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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-19
(45)【発行日】2024-03-28
(54)【発明の名称】新規なNav1.7モノクローナル抗体
(51)【国際特許分類】
   C12N 15/13 20060101AFI20240321BHJP
   C12N 15/63 20060101ALI20240321BHJP
   C12N 15/62 20060101ALI20240321BHJP
   C07K 16/28 20060101ALI20240321BHJP
   C07K 16/46 20060101ALI20240321BHJP
   C12P 21/08 20060101ALN20240321BHJP
【FI】
C12N15/13 ZNA
C12N15/63 Z
C12N15/62 Z
C07K16/28
C07K16/46
C12P21/08
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2023556697
(86)(22)【出願日】2022-10-31
(86)【国際出願番号】 JP2022040580
(87)【国際公開番号】W WO2023074888
(87)【国際公開日】2023-05-04
【審査請求日】2024-01-15
(31)【優先権主張番号】P 2021178982
(32)【優先日】2021-11-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2022005967
(32)【優先日】2022-01-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000001926
【氏名又は名称】塩野義製薬株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100122301
【弁理士】
【氏名又は名称】冨田 憲史
(74)【代理人】
【識別番号】100157956
【弁理士】
【氏名又は名称】稲井 史生
(74)【代理人】
【識別番号】100170520
【弁理士】
【氏名又は名称】笹倉 真奈美
(74)【代理人】
【識別番号】100221545
【弁理士】
【氏名又は名称】白江 雄介
(72)【発明者】
【氏名】吉川 舞
(72)【発明者】
【氏名】小野田 順二
(72)【発明者】
【氏名】中森 大貴
(72)【発明者】
【氏名】高橋 竜也
(72)【発明者】
【氏名】葛西 えりか
【審査官】田中 晴絵
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/230856(WO,A1)
【文献】特表2016-512430(JP,A)
【文献】特表2013-508443(JP,A)
【文献】特表2013-507980(JP,A)
【文献】BANG, Sangsu et al.,Differential Inhibition of Nav1.7 and Neuropathic Pain by Hybridoma-Produced and Recombinant Monoclonal Antibodies that Target Nav1.7,Neurosci. Bull.,2018年,34(1),p. 22-41
【文献】LIU, Dong et al.,Evaluation of recombinant monoclonal antibody SVmab1 binding to Nav1.7 target sequences and block of human Nav1.7 currents [version 1;referees:3 approved],F1000Research,2016年,5,2764
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C12N 15/00-15/90
C07K 16/00-16/46
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
GenBank/EMBL/DDBJ/GeneSeq
UniProt/GeneSeq
PubMed
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
2)配列番号4のアミノ酸配列からなるCDR1、
配列番号59のアミノ酸配列からなるCDR2及び
配列番号64のアミノ酸配列からなるCDR3を含む重鎖可変領域並びに
配列番号72のアミノ酸配列からなるCDR1、
配列番号9のアミノ酸配列からなるCDR2及び
配列番号10のアミノ酸配列からなるCDR3を含む軽鎖可変領域
を含む、ヒトNav1.7に特異的に結合するモノクローナル抗体又はその抗体断片。
【請求項2】
該モノクローナル抗体が、ヒト化モノクローナル抗体である、請求項1載のモノクローナル抗体又はその抗体断片。
【請求項3】
配列番号33のアミノ酸配列からなる重鎖可変領域並びに
配列番号55、79~89、93~102のいずれかのアミノ酸配列からなる軽鎖可変領域
を含む、請求項2載のモノクローナル抗体又はその抗体断片。
【請求項4】
さらに、
配列番号11のアミノ酸配列からなる重鎖定常領域及び
配列番号12のアミノ酸配列からなる軽鎖定常領域
を含む請求項3載のモノクローナル抗体又はその抗体断片。
【請求項5】
請求項3記載のモノクローナル抗体の重鎖可変領域及び
請求項記載のモノクローナル抗体の可変領域をコードするポリヌクレオチド。
【請求項6】
さらに、請求項4記載のモノクローナル抗体の重鎖定常領域及び
請求項4記載のモノクローナル抗体の軽鎖定常領域をコードする、請求項5記載のポリヌクレオチド。
【請求項7】
請求項5又は6記載のポリヌクレオチドを含む発現ベクター。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規のNav1.7モノクローナル抗体又はその抗体断片に関する。より詳細には、Nav1.7に特異的に結合する抗体若しくはその抗体断片に関する。さらに詳しくは、Nav1.7を選択的に阻害するモノクローナル抗体若しくはその抗体断片又はこれを含有する医薬組成物若しくはNav1.7検出用キットに関する。
【背景技術】
【0002】
Nav1.7は遺伝子SCN9Aにコードされている電位依存性ナトリウムイオンチャネルであり、主に末梢神経に発現する(非特許文献1)。Nav1.7は、4つのドメインA、B、C、及びD(ドメインI~IVとも言及される)を含み、それぞれが6つの膜貫通タンパク質ヘリックス(S1、S2、S3、S4、S5及びS6)並びに3つの細胞外(親水性)ループE1、E2及びE3(細胞外領域E1、E2及びE3とも言及される)を含む。
【0003】
Nav1.7ノックアウトマウスにおいて炎症性疼痛が小さくなること(非特許文献2)が知られており、低分子化合物であるNav1.7阻害剤が先端紅痛症(非特許文献3)、三叉神経痛(非特許文献4)等に効果を示すことが確認されている。
【0004】
また、痛み(疼痛)や痒み(掻痒)に効果があるNav1.7モノクローナル抗体が特許文献1~10等で報告されている。特許文献1~6及び8にはヒトNav1.7ドメインCのE3細胞外領域に結合する抗体が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】WO2011/051350
【文献】US8734798
【文献】US8986954
【文献】US9266953
【文献】WO2014/159595
【文献】WO2015/032916
【文献】WO2015/035173
【文献】WO2019/230856
【文献】WO2022/109102
【文献】WO2011/051349
【非特許文献】
【0006】
【文献】PNAS(1997)94:1527-1532
【文献】PNAS(2004)101:12706-12711
【文献】Pain(2012)153(1):80-85
【文献】THE LANCET NEUROLOGY(2017)16(4):291-300
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、疼痛、掻痒等の治療薬として利用可能な新規のNav1.7モノクローナル抗体又はその抗体断片を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、鋭意研究の結果、下記実施例1に記載の通り、「1424-QPKYEYSL(配列番号1)-1431;hCE3Cペプチド」を抗原として選定し、Nav1.7のドメインCのE3細胞外ループC末領域に特異的に結合し、Nav1.7を選択的に阻害するモノクローナル抗体を見出した。さらに、下記実施例9に記載の通り、本発明のモノクローナル抗体が、疼痛抑制効果を有することを見出した。また、特許文献7にはNav1.7モノクローナル抗体の掻痒抑制効果が示されており、本発明のモノクローナル抗体も同様に掻痒抑制効果があることが示唆される。
【0009】
特許文献1~4には、ウサギに免疫された免疫原である、ヒトNav1.7ドメインCのループE3由来のペプチド(C31、C32及びC33)が開示されている(TABLE 1)。そのうち、C33は、本発明のモノクローナル抗体又はその抗体断片の免疫原と同じく、ヒトNav1.7ドメインCのループE3のC末由来のペプチドである。しかしながら、特許文献1~4には、C33の免疫によって得られた抗体及びその抗体に関する親和性や生物学的データは、一切開示されていない。
特許文献5には、ヒトNav1.7細胞外ループ3-3(ドメインCのE3細胞外ループ)由来のペプチドを免疫原として得られた38抗体が開示されている。ただし、そのペプチドの配列は開示されておらず、細胞外ループ3-3の全長であるか、断片であるかは不明である。H4H468P、H4H468B、H4H471P、H4H471B及びH1M852Nのみが、in vitroで細胞外ループ3-3ペプチド(特許文献5の配列番号670(ヒトNav1.7アミノ酸配列)の1333-1382残基)との親和性やNav1.7に対する特異性等の評価をされており、それらのうち、候補抗体と記載されたH4H468P(REGN1064)のみが、in vivoで評価されている。しかしながら、特許文献5の[0213]及び[0214]には、ラットへのH4H468Pの腹腔内投与は、機械的刺激閾値及び投与後48時間後の熱侵害受容閾値に影響を与えないと記されており、H4H468Pの疼痛抑制効果は示されていない。
特許文献6には、hNav1.7-loopC3-llama Fc融合体を免疫原として得られた抗体(10B6及び10C4)が開示されている。ここで、hNav1.7-loopC3は、hNav1.7のドメインCのE3細胞外ループの全長配列であり、hNav1.7-loopC3のC末由来のペプチドに対する抗体は一切開示されていない。さらに、10B6及び10C4は、in vitroにおける親和性や機能評価はされているが、in vivo評価は一切されていない。
特許文献7には、Nav1.7のドメインII(ドメインB)に結合し、疼痛及び掻痒の抑制効果を有する抗体(SVmab1)が開示されている。
特許文献9及び10には、Nav1.7のドメインI(ドメインA)に結合する抗体が開示されている。
つまり、特許文献1~7、9及び10には、ヒトNav1.7ドメインCのE3細胞外ループC末領域に特異的に結合し、疼痛抑制効果を有することが示された抗体は、一切開示されていない。
【0010】
特許文献8には、実施例1に記載の通り、ヒトNav1.7ドメインCのE3細胞外ループC末のペプチドを用いて免疫原を調製し、in vivoで疼痛抑制効果を有する抗体が示されている。なお、特許文献8記載の免疫原は、「1418-SVNVDKQPKYEYSL(特許文献8の配列番号1;本願明細書における配列番号103)-1431;hCE3Cペプチド」を抗原として選定して調製しており、本発明のモノクローナル抗体の免疫原とは同一ではない。
【0011】
すなわち、本発明は、以下に関する。
(1)配列番号75:Xaa1-Y-N-M-H(ここでXaa1はD又はEである)のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR1、
配列番号76:R-I-N-P-K-N-G-V-I-Xaa1-Xaa2-N-E-K-F-K-D(ここでXaa1はN、L、Q又はKであり、Xaa2はS、L又はYである)のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR2及び
配列番号77:S-Y-Xaa1-G-G-Xaa2-Xaa3-D-A-Y(ここでXaa1はY又はFであり、Xaa2はN、D、Q又はKであり、Xaa3はT、D、S又はQである)のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR3を含む重鎖可変領域並びに
配列番号78:R-Xaa1-S-Xaa2-S-V-D-N-Y-G-Xaa3-S-F-Xaa4-N(ここでXaa1は、A又はVであり、Xaa2はE又はDであり、Xaa3はI又はFであり、Xaa4はM又はLである)のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR1、
配列番号9のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR2及び
配列番号10のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR3を含む軽鎖可変領域;
を含むNav1.7に結合するモノクローナル抗体又はその抗体断片。
【0012】
(2)配列番号4又は58のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR1、
配列番号5、59~63のいずれかのアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR2及び
配列番号6、64~71のいずれかのアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR3を含む重鎖可変領域並びに
配列番号8、72~74のいずれかのアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR1、
配列番号9のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR2及び
配列番号10のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR3を含む軽鎖可変領域;
を含む(1)記載のモノクローナル抗体又はその抗体断片。
【0013】
(3)1)配列番号58のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR1、
配列番号59のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR2及び
配列番号64のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR3を含む重鎖可変領域並びに
配列番号72のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR1、
配列番号9のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR2及び
配列番号10のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR3を含む軽鎖可変領域;
2)配列番号4のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR1、
配列番号59のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR2及び
配列番号64のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR3を含む重鎖可変領域並びに
配列番号72のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR1、
配列番号9のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR2及び
配列番号10のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR3を含む軽鎖可変領域;
3)配列番号58のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR1、
配列番号59のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR2及び
配列番号64のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR3を含む重鎖可変領域並びに
配列番号8のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR1、
配列番号9のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR2及び
配列番号10のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR3を含む軽鎖可変領域;
4)配列番号4のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR1、
配列番号59のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR2及び
配列番号64のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR3を含む重鎖可変領域並びに
配列番号8のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR1、
配列番号9のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR2及び
配列番号10のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR3を含む軽鎖可変領域;
5)配列番号58のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR1、
配列番号59のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR2及び
配列番号65のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR3を含む重鎖可変領域並びに
配列番号72のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR1、
配列番号9のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR2及び
配列番号10のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR3を含む軽鎖可変領域;
6)配列番号4のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR1、
配列番号5のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR2及び
配列番号64のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR3を含む重鎖可変領域並びに
配列番号72のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR1、
配列番号9のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR2及び
配列番号10のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR3を含む軽鎖可変領域;
7)配列番号58のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR1、
配列番号59のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR2及び
配列番号66のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR3を含む重鎖可変領域並びに
配列番号72のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR1、
配列番号9のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR2及び
配列番号10のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR3を含む軽鎖可変領域;
8)配列番号4のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR1、
配列番号59のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR2及び
配列番号66のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR3を含む重鎖可変領域並びに
配列番号8のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR1、
配列番号9のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR2及び
配列番号10のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR3を含む軽鎖可変領域;
9)配列番号4のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR1、
配列番号59のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR2及び
配列番号66のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR3を含む重鎖可変領域並びに
配列番号72のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR1、
配列番号9のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR2及び
配列番号10のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR3を含む軽鎖可変領域;
10)配列番号58のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR1、
配列番号59のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR2及び
配列番号66のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR3を含む重鎖可変領域並びに
配列番号8のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR1、
配列番号9のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR2及び
配列番号10のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR3を含む軽鎖可変領域;
11)配列番号4のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR1、
配列番号59のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR2及び
配列番号65のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR3を含む重鎖可変領域並びに
配列番号72のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR1、
配列番号9のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR2及び
配列番号10のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR3を含む軽鎖可変領域;
12)配列番号58のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR1、
配列番号59のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR2及び
配列番号65のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR3を含む重鎖可変領域並びに
配列番号8のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR1、
配列番号9のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR2及び
配列番号10のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR3を含む軽鎖可変領域;
13)配列番号58のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR1、
配列番号5のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR2及び
配列番号66のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR3を含む重鎖可変領域並びに
配列番号72のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR1、
配列番号9のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR2及び
配列番号10のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR3を含む軽鎖可変領域;
14)配列番号4のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR1、
配列番号5のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR2及び
配列番号64のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR3を含む重鎖可変領域並びに
配列番号8のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR1、
配列番号9のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR2及び
配列番号10のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR3を含む軽鎖可変領域;
15)配列番号4のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR1、
配列番号59のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR2及び
配列番号65のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR3を含む重鎖可変領域並びに
配列番号8のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR1、
配列番号9のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR2及び
配列番号10のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR3を含む軽鎖可変領域;
16)配列番号58のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR1、
配列番号5のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR2及び
配列番号66のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR3を含む重鎖可変領域並びに
配列番号8のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR1、
配列番号9のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR2及び
配列番号10のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR3を含む軽鎖可変領域;
17)配列番号4のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR1、
配列番号5のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR2及び
配列番号66のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR3を含む重鎖可変領域並びに
配列番号72のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR1、
配列番号9のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR2及び
配列番号10のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR3を含む軽鎖可変領域;
18)配列番号4のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR1、
配列番号5のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR2及び
配列番号66のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR3を含む重鎖可変領域並びに
配列番号73のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR1、
配列番号9のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR2及び
配列番号10のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR3を含む軽鎖可変領域;
19)配列番号58のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR1、
配列番号5のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR2及び
配列番号65のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR3を含む重鎖可変領域並びに
配列番号72のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR1、
配列番号9のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR2及び
配列番号10のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR3を含む軽鎖可変領域;
20)配列番号4のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR1、
配列番号5のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR2及び
配列番号66のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR3を含む重鎖可変領域並びに
配列番号8のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR1、
配列番号9のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR2及び
配列番号10のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR3を含む軽鎖可変領域;
21)配列番号58のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR1、
配列番号59のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR2及び
配列番号6のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR3を含む重鎖可変領域並びに
配列番号72のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR1、
配列番号9のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR2及び
配列番号10のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR3を含む軽鎖可変領域;
22)配列番号58のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR1、
配列番号5のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR2及び
配列番号65のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR3を含む重鎖可変領域並びに
配列番号8のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR1、
配列番号9のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR2及び
配列番号10のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR3を含む軽鎖可変領域;
23)配列番号58のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR1、
配列番号5のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR2及び
配列番号67のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR3を含む重鎖可変領域並びに
配列番号72のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR1、
配列番号9のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR2及び
配列番号10のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR3を含む軽鎖可変領域;
24)配列番号58のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR1、
配列番号60のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR2及び
配列番号67のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR3を含む重鎖可変領域並びに
配列番号72のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR1、
配列番号9のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR2及び
配列番号10のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR3を含む軽鎖可変領域;
25)配列番号58のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR1、
配列番号59のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR2及び
配列番号6のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR3を含む重鎖可変領域並びに
配列番号8のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR1、
配列番号9のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR2及び
配列番号10のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR3を含む軽鎖可変領域;
26)配列番号4のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR1、
配列番号5のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR2及び
配列番号65のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR3を含む重鎖可変領域並びに
配列番号73のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR1、
配列番号9のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR2及び
配列番号10のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR3を含む軽鎖可変領域;
27)配列番号4のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR1、
配列番号59のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR2及び
配列番号6のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR3を含む重鎖可変領域並びに
配列番号73のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR1、
配列番号9のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR2及び
配列番号10のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR3を含む軽鎖可変領域;
28)配列番号58のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR1、
配列番号5のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR2及び
配列番号67のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR3を含む重鎖可変領域並びに
配列番号8のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR1、
配列番号9のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR2及び
配列番号10のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR3を含む軽鎖可変領域;
29)配列番号4のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR1、
配列番号59のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR2及び
配列番号6のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR3を含む重鎖可変領域並びに
配列番号8のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR1、
配列番号9のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR2及び
配列番号10のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR3を含む軽鎖可変領域;
30)配列番号4のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR1、
配列番号5のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR2及び
配列番号65のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR3を含む重鎖可変領域並びに
配列番号72のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR1、
配列番号9のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR2及び
配列番号10のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR3を含む軽鎖可変領域;
31)配列番号58のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR1、
配列番号60のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR2及び
配列番号67のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR3を含む重鎖可変領域並びに
配列番号8のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR1、
配列番号9のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR2及び
配列番号10のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR3を含む軽鎖可変領域;
32)配列番号58のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR1、
配列番号5のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR2及び
配列番号67のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR3を含む重鎖可変領域並びに
配列番号73のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR1、
配列番号9のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR2及び
配列番号10のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR3を含む軽鎖可変領域;
33)配列番号4のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR1、
配列番号60のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR2及び
配列番号67のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR3を含む重鎖可変領域並びに
配列番号72のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR1、
配列番号9のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR2及び
配列番号10のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR3を含む軽鎖可変領域;
34)配列番号58のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR1、
配列番号5のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR2及び
配列番号68のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR3を含む重鎖可変領域並びに
配列番号72のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR1、
配列番号9のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR2及び
配列番号10のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR3を含む軽鎖可変領域;
35)配列番号4のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR1、
配列番号5のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR2及び
配列番号69のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR3を含む重鎖可変領域並びに
配列番号72のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR1、
配列番号9のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR2及び
配列番号10のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR3を含む軽鎖可変領域;
36)配列番号4のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR1、
配列番号61のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR2及び
配列番号6のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR3を含む重鎖可変領域並びに
配列番号72のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR1、
配列番号9のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR2及び
配列番号10のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR3を含む軽鎖可変領域;
37)配列番号4のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR1、
配列番号5のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR2及び
配列番号69のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR3を含む重鎖可変領域並びに
配列番号73のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR1、
配列番号9のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR2及び
配列番号10のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR3を含む軽鎖可変領域;
38)配列番号4のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR1、
配列番号62のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR2及び
配列番号6のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR3を含む重鎖可変領域並びに
配列番号73のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR1、
配列番号9のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR2及び
配列番号10のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR3を含む軽鎖可変領域;
39)配列番号4のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR1、
配列番号63のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR2及び
配列番号6のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR3を含む重鎖可変領域並びに
配列番号72のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR1、
配列番号9のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR2及び
配列番号10のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR3を含む軽鎖可変領域;
40)配列番号4のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR1、
配列番号61のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR2及び
配列番号6のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR3を含む重鎖可変領域並びに
配列番号73のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR1、
配列番号9のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR2及び
配列番号10のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR3を含む軽鎖可変領域;
41)配列番号4のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR1、
配列番号5のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR2及び
配列番号70のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR3を含む重鎖可変領域並びに
配列番号72のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR1、
配列番号9のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR2及び
配列番号10のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR3を含む軽鎖可変領域;
42)配列番号4のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR1、
配列番号5のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR2及び
配列番号71のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR3を含む重鎖可変領域並びに
配列番号8のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR1、
配列番号9のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR2及び
配列番号10のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR3を含む軽鎖可変領域;
43)配列番号4のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR1、
配列番号5のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR2及び
配列番号6のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR3を含む重鎖可変領域並びに
配列番号74のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR1、
配列番号9のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR2及び
配列番号10のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR3を含む軽鎖可変領域;若しくは
44)配列番号4のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR1、
配列番号5のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR2及び
配列番号6のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR3を含む重鎖可変領域並びに
配列番号8のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR1、
配列番号9のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR2及び
配列番号10のアミノ酸配列において1~2個のアミノ酸が欠失、置換、挿入及び/若しくは付加されていてもよいアミノ酸配列からなるCDR3を含む軽鎖可変領域;
を含む(2)記載のモノクローナル抗体又はその抗体断片。
【0014】
(4)該モノクローナル抗体が、ヒト化モノクローナル抗体である、(1)~(3)のいずれかに記載のモノクローナル抗体又はその抗体断片。
(5)配列番号25、32~54のいずれかのアミノ酸配列又は
配列番号25、32~54のいずれかのアミノ酸配列と95%以上の同一性のアミノ酸配列からなる重鎖可変領域並びに
配列番号28、55~57、79~102のいずれかのアミノ酸配列又は
配列番号28、55~57、79~102のいずれかのアミノ酸配列と95%以上の同一性のアミノ酸配列からなる軽鎖可変領域;
を含む、(4)のモノクローナル抗体又はその抗体断片。
【0015】
(6)1)配列番号32のアミノ酸配列と95%以上の同一性のアミノ酸配列からなる重鎖可変領域及び配列番号55のアミノ酸配列と95%以上の同一性のアミノ酸配列からなる軽鎖可変領域;
2)配列番号33のアミノ酸配列と95%以上の同一性のアミノ酸配列からなる重鎖可変領域及び配列番号55のアミノ酸配列と95%以上の同一性のアミノ酸配列からなる軽鎖可変領域;
3)配列番号32のアミノ酸配列と95%以上の同一性のアミノ酸配列からなる重鎖可変領域及び配列番号28のアミノ酸配列と95%以上の同一性のアミノ酸配列からなる軽鎖可変領域;
4)配列番号33のアミノ酸配列と95%以上の同一性のアミノ酸配列からなる重鎖可変領域及び配列番号28のアミノ酸配列と95%以上の同一性のアミノ酸配列からなる軽鎖可変領域;
5)配列番号34のアミノ酸配列と95%以上の同一性のアミノ酸配列からなる重鎖可変領域及び配列番号55のアミノ酸配列と95%以上の同一性のアミノ酸配列からなる軽鎖可変領域;
6)配列番号35のアミノ酸配列と95%以上の同一性のアミノ酸配列からなる重鎖可変領域及び配列番号55のアミノ酸配列と95%以上の同一性のアミノ酸配列からなる軽鎖可変領域;
7)配列番号36のアミノ酸配列と95%以上の同一性のアミノ酸配列からなる重鎖可変領域及び配列番号55のアミノ酸配列と95%以上の同一性のアミノ酸配列からなる軽鎖可変領域;
8)配列番号37のアミノ酸配列と95%以上の同一性のアミノ酸配列からなる重鎖可変領域及び配列番号28のアミノ酸配列と95%以上の同一性のアミノ酸配列からなる軽鎖可変領域;
9)配列番号37のアミノ酸配列と95%以上の同一性のアミノ酸配列からなる重鎖可変領域及び配列番号55のアミノ酸配列と95%以上の同一性のアミノ酸配列からなる軽鎖可変領域;
10)配列番号36のアミノ酸配列と95%以上の同一性のアミノ酸配列からなる重鎖可変領域及び配列番号28のアミノ酸配列と95%以上の同一性のアミノ酸配列からなる軽鎖可変領域;
11)配列番号38のアミノ酸配列と95%以上の同一性のアミノ酸配列からなる重鎖可変領域及び配列番号55のアミノ酸配列と95%以上の同一性のアミノ酸配列からなる軽鎖可変領域;
12)配列番号34のアミノ酸配列と95%以上の同一性のアミノ酸配列からなる重鎖可変領域及び配列番号28のアミノ酸配列と95%以上の同一性のアミノ酸配列からなる軽鎖可変領域;
13)配列番号39のアミノ酸配列と95%以上の同一性のアミノ酸配列からなる重鎖可変領域及び配列番号55のアミノ酸配列と95%以上の同一性のアミノ酸配列からなる軽鎖可変領域;
14)配列番号35のアミノ酸配列と95%以上の同一性のアミノ酸配列からなる重鎖可変領域及び配列番号28のアミノ酸配列と95%以上の同一性のアミノ酸配列からなる軽鎖可変領域;
15)配列番号38のアミノ酸配列と95%以上の同一性のアミノ酸配列からなる重鎖可変領域及び配列番号28のアミノ酸配列と95%以上の同一性のアミノ酸配列からなる軽鎖可変領域;
16)配列番号39のアミノ酸配列と95%以上の同一性のアミノ酸配列からなる重鎖可変領域及び配列番号28のアミノ酸配列と95%以上の同一性のアミノ酸配列からなる軽鎖可変領域;
17)配列番号40のアミノ酸配列と95%以上の同一性のアミノ酸配列からなる重鎖可変領域及び配列番号55のアミノ酸配列と95%以上の同一性のアミノ酸配列からなる軽鎖可変領域;
18)配列番号40のアミノ酸配列と95%以上の同一性のアミノ酸配列からなる重鎖可変領域及び配列番号56のアミノ酸配列と95%以上の同一性のアミノ酸配列からなる軽鎖可変領域;
19)配列番号41のアミノ酸配列と95%以上の同一性のアミノ酸配列からなる重鎖可変領域及び配列番号55のアミノ酸配列と95%以上の同一性のアミノ酸配列からなる軽鎖可変領域;
20)配列番号40のアミノ酸配列と95%以上の同一性のアミノ酸配列からなる重鎖可変領域及び配列番号28のアミノ酸配列と95%以上の同一性のアミノ酸配列からなる軽鎖可変領域;
21)配列番号42のアミノ酸配列と95%以上の同一性のアミノ酸配列からなる重鎖可変領域及び配列番号55のアミノ酸配列と95%以上の同一性のアミノ酸配列からなる軽鎖可変領域;
22)配列番号41のアミノ酸配列と95%以上の同一性のアミノ酸配列からなる重鎖可変領域及び配列番号28のアミノ酸配列と95%以上の同一性のアミノ酸配列からなる軽鎖可変領域;
23)配列番号43のアミノ酸配列と95%以上の同一性のアミノ酸配列からなる重鎖可変領域及び配列番号55のアミノ酸配列と95%以上の同一性のアミノ酸配列からなる軽鎖可変領域;
24)配列番号44のアミノ酸配列と95%以上の同一性のアミノ酸配列からなる重鎖可変領域及び配列番号55のアミノ酸配列と95%以上の同一性のアミノ酸配列からなる軽鎖可変領域;
25)配列番号42のアミノ酸配列と95%以上の同一性のアミノ酸配列からなる重鎖可変領域及び配列番号28のアミノ酸配列と95%以上の同一性のアミノ酸配列からなる軽鎖可変領域;
26)配列番号45のアミノ酸配列と95%以上の同一性のアミノ酸配列からなる重鎖可変領域及び配列番号56のアミノ酸配列と95%以上の同一性のアミノ酸配列からなる軽鎖可変領域;
27)配列番号46のアミノ酸配列と95%以上の同一性のアミノ酸配列からなる重鎖可変領域及び配列番号56のアミノ酸配列と95%以上の同一性のアミノ酸配列からなる軽鎖可変領域;
28)配列番号43のアミノ酸配列と95%以上の同一性のアミノ酸配列からなる重鎖可変領域及び配列番号28のアミノ酸配列と95%以上の同一性のアミノ酸配列からなる軽鎖可変領域;
29)配列番号46のアミノ酸配列と95%以上の同一性のアミノ酸配列からなる重鎖可変領域及び配列番号28のアミノ酸配列と95%以上の同一性のアミノ酸配列からなる軽鎖可変領域;
30)配列番号45のアミノ酸配列と95%以上の同一性のアミノ酸配列からなる重鎖可変領域及び配列番号55のアミノ酸配列と95%以上の同一性のアミノ酸配列からなる軽鎖可変領域;
31)配列番号44のアミノ酸配列と95%以上の同一性のアミノ酸配列からなる重鎖可変領域及び配列番号28のアミノ酸配列と95%以上の同一性のアミノ酸配列からなる軽鎖可変領域;
32)配列番号43のアミノ酸配列と95%以上の同一性のアミノ酸配列からなる重鎖可変領域及び配列番号56のアミノ酸配列と95%以上の同一性のアミノ酸配列からなる軽鎖可変領域;
33)配列番号47のアミノ酸配列と95%以上の同一性のアミノ酸配列からなる重鎖可変領域及び配列番号55のアミノ酸配列と95%以上の同一性のアミノ酸配列からなる軽鎖可変領域;
34)配列番号48のアミノ酸配列と95%以上の同一性のアミノ酸配列からなる重鎖可変領域及び配列番号55のアミノ酸配列と95%以上の同一性のアミノ酸配列からなる軽鎖可変領域;
35)配列番号49のアミノ酸配列と95%以上の同一性のアミノ酸配列からなる重鎖可変領域及び配列番号55のアミノ酸配列と95%以上の同一性のアミノ酸配列からなる軽鎖可変領域;
36)配列番号50のアミノ酸配列と95%以上の同一性のアミノ酸配列からなる重鎖可変領域及び配列番号55のアミノ酸配列と95%以上の同一性のアミノ酸配列からなる軽鎖可変領域;
37)配列番号49のアミノ酸配列と95%以上の同一性のアミノ酸配列からなる重鎖可変領域及び配列番号56のアミノ酸配列と95%以上の同一性のアミノ酸配列からなる軽鎖可変領域;
38)配列番号51のアミノ酸配列と95%以上の同一性のアミノ酸配列からなる重鎖可変領域及び配列番号56のアミノ酸配列と95%以上の同一性のアミノ酸配列からなる軽鎖可変領域;
39)配列番号52のアミノ酸配列と95%以上の同一性のアミノ酸配列からなる重鎖可変領域及び配列番号55のアミノ酸配列と95%以上の同一性のアミノ酸配列からなる軽鎖可変領域;
40)配列番号50のアミノ酸配列と95%以上の同一性のアミノ酸配列からなる重鎖可変領域及び配列番号56のアミノ酸配列と95%以上の同一性のアミノ酸配列からなる軽鎖可変領域;
41)配列番号53のアミノ酸配列と95%以上の同一性のアミノ酸配列からなる重鎖可変領域及び配列番号55のアミノ酸配列と95%以上の同一性のアミノ酸配列からなる軽鎖可変領域;
42)配列番号54のアミノ酸配列と95%以上の同一性のアミノ酸配列からなる重鎖可変領域及び配列番号28のアミノ酸配列と95%以上の同一性のアミノ酸配列からなる軽鎖可変領域;
43)配列番号25のアミノ酸配列と95%以上の同一性のアミノ酸配列からなる重鎖可変領域及び配列番号57のアミノ酸配列と95%以上の同一性のアミノ酸配列からなる軽鎖可変領域;
44)配列番号25のアミノ酸配列と95%以上の同一性のアミノ酸配列からなる重鎖可変領域及び配列番号28のアミノ酸配列と95%以上の同一性のアミノ酸配列からなる軽鎖可変領域;
45)配列番号33のアミノ酸配列と95%以上の同一性のアミノ酸配列からなる重鎖可変領域及び配列番号79のアミノ酸配列と95%以上の同一性のアミノ酸配列からなる軽鎖可変領域;
46)配列番号33のアミノ酸配列と95%以上の同一性のアミノ酸配列からなる重鎖可変領域及び配列番号80のアミノ酸配列と95%以上の同一性のアミノ酸配列からなる軽鎖可変領域;
47)配列番号33のアミノ酸配列と95%以上の同一性のアミノ酸配列からなる重鎖可変領域及び配列番号88のアミノ酸配列と95%以上の同一性のアミノ酸配列からなる軽鎖可変領域;
48)配列番号33のアミノ酸配列と95%以上の同一性のアミノ酸配列からなる重鎖可変領域及び配列番号101のアミノ酸配列と95%以上の同一性のアミノ酸配列からなる軽鎖可変領域;
49)配列番号33のアミノ酸配列と95%以上の同一性のアミノ酸配列からなる重鎖可変領域及び配列番号102のアミノ酸配列と95%以上の同一性のアミノ酸配列からなる軽鎖可変領域;
50)配列番号33のアミノ酸配列と95%以上の同一性のアミノ酸配列からなる重鎖可変領域及び配列番号81のアミノ酸配列と95%以上の同一性のアミノ酸配列からなる軽鎖可変領域;
51)配列番号33のアミノ酸配列と95%以上の同一性のアミノ酸配列からなる重鎖可変領域及び配列番号82のアミノ酸配列と95%以上の同一性のアミノ酸配列からなる軽鎖可変領域;
52)配列番号33のアミノ酸配列と95%以上の同一性のアミノ酸配列からなる重鎖可変領域及び配列番号83のアミノ酸配列と95%以上の同一性のアミノ酸配列からなる軽鎖可変領域;
53)配列番号33のアミノ酸配列と95%以上の同一性のアミノ酸配列からなる重鎖可変領域及び配列番号84のアミノ酸配列と95%以上の同一性のアミノ酸配列からなる軽鎖可変領域;
54)配列番号33のアミノ酸配列と95%以上の同一性のアミノ酸配列からなる重鎖可変領域及び配列番号85のアミノ酸配列と95%以上の同一性のアミノ酸配列からなる軽鎖可変領域;
55)配列番号33のアミノ酸配列と95%以上の同一性のアミノ酸配列からなる重鎖可変領域及び配列番号86のアミノ酸配列と95%以上の同一性のアミノ酸配列からなる軽鎖可変領域;
56)配列番号33のアミノ酸配列と95%以上の同一性のアミノ酸配列からなる重鎖可変領域及び配列番号87のアミノ酸配列と95%以上の同一性のアミノ酸配列からなる軽鎖可変領域;
57)配列番号33のアミノ酸配列と95%以上の同一性のアミノ酸配列からなる重鎖可変領域及び配列番号89のアミノ酸配列と95%以上の同一性のアミノ酸配列からなる軽鎖可変領域;
58)配列番号33のアミノ酸配列と95%以上の同一性のアミノ酸配列からなる重鎖可変領域及び配列番号90のアミノ酸配列と95%以上の同一性のアミノ酸配列からなる軽鎖可変領域;
59)配列番号33のアミノ酸配列と95%以上の同一性のアミノ酸配列からなる重鎖可変領域及び配列番号91のアミノ酸配列と95%以上の同一性のアミノ酸配列からなる軽鎖可変領域;
60)配列番号33のアミノ酸配列と95%以上の同一性のアミノ酸配列からなる重鎖可変領域及び配列番号92のアミノ酸配列と95%以上の同一性のアミノ酸配列からなる軽鎖可変領域;
61)配列番号33のアミノ酸配列と95%以上の同一性のアミノ酸配列からなる重鎖可変領域及び配列番号93のアミノ酸配列と95%以上の同一性のアミノ酸配列からなる軽鎖可変領域;
62)配列番号33のアミノ酸配列と95%以上の同一性のアミノ酸配列からなる重鎖可変領域及び配列番号94のアミノ酸配列と95%以上の同一性のアミノ酸配列からなる軽鎖可変領域;
63)配列番号33のアミノ酸配列と95%以上の同一性のアミノ酸配列からなる重鎖可変領域及び配列番号95のアミノ酸配列と95%以上の同一性のアミノ酸配列からなる軽鎖可変領域;
64)配列番号33のアミノ酸配列と95%以上の同一性のアミノ酸配列からなる重鎖可変領域及び配列番号96のアミノ酸配列と95%以上の同一性のアミノ酸配列からなる軽鎖可変領域;
65)配列番号33のアミノ酸配列と95%以上の同一性のアミノ酸配列からなる重鎖可変領域及び配列番号97のアミノ酸配列と95%以上の同一性のアミノ酸配列からなる軽鎖可変領域;
66)配列番号33のアミノ酸配列と95%以上の同一性のアミノ酸配列からなる重鎖可変領域及び配列番号98のアミノ酸配列と95%以上の同一性のアミノ酸配列からなる軽鎖可変領域;
67)配列番号33のアミノ酸配列と95%以上の同一性のアミノ酸配列からなる重鎖可変領域及び配列番号99のアミノ酸配列と95%以上の同一性のアミノ酸配列からなる軽鎖可変領域;若しくは
68)配列番号33のアミノ酸配列と95%以上の同一性のアミノ酸配列からなる重鎖可変領域及び配列番号100のアミノ酸配列と95%以上の同一性のアミノ酸配列からなる軽鎖可変領域;
を含む(5)記載のモノクローナル抗体又はその抗体断片。
【0016】
(7)さらに、
配列番号11のアミノ酸配列からなる重鎖定常領域及び
配列番号12のアミノ酸配列からなる軽鎖定常領域
を含む(1)~(6)のいずれかに記載のモノクローナル抗体又はその抗体断片。
【0017】
(7-1)Nav1.7に対する結合活性が2nM又はそれ未満である、前記(1)~(7)のいずれかに記載のモノクローナル抗体又はその抗体断片。
(7-2)Nav1.7に対する結合活性が1nM又はそれ未満である、前記(7-1)に記載のモノクローナル抗体又はその抗体断片。
【0018】
(8)(1)~(7)、(7-1)、(7-2)のいずれかに記載のモノクローナル抗体又はその抗体断片を含有する医薬組成物。
(8-1)Nav1.7関連疾患の治療剤及び/又は予防剤である、(8)記載の医薬組成物。
(9)Nav1.7関連疾患が、疼痛及び/又は掻痒である、(8-1)記載の医薬組成物。
【0019】
(10)(5)又は(6)に記載のモノクローナル抗体の重鎖可変領域をコードし、
さらに(7)記載のモノクローナル抗体の重鎖定常領域をコードしていてもよいポリヌクレオチド。
【0020】
(11-1)(5)又は(6)に記載のモノクローナル抗体の軽鎖可変領域をコードし、
さらに(7)記載のモノクローナル抗体の軽鎖定常領域をコードしていてもよいポリヌクレオチド。
(11-2)(10)及び(11-1)記載のポリヌクレオチドの組合せ。
(11-3)(1)、(2)~(7)のいずれかに記載のモノクローナル抗体又はその抗体断片をコードするポリヌクレオチド。
【0021】
(12)(10)及び/又は(11-1)記載のポリヌクレオチドを含む発現ベクター。
(12-1)(11-3)のポリヌクレオチド又は(12)の発現ベクターを含む宿主細胞。
【0022】
(13)(1)~(7)、(7-1)、(7-2)のいずれかに記載のモノクローナル抗体若しくはその抗体断片を投与することを含む、Nav1.7関連疾患の予防又は治療方法。
(14)Nav1.7関連疾患の治療剤及び/又は予防剤を製造するための、(1)~(7)、(7-1)、(7-2)のいずれかに記載のモノクローナル抗体又はその抗体断片。
(15)Nav1.7関連疾患の治療若しくは予防のための、(1)~(7)、(7-1)、(7-2)のいずれかに記載のモノクローナル抗体又はその抗体断片。
(16)Nav1.7関連疾患の治療若しくは予防のための、(1)~(7)、(7-1)、(7-2)のいずれかに記載のモノクローナル抗体又はその抗体断片の使用。
(17)Nav1.7関連疾患が、疼痛及び/又は掻痒である、(13)記載の予防又は治療方法、(14)若しくは(15)記載のモノクローナル抗体又はその抗体断片又は(16)記載のモノクローナル抗体又はその抗体断片の使用。
【0023】
(18)(1)~(7)、(7-1)、(7-2)のいずれかに記載のモノクローナル抗体若しくはその抗体断片を含有するNav1.7検出用キット。
【発明の効果】
【0024】
本発明のモノクローナル抗体又はその抗体断片は、Nav1.7に特異的に結合するので、生体試料においてNav1.7を検出するために使用することができる。さらに、本発明のモノクローナル抗体又はその抗体断片は、Nav1.7を選択的に阻害する活性を有するので、本発明のモノクローナル抗体又はその抗体断片を含む医薬組成物は、医薬品、特に、Nav1.7関連疾患の治療又は予防のための医薬として非常に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】15H11の重鎖可変領域(配列番号3)及び軽鎖可変領域(配列番号7)のKabat numberingの結果を示す。HFR1~HFR4はそれぞれ重鎖フレームワーク領域1~4を意味し、CDR―H1~CDR-H3はそれぞれ重鎖相補性決定領域1~3を意味する。LFR1~LFR4はそれぞれ軽鎖フレームワーク領域1~4を意味し、CDR―L1~CDR-L3はそれぞれ軽鎖相補性決定領域1~3を意味する。
図2】ヒト化抗体h15H11の重鎖可変領域(IGHV7-4-1 Q43R, G44S, R94P(配列番号25))及び軽鎖可変領域(IGKV7-3 Y36F, V78M(配列番号28))のKabat numberinの結果を示す。HFR1~HFR4はそれぞれ重鎖フレームワーク領域1~4を意味し、CDR―H1~CDR-H3はそれぞれ重鎖相補性決定領域1~3を意味する。LFR1~LFR4はそれぞれ軽鎖フレームワーク領域1~4を意味し、CDR―L1~CDR-L3はそれぞれ軽鎖相補性決定領域1~3を意味する。
図3】坐骨神経部分結紮モデルに対する静脈内投与による薬効評価
【発明を実施するための形態】
【0026】
本明細書において使用される用語は、特に言及する場合を除いて、当該分野で通常用いられる意味で用いられる。
本発明においては、当該分野で公知の抗体作製手法が利用可能である。例えば、Immunochemistry in Practice (Blackwell Scientific Publiations)に記載された方法等が挙げられる。
また、当該分野で公知の遺伝子操作的手法が利用可能である。例えば、Molecular Cloning, A Laboratory Manual, Forth Edition, Cold Spring Harbor Laboratory Press (2012)、Current Protocols Essential Laboratory Techniques, Current Protocols (2012)に記載された方法等が挙げられる。
【0027】
ヒトNav1.7は遺伝子SCN9Aにコードされているアミノ酸からなるタンパク質(UniProtKB/Swiss-Prot:Q15858)である。
【0028】
本発明のモノクローナル抗体又はその抗体断片は、本明細書に記載のCDR又は重鎖可変領域/軽鎖可変領域を有するモノクローナル抗体又は該抗体の断片である。該抗体又は抗体断片は、免疫グロブリン分子の任意のクラス(例えば、IgG、IgE、IgM、IgD若しくはIgA)又はサブクラス由来であり得、例えば、マウス、ラット、サメ、ウサギ、ブタ、ハムスター、ラクダ、ラマ、ヤギ又はヒトを含む任意の種から取得されてもよい。該抗体又は抗体断片として、好ましくは、ヒト化モノクローナル抗体又はヒト化モノクローナル抗体の抗体断片である。
【0029】
本発明において「モノクローナル抗体の抗体断片」とは、本発明のモノクローナル抗体の一部であって、当該モノクローナル抗体と同様にNav1.7に特異的に結合し、Nav1.7を選択的に阻害する断片を意味する。
【0030】
具体的には、ヒトNav1.7に対して特異的に結合するFab(fragment of antigen binding)、Fab’、F(ab’)、一本鎖抗体(single chain Fv;以下、scFvと表記する)、ジスルフィド安定化抗体(disulfide stabilized Fv; 以下、dsFvと表記する)、2量化体V領域断片(以下、Diabodyと表記する)、CDRを含むペプチド等を挙げることができる(エキスパート・オピニオン・オン・テラピューティック・パテンツ、第6巻、第5号、第441~456頁、1996年)。
【0031】
Fabは、IgGのヒンジ領域で2本のH鎖を架橋している2つのジスルフィド結合(S-S結合)の上部のペプチド部分を酵素パパインで分解して得られる、H鎖のN末端側約半分とL鎖全体で構成される、分子量約5万の抗原結合活性を有する抗体断片である。本発明で使用されるFabは、本発明のモノクローナル抗体をパパイン処理して得ることができる。また、本発明のモノクローナル抗体のFabをコードするDNAを細胞用発現ベクターに挿入し、該ベクターを細胞へ導入することにより発現させることによってもFabを製造することができる。
【0032】
Fab’は、F(ab’)のヒンジ間のS-S結合を切断した分子量約5万の抗原結合活性を有する抗体断片である。本発明で使用されるFab’は、本発明のモノクローナル抗体のF(ab’)を還元剤ジチオスレイトール処理して得ることができる。また、本発明のモノクローナル抗体のFab’をコードするDNAを細胞用発現ベクターに挿入し、該ベクターを大腸菌、酵母又は動物細胞へ導入することにより発現させることによってもFab’を製造することができる。
【0033】
F(ab’)は、IgGのヒンジ領域の2個のS-S結合の下部を酵素ペプシンで分解して得られる、2つのFab’領域がヒンジ部分で結合して構成される、分子量約10万の抗原結合活性を有する抗体断片である。本発明で使用されるF(ab’)は、本発明のモノクローナル抗体をペプシン処理して得ることができる。また、本発明のモノクローナル抗体のF(ab’)をコードするDNAを細胞用発現ベクターに挿入し、該ベクターを大腸菌、酵母又は動物細胞へ導入することにより発現させることによってもF(ab’)を製造することができる。
【0034】
scFvは、一本のVHと一本のVLとを適当なペプチドリンカー(以下、Pと表記する)を用いて連結した、VH-P-VL又はVL-P-VHポリペプチドであり、抗原活性を有する抗体断片である。本発明で使用されるscFvに含まれるVH及びVLは、本発明のモノクローナル抗体のものであればよい。本発明で使用されるscFvは、本発明のモノクローナル抗体のVH及びVLをコードするcDNAを用いて、scFv発現ベクターを構築し、大腸菌、酵母又は動物細胞へ導入することにより発現させ製造することができる。
【0035】
dsFvは、VH及びVL中のそれぞれ1アミノ酸残基をシステイン残基に置換したポリペプチドをS-S結合を介して結合させたものをいう。システイン残基に置換するアミノ酸残基はReiterらにより示された方法(Protein Engineering、7、697(1994))に従って、抗体の立体構造予測に基づいて選択することができる。本発明で使用されるdsFvに含まれるVH又はVLは、本発明のモノクローナル抗体のものであればよい。本発明で使用されるdsFvは、本発明のモノクローナル抗体のVH及びVLをコードするcDNAを用いて、適当な発現ベクターに挿入してdsFv発現ベクターを構築し、該発現ベクターを大腸菌、酵母又は動物細胞へ導入し、発現させることにより製造することができる。
【0036】
Diabodyは、抗原結合特異性が同じ又は異なるscFvが2量体を形成した抗体断片であり、同じ抗原に対する2価の抗原結合活性又は異なる抗原に対する2種類の特異的な抗原結合活性を有する抗体断片である。例えば、本発明のモノクローナル抗体に特異的に反応する2価のDiabodyは、本発明のモノクローナル抗体のVH及びVLをコードするcDNAを用いて、3~10残基のペプチドリンカーを有するscFvをコードするDNAを構築し、該DNAを細胞用発現ベクターに挿入し、該発現ベクターを大腸菌、酵母又は動物細胞へ導入することによりDiabodyを発現させ、製造することができる。
【0037】
CDRを含むペプチドは、VH又はVLのCDRの少なくとも1領域以上を含んで構成される。複数のCDRは、直接又は適当なペプチドリンカーを介して結合させることができる。本発明で使用されるCDRを含むペプチドは、本発明のモノクローナル抗体のVH及びVLをコードするcDNAを用いて、CDRをコードするDNAを構築し、該DNAを動物細胞用発現ベクターに挿入し、該ベクターを大腸菌、酵母又は動物細胞へ導入することにより発現させることにより、製造することができる。また、CDRを含むペプチドは、Fmoc法(フルオレニルメチルオキシカルボニル法)、tBoc法(t-ブチルオキシカルボニル法)等の化学合成法によって製造することもできる。
【0038】
本発明のモノクローナル抗体は、ヒトNav1.7のアミノ酸配列又はその立体構造を特異的に認識して結合するモノクローナル抗体に放射性同位体、低分子若しくは高分子の薬剤、タンパク質又は本発明のモノクローナル抗体とは異なる抗体医薬等を化学的若しくは遺伝子工学的に結合させた抗体の誘導体を含む。
【0039】
本発明のモノクローナル抗体又はその抗体断片は、Nav1.7に特異的に結合することが特徴である。以下、Nav1.7特異的結合能の測定手順の一例を記す。
【0040】
Nav1.7の特異的結合は、2つの分子が特異的に結合するかを測定することにより、結合活性として評価できる。例えば、当該技術分野で周知の方法のほか、実施例5に記載の競合ELISA法、表面プラズモン共鳴等が挙げられる。
競合ELISA法によるNav1.7の結合競合阻害活性の阻害率が50%を示す抗体の有効濃度は、IC50として定義される。IC50は、しばしば抗体の結合活性を示す指標の一つとして用いられる。本発明のモノクローナル抗体のIC50値として好ましくは2nM又はそれ未満であり、より好ましくは1nM又はそれ未満、特に好ましくは0.6nM又はそれ未満である。
表面プラズモン共鳴によるNav1.7の結合活性は、平衡解離定数(KD)として定義される。例えば、KDが小さいほど、より緊密な結合を表す。本発明のモノクローナル抗体又はその抗体断片のKDとして好ましくは約2nM又はそれ未満であり、より好ましくは約1nM又はそれ未満である。
例えば、Nav1.7に対して2nM又はそれ未満の結合活性を有する抗体は、IC50及び/又はKDが2nM又はそれ未満であるNav1.7モノクローナル抗体を意味する。
しかし、Nav1.7を特異的に結合する単離抗体は、他の種由来のNav1.7分子のような他の抗原に対する交差反応性を示すことがある。それにもかかわらず、更に、hNav1.7及び1以上の更なる抗原と結合する多重特異的抗体、又はhNav1.7の2種の異なる領域(例えば、ドメインCのE1細胞外ループ及びドメインCのE3細胞外ループ)と結合する二重特異的抗体は、hNav1.7と「特異的に結合する」抗体とみなされる。
【0041】
本発明のモノクローナル抗体又はその抗体断片は、Nav1.7を阻害することが特徴である。以下、Nav1.7阻害能の測定手順の一例を記す。
【0042】
Nav1.7をコードするDNAをクローニングしたpcDNA3.1(インビトロジェン社製)をFreeStyle 293細胞(Thermo Fisher Scientific社製)にトランスフェクションすることによりNav1.7安定発現細胞を構築する。この細胞を用いて下記に示す方法によりマニュアルパッチクランプを実施することにより、抗体のNav1.7特異的な阻害を評価することができる。ポリL-リジンコートしたガラス片を、35mmディッシュに並べ、10%FBS含有DMEM(SIGMA社製)に懸濁したNav1.7安定発現細胞を播種する(4×104 cells/dish)。播種翌日、ガラス片を測定チャンバーに移してホールセル形成し、―70mV固定、10msec矩形波を0.1Hzで与えながら抗体を処置し、抗体処置前と処置後(>2min処置)で測定を行う。
【0043】
本発明のモノクローナル抗体は、本明細書に記載のCDR又は重鎖可変領域/軽鎖可変領域を用いて当該分野の定法によって作製することができる。
【0044】
本発明のモノクローナル抗体は、ヒト化モノクローナル抗体も含む。ヒト化抗体はヒト体内における免疫原性(抗原性)が低下しているため、治療目的等でヒトに投与する場合に有用である。「免疫原性が低い」とは、例えば、治療効果を達成するのに十分な時間において、投与された本発明のモノクローナル抗体が生体による免疫応答を誘起しないことを意味する。ヒトにおける免疫原性のレベルは、T細胞エピトープ予測プログラムで予測することができる。例えば、T細胞エピトープ予測プログラムとして、Epibase(Lonza)、iTope/TCED(Antitope)、EpiMatrix(EpiVax)等が用いられる。
ヒト化モノクローナル抗体は、ヒト以外の哺乳動物、例えばマウス抗体の相補性決定領域(CDR; complementarity determining region) をヒト抗体のフレームワーク領域(FR ; framework region)へ移植したものである。従って、ヒト化モノクローナル抗体のFRは、ヒト由来のものである。適当なFRは、Kabat E.A.らの文献を参照すれば選択できる。この場合のFRとしては、CDRが良好な抗原結合部位を形成するものが選択される。必要に応じ、再構成したヒト化抗体のCDRが適切な抗原結合部位を形成するように抗体の可変領域のFRのアミノ酸を置換してもよい(Sato、K.ら, Cancer Res. 1993年、第53巻、851ページ)。置換されるFRのアミノ酸の割合は、全FR領域の0~15%、好ましくは0~5%である。
【0045】
なお、本発明のヒト化モノクローナル抗体には、ヒト抗体の定常領域が使用される。好ましいヒト抗体の定常領域としては、重鎖としてはCγが挙げられ、例えば、Cγ1,Cγ2,Cγ3,Cγ4を、軽鎖としてはCκ、Cλを使用することができる。また、抗体又はその産生の安定性を改善するために、ヒト抗体の定常領域を修飾してもよい。ヒト化の際に用いられるヒト抗体は、IgG、IgM、IgA、IgE、IgD等いかなるアイソタイプのヒト抗体でもよいが、本発明においてはIgGを用いることが好ましく、さらにIgG1又はIgG4が好ましい。IgG1を選択する場合、重鎖定常領域にエフェクター機能を低減するためのアミノ酸変異を有することが好ましい。好ましいアミノ酸変異としては、Kabatのnumberingにおけるアミノ酸残基N297、L234、L235、D265、及び/又はP329において、N297G/A、L234A、L235A、D265A、及びP329Gなどの変異を挙げることができる。IgG1は、これらの変異のいずれか1つ又は複数の組合せを含んでいても良い。
【0046】
本発明のヒト化モノクローナル抗体は、好ましくは、配列番号12のアミノ酸配列の軽鎖定常領域及び配列番号11のアミノ酸配列の重鎖定常領域を有している。ただし、配列番号11のC末端のリジン又はC末端の2アミノ酸残基(グリシン‐リジン)は、存在していても、していなくてもよい。
【0047】
ヒト化モノクローナル抗体は一般的な製造方法により作製することができる(例えば、下記実施例4、WO95/14041号公報、WO96/02576号公報等参照)。具体的には、まずマウス抗体のCDRとヒト抗体のFRを連結するように設計した可変領域をコードするDNA配列を、末端部にオーバーラップする部分を有するように作製した数個のオリゴヌクレオチドからPCR法により合成する(WO98/13388号公報参照)。得られたDNAを、ヒト抗体の定常領域をコードするDNAと連結し、次いで発現ベクターに組み込む。又は、抗体の可変領域をコードするDNAを、抗体の定常領域のDNAを含む発現ベクターへ組み込んでもよい。本発明で使用される抗体を製造するには、抗体遺伝子を発現制御領域、例えば、エンハンサー/プロモーターの制御のもとで発現するよう発現ベクターに組み込む。次に、この発現ベクターにより宿主細胞を形質転換し、抗体を発現させることができる。
【0048】
上記の形質転換体の宿主細胞としては、例えば、COS細胞、CHO細胞等の脊椎動物細胞、原核細胞、酵母等が挙げられる。形質転換体は、当業者に周知の方法に従って培養することができ、該培養により、形質転換体細胞内又は細胞外に本発明のモノクローナル抗体が産生される。該培養に用いられる培地としては、採用した宿主細胞に応じて慣用される各種のものを適宜選択でき、例えば、COS細胞の場合、RPMI-1640培地やダルベッコ修正イーグル最小必須培地(DMEM)等の培地に、必要に応じウシ胎児血清(FBS)等の血清成分を添加したものを使用できる。該形質転換体の培養の際の培養温度は、細胞内のタンパク質合成能を著しく低下せしめない温度であればいずれでもよいが、好適には32~42℃、最も好適には37℃で培養することが好ましい。また必要に応じて、1~10%(v/v)の炭酸ガスを含む空気中で培養することができる。
【0049】
上記により形質転換体の細胞内又は細胞外に生産される本発明のモノクローナル抗体を含む画分は、該タンパク質の物理的性質や化学的性質等を利用した各種公知の分離操作法により、分離・精製することができる。かかる方法としては、具体的には例えば通常のタンパク質沈澱剤による処理、限外濾過、分子ふるいクロマトグラフィー(ゲル濾過)、吸着クロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィー、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)等の各種クロマトグラフィー、透析法、及びこれらの組み合わせ等を採用できる。該方法により、容易に高収率、高純度で本発明のモノクローナル抗体を製造できる。
【0050】
本発明のモノクローナル抗体又はその活性断片は、さらに、ポリエチレングリコール(PEG)、放射性物質、トキシン等の各種分子により修飾されていてもよい。抗体の修飾方法はこの分野で公知の方法を利用することができる。
【0051】
また本発明のモノクローナル抗体は、そのN末端あるいはC末端に他のタンパク質を融合してもよい(Clinical Cancer Research, 2004, 10, 1274-1281)。融合するタンパク質は当業者が適宜選択することができる。
【0052】
本発明のモノクローナル抗体又はその抗体断片を含有する医薬組成物(本発明の医薬組成物)は、経口的又は非経口的に全身あるいは局所的に投与することができる。非経口的投与としては、例えば、点滴等の静脈内注射、筋肉内注射、腹腔内注射、皮下注射、鼻腔内投与、吸入等を選択することができる。
【0053】
本発明の医薬組成物は、Nav1.7関連疾患の治療及び/又は予防のための医薬として非常に有用である。
Nav1.7関連疾患とは、疼痛、掻痒、神経原性炎症、咳等が挙げられる。
「疼痛」としては、急性疼痛、慢性疼痛、神経因性疼痛、炎症性疼痛、関節炎、骨関節炎、偏頭痛、群発頭痛症候群、三叉神経痛、疱疹性神経痛、全身性神経痛、神経変性疾患、運動障害、神経内分泌障害、失調症、敗血症、内臓痛、急性痛風、ヘルペス後神経痛、糖尿病性神経障害、座骨神経痛、背痛、頭部若しくは頸部の疼痛、激痛若しくは難治性疼痛、突発痛、手術後の痛み、遺伝性紅痛症、歯痛、鼻炎、がん疼痛、膀胱障害等が挙げられる。
「掻痒」としては、急性掻痒、慢性掻痒、ヒスタミン依存掻痒、ヒスタミン非依存掻痒等が挙げられる。
「神経原性炎症」は、喘息、関節炎、湿疹、頭痛、片頭痛、若しくは乾癬、又は前記の組合せに随伴し得る。
「咳」とは、病理性又は慢性の咳が挙げられる。
【0054】
本発明の医薬組成物の有効投与量は、一回につき体重1kgあたり0.01mgから100mgの範囲から選ばれる。あるいは、患者あたり5~5000mg、好ましくは10~500mgの投与量を選ぶことができる。しかしながら、本発明のモノクローナル抗体又はその抗体断片を含む医薬組成物はこれらの投与量に制限されるものではない。また、投与期間は、患者の年齢、症状により適宜選択することができる。本発明の医薬組成物は、投与経路次第で医薬的に許容される担体や添加物を共に含むものであってもよい。このような担体及び添加物の例として、水、医薬的に許容される有機溶媒、コラーゲン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、アルギン酸ナトリウム、水溶性デキストラン、ペクチン、メチルセルロース、エチルセルロース、カゼイン、ジグリセリン、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ワセリン、ヒト血清アルブミン(HSA)、マンニトール、ソルビトール、ラクトース、医薬添加物として許容される界面活性剤等が挙げられる。使用される添加物は、剤型に応じて上記の中から適宜あるいは組合せて選択されるが、これらに限定されるものではない。
【0055】
本発明のモノクローナル抗体又はその抗体断片は、他の有効成分若しくは他の有効成分を含む薬剤と組み合わせて、併用剤として投与されてもよい。他の有効成分は、例えば、オピオイド、COX-2阻害剤、局所麻酔剤、NMDAモジュレータ、カンナビノイド受容体アゴニスト、P2Xファミリーモジュレータ、VR1アンタゴニスト、サブスタンスPアンタゴニスト、抗てんかん薬(ガバペンチン、プレガバリン、トピラマート等)、三環系抗うつ薬(アミトリプチリン等)、セレコキシブ、サイトカイン阻害剤若しくはアンタゴニスト(IL-6、IL-6R、IL-18又はIL-18Rに対するアンタゴニスト等)、Nav1.8阻害剤、Nav1.9阻害剤、NGF阻害剤、Nav1.7阻害剤若しくはアンタゴニスト、Nav1.7に特異的な他の抗体、Nav1.7に対するポリペプチド性アンタゴニスト、siRNA、アンチセンス分子、低分子量薬剤、タンパク質/ポリペプチド性阻害剤等が挙げられる。
本発明のモノクローナル抗体又はその抗体断片と他の有効成分の併用剤は、1つの製剤中に両成分を配合した配合剤の形態で投与してもよく、また別々の製剤(本発明の医薬組成物と他の有効成分を含む薬剤)にして投与する形態をとってもよい。この別々の製剤にして投与する場合には、同時投与及び時間差による投与が含まれる。また、時間差による投与は、本発明の医薬組成物を先に投与し、他の薬剤を後に投与してもよいし、他の薬剤を先に投与し、本発明の医薬組成物を後に投与してもかまわず、それぞれの投与方法は同じでも異なっていてもよい。
【0056】
本発明は、本発明のモノクローナル抗体の重鎖可変領域及び/又は軽鎖可変領域をコードするポリヌクレオチドを包含する。本発明のモノクローナル抗体の重鎖可変領域をコードするポリヌクレオチドは、さらに、重鎖定常領域をコードしていてもよい。本発明のモノクローナル抗体の軽鎖可変領域をコードするポリヌクレオチドは、さらに、軽鎖定常領域をコードしていてもよい。また、本発明は、これらのポリヌクレオチドを少なくとも1つ含む発現ベクターを包含する。
【0057】
該ポリヌクレオチドは、本発明のモノクローナル抗体の重鎖可変領域又は軽鎖可変領域をコードする限り、特に限定されず、複数のデオキシリボ核酸(DNA)又はリボ核酸(RNA)等のヌクレオチドからなる重合体である。天然以外の塩基を含んでいてもよい。本発明のポリヌクレオチドは、抗体を遺伝子工学的な手法により製造するために使用することができる。また本発明のモノクローナル抗体と同等な機能を有する抗体をスクリーニングするために、プローブとして用いることもできる。即ち本発明のモノクローナル抗体をコードするポリヌクレオチド、又はその一部をプローブとして用い、ハイブリダイゼーション、遺伝子増幅技術(例えばPCR)等の技術により、該ポリヌクレオチドとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつ本発明のモノクローナル抗体と同等の活性を有する抗体をコードするDNAを得ることができる。このようなDNAも本発明のポリヌクレオチドに含まれる。
【0058】
ハイブリダイゼーション技術(Sambrook,J et al., Molecular Cloning 2nd ed., 9.47-9.58, Cold Spring Harbor Lab. press, 1989)は当業者によく知られた技術である。ハイブリダイゼーションの条件としては、例えば、低ストリンジェントな条件が挙げられる。低ストリンジェントな条件とは、ハイブリダイゼーション後の洗浄において、例えば42℃、0.1×SSC、0.1%SDSの条件であり、好ましくは50℃、0.1×SSC 、0.1%SDSの条件である。より好ましいハイブリダイゼーションの条件としては、高ストリンジェントな条件が挙げられる。高ストリンジェントな条件とは、例えば65℃、5×SSC及び0.1%SDSの条件である。これらの条件において、温度を上げる程に高い相同性を有するポリヌクレオチドが効率的に得られることが期待できる。但し、ハイブリダイゼーションのストリンジェンシーに影響する要素としては温度や塩濃度等複数の要素が考えられ、当業者であればこれら要素を適宜選択することで同様のストリンジェンシーを実現することが可能である。
【0059】
これらハイブリダイゼーション技術や遺伝子増幅技術により得られるポリヌクレオチドがコードする、本発明のモノクローナル抗体と機能的に同等な抗体は、通常、これら抗体とアミノ酸配列において高い相同性を有する。本発明のモノクローナル抗体には、本発明のモノクローナル抗体と機能的に同等であり、かつ該抗体のアミノ酸配列と高い相同性を有する抗体も含まれる。高い相同性とは、アミノ酸レベルにおいて、通常、少なくとも75%以上の同一性、好ましくは85%以上の同一性、さらに好ましくは95%以上の同一性を指す。ポリペプチドの相同性を決定するには、文献(Wilbur, W. J. and Lipman, D. J. Proc. Natl. Acad. Sci. USA(1983)80,726-730)に記載のアルゴリズムに従えばよい。
【0060】
本発明のモノクローナル抗体又はその抗体断片は、Nav1.7に特異的に結合するため、生体試料においてNav1.7を検出するために使用することができる。生体試料としては、血液、血漿、血清、尿、臓器、組織、骨髄、リンパ節等が挙げられる。そのため、本発明のモノクローナル抗体を含有するキットはNav1.7検出用キットとして利用可能である。該キットは、本発明のモノクローナル抗体又はその抗体断片を含み、さらに、標識二次抗体、標識の検出に必要な基質、担体、洗浄バッファー、試料希釈液、酵素基質、反応停止液、精製された標準物質としてのNav1.7タンパク質、使用説明書等を含んでいてもよい。
【0061】
本発明のモノクローナル抗体又はその抗体断片は、下記のいずれか、あるいは全ての優れた特徴を有している。
a)Nav1.7のドメインCのE3細胞外ループC末領域に強い結合活性を有する。
b)疼痛抑制に対する強い薬効を有する。
c)ヒト化後のヒトに対する免疫原性が低い。
d)ヒト化後の疼痛抑制に対する薬効の持続時間が長い。
e)他サブタイプである、hNav1.1、hNav1.2、hNav1.3、hNav1.4、hNav1.5、hNav1.6、hNav1.8及びhNav1.9のE3細胞外ループC末領域のエピトープ部位に相当するペプチドに対する選択性が極めて高い。
【実施例
【0062】
以下に本発明の実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらにより限定されるものではない。
【0063】
実施例1:Nav1.7抗体の調製
ヒトNav1.7(UniProtKB/Swiss-Prot:Q15858)のドメインC、E3細胞外ループC末領域に相当するペプチド(1424-QPKYEYSL(配列番号1)-1431;hCE3Cペプチド)を抗原として選定した。
hCE3CペプチドのN末にCys残基を付与したペプチド(CQPKYEYSL(配列番号2);Cys-hCE3C)を合成し(東レ株式会社製)、マレイミド化giant keyhole limpetsヘモシアニン(マレイミド化KLH、Thermo Scientific社製)に結合させ、免疫原を調製した。このペプチド-KLH複合体をフロイント完全アジュバントと共にA/J Jms Slc雌性マウスに免疫した。その後、追加でフロイント不完全アジュバントと共に5回免疫した。
最終免疫の3日後に脾臓を摘出し、脾臓細胞とマウスミエローマ細胞(p3×6363-Ag8.、東京腫瘤研究所)をPEG法で融合し、ヒポキサンチン、アミノプテリン及びチミジンを含む培地で選択した。ヒトNav1.7結合抗体は、ハイブリドーマの培養上清を用い、免疫原ペプチドに対するELISAを行うことで同定した。具体的には、抗マウスIgG抗体固相化プレートにハイブリドーマ培養上清を添加し、ELISA用洗浄バッファーで2回洗浄したあとに、ビオチン標識した免疫原ペプチド(Cys―hCE3C)とStreptavidin-HRP(PIERCE社製)を添加し4℃で一晩反応させた。ELISA用洗浄バッファーで2回洗浄し、TMB-Substrate Chromogen(サーモフィッシャーサイエンティフィック社製)を添加して発色させた後に、等量の0.5Nの硫酸で反応を停止し、450nmにおける吸光度を測定した。ELISAにおいて強い結合シグナルを示したハイブリドーマをクローン化し、樹立した。
【0064】
実施例2:抗体配列の決定
樹立したクローンのハイブリドーマ細胞より、常法に従ってマウスモノクローナル抗体15H11の重鎖可変領域及び軽鎖可変領域のアミノ酸配列を決定した(表1)。
【0065】
【表1】


【0066】
実施例3:抗体配列のアライメント
15H11の重鎖及び軽鎖のアミノ酸配列について抗体配列解析ソフトウェアabYsisを用いたKabat numberingを実施した(図1)。
【0067】
実施例4:抗体のヒト化
15H11について、下記の方法でヒト化を実施した。15H11の重鎖及び軽鎖のV遺伝子領域配列に類似したヒト生殖系アクセプター配列を配列解析ソフトAbYsisで検索し、選択した。またJ鎖領域については、マウス抗体DNA配列と相同性の高い配列をIMGT(http://www.imgt.org/)で複数検索し、ヒトフレームワーク配列とした。このヒトフレームワーク配列に対し、Kabat numbering(Wu,T.T.and Kabat,E.A.,J Exp.Med.Aug1;132(2):211-50.(1970))によって定義されたマウス抗体重鎖CDR1、CDR2、CDR3及びマウス抗体軽鎖CDR1,CDR2,CDR3を移植することで表2のヒト化抗体配列(CDR graft体)を設計した。なお、h15H11の定常領域には、重鎖にはhIgG4Pro(配列番号11)を、軽鎖にはhIgK(配列番号12)を用いた。ヒト化抗体配列 (CDR graft体)を、Expi293細胞を用いて培養上清中に発現させ、その上清中に存在する抗体について、後述する方法で単位IgG量あたりのエピトープペプチドに対する力価(ratio)を算出し、表2に示した。
上清中のIgG量は以下の方法により行った。上清中のIgG量を評価するために、抗ヒトIgG抗体(Jackson社製)固相化プレートに、培養上清を添加し室温で3時間反応させたのちに、ELISA用洗浄バッファーで2回洗浄し、HRP標識抗ヒトIgG抗体(Jackson社製)を4℃で一晩反応させた。ELISA用洗浄バッファーで2回洗浄し、TMB-Substrate Chromogen(サーモフィッシャーサイエンティフィック社製)を添加して発色させた後に、等量の0.5Nの硫酸で反応を停止し、450nmにおける吸光度を測定してODが1.0となる培養上清の希釈倍率(A)を算出した。
上清中IgGのエピトープペプチドに対する力価は以下の方法により行った。上清中のIgGのエピトープペプチドに対する力価を評価するために、抗ヒトIgG抗体(Jackson社製)固相化プレートに、培養上清を添加し室温で3時間反応させたのちに、ELISA用洗浄バッファーで2回洗浄し、ビオチン標識したエピトープペプチド(Cys-CE3C long:配列番号13)とStreptavidin-HRP(PIERCE社製)を添加し4℃で一晩反応させた。ELISA用洗浄バッファーで2回洗浄し、TMB-Substrate Chromogen(サーモフィッシャーサイエンティフィック社製)を添加して発色させた後に、等量の0.5Nの硫酸で反応を停止し、450nmにおける吸光度を測定し、ODが1.0となる培養上清の希釈倍率(B)を算出した。
単位IgG量あたりのエピトープペプチド(Cys-CE3C long:配列番号13)に対する力価(ratio)は、(B)/(A)として算出した。表2の結果から、ヒト化15H11の軽鎖ヒトフレームワーク配列としてはIGKV7-3、重鎖ヒトフレームワーク配列としてはIGHV7-4-1(R94P)、IGHV1-2(R94P)、IGHV1-18(R94P)、IGHV1-3(R94P)が適していることが分かった。
【0068】
【表2】


【0069】
さらに、ヒト化抗体配列 (CDR graft体)のヒトフレームワーク配列に変異を導入(バックミューテーション)することで、マウス抗体である15H11とほぼ同等の親和性になるようにエピトープペプチドに対する親和性の回復を試みた。IGKV7-3及びIGHV7-4-1(R94P)を用い、軽鎖について、表3に示す箇所にバックミューテーションを導入した変異体を作製し、実施例5に示す方法でエピトープペプチドに対する親和性を評価したところ、Y36F(KabatのnumberingによるL36アミノ酸部位がYからFに変異導入されたとの意味であり、以下同様である。)が明確な親和性向上を、T72S、T74N、V78Mが弱い親和性向上傾向を示した。表3において〇は明確な親和性向上を、△は弱い親和性向上を、×は親和性向上が見られないことを意味する。
【0070】
【表3】
【0071】
また、マウス抗体である15H11を用いて、軽鎖について、表4に示す箇所にヒト化変異を導入した変異体を作製したところ、F36Yが明確な親和性低下を、M85Nが弱い親和性低下傾向を示した。表4において〇は明確な親和性低下を、△は弱い親和性低下を、×は親和性低下が見られないことを意味する。
【0072】
【表4】

【0073】
さらに、IGKV7-3及びIGHV1-2(R94P)を用い、重鎖について、表5に示す箇所にバックミューテーションを導入した変異体を作製したところ、Q43R、G44Sが明確な親和性向上を示した。表5において〇は明確な親和性向上を、×は親和性向上が見られないことを意味する。
【0074】
【表5】

【0075】
上述の結果から、軽鎖についてY36F、V78M、N85M、T72S、T74Nを、重鎖についてQ43R、G44S、R94Pを選択し、それらを組み合わせた変異体を表6のとおり作製し、そのエピトープペプチド(Cys-CE3C long:配列番号13)に対する親和性を評価した。マウス15H11の親和性に対する各変異体の親和性の割合をFold change (FC;変異体の親和性(IC50)/マウス15H11の親和性(IC50))として計算した結果、マウス15H11の親和性に近い親和性を得るために必要な重鎖バックミューテーションとしてQ43R, G44S, R94Pを、軽鎖バックミューテーションとしてY36F, V78Mを同定した。h15H11 (IGHV7-4-1 Q43R, G44S, R94P/IGKV7-3 Y36F, V78M)、h15H11 (IGHV1-2 Q43R, G44S, R94P/IGKV7-3 Y36F, V78M)についてin vivo薬効評価モデルで評価した結果、双方ともに強力な薬理効果、すなわち疼痛抑制作用を示した。なお、これらの薬理効果はWO2019/230856の実施例7に記載の方法により測定することができる。
【0076】
【表6】
【0077】
実施例5:親和性評価
本明細書の実施例4、6及び7で、抗体のエピトープペプチド(Cys-CE3C long:配列番号13)に対する親和性を以下に示す競合ELISA法により測定した。
抗ヒトIgG抗体固相化プレートに、取得したリコンビナントヒト化抗体の希釈液とビオチン標識した免疫原ペプチドとStreptavidin-HRP(PIERCE社製)を添加し4℃で一晩反応させた。ELISA用洗浄バッファーで2回洗浄し、TMB-Substrate Chromogen(サーモフィッシャーサイエンティフィック社製)を添加して発色させた後に、等量の0.5Nの硫酸で反応を停止し、450nmにおける吸光度を測定し、ODが1.1となるそれぞれのリコンビナントヒト抗体の希釈倍率を算出した。次にその希釈倍率のリコンビナントヒト抗体とビオチン標識した免疫原ペプチドとStreptavidin-HRP(PIERCE社製)を添加した。これと同時に未標識の免疫原ペプチドの希釈系列を添加し、4℃で一晩反応させた。ELISA洗浄液で2回洗浄後、TMB-Substrate Chromogen(サーモフィッシャーサイエンティフィック社製)を添加して発色させた後に、等量の0.5Nの硫酸で反応を停止し、450nmにおける吸光度を測定した。ビオチン標識ペプチドのシグナルを2分の1に減弱する未標識ペプチドの濃度を親和性(IC50)とした。
【0078】
実施例6:ヒト化15H11の結合に重要なアミノ酸の特定
実施例4で作製したヒト化抗体h15H11 (重鎖可変領域:IGHV7-4-1 Q43R, G44S, R94P(配列番号25)/軽鎖可変領域:IGKV7-3 Y36F, V78M(配列番号28))について抗体配列解析ソフトabYsisを用いてKabatのnumbering及びCDRの定義を実施した。この結果を図2に示す。ヒト化15H11の結合に重要なアミノ酸の特定するために、h15H11 (重鎖可変領域:IGHV7-4-1 Q43R, G44S, R94P(配列番号25)/軽鎖可変領域:IGKV7-3 Y36F, V78M(配列番号28))を基本骨格とし、15H11の各CDR配列(配列番号4~6、配列番号8~10、以下、野生型CDRという。)に点変異を導入した変異体を作製した。その親和性を実施例5に記載した方法で算出し、野生型CDRの親和性(IC50)に対する各CDR変異体の親和性(IC50)の比(CDR変異体のIC50/野生型CDRのIC50)をFold change (FC)として算出した。重鎖の結果を表7に、軽鎖の結果を表8に示す。n.d.はnot detectableを意味する。その結果、重鎖のM34、A101及び軽鎖のQ90、P95、W96はそのアミノ酸を他のアミノ酸に置換すると、このペプチドに対する結合活性が検出限界以下となった。このことから、軽鎖のQ90、P95、W96及び重鎖のM34、A101は結合に特に重要なアミノ酸であると考えられる。また、重鎖のN33、N52、I57、F63、S95、Y96、G98及び、軽鎖のF32、N34、Q89、S91、F94はそのアミノ酸を他のアミノ酸に置換すると1.5倍以上親和性が低下した。このことから、軽鎖のF32、N34、Q89、S91、F94、重鎖のN33、N52、I57、F63、S95、Y96、G98は、結合に重要なアミノ酸であると考えられる。
【0079】
【表7】
【0080】
【表8】

【0081】
実施例7 抗体の親和性向上
15H11の親和性向上体を作製する目的で、実施例6において、FC>1.5を示し抗体の親和性向上に寄与していると同定されたアミノ酸及び、FC<1を示した抗体の親和性向上に寄与する可能性のあるアミノ酸を中心に実施例4のヒト化抗体h15H11 (重鎖可変領域:IGHV7-4-1 Q43R, G44S, R94P(配列番号25)/軽鎖可変領域:IGKV7-3 Y36F, V78M(配列番号28))を野生型抗体(h15H11-wt)として、いずれかのCDRにアミノ酸変異を有する種々の変異体を作製した。実施例5に記載の方法で、親和性評価を実施し、表9及び表10に示す43種の親和性向上体(h15H11-1~43)を得た。
【0082】
【表9】
【0083】
【表10】
【0084】
表11及び12に、表9及び10に記載の各抗体の各CDRの配列番号を記載する。
【0085】
【表11】
【0086】
【表12】

【0087】
なお、表9~表12に記載の抗体の各CDR配列はその共通性から以下のようにまとめて表現することができる。
重鎖のCDR1は、Xaa1-Y-N-M-H(ここでXaa1はD又はEである:配列番号75)の5アミノ酸から構成される。
重鎖のCDR2は、R-I-N-P-K-N-G-V-I-Xaa1-Xaa2-N-E-K-F-K-D(ここでXaa1はN、L、Q又はKであり、Xaa2はS、L又はYである:配列番号76)の17アミノ酸から構成される。
重鎖のCDR3は、S-Y-Xaa1-G-G-Xaa2-Xaa3-D-A-Y(ここでXaa1はY又はFであり、Xaa2はN、D、Q又はKであり、Xaa3はT、D、S又はQである:配列番号77)の10アミノ酸から構成される。
軽鎖のCDR1は、R-Xaa1-S-Xaa2-S-V-D-N-Y-G-Xaa3-S-F-Xaa4-N(ここでXaa1は、A又はVであり、Xaa2はE又はDであり、Xaa3はI又はFであり、Xaa4はM又はLである:配列番号78)の15アミノ酸から構成される。
軽鎖のCDR2は配列番号9の7アミノ酸から構成される。
軽鎖のCDR3は配列番号10の9アミノ酸から構成される。
【0088】
実施例8 変異体作製
実施例7で作製したh15H11-2(重鎖可変領域:IGHV7-4-1 Q43R, G44S, N58L, N100D, T100aD, R94P(配列番号33)/軽鎖可変領域:IGKV7-3 E27D, M33L, Y36F, V78M(配列番号55))の軽鎖ヒトフレームワーク配列に種々の変異を導入した変異体(h15H11-44~54)を作製した。作製した変異体について、実施例5に記載の方法で、親和性評価を実施した。得られた結果を表13に示す。
IGHV7-4-1 Q43R, G44S, N58L, N100D, T100aD, R94P(配列番号33)で表される重鎖可変領域及び実施例3で作製したIGKV4-1(配列番号18)で表される軽鎖可変領域を有する変異体を作製した。作製した変異体の軽鎖ヒトフレームワーク配列に種々の変異を導入した新たな変異体(h15H11-55~67)を作製し、実施例5に記載の方法で、親和性評価を実施した。得られた結果を表14に示す。
【0089】
【表13】
【0090】
【表14】
【0091】
表13及び表14に記載の各抗体の各CDRの配列番号を示す。h15H11-44~h15H11-54、h15H11-58~h15H11-67は、配列番号4の重鎖CDR1配列、配列番号59の重鎖CDR2配列及び配列番号64の重鎖CDR3配列並びに配列番号72の軽鎖CDR1配列、配列番号9の軽鎖CDR2配列及び配列番号10の軽鎖CDR3配列を有する。h15H11-55~h15H11-57は、配列番号4の重鎖CDR1配列、配列番号59の重鎖CDR2配列及び配列番号64の重鎖CDR3配列並びに配列番号8の軽鎖CDR1配列、配列番号9の軽鎖CDR2配列及び配列番号10の軽鎖CDR3配列を有する。表15にも同様の内容を記す。
【0092】
【表15】

【0093】
なお、表13及び表14に記載の抗体の重鎖可変領域配列は配列番号33で表され、各軽鎖可変領域配列はその共通性から以下のようにまとめて表現することができる。
h15H11-44~h15H11-53の軽鎖可変領域配列は、配列番号55(IGKV7-3(E27D, M33L, Y36F, V78M))のKabat numberingによるN81位のアミノ酸残基がE、A、Q、F、L、V、I、D、R又はGに置換されている配列からなる。
h15H11-58~h15H11-65の軽鎖可変領域配列は、配列番号95(IGKV4-1(E27D, M33L, Y36F, L78M))のKabat numberingによる76、77、79、83及び85位の1~5のアミノ酸が変異していてもよい配列と表現される。
【0094】
実施例9 薬効評価
(9-1)ラット坐骨神経部分結紮モデル(Partial Sciatic Nerve Ligationモデル)の作製
イソフルラン麻酔下にて、ラットの左側の大腿上部の皮膚を切開し、筋を割いて坐骨神経を露出させた。坐骨神経の約半分をナイロン糸で強く結紮し、筋及び皮膚を縫合した。これを手術側とした。右肢については坐骨神経結紮以外の同様の処置を行い、偽手術側とした。
【0095】
(9-2)静脈内投与による薬効評価
(9―1)で作成したラットを用いて、手術の約2週間後、フォンフライフィラメントにより機械的アロディニアに対する作用を評価した。金網上に載せたプラスチック製ケージにラットを入れ、馴化後に評価を実施した。抗体の投与前後に、金網側からラットの足底にフォンフライフィラメント(0.4~26g)を用いて、細いフィラメントから順に押し当て、ラットが逃避行動を示す最小のフィラメントの圧値を疼痛閾値とした。左右の後肢について疼痛閾値を評価した。手術後の疼痛閾値が0.6~2g、かつ偽手術側の疼痛閾値が8~15gの動物を薬効評価に採用した。抗体を生理食塩水にて5、15、50mg/kgになるよう調製し静脈内投与した。投与5時間後、左右後肢の疼痛閾値を評価した。下記の方法により%reversal値を算出し、化合物の疼痛抑制効果として比較した。
%reversal値=(手術側投与後の疼痛閾値の対数-手術側投与前の疼痛閾値の対数)/(偽手術側投与前の疼痛閾値の対数-手術側投与前の疼痛閾値の対数)
特許文献8の実施例4に記載のh12H4と本発明に包含されるh15H11-66の結果を図3に示す。h15H11-66は、5mg/kgの静脈内投与により、疼痛に対して有意な薬効を示した。h15H11-66の5mg/kgの静脈内投与は、h12H4の50mg/kgの静脈内投与と同程度の疼痛抑制効果を示した。
【産業上の利用可能性】
【0096】
本発明のモノクローナル抗体又はその抗体断片は、生体試料においてNav1.7を検出するために使用することができる。さらに、本発明のモノクローナル抗体又はその抗体断片を含む医薬組成物は、Nav1.7関連疾患の治療又は予防のための医薬として非常に有用である。
図1
図2
図3
【配列表】
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