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特許7457961設備情報送信装置、遠隔情報収集システム、及び状態関連情報送信方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-21
(45)【発行日】2024-03-29
(54)【発明の名称】設備情報送信装置、遠隔情報収集システム、及び状態関連情報送信方法
(51)【国際特許分類】
   H05B 47/16 20200101AFI20240322BHJP
   H05B 47/18 20200101ALI20240322BHJP
   H05B 47/19 20200101ALI20240322BHJP
   H04Q 9/00 20060101ALI20240322BHJP
【FI】
H05B47/16
H05B47/18
H05B47/19
H04Q9/00 311H
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2020132967
(22)【出願日】2020-08-05
(65)【公開番号】P2021077625
(43)【公開日】2021-05-20
【審査請求日】2023-05-15
(31)【優先権主張番号】P 2019204061
(32)【優先日】2019-11-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】武内 芳夫
(72)【発明者】
【氏名】平松 宏司
(72)【発明者】
【氏名】姫野 徹
(72)【発明者】
【氏名】八木 佐奈
【審査官】山崎 晶
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-199726(JP,A)
【文献】特開2013-003837(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 47/16
H05B 47/18
H05B 47/19
H04Q 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1以上の電気設備からその電気設備の状態情報を所定間隔毎に取得して、前記状態情報
に基づく状態関連情報をサーバに送信し、前記電気設備とは別体の設備情報送信装置であって、
前記電気設備は、照明器具および環境センサの少なくとも一方を含み、
少なくとも1つの前記電気設備において、その電気設備から第1タイミングで取得した前記状態情報に対して前記第1タイミングの次の情報取得タイミングである第2タイミングで取得した当該電気設備の前記状態情報が変化しない場合、当該電気設備から前記第1タイミングで取得した前記状態情報に対して前記第2タイミングで取得した当該電気設備の前記状態情報が変化した場合との比較において、前記サーバに送信する前記状態関連情報のデータ量を小さくする、設備情報送信装置。
【請求項2】
前記第2タイミングで取得した前記状態情報が、前記第1タイミングで取得した前記状態情報と変わらない場合、前記状態関連情報を前記サーバに送信しない、請求項1に記載の設備情報送信装置。
【請求項3】
1以上の電気設備からその電気設備の状態情報を所定間隔毎に取得して、前記状態情報に基づく状態関連情報をサーバに送信する設備情報送信装置であって、
少なくとも1つの前記電気設備において、その電気設備から第1タイミングで取得した前記状態情報に対して前記第1タイミングの次の情報取得タイミングである第2タイミングで取得した当該電気設備の前記状態情報が変化しない場合、当該電気設備から前記第1タイミングで取得した前記状態情報に対して前記第2タイミングで取得した当該電気設備の前記状態情報が変化した場合との比較において、前記サーバに送信する前記状態関連情報のデータ量を小さくし、
前記第2タイミングで取得した前記状態情報が、前記第1タイミングで取得した前記状態情報と変わらない場合、前記状態関連情報が、その状態情報が変わらなかった前記電気設備を特定できる設備特定情報を有するようにして、前記設備特定情報を前記サーバに送信し、
前記設備特定情報が、変化がない前記状態情報が繰り返されている場合における繰り返し数の情報、前記状態情報の変化がなかった前記電気設備の識別情報、変化がない前記状態情報が送信された時刻に基づく時刻情報、及び変化がない前記状態情報を取得した時刻に基づく時刻情報のうちの少なくとも1つを含む、設備情報送信装置。
【請求項4】
1以上の電気設備からその電気設備の状態情報を所定間隔毎に取得して、前記状態情報に基づく状態関連情報をサーバに送信する設備情報送信装置であって、
少なくとも1つの前記電気設備において、その電気設備から第1タイミングで取得した前記状態情報に対して前記第1タイミングの次の情報取得タイミングである第2タイミングで取得した当該電気設備の前記状態情報が変化しない場合、当該電気設備から前記第1タイミングで取得した前記状態情報に対して前記第2タイミングで取得した当該電気設備の前記状態情報が変化した場合との比較において、前記サーバに送信する前記状態関連情報のデータ量を小さくし、
前記電気設備が、光を出射する光源を有する照明器具であり、
前記照明器具のみから状態情報を取得する、設備情報送信装置。
【請求項5】
1以上の電気設備と、
前記電気設備の前記状態情報を所定間隔毎に取得する請求項1からのいずれか1つに記載の設備情報送信装置と、
前記設備情報送信装置から前記状態情報に基づく状態関連情報を取得するサーバと、
を備える、遠隔情報収集システム。
【請求項6】
請求項1から4のいずれか1つに記載の設備情報送信装置と通信するサーバであって、
少なくとも1つの前記電気設備において、その電気設備から第1タイミングで取得した前記状態情報に対して前記第1タイミングの次の情報取得タイミングである第2タイミングで取得した当該電気設備の前記状態情報が変化しない場合、当該電気設備から前記第1タイミングで取得した前記状態情報に対して前記第2タイミングで取得した当該電気設備の前記状態情報が変化した場合との比較において、前記状態関連情報のデータ量が小さいデータを受信する、サーバ。
【請求項7】
1以上の電気設備からその電気設備の状態情報を所定間隔毎に取得して、前記状態情報に基づく状態関連情報をサーバに送信する設備情報送信装置における状態関連情報送信方法であって、
前記電気設備は、照明器具および環境センサの少なくとも一方を含み、
少なくとも1つの前記電気設備において、その電気設備から第1タイミングで取得した前記状態情報に対して前記第1タイミングの次の情報取得タイミングである第2タイミングで取得した当該電気設備の前記状態情報が変化しない場合、当該電気設備から前記第1タイミングで取得した前記状態情報に対して前記第2タイミングで取得した当該電気設備の前記状態情報が変化した場合との比較において、前記サーバに送信する状態関連情報のデータ量を小さくする、状態関連情報送信方法。
【請求項8】
1以上の電気設備からその電気設備の状態情報を所定間隔毎に取得して、前記状態情報に基づく状態関連情報をサーバに送信し、前記電気設備とは別体の設備情報送信装置における状態関連情報送信方法であって、
少なくとも1つの前記電気設備において、その電気設備から第1タイミングで取得した前記状態情報に対して前記第1タイミングの次の情報取得タイミングである第2タイミングで取得した当該電気設備の前記状態情報が変化しない場合、当該電気設備から前記第1タイミングで取得した前記状態情報に対して前記第2タイミングで取得した当該電気設備の前記状態情報が変化した場合との比較において、前記サーバに送信する状態関連情報のデータ量を小さくし、
前記第2タイミングで取得した前記状態情報が、前記第1タイミングで取得した前記状態情報と変わらない場合、前記状態関連情報が、その状態情報が変わらなかった前記電気設備を特定できる設備特定情報を有するようにして、前記設備特定情報を前記サーバに送信し、
前記設備特定情報が、変化がない前記状態情報が繰り返されている場合における繰り返し数の情報、前記状態情報の変化がなかった前記電気設備の識別情報、変化がない前記状態情報が送信された時刻に基づく時刻情報、及び変化がない前記状態情報を取得した時刻に基づく時刻情報のうちの少なくとも1つを含む、状態関連情報送信方法。
【請求項9】
1以上の電気設備からその電気設備の状態情報を所定間隔毎に取得して、前記状態情報に基づく状態関連情報をサーバに送信する設備情報送信装置における状態関連情報送信方法であって、
少なくとも1つの前記電気設備において、その電気設備から第1タイミングで取得した前記状態情報に対して前記第1タイミングの次の情報取得タイミングである第2タイミングで取得した当該電気設備の前記状態情報が変化しない場合、当該電気設備から前記第1タイミングで取得した前記状態情報に対して前記第2タイミングで取得した当該電気設備の前記状態情報が変化した場合との比較において、前記サーバに送信する状態関連情報のデータ量を小さくし、
前記電気設備が、光を出射する光源を有する照明器具であり、
前記照明器具のみから状態情報を取得する、状態関連情報送信方法。
【請求項10】
コンピュータシステムに、請求項7から9のいずれか1に記載の状態関連情報送信方法を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、1以上の電気設備からその電気設備の状態情報を所定間隔毎に取得して、状態情報に基づく状態関連情報をサーバに送信する設備情報送信装置に関する。また、本開示は、そのような設備情報送信装置と、1以上の電気設備とを備える遠隔情報収集システムに関する。また、本開示は、1以上の電気設備からその電気設備の状態情報を所定間隔毎に取得して、状態情報に基づく状態関連情報をサーバに送信する設備情報送信装置における状態関連情報送信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、設備情報送信装置としては、特許文献1に記載されているものがある。この設備情報送信装置は、ビル設備の稼動情報を遠隔地にある情報収集装置にネットワークを用いて送信する。情報収集装置に送信されたビル設備の稼働情報は、ビル設備をビル内部又は外部から制御するために用いられたり、ビル設備における異常発生の監視に用いられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2012-205278号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ネットワークは他の通信機器と共用の通信回線を用いることが多く、トラフィックの増加などにより通信不具合が発生する可能性がある。そのため、サーバへ送信する情報のデータ量は小さい方が好ましい。
【0005】
そこで、本開示の目的は、サーバに送信する電気設備の状態に基づく状態関連情報の送信データ量を小さくできる設備情報送信装置、遠隔情報収集システム、及び状態関連情報送信方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本開示に係る設備情報送信装置は、1以上の電気設備からその電気設備の状態情報を所定間隔毎に取得して、状態情報に基づく状態関連情報をサーバに送信する設備情報送信装置であって、少なくとも1つの電気設備において、その電気設備から第1タイミングで取得した状態情報に対して第1タイミングの次の情報取得タイミングである第2タイミングで取得した当該電気設備の状態情報が変化しない場合、当該電気設備から第1タイミングで取得した状態情報に対して第2タイミングで取得した当該電気設備の状態情報が変化した場合との比較において、サーバに送信する状態関連情報のデータ量を小さくする。
【0007】
また、本開示に係る状態関連情報送信方法は、1以上の電気設備からその電気設備の状態情報を所定間隔毎に取得して、状態情報に基づく状態関連情報をサーバに送信する設備情報送信装置における状態関連情報送信方法であって、少なくとも1つの電気設備において、その電気設備から第1タイミングで取得した状態情報に対して第1タイミングの次の情報取得タイミングである第2タイミングで取得した当該電気設備の状態情報が変化しない場合、当該電気設備から第1タイミングで取得した状態情報に対して第2タイミングで取得した当該電気設備の状態情報が変化した場合との比較において、サーバに送信する状態関連情報のデータ量を小さくする。
【0008】
なお、上記「所定間隔毎」という要件は、等間隔毎でなくても満たされる。一例を挙げれば、電気設備が深夜の0時から6時までに状態情報を送信する間隔は、電気設備が6時から24時までの状態情報を送信する間隔よりも長くてもよい。
【発明の効果】
【0009】
本開示に係る設備情報送信装置、遠隔情報収集システム、及び状態関連情報送信方法によれば、サーバに送信する電気設備の状態に基づく状態関連情報の送信データ量を小さくできる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本開示の一実施形態に係る遠隔情報収集システムの概略構成図である。
図2】上記遠隔情報収集システムが備える設備情報送信装置に関する情報のやり取りを説明するブロック図である。
図3】3つの照明器具を備える遠隔情報収集システムにおける取得した状態ログの時系列データの一例を示す表である。
図4】設備情報送信装置が1つの照明器具に関して深夜0:00から早朝の4:30までに取得した状態ログの時系列データの一例を示す表である。
図5】(a)は、設備情報送信装置の1つの照明器具が取得した状態情報の状態ログの時系列データの一例を示す表であり、(b)は、記憶部がその時系列データに関して上記1つの照明器具に対して記憶した状態情報の一例を示す表である。
図6】(a)は、図5(a)で説明した取得した状態情報に関し、サーバに送信される参考例の状態情報の送信データの一例を示す表であり、(b)は、図5(a)で説明した取得した状態情報及び記憶した状態情報に関し、サーバに送信される本開示の状態関連情報の送信データの一例を示す表である。
図7】設備情報送信装置の制御装置による送信情報のデータ量を低減できる制御の一例のフローチャートである。
図8】設備情報送信装置の制御装置における変形例の制御のフローチャートである。
図9】直前のデータのサーバへの記憶を可能にする遠隔情報収集システムの処理手続を示すフローチャートの一例である。
図10】本開示の遠隔情報収集システムにおいて実行可能な双方向の情報のやり取りの一例について説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本開示に係る実施の形態について添付図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下において複数の実施形態や変形例などが含まれる場合、それらの特徴部分を適宜に組み合わせて新たな実施形態を構築することは当初から想定されている。また、以下の実施例では、図面において同一構成に同一符号を付し、重複する説明を省略する。また、複数の図面には、模式図が含まれ、異なる図間において、各部材における、縦、横、高さ等の寸法比は、必ずしも一致しない。また、以下で説明される構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素であり、必須の構成要素ではない。また、本明細書で、「略」という文言を用いた場合、「大雑把に言って」という文言と同じ意味合いで用いており、「略~」という要件は、人がだいたい~のように見えれば満たされる。例を挙げれば、略円形という要件は、人がだいたい円形に見えれば満たされる。
【0012】
図1は、本開示の一実施形態に係る遠隔情報収集システム1の概略構成図である。図1に示すように、遠隔情報収集システム1は、複数の電気設備の一例としての複数の照明器具10、複数の設備情報送信装置20、及びサーバ(データサーバ)50を備える。各設備情報送信装置20は、施設5、例えば、オフィスビル、マンション、店舗(例えば、コンビニエンスストアの店舗、携帯電話会社の店舗等)、住宅、病院、美術館等に設置された1以上の照明器具10の動作管理を行うホストコンピュータやゲートウェイでもよい。各設備情報送信装置20は、1以上の照明器具10からその状態情報を有線及び無線のうちの少なくとも一方を介して所定間隔毎に受信し、その状態情報に基づく状態関連情報をサーバ50に送信する。サーバ50には、状態関連情報が時系列データとして保存される。この状態関連情報は、例えば、施設照明、店舗照明、住宅照明などで照明器具10がいつ、どこで、どのように使われ、どのような状況が好まれているか等を調べる目的で使用される。
【0013】
図2は、設備情報送信装置20に関する情報のやり取りを説明するブロック図である。図2に示すように、設備情報送信装置20が管理するN(Nは、如何なる自然数でもよく、1でもよい)個の第1~第N照明器具10の夫々は、その状態情報を定期的(所定間隔毎)に設備情報送信装置20に送信する。ここで、各照明器具10は、光源を有して光を出射する如何なる照明装置でもよく、例えば、誘導灯、非常灯、シーリングライト、ラインライト、ダウンライト、スポットライト、又はペンダントライト等で構成される。
【0014】
設備情報送信装置20は、制御装置25、受信部30、及び送信部35を備える。制御装置25は、コンピュータ、例えば、マイクロコンピュータによって好適に構成され、制御部26と、記憶部28を有する。制御部26は、データ比較部26a、データ変換部26b、及び送信制御部26cを含む。制御部26、すなわち、プロセッサは、例えば、CPU(Central Processing Unit)を含む。また、記憶部28は、ROM(Read Only Memory)等の不揮発性メモリや、RAM(Random Access Memory)等の揮発性メモリで構成される。CPUは、記憶部28に予め記憶されたプログラム等を読み出して実行する。また、不揮発性メモリは、制御プロラムや所定の閾値等を予め記憶する。また、揮発性メモリは、読み出したプログラムや処理データを一時的に記憶する。例えば、記憶部28には、データ比較部26a、データ変換部26b、及び送信制御部26cの動作を規定する制御プログラムが格納されている。
【0015】
受信部30は、有線の信号を伝送するケーブルが接続される受信ポートや、無線信号を受信する受信アンテナで構成され、各照明器具10から状態情報を受信する。また、状態情報は、データ比較部26a及びデータ変換部26bの動作によって加工され、送信部35が、送信制御部26cによる制御によって加工情報である状態関連情報をサーバ50に送信する。送信部35は、有線の信号を伝送するケーブルが接続される送信ポートや、無線信号を送信する送信アンテナで構成される。データ比較部、及びデータ変換部の具体的な動作については、以下で詳細に説明する。
【0016】
次に、本開示の目的、及びそれを実現する動作について詳細に説明する。設備情報送信装置20は、照明器具10の使われ方を調べて、「どんな時に、どんな部屋で、どんな明るさや色温度が好まれているか」を調べる目的で、照明器具10の状態ログの時系列データを取得した上で、その時系列データを加工して状態関連情報を作成し、作成した状態関連情報をサーバ50に送信する。
【0017】
図3は、3つの照明器具を備える遠隔情報収集システムにおける取得した状態ログの時系列データの一例を示す表である。図3に示すように、取得するのは、「時刻」を含む各種データである。また、各種データとして、例えば、データ種別、繰り返し回数、器具番号、器具種類、部屋種類、調光率、色温度等が考えられる。これらのデータには、部屋・器具の種類を表す質的データや、調光率・色温度を表す量的データが混在しているが、どちらもデジタルデータとして状態ログを取得する。
【0018】
照明の設定は点灯した時に自分の好みに調整した後、暫くその状態で点灯することが多い。もちろん、その後好みにより変更することはあるが、変更は暫く同じ状態が続いた後に実行されることが多い。図4は、そのような状況を説明する表であり、設備情報送信装置が1つの照明器具に関して深夜0:00から早朝4:30までに取得した状態ログの時系列データの一例を示す表である。
【0019】
図4に示す例では、深夜0:00から早朝3:40までは、設備情報送信装置が、照明器具から同じ点灯状態の状態情報を長時間の間、5分毎に取得している。その後、3:42にユーザにより照明器具の状態が消灯状態に切り替えられ、設備情報送信装置が、3:45に照明器具から異なる状態(消灯状態)の状態情報を取得している。また、その後、4:30まで、設備情報送信装置が、照明器具から同じ消灯状態の状態情報を5分毎に取得している。
【0020】
ネットワークは他の通信機器と共用の通信回線を用いることが多い。したがって、このように長時間同じ状態が続いている状況で、設備情報送信装置が、5分毎に大きな情報量の状態関連情報をサーバに送信すると、トラフィックの増加などにより通信不具合が発生し易くなり好ましくない。
【0021】
本開示の技術は、この課題を解決するために見出されたものである。次に、そのような課題を解決できる動作について詳細に説明する。本開示の技術では、設備情報送信装置20の受信部30が、各照明器具10から状態情報を取得すると、設備情報送信装置20の記憶部28が、照明器具10毎にその状態情報を記憶する。
【0022】
図5(a)は、設備情報送信装置20の1つの照明器具10が取得した状態情報の状態ログの時系列データの一例を示す表であり、図5(b)は、記憶部28がその時系列データに関して上記1つの照明器具10に対して記憶した状態情報の一例を示す表である。
【0023】
図5(a)に示すように、この例では、2019年10月1日の10時から10時15分まで照明器具10の調光率及び色温度が変化しておらず、10時20分に調光率が100から80に低くなり、更に、10時35分に色温度が4500から3000に低くなっている。このとき、本開示の動作では、図5(b)に示すように、記憶部28は、設備情報送信装置20が異なる状態情報を取得すると、変更された状態情報を瞬時に変更前の状態情報に上書きして記憶する。具体的には、図5(a)に示す例では、記憶部28は、最初に、2019年10月1日の10時の状態情報を記憶し、10時20分に変更された状態情報を変更前の状態情報に上書きして記憶し、更に、10時35分に変更された状態情報を変更前の状態情報に上書きして記憶する。
【0024】
次に、設備情報送信装置20がサーバ50に送信するデータについて説明する。図6(a)は、図5(a)で説明した取得した状態情報に関し、サーバに送信される参考例の送信データの一例を示す表である。また、図6(b)は、図5(a)で説明した取得した状態情報及び記憶した状態情報に関し、サーバ50に送信される本開示の送信データの一例を示す表である。
【0025】
図6(a)に示すように、参考例の送信方法では、一つ前の受信タイミングで取得した状態情報と同じ状態情報を次の受信タイミングで取得した場合でも、設備情報送信装置が、全ての項目の情報、具体的には、器具番号、器具種類、部屋種類、調光率、及び色温度を含む全ての情報をサーバに送信している。
【0026】
これに対し、図6(b)に示すように、本開示の一例の送信方法では、一つ前の受信タイミングで取得した状態情報と同じ状態情報を次の受信タイミングで取得した場合、設備情報送信装置20が、器具番号の情報しかサーバ50に送信しない。しがって、送信情報のデータ量を顕著に低減することができる。この器具番号の情報は、設備特定情報の一例であり、状態関連情報の一例でもある。
【0027】
図7は、設備情報送信装置20の制御装置25による送信情報のデータ量を低減できる制御の一例のフローチャートである。図7を参照して、遠隔情報収集システム1が構築されると、制御がスタートし、ステップS1で、設備情報送信装置20の受信部30が、各照明器具10から状態情報(状態データ)を取得し、夫々の照明器具10に関して、ステップS2で取得した状態情報が最初の状態情報が否かを判定する。
【0028】
ステップS2で肯定判定されると、ステップS3に移行して、記憶部28が、その状態情報を記憶し、その後、ステップS4で、その状態情報をサーバ50に送信する。このとき、状態関連情報は、状態情報と一致する。ステップS4が完了すると、制御がリターンとなり、ステップS1以下が繰り返される。
【0029】
他方、ステップS2で否定判定されると、ステップS5に移行して、制御部26のデータ比較部26a(図2参照)が、各照明器具10に関して、取得した状態情報と、記憶部28に記憶されている対応する照明器具10の状態情報とを一対一で比較し、ステップS6で、データ比較部26aが、取得した状態情報が、記憶部28に記憶されている対応する照明器具10の状態情報と同じか否かを判定する。
【0030】
ステップS6で肯定判定されると、ステップS7に移行して、データ変換部26b(図2参照)が取得した状態情報をデータ量が小さい状態関連情報に変換する。例えば、状態関連情報には、状態情報が変わらなかった照明器具を特定できる照明特定情報(識別データ)のみが含まれる。ここで、照明特定情報には、例えば、変化がない状態情報が繰り返されている場合における繰り返し数の情報、状態情報の変化がなかった照明器具10の識別情報、変化がない状態情報が送信された時刻に基づく時刻情報、及び変化がない状態情報を取得した時刻に基づく時刻情報のうちの少なくとも1つを含んでもよい。また、識別情報は、各照明器具を他の電気設備(例えば、照明器具、空気調和機等)に対して識別できる情報であれば、如何なる情報でもよく、例えば、MACアドレス(Media Access Control address)、バーコード情報、RF(radio frequency)タグ、又は品番の情報、IPアドレス、製造ナンバー等で構成されてもよい。
【0031】
ステップS7が完了すると、ステップS4に移行して、送信制御部26c(図2参照)による制御により設備情報送信装置20の送信部35が、データ量が削減された状態関連情報をサーバ50に送信し、その後、制御がリターンとなる。他方、ステップS6で否定判定されると、ステップS8に移行して、記憶部28が新たな状態情報を上書きして更新し、送信制御部26cによる制御により、設備情報送信装置20の送信部35が、新たな状態情報をサーバ50に送信し、その後、制御がリターンとなる。
【0032】
以上、設備情報送信装置20は、1以上の照明器具10からその照明器具10の状態情報を所定間隔毎に取得して、状態情報に基づく状態関連情報をサーバ50に送信する。また、少なくとも1つの照明器具10において、その照明器具10から第1タイミングで取得した状態情報に対して第1タイミングの次の情報取得タイミングである第2タイミングで取得した照明器具10の状態情報が変化しない場合、当該照明器具10から第1タイミングで取得した状態情報に対して第2タイミングで取得した当該照明器具10の状態情報が変化した場合との比較において、サーバ50に送信する状態関連情報のデータ量を小さくする。
【0033】
したがって、トラフィックの増加を抑制でき、通信不具合の発生を抑制又は防止できる。
【0034】
また、第2タイミングで取得した状態情報が、第1タイミングで取得した状態情報と変わらない場合、状態関連情報が、その状態情報が変わらなかった照明器具10を特定できる設備特定情報を有するようにして、設備特定情報をサーバ50に送信してもよい。
【0035】
第2タイミングで取得した状態情報が、第1タイミングで取得した状態情報と変わらない場合、変形例の方法として、サーバに情報を送信せずに、送信データ量を大きく削減するという手法を取り得ることができる。しかし、この場合、サーバ側から見ると、状態情報(データ)が同じだから情報が送られてこないのか、データ通信の途中で何かのトラブルがあって、情報が送られてこないのか、判断することができない。
【0036】
これに対し、本構成によれば、第2タイミングで取得した状態情報が、第1タイミングで取得した状態情報と変わらない場合でも、サーバ50が設備特定情報を受信する。したがって、第2タイミングにおいて第1タイミングと同じ状態情報を取得した場合にサーバ50へ送信するデータ量を削減できるだけでなく、サーバ50が、状態情報が同一であることを認識できる。なお、図7に示すフローでは、状態関連情報を、その状態情報が変わらなかった照明器具10を特定できる設備特定情報のみにして、設備特定情報のみをサーバ50に送信したが、状態関連情報は、設備特定情報に加えて、それ以外の情報を含んでもよい。
【0037】
また、設備特定情報は、変化がない状態情報が繰り返されている場合における繰り返し数の情報、状態情報の変化がなかった照明器具10の識別情報、変化がない状態情報が送信された時刻に基づく時刻情報、及び変化がない状態情報を取得した時刻に基づく時刻情報のうちの少なくとも1つを含んでもよい。
【0038】
本構成によれば、照明器具10を特定できるだけでなくデータ量も小さい状態関連情報を容易に生成することができる。
【0039】
また、電気設備が、光を出射する光源を有する照明器具10であって、設備情報送信装置20が照明器具10のみから状態情報を取得してもよい。
【0040】
本構成によれば、照明器具10がいつ、どこで、どのように使われ、どのような状況が好まれているか等を、調査分析できる。
【0041】
また、本開示の遠隔情報収集システム1は、1以上の照明器具10、照明器具10の状態情報を所定間隔毎に取得する設備情報送信装置20、及び設備情報送信装置20から状態情報に基づく状態関連情報を取得するサーバ50を備える。
【0042】
したがって、照明器具10の状態情報を送信データ量が小さい状態で時系列的にサーバ50に格納できる。よって、通信不具合の発生を抑制又は防止しつつ、所定人が照明器具10の時系列的な状態情報を確認できる。
【0043】
また、本開示の状態関連情報送信方法は、1以上の照明器具10からその照明器具10の状態情報を所定間隔毎に取得して、状態情報に基づく状態関連情報をサーバ50に送信する設備情報送信装置20における状態関連情報送信方法である。また、本開示の状態関連情報送信方法では、少なくとも1つの照明器具10において、その照明器具10から第1タイミングで取得した状態情報に対して第1タイミングの次の情報取得タイミングである第2タイミングで取得した当該照明器具10の状態情報が変化しない場合、当該照明器具10から第1タイミングで取得した状態情報に対して第2タイミングで取得した当該照明器具10の状態情報が変化した場合との比較において、サーバ50に送信する状態関連情報のデータ量を小さくする。
【0044】
本開示の状態関連情報送信方法によれば、トラフィックの増加を抑制でき、通信不具合の発生を抑制又は防止できる。
【0045】
なお、本開示は、上記実施形態およびその変形例に限定されるものではなく、本願の特許請求の範囲に記載された事項およびその均等な範囲において種々の改良や変更が可能である。
【0046】
例えば、上記実施形態では、第2タイミングで取得した状態情報が、第1タイミングで取得した状態情報と変わらない場合、状態関連情報を、その状態情報が変わらなかった照明器具10を特定できる設備特定情報のみにして、設備特定情報のみをサーバ50に送信した。しかし、第2タイミングで取得した状態情報が、第1タイミングで取得した状態情報と変わらない場合、状態関連情報をサーバに送信しなくてもよい。
【0047】
図8は、その変形例を実現する設備情報送信装置20の制御装置25における制御のフローチャートである。なお、図8においては、図7と同じ動作は、図7と同じステップ番号を付して、動作の説明を省略する。この変形例の制御においては、ステップS6で肯定判定されたときの動作のみが図7に示す制御と異なる。
【0048】
すなわち、ステップS6で肯定判定されると、設備情報送信装置20が、如何なる情報もサーバ50に送信することなく、制御が単にリターンとなって、ステップS1以下が繰り返される。本変形例によれば、第2タイミングで取得した状態情報が、第1タイミングで取得した状態情報と変わらない場合、情報が全くサーバ50に送信されることがないため、データ通信量を大きく削減できる。
【0049】
また、上記実施形態では、1以上の電気設備が、1以上の照明器具10のみで構成される場合について説明した。しかし、1以上の電気設備は、1以上の照明器具10のみで構成される必要はなく、1以上の照明器具と、照明器具でない1以上の電気設備とで構成されてもよく、又は照明器具でない1以上の電気設備のみで構成されてもよい。ここで、照明器具でない電気設備は、光を出射できない如何なる電気設備でもよく、照明器具でない電気設備には、例えば、警報機、火災報知器、排煙設備、エレベータ、エスカレータ、及び空調調和機のうちの少なくとも一つが含まれてもよい。
【0050】
更に述べると、段落[0013]で説明したように、本開示の技術で管理される照明器具は、如何なる照明装置でもよいが、特別の用途に使用する照明器具の場合、その用途に関連する状態関連情報をサーバに記憶すると好ましい。例えば、本開示の技術で管理される照明器具は、如何なる照明装置でもよいので、室内(屋内)で使用される照明器具でなくてもよく、例えば、室外に設置される照明器具、例えば、街路灯、道路灯、又は防犯灯等でもよい。
【0051】
ここで、そのような、経年劣化が大きくて、物体(例えば、人、自転車、又自動車等)との接触等によって破損することもある室外に設置される照明器具の場合、室内に設置された照明器具に関して図4等を用いて詳細に説明した不点検知、すなわち、点灯状態の監視を行うことは当然のこと、更に、直前のデータ、例えば、直前の電力量のデータ、直前の点灯状態のデータ、又は直前の電力のデータ等を特定できれば、復旧を円滑に実行し易いし、故障の分析も行うことができて好ましい。
【0052】
図9は、そのような用途に限らず、直前のデータのサーバへの記憶を可能にする遠隔情報収集システム1の処理手続を示すフローチャートの一例である。遠隔情報収集システム1が構築されると、処理手続がスタートし、ステップS11で、設備情報送信装置20の制御装置25が、いずれかの照明器具から受信タイミングにおいてN(Nは、任意の自然数)回連続で正常な信号を取得できなかったか否かを判定する。ここで、正常な信号を受信できなかった場合は、例えば、信号そのものを受信できなかった場合や、受信した信号に含まれるはずの状態情報が含まれていない場合等を含む。また、Nが1の場合には、正確には、連続で正常な信号を取得できなかったか否かではなく、いずれかの受信タイミングで正常な信号を取得しなかったか否かの判定となる。
【0053】
ステップS11で否定判定されると、ステップS11が繰り返される。他方、ステップS11で肯定判定されると、ステップS12に移行して、異常となっている照明器具に関して、制御装置25が記憶部28に記憶されていると共にN回連続で正常な信号を取得できなかった状態が生じる直前の最後の正常な信号に含まれていた状態情報、例えば、時刻情報、電力量情報、電力情報、点灯状態情報、調光情報等を特定する。
【0054】
そして、ステップS12の後のステップS13で、設備情報送信装置20が、それら1以上の状態情報を、異常となった照明器具の識別情報(これも状態情報としてもよい)と紐づけした状態で、サーバ50に送信する。ステップS13の後のステップS14では、サーバ50が、設備情報送信装置20からのその識別情報に紐づけされた情報を受信(取得)して、サーバ50の記憶部に記憶する。この変形例の場合、設備情報送信装置20及びサーバ50の夫々が、信号の送信部と受信部とを有し、信号の送受信が可能になっている。次のステップS15では、サーバ50がその識別情報に紐づけされた情報を記憶したことを表す情報を設備情報送信装置20に送信する。
【0055】
次のステップS16で、設備情報送信装置20の制御装置25がサーバ50からの信号に基づいて、サーバ50がその識別情報に紐づけされた情報を記憶したことを認識すると、処理手続がリターンとなる。本変形例によれば、人がサーバ50にアクセスすることで、故障した照明器具の故障前の直前の状態情報を取得することができる。したがって、故障の原因を分析でき、また、当該照明器具の復旧も迅速に行うことができる。なお、特に、照明器具が、室外に設置される照明器具、例えば、街路灯、道路灯、又は防犯灯等の場合、照明器具の位置情報や、場合によっては設置された時期の情報が重要な情報となる。したがって、そのような照明器具の場合、人がGPS受信機等を用いて取得した位置情報、及び人が得た当該照明器具の設置時期の情報のうちの少なくとも一方を、人が情報機器(例えば、スマートフォン、タブレット、又はパーソナルコンピュータ等)を用いて設備情報送信装置20経由でサーバ50に送信するか、又はサーバ50に直接送信して、その少なくとも一方の情報を照明器具の識別情報と紐づけされた状態でサーバ50に記憶してもよい。又は、そのような照明器具の場合、照明器具に内蔵されたGPS受信機が取得した位置情報を、照明器具が設備情報送信装置20経由でサーバ50に送信することで、その位置情報を照明器具の識別情報と紐づけされた状態でサーバ50に記憶してもよい。なお、照明器具が、室外に設置される照明器具、例えば、街路灯、道路灯、又は防犯灯等の場合であって、発光部を発光させるのに必要な構造(例えば、電力供給回路や配線等)を含む灯具が、ポールを用いて所定位置に固定される場合、照明装置は、その灯具と、該ポールとを含むものとする。よって、照明器具がGPS受信機とポールとを備える場合、GPS受信機は、灯具内に配置されてもよく、又はポール内に配置されてもよい。
【0056】
また、この図9を用いたフローチャートでは、電気設備が、照明器具である場合、特に、野外に設置される照明器具である場合について説明したが、図9を用いたフローチャートを適用できるのは、照明器具に限らない。詳しくは、段落[0049]において、本開示の技術を適用できる照明器具でない電気設備は、光を出射できない如何なる電気設備でもよく、照明器具でない電気設備には、例えば、警報機、火災報知器、排煙設備、エレベータ、エスカレータ、及び空調調和機のうちの少なくとも一つが含まれてもよいことを開示した。ここで、図9を用いたフローチャートは、照明器具でない如何なる電気設備に適用してもよく、例えば、環境情報を検出できる環境センサ、例えば、温度センサ、湿度センサ、水位センサ、雨量検出センサ、照度センサ等に適用してもよい。又は、図9を用いたフローチャートは、太陽光発電装置、風力発電装置、波力発電装置、潮流発電装置等に適用してもよい。又は、図9を用いたフローチャートは、画像情報(画像データ)及び映像情報(映像データ)のうちの少なくとも一方をサーバに記憶する監視装置、例えば、トラフィック量を監視する定点撮影装置や、防犯目的の防犯用撮影装置等に適用してもよい。
【0057】
また、本開示の遠隔情報収集システムは、一方向のデータのやり取りを行ってもよいが、双方向のデータのやり取りを行ってもよい。ここで、遠隔情報収集システムにおいて、双方向の信号のやり取りを行う場合、電気設備と設備情報送信装置の情報のやり取りを、電気設備から設備情報送信装置への一方向の情報のやり取りとする一方、設備情報送信装置とサーバとの情報のやり取りをお互いの送受信部を用いた双方向の情報のやり取りとしてもよい。又は、遠隔情報収集システムにおいて、双方向の信号のやり取りを行う場合、少なくとも1つの電気設備と設備情報送信装置との情報のやり取りを、お互いの送受信部を用いた双方向の情報のやり取りとする一方、設備情報送信装置とサーバとの情報のやり取りを設備情報送信装置からサーバへの一方向の情報のやり取りとしてもよい。又は、遠隔情報収集システムにおいて、双方向の信号のやり取りを行う場合、少なくとも1つの電気設備と設備情報送信装置との情報のやり取りを、お互いの送受信部を用いた双方向の情報のやり取りとすると共に、設備情報送信装置とサーバとの情報のやり取りもお互いの送受信部を用いた双方向の情報のやり取りとしてもよい。
【0058】
次に、遠隔情報収集システムにおいて双方向の情報のやり取りを行う場合の一例について説明する。例えば、同じ地域(例えば、町)において、新たに街路灯や道路灯を追加で設置する場合、街路灯や道路灯は、その同じ地域で同じ点灯制御をする場合が多い。このような場合、同じ地域の既存の街路灯や道路灯の点灯情報等を円滑に取得できて、追加で設置する街路灯や道路灯の点灯制御に用いることができれば好ましい場合がある。
【0059】
図10は、そのような場合に、行うと好ましい、双方向の情報のやり取りについて説明する図である。まず、そのような場合、図10(a)に示すフローチャートに示すように、各照明器具は、遠隔情報収集システムに組み込まれたときに、ステップS21で調光制御(単なる点灯制御も含む)に関する情報を、設備情報送信装置を介してサーバに送信して、ステップS22で、サーバがその調光制御に関する情報を対応する照明器具の識別情報に紐づけて記憶してもよい。
【0060】
そして、図10(b)に示すフローチャートに示すように、新たな照明器具(例えば、街路灯や道路灯)が設置されて、その照明器具が、遠隔情報収集システムに組み込まれたときに、人が、ステップS31で、その新たに設置した照明器具に、既存の照明器具と同一の調光制御をさせることを表すと共に新たに設置した照明器具の識別番号及び既存の照明器具の識別番号を含む信号を、情報機器(例えば、スマートフォン、タブレット、又はパーソナルコンピュータ等)を用いて設備情報送信装置20経由でサーバ50に送信してもよい。そして、ステップS31の後のステップS32で、その信号を受けたサーバが、対応する既存の照明器具に関する調光制御に関する情報を、設備情報送信装置20経由で、新たに設置した照明器具に送信してもよい。そして、次のステップS33で、新たに設置した照明器具が、その記憶部に上記既存の照明器具に関する調光制御に関する情報を記憶してもよい。
【0061】
この変形例の場合、照明器具、設備情報送信装置、及びサーバで、図10(a),(b)に示す一連の双方向の信号のやり取りを行うことができるので、例えば、人が、同じ地域において、新たに街路灯や道路灯を追加で設置する場合に、その追加で設置した街路灯や道路灯に、同じ地域の既存の街路灯や道路灯の点灯制御と同じ点灯制御を簡単な操作で瞬時に実行させることができる。
【0062】
なお、図9図10を用いて説明した内容と無関係に、図1図8を用いて説明した状態情報や状態関連情報のやり取りを、室外に設置される照明器具、例えば、街路灯、道路灯、又は防犯灯等を用いて実行してもよい。又は、図9図10を用いて説明した内容と無関係に、図1図8を用いて説明した状態情報や状態関連情報のやり取りを、環境情報を検出できる環境センサ、例えば、温度センサ、湿度センサ、水位センサ、雨量検出センサ、照度センサ等を用いて実行してもよく、環境に依存して発電量が変動する発電装置、例えば、太陽光発電装置、風力発電装置、波力発電装置、潮流発電装置等を用いて実行してもよい。又は、図9図10を用いて説明した内容と無関係に、図1図8を用いて説明した状態情報や状態関連情報のやり取りを、画像情報(画像データ)及び映像情報(映像データ)のうちの少なくとも一方をサーバに記憶する監視装置、例えば、トラフィック量を監視する定点撮影装置や、防犯目的の防犯用撮影装置等を用いて実行してもよい。
【0063】
また、図1図8を用いて説明した状態情報や状態関連情報に含まれる情報に、電力量に関連する情報(例えば、電力情報、電力量情報)が含まれていてもよい。状態情報や状態関連情報に電力量に関連する情報が含まれていると、人が、電気設備の消費電力の確認を行うことができて、例えば、節電を効率的に実行できる方法等を研究することができ、特に、電気設備が発電に関する装置である場合、消費電力のみならず発電した電力量も状態情報として監視することができる。
【0064】
なお、電力量に関連する情報が電力量の情報である場合、電気設備が、所定の期間毎に電力量(消費電力量)を算出して、算出した電力量を設備情報送信装置を介してサーバに送信してもよく、サーバが、その所定期間毎の電力量(消費電力量)の情報を、対応する電気設備の識別情報と紐づけて記憶してもよい。又は、サーバが設備情報送信装置を介して所定期間の間に受けた状態関連情報に含まれる電気設備の電力の状態情報に基づいて所定期間毎にその電気設備の電力量(消費電力量)を算出してもよい。そして、サーバが、その算出した所定期間毎の電力量(消費電力量)の情報を、対応する電気設備の識別情報と紐づけて記憶してもよい。
【符号の説明】
【0065】
1 遠隔情報収集システム、 5 施設、 10 照明器具、 20 設備情報送信装置、 25 制御装置、 26 制御部、 26a データ比較部、 26b データ変換部、 26c 送信制御部、 28 記憶部、 30 受信部、 35 送信部、 50 サーバ。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10