(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-19
(45)【発行日】2024-03-28
(54)【発明の名称】ディスプレイパネル及び表示装置
(51)【国際特許分類】
G09F 9/00 20060101AFI20240321BHJP
G09F 9/30 20060101ALI20240321BHJP
H10K 50/10 20230101ALI20240321BHJP
H10K 59/10 20230101ALI20240321BHJP
【FI】
G09F9/00 346D
G09F9/30 308Z
G09F9/30 330
G09F9/30 338
G09F9/30 365
H10K50/10
H10K59/10
(21)【出願番号】P 2021542514
(86)(22)【出願日】2020-07-20
(86)【国際出願番号】 CN2020103058
(87)【国際公開番号】W WO2021258457
(87)【国際公開日】2021-12-30
【審査請求日】2021-07-21
(31)【優先権主張番号】202010571270.3
(32)【優先日】2020-06-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】517333336
【氏名又は名称】武漢華星光電半導体顕示技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】WUHAN CHINA STAR OPTOELECTRONICS SEMICONDUCTOR DISOLAY TECHNOLOGY CO.,LTD
【住所又は居所原語表記】305 Room,Building C5 Biolake of Optics Valley,No.666 Gaoxin Avenue,.Wuhan East Lake High-tech Development Zone Wuhan,Hubei 430079 China
(74)【代理人】
【識別番号】100204386
【氏名又は名称】松村 啓
(72)【発明者】
【氏名】▲趙▼ 慧慧
(72)【発明者】
【氏名】▲鮮▼于 文旭
【審査官】新井 重雄
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/220278(WO,A1)
【文献】中国特許出願公開第107256870(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第110211525(CN,A)
【文献】国際公開第2019/215530(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F 9/00
G09F 9/30
H10K 50/10
H10K 59/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスプレイパネルであって、
第1の基板、前記第1の基板上に位置する第1の駆動回路層、前記第1の駆動回路層上に位置する第2の基板、前記第2の基板上に位置する第2の駆動回路層、前記第2の駆動回路層上に位置する画素電極層
、ゲートドライバと前記ディスプレイパネルのバインディング層とを接続する第1のファンアウト配線、及
びソースドライバと前記ディスプレイパネルのバインディング層とを接続する第2のファンアウト配線を含み、
前記第1の駆動回路層中の
前記ゲートドライバ及び
前記ソースドライバの前記第1の基板上における正投影が、前記ディスプレイパネルの表示エリア内に位置し、
前記第1の駆動回路層は、前記ディスプレイパネルの少なくとも一側に位置する前記ゲートドライバを含み、前記ゲートドライバは、少なくとも1つのゲート駆動ユニットを含み、1つの前記ゲート駆動ユニットは第1のビアを介して少なくとも1本の前記第2の駆動回路層の走査ラインに電気的に接続され、
前記第1の駆動回路層は、前記ディスプレイパネルの少なくとも一側に位置する前記ソースドライバを含み、前記ソースドライバは、少なくとも1つのソース駆動ユニットを含み、1つの前記ソース駆動ユニットは第2のビアを介して少なくとも1本の前記第2の駆動回路層のデータラインに電気的に接続され、
前記第1のファンアウト配線は第3のビアを介して前記ゲートドライバに電気的に接続され、前記第2のファンアウト配線は第4のビアを介して前記ソースドライバに電気的に接続され、
前記第1のビア及び前記第2のビアは前記第2の基板及び一部の前記第2の駆動回路層を貫通しており、
前記第1のビア及び前記第2のビアは前記ディスプレイパネルのエッジに近接して設置される、
ディスプレイパネル。
【請求項2】
前記第2の駆動回路層は、前記第2の基板上に位置する活性層、前記活性層上に位置するゲート絶縁層、前記ゲート絶縁層上に位置するゲート層、前記ゲート層上に位置する層間絶縁膜、前記層間絶縁膜上に位置するソースドレイン層、及び前記ソースドレイン層上に位置する平坦層を含み、
前記第1のビアは前記ゲート絶縁層及び前記第2の基板を貫通しており、前記第2のビアは前記層間絶縁膜、前記ゲート絶縁層及び前記第2の基板を貫通している、請求項1に記載のディスプレイパネル。
【請求項3】
前記第1のファンアウト配線と前記第2のファンアウト配線は前記第1の基板内に位置する、請求項1に記載のディスプレイパネル。
【請求項4】
前記第3のビア及び前記第4のビアは前記第1の駆動回路層及び前記第1の基板を貫通している、請求項3に記載のディスプレイパネル。
【請求項5】
前記第1の駆動回路層は、前記ディスプレイパネルの第1の側辺に位置する第1のゲートドライバ、及び前記ディスプレイパネルの第3の側辺に位置する第2のゲートドライバ、及び前記ディスプレイパネルの第2の側辺に位置する第1のソースドライバを含み、
前記ディスプレイパネルのバインディング層の前記第1の駆動回路層上における正投影が、前記第1のゲートドライバ、前記第2のゲートドライバ、及び前記第1のソースドライバにより囲まれた領域内に位置する、請求項1に記載のディスプレイパネル。
【請求項6】
前記ゲートドライバ及び前記ソースドライバは、前記ディスプレイパネルの隣接する画素ユニットの間の非画素エリアに位置する、請求項1に記載のディスプレイパネル。
【請求項7】
前記第1の基板及び前記第2の基板はフレキシブル材で構成され、前記第1の基板及び前記第2の基板の厚さが1ミクロン~10ミクロンである、請求項1に記載のディスプレイパネル。
【請求項8】
前記ディスプレイパネルは、前記第2の駆動回路層上に位置する発光デバイス層及び前記発光デバイス層上に位置するパッケージ層をさらに含む、請求項1に記載のディスプレイパネル。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか一項に記載のディスプレイパネル、及び前記ディスプレイパネル上に位置する偏光板層及びカバープレート層を含む表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は表示分野に関し、特にディスプレイパネル及び表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
表示産業の技術の発展に伴って、ユーザーのディスプレイパネルの外観設計への要件がますます高くなり、例えば狭額縁の設計である。
【0003】
従来の携帯電話用ディスプレイパネルの下額縁は一般にCOF(Chip on FPC)又はCOP(Chip on Pi)のプロセスを採用して駆動チップの位置を設定し、ディスプレイパネルの下額縁の間隔をより小さくする。しかし、屈曲エリア及びディスプレイパネルの両側に位置するGOA回路はまだ一定の間隔を占めており、さらに額縁の縮小を実現できない。
【0004】
従って、上記技術的問題を解決するために、ディスプレイパネルが緊急に必要とされる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本願は、ディスプレイパネル及び表示装置を提供し、それにより、従来のディスプレイパネルの額縁の間隔が大きすぎるという技術的問題を解決する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願は、ディスプレイパネルを提供し、第1の基板、前記第1の基板上に位置する第1の駆動回路層、前記第1の駆動回路層上に位置する第2の基板、前記第2の基板上に位置する第2の駆動回路層、及び前記第2の駆動回路層上に位置する画素電極層を含み、
前記第1の駆動回路層中のゲートドライバ及びソースドライバの前記第1の基板上における正投影が、前記ディスプレイパネルの表示エリア内に位置する。
【0007】
本願のディスプレイパネルにおいて、前記第1の駆動回路層は、前記ディスプレイパネルの少なくとも一側に位置する前記ゲートドライバを含み、前記ゲートドライバは少なくとも1つのゲート駆動ユニットを含み、1つの前記ゲート駆動ユニットは第1のビアを介して少なくとも1本の前記第2の駆動回路層の走査ラインに電気的に接続され、
前記第1の駆動回路層は、前記ディスプレイパネルの少なくとも一側に位置する前記ソースドライバを含み、前記ソースドライバは少なくとも1つのソース駆動ユニットを含み、1つの前記ソース駆動ユニットは第2のビアを介して少なくとも1本の前記第2の駆動回路層のデータラインに電気的に接続され、
前記第1のビア及び前記第2のビアは前記第2の基板及び一部の前記第2の駆動回路層を貫通している。
【0008】
本願のディスプレイパネルにおいて、前記第2の駆動回路層は、前記第2の基板上に位置する活性層、前記活性層上に位置するゲート絶縁層、前記ゲート絶縁層上に位置するゲート層、前記ゲート層上に位置する層間絶縁膜、前記層間絶縁膜上に位置するソースドレイン層、及び前記ソースドレイン層上に位置する平坦層を含み、
前記第1のビアは前記ゲート絶縁層及び前記第2の基板を貫通しており、前記第2のビアは前記層間絶縁膜、前記ゲート絶縁層及び前記第2の基板を貫通している。
【0009】
本願のディスプレイパネルにおいて、前記第1のビア及び前記第2のビアは前記ディスプレイパネルのエッジに近接して設置される。
【0010】
本願のディスプレイパネルにおいて、前記ディスプレイパネルは、前記ゲートドライバと前記ディスプレイパネルのバインディング層とを接続する第1のファンアウト配線、及び前記ソースドライバと前記ディスプレイパネルのバインディング層とを接続する第2のファンアウト配線をさらに含み、
前記第1のファンアウト配線は第3のビアを介して前記ゲートドライバに電気的に接続され、前記第2のファンアウト配線は第4のビアを介して前記ソースドライバに電気的に接続され、
前記第1のファンアウト配線と前記第2のファンアウト配線は前記第1の基板内に位置する。
【0011】
本願のディスプレイパネルにおいて、前記第3のビア及び前記第4のビアは前記第1の駆動回路層及び前記第1の基板を貫通している。
【0012】
本願のディスプレイパネルにおいて、前記第1の駆動回路層は、前記ディスプレイパネルの第1の側辺に位置する第1のゲートドライバ、前記ディスプレイパネルの第3の側辺に位置する第2のゲートドライバ、及び前記ディスプレイパネルの第2の側辺に位置する第1のソースドライバを含み、
前記ディスプレイパネルのバインディング層の前記第1の駆動回路層上における正投影が、前記第1のゲートドライバ、前記第2のゲートドライバ、及び前記第1のソースドライバにより囲まれた領域内に位置する。
【0013】
本願のディスプレイパネルにおいて、前記ゲートドライバ及び前記ソースドライバは、前記ディスプレイパネルの隣接する画素ユニットの間の非画素エリアに位置する。
【0014】
本願のディスプレイパネルにおいて、前記第1の基板及び前記第2の基板はフレキシブル材で構成され、前記第1の基板及び前記第2の基板の厚さが1ミクロン~10ミクロンである。
【0015】
本願のディスプレイパネルにおいて、前記ディスプレイパネルは、前記第2の駆動回路層上に位置する発光デバイス層及び前記発光デバイス層上に位置するパッケージ層をさらに含む。
【0016】
本願は、表示装置をさらに提案し、前記表示装置はディスプレイパネル、並びに前記ディスプレイパネル上に位置する偏光板層及びカバープレート層を含み、前記ディスプレイパネルは第1の基板、前記第1の基板上に位置する第1の駆動回路層、前記第1の駆動回路層上に位置する第2の基板、前記第2の基板上に位置する第2の駆動回路層、及び前記第2の駆動回路層上に位置する画素電極層を含み、
前記第1の駆動回路層中のゲートドライバ及びソースドライバの前記第1の基板上における正投影が、前記ディスプレイパネルの表示エリア内に位置する。
【0017】
本願の表示装置において、前記第1の駆動回路層は前記ディスプレイパネルの少なくとも一側に位置する前記ゲートドライバを含み、前記ゲートドライバは少なくとも1つのゲート駆動ユニットを含み、1つの前記ゲート駆動ユニットは第1のビアを介して少なくとも1本の前記第2の駆動回路層の走査ラインに電気的に接続され、
前記第1の駆動回路層は、前記ディスプレイパネルの少なくとも一側に位置する前記ソースドライバを含み、前記ソースドライバは少なくとも1つのソース駆動ユニットを含み、1つの前記ソース駆動ユニットは第2のビアを介して少なくとも1本の前記第2の駆動回路層のデータラインに電気的に接続され、
前記第1のビア及び前記第2のビアは前記第2の基板及び一部の前記第2の駆動回路層を貫通している。
【0018】
本願の表示装置において、前記第2の駆動回路層は、前記第2の基板上に位置する活性層、前記活性層上に位置するゲート絶縁層、前記ゲート絶縁層上に位置するゲート層、前記ゲート層上に位置する層間絶縁膜、前記層間絶縁膜上に位置するソースドレイン層、及び前記ソースドレイン層上に位置する平坦層を含み、
前記第1のビアは前記ゲート絶縁層及び前記第2の基板を貫通しており、前記第2のビアは前記層間絶縁膜、前記ゲート絶縁層及び前記第2の基板を貫通している。
【0019】
本願の表示装置において、前記第1のビア及び前記第2のビアは前記ディスプレイパネルのエッジに近接して設置される。
【0020】
本願の表示装置において、前記ディスプレイパネルは、前記ゲートドライバと前記ディスプレイパネルのバインディング層とを接続する第1のファンアウト配線、及び前記ソースドライバと前記ディスプレイパネルのバインディング層とを接続する第2のファンアウト配線をさらに含み、
前記第1のファンアウト配線は第3のビアを介して前記ゲートドライバに電気的に接続され、前記第2のファンアウト配線は第4のビアを介して前記ソースドライバに電気的に接続され、
前記第1のファンアウト配線と前記第2のファンアウト配線は前記第1の基板内に位置する。
【0021】
本願の表示装置において、前記第3のビア及び前記第4のビアは前記第1の駆動回路層及び前記第1の基板を貫通している。
【0022】
本願の表示装置において、前記第1の駆動回路層は、前記ディスプレイパネルの第1の側辺に位置する第1のゲートドライバ、前記ディスプレイパネルの第3の側辺に位置する第2のゲートドライバ、及び前記ディスプレイパネルの第2の側辺に位置する第1のソースドライバを含み、
前記ディスプレイパネルのバインディング層の前記第1の駆動回路層上における正投影が、前記第1のゲートドライバ、前記第2のゲートドライバ、及び前記第1のソースドライバにより囲まれた領域内に位置する。
【0023】
本願の表示装置において、前記ゲートドライバ及び前記ソースドライバは、前記ディスプレイパネルの隣接する画素ユニットの間の非画素エリアに位置する。
【0024】
本願の表示装置において、前記第1の基板及び前記第2の基板はフレキシブル材で構成され、前記第1の基板及び前記第2の基板の厚さが1ミクロン~10ミクロンである。
【0025】
本願の表示装置において、前記ディスプレイパネルは、前記第2の駆動回路層上に位置する発光デバイス層及び前記発光デバイス層上に位置するパッケージ層をさらに含む。
【発明の効果】
【0026】
[有益な効果]
本願は、前記ディスプレイパネルのゲートドライバ及びソースドライバを前記ディスプレイパネルのアレイ駆動層の下方に設置すること、及び前記ゲートドライバ及び前記ソースドライバの前記第1の基板上における正投影が、前記ディスプレイパネルの表示エリア内に位置することにより、額縁の間隔を占める既存のソースドライバ及びゲートドライバを取り除き、ディスプレイパネルの狭額縁設計を実現する。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】本願のディスプレイパネルの断面構造図である。
【
図2】本願のディスプレイパネルの第1の駆動回路層の上面構造図である。
【
図3】本願のディスプレイパネルの各層の構造模式図である。
【
図4】本願のディスプレイパネルのバインディング層の構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本願の目的、技術的解決手段及び効果をより明瞭かつ明確にするために、以下、図面を参照して、且つ実施例を挙げて本願を更に詳細に説明する。ここで説明する具体的な実施例は単に本願を解釈することに使用され、本願を限定することに用いられないことを理解すべきである。
【0029】
従来の携帯電話用ディスプレイパネルの下額縁は一般にCOF又はCOPのプロセスを採用して駆動チップの位置を設定し、ディスプレイパネルの下額縁の間隔をより小さくする。しかし、屈曲エリア及びディスプレイパネルの両側に位置するGOA回路がまだ一定の間隔を占めており、さらに額縁の縮小を実現できない。本願は、以下の技術的解決手段を提案することにより、上記技術的問題を解決する。
【0030】
図1~
図4に参照されるように、本願はディスプレイパネル100を提供し、第1の基板
10、前記第1の基板10上に位置する第1の駆動回路層20、前記第1の駆動回路層20上に位置する第2の基板30、前記第2の基板30上に位置する第2の駆動回路層40、及び前記第2の駆動回路層40上に位置する画素電極層を含み、
本実施例では、前記第1の駆動回路層20中のゲートドライバ21及びソースドライバ22の前記第1の基板10上における正投影が、前記ディスプレイパネル100の表示エリア内に位置する。
【0031】
本願は、前記ディスプレイパネル100のゲートドライバ21及びソースドライバ22を前記ディスプレイパネル100のアレイ駆動層の下方に設置すること、及び前記ゲートドライバ21及び前記ソースドライバ22の前記第1の基板10上における正投影が前記ディスプレイパネル100の表示エリア内に位置することにより、額縁の間隔を占める既存のソースドライバ22及びゲートドライバ21を取り除き、ディスプレイパネル100の狭額縁設計を実現する。
【0032】
本願の技術的解決手段は、OLEDディスプレイパネル100又はLCDディスプレイパネル100に適用でき、異なるタイプのディスプレイパネル100は異なる構造に対応し、現在、具体的な実施例と組み合わせ、OLEDディスプレイパネル100を例に、本願の技術的解決手段を説明する。
【0033】
図1に参照されるように、前記ディスプレイパネル100は、第1の基板10、前記第1の基板10上に位置する第1の駆動回路層20、前記第1の駆動回路層20上に位置する第2の基板30、前記第2の基板30上に位置する第2の駆動回路層40、前記第2の駆動回路層40上に位置する発光デバイス層50、及び前記発光デバイス層50上に位置するパッケージ層60を含む。
【0034】
本実施例では、前記第1の基板10及び前記第2の基板30は、リジッド基板又はフレキシブル基板のうちの1種であってもよい。前記第1の基板10及び前記第2の基板30がリジッド基板である場合、前記第1の基板10及び前記第2の基板30の材料はガラス、石英などの材料で製造されてもよい。前記第1の基板10及び前記第2の基板30がフレキシブル基板である場合、前記第1の基板10及び前記第2の基板30はポリイミドなどの材料であってもよい。一方、OLEDディスプレイパネル100では、基板構造はフレキシブル基板としてもよく、ここではこれについて詳細に記述しない。
【0035】
前記第2の駆動回路層40は複数の第2の薄膜トランジスタ41を含む。前記第2の薄膜トランジスタ41はエッチングバリア型、バックチャンネルエッチング型又はトップゲート薄膜トランジスタ型などの構造であってもよく、具体的には制限がない。たとえばトップゲート薄膜トランジスタ型の前記第2の薄膜トランジスタ41は、前記第2の基板30上に位置するバッファリング層401、前記バッファリング層401上に位置する活性層、前記活性層上に位置するゲート絶縁層402、前記ゲート絶縁層402上に位置するゲート層、前記ゲート層上に位置する層間絶縁膜403、前記層間絶縁膜403上に位置するソースドレイン層、及び前記ソースドレイン層上に位置する平坦層404を含んでもよい。
【0036】
本実施例では、上記トップゲート薄膜トランジスタはシングルゲート構造に制限されず、ダブルゲート構造などに設置されてもよく、ここではさらに詳しく記述する。
【0037】
図1に参照されるように、前記発光デバイス層50は、前記第2の駆動回路層40上に形成された陽極層51、発光層52及び陰極層53を含み、ここで、前記陽極層51は前述した画素電極層である。
【0038】
前記陽極層51は前記平坦層404上に形成される。前記陽極層51は主に電子を吸収する正孔を提供することに用いられる。本実施例では、トップエミッション型OLEDデバイスを例に説明し、従って、前記陽極層51は非透明又は透明の金属電極であってもよい。前記発光層52は前記陽極層51上に形成される。前記発光層52は画素定義層54により複数の発光ユニットに分割される。
【0039】
前記陰極層53は前記発光層52上に形成される。前記陰極層53は、前記発光層52及び前記平坦層404上に位置する画素定義層54を覆う。
【0040】
本実施例では、前記ディスプレイパネル100の発光タイプに基づき、前記陽極層51及び前記陰極層53の材料を限定してもよい。たとえば、前記ディスプレイパネル100がトップ発光型ディスプレイパネル100である場合、前記陽極層51は全反射材料で構成されてもよく、前記陰極層53は半反射材料で構成されてもよい。前記ディスプレイパネル100がボトム発光型ディスプレイパネル100である場合、前記陰極層53と前記陽極層51の材料は交換する。
【0041】
そのうち、前記発光デバイス層50は陽極層51と陰極層53による全反射と半反射を通じてマイクロキャビティ効果を形成することにより、前記発光デバイス層50の発光効率を向上させる。
【0042】
前記第1の駆動回路層20中に大量の遮光金属層が設置されているので、前記ディスプレイパネル100がボトム発光型である場合、前記第1の駆動回路層20に対応するデバイスはディスプレイパネル100の非光透過エリアにのみ設置でき、一方、トップ発光型ディスプレイパネル100には上記制限がない。従って、ボトム発光型ディスプレイパネル100に比べて、トップ発光型ディスプレイパネル100は比較的大きな開口率を有する。
【0043】
図1に参照されるように、前記パッケージ層60はフィルムパッケージ層60であってもよく、それは、第1の無機層、前記第1の無機層上に位置する第1の有機層、及び前記第1の有機層上に位置する第2の無機層を有してもよい。具体的な構造は従来技術と同様又は類似であり、ここでは詳しく説明しない。
【0044】
図1に参照されるように、第1の駆動回路層20は前記第1の基板10と前記第2の基板30の間に位置する。前記第1の駆動回路層20と前記第2の駆動回路層40は類似しており、前記第1の駆動回路層20は同時に複数の第1の薄膜トランジスタ201が設置され、前記第1の薄膜トランジスタ201の構造は、前記第2の駆動回路層40中の第2の薄膜トランジスタ41を参照してもよく、ここでは詳しく説明しない。
【0045】
本実施例では、前記第1の駆動回路層20中の複数の第1の薄膜トランジスタ201の組み合わせは、相応なゲートドライバ21又はソースドライバ22を構成してもよい。
【0046】
図1及び
図2に参照されるように、前記第1の駆動回路層20は、前記ディスプレイパネル100の少なくとも一側に位置する前記ゲートドライバ21を含み、前記ゲートドライバ21は少なくとも1つのゲート駆動ユニット213を含み、1つの前記ゲート駆動ユニット213は第1のビア214を介して少なくとも1本の前記第2の駆動回路層40の走査ライン405に電気的に接続される。
【0047】
本実施例では、前記第1の駆動回路層20は、前記ディスプレイパネル100の第1の側辺701に位置する第1のゲートドライバ211、及び前記ディスプレイパネル100の第3の側辺703に位置する第2のゲートドライバ212を含んでもよく、前記第1の駆動ゲートデバイス及び前記第2の駆動ゲートデバイス内に、複数の薄膜トランジスタから構成されるゲート駆動ユニット213、すなわちGOAユニットが設置され、1つのGOAユニットは、1本又は複数本の走査ライン405を同時に走査できる。本実施例におけるゲート駆動ユニット213のタイプは従来技術における2T1C、7T1Cなどであってもよく、ここでは具体的な制限はない。
【0048】
本実施例では、前記第1のビア214は前記第2の基板30及び一部の前記第2の駆動回路層40を貫通している。前記第1のビア214は前記ゲート絶縁層402、前記バッファリング層401及び前記第2の基板30を貫通しており、それにより、前記ゲート層中の走査ライン405が前記第1のビア214を介して前記第1の駆動回路層20中のゲートドライバ21に電気的に接続される。
【0049】
パネルの左右両側ともにゲートドライバ21が設置されているので、本実施例のディスプレイパネル100は、両側のゲートドライバ21から同時にパネル内に走査信号を入力し、又は第1のゲートドライバ211は奇数行の走査ライン405をコントロールすることに用いられ、第2のゲートドライバ212は偶数行の走査ライン405をコントロールすることに用いられるなどのようにしてもよく、具体的な走査方式について本願では詳細に記述しない。
【0050】
図1及び
図2に参照されるように、前記
第1の駆動回路層20は、前記ディスプレイパネル100の少なくとも一側に位置する前記ソースドライバ22を含み、前記ソースドライバ22は少なくとも1つのソース駆動ユニット223を含み、1つの前記ソース駆動ユニット223は第2のビア224を介して少なくとも1本の前記第2の駆動回路層40のデータライン406に電気的に接続される。
【0051】
本実施例では、前記第1の側辺701と前記第3の側辺703は、前記ディスプレイパネル100の、対向して設置された側額縁であってもよい。前記ディスプレイパネル100は、第2の側辺702と、前記第2の側辺702に対向して設置される第4の側辺704とをさらに含み、前記第2の側辺702と前記第4の側辺704は上額縁と底額縁であってもよい。
【0052】
本実施例では、前記第1の駆動回路層20は、前記ディスプレイパネル100の前記第2の側辺702に位置する第1のソースドライバ221を含んでもよく、前記ディスプレイパネル100のデータライン406は、前記第1の側辺701又は前記第3の側辺703の方向に沿って前記第2の側辺702へ延び、且つ前記第2のビア224を介して前記第1のソースドライバ221に電気的に接続される。前記第1のソースドライバ221中のソース駆動ユニット223は、少なくとも1本の前記データライン406に電気的に接続されてもよい。
【0053】
本実施例では、前記第1の駆動回路層20は、前記ディスプレイパネル100の第4の側辺704に位置する第2のソースドライバをさらに含んでもよく、一部の前記データライン406は前記第1のソースドライバ221に電気的に接続され、一部の前記データライン406は前記第2のソースドライバに電気的に接続され、前記第1のソースドライバ221と前記第2のソースドライバは互いに干渉しない。
【0054】
本実施例では、前記第2のビア224は前記第2の基板30及び一部の前記第2の駆動回路層40を貫通している。前記第2のビア224は前記層間絶縁膜403、前記ゲート絶縁層402、前記バッファリング層401、及び前記第2の基板30を貫通しており、それにより、前記ソースドレイン層中に位置するデータライン406は前記第2のビア224を介して前記第1の駆動回路層20中のソースドライバ22に電気的に接続される。
【0055】
図2に参照されるように、前記第1のビア214及び前記第2のビア224は、前記ディスプレイパネル100のエッジに近接して設置されてもよい。前記第1のビア214及び前記第2のビア224を前記ディスプレイパネル100のエッジに設置することにより、ビアのパネルの内部構造への影響を回避できる。
【0056】
図1及び3に参照されるように、前記ディスプレイパネル100は、第1の駆動回路層20上に位置する表示層200、及び前記第1の駆動回路層20の前記表示層200から離れた一側に位置するバインディング層80を含んでもよい。前記バインディング層80は、前記第1の基板10内に位置する、又は前記第1の基板10の前記発光デバイス層50から離れた一側に位置する。
【0057】
本実施例では、前記バインディング層80の前記第1の駆動回路層20上における正投影が、前記第1のゲートドライバ211、前記第2のゲートドライバ212、及び前記第1のソースドライバ221又は/及び前記第2のソースドライバにより囲まれた領域内に位置する。
【0058】
図4に参照されるように、前記ディスプレイパネル100は、前記ゲートドライバ21と前記ディスプレイパネル100のバインディング層80とを接続する第1のファンアウト配線81、及び前記ソースドライバ22と前記ディスプレイパネル100のバインディング層80とを接続する第2のファンアウト配線82をさらに含む。
【0059】
本実施例では、前記第1のファンアウト配線81は、第3のビア83を介して前記ゲートドライバ21に電気的に接続され、前記第2のファンアウト配線82は、第4のビア84を介して前記ソースドライバ22に電気的に接続される。
【0060】
本実施例では、前記第1のファンアウト配線81及び前記第2のファンアウト配線82と第1の駆動層中の各信号ラインとの短絡を回避するために、前記第1のファンアウト配線81及び前記第2のファンアウト配線82は、前記バインディング層80と同一層に設置されてもよい。
【0061】
図1に参照されるように、前記第1のファンアウト配線81と前記第2のファンアウト配線82は前記第1の基板10内に位置してもよい。前記第3のビア83及び前記第4のビア84は前記第1の駆動回路層20及び前記第1の基板10を貫通している。
【0062】
図4に参照されるように、前記第1のファンアウト配線81は、前記ゲートドライバ21の前記第2の側辺702に近接する底端に沿って、前記バインディング層80の第1の端子エリアへ延伸し、且つ前記第2のファンアウト配線82と絶縁して設置されてもよい。
【0063】
本実施例では、前記第1のファンアウト配線81は、前記ゲートドライバ21の前記第4の側辺704に近接する底端から前記バインディングエリアの第2の端子エリアへ延伸してもよい。本実施例の技術的解決手段は、第1のファンアウト配線81及び前記第2のファンアウト配線82中の各信号ラインの間隔を向上させ、第1のファンアウト配線81及び第2のファンアウト配線82のプロセス及び正確性を低減させ、且つ信号ラインに断線が発生するという技術的問題を回避することができる。
【0064】
従来の狭額縁のフレキシブルディスプレイパネル100に対しては、一般には、ディスプレイパネル100の底額縁を、ディスプレイパネル100の発光層52から離れた一側に屈曲し、ディスプレイパネル100の裏面の空間を利用して、パネル上の駆動IC又は表示ICを設置し、それにより、ディスプレイパネル100の下額縁を減少させる。しかし、フレキシブルディスプレイパネル100の屈曲構造にまた所定の屈曲半径が存在するため、ディスプレイパネル100の下額縁の間隔を無くせないことを引き起こす。
【0065】
本実施例の前記バインディング層80は、前記第1の基板10の前記ディスプレイパネル100の発光層52から離れた一側に設置され、それにより、ディスプレイパネル100のソースドライバ22及びゲートドライバ21は、対応するビアを介して前記バインディング層80に接続され、前記ディスプレイパネル100の底部から対応するデータ信号を直接入力又は出力することができ、パネルの下額縁の間隔がなくなり、ディスプレイパネル100の下額縁の間隔が0であることが実現される。
【0066】
上記実施例では、前記ディスプレイパネル100がボトム発光型又はLCDディスプレイパネル100である場合、前記ゲートドライバ21及び前記ソースドライバ22は、前記ディスプレイパネル100の隣接する画素ユニットの間の非画素エリアに位置してもよい。発光層52から発する光線又はバックライトモジュールから発光する光源が対応する前記ゲートドライバ21及び前記ソースドライバ22によって遮断されることを回避する。
【0067】
上記実施例では、前記第1の基板10及び前記第2の基板30の厚さが1ミクロン~10ミクロンである。本実施例の技術的解決手段は、フレキシブル基板上又はフレキシブル基板内に薄膜トランジスタの製造を行う必要があるため、プロセスの過程におけるパネルの平坦化を確保するには所定の厚さを基礎とする必要がある。また、フレキシブル基板は同様にパネルの耐屈曲能力又は応力の放出などの利点を増加できる。
【0068】
上記実施例では、前記データライン406又は前記走査ライン405は、対応するビアを介して前記第1の駆動回路層20中の各ドライバのソースドレインに電気的に接続され、さらに第1の駆動回路層20中の、ソースドレイン層と同一層の信号ラインを介して前記バインディング層80中に伝送される。また、本願は、単に上記接続方式を例に簡単に説明するだけであり、データ信号の伝送に関しては、前記第1の薄膜トランジスタ201中のゲート層、活性層などの金属層はすべてデータ信号の伝送膜層として用いることができ、本願の上記実施例に限定されない。
【0069】
本願は、前記ディスプレイパネル100のゲートドライバ21及びソースドライバ22を前記ディスプレイパネル100のアレイ駆動層の下方に設置すること、及び前記ゲートドライバ21及び前記ソースドライバ22の前記第1の基板10上における正投影が、前記ディスプレイパネル100の表示エリア内に位置することにより、額縁の間隔を占める既存のソースドライバ22及びゲートドライバ21を取り除き、ディスプレイパネル100の狭額縁設計を実現し、前記ディスプレイパネル100が全体として表示エリアとなることを可能とする。
【0070】
本願は、表示装置をさらに提案し、前記表示装置は、上記ディスプレイパネル、並びに前記ディスプレイパネル上に位置する偏光板層及びカバープレート層を含む。本実施例における前記表示装置の作動原理は、上記ディスプレイパネルの作動原理と同様又は類似するが、ここでは詳しく説明しない。
【0071】
本願は、ディスプレイパネル及び表示装置を提案しており、該ディスプレイパネルは、第1の基板、前記第1の基板上に位置する第1の駆動回路層、前記第1の駆動回路層上に位置する第2の基板、前記第2の基板上に位置する第2の駆動回路層、及び前記第2の駆動回路層上に位置する画素電極層を含む。本願は、前記ディスプレイパネルのゲートドライバ及びソースドライバを前記ディスプレイパネルのアレイ駆動層の下方に設置すること、及び前記ゲートドライバ及び前記ソースドライバの前記第1の基板上における正投影が、前記ディスプレイパネルの表示エリア内に位置することにより、額縁の間隔を占める既存のソースドライバ及びゲートドライバを取り除き、ディスプレイパネルの狭額縁設計を実現する。
【0072】
理解できることとして、当業者にとっては、本願の技術的解決手段及びその発明構想に基づき、均等物への置換又は変更を加えることができ、これらの変更又は置換はすべて本願の添付の特許請求の範囲の保護範囲に属するべきである。
【符号の説明】
【0073】
10 第1の基板
20 第1の駆動回路層
21 ゲートドライバ
22 ソースドライバ
30 第2の基板
40 第2の駆動回路層
41 第2の薄膜トランジスタ
50 発光デバイス層
51 陽極層
52 発光層
53 陰極層
54 画素定義層
60 パッケージ層
80 バインディング層
81 第1のファンアウト配線
82 第2のファンアウト配線
83 第3のビア
84 第4のビア
100 ディスプレイパネル
200 表示層
201 第1の薄膜トランジスタ
211 第1のゲートドライバ
212 第2のゲートドライバ
213 ゲート駆動ユニット
214 第1のビア
221 第1のソースドライバ
223 ソース駆動ユニット
224 第2のビア
401 バッファリング層
402 ゲート絶縁層
403 層間絶縁膜
404 平坦層
405 走査ライン
406 データライン
701 第1の側辺
702 第2の側辺
703 第3の側辺
704 第4の側辺
1010 第1の基板