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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-21
(45)【発行日】2024-03-29
(54)【発明の名称】洗面化粧台
(51)【国際特許分類】
   A47K 1/02 20060101AFI20240322BHJP
   A47B 67/02 20060101ALI20240322BHJP
   G09F 9/00 20060101ALI20240322BHJP
   G02F 1/13 20060101ALI20240322BHJP
   G02F 1/1335 20060101ALI20240322BHJP
   G02F 1/133 20060101ALI20240322BHJP
【FI】
A47K1/02 B
A47K1/02 C
A47B67/02 502A
A47B67/02 503A
G09F9/00 313
G02F1/13 505
G02F1/1335 520
G02F1/133 580
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2020156357
(22)【出願日】2020-09-17
(65)【公開番号】P2022050009
(43)【公開日】2022-03-30
【審査請求日】2023-07-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000010087
【氏名又は名称】TOTO株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108062
【弁理士】
【氏名又は名称】日向寺 雅彦
(74)【代理人】
【識別番号】100168332
【弁理士】
【氏名又は名称】小崎 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100146592
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 浩
(74)【代理人】
【氏名又は名称】白井 達哲
(74)【代理人】
【識別番号】100172188
【弁理士】
【氏名又は名称】内田 敬人
(74)【代理人】
【識別番号】100197538
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 功
(74)【代理人】
【識別番号】100176751
【弁理士】
【氏名又は名称】星野 耕平
(72)【発明者】
【氏名】柴崎 嘉連
(72)【発明者】
【氏名】森岡 聡子
(72)【発明者】
【氏名】原口 俊尚
(72)【発明者】
【氏名】辻田 正実
【審査官】秋山 斉昭
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-229494(JP,A)
【文献】特開2016-96838(JP,A)
【文献】特開2013-235118(JP,A)
【文献】特開2018-42594(JP,A)
【文献】特開2002-199995(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47K 1/02
A47B 67/02
G09F 9/00
G02F 1/13-1/141
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハーフミラーと、前記ハーフミラーに設けられコンテンツデータを前記ハーフミラー越しに表示する表示部と、を有する表示装置と、
第1モードと第2モードとを切り替える制御部と、
を備えた洗面化粧台であって、
前記表示装置は、前記第1モードにおいて前記コンテンツデータを優先して表示し、前記第2モードにおいて前記ハーフミラーの反射による像を優先して表示し、
前記制御部は、前記洗面化粧台に設けられた洗面ユニットへの操作に連動して前記第1モードを前記第2モードへ切り替えることを特徴とする洗面化粧台。
【請求項2】
前記洗面ユニットへの前記操作は、洗面ボウルへ水を吐出可能に構成された吐出装置に水の吐出を停止させる止水操作であることを特徴とする請求項1記載の洗面化粧台。
【請求項3】
ハーフミラーと、前記ハーフミラーに設けられコンテンツデータを前記ハーフミラー越しに表示する表示部と、を有する表示装置と、
第1モードと第2モードとを切り替える制御部と、
コンセントと、
前記コンセントに接続される負荷に流れる負荷電流を検知する電流検知手段と、
を備えた洗面化粧台であって、
前記表示装置は、前記第1モードにおいて前記コンテンツデータを優先して表示し、前記第2モードにおいて前記ハーフミラーの反射による像を優先して表示し、
前記制御部は、前記電流検知手段が検知した前記負荷電流の値が所定値よりも大きい場合に、前記第1モードを前記第2モードへ切り替えることを特徴とする洗面化粧台。
【請求項4】
前記制御部は、前記表示部の黒色相当色の領域の割合を増やすことで、前記第1モードを前記第2モードへ切り替えることを特徴とする請求項1~3のいずれか1つに記載の洗面化粧台。
【請求項5】
前記第1モードにおいて、前記表示部が前記黒色相当色の領域を背景として前記コンテンツデータを表示することを特徴とする請求項4記載の洗面化粧台。
【請求項6】
前記ハーフミラーの周縁に設けられた照明装置をさらに備え、
前記制御部は、前記第2モードにおける前記照明装置が前記第1モードにおける前記照明装置よりも明るくなるように、前記照明装置を制御することを特徴とする請求項1~5のいずれか1つに記載の洗面化粧台。
【請求項7】
前記洗面化粧台の周囲の周囲照度を測定可能な照度測定手段をさらに備え、
前記制御部は、前記第2モードにおいて前記周囲照度が所定値未満になると、前記照明装置を暗くすることを特徴とする請求項6記載の洗面化粧台。
【請求項8】
前記照明装置は、前記ハーフミラーの上部に設けられた第1照明部と、前記ハーフミラーの下部に設けられた第2照明部と、を有し、
前記制御部は、前記第2モードにおいて前記周囲照度が前記所定値未満になると、前記第1照明部を消灯させることを特徴とする請求項7記載の洗面化粧台。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の態様は、一般的に、洗面化粧台に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、人々が生活する上で頻繁に利用する洗面化粧台に多種多様な機能を持たせることが提案されている。例えば、洗面化粧台に設けられた洗面鏡をハーフミラーとし、ハーフミラーの裏面にディスプレイモニタを取り付けることで、ハーフミラー越しに情報を表示させる構成が知られている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2016-96838号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の構成では、洗面化粧台の使用者が洗面鏡を使いたい場合に、ディスプレイモニタからの情報が洗面鏡上に表示され、鏡としての使い勝手に優れない恐れがある。
【0005】
本発明は、かかる課題の認識に基づいてなされたものであり、ハーフミラー及びディスプレイを有する表示装置を備えた洗面化粧台において、使い勝手の向上が可能な洗面化粧台を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の発明は、ハーフミラーと、前記ハーフミラーに設けられコンテンツデータを前記ハーフミラー越しに表示する表示部と、を有する表示装置と、第1モードと第2モードとを切り替える制御部と、を備えた洗面化粧台であって、前記表示装置は、前記第1モードにおいて前記コンテンツデータを優先して表示し、前記第2モードにおいて前記ハーフミラーの反射による像を優先して表示し、前記制御部は、前記洗面化粧台に設けられた洗面ユニットへの操作に連動して前記第1モードを前記第2モードへ切り替えることを特徴とする洗面化粧台である。
【0007】
この洗面化粧台によれば、例えば浴室の使用者が洗面化粧台が設けられた空間に立ち寄った場合や洗面化粧台の正面に立った場合に、第1モードによって天気情報やニュースなどのコンテンツデータを優先して表示することができる。そして、洗面ユニットの操作に連動して制御部が第1モードを第2モードへ切り替えることで、例えば使用者が洗面鏡を利用すると想定される洗面行為時などに、ハーフミラーを鏡面として利用することを優先することができる。従って、洗面化粧台の使い勝手を向上させることができる。
【0008】
第2の発明は、第1の発明において、前記洗面ユニットへの前記操作は、洗面ボウルへ水を吐出可能に構成された吐出装置に水の吐出を停止させる止水操作であることを特徴とする洗面化粧台である。
【0009】
この洗面化粧台によれば、止水操作によって制御部が第1モードを第2モードへ切り替えることで、例えば、使用者が洗顔や歯磨き行為の後に止水操作を行い洗面鏡を利用すると想定される時に、ハーフミラーを鏡面として利用することを優先することができる。
【0010】
第3の発明は、ハーフミラーと、前記ハーフミラーに設けられコンテンツデータを前記ハーフミラー越しに表示する表示部と、を有する表示装置と、第1モードと第2モードとを切り替える制御部と、コンセントと、前記コンセントに接続される負荷に流れる負荷電流を検知する電流検知手段と、を備えた洗面化粧台であって、前記表示装置は、前記第1モードにおいて前記コンテンツデータを優先して表示し、前記第2モードにおいて前記ハーフミラーの反射による像を優先して表示し、前記制御部は、前記電流検知手段が検知した前記負荷電流の値が所定値よりも大きい場合に、前記第1モードを前記第2モードへ切り替えることを特徴とする洗面化粧台である。
【0011】
この洗面化粧台によれば、例えば浴室の使用者が洗面化粧台が設けられた空間に立ち寄った場合や洗面化粧台の正面に立った場合に、第1モードによって天気情報やニュースなどのコンテンツデータを優先して表示することができる。そして、負荷(例えばドライヤー等の電化製品)に流れる負荷電流の値によって第1モードを第2モードへ切り替わることで、使用者が洗面鏡を利用すると想定される電気製品の利用時などに、ハーフミラーを鏡面として利用することを優先することができる。従って、洗面化粧台の使い勝手を向上させることができる。
【0012】
第4の発明は、第1~第3のいずれか1つの発明において、前記制御部は、前記表示部の黒色相当色の領域の割合を増やすことで、前記第1モードを前記第2モードへ切り替えることを特徴とする洗面化粧台である。
【0013】
この洗面化粧台によれば、表示部に文字情報や映像などのコンテンツデータを表示している第1モードから、ハーフミラーを鏡として利用する第2モードへ切り替える際に、表示部24の黒色相当色の領域を増やすことにより、表示部を消灯させることが不要となる。そのため、第2モードから第1モードへ切り替える際に、表示部を再度起動させる必要が無く、表示部が立ち上がるまでの遅延時間が発生しない。従って、洗面化粧台の使い勝手を向上させることができる。
【0014】
第5の発明は、第4の発明において、前記第1モードにおいて、前記表示部が前記黒色相当色の領域を背景として前記コンテンツデータを表示することを特徴とする洗面化粧台である。
【0015】
この洗面化粧台によれば、第1モードから第2モードへの切り替わりの際に、表示装置上の表示色の変化を抑えることができ、使用者に与える違和感を軽減することができる。
【0016】
第6の発明は、第1~第5のいずれか1つの発明において、前記ハーフミラーの周縁に設けられた照明装置をさらに備え、前記制御部は、前記第2モードにおける前記照明装置が前記第1モードにおける前記照明装置よりも明るくなるように、前記照明装置を制御することを特徴とする洗面化粧台である。
【0017】
この洗面化粧台によれば、例えば表示部上に生体情報や天気情報などのコンテンツデータを表示させる第1モードにおいては、照明装置を暗くすることで、ハーフミラーから使用者に向かって反射される光の照り返し量を抑え、コンテンツデータの視認性を高めることができる。一方で、ハーフミラーを鏡面として利用する第2モードにおいては、照明装置を明るくすることで、ハーフミラーに使用者の姿をきれいに見やすく映すことができる。
【0018】
第7の発明は、第6の発明において、前記洗面化粧台の周囲の周囲照度を測定可能な照度測定手段をさらに備え、前記制御部は、前記第2モードにおいて前記周囲照度が所定値未満になると、前記照明装置を暗くすることを特徴とする洗面化粧台である。
【0019】
この洗面化粧台によれば、洗面化粧台の周囲がある一定以上暗いとき、例えば、夜間の利用等の際は使用者が鏡を利用しないタイミングであると考えられるため、照明装置から照射される光の照度を低下させる。これにより、省電力に繋がる。
【0020】
第8の発明は、第7の発明において、前記照明装置は、前記ハーフミラーの上部に設けられた第1照明部と、前記ハーフミラーの下部に設けられた第2照明部と、を有し、前記制御部は、前記第2モードにおいて前記周囲照度が前記所定値未満になると、前記第1照明部を消灯させることを特徴とする洗面化粧台である。
【0021】
この洗面化粧台によれば、例えば夜間に使用者がお手洗いの後などに洗面ユニットの吐出装置を利用した場合でも、吐出装置からの吐水流の視認性を第2照明部により確保しつつ、第1照明部の消灯により上方から照射される光の照度を低下させる。これにより、簡易な構成にて、吐水流の視認性の維持と眩しさの抑制とを両立させることができ、使い勝手の良い洗面化粧台を提供することができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明の態様によれば、ハーフミラー及びディスプレイを有する表示装置を備えた洗面化粧台において、使い勝手の向上が可能な洗面化粧台が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】実施形態に係る洗面化粧台を表す斜視図である。
図2】実施形態に係る洗面化粧台を表すブロック図である。
図3図3(a)~図3(d)は、実施形態に係る洗面化粧台の表示装置を表す説明図である。
図4】実施形態に係る洗面化粧台の動作を表すフローチャートである。
図5】実施形態に係る洗面化粧台の別の動作を表すフローチャートである。
図6図6(a)~図6(d)は、実施形態に係る洗面化粧台の別の動作を表す模式図である。
図7】実施形態に係る別の洗面化粧台を表すブロック図である。
図8】実施形態に係る別の洗面化粧台の動作を表すフローチャートである。
図9図9(a)~図9(c)は、実施形態に係る別の洗面化粧台の動作を表す模式図である。
図10図10(a)は、電流検知手段を例示する模式図であり、図10(b)は、電流検知手段が検知する負荷電流を例示するグラフ図である。
図11図11(a)~図11(c)は、実施形態に係る洗面化粧台の別の動作を表す模式図である。
図12】実施形態に係る洗面化粧台の別の動作を表すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。なお、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
図1は、実施形態に係る洗面化粧台を表す斜視図である。
図1に表したように、実施形態に係る洗面化粧台101は、支持台16と、洗面ユニット10と、表示装置21と、照明装置22と、人体検知センサ56と、を備える。
【0025】
以下、本願明細書において、「上」、「下」、「右」および「左」という記載は、洗面化粧台の前で洗面化粧台を見た人を基準とした上、下、右および左をそれぞれいう。また、本願明細書においては、洗面化粧台から、洗面化粧台101の前に居る人へ向かう方向を「前」方向とし、その逆方向を「後」方向とする。
【0026】
洗面ユニット10は、洗面器12と、吐出装置14(水栓装置)と、を有する。洗面器12は、洗面ボウル23を有する。洗面ボウル23は、下方に向かって凹んだ凹状に形成されている。必要に応じて洗面ボウル23の後端から上方に延びるバックガードが設けられても良い。洗面器12の形状は、少なくとも洗面ボウル23を有する任意の形状でよい。
【0027】
洗面器12は、支持台16の上に設けられる。支持台16は、洗面器12を支持する。支持台16は、例えば、引き出しや扉などを有し、内部の空間に物品を収納可能なキャビネットとしても機能する。支持台16は、換言すれば、下部キャビネット(フロアキャビネット)である。支持台16は、必ずしも収納機能を有していなくてもよい。支持台16は、洗面器12を支持可能な任意の構成でよい。また、洗面器12は、例えば、洗面所などの壁面に直接取り付けてもよい。すなわち、支持台16は、必要に応じて設けられ、省略可能である。
【0028】
吐出装置14は、洗面器12上に設けられる。吐出装置14は吐水部42を有する。吐出装置14の吐水部42は、洗面ボウル23に水を吐出可能に構成されている。具体的には、吐水部42は、吐水口を有し、吐水口から洗面ボウル23に水を吐出する。
【0029】
洗面ユニット10は、操作部44を有する。操作部44は、使用者が洗面ユニット10に対して所定の操作を行う部分である。図1に示した例では、操作部44は、吐出装置14の一部であり、使用者の操作に応じて吐水部42からの水の吐止水を切り替える。すなわち、使用者は、操作部44を操作して吐水部42から水を吐出させる吐水操作と、操作部44を操作して吐水部42からの水の吐出を停止させる止水操作と、が可能である。
【0030】
操作部44は、例えば、レバー、ハンドル、ボタンまたはスイッチなどである。吐水操作及び止水操作は、レバーやハンドルを動かすこと、またはボタンやスイッチを押すこと等に対応する。また、操作部44は、機械的な押しボタン等の接触式のスイッチだけでなく、非接触式のセンサ等であっても良い。センサは、光(電波)を放射し、放射した光の反射波に基づいて、使用者などの人体を検知する。具体的には、赤外線センサ(焦電センサ)、電波センサ(マイクロ波センサ)などを用いることができる。この場合、センサの検知範囲に手をかざすことが吐水操作に対応し、センサの検知範囲から手を遠ざけることが止水操作に対応する。操作部44は、使用者のジェスチャーを検知可能なセンサや、音声を検知可能なマイクでも良い。上記に限らず、操作部44は、使用者の所定の操作を検知可能な任意の構成で良い。
【0031】
吐水部42と操作部44とは、互いに離れて設けられていても、一カ所にまとめて設けられていても良い。吐水部42と操作部44とは、例えば、洗面器12のバックガードや洗面ボウル23の周囲のリム面などに設けてもよい。吐水部42は、洗面ボウル23に水を吐出可能な任意の構成でよい。操作部44は、少なくとも吐水部42からの水の吐止水を切り替え可能な任意の構成でよい。操作部44は、例えば、吐水部42から吐出される水の流量、及び吐水部42から吐出される水の温度を変更可能に構成されていても良い。
【0032】
表示装置21は、ハーフミラー20と表示部24(ディスプレイ)とを有する。ハーフミラー20及び表示部24は、吐出装置14の上に設けられている。表示装置21は、表示部24による表示をハーフミラー20越しに使用者U1に表示する装置である。表示装置21の詳細については、図3等に関して後述する。
【0033】
照明装置22は、ハーフミラー20の周縁に設けられる。例えば、照明装置22は、ハーフミラー20の周りの少なくとも一部に設けられる。図1の例では、照明装置22は、第1照明部22aと第2照明部22bとを有する。第1照明部22aは、ハーフミラー20の上方に設けられており、第2照明部22bは、ハーフミラー20の下方に設けられている。照明装置22は、表示装置21の表示面21a(ハーフミラー20の表側の面)や洗面ユニット10を照らすことが可能な任意の配置で良い。第1照明部22a及び第2照明部22bには、例えばLED(Light Emitting Diode)が用いられる。第1照明部22a及び第2照明部22bは、電球または蛍光灯でも良い。例えば、第1照明部22a及び第2照明部22bは、明るさが調節可能に構成されている。
【0034】
人体検知センサ56は、前方に向かって電波を放射し、放射した電波の反射波に基づいて、使用者などの人体を検知する。人体検知センサ56は、例えば、マイクロ波センサである。マイクロ波センサは、例えば、被検知体の接近、離反、移動速度などを検知可能である。人体検知センサ56の送信するマイクロ波の周波数はGHz(ギガヘルツ)帯が好ましい。図1の例では、人体検知センサ56は、支持台16の前面に設けられている。これに限らず、人体検知センサ56の位置は、上記に限ることなく、使用者を適切に検知可能な任意の位置でよい。人体検知センサ56は、洗面化粧台101の内部に設けられても良い。
【0035】
図2は、実施形態に係る洗面化粧台を表すブロック図である。
図2に表したように、洗面化粧台101は、さらに制御部33を備える。制御部33は、表示装置21、照明装置22、吐出装置14、及び人体検知センサ56と通信可能である。制御部33は、表示装置21、照明装置22、吐出装置14、及び人体検知センサ56の動作を制御可能である。制御部33との通信方式は、有線でも無線でも良い。洗面化粧台には、後述する照度測定手段が設けられても良い。
【0036】
制御部33には、マイコンなどの処理装置(コンピュータ)を用いることができる。この例では、1つの処理装置が制御部33として機能している。但し、これに限らず、制御部33は、有線又は無線により通信可能に接続される複数の装置に分散させて配置しても良い。制御部33の構成は、上記に限ることなく、その機能を満足し得る任意の構成で良い。
【0037】
表示装置21は、表示モード24a(第1モード)及びミラーモード24b(第2モード)を有する。制御部33は、表示部24及び照明装置22の少なくともいずれかを制御して、第1モードと第2モードとを切り替える。表示装置21及び各モードの例について、図3を参照して説明する。
【0038】
図3(a)~図3(d)は、実施形態に係る洗面化粧台の表示装置を表す説明図である。
図3(a)は、第1モードにおける表示装置21の一例であり、図3(b)は、第2モードにおける表示装置21の一例である。図3(c)は、第1モードにおける表示装置21の模式的分解図であり、図3(d)は、第2モードにおける表示装置21の模式的分解図である。
【0039】
ハーフミラー20は、入射した光の一部を反射し、入射した光の別の一部を透過させる。ハーフミラー20の反射率と透過率とは、必ずしも同じでなくても良い。ハーフミラー20の反射率及び透過率は、特に限定されることなく、その機能を満足し得る任意の値で良い。
【0040】
図3(c)及び図3(d)に示すように、ハーフミラー20は、表面20a(前面)と、表面20aとは反対側の裏面20b(後面)と、を有する。前方から後方に向かって表面20aに入射した光の一部は、前方に向けて反射される。これにより、ハーフミラー20の表面20aに反射による像が映る。すなわち、表示装置21は、ハーフミラー20の反射による像(反射像D2)を表示する。使用者は、ハーフミラー20に映った自身の姿、すなわち表示装置21に表示された反射像D2を見ることができる。
【0041】
表示部24は、ハーフミラー20の裏面20b側に配置される。表示部24は、例えば、ハーフミラー20と重ね合わされ一体的に設けられる。表示部24は、前方に光を放出して洗面化粧台101の前方に立つ使用者U1にコンテンツデータD1を表示する。表示部24は、ハーフミラー20越しにコンテンツデータD1を表示することができる。表示部24には、例えば、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、LEDディスプレイなどを用いることができる。表示部24は、上記に限らず、光を放出してコンテンツデータD1を表示可能な任意の装置で良い。
【0042】
なお、コンテンツデータとは、例えば、天気情報、ニュース、日時、使用者の生体情報などである。但し、コンテンツデータは、上記に限ることなく、文字(記号を含む)及び画像(映像を含む)の少なくともいずれかで表示される任意の情報で良い。また、生体情報は、例えば、体温、血圧、心拍数、呼吸数、体重、または顔色などである。ただし、生体情報は、上記に限らず、使用者の身体の任意の情報で良い。
【0043】
表示部24は、コンテンツデータD1の情報を含む光をハーフミラーの裏面20b側から表面20a側に向かって放出する。表示部24から放出された光の一部は、裏面20bに入射しハーフミラー20を透過する。使用者からは、例えば、表示部24の表示内容がハーフミラーの表面20aに表示されているように見える。このようにして、表示装置21は、コンテンツデータD1を表示する。
【0044】
ハーフミラー20の表面20aが、表示装置21の表示面21aとなる。表示面21aは、ハーフミラーの表面20aのうち、コンテンツデータD1または反射像D2が表示される領域である。
以下の説明において、表示面21aのうちコンテンツデータD1が表示された領域を「コンテンツ表示領域」という場合がある。コンテンツ表示領域は、表示面21aのうち、表示部24の画面上のコンテンツデータD1が表示された領域と重なる部分に対応する。すなわち、コンテンツ表示領域は、表示面21aのうち、表示部24から放出されたコンテンツデータD1を表示する光が透過する領域である。
また、表示面21aのうちコンテンツデータD1が表示されていない領域、すなわちコンテンツ表示領域に比べて反射像D2が見やすい領域を「反射像表示領域」という場合がある。反射像表示領域は、表示面21aのうち、表示部24の画面上のコンテンツデータD1が表示されていない領域と重なる部分に対応する。
【0045】
図3(a)に表したように、第1モード(表示モード)は、コンテンツデータD1を優先して表示するモードである。図3(b)に表したように、第2モード(ミラーモード)は、ハーフミラー20を鏡面として利用することを優先するモード、すなわち、反射像D2を優先して表示するモードである。制御部33は、表示部24や照明装置22の動作を制御することにより、コンテンツデータD1の見易さ及び反射像D2の見易さを調節することができる。これにより、制御部33は、第1モードと第2モードとを切り替えることができる。
【0046】
より具体的には、コンテンツデータを優先して表示する第1モードとは、例えば、第2モードよりも、反射像D2に対してコンテンツデータD1を優先して表示するモードである。言い換えると、反射像D2に対するコンテンツデータD1の第1モードにおける表示の優先度は、反射像D2に対するコンテンツデータD1の第2モードにおける表示の優先度よりも高い。
【0047】
また、反射像を優先して表示する第2モードとは、例えば、第1モードよりも、コンテンツデータD1に対して反射像D2を優先して表示するモードである。言い換えると、コンテンツデータD1に対する反射像D2の第2モードにおける表示の優先度は、コンテンツデータD1に対する反射像D2の第1モードにおける表示の優先度よりも高い。
【0048】
すなわち、コンテンツデータを優先して表示する第1モード及び反射像を優先して表示する第2モードとは、第1モードにおけるコンテンツデータD1の視認性が第2モードにおけるコンテンツデータD1の視認性よりも高いこと、または、第2モードにおける反射像D2の視認性が第1モードにおける反射像D2の視認性よりも高いことに対応する。視認性は、表示の大きさ、明るさ、色及び位置の少なくともいずれかにより調節される。
【0049】
このような第1、2モードは、例えば、表示部24の黒色相当色の領域(領域B1)の大小により確認できる。黒色相当色の領域とは、表示部24の画面のうち、表示面21aに黒色又はグレーを表示する領域である。すなわち、黒色相当色の領域は、ハーフミラー20越しに黒色又はグレーを表示する領域である。表示面21aのうち黒色相当色の領域が表示された部分(黒色又はグレーが表示された部分)においては、例えば波長400nm以上800nm以下の範囲の光の反射率が20%以下となる。例えば、第1モードにおける黒色相当色の領域の面積は、第2モードにおける黒色相当色の領域の面積よりも小さい。
制御部33は、表示部24が放出する光の色を制御することにより、表示面21aの表示の色を制御することができる。表示部24の画面上のコンテンツデータD1が表示された領域の色が、表示面21aのコンテンツ表示領域の色に対応する。表示部24の画面上のコンテンツデータD1が表示されていない領域の色が、表示面21aの反射像表示領域の色に対応する。例えば、表示部24の黒色相当色の領域の少なくとも一部が、表示面21aの反射像表示領域に対応する。制御部33は、表示部24を制御して、黒色相当色の領域の大きさや位置を制御することができる。例えば、図3(c)及び図3(d)に表したように、表示部24は、コンテンツデータD1(文字等)を、背景に比べて明るい色で表示する。すなわち、表示部24の画面上において、コンテンツデータD1が表示された領域の平均の明度は、コンテンツデータD1が表示されていない領域の平均の明度よりも高い。例えば第2モードにおいては、第1モードに比べて、表示部24に明るい色のコンテンツデータD1が表示されないため、表示部24の画面が暗くなり、表示面21a上において黒色相当色の領域が表示された反射像表示領域が広くなる。このように、第2モードでは、第1モードに比べて表示部24が暗く黒色相当色の領域が大きい。これにより、第2モードでは、ハーフミラー20の表示面21aにおいて反射像の視認性が高い。
【0050】
また、例えば、第1、2モードは、コンテンツ表示領域の大小により確認できる。例えば、第1モードにおけるコンテンツ表示領域の面積は、第2モードにおけるコンテンツ表示領域の面積よりも大きい。なお、第2モードという範囲は、コンテンツデータD1が表示されないことを含む。第2モードは、コンテンツデータD1を非表示にしても良いし、コンテンツデータD1を非表示にせずに第1モードに比べて縮小して表示しても良い。
【0051】
第1モードにおけるコンテンツデータの情報量(文字数又は画像数など)は、第2モードにおけるコンテンツデータの情報量よりも多い。または、第1モードにおける文字又は画像の表示サイズは、第2モードにおける文字又は画像の表示サイズよりも大きくても良い。このような場合、第1モードにおけるコンテンツ表示領域は、第2モードにおけるコンテンツ表示領域よりも大きくなる。コンテンツ表示領域の少なくとも一部は、例えば黒色相当色以外の色の領域が表示されている。これにより、コンテンツデータD1の視認性を向上することができる。
【0052】
このように、実施形態に係る洗面化粧台は、第1モードにおいてコンテンツデータD1を使用者に表示する。これにより、使用者は、見やすい表示で情報を得ることができ、使い勝手が良い。例えば、浴室の使用者が洗面化粧台101が設けられた空間に立ち寄った場合や洗面化粧台101の正面に立った場合に、第1モードによって天気情報やニュースなどのコンテンツデータを優先して表示することができる。
【0053】
一方、ディスプレイモニタがハーフミラー越しに情報を表示する従来の構成においては、使用者がハーフミラーを鏡として利用したい場合に、鏡としての使い勝手に優れない恐れがあった。例えば、ディスプレイモニタからの情報がハーフミラー上に大きく表示されることで、ディスプレイモニタの表示とハーフミラーの反射像が重なり、反射像が見にくくなることが考えられる。
【0054】
これに対して、実施形態に係る洗面化粧台101においては、制御部33は、洗面化粧台101に設けられた洗面ユニット10への操作に連動して第1モードを第2モードへ切り替える。例えば、使用者は、洗面行為などを行うときに洗面ユニット10(例えば吐出装置14)を操作する。そして、洗面行為に伴って使用者がハーフミラー20を鏡として利用することが想定される。このような場合に、洗面ユニット10の操作に連動して制御部33が第1モードを第2モードへ切り替えることで、使用者が洗面鏡を利用すると想定される洗面行為時などに、ハーフミラー20を鏡面として利用することを優先することができる。従って、洗面化粧台101の使い勝手を向上させることができる。
【0055】
また、照明装置22の明るさを変化させることで、コンテンツデータD1の見易さ、及び、反射像D2の見易さを制御することも可能である。照明装置22を暗くして表示面21a側を暗くすることで、コンテンツデータD1の視認性が高くなり反射像D2の視認性が低くなる。逆に、照明装置22を明るくして表示面21a側を明るくすることで、コンテンツデータD1の視認性が低くなり反射像D2の視認性が高くなる。第1モードという範囲には、第2モードに比べて照明装置22を暗くすることで表示装置21がコンテンツデータD1を優先して表示することを含んでもよい。第2モードという範囲には、第1モードに比べて照明装置22を明るくすることで表示装置21が反射像D2を優先して表示することを含んでもよい。
【0056】
また、コンテンツデータを優先して表示する第1モードという範囲には、第1モードにおけるコンテンツデータD1の視認性を、第1モードにおける反射像D2の視認性よりも高くすることが含まれても良い。例えば、第1モードにおいて、コンテンツ表示領域の面積は、反射像表示領域の面積よりも大きくても良い。
また、反射像を優先して表示する第2モードという範囲には、第2モードにおける反射像D2の視認性を、第2モードにおけるコンテンツデータD1の視認性よりも高くすることが含まれても良い。例えば、第2モードにおいて、反射像表示領域の面積がコンテンツデータ表示領域の面積よりも大きくても良い。
【0057】
図4は、実施形態に係る洗面化粧台の動作を表すフローチャートである。
洗面化粧台101の周囲に使用者がいない場合は、人体検知センサ56は使用者を検知しない(ステップS101:NO)。使用者が洗面化粧台101に近づくと、人体検知センサ56は、使用者を感知し(ステップS101:YES)、使用者が存在することを示す感知信号を制御部33に送信する。
【0058】
制御部33は、人体検知センサ56からの感知信号を受信すると、表示装置21及び照明装置22の電源をオンにする(ステップS102)。また、制御部33は、表示装置21を第1モード(表示モード)とする(ステップS103)。この例では、表示装置21の表示面21aに「good morning」という文字を含むコンテンツデータが表示される。
【0059】
使用者が所定の操作を行わない場合(ステップS104:NO)、第1モードが継続される。使用者が所定の操作を行うと(ステップS104:YES)、その操作が行われたことを示す信号が制御部33に送信される。制御部33は、その信号を受信すると、表示装置21を第2モード(ミラーモード)とする(ステップS105)。第2モードにおいては、例えば、表示装置21は黒背景を表示し、照明装置22が明るくされる。
【0060】
使用者が所定の操作を行わない場合(ステップS106:NO)、第2モードが継続される。使用者が所定の操作を行うと(ステップS106:YES)、その操作が行われたことを示す信号が制御部33に送信される。制御部33は、その信号を受信すると、表示装置21を第1モード(表示モード)とする(ステップS107)。第1モードにおいては、表示装置21はコンテンツデータD1を表示し、照明装置22が暗くされる。
【0061】
なお、ステップS104、ステップS106における所定の操作は、洗面ユニット10(例えば吐出装置14)への操作である。または、ステップS104、ステップS106における所定の操作は、後述するように、コンセントに接続されたドライヤへの操作でも良い。例えば、洗面化粧台101は、使用者の所定の操作を検出可能なセンサを有し、センサが使用者の所定の操作を検知すると検知信号を制御部33に送信する。この例では、所定の操作は、操作部44への吐水操作又は止水操作である。例えば、ステップS104における所定の操作が吐水操作であり、ステップS106における所定の操作が止水操作でも良い。または、ステップS104及びS106に所定の操作のそれぞれが、止水操作でも良い。ステップS104における所定の操作とステップS106における所定の操作とは、互いに異なる操作でも良いし、同じ操作でも良い。
【0062】
人体検知センサ56が使用者を感知している場合(ステップS108:NO)、第1モードが継続される。使用者が洗面化粧台101から離れると、人体検知センサ56は、使用者を感知せず(ステップS108:YES)、使用者が存在しないことを示す非感知信号を制御部33に送信する。制御部33は、人体検知センサ56からの非感知信号を受信すると、表示装置21及び照明装置22の電源をオフとする(ステップS109)。
このように、制御部33は、洗面ユニット10への操作に連動して、第1モードを第2モードへ切り替える。これにより、洗面化粧台の使い勝手を向上させることができる。
【0063】
図5は、実施形態に係る洗面化粧台の別の動作を表すフローチャートである。
図6(a)~図6(d)は、実施形態に係る洗面化粧台の別の動作を表す模式図である。
図6(a)~図6(d)に表したように、洗面化粧台101には、個人認証手段50が設けられても良い。この例では、個人認証手段50は、スイッチである。スイッチは、機械的な押しボタン等の接触式のスイッチでも良いし、非接触式のセンサ等でも良い。使用者がスイッチ操作などの個人認証操作を行うことで、操作に応じた信号が制御部33に送信される。この信号に基づいて制御部33は、使用者を特定する。制御部33は、表示部24を制御して、特定した使用者に合わせた情報を表示させることができる。なお、上記に限らず、個人認証には、指紋認証、声認証(声紋認証)、顔認証、瞳認証(虹彩認証)または静脈認証など、個人を識別可能な任意の方式を用いて良い。個人認証手段50には、例えば、指紋を読み取るセンサ、顔を撮像するカメラまたは音を検知するマイクなど、個人認証の方式に応じた任意の装置が用いられる。
【0064】
図5に表したように、洗面化粧台101の周囲に使用者がいない場合は、人体検知センサ56は使用者を検知しない(ステップS201:NO)。使用者が洗面化粧台101に近づくと、人体検知センサ56は、使用者を感知し(ステップS201:YES)、使用者が存在することを示す感知信号を制御部33に送信する。
【0065】
制御部33は、人体検知センサ56からの感知信号を受信すると、表示装置21の電源をオンにする(ステップS202)。また、制御部33は、表示装置21を第1モード(表示モード)とする(ステップS203)。このとき、例えば図6(a)に表したように、表示面21aのうち90%の領域が黒色相当色の領域を表示する。すなわち、黒色相当色の領域が表示された面積は、表示面21aの面積の90%である。この黒色相当色が表示された領域を背景としてコンテンツデータD1が表示されている。この例では、コンテンツデータD1は、「good morning」という文字を含み、黒色相当色以外の色で表示されている。図6(a)に示した第1モードにおけるコンテンツ表示領域は、図6(c)に示した第2モードにおけるコンテンツ表示領域よりも大きい。
【0066】
図5に表したように、使用者が止水操作を行わない場合(ステップS204:NO)は、第1モードが継続される。例えば図6(b)に表したように、使用者が洗面ユニット10の操作部44を操作して吐水操作を行い、手洗いや洗顔を行う。このとき、表示装置21は、第1モードで動作する。この例では、表示面21aのうち85%の領域が黒色相当色の領域を表示する。コンテンツデータD1は、スケジュールやニュースの情報を含み、黒色相当色以外の色で表示されている。図6(b)に示した第1モードにおけるコンテンツ表示領域は、図6(c)に示した第2モードにおけるコンテンツ表示領域よりも大きい。
【0067】
図5に表したように、使用者が洗面ユニット10の操作部44を操作して止水操作を行うと(ステップS204:YES)、止水操作が行われたことを示す信号が制御部33に送信される。制御部33は、その信号を受信すると、表示装置21を制御して第2モード(ミラーモード)を実行する(ステップS205)。例えば図6(c)に表したように、表示面21aのうち95%の領域が黒色相当色の領域を表示する。すなわち、黒色相当色の領域が表示された面積は、表示面21aの面積の95%である。このように、制御部33は、表示部24の黒色相当色の領域の割合を増やすことで、第1モードを第2モードへ切り替える。この例では、コンテンツデータD1は、表示面21aの右上隅部に縮小されて表示されている。図6(c)に示した第2モードにおけるコンテンツ表示領域は、第1モードにおけるコンテンツ表示領域よりも小さい。
【0068】
図5に表したように、所定の時間が経過するまで、または、所定の切替手動操作が行われるまで、第2モードが継続される(ステップS206:NO)。所定の時間が経過すると(ステップS206:YES)、制御部33は自動で第1モードを実行する(ステップS207)。または、所定の切替手動操作が行われると(ステップS206:YES)、制御部33は第1モードを実行する(ステップS207)。この例では、所定の切替手動操作は、個人認証手段50への個人認証操作である。すなわち、制御部33は、個人認証操作が行われると、第2モードを第1モードへ切り替える。例えば図6(d)に表したように、表示面21aのうち80%の領域が黒色相当色の領域を表示する。制御部33は、表示部24の黒色相当色の領域の割合を減らすことで、第2モードを第1モードへ切り替える。この例では、コンテンツデータD1は、個人認証により特定された個人に合わせた情報を含む。図6(d)に示した第1モードにおけるコンテンツ表示領域は、図6(c)に示した第2モードにおけるコンテンツ表示領域よりもよりも大きい。
【0069】
図5に表したように、人体検知センサ56が使用者を感知している場合(ステップS208:NO)、第1モードが継続される。使用者が洗面化粧台101から離れ、人体検知センサ56が使用者を感知しなくなると(ステップS208:YES)、人体検知センサ56は、使用者が存在しないことを示す非感知信号を制御部33に送信する。制御部33は、人体検知センサ56からの非感知信号を受信すると、表示装置21の電源をオフにする(ステップS209)。
【0070】
上記の例では、制御部33は、止水操作に連動して、第1モードを第2モードへ切り替える。これにより、例えば、使用者が洗顔や歯磨き行為の後に止水操作を行い洗面鏡を利用すると想定される時に、ハーフミラー20を鏡面として利用することを優先することができる。
【0071】
また、第1モードに比べてコンテンツデータD1の表示の優先度が低い第2モードにおいては、例えば、表示部24を消灯させることでコンテンツデータD1を非表示とする方法も考えられる。ただし、この場合には、表示装置21にコンテンツデータD1を表示させる際に、表示部24を再度起動させることとなる。そのため、表示部24の起動に時間を要し、使い勝手が低下する恐れがある。これに対して、上述したように、制御部33は、表示部24の黒色相当色の領域の割合を増やすことで、第1モードを第2モードへ切り替える。表示部24に文字情報や映像などのコンテンツデータD1を表示している第1モードから、ハーフミラー20を鏡として利用する第2モードへ切り替える際に、表示部24の黒色相当色の領域を増やすことにより、表示部24を消灯させることが不要となる。そのため、第2モードから第1モードへ切り替える際に、表示部24を再度起動させる必要が無く、表示部24が立ち上がるまでの遅延時間が発生しない。従って、洗面化粧台の使い勝手を向上させることができる。
【0072】
また、上述したように、第1モードにおいて、表示部24が黒色相当色の領域を背景として、コンテンツデータを表示する。第1モードにおいても第2モードにおいても、黒色相当色の領域が表示される。これにより、第1モードから第2モードへの切り替わりの際に、表示装置21上の表示色の変化を抑えることができ、使用者に与える違和感を軽減することができる。
【0073】
図7は、実施形態に係る別の洗面化粧台を表すブロック図である。
図7に表したように、実施形態に係る洗面化粧台102においても、表示装置21、制御部33、照明装置22及び人体検知センサ56が設けられる。また、洗面化粧台102においても、図示を省略した洗面ユニット10、支持台16などが適宜設けられる。洗面化粧台102は、コンセント52と電流検知手段53とをさらに備える。
【0074】
コンセント52には、電化製品などの負荷が接続される。負荷としては、例えばドライヤや電動カミソリが挙げられる。コンセント52から、負荷に電力が供給される。電流検知手段53は、コンセント52に接続される負荷に流れる電流(負荷電流)を検知することができる。電流検知手段53には、電流計など、負荷電流を検知可能な任意の装置を用いることができる。
【0075】
制御部33は、電流検知手段53から負荷電流の測定結果を受信することができる。制御部33は、負荷電流の測定結果に基づいて、表示部24や照明装置22の動作を制御することで、表示面21aにおけるコンテンツデータD1の見易さ及び反射像D2の見易さを調節することができる。
【0076】
図8は、実施形態に係る別の洗面化粧台の動作を表すフローチャートである。
図9(a)~図9(c)は、実施形態に係る別の洗面化粧台の動作を表す模式図である。
図8に表したように、洗面化粧台102の周囲に使用者がいない場合は、人体検知センサ56は使用者を検知しない(ステップS301:NO)。使用者が洗面化粧台101に近づくと、人体検知センサ56は、使用者を感知し(ステップS301:YES)、使用者が存在することを示す感知信号を制御部33に送信する。
【0077】
制御部33は、人体検知センサ56からの感知信号を受信すると、表示装置21の電源をオンにする(ステップS302)。また、制御部33は、表示装置21を第1モード(表示モード)とする(ステップS303)。このとき、例えば図9(a)に表したように、表示面21aはスタート画面を表示する。この例では、スタート画面は、「good morning」という文字や、使用者の情報、天気情報などのコンテンツデータD1を含む。
【0078】
その後、コンセント52に接続された負荷に負荷電流が流れる。図9(a)~図9(c)に示す例では、負荷としてドライヤ54が示されている。使用者がコンセント52に接続されたドライヤ54の電源をオンにすることにより、ドライヤ54に負荷電流が流れる。制御部33は、電流検知手段53による負荷電流の測定結果を受信する。
【0079】
図8に表したように、電流検知手段53によって測定された負荷電流の値が所定の閾値以下の場合(ステップS304:NO)、第1モードが継続される。電流検知手段53によって測定された負荷電流の値が所定の閾値を超えた場合(ステップS304:YES)、制御部33は、表示装置21を制御して第2モード(ミラーモード)を実行する(ステップS305)。例えば、図9(b)に表したように、天気情報や使用者の情報を含むコンテンツデータD1が表示面21aの右上端部及び左上端部に表示され、表示面21aの中央部にはコンテンツデータD1が表示されない。表示面21aの中央部には、反射像D2が表示される。つまり、使用者がドライヤ54を使うときに、使用者の姿(反射像D2)がハーフミラー20に見やすく映る。
【0080】
図8に表したように、電流検知手段53によって測定された負荷電流の値が所定の閾値よりも大きい場合(ステップS306:NO)、第2モードが維持される。例えば、ドライヤ54の使用中は、第2モードの実行が継続する。電流検知手段53によって測定された負荷電流の値が所定の閾値以下になると(ステップS306:YES)、第1モードが実行される(ステップS307)。例えば、図9(c)に表したように、表示面21aの端部には天気情報や使用者の情報を含むコンテンツデータD1が表示され、表示面21aの中央部にはニュースなどのコンテンツデータD1が表示される。このように、ドライヤ54の使用後には、コンテンツデータD1がハーフミラー20に見やすく表示される。
【0081】
図8に表したように、人体検知センサ56が使用者を感知している場合(ステップS308:NO)、第1モードが継続される。使用者が洗面化粧台101から離れ、人体検知センサ56が使用者を感知しなくなると(ステップS208:YES)、人体検知センサ56は、使用者が存在しないことを示す非感知信号を制御部33に送信する。制御部33は、人体検知センサ56からの非感知信号を受信すると、表示装置21の電源をオフにする(ステップS309)。
【0082】
図10(a)は、電流検知手段を例示する模式図であり、図10(b)は、電流検知手段が検知する負荷電流を例示するグラフ図である。
図10(a)に表したように、コンセント52は、電源49(この例ではAC100V)と電気的に接続されている。コンセント52に接続された負荷(電化製品)には、電源49からコンセント52を介して電力が供給される。電流検知手段53(電流検出装置)は、電源49とコンセント52との間に接続され、電源49とコンセント52との間に流れる電流を検出することができる。
【0083】
図10(b)の横軸は時間であり、縦軸は電流検知手段53が検出した負荷電流である。この例では、負荷はドライヤである。例えば、時刻T1まではドライヤはオフである。このとき負荷電流は、閾値TH1(判定基準)以下である。この場合、制御部33は、表示装置21を第1モード(表示モード)で動作させる。
【0084】
時刻T1においてドライヤがオンとされ、負荷電流が閾値TH1を超える。時刻T2においてドライヤの設定が弱に変更され、負荷電流が小さくなる。時刻T3においてドライヤの設定が冷風に変更され、負荷電流がさらに小さくなる。時刻T4においてドライヤがオフとされる。時刻T1から時刻T4までの間においては、負荷電流は閾値TH1よりも大きい。この場合、時刻T1から時刻T4までの間において、制御部33は、表示装置21を第2モード(ミラーモード)で動作させる。
【0085】
時刻T4においてドライヤがオフとなった後においては、負荷電流は閾値TH1以下となる。この場合、時刻T4より後において、制御部33は、表示装置21を第1モード(表示モード)で動作させる。
【0086】
閾値TH1は、例えば50mAである。ただし、閾値TH1は、これに限らず、使用(オン)及び非使用(オフ)などの負荷の使用状態を識別できるように適宜設定されれば良い。
【0087】
以上説明したように、制御部33は、電流検知手段53が検知した負荷電流の値が所定値よりも大きい場合に、第1モードを第2モードへ切り替える。負荷(例えばドライヤー等の電化製品)に流れる負荷電流の値によって第1モードから第2モードへ切り替わることで、使用者が洗面鏡を利用すると想定される電気製品の利用時などに、ハーフミラーを鏡面として利用することを優先することができる。従って、洗面化粧台の使い勝手を向上させることができる。
【0088】
図11(a)~図11(c)は、実施形態に係る洗面化粧台の別の動作を表す模式図である。
これらの図は、洗面化粧台101(または102)の動作を表す。図11(a)及び図11(c)は、第2モード(ミラーモード)における動作を表し、図11(b)は、第1モード(表示モード)における動作を表す。
【0089】
図11(a)の例では、第2モードにおいて、照明装置22の第1照明部22a及び第2照明部22bは、それぞれ100%の明るさ(ルーメン)で点灯する。例えば、使用者が洗面化粧台101が設けられた洗面所に入室すると、照明装置22が最も明るくなる。これにより、使用者は鏡に映った自身の姿(反射像D2)が見やすい。
【0090】
一方、第1モードにおいては、図11(b)に表したように、第1照明部22a及び第2照明部22bは、それぞれ70%の明るさで点灯する。例えば、使用者が体重などの生体情報を測定すると、表示装置21は測定結果を含むコンテンツデータD1を表示する。そして、第2モードに比べて、照明装置22が暗くなる。これにより、使用者は、鏡に表示されたコンテンツデータD1が見やすい。
【0091】
このように、制御部33は、第2モードにおける照明装置22が第1モードにおける照明装置22よりも明るくなるように、照明装置22を制御する。例えば表示部24上に生体情報や天気情報などのコンテンツデータD1を表示させる第1モードにおいては、照明装置22を暗くする(照明装置22から照射される光の照度を低下させる)ことで、ハーフミラー20から使用者に向かって反射される光の照り返し量を抑え、コンテンツデータD1の視認性を高めることができる。一方で、ハーフミラー20を鏡面として利用する第2モードにおいては、照明装置22を明るくすることで、ハーフミラー20に使用者の姿をきれいに見やすく映すことができる。
【0092】
図2(または図7)に表したように、洗面化粧台101(または洗面化粧台102)には、照度測定手段51が設けられても良い。照度測定手段51は、洗面化粧台101の周囲の照度(周囲照度)を測定する。周囲照度は、例えば、洗面化粧台101が設けられた空間(洗面所または脱衣室など)の明るさに対応する。照度測定手段51は、例えば受光部(フォトレジスタまたはフォトダイオードなど)を有する照度計であり、光に照らされた受光部における明るさ(ルクス)を測定する。
【0093】
制御部33は、例えば、照度測定手段51と有線又は無線によって通信可能に接続され、照度測定手段51の動作を制御可能である。制御部33は、照度測定手段51から照度の測定結果を受信することができる。制御部33は、照度の測定結果に基づいて、表示部24や照明装置22の動作を制御することで、表示面21aにおけるコンテンツデータD1の見易さ及び反射像D2の見易さを調節することができる。
【0094】
図12は、実施形態に係る洗面化粧台の別の動作を表すフローチャートである。
図12は、洗面化粧台101(または102)の照度の測定結果に基づく動作の例である。第2モード(ミラーモード)において(ステップS401)、照度測定手段51により測定された周囲照度が所定値以上の場合(ステップS402:YES)、時刻が昼であると推定される(ステップS403)。このとき、図11(a)に表したような第2モードが実行される。すなわち、第1照明部22a及び第2照明部22bが、それぞれ100%の明るさで点灯する。
【0095】
図12に表したように、照度測定手段51により測定された周囲照度が所定値未満の場合(ステップS402:NO)、時刻が夜であると推定される(ステップS404)。このとき、図11(c)に表したような第2モードが実行される。すなわち、第1照明部22aはオフとされ、第2照明部22bは50%の明るさで点灯する。このように、使用者が夜に洗面所に入室すると最低限の照明が点灯する。その後、使用者は、適宜設けられたセンサ又はスイッチ(不図示)によって、例えば図11(a)のように照明を明るく点灯させることが可能であっても良い。
【0096】
このように、制御部33は、第2モードにおいて周囲照度が所定値未満になると、照明装置22を暗くする。例えば夜間の利用等の際は使用者が鏡を利用しないタイミングであると考えられるため、洗面化粧台101の周囲がある一定以上暗いときには、照明装置22から照射される光の照度を低下させる。これにより、省電力に繋がる。
【0097】
また、制御部33は、第2モードにおいて周囲照度が所定値未満になると、第1照明部22aを消灯させる。例えば夜間に使用者がお手洗いの後などに洗面ユニットの吐出装置を利用した場合でも、吐出装置からの吐水流の視認性を第2照明部により確保しつつ、第1照明部の消灯により上方から照射される光の照度を低下させる。これにより、簡易な構成にて、吐水流の視認性の維持と眩しさの抑制とを両立させることができ、使い勝手の良い洗面化粧台を提供することができる。
【0098】
なお、ステップS402における所定値は、例えば50ルクス程度である。但し、ステップS402における所定値は、これに限らず、使用者の生活スタイルや好みに応じて適宜設定して良い。
【0099】
以上、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明はこれらの記述に限定されるものではない。前述の実施の形態に関して、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。例えば、洗面化粧台が備える各要素の形状、寸法、材質、配置、設置形態などは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。
また、前述した各実施の形態が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
【符号の説明】
【0100】
10 洗面ユニット、 12 洗面器、 14 吐出装置、 16 支持台、 20 ハーフミラー、 20a 表面、 20b 裏面、 21 表示装置、 21a 表示面、 22 照明装置、 22a 第1照明部、 22b 第2照明部、 23 洗面ボウル、 24 表示部、 24a 表示モード、 24b ミラーモード、 33 制御部、 42 吐水部、 44 操作部、 49 電源、 50 個人認証手段、 51 照度測定手段、 52 コンセント、 53 電流検知手段、 54 ドライヤ、 56 人体検知センサ、 101、102 洗面化粧台、 102 洗面化粧台、 D1 コンテンツデータ、 D2 反射像、 S101~S109、S201~S209、S301~S309、S401~S404 ステップ、 T1~T4 時刻、 TH1 閾値、 U1 使用者
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