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特許7457839標準決済指図の自動選択のためのシステムおよび方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-19
(45)【発行日】2024-03-28
(54)【発明の名称】標準決済指図の自動選択のためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 40/04 20120101AFI20240321BHJP
【FI】
G06Q40/04
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2022566123
(86)(22)【出願日】2020-04-28
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-13
(86)【国際出願番号】 US2020030295
(87)【国際公開番号】W WO2021221619
(87)【国際公開日】2021-11-04
【審査請求日】2023-04-12
(73)【特許権者】
【識別番号】519022104
【氏名又は名称】ジェイピーモルガン・チェース・バンク,ナショナル・アソシエーション
【氏名又は名称原語表記】JPMorgan Chase Bank,N.A.
【住所又は居所原語表記】383 Madison Avenue,New York,NY 10179,United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100162846
【弁理士】
【氏名又は名称】大牧 綾子
(72)【発明者】
【氏名】ホレブランゼ,フローレンツ・アレウィーン・ピーター
(72)【発明者】
【氏名】サンパス,コウシック・クマール
【審査官】▲高▼瀬 健太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-198243(JP,A)
【文献】特開2019-121120(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
標準決済指図の自動選択のための方法であって、
少なくとも1つのコンピュータプロセッサを備える情報処理装置において、
取引プラットフォームから、複数の顧客の過去の取引データを受信するステップと、
前記複数の顧客の前記過去の取引データを使用して汎用SSIサブモデルをトレーニングするステップであって、汎用SSI予測をもたらす、ステップと、
前記顧客の1人の前記過去の取引データを使用して顧客固有のSSIサブモデルをトレーニングするステップであって、顧客固有のSSI予測をもたらす、ステップと、
前記汎用SSI予測と前記顧客固有のSSI予測とを組み合わせて、最終的な分類モデルをもたらすステップと、
前記顧客のために実行される取引を受け取るステップと、
前記最終的な分類モデルを前記取引に適用するステップであって、最終的なSSI選択をもたらす、ステップと、
前記最終的なSSI選択を使用して前記取引を実行するステップとを含む、方法。
【請求項2】
前記汎用SSI予測は、汎用清算メカニズム予測および汎用口座予測を備える、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記汎用口座予測は、前記顧客が利用できる口座に基づく、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記顧客固有のSSI予測は、顧客固有のSSI清算メカニズム予測および顧客固有のSSI口座予測を備える、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記最終的なSSI選択は、最終的なSSI口座を備える、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記複数の顧客の前記過去の取引データを使用して汎用SSIサブモデルをトレーニングする前記ステップは、
前記複数の顧客の前記過去の取引データから取引属性を抽出するステップと、
前記抽出された前記複数の顧客の取引属性を数値データに変換するステップと、
ロジスティック回帰、決定木、ランダムフォレスト、およびニューラルネットワークからなるグループから選択された第1の分類モデルを使用して、前記変換された取引属性を分類するステップとを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記取引属性は、取引識別子、取引日、顧客の居住国、および取引製品タイプのうちの少なくとも1つを含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記顧客のSSI参照データを受信するステップをさらに含む、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記顧客の前記過去の取引データを使用して顧客固有のSSIサブモデルをトレーニングする前記ステップは、
前記顧客の前記過去の取引データから取引属性を抽出するステップと、
前記抽出された前記顧客の取引属性を数値データに変換するステップと、
ロジスティック回帰、決定木、ランダムフォレスト、およびニューラルネットワークからなるグループから選択された第2の分類モデルを使用して、前記変換された前記顧客の取引属性を分類するステップとを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記最終的な分類モデルは、前記汎用SSI予測および前記顧客固有のSSI予測の出力の確率重み付けに基づく、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
標準決済指図の自動選択のためのシステムであって、
取引プラットフォームと、
少なくとも1つのコンピュータプロセッサを備え、コンピュータプログラムを実行するコンピューティングデバイスとを備え、
前記コンピュータプログラムは、
前記取引プラットフォームから、複数の顧客の過去の取引データを受信し、
前記複数の顧客の前記過去の取引データを使用して汎用SSIサブモデルをトレーニングし、汎用SSI予測をもたらし、
前記顧客の1人の前記過去の取引データを使用して顧客固有のSSIサブモデルをトレーニングし、顧客固有のSSI予測をもたらし、
前記汎用SSI予測と前記顧客固有のSSI予測とを組み合わせて、最終的な分類モデルをもたらし、
前記取引プラットフォームから前記顧客のために実行される取引を受け取り、
前記最終的な分類モデルを前記取引に適用し、最終的なSSI選択をもたらし、
前記取引プラットフォームで前記最終的なSSI選択を使用して前記取引を実行する、システム。
【請求項12】
前記汎用SSI予測は、汎用清算メカニズム予測および汎用口座予測を含む、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記汎用口座予測は、前記顧客が利用できる口座に基づく、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記顧客固有のSSI予測は、顧客固有のSSI清算メカニズム予測および顧客固有のSSI口座予測を含む、請求項11に記載のシステム。
【請求項15】
前記最終的なSSI選択は、最終的なSSI口座を含む、請求項11に記載のシステム。
【請求項16】
前記汎用SSIサブモデルをトレーニングする際に、前記コンピュータプログラムはさらに、
前記複数の顧客の前記過去の取引データから取引属性を抽出し、
前記抽出された前記複数の顧客の取引属性を数値データに変換し、
ロジスティック回帰、決定木、ランダムフォレスト、およびニューラルネットワークからなるグループから選択された第1の分類モデルを使用して、前記変換された取引属性を分類する、請求項11に記載のシステム。
【請求項17】
前記取引属性は、取引識別子、取引日、顧客の居住国、および取引製品タイプのうちの少なくとも1つを含む、請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
前記コンピュータプログラムはさらに、前記顧客のSSI参照データを受信する、請求項16に記載のシステム。
【請求項19】
前記顧客固有のSSIサブモデルをトレーニングする際に、前記コンピュータプログラムはさらに、
前記顧客の前記過去の取引データから取引属性を抽出し、
前記抽出された前記顧客の取引属性を数値データに変換し、
ロジスティック回帰、決定木、ランダムフォレスト、およびニューラルネットワークからなるグループから選択された第2の分類モデルを使用して、前記変換された前記顧客の取引属性を分類する、請求項11に記載のシステム。
【請求項20】
前記最終的な分類モデルは、前記汎用SSI予測および前記顧客固有のSSI予測の出力の確率重み付けに基づく、請求項11に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]実施形態は、標準決済指図の自動選択のためのシステムおよび方法を対象とする。
【背景技術】
【0002】
[0002]標準決済指図(SSI:standing settlement instruction)は、現金証券の支払いおよび引渡しに関する顧客の指示である。顧客が証券取引を実行する場合、商品および市場に応じて、関連するSSIを選択する必要がある。顧客は多くのSSIを有している場合があり、各SSIはデフォルトでそのようなSSIを使用する必要がある条件を示すデータ属性に関連付けられている。このSSI参照データを維持することは、エラーを生じやすく、顧客の決済設定(settlement preference)を正確に反映しない可能性がある。これにより、誤ったSSIが記録されたときにサポートスタッフが取引を修正する必要があることがしばしばである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
[0003]標準決済指図の自動選択のためのシステムおよび方法が開示される。1つの実施形態によれば、少なくとも1つのコンピュータプロセッサを備える情報処理装置において、標準決済指図の自動選択のための方法は、(1)取引プラットフォームから、複数の顧客の過去の取引データを受信するステップと、(2)複数の顧客の過去の取引データを使用して汎用SSIサブモデルをトレーニングするステップであって、汎用SSI予測をもたらす、ステップと、(3)顧客の1人の過去の取引データを使用して顧客固有のSSIサブモデルをトレーニングするステップであって、顧客固有のSSI予測をもたらす、ステップと、(4)汎用SSI予測と顧客固有のSSI予測とを組み合わせて、最終的な分類モデルをもたらすステップと、(5)顧客のために実行される取引を受け取るステップと、(6)最終的な分類モデルを取引に適用するステップであって、最終的なSSI選択をもたらす、ステップと、(7)最終的なSSI選択を使用して取引を実行するステップとを含むことができる。
【0004】
[0004]1つの実施形態では、汎用SSI予測は、汎用清算メカニズム予測(generic clearing mechanism prediction)および汎用口座予測(generic account prediction)を含むことができる。
【0005】
[0005]1つの実施形態では、汎用口座予測は、顧客が利用できる口座に基づく。
[0006]1つの実施形態では、顧客固有のSSI予測は、顧客固有のSSI清算メカニズム予測および顧客固有のSSI口座予測を含むことができる。
【0006】
[0007]1つの実施形態では、最終的なSSI選択は、最終的なSSI口座を含むことができる。
[0008]1つの実施形態では、複数の顧客の過去の取引データを使用して汎用SSIサブモデルをトレーニングするステップは、複数の顧客の過去の取引データから取引属性を抽出するステップと、抽出された複数の顧客の取引属性を数値データに変換するステップと、ロジスティック回帰、決定木、ランダムフォレスト、およびニューラルネットワークからなるグループから選択された第1の分類モデルを使用して、変換された取引属性を分類するステップとを含むことができる。
【0007】
[0009]1つの実施形態では、取引属性は、取引識別子、取引日、顧客の居住国、および取引製品タイプのうちの少なくとも1つを含むことができる。
[0010]1つの実施形態では、この方法はさらに、顧客のSSI参照データを受信するステップを含むことができる。
【0008】
[0011]1つの実施形態では、顧客の過去の取引データを使用して顧客固有のSSIサブモデルをトレーニングするステップは、顧客の過去の取引データから取引属性を抽出するステップと、抽出された顧客の取引属性を数値データに変換するステップと、ロジスティック回帰、決定木、ランダムフォレスト、およびニューラルネットワークからなるグループから選択された第2の分類モデルを使用して、変換された顧客の取引属性を分類するステップとを含むことができる。
【0009】
[0012]1つの実施形態では、最終的な分類モデルは、汎用SSI予測および顧客固有のSSI予測の出力の確率重み付けに基づくことができる。
[0013]別の実施形態によれば、標準決済指図の自動選択のためのシステムは、取引プラットフォームと、少なくとも1つのコンピュータプロセッサを備え、コンピュータプログラムを実行するコンピューティングデバイスとを含むことができる。コンピュータプログラムは、取引プラットフォームから、複数の顧客の過去の取引データを受信し、複数の顧客の過去の取引データを使用して汎用SSIサブモデルをトレーニングし、汎用SSI予測をもたらし、顧客の1人の過去の取引データを使用して顧客固有のSSIサブモデルをトレーニングし、顧客固有のSSI予測をもたらし、汎用SSI予測と顧客固有のSSI予測とを組み合わせて、最終的な分類モデルをもたらし、取引プラットフォームから顧客のために実行される取引を受け取り、最終的な分類モデルを取引に適用し、最終的なSSI選択をもたらし、取引プラットフォームで最終的なSSI選択を使用して取引を実行することができる。
【0010】
[0014]1つの実施形態では、汎用SSI予測は、汎用清算メカニズム予測および汎用口座予測を含むことができる。
[0015]1つの実施形態では、汎用口座予測は、顧客が利用できる口座に基づくことができる。
【0011】
[0016]1つの実施形態では、顧客固有のSSI予測は、顧客固有のSSI清算メカニズム予測および顧客固有のSSI口座予測を含むことができる。
[0017]1つの実施形態では、最終的なSSI選択は、最終的なSSI口座を含むことができる。
【0012】
[0018]1つの実施形態では、汎用SSIサブモデルをトレーニングする際に、コンピュータプログラムはさらに、複数の顧客の過去の取引データから取引属性を抽出し、抽出された複数の顧客の取引属性を数値データに変換し、ロジスティック回帰、決定木、ランダムフォレスト、およびニューラルネットワークからなるグループから選択された第1の分類モデルを使用して、変換された取引属性を分類することができる。
【0013】
[0019]1つの実施形態では、取引属性は、取引識別子、取引日、顧客の居住国、および取引製品タイプのうちの少なくとも1つを含むことができる。
[0020]1つの実施形態では、コンピュータプログラムはさらに、顧客のSSI参照データを受信することができる。
【0014】
[0021]1つの実施形態では、顧客固有のSSIサブモデルをトレーニングする際に、コンピュータプログラムはさらに、顧客の過去の取引データから取引属性を抽出し、抽出された顧客の取引属性を数値データに変換し、ロジスティック回帰、決定木、ランダムフォレスト、およびニューラルネットワークからなるグループから選択された第2の分類モデルを使用して、変換された顧客の取引属性を分類することができる。
【0015】
[0022]1つの実施形態では、最終的な分類モデルは、汎用SSI予測および顧客固有のSSI予測の出力の確率重み付けに基づくことができる。
【課題を解決するための手段】
【0016】
[0023]本発明のより十分な理解を容易にするために、ここで添付の図面を参照する。図面は、本発明を限定するものとして解釈されるべきではなく、異なる態様および実施形態を例示することのみ意図される。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】[0024]図1は、1つの実施形態による標準決済指図の自動選択のためのシステムのアーキテクチャ図である。
図2】[0025]図2は、1つの実施形態による標準決済指図の自動選択のための方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
[0026]標準決済指図の自動選択のためのシステムおよび方法が開示される。
[0027]SSI選択の精度を改善し、取引を修正する際のマニュアル作業を低減するために、実施形態は、機械学習ベースのシステムを対象とし、標準決済指図の自動選択のための方法が開示される。実施形態では、アンサンブル機械学習モデルは、次の2つのサブモデル、すなわち、顧客固有のモデルと汎用モデルとを含むことができる。実施形態では、汎用モデルは、たとえば、すべての顧客のかつての取引記録に基づいて、最も可能性の高いSSIを予測することができる。これは、保管機関/清算メカニズムなど、すべてのSSIから汎用属性を抽出することによって達成され得る。
【0019】
[0028]汎用モデルは、新しい顧客、または過去に少なくともいくつかのSSIを使用したことのない顧客の予測を可能にすることができる。
[0029]顧客固有のモデルは、特定の顧客のかつての取引に基づいて、最も可能性の高いSSIを予測することができる。
【0020】
[0030]最も可能性の高いSSIの予測は、両方のサブモデルからの出力を組み合わせることによって取得され得る。これには、たとえば、各モデルの出力確率の重み付け、または他の任意の適切な方法を含むことができる。
【0021】
[0031]各モデルは、過去の債券取引データなどの過去のデータに対してトレーニングされ得る。たとえば、モデルは、12か月以上などの過去の取引データの単一の見解に対してトレーニングされ得る。トレーニングタスクは、取引プラットフォーム(たとえば、リスクおよび取引管理プラットフォームまたは決済システムなど)からすべての取引記録を収集することができ、ここで、各記録は、2人の当事者または口座間の単一のトランザクションを表することができる。
【0022】
[0032]各トランザクションは、たとえば、(1)取引識別子、(2)取引実行日、(3)顧客口座識別子、(4)顧客の居住国、(5)商品タイプ(たとえば、債券先渡し(bond forward)、オプション、先物など)、(6)債券通貨、(7)決済通貨、(8)債券識別子(たとえば、ISIN)、(9)債券発行者のデータ(たとえば、国、業種など)、(10)清算メカニズムまたは保管機関(custodian)(たとえば、Euroclear、Cedel DTCなどの証券保管機関(security depository))、および(11)SSI識別子を含むトランザクション属性を有することができる。清算メカニズムおよびSSI識別子は、過去の取引データから知られているSSI情報を表し、入力特徴(たとえば、項目1~9)と組み合わせて、教師あり学習アルゴリズムの一部として使用され得る。必要および/または所望に応じて予測精度を向上させるために、必要に応じて、追加の取引機能をモデルに組み込んでもよい。
【0023】
[0033]図1を参照して示すように、標準決済指図の自動選択のためのシステムのアーキテクチャ図が、1つの実施形態にしたがって開示される。システム100は、標準決済指図コンピュータプログラム115の自動選択を実行することができるサーバまたは任意の他の適切なコンピューティングまたは電子デバイス110を含むことができる。コンピュータプログラム115は、プログラム、アプリケーションなどであってもよい。
【0024】
[0034]コンピュータプログラム115は、金融商品の取引プラットフォームであってもよい取引プラットフォーム130から取引記録を受信することができる。取引プラットフォームは、たとえば、リスクおよび取引管理プラットフォームまたは決済システムであり得、各記録は、2つの当事者間の単一のトランザクションを表することができる。
【0025】
[0035]1つの実施形態では、複数の取引プラットフォーム130,130,・・・130が提供され得る。
[0036]各トランザクションは、たとえば(1)取引識別子、(2)取引日、(3)顧客口座識別子、(4)顧客の居住国、(5)商品タイプ(たとえば、先渡債券、オプション、先物など)、(6)債券通貨、(7)決済通貨、(8)債券識別子(たとえば、ISIN)、(9)債券発行者のデータ(たとえば、国、業種など)、(10)清算メカニズムまたは保管機関(たとえば、Euroclear、Cedel DTCなどの証券保管機関)、および(11)SSI識別子を含むトランザクション属性を有することができる。清算メカニズムおよびSSI識別子は、過去の取引データから知られているSSI情報を表し、入力特徴(たとえば、項目1~9)と組み合わせて教師あり学習アルゴリズムの一部として使用される。必要および/または所望に応じて予測精度を向上させるために、必要に応じて、追加の取引機能をモデルに組み込んでもよい。
【0026】
[0037]取引プラットフォーム130は、顧客参照データ135にアクセスすることができ、これは、各顧客のSSIのリストとともに顧客取引口座データを含むことができる。これらSSIのそれぞれは、保管機関/清算メカニズム、口座番号、および実行された取引の決済に関連する他の属性などのデータ属性を含むことができる。
【0027】
[0038]システム100はさらに、複数の清算メカニズム140,140,・・・140を含むことができる。
[0039]図2を参照して示すように、標準決済指図の自動選択のための方法が、1つの実施形態にしたがって開示される。一般に、過去の取引データが受信されると、汎用サブモデルがトレーニングされ得、次に、顧客固有のサブモデルがトレーニングされ得る。汎用サブモデルと顧客固有のサブモデルとに基づいて、最終的な分類モデルが作成され得る。その後、顧客から実際の取引を受け取ると、最終的な分類モデルを適用してSSIを識別することができ、識別されたSSIを使用して取引が実行され得る。
【0028】
[0040]ステップ205では、過去の取引データが、取引システムから受信され得る。1つの実施形態では、取引履歴データは、複数のユーザのものであってもよい。
[0041]ステップ210では、汎用サブモデルがトレーニングされ得る。1つの実施形態では、トレーニングプロセスは、受信した過去の取引データからの取引属性の抽出(ステップ212)と、数値データへの取引属性の変換(ステップ214)と、SSI属性分類(ステップ216)と、SSI参照データの受信(ステップ218)と、SSIルックアップおよび確率推定(ステップ220)とを含むことができる。これらのステップは、以下でさらに詳細に説明される。
【0029】
[0042]ステップ212では、複数の顧客の過去の取引データから取引属性が抽出され得る。取引識別子、取引日、顧客の居住国、商品タイプ(たとえば、債券先渡し、オプション、先物など)、債券通貨、決済通貨、債券識別子(たとえば、ISINなど)、および債券発行者データ(たとえば、国、業種など)のような取引属性が考慮され得る。汎用サブモデルでは、顧客口座識別子は考慮されないことに留意されたい。これにより、居住国などの特定の顧客特徴を保持しながら、個々の顧客にとらわれない過去の取引情報の見解が得られる。
【0030】
[0043]ステップ214では、複数の顧客の過去の取引データからの取引属性が変換され得る。たとえば、抽出された取引属性は、統計モデルへの組み込みに適した数値データに変換され得る。これは、数値としてのラベル付きデータのエンコード、カテゴリデータのワンホットエンコード(one-hot-encode)、データのスケーリングなどを含むことができる。さらに、トレーニングと予測との両方の条件下でモデルを使用できるようにするために、欠損値にデータ代入を適用し、モデルトレーニング中ではなく、予測中に発生した値を置き換えてもよい。
【0031】
[0044]ステップ216では、SSI属性分類モデルが、変換された取引属性に適用され得る。SSI分類モデルは、たとえば、すべての顧客の傾向に基づいて、最も可能性の高い証券保管機関(たとえば、取引決済の清算メカニズムまたは保管機関)など、1つの特定のSSI属性の値を予測する1つまたは複数の分類モデルを含むことができる。たとえば、ドイツ国債を取引する顧客は、証券保管機関#1で取引を決済する可能性が最も高くなる場合がある。他のモデルは、金融機関固有のSSIおよび口座属性の分類子を含むことができる。各モデルは、各予測の確率とともに、最も可能性の高い予測のランク付けされたリストを返することができることに留意されたい。
【0032】
[0045]予測の例示的な例が、以下の表1に提供される。
【0033】
【表1】
【0034】
[0046]ステップ218では、個々の顧客のSSI参照データが、取引プラットフォーム内で受信または保持され得る。1つの実施形態では、これは顧客参照データベースから受信され得る。取引プラットフォームは、顧客口座にリンクされたすべてのSSI情報へのアクセスを有することができ、単一の顧客口座が、複数のSSIに関連付けられ得る。
【0035】
[0047]ステップ220では、属性予測に対してSSIルックアップおよび確率推定を実行して、汎用サブモデルの最終出力を提供することができる。1つの実施形態では、(たとえば、ステップ216からの)属性予測は、顧客の利用可能なSSIと照合され得る。たとえば、ステップ216における分類モデルが、証券保管機関#1である可能性が最も高い清算メカニズムを予測した場合、証券保管機関#1の清算メカニズムを有する任意の利用可能なSSIが選択される。
【0036】
[0048]1つの実施形態では、推定は、0%を超える確率ですべての清算メカニズムに適用され得る。たとえば、清算メカニズム証券保管機関#1を持つ複数のSSIのように、顧客は、同じ属性を持つ多数のSSIを有することができることに留意されたい。
【0037】
[0049]表2は、顧客のSSI参照データに対して取引属性の予測をどのように適用できるかの例を示す。
【0038】
【表2】
【0039】
[0050]この例では、証券保管機関#1と証券保管機関#1の両方が、等しい選択の可能性を有していると想定される。この段階で他のモデルを適用して、最も頻繁に使用されるものや他のスキームなどの他の属性に基づいて、これらの(および他のすべての)SSIの確率を推定してもよい。
【0040】
[0051]ステップ216における分類モデルは、ロジスティック回帰、決定木、ランダムフォレスト、ニューラルネットワークなどを含む、任意の適切な数学的アルゴリズムを使用して実施され得る。モデルトレーニング段階中、最適なパフォーマンスのアルゴリズムが採用され得る。これらのアルゴリズムのそれぞれは、モデルトレーニングの前に手動で選択され得るか、または教師あり学習アルゴリズムの一部として最適化され得る、1つまたは複数のハイパパラメータに関連付けられ得る。
【0041】
[0052]ステップ230において、顧客固有のSSIサブモデルがトレーニングされ得る。顧客固有のSSIモデルのトレーニングは、顧客について受信された過去の取引データからの取引属性の抽出(ステップ232)と、取引属性の数値データへの変換(ステップ234)と、SSI属性分類(ステップ236)とを含むことができる。これらのステップは、以下でさらに詳細に説明される。
【0042】
[0053]ステップ232では、特徴が選択され得る。取引識別子、取引日、顧客口座識別子、顧客の居住国、商品タイプ(たとえば、債券先渡し、オプション、先物など)、債券通貨、決済通貨、債券識別子(たとえば、ISIN)、および債券発行者のデータ(たとえば、国、業種など)のような取引属性が考慮され得る。汎用サブモデルでは、顧客口座識別子は考慮されることに留意されたい。
【0043】
[0054]ステップ234では、特徴が変換され得る。これは、上記のステップ214と同様であってもよい。
[0055]ステップ236では、SSI分類モデルを適用して、顧客固有のサブモデルから最終的な出力を提供することができる。このモデルは、顧客のSSIの属性を予測する代わりに、個々のSSIを直接予測する。この結果は、ランク付けされ、確率が割り当てられ得る。
【0044】
[0056]上記の例を使用すると、表3の特定の顧客に対する予測は次のようになり得る。
【0045】
【表3】
【0046】
[0057]このモデルは、以前の取引に使用されたSSIを予測することしかできない場合があることに留意されたい。
[0058]このモデルは、個々の顧客口座に対する取引の記録に対してトレーニングされるので、非パラメトリックな機械学習モデルが使用され得る。これは、関連するすべての取引特徴に対する類似性によって、取引をランク付けするk最近傍モデル(k-nearest neighbor model)を含むことができる。顧客のSSI設定が経時的に変化する場合は、時間減衰的な重み付けが適用され得る。
【0047】
[0059]汎用および顧客固有のサブモデルのトレーニングは、任意の順序で行うこともできるし、並行して行うこともできることに留意されたい。
[0060]ステップ240では、汎用サブモデルおよび顧客固有サブモデルの出力を組み合わせて、最終的な分類モデルが作成され得る。1つの実施形態では、2つのサブモデルのそれぞれからの確率ランキングに基づいて、アンサンブルモデル集約が適用され得る。単純な重み付けが適用され得、これにより、モデルのトレーニング段階中、重み付け係数が決定され、較正される。重みがサブモデルの出力に依存する場合など、他のスキームが適用され得る。あるいは、まったく異なるアルゴリズムを使用して、両モデルからの出力を組み合わせてもよい。
【0048】
[0061]たとえば、最近傍スキームを使用して顧客固有のモデルが実施される場合、最近傍/最も類似する取引までの実際の「距離」を使用して、重み付けを調整してもよい。
[0062]上記の例を続けると、最終的な分類の例が表4に例示される。
【0049】
【表4】
【0050】
[0063]この例は、各モデルが等しい重みを有すると仮定する。実施形態では、最も正確な全体モデルを得る重み係数は、一般化されたモデルよりも、顧客固有のモデルを重み付けすると予想される。各モデルからの確率、および集計された確率は、合計が100%になるようにスケーリングされ得ることに留意されたい。
【0051】
[0064]ステップ245では、決済される取引が受け取られ得る。この取引は、任意の適切なシステムから受け取られ得る。
[0065]ステップ250では、最終的な分類モデルが適用され得る。たとえば、集計された確率が最も高いSSIが選択され得る。
【0052】
[0066]上記の例では、これは証券保管機関#1口座ID 2である。運用および診断の目的で、確率がゼロより大きいすべてのSSIの完全なランク付けされたリストが、取引およびリスク管理プラットフォームを使用して、アプリケーション内で利用できるようになる。
【0053】
[0067]ステップ255では、取引は、モデルによって選択されたSSIを使用して実行および決済され得る。たとえば、コンピュータプログラムまたはアプリケーションは、以前にトレーニングされたモデルに、SSIを予測して適用するように指示する信号を生成することができる。(モデルトレーニングフェーズで使用される)関連する取引属性は、モデルへの入力として適用され、その後、モデルが実行されて、最も可能性の高いSSIの予測が得られる。
【0054】
[0068]ステップ255で得られた予測SSIが適用され、他の取引属性とともに格納され得る。ユーザは、自動化されたSSI選択を確認し、取引プラットフォーム内で必要な場合はこれを修正することができる。
【0055】
[0069]実施形態では、モデルは、図2の方法または任意の他の適切な方法を使用して、最近記録された取引データを使用して再トレーニングされ得る。定期的に再トレーニングが実施され得るか、または取引データが記録される。
【0056】
[0070]いくつかの実施形態が開示されたが、これらの実施形態は相互に排他的ではなく、ある実施形態の特徴が、他の実施形態とともに使用され得ることが認識されるべきである。
【0057】
[0071]以下、本発明のシステムおよび方法の実施態様の汎用態様が説明される。
[0072]本発明のシステムまたは本発明のシステムの一部は、たとえば、汎用コンピュータなどの「処理機械」の形態のものとしてもよい。本明細書で使用される「処理機械」という用語は、少なくとも1つのメモリを使用する少なくとも1つのプロセッサを含むと理解されるべきである。少なくとも1つのメモリは、命令のセットを格納する。命令は、処理機械の1つまたは複数のメモリに永久的にまたは一時的に格納してもよい。プロセッサは、データを処理するために1つまたは複数のメモリに格納されている命令を実行する。命令のセットは、上述のタスクなどの特定の1つまたは複数のタスクを実行する様々な命令を含むことができる。特定のタスクを実行するためのそのような命令のセットは、プログラム、ソフトウェアプログラム、または単にソフトウェアとして特徴付ける場合がある。
【0058】
[0073]1つの実施形態では、処理機械は、専用プロセッサとしてもよい。
[0074]上記のように、処理機械は、データを処理するために1つまたは複数のメモリに格納されている命令を実行する。データのこの処理は、たとえば、処理機械の1人または複数のユーザによるコマンドに応じる、前の処理に応じる、別の処理機械による要求および/または他の入力に応じてもよい。
【0059】
[0075]上記のように、本発明を実施するために使用される処理機械は、汎用コンピュータとしてもよい。しかしながら、上述の処理機械は、多種多様な他の技術のうちの任意の技術を利用してもよく、多種多様な他の技術は、専用コンピュータや、たとえば、マイクロコンピュータ、ミニコンピュータ、またはメインフレームを含むコンピュータシステムや、プログラム式マイクロプロセッサや、マイクロコントローラや、周辺集積回路要素や、CSIC(特定顧客向け集積回路)またはASIC(特定用途向け集積回路)もしくは他の集積回路や、ロジック回路や、デジタル信号プロセッサや、FPGA、PLD、PLA、またはPALなどのプログラマブルロジックデバイスや、または本発明のプロセスのステップを実施することができる他のデバイスもしくはデバイスの構成を含む。
【0060】
[0076]本発明を実施するために使用される処理機械は、適切なオペレーティングシステムを利用してもよい。したがって、本発明の実施形態は、iOSオペレーティングシステム、OS Xオペレーティングシステム、Androidオペレーティングシステム、Microsoft Windows(商標)オペレーティングシステム、Unixオペレーティングシステム、Linux(登録商標)オペレーティングシステム、Xenixオペレーティングシステム、IBM AIX(商標)オペレーティングシステム、Hewlett-Packard UX(商標)オペレーティングシステム、Novell Netware(商標)オペレーティングシステム、Sun Microsystems Solaris(商標)オペレーティングシステム、OS/2(商標)オペレーティングシステム、BeOSオペレーティングシステム、Macintoshオペレーティングシステム、Apacheオペレーティングシステム、OpenStep(商標)オペレーティングシステム、または別のオペレーティングシステムもしくはプラットフォームを実行する処理機械を含むことができる。
【0061】
[0077]上述のような本発明の方法を実施するために、処理機械のプロセッサおよび/またはメモリは同じ地理的場所に物理的に配置されることは必要ではないことが理解される。すなわち、処理機械によって使用されるプロセッサおよびメモリの各々は、地理的に別個のロケーションに配置され、任意の適切な方式で通信するように接続されてもよい。加えて、プロセッサおよび/またはメモリのそれぞれは、異なる物理的な機器で構成されてもよいことが理解される。したがって、プロセッサが1つのロケーションにおける単一の機器であること、およびメモリが別のロケーションにおける別の単一の機器であることは必要ではない。すなわち、プロセッサが2つの異なる物理的ロケーションにおける2つの機器であってもよいことが企図される。2つの別個の機器は、適切な方式で接続してもよい。加えて、メモリは、2つ以上の物理的ロケーションにおけるメモリの2つ以上の部分を含むことができる。
【0062】
[0078]さらに説明すると、上述のような処理は、様々な構成要素および様々なメモリによって実行される。しかしながら、上述のように2つの別個の構成要素によって実行される処理は、本発明のさらなる実施形態によれば、単一の構成要素によって実行され得ることが理解される。さらに、上述のように1つの別個の構成要素によって実行される処理は、2つの別個の構成要素によって実行されてもよい。同様に、上述のように2つの別個のメモリ部分によって実行されるメモリ記憶は、本発明のさらなる実施形態によれば、単一のメモリ部分によって実行されてもよい。さらに、上述のように1つの別個のメモリ部分によって実行されるメモリ記憶は、2つのメモリ部分によって実行されてもよい。
【0063】
[0079]さらに、様々なプロセッサおよび/またはメモリの間の通信を提供するために、ならびに本発明のプロセッサおよび/またはメモリが任意の他のエンティティと通信することを可能にするために、すなわち、たとえば、さらなる命令を得るためにもしくは遠隔メモリストアにアクセスし使用するために、様々な技術が使用されてもよい。そのような通信を提供するために使用されるそのような技術は、たとえば、ネットワーク、インターネット、イントラネット、エクストラネット、LAN、イーサネット、セルタワーもしくは衛星を介した無線通信、または通信を提供する任意のクライアントサーバシステムを含むことができる。そのような通信技術は、たとえば、TCP/IP、UDP、またはOSIなどの任意の適切なプロトコルを使用することができる。
【0064】
[0080]上述のように、命令のセットが、本発明の処理で使用されてもよい。命令のセットは、プログラムまたはソフトウェアの形態のものであってもよい。ソフトウェアは、たとえば、システムソフトウェアまたはアプリケーションソフトウェアの形態のものであってもよい。ソフトウェアはまた、たとえば、別個のプログラムの集合、より大きなプログラム内のプログラムモジュール、またはプログラムモジュールの一部分の形態のものであってもよい。使用されるソフトウェアはまた、オブジェクト指向プログラミングの形態のモジュール式プログラミングを含むことができる。ソフトウェアは、処理されるデータをどう取り扱うかを処理機械に伝える。
【0065】
[0081]さらに、本発明の実施態様および運用において使用される命令または命令のセットは、処理機械が命令を読み取ることができるような適切な形態のものでありうることが理解される。たとえば、プログラムを形成する命令は、1つまたは複数のプロセッサが命令を読み取ることを可能にするために機械語またはオブジェクトコードに変換される適切なプログラミング言語の形態のものとしてもよい。すなわち、特定のプログラミング言語におけるプログラミングコードまたはソースコードの書かれたラインは、コンパイラ、アセンブラ、またはインタプリタを使用して機械語に変換される。機械語は、たとえば、特定のタイプの処理機械、すなわち、特定のタイプのコンピュータに特有である2値符号化機械命令である。コンピュータは機械語を理解する。
【0066】
[0082]任意の適切なプログラミング言語が、本発明の様々な実施形態にしたがって使用されてもよい。例証として、使用されるプログラミング言語は、たとえば、アセンブリ言語、Ada、APL、Basic、C、C++、COBOL、dBase、Forth、Fortran、Java、Modula-2、Pascal、Prolog、REXX、Visual Basic、および/またはJavaScriptを含むことができる。さらに、単一のタイプの命令または単一のプログラミング言語が、本発明のシステムおよび方法の運用に関連して利用されることは必要ではない。むしろ、任意の数の異なるプログラミング言語が、必要および/または所望に応じて利用されてもよい。
【0067】
[0083]同様に、本発明の実施において使用される命令および/またはデータは、所望され得るように、任意の圧縮または暗号化技法またはアルゴリズムを利用することができる。暗号化モジュールが、データを暗号化するために使用されてもよい。さらに、ファイルまたは他のデータが、たとえば、適切な解読モジュールを使用して解読されてもよい。
【0068】
[0084]上述のように、本発明は、例証として、たとえば、少なくとも1つのメモリを含むコンピュータまたはコンピュータシステムを含む処理機械の形態で具現化してもよい。コンピュータオペレーティングシステムが上述の運用を実行することを可能にする命令のセット、すなわち、たとえば、ソフトウェアが、所望に応じて、多種多様な1つまたは複数の媒体のうちの任意の媒体に含まれてもよいことを理解されたい。さらに、命令のセットによって処理されるデータはまた、多種多様な1つまたは複数の媒体のうちの任意の媒体に含まれてもよい。すなわち、本発明で使用される命令のセットおよび/またはデータを保持するために利用される処理機械内の特定の媒体、すなわち、メモリは、たとえば、様々な物理的形態または伝送媒体のうちの任意のものを採用してもよい。例証として、媒体は、紙、透明紙、コンパクトディスク、DVD、集積回路、ハードディスク、フロッピーディスク、光ディスク、磁気テープ、RAM、ROM、PROM、EPROM、ワイヤ、ケーブル、ファイバ、通信チャネル、衛星伝送、メモリカード、SIMカード、または他の遠隔伝送、ならびに本発明のプロセッサが読み取ることができる任意の他のデータの媒体またはソースの形態のものとしてもよい。
【0069】
[0085]さらに、本発明を実施する処理機械で使用される1つまたは複数のメモリは、所望に応じて、メモリが命令、データ、または他の情報を保持することを可能にする多種多様な形態のうちの任意の形態としてもよい。したがって、メモリは、データを保持するためのデータベースの形態のものであってもよい。データベースは、たとえば、フラットファイル構成またはリレーショナルデータベース構成などの任意の所望のファイルの構成を使用することができる。
【0070】
[0086]本発明のシステムおよび方法において、様々な「ユーザインターフェース」を利用して、ユーザは、本発明を実施するために使用される1つまたは複数の処理機械とインターフェースすることが可能になる。本明細書で使用するとき、ユーザインターフェースは、ユーザが処理機械と対話することを可能にする、処理機械によって使用される任意のハードウェア、ソフトウェア、またはハードウェアとソフトウェアの組合せを含む。ユーザインターフェースは、たとえば、ダイアログスクリーンの形態のものであってもよい。ユーザインターフェースは、マウス、タッチスクリーン、キーボード、キーパッド、音声リーダ、音声認識器、ダイアログスクリーン、メニューボックス、リスト、チェックボックス、トグルスイッチ、プッシュボタン、または、任意の他のデバイスであって、任意の他のデバイスが命令のセットを処理するおよび/または処理機械に情報を提供するときに、処理機械の運用に関する情報をユーザが受け取ることを可能にする、任意の他のデバイスのうちの任意のものをさらに含むことができる。したがって、ユーザインターフェースは、ユーザと処理機械との間の通信を提供する任意のデバイスである。ユーザインターフェースを通してユーザによって処理機械に提供される情報は、たとえば、コマンド、データの選択、または何らかの他の入力の形態のものであってもよい。
【0071】
[0087]上記で論じたように、ユーザインターフェースは、命令のセットを実行する処理機械によって利用され、その結果、処理機械は、ユーザのためにデータを処理する。ユーザインターフェースは、一般に、情報を伝達するかまたはユーザからの情報を受け取るためにユーザと対話するための処理機械によって使用される。しかしながら、本発明のシステムおよび方法のいくつかの実施形態によれば、人間のユーザが本発明の処理機械によって使用されるユーザインターフェースと実際に対話することは必要でないことが理解されるべきである。むしろ、本発明のユーザインターフェースは、人間のユーザではなく別の処理機械と対話する、すなわち、情報を伝達し情報を受け取ることができることも企図される。したがって、他の処理機械は、ユーザと見なされてもよい。さらに、本発明のシステムおよび方法で利用されるユーザインターフェースは、別の1つまたは複数の処理機械と部分的に対話するとともに、人間のユーザとも部分的に対話できることが企図される。
【0072】
[0088]本発明が広範囲の実用性および用途を受け入れることができることが当業者によって容易に理解されるであろう。本明細書に記載されたもの以外の本発明の多くの実施形態および適応形態、ならびに多くの変形形態、修正形態、および等価形態が、本発明の趣旨または範囲から逸脱することなく、本発明および本発明の前述の説明から明らかになるか、またはそれによって合理的に示唆されるであろう。
【0073】
[0089]したがって、本発明が、例示的な実施形態に関連してここで詳細に記載されたが、本開示は、単なる本発明の例証および例示であり、本発明の実施可能な程度の開示を提供するために行われていることを理解されたい。したがって、前述の開示は、本発明を限定する、または別の方法で任意の他のそのような実施形態、適応形態、変形形態、修正形態、もしくは等価形態を排除すると解釈されるように意図されていない。
図1
図2