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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-19
(45)【発行日】2024-03-28
(54)【発明の名称】洗濯機
(51)【国際特許分類】
   D06F 37/10 20060101AFI20240321BHJP
【FI】
D06F37/10
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2022510143
(86)(22)【出願日】2020-08-17
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-26
(86)【国際出願番号】 CN2020109440
(87)【国際公開番号】W WO2021032037
(87)【国際公開日】2021-02-25
【審査請求日】2022-07-28
(31)【優先権主張番号】201910767605.6
(32)【優先日】2019-08-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】514114622
【氏名又は名称】青島海爾滾筒洗衣机有限公司
(73)【特許権者】
【識別番号】520148792
【氏名又は名称】海爾智家股▲フン▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】HAIER SMART HOME CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】No.1 Haier Road, Laoshan District Qingdao, Shandong 266101 China
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】趙志強
(72)【発明者】
【氏名】許升
(72)【発明者】
【氏名】呂佩師
【審査官】遠藤 邦喜
(56)【参考文献】
【文献】特表2020-519361(JP,A)
【文献】中国実用新案第206521635(CN,U)
【文献】特開2007-130359(JP,A)
【文献】国際公開第2006/054423(WO,A1)
【文献】欧州特許出願公開第03623512(EP,A1)
【文献】国際公開第2018/205933(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D06F 37/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗浄水が独立して収容される洗浄室を有する内槽と、
開閉可能に前記内槽の槽口に装着される内槽ドア、を含み、
前記内槽ドアは、扉体内殻、扉体外殻及び扉体ライニングを含み、
前記扉体ライニングは、前記扉体内殻と前記扉体外殻との間に挟持及び固定され
前記扉体ライニングは、前記内槽の槽口の形状と一致する閉塞部と、前記閉塞部の外周に位置する接続部を含み、前記接続部は、前記扉体内殻と前記扉体外殻との間に挟持及び固定され、
前記閉塞部は、閉塞面と、前記閉塞面の外周が内槽の軸方向に延伸した移行壁を含み、
前記接続部は、前記移行壁の外周から外側に反転して形成される環状の接続壁であり、
前記内槽ドアは、更に、前記閉塞部の外周に装着される密封部材を含み、
前記扉体内殻は、環状の内殻本体を含み、
前記内殻本体の内側の周壁と前記扉体ライニングの移行壁の間には、前記密封部材の一端を挟持及び固定するための装着スペースが備わっており、前記扉体ライニングの閉塞面の外周は、径方向に外側へ延伸してストップリングを形成しており、前記密封部材の他端は前記ストップリング上に当止し、前記密封部材の両端の間には、少なくとも一層の密封リブが設けられていることを特徴とする洗濯機。
【請求項2】
前記扉体内殻は、環状の内殻本体、前記内殻本体に設けられる内殻接続部及び内殻押圧部を含み、前記扉体外殻は、環状の外殻本体、前記外殻本体に設けられる外殻接続部及び外殻押圧部を含み、
前記内殻接続部と前記外殻接続部は接続部材によって固定的に接続され、前記内殻押圧部と前記外殻押圧部は、前記扉体ライニングの接続部を挟持して固定することを特徴とする請求項に記載の洗濯機。
【請求項3】
前記扉体外殻は、前記外殻本体に設けられる外殻支持部を含み、前記外殻支持部は、内槽の軸方向に沿って閉塞部まで延伸して押圧及び支持を行ことを特徴とする請求項に記載の洗濯機。
【請求項4】
前記外殻本体は環状凹溝を有し、前記内殻本体の内側の周壁と前記環状凹溝の内側の周壁は間隔を置いて設置され、前記内殻押圧部は、内殻本体の内側の周壁に設けられる内殻突起であり、前記扉体ライニングの接続部は、外殻本体の前記環状凹溝内に伸入して前記内殻突起と前記環状凹溝の底壁との間に挟持及び固定されことを特徴とする請求項に記載の洗濯機。
【請求項5】
前記外殻支持部は、前記環状凹溝の内側の周壁から前記内槽の軸方向に沿って移行壁まで延伸して形成される支持壁であることを特徴とする請求項に記載の洗濯機。
【請求項6】
前記内殻本体には環状の装着溝が開設されており、前記環状の装着溝内に装着孔が設けられており、接続部材は、前記装着孔を貫通して外殻本体に固定的に接続され、前記密封部材は装飾部を含み、前記装飾部は、前記装着溝の上方まで延伸して前記装着溝の溝口を覆うことを特徴とする請求項に記載の洗濯機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗濯機器の技術分野に関し、具体的には洗濯機に関する。
【背景技術】
【0002】
洗濯機は、日常生活において最も広く使用されている家庭用電気製品であり、洗濯の煩わしさから人々を解放し、多大な利便性をもたらしている。しかし、従来の洗濯機は一般的に内槽と外槽を含んでいる。内槽の槽壁には複数の脱水孔が分布しているが、洗浄過程では、内槽と外槽の間の洗浄水は利用されないため、当該部分の洗浄水が無駄となってしまう。且つ、洗浄過程で発生する汚れは水流とともに内槽と外槽の間に進入して蓄積される。そして、長期間使用しているうちに、汚れの蓄積が洗浄効果に影響を及ぼすことで、ユーザエクスペリエンスを低下させる。
【0003】
上記の課題を解決するために、従来の孔無し内槽を有するドラム洗濯機は、孔無し内槽の槽口に開放/閉止可能な内槽ドアを装着することで、洗浄水を独立して収容可能な内部空間を形成している。こうすることで、洗浄及びすすぎ過程において、洗浄水は内槽内に収容されて、内槽と外槽の間は無水となる。これにより、内槽と外槽の間の汚れの問題が解決されるとともに、洗浄用水量の節約にもなる。孔無し内槽を有するドラム洗濯機の構造的特性から明らかなように、洗浄及びすすぎ過程で内槽ドアの密封性を維持することが、洗浄水を独立して収容可能な内槽の内部空間を形成するポイントとなる。且つ、内槽の高速回転による脱水過程では、内槽ドアのロックを保証することで、深刻な危険事故の発生を回避する必要がある。
【0004】
以上に鑑みて、本願は、孔無し内槽の密封問題を解決し、洗浄水を独立して収容する内部空間を形成することを主旨として、本発明を提案する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記の課題を解決するために、本発明の目的は洗濯機を提供することである。具体的には、以下の技術方案を用いる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
洗濯機は、洗浄水が独立して収容される洗浄室を有する内槽と、開閉可能に前記内槽の槽口に装着される内槽ドア、を含む。前記内槽ドアは、扉体内殻、扉体外殻及び扉体ライニングを含む。前記扉体ライニングは、扉体内殻と扉体外殻の間に挟持及び固定される。
【0007】
更に、前記扉体ライニングは、内槽の槽口の形状と一致する閉塞部と、閉塞部の外周に位置する接続部を含む。前記接続部は、扉体内殻と扉体外殻の間に挟持及び固定される。
【0008】
更に、前記閉塞部は、閉塞面と、閉塞面の外周が内槽の軸方向に延伸した移行壁を含む。前記接続部は、移行壁の外周から外側に反転して形成される環状の接続壁である。
【0009】
更に、前記扉体内殻は、環状の内殻本体、内殻本体に設けられる内殻接続部及び内殻押圧部を含む。前記扉体外殻は、環状の外殻本体、外殻本体に設けられる外殻接続部及び外殻押圧部を含む。
【0010】
前記内殻接続部と外殻接続部は接続部材によって固定的に接続される。前記内殻押圧部と外殻押圧部は、扉体ライニングの接続部を挟持して固定する。
【0011】
更に、前記扉体外殻は、外殻本体に設けられる外殻支持部を含む。前記支持部は、内槽の軸方向に沿って閉塞部まで延伸して押圧及び支持を行う。
【0012】
好ましくは、前記支持部は、内槽の軸方向に沿って閉塞面及び/又は移行壁まで延伸して押圧及び支持を行う。
【0013】
更に、前記内槽ドアは、更に、閉塞部の外周に装着される密封部材を含む。
【0014】
更に、前記外殻本体は環状凹溝を有する。前記内殻本体の内側の周壁と環状凹溝の内側の周壁は間隔を置いて設置される。前記内殻押圧部は、内殻本体の内側の周壁に設けられる内殻突起である。前記扉体ライニングの接続部は、外殻本体の環状凹溝内に伸入して内殻突起と環状凹溝の底壁の間に挟持及び固定される。
【0015】
好ましくは、前記環状凹溝の底壁における内殻突起に対応する位置には外殻突起が設けられている。前記扉体ライニングの接続部は、外殻本体の環状凹溝内に伸入して内殻突起と外殻突起の間に挟持及び固定される。
【0016】
更に、前記支持部は、環状凹溝の内側の周壁から内槽の軸方向に沿って移行壁まで延伸して形成される支持壁である。
【0017】
更に、前記内殻本体の内側の周壁と扉体ライニングの移行壁の間には、前記密封部材の一端を挟持及び固定するための装着スペースが備わっている。扉体ライニングの閉塞面の外周は、径方向に外側へ延伸してストップリングを形成しており、前記密封部材の他端は前記ストップリング上に当止する。前記密封部材の両端の間には、少なくとも一層の密封リブが設けられている。
【0018】
更に、前記内殻本体には環状の装着溝が開設されており、前記環状の装着溝内に装着孔が設けられている。前記接続部材は、前記装着孔を貫通して外殻本体に固定的に接続される。前記密封部材は装飾部を含み、前記装飾部は、前記装着溝の上方まで延伸して前記装着溝の溝口を覆う。
【発明の効果】
【0019】
本発明は、内槽が前開き式のドラム洗濯機を提供する。内槽には内槽ドアが設置されており、内槽の密閉空間における洗浄を実現する。これにより、内槽から衣類が飛び出す可能性や、衣類が圧力を受けたり叩き付けられたりすることで、水が内槽から流出又は飛散するとの事態が回避される。且つ、内槽と外槽の間に汚れが付着する可能性が回避され、ドラムにおける槽間の無水が真に実現される。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1図1は、本発明の実施例における洗濯機の概略構造図である。
図2図2は、本発明の実施例1における洗濯機の内槽ドアの分解図1である。
図3図3は、本発明の実施例1における洗濯機の内槽ドアの分解図2である。
図4図4は、本発明の実施例1における洗濯機の内槽ドアの正面図である。
図5図5は、本発明の実施例1における洗濯機の図4のA-A面に沿う断面図である。
図6図6は、本発明の実施例1における洗濯機の部分拡大図1である。
図7図7は、本発明の実施例1における洗濯機の部分拡大図2である。
図8図8は、本発明の実施例1における洗濯機の部分拡大図3である。
図9図9は、本発明の実施例2における洗濯機の概略構造図である。
図10図10は、本発明の実施例2における洗濯機の内槽の平面図である。
図11図11は、本発明の実施例2における洗濯機の内槽ドアの装着の分解図である。
図12図12は、本発明の実施例2における洗濯機の内槽ドアの装着の概略構造図である。
図13図13は、本発明の実施例2における洗濯機の取っ手とデッドボルトの組付図である。
図14図14は、本発明の実施例2における洗濯機のロックブラケットの立体構造の概略図である。
図15図15は、本発明の実施例2における洗濯機のデッドボルトの立体構造の概略図である。
図16図16は、本発明の実施例3における洗濯機の概略構造図である。
図17図17は、本発明の実施例3における洗濯機の図16の部分拡大図である。
図18図18は、本発明の実施例3における洗濯機の電磁加熱装置の概略構造図である。
図19図19は、本発明の実施例4における洗濯機の概略構造図である。
図20図20は、本発明の実施例4における洗濯機の図19のC-C面に沿う断面図1である。
図21図21は、本発明の実施例4における洗濯機の図19のC-C面に沿う断面図2である。
図22図22は、本発明の実施例5における洗濯機の外槽、内槽及び内槽ドアの組付図の断面図である。
図23図23は、本発明の実施例5における洗濯機の図22の部分拡大図である(内槽ドアが所定の位置にロックされた状態)。
図24図24は、本発明の実施例5における洗濯機の図22の部分拡大図である(内槽ドアが所定の位置にロックされ得ない/ロックされていない状態)。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下に、図面を組み合わせて、本発明の洗濯機について詳細に述べる。
【0022】
図1図24に示すように、本実施例は、孔無し内槽を有する前開き構造のドラム洗濯機を提供する。本構造はシンプルであり、内槽と外槽の間に洗浄水/すすぎ水を満たす必要がないため、洗濯機の洗浄用水量を極めて大きく減少させられる。また、内槽と外槽の間に汚れが付着する恐れも回避される。よって、ユーザの健康及びユーザエクスペリエンスが極めて大きく向上するとともに、膨大な水資源の節約となる。
【0023】
本実施例のドラム洗濯機はハウジング1を有している。ハウジング1は、上部パネル2、前方パネル、後方パネル及びボトムプレートを含む。ボトムプレートには、洗濯機全体を支持するための底脚9が装着固定されている。ハウジング1の内部には外槽19が備わっており、外槽19内に内槽18が同軸に設置されている。外槽19の主な目的は、内槽18からの排水及び内槽18の高速遠心脱水に伴う排水を収集することである。内槽18が回転すると(好ましくは、リフティングリブ10を設置する)、衣類が継続的に昇降して叩き付けられることで洗濯が行われる。内槽18は孔無し構造となっている。また、外槽19は、軸受11が装着固定される中心装着孔を有している。且つ、内槽18にしっかりと接続された内槽軸12が、前記軸受11に挿通されるとともに、駆動モータ15に接続されている。内槽18の前部の槽口には開放/閉止可能な内槽ドア6が装着されており、これにより内槽18の密封室構造が実現される。
【0024】
本実施例における孔無し内槽への給水を実現するために、本実施例のドラム洗濯機の駆動モータ15は、内槽軸12を介して内槽18に伝動可能に接続されており、内槽18を回動させる。前記内槽軸12内には内槽18の内部と連通する中空経路が備わっており、前記給水管路17が内槽軸12の中空経路と連通している。
【0025】
本実施例の内槽18には、内槽18と外部環境を連通させることで内槽内部の気圧のバランスを取る気圧バランス機構が設けられている。
【0026】
給水時には、内槽の密封室内のガスが圧力を受け、当該バランス機構を通じて漏出可能なことから、気圧の均衡が保証される。
【0027】
突然断水した場合には、外気が迅速に内槽の密封室に進入して逆流を阻止可能とする。これにより、気圧の均衡が保証されるため、洗浄水が水道管網に吸い込まれるとの事態が回避される。
【0028】
このほか、例えば脱水時にも、当該気圧バランス機構によって内槽の気圧の均衡を保証可能である。
【0029】
本実施例の一実施形態として、前記気圧バランス機構は、内槽18に設置される等圧孔を含む。前記等圧孔における内槽18の内部と連通する一端は、内槽18における回転中心軸寄りの位置に設けられており、且つ内槽18内の最高水位位置よりも常に高くなっている。
【0030】
具体的に、前記等圧孔は、内槽軸12に開設されて内槽18の内部と外部環境を連通させる。また、前記内槽18内の最高水位は内槽軸12よりも低い。これにより、内槽18内の水が等圧孔から流出するとの事態を防止可能である。
【0031】
本実施例における前記等圧孔は第1孔部と第2孔部を含んでいる。第1孔部は中空経路と平行に設置されており、一端が内槽の内部と連通している。且つ、第2孔部は、一端が第1孔部と連通しており、他端が内槽軸の外周壁まで延伸して外槽の内部と連通している。好ましくは、前記第2孔部と第1孔部は垂直に設置されてL字状の等圧孔を形成している。
【0032】
本実施例は、内槽が前開き式のドラム洗濯機を提供する。内槽には内槽ドアが設置されており、内槽の密閉空間における洗浄を実現する。これにより、内槽から衣類が飛び出す可能性や、衣類が圧力を受けたり叩き付けられたりすることで、水が内槽から流出又は飛散するとの事態が回避される。且つ、内槽と外槽の間に汚れが付着する可能性が回避され、ドラムにおける槽間の無水が真に実現される。
【0033】
本実施例の洗濯機は、内槽ドアロックを所定の位置にロックするドアロック検出装置を有しており、所定の位置に対する内槽ドアのロックを確実にするとともに、ロックの判定精度が100%となるよう保証する。ドラムの脱水時の回転速度は1600回転/分にも達し得るため、内槽の内槽ドアがロックされていなければ危険事故が発生し、機器の安全性やユーザの健康及びユーザエクスペリエンスを極めて大きく向上させる。
【実施例1】
【0034】
図1図8に示すように、本実施例の洗濯機は、洗浄水が独立して収容される洗浄室を有する内槽18と、開閉可能に前記内槽18の槽口に装着される内槽ドア6、を含む。
【0035】
前記内槽ドア6は、扉体内殻603、扉体外殻601及び扉体ライニング604を含む。
【0036】
前記扉体ライニング604は、扉体内殻603と扉体外殻601の間に挟持及び固定される。
【0037】
本実施例は、内槽18の槽口に開閉可能な内槽ドア6を装着することで内槽18の密封を実現し、洗浄水を収容する洗浄室を形成する。
【0038】
本実施例の一実施形態として、本実施例で記載する扉体ライニング604は、内槽18の槽口の形状と一致する閉塞部と、閉塞部の外周に位置する接続部615を含む。前記接続部615は、扉体内殻603と扉体外殻601の間に挟持及び固定される。
【0039】
更に、前記閉塞部は、閉塞面613と、閉塞面613の外周が内槽18の軸方向に延伸した移行壁614を含む。前記接続部615は、移行壁614の外周から外側に反転して形成される環状の接続壁である。
【0040】
扉体ライニング604の固定装着を実現するために、本実施例で記載する扉体内殻603は、環状の内殻本体、内殻本体に設けられる内殻接続部及び内殻押圧部611を含む。前記扉体外殻601は、環状の外殻本体、外殻本体に設けられる外殻接続部及び外殻押圧部612を含む。前記内殻接続部と外殻接続部は接続部材によって固定的に接続される。前記内殻押圧部611と外殻押圧部612は、扉体ライニング604の接続部615を挟持して固定する。
【0041】
更に、本実施例で記載する扉体外殻601は、外殻本体に設けられる外殻支持部610を含む。前記支持部610は、内槽の軸方向に沿って閉塞部まで延伸し、押圧及び支持を行う。
【0042】
本実施例の扉体ライニング604は、内殻押圧部611によって外殻押圧部612に押圧及び固定される。且つ、支持部610によって扉体ライニング604を支持することで、扉体ライニング604の安定性を保証する。
【0043】
好ましくは、前記支持部610は、内槽の軸方向に沿って閉塞面613及び/又は移行壁614まで延伸し、押圧及び支持を行う。
【0044】
本実施例の前記内槽ドア6は、更に、内槽ドア6が閉止されたときに内槽18の槽口の密封性を維持するために、閉塞部の外周に装着される密封部材605を含む。
【0045】
密封部材605の固定装着を実現するために、本実施例で記載する外殻本体601は環状凹溝を有する。前記内殻本体の内側の周壁と環状凹溝の内側の周壁は間隔を置いて設置される。前記内殻押圧部611は、内殻本体の内側の周壁に設けられる内殻突起である。前記扉体ライニング604の接続部615は、外殻本体の環状凹溝内に伸入して、内殻突起と環状凹溝の底壁の間に挟持及び固定される。
【0046】
本実施例の扉体ライニング604及び密封部材605の固定装着は、いずれも扉体外殻601と扉体内殻603による挟持及び固定を利用する。扉体外殻601及び扉体内殻603を一度に組み付けることで、扉体ライニング604と密封部材605の固定装着の問題が同時に解決される。また、装着が簡単・便利であり、効率がよい。
【0047】
好ましくは、前記外殻押圧部612は、環状凹溝の底壁における内殻突起に対応する位置に設けられる外殻突起である。前記扉体ライニング604の接続部615は、外殻本体の環状凹溝内に伸入して、内殻突起と外殻突起の間に挟持及び固定される。
【0048】
本実施例で記載する支持部610は、環状凹溝の内側の周壁から内槽の軸方向に沿って移行壁まで延伸して形成される支持壁である。
【0049】
本実施例で記載する内殻本体の内側の周壁と扉体ライニング604の移行壁614の間には、前記密封部材の一端を挟持及び固定するための装着スペースが備わっている。また、扉体ライニング604の閉塞面613の外周は、径方向に外側へ延伸してストップリング609を形成しており、前記密封部材605の他端が前記ストップリング609上に当止する。前記密封部材605の両端の間には、少なくとも一層の密封リブ608が設けられている。
【0050】
本実施例で記載する内殻本体には環状の装着溝が開設されており、前記環状の装着溝内に装着孔602が設けられている。前記接続部材は、前記装着孔602を貫通して外殻本体に固定的に接続される。また、前記密封部材605は装飾部607を含む。前記装飾部607は、前記装着溝の上方まで延伸して前記装着溝の溝口を覆う。前記扉体外殻には、装着孔602に対応する組付孔606が設けられている。
【0051】
内槽ドア6の全体的な組み付けの安定性を増すために、本実施例では、扉体内殻603及び/又は扉体外殻601及び/又は扉体ライニング604に返し構造616が設けられている。図中の返し構造616は、扉体内殻603に設けられる場合を例示している。
【実施例2】
【0052】
図9図15に示すように、本実施例の洗濯機は、洗浄水が独立して収容される洗浄室を有する内槽18と、開閉可能に前記内槽18の槽口に装着される内槽ドア6と、回転軸構造を含む。内槽ドア6は、回転軸構造を介して回動可能に内槽18の槽口に装着される。
【0053】
本実施例の内槽ドア6は、回転軸構造を介して回動可能に内槽18の槽口に装着されて、内槽の密閉及び開放を実現する。
【0054】
具体的に、本実施例で記載する回転軸構造は、回転軸ブラケット24、回転軸23及び接続アーム49を含む。前記回転軸ブラケット24は、内槽18の槽口壁に固定的に装着されている。前記回転軸23は回転軸ブラケット24に装着される。また、前記接続アーム49は、回動可能に回転軸23に装着される。接続アーム49は内槽ドア6に固定的に接続されている。
【0055】
更に、前記回転軸ブラケット24は、内槽18の槽口壁にそれぞれ固定される第1回転軸ブラケット42と第2回転軸ブラケット43を含む。前記回転軸24は、第1回転軸ブラケット42と第2回転軸ブラケット43の間に固定的に装着される。
【0056】
好ましくは、前記回転軸24は円柱回転軸である。また、前記第1回転軸ブラケット42、第2回転軸ブラケット43にはそれぞれ異形孔45が設けられており、前記円柱回転軸の両端が、それぞれ、第1回転軸ブラケット42、第2回転軸ブラケット43の異形孔45内に固定的に装着される。
【0057】
本実施例の回転軸24は、円柱軸体47及び円柱軸体47の両端に位置して異形孔45とそれぞれ連携する回転軸異形部46を含む。
【0058】
更に、本実施例で記載する回転軸構造は、回転軸ブラケットライナー41及び回転軸ブラケット接続部材を含む。回転軸ブラケットライナー41と回転軸ブラケット24は内槽18の槽口壁の両側にそれぞれ位置する。前記回転軸ブラケットライナー41には、回転軸ブラケットライナー固定孔40が設けられている。前記内槽18の槽口壁には回転軸固定孔38が設けられており、前記回転軸ブラケット24には回転軸ブラケット固定孔39が設けられている。前記回転軸ブラケット接続部材は、回転軸ブラケットライナー固定孔40、回転軸固定孔38及び回転軸ブラケット固定孔39を貫通してこれらを固定的に接続する。本実施例の回転軸ブラケットライナー41の役割は、前記内槽の回転軸ブラケット位置の強度を補強して、変形を回避することである。
【0059】
好ましくは、前記回転軸ブラケット接続部材と回転軸ブラケットライナー固定孔40、及び/又は、回転軸ブラケット接続部材と回転軸固定孔38の間に密封部材を設けて、内槽18内の洗浄水が接続位置から漏れるのを防止することで、内槽18内部の密閉を維持する。
【0060】
本実施例で記載する接続アーム49は、軸孔部48及び接続部50を含む。前記軸孔部48は軸孔を有している。前記回転軸47は、前記軸孔48に挿通されるとともに、軸孔48に対して自在に回動可能である。前記接続部50は前記内槽ドア6に固定的に接続される。
【0061】
好ましくは、前記内槽ドア6には、接続アーム49に対応して、内槽ドア装着退避領域608が設けられている。
【0062】
更に好ましくは、前記内槽ドア装着退避領域608は扉体内殻603に設けられる。
【0063】
孔無し内槽を有するドラム洗濯機の構造的特性から明らかなように、洗浄及びすすぎ過程で内槽ドアの密封性を維持することが、洗浄水を独立して収容可能な内槽の内部空間を形成するポイントとなる。且つ、内槽の高速回転による脱水過程では、内槽ドアがロックされていない場合や、所定の位置にロックされ得ない場合に深刻な危険事故が発生する。そのため、本実施例の洗濯機は内槽ドアロックを更に含む。前記内槽ドアロックは、ロックブラケットアセンブリ22及びデッドボルトアセンブリ21を含む。前記ロックブラケットアセンブリ22は内槽18の槽口壁に固定され、前記デッドボルトアセンブリ21は内槽ドア6に固定される。前記デッドボルトアセンブリ21がロックブラケットアセンブリ22にロックされ、連携することで内槽ドアをロックする。
【0064】
更に、前記ロックブラケットアセンブリ22は、ベース33、ロックフック32、ロックブラケットライナー36及びロックブラケット接続部材を含む。ロックフック32はベース33に設けられている。また、ロックブラケットライナー36及びベース33は、それぞれ内槽18の槽口壁の両側に位置する。前記ロックブラケットライナー36にはロックブラケットライナー固定孔35が設けられており、前記内槽18の槽口壁にはロックブラケット固定孔が設けられており、前記ベース33にはロックブラケット固定孔34が設けられている。前記ロックブラケット接続部材は、ロックブラケットライナー固定孔35、ロックブラケット固定孔及びロックブラケット固定孔34を貫通してこれらを固定的に接続する。
【0065】
好ましくは、前記ロックブラケット接続部材とロックブラケットライナー固定孔35、及び/又は、ロックブラケット接続部材とロックブラケット固定孔の間には密封部材が設けられている。
【0066】
更に、本実施例で記載するデッドボルトアセンブリ21は、デッドボルト30、デッドボルト回転軸29及び取っ手25を含む。前記デッドボルト回転軸29は内槽ドア18に固定的に装着されている。前記デッドボルト30及び取っ手25は、それぞれ回動可能にデッドボルト回転軸29に装着される。前記取っ手25は、デッドボルト30と係合してデッドボルト30を回動させることで、内槽ドアをロック/ロック解除する。
【0067】
更に、本実施例で記載するデッドボルトアセンブリ21はねじりバネ28を含む。前記ねじりバネ28は前記デッドボルト回転軸29に配設されている。ねじりバネ28は、一端が前記内槽ドア6に固定的に接続され、他端が前記デッドボルト30に固定的に接続される。
【0068】
好ましくは、前記内槽ドア6には、前記ねじりバネ28を組み付けるためのねじりバネ固定孔又はねじりバネ固定溝が設けられている。また、前記デッドボルト30には、前記ねじりバネ28を組み付けるためのねじりバネ固定孔又はねじりバネ固定溝が設けられている。
【0069】
本実施例のねじりバネ28は、内槽ドア6に接続されるねじりバネ内槽ドア固定部27と、デッドボルト30に接続されるねじりバネデッドボルト固定部31を含む。
【0070】
本実施例の一実施形態として、前記内槽ドア6には、前記デッドボルトアセンブリを装着するための装着領域607が設けられている。
【0071】
好ましくは、前記内槽ドア6は、扉体内殻603、扉体外殻601及び扉体ライニング604を含む。前記扉体ライニング604は、扉体内殻603と扉体外殻601の間に挟持及び固定される。前記装着領域607は前記扉体外殻601に設けられる。
【0072】
好ましくは、前記装着領域607は、前記扉体外殻601に設けられる装着溝である。
【実施例3】
【0073】
図16図18に示すように、本実施例の洗濯機は、洗浄水が独立して収容される洗浄室を有する内槽18と、内槽18の外部に配設される外槽19と、外槽19の側壁に設置されて内槽18の側壁を然るべく加熱する電磁加熱装置、を含む。
【0074】
本実施例は、洗濯機を提供する。当該洗濯機は、電磁加熱装置を有しており、電磁加熱装置によって内槽18の側壁を加熱する。内槽18の側壁は、電磁加熱装置で加熱されると、熱を内槽18内の洗浄水に伝達して、洗浄水の加熱を実現する。
【0075】
電磁加熱は電磁誘導加熱とも称される。即ち、電磁加熱(英文:Electromagnetic heating、略称:EH)技術のことである。電磁加熱の原理は次の通りである。電子回路基板の構成部分により交番磁界を発生させて、その上に鉄含有容器を載置すると、容器の表面が交番磁力線を断ち切ることで容器底部の金属部分に交互に変化する電流(即ち渦電流)が発生する。渦電流は、容器底部の電荷キャリアを高速で不規則に運動させる。そして、電荷キャリアと原子が互いに衝突し、摩擦し合うことで熱エネルギーが発生する。以上によって、物を加熱する効果が奏される。この方式は、鉄製容器自体が発熱するため、熱変換率が特に高く、最高で95%にも達し得る直接加熱方式である。よって、本実施例のパルセータ洗濯機は、電磁加熱装置を利用して洗浄水を加熱することで、いっそう高い加熱効率を有する。
【0076】
また、電磁加熱は非接触式の加熱方式である。電磁加熱装置は装着要求が低く、従来の電熱線加熱方式のように装着の際に密封性を考慮しなくともよい。従って、電磁加熱装置を利用する洗濯機は装着がより簡略化される。且つ、電熱線を装着するためには、外槽内に電熱線の装着位置及び装着構造を特別に設計する必要がある。これに対し、本実施例の電磁加熱装置は、外槽の内壁又は外壁上に直接装着可能であり、ひいては筐体内に装着することも可能である。これにより、外槽の構造が簡略化されて、内槽の容積を一定程度拡大可能となるため、容量増大が実現される。
【0077】
加えて、従来の洗濯機に利用されている抵抗線加熱方式では、抵抗線を水中に沈ませて直接加熱を行う。しかし、水質環境はやや複雑であり、時間の経過とともに抵抗線上に水垢が堆積する。且つ、装着位置に起因してクリーニングを行いにくいため、加熱効率が徐々に低下し、深刻な場合には破損する。一方、本実施例では、電磁加熱装置を利用して非接触式加熱を実現するため、上記の課題を回避可能である。これにより、使用寿命が極めて大きく延長されるとともに、長期的な高効率の加熱を維持可能となる。
【0078】
以上述べたように、本実施例の洗濯機は電磁加熱装置を利用して加熱機能を実現する。これにより、加熱効率が向上し、加熱装置の装着が簡略化されるとともに、外槽構造も簡略化されれる。また、加熱装置の使用寿命が延びる。
【0079】
本実施例の内槽は、鉄材料で作製されており、電磁加熱装置が発生させた交番磁力線を切断して交番電流(即ち、渦電流55)を形成可能である。渦電流55は、内槽側壁の電荷キャリアを高速で不規則に運動させる。そして、電荷キャリアが互いに衝突し、摩擦することで熱エネルギーが発生する。
【0080】
更に、本実施例で記載する電磁加熱装置は外槽の内側壁に設けられる。
【0081】
好ましくは、前記電磁加熱装置は外槽19の内側壁の最も低い位置に設けられる。水は全て内槽18の底部に集中するため、どのように回転したとしても、内槽18内の洗浄水は全て底部に集約される。よって、上記の位置に前記電磁加熱装置を設けることには、内槽18を加熱すると熱がすぐに水に伝達されるとのメリットがある。これにより、内槽18の加熱の安全性及び加熱の効率化が実現される。
【0082】
そのほか、電磁加熱装置を底部に設置すれば、排水の度に一定の残留水が存在するため、電磁加熱装置の電磁コイルの放熱に利用できる。
【0083】
本実施例の一実施形態として、本実施例で記載する電磁加熱装置は、電磁コイル59及び装着フレーム58を含む。前記電磁コイル59は装着フレーム58に固定され、前記装着フレーム58は外槽19の内側壁に固定される。
【0084】
好ましくは、前記装着フレーム58は非金属材料で作製される装着ハウジングを含み、前記電磁コイル59は前記装着ハウジング内に封入される。
【0085】
更に、前記装着フレーム58は固定部を含み、前記外槽19の内側壁には固定部と連携する組付部が備わっている。前記固定部と前記組付部は接続部材56によって固定的に接続される。
【0086】
具体的に、前記外槽19の内側壁には装着溝が開設されており、前記装着フレーム58は前記装着溝内に装着される。前記装着フレーム58は、外槽19の内側壁に移行及び接続される移行曲面を有している。こうすることで、装着溝部分への汚れの蓄積が回避される。
【0087】
本実施例の他の実施形態として、前記電磁加熱装置は電磁コイルを含む。前記外槽の内側壁には装着溝が開設されており、前記電磁コイルは前記装着溝内に設けられる。また、前記装着溝の溝口には、非金属材料で作製された密封プレートが密封状に装着される。
【0088】
コイル距離とは、巻線電磁コイルの表面と内槽表面との距離Hのことであり、高い加熱効率を達成するためには、この距離が遠すぎても近すぎてもよくない。具体的に、前記電磁コイルの上面と内槽の外側壁の表面との距離をHとすると、前記Hは、0.4cm≦H≦10cmを満たす。
【0089】
好ましくは、前記Hは1~3cmを満たす。
【0090】
より好ましくは、前記Hは2±0.5cmを満たす。
【0091】
更に、本実施例で記載する電磁加熱装置は、電磁コイルの放熱に用いられる放熱部材を含むことで、巻線コイルのより良好な放熱を実現する。
【0092】
好ましくは、前記放熱部材は装着フレーム又は密封プレートに設けられる。
【0093】
更に、本実施例は、洗濯機の制御方法を提供する。洗濯機の洗浄及び/又はすすぎ過程では、電磁加熱装置を起動させるよう制御するとともに、内槽を回動させて洗浄水を加熱するよう制御する。
【0094】
更に、本実施例で記載する洗濯機は、洗浄水の温度を検出するための温度検出装置を含み、温度検出装置によって洗浄水の温度が所定の温度に達したことが検出されると、電磁加熱装置の動作を停止させるよう制御する。
【0095】
或いは、前記洗濯機は、給水量Q及び給水初期温度t0を検出する。洗濯機は、ユーザが設定した目標加熱温度tを受け付けると、洗濯機の加熱時間Tを算出する。そして、電磁加熱装置の動作時間が加熱時間Tに達すると、電磁加熱装置の動作を停止させるよう制御する。
【実施例4】
【0096】
図19~21に示すように、本実施例の洗濯機は、洗浄水が独立して収容される洗浄室を有する内槽18と、開閉可能に前記内槽18の槽口に装着される内槽ドア6と、内槽18の槽口に対応して投入口が開設されているハウジング1と、開閉可能に前記ハウジング1の投入口に装着される本体ドア5と、開扉機構62を含み、開扉機構62の動作を作動させることで内槽ドア6と本体ドア5との連動開閉を実現する。
【0097】
本実施例では、開扉機構62によって内槽ドア6と本体ドア5との連動開閉を実現するため、ユーザが内槽ドア6と本体ドア5を別々に単独で開閉する煩わしさが回避される。よって、ユーザの操作が容易となり、ユーザエクスペリエンスが向上する。
【0098】
具体的に、前記開扉機構62はトリガ部材を含む。前記トリガ部材は、少なくとも2種類の動作/位置状態を有しており、本体ドアと内槽ドアの順次連動開閉を然るべく制御する。
【0099】
本実施例の一実施形態として、前記トリガ部材は変形部を含む。当該変形部を押圧して変形及び変位を生じさせることで、本体ドアと内槽ドアとの順次連動ロック解除を制御する。前記本体ドアのロック解除に対応する変形及び変位は、内槽ドアのロック解除に対応する変形及び変位よりも小さい。
【0100】
本実施例の一実施形態として、前記トリガ部材は移動部を含む。移動部に変位が生じるよう操作することで、本体ドアと内槽ドアとの順次連動ロック解除を制御する。前記本体ドアのロック解除に対応する変位は、内槽ドアのロック解除に対応する変位よりも小さい。
【0101】
更に、前記本体ドア5には貫通経路が備わっており、前記トリガ部材は前記貫通経路内に設置される。前記トリガ部材は変形部又は変位部を有する。
【0102】
前記本体ドアには、本体ドアのロック解除を作動させる本体ドアトリガ部材が設けられ、内槽ドアには、内槽ドアのロック解除を作動させる内槽ドアトリガ部材が設けられる。
【0103】
トリガ部材の変形部又は変位部を押圧し、貫通経路内で位置状態を切り替えることで、本体ドアトリガ部材と内槽ドアトリガ部材の動作を順に作動させる。
【0104】
本実施例で記載する内槽ドア6には内槽ドアロックが設けられており、前記内槽ドアトリガ部材65が内槽ドアロックのロック解除を作動させる。前記本体ドア5には本体ドアロック63が設けられており、前記本体ドアトリガ部材が本体ドアロックのロック解除を作動させる。
【0105】
具体的に、前記内槽ドアロックは、内槽ドアロックブラケット及び内槽ドアデッドボルトを含む。前記内槽ドアトリガ部材は、内槽ドアデッドボルトと連動する内槽ドア取っ手である。前記トリガ部材は、内槽ドア取っ手の動作を作動させることで、内槽ドアデッドボルトを連動させてロック解除を行う。
【0106】
具体的に、前記本体ドアロックは、本体ドアロックブラケット及び本体ドアデッドボルトを含む。前記本体ドアトリガ部材は本体ドアデッドボルトと連動する。前記トリガ部材は、本体ドアトリガ部材の動作を作動させることで、本体ドアデッドボルトを連動させてロック解除を行う。
【0107】
或いは、前記本体ドアロックは電磁ロックであり、前記本体ドアトリガ部材はトリガスイッチである。前記トリガ部材は、トリガスイッチの動作を作動させて、電磁ロックのロック解除/ロックを制御する制御信号を発生させる。
【0108】
更に、本実施例の洗濯機は、内槽を所定の位置にロックする内槽ロック装置を含む。前記内槽ドアトリガ部材は、内槽が内槽ロック装置によりロック状態となる際の貫通経路の位置に対応して設置される。
【0109】
本実施例の一実施形態として、前記開扉機構は連動アセンブリを含む。前記連動アセンブリは、本体ドア、内槽ドアにそれぞれ連動するよう接続される。前記トリガ部材は、連動アセンブリを作動させることで、本体ドアと内槽ドアとの順次連動ロック解除/ロックを行う。
【実施例5】
【0110】
図22図24に示すように、本実施例の洗濯機は、洗浄水が独立して収容される洗浄室を有する内槽18と、開閉可能に前記内槽18の槽口に装着される内槽ドア6と、内槽ドア6をロックして閉状態を維持するための内槽ドアロックと、内槽ドアロックがロックされているか否かを検出するドアロック検出装置66、を含む。
【0111】
本実施例は、孔無し内槽を有する前開き構造のドラム洗濯機を開示する。内槽18は孔無し構造となっている。孔無し内槽を有するドラム洗濯機の構造的特性から明らかなように、洗浄及びすすぎ過程で内槽ドアの密封性を維持することが、洗浄水を独立して収容可能な内槽の内部空間を形成するポイントとなる。且つ、内槽の高速回転による脱水過程では、内槽ドアがロックされていない場合や、所定の位置にロックされ得ない場合に深刻な危険事故が発生する。本実施例の洗濯機は、ドアロック検出装置を利用して内槽ドアロックを検出する。内槽ドアロックがロックされているか否かは、内槽ドアが所定の位置に閉止されているか否かに直接関係する。そのため、ドアロック検出装置66は、内槽ドアの状態をより直接的に検出可能とすることで、内槽ドアを所定の位置に閉止し得ないとの状況を根本的に排除する。
【0112】
更に、本実施例で記載する内槽ドアロックは、内槽ドア6に装着されるデッドボルト30と、内槽18の槽口に装着されるロックブラケット24を含む。洗濯機は、内槽18の外部に同軸に設置される外槽19を含む。前記ドアロック検出装置66は、外槽19に設置されて、デッドボルト30がロックブラケット24内にロックされているか否かを検出するために用いられる。
【0113】
本実施例では、内槽ドアロックの具体的構造に基づき、ドアロック検出装置が、内槽ドアロックのデッドボルト30がロックブラケット24内にロックされているか否かを直接的に検出する。これにより、内槽ドア6がロックされているか否かを正確に判断可能となるため、所定の位置に対する内槽ドアのロック精度が極めて大きく向上し、所定の位置にロックし得ないことによる安全上の懸念が回避される。
【0114】
更に、内槽ドアのロック及びロック解除という2つの状態においてデッドボルト30に発生する変位の差は小さい。そのため、デッドボルトの動作を正確に検出したい場合には、ドアロック検出装置の検出精度に対する要求が高くなるが、この場合には、自ずとドアロック検出装置のコストが増大してしまう。本実施例の洗濯機は、ドアロック検出装置のコストをできる限り低下させつつ、検出精度を保証することを前提に、ドアロックトリガ装置を更に含む。ドアロックトリガ装置は、内槽ドアロックのロック過程で、デッドボルト30と連動してドアロック検出装置66の検出範囲内に進入する。
【0115】
本実施例では、ドアロックトリガ装置を設置し、内槽ドアロックのロック時にデッドボルトと連動させる。ドアロックトリガ装置は、内槽ドアロックのロック時におけるデッドボルトの変位を拡大させ得るため、ドアロック検出装置66に検出されやすくなり、検出の精度が保証される。
【0116】
本実施例の一実施形態として、本実施例で記載するドアロックトリガ装置は、往復運動可能にロックブラケット24内に装着される可動部材68と、可動部材68とロックブラケット24の間に設置される弾性部材70を含む。前記可動部材68には、ドアロック検出装置66により検出可能な検知部材67が設けられている。前記可動部材68は、内槽ドアロックのロック過程でデッドボルト30と連動する。ドアロック検出装置66は、検出範囲内に進入した検知部材67を検出すると、検出信号を発生させる。
【0117】
本実施例におけるドアロックトリガ装置の可動部材68は、内槽ドアロックのロック時にデッドボルトに付随して連動することで、デッドボルトの小さな変位を拡大可能とするか、デッドボルトの変位発生位置をドアロック検出装置66の検出範囲内まで延長させる。これにより、内槽ドアロックのロック状態時における正確な検出が実現される。
【0118】
本実施例のドアロックトリガ装置の弾性部材70については、内槽ドアロックのロック過程において、可動部材がデッドボルトと連動することで弾性部材70を圧縮し、弾性部材70に弾性変形を生じさせる。また、内槽ドアロックがロック解除される際には、可動部材にデッドボルト30が当止しなくなる。これにより、次のロック過程の検出のために、弾性部材70が変形から回復して可動部材68を押動し、位置復帰させる。
【0119】
更に、本実施例で記載するロックブラケット24は、ベースと、ベース内に設置されるロック部材を含む。前記弾性部材70は、一端がベース内に固定され、他端が可動部材68のうちロック部材まで延伸する部分に接続される。前記デッドボルト30は、ロック部材内にロックされて可動部材68に当止し、可動部材68を押動してドアロック検出装置66の検出範囲内に進入するよう運動させる。
【0120】
本実施例で記載するロック部材には開口が開設されており、前記可動部材68の少なくとも一部が、弾性部材70の作用下で開口からロック部材内に伸入する。
【0121】
本実施例で記載するドアロックトリガ装置は、可動部材に設けられてロックブラケット内からの可動部材68の離脱を防止するための位置規制部材69を含む。
【0122】
好ましくは、前記位置規制部材69は可動部材68に設けられる位置規制突起である。前記可動部材68は、一端が開口からロック部材内に伸入し、他端が位置規制突起によって開口の外部に規制される。
【0123】
本実施例の一実施形態として、前記検知部材67は永久磁石であり、前記ドアロック検出装置66は永久磁石を検知可能な磁気誘導部材を含む。好ましくは、前記永久磁石は磁石であり、前記磁気誘導部材はリードスイッチである。
【0124】
本実施例におけるリードスイッチの検知距離範囲をLとする。
【0125】
図23に示すように、本実施例の内槽ドア6が所定の位置にロックされ、デッドボルト30が所定の位置に到達すると、デッドボルト30が可動部材68及び磁石を外槽壁方向に押圧する。このとき、磁石とリードスイッチの距離をHとすると、前記H≦L又は前記H<Lが実現されて、リードスイッチが吸引し合うことで開通する。これにより、扉体が所定の位置にロックされたと判定される。
【0126】
図24に示すように、本実施例の内槽ドア6が所定の位置にロックされ得ないか、開放されている場合、デッドボルト30は所定の位置に到達できないため、弾性部材70は可動部材68を外槽壁から離間する方向に押圧する。このとき、磁石とリードスイッチの距離をH+hとすると、前記H+h>Lが実現されて、リードスイッチが吸引し合わなくなることで閉路する。これにより、扉体が所定の位置にロックされ得ないと判定される。
【0127】
以上は本発明の好ましい実施例にすぎず、本発明を何らかの形式に制限するものではない。本発明については好ましい実施例によって上記のように開示したが、本発明を限定するとの主旨ではない。本発明の技術方案を逸脱しない範囲において、当業者が上記で提示した技術内容を用いて実施可能なわずかな変形或いは補足は、同等に変形された等価の実施例とみなされ、いずれも本発明の技術方案の内容を逸脱するものではない。また、本発明の技術的本質に基づいて上記の実施例に加えられる任意の簡単な修正、同等の変形及び補足は、いずれも本発明の方案の範囲に属する。
図1
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