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特許7457618投影システム及びその投影画面の調整方法
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  • 特許-投影システム及びその投影画面の調整方法 図1
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  • 特許-投影システム及びその投影画面の調整方法 図7
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-19
(45)【発行日】2024-03-28
(54)【発明の名称】投影システム及びその投影画面の調整方法
(51)【国際特許分類】
   G09G 5/00 20060101AFI20240321BHJP
   G03B 21/00 20060101ALI20240321BHJP
   G03B 21/14 20060101ALI20240321BHJP
   G09G 5/02 20060101ALI20240321BHJP
   G09G 5/37 20060101ALI20240321BHJP
   H04N 5/74 20060101ALI20240321BHJP
【FI】
G09G5/00 510B
G03B21/00 E
G03B21/14 Z
G09G5/00 X
G09G5/00 510H
G09G5/00 510V
G09G5/02 B
G09G5/37 320
H04N5/74 Z
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2020162556
(22)【出願日】2020-09-28
(65)【公開番号】P2021067935
(43)【公開日】2021-04-30
【審査請求日】2023-01-25
(31)【優先権主張番号】62/925,775
(32)【優先日】2019-10-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】202010720586.4
(32)【優先日】2020-07-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】500093133
【氏名又は名称】中強光電股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】林 士傑
(72)【発明者】
【氏名】李 振銘
(72)【発明者】
【氏名】徐 康舜
(72)【発明者】
【氏名】歐 嘉▲彦▼
【審査官】武田 悟
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-85435(JP,A)
【文献】特開2014-107713(JP,A)
【文献】特開2017-138581(JP,A)
【文献】米国特許第9601086(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09G 5/00 - 5/42
G03B 21/00 , 21/14
H04N 5/74
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の投影機、表示器及び入力装置に接続される処理装置に適用される投影画面の調整方法であって、
前記複数の投影機の間の配列情報を取得し;
前記配列情報に基づいて、前記複数の投影機の各々の投影画面に対応する複数の調整可能な領域を前記表示器に同時に表示し、且つ前記複数の調整可能な領域を前記複数の投影機の投影画面に同時に表示し;
前記複数の調整可能な領域のうちの第一調整可能な領域に対応するパラメータ設定インターフェースを前記表示器に表示し、前記第一調整可能な領域が前記複数の投影機のうちの第一投影機に対応し;及び
前記入力装置により、前記第一調整可能な領域と関連付けられる選択操作を受け取り、第一パラメータ値に基づいて前記第一投影機の投影画面を調整及び表示するステップを含む、方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、
前記複数の投影機の間の前記配列情報を取得するステップは、
前記複数の投影機の間の相対位置関係を取得し;及び
前記相対位置関係に基づいて、前記複数の投影機の各々の前記投影画面のオーバーラップ領域及び非オーバーラップ領域を計算するステップを含む、方法。
【請求項3】
請求項2に記載の方法であって、
前記配列情報に基づいて、前記投影機の前記投影画面に対応する前記調整可能な領域を前記表示器に同時に表示し、且つ前記複数の調整可能な領域を前記複数の投影機の投影画面に同時に表示するステップは、
前記投影画面に対応する前記オーバーラップ領域及び前記非オーバーラップ領域を前記表示器に同時に表示し、それぞれ、前記複数の調整可能な領域の各々とするステップを含み、
前記表示器において前記複数の投影機の前記調整可能な領域は互いにオーバーラップしない、方法。
【請求項4】
請求項1に記載の方法であって、
前記複数の調整可能な領域のうちの前記第一調整可能な領域と関連付けられる前記選択操作を受け取るステップは、
前記複数の調整可能な領域のうちの第二調整可能な領域の選択操作に基づいて、前記第一調整可能な領域における前記選択操作を実行するステップをさらに含む、方法。
【請求項5】
請求項1に記載の方法であって、
前記入力装置により、前記複数の調整可能な領域のうちの前記第一調整可能な領域と関連付けられる前記選択操作を受け取るステップは、
前記複数の調整可能な領域のうちの1つに対しての前記選択操作を受け取り;及び
選択された調整可能な領域を前記第一調整可能な領域と設定するステップを含む、方法。
【請求項6】
請求項1に記載の方法であって、
前記入力装置により、前記複数の調整可能な領域のうちの前記第一調整可能な領域と関連付けられる前記選択操作を受け取るステップは、
前記入力装置により、前記複数の調整可能な領域のうちの1つに対しての前記選択操作を受け取り;
選択された調整可能な領域と関連付けられる複数の制御点又は複数の境界線を前記表示器に表示し;
前記入力装置により、少なくとも1つの前記制御点又は少なくとも1つの前記境界線に対しての移動操作を受け取り;及び
前記移動操作に基づいて、選択された前記調整可能な領域を調整し、前記第一調整可能な領域と設定するステップを含む、方法。
【請求項7】
請求項6に記載の方法であって、
前記移動操作は、前記複数の制御点のうちの第一制御点の位置を移動する操作であり、
前記移動操作に基づいて、選択された前記調整可能な領域を調整し、前記第一調整可能な領域と設定するステップは、
移動後の前記第一制御点又は移動後の前記第一境界線及びその他の前記制御点又はその他の前記境界線により構成される領域を前記第一調整可能な領域と設定するステップを含む、方法。
【請求項8】
請求項6に記載の方法であって、
前記表示器には、前記複数の投影機の各々の前記投影画面に対応するオーバーラップ領域及び非オーバーラップ領域の間の複数の仕切り線をさらに表示し、前記制御点及び前記境界線の色は、前記仕切り線の色とは異なる、方法。
【請求項9】
請求項4に記載の方法であって、
前記調整可能な領域のうちの前記第二調整可能な領域の前記選択操作に基づいて、前記第一調整可能な領域における前記選択操作を実行するステップは、
前記入力装置により、前記第二調整可能な領域のコピー操作を受け取り;及び
前記第二調整可能な領域の前記コピー操作に対応して生成された第二パラメータ値に基づいて、前記第一パラメータ値を設定するステップをさらに含む、方法。
【請求項10】
請求項1に記載の方法であって、
前記第一パラメータ値は色の値を含む、方法。
【請求項11】
請求項1に記載の方法であって、
前記第一調整可能な領域と関連付けられる選択操作を受け取り、前記第一パラメータ値に基づいて前記第一投影機の前記投影画面を表示及び調整するステップは、
前記第一パラメータ値を前記第一投影機に伝送するステップをさらに含み、
前記第一投影機は、前記第一パラメータ値に基づいて前記投影画面を同期して調整する、方法。
【請求項12】
複数の投影機、入力装置、表示器及び処理装置を含む投影システムであって、
前記処理装置は、前記複数の投影機及び前記表示器に接続され、
前記処理装置は、
前記複数の投影機の間の配列情報を取得し;
前記配列情報に基づいて、前記複数の投影機の各々の投影画面に対応する複数の調整可能な領域を前記表示器に同時に表示し、且つ前記複数の調整可能な領域を前記複数の投影機の投影画面に同時に表示し;
前記複数の調整可能な領域のうちの第一調整可能な領域に対応するパラメータ設定インターフェースを前記表示器に表示し、前記第一調整可能な領域が前記複数の投影機のうちの第一投影機に対応し;及び
前記入力装置により、前記第一調整可能な領域と関連付けられる選択操作を受け取り、第一パラメータ値に基づいて前記第一投影機の前記投影画面を表示及び調整するように構成される、システム。
【請求項13】
請求項12に記載のシステムであって、
前記処理装置は、前記複数の投影機の間の相対位置関係を取得し、前記相対位置関係に基づいて、前記複数の投影機の各々の前記投影画面のオーバーラップ領域及び非オーバーラップ領域を計算する、システム。
【請求項14】
請求項13に記載のシステムであって、
前記処理装置は、前記投影画面に対応する前記オーバーラップ領域及び前記非オーバーラップ領域を前記表示器に同時に表示し、それぞれ、前記複数の調整可能な領域の各々とし、
前記表示器において前記複数の投影機の前記調整可能な領域は互いにオーバーラップしない、システム。
【請求項15】
請求項12に記載のシステムであって、
前記処理装置は、前記複数の調整可能な領域のうちの第二調整可能な領域の選択操作に基づいて、前記第一調整可能な領域における前記選択操作を実行する、システム。
【請求項16】
請求項15に記載のシステムであって、
前記処理装置はさらに、前記入力装置により、記第二調整可能な領域のコピー操作を受け取り、前記第二調整可能な領域の前記コピー操作に対応して生成された第二パラメータ値に基づいて、前記第一パラメータ値を設定する、システム。
【請求項17】
請求項12に記載のシステムであって、
前記第一パラメータ値は色の値を含む、システム。
【請求項18】
請求項12に記載のシステムであって、
前記処理装置はさらに、前記第一パラメータ値を前記第一投影機に伝送し、
前記第一投影機は、前記第一パラメータ値に基づいて前記投影画面を同期して調整する、システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置及び投影技術に関し、特に、投影システム及びその投影画面の調整方法に関する。
【背景技術】
【0002】
「投影つなぎ合わせ」とは、複数の投影機が同時に投射する複数の画面をつなぎ合わせることで1つの大画面を形成することを指す。複数の投影機が投影してつなぎ合わせを行うときに、その投射するオーバーラップ領域には輝度の重ね合わせも生じるため、その投射するオーバーラップ領域の輝度を向上させることがある。また、複数の投影機の間には、製造プロセスの違いが原因で、色が不一致になるため、その投射するオーバーラップ領域で2つの画面の色の重ね合わせにより画面全体の不均一度を増加させることがある。暗視野(dark field)では、このような現象により、オーバーラップ領域の画像の色が非オーバーラップ領域の画像の色と大幅に異なることを、視聴者が視覚的に認識しやすくなる。よって、投影してつなぎ合わせを行うときに画面全体に色の不均一や唐突な色むらがないように、ブラックレベル(black level)の調整機能により、投射するオーバーラップ領域及び非オーバーラップ領域に対して色成分の調整を行う必要がある。
【0003】
今のところ、従来のブラックレベル調整技術は、ユーザが、提供されるインターフェースにおいて幾何学的画像を描画することにより、オーバーラップ領域と非オーバーラップ領域を定義する必要がある。しかしながら、複数の投影機におけるブラックレベルのアプリケーションの場合、完成するために、ブロックの位置や色の面倒な調整を複数回行う必要がある。また、従来の技術では、単一投影機の視野角しか提供しておらず、且つユーザが投射画面を直接見ることにより調整を行うのである。このような方法は、複数の投影機の間の交互関係(作用)を把握することができないだけでなく、インターフェースによってユーザに1つの全視野角画面を提供することもなっていないため、調整手順全体がより複雑になる。
【0004】
なお、この「背景技術」の部分は、本発明の内容への理解を助けるためだけのものであるため、この「背景技術」の部分に開示されている内容は、当業者に知られていない技術を含む可能性がある。よって、この「背景技術」の部分に開示されている内容は、該内容、又は、本発明の1つ又は複数の実施例が解決しようとする課題が本発明の出願前に既に当業者に周知されていることを意味しない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述のことに鑑みて、本発明の目的は、直観的且つ簡単な方法で全体投影つなぎ合わせ画面の融合を達成することができる、投影システム及びその投影画面の調整方法を提供することにある。
【0006】
本発明の他の目的及び利点は、本発明に開示される技術的特徴からさらに理解することができる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施例において、上述の方法は、複数の投影機、表示器及び入力装置に接続される処理装置に適用され、且つ次のようなステップを含む。まず、複数の投影機の間の配列情報を取得する。配列情報に基づいて、各投影機の投影画面に対応する複数の調整可能な領域を表示器に同時に表示し、且つ上述の複数の調整可能な領域を上述の複数の投影機の投影画面に同時に表示する。続いて、上述の複数の調整可能な領域のうちの第一調整可能な領域に対応するパラメータ設定インターフェースを表示器に表示し、そのうち、第一調整可能な領域は、上述の複数の投影機のうちの第一投影機に対応する。入力装置により、第一調整可能な領域と関連付けられる選択操作を受け取ることで、第一パラメータ値に基づいて第一投影機の投影画面を調整及び表示する。
【0008】
本発明の一実施例において、上述のシステムは、複数の投影機、入力装置、表示器及び処理装置を含む。処理装置は、上述の複数の投影機及び表示器に接続され、複数の投影機の間の配列情報を取得し、そして、配列情報に基づいて、各投影機の投影画面に対応する複数の調整可能な領域を表示器に同時に表示し、且つ上述の複数の調整可能な領域を上述の複数の投影機の投影画面に同時に表示し、また、上述の複数の調整可能な領域のうちの第一調整可能な領域に対応するパラメータ設定インターフェースを表示器に表示し、そして、入力装置により、第一調整可能な領域と関連付けられる選択操作を受け取ることで、第一パラメータ値に基づいて第一投影機の投影画面を調整及び表示するように用いられ、そのうち、上述の第一調整可能な領域は、上述の複数の投影機のうちの第一投影機に対応する。
【0009】
本発明の上述の特徴及び利点をより明らかにするために、以下、実施例を挙げて、添付した図面を参照することによって詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の一実施例による投影システムのブロック図である。
図2】本発明の一実施例における投影画面の調整方法のフローチャートである。
図3】本発明の一実施例における投影機の配列位置の設定インターフェースを示す図である。
図4】本発明の一実施例における調整可能な領域を示す図である。
図5】本発明の一実施例における第一調整可能な領域及びその制御点を示す図である。
図6A】本発明の一実施例における調整可能な領域の調整インターフェースを示す図である。
図6B】本発明の一実施例における調整可能な領域の調整インターフェースを示す図である。
図6C】本発明の一実施例における調整可能な領域の調整インターフェースを示す図である。
図6D】本発明の一実施例における調整可能な領域の調整インターフェースを示す図である。
図7】本発明の一実施例におけるコピー操作を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の上述及び他の技術的内容、特徴、機能及び効果は、添付した図面に基づく以下のような好ましい実施例における詳細な説明により明確になる。なお、以下の実施例に言及される方向についての用語、例えば、上、下、左、右、前、後などは、添付した図面の方向に過ぎない。よって、使用される方向の用語は、本発明を説明するためだけのものであり、本発明を限定するためのものではない。
【0012】
図1は、本発明の一実施例による投影システムのブロック図であるが、これは、説明を便利にするものに過ぎず、本発明を限定するものではない。まず、図1に基づいて、システムにおける全ての構成要素及び配置関係を説明する。詳細な機能については、図2を基に後述する。
【0013】
図1を参照するに、投影システム100は、投影機110_1~110_N、表示器120、入力装置130及び処理装置140を含み、そのうち、処理装置140は、投影機110_1~110_N、表示器120及び入力装置130に接続される。
【0014】
投影機110_1~110_Nは、投影画面を壁面、スクリーンなどの平面に投影するために用いられ、それらは、液晶投影機(Liquid Crystal Projector、LCP)、デジタル光学処理(Digital Light Processing、DLP)投影機、反射型液晶(Liquid Crystal On Silicon、LCOS)投影表示装置などであっても良い。本実施例では、投影機110_1~110_Nはさらに、光源モジュール、光機モジュール、レンズモジュール、関連光学及び回路制御素子、画像処理回路などを含んでも良い。
【0015】
表示器120は、画面を表示するために用いられ、それは、液晶表示器(Liquid-Crystal Display、LCD)、発光ダイオード(Light-Emitting Diode、LED)表示器又は他の類似装置であっても良い。入力装置130は、マウス、ハンドヘルドコントローラー、ジョイスティック、トラックボール、キーボードなどの、ユーザと表示器110の表示画面とのやり取りを実現し得る入力デバイスであっても良い。一実施例において、表示器120及び入力装置130はさらに、表示及び入力機能を同時に提供し得るタッチパネル、即ち、タッチ検出素子を統合した表示器であっても良い。また、タッチ検出素子は、表示器120上で列及び行に配置され、ユーザの指、手のひら又は他のオブジェクトのタッチパネルに対するタッチを検出するために用いられる。タッチ検出素子は、例えば、静電容量式タッチ検出素子、抵抗式タッチ検出素子、表面音波タッチ検出素子、電磁式タッチ検出素子、光学式タッチ検出素子又は近接場結像タッチ検出素子であっても良い。
【0016】
処理装置140は、記憶器及び処理器を含む。処理装置130は、デスクトップコンピュータ、ノートブックコンピュータ、ワークステーション(work station)、産業用コンピュータ、サーバホストなどの、演算能力を有するコンピュータ制御システムであっても良い。記憶器は、任意の種類の固定式又は移動可能なRAM(random access memory)、ROM(read-only memory)、フレッシュメモリ(flash memory)、ハードディスク又は他の類似装置、集積回路、及びその組み合わせであっても良く、バッファリングデータ、永久データ及び処理装置130の機能を実行するためのコンパイラなどのデータを記憶するために用いられる。処理器は、中央処理装置(central processing unit、CPU)、グラフィックスプロセッシングユニット(graphic processing unit、GPU)又は他のプログラム可能な一般用途又は特定用途向けマイクロプロセッサ(microprocessor)、デジタル信号処理器(digital signal processor、DSP)、プログラム可能な制御器、特定用途向け集積回路(application specific integrated circuits、ASIC)、プログラム可能な論理装置(programmable logic device、PLD)又は他の類似装置、集成回路、及びその組み合わせであっても良い。
【0017】
図2は、本発明の一実施例における投影画面の調整方法のフローチャートである。図2におけるステップは、図1に示す投影システム100の各素子により実現することができる。
【0018】
図1及び図2を同時に参照する。まず、処理装置140は、投影機110_1~110_Nの間の配列情報を取得する(ステップS202)。ここでの配列情報は、投影機110_1~110_Nの間の相対位置関係を表す情報であっても良く、それは、処理装置140に事前記憶されるものであって良く、処理装置140が入力装置130によりユーザの入力を受け取ることで取得するものであっても良く、或いは、組み込まれる検出メカニズムにより判定されるものであっても良い。
【0019】
続いて、処理装置140は、配列情報に基づいて、投影機110_1~110_Nの投影画面に対応する複数の調整可能な領域を表示器110に同時に表示し、且つ上述の複数の調整可能な領域を投影機110_1~110_Nの投影画面に同時に表示する(ステップS204)。これにより、処理装置140は、ユーザが後続のステップで投影機110_1~110_Nに対応する調整可能な領域及び投影機110_1~110_Nによりつなぎ合わせられた投影画面を同時に見ることができるようにさせることで、ユーザに、調整後の結果が予期と一致するかをより直観的に判断させることができる。
【0020】
具体的に言えば、処理装置140は、第一調整可能な領域に対応するパラメータ設定インターフェースを表示器120に表示することができ、そのうち、第一調整可能な領域は、投影機110_1~110_Nのうちの第一投影機(例えば、投影機110_1)に対応する(ステップS206)。処理装置140は、入力装置130により、第一調整可能な領域と関連付けられる選択操作を受け取ることで、第一パラメータ値に基づいて第一投影機110_1の投影画面を調整及び表示する(ステップS208)。ここで、処理装置140は、自動検出を行うことで、第一調整可能な領域を調整する必要があるかを判断することができ、或いは、入力装置130によりユーザの第一調整可能な領域に対する選択を取得することで、第一調整可能な領域を調整する必要があるかを判断することができる。その後、処理装置140が第一調整可能な領域に対応するパラメータ設定インターフェースを表示器120に表示することで、ユーザは、第一調整可能な領域のパラメータ値に対して調整を行い、そして、調整後のパラメータ値(即ち、前述の「第一パラメータ値」)を第一投影機110_1に伝送することにより、第一投影機110_1に、第一パラメータ値に基づいて投影画面を同期して投射させることができる。
【0021】
上述の動作フローをより明確にするために、以下、投影機110_1及び投影機110_2の1×2つなぎ合わせ画面を例にとって説明する。なお、以下の実施例も同様に図1に示す投影システム100の各素子により実現することができる。
【0022】
本実施例では、まず、処理装置140は、投影機110_1及び投影機110_2間の相対位置関係を取得し、そして、相対位置関係に基づいて投影機110_1及び投影機110_2の投影画面のオーバーラップ領域及び非オーバーラップ領域を計算する。図3は、本発明の一実施例における投影機の配列位置の設定インターフェースを示す図である。図3を例とすると、処理装置140は、先に、設定インターフェース300を表示器120に表示することで、ユーザに、投影機110_1及び投影機110_2の配列位置を入力させる。ユーザは、入力装置130により、設定インターフェース300のうちから投影機110_1及び投影機110_2の配列位置に対応する設定領域310及び設定領域320をクリックして選択することができる。処理装置140は、これに基づいて投影機110_1及び投影機110_2の所在する位置及びその投影画面を検出することにより、2つの投影画面のオーバーラップ領域及び非オーバーラップ領域を計算することができる。
【0023】
次に、処理装置140は、配列情報に基づいて、投影機110_1及び投影機110_2の投影画面に対応するオーバーラップ領域及び非オーバーラップ領域を表示器120に同時に表示し、それぞれ、調整可能な領域とする。これらの調整可能な領域は、互いにオーバーラップしない。続いて、処理装置140は、ユーザのこれらの調整可能な領域のうちの1つに対する選択操作を受け取ることで、選択された調整可能な領域を前述の図2におけるステップS206に言及された第一調整可能な領域とする。図4は、本発明の一実施例における調整可能な領域を示す図である。図4を例とすると、領域410、420は、それぞれ、投影機110_1、110_2に対応し、そのうち、OL41、OL42は、オーバーラップ領域であり、NOL41、NOL42は、非オーバーラップ領域である。ユーザは、入力装置130により、調整しようとする領域をクリックして選択することができる。本実施例では、投影機110_1、110_2のオーバーラップ領域における重ね合わせ輝度に対して調整を行うことができるのみならず、投影機110_1、110_2の間の投影機自体の違いに対して非オーバーラップ領域の色校正を行うこともできるので、ユーザが調整し得る領域は、オーバーラップ領域OL41、OL42又は非オーバーラップ領域NOL41、NOL42に限定されない。例えば、ユーザが選択した調整可能な領域がオーバーラップ領域OL41であるとする場合、処理装置140は、オーバーラップ領域OL41を第一調整可能な領域と設定することができる。
【0024】
また、処理装置140はさらに、第一調整可能な領域において制御点を表示することにより、ユーザに、第一調整可能な領域の範囲を微調整させることができる。図4を例にとると、処理装置140は、4つの制御点401~404をオーバーラップ領域OL41の隣接する領域(例えば、矩形状)のコーナーに表示することができる。他の実施例において、処理装置140は、例えば、3種類の制御点の個数(4個の点、8個の点及び16個の点と言う3種類の個数)を提供してユーザの選択に供することもできる。しかしながら、投影機110_1~110_Nが投影画面を投射する壁面、スクリーンなどが平面でなく、又は、投影機110_1~110_Nに対して傾斜する可能性があるので、複数のオーバーラップ領域及び複数の非オーバーラップ領域は、通常の矩形状でない可能性がある。そのため、実際の状況に合わせるために、より多くの制御点を提供してユーザの調整に供する必要がある。
【0025】
図5は、本発明の一実施例における第一調整可能な領域及びその制御点を示す図である。図5を例とすると、制御点の個数が4であるときに、制御点511~514は、第一調整可能な領域510の隣接する領域(矩形状)のコーナーに表示することができる。制御点の個数が8であるときに、制御点521~528は、第一調整可能な領域520の隣接する領域(矩形状)に表示し、且つ隣接する領域(矩形状)の辺縁(コーナーを含む)において均一に(等間隔で)位置することができる。制御点の個数が16であるときに、制御点531~546は、第一調整可能な領域530の隣接する領域(矩形状)の辺縁(コーナーを含む)において均一に(等間隔で)位置することができる。
【0026】
本実施例では、処理装置140は、入力装置130により、そのうちの1つの調整可能な領域に対しての選択操作を受け取り、そして、選択された調整可能な領域の複数の制御点又は複数の境界線を調整インターフェースに表示することで、ユーザが入力装置130により少なくとも1つの制御点又は少なくとも1つの境界線に対して行った移動操作を受け取り、選択された調整可能な領域を調整し、そして、第一調整可能な領域と設定することができる。例えば、ユーザが入力装置130によりそのうちの1つの制御点(以下、「第一制御点」とも言う)を移動する場合、処理装置140は、移動後の第一制御点及び他の制御点により構成される領域を第一調整可能な領域と設定することができる。ユーザが入力装置130によりそのうち1つの境界線(以下、「第一境界線」とも言う)を移動する場合、処理装置140は、移動後の第一境界線及び他の境界線により構成される領域を第一調整可能な領域と設定することができる。また、より良いユーザ体験を達成するために、処理装置140は、全ての投影画面のオーバーラップ領域と非オーバーラップ領域との間の複数の仕切り線を選択的に表示することもできる。これらの仕切り線の色は、第一調整可能な領域の制御点及び境界線の色とは異なっても良い。
【0027】
具体的に言えば、図6A図6Dは、本発明の一実施例における調整可能な領域の調整インターフェースを示す図である。
【0028】
図6Aを参照するに、調整インターフェース600Aにおける領域610、620は、それぞれ、投影機110_1、110_2に対応し、そのうち、OL61、OL62は、オーバーラップ領域であり、NOL61、NOL62は、非オーバーラップ領域である。ここで、ユーザが選択した調整可能な領域は、非オーバーラップ領域NOL61であり、処理装置140は、調整可能な領域NOL61の所定の4つの制御点601~604及び境界線a1~a4を調整インターフェース600Aに表示することができる。本実施例では、調整インターフェース600Aにはさらに、制御点の個数の調整領域650、及び調整可能な領域NOL61に対応する投影機情報を示す表示領域660が含まれる。なお、本発明は、これに限られない。例えば、ユーザは、調整インターフェース600Aにおける制御点の個数の調整領域601Aにおいて制御点の個数を4から8に増やすことで、図6Bに示す調整インターフェース600Bに進み、より細かい調整を行うことができる。また、処理装置140は、全ての投影画面のオーバーラップ領域OL61、OL62と非オーバーラップ領域NOL62との間の複数の仕切り線を選択的に表示することもできる。なお、これらの仕切り線の色は、非オーバーラップ領域NOL61(即ち、第一調整可能な領域)の制御点及び境界線の色とは異なっても良い。
【0029】
図6Bを参照するに、本実施例では、処理装置140は、調整可能な領域NOL61の8つの制御点611~618及び境界線b1~b8を調整インターフェース600Bに表示することができる。例えば、ユーザは、制御点613をクリックして選択し、そして、マウス(入力装置130)のドラッグ又はキーボードの方向キー(入力装置130)の移動により、制御点613の位置を調整することができる。制御点613を移動するときに、その両端の線分b2、b3もそれに伴って変化する。ユーザは、これに基づいて、調整可能な領域NOL61の境界線を実際の投影画面に対応するオーバーラップ領域の境界線に移動することができる。なお、もう1つの実施例において、ユーザは、制御点により調整を行うことでなく、調整可能な領域NOL61の境界線を直接移動することもできるが、本発明は、これに限定されない。どんな方式で調整可能な領域NOL61を調整するかにもかかわらず、処理装置140は、ユーザの調整に基づいて調整の結果を投影画面に同期して投影することにより、ユーザに、調整可能な領域NOL61が調整しようとする領域と完全にオーバーラップしているかを即時に確認させることができる。
【0030】
ユーザは、調整可能な領域NOL61を調整した後に、調整可能な領域NOL61に対して関連パラメータ(例えば、色(RGB)の値)の修正を行うことができる。色(RGB)の値は、当業者に容易に知られる代表的な値である。例えば、表示器120には、図6Cの調整インターフェース600Cが示され、ユーザは、パラメータ設定パターンPSをクリックして選択した後に、図6Dの調整インターフェース600Dに進むことができる。
【0031】
図6Dを参照するに、調整インターフェース600Dは、調整可能な領域NOL61のパラメータ設定インターフェースPSAを示すことができる。本実施例では、ユーザは、マウスを用いることで、又はタッチ&ドラッグの方式でRGB値を調整することができる。他の実施例において、ユーザは、キーボードを利用してRGB値を入力することもできる。処理装置140は、RGB値を投影機110_1に伝送し、投影機110_1は、RGB値に基づいてその投影画面を同期して調整することができる。これにより、ユーザは、校正が完了しているかを観察することができる。
【0032】
ユーザがそのうちの1つの調整可能な領域を調整した後に、処理装置140は、ユーザに、直接、調整済みの調整可能な領域のパラメータ値を他の調整可能な領域に流用させることもできる。例えば、第一調整可能な領域に対して調整を行う前に、調整済みの調整可能な領域(以下、「第二調整可能な領域」と言う)があるとする。処理装置140は、第二調整可能な領域の選択操作に基づいて、第一調整可能な領域における選択操作を実行することができる。具体的に言えば、処理装置140は、入力装置130により、第二調整可能な領域に対してのコピー操作を受け取り、そして、第二調整可能な領域のコピー操作に対応する第二パラメータ値によって第一調整可能な領域の第一パラメータ値を設定する。
【0033】
図7は、本発明の一実施例におけるコピー操作を示す図である。図7を例にとり、領域710は投影機110_1に対応するとする。ユーザが調整済みの領域R2のパラメータ値を調整しようとする領域R1に流用する場合、処理装置140は、先に色を吸収するスポイトツール70などのショートカットツール(即ち、調整済みの領域R2のパラメータ値をコピーする選択操作)を提供することにより、調整済みの領域R2のパラメータ値をコピーし、そして、調整しようとする領域R1に行って色を塗りつぶす(fill)ことができる。これにより、調整済みの領域R2のパラメータ値を調整しようとする領域R1に流用することで、ユーザの設定時間を大幅に節約することができる。
【0034】
以上のことから、本発明による投影システム及びその投影画面の調整方法により、ユーザが複数の投影機の間の配列情報を設定した後に、ブラックレベルを有する領域を微調整するだけで、投影してつなぎ合わせを行うときに生じる色、輝度の不均一や唐突な色むらの問題を解決することができる。これにより、直観的且つ簡単な方式で全体投影つなぎ合わせ画面の融合を達成することができる。
【0035】
本発明は、前述した好適な実施例に基づいて以上のように開示されたが、前述した好適な実施例は、本発明を限定するためのものでなく、当業者は、本発明の技術思想と範囲を離脱しない限り、本発明に対して些細な変更と潤色を行うこともできるので、本発明の保護範囲は、添付した特許請求の範囲に定まったものを基準とする。また、本発明の何れの実施例又は特許請求の範囲は、本発明に開示されたすべての目的又は利点又は特徴を達成する必要がない。また、要約の一部と発明の名称は、文献の検索を助けるためのみのものであり、本発明の技術的範囲を限定するものでない。また、本明細書又は特許請求の範囲に言及されている「第一」、「第二」などの用語は、要素(element)に名前を付け、又は、他の実施例又は範囲を区別するためのものみであり、要素の数上での上限又は下限を限定するためのものでない。
【符号の説明】
【0036】
100:投影システム
110:投影機
120:表示器
130:入力装置
140:処理装置
S202~S208:ステップ
300:設定インターフェース
310、320:設定領域
410、420、610、620、710:領域
OL41、OL42、OL61、OL62:オーバーラップ領域
NOL41、NOL42、NOL61、NOL62:非オーバーラップ領域
401~404、511~514、521~528、531~546、601~604、611~618:制御点
510、520、530:第一調整可能な領域
600A、600B、600C、600D:調整インターフェース
a1~a4、b1~b8:境界線
650:調整領域
660:表示領域
PSA:パラメータ設定インターフェース
R1:調整しようとする領域
R2:調整済みの領域
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図6C
図6D
図7