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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-19
(45)【発行日】2024-03-28
(54)【発明の名称】収容箱及びブランクセット
(51)【国際特許分類】
   B65D 5/355 20060101AFI20240321BHJP
   B65D 5/32 20060101ALI20240321BHJP
【FI】
B65D5/355
B65D5/32 C
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2020131436
(22)【出願日】2020-08-03
(65)【公開番号】P2022028189
(43)【公開日】2022-02-16
【審査請求日】2023-02-28
(73)【特許権者】
【識別番号】506100990
【氏名又は名称】日本トーカンパッケージ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100153497
【弁理士】
【氏名又は名称】藤本 信男
(72)【発明者】
【氏名】岩佐 亜希子
【審査官】矢澤 周一郎
(56)【参考文献】
【文献】特開平09-039948(JP,A)
【文献】実開昭52-133726(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2019/0061142(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 5/355
B65D 5/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
底壁、前壁、後壁及び対向する2つの側壁を有する収容箱であって、
主底壁部、主前壁部及び主後壁部を有する中央部材と、左底壁部、左前壁部、左後壁部及び左側壁部を有する左側方部材と、右底壁部、右前壁部、右後壁部及び右側壁部を有する右側方部材とを有し、
前記底壁は、前記主底壁部、前記左底壁部及び前記右底壁部で構成され、
前記前壁は、前記主前壁部、前記左前壁部及び前記右前壁部で構成され、
前記後壁は、前記主後壁部、前記左後壁部及び前記右後壁部で構成され、
前記主前壁部は、前記左前壁部及び前記右前壁部と摺動可能に形成され、
前記主後壁部は、前記左後壁部及び前記右後壁部と摺動可能に形成され、
前記左前壁部と前記右前壁部が摺動可能に係合され、または、前記左後壁部と前記右後壁部が摺動可能に係合され、
前記左前壁部と前記右前壁部のそれぞれの先端、または、前記左後壁部と前記右後壁部のそれぞれの先端側には離脱防止部が形成されていることを特徴とする収容箱。
【請求項2】
前記左前壁部は、前記左側壁部に連設された左前側連設部と、前記左前側連設部の幅方向先端における上縁側部分に連続する前記左前側連設部より上下方向の寸法が小さい前壁側上方ガイド部とを有し、
前記右前壁部は、前記右側壁部に連設された右前側連設部と、前記右前側連設部の幅方向先端における下縁側部分に連続する前記右前側連設部より上下方向の寸法が小さい前壁側下方ガイド部とを有し、
前記離脱防止部が、前記前壁側上方ガイド部の幅方向先端から下方に延びる第1係止片と、前記前壁側下方ガイド部の幅方向先端から上方に延びる第2係止片で構成され、
前記第1係止片が形成された領域を除く前記左前壁部の幅方向の長さと、前記第2係止片が形成された領域を除く前記右前壁部の幅方向の長さとの和が、前記主前壁部の幅方向の長さよりも大きく形成されていることを特徴とする請求項1に記載の収容箱。
【請求項3】
前記左後壁部は、前記左側壁部に連設された左後側連設部と、前記左後側連設部の幅方向先端における下縁側部分に連続する前記左後側連設部より上下方向の寸法が小さい後壁側下方ガイド部とを有し、
前記右後壁部は、前記右側壁部に連設された右後側連設部と、前記右後側連設部の幅方向先端における上縁側部分に連続する前記右後側連設部より上下方向の寸法が小さい後壁側上方ガイド部とを有し、
前記離脱防止部が、前記後壁側下方ガイド部の幅方向先端から上方に延びる第3係止片と、前記後壁側上方ガイド部の幅方向先端から下方に延びる第4係止片で構成され、
前記第3係止片が形成された領域を除く前記左後壁部の幅方向の長さと、前記第4係止片が形成された領域を除く前記右後壁部の幅方向の長さとの和が、前記主後壁部の幅方向の長さよりも大きく形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の収容箱。
【請求項4】
前記中央部材の主前壁部は、前記主底壁部から立設され外側に位置する外前壁部と、前記左前壁部及び前記右前壁部が摺動可能に位置される空間を形成するように前記外前壁部から折り返されて内側に位置する内前壁部を有し、
前記中央部材の主後壁部は、前記主底壁部から立設され外側に位置する外後壁部と、前記左後壁部及び前記右後壁部が摺動可能に位置される空間を形成するように前記外後壁部から折り返されて内側に位置する内後壁部を有することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の収容箱。
【請求項5】
前記左底壁部及び前記右底壁部が、前記主底壁部の上方で摺動可能に形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の収容箱。
【請求項6】
底壁、前壁、後壁及び対向する2つの側壁を有する収容箱を構成するブランクセットであって、
矩形状の左底壁部と、前記左底壁部の左側辺に折り曲げ可能に連設された左側壁部と、前記左側壁部の前辺及び後辺の各々に折り曲げ可能に連設された左前壁部及び左後壁部とを有し、組み立てられて左側方部材を構成する第1ブランク材、
矩形状の右底壁部と、前記右底壁部の右側辺に折り曲げ可能に連設された右側壁部と、前記右側壁部の前辺及び後辺の各々に折り曲げ可能に連設された右前壁部及び右後壁部とを有し、組み立てられて右側方部材を構成する第2ブランク材、及び、
組立時に前記左底壁部の右側辺と前記右底壁部の左側辺が対向するように前記左底壁部及び前記右底壁部が上面に重ねられ前記左底壁部及び前記右底壁部とともに前記収容箱の底壁を構成する矩形状の主底壁部と、前記主底壁部の前辺に折り曲げ可能に連設され、組立時に前記左前壁部及び前記右前壁部と摺動可能となるよう前記左前壁部及び前記右前壁部とともに前記収容箱の前壁を構成する主前壁部と、前記主底壁部の後辺に折り曲げ可能に連設され、組立時に前記左後壁部及び前記右後壁部と摺動可能となるよう前記左後壁部及び前記右後壁部とともに前記収容箱の後壁を構成する主後壁部とを有し、組み立てられて中央部材を構成する第3ブランク材
を備え、
前記左前壁部と前記右前壁部とが組立時に摺動可能に係合されるように構成され、または、前記左後壁部と前記右後壁部とが組立時に摺動可能に係合されるように構成され、
前記左前壁部と前記右前壁部のそれぞれの先端、または、前記左後壁部と前記右後壁部のそれぞれの先端側には離脱防止部が形成されていることを特徴とするブランクセット。
【請求項7】
前記左前壁部は、前記左側壁部の前辺に連設され前方に向かって延びる左前側連設部と、前記左前側連設部の前端における左側縁部分に連続して前方に向かって延びる前記左前側連設部より幅方向の寸法が小さい前壁側上方ガイド部とを有し、
前記右前壁部は、前記右側壁部の前辺に連設され前方に向かって延びる右前側連設部と、前記右前側連設部の前端における左側縁部分に連続して前方に向かって延びる前記右前側連設部より幅方向の寸法が小さい前壁側下方ガイド部とを有し、
前記離脱防止部が、前記前壁側上方ガイド部の前端から左底壁部に接近する側に向かって幅方向に延びる第1係止片と、前記前壁側下方ガイド部の前端から右底壁部から離間する側に向かって幅方向に延びる第2係止片で構成され、
前記第1係止片が形成された領域を除く前記左前壁部の前後方向の長さと前記第2係止片が形成された領域を除く前記右前壁部の前後方向の長さとの和が、前記主前壁部の幅方向の長さよりも大きく形成されていることを特徴とする請求項6に記載のブランクセット。
【請求項8】
前記左後壁部は、前記左側壁部の後辺に連設され後方に向かって延びる左後側連設部と、前記左後側連設部の後端における右側縁部分に連続して後方に向かって延びる前記左後側連設部より幅方向の寸法が小さい後壁側下方ガイド部とを有し、
前記右後壁部は、前記右側壁部の後辺に連設され後方に向かって延びる右後側連設部と、前記右後側連設部の後端における右側縁部分に連続して後方に向かって延びる前記右後側連設部より幅方向の寸法が小さい後壁側上方ガイド部とを有し、
前記離脱防止部が、前記後壁側下方ガイド部の後端から前記左底壁部から離間する側に向かって延びる第3係止片と、前記後壁側上方ガイド部の後端から前記右底壁部に接近する側に向かって延びる第4係止片で構成され、
前記第3係止片が形成された領域を除く前記左後壁部の前後方向の長さと前記第4係止片が形成された領域を除く前記右後壁部の前後方向の長さとの和が、前記主後壁部の幅方向の長さよりも大きく形成されていることを特徴とする請求項6または請求項7に記載のブランクセット。
【請求項9】
前記第3ブランク材の主前壁部は、前記主底壁部の前辺に折り曲げ可能に連設された外前壁部と、組立時に前記左前壁部及び前記右前壁部が摺動可能に位置される空間を形成するように前記外前壁部の前辺に内側に折り曲げ可能に連設された内前壁部とを有し、
前記第3ブランク材の主後壁部は、前記主底壁部の後辺に折り曲げ可能に連設された外後壁部と、組立時に前記左後壁部及び前記右後壁部が摺動可能に位置される空間を形成するように前記外後壁部の後辺に内側に折り曲げ可能に連設された内後壁部とを有することを特徴とする請求項6乃至請求項8のいずれかに記載のブランクセット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、商品を収納した状態で陳列可能に構成された収容箱及び当該収容箱を組み立てるためのブランクセットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、小売店等の店舗において、比較的軽量な商品を段ボール等で構成した陳列用トレイに収納した状態で陳列することが行われている。
このような陳列用トレイを用いた棚陳列にあっては、特定の商品だけでなく多様な商品群を陳列することを目的としている。しかしながら、陳列用トレイは、基本的に店舗で組み立てることを想定しており、四方が額縁になる構造が多いが、いずれも完成形の構造は固定されておりサイズを変更する機能を有してはない。このため、商品サイズや形状によって陳列した際にトレイ内で半端なスペースができ、並びが乱雑になったり、数ミリの差で商品があと1列並ばなかったりすることも少なくない。
【0003】
このような事情に鑑みて、幅方向のサイズを変更可能な陳列用トレイが提案されている(例えば特許文献1参照。)。
特許文献1に記載の陳列用トレイは、連結部材の底板の上に一対のトレイ部材の各々の底面壁を重ね合わせ、連結部材の底板に設けた貫孔及びトレイ部材の各々の底面壁に設けた横方向の長孔を貫通する止具により各トレイ部材を連結部材に摺動可能に止着された構成とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】実開平06-059216号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の陳列用トレイでは、止具が必要であることから、部品点数が多くなり、また、トレイ及び連結板と、止具とは、通常異なる素材であるので、廃棄処分やリサイクルする場合の分別作業が面倒である。さらに、一対のトレイ部材と連結部材を位置決めして止め具を装着しなければならず、組み立てが面倒である。
また、止具が外部(商品載置面)に露出されているため、商品収納や陳列の阻害する虞や美観を損なう虞があり、商品の購買意欲を喚起させる目的も有する陳列用トレイとしては好ましくない。
【0006】
本発明は、以上のような事情に基づいてなされたものであって、幅方向のサイズが変更可能で汎用性が高く、組み立ても容易で、単一の素材で構成され廃棄処分やリサイクルする場合の分別作業も簡単な収容箱及び当該収容箱を組み立てるためのブランクセットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の収容箱は、底壁、前壁、後壁及び対向する2つの側壁を有する収容箱であって、主底壁部、主前壁部及び主後壁部を有する中央部材と、左底壁部、左前壁部、左後壁部及び左側壁部を有する左側方部材と、右底壁部、右前壁部、右後壁部及び右側壁部を有する右側方部材とを有し、前記底壁は、前記主底壁部、前記左底壁部及び前記右底壁部で構成され、前記前壁は、前記主前壁部、前記左前壁部及び前記右前壁部で構成され、前記後壁は、前記主後壁部、前記左後壁部及び前記右後壁部で構成され、前記主前壁部は、前記左前壁部及び前記右前壁部と摺動可能に形成され、前記主後壁部は、前記左後壁部及び前記右後壁部と摺動可能に形成され、前記左前壁部と前記右前壁部が摺動可能に係合され、または、前記左後壁部と前記右後壁部が摺動可能に係合され、前記左前壁部と前記右前壁部のそれぞれの先端、または、前記左後壁部と前記右後壁部のそれぞれの先端側には離脱防止部が形成された構成とすることにより、前記課題を解決するものである。
【0008】
また、本発明のブランクセットは、底壁、前壁、後壁及び対向する2つの側壁を有する収容箱を構成するブランクセットであって、矩形状の左底壁部と、前記左底壁部の左側辺に折り曲げ可能に連設された左側壁部と、前記左側壁部の前辺及び後辺の各々に折り曲げ可能に連設された左前壁部及び左後壁部とを有し、組み立てられて左側方部材を構成する第1ブランク材、矩形状の右底壁部と、前記右底壁部の右側辺に折り曲げ可能に連設された右側壁部と、前記右側壁部の前辺及び後辺の各々に折り曲げ可能に連設された右前壁部及び右後壁部とを有し、組み立てられて右側方部材を構成する第2ブランク材、及び、組立時に前記左底壁部の右側辺と前記右底壁部の左側辺が対向するように前記左底壁部及び前記右底壁部が上面に重ねられ前記左底壁部及び前記右底壁部とともに前記収容箱の底壁を構成する矩形状の主底壁部と、前記主底壁部の前辺に折り曲げ可能に連設され、組立時に前記左前壁部及び前記右前壁部と摺動可能となるよう前記左前壁部及び前記右前壁部とともに前記収容箱の前壁を構成する主前壁部と、前記主底壁部の後辺に折り曲げ可能に連設され、組立時に前記左後壁部及び前記右後壁部と摺動可能となるよう前記左後壁部及び前記右後壁部とともに前記収容箱の後壁を構成する主後壁部とを有し、組み立てられて中央部材を構成する第3ブランク材を備え、前記左前壁部と前記右前壁部とが組立時に摺動可能に係合されるように構成され、または、前記左後壁部と前記右後壁部とが組立時に摺動可能に係合されるように構成され、前記左前壁部と前記右前壁部のそれぞれの先端、または、前記左後壁部と前記右後壁部のそれぞれの先端側には離脱防止部が形成された構成とすることにより、前記課題を解決するものである。
【発明の効果】
【0009】
本請求項1に係る発明の収容箱によれば、左側方部材及び右側方部材の少なくとも一方を中央部材に対してスライド(摺動)させるだけで、収容箱の幅方向のサイズを容易にかつ繰り返し変更することができる。このため、収容箱を汎用性の高いものとして構成することが可能となり、収容箱に収納される商品の種類に拘わらず、商品に応じた幅サイズに調整することで、整然と見栄えよく陳列することができる。また、離脱防止部によって、左側方部材及び右側方部材が幅方向の可動範囲を超えてスライドされることが防止されるので、収容箱としての形状を保持することができる。
また、収容箱を単一の素材(例えば段ボール)で形成することができるため、廃棄処分やリサイクルする場合の分別作業を簡単に行うことができるようになる。
【0010】
本請求項2に記載の構成及び本請求項3に記載の構成によれば、左前壁部及び右前壁部、または、左後壁部及び右後壁部が、それぞれ連設部より上下方向の寸法の小さいガイド部を有し、ガイド部の先端に形成された係止片が互いに係合されることで離脱防止部が構成されるので、簡単な構成で、収容箱を幅方向のサイズを変更可能に構成することができ、しかも幅方向のサイズを変更可能な構造とするために、止具などの他の部材を用いる必要がなく、また長孔などを形成する必要もないため、収容箱の強度が低下することを回避することができる。
【0011】
本請求項4に記載の構成によれば、離脱防止部を含む左前壁部及び右前壁部が保護された構造とされるので、収容箱の幅方向のサイズ変更を繰り返した場合でも、摺動部分が損傷することを回避することができ、しかも、外観上の美観を損なうことを回避することができる。
【0012】
本請求項5に記載の構成によれば、左側方部材及び右側方部材の両方を中央部材に対してスライド(摺動)させることで、幅方向における可動範囲を大きく設定することができ、一層高い汎用性を得ることができる。
【0013】
本請求項6に係る発明のブランクセットによれば、幅方向のサイズが変更可能で汎用性が高く、美観に優れ商品陳列用のものとして好適な収容箱を容易に作製することができる。
また、ブランクの形態の左側方部材に係る第1ブランク材、右側方部材に係る第2ブランク材及び中央部材に係る第3ブランク材を組み立てることで収容箱を形成することができるため、所期の収容箱を単一の素材(例えば段ボール)で形成することができて廃棄処分やリサイクルする場合の分別作業を簡単に行うことができるようになる。また、ブランクの形態で出荷することができるため、輸送コストを低減することができる。
【0014】
本請求項7に記載の構成及び本請求項8に記載の構成によれば、簡単な構成で、ストッパ機能を有するサイズ可変機構を形成することができる。
また、本請求項9に記載の構成によれば、離脱防止部を含む左前壁部及び右前壁部が保護された構造とされるので、収容箱の幅方向のサイズ変更を繰り返した場合でも、摺動部分が損傷することを回避することができ、しかも、外観上の美観を損なうことを回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の収容箱の一例における外観を示す斜視図である。
図2図1に示す収容箱の分解斜視図である。
図3図1に示す収容箱の幅方向中央部における断面を概略的に示す図である。
図4図1に示す収容箱の幅方向の寸法が拡大された状態を示す斜視図である。
図5A図1に示す収容箱を組み立てるためのブランクセットを構成する第1ブランク材の構成を示す平面図である。
図5B図1に示す収容箱を組み立てるためのブランクセットを構成する第2ブランク材の構成を示す平面図である。
図5C図1に示す収容箱を組み立てるためのブランクセットを構成する第3ブランク材の構成を示す平面図である。
図6A図1に示す収容箱の組立工程を示す図であって、第1ブランク材の左側壁部を折り曲げた状態を示す斜視図である。
図6B図1に示す収容箱の組立工程を示す図であって、第1ブランク材の第1内側壁部、第2内側壁部及び第3内側壁部をそれぞれ内方側に折り曲げた状態を示す斜視図である。
図6C図1に示す収容箱の組立工程を示す図であって、第1ブランク材の左前壁部、前壁側補強板、左後壁部及び後壁側補強板を折り曲げた状態を示す斜視図である。
図6D図1に示す収容箱の組立工程を示す図であって、第1ブランク材を組み立てて得た左側方部材と、第2ブランク材を組み立てて得た右側方部材とを第3ブランク材の上に重ね、左側方部材の第1係止片と右側方部材の第2係止片とを係合させるとともに左側方部材の第3係止片と右側方部材の第4係止片とを係合させた状態を示す斜視図である。
図6E図1に示す収容箱の組立工程を示す図であって、前壁及び後壁を形成する過程を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
この収容箱100は、図1及び図2に示すように、矩形状の底壁101と、底壁101の前辺から立設された前壁102と、底壁101の後辺から前壁102と対向するように立設された後壁104と、底壁101の側辺の各々から互いに対向するように立設された左側壁106及び右側壁107とを有する。
前壁102は、後壁104より高さ寸法が小さく構成され、左側壁106及び右側壁107の各々は、前壁102と同一の高さ寸法を有する前方側部分106a,107aと、後壁104と同一の高さ寸法を有する後方側部分106c,107cと、前方側部分106a,107a及び後方側部分106c,107cの各々に連続し後方に向かうに従って高さ寸法が大きくなるよう構成された中央部分106b,107bとを有する。
【0017】
この収容箱100は、中央部材110、左側方部材130及び右側方部材150の3つのブランク材を組み合せて組み立てられている。
【0018】
中央部材110は、矩形状の主底壁部111と、主底壁部111の前辺及び後辺の各々に連続する二重壁構造の主前壁部115及び主後壁部120とを有する。
主前壁部115は、主底壁部111の前辺から立設され外面側に位置する外前壁部116と、外前壁部116の上端から折り返されて内面側に位置する内前壁部117とを有する。
主後壁部120は、主底壁部111の後辺から立設され外面側に位置する外後壁部121と、外後壁部121の上端から折り返されて内面側に位置する内後壁部122とを有する。
【0019】
左側方部材130は、矩形状の左底壁部131と、左底壁部131の左側辺から立設された二重壁構造の左側壁部145と、左側壁部145の外面側に位置する外側壁部146の前端から幅方向内方側に折り返された左前壁部135と、外側壁部146の後端から幅方向内方側に折り返された左後壁部140とを有する。
左底壁部131の前端縁には、中央部材110における内前壁部117の下端に形成された一方の係合爪部118aがスライド可能に係合される切り欠き部133a(図5A参照。)が幅方向に延びるように形成されている。また、左底壁部131の後端縁には、中央部材110における内後壁部122の下端に形成された一方の係合爪部123aがスライド可能に係合される切り欠き部133bが幅方向に延びるように形成されている。
【0020】
右側方部材150は、矩形状の右底壁部151と、右底壁部151の右側辺から立設された二重壁構造の右側壁部165と、右側壁部165の外面側に位置する外側壁部166の前端から幅方向内方側に折り返された右前壁部155と、外側壁部166の後端から幅方向内方側に折り返された右後壁部160とを有する。
右底壁部151の前端縁には、中央部材110における主前壁部115の前端に形成された他方の係合爪部118bがスライド可能に係合される切り欠き部153a(図5B参照。)が幅方向に延びるように形成されている。また、右底壁部151の後端縁には、中央部材110における内後壁部122の下端に形成された他方の係合爪部123bがスライド可能に係合される切り欠き部153bが幅方向に延びるように形成されている。
【0021】
収容箱100の底壁101は、中央部材110の主底壁部111と、中央部材110の主底壁部111上において側辺が対向するように積重された左側方部材130の左底壁部131及び右側方部材150の右底壁部151とで構成されている。
左側方部材130の左底壁部131及び右側方部材150の右底壁部151は、中央部材110の主底壁部111上で摺動可能に形成されている。
【0022】
収容箱100の前壁102は、中央部材110の主前壁部115と、左側方部材130の左前壁部135と、左前壁部135と摺動可能に係合された右側方部材150の右前壁部155とで構成され、中央部材110の主前壁部115は、左前壁部135及び右前壁部155と摺動可能に形成されている。
具体的には、左側方部材130の左前壁部135は、左側壁部145の外面側に位置する外側壁部146に連設された左前側連設部136と、左前側連設部136の幅方向先端における上縁側部分に連続する左前側連設部136より上下方向の寸法が小さい前壁側上方ガイド部137と、前壁側上方ガイド部137の先端から下方に延びる第1係止片138とを有する。また、右側方部材150の右前壁部155は、右側壁部165の外面側に位置する外側壁部166に連設された右前側連設部156と、右前側連設部156の幅方向先端における下縁側部分に連続する右前側連設部156より上下方向の寸法が小さい前壁側下方ガイド部157と、前壁側下方ガイド部157の先端から上方に延びる第2係止片158とを有する。この収容箱100においては、例えば、左前壁部135が外面側に位置され右前壁部155が内面側に位置されるように重ねられた状態で、第1係止片138が前壁側下方ガイド部157を乗り越えて内面側に位置されること、すなわち腕組構造が形成されることで、左前壁部135と右前壁部155とが互いに摺動可能に係合されている(図6D参照。)。
そして、図3に示すように、左側方部材130の左前壁部135及び右側方部材150の右前壁部155が、中央部材110の主前壁部115を構成する外前壁部116と内前壁部117に挟まれた空間S1を摺動するように構成されている。
【0023】
収容箱100の後壁104は、中央部材110の主後壁部120と、左側方部材130の左後壁部140と、左後壁部140と摺動可能に係合された右側方部材150の右後壁部160とで構成され、中央部材110の主後壁部120は、左後壁部140及び右後壁部160と摺動可能に形成されている。
具体的には、左側方部材130の左後壁部140は、左側壁部145の外面側に位置する外側壁部146に連設された左後側連設部141と、左後側連設部141の幅方向先端における下縁側部分に連続する左後側連設部141より上下方向の寸法が小さい後壁側下方ガイド部142と、後壁側下方ガイド部142の先端から上方に延びる第3係止片143とを有する。また、右側方部材150の右後壁部160は、右側壁部165の外面側に位置する外側壁部166に連設された右後側連設部161と、右後側連設部161の幅方向先端における上縁側部分に連続する右後側連設部161より上下方向の寸法が小さい後壁側上方ガイド部162と、後壁側上方ガイド部162の先端から下方に延びる第4係止片163とを有する。この収容箱100においては、例えば、左後壁部140が内面側に位置され右後壁部160が外面側に位置されるように重ねられた状態で、第4係止片163が後壁側下方ガイド部142を乗り越えて内面側に位置されること、すなわち腕組構造が形成されることで、左後壁部140と右後壁部160とが互いに摺動可能に係合されている(図6D参照。)。
そして、図3に示すように、左側方部材130の左後壁部140及び右側方部材150の右後壁部160が、中央部材110の主後壁部120を構成する外後壁部121と内後壁部122に挟まれた空間S2を摺動するように構成されている。
【0024】
この収容箱100においては、第1係止片138が形成された領域を除く左前壁部135の幅方向の長さLf1と、第2係止片158が形成された領域を除く右前壁部155の幅方向のLf2との和が、中央部材110の主前壁部115の幅方向の長さLよりも大きく形成され(Lf1+Lf2>L)、第3係止片143が形成された領域を除く左後壁部140の幅方向の長さLb1と、第4係止片163が形成された領域を除く右後壁部160の幅方向の長さLb2との和が、中央部材110の主後壁部120の幅方向の長さLよりも大きく形成されている(Lb1+Lb2>L)。
第1係止片138が形成された領域を除く左前壁部135の幅方向の長さと第2係止片158が形成された領域を除く右前壁部155の幅方向のとの和と、主前壁部115の幅方向の長さとの差ΔL(=Lf1+Lf2-L)、及び、第3係止片143が形成された領域を除く左後壁部140の幅方向の長さと第4係止片163が形成された領域を除く右後壁部160の幅方向の長さとの和と、主後壁部120の幅方向の長さとの差ΔL(=Lb1+Lb2-L)は、例えば同一の大きさであって、設定すべき収容箱100の幅方向に対する可動範囲の大きさに応じて適宜設定することができる。
【0025】
また、この収容箱100においては、左前壁部135の第1係止片138及び右前壁部155の第2係止片158で前壁側離脱防止部103が形成されており、上述のように、左前壁部135と右前壁部155とが腕組構造を形成していることから、第1係止片138と第2係止片158とが係合されることで左側方部材130及び右側方部材150が中央部材110から離脱することが回避される。
また、左後壁部140の第3係止片143及び右後壁部160の第4係止片163で後壁側離脱防止部105が形成されており、左後壁部140と右後壁部160とが腕組構造を形成していることから、第3係止片143と第4係止片163とが係合されることで左側方部材130及び右側方部材150が中央部材110から離脱することが回避される。
【0026】
この収容箱100においては、中央部材110における内前壁部117の下端に形成された係合爪部118a,118bの各々を左底壁部131の切り欠き部133a及び右底壁部151の切り欠き部153aの各々の幅方向内方側端縁に当接させるとともに、中央部材110における内後壁部122の下端に形成された係合爪部123a,123bの各々を左底壁部131の切り欠き部133b及び右底壁部151の切り欠き部153bの各々の幅方向内方側端縁に当接させることで、図1に示すように、互いに対向する左側方部材130における左底壁部131の側面及び右側方部材150における右底壁部151の側面が突き合わせられて幅方向における寸法が最小となる状態とされる。
【0027】
一方、左側方部材130及び右側方部材150のいずれか一方または両方を中央部材110に対し幅方向外方にスライドさせることで収容箱100の幅方向における寸法を変更することができる。
そして、左側方部材130及び右側方部材150を中央部材110に対し幅方向外方にスライドさせていくと、中央部材110における内前壁部117の下端に形成された係合爪部118a,118bの各々が左底壁部131の切り欠き部133a及び右底壁部151の切り欠き部153aの各々の幅方向外方側端縁に当接するとともに、中央部材110における内後壁部122の下端に形成された係合爪部123a,123bの各々が左底壁部131の切り欠き部133b及び右底壁部151の切り欠き部153bの各々の幅方向外方側端縁に当接する。
この状態においては、前壁102においては第1係止片138及び第2係止片158が互いに係合し、後壁104においては第3係止片143及び第4係止片163が互いに係合し、これにより左側方部材130及び右側方部材150の可動範囲を超えるスライドが規制され、図4に示すように、幅方向における寸法が最大となる状態とされる。
【0028】
この収容箱100は、複数のものが上下方向(高さ方向)に積重可能に構成されている。具体的には、両側壁の後方側部分106c,107cの上端には、それぞれ、前後方向に離間した位置に上方に向かって突出する2つの突片部108が設けられている。また、底壁101を構成する中央部材110の主底壁部111の両側縁に各々の突片部108が係合可能な切り欠き部114が形成されるとともに、左側方部材130の左底壁部131及び右側方部材150の右底壁部151に積重用係合穴134,154が形成されている(図5A図5B参照。)。従って、一の収容箱における複数の突片部108の各々を他の収容箱における対応する切り欠き部114及び/または積重用係合穴134,154に係合させることで、上下方向に積重することができる。
【0029】
以下、上記収容箱100を得るためのブランクセットについて説明する。
ブランクセットは、左側方部材130に係る第1ブランク材と、右側方部材150に係る第2ブランク材と、中央部材110に係る第3ブランク材とから構成される。
第1ブランク材、第2ブランク材及び第3ブランク材を構成する材料としては、段ボール、厚紙など各種の紙材料から選択可能であるが、紙質はいかなるものであってもよく、種々のコーティングが行われたもの等で形成されたものであってもよい。
【0030】
図5Aに示すように、左側方部材130に係る第1ブランク材130aは、矩形状の左底壁部131と、左底壁部131の左側辺に折り曲げ可能に連設された左側壁部145と、左側壁部145の前辺及び後辺の各々に折り曲げ可能に連設された左前壁部135及び左後壁部140とを有する。図5Aにおける破線はそれぞれ折曲線を示す。
【0031】
左底壁部131の前辺及び後辺には、切り欠き部133a,133bが幅方向に延びるように形成されている。
【0032】
左側壁部145は、左底壁部131に折曲線を介して連続する外側壁部146を有する。
外側壁部146は、前方側部分146aと、前方側部分146aの後端に連続する中央部分146bと、中央部分146bの後端に連続する後方側部分146cとを有する。前方側部分146aは、後方側部分146cより幅方向(組立時における高さ方向であって、図5Aの左右方向)の寸法が小さく、中央部分146bは、後方に向かうに従って幅方向の寸法が大きくなるように構成されている。
外側壁部146における前方側部分146a,中央部分146b及び後方側部分146cの各々の左底壁部131と反対側の側辺には、それぞれ、第1内側壁部147a,第2内側壁部147b及び第3内側壁部147cが折り曲げ可能に連設されている。第2内側壁部147bを有することにより、収容箱100において段ボールの目が外部に露出することがなく、美観を損なうことがない。
【0033】
第1内側壁部147aの前辺には、前壁補強板部148aが折り曲げ可能に連設され、第1内側壁部147aの左辺には、組立時に左底壁部131に設けられた係合穴132aに係合される係合爪部149aが形成されている。
【0034】
第3内側壁部147cの後辺には、後壁補強板部148bが折り曲げ可能に連設され、第3内側壁部147cの左辺には、組立時に左底壁部131に設けられた係合穴132bに係合される係合爪部149bが形成されている。
また、外側壁部146における後方側部分146cと、第3内側壁部147cとの境界部分には、組立時に突片部108が形成されるように切り込みが形成されている。
【0035】
左前壁部135は、外側壁部146における前方側部分146aの前辺に折曲線を介して連続して前方に向かって延びる左前側連設部136と、左前側連設部136の前端における左側縁部分に連続して前方に向かって延び左前側連設部136より幅方向の寸法が小さい前壁側上方ガイド部137とを有する。
前壁側上方ガイド部137の前端には、左底壁部131に接近する側に向かって幅方向に延びる第1係止片138が設けられている。
【0036】
左後壁部140は、外側壁部146における後方側部分146cの後辺に折曲線を介して連続して後方に向かって延びる左後側連設部141と、左後側連設部141の後端における右側縁部分に連続して後方に向かって延び左後側連設部141より幅方向の寸法が小さい後壁側下方ガイド部142とを有する。
後壁側下方ガイド部142の前端には、左底壁部131から離間する側に向かって幅方向に延びる第3係止片143が設けられている。
【0037】
図5Bに示すように、右側方部材150に係る第2ブランク材150aは、矩形状の右底壁部151と、右底壁部151の右側辺に折り曲げ可能に連設された右側壁部165と、右側壁部165の前辺及び後辺の各々に折り曲げ可能に連設された右前壁部155及び右後壁部160とを有する。図5Bにおける破線はそれぞれ折曲線を示す。
【0038】
右底壁部151の前辺及び後辺には、切り欠き部153a,153bが幅方向に延びるように形成されている。
【0039】
右側壁部165は、右底壁部151に折曲線を介して連続する外側壁部166を有する。
外側壁部166は、前方側部分166aと、前方側部分166aの後端に連続する中央部分166bと、中央部分166bの後端に連続する後方側部分166cとを有する。前方側部分166aは、後方側部分166cより幅方向の寸法が小さく、中央部分166bは、後方に向かうに従って幅方向の寸法が大きくなるように構成されている。
外側壁部166における前方側部分166a,中央部分166b及び後方側部分166cの各々の右底壁部151と反対側の側辺には、それぞれ、第1内側壁部167a,第2内側壁部167b及び第3内側壁部167cが折り曲げ可能に連設されている。第2内側壁部167bを有することにより、収容箱100において段ボールの目が外部に露出することがなく、美観を損なうことがない。
【0040】
第1内側壁部167aの前辺には、前壁補強板部168aが折り曲げ可能に連設され、第1内側壁部167aの右辺には、組立時に右底壁部151に設けられた係合穴152aに係合される係合爪部169aが形成されている。
【0041】
第3内側壁部167cの後辺には、後壁補強板部168bが折り曲げ可能に連設され、第3内側壁部167cの右辺には、組立時に右底壁部151に設けられた係合穴152bに係合される係合爪部169bが形成されている。
また、外側壁部166における後方側部分166cと、第3内側壁部167cとの境界部分には、組立時に突片部108が形成されるように切り込みが形成されている。
【0042】
右前壁部155は、外側壁部166における前方側部分166aの前辺に折曲線を介して連続して前方に向かって延びる右前側連設部156と、右前側連設部156の前端における左側縁部分に連続して前方に向かって延び右前側連設部156より幅方向の寸法が小さい前壁側下方ガイド部157とを有する。
前壁側下方ガイド部157の前端には、右底壁部151から離間する側に向かって幅方向に延び、組立時において第1ブランク材130aにおける第1係止片138と係合することで前壁側離脱防止部103を構成する第2係止片158が設けられている。
【0043】
右後壁部160は、外側壁部166における後方側部分166cの後辺に折曲線を介して連続して後方に向かって延びる右後側連設部161と、右後側連設部161の後端における右側縁部分に連続して後方に向かって延び右後側連設部161より幅方向の寸法が小さい後壁側上方ガイド部162とを有する。
後壁側上方ガイド部162の後端には、右底壁部151に接近する側に向かって幅方向に延び、組立時において第1ブランク材130aにおける第3係止片143と係合することで後壁側離脱防止部105を構成する第4係止片163が設けられている。
【0044】
図5Cに示すように、中央部材110に係る第3ブランク材110aは、組立時に第1ブランク材130aにおける左底壁部131の右側辺と第2ブランク材150aにおける右底壁部151の左側辺が対向するように左底壁部131及び右底壁部151が上面に重ねられ左底壁部131及び右底壁部151とともに収容箱100の底壁101を構成する矩形状の主底壁部111を備える。図5Cにおける破線はそれぞれ折曲線を示す。
【0045】
主底壁部111の前辺には、組立時に第1ブランク材130aにおける左前壁部135及び第2ブランク材150aにおける右前壁部155と摺動可能となるよう左前壁部135及び右前壁部155とともに収容箱100の前壁102を構成する主前壁部115が折り曲げ可能に連設されている。
主底壁部111と主前壁部115との境界部分には、主底壁部111側の、折曲線に沿って幅方向に離間した位置に2つの係合穴112a,112bが設けられている。
【0046】
主前壁部115は、互いに平行に幅方向に延びる2本の折曲線を介して主底壁部111の前辺に連設された外前壁部116と、組立時に左前壁部135及び右前壁部155が摺動可能に位置される空間を形成するように外前壁部116の前辺に内側に折り曲げ可能に連設された内前壁部117とからなる。
内前壁部117の前端縁には、主底壁部111の対応する係合穴112a,112bに係合される2つの係合爪部118a,118bが設けられている。
【0047】
主底壁部111の後辺には、組立時に第1ブランク材130aにおける左後壁部140及び第2ブランク材150aにおける右後壁部160と摺動可能となるよう左後壁部140及び右後壁部160とともに収容箱100の後壁104を構成する主後壁部120が折り曲げ可能に連設されている。
主底壁部111と主後壁部120との境界部分には、主底壁部111側の、折曲線に沿って幅方向に離間した位置に2つの係合穴113a,113bが設けられている。
【0048】
主後壁部120は、互いに平行に幅方向に延びる2本の折曲線を介して主底壁部111に連設された外後壁部121と、組立時に第1ブランク材130aにおける左後壁部140及び第2ブランク材150aにおける右後壁部160が摺動可能に位置される空間を形成するように外後壁部121の前辺に内側に折り曲げ可能に連設された内後壁部122とからなる。
内後壁部122の後端縁には、主底壁部111の対応する係合穴113a,113bに係合される2つの係合爪部123a,123bが設けられている。
【0049】
而して、このブランクセットにおいては、第1ブランク材130aにおける第1係止片138が形成された領域を除く左前壁部135の前後方向(組立時の幅方向)の長さLf1と第2ブランク材150aにおける第2係止片158が形成された領域を除く右前壁部155の前後方向の長さLf2との和が、第3ブランク材110aにおける主前壁部115の幅方向の長さLよりも大きく形成され(Lf1+Lf2>L)、第1ブランク材130aにおける第3係止片143が形成された領域を除く左後壁部140の前後方向の長さLb1と第2ブランク材150aにおける第4係止片163が形成された領域を除く右後壁部160の前後方向の長さLb2との和が、第3ブランク材110aにおける主後壁部120の幅方向の長さLよりも大きく形成されている(Lb1+Lb2>L)。
第1係止片138が形成された領域を除く左前壁部135の前後方向の長さと第2係止片158が形成された領域を除く右前壁部155の前後方向の長さとの和と、主前壁部115の幅方向の長さとの差ΔL(=Lf1+Lf2-L)、及び、第3係止片143が形成された領域を除く左後壁部140の前後方向の長さと第4係止片163が形成された領域を除く右後壁部160の前後方向の長さとの和と、主後壁部120の幅方向の長さとの差ΔL(=Lb1+Lb2-L)は、例えば同一の大きさであって、設定すべき収容箱100の幅方向に対する可動範囲の大きさに応じて適宜設定することができる。
【0050】
上記収容箱100は、第1ブランク材130a、第2ブランク材150a及び第3ブランク材110aを組み合わせて組み立てることで得ることができる。
【0051】
先ず、第1ブランク材130aを組み立てて左側方部材130を形成するとともに第2ブランク材150aを組み立てて右側方部材150を形成する。右側方部材150は、左側方部材130と同様の方法により形成することができるため、以下においては、左側方部材130を形成する工程について説明する。
【0052】
左側方部材130を形成するにあっては、図6Aに示すように、第1ブランク材130aにおける左側壁部145を左底壁部131に対して立設するように折曲線で折り曲げる。次いで、図6Bに示すように、第1内側壁部147a,第2内側壁部147b及び第3内側壁部147cをそれぞれ折曲線で内側に折り曲げて、第1内側壁部147aにおける係合爪部149aを左底壁部131の係合穴132aに係合させるとともに第3内側壁部147cにおける係合爪部149bを左底壁部131の係合穴132bに係合させる。このとき、第2内側壁部147bは、先端部が第3内側壁部147cの内側に位置されることで、外側壁部146と二重壁構造を形成するように保持される。その後、図6Cに示すように、前壁補強板部148a及び左前壁部135をともに内方側に折り曲げるとともに、後壁補強板部148b及び左後壁部140をともに内方側に折り曲げることにより、左側方部材130を形成する。
【0053】
また、第2ブランク材150aを、第1ブランク材130aと同様にして組み立てることにより、右側方部材150を形成する。
【0054】
次いで、図6Dに示すように、左側方部材130における左底壁部131の右側辺と右側方部材150における右底壁部151の左側辺が対向するようにして左底壁部131及び右底壁部151を中央部材110に係る第3ブランク材110aにおける主底壁部111の上面に重ねて配置し、これにより、収容箱100の底壁101を形成する。
そして、左前壁部135が外面側に位置し右前壁部155が内面側に位置するように重ねた状態で、第1係止片138を前壁側下方ガイド部157の内面側に位置させることで、左前壁部135と右前壁部155とを互いに摺動可能に係合させる。また、左後壁部140が内面側に位置し右後壁部160が外面側に位置するように重ねた状態で、第4係止片163を後壁側下方ガイド部142の内面側に位置されることで、左後壁部140と右後壁部160とを互いに摺動可能に係合させる。
【0055】
その後、図6Eに示すように、第3ブランク材110aにおける主前壁部115及び主後壁部120を底壁101に対して立設するように折り曲げ、さらに、主前壁部115における内前壁部117及び主後壁部120における内後壁部122をそれぞれ内側に折り曲げる。
そして、内前壁部117における係合爪部118a,118bを左側方部材130における左底壁部131の切り欠き部133a及び右側方部材150における右底壁部151の切り欠き部153aに係合させる。また、内後壁部122における係合爪部123a,123bを左側方部材130における左底壁部131の切り欠き部133b及び右側方部材150における右底壁部151の切り欠き部153bに係合させる。
これにより、主前壁部115が左前壁部135及び左前壁部155と摺動可能に形成された収容箱100の前壁102が形成されるとともに、主後壁部120が左後壁部140及び右後壁部160と摺動可能に形成された収容箱100の後壁104が形成され、以て、図1に示す収容箱100が得られる。
【0056】
以上、本発明の実施形態について詳述したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変更を加えることが可能である。
例えば、左前壁部と右前壁部のそれぞれの先端、及び、左後壁部と右後壁部のそれぞれの先端側に離脱防止部が形成されている必要はなく、左前壁部と右前壁部のそれぞれの先端側のみに離脱防止部が形成されていても、左後壁部と右後壁部のそれぞれの先端側のみに離脱防止部が形成されていてもよい。
また、左側方部材における第1係止片が形成された領域を除く左前壁部の幅方向の長さと右側方部材における第2係止片が形成された領域を除く右前壁部の幅方向の長さとの和、または、左側方部材における第3係止片が形成された領域を除く左後壁部の幅方向の長さと右側方部材における第4係止片が形成された領域を除く右後壁部の幅方向の長さとの和のいずれかが、中央部材の主前壁部の幅方向の長さ、または、主後壁部の幅方向の長さよりも大きく形成されていればよい。
また、離脱防止部は互いに係合される係止片で構成されている必要はなく、例えば中央部材にストッパ部が設けられるなどして構成されていてもよい。
さらにまた、左前壁部と右前壁部は幅方向に摺動可能に係合されるように構成されていればよく、例えば、左前壁部及び右前壁部の一方の先端に係止片を設け、他方に係止片が係入される幅方向に延びる案内溝を設けた構成としてもよい。左後壁部及び右後壁部の構成についても同様である。
【符号の説明】
【0057】
100 ・・・ 収容箱
101 ・・・ 底壁
102 ・・・ 前壁
103 ・・・ 前壁側離脱防止部
104 ・・・ 後壁
105 ・・・ 後壁側離脱防止部
106 ・・・ 左側壁
106a ・・・ 前方側部分
106b ・・・ 中央部分
106c ・・・ 後方側部分
107 ・・・ 右側壁
107a ・・・ 前方側部分
107b ・・・ 中央部分
107c ・・・ 後方側部分
108 ・・・ 突片部
110 ・・・ 中央部材
110a ・・・ 第3ブランク材
111 ・・・ 主底壁部
112a ・・・ 係合穴
112b ・・・ 係合穴
113a ・・・ 係合穴
113b ・・・ 係合穴
114 ・・・ 切り欠き部
115 ・・・ 主前壁部
116 ・・・ 外前壁部
117 ・・・ 内前壁部
118a ・・・ 係合爪部
118b ・・・ 係合爪部
120 ・・・ 主後壁部
121 ・・・ 外後壁部
122 ・・・ 内後壁部
123a ・・・ 係合爪部
123b ・・・ 係合爪部
130 ・・・ 左側方部材
130a ・・・ 第1ブランク材
131 ・・・ 左底壁部
132a ・・・ 係合穴
132b ・・・ 係合穴
133a ・・・ 切り欠き部
133b ・・・ 切り欠き部
134 ・・・ 積重用係合穴
135 ・・・ 左前壁部
136 ・・・ 左前側連設部
137 ・・・ 前壁側上方ガイド部
138 ・・・ 第1係止片
140 ・・・ 左後壁部
141 ・・・ 左後側連設部
142 ・・・ 後壁側下方ガイド部
143 ・・・ 第3係止片
145 ・・・ 左側壁部
146 ・・・ 外側壁部
146a ・・・ 前方側部分
146b ・・・ 中央部分
146c ・・・ 後方側部分
147a ・・・ 第1内側壁部
147b ・・・ 第2内側壁部
147c ・・・ 第3内側壁部
148a ・・・ 前壁補強板部
148b ・・・ 後壁補強板部
149a ・・・ 係合爪部
149b ・・・ 係合爪部
150 ・・・ 右側方部材
150a ・・・ 第2ブランク材
151 ・・・ 右底壁部
152a ・・・ 係合穴
152b ・・・ 係合穴
153a ・・・ 切り欠き部
153b ・・・ 切り欠き部
154 ・・・ 積重用係合穴
155 ・・・ 右前壁部
156 ・・・ 右前側連設部
157 ・・・ 前壁側下方ガイド部
158 ・・・ 第2係止片
160 ・・・ 右後壁部
161 ・・・ 右後側連設部
162 ・・・ 後壁側上方ガイド部
163 ・・・ 第4係止片
165 ・・・ 右側壁部
166 ・・・ 外側壁部
166a ・・・ 前方側部分
166b ・・・ 中央部分
166c ・・・ 後方側部分
167a ・・・ 第1内側壁部
167b ・・・ 第2内側壁部
167c ・・・ 第3内側壁部
168a ・・・ 前壁補強板部
168b ・・・ 後壁補強板部
169a ・・・ 係合爪部
169b ・・・ 係合爪部
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図5C
図6A
図6B
図6C
図6D
図6E