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特許7457591売上・受領管理システムおよび売上・受領管理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-19
(45)【発行日】2024-03-28
(54)【発明の名称】売上・受領管理システムおよび売上・受領管理方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/087 20230101AFI20240321BHJP
   G06Q 30/06 20230101ALI20240321BHJP
【FI】
G06Q10/087
G06Q30/06
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2020117970
(22)【出願日】2020-07-08
(65)【公開番号】P2022015259
(43)【公開日】2022-01-21
【審査請求日】2022-11-11
(73)【特許権者】
【識別番号】398040527
【氏名又は名称】株式会社オービック
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】下方 智裕
(72)【発明者】
【氏名】上野 剛光
【審査官】小山 和俊
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-114965(JP,A)
【文献】特開2002-117460(JP,A)
【文献】特開2013-178669(JP,A)
【文献】特開2004-295732(JP,A)
【文献】特開2011-018170(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御部を備えるメイン情報処理装置および制御部を備える携帯型情報処理装置を含む売上・受領管理システムであって、
前記メイン情報処理装置における前記制御部は、
各売上を識別するための売上識別データと、各売上明細を識別するための売上明細識別データと、商品を識別するための商品識別データと、前記商品の売上数と、を含む売上明細データを生成する売上生成手段を備え、
前記携帯型情報処理装置における前記制御部は、訪問先で、
前記売上識別データと、前記売上明細識別データと、前記商品識別データと、顧客が受領した前記商品の数である受領数と、を含む受領明細データを生成する受領生成手段を備え、
前記メイン情報処理装置における前記制御部は、帰社後に、
前記売上明細データと前記受領明細データとを比較し、前記売上識別データ、前記売上明細識別データおよび前記商品識別データの組合せが同じである明細データのうち、前記売上数と前記受領数との間に差異がある明細データを特定する明細特定手段と、
前記明細特定手段で特定した前記売上明細データおよび前記受領明細データを表示する明細表示手段と、
前記明細特定手段で特定した前記売上明細データに含まれる前記売上数を前記差異の分だけ取り消すための前記売上明細データである取消売上明細データであって、前記差異の数量にマイナスを付した値を前記売上数として含むものを生成する取消売上生成手段と、を更に備えること、
を特徴とする売上・受領管理システム。
【請求項2】
制御部を備えるメイン情報処理装置および制御部を備える携帯型情報処理装置を含む情報処理システムで実行される売上・受領管理方法であって、
前記メイン情報処理装置における前記制御部で実行される、
各売上を識別するための売上識別データと、各売上明細を識別するための売上明細識別データと、商品を識別するための商品識別データと、前記商品の売上数と、を含む売上明細データを生成する売上生成ステップを含み、
訪問先で、前記携帯型情報処理装置における前記制御部で実行される、
前記売上識別データと、前記売上明細識別データと、前記商品識別データと、顧客が受領した前記商品の数である受領数と、を含む受領明細データを生成する受領生成ステップを含み、
帰社後に、前記メイン情報処理装置における前記制御部で実行される、
前記売上明細データと前記受領明細データとを比較し、前記売上識別データ、前記売上明細識別データおよび前記商品識別データの組合せが同じである明細データのうち、前記売上数と前記受領数との間に差異がある明細データを特定する明細特定ステップと、
前記明細特定ステップで特定した前記売上明細データおよび前記受領明細データを表示する明細表示ステップと、
前記明細特定ステップで特定した前記売上明細データに含まれる前記売上数を前記差異の分だけ取り消すための前記売上明細データである取消売上明細データであって、前記差異の数量にマイナスを付した値を前記売上数として含むものを生成する取消売上生成ステップと、を更に備えること、
を特徴とする売上・受領管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、売上・受領管理システムおよび売上・受領管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、複雑な構造をもつサプライチェーンにおける受発注業務や納品業務を効率化するための技術が開示されており(特許文献1の0019段落参照)、また、一部納品の場合には、納品明細の内容を適宜修正することになることが開示されている(特許文献1の0071段落参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2007-41806号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1のように納品の管理を行う分野においては、例えば、営業担当の者が商品の数量を間違えて訪問先を訪れてしまった場合(例えば、ある商品の本来の注文数は2個であるのに、売上明細入力時の入力ミスにより3個と売上明細を入力し、3個の商品を持って訪問先を訪れてしまった場合)、訪問先にて売上明細の修正を行うことがある。
【0005】
しかしながら、訪問先にて売上明細の修正を行うと、売上明細のデータと在庫データとが連動している場合、会社に実際に存在する在庫数と、在庫管理上での在庫数と、の間に不整合が発生してしまうという問題があった。前段落の例でいえば、前記ある商品の在庫数が10個であったとすると、会社に実際に存在する在庫数は、10個-営業担当の者が持ち出した在庫数3個=7個であるのに対して、在庫管理上での在庫数は、10個-訪問先での売上明細修正後の売上数2=8個となるため、営業担当の者が帰社後に、誤って持ち出した在庫1個分を在庫棚に戻すまでは、在庫数の不整合が発生してしまうという問題があった。
【0006】
前段落で述べた問題を解決するためには、訪問先で売上明細を修正するのではなく、営業担当の者が帰社後に、誤って余分に持ち出した在庫を戻すのと同時に売上明細を修正する運用とすればよいが、当該運用の場合、帰社するまで売上明細の修正内容を営業担当の者が覚えておく必要があり、正確性と利便性と厳密性等に欠けるという問題があった。つまり、まとめると、従来においては、正確性・利便性・厳密性等を担保しつつ、在庫数の不整合が生じないようにすることは困難であった。
【0007】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、売上明細データとは別に、訪問先が実際に受領した前記商品の数である受領数を管理する受領明細データを用意することで、正確性・利便性・厳密性等を担保しつつ、在庫数の不整合が生じないようにすることができる売上・受領管理システムおよび売上・受領管理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る売上・受領管理システムは、制御部を備えるメイン情報処理装置および制御部を備える携帯型情報処理装置を含む売上・受領管理システムであって、前記メイン情報処理装置における前記制御部は、各売上を識別するための売上識別データと、各売上明細を識別するための売上明細識別データと、商品を識別するための商品識別データと、前記商品の売上数と、を含む売上明細データを生成する売上生成手段を備え、前記携帯型情報処理装置における前記制御部は、訪問先で、前記売上識別データと、前記売上明細識別データと、前記商品識別データと、顧客が受領した前記商品の数である受領数と、を含む受領明細データを生成する受領生成手段を備え、前記メイン情報処理装置における前記制御部は、帰社後に、前記売上明細データと前記受領明細データとを比較し、前記売上識別データ、前記売上明細識別データおよび前記商品識別データの組合せが同じである前記明細データのうち、前記売上数と前記受領数との間に差異がある前記明細データを特定する明細特定手段と、前記明細特定手段で特定した前記売上明細データおよび前記受領明細データを表示する明細表示手段と、前記明細特定手段で特定した前記売上明細データに含まれる前記売上数を前記差異の分だけ取り消すための前記売上明細データである取消売上明細データであって、前記差異の数量にマイナスを付した値を前記売上数として含むものを生成する取消売上生成手段と、を更に備えることを特徴とする。
【0011】
また、本発明に係る売上・受領管理方法は、制御部を備えるメイン情報処理装置および制御部を備える携帯型情報処理装置を含む情報処理システムで実行される売上・受領管理方法であって、前記メイン情報処理装置における前記制御部で実行される、各売上を識別するための売上識別データと、各売上明細を識別するための売上明細識別データと、商品を識別するための商品識別データと、前記商品の売上数と、を含む売上明細データを生成する売上生成ステップを含み、訪問先で、前記携帯型情報処理装置における前記制御部で実行される、前記売上識別データと、前記売上明細識別データと、前記商品識別データと、顧客が受領した前記商品の数である受領数と、を含む受領明細データを生成する受領生成ステップを含み、帰社後に、前記メイン情報処理装置における前記制御部で実行される、前記売上明細データと前記受領明細データとを比較し、前記売上識別データ、前記売上明細識別データおよび前記商品識別データの組合せが同じである前記明細データのうち、前記売上数と前記受領数との間に差異がある前記明細データを特定する明細特定ステップと、前記明細特定ステップで特定した前記売上明細データおよび前記受領明細データを表示する明細表示ステップと、前記明細特定ステップで特定した前記売上明細データに含まれる前記売上数を前記差異の分だけ取り消すための前記売上明細データである取消売上明細データであって、前記差異の数量にマイナスを付した値を前記売上数として含むものを生成する取消売上生成ステップと、を更に備えること、を特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、売上明細データとは別に、訪問先が実際に受領した前記商品の数である受領数を管理する受領明細データを用意することで、正確性・利便性・厳密性等を担保しつつ、在庫数の不整合が生じないようにすることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は、売上・受領管理システムの構成の一例を示すブロック図である。
図2図2は、本実施形態における業務フロー(受領のケース)の一例を示す図である。
図3図3は、本実施形態における業務フロー(未受領のケース)の一例を示す図である。
図4図4は、受注入力ミス(数量違い)の具体例において、当初に生成される情報の一例を示す図である。
図5図5は、受注入力ミス(数量違い)の具体例において、納入先対応で生成される情報の一例を示す図である。
図6図6は、受注入力ミス(数量違い)の具体例において、帰社後対応で生成される情報の一例を示す図である。
図7図7は、受注入力ミス(数量違い)の具体例において、次回訪問時用に生成される情報の一例を示す図である。
図8図8は、受注入力ミス(商品違い)の具体例において、当初に生成される情報の一例を示す図である。
図9図9は、受注入力ミス(商品違い)の具体例において、納入先対応で生成される情報の一例を示す図である。
図10図10は、受注入力ミス(商品違い)の具体例において、帰社後対応で生成される情報の一例を示す図である。
図11図11は、受注入力ミス(商品違い)の具体例において、次回訪問時用に生成される情報の一例を示す図である。
図12図12は、売上計上時に生成される売上データの一例を示す図である。
図13図13は、売上データおよび顧客訪問時に生成される受領データの一例を示す図である。
図14図14は、売上データと受領データの比較の仕方の一例を示す図である。
図15図15は、売上データの修正の仕方の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に、本発明に係る売上・受領管理システムおよび売上・受領管理方法の実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。なお、本実施形態により本発明が限定されるものではない。以下、具体的な構成および動作について説明する。
【0015】
[1.構成]
本実施形態に係る売上・受領管理システムの構成の一例について、図1を参照して説明する。図1は、売上・受領管理システムの構成の一例を示すブロック図である。売上・受領管理システムは、メイン情報処理装置100と携帯型情報処理装置200とネットワーク300とサーバ400とで構成される。メイン情報処理装置100は、例えば、歯科用品等の医療品の販売を行う会社に設置されている据置型の情報処理装置である。携帯型情報処理装置200は、訪問先である歯科医院等において前記歯科用品等の営業担当の者が用いる携帯型の情報処理装置(例えば、タブレット端末)である。
【0016】
[1-1.メイン情報処理装置100の構成]
メイン情報処理装置100は、市販のデスクトップ型パーソナルコンピュータである。なお、メイン情報処理装置100は、デスクトップ型パーソナルコンピュータのような据置型情報処理装置に限らず、市販されているノート型パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistants)、スマートフォン、タブレット型パーソナルコンピュータなどの携帯型情報処理装置であってもよい。
【0017】
メイン情報処理装置100は、制御部102と通信インターフェース部104と記憶部106と入出力インターフェース部108と、を備えている。メイン情報処理装置100が備えている各部は、任意の通信路を介して通信可能に接続されている。
【0018】
通信インターフェース部104は、ルータ等の通信装置および専用線等の有線または無線の通信回線を介して、メイン情報処理装置100をネットワーク300に通信可能に接続する。通信インターフェース部104は、他の装置と通信回線を介してデータを通信する機能を有する。ここで、ネットワーク300は、メイン情報処理装置100と、携帯型情報処理装置200またはサーバ400と、を相互に通信可能に接続する機能を有し、例えばインターネットやLAN(Local Area Network)等である。なお、後述する各種マスタ等のデータは、例えばサーバ400に格納されてもよい。
【0019】
入出力インターフェース部108には、入力装置112および出力装置114が接続されている。出力装置114には、モニタ(家庭用テレビを含む)の他、スピーカやプリンタを用いることができる。入力装置112には、キーボード、マウス、及びマイクの他、マウスと協働してポインティングデバイス機能を実現するモニタを用いることができる。なお、以下では、出力装置114をモニタ114とし、入力装置112をキーボード112またはマウス112として記載する場合がある。
【0020】
記憶部106には、各種のデータベース、テーブルおよびファイルなどが格納される。記憶部106には、OS(Operating System)と協働してCPU(Central Processing Unit)に命令を与えて各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録される。記憶部106として、例えば、RAM(Random Access Memory)・ROM(Read Only Memory)等のメモリ装置、ハードディスクのような固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および光ディスク等を用いることができる。
【0021】
記憶部106は、例えば、売上データ106aを備えている。売上データ106aは、売上ヘッダデータ106a1と売上明細データ106a2とからなる。
【0022】
売上ヘッダデータ106a1は、図12等に示すように、例えば、売上検収番号と、各売上を識別するための売上識別データ(売上番号)と、売上日と、得意先を識別するための得意先識別データ(得意先)と、売上の合計金額(売上金額)と、等を含む。
【0023】
売上明細データ106a2は、図12等に示すように、例えば、前記売上識別データ(売上番号)と、各売上明細を識別するための売上明細識別データ(売上明細行)と、商品を識別するための商品識別データ(商品)と、前記商品の売上数(数量)と、売上単価と、前記商品ごとの売上金額(売上金額)と、等を含む。
【0024】
制御部102は、メイン情報処理装置100を統括的に制御するCPU等である。制御部102は、OS等の制御プログラム・各種の処理手順等を規定したプログラム・所要データなどを格納するための内部メモリを有し、格納されているこれらのプログラムに基づいて種々の情報処理を実行する。
【0025】
制御部102は、機能概念的に、例えば、(1)各売上を識別するための売上識別データと、各売上明細を識別するための売上明細識別データと、商品を識別するための商品識別データと、前記商品の売上数と、を含む売上明細データを生成する売上生成手段としての売上生成部102aと、(2)前記売上明細データと前記受領明細データとを比較し、前記売上識別データ、前記売上明細識別データおよび前記商品識別データの組合せが同じである前記明細データのうち、前記売上数と前記受領数との間に差異がある前記明細データを特定する明細特定手段としての明細特定部102bと、(3)前記明細特定手段で特定した前記売上明細データおよび前記受領明細データを表示する明細表示手段としての明細表示部102cと、(4)前記明細特定手段で特定した前記売上明細データに含まれる前記売上数を前記差異の分だけ取り消すための前記売上明細データである取消売上明細データであって、前記差異の数量にマイナスを付した値を前記売上数として含むものを生成する取消売上生成手段としての取消売上生成部102dと、を備えている。
【0026】
売上生成部102aは、売上データ106a(売上ヘッダデータ106a1および売上明細データ106a2)を生成する。売上生成部102aは、生成した売上データ106aを前述した記憶部106に格納する。
【0027】
明細特定部102bは、売上明細データ106a2と後述する受領明細データ206a2とを比較し、前記売上識別データ(売上番号)、前記売上明細識別データ(売上明細行)および前記商品識別データ(商品)の組合せが同じである前記明細データのうち、前記売上数(数量)と前記受領数との間に差異がある前記明細データを特定する。
【0028】
明細表示部102cは、明細特定部102bで特定した売上明細データ106a2および受領明細データ206a2を表示する。
【0029】
取消売上生成部102dは、明細特定部102bで特定した売上明細データ106a2に含まれる前記売上数を前記差異の分だけ取り消すための売上明細データ106a2である取消売上明細データであって、前記差異の数量にマイナスを付した値を前記売上数(数量)として含むものを生成する。
【0030】
[1-2.携帯型情報処理装置200の構成]
携帯型情報処理装置200は、例えば、タブレット型パーソナルコンピュータ(タブレット端末)である。携帯型情報処理装置200は、例えば、タブレット型パーソナルコンピュータに限らず、市販されているスマートフォンおよび市販されているノート型パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistants)等の携帯型情報処理装置であればよい。
【0031】
携帯型情報処理装置200は、制御部202と通信インターフェース部204と記憶部206と表示入力部214とを備えている。携帯型情報処理装置200が備えている各部は、任意の通信路を介して通信可能に接続されている。
【0032】
通信インターフェース部204は、ルータ等の通信装置及び専用線等の有線又は無線の通信回線を介して、携帯型情報処理装置200をネットワーク300に通信可能に接続する。通信インターフェース部204は、他の装置と通信回線を介してデータを通信する機能を有する。
【0033】
表示入力部214は、表示と入力の機能を兼ね備えた電子部品であり、具体的にはタッチパネルなどである。なお、以下では、表示入力部214をタッチパネル214として記載する場合がある。
【0034】
記憶部206には、各種のデータベース、テーブルおよびファイルなどが格納される。記憶部206には、OSに命令を与えて各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録される。記憶部206として、例えば、RAM等のメモリ装置、ハードディスクのような固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および光ディスク等を用いることができる。
【0035】
記憶部206は、例えば、受領データ206aを備えている。受領データ206aは、受領ヘッダデータ206a1および受領明細データ206a2とからなる。
【0036】
受領ヘッダデータ206a1は、図13等に示すように、例えば、前記売上検収番号と、受領フラグと、受領書の画像データと、等を含む。
【0037】
受領明細データ206a2は、図13等に示すように、例えば、前記売上検収番号と、前記売上識別データ(売上番号)と、前記売上明細識別データ(売上明細行)と、顧客が前記商品を受領した日である受領日(受領日)と、前記商品識別データ(商品)と、前記顧客が実際に受領した前記商品の数である受領数(受領数)と、等を含む。
【0038】
制御部202は、携帯型情報処理装置200を統括的に制御するCPU等である。制御部202は、OS等の制御プログラム・各種の処理手順等を規定したプログラム・所要データなどを格納するための内部メモリを有し、格納されているこれらのプログラムに基づいて種々の情報処理を実行する。
【0039】
制御部202は、機能概念的に、例えば、前記売上識別データと、前記売上明細識別データと、前記商品識別データと、顧客が受領した前記商品の数である受領数と、を含む受領明細データを生成する受領生成手段としての受領生成部202aを備えている。
【0040】
受領生成部202aは、受領データ206a(受領ヘッダデータ206a1および受領明細データ206a2)を生成する。受領生成部202aは、生成した受領データ206aを前述した記憶部206に格納する。
【0041】
[2.業務フローの概要]
本項目では、本実施形態における業務フローの概要について説明する。
【0042】
[2-1.受領のケース]
まず、会社の営業担当の者が、図2のMA1に示すように、納品書を歯科医院の先生に手渡しする。次に、歯科医院の先生等が、図2のMA2に示すように、商品内容および商品数量を確認する。確認は、紙の納品書を確認後、受領入力にてサインをするという方法であってもよいし、受領入力画面で確認後、サインをするという方法であってもよい。納品書の内容に問題がない場合、受領OKとなるため、訪問先である歯科医院にて営業担当の者が受領入力により受領書発行指示を行う。これにより、営業担当の者の帰社後、図2のMA3に示すように、受領書が発行される。発行された受領書は、得意先マスタの受領書送付区分(FAX、メールおよび後日手渡し等)に従い、歯科医院の先生に送付される。FAXまたはメールの場合、自動で、歯科医院の先生に送信される。
【0043】
[2-2.未受領のケース]
まず、会社の営業担当の者が、図2のMB1に示すように、納品書を歯科医院の先生に手渡しする。次に、歯科医院の先生等が、図2のMB2に示すように、商品内容および商品数量を確認する。確認は、紙の納品書を確認後、受領入力にてサインをするという方法であってもよいし、受領入力画面で確認後、サインをするという方法であってもよい。納品書の内容に問題がある場合(例えば、欠品、数量間違い、ピッキングミスおよび受注力ミス等がある場合)、受領NGとなる。本実施形態においては、受領NGの状態(未受領状態)でも、現状についての認識合わせをするために、歯科医院の先生から必ずサインを頂く。営業担当の者は、受領NGの場合の受注残管理を、例えば、口頭での説明、共有ノートへの記載、欠品連絡票の使用および受注残確認書での確認等により行うことができる。受領NGの場合においても、訪問先である歯科医院にて営業担当の者が受領入力により受領書発行指示を行う。これにより、営業担当の者の帰社後、図2のMB3に示すように、訪問時の受領状況が印字されている受領書が発行される(同じ明細が重複印刷されることはない)。発行された受領書は、得意先マスタの受領書送付区分(FAX、メールおよび後日手渡し等)に従い、歯科医院の先生に送付される。FAXまたはメールの場合、自動で、歯科医院の先生に送信される。なお、本項目[2-2]の場合における運用の注意事項として、返品処理は必ず帰社後に行う。外出先で行うと、商品を持ち帰るまで、在庫が不正となってしまうからである。
【0044】
[2-3.留意点]
本実施形態における業務フローの留意点として、以下の2つが挙げられる。
【0045】
一つ目に、納品書発行をもって売上計上ではなく、納品してはじめて売上計上となる。
【0046】
二つ目に、部分的に納品したものは、実際に納品した日(受領サイン日)で売上計上となる。受領のサインも、部分納品分のみ、その場で受領のサインをもらい、後日サインなど後回しにはしない。例としては、3/31に納品した際、部分的に納品できたものだけが3月の売上実績となり、4月に遅れて納品したものは4月の実績となる。また、更なる例としては、受領サインを頂いたが、納品を忘れると未納品でも請求が上がってしまうため、注意が必要である(特に締日間際の場合)。
【0047】
[3.業務フローの具体例]
本項目では、本実施形態における業務フローの具体例について説明する。
【0048】
[3-1.受注入力ミス(数量違い)の場合]
本項目では、図4に示すように、注文情報における商品Cの数量が「2」であるにも関わらず、納品情報における商品Cの数量が「3」であるという例、すなわち、納入先が商品Cを2個しか注文していないのに営業担当の者が3個持参してしまったという例を想定して説明をする。
【0049】
納入先が、商品Cの増量を認める場合には、図5の(1)に示すように、受領入力画面から、受領のチェックボックスにチェックを入れる。これに対して、納入先が、商品Cの増量を認めない場合には、図5の(2)に示すように、受領入力画面から、受領数を2として受領データが更新される。
【0050】
続いて、営業担当の者の帰社後の対応について説明する。増量が認められるケースにおいては、営業担当の者は、特に何の対応も行わない。増量が認められないケースにおいては、営業担当の者は、図6に示すように商品Cの赤明細伝票を起票し、後日、正しい内容の納品書を納入先に持参する。
【0051】
最後に、納入先への次回訪問時には、図7に示すように、納入先は修正後の内容を受領入力画面から確認し、受領のチェックボックスにチェックを入れる。
【0052】
[3-2.受注入力ミス(商品違い)の場合]
本項目では、商品自体の確保はできるが、歯科医院間で納入した商品が逆になってしまったという例について説明する。具体的には、本例では、正しくは「歯科医院Aについて商品C、歯科医院Bについて商品C-1」であるが、誤って、「歯科医院Aについて商品C-1、歯科医院Bについて商品C」を納品してしまったという例について説明する。本例における、歯科医院Aについての注文情報、納品情報および現品情報を図8に示す。
【0053】
納入先である歯科医院AおよびBでの対応としては、当初売上計上されている商品は行削除不可(行削除は、行追加した明細のみ可能)であり、受領数を0個とすることで対応する。具体的には、歯科医院Aにおいては、図9の(1)に示すように、誤って納品された商品C-1の受領数を0個とし、本来納品されるべき商品Cの明細を行追加する。また、歯科医院Bにおいては、図9の(2)に示すように、誤って納品された商品Cの受領数を0個とし、本来納品されるべき商品C-1の明細を行追加する。
【0054】
続いて、営業担当の者の帰社後の対応について説明する。歯科医院Aについては、図10に示すように、商品C-1の赤明細伝票を起票し、商品Cの黒明細伝票を起票する。歯科医院Bについては、図10に示すように、商品Cの赤明細伝票を起票し、商品C-1の黒明細伝票を起票する。
【0055】
最後に、納入先への次回訪問時には、図11に示すように、納入先は修正後の内容を受領入力画面から確認し、受領のチェックボックスにチェックを入れる。
【0056】
[4.処理の具体例]
本項目では、本実施形態に係る処理の具体例を、図12図15を用いて説明する。本項目では、歯科用品販売会社が顧客である○○歯科医院に対して、各商品の売上(商品Aについては3個の売上、商品Bについては4個の売上、商品Cについては本来2個の注文であるのに売上計上時の入力ミスにより3個の売上)をし、○○歯科医院に持参をしたが、入力のミスをした商品Cについては、本来の注文分である2個しか受領されなかったという場面を想定して説明をする。また、本項目では、売上データ106aは、在庫データ(図示せず)と連動しているという前提で説明を進める。
【0057】
[4-1.売上計上時]
まず、歯科用品販売会社にて売上計上が行われる際に、以下のようにして、売上データ106aが生成される。
【0058】
売上生成部102aは、図12に示すように、売上ヘッダデータ106a1および売上明細データ106a2を生成する。売上明細データ106a2は、図12に示すように、商品Aの売上数3個を含む売上明細と、商品Bの売上数4個を含む売上明細と、商品Cの売上数3個を含む売上明細と、からなる。なお、商品Cの売上数3個は、前述のように、営業担当の者等が誤って入力した数量であり、本来の注文数は2個である。
【0059】
[4-2.顧客訪問時]
続いて、[4-1]で述べた売上計上時の入力ミスが原因で、営業担当の者が○○歯科医院の訪問時に、本来は2個持参するべきである商品Cを3個持参してしまったとする。この場合、以下のようにして、○○歯科医院にて、営業担当の者の入力により、受領データ206aが生成される。
【0060】
受領生成部202aは、図13に示すように、受領ヘッダデータ206a1および受領明細データ206a2を生成する。受領明細データ206a2は、図13に示すように、商品Aの受領数3個を含む受領明細と、商品Bの受領数4個を含む受領明細と、商品Cの受領数2個を含む受領明細と、からなる。なお、商品Cの受領数2個は、営業担当の者が誤って商品Cを3個持参したが、○○歯科医院が実際に受領したのは2個であることを意味する。
【0061】
このように、商品Cの注文数である2個は受領されるが、残りの1個は会社へ持ち帰りとなるため、未受領状態のステータスとなる。
【0062】
[4-3.帰社後対応]
営業担当の者が会社に戻った後、以下のようにして、[4-1]で生成した売上明細データ106a2と[4-2]で生成した受領明細データ206a2とを比較することにより、未受領一覧を確認することができる。
【0063】
明細特定部102bは、[4-1]で生成した売上明細データ106a2と[4-2]で生成した受領明細データ206a2とを比較し、売上番号、売上明細行および商品の組合せは同じであるが、売上数(数量)と受領数との間に差異がある明細データを特定する。図14を参照すると、商品Cの売上明細と商品Cの受領明細とは、売上番号、売上明細行および商品の組合せは同じである。しかしながら、商品Cの売上明細中の売上数(数量)が3個であるのに対して、商品Cの受領明細中の受領数が2個であり、1個分の差異がある。このため、明細特定部102bは、商品Cの売上明細および商品Cの受領明細を特定する。そして、明細表示部102cは、明細特定部102bで特定した商品Cの売上明細および商品Cの受領明細を、未受領一覧として画面上に表示する。これにより、営業担当の者等は、帰社後に、未受領分(=商品Cの未受領1個分)を迅速かつ正確に把握することができる。
【0064】
続けて、取消売上生成部102dは、明細特定部102bで特定した商品Cの売上明細に含まれる売上数3個のうち、差異の1個分を取り消すために、図15の売上明細データ106a2に四角枠で囲んで示す取消売上明細を生成する。当該取消売上明細は、図15に示すように、差異の数量「1」にマイナスを付した値である「-1」を売上数として含むことにより、-1個の売上計上を行い、受領明細データ206a2とのつじつまを合わせることができる。
【0065】
[5.本実施形態のまとめ]
以上説明してきたように、本実施形態に係る売上・受領管理システムによれば、売上明細データとは別に、訪問先が実際に受領した前記商品の数である受領数を管理する受領明細データを用意することで、正確性・利便性・厳密性等を担保しつつ、在庫数の不整合(=倉庫の実在庫数とシステム管理上の在庫数の間での不整合)が生じないようにすることができる。
【0066】
ここで、医療業界においては、営業員が直接病院へ訪問してセールスを行うケースが多い。現地(訪問先)で、数量違い等の納品ミスが発覚した際に、その場で伝票修正を行ってしまうと、営業員が帰社するまで、実棚在庫と不一致となってしまうという問題があった。すなわち、外出先でタブレット端末等を使用し、納品書データを直接変更することは従来においても可能ではあったが、変更してしまうと、営業員が帰社して商品を棚入れするまで実棚数と在庫数に不整合が発生してしまうという問題があった。
【0067】
そこで、本実施形態においては、例えば、納品書データ(売上データ)と現地での修正データ(受領データ)を分けることにより、前記問題を解決することができる。また、本実施形態においては、例えば、受領データを第三者が確認すれば、不正行為を抑制することも可能である。
【0068】
[6.他の実施形態]
本発明は、上述した実施形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよいものである。
【0069】
例えば、実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
【0070】
また、本明細書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0071】
また、メイン情報処理装置100および携帯型情報処理装置200に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。
【0072】
例えば、メイン情報処理装置100および携帯型情報処理装置200が備える処理機能、特に制御部にて行われる各処理機能については、その全部または任意の一部を、CPUおよび当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。尚、プログラムは、本実施形態で説明した処理を情報処理装置に実行させるためのプログラム化された命令を含む一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じて点検予定データ生成装置100に機械的に読み取られる。すなわち、ROMまたはHDD(Hard Disk Drive)などの記憶部などには、OSと協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部を構成する。
【0073】
また、このコンピュータプログラムは、メイン情報処理装置100および携帯型情報処理装置200に対して任意のネットワークを介して接続されたアプリケーションプログラムサーバに記憶されていてもよく、必要に応じてその全部または一部をダウンロードすることも可能である。
【0074】
また、本実施形態で説明した処理を実行するためのプログラムを、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム製品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、MO(Magneto-Optical disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、および、Blu-ray(登録商標) Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。
【0075】
また、「プログラム」とは、任意の言語または記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコードまたはバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、実施形態に示した各装置において記録媒体を読み取るための具体的な構成および読み取り手順ならびに読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
【0076】
記憶部に格納される各種のデータベース等は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、および、ウェブページ用ファイル等を格納する。
【0077】
また、メイン情報処理装置100および携帯型情報処理装置200は、既知のパーソナルコンピュータまたはワークステーション等の情報処理装置として構成してもよく、また、任意の周辺装置が接続された当該情報処理装置として構成してもよい。また、メイン情報処理装置100および携帯型情報処理装置200は、当該装置に本実施形態で説明した処理を実現させるソフトウェア(プログラムまたはデータ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
【0078】
更に、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部または一部を、各種の付加等に応じてまたは機能負荷に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0079】
本発明は、例えば、営業等によるルートセールスがある業界において有用である。
【符号の説明】
【0080】
100 メイン情報処理装置
102 制御部
102a 売上生成部
102b 明細特定部
102c 明細表示部
102d 取消売上生成部
104 通信インターフェース部
106 記憶部
106a 売上データ
106a1 売上ヘッダデータ
106a2 売上明細データ
108 入出力インターフェース部
112 入力装置
114 出力装置
200 携帯型情報処理装置
202 制御部
202a 受領生成部
204 通信インターフェース部
206 記憶部
206a 受領データ
206a1 受領ヘッダデータ
206a2 受領明細データ
214 表示入力部
300 ネットワーク
400 サーバ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15