(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-21
(45)【発行日】2024-03-29
(54)【発明の名称】自転車
(51)【国際特許分類】
B62K 5/06 20060101AFI20240322BHJP
B62K 5/10 20130101ALI20240322BHJP
【FI】
B62K5/06
B62K5/10
(21)【出願番号】P 2019215666
(22)【出願日】2019-11-28
【審査請求日】2022-10-17
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】弁理士法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】菅 祐司
【審査官】福田 信成
(56)【参考文献】
【文献】特開昭53-098641(JP,A)
【文献】特開2012-006539(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第110254156(CN,A)
【文献】特開2011-025877(JP,A)
【文献】特開2015-054584(JP,A)
【文献】登録実用新案第3179304(JP,U)
【文献】米国特許第04546997(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62K 5/06
B62K 5/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フレームと、
少なくとも一つの前車輪と、
少なくとも二つの後車輪とを備える自転車であって、
前記フレームは、
前記一つの前車輪が取り付けられた前部フレームと、
前記二つの後車輪が取り付けられた後部フレームと、
前記前部フレームと前記後部フレームとを相対回転可能に連結した連結部材と、
を有し、
利用者が前記自転車に乗っている状態では、前記相対回転を規制せず、かつ、利用者が前記自転車に乗っていない状態では、前記相対回転を規制する回転規制機構を更に備えると共に、
前記前部フレームに取り付けられたサドルを更に備え、
前記回転規制機構は、前記サドルに対して所定荷重以上の荷重が加わった状態では、前記連結部材の前記相対回転を規制せず、かつ、前記サドルに前記所定荷重以上の荷重が加わっていない状態では、前記連結部材の前記相対回転を規制する、
自転車。
【請求項2】
前記前部フレームは、前記サドルに対して前記所定荷重以上の荷重が加わった際に、前記連結部材に対して、平面視において前後方向と交差する方向に延びる回転軸を中心に回転するように構成されており、
前記回転規制機構は、
前記前部フレームに取り付けられ、前記前部フレームが前記連結部材に対して前記回転軸を中心に回転した際に、前記前部フレームと連動する回転規制部材と、
前記回転規制部材に対して弾性力を付与する弾性部材とを有し、
前記回転規制部材は、前記サドルに対して前記所定荷重以上の荷重が加わった際に、前記弾性部材の弾性力に抗して前記相対回転を規制しない非規制位置に配され、前記サドルに対して前記所定荷重以上の荷重が加わらなくなった際に、前記弾性部材の弾性力によって前記相対回転を規制する規制位置に配される、
請求項1に記載の自転車。
【請求項3】
前記回転規制部材は、
前記連結部材及び前記前部フレームに取り付けられ、前記前部フレームが前記回転軸を中心に回転した際に、前記前部フレームと連動する第1部材と、
前記連結部材及び前記第1部材に取り付けられ、前記第1部材と連動して前記連結部材の前記後部フレームに対する回転を規制する第2部材とを有し、
前記弾性部材は、
前記第1部材に対して弾性力を付与する第1弾性部材と、
前記第2部材に対して弾性力を付与する第2弾性部材とを有した、
請求項2に記載の自転車。
【請求項4】
利用者が前記自転車に乗っているか否かを検知するための検知部として、前記回転規制部材から力を受けて接点の切り換えを行う検出用スイッチを更に備えた、
請求項2又は請求項3に記載の自転車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、自転車に関し、詳しくは、少なくとも一つの前車輪と、少なくとも二つの後車輪とを備えた自転車に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、自転車が開示されている。この自転車では、前輪が設けられた前フレームが、左右一対の後輪が設けられた後フレームに対して、左右両側に揺動可能である。このため、カーブを曲がる等の旋回走行時において、前フレームが後フレームに対して傾くことで、スムーズな走行を行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した自転車では、例えば、利用者が自転車から降りた降車時において、自転車に対して荷物の載せ下ろし等を行ったときに、前フレームが後フレームに対して揺動する可能性がある。この場合、利用者は、例えば、前フレームを傾かないように支持しながら荷物等の載せ下ろしの作業を行う必要があり、作業がし難くなる可能性がある。また、利用者が自転車を押しながら歩く場合にも、前フレームが後フレームに対して揺動せずに固定されている方が行いやすい。
【0005】
ここで、上述した自転車では、前フレームを後フレームに対してボルトにより固定することで、前フレームの左右への揺動を阻止できるように構成されている。しかし、ボルトにより前フレームを後フレームに固定する作業を行うことは手間を要する。
【0006】
本開示は上記事由に鑑みてなされており、降車時において前部フレームの後部フレームに対する回転を規制することができ、かつ、利便性に優れた自転車を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様に係る自転車は、フレームと、少なくとも一つの前車輪と、少なくとも二つの後車輪とを備える。前記フレームは、前記一つの前車輪が取り付けられた前部フレームと、前記二つの後車輪が取り付けられた後部フレームと、前記前部フレームと前記後部フレームとを相対回転可能に連結した連結部材とを有する。自転車は、回転規制機構を更に備える。回転規制機構は、利用者が自転車に乗っている状態では、前記相対回転を規制せず、かつ、利用者が前記自転車に乗っていない状態では、前記相対回転を規制する。
【発明の効果】
【0008】
前記一態様に係る自転車は、利用者が自転車から降りた降車時において、前部フレームの後部フレームに対する回転を規制することができ、かつ、利便性に優れる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、一実施形態に係る自転車の側面図である。
【
図4】
図4は、同上の自転車の後部の断面図である。
【
図6】
図6は、同上の自転車の回転規制部材を非規制位置に配した状態を示した
図5に対応する断面図である。
【
図7】
図7は、同上の後部フレームの一部を省略して示した平面図である。
【
図9】
図9は、同上の自転車が備える抵抗力発生装置を示した背面図である。
【
図11】
図11は、変形例1の自転車が備える制動装置を示した背面図である。
【
図14】
図14は、同上の自転車におけるハブモータの縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(1)実施形態
(1.1)概要
図1に示すように、自転車1は、フレーム2と複数の車輪91,92とを備えている。複数の車輪91,92は、フレーム2を走行面100上で支える。
【0011】
自転車1は、複数の車輪として、前車輪92と、二つの後車輪91とを備えている。フレーム2は、前部フレーム21、後部フレーム3及び連結部材32を有している。前部フレーム21には、前ホーク26を介して前車輪92が取り付けられている。後部フレーム3には、二つの後車輪91が取り付けられている。連結部材32は、
図4に示すように、前部フレーム21と後部フレーム3とを相対回転可能に連結している。
【0012】
具体的には、前部フレーム21及び後部フレーム3のうちの一方を一方フレームとすると共に他方を他方フレームとする。連結部材32は、一方フレームに対して平面視において前後方向に沿った回転軸331(
図3参照)を中心に回転可能に連結され、かつ他方フレームに対して回転軸331を中心に回転不能に連結されている。連結部材32が一方フレームに対して回転軸331を中心に回転することで、前部フレーム21は、後部フレーム3に対して回転軸331を中心に回転する。以下、この前部フレーム21の後部フレーム3に対する回転を「スイング」という。なお、本開示における「平面視」は、対象物を上方から見ることを意味する。
【0013】
本実施形態の一方フレームは、後部フレーム3であり、他方フレームは、前部フレーム21である。すなわち、連結部材32は、後部フレーム3に対して回転軸331を中心に回転可能に連結され、前部フレーム21に対して回転軸331を中心に回転不能に連結されている。
【0014】
自転車1は、回転規制機構10を更に備えている。回転規制機構10は、利用者が自転車1に乗っている状態では、前記相対回転(スイング)を規制しない。また、回転規制機構10は、利用者が自転車1に乗っていない状態では、前記相対回転を規制する。
【0015】
すなわち、本実施形態の自転車にあっては、利用者が自転車1に乗っている乗車状態では、回転規制機構10により、連結部材32が一方フレームに対して回転軸331を中心に回転可能になる。このため、例えば、カーブを曲がる旋回走行時等においては、前部フレーム21を後部フレーム3に対して傾けることができ、自転車1がスムーズに走行しやすい。
【0016】
また、利用者が自転車1に乗っていない降車状態では、回転規制機構10により、連結部材32の一方フレームに対する回転が規制され、前部フレーム21のスイングが規制される。このため、例えば、自転車1に荷物又は子供等を載せ下ろしする際や、バッテリ62(
図1参照)の取り外しを行ったりする際に、利用者自身が前部フレーム21のスイングを規制する必要がない。また、自転車1の停止時において、前部フレーム21が後部フレーム3に対して傾いて自転車1が倒れることも抑制される。また、例えば、利用者が自転車1を押しながら歩く押し歩きの際にも、前部フレーム21のスイングが規制される。このため、利用者は、自転車1の押し歩きの際に、自身で前部フレーム21のスイングを規制する必要がなく、容易に自転車1の押し歩きを行うことができる。
【0017】
また、上述した前部フレーム21のスイングの規制及びこの規制の解除は、回転規制機構10により、利用者が自転車1に乗った状態であるか否かに応じて自動的に切り換えられる。このため、利用者は、前部フレーム21のスイングの規制及びこの規制の解除をする作業を行う必要がなく、利便性に優れる。
【0018】
(1.2)全体構成
図1に示す本実施形態の自転車1は、電動アシスト自転車である。本開示における「電動アシスト自転車」は、利用者の踏む力(以下、「踏力」という)を、モータ7A(
図10参照)の駆動出力により補って、駆動輪となる車輪91を回転させる自転車を意味する。したがって、本開示でいう「電動アシスト自転車」は、法規上、電動アシスト自転車に属する自転車だけでなく、法規上は電動アシスト自転車に属さないモータ7Aを持つ自転車も含まれる。また、本開示でいう「駆動出力」は、モータ7Aが駆動輪となる車輪91に与える回転出力を意味する。
【0019】
なお、自転車1は、電動アシスト自転車以外の電動自転車であってもよい。例えば、自転車1は、踏力により車輪91に動力を与える人力駆動系と、モータ7Aにより車輪91に動力を与えるモータ駆動系とが独立している自転車(モータ7Aのみでも走行可能な自転車)であってもよい。なお、本開示では、人力駆動系とモータ駆動系とが独立した自転車と、電動アシスト自転車とを含む自転車を「電動自転車」という。また、自転車1は、電動自転車に限定されず、人力駆動系及びモータ駆動系のうち、人力駆動系のみを有する自転車であってもよい。
【0020】
本実施形態の自転車1を利用する利用者は、主に、高齢者、足腰が弱い者、バランスをとるのが苦手な者、障害者等である。なお、利用者は、特に限定されず、若年者、中年者、健常者等であってもよい。
【0021】
自転車1が走行する走行面100は、前車輪92の下端と後車輪91の下端とを通る平面である。以下では、自転車1を水平な走行面100上に配した状態における方向を用いて、自転車1の各要素を説明する。具体的には、走行面100と直交する二方向のうち、走行面100から自転車1に向かう方向を「上方向」とし、その反対方向を「下方向」と定義する。また、上方向及び下方向の二方向を「上下方向」と定義する。また、自転車1が走行面100に沿って直進する方向を「前方向」とし、その反対方向を「後方向」と定義する。また、前方向及び後方向の二方向を「前後方向」と定義し、走行面100と平行で、かつ、前後方向に直交する二方向を「左右方向」と定義する。
【0022】
なお、これら方向の定義は、自転車1の使用態様を限定する趣旨ではない。また、自転車1が実際に走行する走行面100は、水平な平面に限定されない。自転車1が走行する走行面100は、例えば、凹凸面、水平面に対して傾斜した傾斜面、湾曲した面、球面等であってもよい。また、図面中の各方向を示す矢印は、説明のために表記しているに過ぎず、実体を伴わない。
【0023】
(1.3)フレーム
フレーム2は、自転車1の骨組みである。本実施形態のフレーム2は、アルミニウムを主成分とするアルミニウム合金から形成されている。なお、フレーム2の材料は、アルミニウム合金に限定されず、鉄、クロムモリブデン鋼、ハイテンスチール、チタン、マグネシウム等で構成されてもよい。また、フレーム2の材料は、金属に限定されず、カーボン、木材、竹、繊維強化合成樹脂(例えば、CFRP(Carbon Fiber Reinforced Plastics))等で構成されてもよい。
【0024】
(1.4)前車輪及び後車輪
本実施形態の自転車1は、三輪自転車であって、複数の車輪91,92として、一つの前車輪92及び二つの後車輪91のみを備えている。なお、自転車1は、三輪自転車に限定されない。すなわち、自転車1は、少なくとも一つの前車輪92と、少なくとも二つの後車輪91とを備えていればよく、二つ以上の前車輪92を備えてもよいし、三つ以上の後車輪91を備えてもよい。
【0025】
前車輪92及び二つの後車輪91の各々は、タイヤ920、ホイール921及びハブ922を有している。前車輪92のハブ922には、前ハブ軸93が通っている。前車輪92は、前ハブ軸93に対して回転可能に取り付けられている。前車輪92は、前ハブ軸93の中心軸を中心に回転する。すなわち、前車輪92の回転軸は、走行面100に対して平行な前ハブ軸93の中心軸と一致する。
【0026】
二つの後車輪91は、
図2に示すように、左右方向に離れている。二つの後車輪91には、
図3に示す二つの後ハブ軸94がそれぞれ固定されている。各後ハブ軸94は、後部フレーム3に対して回転可能に取り付けられている。これにより、二つの後車輪91の各々は、後部フレーム3に対して独立して回転することができる。本実施形態では、二つの後車輪91のうちの一方が駆動輪であり、他方が従動輪である。なお、例えば、デファレンシャルギア(差動装置)を使用することで、両方の後車輪91を駆動輪としてもよい。
【0027】
(1.5)前部フレーム
図1に示すように、フレーム2における前側の部分は、前部フレーム21で構成されている。前部フレーム21には、前車輪92が取り付けられている。本開示における「取り付ける」は、物を、取付対象物に対して、直接的又は間接的に設置することを意味する。ここで、「直接的」とは、取付対象物に物が接触した状態で、取付対象物に物が設置されていることを意味する。また、「間接的」とは、取付対象物と物との間に、例えば、パッキン、取付金具、ブラケット等の他部材を介在させた状態で、取付対象物に物が設置されていることを意味する。
【0028】
本実施形態の前部フレーム21は、ヘッドパイプ24、ダウンチューブ22、シートチューブ23及びシートステイ25を有している。本開示でいう「パイプ」とは、細長くて中空な部材を意味し、特に記載する場合を除き、パイプの断面形状は限定されない。パイプの断面形状は、例えば、円形状(正円、長円及び楕円を含む)、長方形状(正方形を含む)、六角形状、八角形状等であってもよい。
【0029】
本実施形態の自転車1は、前ホーク26を更に備えている。前ホーク26は、一対のホーク足261と、一対のホーク足261の上端部同士を接続するホーク肩262と、ホーク肩262から上側に向かって突出したホークステム263とを有している。一対のホーク足261には、前車輪92を支持する前ハブ軸93が取り付けられている。ホークステム263の突出方向(長手方向)は、ホーク肩262から、上方向に行くに従って後方向に行くように、走行面100に対して傾いている。
【0030】
ヘッドパイプ24は、前ホーク26のホークステム263を回転可能に支持している。ヘッドパイプ24の中心軸は、上方向に行くに従って後方向に行くように、上下方向に対して傾いている。ヘッドパイプ24には、ヘッドパイプ24の中心軸とホークステム263の中心軸とが一致するように、ホークステム263が通っている。ホークステム263は、ヘッドパイプ24の中心軸と一致した回転軸を中心に回転する。
【0031】
本実施形態の自転車1は、ハンドル38を更に備えている。ハンドル38は、前ホーク26のホークステム263に取り付けられている。利用者は、ハンドル38を回転することで、前車輪92の向きを変更することができる。本実施形態のハンドル38は、正面視略U字状に形成されている。なお、本開示における「正面視」は、対象物を前方から見ることを意味する。ハンドル38は、先端にグリップ381を有している。ハンドル38はホークステム263の上端に固定されている。
【0032】
本実施形態の自転車1は、バスケット39を更に備えている。バスケット39は、ハンドル38に取り付けられており、ホークステム263の上方に位置している。なお、バスケット39は、後部フレーム3に取り付けられてもよい。また、前部フレーム21又は後部フレーム3には、バスケット39に代えて子供乗せ(子供を乗せるためのシート)を取り付けてもよい。
【0033】
ヘッドパイプ24の後方には、シートチューブ23が位置している。ヘッドパイプ24とシートチューブ23とは、ダウンチューブ22によって連結されている。本実施形態のダウンチューブ22は、第1管221と、第1管221の前側に位置する第2管222とを有している。第1管221は、シートチューブ23の下端部と第2管222とを接続している。第1管221の中心軸は、前方向に行くに従って上方向に行くように、走行面100に対して傾斜している。第1管221の前端部は、第2管222の後端部に接続されており、円弧状に形成されている。
【0034】
第2管222は、第1管221とヘッドパイプ24とを接続している。第2管222は直線状に形成されており、第2管222の中心軸は、前方向に行くに従って上方向に行くように、走行面100に対して傾斜している。本実施形態に係るダウンチューブ22は、第2管222の前端と後端とを通る仮想直線(第2管222の中心軸)と走行面100とのなす角は、第1管221の前端と後端とを通る仮想直線と走行面100とのなす角よりも大きい。第2管222と第1管221とは一体に形成されており、連続している。
【0035】
本実施形態の自転車1は、モータブラケット73を更に備えている。モータブラケット73は、前部フレーム21の第1管221に取り付けられている。
【0036】
本実施形態の自転車1は、モータユニット7、一対のクランクアーム96及び一対のペダル95を更に備えている。モータユニット7は、モータブラケット73に取り付けられている。
【0037】
モータユニット7は、クランク軸700を有している。クランク軸700の左右方向における両端には、一対のクランクアーム96がそれぞれ取り付けられている。一対のクランクアーム96には、一対のペダル95がそれぞれ取り付けられている。
【0038】
モータユニット7は、ペダル95から入力された踏力を補助する力を駆動出力として出力する。利用者がペダル95を漕ぎ、クランクアーム96を介して、踏力(外力)がクランク軸700に入力されると、クランク軸700は回転する。このようにクランク軸700が回転すると、モータユニット7は、クランク軸700の回転速度及びクランク軸700に生じるトルクを検出し、その検出結果に応じた力を駆動出力として出力する。
【0039】
本実施形態のモータユニット7は、モータ7A(
図10参照)と、動力伝達体74が掛けられる駆動スプロケット71とを更に有している。モータユニット7は、駆動スプロケット71として、踏力によって回転する第一駆動スプロケット710と、モータ7Aによって回転する第二駆動スプロケット(図示せず)とを有している。すなわち、本実施形態に係るモータユニット7は、踏力と、駆動出力とを別々に動力伝達体74に対して伝える二軸式である。第一駆動スプロケット710及び第二駆動スプロケットが回転することで、駆動輪である後車輪91が回転する。
【0040】
なお、モータユニット7は、クランク軸700から入力された踏力と、モータ7Aの駆動出力とを一つの駆動スプロケットに伝達した上で、動力伝達体74に動力を伝達する一軸式であってもよい。
【0041】
ダウンチューブ22の後端部(すなわち、第1管221の後端部)には、シートチューブ23の下端部が連結されている。シートチューブ23は、前後方向において、前車輪92と後車輪91との間に位置している。シートチューブ23は、正面視において上下方向に延びている。本実施形態のシートチューブ23の中心軸は、上方向に行くに従って後方向に行くように、上下方向に対して傾斜している。
【0042】
本実施形態の自転車1は、サドル40を更に備えている。サドル40は、シートピラー401を有している。シートピラー401は、サドル40において利用者が座る部分から下側に向かって突出している。本実施形態のシートピラー401は、下方向に行くに従って前方向に行くように、上下方向に対して傾斜している。
【0043】
シートピラー401の一部は、シートチューブ23の内側に入っている。シートピラー401の中心軸とシートチューブ23の中心軸とは一致している。シートピラー401は、シートチューブ23に対して、シートチューブ23の中心軸(長手方向)に沿って移動可能に取り付けられている。
【0044】
本実施形態の自転車1は、バッテリブラケット27を更に備えている。バッテリブラケット27は、ダウンチューブ22の後端部に取り付けられている。バッテリブラケット27は、載置部271を有している。
【0045】
本実施形態の自転車1は、バッテリ装置6を更に備えている。バッテリ装置6は、バッテリブラケット27に取り付けられている。バッテリ装置6は、装着部61及びバッテリ62を有している。装着部61には、バッテリ62が取外可能に装着されている。
【0046】
バッテリ62は、電気的エネルギーを蓄える二次電池である。バッテリ62には、単数又は複数のセルが内蔵されている。バッテリ62は、装着部61に電気的に接続されている。
【0047】
バッテリ装置6の装着部61は、バッテリブラケット27の載置部271に対し、載った状態で固定されている。装着部61は、モータユニット7に電気的に接続されている。バッテリ62は、装着部61を介してモータユニット7に電力を供給する。なお、バッテリ装置6は、モータユニット7に対してのみ電力を供給するように構成されてもよいし、モータユニット7に加えて、例えば、モータのON/OFFを操作する操作部、ヘッドライト等に電力を供給するように構成されてもよい。
【0048】
本実施形態のモータブラケット73は、バッテリブラケット27よりも前方に位置しており、シートチューブ23の中心軸の延長線よりも前方に配されている。このため、モータブラケット73がシートチューブ23の中心軸の延長線上にある態様よりも、利用者はペダル95を漕ぎやすい。モータブラケット73がシートチューブ23の中心軸の延長線よりも前方に配されていると、ペダル95とサドル40との距離を大きく取りやすいからである。なお、モータブラケット73とバッテリブラケット27とは、接続されてもよい。
【0049】
シートチューブ23及びバッテリブラケット27には、シートステイ25が取り付けられている。シートステイ25は、シートチューブ23を補強している。シートステイ25は、一対の縦支持体251と、横支持体252とを有している。
【0050】
一対の縦支持体251は、左右方向に離れて配されている。本実施形態の各縦支持体251は、パイプであり、その中心軸がシートチューブ23の中心軸と略平行である。横支持体252は、一対の縦支持体251の上端部とシートチューブ23とを連結している。なお、縦支持体251の中心軸は、シートチューブ23の中心軸に対して平行でなくてもよい。
【0051】
(1.6)後部フレーム
フレーム2における後側部分は、後部フレーム3によって構成されている。後部フレーム3は、
図2に示すように、前部フレーム21よりも後側に配されている。後部フレーム3は、
図3及び
図4に示すように、後部フレーム3の主体を構成する後部フレーム本体30を有している。
【0052】
後部フレーム本体30は、
図7に示すように、複数(ここでは六つ)のプレート302を有している。複数のプレート302は、左右方向に並んでいる。各プレート302は、前後方向及び上下方向と略平行な板状に形成されている。複数のプレート302のうち、最も外側のプレート302には、後輪ブレーキ41が取り付けられている。
【0053】
本実施形態の後部フレーム本体30は、複数の軸受304を更に有している。後輪ブレーキ41が取り付けられたプレート302以外の複数のプレート302には、複数の軸受304がそれぞれ取り付けられている。複数の軸受304は、二つの後車輪91がそれぞれ固定された二つの後ハブ軸94を回転可能に支持している。各後ハブ軸94の回転軸は、当該後ハブ軸94の中心軸と一致する。
【0054】
軸受304の種類は、例えば、スラスト荷重、ラジアル荷重、潤滑性等を考慮して、転がり軸受又は滑り軸受等から適宜選択される。転がり軸受としては、例えば、ラジアル玉軸受、ラジアルころ軸受等が挙げられる。滑り軸受としては、例えば、静圧気体軸受、動圧気体軸受、静圧流体軸受、動圧流体軸受、スクイーズ油膜軸受、ハイブリッド軸受、固体潤滑軸受、無潤滑軸受、自己潤滑軸受、多孔質自己潤滑軸受、焼結含油軸受、自給式滑り軸受ユニット等が挙げられる。
【0055】
後部フレーム3は、リアスプロケット305を更に有している。駆動輪となる後車輪91に取り付けられた後ハブ軸94には、リアスプロケット305が固定されている。リアスプロケット305の回転軸は、後ハブ軸94の回転軸と一致している。
【0056】
自転車1は、動力伝達体74を更に備えている。リアスプロケット305は、
図1に示すモータユニット7の駆動スプロケット71に対し、動力伝達体74を介して連結されている。
【0057】
動力伝達体74はチェーンである。駆動スプロケット71から出力された回転動力は、動力伝達体74を介してリアスプロケット305に伝達され、駆動輪となる後車輪91を回転させる。なお、動力伝達体74は、ベルト又はワイヤ等であってもよい。
【0058】
図4に示すように、後部フレーム本体30は、複数の連結体303を更に有している。本実施形態の後部フレーム本体30は、複数の連結体303として、二つの連結体303を有している。複数の連結体303は、上下方向に間隔をあけて並んでいる。
【0059】
複数のプレート302(
図7参照)は、複数の連結体303によって連結されている。各連結体303は、角パイプである。ただし、各連結体303は、角パイプに限らず、例えば、丸パイプ、軸体、プレート等であってもよい。
【0060】
後部フレーム3は、固定部29及びシャフト33を更に有している。固定部29は、後部フレーム本体30の連結体303に固定されている。連結体303に対する固定部29の固定は、例えば、溶接による結合、クサビによる結合、嵌め合いによる結合、ねじによる結合等により実現される。
【0061】
固定部29には、シャフト33が固定されている。シャフト33は、後部フレーム3において連結部材32が回転可能に取り付けられる部分である。本実施形態のシャフト33は、後端部が固定部29に固定されている。固定部29とシャフト33との固定は、例えば、溶接による結合、スプライン結合、キー溝とキーとによる結合、クサビによる結合、嵌め合いによる結合、ねじによる結合等により実現される。本開示における「スプライン結合」は、例えば、角形スプライン、インボリュートスプライン、ボールスプライン、三角山セレーション、インボリュートセレーション等による結合を含む。
【0062】
シャフト33は、固定部29から前側に向かって突出している。シャフト33は、平面視において、前後方向と平行な長手方向を有している。ここで、「平面視において、前後方向に長手方向を有する」とは、例えば、走行面100に対して略平行であることだけでなく、
図4に示すように、側面視において、走行面100に対して傾くことを含む。
【0063】
シャフト33の中心軸は、走行面100に対して傾いている。シャフト33の中心軸と走行面100とのなす角は、0°より大きく、30°以下であることが好ましく、10°以上20°以下であることがより好ましい。
【0064】
(1.7)連結部材
図4に示すように、本実施形態の連結部材32は、ケース35及び取付具34を有している。ケース35は、筒状に形成されている。ケース35の中心軸は、平面視において前後方向に沿っている。ケース35の中心軸は、本実施形態では、後方向に行くに従って下方向に行くように、走行面100に対して傾斜している。
【0065】
自転車1は、複数の軸受351を更に備えている。本実施形態の自転車1は、複数の軸受351として、二つの軸受351を有している。複数の軸受351は、シャフト33とケース35との間に設けられている。複数の軸受351は、ケース35の長手方向の両端部に取り付けられている。軸受351は、例えば、滑り軸受である。なお、ケース35のシャフト33に対するシャフト33の中心軸と平行な方向への移動は、例えば、E型の止め輪354等によって制限されている。
【0066】
シャフト33は、複数の軸受351を介して、ケース35をシャフト33の中心軸周りに回転可能に支持している。これにより、ケース35(連結部材32)は、シャフト33に対して、相対的に回転可能に取り付けられている。ケース35のシャフト33に対する回転軸331は、ケース35の中心軸と一致している。
【0067】
本実施形態の連結部材32は、ケース35がシャフト33に対して回転可能に取り付けられることで、一方フレームである後部フレーム3に対して、平面視において前後方向に沿った回転軸331を中心に回転可能に連結されている。すなわち、回転軸331は、シャフト33の中心軸と一致し、また、ケース35の中心軸と一致する。連結部材32(ケース35)がシャフト33に対して回転軸331を中心に回転することで、前部フレーム21はスイングする。
【0068】
ケース35には、取付具34が固定されている。取付具34は、連結部材32において、前部フレーム21に連結される部分である。本実施形態の取付具34は、バッテリブラケット27に対し、取付軸341を介して回転可能に取り付けられている。これにより、前部フレーム21は、連結部材32に対して取付軸341を中心にして回転可能になる。
【0069】
連結部材32に対して回転する前部フレーム21の回転軸322は、取付軸341の中心軸と一致し、左右方向と平行である。すなわち、前部フレーム21は、連結部材32に対して、平面視において回転軸331と交差する方向に延びる回転軸322を中心に回転可能である。以下、回転軸322を第2回転軸322という。
【0070】
図1に示すように、第2回転軸322は、シートチューブ23の下端よりも後方に位置している。しかし、シートチューブ23の中心軸は、上方向に行くに従って後方向に行くように、上下方向に対して傾斜しており、シートチューブ23の上端は、第2回転軸322よりも後方に位置している。このため、利用者が自転車1に乗車するにあたって、サドル40に座ったときには、利用者からサドル40に加わる下向きの荷重により、前部フレーム21には、
図1の矢印に示すように、第2回転軸322を中心にして、前部フレーム21が連結部材32に近づくように(シートチューブ23及びサドル40が後方に倒れるように)回転させるモーメントが発生する。言い換えれば、連結部材32には、左右方向と平行な第2回転軸322を中心にして、前部フレーム21に対して相対的に上方に移動する方向のモーメントが発生する。
【0071】
(1.8)抵抗力発生装置
本実施形態の自転車1は、抵抗力発生装置8を更に備えている。抵抗力発生装置8は、連結部材32が後部フレーム3に対して回転する回転力が生じた際に、その回転力に対して抵抗力を与える装置である。
【0072】
図9に示すように、本実施形態の抵抗力発生装置8は、回転体310と、抵抗力発生部80とを有している。回転体310は、連結部材32(
図4参照)が後部フレーム3に対して回転したときに、連結部材32と共に回転軸331を中心に回転する。抵抗力発生部80は、回転体310の回転力に対して抵抗力を与えることで、後部フレーム3に対する連結部材32の回転力に対して抵抗力を与える。
【0073】
回転体310は、
図4に示すように、ケース35に取り付けられており、ケース35に対して固定されている。したがって、回転体310の回転軸は、連結部材32(ケース35)の回転軸331と一致している。
【0074】
本実施形態の回転体310は、固着具3101、軸部材3102、プレート3103及び歯車3104を有している。固着具3101は、板状に形成されており、ケース35の外周面からラジアル方向に突出している。なお、固着具3101は、例えば、棒状又はブロック状等に形成されてもよい。
【0075】
ここで、自転車1の正面視において、シートチューブ23(
図1参照)の中心軸が上下方向と略平行になるときの前部フレーム21の位置を「基準位置」という。また、以下の説明では、前部フレーム21が基準位置にあるときの他の部材の位置についても「基準位置」という場合がある。本実施形態の固着具3101は、前部フレーム21が基準位置にあるときに、
図4に示すように、ケース35の外周面から上側に向かって突出している。
【0076】
軸部材3102は、固着具3101に取り付けられている。軸部材3102の長手方向は、シャフト33の中心軸と平行である。軸部材3102は、ケース35に対して、ラジアル方向に離れている。
【0077】
プレート3103は、軸部材3102の後端部に固定されており、シャフト33に対して、回転可能に取り付けられている。本実施形態では、軸部材3102の後端面がプレート3103の前面に接しており、この状態で、プレート3103を貫通するボルト3108によりプレート3103が軸部材3102の後端部に固定されている。なお、軸部材3102は、プレート3103に対して、溶接等によって固定されてもよい。
【0078】
プレート3103は、
図9に示すように、取付部3105と、取付部3105に設けられた円弧状部3106とを有している。取付部3105は、シャフト33に対して回転可能に取り付けられている。本実施形態の取付部3105は、シャフト33の外周面に対して摺動する摺動筒部3107と、軸部材3102に取り付けられるボルト3108が通る孔とを有している。
【0079】
本実施形態の円弧状部3106は、取付部3105に一体的に形成されている。円弧状部3106は、上側の縁が円弧状に形成されており、上側の縁の中心が回転軸331と略同じ位置にある。
【0080】
円弧状部3106には、歯車3104が取り付けられている。歯車3104は、複数の歯を含んでいる。円弧状部3106の上側の縁に沿って歯車3104の歯が並んでいる。歯車3104の歯が並ぶ円弧の中心は、回転軸331と同じ位置にある。なお、円弧状部3106の上側の縁の中心は、必ずしも、回転軸331と同じ位置にある必要はない。
【0081】
回転体310、すなわち、軸部材3102(
図4参照)、プレート3103及び歯車3104は、連結部材32の後部フレーム3に対する回転に伴って、連結部材32と共に回転軸331を中心に回転する。すなわち、軸部材3102、プレート3103及び歯車3104の各々の回転軸は、連結部材32の回転軸331と一致している。
【0082】
図4に示すように、後部フレーム本体30には、抵抗力発生部80が取り付けられている。本実施形態の抵抗力発生部80は、断面略L字状の固定具81を介して、後部フレーム本体30の連結体303に取り付けられている。
【0083】
図9に示す抵抗力発生部80は、ロータリダンパであり、かつ、非圧縮性流体を用いたダンパである。具体的には、抵抗力発生部80は、非圧縮性流体としてオイルを用いた粘性抵抗型のオイルダンパである。抵抗力発生部80は、複数の歯82を有している。複数の歯82は、歯車3104の歯にかみ合っている。
【0084】
本実施形態の抵抗力発生部80は、回転体310の回転軸331(シャフト33の中心軸)の上方に位置しており、回転体310の移動範囲の中央に位置している。抵抗力発生部80は、回転体310が回転軸331を中心に一方向及び他方向のいずれの方向に回転した場合にも、回転体310に対して抵抗力を加える。なお、本開示でいう「一方向」と「他方向」とは、互いに反対を向く方向である。
【0085】
上述したように、前部フレーム21がスイングすると、回転体310が回転軸331を中心に回転する。この場合、回転体310の歯車3104には、抵抗力発生部80の歯82がかみ合っているため、抵抗力発生部80は、回転体310の回転力に対して抵抗力を発生させる。これによって、抵抗力発生装置8は、前部フレーム21に対し、回転軸331を中心に回転しようとする力を減衰させることができる。
【0086】
抵抗力発生部80は、入力軸における変位に対する速度が速いほど、強い抵抗力を発生させる。したがって、後部フレーム3に対して、前部フレーム21がスイングしようとする力が急激に加わると、前部フレーム21のスイングしようとする力に対して比較的強い抵抗力を発生させる。一方、後部フレーム3に対し、前部フレーム21がスイングしようとする力が緩やかに加わると、前部フレーム21のスイングしようとする力に対して、比較的弱い抵抗力を発生させる。
【0087】
ところで、自転車1の走行時において、所定速度以上では、前部フレーム21に働く慣性力等によって走行が安定する。一方、所定速度未満では、前部フレーム21に働く慣性力等が小さく、自立した姿勢を保ち難くなる可能性がある。ここでいう「所定速度」は、前部フレーム21の直立姿勢が保たれる程度の速度を意味する。「所定速度」は、例えば、5km/h以上8km/h以下である。
【0088】
上述したように本実施形態に係る自転車1では、後部フレーム3に対して前部フレーム21が傾こうとする力に抵抗力を発生させる抵抗力発生装置8を備える。したがって、自転車1が所定速度未満の速度で走行しているときにも、前部フレーム21は自立した姿勢を保ちやすい。
【0089】
また、抵抗力発生装置8は、入力軸における変位に対する速度が緩やかだと、比較的弱い抵抗力を発生させる。すなわち、自転車1が所定速度以上で移動している場合、左右方向のいずれかに旋回するときには、前部フレーム21における急激な重心移動が少ないため、抵抗力発生装置8で生じる抵抗力が原因で、左右方向に旋回を行いにくい事態は生じ難い。
【0090】
なお、作動流体として粘性流体であるオイルを用いたオイルダンパであるが、作動流体として、磁気機能性流体を用いてもよい。磁気機能性流体では、一定の磁界が印可されることで、減衰特性を変えることができる。磁気機能性流体は、磁界を印可することで、磁界に応答して粘性が変化する。磁気機能性流体は、例えば、磁性流体(MF;Magnetic fluid)、磁気粘性流体(MRF;(Magneto-rheological fluid)、磁気混合流体(MCF;(Magnetic compound fluid)等を含む。
【0091】
また、抵抗力発生部80は、エア式又は電動式のダンパであってもよい。また、抵抗力発生部80は、ロータリダンパに限定されず、例えば、直動式ダンパであってもよい。
【0092】
(1.9)揺動復元機構
本実施形態の自転車1は、
図4に示す揺動復元機構31を更に備えている。揺動復元機構31は、前部フレーム21に対して、前部フレーム21を基準位置に戻そうとする力を与える機構である。したがって、本実施形態に係る自転車1では、例えば、利用者が乗車中において、左右方向のいずれかに進行方向を変える際、後部フレーム3に対して、前部フレーム21を左右方向のいずれかに傾けた場合に、前部フレーム21が基準位置に戻りやすい。
【0093】
本実施形態の揺動復元機構31は、後部フレーム本体30の前方において、シャフト33に取り付けられている。なお、揺動復元機構31は、例えば、後部フレーム本体30の後方において、シャフト33に取り付けられてもよく、取付位置は特に限定されない。
【0094】
揺動復元機構31は、
図8Aに示すように、第一レバー313、第二レバー317及び弾性体318を有している。第一レバー313及び第二レバー317の各々は、
図8A~
図8Cに示すように、シャフト33に対して、回転可能に取り付けられている。第一レバー313及び第二レバー317の回転軸は、連結部材32の回転軸331(シャフト33の中心軸)と一致している。第一レバー313は、回転軸331を中心に回転する軸部材3102に押されることによって、
図8Bに示すように、回転軸331を中心に一方向に回転する。第二レバー317は、回転軸331を中心に回転する軸部材3102に押されることによって、
図8Cに示すように回転軸331を中心に他方向に回転する。
【0095】
図8Aに示すように、本実施形態の二つのレバー313,317は、互いに同一形状に形成されている。本実施形態では、二つのレバー313,317は同じ構造であるため、主に第一レバー313について説明し、第二レバー317において第1レバー313と共通する要素には同一の符号を付して詳細な説明を省略する。なお、二つのレバー313,317は、互いに同一形状に形成されたものに限定されない。例えば、二つのレバー313,317は、互いに鏡像対称に形成されてもよい。
【0096】
第一レバー313は、レバー本体320を有している。レバー本体320は、第一レバー313の主体を構成する部材であり、シャフト33に対する取付部分を含んでいる。レバー本体320は、
図4に示すように、シャフト33の軸方向の中間部分(後部フレーム3とケース35との間)に対し、回転可能に取り付けられている。レバー本体320の回転軸は、シャフト33の回転軸331と一致している。本実施形態のレバー本体320は、
図8Aに示すように、シャフト33の軸方向にみて、略L字状に形成されている。なお、レバー本体320は、シャフト33の軸方向にみて、例えば、円形状、矩形状等に形成されてもよく、形状には特に制限はない。
【0097】
レバー本体320は、押し部315を有している。押し部315は、前部フレーム21が基準位置にあるときにおいて、回転軸331よりも上方に位置する。押し部315は、軸部材3102の側面に対向する面である。押し部315は、軸部材3102が回転軸331を中心にして一方向(第二レバー317の場合は他方向)に回転すると、軸部材3102に押される。レバー本体320は、軸部材3102によって押し部315が押されることで、回転軸331を中心に回転する。
【0098】
レバー本体320は、複数の立上片3190を更に有している。複数の立上片3190の各々は、回転軸331に直交する面に対して交差する方向に突出した板状に形成されている。立上片3190が設けられることで、レバー本体320の強度が高くなる。
【0099】
第一レバー313は、弾性体取付部314を更に有している。弾性体取付部314は、レバー本体320に取り付けられている。本実施形態の弾性体取付部314は、アイボルトであり、ナットによってレバー本体320の立上片3190に取り付けられている。
【0100】
本実施形態の弾性体取付部314は、前部フレーム21が基準位置にあるときにおいて、回転軸331よりも上方に位置している。第一レバー313の弾性体取付部314には、弾性体318の一端部が取り付けられており、第二レバー317の弾性体取付部314には、弾性体318の他端部が取り付けられている。なお、本開示では、弾性体取付部314は、弾性体318が取付可能であれば、アイボルトに限らず、フックであってもよいし、立上片3190に形成された切欠きであってもよい。また、弾性体取付部314は、立上片3190に取り付けられなくてもよく、レバー本体320において、シャフト33の軸方向に向く面に取り付けられてもよい。
【0101】
弾性体318は、第一レバー313及び第二レバー317に対して、軸部材3102から加えられる回転力とは反対方向の力を与える。弾性体318は、本実施形態では、引張コイルばねである。なお、弾性体318は、レバー313,317に対して力を付与できればよく、引張コイルばねに限定されない。弾性体318としては、例えば、板ばね、ねじりコイルばね又はゴム等を用いてもよい。
【0102】
揺動復元機構31は、固定体319を更に有している。固定体319は、
図4に示すように、シャフト33に対して固定されている。固定体319は、固定具353と、軸体352とを有している。固定具353は、シャフト33から下方に突出している。固定具353とシャフト33とは溶接等により固定されている。軸体352は、固定具353に取り付けられている。軸体352は、シャフト33の中心軸と略平行である。
【0103】
図8Aに示すように、第一レバー313及び第二レバー317の各々は、移動規制部316を更に有している。本実施形態の移動規制部316は、ボルトであり、ナットによってレバー本体320の立上片3190に取り付けられている。移動規制部316は、前部フレーム21が基準位置にあるときにおいて、回転軸331よりも下側に位置する。前部フレーム21が基準位置にある状態で、固定体319の軸体352は、第一レバー313の移動規制部316と、第二レバー317の移動規制部316との間に位置する。
【0104】
前部フレーム21が基準位置にある状態で、ケース35がシャフト33に対して回転軸331を中心に一方向に回転すると、
図8Bに示すように、回転体310が回転軸331を中心にして一方向(
図8Bの黒矢印の方向)に回転する。すると、回転体310の軸部材3102は、第一レバー313の押し部315を押し、第一レバー313を回転軸331を中心に一方向に回転させる。これにより、弾性体318の一端部は、第一レバー313の弾性体取付部314によって(ここでは右側に)引っ張られる。
【0105】
このとき、弾性体318は、第二レバー317に対して、引張力を与える。第二レバー317は、弾性体318から引張力を受けると、回転軸331を中心に一方向に回転しようとするが、移動規制部316が固定体319に当たる。このため、第二レバー317は、一方向には回転しない。したがって、弾性体318は、弾性的に伸び、第一レバー313に対して、他方向への回転力(
図4Bの白抜き矢印)を与える。
【0106】
これによって、基準位置から一方向に回転する回転体310には、第一レバー313から、基準位置に戻そうとする他方向に向かう回転力が与えられる。したがって、連結部材32に連結された前部フレーム21には、前部フレーム21が基準位置から一方向にスイングすると、基準位置に戻そうとする力が加わる。
【0107】
前部フレーム21が基準位置にある状態で、ケース35がシャフト33に対して回転軸331を中心に他方向に回転すると、
図8Cに示すように、回転体310が回転軸331を中心にして他方向(
図8Cの黒矢印の方向)に回転する。すると、回転体310の軸部材3102は、第二レバー317の押し部315を押し、第二レバー317を回転軸331を中心に他方向に回転させる。これにより、弾性体318の他端部は、第二レバー317の弾性体取付部314によって(ここでは左側に)引っ張られる。
【0108】
このとき、弾性体318は、第一レバー313に対して、引張力を与える。第一レバー313は、弾性体318から引張力を受けると、他方向に回転しようとするが、移動規制部316が固定体319に当たる。このため、第一レバー313は、他方向には回転しない。したがって、弾性体318は、弾性的に伸び、第二レバー317に対して、一方向への回転力(
図8Cの白抜き矢印)を与える。
【0109】
これによって、基準位置から他方向に回転する回転体310には、第二レバー317から、基準位置に戻そうとする一方向に向かう回転力が与えられる。したがって、連結部材32に連結された前部フレーム21には、前部フレーム21が基準位置から他方向にスイングすると、基準位置に戻そうとする力が加わる。
【0110】
(1.10)回転規制機構
図1に示すように、フレーム2には、回転規制機構10が取り付けられている。回転規制機構10は、利用者が自転車1に乗っている乗車状態では、連結部材32の後部フレーム(一方フレーム)3に対する回転を規制せず、利用者が自転車1に乗っていない降車状態では、連結部材32の後部フレーム(一方フレーム)3に対する回転を規制する。これにより、乗車状態では、前部フレーム21のスイングが規制されず、降車状態では、前部フレーム21のスイングが規制される。
【0111】
本実施形態の回転規制機構10は、上述した連結部材32の後部フレーム3に対する回転の規制及びこの規制の解除を、前部フレーム21に取り付けられたサドル40に対して、所定荷重以上の下向きの荷重が加わるか否かに応じて切り換える。すなわち、回転規制機構10は、前部フレーム21に取り付けられたサドル40に対して、所定荷重以上の荷重が加わった状態においては、連結部材32の後部フレーム3に対する回転を規制しない。また、回転規制機構10は、サドル40に前記所定荷重以上の荷重が加わっていない状態においては、連結部材32の後部フレーム3に対する回転を規制する。
【0112】
以下、本実施形態の回転規制機構10について詳述する。なお、以下では、特に記載する場合を除き、連結部材32が基準位置にあるときについて説明する。
【0113】
図5に示すように、本実施形態の回転規制機構10は、回転規制部材11と弾性部材13とを有している。回転規制部材11は、ケース35に取り付けられる。回転規制部材11は、前部フレーム21が第2回転軸322を中心に回転した際に、前部フレーム21と連動する。弾性部材13は、回転規制部材11に弾性力を付与する。
【0114】
回転規制部材11は、サドル40に対して前記所定荷重以上の下向きの荷重が加わった際、
図6に示すように、弾性部材13の弾性力に抗して連結部材32の後部フレーム(一方フレーム)3に対する回転(前記相対回転)を規制しない非規制位置に配される。また、回転規制部材11は、サドル40に対して前記所定荷重以上の下向きの荷重が加わらなくなった際、
図5に示すように弾性部材13の弾性力によって連結部材32の後部フレーム3に対する回転(前記相対回転)を規制する規制位置に配される。
【0115】
図5に示すように、本実施形態の回転規制部材11は、第1部材111を有している。第1部材111は、連結部材32のケース35の上面に沿って配されている。第1部材111は、例えば、金属製である。第1部材111は、平面視で前後方向に延び、かつ、ケース35側(下方)に向かって開口した箱状に形成されている。第1部材111の前側の端部は、ケース35に対して回転軸113を中心に回転可能に取り付けられている。
【0116】
本実施形態の連結部材32は、ケース35に対して溶接等によって固定された上連結具355を更に有している。上連結具355は、ケース35の上方に位置している。第1部材111は、上連結具355に対して、回転軸113を中心に回転可能に取り付けられている。すなわち、本実施形態の第1部材111は、上連結具355を介してケース35に取り付けられている。なお、第1部材111は、ケース35に直接取り付けられてもよい。
【0117】
第1部材111の回転軸113は、左右方向と平行である。すなわち、第1部材111は、連結部材32に対して、平面視において回転軸331(
図4参照)と交差する方向に延びる回転軸113を中心に回転可能である。
【0118】
本実施形態の回転規制部材11は、減衰装置36を更に有している。減衰装置36は、前部フレーム21の振動を減衰する。この振動は、例えば、自転車1の走行時における後部フレーム3の振動が、前部フレーム21に伝達し、前部フレーム21が連結部材32に対して第2回転軸322を中心に回転することにより発生する。減衰装置36は、前部フレーム21の振動を減衰させることで、利用者が受ける振動を和らげる。
【0119】
本実施形態の減衰装置36は、スプリングとオイルダンパとを備えたサスペンションである。減衰装置36の一端部は、シートステイ25の縦支持体251に回転可能に取り付けられている。減衰装置36の縦支持体251とは反対側の端部は、第1部材111に回転可能に取り付けられている。
【0120】
減衰装置36は、第1部材111の長さ方向の中間部であって、第1部材111が上連結具355に取り付けられた箇所よりも後方に位置する部分に取り付けられている。これにより、第1部材111は、減衰装置36を介してシートステイ25に取り付けられている。なお、減衰装置36は、スプリングなどの弾性体のみで構成されてもよいし、オイルダンパのみで構成されてもよい。また、第1部材111は、減衰装置36以外の部材を介して前部フレーム21に接続されてもよい。
【0121】
本実施形態の回転規制部材11は、第2部材112を更に有している。第2部材112は、第1部材111の下方に配されている。第2部材112は、ロック部材114を有している。ロック部材114は、ケース35の下面に沿って配されている。ロック部材114は、例えば、金属製である。ロック部材114は、平面視で前後方向に延び、かつ、厚み方向が左右方向と平行な板状に形成されている。
【0122】
本実施形態の連結部材32は、ケース35に対して溶接等によって固定された下連結具356を更に有している。下連結具356は、ケース35の下方に位置している。ロック部材114は、下連結具356に対して、回転軸116を中心に回転可能に取り付けられている。すなわち、本実施形態のロック部材114は、下連結具356を介してケース35に取り付けられている。なお、ロック部材114は、ケース35に直接取り付けられてもよい。
【0123】
ロック部材114の回転軸116は、第1部材111の回転軸113と平行である。すなわち、ロック部材114は、連結部材32に対して、平面視において回転軸331と交差する方向に延びる回転軸116を中心に回転可能である。
【0124】
ロック部材114は、連結部材32の後部フレーム3に対する回転を規制するロック部117を有している。ロック部117は、ロック部材114における後側の端部からケース35側(上方)に向かって突出している。
【0125】
ケース35には、ロック部117が通過可能な貫通孔357が形成されている。貫通孔357はケース35の下端部に位置し、ケース35の下端部を上下方向に貫通している。
【0126】
シャフト33の下端部には、ロック部117を嵌込可能な嵌込孔330が形成されている。嵌込孔330は、シャフト33の下端部に位置し、シャフト33の下端部を上下方向に貫通している。嵌込孔330の左右幅は、ロック部117の左右幅と略一致する。
【0127】
第2部材112は、ロック部材114に対して、固定された押圧部材115を更に有している。押圧部材115は、例えば、金属製である。押圧部材115は、平面視で前後方向に延びるロック部材114の長さ方向と直交する断面形状が、上方に向かって開口したU字状である。押圧部材115は、底板部118と、一対の押圧部119とを有している。底板部118は、ロック部材114の下方に位置し、ロック部材114の下端部に対して溶接等によって固定されている。一対の押圧部119は、底板部118における左右両側の端部からそれぞれ上方に向かって突出している。一対の押圧部119の間には、ケース35が位置している。各押圧部119の上端部は、ケース35よりも上方に突出し、第1部材111における後側の端部の下面に接触している。
【0128】
本実施形態の弾性部材13は、第1部材111に対して弾性力を付与する第1弾性部材131と、第2部材112に対して弾性力を付与する第2弾性部材132とを有している。第1弾性部材131は、第1部材111における後側の端部と、ケース35の上面との間に配された圧縮コイルばねである。第1弾性部材131は、ケース35に取り付けられており、第1部材111に対して、上方に向かって弾性力を付与している。
【0129】
第2弾性部材132は、ロック部材114に取り付けられたコイルばねである。本実施形態では、ロック部材114の左右方向の両側の面(詳しくは、ロック部117の下方に位置する部分)に、一対のピン120がそれぞれ接続されており、一対のピン120は、ロック部材114から左右方向の外側に向かって突出している。第2弾性部材132は、第2弾性部材132の長さ方向の中間部がケース35の上面に引掛けられ、かつ、第2弾性部材132の長さ方向の両端部が一対のピン120にそれぞれ取り付けられることで、ロック部材114及びケース35に取り付けられている。第2弾性部材132は、ロック部材114に対して、上方(ロック部材114をケース35に向かって近づける方向)に向かって弾性力を付与している。
【0130】
利用者がサドル40に座っていない降車時においては、サドル40に対して前記所定荷重以上の下向きの荷重が加わらない。この場合、回転規制部材11は、
図5に示す規制位置に配される。このように回転規制部材11が規制位置に配された状態では、第1部材111は、第1弾性部材131の弾性力によってケース35の上面から上方に離れた位置で保持される。また、第2部材112は、第2弾性部材132の弾性力によって、ロック部材114がケース35の下面に接触した状態が保持され、ロック部117がケース35の貫通孔357を通過してシャフト33の嵌込孔330に嵌まり込んだ状態が維持される。このため、ロック部117がシャフト33における嵌込孔330の縁部に接触することにより、連結部材32(ケース35)の後部フレーム3(シャフト33)に対する回転が規制される。すなわち、前部フレーム21は基準位置に保持されて、左右いずれの方向にもスイングすることができないロック状態になる。
【0131】
利用者がサドル40に座り、サドル40に対して前記所定荷重以上の下向きの荷重が加わったとき、前部フレーム21は、
図6に示すように、第2回転軸322を中心にして連結部材32に近づくように(シートチューブ23及びサドル40が後方に倒れるように)回転する。すると、減衰装置36が圧縮され、かつ、この圧縮された減衰装置36によって第1部材111が下方に押されて、回転規制部材11は連結部材32の後部フレーム3に対する回転を規制しない非規制位置に配される。
【0132】
すなわち、この場合、減衰装置36によって下方に押された第1部材111は、第1弾性部材131の弾性力に抗して、回転軸113を中心に連結部材32に近づく方向(下方向)に回転する。このように第1部材111が回転すると、第1部材111の後側の端部によって押圧部材115が下方に押され、これにより、ロック部材114は、第2弾性部材132の弾性力に抗して、ロック部117がシャフト33の嵌込孔330から下方に抜け出る位置まで、回転軸116を中心に回転する。このため、連結部材32は、シャフト33に対する回転が規制されない状態となる。したがって、利用者がサドル40に座っている乗車時においては、前部フレーム21は、基準位置から左右いずれの方向にもスイングすることができるアンロック状態になる。
【0133】
利用者が自転車1から降りることで、サドル40に対して前記所定荷重以上の下向きの荷重が加わらなくなったとき、減衰装置36が伸張し、これにより、前部フレーム21は、
図5に示すように、第2回転軸322を中心にして連結部材32から離れるように回転する。また、これにより、減衰装置36から第1部材111に加わっていた下向きの荷重が解除され、回転規制部材11は規制位置に配される。
【0134】
すなわち、この場合、第1部材111は、第1弾性部材131の弾性力によって、回転軸113を中心に連結部材32から離れる方向(上方向)に回転する。また、第2部材112は、第2弾性部材132の弾性力によって、ロック部材114がケース35の下面に接触する位置まで、回転軸116を中心に回転し、これにより、ロック部117がシャフト33の嵌込孔330に嵌まり込む。
【0135】
(1.11)操作部
本実施形態の自転車1は、
図10に示すように、操作部14を更に備えている。操作部14は、利用者が自転車1から降りて自転車1を押しながら歩く押し歩きを行うにあたって、自転車1を自走させる際に操作される。
【0136】
本実施形態の操作部14は、例えば、ハンドル38に取り付けられて利用者に操作される押ボタンスイッチである。操作部14は、利用者によって押されている時(操作されている時)にだけ、自転車1を自走するための指令信号を出力する。
【0137】
(1.12)検知部
本実施形態の自転車1は、利用者が自転車1に乗っているか否かを検知するための検知部15を更に備えている。本実施形態の検知部15は、
図5に示す回転規制部材11から力を受けて接点の切り換えを行う検出用スイッチである。検知部15は、例えば、マイクロスイッチ又はリミットスイッチである。検知部15は、ケース35の上面に取り付けられており、減衰装置36の下方に位置している。
【0138】
利用者がサドル40に座っておらず、回転規制部材11が
図5に示す規制位置に配されているとき、減衰装置36は検知部15と接触していない、あるいは、検知部15に対して僅かに荷重を掛けて接触している。この場合、検知部15はOFFになり、自転車1に利用者が乗っている状態であることを示す信号を出力しない。
【0139】
回転規制部材11が
図5に示す規制位置に配されている状態で、利用者がサドル40に座り、サドル40に対して前記所定荷重以上の下向きの荷重が加わったとする。すると、検知部15は、
図6に示すように、圧縮された減衰装置36によって下方に押されて減衰装置36から力を受ける。これにより、検知部15はONになり、自転車1に利用者が乗っている状態であることを示す信号を出力する。
【0140】
なお、検知部15は、回転規制部材11から力を受けて接点の切り換えを行う検出用スイッチに限定されない。例えば、検知部15は、サドル40に座った利用者を検知する光学式のセンサ等であってもよい。
【0141】
(1.13)制御部
図10に示すように、本実施形態の自転車1は、制御部5を更に備えている。制御部5は、モータユニット7のモータ7Aに電気的に接続されており、モータ7Aを制御する。制御部5は、例えば、プリント配線板からなり、フレーム2に取り付けられている(
図1参照)。なお、制御部5は、フレーム2に取り付けられたものに限定されない。例えば、制御部5は、モータユニット7に内蔵されたプリント配線板であってもよい。
【0142】
制御部5は、例えば、1以上のプロセッサ及び1以上のメモリを有するマイクロコントローラを主構成とする。すなわち、マイクロコントローラのメモリに記録されたプログラムを、マイクロコントローラのプロセッサが実行することにより、制御部5の機能が実現される。プログラムはメモリに予め記録されていてもよいし、メモリカード等の非一時的記録媒体に記録されて提供されてもよい。制御部5には、操作部14が電気的に接続されている。
【0143】
制御部5は、操作部14が利用者によって操作されることで自転車1を自走するための指令信号を受け、かつ、検知部15がOFFになって自転車1に利用者が乗っていない状態であると判定した場合、モータ7Aを駆動する。これにより、駆動輪である後車輪91が回転し、自転車1は自走する。
【0144】
ただし、制御部5は、操作部14が利用者によって操作されて自転車1を自走するための指令信号を受けた場合であっても、検知部15がONであり、自転車1に利用者が乗っている状態であると判定した場合には、モータ7Aを駆動しない。
【0145】
したがって、利用者がサドル40から降りて自転車1から降りた状態にあるときにだけ、自転車1は自走可能になり、利用者がサドル40に座った乗車時において自転車1を自走させる行為を禁止することができる。
【0146】
(2)変形例
上記実施形態は、本開示の様々な実施形態の一つに過ぎない。上記実施形態は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。以下、上記実施形態の変形例について説明する。以下に説明する変形例は、適宜組み合わせて適用可能である。なお、以下の各変形例の説明では、上記実施形態と異なる事項について詳述し、上記実施形態と共通する要素については同一の符号を付して説明を省略する。
【0147】
(2.1)変形例1
変形例1の回転規制機構10は、
図11に示す制動装置8Aを有する。制動装置8Aは、連結部材32(
図4参照)の後部フレーム(一方フレーム)3に対する回転を制動する。また、本変形例の回転規制機構10は、上記実施形態における検知部15の検知結果に基づいて、制動装置8Aを制御することにより、利用者が自転車1から降りた降車時において、連結部材32の後部フレーム3に対する回転を規制する。なお、本開示において、「回転を制動する」とは、回転力に対して制動力をかけることを意味する。したがって、「回転を制動する」ことには、対象物に対して制動力を及ぼした結果、対象物の回転を停止させることや、対象物が停止しないが対象物の速度を低減させることが含まれる。
【0148】
本変形例の自転車1は、
図9に示す抵抗力発生装置8に代えて、
図11に示す制動装置8Aを備えている。制動装置8Aは、上記実施形態の抵抗力発生装置8のプレート3103と同じ構成を有するプレート81Aと、ブレーキ85Aとを有している。なお、以下では、制動装置8Aのプレート81Aについて、プレート3103と異なる事項についてのみ詳述し、プレート3103と共通する要素については同一の符号を付して説明を省略する。
【0149】
ブレーキ85Aは、プレート81Aの動作に対して制動力を与える。本変形例のブレーキ85Aは、電動ブレーキである。ブレーキ85Aは、例えば、後部フレーム3の連結体303(
図6参照)に取り付けられる。
【0150】
ブレーキ85Aは、電力によって駆動する一対のブレーキパッド86Aを有している。プレート81Aの円弧状部3106は、一対のブレーキパッド86Aの間に位置している。一対のブレーキパッド86Aは、互いに近づく方向と、互いに離れる方向とに駆動する。ブレーキ85Aは、一対のブレーキパッド86Aを互いに近づく方向に移動させ、一対のブレーキパッド86Aでプレート81Aの円弧状部3106を挟むことで、移動するプレート81Aに対して制動力を与える。
【0151】
以下では、一対のブレーキパッド86Aを互いに近づく方向に移動させてプレート81Aを挟むことを「ブレーキ85Aを掛ける」といい、一対のブレーキパッド86Aを互いに離れる方向に移動させることを「ブレーキ85Aを放す」という。
【0152】
本変形例の回転規制機構10は、上記実施形態の回転規制機構10が有する第1部材111、第1弾性部材131、検知部15並びに減衰装置36(
図4参照)及び制御部5(
図12参照)を有している。
【0153】
図12に示す制御部5には、制動装置8Aのブレーキ85Aが電気的に接続されている。制御部5は、検知部15がOFFになり、自転車1に利用者が乗っていない状態であると判定した場合に、制動装置8Aを制御してブレーキ85Aを掛ける。これにより、前部フレーム21のスイングが規制される。
【0154】
制御部5は、検知部15がONになり、自転車1に利用者が乗っている状態であると判定した場合に、制動装置8Aを制御してブレーキ85Aを放す。これにより、前部フレーム21のスイングの規制が解除される。このように制動装置8Aを制御することでも、利用者が自転車1から降りた降車時において、前部フレーム21のスイングを容易に規制することができる。
【0155】
なお、本変形例における自転車1は、例えば、自転車1の走行速度を検出する速度センサを備え、この速度センサの検知結果に基づいて制動装置8Aを制御するように構成されてもよい。
【0156】
また、本変形例の制動装置8Aは、プレート81Aとブレーキ85Aとを備えたが、キャリパーブレーキやドラムブレーキのように、連結部材32との間の摩擦力によって、連結部材32の回転軸331での回転を制動してもよい。
【0157】
(2.2)変形例2
図13に変形例2の自転車1を示す。上記実施形態のモータユニット7は、ダウンチューブ22に取り付けられる、いわゆるセンタユニット方式のモータユニットであるが、本変形例のモータユニット7は、前車輪92に取り付けられたフロントハブユニット方式のモータユニットである。
【0158】
また、本変形例の自転車1は、
図13に示すように、モータユニット7としてのハブモータ75と、踏力検出ユニットブラケット730、踏力検出ユニット70とを備えている。
【0159】
踏力検出ユニットブラケット730は、ダウンチューブ22の第1管221に取り付けられている。踏力検出ユニットブラケット730には、踏力検出ユニット70が取り付けられている。なお、本変形例の踏力検出ユニットブラケット730は、上記実施形態のモータブラケット73と、同じ構造であり、踏力検出ユニットブラケット730とモータユニット7とに、共通して使用することができる。
【0160】
踏力検出ユニット70は、クランク軸700に入力された踏力を検出する。本変形例の踏力検出ユニット70は、踏力の検出として、トルクを検出する。このトルクの検出は、例えば、磁歪式トルクセンサによって、クランク軸700に生じたひずみを検出することで行われる。なお、踏力の検出として、クランク軸700の軸回りの回転を、回転センサで検出してもよい。
【0161】
踏力検出ユニット70で検出された検出結果は、ハブモータ75に出力される。ハブモータ75は、踏力検出ユニット70の検出結果に基づいて、駆動出力を発生する。本変形例のハブモータ75は、前車輪92に取り付けられている。ハブモータ75は、
図14に示すように、一対の固定軸76、モータ装置77、減速機構78及びハブケース79を有している。
【0162】
固定軸76は、前車輪92の回転軸に沿って延びており、フレーム2に取り付けられている。本変形例の固定軸76は、一対のホーク足261に取り付けられ、当該一対のホーク足261に対して固定されている。
【0163】
モータ装置77は、モータ771を駆動源として、駆動出力として回転動力を出力する。モータ装置77は、モータ771及びハウジング772を有している。ハウジング772には、一方の固定軸76が固定されている。モータ771は、ハウジング772に取り付けられている。モータ771は、ロータ774、ステータ773及び出力軸775を有している。ロータ774には、出力軸775が固定されている。出力軸775の外周には、減速機構78に噛み合う歯部776が形成されている。
【0164】
減速機構78は、ハブケース79の内部に配されている。モータ装置77の出力軸775から出力された回転動力が、減速機構78に入力されると、減速機構78は、回転速度を減速した上で、ハブケース79を回転させる。本変形例の減速機構78は、複数の平歯車781を有した遊星歯車機構である。複数の平歯車781は、出力軸775の周囲に配置され、かつ歯部776に噛み合っている。本変形例の減速機構78では、複数の平歯車781は、出力軸775の周りを公転しないが、公転可能に構成されてもよい。平歯車781は、歯部776に対してかみ合い、かつハブケース79の内周面にかみ合っている。
【0165】
ハブケース79は、ハウジング772及び他方の固定軸76(ハウジング772が固定された固定軸76とは異なる固定軸76)に対して、回転可能に取り付けられている。ハブケース79の回転軸は、固定軸76の中心軸と一致し、前車輪92の回転軸と一致している。ハブケース79とハウジング772との間及びハウジング772と固定軸76との間には、ベアリング791が配されている。ハブケース79には、前車輪92のスポーク942が取り付けられている。モータ771の出力軸775からハブケース79までの動力伝達経路には、ワンウェイクラッチが設けられている。ワンウェイクラッチは、自転車が走行中において、モータ771による加速をハブケース79に伝えるが、ハブケース79からモータ771への動力伝達を遮断する。
【0166】
モータ装置77から回転動力が出力されると、その回転動力は、減速機構78に伝達し、ハブケース79を回転させる。ハブケース79は、ホイール921を回転させ、前車輪92に対して駆動出力を伝達する。
【0167】
なお、本変形例のモータユニット7は、前車輪92に取り付けられたフロントハブユニット方式のモータユニットであるが、後車輪91に取り付けられた、いわゆるリアハブユニット方式のモータユニットであってもよい。
【0168】
(2.3)その他の変形例
また、上記実施形態では、回転規制部材11を第1部材111と第2部材112との二つの部材で構成したが、三つ以上の部材又は一つの部材で構成してもよい。
【0169】
また、上記実施形態では、連結部材32は、後部フレーム3に対して、回転軸331を中心に回転可能に連結されているが、前部フレーム21に対して、回転軸331を中心に回転可能に連結されてもよい。すなわち、一方フレームは、前部フレーム21であってもよい。この場合、連結部材32と後部フレーム3とは、左右方向に延びた軸周りに回転可能に連結されることが好ましい。
【0170】
また、上記実施形態では、連結部材32と他方フレームである前部フレーム21とは、左右方向に延びた第2回転軸322を中心に回転可能に取り付けられたが、連結部材32は、他方フレームに対して回転不能に固定されてもよい。例えば、上記実施形態では、連結部材32と前部フレーム21とは溶接で固定されてもよい。また、連結部材32とバッテリブラケット27とが一体であってもよい。また、連結部材32と他方フレームとは一体的に形成されてもよい。
【0171】
また、上記実施形態では、揺動復元機構31は、後部フレーム3が備えたが、前部フレーム21が備えてもよい。また、揺動復元機構31は省略可能である。また、上記実施形態では、連結部材32の長手方向は、走行面100に対して交差していたが、走行面100に対して略平行であってもよい。
【0172】
また、上記実施形態の抵抗力発生部80は、連結部材32に取り付けられた回転体310に対して抵抗力を加えることで、連結部材32の一方フレームに対する回転力に対し間接的に抵抗力を加えたが、連結部材32の一方フレームに対する回転力に対し直接抵抗力を加えてもよい。例えば、ケース35の外周面に歯を形成し、当該歯に対し、抵抗力発生部80の歯82をかみ合わせてもよい。
【0173】
また、本開示にて、「略平行」のように「略」を伴った表現が、用いられる場合がある。例えば、「略平行」とは、実質的に「平行」であることを意味し、厳密に「平行」な状態だけでなく、数度程度の誤差を含む意味である。他の「略」を伴った表現についても同様である。
【0174】
また、本開示において「前端部」及び「前端」などのように、「…端部」と「…端」とで区別した表現が用いられている。例えば、「前端部」とは、「前端」を含む一定の範囲を持つ部分を意味する。他の「…端部」を伴った表現についても同様である。
【0175】
(3)態様
以上説明した実施形態から明らかなように、第1の態様の自転車(1)は、フレーム(2)、少なくとも一つの前車輪(92)及び少なくとも二つの後車輪(91)を備えた自転車であって、以下に示す構成を有する。フレーム(2)は、前部フレーム(21)、後部フレーム(3)及び連結部材(32)を有する。前部フレーム(21)には、一つの前車輪(92)が取り付けられる。後部フレーム(3)には、二つの後車輪(91)が取り付けられる。連結部材(32)は、前部フレーム(21)と後部フレーム(3)とを相対回転可能に連結する。自転車(1)は、回転規制機構(10)を更に備える。回転規制機構(10)は、利用者が自転車(1)に乗っている状態では、前記相対回転を規制せず、かつ、利用者が自転車(1)に乗っていない状態では、前記相対回転を規制する。
【0176】
この態様によれば、利用者が自転車(1)に乗っている状態であるか否かに応じて、前記相対回転の規制及びこの規制の解除を自動的に切り換えることができる。このため、利用者が前部フレーム(21)のスイングの規制及びこの規制の解除をする必要がなく、利便性に優れている。
【0177】
第2の態様の自転車(1)は、第1の態様との組み合わせにより実現され得る。第2の態様の自転車(1)は、以下に示す構成を有する。自転車(1)は、サドル(40)を更に備える。サドル(40)は、前部フレーム(21)に取り付けられる。回転規制機構(10)は、サドル(40)に対して所定荷重以上の荷重が加わった状態では、前記相対回転を規制せず、かつ、サドル(40)に前記所定荷重以上の荷重が加わっていない状態では、前記相対回転を規制する。
【0178】
この態様によれば、利用者がサドル(40)から降りた際に前記相対回転を規制でき、また、利用者がサドル(40)に座った際に、前記相対回転の規制を解除することができる。
【0179】
第3の態様の自転車(1)は、第2の態様との組み合わせにより実現され得る。第3の態様の自転車(1)は、以下に示す構成を有する。前部フレーム(21)は、サドル(40)に対して前記所定荷重以上の荷重が加わった際に、連結部材(32)に対して、平面視において前後方向と交差する方向に延びる回転軸(322)を中心に回転するように構成されている。回転規制機構(10)は、回転規制部材(11)及び弾性部材(13)を有する。回転規制部材(11)は、前部フレーム(21)に取り付けられ、前部フレーム(21)が連結部材に対して(32)に対して回転軸(322)を中心に回転した際に、前部フレーム(21)と連動する。弾性部材(13)は、回転規制部材(11)に対して弾性力を付与する。回転規制部材(11)は、サドル(40)に対して前記所定荷重以上の荷重が加わった際に、弾性部材(13)の弾性力に抗して前記相対回転を規制しない非規制位置に配される。回転規制部材(11)は、サドル(40)に対して前記所定荷重以上の荷重が加わらなくなった際に、弾性部材(13)の弾性力によって前記相対回転を規制する規制位置に配される。
【0180】
この態様によれば、前部フレーム(21)と連動する回転規制部材(11)と弾性部材(13)とを利用して、前記相対回転の規制及びこの規制の解除を自動的に切り換えることができる。
【0181】
第4の態様の自転車(1)は、第3の態様との組み合わせにより実現され得る。第4の態様の自転車(1)は、以下に示す構成を有する。回転規制部材(11)は、第1部材(111)及び第2部材(112)を有する。第1部材(111)は、連結部材(32)及び前部フレーム(21)に取り付けられ、前部フレーム(21)が回転軸(322)を中心に回転した際に、前部フレーム(21)と連動する。第2部材(112)は、連結部材(32)及び第1部材(111)に取り付けられ、第1部材(111)と連動して連結部材(32)の一方フレームに対する回転を規制する。弾性部材(13)は、第1弾性部材(131)及び第2弾性部材(132)を有する。第1弾性部材(131)は、第1部材(111)に対して弾性力を付与する。第2弾性部材(132)は、第2部材(112)に対して弾性力を付与する。
【0182】
この態様によれば、第1弾性部材(131)及び第2弾性部材(132)は、第1部材(111)及び第2部材(112)に対して個別に弾性力を付与する。したがって、前部フレーム(21)と連動する第1部材(111)と、連結部材(32)の一方フレームに対する回転を規制する第2部材(112)との各々をスムーズに動作させることが可能になる。
【0183】
第5の態様の自転車(1)は、第3又は第4の態様との組み合わせにより実現され得る。第5の態様の自転車(1)は、以下に示す構成を有する。自転車(1)は、利用者が自転車(1)に乗っているか否かを検知するための検知部(15)として、回転規制部材(11)から力を受けて接点の切換えを行う検出用スイッチを更に備える。
【0184】
この態様によれば、回転規制部材(11)を利用して、利用者が自転車(1)に乗っているか否かを検知することができる。
【符号の説明】
【0185】
1 自転車
10 回転規制機構
11 回転規制部材
111 第1部材
112 第2部材
13 弾性部材
131 第1弾性部材
132 第2弾性部材
15 検知部
2 フレーム
21 前部フレーム
3 後部フレーム
32 連結部材
322 第2回転軸
331 回転軸
40 サドル
91 後車輪
92 前車輪