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  • 特許-誘導性ロータ位置センサ装置、駆動装置 図1
  • 特許-誘導性ロータ位置センサ装置、駆動装置 図2A
  • 特許-誘導性ロータ位置センサ装置、駆動装置 図2B
  • 特許-誘導性ロータ位置センサ装置、駆動装置 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-19
(45)【発行日】2024-03-28
(54)【発明の名称】誘導性ロータ位置センサ装置、駆動装置
(51)【国際特許分類】
   G01D 5/20 20060101AFI20240321BHJP
   H02K 11/225 20160101ALI20240321BHJP
【FI】
G01D5/20 110H
H02K11/225
G01D5/20 110X
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2022554699
(86)(22)【出願日】2021-03-03
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-26
(86)【国際出願番号】 EP2021055307
(87)【国際公開番号】W WO2021180535
(87)【国際公開日】2021-09-16
【審査請求日】2022-09-09
(31)【優先権主張番号】102020203275.0
(32)【優先日】2020-03-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】591245473
【氏名又は名称】ロベルト・ボッシュ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】100177839
【弁理士】
【氏名又は名称】大場 玲児
(74)【代理人】
【識別番号】100172340
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 始
(74)【代理人】
【識別番号】100182626
【弁理士】
【氏名又は名称】八島 剛
(72)【発明者】
【氏名】ヴェルシュ,ヴォルフガング
(72)【発明者】
【氏名】クルツ,アンドレアス
(72)【発明者】
【氏名】ダウト,ロベルト
(72)【発明者】
【氏名】レルヒェンミュラー,クラウス
(72)【発明者】
【氏名】フェラ,シーナ
(72)【発明者】
【氏名】クジザノフスキ,ティム
【審査官】吉田 久
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-174925(JP,A)
【文献】特開平4-276517(JP,A)
【文献】特開2017-90431(JP,A)
【文献】特開2017-15696(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0056244(US,A1)
【文献】特開2018-124273(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01D 5/00-5/252
G01B 7/00-7/34
H05K 9/00
H02K 11/225
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気機械(2)のロータ(4)のロータ角度位置を検知するためのロータ位置センサ装置(5)であって、電磁波を発生させるための送信器コイル(8)およびこの送信器コイル(8)によって発生されて前記ロータ(4)によって影響を受ける前記電磁波を検知するための受信器コイル(9)と、前記送信器コイル(8)を起動させ、前記受信器コイル(9)によって検知された前記電磁波を前記ロータ角度位置の特定のために評価するように形成されている演算ユニット(11)とを備え、前記送信器コイル(8)および前記受信器コイル(9)と前記演算ユニット(11)とが1つの共通のプリント回路基板(6)上に配置されている前記ロータ位置センサ装置(5)において、
前記送信器コイル(8)および前記受信器コイル(9)が前記プリント回路基板(6)の前面(7)に、前記演算ユニット(11)が前記前面(7)とは逆の側の後面(10)に配置され、
前記送信器コイル(8)および前記受信器コイル(9)と前記演算ユニット(11)との間に、前記演算ユニット(11)を前記電磁波から遮蔽するための少なくとも1つの遮蔽層(12,13)が複数のスリットを備えて配置されていることを特徴とするロータ位置センサ装置。
【請求項2】
前記遮蔽層(12,13)が前記プリント回路基板(6)の全体にわたって延在していることを特徴とする、請求項1に記載のロータ位置センサ装置。
【請求項3】
前記プリント回路基板(6)が円板状に形成されていることを特徴とする、請求項1または2に記載のロータ位置センサ装置。
【請求項4】
前記プリント回路基板(6)が円板リング状に形成されていることを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載のロータ位置センサ装置。
【請求項5】
前記遮蔽層(12,13)が複数の半径方向のスリットを備えて形成されていることを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載のロータ位置センサ装置。
【請求項6】
1つの前記遮蔽層(12)上に他の遮蔽層(13)が載置され、両遮蔽層(12,13)はそれぞれ複数のスリットを備えて次のように形成され且つ互いに重なり合って配置され、すなわちどのスリット(14)もオーバーラップしないように形成され且つ互いに重なり合って配置されていることを特徴とする、請求項1~5のいずれか一項に記載のロータ位置センサ装置。
【請求項7】
それぞれの前記遮蔽層(12,13)が前記プリント回路基板(6)の内側層として形成されていることを特徴とする、請求項1~6のいずれか一項に記載のロータ位置センサ装置。
【請求項8】
前記プリント回路基板(6)が、四角形の基礎プリント回路基板(15)にカットアウトされたプリント回路基板(6)として形成され、且つ1つのみの細条部(17)または複数の、特に最大で4つの細条部(17)によって前記四角形の基礎プリント回路基板(15)と一体に結合され、前記細条部(17)を破壊することによってこれから取り出し可能であることを特徴とする、請求項1~7のいずれか一項に記載のロータ位置センサ装置。
【請求項9】
電気機械(2)と、前記電気機械(2)に付設される、前記電気機械(2)のロータ(4)のロータ角度位置を検知するための請求項1~8のいずれか一項に記載のロータ位置センサ装置(5)とを備えた、自動車のパーキングブレーキ用駆動装置(1)
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気機械のロータのロータ角度位置を検知するための誘導性ロータ位置センサ装置であって、電磁波を発生させるための送信器コイルおよびこの送信器コイルによって発生されて前記ロータによって影響を受ける前記電磁波を検知するための受信器コイルと、前記送信器コイルを起動させ、前記受信器コイルによって検知された前記電磁波を前記ロータ角度位置の特定のために評価するように形成されている演算ユニットとを備え、前記コイルと前記演算ユニットとが1つの共通のプリント回路基板上に配置されている前記誘導性ロータ位置センサ装置に関するものである。
【0002】
さらに、本発明は、電気で作動可能な少なくとも1つの電気機械と、前記電気機械に付設される、前記電気機械のロータのロータ角度位置を検知するための誘導性ロータ位置センサ装置とを備えた、自動車のブレーキシステム用駆動装置に関する。
【背景技術】
【0003】
誘導性ロータ位置センサ装置は、技術水準から公知である。これは、送信器コイルの電磁波の場に曝されているロータのロータ角度位置に依存して電磁波が追跡可能な影響を受けるという作用を利用している。送信器コイルを起動して、受信器コイルによって検知された結果を評価するため、この種のセンサ装置は通常制御ユニットまたは演算ユニットをも有しており、たとえばマイクロプロセッサまたはユーザー固有回路の形態で有している。特に、演算ユニットは変調信号を発生させるために送信器コイルを起動する。その後、送信器コイルによって受信された信号は、演算ユニットまたはオプションでは更なる演算ユニットによって復調されて、評価を可能にさせる。したがって、電磁波は送信器コイルからロータ内へ、そしてロータから受信器コイル内へカップリングされ、この場合受信器コイルによって検知された電磁信号はロータ角度位置に関する情報を許容する。この種のロータ位置センサ装置は、たとえば「レゾルバー」という概念で知られている。
【0004】
典型的には、演算ユニットと、少なくとも2つのコイル、すなわち送信器コイルおよび受信器コイルとは、演算ユニットとコイルとの間での簡単な電気結合および/または信号技術的結合を実現するため、ならびにコンパクトな構成形態を得るため、同じプリント回路基板上に着座している。
【発明の概要】
【0005】
請求項1の構成を備えた本発明によるロータ位置センサ装置は、特に構成空間を節減して形成され、さらにコイル装置のための既存の構成空間を最大限に活用しているという利点を有し、これによってロータ位置センサ装置の有利な作動が保証される。このため、本発明によれば、コイルは、すなわち少なくとも1つの受信器コイルと少なくとも1つの送信器コイルとは、プリント回路基板の前面に配置され、演算ユニットはプリント回路基板の、前面とは逆の側の後面に配置されているという構成が設けられている。これによりプリント回路基板はコイルと演算ユニットとの間にあり、この場合演算ユニットとコイルとの電気結合または信号技術的結合は、たとえば圧接等によってコスト上好ましい種類および態様で実現されており、または、実現可能である。演算ユニットがプリント回路基板の後面にあることによって、前面は完全にコイルによって利用でき、その結果前もって使用している構成空間が最大限に活用される。
【0006】
特に有利には、コイルと演算ユニットとの間に、演算ユニットを電磁波から遮蔽するための少なくとも1つの遮蔽層が配置されている。これにより、演算ユニットがコイルに空間的に近いにもかかわらず、電磁波が演算ユニットの作動を阻害または妨害しうることが阻止される。
【0007】
特に有利には、遮蔽層は、最大限の遮蔽を保証するため、プリント回路基板の前面全体にわたって、または、後面全体にわたって延在している。
【0008】
さらに、有利には、プリント回路基板が円板状に形成されているという構成が設けられている。これにより、プリント回路基板およびロータ位置センサ装置の全体を、同様に円板状にまたは円環状に形成されているハウジングまたはハウジング部分を有しているのが通常である電気機械に付設できて有利である。特に、これにより、プリント回路基板は電気機械の端面に、すなわち電気機械の駆動軸またはロータ軸の回転軸線に対し垂直な面内に配置されている。
【0009】
特に有利には、プリント回路基板は円板リング状に形成され、その結果プリント回路基板は中央の開口部を有し、この開口部を通じてたとえばピボット軸受を中間接続した駆動軸またはピボット軸受を中間接続していない駆動軸も案内可能であり、または、案内されており、その結果プリント回路基板は、電気機械の、駆動軸によって駆動可能な消費装置に付設されている側にも配置可能である。好ましくは、プリント回路基板は、電気機械の、消費装置とは逆の側に配置されている。
【0010】
本発明の有利な更なる構成によれば、遮蔽層は複数のスリットを備えて形成され、特に複数の半径方向のスリットを備えて形成されている。遮蔽層は、スリットを備えて形成することにより、好ましくはそれぞれまっすぐに延び、特に有利には、半径方向にスリットを備えた形成を実現するために半径方向に向けられている複数のスリットを有する。複数のスリットにより、ロータ位置センサ装置の信号振幅はごくわずかしか減衰せず、特に遮蔽層内に現れる渦電流の10%未満しか減衰しないことが達成される。好ましくは、複数のスリットによって、遮蔽層の可能な限り多数のセグメントが形成または実現され、その結果減衰は最小限に抑えられる。
【0011】
本発明の有利な更なる構成によれば、プリント回路基板は他の遮蔽層を有し、この場合両遮蔽層はそれぞれ次のように複数のスリットを備えて形成され、且つ間接的にまたは直接的に互いに重なり合って配置され、すなわちどのスリットもオーバーラップしないように複数のスリットを備えて形成され、且つ間接的にまたは直接的に互いに重なり合って配置されている。これにより、プリント回路基板の軸方向の平面図で見て遮蔽層がない領域は存在しない。遮蔽層はプリント回路基板の同じ側にあってよく、たとえば前面または後面にあってよく、或いは、遮蔽層のうちの1つはプリント回路基板の前面にあり、他は後面にあってよい。特に有利には、それぞれの遮蔽層はプリント回路基板自体の内側層またはインナーレイヤーとして形成されている。したがって、プリント回路基板はたとえば4つ、6つまたはそれ以上の層を有していてよく、たとえば2つの外側層と4つの内側層とを有し、そのうち特に1つまたは2つが遮蔽層として形成されている。特に、2つの遮蔽層は半径方向にスリットを備えて形成され、そして両遮蔽層のどのスリットもオーバーラップしないように互いにねじれており、その結果プリント回路基板の平面図で、連続した遮蔽積層部が得られる。
【0012】
本発明の有利な実施態様によれば、すでに上述したように、それぞれ遮蔽層はプリント回路基板の内側層として形成されている。このため、特に多層プリント回路基板の製造プロセスで、内側層としてのそれぞれの遮蔽層はリソグラフィーで塗布され、プリント回路基板の内側層の銅被覆からエッチングされている。
【0013】
さらに、有利には、プリント回路基板は、四角形に形成される基礎プリント回路基板にカットアウトされたプリント回路基板として形成され、且つ1つのみの細条部または複数の、特に最大で4つの細条部によって四角形のプリント回路基板と一体に結合され、細条部を破壊することによってこれから取り出し可能であるという構成が設けられている。プリント回路基板は通常四角形であるので、プリント回路基板を円形または円環形に簡単にカットアウトすることによってプリント回路基板は大量生産でもコスト上好ましく実現可能である。四角形の基礎基板には、さらに、テスト目的のために、通常は四角形の対象物用に設計されている検査装置にロータ位置センサ装置をより簡単に挿入可能であるという利点がある。基礎プリント回路基板は、特に、複数のプリント回路基板のいくつかが取り外し可能に、特に取り出し可能に形成されていることが1つの利点である。
【0014】
請求項10の構成を備えた本発明による駆動装置は、ロータ位置センサ装置の本発明による構成の点で優れている。これによって、すでに挙げた利点が得られる。
【0015】
次に、本発明を図面を用いてより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】有利な駆動装置を簡略図で示している。
図2A】駆動装置の有利なロータ位置センサ装置を異なる方向から見た図である。
図2B】駆動装置の有利なロータ位置センサ装置を異なる方向から見た図である。
図3】ロータ位置センサ装置のオプションの更なる構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1は、ここには詳細に図示していない消費装置のための、たとえば自動車のブレーキシステムのための有利な駆動装置1を簡略図で示している。駆動装置1は電気機械2を有し、電気機械は駆動軸3を有し、駆動軸は、ここには図示していないハウジング内に回転可能に支持されていて、ロータ4を担持し、ロータにはハウジング固定のステータ19が付設されている。駆動軸3は消費装置を駆動するためにこれと連結され、または、連結可能である。
【0018】
電気機械2のロータ4には、誘導ごとにロータ4のロータ角度位置を検知するロータ位置センサ装置5が付設されている。このため、ロータ位置センサ装置5はプリント回路基板6を有し、プリント回路基板は、本実施形態によれば、円環ディスク状に形成されていて、駆動軸3に対し同軸にロータ4の端面に付設して配置されている。プリント回路基板6は、そのロータ4側の前面7に、少なくとも1つの送信器コイル8と少なくとも1つの受信器コイル9とを担持している。プリント回路基板6の、ロータ4とは逆の側の後面10には、演算ユニット11が配置され、演算ユニットは、本実施形態によれば、特定用途向け集積回路(ASIC)として形成されていて、両コイル8,9と電気結合されている。
【0019】
演算ユニット11は、ロータ4を通過する信号を電磁波を用いて送信するために送信器コイル7を起動するよう形成されている。電磁波はロータ4によって影響されて、受信器コイル9へ向けて反射または誘導され、その際に電磁波はロータ4の回転角度位置に依存して影響を受ける。演算ユニット11は、受信器コイル9によって検知されてロータ4によって影響を受けた信号を復調し、検知した信号に依存してロータ4のロータ角度位置姿勢を検知するために形成されている。一般的には誘導性ロータ位置センサとも呼ばれ、特に高周波センサとも呼ばれる誘導性ロータ位置センサ装置を用いてロータ角度位置を特定するための方法は基本的に公知であり、その結果この方法の具体的な機能および実施に関してこの個所で立ち入ることはしない。
【0020】
演算ユニット11がプリント回路基板6の後面10に配置され、そしてコイル8,9が前面7に配置されていることにより、前面7のロータ4側の表面を全体的にコイル8,9によって埋めることができることが達成され、これによってコイルサイズが最大になる。通常、コイルサイズは、プリント回路基板が電気機械2のハウジング内で制限的な空間しか使用できないことにより、および、プリント回路基板上にはコイル8,9以外にさらに演算ユニット11またはこの種の複数の演算ユニット11をも配置せねばならないことにより、制限されている。しかしながら、いまや有利な配置により、前面7のロータ4側の表面上の構成空間はコイル8,9によって最大限に利用され、これによってロータ角度位置の有利な検出結果が得られる。
【0021】
有利な態様では、一方では演算ユニット11と他方ではコイル8,9との間に、1つまたは複数の遮蔽層12,13がある。本実施形態によれば、遮蔽層12,13はプリント回路基板6の層として形成されている。特に、遮蔽層12,13は内側層として製造されており、プリント回路基板6の前面7の送受信器コイル8,9のような高周波領域を後面10の電気部品から切り離している。特に、遮蔽層12,13は内側層としてリソグラフィーで塗布され、銅被覆からエッチングされている。
【0022】
このため、図2はロータ位置センサ装置5を図2Aで後面10の平面図で、図2Bで前面7の平面図で示している。
【0023】
図2Aおよび図2Bで認められるように、複数の遮蔽層13または12はそれぞれ半径方向にスリットを備えて形成され、その結果半径方向に延びるそれぞれ1つのスリット14によって互いに切り離されている、それぞれの遮蔽層12,13の半径方向のリングディスクセグメントが得られる。スリット14は、好ましくは半径方向に延びてそれぞれの遮蔽層12,13を完全に貫通しているのではなく、有利には実質的に半径方向に延びており、すなわち半径方向の幅のほぼ全体にわたって延びている。その際、本実施形態によれば、遮蔽層12,13は同一のスリットを備えており、その結果これら遮蔽層は同数のスリット14および円環セグメントを有している。さらに、遮蔽層12,13は次のように互いにねじれてプリント回路基板6に配置され、すなわち平面図で遮蔽層12,13のスリット14がどの個所においてもオーバーラップまたは交差していないように互いにねじれてプリント回路基板6に配置され、その結果演算ユニット11とコイル8,9との間にある、全体的に連続した遮蔽部が得られる。
【0024】
これにより、コイル信号のオフセットおよびシンメトリーを最小限に抑えることが保証される。好ましくは、遮蔽層12と13はそれぞれプリント回路基板6全体にわたって延在し、その結果プリント回路基板6上にある導電路は遮蔽層12,13を越えて突出しない。
【0025】
遮蔽層12,13をスリットを備えるように形成することにより、信号振幅はごくわずかしか減衰しないこと、特にそれぞれの遮蔽層12,13内に現れる渦電流の10%未満しか減衰しないことが達成される。オプションでは、ロータ位置センサ装置5は、他の実施形態によれば、複数の遮蔽層のうちの1つ12または13のみを有し、しかしながらこの場合、好ましくはスリットは形成されておらず、連続的である。
【0026】
図3はロータ位置センサ装置5の他の有利な実施形態を示し、この実施形態が前記の実施形態と異なっているのは、円環状のプリント回路基板6が四角形の基礎プリント回路基板15内に組み込まれている点である。プリント回路基板6は、円環セグメント状のカットアウト部16によって次のように基礎プリント回路基板15から切り離され、すなわち4つの結合細条部17が残り、これら結合細条部が基礎プリント回路基板15と一体に結合され且つプリント回路基板6とも一体に結合されているように、基礎プリント回路基板15から切り離されている。その際結合細条部17は、プリント回路基板6を基礎プリント回路基板15から簡単に取り出すことができるような狭さに選定されている。これによって、ロータセンサ位置装置5の簡単な製造が可能にされている。さらに、基礎プリント回路基板15の四角形の形成は、従来の試験台へのロータ位置センサ装置5の簡単な装着を可能にし、この場合試験台への装着は、たとえば、アラインメントおよびたとえば固定ねじの受容のために利用可能な、図3に示した3つの開口部18を介して行うことができる。
【符号の説明】
【0027】
1 駆動装置
2 電気機械
3 駆動軸
4 ロータ
5 ロータ位置センサ装置
6 プリント回路基板
7 プリント回路基板の前面
8 送信器コイル
9 受信器コイル
10 プリント回路基板の後面
11 演算ユニット
12,13 遮蔽層
14 スリット
15 基礎プリント回路基板
図1
図2A
図2B
図3