(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-21
(45)【発行日】2024-03-29
(54)【発明の名称】呼出予約管理システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/02 20120101AFI20240322BHJP
G06Q 50/10 20120101ALI20240322BHJP
【FI】
G06Q10/02
G06Q50/10
(21)【出願番号】P 2019211874
(22)【出願日】2019-11-22
【審査請求日】2022-10-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114971
【氏名又は名称】青木 修
(72)【発明者】
【氏名】李 鋒
【審査官】庄司 琴美
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-082986(JP,A)
【文献】特許第6535793(JP,B1)
【文献】特開2019-114206(JP,A)
【文献】特開2002-109342(JP,A)
【文献】特開2005-050002(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
施設への入場待ちをしているユーザーの呼出順番が到来したときの呼び出しについての待ち行列のデータ管理をする管理サーバーと、
前記施設に設けられた呼出予約受付端末装置とを備え、
前記呼出予約受付端末装置は、前記ユーザーによる呼出予約およびユーザー
所望の猶予時間を受け付けて前記管理サーバーに通知し、
前記管理サーバーは、(a)複数の猶予時間に対応する複数の待ち行列から、前記呼出予約とともに指定された前記猶予時間に対応する待ち行列を選択し、(b)選択した前記待ち行列に当該呼出予約を登録し、(c)前記待ち行列において前記ユーザーの呼出順番が到来したときに、呼出通知を前記ユーザーの携帯端末装置に送信し、(d)前記呼出通知の送信から前記猶予時間が経過するまで、前記施設への前記ユーザーの入場を許可すること、
を特徴とする呼出予約管理システム。
【請求項2】
前記管理サーバーは、前記複数の待ち行列のそれぞれについて、前記待ち行列に対応する呼出速度で、前記待ち行列における先頭のユーザーを呼出順番が到来したユーザーとして選択し、
前記呼出速度は、前記複数の待ち行列ごとに異なり、前記猶予時間の長い待ち行列ほど、低く設定されること、
を特徴とする請求項1記載の呼出予約管理システム。
【請求項3】
前記呼出予約受付端末装置は、前記呼出予約を受け付ける前に、前記複数の待ち行列のそれぞれについての現時点の待ち人数、および前記複数の待ち行列のそれぞれについての前記呼出速度を前記管理サーバーから取得し、前記ユーザーに対して、取得した前記待ち人数および前記呼出速度を表示することを特徴とする請求項2記載の呼出予約管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、呼出予約管理システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
ある予約システムは、特定の時間帯に対するテーマパーク内のアトラクションの事前予約を可能にしている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
また、あるメッセージ通知システムは、来場者が施設の入場予約をした場合、現時点からの待ち時間を導出し、その待ち時間を来場者のメッセージ受信手段に通知し、さらに、ている(例えば特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2005-309885号公報
【文献】特開平9-204581号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述のシステムでは、いずれも、予約した時刻が到来するときに、アトラクションなどの施設に待機していなければならず、その予約時刻に間に合わなかった場合、その施設を利用できない。
【0006】
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、ユーザーが、呼び出し後の入場可能時間(以下、猶予時間という)を選択可能としつつ、多くのユーザーを適切に施設に入場させる呼出予約管理システムを得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る呼出予約管理システムは、施設への入場待ちをしているユーザーの呼出順番が到来したときの呼び出しについての待ち行列のデータ管理をする管理サーバーと、前記施設に設けられた呼出予約受付端末装置とを備える。前記呼出予約受付端末装置は、前記ユーザーによる呼出予約およびユーザー所望の猶予時間を受け付けて前記管理サーバーに通知する。前記管理サーバーは、(a)複数の猶予時間に対応する複数の待ち行列から、前記呼出予約とともに指定された前記猶予時間に対応する待ち行列を選択し、(b)選択した前記待ち行列に当該呼出予約を登録し、(c)前記待ち行列において前記ユーザーの呼出順番が到来したときに、呼出通知を前記ユーザーの携帯端末装置に送信し、(d)前記呼出通知の送信から前記猶予時間が経過するまで、前記施設への前記ユーザーの入場を許可する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、ユーザーが、呼び出し後の猶予時間を選択可能としつつ、多くのユーザーを適切に施設に入場させる呼出予約管理システムが得られる。
【0009】
本発明の上記又は他の目的、特徴および優位性は、添付の図面とともに以下の詳細な説明から更に明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、本発明の実施の形態に係る呼出予約管理システムの構成を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、
図1に示す呼出予約管理システムにおけるある施設の複数の呼出予約の待ち行列の一例を示す図である。
【
図3】
図3は、
図1に示す呼出予約管理システムの、呼出予約登録時の動作について説明するシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
【0012】
図1は、本発明の実施の形態に係る呼出予約管理システムの構成を示すブロック図である。
図1に示す呼出予約管理システムは、管理サーバー1、1または複数の携帯端末装置2、および1または複数の呼出予約受付端末装置3を備える。
【0013】
管理サーバー1は、ネットワーク4に接続されており、ネットワーク4に接続されている各ユーザー(テーマパークの来場者など)の携帯端末装置2および各施設(テーマパーク内のアトラクションなど)の呼出予約受付端末装置3とのデータ通信が可能である。
【0014】
ネットワーク4は、インターネットなどのWAN(Wide Area Network)、LAN(Local Area Network)などである。
【0015】
携帯端末装置2は、各ユーザーが携帯している端末装置(スマートフォンなど)であって、携帯電話通信網を介してネットワーク4に接続したり、公衆無線LANを介してネットワーク4に接続したりすることが可能となっている。
【0016】
携帯端末装置2は、各種画面を表示する、液晶ディスプレイなどといった表示装置、ユーザー操作を受け付ける、マウス、キーボードなどといった入力装置、GPS(Global Positioning System)などで現在位置を検出する位置検出装置などを備える。例えば、携帯端末装置2は、コンピューターを内蔵し、そのコンピューターに、ユーザーインターフェイス、管理サーバー1と通信する通信処理部などとして機能するアプリケーションがインストールされる。
【0017】
呼出予約受付端末装置3は、各施設に設けられたキオスク端末などといった端末装置であり、ユーザーによる呼出予約およびユーザー所望の猶予時間を受け付けて、ネットワーク4を介して管理サーバー1に通知する。
【0018】
図1に示す管理サーバー1は、各施設について、複数の呼び出し待ち行列を管理し、呼び出し待ち行列で呼出順番が到来したユーザーの携帯端末装置2に、呼出通知を送信する。管理サーバー1は、ユーザー呼び出し(施設への入場待ちをしているユーザーの呼出順番が到来したときの呼び出し)の待ち行列のデータ管理をする。
【0019】
管理サーバー1は、通信装置11、記憶装置12、および演算処理装置13を備える。
【0020】
通信装置11は、ネットワーク4に接続可能なネットワークインターフェイスなどの装置である。
【0021】
記憶装置12は、ハードディスクドライブ、SSD(Solid State Drive)、ディスクアレイなどの不揮発性の記憶装置である。
【0022】
演算処理装置13は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)などを含むコンピューターを備え、各種プログラムをRAMにロードして実行し、各種処理部として動作する。
【0023】
記憶装置12には、図示せぬサーバープログラムが格納されている。また、記憶装置12には、ユーザーデータ21および待ち行列データ22が格納される。
【0024】
ユーザーデータ21は、ユーザーID、ユーザー個人情報(氏名、電話番号など)、当該ユーザーの携帯端末装置2のデバイスID(各種通知の宛先)などを含む。
【0025】
演算処理装置13は、上述のサーバープログラムを実行することで、フロントエンド処理部31、待ち行列管理部32、およびデータベースサーバー33として動作する。
【0026】
フロントエンド処理部31は、通信装置11を使用して、携帯端末装置2および呼出予約受付端末装置3との間で所定のプロトコルでデータ通信を行い、(a)各種要求を受信しその要求に対応する応答を送信したり、(b)各種要求を送信しその要求に対応する応答を受信したり、(c)通知を送信したりする。
【0027】
待ち行列管理部32は、通信装置11およびフロントエンド処理部31で、呼出予約の通知が呼出予約受付端末装置3から受信されると、(a)複数の猶予時間に対応する複数の待ち行列から、その呼出予約とともに指定された猶予時間に対応する待ち行列を選択し、(b)選択した待ち行列に当該呼出予約を登録し、(c)待ち行列においてユーザーの呼出順番が到来したときに、呼出通知をユーザーの携帯端末装置2に送信し、(d)呼出通知の送信から猶予時間が経過するまで、その施設へのそのユーザーの入場を許可する。
【0028】
例えば、待ち行列管理部32は、通信装置11などを使用して、施設の図示せぬ入場ゲート(例えば物理的な開閉ゲート、その開閉ゲートを制御するコントローラーなどを備えた設備)などに対して、入場を許可するユーザーのユーザーIDおよび猶予時間を送信し、入場ゲートなどは、そのユーザーIDについて猶予時間が経過するまで、そのユーザーの入場を物理的に許可し、その猶予時間が経過すると、そのユーザーの入場を物理的に禁止する。なお、入場ゲートなどは、ユーザーがユーザーIDを提示して入場した後、そのユーザーIDを待ち行列管理部32に通知し、待ち行列管理部32は、あるユーザーについての猶予時間が経過するまでにそのユーザーが入場しなかった場合(つまり、入場したユーザーのユーザーIDの通知がなかった場合)、待ち行列における次の順番の呼出(ユーザーID)をただちに選択し呼出を実行する。
【0029】
なお、猶予時間は、呼出予約受付端末装置3でユーザーが呼出予約の情報(ユーザーIDなど)を入力する際に合わせて選択され、呼出予約とともに管理サーバー1(待ち行列管理部32)に通知される。
【0030】
待ち行列管理部32は、上述の複数の待ち行列のそれぞれについて、待ち行列に対応する呼出速度(所定時間あたりの呼出人数)で、待ち行列における先頭のユーザーを(FIFO(First-In First-Out)の順番で)呼出順番が到来したユーザーとして選択し、選択したユーザーの携帯端末装置2(そのデバイスID)を特定し、通信装置11を使用して、特定した携帯端末装置2(そのデバイスID)に呼び出し通知を送信する。
【0031】
ここで、この呼出速度は、上述の複数の待ち行列ごとに異なり、猶予時間の長い待ち行列ほど、低く設定される。なお、呼出速度は、施設の混雑状況(例えば、待ち行列内の待ち人数)などに応じて変更可能となっている。
【0032】
また、呼出予約受付端末装置3は、呼出予約を受け付ける前に(例えば定期的に)、上述の複数の待ち行列のそれぞれについての現時点の待ち人数、および複数の待ち行列のそれぞれについての現時点の呼出速度を、ネットワーク4を介して管理サーバー1から取得し、ユーザーに対して、取得した待ち人数および呼出速度を表示する。これにより、ユーザーは、各猶予時間についての待ち人数および呼出速度を確認してから、猶予時間を選択し呼出予約を行うことができる。
【0033】
データベースサーバー33は、SQLなどのプロトコルに従って各種要求を受け付け、その要求に従って、データ21,22を含むデータベースに対するデータベース操作を行う。
【0034】
図2は、
図1に示す呼出予約管理システムにおけるある施設におけるユーザー呼び出しのための複数の待ち行列の一例を示す図である。
【0035】
例えば
図2に示す例では、猶予時間5分で呼出速度1人/4分の待ち行列Q1と、猶予時間15分で呼出速度1人/10分の待ち行列Q2と、猶予時間30分で呼出速度1人/20分の待ち行列Q3とが設定されている。例えば、待ち行列Q1に登録されている呼出(呼び出すべきユーザー)は、4分ごとに先頭から順番に選択され、新たに登録される呼出は最後尾に追加される。他の待ち行列Q2,Q3についても同様に管理される。
【0036】
次に、上記呼出予約管理システムの動作について説明する。
【0037】
(a)呼出予約登録時の動作
【0038】
図3は、
図1に示す呼出予約管理システムの、呼出予約登録時の動作について説明するシーケンス図である。
【0039】
各施設の呼出予約受付端末装置3は、当該施設についての複数の猶予時間に対応する待ち行列についての、現状の待ち人数および呼出速度を表示している(ステップS1)。
【0040】
ユーザーは、所望の施設の場所に行き、呼出予約受付端末装置3で、現状の待ち人数および呼出速度を確認した後、所望の猶予時間を入力するとともに、呼出予約(ユーザーIDを含む)を入力する。
【0041】
その呼出予約受付端末装置3は、その呼出予約の入力および猶予時間の入力を受け付けると(ステップS2)、その呼出予約(当該呼出予約受付端末装置3の施設の施設IDおよびそのユーザーのユーザーIDを含む)および猶予時間を管理サーバー1へ通知する(ステップS3)。
【0042】
管理サーバー1の待ち行列管理部32は、その呼出予約および猶予時間の通知を受け付けると、その通知に基づいて、施設ID、ユーザーID、および猶予時間を特定し(ステップS4)、その施設IDに対応して設定されている複数の猶予時間に対応する待ち行列から、指定された猶予時間に対応する待ち行列を選択し、選択した待ち行列に、呼出(つまり、呼出対象のユーザーのユーザーID)を登録する(ステップS5)。
【0043】
(b)ユーザー呼出動作
【0044】
管理サーバー1の待ち行列管理部32は、各待ち行列に設定されている呼出速度に対応する時間間隔で、各待ち行列の先頭の呼出(つまり、ユーザーID)を選択し、選択した呼出のユーザーIDに対応するユーザーの携帯端末装置2のデバイスIDをユーザーデータ21で特定し、特定したデバイスIDに宛てて、呼出通知を送信する。
【0045】
携帯端末装置2は、その呼出通知を受信すると、呼出通知のメッセージ(施設名、猶予時間などを含む)を表示したり、所定の音響を出力したりする。ユーザーは、呼出通知に気づくと、施設の場所に行き、猶予時間が経過する前に入場する。
【0046】
以上のように、上記実施の形態によれば、管理サーバー1は、ユーザーが施設への入場待ち状態においてユーザーの呼出順番が到来したときの呼び出しについての待ち行列データを管理する。その施設には呼出予約受付端末装置3が設けられている。呼出予約受付端末装置3は、ユーザーによる呼出予約を受け付けて管理サーバー1に通知する。そして、管理サーバー1は、(a)複数の猶予時間に対応する複数の待ち行列から、呼出予約で指定される猶予時間に対応する待ち行列を選択し、(b)選択した待ち行列に当該呼出予約を登録し、(c)待ち行列においてユーザーの呼出順番が到来したときに、呼出通知をユーザーの携帯端末装置2に送信し、(d)呼出通知の送信から猶予時間が経過するまで、その施設へのそのユーザーの入場を許可する。
【0047】
これにより、ユーザーが、呼び出し後の猶予時間を選択可能としつつ、多くのユーザーを適切に施設に入場させることができる。つまり、多くのユーザーが物理的な待ち行列を施設の入場口に形成することなく、適切な順番でかつ各ユーザー所望の猶予時間で、各ユーザーに入場許可を出すことができる。
【0048】
なお、上述の実施の形態に対する様々な変更および修正については、当業者には明らかである。そのような変更および修正は、その主題の趣旨および範囲から離れることなく、かつ、意図された利点を弱めることなく行われてもよい。つまり、そのような変更および修正が請求の範囲に含まれることを意図している。
【産業上の利用可能性】
【0049】
本発明は、例えば、所定施設に来場したユーザーのための呼出予約管理システムに適用可能である。
【符号の説明】
【0050】
1 管理サーバー
2 携帯端末装置
3 呼出予約受付端末装置