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特許7457963情報提供方法、情報提供システム、香料付与装置、香料検出装置及び情報管理装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-21
(45)【発行日】2024-03-29
(54)【発明の名称】情報提供方法、情報提供システム、香料付与装置、香料検出装置及び情報管理装置
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/02 20240101AFI20240322BHJP
【FI】
G06Q50/02
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2021504857
(86)(22)【出願日】2020-02-18
(86)【国際出願番号】 JP2020006223
(87)【国際公開番号】W WO2020184079
(87)【国際公開日】2020-09-17
【審査請求日】2023-01-19
(31)【優先権主張番号】P 2019045647
(32)【優先日】2019-03-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100115381
【弁理士】
【氏名又は名称】小谷 昌崇
(74)【代理人】
【識別番号】100118049
【弁理士】
【氏名又は名称】西谷 浩治
(72)【発明者】
【氏名】村岡 純子
(72)【発明者】
【氏名】中島 剛助
(72)【発明者】
【氏名】河合 志希保
(72)【発明者】
【氏名】村岡 仁
【審査官】松田 岳士
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第109105478(CN,A)
【文献】特開2010-025883(JP,A)
【文献】特開2001-354311(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
植物に香料物質を付与する香料付与装置と、前記植物から放出される前記香料物質及び前記香料物質の代謝物の少なくとも一方を検出する香料検出装置と、情報管理装置とを備える情報提供システムにおける情報提供方法であって、
前記香料付与装置は、前記香料物質を前記植物に付与し、
前記香料付与装置は、前記植物に付与された前記香料物質の量を示す付与量情報を前記情報管理装置へ送信し、
前記情報管理装置は、前記香料付与装置によって送信された前記付与量情報を受信し、
前記情報管理装置は、受信した前記付与量情報を付与量情報記憶部に記憶し、
前記香料検出装置は、前記植物から放出される前記香料物質及び前記香料物質の前記代謝物の少なくとも一方の量を検出し、
前記香料検出装置は、検出した前記香料物質及び前記代謝物の少なくとも一方の量を示す検出量情報を前記情報管理装置へ送信し、
前記情報管理装置は、前記香料検出装置によって送信された前記検出量情報を受信し、
前記情報管理装置は、前記付与量情報記憶部に記憶されている前記付与量情報で示される前記香料物質の付与量と、受信した前記検出量情報で示される前記香料物質及び前記代謝物の少なくとも一方の検出量とに基づき、前記植物の鮮度を推定し、
前記情報管理装置は、推定した前記鮮度に関する鮮度情報を前記香料検出装置へ送信し、
前記香料検出装置は、前記情報管理装置から前記鮮度情報を受信し、
前記香料検出装置は、受信した前記鮮度情報を提示する、
情報提供方法。
【請求項2】
前記植物は、青果物又は生花を含む、
請求項1記載の情報提供方法。
【請求項3】
前記香料付与装置は、前記植物が含有していない香料物質を付与する、
請求項1又は2記載の情報提供方法。
【請求項4】
前記情報管理装置は、前記付与量と前記検出量との変化量に基づき、前記鮮度を推定する、
請求項1~3のいずれか1項に記載の情報提供方法。
【請求項5】
前記情報管理装置は、前記植物に前記香料物質が付与されてからの経過時間を前記鮮度として推定する、
請求項4に記載の情報提供方法。
【請求項6】
植物に香料物質を付与する香料付与装置と、前記植物から放出される前記香料物質及び前記香料物質の代謝物の少なくとも一方を検出する香料検出装置と、情報管理装置とを備える情報提供システムであって、
前記香料付与装置は、
前記香料物質を前記植物に付与する付与部と、
前記植物に付与された前記香料物質の量を示す付与量情報を前記情報管理装置へ送信する送信部と、
を備え、
前記香料検出装置は、
前記植物から放出される前記香料物質及び前記香料物質の前記代謝物の少なくとも一方の量を検出する検出部と、
前記検出部によって検出された前記香料物質及び前記代謝物の少なくとも一方の量を示す検出量情報を前記情報管理装置へ送信する送信部と、
前記情報管理装置から前記植物の鮮度に関する鮮度情報を受信する受信部と、
前記受信部によって受信された前記鮮度情報を提示する提示部と、
を備え、
前記情報管理装置は、
前記香料付与装置の前記送信部によって送信された前記付与量情報を受信する第1受信部と、
前記第1受信部によって受信された前記付与量情報を記憶する付与量情報記憶部と、
前記香料検出装置の前記送信部によって送信された前記検出量情報を受信する第2受信部と、
前記付与量情報記憶部に記憶されている前記付与量情報で示される前記香料物質の付与量と、前記第2受信部によって受信された前記検出量情報で示される前記香料物質及び前記代謝物の少なくとも一方の検出量とに基づき、前記植物の鮮度を推定する推定部と、
前記推定部によって推定された前記鮮度に関する前記鮮度情報を前記香料検出装置へ送信する送信部と、
を備える、
情報提供システム。
【請求項7】
植物に香料物質を付与する香料付与装置であって、
前記香料物質を前記植物に付与する付与部と、
前記植物に付与された前記香料物質の量を示す付与量情報を、前記植物に付与された前記香料物質の付与量と、香料検出装置によって検出された前記植物から放出される前記香料物質及び前記香料物質の代謝物の少なくとも一方の検出量とに基づいて前記植物の鮮度を推定する情報処理装置へ送信する送信部と、
を備える、
香料付与装置。
【請求項8】
植物から放出される香料物質及び前記香料物質の代謝物の少なくとも一方を検出する香料検出装置であって、
前記香料物質が付与された植物から放出される前記香料物質及び前記香料物質の前記代謝物の少なくとも一方の量を検出する検出部と、
前記検出部によって検出された前記香料物質及び前記代謝物の少なくとも一方の量を示す検出量情報を送信する送信部と、
前記植物に付与された前記香料物質の付与量と、前記検出量情報で示される前記香料物質及び前記代謝物の少なくとも一方の検出量とに基づいて前記植物の鮮度を推定する情報処理装置から、前記植物の鮮度に関する鮮度情報を受信する受信部と、
前記受信部によって受信された前記鮮度情報を提示する提示部と、
を備える、
香料検出装置。
【請求項9】
植物に香料物質を付与する香料付与装置によって送信された前記植物に付与された前記香料物質の量を示す付与量情報を受信する第1受信部と、
前記第1受信部によって受信された前記付与量情報を記憶する付与量情報記憶部と、
前記植物から放出される前記香料物質及び前記香料物質の代謝物の少なくとも一方を検出する香料検出装置によって送信された、検出された前記香料物質及び前記代謝物の少なくとも一方の量を示す検出量情報を受信する第2受信部と、
前記付与量情報記憶部に記憶されている前記付与量情報で示される前記香料物質の付与量と、前記第2受信部によって受信された前記検出量情報で示される前記香料物質及び前記代謝物の少なくとも一方の検出量とに基づき、前記植物の鮮度を推定する推定部と、
前記推定部によって推定された前記鮮度に関する鮮度情報を前記香料検出装置へ送信する送信部と、
を備える、
情報管理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、植物に関する情報を提供する情報提供方法、植物に関する情報を提供する情報提供システム、植物に香料物質を付与する香料付与装置、植物から放出される物質を検出する香料検出装置、及び植物に関する情報を管理する情報管理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、消費者に安全な生鮮食品を提供するために、生産者及び収穫日などの生産情報を生鮮食品に付すことが求められている。
【0003】
例えば、特許文献1には、生鮮食品の生産情報を二次元バーコードに変換し、当該二次元バーコードを付した生鮮食品を、流通経路を介して店頭に配置し、店頭にある生鮮食品の二次元バーコードを購入希望者がデジタルカメラで撮影し、撮影された二次元バーコードをデコードすることにより得られた生鮮食品の生産情報を表示する生産情報伝達方法が開示されている。
【0004】
また、例えば、特許文献2には、医薬品の同一性及び/又は供給源を証明する香りを有する医薬製品などを示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2008-165504号公報
【文献】特表2006-504491号公報
【発明の概要】
【0006】
しかしながら、上記従来の技術では、植物の鮮度を当該植物自体に提示させることは困難であり、更なる改善が必要とされていた。
【0007】
本開示は、植物の鮮度を当該植物自体に提示させることができる技術を開示するものである。
【0008】
本開示の一態様に係る情報提供方法は、植物に香料物質を付与する香料付与装置と、前記植物から放出される前記香料物質及び前記香料物質の代謝物の少なくとも一方を検出する香料検出装置と、情報管理装置とを備える情報提供システムにおける情報提供方法であって、前記香料付与装置は、前記香料物質を前記植物に付与し、前記香料付与装置は、前記植物に付与された前記香料物質の量を示す付与量情報を前記情報管理装置へ送信し、前記情報管理装置は、前記香料付与装置によって送信された前記付与量情報を受信し、前記情報管理装置は、受信した前記付与量情報を付与量情報記憶部に記憶し、前記香料検出装置は、前記植物から放出される前記香料物質及び前記香料物質の前記代謝物の少なくとも一方の量を検出し、前記香料検出装置は、検出した前記香料物質及び前記代謝物の少なくとも一方の量を示す検出量情報を前記情報管理装置へ送信し、前記情報管理装置は、前記香料検出装置によって送信された前記検出量情報を受信し、前記情報管理装置は、前記付与量情報記憶部に記憶されている前記付与量情報で示される前記香料物質の付与量と、受信した前記検出量情報で示される前記香料物質及び前記代謝物の少なくとも一方の検出量とに基づき、前記植物の鮮度を推定し、前記情報管理装置は、推定した前記鮮度に関する前記鮮度情報を前記香料検出装置へ送信し、前記香料検出装置は、前記情報管理装置から前記鮮度情報を受信し、前記香料検出装置は、受信した前記鮮度情報を提示する。
【0009】
尚、この包括的又は具体的な態様は、装置、システム、集積回路、コンピュータプログラム又はコンピュータ読み取り可能な記録媒体で実現されてもよく、装置、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラム及びコンピュータ読み取り可能な記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。コンピュータ読み取り可能な記録媒体は、例えばCD-ROM(Compact Disc-Read Only Memory)等の不揮発性の記録媒体を含む。
【0010】
本開示によれば、植物の鮮度を当該植物自体に提示させることができる。
【0011】
本開示の一態様における更なる利点および効果は、明細書および図面から明らかにされる。かかる利点および/または効果は、いくつかの実施形態並びに明細書および図面に記載された特徴によってそれぞれ提供されるが、1つまたはそれ以上の同一の特徴を得るために必ずしも全てが提供される必要はない。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本実施の形態における情報提供システムの全体構成を示す図
図2】本実施の形態における香料付与装置の構成を示すブロック図
図3】本実施の形態における香料検出装置の構成を示すブロック図
図4】本実施の形態におけるサーバ装置の構成を示すブロック図
図5】本実施の形態において生産情報記憶部が記憶する生産情報の一例を示す図
図6】本実施の形態において、香料付与装置がサーバ装置へ生産情報を送信する処理について説明するためのフローチャート
図7】本実施の形態における生産情報入力画面の一例を示す図
図8】本実施の形態において、香料検出装置及びサーバ装置により鮮度を提示する処理を説明するためのフローチャート
図9】本実施の形態において、鮮度情報を含む提示情報の一例を示す図
図10】本実施の形態において、トレーサビリティ情報入力画面の一例を示す図
図11】本実施の形態において、鮮度情報、生産情報及び検出結果情報を含む提示情報の一例を示す図
図12】青果物に付与したトランス-2-ヘキセナールの代謝物であるトランス-2-ヘキセニルアセテートの検出量の経時変化を示す図
図13】青果物に付与したトランス-2-ヘキセナールの代謝物であるシス-3-ヘキセニルアセテートの検出量の経時変化を示す図
【発明を実施するための形態】
【0013】
(本開示の基礎となった知見)
特許文献1では、生鮮食品の生産情報が二次元バーコード化され、二次元バーコードが貼り付け可能なラベルに印刷され、当該ラベルが生鮮食品に貼り付けられる。この場合、生鮮食品自体に二次元バーコードが印刷されないため、ラベルを偽造し、真正なラベルに代えて、偽造したラベルを当該生鮮食品に貼り付けることが可能である。このため、特許文献1に開示された技術では、生鮮食品の安全性を確保することは困難である。
【0014】
また、特許文献2では、医薬製品に香りを与えており、医薬製品では製造段階において香り物質を染み込ませることができるが、生鮮食品、例えば、イチゴ、を育成する過程で、生鮮食品に香りを加えることは困難である。
【0015】
特許文献1と特許文献2の技術を組み合わせも、簡単かつ安全な方法で生鮮食品の鮮度を提示する技術を創出することは困難である。
【0016】
本開示の一態様に係る情報提供方法は、植物に香料物質を付与する香料付与装置と、前記植物から放出される前記香料物質及び前記香料物質の代謝物の少なくとも一方を検出する香料検出装置と、情報管理装置とを備える情報提供システムにおける情報提供方法であって、前記香料付与装置は、前記香料物質を前記植物に付与し、前記香料付与装置は、前記植物に付与された前記香料物質の量を示す付与量情報を前記情報管理装置へ送信し、前記情報管理装置は、前記香料付与装置によって送信された前記付与量情報を受信し、前記情報管理装置は、受信した前記付与量情報を付与量情報記憶部に記憶し、前記香料検出装置は、前記植物から放出される前記香料物質及び前記香料物質の前記代謝物の少なくとも一方の量を検出し、前記香料検出装置は、検出した前記香料物質及び前記代謝物の少なくとも一方の量を示す検出量情報を前記情報管理装置へ送信し、前記情報管理装置は、前記香料検出装置によって送信された前記検出量情報を受信し、前記情報管理装置は、前記付与量情報記憶部に記憶されている前記付与量情報で示される前記香料物質の付与量と、受信した前記検出量情報で示される前記香料物質及び前記代謝物の少なくとも一方の検出量とに基づき、前記植物の鮮度を推定し、前記情報管理装置は、推定した前記鮮度に関する前記鮮度情報を前記香料検出装置へ送信し、前記香料検出装置は、前記情報管理装置から前記鮮度情報を受信し、前記香料検出装置は、受信した前記鮮度情報を提示する。
【0017】
この構成によれば、香料物質が付与された植物から放出される香料物質及び香料物質の代謝物の少なくとも一方の量が検出され、香料物質の付与量と、香料物質及び代謝物の少なくとも一方の検出量とに基づき、植物の鮮度が推定され、推定された鮮度に関する鮮度情報が提示される。
【0018】
したがって、植物に付与された香料物質の量は経時的に変化するので、香料物質の付与量と、香料物質及び代謝物の少なくとも一方の検出量とに基づき、植物の鮮度を容易に推定することができ、容易に植物の鮮度を提示することができる。
【0019】
また、上記の情報提供方法において、前記植物は、青果物又は生花を含んでもよい。
【0020】
この構成によれば、青果物又は生花の鮮度を容易に提示することができる。
【0021】
また、上記の情報提供方法において、前記香料付与装置は、前記植物が含有していない香料物質を付与してもよい。
【0022】
この構成によれば、植物が含有していない香料物質が付与されるので、植物に付与された香料物質の量が時間の経過によってどのように変化するのかを確実に検出することができる。
【0023】
また、上記の情報提供方法において、前記情報管理装置は、前記付与量と前記検出量との変化量に基づき、前記鮮度を推定してもよい。
【0024】
この構成によれば、植物に付与された香料物質の量は経時的に変化するので、香料物質の付与量と、香料物質及び代謝物の少なくとも一方の検出量との変化量を算出することにより、植物の鮮度を容易に推定することができる。
【0025】
また、上記の情報提供方法において、前記情報管理装置は、前記植物に前記香料物質が付与されてからの経過時間を前記鮮度として推定してもよい。
【0026】
この構成によれば、植物に香料物質が付与されてからの経過時間を鮮度として推定することができる。
【0027】
本開示の他の態様に係る情報提供システムは、植物に香料物質を付与する香料付与装置と、前記植物から放出される前記香料物質及び前記香料物質の代謝物の少なくとも一方を検出する香料検出装置と、情報管理装置とを備える情報提供システムであって、前記香料付与装置は、前記香料物質を前記植物に付与する付与部と、前記植物に付与された前記香料物質の量を示す付与量情報を前記情報管理装置へ送信する送信部と、を備え、前記香料検出装置は、前記植物から放出される前記香料物質及び前記香料物質の前記代謝物の少なくとも一方の量を検出する検出部と、前記検出部によって検出された前記香料物質及び前記代謝物の少なくとも一方の量を示す検出量情報を前記情報管理装置へ送信する送信部と、前記情報管理装置から前記植物の鮮度に関する鮮度情報を受信する受信部と、前記受信部によって受信された前記鮮度情報を提示する提示部と、を備え、前記情報管理装置は、前記香料付与装置の前記送信部によって送信された前記付与量情報を受信する第1受信部と、前記第1受信部によって受信された前記付与量情報を記憶する付与量情報記憶部と、前記香料検出装置の前記送信部によって送信された前記検出量情報を受信する第2受信部と、前記付与量情報記憶部に記憶されている前記付与量情報で示される前記香料物質の付与量と、前記第2受信部によって受信された前記検出量情報で示される前記香料物質及び前記代謝物の少なくとも一方の検出量とに基づき、前記植物の鮮度を推定する推定部と、前記推定部によって推定された前記鮮度に関する前記鮮度情報を前記香料検出装置へ送信する送信部と、を備える。
【0028】
この構成によれば、香料物質が付与された植物から放出される香料物質及び香料物質の代謝物の少なくとも一方の量が検出され、香料物質の付与量と、香料物質及び代謝物の少なくとも一方の検出量とに基づき、植物の鮮度が推定され、推定された鮮度に関する鮮度情報が提示される。
【0029】
したがって、植物に付与された香料物質の量は経時的に変化するので、香料物質の付与量と、香料物質及び代謝物の少なくとも一方の検出量とに基づき、植物の鮮度を容易に推定することができ、容易に植物の鮮度を提示することができる。
【0030】
本開示の他の態様に係る香料付与装置は、植物に香料物質を付与する香料付与装置であって、前記香料物質を前記植物に付与する付与部と、前記植物に付与された前記香料物質の量を示す付与量情報を、前記植物に付与された前記香料物質の付与量と、香料検出装置によって検出された前記植物から放出される前記香料物質及び前記香料物質の代謝物の少なくとも一方の検出量とに基づいて前記植物の鮮度を推定する情報処理装置へ送信する送信部と、を備える。
【0031】
この構成によれば、香料物質の付与量と、香料物質及び代謝物の少なくとも一方の検出量とに基づき、植物の鮮度が推定され、推定された鮮度に関する鮮度情報が提示される。したがって、植物に付与された香料物質の量は経時的に変化するので、香料物質の付与量と、香料物質及び代謝物の少なくとも一方の検出量とに基づき、植物の鮮度を容易に推定することができ、容易に植物の鮮度を提示することができる。
【0032】
本開示の他の態様に係る香料検出装置は、植物から放出される香料物質及び前記香料物質の代謝物の少なくとも一方を検出する香料検出装置であって、前記香料物質が付与された植物から放出される前記香料物質及び前記香料物質の前記代謝物の少なくとも一方の量を検出する検出部と、前記検出部によって検出された前記香料物質及び前記代謝物の少なくとも一方の量を示す検出量情報を送信する送信部と、前記植物に付与された前記香料物質の付与量と、前記検出量情報で示される前記香料物質及び前記代謝物の少なくとも一方の検出量とに基づいて前記植物の鮮度を推定する情報処理装置から、前記植物の鮮度に関する鮮度情報を受信する受信部と、前記受信部によって受信された前記鮮度情報を提示する提示部と、を備える。
【0033】
この構成によれば、香料物質が付与された植物から放出される香料物質及び香料物質の代謝物の少なくとも一方の量が検出され、香料物質の付与量と、香料物質及び代謝物の少なくとも一方の検出量とに基づき、植物の鮮度が推定され、推定された鮮度に関する鮮度情報が提示される。したがって、植物に付与された香料物質の量は経時的に変化するので、香料物質の付与量と、香料物質及び代謝物の少なくとも一方の検出量とに基づき、植物の鮮度を容易に推定することができ、容易に植物の鮮度を提示することができる。
【0034】
本開示の他の態様に係る情報管理装置は、植物に香料物質を付与する香料付与装置によって送信された前記植物に付与された前記香料物質の量を示す付与量情報を受信する第1受信部と、前記第1受信部によって受信された前記付与量情報を記憶する付与量情報記憶部と、前記植物から放出される前記香料物質及び前記香料物質の代謝物の少なくとも一方を検出する香料検出装置によって送信された、検出された前記香料物質及び前記代謝物の少なくとも一方の量を示す検出量情報を受信する第2受信部と、前記付与量情報記憶部に記憶されている前記付与量情報で示される前記香料物質の付与量と、前記第2受信部によって受信された前記検出量情報で示される前記香料物質及び前記代謝物の少なくとも一方の検出量とに基づき、前記植物の鮮度を推定する推定部と、前記推定部によって推定された前記鮮度に関する前記鮮度情報を前記香料検出装置へ送信する送信部と、を備える。
【0035】
この構成によれば、香料物質の付与量と、香料物質及び代謝物の少なくとも一方の検出量とに基づき、植物の鮮度が推定され、推定された鮮度に関する鮮度情報が提示される。したがって、植物に付与された香料物質の量は経時的に変化するので、香料物質の付与量と、香料物質及び代謝物の少なくとも一方の検出量とに基づき、植物の鮮度を容易に推定することができ、容易に植物の鮮度を提示することができる。
【0036】
以下添付図面を参照しながら、本開示の実施の形態について説明する。なお、以下の実施の形態は、本開示を具体化した一例であって、本開示の技術的範囲を限定するものではない。
【0037】
(実施の形態)
図1は、本実施の形態における情報提供システムの全体構成を示す図である。
【0038】
図1に示す情報提供システムは、香料付与装置1、サーバ装置2及び香料検出装置3,4を備える。サーバ装置2は、香料付与装置1及び香料検出装置3,4のそれぞれとネットワーク5を介して互いに通信可能に接続されている。ネットワーク5は、例えば、インターネットである。
【0039】
香料付与装置1は、青果物の生産者又は生産者の代理機関によって使用され、青果物に香料物質を付与する。青果物は、植物の一例であり、生産者から消費者へ流通するものである。香料付与装置1が香料物質を付与する対象物は生花であってもよい。香料付与装置1が香料物質を付与する対象物は、植物に限られず、例えば、生鮮食品であってもよい。また、香料物質は、例えば、食品衛生法に基づいて使用が認められている食品添加物である。
【0040】
香料検出装置3は、青果物を生産者から小売業者へ運ぶ流通業者によって使用され、青果物から放出される香料物質及び香料物質の代謝物の少なくとも一方を検出する。青果物は呼吸をしている。そのため、青果物は、内部に取り込んだ香料物質をそのまま放出することもあれば、内部に取り込んだ香料物質を酵素などによる化学反応により別の化合物に変換し、変換した化合物を代謝物として放出することもある。なお、青果物の流通過程において複数の流通業者が存在する場合、情報提供システムは、複数の流通業者毎に複数の香料検出装置3を備えてもよい。
【0041】
香料検出装置4は、青果物を販売する小売業者又は青果物を購入する消費者によって使用され、青果物から放出される香料物質及び香料物質の代謝物の少なくとも一方を検出する。なお、香料検出装置3及び香料検出装置4は、同じ構成である。
【0042】
図2は、本実施の形態における香料付与装置の構成を示すブロック図である。
【0043】
図2に示す香料付与装置1は、プロセッサ11、香料格納部12、香料付与部13、香料検出部14、表示部15、入力部16及び通信部17を備える。
【0044】
プロセッサ11は、香料付与制御部111、香料検出制御部112及び生産情報生成部113を備える。
【0045】
入力部16は、例えば、タッチパネル、キーボード、マウス又はスイッチであり、生産者による入力操作を受け付ける。
【0046】
香料付与制御部111は、入力部16からの入力操作に基づき、香料格納部12及び香料付与部13の動作を制御する。例えば、生産者は、密閉された空間内に青果物を載置し、青果物への香料物質の付与を開始するための付与開始指示を入力部16に入力する。生産者は、青果物へ付与する香料物質の種類を入力部16から入力してもよい。香料付与制御部111は、入力部16により付与開始指示が入力されると、青果物に香料物質を付与するように、香料格納部12及び香料付与部13の動作を制御する。
【0047】
香料格納部12は、異なる複数の香料物質を格納する。香料格納部12は、香料付与制御部111によって指定された香料物質を香料付与部13へ供給する。香料付与制御部111は入力指示された香料物質の種類を生産情報生成部113に通知してもよい。
【0048】
香料付与部13は、青果物に香料物質を付与する。香料付与部13は、青果物が載置された密閉された空間内に、香料格納部12から供給される所定量の香料物質を注入する。香料物質が満たされかつ密閉された空間内に、青果物を所定時間放置することにより、青果物に香料物質が吸収され、青果物に香料物質が付与される。香料付与制御部111は、当該所定時間経過した日時を、香料付与部13が青果物へ香料物質を付与した日時、すなわち、香料付与日時、として、生産情報生成部113に通知してもよい。なお、香料付与部13は、青果物が含有していない香料物質を付与してもよい。香料付与部13は、青果物毎に異なる香料物質を付与してもよい。また、香料付与部13は、異なる複数の香料物質を青果物に付与してもよい。
【0049】
例えば、医薬製剤などの加工品に香料物質を付与する場合、加工品の表面を香料物質でコーティングする必要があり、容易に香料物質を付与することができない。一方、本実施の形態では、青果物などの植物は呼吸をしているため、香料物質が注入された密閉された空間内に青果物を載置することにより、容易に青果物に香料物質を付与することができる。また、青果物に直接付与された香料物質を偽造することは困難であり、青果物の安全性を確保することができる。
【0050】
香料物質の種類は、香料物質が何であるかを特定する情報、例えば、香料物質の名称を意味してもよい。
【0051】
代謝物の種類は、代謝物が何であるかを特定する情報、例えば、代謝物の名称を意味してもよい。
【0052】
香料検出制御部112は、入力部16からの入力操作に基づき、香料検出部14の動作を制御する。例えば、生産者は、密閉された空間内に青果物を載置し、青果物から放出される香料物質の種類及び量の検出を開始するための検出開始指示を入力部16に入力する。
【0053】
香料検出部14は、例えば、ガスクロマトグラフ質量分析計であり、青果物に付与された香料物質の種類及び量を検出する。香料物質が付与された直後に、青果物の香料物質の量を検出することにより、青果物に付与された香料物質の量を検出することができる。なお、青果物に付与される香料物質の量は、例えば、濃度又はピーク面積で表される。香料検出部14は、検出した香料物質の量を香料検出制御部112へ出力する。香料検出制御部112は、香料検出部14によって検出された香料物質の量を、青果物に付与された香料物質の量を示す付与量情報として生産情報生成部113へ出力する。
【0054】
生産情報生成部113は、青果物に付与された香料物質の量を示す付与量情報を含む生産情報を生成する。生産情報生成部113は、表示部15に青果物に関する生産情報の生産者による入力を受け付けるための生産情報入力画面を表示する。図7に生産情報入力画面の例を示す。生産者は、入力部16を介して生産情報を入力する。生産情報は、例えば、商品ロット、収穫日付、品名(すなわち、青果物の種類)、生産者の名前を示す生産者情報、青果物に付与された香料物質の種類、青果物の代謝により付与された香料物質から生成される代謝物の種類、香料物質が付与された日時、付与された香料物質が検出されたか否かを示す香料検出結果、付与された香料物質の濃度を示す付与量情報、香料検出者、出荷日時、出荷先及び輸送業者を含む。
【0055】
生産者が香料物質の種類、香料物質が付与された日時を入力するのではなく、生産情報生成部113は、香料付与制御部111から通知された香料物質の種類、香料付与日時を生産情報入力受付画面に書き込んでもよい。
【0056】
生産者が香料物質の種類を入力するのではなく、生産情報生成部113は香料検出制御部112から通知された香料物質の種類を生産情報入力画面に書き込んでもよい。
【0057】
生産者が代謝物の種類を入力するのではなく、生産情報生成部113は、下記に示す方法で取得した代謝物の種類を生産情報入力画面に書き込んでもよい。
【0058】
香料付与装置1は、青果物の種類と、香料物質の種類と、当該青果物に当該香料物質が付与されることにより当該青果物によって生成される代謝物の種類とを対応付けたテーブルを予め記憶するメモリを備えてもよい。この場合、生産情報生成部113は、青果物の種類と、付与された香料物質の種類とに対応付けられた代謝物の種類をメモリから読み出すことで、代謝物の種類を取得する。
【0059】
表示部15は、例えば、液晶表示装置であり、生産者から青果物の生産情報の入力を受け付けるため、青果物の生産情報入力画面を表示する。
【0060】
通信部17は、生産情報送信部171を備える。生産情報送信部171は、青果物に付与された香料物質の量を示す付与量情報を含む生産情報をサーバ装置2へ送信する。香料付与装置1は、商品のロット毎に上記した生産情報を生成し、商品のロット毎に生成した生産情報をサーバ装置2へ送信してもよい。
【0061】
なお、本実施の形態において、香料付与装置1は、香料検出制御部112及び香料検出部14を備えているが、本開示は特にこれに限定されず、香料付与装置1は、青果物に対して付与した香料物質の量に対して、青果物が吸収する香料物質の量を予め対応付けたテーブルを記憶するメモリを備えてもよく、生産情報生成部113は、香料付与部13によって付与された香料物質の量を香料付与制御部111から取得し、付与された香料物質の量に対応する青果物が吸収した香料物質の量を付与量情報としてメモリから読み出してもよい。この場合、香料検出制御部112及び香料検出部14が不要となる。
【0062】
図3は、本実施の形態における香料検出装置の構成を示すブロック図である。
【0063】
図3に示す香料検出装置3は、入力部31、プロセッサ32、香料検出部33、表示部34及び通信部35を備える。なお、香料検出装置4の構成は、香料検出装置3の構成と同じである。
【0064】
入力部31は、例えば、タッチパネル、キーボード、マウス又はスイッチであり、流通業者又は小売業者による入力操作を受け付ける。
【0065】
プロセッサ32は、香料検出制御部321及び表示制御部322を備える。通信部35は、検出情報送信部351及び提示情報受信部352を備える。
【0066】
香料検出制御部321は、入力部31からの入力操作に基づき、香料検出部33の動作を制御する。例えば、流通業者又は小売業者は、密閉された空間内に青果物を載置し、青果物から放出される香料物質及び香料物質の代謝物の少なくとも一方の種類及び量の検出を開始するための検出開始指示を入力部31に入力する。
【0067】
香料検出部33は、例えば、ガスクロマトグラフ質量分析計であり、青果物から放出される香料物質及び香料物質の代謝物の少なくとも一方の種類及び量を検出する。
【0068】
青果物などの植物は、呼吸をしており、付与された香料物質を放出したり、付与された香料物質を別の化合物に変換し、変換した化合物を代謝物として放出したりする。そのため、香料検出部33は、青果物から放出される香料物質の種類及び量を検出したり、青果物から放出される代謝物の種類及び量を検出したり、青果物から放出される香料物質及び代謝物の両方の種類及び量を検出したりする。なお、1種類の香料物質が付与された青果物からは、1種類の代謝物が放出されるとは限らず、複数種類の代謝物が放出されることもある。また、青果物から放出される香料物質及び代謝物の少なくとも一方の量は、例えば、濃度又はピーク面積で表される。
【0069】
香料検出部33は、検出した香料物質及び代謝物の少なくとも一方の種類及び量を香料検出制御部321へ出力する。香料検出制御部321は、香料検出部33によって検出された香料物質及び代謝物の少なくとも一方の種類及び量を、青果物から検出された香料物質及び代謝物の少なくとも一方の種類及び量を示す検出量情報として検出情報送信部351へ出力する。
【0070】
検出情報送信部351は、香料検出部33によって検出された香料物質及び代謝物の少なくとも一方の種類及び量を示す検出量情報をサーバ装置2へ送信する。
【0071】
提示情報受信部352は、サーバ装置2から青果物の鮮度に関する鮮度情報を含む提示情報を受信する。
【0072】
表示制御部322は、表示部34の動作を制御し、提示情報受信部352によって受信された鮮度情報を含む提示情報を表示部34へ出力し、表示部34に提示情報を表示させる。
【0073】
表示部34は、提示情報受信部352によって受信された鮮度情報を含む提示情報を提示する。
【0074】
図4は、本実施の形態におけるサーバ装置の構成を示すブロック図である。
【0075】
サーバ装置2は、情報管理装置の一例である。図4に示すサーバ装置2は、通信部21、プロセッサ22及びメモリ23を備える。
【0076】
通信部21は、生産情報受信部211、検出情報受信部212及び提示情報送信部213を備える。プロセッサ22は、香料判定部221、鮮度推定部222及び提示情報生成部223を備える。メモリ23は、生産情報記憶部231及び経時変化情報記憶部232を備える。
【0077】
生産情報受信部211は、香料付与装置1によって送信された付与量情報を含む生産情報を受信する。生産情報受信部211は、香料付与装置1によって送信された商品のロット毎の生産情報を受信してもよい。生産情報受信部211は、受信した生産情報を生産情報記憶部231に記憶する。
【0078】
生産情報記憶部231は、生産情報受信部211によって受信された生産情報を記憶している。
【0079】
生産情報記憶部231は、生産情報受信部211によって受信された商品のロット毎の生産情報を記憶してもよい。
【0080】
図5は、本実施の形態において生産情報記憶部が記憶する生産情報の一例を示す図である。
【0081】
図5に示すように、各生産情報は、例えば、商品ロット、収穫日付、品名、生産者の名前を示す生産者情報、青果物に付与された香料物質の種類、代謝物の種類、香料物質が付与された日時、付与された香料物質が検出されたか否かを示す香料検出結果、付与された香料物質の濃度を示す付与量情報、香料検出者、出荷日時、出荷先及び輸送業者を含む。生産情報記憶部231は、商品のロット毎に生産情報を記憶している。
【0082】
例えば、青果物の生産情報は、「S00001」という商品ロット、「4月1日」という収穫日付、「イチゴ」という品名(青果物の種類)、「AA」という生産者情報(生産者の名前)、「X」という香料物質の種類、「X1」という代謝物の種類、「4月1日10時」という香料物質の付与日時、香料物質が検出されたことを示す香料検出結果、「123.4」という付与量情報(付与された香料物質の濃度)、「CC」という香料物質の検出者、「4月1日15時」という出荷日時、「EE」という出荷先、及び「GG」という輸送業者を含む。なお、生産情報は、上記に限定されない。
【0083】
検出情報受信部212は、香料検出装置3によって送信された検出量情報を受信する。検出情報受信部212は、受信した検出量情報を香料判定部221へ出力する。
【0084】
香料判定部221は、検出情報受信部212によって受信された検出量情報に含まれる香料物質及び代謝物の少なくとも一方の種類に一致する生産情報が生産情報記憶部231にあるか否かを判定する。香料判定部221は、検出量情報に含まれる香料物質及び代謝物の少なくとも一方の種類に一致する生産情報が生産情報記憶部231にあると判定した場合、検出量情報に含まれる香料物質及び代謝物の少なくとも一方の種類に一致する生産情報を生産情報記憶部231から読み出す。
【0085】
香料判定部221は、香料検出装置3から受信した検出量情報に含まれる青果物から検出された物質(すなわち、香料物質または代謝物)の種類と一致する香料物質の種類または代謝物の種類を含む生産情報記憶部231に記憶されている生産情報を特定してもよい。香料判定部221は、特定した生産情報を生産情報記憶部231から読み出してもよい。
【0086】
経時変化情報記憶部232は、青果物の種類と、当該青果物に付与された香料物質の種類と、当該青果物から放出される香料物質及び代謝物の少なくとも一方の量が時間の経過とともにどのように変化するかを示す関数とを含む経時変化情報を予め記憶している。
【0087】
鮮度推定部222は、生産情報記憶部231に記憶されている付与量情報で示される香料物質の付与量と、検出情報受信部212によって受信された検出量情報で示される香料物質及び代謝物の少なくとも一方の検出量とに基づき、青果物の鮮度を推定する。鮮度推定部222は、付与量と検出量との変化量に基づき、青果物の鮮度を推定する。
【0088】
青果物から放出される香料物質又は代謝物は、付与された時点から時間の経過とともに減少する。また、減少する割合は、青果物の種類及び付与する香料物質の種類によって異なる。そのため、青果物の種類と、付与した香料物質の種類と、付与量と検出量との変化量とが特定されれば、青果物に香料物質が付与されてからの経過時間を推定することができる。そして、鮮度推定部222は、青果物に香料物質が付与されてからの経過時間を鮮度として推定することが可能となる。
【0089】
まず、鮮度推定部222は、検出量情報に含まれる香料物質及び代謝物の少なくとも一方の種類に一致する生産情報から、青果物の種類と、付与した香料物質の種類と、香料物質の付与量とを抽出する。次に、鮮度推定部222は、青果物の種類と、付与した香料物質の種類とに対応する関数を経時変化情報記憶部232から抽出する。次に、鮮度推定部222は、検出量情報に含まれる香料物質及び代謝物の少なくとも一方の検出量と、生産情報から抽出した香料物質の付与量との変化量(差分)を算出し、算出した変化量を関数に代入することにより、青果物に香料物質が付与されてからの経過時間を算出する。算出された経過時間が、青果物の鮮度となる。
【0090】
なお、本実施の形態において、メモリ23は、青果物の種類と、付与した香料物質の種類と、付与量と検出量との変化量と、鮮度とを予め対応付けたテーブルを予め記憶してもよい。この場合、鮮度は、例えば百分率で表される。時間が経過するに従って変化量は大きくなるため、鮮度は、変化量が少ないほど高い値となる。この場合、鮮度推定部222は、青果物の種類と、付与した香料物質の種類と、付与量と検出量との変化量とに対応付けられた鮮度をテーブルから読み出す。
【0091】
提示情報生成部223は、鮮度推定部222によって推定された鮮度に関する鮮度情報を含む提示情報を生成する。
【0092】
提示情報送信部213は、鮮度推定部222によって推定された鮮度に関する鮮度情報を含む提示情報を香料検出装置3へ送信する。
【0093】
図6は、本実施の形態において、香料付与装置がサーバ装置へ生産情報を送信する処理について説明するためのフローチャートである。
【0094】
まず、ステップS1において、香料付与装置1の香料付与部13は、香料付与制御部111からの制御に基づき、青果物に香料物質を付与する。
【0095】
次に、ステップS2において、香料検出部14は、香料検出制御部112からの制御に基づき、青果物に付与された香料物質の量を検出する。
【0096】
次に、ステップS3において、生産情報生成部113は、生産者による生産情報の入力を受け付けるための生産情報入力画面を表示部15に表示する。
【0097】
図7は、本実施の形態における生産情報入力画面の一例を示す図である。
【0098】
図7に示す生産情報入力画面151には、生産者情報、収穫日付、品名、出荷日時、出荷先、輸送業者、代謝物の種類、香料検出者及び商品ロットの生産者による入力を受け付けるための入力欄が表示される。なお、香料物質の種類は、香料付与部13によって付与された香料物質の種類が自動的に表示される。また、香料付与日時は、香料付与部13によって香料物質が付与された日時が自動的に表示される。また、香料物質の量(濃度)は、香料検出部14によって検出された香料物質の量が自動的に表示される。また、代謝物の種類は、生産者によって入力されてもよいし、品名(青果物の種類)が入力されることにより、青果物の種類と付与された香料物質の種類とに対応する代謝物の種類が自動的に表示されてもよい。
【0099】
次に、ステップS4において、入力部16は、生産情報の生産者による入力を受け付ける。生産者は、表示部15に表示された生産情報入力画面151の入力欄にそれぞれ情報を入力する。図7に示すように、生産情報入力画面151には、送信ボタン152と、終了ボタン153とが表示される。送信ボタン152が押下されると、生産情報が生成されるとともに送信される。終了ボタン153が押下されると、生産情報が生成されることなく、処理が終了することになる。
【0100】
次に、ステップS5において、生産情報生成部113は、青果物に付与された香料物質の量を示す付与量情報を含む生産情報を生成する。
【0101】
次に、ステップS6において、生産情報送信部171は、生産情報をサーバ装置2へ送信する。生産情報送信部171は、商品のロット毎に生成されたた生産情報をサーバ装置2へ送信してもよい。
【0102】
次に、ステップS7において、サーバ装置2の生産情報受信部211は、香料付与装置1によって送信された生産情報を受信する。生産情報受信部211は、香料付与装置1によって送信された商品のロット毎の生産情報を受信してもよい。
【0103】
次に、ステップS8において、生産情報受信部211は、受信した生産情報を生産情報記憶部231に記憶する。
【0104】
図8は、本実施の形態において、香料検出装置及びサーバ装置により鮮度を提示する処理を説明するためのフローチャートである。
【0105】
まず、ステップS11において、香料検出装置3の香料検出部33は、香料検出制御部321からの制御に基づき、青果物から放出される香料物質及び代謝物の少なくとも一方の種類及び量を検出する。
【0106】
次に、ステップS12において、検出情報送信部351は、香料検出部33によって検出された香料物質及び代謝物の少なくとも一方の種類及び量を示す検出量情報をサーバ装置2へ送信する。
【0107】
次に、ステップS13において、サーバ装置2の検出情報受信部212は、香料検出装置3によって送信された検出量情報を受信する。
【0108】
次に、ステップS14において、香料判定部221は、検出情報受信部212によって受信された検出量情報に含まれる香料物質及び代謝物の少なくとも一方の種類に一致する生産情報が生産情報記憶部231にあるか否かを判定する。
【0109】
ステップS14において、香料判定部221は、検出情報受信部212によって受信された検出量情報に含まれる青果物から検出された物質(すなわち、香料物質または代謝物)の種類に一致する香料物質の種類または代謝物の種類を含む生産情報が、生産情報記憶部231に記憶されているか否かを判定してもよい。
【0110】
ここで、検出量情報に含まれる香料物質及び代謝物の少なくとも一方の種類に一致する生産情報が生産情報記憶部231にあると判定された場合(ステップS14でYES)、ステップS15において、鮮度推定部222は、生産情報記憶部231に記憶されている付与量情報で示される香料物質の付与量と、検出情報受信部212によって受信された検出量情報で示される香料物質及び代謝物の少なくとも一方の検出量とに基づき、青果物の鮮度を推定する。
【0111】
検出量情報に含まれる青果物から検出された物質(すなわち、香料物質または代謝物)の種類に一致する香料物質の種類または代謝物の種類を含む生産情報が、生産情報記憶部231に記憶されている場合(ステップS14でYES)、ステップS15において、鮮度推定部222は、生産情報記憶部231に記憶されている付与量情報で示される香料物質の付与量と、検出情報受信部212によって受信された検出量情報で示される青果物から検出された物質の検出量とに基づき、青果物の鮮度を推定してもよい。
【0112】
次に、ステップS16において、提示情報生成部223は、鮮度推定部222によって推定された鮮度に関する鮮度情報を含む提示情報を生成する。
【0113】
一方、検出量情報に含まれる香料物質及び代謝物の少なくとも一方の種類に一致する生産情報が生産情報記憶部231にないと判定された場合(ステップS14でNO)、ステップS16において、提示情報生成部223は、検出対象の青果物に対応する生産情報が記憶されていないことを提示するための提示情報を生成する。
【0114】
一方、検出量情報に含まれる青果物から検出された物質(すなわち、香料物質または代謝物)の種類に一致する香料物質の種類または代謝物の種類を含む生産情報が、生産情報記憶部231に記憶されていない場合(ステップS14でNO)、ステップS16において、提示情報生成部223は、検出対象の青果物に対応する生産情報が記憶されていないことを提示するための提示情報を生成してもよい。
【0115】
次に、ステップS17において、提示情報送信部213は、提示情報生成部223によって生成された提示情報を香料検出装置3へ送信する。
【0116】
次に、ステップS18において、香料検出装置3の提示情報受信部352は、サーバ装置2によって送信された提示情報を受信する。
【0117】
次に、ステップS19において、表示制御部322は、提示情報受信部352によって受信された提示情報を表示部34に表示する。ここで、提示情報が鮮度に関する鮮度情報を含む場合、表示部34は、鮮度情報を含む提示情報を表示する。一方、提示情報が検出対象の青果物に対応する生産情報が記憶されていないことを示す場合、表示部34は、検出対象の青果物に対応する生産情報が記憶されていないことを示す提示情報を表示する。
【0118】
図9は、本実施の形態において、鮮度情報を含む提示情報の一例を示す図である。提示情報341は、鮮度情報342だけでなく生産情報も含む。生産情報は、商品ロット、生産者情報、収穫日付、品名、出荷日時、出荷先及び輸送業者を含む。鮮度情報342は、青果物に香料物質が付与されてからの経過時間を示している。また、提示情報341には、終了ボタン343が表示される。終了ボタン343が押下されると、処理が終了することになる。
【0119】
このように、香料物質が付与された青果物から放出される香料物質及び香料物質の代謝物の少なくとも一方の量が検出され、香料物質の付与量と、香料物質及び代謝物の少なくとも一方の検出量とに基づき、青果物の鮮度が推定され、推定された鮮度に関する鮮度情報が提示される。したがって、青果物に付与された香料物質の量は経時的に変化するので、香料物質の付与量と、香料物質及び代謝物の少なくとも一方の検出量とに基づき、青果物の鮮度を容易に推定することができ、容易に青果物の鮮度を提示することができる。
【0120】
なお、本実施の形態において、青果物に香料物質が付与されるとともに、青果物から放出される香料物質が検出されることにより、鮮度が推定されるだけでなく、流通過程における流通履歴を記憶することが可能となる。すなわち、香料検出装置3の表示部34は、流通業者又は小売業者により流通履歴を記憶するためのトレーサビリティ情報入力画面を表示してもよい。
【0121】
図10は、本実施の形態において、トレーサビリティ情報入力画面の一例を示す図である。
【0122】
図10に示すトレーサビリティ情報入力画面344には、商品ロット、品名及び香料検出者の流通業者又は小売業者による入力を受け付けるための入力欄が表示される。なお、香料検出日時は、香料検出部33によって香料物質及び代謝物の少なくとも一方が検出された日時が自動的に表示される。また、香料物質及び代謝物の少なくとも一方の種類は、香料検出部33によって検出された香料物質及び代謝物の少なくとも一方の種類が自動的に表示される。また、香料物質及び代謝物の少なくとも一方の量は、香料検出部33によって検出された香料物質及び代謝物の少なくとも一方の量(濃度)が自動的に表示される。
【0123】
表示部34は、香料検出部33によって香料物質及び代謝物の少なくとも一方の種類及び量が検出された後(図8のステップS11の処理の後)、トレーサビリティ情報入力画面344を表示する。流通業者又は小売業者は、表示部34に表示されたトレーサビリティ情報入力画面344の入力欄にそれぞれ情報を入力する。図10に示すように、トレーサビリティ情報入力画面344には、送信ボタン345と、終了ボタン346とが表示される。送信ボタン345が押下されると、トレーサビリティ情報が生成されるとともに送信される。終了ボタン346が押下されると、トレーサビリティ情報が生成されることなく、処理が終了することになる。
【0124】
トレーサビリティ情報は、例えば、商品ロット、品名、香料検出者、香料物質及び代謝物の少なくとも一方が検出された香料検出日時、香料物質及び代謝物の少なくとも一方の種類、及び香料物質及び代謝物の少なくとも一方の量を含む。
【0125】
通信部35は、トレーサビリティ情報をサーバ装置2へ送信する。サーバ装置2の通信部21は、香料検出装置3によって送信されたトレーサビリティ情報を受信する。通信部21は、受信したトレーサビリティ情報をメモリ23に記憶する。その後、図8のステップS14及びステップS15の処理と同じ処理が行われ、提示情報生成部223は、鮮度推定部222によって推定された鮮度に関する鮮度情報と、生産情報と、流通過程における香料物質の検出結果を示す検出結果情報とを含む提示情報を生成する。
【0126】
図11は、本実施の形態において、鮮度情報、生産情報及び検出結果情報を含む提示情報の一例を示す図である。
【0127】
表示部34は、提示情報347をトレーサビリティ結果画面に表示する。提示情報347は、鮮度情報348だけでなく生産情報及び検出結果情報も含む。生産情報は、商品ロット、生産者情報、収穫日付、品名、出荷日時、出荷先及び輸送業者を含む。鮮度情報348は、青果物に香料物質が付与されてからの経過時間を示している。検出結果情報は、流通過程における香料物質の検出結果を示す。1次香料検出は、香料物質を青果物に付与した際に香料物質が検出されたか否かを示し、2次香料検出は、流通業者が青果物を集荷した際に香料物質または代謝物が検出されたか否かを示し、3次香料検出は、小売業者が青果物を受け取った際に香料物質または代謝物が検出されたか否かを示す。また、提示情報347には、終了ボタン349が表示される。終了ボタン349が押下されると、処理が終了することになる。
【0128】
小売業者は、トレーサビリティ結果画面に表示される検出結果情報を確認することにより、流通過程において香料物質が検出されたか否かを知ることができる。
【0129】
なお、検出結果情報は、香料物質を青果物に付与した際に香料物質が検出された日時と、流通業者が青果物を集荷した際に香料物質が検出された日時と、小売業者が青果物を受け取った際に香料物質が検出された日時とを含んでもよい。
【0130】
続いて、青果物に香料物質を付与し、青果物から放出される香料物質及び代謝物の少なくとも一方を所定時間毎に測定した実験結果について説明する。
【0131】
実験では、青果物としてイチゴを使用し、香料物質としてトランス-2-ヘキセナール(Trans-2-hexenal)を使用した。まず、発明者らは、イチゴとトランス-2-ヘキセナールを含ませた濾紙とをプラスチックカップに入れて封をすることで、イチゴに香料物質を付与した。
【0132】
続いて、発明者らは、香料物質が付与されたイチゴをサンプルバッグに入れ、封をした後、室温で2時間放置した。次に、発明者らは、このサンプルバッグにTenax TA(60/80)を吸着剤として入れ、サンプルバッグから500mlのガスを吸引した。続いて、発明者らは、ガスが吸着したTenax TA(60/80)から熱脱着によりガスを回収し、ガスクロマトグラフ質量分析計によりガス成分を分析した。さらに、発明者らは、ガス回収後のイチゴを冷蔵保存し、所定時間毎に取り出し、上記と同様の方法でガスを回収し、ガスクロマトグラフ質量分析計(GC-MS)によりガス成分を分析した。
【0133】
トランス-2-ヘキセナールを付与したイチゴからは、トランス-2-ヘキセナールの代謝物と考えられるトランス-2-ヘキセニルアセテート(Trans-2-hexenyl acetate)とシス-3-ヘキセニルアセテート(Cis-3-hexenyl acetate)との2種類のガス成分が検出された。そして、発明者らは、ガスクロマトグラフ質量分析計で得た2種類のガス成分のスペクトルのピーク面積を検出量として算出し、香料物質が付与されてから1日後に得た基準検出量を100%に換算し、所定時間毎に検出した検出量の基準検出量に対する割合をグラフ上にプロットした。
【0134】
図12は、青果物に付与したトランス-2-ヘキセナールの代謝物であるトランス-2-ヘキセニルアセテートの検出量の経時変化を示す図であり、図13は、青果物に付与したトランス-2-ヘキセナールの代謝物であるシス-3-ヘキセニルアセテートの検出量の経時変化を示す図である。なお、図12及び図13において、縦軸は、ガスクロマトグラフ質量分析計で測定されたガス成分のピーク面積を表し、横軸は、香料物質が付与されてからの経過日数を表し、四角点は、第1の青果物からの代謝物の検出量を示し、菱形点は、第1の青果物とは異なる第2の青果物からの代謝物の検出量を示している。第1の青果物及び第2の青果物は、それぞれ個体の異なるイチゴである。
【0135】
図12及び図13に示すように、代謝物は、時間の経過とともに減少することが分かる。
【0136】
また、図12において、直線L1は、第1の青果物から検出されたトランス-2-ヘキセニルアセテートの検出量の経時変化を一次関数で表した回帰直線であり、直線L2は、第2の青果物から検出されたトランス-2-ヘキセニルアセテートの検出量の経時変化を一次関数で表した回帰直線である。また、図13において、直線L3は、第1の青果物から検出されたシス-3-ヘキセニルアセテートの検出量の経時変化を一次関数で表した回帰直線であり、直線L4は、第2の青果物から検出されたシス-3-ヘキセニルアセテートの検出量の経時変化を一次関数で表した回帰直線である。
【0137】
図12及び図13に示すように、直線L1と直線L2との傾きは、ほぼ同じであり、直線L3と直線L4との傾きは、ほぼ同じである。これは、同じ青果物であっても、個体差により代謝物の検出量は変化するものの、変化率はほぼ同じになることを意味している。そのため、鮮度推定部222は、検出量情報に含まれる香料物質及び代謝物の少なくとも一方の検出量と、生産情報から抽出した香料物質の付与量との変化量(差分)を算出し、算出した変化量を回帰直線の関数に代入することにより、青果物に香料物質が付与されてからの経過時間を算出することができる。
【0138】
また、香料物質であるトランス-2-ヘキセナールの代謝物と考えられるトランス-2-ヘキセニルアセテート及びシス-3-ヘキセニルアセテートが検出されることで、香料物質が付与されていた青果物を特定することができる。さらに、複数種類の代謝物が検出されることで、香料物質がトランス-2-ヘキセナールであったことの確度を上げることができる。また、検出されるガス成分の変化量を算出することで、香料物質が付与されてからの経過時間を推定することが可能となる。
【0139】
本開示は、上記した実施の形態に限定されるものではない。本開示の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を実施の形態に施したものや、異なる実施の形態における構成要素を組み合わせて構築される形態も、本開示の範囲内に含まれてもよい。
【0140】
なお、上記各実施の形態において、各構成要素は、専用のハードウェアで構成されるか、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。各構成要素は、CPUまたはプロセッサなどのプログラム実行部が、ハードディスクまたは半導体メモリなどの記録媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。
【0141】
本開示の実施の形態に係る装置の機能の一部又は全ては典型的には集積回路であるLSI(Large Scale Integration)として実現される。これらは個別に1チップ化されてもよいし、一部又は全てを含むように1チップ化されてもよい。また、集積回路化はLSIに限るものではなく、専用回路又は汎用プロセッサで実現してもよい。LSI製造後にプログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)、又はLSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサを利用してもよい。
【0142】
本開示において、ユニット、デバイスの全部又は一部、又は図2図4に示されるブロック図の機能ブロックの全部又は一部は、半導体装置、半導体集積回路(IC)、又はLSI(large scale integration)を含む一つ又は一つ以上の電子回路によって実行されてもよい。
【0143】
また、本開示の実施の形態に係る装置の機能の一部又は全てを、CPU等のプロセッサがプログラムを実行することにより実現してもよい。
【0144】
本開示における香料付与装置を実現するソフトウエアは、図6に示すフローチャートに含まれる各ステップをコンピュータに実行させてもよい。
【0145】
本開示におけるサーバ装置を実現するソフトウエアは、図6、8に示すフローチャートに含まれる各ステップをコンピュータに実行させてもよい。
【0146】
本開示における香料検出装置を実現するソフトウエアは、図8に示すフローチャートに含まれる各ステップをコンピュータに実行させてもよい。
【0147】
また、上記で用いた数字は、全て本開示を具体的に説明するために例示するものであり、本開示は例示された数字に制限されない。
【0148】
また、上記フローチャートに示す各ステップが実行される順序は、本開示を具体的に説明するために例示するためのものであり、同様の効果が得られる範囲で上記以外の順序であってもよい。また、上記ステップの一部が、他のステップと同時(並列)に実行されてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0149】
本開示に係る情報提供方法、情報提供システム、香料付与装置、香料検出装置及び情報管理装置は、容易に植物の鮮度を提示することができるので、植物に関する情報を提供する情報提供方法、植物に関する情報を提供する情報提供システム、植物に香料物質を付与する香料付与装置、植物から放出される香料物質及び香料物質の代謝物の少なくとも一方を検出する香料検出装置、及び植物に関する情報を管理する情報管理装置として有用である。
【符号の説明】
【0150】
1 香料付与装置
2 サーバ装置
3,4 香料検出装置
5 ネットワーク
11 プロセッサ
12 香料格納部
13 香料付与部
14 香料検出部
15 表示部
16 入力部
17 通信部
21 通信部
22 プロセッサ
23 メモリ
31 入力部
32 プロセッサ
33 香料検出部
34 表示部
35 通信部
111 香料付与制御部
112 香料検出制御部
113 生産情報生成部
171 生産情報送信部
211 生産情報受信部
212 検出情報受信部
213 提示情報送信部
221 香料判定部
222 鮮度推定部
223 提示情報生成部
231 生産情報記憶部
232 経時変化情報記憶部
321 香料検出制御部
322 表示制御部
351 検出情報送信部
352 提示情報受信部
図1
図2
図3
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図5
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図10
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図12
図13