる。
【0196】
(変形例のフィンの構成)
図47を参照して、第9の実施形態の変形例に係るフィン320について説明する。
図47において、
図42に示す構造体と同一構成部分には同一符号を付す。
【0197】
フィン320は、フィン本体291の一部を上側に折り曲げることで第1のフィンピッチ規定部307を形成するとともに、Z方向において、第1のフィンピッチ規定部307を挟む2つの扁平管挿入部209のうち、第1のフィンピッチ規定部307の下方側に位置する扁平管挿入部209の周囲に第2のフィンピッチ規定部308を形成したこと以外は、先に説明したフィン290と同様に構成されている。
【0198】
(変形例のフィンの効果)
このように、フィン本体291の一部を上側に折り曲げることで第1のフィンピッチ規定部307を形成するとともに、Z方向において、第1のフィンピッチ規定部307を挟む2つの扁平管挿入部209のうち、第1のフィンピッチ規定部307の下方側に位置する扁平管挿入部209の周囲に第2のフィンピッチ規定部308を形成することで、フィンピッチを規定する位置をZ方向において等間隔に配置することが可能となる。これにより、フィンピッチを安定して規定することができる。
【0199】
以上、本開示の好ましい実施形態について詳述したが、本開示はかかる特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲内に記載された本開示の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【0200】
<付記>
各実施形態に記載の熱交換器27,60,70,80,90,100,110,120,130,140,150,160,170,180,190,205,230,240,250,260,270,285、熱交換器ユニット(第1の熱交換器ユニット18,201,281及び第2の熱交換器ユニット23,203,283)、及び冷凍サイクル装置10,200,280は、例えば、以下のように把握される。
【0201】
(1)第1の態様に係る熱交換器27,60,70,80,90,100,110,120,130,140,150,160,170,180,190は、空気と冷媒とを熱交換させる熱交換器27,60,70,80,90,100,110,120,130,140,150,160,170,180,190であって、外形が扁平形状とされて一方向(X方向)に延びるとともに、幅方向(Y方向)に配置され、前記一方向(X方向)に延び、前記冷媒が流れる複数の流路41Aを有する複数の扁平管41と、前記複数の扁平管41を収容した状態で、前記扁平管41の延在方向(X方向)に配置された複数のフィン42と、前記複数の扁平管41の一方の端部41Bが内側に配置されるように、前記複数の扁平管41と接続され、前記内側に前記冷媒が流れるヘッダ43と、を備え、前記ヘッダ43は、上下方向(Z方向)に延びる筒状とされ、柱状の内部空間53を区画するヘッダ本体45と、前記ヘッダ本体45内に収容され、上下方向(Z方向)に延び、前記内部空間53の上端部及び下端部において前記冷媒が流通可能な状態で、前記延在方向(X方向)に前記内部空間53を第1の空間54と前記複数の扁平管41の一方の端部41Bが配置された第2の空間55とに分割する仕切り板47と、前記第1の空間54の下部に配置され、前記ヘッダ43の外部から供給される前記冷媒を前記ヘッダ本体45の底面45a(第1の底面45aa)に向けて吹き出す吹出口49A,62Aを含むノズル部49,62と、を有し、前記ノズル部49,62の幅方向(Y方向)両側には、前記第1の空間54の一部である冷媒流通部54Aがそれぞれ形成されている。
【0202】
上記構成とされたノズル部49,62を有することで、吹出口49A,62Aから吹き出された冷媒をヘッダ本体45の底面45a(第1の底面45aa)に衝突させて、幅方向(Y方向)における冷媒の状態の差を小さくすることが可能となる。これにより、幅方向(Y方向)における状態の差の小さい冷媒が、第1の空間54から第2の空間55(複数の扁平管41の一方の端部41Bが配置された空間)に向かって流れていくため、ヘッダ43内に導入される冷媒の流量に依存することなく、ヘッダ43内に冷媒の循環流れ(第1の空間54を下降して第2の空間55を上昇する流れ)を形成することで、製造工程の煩雑化を抑制した上で、各扁平管41に対する冷媒分配の偏りを抑制しつつ、各扁平管41の幅方向(Y方向)に形成された複数の流路41Aに対する冷媒分配の偏りについても抑制することができる。
【0203】
(2)第2の態様に係る熱交換器70,80,100,120,150,180,190は、(1)の熱交換器70,80,100,120,150,180,190であって、前記ヘッダ本体45の底面45aは、前記第1の空間54を区画する第1の底面45aaと、前記第2の空間55を区画する第2の底面45abと、を有し、前記第1の底面45aaに設けられ、前記第1の空間54から前記第2の空間55に向かう方向に前記冷媒を案内する第1の案内面73aを有する第1の冷媒案内部73を備えてもよい。
【0204】
このような構成とされた第1の冷媒案内部73を備えることで、ノズル部49,62の吹出口49A,62Aから吹き出された冷媒を第2の空間55に案内するとともに、第2の空間55を区画するヘッダ本体45の内壁面45bに冷媒を衝突させて、幅方向(Y方向)における冷媒の状態の差の小さくすることができる。
また、冷媒が気液二相冷媒で、かつヘッダ本体45内に導入される冷媒の流量が少ない場合において、第1の空間54で冷媒が気液分離して、第1の空間54を気相冷媒が上昇することを抑制可能となる。即ち、ヘッダ本体45内に冷媒の循環流れが形成されにくくなることを抑制できる。
【0205】
(3)第3の態様に係る熱交換器70,80,100,120,150,180,190は、(2)の熱交換器70,80,100,120,150,180,190であって前記第1の案内面73aは、前記仕切り板47の下端部から離れる方向に凹んだ凹曲面であってもよい。
【0206】
このように、第1の案内面73aを仕切り板47の下端部から離れる方向に凹んだ凹曲面とすることで、第1の空間54から第2の空間55に冷媒をスムーズに案内することができる。
【0207】
(4)第4の態様に係る熱交換器90,100,180,190は、(1)から(3)のうち、いずれか1項記載の熱交換器90,100,180,190であって、前記ヘッダ本体45の底面45aは、前記第1の空間54を区画する第1の底面45aaと、前記第2の空間55を区画する第2の底面45abと、を有し、前記第2の底面45abに設けられ、前記第2の空間55の下方から上方に向かう方向に前記冷媒を案内する第2の案内面93aを有する第2の冷媒案内部93を備えてもよい。
【0208】
このような構成とされた第2の冷媒案内部93を備えることで、ヘッダ本体45の第1の底面45aaに衝突することで生成された幅方向における状態の差の小さい冷媒を第2の空間55の下方から上方に向かう方向に導くことができる。
【0209】
(5)第5の態様に係る熱交換器90,100,180,190は、(4)の熱交換器90,100,180,190であって、前記第2の案内面93aは、前記仕切り板47の下端部から離れる方向に凹んだ凹曲面であってもよい。
【0210】
このように、第2の案内面93aを仕切り板47の下端部から離れる方向に凹んだ凹曲面とすることで、幅方向(Y方向)における状態の差の小さい冷媒を第2の空間55の下方から上方に向かう方向に容易に導くことができる。
【0211】
(6)第6の態様に係る熱交換器80は、(1)から(5)のうち、いずれか一項記載の熱交換器80であって、前記仕切り板47の下端のうち、前記ヘッダ本体45の底面45aから上方に離れた部分に設けられ、前記第1の空間54から前記第2の空間55に向かう方向に前記冷媒を案内する第3の案内面83aを含む第3の冷媒案内部83を備えてもよい。
【0212】
このような構成とされた第3の冷媒案内部83を備えることで、第3の案内面83aにより第1の空間54から第2の空間55に向かう方向に冷媒を案内することができる。
【0213】
(7)第7の態様に係る熱交換器80は、(6)の熱交換器80であって、前記第3の冷媒案内部83は、前記仕切り板47の幅方向(Y方向)に延びる円柱状部材であってもよい。
【0214】
このように、第3の冷媒案内部83として仕切り板47の幅方向に延びる円柱状部材を用いることで、第3の案内面83a(円柱状部材の外周面)により第1の空間54から第2の空間55に向かう方向に冷媒を案内することができる。
【0215】
(8)第8の態様に係る熱交換器27,60,70,80,90,100,110,120,130,140,150,160,170,180,190は、(1)から(7)のうち、いずれか一項記載の熱交換器27,60,70,80,90,100,110,120,130,140,150,160,170,180,190であって、前記ノズル部49,62は、前記ヘッダ本体の高さの1/2よりも低い位置に配置されていてもよい。
【0216】
例えば、ヘッダ本体45の高さHの1/2よりも高い位置にノズル部49,62を配置させると、ノズル部49,62の吹出口49A,62Aからヘッダ本体45の底面(第1の底面45aa)までの距離が長くなりすぎるため、吹出口49A,62Aから吹き出された冷媒の流れが減衰して、ヘッダ43内における冷媒の循環流れを形成することが困難となる可能性がある。
そこで、ヘッダ本体45の高さHの1/2よりも低い位置にノズル部49,62を配置させることで、吹出口49A,62Aからヘッダ本体45の底面(第1の底面45aa)までの距離を短くすることが可能となるので、ヘッダ43内における冷媒の循環流れを形成しやすくなる。
【0217】
(9)第9の態様に係る熱交換器27,60,70,80,90,100,110,120,130,140,150,160,170,180,190は、(1)から(7)のうち、いずれか一項記載の熱交換器27,60,70,80,90,100,110,120,130,140,150,160,170,180,190であって、前記ノズル部49,62は、前記複数の扁平管41のうち、一番下に配置された扁平管41Fと下から2番目に配置された扁平管41Sとの間に配置されていてもよい。
【0218】
このように、一番下に配置された扁平管41Fと下から2番目に配置された扁平管41Sとの間にノズル部49,62を配置することで、ヘッダ43内における冷媒の循環流れを容易に形成することができる。
また、熱交換器27,60,70,80,90,100,110,120,130,140,150,160,170,180,190を凝縮器として用いる場合、複数の扁平管41を介して、ヘッダ43内に流入する冷媒(液相冷媒)を容易にヘッダの外部に排出することができる。
【0219】
(10)第10の態様に係る熱交換器110,120,130,190は、(1)から(9)のうち、いずれか一項記載の熱交換器110,120,130,190であって、前記扁平管41が延びる方向において、前記複数の扁平管41の一端は、前記仕切り板47と向かい合うように配置されており、前記複数の扁平管41のうち、一番下に配置された扁平管41Fの一端から前記仕切り板47までの距離Ds1は、他の扁平管41,41の一端から前記仕切り板47までの距離Ds2よりも長くてもよい。
【0220】
このように、複数の扁平管41のうち、一番下に配置された扁平管41Fの一端41Faから仕切り板47までの距離Ds1を、他の扁平管41の一端41aから仕切り板47までの距離Ds2よりも長くすることで、一番下に配置された扁平管41Fの一端41Faと仕切り板47との間に形成される冷媒の流路断面積を大きくすることが可能となる。
これにより、扁平管41Fの高さ位置における縮流の程度を緩和することが可能となり、冷媒の流れが剥離しにくくなるので、従来であれば剥離(縮流)の影響によって液相冷媒が流入し難い可能性のあった扁平管41Fに対しても液相冷媒が供給され易くなり、その結果として各扁平管41への冷媒分配を均等化することができる。
【0221】
(11)第11の態様に係る熱交換器110,120は、(10)の熱交換器110,120であって、前記一番下に配置された扁平管41Fの一端は、前記他の扁平管41,41Sの一端の位置よりも前記第1の空間54から前記第2の空間55に向かう方向に後退させて配置させてもよい。
【0222】
このように、他の扁平管41の一端41aの位置よりも第1の空間54から第2の空間55に向かう方向に後退した位置に、一番下に配置された扁平管41Fの一端41Faを配置させることで、一番下に配置された扁平管41Fの一端41Faと仕切り板47との間に形成される冷媒流路の断面積を大きくすることができる。
【0223】
(12)第12の態様に係る熱交換器130,190は、(10)または(11)のうち、いずれか一項記載の熱交換器130,190であって、前記一番下に配置された扁平管41Fの一端と向かい合う前記仕切り板133の下端部133Aは、前記第2の空間55から前記第1の空間54に向かう方向にずれた位置に配置されていてもよい。
【0224】
このように、複数の扁平管41のうち、一番下に配置された扁平管41Fの一端41Faと向かい合う仕切り板133の下端部133Aを、第2の空間55から第1の空間54に向かう方向にずれた位置に配置させることで、一番下に配置された扁平管41Fの一端41Faと仕切り板133との間に形成される冷媒流路の断面積を大きくすることができる。
【0225】
(13)第13の態様に係る熱交換器140,150,160,170,180,190は、(1)から(12)のうち、いずれか一項記載の熱交換器140,150,160,170,180,190であって、前記第2の空間55を区画する前記ヘッダ本体45の内壁面45bに設けられるとともに、前記複数の扁平管41のうち、一番下に配置された扁平管41Fの一方の端部41Bの下方に配置され、前記ヘッダ本体45の底面45aから前記一番下に配置された扁平管41Fの一端に向かう冷媒を整流させる整流部材143,163,173を備えてもよい。
【0226】
このような構成とされた整流部材143,163,173を備えることで、従来であれば剥離(縮流)の影響によって液相冷媒が流入し難い可能性のあった扁平管41Fに対しても液相冷媒が供給され易くなり、その結果として各扁平管41への冷媒分配を均等化することができる。
【0227】
(14)第14の態様に係る熱交換器140,150は、(13)の熱交換器140,150であって、前記整流部材143は、前記一番下に配置された扁平管41Fの一方の端部41Bから離れた位置に配置され、前記ヘッダ本体45の内壁面45bから前記仕切り板47に向かう方向に延び、前記ヘッダ本体45の内壁面45bからの突出量が前記一方の端部41Bの突出量と等しい邪魔板145であってもよい。
【0228】
このように、整流部材143として上記構成とされた邪魔板145を用いることで、一番下に配置された扁平管41Fの一方の端部41Bの前段において、冷媒の流れを剥離させて、一番下に配置された扁平管41Fの端における冷媒の流れを整流することが可能となる。
これにより、従来であれば剥離(縮流)の影響によって液相冷媒が流入し難い可能性のあった扁平管41Fに対しても液相冷媒が供給され易くなり、その結果として各扁平管41への冷媒分配を均等化することができる。
【0229】
(15)第15の態様に係る熱交換器160は、(13)の熱交換器160であって、前記整流部材163は、前記一番下に配置された扁平管41Fの一方の端部41Bの下面と接触するように、前記一方の端部41Bの下方に配置され、前記ヘッダ本体45の内壁面45bから前記仕切り板47に向かう方向に延び、前記ヘッダ本体45の内壁面45bからの突出量が前記一方の端部41Bの突出量と等しいブロック164であってもよい。
【0230】
このように、整流部材163として上記構成とされたブロック164を用いることで、一番下に配置された扁平管41Fの一方の端部41Bの前段において、冷媒の流れを剥離させて、一番下に配置された扁平管41Fの端における冷媒の流れを整流することが可能となる。
これにより、従来であれば剥離(縮流)の影響によって液相冷媒が流入し難い可能性のあった扁平管41Fに対しても液相冷媒が供給され易くなり、その結果として各扁平管41への冷媒分配を均等化することができる。
【0231】
(16)第16の態様に係る熱交換器170は、(15)の熱交換器170であって、前記ブロック174は、前記仕切り板47側に形成され、前記冷媒の流れを上方に導く湾曲面174aを有してもよい。
【0232】
このような構成とされた湾曲面174aを有することで、流れが剥離することなく冷媒を第2の空間55の上方に導くことができる。
【0233】
(17)第17の態様に係る熱交換器27,60,70,80,90,100,110,120,130,140,150,160,170,180,190は、(1)から(16)のうち、いずれか一項記載の熱交換器27,60,70,80,90,100,110,120,130,140,150,160,170,180,190であって、前記第1の空間54を区画する前記ヘッダ本体45と前記仕切り板47,133との間に設けられるとともに、前記第1の空間54のうち、前記ノズル部49,62の上方に位置する部分に配置された多孔板51を備えてもよい。
【0234】
このような構成とされた多孔板51を備えることで、第1の空間54の下方から上方に向かう方向に逆流するガス(ガス冷媒)の移動を抑制することが可能となるので、ヘッダ43内に冷媒の循環流れが形成され易くなる。
【0235】
(18)第18の態様に係る熱交換器27は、(1)から(17)のうち、いずれか一項記載の熱交換器27であって、前記吹出口49Aは、円形の穴であり、前記仕切り板47は、幅方向(Y方向)の一方側に配置され、下端が前記ヘッダ本体45の底面45aに到達する一方の下端部47Aと、前記幅方向(Y方向)の他方側に配置され、下端が前記ヘッダ本体45の底面45aに到達する他方の下端部47Bと、前記一方の下端部47Aと前記他方の下端部47Bとの間に形成され、前記冷媒を流通させる切り欠き部47Cと、を有してもよい。
【0236】
このように、円形の穴を吹出口49Aとして用いる場合において、一方の下端部47Aと他方の下端部47Bとの間に位置する切り欠き部47Cを介して、冷媒は第1の空間54から第2の空間55へと流通される。このとき、下端部47A及び47Bにより冷媒が第2の空間55から第1の空間54へと逆流することを抑制できる。
【0237】
(19)第19の態様に係る熱交換器60は、(1)から(17)のうち、いずれか一項記載の熱交換器60であって、前記吹出口62Aは、前記ノズル部62の幅方向(Y方向)に延びる溝形状とされており、前記ノズル部62の幅方向(Y方向)両側に配置された2つの前記冷媒流通部54Aの幅W2の合計の値は、前記ノズル部62の幅W1の値よりも小さくてもよい。
【0238】
このように、吹出口62Aをノズル部62の幅方向(Y方向)に延びる溝形状とすることで、吹出口の形状が円形の場合と比較して、幅方向(Y方向)における冷媒の状態の差をさらに小さくすることができる。
また、ノズル部62の幅方向(Y方向)両側に配置された一対の冷媒流通部54Aの幅W2の合計の値(=2×W2)をノズル部62の幅W1の値よりも小さくすることで、一対の冷媒流通部54Aの流路断面積を小さくすることが可能となる。これにより、第1の空間54において下方から上方に向かう冷媒の逆流の発生を抑制できる。
【0239】
(20)第20の態様に係る熱交換器ユニット(第1及び第2の熱交換器ユニット18,23)は、(1)から(19)のうち、いずれか一項記載の熱交換器と、前記熱交換器27,60,70,80,90,100,110,120,130,140,150,160,170,180,190に空気を送る送風機(第1及び第2の送風機26,32)と、を備える。
【0240】
上記構成とされた熱交換器27,60,70,80,90,100,110,120,130,140,150,160,170,180,190を有することで、熱交換器ユニット(第1及び第2の熱交換器ユニット18,23)の熱交換効率を高めることができる。
【0241】
(21)第21の態様に係る冷凍サイクル装置10は、(20)の熱交換器ユニット(第1及び第2の熱交換器ユニット18,23)を備える。
【0242】
上記構成とされた熱交換器ユニット(第1及び第2の熱交換器ユニット18,23)を有することで、冷凍サイクル装置10の熱交換効率を高めることができる。
【0243】
(22)第22の態様に係る熱交換器205,230,240,250,260,270は、空気と冷媒とを熱交換させる熱交換器205,230,240,250,260,270であって、外形が扁平形状とされるとともに、内部に前記冷媒が流れる流路41Aが形成され、幅方向の一方側に配置された第1の端部41D及び前記幅方向の他方側に配置された第2の端部41Eを有する複数の扁平管41と、前記複数の扁平管41を収容した状態で、前記扁平管41の延在方向(X方向)に所定のピッチで配置された複数のフィン206,231,241,251,261,271と、を備え、前記複数のフィン206,231,241,251,261,271は、板状とされ、前記延在方向(X方向)に配置された第1の面207a、及び前記第1の面207aの反対側に配置された第2の面207bを含むフィン本体207と、前記フィン本体207に形成されるとともに、前記延在方向(X方向)に対して直交する上下方向(Z方向)に間隔を空けて複数配置され、前記上下方向(Z方向)及び前記延在方向(X方向)に対して直交する左右方向(Y方向)の一方側から他方側に延び、前記第2の端部41E側から挿入された前記扁平管41を収容する扁平管挿入部209と、複数の前記扁平管挿入部209よりも前記左右方向(Y方向)の他方側に配置され、前記上下方向(Z方向)に連続して延びる連通部213,233,243と、をそれぞれ有し、前記連通部213,233,243は、前記上下方向(Z方向)及び前記左右方向(Y方向)に対して平行な第1の平面部207Bを含み、前記連通部213,233,243には、前記第1の平面部207Bに対して交差する方向に屈曲して、前記上下方向(Z方向)に亘って連続して延びるとともに、前記上下方向(Z方向)に直交する平面で切断した際の断面形状が前記上下方向(Z方向)において一様とされた凝縮水案内部217,235,245が形成されている。
【0244】
このような構成とされた凝縮水案内部217,235,245を有することで、凝縮水の流れの阻害を抑制した上で、凝縮水案内部217,235,245を構成する第1及び第2の面207a,207bに沿って、上方側から下方側に向かう方向に凝縮水を導くことができる。
また、上記構成とされた凝縮水案内部217,235,245を設けることで、連通部213,233,243の強度を向上させることが可能となる。これにより、フィン206,231,241,251,261のうち、左右方向(Y方向)において扁平管挿入部209と向かい合う部分(フィン206,231,241,251,261の強度が弱い部分)にフィン折れが発生することを抑制できる。
さらに、上記構成とされた凝縮水案内部217,235,245を有することで、凝縮水案内部217,235,245の表面積を増加させつつ空気側の熱伝導率を向上させることが可能となる。これにより、凝縮水案内部217,235,245と空気との間の熱交換効率を高めることができる。
【0245】
(23)第23の態様に係る熱交換器205は、(22)の熱交換器205であって、前記凝縮水案内部217は、前記第1の平面部207Bを構成する前記第1の面207aから突出する凸部218であってもよい。
【0246】
このように、連通部213に形成された凝縮水案内部217を第1の平面部207Bを構成する第1の面207aから突出する凸部218で構成することで、凝縮水の流れの阻害を抑制した上で、凸部218を構成する第1及び第2の面207a,207bに沿って、上方側から下方側に向かう方向に凝縮水を導くことができる。
また、上記構成とされた凸部218を設けることで、連通部213の強度を向上させることが可能となる。これにより、フィン206のうち、Y方向において扁平管挿入部209と向かい合う部分(フィン206の強度が弱い部分)にフィン折れが発生することを抑制できる。
さらに、上記構成とされた凸部218を有することで、凝縮水案内部217の表面積を増加させつつ空気側の熱伝導率を向上させることが可能となる。これにより、凝縮水案内部217と空気との間の熱交換効率を高めることができる。
【0247】
(24)第24の態様に係る熱交換器230は、(22)の熱交換器230であって、前記凝縮水案内部235は、前記第1の平面部207Bを構成する前記第1の面207aから突出し、前記左右方向(Y方向)に配置された複数の凸部218と、前記左右方向(Y方向)において互いに隣り合う前記凸部218の間に配置された凹部239と、を有する凹凸部236であってもよい。
【0248】
このような構成とされた凹凸部236を凝縮水案内部235として用いることで、凝縮水の流れの阻害を抑制した上で、凹凸部236を構成する第1及び第2の面207a,207bに沿って、上方側から下方側に向かう方向に凝縮水を導くことができる。
また、凝縮水案内部235として凹凸部236を用いることで、連通部233の強度を向上させることが可能となるので、フィン231のうち、左右方向(Y方向)において扁平管挿入部209と向かい合う部分(フィン231の強度が弱い部分)にフィン折れが発生することを抑制できる。
さらに、凝縮水案内部235を凹凸部236で構成することで、凝縮水案内部217を1つの凸部218で構成した場合と比較して、凝縮水案内部235の表面積を増加させつつ空気側の熱伝導率を向上させることが可能となる。これにより、凝縮水案内部235と空気との間の熱交換効率を高めることができる。
【0249】
(25)第25の態様に係る熱交換器250は、(23)または(24)の熱交換器250であって、前記扁平管挿入部209は、前記左右方向(Y方向)の他方側に配置され、前記第2の端部41Eを収容する先端部209Aを有しており、前記フィン本体207は、前記上下方向(Z方向)において互いに隣り合う前記先端部209Aの間に配置され、前記上下方向(Z方向)及び前記左右方向(Y方向)に対して平行な第2の平面部207Aを有し、前記扁平管挿入部209の周囲には、前記第2の平面部207Aの前記第1の面207a側に突出する台座部252が配置されており、前記第2の平面部207Aの前記第1の面207aを基準として前記延在方向(X方向)における前記凸部218の先端218Aの高さH1は、前記第2の平面部207Aの前記第1の面207aを基準として前記延在方向(X方向)における前記台座部252の高さH2と等しく、前記凸部218の先端218Aの位置において、前記凸部218と前記台座部252とを接続させてもよい。
【0250】
このように、X方向における凸部218の高さH1と台座部252との高さH2を等しくするとともに、凸部218の先端218Aの位置において、凸部218と台座部252とを接続させることで、左右方向(Y方向)において、台座部252と凸部218との間に第1の平面部207Bが配置されることがなくなる。これにより、台座部252と凸部218との間において、第1の平面部207Bを上下方向(Z方向)に不連続にすることが可能となるので、台座部252と凸部218との間におけるフィン折れの発生を抑制することができる。
【0251】
(26)第26の態様に係る熱交換器260は、(25)の熱交換器260であって、前記台座部263のうち、前記凝縮水案内部217と接続された部分の上側は、前記台座部263から前記凝縮水案内部217に向かう斜め下方に傾斜してもよい。
【0252】
このような構成とすることで、台座部263と凝縮水案内部217(凸部218)とが接続された部分の上部側に凝縮水が溜まることを抑制可能となるので、台座部263が凝縮水の流れを阻害することを抑制できる。
【0253】
(27)第27の態様に係る熱交換器240は、(22)の熱交換器240であって、前記第1の平面部207Bは、前記凝縮水案内部245の前記左右方向(Y方向)の一方側に配置され、前記上下方向(Z方向)に延びる第1の部分243Aと、前記凝縮水案内部245の前記左右方向(Y方向)の他方側に配置され、前記上下方向(Z方向)に延びるとともに、前記延在方向(X方向)において前記第1の部分243Aと異なる位置に配置された第2の部分243Bと、を有し、前記凝縮水案内部245は、前記第1の部分243A、前記第2の部分243B、及び前記第1の部分243Aと前記第2の部分243Bとを接続する接続部248により構成された段差部246であってもよい。
【0254】
このような構成とされた段差部246を凝縮水案内部245として用いることで、凝縮水の流れの阻害を抑制した上で、接続部248を構成する第1及び第2の面207a,207bに沿って、上方側から下方側に向かう方向に凝縮水を導くことができる。
また、凝縮水案内部245を段差部246で構成することで、連通部243の強度を向上させることが可能となるので、フィン241のうち、左右方向(Y方向)において扁平管挿入部209と向かい合う部分(フィン241の強度が弱い部分)にフィン折れが発生することを抑制できる。
さらに、凝縮水案内部245を段差部246で構成することで、凝縮水案内部245の表面積を増加させつつ空気側の熱伝導率を向上させることが可能となる。これにより、凝縮水案内部245と空気との間の熱交換効率を高めることができる。
【0255】
(28)第28の態様に係る熱交換器205,230,240,250,260は、(22)から(27)のうち、いずれか一項記載の熱交換器205,230,240,250,260であって、前記フィン206,231,241,251,261は、前記左右方向(Y方向)の一方側に配置された一方の端部206Aと、前記左右方向の他方側に配置された他方の端部206Bと、を有し、前記凝縮水案内部217,235,245は、前記他方の端部206Bよりも前記一方の端部206A側に配置されており、前記一方の端部206A及び前記他方の端部206Bを構成する前記第2の面207bは、同一平面上に配置されていてもよい。
【0256】
このような構成とすることで、板材(複数のフィン206,231,241,251,261の母材)をプレス加工して複数のフィン206,231,241,251,261が連結された構造体220の製造後に行う構造体220の切断工程において、切断装置のステージの上面に、切断位置Cpに対応する第2の面207bを接触させて、ステージ上に安定した状態で構造体220を配置することが可能となる。これにより、構造体220の切断を精度良く行うことができる。即ち、フィン206,231,241,251,261の加工精度を向上させることができる。
【0257】
(29)第29の態様に係る熱交換器ユニット(第1及び第2の熱交換器ユニット201,203)は、(22)から(28)のうち、いずれか一項記載の熱交換器205,230,240,250,260と、前記熱交換器205,230,240,250,260に空気を送る送風機(第1及び第2の送風機26,32)と、を備える。
【0258】
このように、上述した熱交換器205,230,240,250,260を熱交換器ユニット(第1及び第2の熱交換器ユニット201,203)が備えることで、熱交換器ユニット(第1及び第2の熱交換器ユニット201,203)を安定して稼働させることができる。
【0259】
(30)第30の態様に係る冷凍サイクル装置200は、(29)の熱交換器ユニット(第1及び第2の熱交換器ユニット201,203)を備える。
【0260】
このように、上述した熱交換器ユニット(第1及び第2の熱交換器ユニット201,203)を備えることで、冷凍サイクル装置200を安定して稼働させることができる。
【0261】
(31)第31の態様に係る熱交換器285は、外形が扁平形状とされるとともに、内部に冷媒が流れる流路41Aが形成され、幅方向(Y方向)の一方側に配置された第1の端部41D及び前記幅方向の他方側に配置された第2の端部41Eを有する複数の扁平管41と、前記複数の扁平管41を収容した状態で、前記扁平管41の延在方向(X方向)に所定のピッチで配置された複数のフィン290と、を備え、前記複数のフィン290は、板状とされ、前記延在方向(X方向)に配置された第1の面291a、及び前記第1の面291aの反対側に配置された第2の面291bを含むフィン本体291と、前記フィン本体291に形成されるとともに、前記延在方向(X方向)に対して直交する第1の方向(Z方向)に間隔を空けて複数配置され、前記第1の方向(Z方向)及び前記延在方向(X方向)に対して直交する第2の方向(Y方向)の一方側から他方側に延び、前記第2の端部41E側から挿入された前記扁平管41を収容する扁平管挿入部209と、複数の前記扁平管挿入部209よりも前記第2の方向(Y方向)の他方側に配置され、前記第1の方向(Z方向)に連続して延びる連通部303と、前記第1の方向(Z方向)において、互いに隣り合う前記扁平管挿入部209の間に位置する前記フィン本体291の一部を前記第1の方向(Z方向)に折り曲げて前記第1の面291a側に突出させて形成され、かつ前記延在方向(X方向)の一方側に配置された前記フィン290に当接される第1のフィンピッチ規定部307と、前記フィン本体291の一部を前記第1の方向(Z方向)に折り曲げて前記第1の面291a側に突出させることで形成され、前記扁平管挿入部209の先端部209Aよりも後端部側に位置する前記扁平管挿入部209の周囲に配置され、かつ前記延在方向(X方向)の一方側に配置された前記フィン290に当接される第2のフィンピッチ規定部308と、をそれぞれ有し、前記第2の方向(Y方向)の他方側から一方側に向かう方向に前記冷媒と熱交換する空気が流れており、前記第2の端部41Eの外形は、円形状または楕円形状とされており、前記第2の端部41Eを収容する前記扁平管挿入部209の先端部209Aの形状は、前記第2の端部41Eの外周面41bと前記フィン本体291とが面接触する形状であり、前記第1のフィンピッチ規定部307は、前記扁平管挿入部209の後端部側に配置されており、前記第2のフィンピッチ規定部308は、前記扁平管挿入部209の先端部209A側に配置されている。
【0262】
上述したように、フィン本体291の一部を第1の方向(Z方向)に折り曲げることで第1及び第2のフィンピッチ規定部307,308を形成することで、フィン本体291の一部を第2の方向(Y方向)に折り曲げた場合と比較して、第1及び第2のフィンピッチ規定部307,308が第2の方向(Y方向)の他方側から一方側に向かう方向(B方向)に流れる空気の抵抗体となることを抑制可能となるので、空気の圧損を抑制することができる。
また、第1のフィンピッチ規定部307を扁平管挿入部209の後端部側に配置するとともに、第2のフィンピッチ規定部308を扁平管挿入部209の先端部209A側に配置することで、第1の方向(Z方向)及び第2の方向(Y方向)に対して離れた位置に第1及び第2のフィンピッチ規定部307,308を配置させることが可能となる。これにより、延在方向(X方向)に配置された複数のフィン290のフィンピッチを安定して規定することができる。
【0263】
さらに、扁平管41の第2の端部41Eの外形を円形状または楕円形状とするとともに、第2の端部41Eを収容する扁平管挿入部209の先端部209Aの形状を扁平管41の先端部209Aの外周面とフィン本体291とが面接触する形状とすることで、扁平管41とフィン本体291との間の接触面積を増加させることが可能となる。これにより、扁平管41とフィン290との間の熱伝導性を向上させることができる。
即ち、空気の圧損を抑制した上で、フィンピッチを安定して規定することができるとともに、扁平管41とフィン290との間の熱伝導性を向上させることができる。
また、第1の方向(Z方向)に延びる連通部303に第1及び第2のフィンピッチ規定部307,308を形成しないことで、第1の方向(Z方向)に排水される凝縮水の流れを第1及び第2のフィンピッチ規定部307,308が阻害することがなくなるため、良好な排水性を維持することができる。
【0264】
(32)第32の態様に係る熱交換器285は、(31)の熱交換器285であって、前記第1の方向(Z方向)は、上下方向であり、前記第1のフィンピッチ規定部307は、前記フィン本体291の一部を下側に折り曲げることで構成されており、前記第2のフィンピッチ規定部308は、前記第1の方向(Z方向)において、前記第1のフィンピッチ規定部307を挟む2つの前記扁平管挿入部209のうち、前記第1のフィンピッチ規定部307の上方側に位置する前記扁平管挿入部209の周囲に形成してもよい。
【0265】
このように、フィン本体291の一部を下側に折り曲げることで第1のフィンピッチ規定部307を形成するとともに、第1の方向(Z方向)において、第1のフィンピッチ規定部307を挟む2つの扁平管挿入部209のうち、第1のフィンピッチ規定部307の上方側に位置する扁平管挿入部209の周囲に第2のフィンピッチ規定部308を形成することで、フィンピッチを規定する位置を第1の方向(Z方向)において等間隔に配置することが可能となるので、フィンピッチを安定して規定することができる。
【0266】
(33)第33の態様に係る熱交換器285は、(31)の熱交換器285であって、前記第1の方向(Z方向)は、上下方向であり、前記第1のフィンピッチ規定部307は、前記フィン本体291の一部を上側に折り曲げることで構成されており、前記第2のフィンピッチ規定部308は、前記第1の方向(Z方向)において、前記第1のフィンピッチ規定部307を挟む2つの前記扁平管挿入部209のうち、前記第1のフィンピッチ規定部307の下方側に位置する前記扁平管挿入部209の周囲に形成してもよい。
【0267】
このように、フィン本体291の一部を上側に折り曲げることで第1のフィンピッチ規定部307を形成するとともに、第1の方向(Z方向)において、第1のフィンピッチ規定部307を挟む2つの扁平管挿入部209のうち、第1のフィンピッチ規定部307の下方側に位置する扁平管挿入部209の周囲に第2のフィンピッチ規定部308を形成することで、フィンピッチを規定する位置を第1の方向(Z方向)において等間隔に配置することが可能となるので、フィンピッチを安定して規定することができる。
【0268】
(34)第34の態様に係る熱交換器285は、(31)から(33)のうち、いずれか一項記載の熱交換器285であって、前記第1のフィンピッチ規定部307は、L字形状とされていてもよい。
【0269】
このように、第1のフィンピッチ規定部307をL字形状とすることで、例えば、第1のフィンピッチ規定部307をI字形状とした場合と比較して、第1のフィンピッチ規定部307が第2の面291bと接触する確率を高めることができる。
また、第1のフィンピッチ規定部307をL字形状とすることで、第1のフィンピッチ規定部307と第2の面291bとの接触面積を増加させることが可能となるので、フィンピッチを安定して維持することができる。
【0270】
(35)第35の態様に係る熱交換器285は、(31)から(34)のうち、いずれか一項記載の熱交換器285であって、前記第2のフィンピッチ規定部308は、L字形状とされていてもよい。
【0271】
このように、第2のフィンピッチ規定部308をL字形状とすることで、例えば、第2のフィンピッチ規定部308をI字形状とした場合と比較して、第2のフィンピッチ規定部308が第1の面291aと接触する確率を高めることができる。
また、第2のフィンピッチ規定部308をL字形状とすることで、第2のフィンピッチ規定部308と第2の面291bとの接触面積を増加させることが可能となるので、フィンピッチを安定して維持することができる。
【0272】
(36)第36の態様に係る熱交換器285は、(31)から(35)のうち、いずれか一項記載の熱交換器285であって、前記複数のフィン290は、前記扁平管挿入部209の周囲に形成され、前記第1の面291a側に立ち上がり、前記扁平管41の外周面41bと接触する熱伝導部305をさらに有し、前記延在方向(X方向)における前記熱伝導部305の高さは、前記延在方向(X方向)に複数の前記フィン290を配置させた際、前記第1の面291a側に配置された前記フィン290に前記熱伝導部305が当接されない高さにしてもよい。
【0273】
このような構成とされた熱伝導部を有することで、第1及び第2のフィンピッチ規定部307,308を用いてフィンピッチを規定した上で、扁平管41とフィン290との間の熱伝導性を向上させることができる。
【0274】
(37)第37の態様に係る熱交換器ユニット(第1及び第2の熱交換器ユニット18,23)は、(31)から(36)のうち、いずれか一項記載の熱交換器285と、前記熱交換器285に空気を送る送風機(第1及び第2の送風機26,32)と、を備える。
【0275】
このように、上述した熱交換器285を熱交換器ユニット(第1及び第2の熱交換器ユニット281,283)が備えることで、熱交換器ユニット(第1及び第2の熱交換器ユニット281,283)の性能を向上させた上で、熱交換器ユニット(第1及び第2の熱交換器ユニット281,283)を安定して稼働させることができる。
【0276】
(38)第38の態様に係る冷凍サイクル装置10は、(37)の熱交換器ユニット(第1及び第2の熱交換器ユニット281,283)を備える。
【0277】
このように、上述した熱交換器ユニット(第1及び第2の熱交換器ユニット281,283)を冷凍サイクル装置280が備えることで、冷凍サイクル装置280の性能を向上させた上で、冷凍サイクル装置280を安定して稼働させることができる。
【符号の説明】
【0278】
10,200,280…冷凍サイクル装置
11…室外機
12…室内機
14…冷媒配管
14A…第1の冷媒配管
14B…第2の冷媒配管
15…四方弁
15A~15D,248…接続部
16…圧縮機
18,201,281…第1の熱交換器ユニット
19…膨張弁
23,203,283…第2の熱交換器ユニット
26…第1の送風機
27,60,70,80,90,100,110,120,130,140,150,160,170,180,190,205,230,240,250,260,270,285…熱交換器
32…第2の送風機
35…出入口用ヘッダ
37…折り返し用ヘッダ
41,41F,41S…扁平管
41a,41Fa…一端
41A…流路
41b…外周面
41B,206A…一方の端部
41C,206B…他方の端部
41D…第1の端部
41E…第2の端部
42,206,231,241,251,261,271,290,320…フィン
42A,209…扁平管挿入部
43,61,71,81,91,101,131,141,151,191…ヘッダ
45…ヘッダ本体
45a…底面
45aa…第1の底面
45ab…第2の底面
45ac…第3の底面
45b…内壁面
45A…開口部
47,133…仕切り板
47a…上端面
47A,47B,133A…下端部
47Aa,47Ba…下端
47b,207a,291a…第1の面
47c,207b,291b…第2の面
47C…切り欠き部
49,62…ノズル部
49A,62A…吹出口
51…多孔板
51A…孔
53…内部空間
54…第1の空間
54A…冷媒流通部
55…第2の空間
73…第1の冷媒案内部
73a…第1の案内面
83…第3の冷媒案内部
83a…第3の案内面
93…第2の冷媒案内部
93a…第2の案内面
143,163,173…整流部材
145…邪魔板
164,174…ブロック
174a…湾曲面
207,291…フィン本体
207A…第2の平面部
207B…第1の平面部
209A…先端部
209B…後端部
211,236…凹凸部
213,233,243,303…連通部
215…フィンピッチ規定部
217,235,245…凝縮水案内部
218,238…凸部
218A…先端
220,225…構造体
239…凹部
243A…第1の部分
243B…第2の部分
246…段差部
252,263,273…台座部
305…熱伝導部
305a…内周面
307…第1のフィンピッチ規定部
308…第2のフィンピッチ規定部
B…領域
Cp…切断位置
Ds1,Ds2…距離
H,H1,H2…高さ
J,P…方向
Vp…平面
W1,W2…幅