(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-19
(45)【発行日】2024-03-28
(54)【発明の名称】印刷システムで使用するための印刷媒体のプロファイリング方法
(51)【国際特許分類】
B41J 29/38 20060101AFI20240321BHJP
B41J 29/393 20060101ALI20240321BHJP
G06F 3/12 20060101ALI20240321BHJP
【FI】
B41J29/38 204
B41J29/393 101
B41J29/38 202
G06F3/12 356
G06F3/12 308
(21)【出願番号】P 2021540167
(86)(22)【出願日】2020-01-14
(86)【国際出願番号】 EP2020050822
(87)【国際公開番号】W WO2020148286
(87)【国際公開日】2020-07-23
【審査請求日】2022-12-20
(32)【優先日】2019-01-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】518238104
【氏名又は名称】キャノン プロダクション プリンティング ホールディング べー.フェー.
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】ファン ヴリームベルゲン,エドゥアルトゥス ヨット.ヴェー.
【審査官】加藤 昌伸
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-144725(JP,A)
【文献】特開2011-150116(JP,A)
【文献】特開2015-037224(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0120646(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 29/00 - 29/70
G06F 3/09 - 3/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷システムで使用するための印刷媒体のプロファイリング方法であって、前記印刷システムは、プロファイルされた印刷媒体に印刷するように構成されており、且つ以下、
前記印刷媒体に印刷するときに適用される印刷システムパラメータを制御するためのプリントコントローラ、
前記印刷媒体にマーキング材料を印刷するためのプリントエンジン、
前記印刷システムで前記印刷媒体を受け取るための入力ホルダー、
前記プリントエンジンによって印刷されたときに前記印刷媒体を受け取るための出力ホルダー、
前記印刷システムに提出された複数のテストジョブを受信するデジタ
ル用のテストジョブレシーバ
、
前記印刷媒体を前記プリントエンジンに沿って2回送るためのデュプレックスループを含む紙経路、及び
前記紙経路に沿ったセンサー、
を含み、当該方法は、以下のステップ、
a)前記入力ホルダーに前記印刷媒体を受け取るステップ、
b)前記テストジョブレシーバで前記複数のテストジョブをデジタル受信するステップであって、ここで、前記複数の
テストジョブのうちの各テストジョブについて、前記印刷システムの印刷速度の少なくとも第1の印刷システムパラメータと
前記マーキング材料の被覆率の第2の印刷システムパラメータとの一意に決定された組み合わせは、前記プリントコントローラによって準備されることが意図されている、ステップ、
c)各テストジョブについて、
c1)プロファイリングされる前記印刷媒体を使用して、前記一意に決定された組み合わせに従ってテストジョブを処理するステップ、及び
c2)前記印刷システムが前記テストジョブのテスト結果を登録するステップであって、ここで、前記テスト結果は、前記印刷システムの前記紙経路に前記センサーによって登録され、且つ前記テストジョブの処理中に測定されたセンサー値から導出される、ステップ、及び
d)前記プリントコントローラは、前記印刷媒体についての前記複数のテストジョブの登録されたテスト結果に基づいてプロファイリングされる前記印刷媒体についてのメディアプリントモードの2次元メディアプリントモードテーブルを作成するステップであって、前記2次元メディアプリントモードテーブルは、前記印刷媒体に印刷するときに選択され、ここで、各メディアプリントモードは、ステップb)で一意に決定された組み合わせによって一意に決定され、且つ、前記一意に決定された組み合わせに対応する前記テスト結果の表示項目を含む、ステップ、
を含む方法。
【請求項2】
ここで、当該方法は、前記2次元メディアプリントモードテーブルを、良好な又は条件付きのテスト結果を有するメディアプリントモードに限定するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
ここで、前記複数のテストジョブの各テストジョブは、前記テストジョブが印刷される画像を含むかどうかの第1の仕様基準、前記テストジョブが前記デュプレックスループを利用するかどうかの第2の仕様基準、少なくとも1種類のマーキング材料が使用される第3の仕様基準、及びプリントヘッドを含む前記プリントエンジンの場合のプリントヘッド高さの第4の仕様基準、のうち少なくとも1つによってさらに決定される、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
ここで、前記少なくとも1種類のマーキング材料は、着色インク、ワニスインク、プライマーインク及び/又は着色トナーである、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
ここで、当該方法は、前記テスト結果に基づいて前記2次元メディアプリントモードテーブルから、デフォルトメディアプリントモード、高ガマットメディアプリントモード、及び高速メディアプリントモードのうちの少なくとも1つを選択するステップを含む、請求項1から4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
当該方法は、以下のステップ、前記テスト結果から、画質、プリンタの生産性、及び/又は印刷コストのそれぞれに関して、少なくとも1つの重要業績評価指標値を決定すること、及び、前記少なくとも1つの重要業績評価指標値に基づいて、前記デフォルトメディアプリントモード、前記高ガマットメディアプリントモード、及び前記高速メディアプリントモードから少なくとも1つを自動的に選択すること、を含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
ここで、各テストジョブについて、前記テストジョブのテスト結果を登録する前記ステップは、以下のサブステップ、前記テストジョブの処理中に、前記印刷媒体が、前記紙経路によって前記入力ホルダーから前記プリントエンジン及び複数の測定されたセンサー値をもたらす複数のセンサーに沿って前記出力ホルダーに輸送されることを感知すること、及び前記測定されたセンサー値に基づいて、前記テストジョブのテスト結果を良い、悪い、又は条件付きであると判断すること、を含む、請求項1から6のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
ここで、少なくとも1つのテストジョブはデジタル画像であり、且つ前記テストジョブレシーバはデジタルである、請求項1から7のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
印刷媒体をプロファイリングするように構成され、且つ、前記印刷媒体に印刷するときに適用される印刷システムパラメータを制御するためのプリントコントローラ、前記印刷媒体にマーキング材料を印刷するためのプリントエンジン、当該印刷システムで前記印刷媒体を受け取るための入力セクション、デュプレックスループを含む入力ホルダーから出力ホルダーへの紙経路、印刷時に前記印刷媒体を受け取るための出力セクション、当該印刷システムに提出されたテストジョブを受信するための受信セクション、及び前記紙経路に沿った複数のセンサー、を含む、印刷システムであって、ここで、前記プリントコントローラは、請求項1から
8のいずれかに記載の方法のステップを実行するように構成される、
印刷システム。
【請求項10】
請求項1から
8のいずれかに記載の方法のステップを実行するようにコンピュータに指示するように構成されたコンピュータ実行可能プログラムコードを含む非一時的記録媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、印刷システムで使用するための印刷媒体をプロファイリングするための方法に関する。前記印刷システムは、プロファイルされた印刷メディアに印刷するように構成され、且つ、印刷媒体に印刷するときに適用される印刷システムパラメータを制御するためのプリントコントローラ、印刷媒体にマーキング材料を印刷するためのプリントエンジン、前記印刷システムで印刷媒体を受け取るための入力ホルダー、プリントエンジンによって印刷されたときに印刷媒体を受け取るための出力ホルダー、前記印刷システムに提出された複数のテストジョブを受信するデジタル又はアナログ用のテストジョブレシーバ、及び印刷媒体をプリントエンジンに沿って2回送るためのデュプレックスループを含む紙経路、を含む。当該方法は、入力ホルダーに印刷媒体を受け入れるステップを含む。
【0002】
印刷媒体は、印刷システムによって堆積されたマーキング材料を受け取るための材料として定義される。印刷媒体は、紙、プラスチック、木材、テキスタイル、ガラスなどであり得る。
【0003】
印刷媒体への印刷中にエンドユーザが問題に遭遇した場合、間違った印刷システム設定が使用されていることが原因である可能性がある。印刷媒体に最適な印刷を行うために、印刷媒体プロファイルが作成される。印刷メディアプロファイルは、特定の印刷メディア/プリンタ/RIPの組み合わせに対する印刷システムの設定を定義する印刷システムパラメータのセットである。使用するメディアのプロファイルを顧客に提供することにより、顧客の試行錯誤のプロセスが排除され、印刷メディアが印刷システムで機能することが確実にわかる。顧客によっては、他のメディアプロファイルが使用される場合があり、品質に最適化されることもあれば、生産性やコストに最適化されることもある。
品質、生産性又はコストが最適化される場合がある。
【背景技術】
【0004】
発明の背景
印刷システムで特定の印刷媒体を実行するには、印刷システムは所定の印刷システムパラメータを使用してこの印刷媒体に印刷する必要がある。カットシートインクジェットプリンタの場合、重要な値は、総面積カバレッジ(TAC)、つまり、印刷媒体に配置できるマーキング材料の量、プライマーインクの量、印刷面の温度、印刷ヘッドから印刷媒体までの距離、用紙経路に沿った印刷速度、及び適用するカラープロファイルである。印刷媒体に対してTACが高すぎると、プリントエンジン内の材料の堆積を汚染としてマークするか、又はスミアリング(smearing)が発生する可能性があり、且つ長時間印刷すると、プリントエンジンが損傷する。他の印刷システムパラメータは、印刷品質と、シートの変形のために印刷システムによって拒否されるシートの量に影響を与える。
【0005】
米国特許第7,050,196 B1号では、印刷媒体上の最大インク被覆率(coverage)を視覚的に決定するために試験シートを印刷するための印刷システムの方法が明らかにされている。ただし、印刷システムの印刷速度は固定されており、後で印刷されたテストページを見ると、印刷システムはすでに汚染されている。
【0006】
特許EP3162579では、印刷システムで使用するための新しい印刷媒体を承認する方法が明らかにされている。ここで、テストジョブのそのような多数のプリントが印刷されるので、プリントの数のスタックは、スタックの側面にマーキング材料の望ましくない堆積を確立するのに十分に高い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
最適な印刷品質と実行可能性をもたらす印刷システムパラメータの値を決定するには、現在、大量の印刷メディアを印刷すること、時間、及び専用ハードウェア必要があるため、印刷システムのユーザは、現在、印刷メディアのサプライヤによって事前にテストされ、メディア定義が利用可能になっている印刷メディアを選択できる。
【0008】
本発明の目的は、独自の印刷媒体を使用したいが、供給者が印刷媒体をテストするのを待ちたくないユーザに方法を提供することである。もう1つの目的は、顧客の使用に適していて、プリントエンジンに損傷を与えない印刷システムパラメータの範囲を見つける方法を提供することである。別の目的は、異なるプリンタ間の変動を考慮に入れて、特定のプリンタに適切な印刷システムパラメータの範囲を見つける方法を提供することである。本発明の別の目的は、この方法が実施される印刷システムである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
発明の概要
この目的のために、本発明による方法は、以下のステップ、
テストジョブレシーバで複数のテストジョブをデジタルで受信するステップであって、ここで、複数のうちの各テストジョブについて、印刷システムの印刷速度の少なくとも第1の印刷システムパラメータとマーキング材料の被覆率の第2の印刷システムパラメータとの一意に決定された組み合わせは、プリントコントローラによって準備されることが意図されている、ステップ、
各テストジョブについて、
プロファイリングされる印刷媒体を使用して一意に決定された組み合わせに従ってテストジョブを処理するステップ、
印刷システムはテストジョブのテスト結果を登録するステップ、及び
プリントコントローラは、印刷媒体の複数のテストジョブのテスト結果に基づいてプロファイリングされる印刷媒体のメディアプリントモードの2次元メディアプリントモードテーブルを作成するステップであって、前記2次元メディアプリントモードテーブルは印刷媒体に印刷するときに選択される、ここで、各メディアプリントモードは、プリントコントローラによって準備された一意に決定された組み合わせによって一意に決定され、且つ一意に決定された組み合わせに対応するテスト結果の表示項目を含む、ステップ、
を含む。
【0010】
印刷システムは、いずれのユーザの判断なしにテストジョブのテスト結果を登録する。印刷システム自体を測定ツールとして使用することにより、メディアプリントモードの完全なセットが作成され、一部のメディアプリントモードの制限が示される場合もある。メディアプリントモードは、オペレータ又は顧客が文書を作成するために使用される印刷システムでテストされるため、これは有利である。また、結果として得られる印刷メディアモードは、印刷システムの位置の気候条件に合わせて自動的に調整される。一連のメディアプリントモード全体を自動的に作成することにより、ユーザは自分の印刷アプリケーションに最適なメディアプリントモードを選択できる。すべてのアプリケーションに使用できるとは限らないメディアプリントモードも提供される場合があり、制限は印刷システムのユーザインターフェイスを介して伝達される。これらの制限は、顧客の特定のアプリケーションには適用されない場合がある。メディアの次のバッチの印刷プロパティが異なることが判明した場合に備えて、印刷メディアのプロファイリング方法を繰り返すのは簡単である。カラープロファイルは、メディアプリントモードの一部である場合がある。
【0011】
メディアプリントモードテーブルは、印刷メディアプロファイルの一部である。以下、メディアプリントモード(media print mode)という用語を「MPM」と略記する。
【0012】
一実施形態によれば、当該方法は、2次元メディアプリントモードテーブルを、条件付き又は良好なテスト結果を有するメディアプリントモードに限定するステップを含む。条件付きテスト結果は、特定の条件下で良好なテスト結果を意味する。特定の条件は、印刷される印刷媒体のシート数の制限である可能性があり、シートの内容は、テキスト、写真画像の図面などである。
【0013】
一実施形態によれば、複数のテストジョブのうち各テストジョブは、テストジョブが印刷される画像を含むかどうかの第1の仕様基準、テストジョブがデュプレックスループを使用するかどうかの第2の仕様基準、少なくとも1種類のマーキング材料が使用される第3の仕様基準、及びプリントヘッドを備えたプリントエンジンの場合のプリントヘッド高さの第4の仕様基準のうちの少なくとも1つによってさらに決定される。
【0014】
さらなる実施形態によれば、少なくとも1種類のマーキング材料は、着色インク、ワニスインク、プライマーインク及び/又は着色トナーである。
【0015】
一実施形態によれば、当該方法は、試験結果に基づいて2次元メディアプリントモード表から、デフォルトのメディアプリントモード、高ガマット(gamut)メディアプリントモード、及び高速メディアプリントモードのうちの少なくとも1つを選択するステップを含む。
【0016】
当該方法が含む一実施形態によれば、方法のステップは、以下のステップ、テスト結果から、画質、プリンタの生産性、及び/又は印刷コストのそれぞれに関して、少なくとも1つの重要業績評価指標値を決定するステップ、及び少なくとも1つの重要業績評価指標値に基づいて、デフォルトのメディアプリントモード、高ガマットメディアプリントモード、及び高速メディアプリントモードから少なくとも1つを自動的に選択するステップ、を含む。2次元メディアプリントモードテーブルの作成中に、メディアプリントモードごとに、一般的な品質、生産性、コストなど、関連する重要業績評価指標の値が決定される。印刷システム自体は、色域、微小均一性、印刷アーチファクト、変形、コックリング(cockling)、スミアリング(smearing)、カーボン化及び端部変形に基づく一般的な品質、印刷速度に基づく生産性、及び廃棄物を含むコストを測定する。印刷システムのユーザインターフェイスを介して、ユーザは、ここで説明した各サブキーのパフォーマンス指標の重要性を、上記の重み係数を使用して示すことができる。
【0017】
ユーザインターフェイスは、メディアプリントモードごとに重要業績評価指標を表示するように構成できる。これにより、ユーザは、技術的な設定ではなく、自分にとって重要な態様に基づいて選択を行うことができる。
【0018】
一実施形態によれば、2次元テーブルのメディアプリントモードは、選択した重要業績評価指標の値の範囲でフィルタリングできるようになっている。そうすることにより、ユーザが個々のメディアプリントモードの重要業績評価指標値を確認する必要がなくなる。選択した範囲に適合するメディアプリントモードは、特定の色、例えば緑で着色することができる。
【0019】
範囲を縮小するか、場合によっては拡大することにより、特定の色で色付けされたメディアプリントモードの領域が変わる可能性がある。
【0020】
ユーザは、残りのメディアプリントモードの値を確認するか、又は1つのメディアプリントモードだけが緑色のままになるまで範囲をさらに調整することができる。
【0021】
デフォルトのメディアプリントモードを定義するために、印刷システムのプリントコントローラは、上記の重要業績評価指標に適用されるフィルターメカニズムを利用する。プリントコントローラは、品質、生産性、及びコストに関してかなり広い範囲を選択することから始める場合がある。おそらく、ほとんどすべてのメディアプリントモードが選択した範囲内にフィットする。範囲を徐々に小さくすることにより、範囲内にフィットするメディアプリントモードが少なくなる。このプロセスは、1つのメディアプリントモードが残るまで続く。この1つのメディアプリントモードがデフォルトのメディアプリントモードになる。デフォルトのメディアプリントモードでは、すべての重要業績評価指標が重要であると見なされ、バランスを見つけようとする。
【0022】
高ガマットメディアプリントモードを定義するために、印刷品質、特に色域は、生産性よりも重要であると考えられている。
【0023】
高速メディアプリントモードを定義するために、生産性、特に印刷速度は、印刷品質よりも重要であると考えられている。
【0024】
デフォルトのメディアプリントモード、高ガマットメディアプリントモード、及び高速メディアプリントモードを決定するために、重要業績評価指標値にフィルタを使用することは必須ではないが、本発明による方法を実施する簡単な方法であるため好ましい。上記のメディアプリントモードの選択は、テストされたすべてのメディアプリントモードのパラメータ値を比較することによっても実装できる。
【0025】
各テストジョブの実施形態によると、テストジョブのテスト結果を登録するステップは、以下のサブステップ、テストジョブの処理中に、印刷媒体が紙の経路によって入力ホルダーからプリントエンジン及び複数の測定されたセンサー値をもたらす複数のセンサーに沿って出力ホルダーに輸送されることを感知すること、及び測定されたセンサー値に基づいて、テストジョブのテスト結果を良好、不良、又は条件付きであると判断すること、を含む。最も広い定義では、センサーは、環境のイベントや変化を検出し、その情報を他の電子機器(多くの場合、印刷システムのプリントコントローラ)に送信することを目的としたデバイス、モジュール、又はサブシステムである。
【0026】
一実施形態によれば、少なくとも1つのテストジョブはデジタル画像であり、テストジョブレシーバはデジタルである。
【0027】
一実施形態によれば、少なくとも1つのテストジョブはハードコピーのオリジナルであり、テストジョブレシーバはアナログである。
【0028】
本発明はまた、印刷媒体をプロファイリングするように構成された、且つ、印刷媒体に印刷するときに適用される印刷システムパラメータを制御するためのプリントコントローラ、印刷媒体にマーキング材料を印刷するためのプリントエンジン、印刷システムで印刷媒体を受け取るための入力セクション、デュプレックスループを含む入力ホルダーから出力ホルダーへの用紙経路、印刷時に印刷媒体を受け取るための出力セクション、印刷システムに提出されたテストジョブを受信するための受信セクション、及び用紙経路に沿った複数のセンサー、を含む印刷システムに関する。ここで、前記プリントコントローラは、本発明による方法を実行するように構成される。
【0029】
本発明はまた、本発明による方法を実行するようにコンピュータに指示するように構成されたコンピュータ実行可能プログラムコードを含む非一時的な記録媒体に関する。
【0030】
図面の簡単な説明
次に、本発明について、以下に示す実施例を参照してさらに説明する。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図1】
図1は、本発明による印刷システムの一般的な配置(arrangement)を示している。
【
図2】
図2は、本発明による方法の一実施形態のフロー図を示している。
【
図3】
図3は、本発明による2次元メディアプリントモード表を示している。
【
図4】
図4は、試験結果の表示を備えた
図3の2次元メディアプリントモードテーブルを示している。
【
図5】
図5は、1つのメディアプリントモードの重要業績評価指標を示している。
【
図6】
図6は、
図3の2次元メディアプリントモードテーブルを備えたユーザインターフェイスィンドウを示している。テスト結果の表示と、本発明による重要業績評価指標のスライダー位置に従ってメディアプリントモードをフィルタリングするためのスライダーウィンドウを備えている。
【発明を実施するための形態】
【0032】
実施形態の詳細な説明
次に、本発明を添付の図面を参照して説明する。ここで、同じ又は類似の要素は、いくつかの図を通して同じ参照番号で識別される。
【0033】
実施形態は、例において、インクジェット印刷システム又は電子写真印刷システムのような、プリントヘッド又は印刷アセンブリを含む印刷システムを取り上げることによって説明される。いずれの種類の印刷媒体、いずれの種類のマーキング材料、及び必要に応じていずれの種類の仕上げ材料がロードされ、且つ種類のマーキング材料が種類の印刷媒体に印刷される、印刷システムは、本発明の実施形態による方法を使用するように構成され得る。
【0034】
図1は、本発明による方法が適用可能である例示的な印刷システム1を概略的に示す。印刷システム1は、出力セクション5、おそらく1つ又は以上の追加の入力ホルダー37を包含するプリントエンジン及び制御セクション3、ローカルユーザインターフェイス7、及び入力セクション4を含む。
【0035】
出力セクション5、プリントエンジン及び制御セクション3、及び入力セクション4は、紙の経路に沿って入力セクション4から出力セクション5に輸送されるときのシートの状況を感知するセンサーを含み得る。センサーは、本発明による方法に含まれるすべての測定センサーが較正され、正しく動作することを保証し、センサー測定値を読み取るときにセンサーの経年劣化、汚染、湿度及び温度などの環境条件を考慮に入れるために、事前に較正される。
【0036】
出力セクション5は、印刷された印刷媒体を保持するための2つの供給材料出力ホルダー51、52を含む。印刷された印刷媒体は、プリントエンジン及び制御セクション3から入口53を介して出力セクション5に輸送される。出力セクション5は、ケーブル60によって、双方向データ信号転送のためにプリントエンジン及び制御セクション3にデジタル接続されている。他の供給材料の出力ホルダーが想定される場合がある、例えば、インクもしくはトナーの残留物用の供給材料出力ホルダー、又は穴あけ動作、切断動作、もしくは穿孔動作の場合の古紙用の供給材料出力ホルダー。そのような供給材料出力ホルダーの枯渇は、本発明の方法に従ってスケジュールすることができる。
【0037】
プリントエンジン及び制御セクション3は、印刷プロセスを制御するためのプリントエンジン及びプリントコントローラ39を含む。プリントコントローラ39は、プリントエンジンに接続され、印刷システムのデジタル環境、例えば、提出された印刷ジョブを印刷システムに送信するためのネットワークに接続されたコンピュータ又はサーバ又はワークステーションである。プリントコントローラ39はまた、本発明の方法に従って印刷システム1によって使用するためにプロファイルされる印刷媒体用の媒体カタログソフトウェアシステム(図示せず)をストップウォッチに含む。プリントコントローラ39はまた、印刷システム1に提出された印刷ジョブを受信するための受信セクション(図示せず)を含む。
【0038】
プリントエンジンは、マーキング材料を印刷媒体に排出又は固定するためのプリントヘッド又はプリントアセンブリ31、及び印刷媒体をプリントエンジン及び制御セクション3のエントリーポイント36から出力セクション5の入口53に輸送するための紙経路34、32、35、を含む。紙の経路34、32、35に沿って、センサーを適用することができる。プリントヘッド又はプリントアセンブリ31は、紙経路セクション34の近くに位置決めされる。印刷媒体が紙経路セクション34に沿って輸送される間、印刷媒体は、印刷ヘッド又は印刷アセンブリ31からマーキング材料を受け取る。次の用紙経路セクション32は、印刷媒体のシンプレックス又はデュプレックス印刷のために異なる後続の用紙経路を選択するためのフリップユニットである。フリップユニット32はまた、シンプレックスモードで印刷した後、印刷されたシートが、フリップユニット32の湾曲したセクション38を介して、及び入口53を介して出力セクション5へとプリントエンジン及び制御セクション3を離れる前、印刷媒体の印刷されたシートをフリップするために使用され得る。印刷システムの別の実施形態では、フリップユニット32の湾曲したセクション38は存在せず、シンプレックスページのめくりは、別の紙経路セクション35を介して行われなければならず、生産性の損失につながる。印刷システムの別の実施形態では、追加のターニングステーション(部分的にフリップユニット32の湾曲セクション38を置き換えるため)が、プリントエンジン及び制御セクション3の外側で、プリントエンジン及び制御セクション3と出力セクション5との間に構成される。
【0039】
印刷媒体をシンプレックスモードで印刷する必要がある場合、印刷媒体は、フリップユニット32を介して出力セクション5の入口53に直接輸送することができる。印刷媒体をデュプレックスモードで印刷する必要がある場合、印刷媒体は、シートの表側と裏側を切り替えるために印刷媒体を回転させるために、フリップユニット32を介して他の紙経路セクション35に輸送される。次に、シートは、プリントヘッド又はプリントアセンブリ31によってシートの裏側に印刷するために、再び用紙経路セクション34に運ばれる。
【0040】
プリントエンジン及び制御セクション3はまた、印刷媒体を保持するための追加の入力ホルダー37を含む。印刷媒体は、印刷媒体ホルダー44、45、46の入力方向とは別の方向で追加の入力ホルダー37に入力されなければならない場合がある。
【0041】
入力セクション4は、印刷媒体のシートをプリントエンジン及び制御セクション3に輸送する前に印刷媒体を保持するための複数の印刷媒体入力ホルダー44、45、46を含む。印刷媒体のシートは、ガイド手段42、43、47によって、印刷媒体入力ホルダー44、45、46から、プリントエンジン及び制御セクション3へのエントランス用の出口36に案内される。印刷媒体のシートは、印刷媒体入力ホルダー44、45、46から印刷媒体入力ホルダー44、45、46の右側に案内されるが、印刷媒体ホルダーの他の構成は、シートを少なくとも部分的に左側に案内するために想定され得る。これらの他の構成の場合、それぞれの印刷媒体入力ホルダーに印刷媒体を上向き又は下向きにロードするための好適な命令が、プリンタコントローラによって生成される。
【0042】
図1は、複数の印刷媒体入力ホルダーを示している。しかしながら、本発明は、1つの印刷媒体入力ホルダーのみを含む印刷システムにも適用される。
【0043】
図1は、複数の印刷媒体出力ホルダーを示している。しかしながら、本発明は、1つの印刷媒体出力ホルダーのみを含む印刷システムにも適用される。
【0044】
図2は、本発明による方法のフロー図を示している。当該方法は、開始点Aから始まり、第1のステップS1につながる。
【0045】
第1のステップS1において、プロファイリングされる印刷媒体は、印刷システム1の入力ホルダー41、44、45、37のうちの少なくとも1つで受け取られる。
【0046】
第2のステップS2では、複数のテストジョブが、プリントコントローラ39のテストジョブレシーバでデジタル的に受信される。複数の各テストジョブについて、印刷システムの印刷速度の少なくとも第1の印刷システムパラメータとマーキング材料の被覆率の第2の印刷システムパラメータとの一意に決定された組み合わせは、プリントコントローラ39によって準備されることが意図されている。テストジョブは、例えば、印刷する画像やテキストのない空のページ、シンプレックスモードで片面印刷されるページ、及び印刷システム1のデュプレックスループを利用して、デュプレックスモードで両面印刷されるページ、を含み得る。テストページのコンテンツは、テキスト、1つ又は複数の画像、又はテキストと画像(複数可)の両方の組み合わせであり得る。テストページには、白黒のような単色の画像/テキスト、及び/又は多色の画像/テキストが含まれる場合がある。ジョブはまた、その上に印刷システム1のプリントエンジン31によって、何も堆積されていない、又はプライマーインクもしくはワニスインクのみが堆積されている、空のページを含み得る。
【0047】
第3のステップS3では、テストジョブが繰り返される。
【0048】
第4のステップS4において、適切なテストジョブは、プロファイリングされる印刷媒体を使用して、印刷速度及びインク被覆率の一意に決定された組み合わせに従って処理される。
図3は、印刷速度とインク被覆率の組み合わせのテーブル300を示している。印刷システム1の印刷速度は、毎分60枚(prints per minute、ppm)、120ppm、180ppm、240ppmなどから選択される。インク被覆率は、0%、10%、20%、40%などから100%まで選択される。インク被覆率(%)は、インクで覆われたシートの面積をシートの総面積で割った値に100を掛けたものである。第1のパーセンテージ値0%は、印刷媒体にマーキング材料が付着していないこと、つまり、印刷媒体は、印刷システムのプリントエンジンからマーキング材料を受け取ることなく、デュプレックスループを介しているかどうかに関係なく、用紙経路に沿って輸送されるだけであること、を意味する。
【0049】
特定のインク被覆率を有するメディアプリントモードで問題が発生することがセンサーによって感知された場合、より高いインク被覆率を有するメディアプリントモードは、もはやテストする必要がなく、テーブル300から削除され得る。
【0050】
特定の印刷速度を有するメディアプリントモードで問題が発生することがセンサーによって感知された場合、より高い印刷速度を有するメディアプリントモードは、もはやテストする必要がなく、テーブル300から削除され得る。
【0051】
テーブル300の各セルは、本発明によるメディアプリントモードを表す。テーブル300の各セルについて、Total TAC、Mono TAC、Color Grip、プリントヘッドの高さなどの最適な設定は、さまざまな種類のアプリケーションに対して決定される。特定の速度でのインク被覆量がエンジンに損傷を与えると(例えば汚染による)すぐに、設定は決定されなくなる。したがって、最適な設定を決定できなかったテーブル300内のセルは、テーブル300から削除される。除去されたセルは、例えば、
図4の実際のテーブル400に示されるように、十字記号410でマークされている。
【0052】
テストジョブから、セルは特定の制限がある場合にのみ使用できるという結果になる場合がある。例えば、セルは、インク被覆率が低いページが少なくともいくつかあるファイルにのみ使用できるか、又は、セルは100までのランレングスにのみ使用できるか、又は、セルは、オペレータがクリーニングなどの追加のメンテナンスアクションを実行する意思がある場合にのみ使用できる。このような制限はセルに保存される。セルが少なくとも1つの制限を含むという事実は、
図4の実際のテーブル400において、セル内の感嘆符420によって表されている。
【0053】
制限がなく、印刷媒体への印刷に適しているセルは、所定の色、例えば緑色で着色される。
【0054】
第5のステップS5において、印刷システムは、テストジョブのテスト結果を登録している。テスト結果は、テストジョブの処理中に測定された、印刷システム1の紙経路34、32、35内のセンサーによって登録されたすべてのセンサー値から導き出される。テスト結果は、いくつかの重要業績評価指標で表すことができる。
【0055】
図5は、重要業績評価指標テーブル500において、品質、生産性(「Print Speed」)及び廃棄物を含むコストのようないくつかの重要業績評価指標を示している。重要業績評価指標の品質は、印刷品質、実行可能性、仕上げ又は使用の品質などのサブ重要業績評価指標にさらに分割できる。印刷品質は、色域、微小均一性、及び印刷アーティファクトにさらに細かく分類できる。実行可能性は、さらに変形とコックリングにさらに細かく分類できる。仕上げ又は使用の品質は、スミアリング、カーボニング、及びエンドデフォーメーションにさらに細かく分類できる。メディアプリントモードごとに、重要業績評価指標の値が決定される。上記のように、決定はさまざまな集約レベルで行われる場合がある。重要業績評価指標の値は、テーブル500の右側にある水平バーによって示されている。
【0056】
一実施形態によれば、印刷システム1のユーザインターフェイス7は、テストされる各メディアプリントモードの重要業績評価指標の値を提供する。これは、ユーザが技術的な設定ではなく、自分にとって重要な用語に基づいて選択できるため、有利である。
【0057】
ここで、当該方法は第3のステップS3に戻り、次のテストジョブを処理する。すべてのテストジョブが処理された場合、当該方法は第6のステップS6に進む。
【0058】
第6のステップS6において、プリントコントローラ39は、印刷媒体の複数のテストジョブのテスト結果に基づいて、プロファイリングされる印刷媒体のメディアプリントモードの2次元メディアプリントモードテーブルを作成する。2次元メディアプリントモードテーブル400から、将来、印刷媒体に印刷するときにメディアプリントモードが選択される予定である。
【0059】
第7のステップS7において、プリントコントローラ39は、本発明によるデフォルトのメディアプリントモード、高速メディアプリントモード、及び高ガマットメディアプリントモードを決定する。デフォルトのメディアプリントモード、高速メディアプリントモード、及び高ガマットメディアプリントモードの決定は、以下で説明される。
【0060】
当該方法はエンドポイントBで終了する。
【0061】
図4では、1つのセルがデフォルトのメディアプリントモードとしてラベル付けされる。メディアプリントモードテーブルが作成され、印刷媒体のメディアプリントモードで満たされると、メディアプリントモードのそれぞれについて、重要業績評価指標が本発明に従って決定される。重要業績評価指標が決定されると、デフォルトのメディアプリントモードがプリントコントローラ39によって自動的に決定される。プリントコントローラ39は、重要業績評価指標によって可能になるフィルタメカニズムを利用する。フィルタリングプロセスは、品質、生産性、及びコストのためにかなり広い範囲を選択することから始まる。おそらく、すべてのメディアプリントモードがこれらの範囲内にフィットする。次のステップでは、範囲が徐々に小さくなり、範囲内に収まるメディアプリントモードが少なくなる。このステップは、メディアプリントモードが1つだけ残るまで繰り返される。左側のメディアプリントモードがデフォルトのメディアプリントモードになる。そうすることで、デフォルトのメディアはすべての重要業績評価指標を重要なものとして考慮し、重要業績評価指標間のバランスが見つかる。したがって、デフォルトのメディアプリントモードを表すセルは、好ましくは、メディアプリントモードテーブル400の中央環境に配置される。
【0062】
デフォルトのメディアプリントモードの決定は、顧客の環境にある顧客の印刷システムで行われる。これにより、顧客の位置のプリンタと温度、湿度などのわずかな違いが自動的に考慮される。
図4のデフォルトのメディアプリントモードは、インク被覆率が60%、印刷速度が180ppmのメディアプリントモードである。
【0063】
図4では、1つのセルは、高速(High Speed)メディアプリントモードとしてラベル付けされている。重要業績評価指標の生産性が重要業績評価指標の印刷品質よりも重要であると考えられる場合、高速メディアプリントモードは、ユーザが選択することが好ましい。
図4の高速メディアプリントモードは、60%のインク被覆率及び300ppmの印刷速度を有するメディアプリントモードである。
【0064】
図4では、1つのセルは、高ガマット(High Gamut)メディアプリントモードとしてラベル付けされている。重要業績評価指標の印刷品質が重要業績評価指標の生産性よりも重要であると考えられる場合、高ガマットメディアプリントモードは、ユーザが選択することが好ましい。
図4の高ガマットメディアプリントモードは、90%のインク被覆率及び120ppmの印刷速度を有するメディアプリントモードである。
【0065】
一実施形態によれば、印刷システム1のユーザインターフェイス7は、ユーザがデフォルトのメディアプリントモード、高ガマットメディアプリントモード又は高速メディアプリントモード、又は、実際のメディアプリントモードテーブル400内の他のメディアプリントモードのいずれか、を選択しやすくするように構成されている。ユーザが制限付きのメディアプリントモードを選択した場合、実際のメディアプリントモードテーブル400に感嘆符420が付いたセル、印刷システム1のユーザインターフェイス7は、例えば、ポップアップウィンドウと、セルで表されるメディアプリントモードが必要であることを確認するためにユーザが押す必要のある確認ボタンによって、セルに対応する制限の説明を表示するように構成される。
【0066】
2次元メディアプリントモードテーブル400は、印刷システム1のユーザインターフェイス画面で使用することができる。ユーザインターフェイス画面では、2次元メディアプリントモードテーブルの各メディアプリントモードは、印刷速度値とインク被覆率値の一意に決定された組み合わせによって一意に決定される。各メディアプリントモードは、一意に決定された組み合わせに対応するテスト結果の表示項目を含む。例えば2次元メディアプリントモードテーブルには、各セルにテスト結果の表示が含まれている。テスト結果は、良い、悪い、又は条件付きの場合がある。テスト結果が悪い場合、セルに十字記号410が提供され得る。テスト結果が条件付きである場合、セルには感嘆符420が付けられてもよい。テスト結果が良好な場合、例えばセルは空欄又は緑色になっている可能性がある。
【0067】
メディアプリントモードは、対応する印刷媒体に印刷するときに適用するために、印刷システム1のローカルユーザインターフェイス7上の2次元テーブルから選択することができる。ユーザがメディアプリントモードを選択していない場合、印刷媒体のデフォルトのメディアプリントモードは、印刷媒体への印刷に自動的に適用される場合がある。
【0068】
ユーザが印刷媒体のメディアプリントモードを選択できるようにするために、ユーザインターフェイス画面で、2次元メディアプリントモードテーブルのセルには、印刷媒体への印刷に使用される、デフォルトのメディアプリントモード(「DEFAULT」)、高速メディアプリントモード(「High Speed」)、及び高ガマットメディアプリントモード(「High Gamut」)の表示も含まれる場合がある。セルをクリックすると、対応するメディアプリントモードは、印刷メディアに印刷するときに、対応する印刷速度と対応するインク被覆率で使用される。
【0069】
ユーザが印刷媒体のメディアプリントモードを選択するのをさらに助けるために、ユーザインターフェイス画面上で、2次元メディアプリントモードテーブルのセルには、印刷メディアを使用するかどうかの警告の表示、例えば、感嘆符(「!」)、も含まれる場合がある。クリック、タッチ、移動などにより、アクティベートするとき、警告表示条件、対応する印刷速度及び対応するインク被覆率の印刷媒体をいつどのように使用するか、又は使用しないかは、例えばポップアップウィンドウによって表示され得る。
【0070】
図6は、本発明のさらなる実施形態を示している。ユーザが印刷媒体のメディアプリントモードを選択するのをさらに助けるために、スライダーを含むユーザ操作可能な要素620は、ユーザインターフェイス画面600上に提供され得る。ユーザ操作可能な要素620は、示された重要業績評価指標テーブル630からの各高レベル重要業績評価指標(品質は「Q」、生産性は「Prod」、コストは「$$$」とラベル付けされている)のためのスライダーを提供する。各スライダーには、関連する重要業績評価指標に対応する値の範囲がある。スライダーを範囲内の特定の位置に設定することにより、スライダーによる設定を満たす重要業績評価指標の値を有するセル610は、2次元メディアプリントモードテーブルにおいて緑色に着色され得る。つまり、スライダーで選択した範囲内にフィットするセルは緑色になる。スライダーで選択した範囲内にフィットしないセルは緑色にならない。ユーザの希望に応じてスライダーを設定することにより、該当するセル、つまり印刷媒体のメディアプリントモードは、
図6に示すメディアプリントモードのテーブルに表示される。
【0071】
印刷システム1のローカルユーザインターフェイス7にユーザインターフェイス画面600を表示することに加えて、メディアプリントモードテーブル400を含むユーザインターフェイス画面600はまた、印刷システム1も接続されているネットワークにデジタル接続された携帯電話、タブレット、又はコンピュータなどの外部デバイスにインストールされたツールソフトウェアの一部であり得る。
【0072】
メディアプリントモードテーブル400の情報を新しい印刷媒体にリンクするために、新しい印刷媒体の暫定的な識別、例えば印刷媒体名を入力するために、別のユーザインターフェイス画面(図示せず)が提供される。メディアプリントモードテーブル400内の各メディアプリントモードの基礎となるシステム設定は、印刷システム1のプリントコントローラ39に存在するいわゆるメディアカタログ又はメディアリストに格納され得る。
【0073】
印刷システム1の紙経路内のセンサーは、印刷媒体が、紙経路に沿って印刷システム1を通ってシンプレックス及びデュプレックスのために輸送され得るかどうかをチェックし得る。
【0074】
センサーは、印刷媒体の幾何学的特性、例えば、印刷媒体のサイズ、事前に打ち抜かれた穴、穿孔、タブなどのサイズ及び位置を決定することができる。
【0075】
センサーは、印刷システム1を汚染することなく印刷媒体を印刷できるかどうかを決定することができる。インクが付着しないことが原因で汚染が発生している可能性がある。この汚染は、印刷媒体の多孔性及び/又は吸収特性をチェックすることによって決定される。汚染は、インクの固定中に印刷媒体コーティングの印刷媒体が溶けることによって引き起こされる可能性がある。
【0076】
センサーは、事前に印刷されたコンテンツを判別する場合がある。そうすることにより、印刷媒体シートの事前に印刷された印刷禁止領域が決定される。
【0077】
センサーは、温度センサー、湿度センサー、光センサー、音ベースのセンサーなどである可能性がある。
【0078】
メディアプリントモードは、行ごと又は列ごとに、メディアプリントモードテーブルに従って調べることができる。行ごとに、同じレベルのインク被覆率で印刷速度が段階的に増加する。
【0079】
列ごとに、同じレベルの印刷速度でインクの被覆率が段階的に増加する。
【0080】
本発明の詳細な実施形態が本明細書に開示されている;しかしながら、開示された実施形態は、本発明の単なる例示であり、様々な形態で具体化することができることが理解されるべきである。したがって、本明細書に開示される特定の構造的及び機能的詳細は、限定的であると解釈されるべきではなく、単に特許請求の範囲の基礎として、及び事実上いずれの適切に詳細な構造で本発明を様々に使用することを当業者に教えるための代表的な基礎として解釈されるべきである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0081】
【文献】US7,050,196 B1
【文献】EP3162579
【符号の説明】
【0082】
1 印刷システム
39 プリントコントローラ
31 プリントエンジン
44、45、46 入力ホルダー
51,52 出力ホルダー
34,32、35 紙経路
300、400 2次元メディアプリントモードテーブル
DEFAULT、High Speed、High Gamut、410,420、610 表示項目