(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-21
(45)【発行日】2024-03-29
(54)【発明の名称】ショーケース
(51)【国際特許分類】
F25D 17/08 20060101AFI20240322BHJP
A47F 3/04 20060101ALI20240322BHJP
F25D 25/02 20060101ALI20240322BHJP
F25D 17/06 20060101ALI20240322BHJP
【FI】
F25D17/08 319B
A47F3/04 Q
F25D25/02 J
F25D17/06 312
(21)【出願番号】P 2020020940
(22)【出願日】2020-02-10
【審査請求日】2022-08-22
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001081
【氏名又は名称】弁理士法人クシブチ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】轟 篤
(72)【発明者】
【氏名】岡地 達也
(72)【発明者】
【氏名】渋沢 作巳
(72)【発明者】
【氏名】桶谷 哲也
【審査官】五十嵐 公輔
(56)【参考文献】
【文献】特開平10-246565(JP,A)
【文献】実開昭52-106657(JP,U)
【文献】特開平11-248330(JP,A)
【文献】特開平11-276317(JP,A)
【文献】特開2001-241827(JP,A)
【文献】特開平06-159724(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F25D 1/00-31/00
A47F 3/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に商品を陳列するケース本体と、
前記ケース本体の内部に冷気を送る冷気吹出口を有する冷気ダクトユニットと、を備え、
前記冷気ダクトユニットは、固定ダクト部材と、前記固定ダクト部材に対して昇降自在とされた可動ダクト部材とを備え、
前記可動ダクト部材は、カバー部材を備え、前記可動ダクト部材と前記カバー部材との間に前記冷気吹出口に連通する吹出ダクトが形成され、
前記ケース本体の前後方向に伸縮自在に構成される陳列棚を備え、前記陳列棚の後端は前記カバー部材に取付けられ、前記陳列棚は、前記可動ダクト部材の上昇につれて伸長されることを特徴とするショーケース。
【請求項2】
内部に商品を陳列するケース本体と、
前記ケース本体の内部に冷気を送る冷気吹出口を有する冷気ダクトユニットと、を備え、
前記冷気ダクトユニットは、固定ダクト部材と、前記固定ダクト部材に対して昇降自在とされた可動ダクト部材とを備え、
前記可動ダクト部材は、カバー部材を備え、前記可動ダクト部材と前記カバー部材との間に前記冷気吹出口に連通する吹出ダクトが形成され、
前記ケース本体の前後方向に伸縮自在に構成される陳列棚を備え、前記陳列棚の後端は、前記ケース本体に取り付けられ、
前記可動ダクト部材が上昇する際に、前記陳列棚は、可動ダクト部材と一緒に上昇しないように構成されていることを特徴とするショーケース。
【請求項3】
前記ケース本体は、前記冷気ダクトユニットの両側にそれぞれ設けられていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のショーケース。
【請求項4】
前記冷気吹出口に冷気を送る冷気用送風機を備え、
前記冷気用送風機は、前記可動ダクト部材が上昇した場合に、前記可動ダクト部材が上昇していない場合より送風量を増大させるように駆動制御する制御部を備えていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のショーケース。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ショーケースに係り、特に、上面に開口を有する平型のショーケースに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、コンビニエンスストアやスーパーマーケットなどに設置されるショーケースとして、商品を陳列する陳列室を備えた2つのケース本体と、各ケース本体の間に配置される冷気循環用の冷気ダクトと、を備え、冷気ダクトからの冷気を2つのケース本体に吹き出すようにしたショーケースが知られている(例えば、特許文献1および特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2013-253740号公報
【文献】特開2002-277149号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このようなショーケースでは、例えば、野菜や果物など陳列する商品によって、陳列の仕方を変えたい要望がある。
しかしながら、前記従来のショーケースでは、陳列棚が固定となっているため、陳列の仕方を変えたい場合は、別途棚などを用意する必要があり、商品陳列のバリエーションを増やすことは容易ではない。
【0005】
本発明は前記した点に鑑みてなされたものであり、容易に商品陳列のバリエーションを増やすことのできるショーケースを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するため、本発明は、内部に商品を陳列するケース本体と、前記ケース本体の内部に冷気を送る冷気吹出口を有する冷気ダクトユニットと、を備え、前記冷気ダクトユニットは、固定ダクト部材と、前記固定ダクト部材に対して昇降自在とされた可動ダクト部材とを備え、前記可動ダクト部材は、カバー部材を備え、前記可動ダクト部材と前記カバー部材との間に前記冷気吹出口に連通する吹出ダクトが形成され、前記ケース本体の前後方向に伸縮自在に構成される陳列棚を備え、前記陳列棚の後端は前記カバー部材に取付けられ、前記陳列棚は、前記可動ダクト部材の上昇につれて伸長されることを特徴とする。
これにより、可動ダクト部材を上昇させることで、冷気ダクトユニットの冷気吹出口を高い位置に位置させることができ、冷気吹出口から商品に向けて冷気を吹き出すことができる。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、可動ダクト部材を上昇させることで、冷気ダクトユニットの冷気吹出口を高い位置に位置させることができ、冷気吹出口の下方に、陳列棚や着脱自在な棚板を配置することができ、商品陳列のバリエーションを増やすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明に係るショーケースの第1実施の形態を示す側面断面図
【
図2】第1実施の形態の冷気ダクトユニットが伸長した状態を示す側面断面図
【発明を実施するための形態】
【0009】
第1の発明は、内部に商品を陳列するケース本体と、前記ケース本体の内部に冷気を送る冷気吹出口を有する冷気ダクトユニットと、を備え、前記冷気ダクトユニットは、固定ダクト部材と、前記固定ダクト部材に対して昇降自在とされた可動ダクト部材とを備えている。
これによれば、可動ダクト部材を上昇させることで、冷気ダクトユニットの冷気吹出口を高い位置に位置させることができ、冷気吹出口の下方に、陳列棚や着脱自在な棚板を配置することができ、商品陳列のバリエーションを増やすことができる。
【0010】
第2の発明は、前記可動ダクト部材は、カバー部材を備え、前記可動ダクト部材と前記カバー部材との間に前記冷気吹出口に連通する吹出ダクトが形成されている。
これによれば、吹出ダクトを通る冷気を吹出口から吹き出すことができる。
【0011】
第3の発明は、前記ケース本体の前後方向に伸縮自在に構成される陳列棚を備え、前記陳列棚の後端は前記カバー部材に取付けられ、前記陳列棚は、前記可動ダクト部材の上昇につれて伸長される。
これによれば、可動ダクト部材を上昇させることで、陳列棚も一緒に伸長されるため、陳列棚の傾斜角度が大きくなり、大きく傾斜している陳列棚に商品を陳列することが可能となる。このように傾斜角度が大きい陳列棚に商品を陳列することで、商品の視認性を高めることができ、商品陳列のバリエーションを増やすことができる。
【0012】
第4の発明は、前記陳列棚の後端は、前記ケース本体に取り付けられ、前記可動ダクト部材が上昇する際に、前記陳列棚は、可動ダクト部材と一緒に上昇しないように構成されている。
これによれば、可動ダクト部材を昇降動作させる際に、陳列棚は通常位置と同じ位置に保持され、冷気吹出口の位置を高くしつつ、商品陳列のバリエーションを増やすことができる。さらに、冷気吹出口と陳列棚との間の空間に棚板を追加することで、さらに商品陳列のバリエーション増やすことができる。
【0013】
第5の発明は、前記ケース本体は、前記冷気ダクトユニットの両側にそれぞれ設けられている。
これによれば、1つの冷気ダクトユニットにより2つのケース本体の陳列棚を冷却することができる。
【0014】
第6の発明は、前記冷気吹出口に冷気を送る冷気用送風機を備え、前記冷気用送風機は、前記可動ダクト部材が上昇した場合に、前記可動ダクト部材が上昇していない場合より送風量を増大させるように駆動制御する制御部を備えている。
これによれば、可動ダクト部材が上昇した場合でも、冷気用送風機の送風量を増やすことで、冷気吹出口からの冷気の吹出量を確保することができる。
【0015】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
図1は本発明に係るショーケースの第1実施の形態を示す正面図である。
図2は本実施の形態の冷気ダクトユニットが伸長した状態を示す側面断面図である。
本実施形態のショーケース1は、コンビニエンスストアやスーパーマーケットなどの店舗内に据え付けられる。
【0016】
図1および
図2に示すように、ショーケース1は、冷気ダクトユニット30と、この冷気ダクトユニット30の両側に配置された2つのケース本体10と、を備えている。
ケース本体10は、上面に上部開口11を有し、断熱材料からなる前壁12、底壁13、後壁14を備えている。
ケース本体10の底壁13の上方には、底板15が設けられている。
【0017】
ケース本体10の前壁12の内側には、吸込ダクト20が形成されている。吸込ダクト20の上端部には、冷気を吸い込む冷気吸込口21が形成されている。
底壁13と底板15との間の空間は、下部ダクト22とされており、下部ダクト22は、吸込ダクト20の下端部と連通している。下部ダクト22の後壁14側には、図示しない連通孔が形成されている。
下部ダクト22の内部には、冷却装置の蒸発器23および冷気用送風機24が設置されている。
【0018】
ケース本体10の上部開口11部分には、商品を陳列するための陳列棚25が設けられている。本実施形態においては、陳列棚25は、複数の棚板26により構成されている。各棚板26は、ケース本体10の前後方向にスライド可能に構成されており、各棚板26がスライドすることで、陳列棚25の前後方向の長さを伸縮できるように構成されている。
本実施形態においては、陳列棚25の前端部は、ケース本体10の吸込ダクト20の上方部分に取付けられている。陳列棚25の後端部は、冷気ダクトユニット30に取付けられている。
【0019】
冷気ダクトユニット30は、ケース本体10の幅寸法と略同様の幅寸法を有しており、冷気ダクトユニット30は、ショーケース1が設置される床に支持される箱型の固定ダクト部材31と、この固定ダクト部材31の外側に位置する可動ダクト部材32とを備えている。
固定ダクト部材31の下端部には、平板状の基台33が設けられており、基台33により固定ダクト部材31を支持する。
【0020】
可動ダクト部材32は、下方が開放された箱型に形成されており、可動ダクト部材32は、固定ダクト部材31の外側にはめ込まれている。
可動ダクト部材32は、固定ダクト部材31に対して昇降自在に構成されている。すなわち、可動ダクト部材32は、
図1に示す通常位置から、
図2に示す上昇位置まで昇降自在とされる。
可動ダクト部材32の昇降動作は、例えば、電動モータの回転駆動力を上下方向の直線動作に変換する公知の機構が用いられる。なお、例えば、手動で駆動される回転ハンドルなどの回転動作で、手動により可動ダクト部材32を昇降動作させるようにしてもよい。
【0021】
可動ダクト部材32の上端部には、各ケース本体10側に突出するキャノピー34が可動ダクト部材32の幅方向の全域にわたって取付けられている。
キャノピー34の両側には、冷気を吹出す冷気吹出口35が設けられており、冷気吹出口35は、斜め下方に向けて冷気を吹き出すように斜め下方に傾斜して形成されている。
キャノピー34の両側には、ケース本体10の陳列棚25を照明する照明灯37がキャノピー34の幅方向に沿って取り付けられている。
【0022】
可動ダクト部材32の外側には、カバー部材36が可動ダクト部材32の外側面に対して所定間隙を有するように設けられている。カバー部材36と可動ダクト部材32との間の空間は、吹出ダクト38とされており、吹出ダクト38は、下部ダクト22の連通孔から送られる冷気が送られ、この冷気を冷気吹出口35から吹き出すように構成されている。
カバー部材36の下端部は、
図1に示す通常位置で固定ダクト部材31の基台33に接するように形成されており、
図2に示す上昇位置でケース本体10の底板15付近に位置するように形成されている。これにより、可動ダクト部材32が上昇した場合でも、カバー部材36との間に吹出ダクト38を形成することが可能となっている。
【0023】
そして、冷気用送風機24を駆動することにより、蒸発器23と熱交換した冷気が下部ダクト22から連通孔を介して吹出ダクト38に流入し、吹出ダクト38の内部を上昇し、冷気吹出口35から陳列棚25に向けて吹き出される。陳列棚25に吹き出された冷気は、冷気吸込口21から吸込ダクト20の内部に吸い込まれ、下部ダクト22に送られる。これにより、陳列棚25を所定の温度に冷却する。
【0024】
また、陳列棚25の後端は、本実施形態においては、カバー部材36に取付けられている。これにより、可動ダクト部材32が上昇する際に、陳列棚25も一緒に上昇されることになる。
すなわち、
図1に示す通常位置から
図2に示す上昇位置に上昇する際に、陳列棚25の棚板26がスライドして伸長し、陳列棚25が可動ダクト部材32の上昇に追随する。
この状態で、
図2に示すように、陳列棚25は、その傾斜角度が大きくなり、大きく傾斜している陳列棚25に商品を陳列することが可能となる。そのため、
図1に示す通常位置における陳列棚25に商品を陳列する場合と比較して、商品を遠くから認識することができ、商品の視認性を高めることができ、商品陳列のバリエーションを増やすことができる。
【0025】
次に、本実施の形態における制御構成について説明する。
図3は、本実施の形態の制御構成の概略を示すブロック図である。
図3に示すように、本実施の形態のショーケース1は、制御部40を備えている。制御部40は、例えば、CPUなどからなり、メモリを備えている。
ショーケース1は、可動ダクト部材32の昇降位置を検出する昇降位置センサ41を備えている。
制御部40は、昇降位置センサ41により検出された可動ダクト部材32の昇降位置に基づいて、冷気用送風機24を駆動制御するように構成されている。
すなわち、制御部40は、可動ダクト部材32が、通常位置にある状態で冷気用送風機24を駆動する場合に比較して、可動ダクト部材32が上昇した上昇位置にある状態で、冷気用送風機24の送風量が増大するように駆動するように制御する。
これは、可動ダクト部材32が上昇した場合に、吹出ダクト38の容積が増大するため、冷気用送風機24の送風量を増やすことで、冷気吹出口35からの冷気の吹出量を低減させないようにするためである。
【0026】
次に、本実施形態の作用について説明する。
本実施の形態においては、陳列棚25に所定の商品を載置した状態で、制御部40により冷気用送風機24を駆動することにより、下部ダクト22の内部の空気を蒸発器23により冷却し、冷却された冷気は、
図1に矢印で示すように、吹出ダクト38を上昇して、冷気吹出口35から陳列棚25に向けて吹き出される。
そして、
図1に矢印で示すように、冷気吹出口35から吐出された冷気は、冷気吸込口21から吸い込まれ、下部ダクト22に戻される。これにより、陳列棚25に陳列された商品に対して冷気を当てることができ、商品を所定の設定温度に保持することができる。
【0027】
そして、可動ダクト部材32を上昇させることにより、冷気ダクトユニット30を上方に伸長させることができる。
これにより、陳列棚25も一緒に伸長され、傾斜角度が大きくなり、大きく傾斜している陳列棚25に商品を陳列することが可能となる。このように傾斜角度が大きい陳列棚25に商品を陳列することで、商品の視認性を高めることができ、商品陳列の見栄えをよくすることができる。
この状態で、陳列棚25に所定の商品を載置し、制御部40により冷気用送風機24を駆動することにより、下部ダクト22の内部の空気を蒸発器23により冷却し、冷却された冷気は、
図2に矢印で示すように、吹出ダクト38を上昇して、冷気吹出口35から陳列棚25に向けて吹き出される。
そして、
図2に矢印で示すように、冷気吹出口35から吐出された冷気は、冷気吸込口21から吸い込まれ、下部ダクト22に戻される。これにより、陳列棚25に陳列された商品に対して冷気を当てることができ、商品を所定の設定温度に保持することができる。
【0028】
このとき、昇降位置センサ41により可動ダクト部材32が上昇したことを検出した場合は、制御部40は、冷気用送風機24の送風量が増大するように駆動するように制御する。
これにより、可動ダクト部材32が上昇した場合でも、冷気用送風機24の送風量を増やすことで、冷気吹出口35からの冷気の吹出量を低減させないようにすることができる。
【0029】
以上述べたように、本実施形態においては、内部に商品を陳列する陳列棚25が設けられたケース本体10と、ケース本体10の後部に配置され陳列棚25に冷気を送る冷気吹出口35を有する冷気ダクトユニット30と、を備え、冷気ダクトユニット30は、固定ダクト部材31と、固定ダクト部材31に対して昇降自在とされた可動ダクト部材32とを備えている。
これにより、可動ダクト部材32を上昇させることで、冷気ダクトユニット30の冷気吹出口35を高い位置に位置させることができ、冷気吹出口35の下方に、陳列棚25や着脱自在な棚板を配置することができ、商品陳列のバリエーションを増やすことができる。
【0030】
また、本実施形態においては、可動ダクト部材32は、カバー部材36を備え、可動ダクト部材32と前記カバー部材36との間に冷気吹出口35に連通する吹出ダクト38が形成されている。
これにより、吹出ダクト38を通る冷気を冷気吹出口35から吹き出すことができる。
【0031】
また、本実施形態においては、陳列棚25は、ケース本体10の前後方向に伸縮自在に構成され、陳列棚25の後端はカバー部材36に取付けられ、陳列棚25は、可動ダクト部材32の上昇につれて伸長される。
これにより、可動ダクト部材32を上昇させることで、陳列棚25も一緒に伸長されるため、陳列棚25の傾斜角度が大きくなり、大きく傾斜している陳列棚25に商品を陳列することが可能となる。このように傾斜角度が大きい陳列棚25に商品を陳列することで、商品の視認性を高めることができ、商品陳列のバリエーションを増やすことができる。
【0032】
また、本実施形態においては、冷気吹出口35に冷気を送る冷気用送風機24を備え、冷気用送風機24は、可動ダクト部材32が上昇した場合に、可動ダクト部材32が上昇していない場合より送風量を増大させるように駆動制御する制御部40を備えている。
これにより、可動ダクト部材32が上昇した場合でも、冷気用送風機24の送風量を増やすことで、冷気吹出口35からの冷気の吹出量を確保することができる。
【0033】
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
図4は、本発明の第2実施形態を示す縦断面図である。
図4に示すように、ケース本体10の後方に、背面板50を設け、この背面板50に陳列棚25の後端部を取付けるようにしたものである。
これにより、陳列棚25は、カバー部材36に取り付けられていないので、可動ダクト部材32が上昇する際に、陳列棚25は、可動ダクト部材32と一緒に上昇しないように構成されている。
すなわち、可動ダクト部材32の昇降動作にかかわらず、陳列棚25は常に同じ位置に保持される。
その他の構成は、第1実施形態と同様であるため、同一部分には、同一符号を付してその説明を省略する。
【0034】
本実施形態においては、陳列棚25が背面板50に取り付けられているので、可動ダクト部材32を昇降動作させる際に、陳列棚25が一緒に上昇せず、陳列棚25は、通常位置と同じ位置に保持されている。
この状態で、制御部40により冷気用送風機24を駆動することにより、下部ダクト22の内部の空気を蒸発器23により冷却し、冷却された冷気は、
図4に矢印で示すように、吹出ダクト38を上昇して、冷気吹出口35から陳列棚25の内部に吹き出される。
そして、
図4に矢印で示すように、冷気吹出口35から吐出された冷気は、冷気吸込口21から吸い込まれ、下部ダクト22に戻される。これにより、陳列棚25に陳列された商品に対して冷気を当てることができ、商品を所定の設定温度に保持することができる。
【0035】
この場合に、可動ダクト部材32が上昇した状態で、陳列棚25と冷気吹出口35との間に広い空間が形成される。
そのため、例えば、カバー部材36の陳列棚25と冷気吹出口35との間の任意の位置に、棚板51を着脱自在に設けることができる。
本実施の形態においては、棚板51は、1段で形成しているが、複数段の棚板51を設けるようにしてもよい。
このように冷気吹出口35と陳列棚25との間に棚板51を設けることにより、さらに商品陳列のバリエーションを増やすことができる。
【0036】
以上述べたように、本実施の形態においては、陳列棚25の後端をケース本体10に取り付け、可動ダクト部材32が上昇する際に、陳列棚25は、可動ダクト部材32と一緒に上昇しないように構成されている。
これにより、可動ダクト部材32を昇降動作させる際に、陳列棚25は通常位置と同じ位置に保持され、冷気吹出口35の位置を高くしつつ、商品陳列のバリエーションを増やすことができる。さらに、冷気吹出口35と陳列棚25との間の空間に棚板51を追加することで、さらに商品陳列のバリエーション増やすことができる。
【0037】
なお、本発明は、前記実施形態に記載のものに限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更および応用が可能である。
例えば、前記各実施の形態においては、冷気ダクトユニット30の両側に、ケース本体10を設置するように構成したが、冷気ダクトユニット30の一側に一つのケース本体10を設置するようにしてもよい。
この場合には、冷気ダクトユニット30の冷気吹出口35は、ケース本体10のを設置した側にのみ形成するようにすればよい。
【産業上の利用可能性】
【0038】
以上のように、本発明に係るショーケースは、可動ダクト部材を上昇させることで、冷気ダクトユニットの冷気吹出口を高い位置に位置させることができ、冷気吹出口の下方に、陳列棚や着脱自在な棚板を配置することができ、商品陳列のバリエーションを増やすことのできるショーケースとして好適に利用可能である。
【符号の説明】
【0039】
1 ショーケース
10 ケース本体
11 上部開口
20 吸込ダクト
21 冷気吸込口
22 下部ダクト
23 蒸発器
24 冷気用送風機
25 陳列棚
26 棚板
30 冷気ダクトユニット
31 固定ダクト部材
32 可動ダクト部材
33 基台
35 冷気吹出口
36 カバー部材
38 吹出ダクト
40 制御部
41 昇降位置センサ
50 背面板
51 棚板