(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-19
(45)【発行日】2024-03-28
(54)【発明の名称】空間コンピューティングヘッドセットまたは他の装着可能デバイスのための拡張可能バンドシステム
(51)【国際特許分類】
H04N 5/64 20060101AFI20240321BHJP
G02B 27/02 20060101ALI20240321BHJP
【FI】
H04N5/64 511A
G02B27/02 Z
(21)【出願番号】P 2022535126
(86)(22)【出願日】2020-12-11
(86)【国際出願番号】 US2020064541
(87)【国際公開番号】W WO2021119446
(87)【国際公開日】2021-06-17
【審査請求日】2023-11-27
(32)【優先日】2019-12-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】514108838
【氏名又は名称】マジック リープ, インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Magic Leap,Inc.
【住所又は居所原語表記】7500 W SUNRISE BLVD,PLANTATION,FL 33322 USA
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】スケルトン, ロバート コールマン
【審査官】鈴木 明
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2018/0299681(US,A1)
【文献】米国特許第4479703(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 5/64
G02B 27/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
空間コンピューティングヘッドセットであって、
光学系アセンブリと、
前記光学系アセンブリに移動可能に結合される一対のテンプルアームと、
前記空間コンピューティングヘッドセットをユーザの頭部に固着することを補助するための拡張可能バンドシステムであって、前記拡張可能バンドシステムは、前記テンプルアームの後端の間に跨架し、
一対のシースアセンブリと、
前記
一対のシースアセンブリに移動可能に結合され、
前記一対のシースアセンブリの間に跨架する内側バンドアセンブリであって、前記内側バンドアセンブリは、
一対の付勢機構を含み、前記一対の付勢機構は、前記一対のシースアセンブリに結合され、後退構成に向かってともに前記一対のシースアセンブリを移動させるように構成される
、内側バンドアセンブリと
を備える、拡張可能バンドシステムと
を備え、
前記拡張可能バンドシステムは
、前記一対のシースアセンブリが並置
される前記後退構成と
、前記一対のシースアセンブリが分離される拡張構成との間で移動可能であ
り、
各付勢機構は、固定端と、前記固定端の反対に配置される浮動端とを含み、前記固定端は、前記一対のシースアセンブリの1つに固定されて固着され、
各付勢機構は、伸長圧縮ばねと、前記伸長圧縮ばねを通して延在する可撓性フィラメントとを含み、前記可撓性フィラメントは、前記付勢機構の前記浮動端に配置されるばね止め具を含み、
前記内側バンドアセンブリは、前記付勢機構の前記伸長圧縮ばねを囲繞するバンド状エンクロージャをさらに含む、空間コンピューティングヘッドセット。
【請求項2】
前記拡張可能バンドシステムは、前記テンプルアームを
相互に向かって付勢することを補助するように構成される、請求項1に記載の空間コンピューティングヘッドセット。
【請求項3】
前記拡張可能バンドシステムは、可撓性であり、前記ユーザの
前記頭部に共形化し、均一保持力を提供するために、前記後退構成に向かって付勢される、請求項1に記載の空間コンピューティングヘッドセット。
【請求項4】
前記拡張可能バンドシステムは、前記テンプルアームの過伸展および著しい偏向に抵抗するように構成される、請求項1に記載の空間コンピューティングヘッドセット。
【請求項5】
前記システムが前記後退構成から前記拡張構成に移動するにつれて、前記バンド状エンクロージャは、前記シースアセンブリ内に摺動可能に受容され、前記シースアセンブリから摺動可能に延在するように構成される、請求項
1に記載の空間コンピューティングヘッドセット。
【請求項6】
前記バンド状エンクロージャは、前記システムが前記後退構成から前記拡張構成に移動するにつれて、前記伸長圧縮ばねが座屈することを防止することを補助するために、各伸長圧縮ばねのための個別の圧縮ばね通路を含む、請求項
1に記載の空間コンピューティングヘッドセット。
【請求項7】
前記バンド状エンクロージャの中心部分は、前記システムが前記後退構成から前記拡張構成に移動するにつれて、暴露される、請求項
1に記載の空間コンピューティングヘッドセット。
【請求項8】
前記バンド状エンクロージャは、前記システムが前記後退構成から前記拡張構成に移動するにつれて、前記シースアセンブリから、前記伸長圧縮ばねのそれぞれを引き出し、同時に圧縮するように構成される、請求項
1に記載の空間コンピューティングヘッドセット。
【請求項9】
制動デバイスが、前記シースアセンブリに対する前記バンド状エンクロージャの移動に抵抗するために、前記シースアセンブリの少なくとも1つと前記内側バンドアセンブリの前記バンド状エンクロージャとの間に提供される、請求項
1に記載の空間コンピューティングヘッドセット。
【請求項10】
ユーザ操作可能係止デバイスが、前記シースアセンブリに対する前記バンド状エンクロージャの移動を防止するために、前記シースアセンブリの少なくとも1つと前記内側バンドアセンブリの前記バンド状エンクロージャとの間に提供される、請求項
1に記載の空間コンピューティングヘッドセット。
【請求項11】
各シースアセンブリは、可撓性バンド状形状因子を備える、請求項
1に記載の空間コンピューティングヘッドセット。
【請求項12】
各シースアセンブリは、複数のケージ要素を備えるケージ構造を含み、前記ケージ構造は、前記システムが、前記後退構成にあるとき、前記内側バンドアセンブリの前記バンド状エンクロージャの個別の端部を少なくとも部分的に囲繞する、請求項
11に記載の空間コンピューティングヘッドセット。
【請求項13】
各シースアセンブリに関して、複数のケージ要素は、前記シースアセンブリが撓曲することを可能にし、異なる曲率外形をとるために、前記シースアセンブリの長さに沿って離間される、請求項
11に記載の空間コンピューティングヘッドセット。
【請求項14】
各シースアセンブリは、内部誘導構造を含み、前記内部誘導構造およ
び複数のケージ要素は、バンド受容通路を画定し、前記バンド受容通路は、前記内側バンドアセンブリの前記バンド状エンクロージャを格納するように構成される、請求項
11に記載の空間コンピューティングヘッドセット。
【請求項15】
各シースアセンブリは、前記ユーザの身体と外側カバーとを係合するための内側パッドを含み、前記内側パッドおよび前記外側カバーは、前記内部誘導構造および前記複数のケージ要素を格納するためのエンクロージャを画定する、請求項
14に記載の空間コンピューティングヘッドセット。
【請求項16】
前記シースアセンブリおよび前記内側バンドアセンブリは、前記ユーザの身体の外形に共形性である可撓性かつ伸縮可能なバンド状構造を画定する、請求項
1に記載の空間コンピューティングヘッドセット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、空間コンピューティングヘッドセットまたは他の装着可能デバイスをユーザに固着するためのシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
仮想現実および拡張現実ヘッドセットを含む、空間コンピューティングヘッドセットは、科学的可視化、薬および軍事訓練、工学設計およびプロトタイピング、遠隔操作およびテレプレゼンス、ならびにパーソナルエンターテインメントシステムの分野に及ぶ、多くの用途で貴重であることが証明されている。空間コンピューティングヘッドセットでは、仮想または拡張場面は、ユーザの眼の前にユーザの頭部を位置付け可能および固着可能である光学系アセンブリを介して、ユーザに表示される。多くの異なるシステムおよび技法が、適合調節のための機構を伴う種々のヘッドバンド構造を含む、そのような光学系アセンブリをユーザの頭部に固着するために存在する。しかしながら、そのようなシステムおよび技法は、種々の短所に悩まされる。例えば、公知の適合調節機構は、過度に複雑で、嵩張り、精度を欠いている、および/または運動の限定された範囲を含み得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本明細書に説明される実施形態は、空間コンピューティングヘッドセット等の装着可能デバイスのための拡張可能バンドシステムを提供し、これは、ユーザがそのような装着可能デバイスを定位置に確実に固着させることを可能にする、可撓性かつ共形性の形状因子を有する。さらに、対向テンプルアームによって支持される光学系アセンブリを用いた、空間コンピューティングヘッドセットのコンテキストにおいて、拡張可能バンドシステムは、別様にテンプルアームの望ましくないねじり荷重(例えば、1つのテンプルアームを上方に、1つのテンプルアームを下方に捻転する)から生じ得る、テンプルアームの過伸展または極限偏向に対する保護を提供する。
【0004】
一実施形態によると、装着可能デバイスをユーザに固着することを補助するための拡張可能バンドシステムが、一対のシースアセンブリと、シースアセンブリに移動可能に結合され、その間に跨架する、内側バンドアセンブリであって、相互に向かってシースアセンブリを付勢するためのシースアセンブリに結合される、一対の付勢機構を含む、内側バンドアセンブリとを含むように要約され得る。拡張可能バンドシステムは、その中でシースアセンブリが並置する(例えば、ともに相対的により近い)後退構成と、その中でシースアセンブリが分離される(例えば、相対的にさらに離れた)拡張構成との間で移動可能であってもよい。
【0005】
各付勢機構は、固定端と、固定端と反対の浮動端とを含んでもよく、固定端は、シースアセンブリの個別のものに固着されている。各付勢機構は、伸長圧縮ばねと、伸長圧縮ばねを通して延在する、可撓性フィラメントとを含んでもよく、可撓性フィラメントは、付勢機構の浮動端にばね止め具を含む。内側バンドアセンブリはさらに、付勢機構の伸長圧縮ばねを囲繞する、バンド状エンクロージャを含んでもよい。
【0006】
バンド状エンクロージャは、システムが後退構成から拡張構成に移動するにつれて、シースアセンブリから摺動可能に延在するために、シースアセンブリを摺動可能に受容してもよい。バンド状エンクロージャは、システムが後退構成から拡張構成に移動するにつれて、伸長圧縮ばねが座屈することを防止することを補助するために、各伸長圧縮ばねのための個別の圧縮ばね通路を含んでもよい。バンド状エンクロージャの中心部分が、システムが後退構成から拡張構成に移動するにつれて、暴露されてもよい。バンド状エンクロージャは、システムが後退構成から拡張構成に移動するにつれて、シースアセンブリから、伸長圧縮ばねのそれぞれを引き出し、同時に圧縮するように構成されてもよい。
【0007】
制動デバイスが、シースアセンブリに対するバンド状エンクロージャの移動に抵抗するために、シースアセンブリの少なくとも1つと内側バンドアセンブリのバンド状エンクロージャとの間に提供されてもよい。同様に、係止デバイスが、シースアセンブリに対するバンド状エンクロージャの移動を防止するために、シースアセンブリの少なくとも1つと内側バンドアセンブリのバンド状エンクロージャとの間に提供されてもよい。
【0008】
各シースアセンブリは、可撓性バンド状形状因子を備えてもよい。各シースアセンブリは、システムが、後退構成にあるとき、内側バンドアセンブリのバンド状エンクロージャの個別の端部を少なくとも部分的に囲繞する、ケージ構造を集合的に画定する、複数のケージ要素を含んでもよい。複数のケージ要素は、シースアセンブリが撓曲することを可能にし、異なる曲率外形をとるために、シースアセンブリの長さに沿って離間されてもよい。各シースアセンブリは、内部誘導構造を含み得、内部誘導構造および複数のケージ要素は、内側バンドアセンブリのバンド状エンクロージャを収容するためのバンド受容通路を集合的に画定し得る。各シースアセンブリは、ユーザの身体と外側カバーとを係合するための内側パッドを含んでもよい。内側パッドおよび外側カバーは、集合的に、内部誘導構造および複数のケージ要素を格納するためのエンクロージャを画定してもよい。
【0009】
シースアセンブリおよび内側バンドアセンブリは、ユーザの身体の外形に共形性である、可撓性かつ伸縮可能なバンド状構造を集合的に画定してもよい。拡張可能バンドシステムは、空間コンピューティングヘッドセット、または、例えば、スマートウォッチ等の他の装着可能デバイスに組み込まれてもよい。例えば、一例示的実施形態による、空間コンピューティングヘッドセットは、光学系アセンブリと、光学系アセンブリに移動可能に結合される、一対のテンプルアームと、空間コンピューティングヘッドセットをユーザの頭部に固着することを補助するための拡張可能バンドシステムであって、テンプルアームの後端の間に跨架する、拡張可能バンドシステムとを含むように要約され得る。拡張可能バンドシステムは、一対のシースアセンブリと、シースアセンブリに移動可能に結合され、その間に跨架する、内側バンドアセンブリであって、シースアセンブリをともに付勢するためのシースアセンブリに結合される、一対の付勢機構を含む、内側バンドアセンブリとを含んでもよい。拡張可能バンドシステムは、その中でシースアセンブリが並置する(例えば、ともに相対的により近い)後退構成と、その中でシースアセンブリが分離される(例えば、相対的にさらに離れた)拡張構成との間で移動可能であってもよい。
【0010】
拡張可能バンドシステムは、テンプルアームを相互に向かって付勢することを補助するように構成されてもよい。拡張可能バンドシステムは、可撓性であって、概して、均一保持力を提供するために、ユーザの頭部に共形化するように後退構成に向かって付勢されてもよい。拡張可能バンドシステムは、テンプルアームの過伸展および極限偏向に抵抗するように構成されてもよい。
本発明は、例えば、以下を提供する。
(項目1)
空間コンピューティングヘッドセットであって、
光学系アセンブリと、
前記光学系アセンブリに移動可能に結合される一対のテンプルアームと、
前記空間コンピューティングヘッドセットをユーザの頭部に固着することを補助するための拡張可能バンドシステムであって、前記拡張可能バンドシステムは、前記テンプルアームの後端の間に跨架し、
一対のシースアセンブリと、
前記シースアセンブリに移動可能に結合され、それらの間に跨架する内側バンドアセンブリであって、前記内側バンドアセンブリは、前記一対のシースアセンブリに結合され、後退構成に向かってともに前記一対のシースアセンブリを移動させるように構成される、一対の付勢機構を含む、内側バンドアセンブリと
を備える、拡張可能バンドシステムと
を備え、
前記拡張可能バンドシステムは、その中で前記一対のシースアセンブリが並置する前記後退構成と、その中で前記一対のシースアセンブリが分離される拡張構成との間で移動可能である、空間コンピューティングヘッドセット。
(項目2)
前記拡張可能バンドシステムは、前記テンプルアームをそれぞれに向かって付勢することを補助するように構成される、項目1に記載の空間コンピューティングヘッドセット。
(項目3)
前記拡張可能バンドシステムは、可撓性であり、前記ユーザの頭部に共形化し、均一保持力を提供するために、前記後退構成に向かって付勢される、項目1に記載の空間コンピューティングヘッドセット。
(項目4)
前記拡張可能バンドシステムは、前記テンプルアームの過伸展および著しい偏向に抵抗するように構成される、項目1に記載の空間コンピューティングヘッドセット。
(項目5)
各付勢機構は、固定端と、前記固定端の反対に配置される浮動端とを含み、前記固定端は、前記一対のシースアセンブリの1つに固定されて固着される、項目1に記載の空間コンピューティングヘッドセット。
(項目6)
各付勢機構は、伸長圧縮ばねと、前記伸長圧縮ばねを通して延在する可撓性フィラメントとを含み、前記可撓性フィラメントは、前記付勢機構の浮動端に配置されるばね止め具を含む、項目5に記載の空間コンピューティングヘッドセット。
(項目7)
前記内側バンドアセンブリはさらに、前記付勢機構の伸長圧縮ばねを囲繞するバンド状エンクロージャを含む、項目6に記載の空間コンピューティングヘッドセット。
(項目8)
前記システムが前記後退構成から前記拡張構成に移動するにつれて、前記バンド状エンクロージャは、前記シースアセンブリ内に摺動可能に受容され、前記シースアセンブリから摺動可能に延在するように構成される、項目7に記載の空間コンピューティングヘッドセット。
(項目9)
前記バンド状エンクロージャは、前記システムが前記後退構成から前記拡張構成に移動するにつれて、前記伸長圧縮ばねが座屈することを防止することを補助するために、各伸長圧縮ばねのための個別の圧縮ばね通路を含む、項目7に記載の空間コンピューティングヘッドセット。
(項目10)
前記バンド状エンクロージャの中心部分は、前記システムが前記後退構成から前記拡張構成に移動するにつれて、暴露される、項目7に記載の空間コンピューティングヘッドセット。
(項目11)
前記バンド状エンクロージャは、前記システムが前記後退構成から前記拡張構成に移動するにつれて、前記シースアセンブリから、前記伸長圧縮ばねのそれぞれを引き出し、同時に圧縮するように構成される、項目7に記載の空間コンピューティングヘッドセット。
(項目12)
制動デバイスが、前記シースアセンブリに対する前記バンド状エンクロージャの移動に抵抗するために、前記シースアセンブリの少なくとも1つと前記内側バンドアセンブリの前記バンド状エンクロージャとの間に提供される、項目7に記載の空間コンピューティングヘッドセット。
(項目13)
ユーザ操作可能係止デバイスが、前記シースアセンブリに対する前記バンド状エンクロージャの移動を防止するために、前記シースアセンブリの少なくとも1つと前記内側バンドアセンブリの前記バンド状エンクロージャとの間に提供される、項目7に記載の空間コンピューティングヘッドセット。
(項目14)
各シースアセンブリは、可撓性バンド状形状因子を備える、項目7に記載の空間コンピューティングヘッドセット。
(項目15)
各シースアセンブリは、複数のケージ要素を備えるケージ構造を含み、前記ケージ構造は、前記システムが、前記後退構成にあるとき、前記内側バンドアセンブリの前記バンド状エンクロージャの個別の端部を少なくとも部分的に囲繞する、項目14に記載の空間コンピューティングヘッドセット。
(項目16)
各シースアセンブリに関して、複数のケージ要素は、前記シースアセンブリが撓曲することを可能にし、異なる曲率外形をとるために、前記シースアセンブリの長さに沿って離間される、項目14に記載の空間コンピューティングヘッドセット。
(項目17)
各シースアセンブリは、内部誘導構造を含み、前記内部誘導構造および前記複数のケージ要素は、バンド受容通路を画定し、前記バンド受容通路は、前記内側バンドアセンブリの前記バンド状エンクロージャを格納するように構成される、項目14に記載の空間コンピューティングヘッドセット。
(項目18)
各シースアセンブリは、前記ユーザの身体と外側カバーとを係合するための内側パッドを含み、前記内側パッドおよび前記外側カバーは、前記内部誘導構造および前記複数のケージ要素を格納するためのエンクロージャを画定する、項目17に記載の空間コンピューティングヘッドセット。
(項目19)
前記シースアセンブリおよび前記内側バンドアセンブリは、前記ユーザの身体の外形に共形性である可撓性かつ伸縮可能なバンド状構造を画定する、項目1-18のいずれか1項に記載の空間コンピューティングヘッドセット。
(項目20)
装着可能デバイスをユーザに固着することを補助するための拡張可能バンドシステムであって、前記システムは、
一対のシースアセンブリと、
前記シースアセンブリに移動可能に結合され、それらの間に跨架する内側バンドアセンブリであって、前記内側バンドアセンブリは、後退構成に向かってともに前記シースアセンブリを付勢するために、前記シースアセンブリに結合される一対の付勢機構を含む、内側バンドアセンブリと
を備え、
前記拡張可能バンドシステムは、その中で前記シースアセンブリがともに相対的により近い前記後退構成と、その中で前記シースアセンブリが相対的にさらに離れた拡張構成との間で移動可能である、システム。
(項目21)
各付勢機構は、固定端と、前記固定端と反対の浮動端とを含み、前記固定端は、前記シースアセンブリの個別の1つに固定されて固着される、項目20に記載のシステム。
(項目22)
各付勢機構は、伸長圧縮ばねと、前記伸長圧縮ばねを通して延在する可撓性フィラメントとを含み、前記可撓性フィラメントは、前記付勢機構の浮動端にばね止め具を含む、項目21に記載のシステム。
(項目23)
前記内側バンドアセンブリはさらに、前記付勢機構の伸長圧縮ばねを囲繞するバンド状エンクロージャを含む、項目22に記載のシステム。
(項目24)
前記バンド状エンクロージャは、前記システムが前記後退構成から前記拡張構成に移動するにつれて、前記シースアセンブリから摺動可能に延在するために、前記シースアセンブリ内に摺動可能に受容される、項目23に記載のシステム。
(項目25)
前記バンド状エンクロージャは、前記システムが前記後退構成から前記拡張構成に移動するにつれて、前記伸長圧縮ばねが座屈することを防止することを補助するために、各伸長圧縮ばねのための個別の圧縮ばね通路を含む、項目23に記載のシステム。
(項目26)
前記バンド状エンクロージャの中心部分は、前記システムが前記後退構成から前記拡張構成に移動するにつれて、暴露される、項目23に記載のシステム。
(項目27)
前記バンド状エンクロージャは、前記システムが前記後退構成から前記拡張構成に移動するにつれて、前記シースアセンブリから、前記伸長圧縮ばねのそれぞれを引き出し、同時に圧縮するように構成される、項目23に記載のシステム。
(項目28)
制動デバイスが、前記シースアセンブリに対する前記バンド状エンクロージャの移動に抵抗するために、前記シースアセンブリの少なくとも1つと前記内側バンドアセンブリの前記バンド状エンクロージャとの間に提供される、項目23に記載のシステム。
(項目29)
ユーザ操作可能係止デバイスが、前記シースアセンブリに対する前記バンド状エンクロージャの移動を防止するために、前記シースアセンブリの少なくとも1つと前記内側バンドアセンブリの前記バンド状エンクロージャとの間に提供される、項目23に記載のシステム。
(項目30)
各シースアセンブリは、可撓性バンド状形状因子を備える、項目23に記載のシステム。
(項目31)
各シースアセンブリは、前記システムが、前記後退構成にあるとき、前記内側バンドアセンブリの前記バンド状エンクロージャの個別の端部を少なくとも部分的に囲繞するケージ構造を集合的に画定する複数のケージ要素を含む、項目30に記載のシステム。
(項目32)
各シースアセンブリに関して、複数のケージ要素は、前記シースアセンブリが撓曲することを可能にし、異なる曲率外形をとるために、前記シースアセンブリの長さに沿って離間される、項目30に記載のシステム。
(項目33)
各シースアセンブリは、内部誘導構造を含み、前記内部誘導構造および前記複数のケージ要素は、前記内側バンドアセンブリの前記バンド状エンクロージャを収容するためのバンド受容通路を集合的に画定する、項目30に記載のシステム。
(項目34)
各シースアセンブリは、前記ユーザの身体と外側カバーとを係合するための内側パッドを含み、前記内側パッドおよび前記外側カバーは、集合的に、前記内部誘導構造および前記複数のケージ要素を格納するためのエンクロージャを画定する、項目33に記載のシステム。
(項目35)
前記シースアセンブリおよび前記内側バンドアセンブリは、集合的に、前記ユーザの身体の外形に共形性である、可撓性かつ伸縮可能なバンド状構造を画定する、前記項目のいずれか1項に記載のシステム。
(項目36)
項目20-35のいずれか1項に記載の拡張可能バンドシステムを備える、空間コンピューティングヘッドセット。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、拡張可能バンドシステムが後退構成にある、一例示的実施形態による、拡張可能バンドシステムを含む、空間コンピューティングヘッドセットの等角図である。
【0012】
【
図2】
図2は、拡張可能バンドシステムが拡張構成にある、
図1の空間コンピューティングヘッドセットの等角図である。
【0013】
【
図3】
図3は、
図1および2の空間コンピューティングヘッドセットの残りから隔離されて示される、後退構成における拡張可能バンドシステムの等角図である。
【0014】
【
図4】
図4は、拡張可能バンドシステムの内側パッドが下層構成要素を明らかにするために除去されている、拡張可能バンドシステムの等角図である。
【0015】
【
図5】
図5は、本システムの残りから隔離され、そのバンド状エンクロージャの一部が下層構成要素を明らかにするために切り取られて示される、拡張可能バンドシステムの内側バンドアセンブリの等角図である。
【0016】
【
図6】
図6はバンド状エンクロージャの内側部分が、下層構成要素を明らかにするために除去されている、拡張可能バンドシステムの内側バンドアセンブリの等角図である。
【0017】
【
図7】
図7は、本システムが後退構成と拡張構成との間を移動するにつれて、内側バンドアセンブリを誘導することを補助する、拡張可能バンドシステムの内部誘導構造の等角図である。
【0018】
【
図8】
図8は、制動デバイスを有する変形を示す、拡張可能バンドシステムの一部の等角図である。
【0019】
【
図9】
図9は、係止デバイスを有する変形を示す、拡張可能バンドシステムの一部の等角図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
詳細な説明
以下の説明では、ある具体的詳細が、種々の開示される実施形態の完全な理解を提供するために、記載される。しかしながら、当業者は、実施形態が、これらの具体的詳細のうちの1つまたはそれを上回るものを伴わずに、もしくは他の方法、構成要素、材料等を伴って、実践され得ることを認識するであろう。他の事例では、空間コンピューティングヘッドセットと関連付けられる周知の構造およびそれをユーザに固着するための適合調節システムは、実施形態の説明を不必要に曖昧にすることを回避するために、詳細に示されていない、または説明されていない。
【0021】
別様に文脈が要求しない限り、明細書および続く請求項全体を通して、単語「comprises(~を備える)」および「comprises(~を備える)」ならびに「comprising(~を備える)」等のその変形例は、「限定ではないが、~を含む(including, but not limited to)」のような広い包含的意味で解釈されるべきである。
【0022】
本明細書全体を通した、「一実施形態(one embodiment)」または「ある実施形態(an embodiment)」の言及は、実施形態に関連して説明される特定の特徴、構造、または特性が、少なくとも一実施形態に含まれることを意味する。したがって、本明細書全体を通した種々の場所における語句「一実施形態では(in one embodiment)」または「ある実施形態では(in an embodiment)」の表出は、必ずしも同一の実施形態を全て参照するものではない。さらに、特定の特徴、構造、または特性は、1つまたはそれを上回る実施形態では、任意の好適な様式において、組み合わせられてもよい。
【0023】
図1-7は、装着可能デバイスをユーザに固着することを補助するための拡張可能バンドシステム100の一例示的実施形態を示す。特に、
図1および2を参照すると、拡張可能バンドシステム100は、空間コンピューティングヘッドセット10をユーザの頭部に固着するために提供される。空間コンピューティングヘッドセット10は、一対のテンプルアーム14、16によって支持される、光学系アセンブリ12を含む。空間コンピューティングヘッドセット(例えば、光学構成要素および内部電子回路)と関連付けられる、周知の構造およびデバイスは、本明細書に開示される実施形態の説明を不必要に曖昧にすることを回避するために、詳細に示されていない、または説明されない。
図1および2に示される例示的装着可能デバイスは、非限定的であって、実施形態は、他の好適な(例えば、装着可能)デバイス配列において採用されてもよい。
【0024】
着目すべきこととして、例示的ヘッドセット10のテンプルアーム14、16は、継合部18、20において、光学系アセンブリ12に移動可能に結合される。そのような継合部18、20は、テンプルアーム14、16が、1つまたはそれを上回る方向に、限定された運動の範囲内で光学系アセンブリ12に対して移動することを可能にする、ヒンジ機構または他の移動可能な継合部(不可視)を含んでもよい。例えば、例示的ヘッドセット10は、
図1に示される後退構成Rから
図2に示される拡張構成Eに約20度、テンプルアーム14が外向きに(すなわち、ユーザの矢状面から離れるように)広げることを可能にする、止め具と関連付けられる継合部18、20にヒンジを含む。ヒンジは、本明細書に説明される拡張可能バンドシステムと協調して作用し得る、
図1に示される後退構成Rに向かって後方へテンプルアーム14、16を押勢する、1つまたはそれを上回る付勢部材(例えば、ねじればね)を含んでもよい。他の事例では、ヒンジは、そのような付勢部材を欠いてもよい。
【0025】
図1および2を継続して参照すると、図示される実施形態の拡張可能バンドシステム100は、テンプルアーム14、16の後端の間に結合され、かつその間に跨架する。拡張可能バンドシステム100は、一対のシースアセンブリ102a、102bと、シースアセンブリ102a、102bに移動可能に結合され、かつその間に跨架する、内側バンドアセンブリ110(
図2において可視)とを含む。本明細書のいずれかの場所にさらに詳細に説明されるであろうように、内側バンドアセンブリ110は、
図1に示される後退構成Rに向かって、シースアセンブリ102a、102bを移動(すなわち、付勢)させるために、シースアセンブリ102a、102bに結合される、一対の付勢機構116a、116b(
図6)を含む。拡張可能バンドシステム100は、その中でシースアセンブリ102a、102bが並置する(例えば、ともに相対的により近い)後退構成Rと、その中でシースアセンブリ102a、102bが分離される(例えば、相対的にさらに離れた)
図2に示される拡張構成Eとの間で移動可能である。
【0026】
便宜的に、動作中、ユーザが、空間コンピューティングヘッドセット10のテンプルアーム14、16を
図2に示される構成に広げ、それによって、テンプルアーム14、16の移動は、シースアセンブリ102a、102bを分離させ、付勢機構116a、116bの力に対して、内側バンドアセンブリ110をシースアセンブリ102a、102bから引き出させ得る。ユーザは、次いで、ユーザの眼の前に位置する光学系アセンブリ12と、ユーザのテンプルを越えて延在するテンプルアーム14、16とを併用するために、ヘッドセット10を位置付け、次いで、シースアセンブリ102a、102b(および/またはテンプルアーム14、16)が、ユーザの頭部に接触し、ヘッドセット10を定位置に固着することを補助するためにそこに保持力を印加するまで、テンプルアーム14、16が
図1に示される後退構成Rに向かって後退することを可能にすることができる。このように、拡張可能バンドシステム100は、少なくとも部分的に、相互に向かってテンプルアーム14、16を移動/付勢することを補助するように構成される。いくつかの事例では、拡張可能バンドシステム100は、それぞれに向かってテンプルアーム14、16を移動/付勢する唯一の手段を提供してもよい。
【0027】
さらに、例示的実施形態によると、拡張可能バンドシステム100は、製品安定性、適合性、および/または快適性を向上させる、略均一保持力を提供するように可撓性であり、ユーザの頭部に共形可能である。有利なこととして、拡張可能バンドシステム100はまた、テンプルアーム14、16の望ましくない移動への実質的抵抗および/またはハードストップを提供することによって、テンプルアーム14、16の過伸展および極限偏向に抵抗するように構成される。例えば、拡張可能バンドシステム100は、
図1において標識された矢印F1およびF2によって表されるように、一方のテンプルアーム14を上方に、一方のテンプルアーム16を下方に捻転するときに継合部18、20を介して光学系アセンブリ12に別様に伝達され得る、ねじり荷重に低減および/または対抗してもよい。これは、拡張可能バンドシステム100が、したがって、そうでなければそのようなねじり荷重が起こり得る、光学系アセンブリ12の脆弱な構成要素を損傷することを防止することを補助し得るという点で、有利であり得る。
【0028】
拡張可能バンドシステム100のさらなる詳細が、
図3-7を参照して、ここで説明されるであろう。
図3は、後退構成における、空間コンピューティングヘッドセット10の残りから隔離される、拡張可能バンドシステム100を示す。
図4は、内側バンドアセンブリ110を含む下層構成要素を明らかにするために、拡張可能バンドシステム100のシースアセンブリ102a、102bの内側パッド104a、104bが除去されている、拡張可能バンドシステム100を示し、
図5は、内側バンドアセンブリのバンド状エンクロージャ112の外側部分113が下層構成要素を明らかにするために切り取られている、拡張可能バンドシステム100の残りから隔離された内側バンドアセンブリ110を示し、
図6は、バンド状エンクロージャ112の内側部分114が、下層構成要素を明らかにするために除去されている、内側バンドアセンブリ110を示し、
図7は、本システム100が後退構成Rと拡張構成Eとの間を移動するにつれて、内側バンドアセンブリ110を誘導することを補助する、拡張可能バンドシステム100の内部誘導構造105a、105bを示す。
【0029】
図3を参照すると、拡張可能バンドシステム100の図示される実施形態は、拡張可能バンドシステム100の後退構成Rにおいて、その中に内側バンドアセンブリ110が隠れている、略連続的なバンドまたはバンド状形状因子を形成するために、継目場所106において相互に当接する、対向シースアセンブリ102a、102b(集合的に、102)を含む。各シースアセンブリ102a、102bは、ユーザの頭部(または他の身体部分)および外側カバー103a、103bを係合するための内側パッド104a、104bを含む。外側カバー103a、103bおよび内側パッド104a、104bは、シースアセンブリ102a、102bの内部構成要素のためのエンクロージャを集合的に画定する。シースアセンブリ102a、102bはさらに、
図1および2の空間コンピューティングヘッドセット10のテンプルアーム14、16に(または他の装着可能デバイスに)拡張可能バンドシステム100を固着するための搭載配列108(例えば、ねじ山付き挿入部)を含む。
【0030】
図4を参照すると、複数のケージ要素109a、109bが、各シースアセンブリの内側パッド104a、104bの真下に提供される。ケージ要素109a、109bは、本システム100が、後退構成Rにあるとき、内側バンドアセンブリ110のバンド状エンクロージャ112の個別の端部を少なくとも部分的に囲繞する、ケージ構造を集合的に画定し、それが後退構成Rと拡張構成Eの間を移動するにつれて、バンド状エンクロージャ112を誘導することを補助する。着目すべきこととして、各シースアセンブリ102a、102bに関して、複数のケージ要素109a、109bは、シースアセンブリ102a、102bが撓曲し、異なる曲率外形をとることを可能にするように、シースアセンブリの長さに沿って離間される一方、同時に、構造的完全性を拡張可能バンドシステム100に提供する。
【0031】
例示的実施形態の各シースアセンブリ102a、102bはさらに、
図7により詳細に示される、内部誘導構造105a、105bを含む。各シースアセンブリ102a、102bの内部誘導構造105a、105bおよび複数のケージ要素109a、109bは、内側バンドアセンブリ110のバンド状エンクロージャ112の対向端部の1つを収容するための、個別のバンド受容通路を集合的に画定する。内部誘導構造105a、105bおよび複数のケージ要素109a、109bは、動作の間、変形を殆どまたは全く呈さない、剛性構成要素であってもよい。各シースアセンブリ102a、102bの内部誘導構造105a、105bおよび複数のケージ要素109a、109bは、シースアセンブリ102a、102bに剛性骨格構造を提供すると言え得る。
【0032】
例示的実施形態の各シースアセンブリ102a、102bはさらに、それを通してバンド状エンクロージャ112の個別の端部が通過する開口を含む、端部キャップ107a、107bを含む。端部キャップ107a、107bは、拡張可能バンドシステム100が、後退構成Rにあるとき、相互に当接し得、該後退構成Rを確立するための止め具を提供してもよい。
【0033】
図5および6を参照すると、内側バンドアセンブリ110は、前述の一対の付勢機構116a、116bと、バンド状エンクロージャ112とを含む。各付勢機構116a、116bは、固定端122a、122bと、固定端122a、122bと反対の浮動端124a、124bとを含む。各固定端122a、122bは、バンド状エンクロージャ112の個別の端部から突出し、
図4に示されるように、シースアセンブリ102a、102bの個別の1つに固定されて固着される。本目的のために、各固定端122a、122bは、付勢機構116a、116bの固定端122a、122bをシースアセンブリ102a、102bに固着するために締結要素を提供されてもよい。例えば、例示的実施形態の固定端122a、122bは、それに対してそれが固定される、シースアセンブリ102a、102bの内部誘導構造105a、105bの対応する突出部に係合するように定寸される、内部空洞を伴う、締結アンカを含む。締結アンカはさらに、締結アンカを定位置に保定するようにねじ山付き締結具を受容するための開口を含む。対照的に、各付勢機構116a、116bの浮動端124a、124bは、バンド状エンクロージャ112内に含有され、システム100が、後退構成Rと拡張構成Eとの間を遷移するにつれて、バンド状エンクロージャ112に対して自由に移動する。
【0034】
図5および6を継続して参照すると、各付勢機構116a、116bはさらに、伸長圧縮ばね118a、118b(例えば、金属圧縮ばね)と、伸長圧縮ばね118a、118bを通して延在する、可撓性フィラメント120a、102b(例えば、金属ケーブル)とを含む。各可撓性フィラメント120a、102bは、
図5の拡大詳細図に示されるように、対応する圧縮ばね118a、118bの一端に当接または別様に隣接する、浮動端124a、124bにばね止め具を含む。各圧縮ばね118a、118bの他端は、システム100が後退構成Rと拡張構成Eとの間で遷移するにつれて、バンド状エンクロージャ112がシースアセンブリ102a、102bから引き出されるため、可撓性フィラメント120a、102bの長さに沿って変位可能である、対応するカラーを提供される、またはそれに当接する。より具体的には、シースアセンブリ102a、102bが、拡張構成Eに向かって移動するにつれて、バンド状エンクロージャ112は、シースアセンブリ102a、102bから引き出され、同時に、浮動端124a、124bに向かってカラーを引動することによって、圧縮ばね118a、118bのそれぞれを圧縮する。逆に言えば、シースアセンブリ102a、102bが、後退構成Rに向かって後退することを可能にされるため、バンド状エンクロージャ112は、シースアセンブリ102a、102bの中に遠ざかり、ばね118a、118bの圧縮を軽減する。
図5および6に示されるように、付勢機構116a、116bは、平行関係に提供され得、各付勢機構116a、116bの配向は、相互に反対であってもよい。加えて、各付勢機構116a、116bは、拡張可能バンドシステム100の長さの少なくとも大部分または拡張可能バンドシステム100のほぼ全長(例えば、全長の80%、90%、または95%を上回る)に延在してもよい。
【0035】
図5および6を継続して参照すると、バンド状エンクロージャ112は、システム100が後退構成Rから拡張構成Eに移動するにつれて、伸長圧縮ばね118a、118bが座屈することを防止することを補助するように、各伸長圧縮ばね118a、118bのための個別の圧縮ばね通路115a、115bを含む。圧縮ばね通路115a、115bは、例えば、
図5の拡大詳細図に示されるように、エンクロージャ112の内側部分114に形成され、エンクロージャ112の外側部分113によってキャップされてもよい。逆に言えば、圧縮ばね通路115a、115bは、エンクロージャ112の外側部分113内に形成され、エンクロージャ112の内側部分114によってキャップされてもよい。いずれの場合も、圧縮ばね通路115a、115bは、エンクロージャ112の対向部分によって、集合的に形成されると言え得る。なおもさらに、他の事例では、内側バンドアセンブリ110のバンド状エンクロージャ112は、その中に提供される圧縮ばね通路115a、115bとの一体構造として一体的に形成されてもよい。バンド状エンクロージャ112は、動作の間、圧縮ばね118a、118bの座屈に抵抗するために、ある程度の構造的剛性もまた提供する、可撓性構成要素を提供するように半剛性であってもよい。バンド状エンクロージャ112は、例えば、可撓性シリコーン材料を備えてもよい。
【0036】
図示される実施形態によると、内側バンドアセンブリ110は、拡張可能バンドシステム100が、後退構成Rから拡張構成Eに移動するにつれて、シースアセンブリ102a、102bから摺動可能に延在するように、シースアセンブリ102a、102b内に摺動可能に受容される。内側バンドアセンブリ110内に含有される付勢機構116a、116bは、一端でシースアセンブリ102a、102bに固定して結合され、後退構成Rに向かってともにシースアセンブリ102a、102bを押勢するように配列される。再び、シースアセンブリ102a、102bが、ユーザがヘッドセット10のテンプルアーム14、16を広げること等によって、拡張構成Eに向かって移動するため、内側バンドアセンブリ110のバンド状エンクロージャ112は、シースアセンブリ102a、102bから引き出され、伸長圧縮ばね118a、118bのそれぞれを同時に圧縮する。圧縮ばね118a、118b内の貯蔵されたエネルギーは、次いで、テンプルアーム14、16が、ユーザによって解放されると、後退構成Rに向かってともにシースアセンブリ102a、102bを移動させるように作用する。拡張可能バンドシステム100は次いで、ユーザの頭部の外形を共形化し、ヘッドセット10を装着可能デバイスの適切な位置合わせ/整合を維持するように定位置に固着させる。
【0037】
ここで
図8を参照すると、拡張可能バンドシステム100は、いくつかの事例ではさらに、シースアセンブリ102a、102bに対するバンド状エンクロージャ112の移動に抵抗するために、シースアセンブリ102a、102bの少なくとも1つと内側バンドアセンブリ110のバンド状エンクロージャ112との間に制動デバイスを含む。例えば、制動デバイスは、係合部材130を含んでもよく、内側パッド104aの一部の場合、それは、バンド状エンクロージャ112とほぼ接触して位置付けられ、次いで、ユーザに向いたパッド104aが、ユーザとの係合を介して圧縮されるにつれて、バンド状エンクロージャ112と接触するように押勢される。このように、拡張可能バンドシステム100が、頭部上に設置され、ユーザの頭部が内側パッド104aを圧縮すると、制動デバイスとしての役割を果たす、パッド104aの係合部材130は、次いで、移動するバンド状エンクロージャ112に接触し、ユーザが、さらなる止まり嵌めを提供するように、手動で拡張可能バンドシステム100を押圧した場合、増加し得る制動力を提供する。これは、ユーザが、圧縮ばね118a、118bのみによって提供され得るものよりもより高い保持力を実装することを可能にするであろう。ユーザが、拡張可能バンドシステム100を除去すると、制動力は、除去され、拡張可能バンドシステム100が、初期の非制動状態、すなわち、
図1に示される後退構成Rに必然的に戻ることを可能にする。
【0038】
ここで
図9を参照すると、拡張可能バンドシステム100は、いくつかの事例ではさらに、シースアセンブリ102a、102bに対するバンド状エンクロージャ112の移動を防止するために、シースアセンブリ102a、102bの少なくとも1つと内側バンドアセンブリ110のバンド状エンクロージャ112との間に係止デバイスを含む。例えば、係止デバイスは、所望の中間構成における拡張可能バンドシステム100の位置付けを係止するために、バンド状エンクロージャ112内の複数の戻り止め134の1つに係合するように、ユーザによって選択的に作動され得る、シースアセンブリ102aの背面上にプッシュボタンロック132を含んでもよい。このように、ユーザは、拡張可能バンドシステム100の適合性を調節し、次いで、所望の構成で拡張可能バンドシステム100を係止してもよい。
【0039】
本明細書に開示される実施形態は、主に、関連付けられる拡張可能バンドシステム100を伴う空間コンピューティングヘッドセット10のコンテキストにおいて説明されるが、拡張可能バンドシステム100の特徴および側面は、例えば、スマートウォッチ等の他の装着可能デバイスにも組み込まれ得ることを理解されたい。しかしながら、本明細書に開示される拡張可能バンドシステム100の実施形態は、特に、そのようなテンプルアームの望ましくない変位または変形を限定するために、テンプルアームを含むヘッドウェアと併用するために良好に適合されることもまた理解されたい。
【0040】
さらに、上記に説明される種々の実施形態の特徴および側面は、さらなる実施形態を提供するために組み合わせられ得ることを理解されたい。これらおよび他の変更が、上記の詳細な説明の観点で、実施形態に行なわれることができる。一般に、以下の請求項では、使用される用語は、本明細書および請求項で開示される具体的実施形態に請求項を限定するように解釈されるべきではなく、それに対してそのような請求項が権利を与えられる、全範囲の均等物とともに、あらゆる可能性として考えられる実施形態を含むように解釈されるべきである。