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特許7457715単軸スクリュー押出機及び押出しのための方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-19
(45)【発行日】2024-03-28
(54)【発明の名称】単軸スクリュー押出機及び押出しのための方法
(51)【国際特許分類】
   B29C 48/33 20190101AFI20240321BHJP
   B29C 48/395 20190101ALI20240321BHJP
   B29C 48/505 20190101ALI20240321BHJP
   B29C 48/625 20190101ALI20240321BHJP
   B29C 48/685 20190101ALI20240321BHJP
【FI】
B29C48/33
B29C48/395
B29C48/505
B29C48/625
B29C48/685
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2021540062
(86)(22)【出願日】2020-01-10
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-03-03
(86)【国際出願番号】 FI2020050017
(87)【国際公開番号】W WO2020144407
(87)【国際公開日】2020-07-16
【審査請求日】2022-12-23
(31)【優先権主張番号】20195016
(32)【優先日】2019-01-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FI
(73)【特許権者】
【識別番号】301036984
【氏名又は名称】テクノロギアン トゥトキムスケスクス ヴェーテーテー オイ
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】ミンキネン,ハンヌ
(72)【発明者】
【氏名】マニラ,ジュハ
【審査官】関口 貴夫
(56)【参考文献】
【文献】特公昭46-022595(JP,B1)
【文献】実開昭56-076420(JP,U)
【文献】特開昭57-128521(JP,A)
【文献】特開平05-004268(JP,A)
【文献】特表平07-504854(JP,A)
【文献】特開平09-150447(JP,A)
【文献】特開平09-183156(JP,A)
【文献】特開平11-179783(JP,A)
【文献】国際公開第2018/037164(WO,A1)
【文献】米国特許第06524516(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 48/00 - 48/96
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
- 直径(D)及び長さ(L)を有し且つ供給領域(14)を備えた円筒形ロータ部材(1)
を備え、
- 前記ロータ部材(1)がバレル(2)内に配置され、
- 前記ロータ部材(1)の円筒面が、螺旋延在列状に配置された凹部及び/又は凸部(5)を含み、
- 前記ロータ部材(1)の前記螺旋延在列が、前記ロータ部材の前記供給領域(14)内にピッチ(P)及び深さ(d)を有する、
単軸スクリュー押出機(100)であって、
- 前記バレル(2)内で前記ロータ部材(1)を回転させるための駆動システム(4)
をさらに備え、
- 前記深さ(d)の、前記ロータ部材の前記直径(D)に対する関係、すなわちd:Dが1:20以下であり、
- 前記ロータ部材の前記ピッチ(P)の、前記ロータ部材の前記直径(D)に対する関係、すなわちP:Dが1:4以下である
単軸スクリュー押出機(100)において、
- 前記押出機の排出口(16)に、
- 前記バレル(2)に配置された外側リング(24)と、
- 前記円筒形ロータ部材(1)に、前記円筒形ロータ部材(1)とともに回転するように配置された内側ダイ部(25)と
を備えるダイ(23)が設けられ、
- 前記ダイ(23)に、すべてのその断面において連続的に円形である流路(26)が設けられ、
- 前記外側リング(24)に、材料出口ポートとしての少なくとも1つの径方向開口(32)と、前記ダイ(23)に配置される、前記径方向開口(32)の後の前記流路(26)の端部を遮断するための遮断手段(33)とが設けられる、
ことを特徴とする、単軸スクリュー押出機(100)。
【請求項2】
前記外側リング(24)及び前記内側ダイ部(25)のうちの少なくとも1つが、前記押出機(100)に取り外し可能に取り付けられる、請求項1に記載の押出機。
【請求項3】
前記外側リング(24)及び前記内側ダイ部(25)のうちの少なくとも1つが、前記押出機(100)に固定的に取り付けられる、請求項1に記載の押出機。
【請求項4】
前記外側リング(24)の流面(27)が実質的に平滑である、請求項1~3のいずれか一項に記載の押出機。
【請求項5】
前記外側リング(24)の流面(27)が、前記バレル(2)の内面とは異なる波形を備える、請求項1~3のいずれか一項に記載の押出機。
【請求項6】
前記内側ダイ部(25)の流面(27)が実質的に平滑である、請求項1~5のいずれか一項に記載の押出機。
【請求項7】
前記内側ダイ部(25)の流面(27)が、前記ロータ部材(1)上に配置された凹部及び/又は凸部(5)とは異なる波形、形状及び/又は寸法を備える、請求項1~5のいずれか一項に記載の押出機。
【請求項8】
前記ダイの前記流路(26)の断面積が、前記ダイ(23)の全長にわたって一定である、請求項1~7のいずれか一項に記載の押出機。
【請求項9】
前記遮断手段(33)が、リバーススレッド(34)を備え、前記リバーススレッド(34)のピッチが、螺旋延在列状に配置される前記凹部及び/又は凸部(5)のピッチと反対の方向に配置され、
前記リバーススレッド(34)が、前記外側リング(24)の外面とともに、リバーススクリュー溝(35)を構築する、
請求項に記載の押出機。
【請求項10】
前記遮断手段(33)が、前記外側リング(24)を冷却するために配置される冷却装置(36)を備える、請求項に記載の押出機。
【請求項11】
- 直径(D)及び長さ(L)を有し且つ供給領域(14)を備えた円筒形ロータ部材(1)
を備え、
- 前記ロータ部材(1)がバレル(2)内に配置され、
- 前記ロータ部材(1)の円筒面が、螺旋延在列状に配置された凹部及び/又は凸部(5)を含み、
- 前記ロータ部材(1)の前記螺旋延在列が、前記ロータ部材の前記供給領域(14)内にピッチ(P)及び深さ(d)を有する、
単軸スクリュー押出機(100)であって、
- 前記バレル(2)内で前記ロータ部材(1)を回転させるための駆動システム(4)
をさらに備え、
- 前記深さ(d)の、前記ロータ部材の前記直径(D)に対する関係、すなわちd:Dが1:20以下であり、
- 前記ロータ部材の前記ピッチ(P)の、前記ロータ部材の前記直径(D)に対する関係、すなわちP:Dが1:4以下である
単軸スクリュー押出機(100)において、
- 前記ロータ部材(1)が円筒形チャネル(8)を備え、前記円筒形チャネル(8)の直径が、前記ロータ部材(1)の前記直径(D)の75%~85%であり、
- 前記押出機の排出口(16)にダイ(23)が設けられ、前記ダイが、すべてのその断面において連続的に円形である流路(26)を作る、外側リング(24)と内側ダイ部(25)とを備え、
- 前記外側リング(24)が前記バレル(2)に取り付けられ、
- 前記内側ダイ部(25)が、前記円筒形チャネル(8)内に配置された支持構造(28)に支持され、
- 前記ロータ部材(1)が、前記内側ダイ部(25)に対して回転可能に配置され、
前記外側リング(24)に、材料出口ポートとしての少なくとも1つの径方向開口(32)と、前記ダイ(23)に配置される、前記径方向開口(32)の後の前記流路(26)の端部を遮断するための遮断手段(33)とが設けられる、
ことを特徴とする、単軸スクリュー押出機(100)。
【請求項12】
前記ダイ(23)の近くにある前記円筒形チャネル(8)の部分の内面が、カウンタースレッド(29)を備え、前記カウンタースレッド(29)のピッチが、螺旋延在列状に配置される前記凹部及び/又は凸部(5)のピッチと同じ方向に配置され、
前記カウンタースレッド(29)が、前記支持構造(28)の外面とともに、カウンタースクリュー溝(30)を構築する、
請求項11に記載の押出機。
【請求項13】
前記外側リング(24)に、
材料出口ポートとしての少なくとも1つの径方向開口(32)と、
前記ダイ(23)に配置される、前記径方向開口(32)の後の前記流路(26)の端部を遮断するための遮断手段(33)と
が設けられる、
請求項11又は12に記載の押出機。
【請求項14】
前記遮断手段(33)が、リバーススレッド(34)を備え、前記リバーススレッド(34)のピッチが、螺旋延在列状に配置される前記凹部及び/又は凸部(5)のピッチと反対の方向に配置され、
前記リバーススレッド(34)が、前記外側リング(24)の内面とともに、リバーススクリュー溝(35)を構築する、
請求項13に記載の押出機。
【請求項15】
前記遮断手段(33)が、前記外側リング(24)を冷却するために配置される冷却装置(36)を備える、
請求項13又は14に記載の押出機。
【請求項16】
A)材料を単軸スクリュー押出機(100)に供給するステップであって、前記押出機が、
- 直径(D)及び長さ(L)を有し且つ供給領域(14)を備えた円筒形ロータ部材(1)
を備え、
- 前記ロータ部材(1)がバレル(2)内に配置され、
- 前記ロータ部材(1)の円筒面が、螺旋延在列状に配置された凹部及び/又は凸部(5)を含み、
- 前記ロータ部材(1)の前記螺旋延在列が、前記ロータ部材の前記供給領域(14)内にピッチ(P)及び深さ(d)を有し、
前記押出機(100)が、
- 前記バレル(2)内で前記ロータ部材(1)を回転させるための駆動システム(4)
をさらに備え、
- 前記深さ(d)の、前記ロータ部材の前記直径(D)に対する関係、すなわちd:Dが1:20以下であり、
- 前記ロータ部材の前記ピッチ(P)の、前記ロータ部材の前記直径(D)に対する関係、すなわちP:Dが1:4以下である、
供給するステップと、
B)前記単軸スクリュー押出機(100)内の前記材料を流動可能な状態に加熱するステップと、
C)前記材料を前記押出機の排出口(16)に供給するステップであって、前記排出口に、
- 前記バレル(2)に配置された外側リング(24)と、
- 前記円筒形ロータ部材(1)に、前記円筒形ロータ部材(1)とともに回転するように配置された内側ダイ部(25)と
を備えるダイ(23)が設けられ、
- 前記ダイ(23)に、すべてのその断面において連続的に円形である流路(26)が設けられ、
- 前記外側リング(24)に、材料出口ポートとしての少なくとも1つの径方向開口(32)と、前記ダイ(23)に配置される、前記径方向開口(32)の後の前記流路(26)の端部を遮断するための遮断手段(33)とが設けられる、
供給するステップと、
D)前記材料が前記外側リング(24)と前記回転する内側ダイ部(25)との間を出ることを可能にするステップと
を含む、押出しのための方法。
【請求項17】
A)材料を単軸スクリュー押出機(100)に供給するステップであって、前記押出機が、
- 直径(D)及び長さ(L)を有し且つ供給領域(14)を備えた円筒形ロータ部材(1)
を備え、
- 前記ロータ部材(1)がバレル(2)内に配置され、
- 前記ロータ部材(1)の円筒面が、螺旋延在列状に配置された凹部及び/又は凸部(5)を含み、
- 前記ロータ部材(1)の前記螺旋延在列が、前記ロータ部材の前記供給領域(14)内にピッチ(P)及び深さ(d)を有し、
前記押出機(100)が、
- 前記バレル(2)内で前記ロータ部材(1)を回転させるための駆動システム(4)
をさらに備え、
- 前記深さ(d)の、前記ロータ部材の前記直径(D)に対する関係、すなわちd:Dが1:20以下であり、
- 前記ロータ部材の前記ピッチ(P)の、前記ロータ部材の前記直径(D)に対する関係、すなわちP:Dが1:4以下である、
供給するステップと、
B)前記単軸スクリュー押出機(100)内の前記材料を流動可能な状態に加熱するステップと、
C)前記材料を前記押出機の排出口(16)に供給するステップであって、前記排出口に、すべてのその断面において連続的に円形である流路(26)を作る、外側リング(24)と内側ダイ部(25)とを備えるダイ(23)が設けられ、
- 前記外側リング(24)が前記バレル(2)に配置され、
- 前記内側ダイ部(25)が、円筒形チャネル(8)内に配置された支持構造(28)に支持され、
- 前記ロータ部材(1)が、前記内側ダイ部(25)に対して回転可能に配置され
- 前記外側リング(24)に、材料出口ポートとしての少なくとも1つの径方向開口(32)と、前記ダイ(23)に配置される、前記径方向開口(32)の後の前記流路(26)の端部を遮断するための遮断手段(33)とが設けられる、
供給するステップと、
D)前記材料が前記外側リング(24)と回転しない前記内側ダイ部(25)との間を出ることを可能にするステップと
を含む、押出しのための方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
背景
本発明は、直径及び長さを有し且つ供給領域を備えた円筒形ロータ部材を備え、そのロータ部材がバレル内に配置された単軸スクリュー押出機に関する。
【0002】
本発明はさらに、押出しのための方法に関する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
リサイクル材料を加工することへの需要が継続的に増加している。こうした種類の材料は、それらの密度、物理状態、粒径、及び形状などが非常に不均質な材料である。これらの材料で生じている問題は、不均質材料が一般に知られている押出機及び混合機での加工が極めて困難であるということである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
簡単な説明
第1の態様の視点では、
- 直径及び長さを有し且つ供給領域を備えた円筒形ロータ部材
を備え、
- そのロータ部材が、バレル内に配置され、
- ロータ部材の円筒面が、螺旋延在列状に配置された凹部及び/又は凸部を含み、
- ロータ部材のその螺旋延在列が、ロータ部材の供給領域内にピッチ及び深さを有する
単軸スクリュー押出機であって、
- バレル内でロータ部材(1)を回転させるための駆動システム
をさらに備え、
- 深さの、ロータ部材の直径に対する関係、すなわちd:Dが1:20以下であり、
- ロータ部材のピッチの、ロータ部材の直径に対する関係、すなわちP:Dが1:4以下であり、
押出機の排出口に、
- バレルに配置された外側リングと、
- 円筒形ロータ部材に、円筒形ロータ部材とともに回転するように配置された内側ダイ部と
を備えるダイが設けられ、
- そのダイに、すべてのその断面において連続的に円形である流路が設けられる
単軸スクリュー押出機を提供することができる。
【0005】
これによって、不均質材料を加工するための押出機が実現されてもよい。
【0006】
第2の態様の視点では、
- 直径及び長さを有し且つ供給領域を備えた円筒形ロータ部材
を備え、
- そのロータ部材が、バレル内に配置され、
- ロータ部材の円筒面が、螺旋延在列状に配置された凹部及び/又は凸部を含み、
- ロータ部材のその螺旋延在列が、ロータ部材の供給領域内にピッチ及び深さを有する
単軸スクリュー押出機であって、
- バレル内でロータ部材を回転させるための駆動システム
をさらに備え、
- 深さの、ロータ部材の直径に対する関係、すなわちd:Dが1:20以下であり、
- ロータ部材のピッチの、ロータ部材の直径に対する関係、すなわちP:Dが1:4以下であり、
- ロータ部材が円筒形チャネルを備え、円筒形チャネルの直径が、ロータ部材の直径の少なくとも75%、好ましくは、80~85%であり、
- 押出機の排出口にダイが設けられ、ダイが、すべてのその断面において連続的に円形である流路を作る、外側リングと内側ダイ部とを備え、
- 外側リングがバレルに取り付けられ、
- 内側ダイ部が、前記円筒形チャネル内に配置された支持構造に支持され、
- ロータ部材が、内側ダイ部に対して回転可能に配置される
単軸スクリュー押出機を提供することができる。
【0007】
これによって、さらなる加工のために、不均質材料流れを原料に変えるための押出機が実現されてもよい。
【0008】
第3の態様の視点では、
A)材料を単軸スクリュー押出機に供給するステップであって、その押出機が、
- 直径及び長さを有し且つ供給領域を備えた円筒形ロータ部材
を備え、
- そのロータ部材が、バレル内に配置され、
- ロータ部材の円筒面が、螺旋延在列状に配置された凹部及び/又は凸部を含み、
- ロータ部材のその螺旋延在列が、ロータ部材の供給領域内にピッチ及び深さを有し、
その押出機が、
- バレル内でロータ部材を回転させるための駆動システム
をさらに備え、
- 深さの、ロータ部材の直径に対する関係、すなわちd:Dが1:20以下であり、
- ロータ部材のピッチの、ロータ部材の直径に対する関係、すなわちP:Dが1:4以下である、
供給するステップと、
B)前記単軸スクリュー押出機内の材料を流動可能な状態に加熱するステップと、
C)材料を押出機の排出口に供給するステップであって、その排出口に、
- バレルに配置された外側リングと、
- 円筒形ロータ部材に、円筒形ロータ部材とともに回転するように配置された内側ダイ部と
を備えるダイが設けられ、
- そのダイに、すべてのその断面において連続的に円形である流路が設けられる、
供給するステップと、
D)材料が外側リングと回転する内側ダイ部との間を出ることを可能にするステップと
を含む、
押出しのための方法を提供することができる。
【0009】
これによって、さらなる加工のために、不均質材料流れを原料に変えるための方法が実現されてもよい。
【0010】
第4の態様の視点では、
A)材料を単軸スクリュー押出機に供給するステップであって、その押出機が、
- 直径及び長さを有し且つ供給領域を備えた円筒形ロータ部材
を備え、
- そのロータ部材が、バレル内に配置され、
- ロータ部材の円筒面が、螺旋延在列状に配置された凹部及び/又は凸部を含み、
- ロータ部材のその螺旋延在列が、ロータ部材の供給領域内にピッチ及び深さを有し、
その押出機が、
- バレル内でロータ部材を回転させるための駆動システム
をさらに備え、
- 深さの、ロータ部材の直径に対する関係、すなわちd:Dが1:20以下であり、
- ロータ部材のピッチの、ロータ部材の直径に対する関係、すなわちP:Dが1:4以下である、
供給するステップと、
B)前記単軸スクリュー押出機内の材料を流動可能な状態に加熱するステップと、
C)材料を押出機の排出口に供給するステップであって、その排出口に、すべてのその断面において連続的に円形である流路を作る、外側リングと内側ダイ部とを備えるダイが設けられ、
- 外側リングがバレルに配置され、
- 内側ダイ部が、前記円筒形チャネル内に配置された支持構造に支持され、
- ロータ部材が、内側ダイ部に対して回転可能に配置される、
供給するステップと、
D)材料が外側リングと回転しない内側ダイ部との間を出ることを可能にするステップと
を含む
押出しのための方法を提供することができる。
【0011】
これによって、さらなる加工のために、不均質材料流れを原料に変えるための方法が実現されてもよい。
【0012】
装置及び方法は、独立請求項に記載の内容によって特徴付けられる。いくつかの他の実施形態は、他の請求項に記載の内容によって特徴付けられる。本特許出願の明細書及び図面には、創造的な実施形態も開示される。本特許出願の創造的な内容は、以下の特許請求の範囲の定義とは異なる方法で定義されてもよい。特に、本発明が明白な若しくは暗黙の副次的役割の観点、又は得られる利益若しくは複数の利益の観点から検討される場合、創造的な内容はまた、複数の個別の発明から形成されてもよい。以下の特許請求の範囲に記載の定義のいくつかは、個別の創造的な発想の観点では不要となる場合もある。本発明のさまざまな実施形態の特徴は、基本的な創造的な発想の範囲内で他の実施形態に適用されてもよい。
【0013】
図面の簡単な説明
本開示を説明するいくつかの実施形態を、添付の図面においてより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1a】押出機の部分断面の概略側面図である。
図1b図1aに示される押出機の部分断面の詳細の概略図である。
図1c図1aに示される押出機の部分断面の詳細の概略図である。
図1d図1aに示される押出機の部分断面の詳細の概略図である。
図2】押出機バレルの概略図である。
図3a】別の押出機の部分断面の側面図である。
図3b図3aに示される押出機の部分断面の詳細の概略図である。
図4】押出機ダイの部分断面の側面図である。
図5】別の押出機ダイの部分断面の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
これらの図面は、いくつかの実施形態を明確性のために簡略的に示す。図面では、同様の部分に同じ参照番号が付される。
【0016】
詳細な説明
図1aは、スクリュー押出機の部分断面の概略側面図であり、図1bは、図1aに示される押出機の部分断面の詳細の概略図であり、図1cは、図1aに示される押出機の部分断面の詳細の概略図であり、図1dは、図1aに示される押出機の部分断面の詳細の概略図である。
【0017】
本明細書における「スクリュー押出機」又は「押出機」という用語は、プラスチック押出用の押出機だけでなく、複合押出機、及び、たとえば、産業活動又は家庭由来のリサイクル材料などの、少なくとも部分的に流動性の形態であってもよい又は少なくとも部分的に流動性の形態をもたせることができる他の材料用の押出機も意味する。
【0018】
ある態様によれば、押出機100は、廃棄物又はリサイクル材料を、後続プロセスで使用するための原料に変えるために使用されてもよい。本発明の1つの態様は、押出機に供給される材料よりも、原料を、たとえば、実質的に、より簡単に、及び/又は、よりコンパクトな物理状態で、及び/又は、より清潔に使用又は貯蔵することができることである。後続プロセスは、別の押出プロセス、成形プロセスなどであってもよい。
【0019】
別の態様によれば、押出機100は、たとえば、高分子繊維組成物の製造時の、混合プロセスのために使用されてもよい。
【0020】
押出機100は、円筒形ロータ部材1と、バレル2と、供給口3と、バレル2内でロータ部材1を回転させるための駆動システム4とを備える単軸スクリュー押出機である。
【0021】
ロータ部材1は直径D及び長さLを有する。ある実施形態では、長さの直径に対する関係、すなわちL:Dは2:1~4:1である。
【0022】
ロータ部材1の円筒外面は、少なくとも1つのスクリューフライト6と、少なくとも1つのスクリューフライト6の間にある少なくとも1つのスクリュー溝7とを備えるスクリュースレッドを実現する凸部5を備える。
【0023】
スクリュースレッドは、バレル2内でロータ部材1を回転させながら、加工する材料をバレル内で供給口3から排出口9に向かって移動させる構造を構成する。ある実施形態では、スクリュースレッドの形状は不変である。別の実施形態では、スクリュースレッドの形状は可変であり、スクリュー溝の体積は押出機の排出口16に近付くほど減少する。ある実施形態では、ロータ表面に配置された凹部及び/又は凸部5の深さdは、供給領域(10)の後から減少するように設けられる。
【0024】
スクリュー溝の体積が減少することで、圧縮率が典型的には1:2~1:4となる。形状は徐々に変化してもよく、又は、1つの形状から別の形状に突然形状が変化する箇所を少なくとも1つ備えてもよい。
【0025】
ロータ部材1の供給領域14において、スクリューフライト6はピッチPを有し、スクリュー溝7は深さdを有する。「供給領域」は、ロータ部材1における供給口3の真下の部分及び供給口から続く1周~5周のスクリューフライト6を意味する。
【0026】
ある態様によれば、深さdの直径Dに対する関係、すなわちd:Dは1:20以下であり、ピッチPの直径Dに対する関係、すなわちP:Dは1:4以下である。スクリュー溝7の体積がスクリューの直径Dに対して極めて小さいという利点がある。これにより、スクリュー溝7の体積に対して極めて大きな供給口3を押出機100に設けることが可能となる。これに伴い、スクリュー溝7に対して最適に充填するのに十分な量の、繊維、廃/リサイクルプラスチックを含む材料などの、低密度及び/又は不均質な材料を押出機100に供給できる。体積がスクリューの直径Dに対して小さいことで、押出機が必要とする電力が軽減されるという別の利点もある。
【0027】
ある実施形態では、d:Dは(ロータ部材1の供給領域14内において)1:300~1:20である。材料の体積に対してスクリュー溝の表面積が大きいことで、スクリュー溝7における加工する材料の温度を極めて厳密に制御できるため、たとえば温度について極めて敏感な材料又はプロセスをこの押出機で加工できるという利点がある。
【0028】
ある実施形態では、P:Dは1:60~1:4である。加工する材料を低い使用電力で排出口7に向けて移動できるという利点がある。
【0029】
ある実施形態では、ロータ部材1は以下の式を実現する。
CL×d≦RD×0.01、ここで、
CL=CL=ロータ部材1の長さ(L)の方向に測定されたチャネルの長さ、
d=ロータ部材1の径方向に測定された溝の深さ、
RD=チャネル8の断面積も含むロータ部材の断面積。
【0030】
スクリュー溝7の体積がスクリューの直径Dに対して極めて小さいことから、供給口3が大きいことで、加工する材料を容易に充填できるという利点がある。たとえば、ロータ部材1の直径は350mmであってもよく、一方で供給口に続く長さは400mmである
【0031】
ある実施形態では、供給口3又は供給領域14は、押出機100に供給される材料の粒径を小さくするためのせん断手段又は切断手段を備える。この手段は、たとえば、ロータ部材1に配置された切歯と、バレル2に配置された対応部分とを備えてもよい。
【0032】
ある態様によれば、ロータ部材1は中空である。ある実施形態では、ロータ部材は、円形の円筒形状などで、ロータ部材の直径Dの少なくとも75%、好ましくは80~85%の直径を有する円筒形チャネル8を備える。これは、知られているロータ部材と比べて、ロータ部材の重量及び費用を増加させることなく、ロータ部材の直径Dを大きくできることを意味する。
【0033】
ある実施形態では、ロータ部材は1つのスクリューフライトを備える。別の実施形態では、ロータ部材は2つ又はそれ以上のスクリューフライトを備える。
【0034】
ロータ部材1の直径が大きいおかげで、駆動システム4を、ロータ部材1に高トルクを送り込むものとして解釈できる。また、ロータ部材1の構造によって、損傷のリスクなしに高トルクに耐えることができる。押出機100は多くの代替方法によって実現できる。たとえば、ある実施形態では、ロータ部材1は、スクリュースレッドの代わりに複数の個別の凹部の螺旋延在列を備える。前記凹部は、加工する材料をバレル内で供給口3から排出口9に向かって移動させる構造を構成する。
【0035】
凹部の形状は、たとえば、ドーム状、半球状、涙滴の一部若しくはカロット状、楕円形状、又はこれらの組合せであってもよい。
【0036】
ある態様によれば、ロータ部材1の供給領域14における深さdの直径Dに対する関係、すなわちd:Dは1:20以下であり、ピッチPの直径Dに対する関係、すなわちP:Dは1:4以下である。凹部の体積がスクリューの直径Dに対して極めて小さいことで、ロータ部材1とバレル2との間の体積に対して最適に充填するのに十分な量の、繊維、廃/リサイクルプラスチックを含む材料などの、低密度及び/又は不均質な材料を、押出機100に供給できるという利点がある。
【0037】
ある実施形態では、d:Dは1:300~1:20である。
【0038】
ある実施形態では、P:Dは1:60~1:4である。
【0039】
別の実施形態では、ロータ部材1は、複数の個別の凸部の螺旋延在列を実現する凸部を備え、この列はピッチPを有する。
【0040】
ある態様によれば、深さd又は凸部の高さの直径Dに対する関係、すなわちd:Dは1:20以下であり、ピッチPの直径Dに対する関係、すなわちP:Dは1:4以下である。
【0041】
ある実施形態では、d:Dは1:300~1:20である。
【0042】
ある実施形態では、P:Dは1:60~1:4である。
【0043】
ある態様によれば、バレル2の円筒内面が、バレル凹部及び/又はバレル凸部を備えてもよい。ある実施形態では、前記バレル凹部及び/又はバレル凸部は螺旋延在列状に配置される。別の実施形態では、バレル凹部及び/又はバレル凸部は、ロータ部材1の長手方向軸に対して平行に配置される。さらに別の実施形態では、バレル凹部及び/又はバレル凸部は、ロータ部材1の長手方向線に対して垂直に配置される。
【0044】
ある実施形態では、バレル2は、少なくとも1つのバレルフライト10と、少なくとも1つのフライトの間にある少なくとも1つのバレル溝11とを備えるバレルスクリュースレッドを備え、バレルフライトはバレルピッチBPを有し、バレル溝はバレル深さBDを有する。
【0045】
加工する材料の、排出口9に向かう移動を向上できるという利点がある。
【0046】
別の実施形態では、バレル2に配置された凹部は、複数の個別の凹部の螺旋延在列を実現する。
【0047】
押出機の混合及び撹拌性能を向上できるという利点がある。
【0048】
バレル2に配置された凹部の形状及び大きさは、凹部が存在するバレルの全長において不変であってもよい。別の実施形態では、バレル2は、大きさ及び/又は形状が可変な凹部を備えてもよい。
【0049】
ある実施形態では、バレル凹部及び/又は凸部5は連続しておらず、いくつかの凹部又は溝が隣り合うようになっている。
【0050】
押出機の排出口16に、ダイ23が設けられる。ダイ23は、バレル2に取り付けられた外側リング24と、円筒形ロータ部材1に取り付けられた内側ダイ部25とを備える。これにより、内側ダイ部25はロータ部材1とともに回転する。
【0051】
ダイ23は、図1cで最もよくわかるように、そのすべての断面において連続的に円形である流路26を設ける。
【0052】
ある実施形態では、外側リング24は、たとえばボルトで、押出機100に取り外し可能に取り付けられる。別の実施形態では、外側リング24は、たとえば溶着によって、バレルに恒久的に取り付けられる。
【0053】
ある実施形態では、内側ダイ部25は、押出機100に、より正確にはロータ部材1に、取り外し可能に取り付けられる。別の実施形態では、内側ダイ部25は、ロータ部材1に恒久的に取り付けられる。
【0054】
ある実施形態では、外側リング24及び内側ダイ部25はどちらも、押出機100に固定的に取り付けられる。別の実施形態では、外側リング24及び内側ダイ部25はどちらも、押出機100に取り外し可能に取り付けられる。
【0055】
外側リング24及び内側ダイ部25は、流路26を画定する流面27を有する。ある実施形態では、外側リング24の流面27は実質的に平滑である。別の実施形態では、外側リング24の流面27は、バレル2の表面構造、内面とは異なる波形を備える。
【0056】
ある実施形態では、内側ダイ部25の流面27は実質的に平滑である。別の実施形態では、内側ダイ部25の流面27は、ロータ部材1上に配置された表面構造とは異なる波形を備える。
【0057】
ある実施形態では、上記の流面27の前記波形の深さは、対応する流面27の直径に対して、1:300~1:20、好ましくは、1:160~1:300である。
【0058】
ある実施形態では、ダイの流路26の断面積は、ダイ23の全長にわたって一定である。幾何学的形状は製造が容易であるという利点がある。ダイの前方の圧力は、ダイ部分長さによる制御が容易である。さらに、チャネルが一定であるとき、1つ又は複数のダイ部分を順番に接続することは容易である。
【0059】
別の実施形態では、前記断面積は、ダイ23の出口に向かって縮小している。ダイは、入ってくる材料の流れの圧力を増加させるために使用することができ、そのため、混合プロセスが改善されるという利点がある。
【0060】
さらに別の実施形態では、前記断面積は、ダイ23の出口に向かって拡大している。ダイは自浄式であり、ダイにアクセスする材料が出ることができるという利点がある。冷却されたダイの場合、十分に流れていない材料でされ、ダイを出ることができる。
【0061】
図2は、押出機バレルの概略図である。ある態様によれば、バレル2は、個別に製造されてから連続するように接続される2つ以上のバレルモジュール12から解釈される。
【0062】
少なくとも1つのバレルフライト10と少なくとも1つのバレル溝11とを備えるバレルスクリュースレッドなどの、バレル凹部及び/又は凸部を、均等な長さを有する1つの一体のバレル内に製造するよりも容易に、短く直径が大きなバレルモジュール12となる短いバレル部品内に製造できるという利点がある。なお、しかしながら、バレル2は単一に製造されてもよい。押出機のD:Lの比率が大きいことから、後者の場合でもバレル凹部及び/又は凸部を極めて簡単に製造できる。
【0063】
図3aは別の押出機の部分断面の側面図であり、図3bは図3aに示される押出機の部分断面の詳細の概略図である。
【0064】
供給口3は、押出機の能力及びロータ凹部の深さに対して十分に大きい。ある実施形態によれば、供給口の突出面積は1キロワットにつき約50平方センチメートルである。
【0065】
ある実施形態では、供給口3はバレル2の直径の半分、すなわち約D/2まで切り込まれる。このため、供給口3によって、バレル2が押出プロセス中に生じる負荷に耐えられないほどに、バレル2の構造を弱めてしまう可能性がある。特に、バレルの直径が大きくバレルが短い場合、供給領域14において、バレルが軸力によって折れやすくなってしまう。
【0066】
ある実施形態では、バレル2は、バレル2の外側に存在する支持構造15によって支持される。支持構造15は、バレル2内のバレルの供給口3と排出端部16との間の部分に取り付けられる第1の支持部17と、押出機の駆動システム側19に取り付けられる第2の支持部18と、第1の支持部17を第2の支持部18に接続する負荷伝達構造20とを備える。図4に示される実施形態では、第2の支持部18は、駆動システム4を覆うベアリング収容部22に固定されている。負荷伝達構造20は、たとえば、1つ又は複数の梁、プレート構造、又はトラス構造によって構成されてもよい。
【0067】
支持構造15は、押出プロセス中に生じる負荷及び応力の一部を担い、押出機構造が折れてしまうのを防ぐ。
【0068】
ある実施形態では、バレルの供給領域14と押出機のベアリング収容部22との間に、供給領域から逆向きに流れてくる材料を(それがある場合は)受け止めるための軸方向スロット21が配置される。つまり、軸方向スロット21は、材料がベアリング収容部22に侵入するのを防ぐためのものである。代わりに、材料は、スロットを通して、押出機又は押出プロセスに対する問題を起こさない場所にある空間に落とされる。
【0069】
ある実施形態では、バレル2はベアリング収容部22から完全に分離される、すなわち、軸方向スロット21が押出機の長手方向軸周り360°に延在する。別の実施形態では、材料を短く区切ることで分けられた複数の軸方向スロット21が存在する。
【0070】
図3a及び3bに示される実施形態では、排出口16にダイ23が設けられ、ダイ23の外側リング24は、バレル2に取り付けられ、内側ダイ部25は、円筒形チャネル8の中で配置される支持構造28に支持される。よって、ロータ部材1は内側ダイ部25に対して回転する、すなわち、内側ダイ部は回転しない。
【0071】
図3a及び3bに示される実施形態では、ダイ23の近くにある円筒形チャネル8の部分の内面は、図3bに最もよく示される、カウンタースレッド29を備える。カウンタースレッド29のピッチは、螺旋延在列状に配置される凹部及び/又は凸部5のピッチと同じ方向に配置される。カウンタースレッド29は、支持構造28の外面とともに、カウンタースクリュー溝30を構築する。カウンタースレッド29及びカウンタースクリュー溝30は、加工された材料のチャネル8への侵入を防ぐ又は実質的に妨げる防止手段を作成する。
【0072】
別の実施形態では、カウンタースレッド29は、支持構造28の外面上に配置される。本実施形態では、カウンタースレッド29のピッチは、螺旋延在列状に配置される凹部及び/又は凸部5のピッチと反対の方向に配置される。
【0073】
さらに別の実施形態では、押出機は、両方に、すなわち、支持構造28の外面及び円筒形チャネル8の内面上内に、上記のカウンタースレッド29を備える。
【0074】
図4は、押出機ダイの部分断面の側面図である。
【0075】
上記の実施形態では、ダイ23の出口は、ロータ部材1の長手方向軸と同軸である。別の実施形態では、外側リング24には、材料出口ポートとして、少なくとも1つの径方向開口32が設けられる。径方向開口32の後の流路26の端部を遮断するように遮断手段33も配置され、それにより、加工された材料は、少なくとも1つの径方向開口32を通ってのみ出ることができる。
【0076】
図4に示される実施形態では、内側ダイ部25は、ロータ部材1とともに回転する。遮断手段33は、内側ダイ部に配置されたリバーススレッド34を備え、リバーススレッド34のピッチは、螺旋延在列状に配置される凹部及び/又は凸部5のピッチと反対の方向に配置される。リバーススレッド34は、外側リング24の内面又は流面27とともに、リバーススクリュー溝35を構築する。
【0077】
別の実施形態では、リバーススレッド34は外側リング24に配置される。本実施形態では、ピッチは、凹部及び/又は凸部5のピッチと同じ方向である。
【0078】
第3の実施形態では、内側ダイ部25及び外側リング24はどちらも、上記のリバーススレッド34を備える。
【0079】
リバーススレッド34は、材料を径方向開口32に向けて流す。
【0080】
さらに、遮断手段33は、外側リング24を冷却するために配置される冷却装置36を備えてもよい。ダイ23を冷却することにより、加工された材料の粘度は高くなり、そのため、ダイの隙間及び接合部に入り込む能力は低下する。冷却装置36は、たとえば、冷却液が流れることができるチャネルを備えてもよい。
【0081】
少なくとも1つの径方向開口32を備える実施形態は、(示されるような)回転する内側ダイ部25上又は回転するロータ部材1上に、原料を取り除くために配置されるスクレーパ装置37を有してもよい。これは、押出機から材料が出るのを支援してもよい。
【0082】
図5は、別の押出機ダイの部分断面の側面図である。図5に示される実施形態では、内側ダイ部25は、ロータ部材1とともに回転しない。外側リング24には、材料出口ポートとしての少なくとも1つの径方向開口32と、ダイ23に配置される、径方向開口32の後の流路26の端部を遮断するための遮断手段33とが設けられる。
【0083】
ここで、遮断手段33は、流路26を閉じる単純なプレート又は類似の要素を備える。プレートは、外側リング24及び内側ダイ部25に、取り外し可能に又は恒久的に固定されてもよい。
【0084】
また、遮断手段33のこの実施形態は、冷却装置36を備えてもよい。
【0085】
本発明は上記の実施形態のみに限定されるものではなく、以下の特許請求の範囲によって定義される創造的な概念の範囲内でさまざまな変更が可能である。創造的な概念の範囲内において、さまざまな実施形態及び応用例の特徴を別の実施形態又は応用例の特徴と関連させたり又は置き換えたりして利用することができる。
【0086】
図面及び関連の記載は、本発明の発想を説明するためだけのものである。本発明は、以下の特許請求の範囲によって定義される創造的な発想の範囲内で細かく変更されてもよい。
【符号の説明】
【0087】
参照記号
1 ロータ部材
2 バレル
3 供給口
4 駆動システム
5 凸部又は凹部
6 スクリューフライト
7 スクリュー溝
8 チャネル
9 排出口
10 バレルフライト
11 バレル溝
12 バレルモジュール
13 中空棒
14 供給領域
15 バレル支持構造
16 押出機排出端部
17 第1の支持部
18 第2の支持部
19 駆動システム側
20 負荷伝達構造
21 軸方向スロット
22 ベアリング収容部
23 ダイ
24 外側リング
25 内側ダイ部
26 流路
27 流面
28 支持構造
29 カウンタースレッド
30 カウンタースクリュー溝
31 取付手段
32 径方向開口
33 遮断手段
34 リバーススレッド
35 リバーススクリュー溝
36 冷却装置
37 スクレーパ装置
100 押出機
BD バレル深さ
BP バレルピッチ
C カウンターフロー
CL チャネル長さ
D ロータ部材の直径
d 深さ
L ロータ部材の長さ
P ピッチ
RD ロータ部材の断面積
V 漏洩
図1a-1b】
図1c
図1d
図2
図3a-3b】
図4
図5