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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-19
(45)【発行日】2024-03-28
(54)【発明の名称】椅子式マッサージ機
(51)【国際特許分類】
   A61H 7/00 20060101AFI20240321BHJP
【FI】
A61H7/00 323H
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2020131997
(22)【出願日】2020-08-03
(65)【公開番号】P2022028529
(43)【公開日】2022-02-16
【審査請求日】2023-06-14
(73)【特許権者】
【識別番号】000136491
【氏名又は名称】株式会社フジ医療器
(74)【代理人】
【識別番号】110001933
【氏名又は名称】弁理士法人 佐野特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】古谷 毅
【審査官】山田 裕介
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-028463(JP,A)
【文献】特開2008-188055(JP,A)
【文献】実開昭59-038129(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61H 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被施療者の肩、腰、及び背中を支持するリクライニング可能な背凭れ部と、
前記被施療者の腕を支持するひじ掛け部と、
前記ひじ掛け部の前方への移動を規制する規制部と、
を備え、
前記ひじ掛け部の後部が前記背凭れ部に対して接触及び分離の両方が可能であり、
前記ひじ掛け部と前記背凭れ部とを分離させる外力が前記ひじ掛け部に加わらない場合、前記ひじ掛け部の後部が前記背凭れ部に対して接触して、前記背凭れ部のリクライニング動作に連動して前記ひじ掛け部が前後に移動し、
前記背凭れ部が最も起立した状態で、前記ひじ掛け部の後部が前記背凭れ部に対して接触しているときよりも前記ひじ掛け部が前方に移動できるように、前記規制部が前記ひじ掛け部の前方への移動を規制する、椅子式マッサージ機。
【請求項2】
前記ひじ掛け部に前記外力を加えて前記ひじ掛け部と前記背凭れ部とを分離させた状態から前記ひじ掛け部への前記外力の付加を止めると、前記ひじ掛け部は前記ひじ掛け部の自重により後方に移動する、請求項1に記載の椅子式マッサージ機。
【請求項3】
前記ひじ掛け部が後方に移動するほど、側方視における前記ひじ掛け部の長手方向と前記椅子式マッサージ機の底面とのなす鋭角が大きくなる、請求項1または請求項2に記載の椅子式マッサージ機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、椅子式マッサージ機に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1で開示されている椅子式マッサージ機は、ひじ掛け部(被施療者の腕部を保持する保持部)の後端が背凭れ部に取り付けられている。このような構成により、背凭れ部のリクライニング動作に連動して、ひじ掛け部が前後に移動する。すなわち、背凭れ部が座部に対して傾倒すると、ひじ掛け部が後方に移動し、背凭れ部が座部に対して起立すると、ひじ掛け部が前方に移動する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2003-310683号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、被施療者の体格、被施療者の好み等によっては、背凭れ部のリクライニング動作に応じたひじ掛け部の位置が適切でない場合がある。
【0005】
本発明は、上記の状況に鑑み、背凭れ部のリクライニング動作に連動してひじ掛け部が前後に移動可能であり、尚且つ、背凭れ部の位置に関わらないひじ掛け部の位置調整も可能である椅子式マッサージ機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書中に開示されている椅子式マッサージ機は、被施療者の肩、腰、及び背中を支持するリクライニング可能な背凭れ部と、前記被施療者の腕を支持するひじ掛け部と、を備え、前記ひじ掛け部の後部が前記背凭れ部に対して接触及び分離の両方が可能であり、前記ひじ掛け部と前記背凭れ部とを分離させる外力が前記ひじ掛け部に加わらない場合、前記ひじ掛け部の後部が前記背凭れ部に対して接触して、前記背凭れ部のリクライニング動作に連動して前記ひじ掛け部が前後に移動する構成(第1の構成)である。
【0007】
上記第1の構成の椅子式マッサージ機において、前記ひじ掛け部に前記外力を加えて前記ひじ掛け部と前記背凭れ部とを分離させた状態から前記ひじ掛け部への前記外力の付加を止めると、前記ひじ掛け部は前記ひじ掛け部の自重により後方に移動する構成(第2の構成)にしてもよい。
【0008】
上記第1又は第2の構成の椅子式マッサージ機において、前記ひじ掛け部が後方に移動するほど、側方視における前記ひじ掛け部の長手方向と前記椅子式マッサージ機の底面とのなす鋭角が大きくなる構成(第3の構成)にしてもよい。
【0009】
上記第1~第3いずれかの構成の椅子式マッサージ機において、前記ひじ掛け部の前方への移動を規制する規制部をさらに備える構成(第4の構成)にしてもよい。
【0010】
上記第4の構成の椅子式マッサージ機において、前記背凭れ部が最も起立した状態で、前記ひじ掛け部の後部が前記背凭れ部に対して接触しているときよりも前記ひじ掛け部が前方に移動できるように、前記規制部が前記ひじ掛け部の前方への移動を規制する構成(第5の構成)にしてもよい。
【発明の効果】
【0011】
本明細書中に開示されている椅子式マッサージ機によれば、背凭れ部のリクライニング動作に連動してひじ掛け部が前後に移動可能であり、尚且つ、背凭れ部の位置に関わらないひじ掛け部の位置調整も可能である。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】一実施例に係る椅子式マッサージ機の概略斜視図
図2】一実施例に係る椅子式マッサージ機のフレーム等を模式的に示す正面図
図3】一実施例に係る椅子式マッサージ機のフレーム等を模式的に示す側面図
図4】一実施例に係る椅子式マッサージ機のフレーム等を模式的に示す正面図
図5】一実施例に係る椅子式マッサージ機のフレーム等を模式的に示す側面図
図6】変形例に係る椅子式マッサージ機のフレーム等の一例を模式的に示す側面図
図7】変形例に係る椅子式マッサージ機のフレーム等の他の例を模式的に示す側面図
図8】ひじ掛け部のフレーム等の変形例を模式的に示す側面図
図9】ひじ掛け部のフレーム等の変形例に規制部を追加した構成を模式的に示す側面図
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の例示的な実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0014】
図1は一実施例に係る椅子式マッサージ機1(以下、「マッサージ機1」と称す)の前方斜視図である。以下の説明において、背凭れ部3を倒していない状態のマッサージ機1に着座した被施療者から見て前側(正面側)を「前側」又は「前方」といい、背凭れ部3を倒していない状態のマッサージ機1に着座した被施療者から見て後側(背面側)を「後側」又は「後方」という。また、背凭れ部3を倒していない状態のマッサージ機1に着座した被施療者から見て上側(頭側)を「上側」又は「上方」といい、背凭れ部3を倒していない状態のマッサージ機1に着座した被施療者から見て下側(脚側)を「下側」又は「下方」という。また、マッサージ機1に着座した被施療者から見て右側を「右側」又は「右方」といい、マッサージ機1に着座した被施療者から見て左側を「左方」という。
【0015】
マッサージ機1は、座部2、背凭れ部3、側壁部4、ひじ掛け部5、操作部6、コード線7、スタンド8、及びオットマン9を備える。
【0016】
座部2は、被施療者の臀部及び大腿部を支持する。
【0017】
背凭れ部3は、被施療者の肩、腰、及び背中を支持する。背凭れ部3は、リクライニング可能である。つまり、背凭れ部3は、左右方向に沿って延びるリクライニング回転軸AX1(後述する図5参照)回りに回動可能である。
【0018】
背凭れ部3は、マッサージユニット(不図示)と、被施療者の肩及び腰に接する面3Aに沿って延びるガイドレール3B及び3Cと、を内蔵している。当該マッサージユニットは、ガイドレール3B及び3Cによって案内されて背凭れ部3内で昇降する。
【0019】
側壁部4は、座部2の左右両側に立設して設けられる。
【0020】
ひじ掛け部5は、座部2の左右両側に設けられ、側壁部4によって支持される。ひじ掛け部5は、被施療者の腕を支持する。より詳細には、ひじ掛け部5は、被施療者の前腕を支持する。
【0021】
また、本実施形態では、ひじ掛け部5は、膨縮可能なエアバッグを内蔵しており、当該エアバッグによって被施療者の前腕及び手を施療する。つまり、ひじ掛け部5は、被施療者の前腕及び手を施療する施療部を備える。なお、被施療者の前腕及び手に対する施療は、当該エアバッグによる施療に限定されず、物理的手段を用いて行われる施療であればよい。すなわち、ひじ掛け部5に設けられる施療部が被施療者の前腕及び手に対して行う施療は、前腕及び手に対するマッサージに限定されず、例えば、前腕及び手に熱を与える施療、前腕及び手に電気刺激を与える施療等であってもよい。したがって、ひじ掛け部5は、例えば、施療子、エアバッグ、振動子、ヒーター、電極パッド等を単独又は複数の組み合わせで含む施療部を備える構成であってもよい。
【0022】
また、本実施形態とは異なり、ひじ掛け部5は、被施療者の前腕及び手を施療する施療部を備えない構成であってもよい。
【0023】
操作部6は、被施療者が施療パターンの選択や施療の強弱調節などを行うための入力装置である。操作部6はコード線7を介して座部2の下方に設けられる制御部(図1において不図示)に接続される。当該制御部は、操作部6から出力される信号に基づいてマッサージ機1の各部を制御する。
【0024】
スタンド8は、座部2の左側に設けられるひじ掛け部5に固定されている。操作部6はスタンド8に対して装脱着可能である。
【0025】
オットマン9は、被施療者の下腿を収容する。
【0026】
図2及び図4は、マッサージ機1のフレーム等を模式的に示す正面図である。図3及び図5は、マッサージ機1のフレーム等を模式的に示す側面図である。
【0027】
図2及び図3はマッサージ機1の背凭れ部3が最も起立した状態を示している。図4及び図5は、マッサージ機1の背凭れ部3が最も後方に倒れた状態(フルリクライニング状態)を示している。
【0028】
マッサージ機1は、基台フレーム10を備える。基台フレーム10は、座部2(図2図5において不図示)の下方に位置し、座部2を支持する。
【0029】
ひじ掛け部5は、上部フレーム5Aと、前方アーム5Bと、後方アーム5Cと、を備える。
【0030】
上部フレーム5Aは、前後方向に沿って尚且つ後方ほど下方に下がって延びる。上部フレーム5Aの長手方向は、ひじ掛け部5の長手方向である。ひじ掛け部5の長手方向は、被施療者が前腕をひじ掛け部5に置いたときの被施療者の肘と手首とを通る直線の方向と言い換えることができる。
【0031】
前方アーム5Bは、側面視において長方形状の部材であり、マッサージ機1の背凭れ部3が最も起立した状態において、上下方向に沿って尚且つ上方ほど後方に向かって延びる。
【0032】
前方アーム5Bの下端は、左右方向に沿って延びる回転軸AX2回りに回動可能に、基台フレーム10に取り付けられている。前方アーム5Bの上端は、左右方向に沿って延びる回転軸AX3回りに回動可能に、上部フレーム5Aに取り付けられている。
【0033】
後方アーム5Cは、側面視において長方形状の部材であり、マッサージ機1の背凭れ部3が最も起立した状態において、上下方向に沿って尚且つ上方ほど後方に向かうように延びる。
【0034】
後方アーム5Cの下端は、左右方向に沿って延びる回転軸AX4回りに回動可能に、基台フレーム10に取り付けられている。後方アーム5Cの上端は、左右方向に沿って延びる回転軸AX5回りに回動可能に、上部フレーム5Aに取り付けられている。
【0035】
基台フレーム10における後方アーム5Cの取り付け位置は、基台フレーム10における前方アーム5Bの取り付け位置よりも後方である。同様に、上部フレーム5Aにおける後方アーム5Cの取り付け位置は、上部フレーム5Aにおける前方アーム5Bの取り付け位置よりも後方である。
【0036】
前方アーム5Bのアーム長、すなわち前方アーム5Bの側面視における長方形状の長辺長さは、後方アーム5Cのアーム長、すなわち後方アーム5Cの側面視における長方形状の長辺長さより長い。このような構成により、前方アーム5B及び後方アーム5Cは、上部フレーム5Aが前後方向に沿って尚且つ後方ほど下方に下がって延びるように、上部フレーム5Aを支持することができる。
【0037】
背凭れ部3は、フレーム3Dと、当て板3Eと、当て板3Fと、を備える。当て板3Eは、フレーム3Dの左端から左側に向かって突出している。当て板3Fは、フレーム3Dの右端から右側に向かって突出している。
【0038】
ひじ掛け部5は背凭れ部3に取り付けられていない。そして、ひじ掛け部5の後部は、背凭れ部3に対して接触及び分離の両方が可能である。本実施形態では、ひじ掛け部5の後端が背凭れ部3に対して接触及び分離の両方が可能である。なお、本実施形態とは異なり、ひじ掛け部5の後端以外のひじ掛け部5の後部が背凭れ部3に対して接触及び分離の両方が可能であってもよい。
【0039】
図3及び図5から分かるように、ひじ掛け部5の後端にローラが設けられている。左側に配置されるひじ掛け部5の後端ローラは、背凭れ部3の当て板3Eに対して接触及び分離の両方が可能である。同様に、右側に配置されるひじ掛け部5の後端ローラは、背凭れ部3の当て板3Fに対して接触及び分離の両方が可能である。
【0040】
ひじ掛け部5に、ひじ掛け部5と背凭れ部3とを分離させる外力を加えてひじ掛け部5と背凭れ部3とを分離させた状態からひじ掛け部5への当該外力の付加を止めると、ひじ掛け部5はひじ掛け部5の自重により後方に移動する。このような自重による移動が起こるように、ひじ掛け部5の重心位置が設計される。
【0041】
したがって、ひじ掛け部5と背凭れ部3とを分離させる外力がひじ掛け部5に加わらない場合、図2及び図3に示す背凭れ部3が最も起立した状態から、背凭れ部用アクチュエータ11の駆動によって背凭れ部3が傾倒していき、図4及び図5に示す背凭れ部3が最も後方に倒れた状態に至るまでの間、ひじ掛け部5の後部の背凭れ部3に対する接触が維持される。さらに、ひじ掛け部5と背凭れ部3とを分離させる外力がひじ掛け部5に加わらない場合、図4及び図5に示す背凭れ部3が最も後方に倒れた状態から、背凭れ部用アクチュエータ11の駆動によって背凭れ部3が起立していき、図2及び図3に示す背凭れ部3が最も起立した状態に至るまでの間も同様に、ひじ掛け部5の後部の背凭れ部3に対する接触が維持される。
【0042】
つまり、ひじ掛け部5と背凭れ部3とを分離させる外力がひじ掛け部5に加わらない場合、ひじ掛け部5の後部が背凭れ部3に対して接触して、背凭れ部3のリクライニング動作に連動してひじ掛け部5が前後に移動する。これにより、背凭れ部3が傾倒した場合でも被施療者は肘を伸ばしきることなく、ひじ掛け部5を利用することができる。言い換えると、背凭れ部3が傾倒した場合に被施療者の腕をリラックス状態にすることができる。
【0043】
また、上部フレーム5Aが前方アーム5B及び後方アーム5Cによって支持されているため、前方アーム5B及び後方アーム5Cの基台フレーム10に対する回転に伴い、上部フレーム5Aは円弧状に近い軌跡を描きながら移動する。したがって、ひじ掛け部5が後方に移動するほど、側方視におけるひじ掛け部5の長手方向と基台フレーム10の底面すなわちマッサージ機1の底面とのなす鋭角θが大きくなる。これにより、背凭れ部3が傾倒した場合でも背凭れ部3が起立している場合と比較して被施療者は肘の角度を大きく変化させることなく、ひじ掛け部5を利用することができる。言い換えると、背凭れ部3が傾倒した場合に被施療者の腕をより一層リラックス状態にすることができる。
【0044】
一方、ひじ掛け部5と背凭れ部3とを分離させる外力を加えてひじ掛け部5と背凭れ部3とを分離させた状態にすると、ひじ掛け部5の後部を背凭れ部3から離すことができる。つまり、被施療者が腕をひじ掛け部5に載せたまま腕を前方に押し出すと、ひじ掛け部5を前方に移動させることができる。つまり、マッサージ機1は、背凭れ部3の位置に関わらないひじ掛け部5の位置調整も可能である。これにより、被施療者の体格、被施療者の好み等によって背凭れ部3のリクライニング動作に応じたひじ掛け部5の位置が適切でない場合に、ひじ掛け部5に外力を加えることによってひじ掛け部5を適切な位置に調整することができる。
【0045】
上記実施形態は、全ての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきであり、本発明の技術的範囲は、上記実施形態の説明ではなく、特許請求の範囲によって示されるものであり、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内に属する全ての変更が含まれると理解されるべきである。
【0046】
また、ひじ掛け部5の前方への移動を規制する規制部12を、上述したマッサージ機1に追加してもよい。つまり、変形例に係る椅子式マッサージ機1’(以下、「マッサージ機1’」と称す)は、ひじ掛け部5の前方への移動を規制する規制部12をさらに備える。マッサージ機1’は、規制部12を備える点でマッサージ機1と相違し、それ以外の点でマッサージ機1と同一である。
【0047】
規制部12を設けることで、ひじ掛け部5が前方へ移動し過ぎることを防止することができる。
【0048】
図6は、マッサージ機1’のフレーム等の一例を模式的に示す側面図である。図7は、マッサージ機1’のフレーム等の他の例を模式的に示す側面図である。
【0049】
図6に示す例では、規制部12は、背凭れ部3が最も起立した状態で、ひじ掛け部5の後部が背凭れ部3に対して接触しているときよりもひじ掛け部5が前方に移動できないように、ひじ掛け部5の前方への移動を規制する。
【0050】
図7に示す例では、規制部12は、背凭れ部3が最も起立した状態で、ひじ掛け部5の後部が背凭れ部3に対して接触しているときよりもひじ掛け部5が前方に移動できるように、ひじ掛け部5の前方への移動を規制する。図7に示す例では、背凭れ部3が最も起立した状態で、ひじ掛け部5の後部と背凭れ部3との間に異物(例えば人の手など)が挟まっていても、ひじ掛け部5の後部と背凭れ部3との間に隙間を確保することができるので、当該異物に加わる力を低減することができる。
【0051】
上述したマッサージ機1及び上述したマッサージ機1’では、ひじ掛け部5の後部が、フレーム3Dから突出している当て板3E及び3Fに接触可能な構成であったが、例えば、ひじ掛け部5の後部が、背凭れ部3の内部に設けられフレーム3Dに取り付けられる樹脂成型部材に接触可能な構成であってもよい。
【0052】
また、上述したマッサージ機1が備えるひじ掛け部5を、例えば図8に示すような形態に変更してもよい。図8は、ひじ掛け部5のフレーム等の変形例を模式的に示す側面図である。
【0053】
図8に示す変形例では、ひじ掛け部5は、上部フレーム5Aを備える。上部フレーム5Aは、支持フレーム13によって支持される。上部フレーム5Aの下面は、支持フレーム13の上面に対してひじ掛け部5の長手方向にスライド可能に、支持フレーム13の上面に取り付けられている。支持フレーム13は基台フレーム10に固定されている。なお、この変形例では、上述した実施形態とは異なり、側方視におけるひじ掛け部5の長手方向と基台フレーム10の底面すなわちマッサージ機1の底面とのなす鋭角は、ひじ掛け部5の位置にかかわらず一定である。
【0054】
図8に示す変形例において、ひじ掛け部5の前方への移動を規制する規制部12を設ける場合は、図9に示すように支持フレーム13の前部に規制部12を設置すればよい。
【0055】
また、上述した実施形態及び変形例では、ひじ掛け部5に、ひじ掛け部5と背凭れ部3とを分離させる外力を加えてひじ掛け部5と背凭れ部3とを分離させた状態からひじ掛け部5への当該外力の付加を止めると、ひじ掛け部5はひじ掛け部5の自重により後方に移動するようにしたが、本発明は、このような構成に限定されない。例えば、ひじ掛け部5を移動させるひじ掛け部用アクチュエータを設け、ひじ掛け部5と背凭れ部3とを分離させる外力がひじ掛け部5に加わらない場合、ひじ掛け部5の後部が背凭れ部3に対して接触して、背凭れ部3のリクライニング動作に連動してひじ掛け部5が前後に移動するように、制御部が背凭れ部用アクチュエータ及びひじ掛け部用アクチュエータを制御すればよい。そして、ひじ掛け部5と背凭れ部3とを分離させる外力がひじ掛け部5に加わった場合、当該外力によってひじ掛け部5が移動できるように、ひじ掛け部用アクチュエータがひじ掛け部5の位置を拘束しないようにすればよい。
【符号の説明】
【0056】
1 一実施例に係る椅子式マッサージ機
3 背凭れ部
5 ひじ掛け部
12 規制部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9