(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-19
(45)【発行日】2024-03-28
(54)【発明の名称】拡散装置
(51)【国際特許分類】
A61M 1/18 20060101AFI20240321BHJP
B01D 61/00 20060101ALI20240321BHJP
B01D 63/02 20060101ALI20240321BHJP
【FI】
A61M1/18 517
A61M1/18 525
B01D61/00
B01D63/02
(21)【出願番号】P 2021535659
(86)(22)【出願日】2019-12-20
(86)【国際出願番号】 EP2019086512
(87)【国際公開番号】W WO2020127865
(87)【国際公開日】2020-06-25
【審査請求日】2022-12-09
(32)【優先日】2018-12-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】501473877
【氏名又は名称】ガンブロ・ルンディア・エービー
【氏名又は名称原語表記】GAMBRO LUNDIA AB
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】弁理士法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ドナート,ダニロ
(72)【発明者】
【氏名】コルブ,ミヒャエル
【審査官】白土 博之
(56)【参考文献】
【文献】特開昭62-172964(JP,A)
【文献】西独国特許出願公開第03711695(DE,A)
【文献】国際公開第2017/051600(WO,A1)
【文献】特開平04-075664(JP,A)
【文献】特開昭53-080796(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 1/18
B01D 61/00
B01D 63/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
拡散装置(100)であって、
a)円筒形ハウジング(110)と、
b
)ハウジング(110)の内側に配置され
、ハウジング(110)の内壁と接触される円筒形シェルを形成する、複数の半透性中空糸膜(120)と、
c)ハウジング(110)の第1の口を封止し、ハウジング(110)内に血液を導入するための入口(131)を備えた第1のエンドキャップ(130)であって、入口(131)がハウジング(110)の長手方向軸線(111)と同軸である、第1のエンドキャップと、
d)入口(131)を円筒形シェルの内周(150)に接続する回転対称形の血液ダクト(140)であって、血液ダクト(140)が第1の内面(141)および第2の内面(145)によって画定される、回転対称形の血液ダクトと、
を備え、
第1の内面(141)は、直径が増大する方向に、円筒または円錐台の形態をとる第1の部分(142)と、第1の部分(142)と円筒形シェルの内周(150)とを連結する第2の部分(143)とを備え、第2の部分(143)は
円環面の形態をとり、該第2の部分は、i)長手方向軸線(111)、ii)第1の部分(142)および第2の部分(143)の交点、ならびに、iii)円筒形シェルの内周(150)および第2の部分(143)の交点、が交差する直線(A)と、円筒形ハウジング(110)の長手方向軸線(111)との間に55°~80°の範囲の角度αを有し、直線(A)と第2の部分(143)の表面との間の垂直距離(a)の最大値は0.5~1mmの範囲にあり、
第2の内面(145)は、円筒形シェルの内周(150)に架かり、該第2の内面は、i)長手方向軸線(111)における第2の内面(145)との交点、ならびに、ii)円筒形シェルの内周(150)および第2の内面(145)の交点、が交差する直線(B)と、円筒形ハウジング(110)の長手方向軸線(111)との間に55°~80°の範囲の角度βを有し、直線(B)と第2の内面(145)の表面との間の垂直距離(b)の最大値は0.5~1mmの範囲にあり、
円筒形シェルの内周(150)における第1の内面(141)と第2の内面(145)との間の距離(d)は2~3mmの範囲であり、第1の内面(141)の第2の部分(143)と第2の内面(145)との間の最小距離は1mm以上である、拡散装置。
【請求項2】
垂直距離(a)の最大値は
0.5mmであり、垂直距離(b)の最大値は
0.5mmであり、第1の内面(141)の第2の部分(143)と第2の内面(145)との間の最小距離は
1mmである、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
第2の内面(145)の中心における第2の内面(145)の曲率半径は、反対側の、第1の内面(141)の第2の部分(143)の曲率半径よりも小さい、請求項1または2に記載の装置。
【請求項4】
回転対称形の血液ダクト(140)は、血液ダクト(140)の第1の内面(141)を提供する外面を有する第1の構成部品(301)と、血液ダクト(140)の第2の内面(145)を提供する外面を有する第2の構成部品(302)とを組み立てることによって形成される、請求項1~
3のいずれか一項に記載の装置。
【請求項5】
血液ダクト(140)の第1の内面(141)を提供する第1の構成部品の外面は、少なくとも3つの突起部を特徴とし、血液ダクト(140)の第2の内面(141)を提供する第2の構成部品の外面は
、凹部を特徴とし、突起部およ
び凹部は、第1および第2の構成部品の組み立て時
に、血液ダクト(140)の第1および第2の内面(141,145)間の間隔を決定するように構成されている、請求項
4に記載の装置。
【請求項6】
血液ダクト(140)の第1の内面(141)を提供する第1の構成部品の外面は、少なくとも3つの凹部(310)を特徴とし、血液ダクト(140)の第2の内面(141)を提供する第2の構成部品の外面は
、突起部(311)を特徴とし、凹部(310)およ
び突起部(311)は、第1および第2の構成部品の組み立て時
に、血液ダクト(140)の第1および第2の内面(141,145)間の間隔を決定するように構成されている、請求項
4に記載の装置。
【請求項7】
第1および第2の構成部品がポリカーボネートからなる、請求項
4~6のいずれか一項に記載の装置。
【請求項8】
ハウジング(110)の第2の口を封止する第2のエンドキャップ(500)をさらに備える、請求項1~
7のいずれか一項に記載の拡散装置。
【請求項9】
半透性中空糸膜(120)は、液体不透過性かつガス透過性である、請求項1~
8のいずれか一項に記載の拡散装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、改善された流れ特性を有する、血液酸素付加装置またはガス交換装置などの拡散装置に関する。
【背景技術】
【0002】
血液酸素付加装置またはガス交換装置として使用される拡散装置は、一般に、繊維空洞によって形成された第1の流れ空間と、外側の膜を囲む第2の流れ空間との間に封止が設けられるように、ケーシング内に配置された中空糸膜の束を有する管状ケーシングを包含する。第2の流れ空間に接続された血液流入部の設計に伴う1つの問題は、中空糸束の個々の繊維間に液体を均等に分配し、入口におけるデッドゾーンの形成、すなわち流速が約0の場合を回避することである。血栓は、そのようなデッドゾーン内に形成されることがあり、治療の完了後、患者の血液の一部はそこに残る。入口の直径が繊維束の直径よりも小さいと、血流の速度が低下する。したがって、入口の設計は、装置の最適な動作を保証するために特に重要である。
【0003】
独国特許出願公開第3711695号明細書は、血液またはその成分の体外処理のための装置のディフューザ類似の設計の、回転対称形流路を有する分配キャップを開示しており、流路の長さよりも短い長さのコアを、流路の端部に向かって提供することが可能である。流路およびコアの輪郭は1つの式によって固定され、これにより、流れの剥離または死水域が存在しないように流れチャネル内の流れが誘導され、流路の全長にわたる流量の線形遅延、したがって平均流量の二次減少が達成される。
【0004】
米国特許第7871566号明細書は、液体中の物質を増大および/または減少させるための装置を教示している。装置は、膜モジュールであって、本質的に同心要素からなり、増大および/または減少される物質が運ばれ、それによって液体が分離要素の外側に運ばれる分離要素を有する膜モジュールと、液体を搬送する搬送要素を駆動するための駆動ユニットを包含する駆動モジュールであって、駆動ユニットは、内側に位置する中央インペラ用の径方向磁気カップリングを有する駆動モジュールと、装置を通って液体を搬送するための搬送モジュールであって、搬送要素を収容し、それにより、駆動モジュールは、液密閉鎖部を用いて膜モジュールに挿入され、膜モジュールから取り外されるように構成される搬送モジュールと、外側繊維束および内側繊維束を有する酸素付加装置と、外側繊維束と内側繊維束との間に配置された電磁駆動ユニットと、を備える。
【0005】
米国特許第8647569号明細書は、急速に変化する速度で回転する環状円筒形中空糸膜の束を有する静脈体外酸素付加装置を開示している。血液は、装置の中心に導入され、繊維束を半径方向に通過する。束は、回転アクチュエータによって急速に変化する速度で回転される。繊維束の回転は、装置のポンピング能力を与える血液に遠心運動エネルギーを提供し、テイラー渦を生成して物質移動を増加させることができる。繊維束の回転は、血液と中空糸との間の相対速度を増加させ、物質移動を増加させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】独国特許出願公開第3711695号明細書
【文献】米国特許第7871566号明細書
【文献】米国特許第8647569号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、装置内でより均一な血流を有し、血流速度がほぼ0である領域(デッドゾーン)がない拡散装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様によれば、改善された流れ特性を有する拡散装置が提供される。装置は、円筒形ハウジングと、ハウジング内に配置された複数の中空糸膜と、ハウジングの口を封止するエンドキャップとを備える。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本開示の拡散装置の一実施形態の概略部分断面図である。
【
図2】本開示の拡散装置の別の実施形態の側断面図である。
【
図3】本開示の拡散装置の一実施形態の血液ダクトを提供する2つの構成部品の組立体の側面図および断面図である。
【
図4】本開示の拡散装置の一実施形態の血液ダクトを提供するための第1の構成部品の断面図である。
【
図5】本開示の拡散装置の実施形態の血液ダクトを提供するための第2の構成部分の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本開示の拡散装置は、円筒形ハウジングを備える。一実施形態では、円筒形ハウジングは、ハウジングの外壁に配置された、血液のための出口を提供する。さらなる実施形態では、血液出口は、第1のエンドキャップと対向する円筒形ハウジングの端部の近くに配置される。一実施形態では、円筒形ハウジングはポリカーボネートからなる。
【0011】
複数の半透性中空糸膜が、ハウジングの内壁に隣接する円筒形シェル内のハウジングの内側に配置される。
【0012】
一実施形態では、半透性中空糸膜はガス交換膜であり、すなわち、酸素および二酸化炭素などのガスには透過可能であるが、液体には不透過性である。
【0013】
さらなる実施形態では、半透性中空糸膜は、円筒形コアに巻き付けられた中空糸マットの形態で配置される。中空糸マットは、円筒形ハウジングの内面に接触する円筒形シェルを形成する。中空糸の端部は開いており、その結果、中空糸の内腔を通って、すなわちハウジングの一方の口からその反対側の口へとガス流を導かれることができる。拡散装置の動作中、血液は中空糸の外側を流れ、ガスは中空糸の壁を双方向に透過することができる。装置の一実施形態では、中空糸の内腔によって形成された流れ空間は、端壁によって中空糸の外側の流れ空間から分離されている。一実施形態では、端壁は、繊維端部をポリウレタン樹脂でポッティングによって形成される。樹脂が硬化した後、中空糸の端部を切断して中空糸の内腔を再び開く。
【0014】
拡散装置は、ハウジングの第1の口を封止する第1のエンドキャップを備える。エンドキャップは、ハウジング内に血液を導入するための入口を備え、入口は、第1のエンドキャップの中心に軸線方向に配置される。一実施形態では、標準的な血液ラインコネクタに適合する二条ねじが入口の周りに設けられる。エンドキャップの内面は、入口の長手方向軸線を中心に回転対称形である。入口はまた、ハウジングの長手方向軸線と同軸である。さらなる実施形態では、エンドキャップはまた、拡散装置からガス、例えば二酸化炭素を含むガス混合物を排出するための出口を備える。
【0015】
拡散装置は、入口を円筒形シェルの内周に接続する回転対称形の血液ダクトを備える。血液ダクトは、第1の内面および第2の内面によって画定される。
【0016】
第1の内面は、直径が増大する方向に、円筒または円錐台の形態をとる第1の部分と、第1の部分と円筒形シェルの内周とを連結する第2の部分とを備える。第2の部分は環状セグメントの形態をとり、該第2の部分は、i)長手方向軸線(111)、ii)第1の部分(142)および第2の部分(143)の交点、ならびに、iii)円筒形シェルの内周(150)および第2の部分(143)の交点、が交差する直線(A)と、円筒形ハウジング(110)の長手方向軸線(111)との間に角度αを有する。本開示の拡散装置において、角度αは、55°~80°の範囲内であり、直線(A)と第2の部分の表面との間の垂線距離(a)の最大値は、0.5~1mmの範囲内である。本開示の拡散装置の一実施形態では、角度αは70°~80°の範囲内である。一実施形態では、第2の部分の曲率半径5は、18から21mmの範囲である。
【0017】
第2の内面は、円筒形シェルの内周に架かっている、すなわち、第2の内面は、円筒形シェルによって画定された中空円筒の完全な断面に架かっている。本開示の拡散装置では、該第2の内面は、i)長手方向軸線(111)における第2の内面(145)との交点、ならびに、ii)円筒形シェルの内周(150)および第2の内面(145)の交点が交差する直線(B)と、円筒形ハウジング(110)の長手方向軸線(111)との間の角度βは55°~80°の範囲にあり、直線(B)と第2の内面の表面との間の垂直距離(b)の最大値は、0.5~1mmの範囲にある。本開示の拡散装置の一実施形態では、角度βは70°~80°の範囲内である。
【0018】
本開示の拡散装置では、円筒形シェルの内周における第1の内面と第2の内面との間の距離(d)は、2~3mmの範囲であり、第1の内面の第2の部分と第2の内面との間の最小距離は、1mm以上である。拡散装置の一実施形態では、最小距離は1.0mmである。
【0019】
本開示の拡散装置の一実施形態では、垂直距離(a)当たりの最大値は、(0.5±0.05)mmであり、垂直距離(b)の最大値は(0.5±0.05)mmであり、第1の内面の第2の部分と第2の内面との間の最小距離は(1±0.1)mmである。
【0020】
本開示の拡散装置の一実施形態では、第2の内面の曲率半径は、第2の内面の中心において、第1の内面の第2の部分の反対側の曲率半径よりも小さい。一実施形態では、第1の内面の第2の部分の反対側の曲率半径は、22~26mmの範囲である。さらなる実施形態では、第2の内面の中心における曲率半径は、2~4mmの範囲である。
【0021】
本開示の拡散装置の一実施形態では、第1の内面の第1の部分は、円筒の形態をとる。別の実施形態では、第1の内面の第1の部分は、0.1°~2°の範囲の開口部を有する円錐台の形態をとる。
【0022】
本開示の拡散装置の一実施形態では、回転対称形の血液ダクトは、血液ダクトの第1の内面を提供する外面を有する第1の構成部品と、血液ダクトの第2の内面を提供する外面を有する第2の構成部品とを組み立てることによって形成される。
【0023】
一実施形態では、 血液ダクトの第1の内面を提供する第1の構成部品の外面は、少なくとも3つの突起部を特徴とし、血液ダクトの第2の内面を提供する第2の構成部品の外面は、対応する凹部を特徴とする。突起部および対応する凹部は、第1および第2の構成部品の組み立て時に相互作用し、血液ダクトの第1および第2の内面間の間隔を決定するように構成される。さらなる実施形態では、4つの突起部および4つの対応する凹部は、部品の円周にわたって、すなわち0°、90°、180°、および270°に均等に分配されている。
【0024】
一実施形態では、血液ダクトの第1の内面を提供する第1の構成部品の外面は、少なくとも3つの凹部を特徴とし、血液ダクトの第2の内面を提供する第2の構成部品の外面は、対応する突起部を特徴とする。凹部および対応する突起部は、第1および第2の構成部品の組み立て時に相互作用し、血液ダクトの第1および第2の内面間の間隔を決定するように構成される。
【0025】
本開示の拡散装置の一実施形態では、第1および第2の構成部品はポリカーボネートで構成される。
【0026】
本開示の拡散装置の一実施形態は、ハウジングの第2の口、すなわち第1のエンドキャップを有する口に対向する口を封止する第2のエンドキャップをさらに備える。第2のエンドキャップは、ガス、例えば空気または酸素を拡散装置に導入するための入口を提供する。
【0027】
本開示の装置のハウジングおよびエンドキャップは、通常、透明ポリマー、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、PETまたはPBTのようなポリエステル、ポリメチル(メタ)アクリレート、ポリスチレン(HIPS)、またはポリカーボネートで作製される。中空糸膜のポッティング材料は、通常、ポリウレタンである。本発明の装置の一実施形態では、ハウジングおよびキャップはポリカーボネート製であり、端壁を形成するポッティング材料はポリウレタンからなる。
【0028】
以下、本開示の拡散装置について、図面を参照しながらより詳細に説明する。図面は、本開示の範囲を限定することを意図するものではなく、装置の好ましい実施形態の単なる例示であることを理解されたい。
【0029】
図1は、前述の開示で提案された拡散装置100の一実施形態の部分断面図を示す。装置100は、装置100の長手方向軸線111に対して回転対称であるため、断面の半分のみが
図1に示されている。
図1に示すように、装置100は、装置100の第1のエンドキャップ130の中心に軸線方向に配置された血液用の入口131を備える。エンドキャップ130の内面は、エンドキャップ130の長手方向軸線およびハウジング110の長手方向軸線111でもある入口の長手方向軸線を中心に回転対称である。入口131は、ハウジング110の長手方向軸線111と同軸線である。
【0030】
複数の半透性中空糸膜120が、ハウジング110の内壁に隣接する円筒形シェル内のハウジング110の内側に配置される。円筒形シェルの内周150は、ハウジング110内の空洞を画定する。
【0031】
回転対称形の血液ダクト140は、入口131を円筒形シェルの内周150に接続する。血液ダクト140は、第1の内面141および第2の内面145によって画定される。
【0032】
第1の内面141は、直径が増大する方向に、円錐台の形態を有する第1の部分142と、第1の部分142と円筒形シェルの内周150とを接続する第2の部分143とを備える。第2の部分143は、環状セグメントの形態を有する。円筒形ハウジング110の長手方向軸線111と、i)長手方向軸線111、ii)第1の部分142と第2の部分143との交点、およびiii)第2の部分143と円筒形シェルの内周150との交点と交差する直線Aとの間の角度αは、55°~80°の範囲内である。直線Aと第2の部分143の表面との間の垂直距離aの最大値は、0.5~1mmの範囲内である。
【0033】
第2の内面145は、円筒形シェルの内周150に及ぶ。円筒形ハウジング110の長手方向軸線111と、i)第2の内面145および25との交点における長手方向軸線111、ii)第2の内面145と円筒形シェルの内周150との交点と交差する直線Bとの間の角度βは、55°~80°の範囲内である。直線Bと第2の内面145の表面との間の垂直距離bの最大値は、0.5~1mmの範囲内である。
【0034】
円筒形シェルの内周150における第1の内面141と第2の内面145との間の距離dは、2~3mmの範囲内である。第1の内面141の第2の部分143と第2の内面145との間の最小距離は、1mm以上である。
【0035】
図2は、本開示の拡散装置100の別の実施形態の断面図を示す。装置の拡大詳細
図XおよびYもまた示されている。円筒形ハウジング110の口は、第1のエンドキャップ130および第2のエンドキャップ500によってそれぞれ覆われている。ハウジング110は、第2のエンドキャップ500に隣接してハウジングの外壁に配置された血液入口115を有する。第1のエンドキャップ130は血液入口131およびガス出口132を特徴とし、第2のエンドキャップ500はガス入口501を特徴とする。中空糸120は、ハウジング110の内壁面に接し、周囲150によって制限された円筒形シェル内のハウジング110内に配置される。端壁400は、中空糸120のルーメンおよび第2のエンドキャップ500および第1のエンドキャップ130によって画定された空洞によって形成された第1の流れ空間を、血液入口131、血液ダクト140、および円形シェル内の中空糸120の外側の空間、すなわちハウジング110の内壁面と周囲150との間によって画定された第2の流れ空間から分離する。2つの構成部品301および302の組立体によって形成されたコアは、周囲150によって制限された空洞内に配置される。構成部品301は、4つの凹部310を特徴とし、構成部品302は、4つの対応する突起部311を有する。突起部311は、コアの組み立て時に凹部310に入り、血液ダクト140、第1の表面141を画定する構成部品301、血液ダクト140の第2の表面145を画定する構成部品302を共に形成する。
【0036】
図3は、本開示の拡散装置の一実施形態の血液ダクト140を提供する、2つの構成部品301および302の組立体の側面図および断面図である。構成部品301は、4つの凹部310を特徴とし、構成部品302は、4つの対応する突起部311を有する。突起部311は、コアの組み立て時に凹部310に入り、血液ダクト140を形成する。
【0037】
図4は、本開示の拡散装置の一実施形態の血液ダクトを提供するための、第1の構成部品301の断面図である。構成部品301の外面141は、血液ダクトの第1の表面を提供する。表面141は、第1の部分142および第2の部分143を有する。示される実施形態では、第1の部分142は、1°の開口部を有する、頂部が切られた形状の円錐の形態を有し、第2の部分143は、曲率半径19.5mmの環状セグメントの形態を有する。構成部品301は、第2の構成部品の対応する突起部と相互作用するように構成された4つの凹部310を特徴とする。
【0038】
図5は、本開示の拡散装置の実施形態の血液ダクトを提供するための、第2の構成部品302の断面図および構成部品302の拡大詳細
図Xを示す。構成部品302の外面145は、血液ダクトの第2の表面を提供する。図示の実施形態では、表面145は、その周囲よりもその中心でより小さい曲率半径を有する。表面145の中心の曲率半径は3mmであるが、その中心からさらに離れた表面145の曲率半径は24mmである。構成部品302は、第2の構成部品の対応する突起部と相互作用するように構成された4つの突起部311を特徴とする。
【符号の説明】
【0039】
100 拡散装置
110 円筒形ハウジング
111 円筒形ハウジングの長手方向軸線
115 血液出口
120 中空糸膜/円筒形シェル
130 第1のエンドキャップ
131 血液入口
132 空気出口
140 血液ダクト
141 第1の内面
142 第1の内面の第1の部分
143 第1の内面の第2の部分
145 第2の内面
150 円筒形シェルの内周
301 第1の構成部品
302 第2の構成部品
310 凹部
311 突起部
400 端壁
500 第2のエンドキャップ
501 空気入口