(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-21
(45)【発行日】2024-03-29
(54)【発明の名称】空気調和装置
(51)【国際特許分類】
F24F 11/36 20180101AFI20240322BHJP
F24F 11/89 20180101ALI20240322BHJP
F25B 49/02 20060101ALI20240322BHJP
F24F 110/65 20180101ALN20240322BHJP
【FI】
F24F11/36
F24F11/89
F25B49/02 520M
F24F110:65
(21)【出願番号】P 2020101669
(22)【出願日】2020-06-11
【審査請求日】2023-05-29
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001081
【氏名又は名称】弁理士法人クシブチ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】重田 明広
(72)【発明者】
【氏名】広田 正宣
(72)【発明者】
【氏名】橋本 俊一
(72)【発明者】
【氏名】川端 立慈
【審査官】奈須 リサ
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/157615(WO,A1)
【文献】国際公開第2019/087264(WO,A1)
【文献】国際公開第2016/148003(WO,A1)
【文献】国際公開第2019/171483(WO,A1)
【文献】国際公開第2018/220810(WO,A1)
【文献】国際公開第2018/220758(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 1/00-13/32
F25B 49/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷媒を循環させる冷凍サイクルと、
前記冷凍サイクルに接続された熱交換器が設けられ、室内空間に設置される室内機と、
冷媒を検知する冷媒漏洩センサと、
ユーザに所定の情報を報知する報知部と、
前記室内空間の空間体積を設定する空間体積設定部と、
前記冷媒漏洩センサが検知した冷媒の単位時間当たりの変化量を算出する算出部と、
前記算出部が算出した冷媒の変化量と、前記空間体積設定部が設定した空間体積とに基いて、
冷媒が燃焼するまでにかかる時間を算出し、算出された冷媒が燃焼するまでにかかる時間に基づいて、前記報知部に報知させる情報を判定する判定部とを備えている
ことを特徴とする空気調和装置。
【請求項2】
前記室内空間の所定温度以上の熱源を検知する熱センサを備え、
前記判定部は、前記算出部が算出した冷媒の変化量と、前記空間体積設定部が設定した空間体積と、前記熱センサの検知結果に基づいて、前記報知部に報知させる情報を判定する
ことを特徴とする請求項1に記載の空気調和装置。
【請求項3】
前記室内空間を撮像する撮像部を備え、
前記判定部は、前記算出部が算出した冷媒の変化量と、前記空間体積設定部が設定した空間体積と、前記撮像部が撮像した画像に基づいて、前記報知部に報知させる情報を判定する
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の空気調和装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気調和装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、空気調和装置等といった、冷媒が流通される冷凍サイクルを備えた冷凍サイクル装置が知られている。このような冷凍サイクル装置には、冷媒の漏洩を検知する冷媒検知手段と、冷媒に関する情報をユーザに報知する報知手段とを備え、当該冷媒検知手段が冷媒を検知したときに、冷媒が漏洩していることを報知手段に報知させるものが知られている。このような冷凍サイクル装置には、時間を計測するタイマーを備え、冷媒検知手段が冷媒を検知すると、タイマーが冷媒を検知してからの経過時間を計測するものがある。この冷凍サイクル装置では、ユーザが冷媒漏洩に対処するための情報として、報知手段に当該経過時間を報知させる(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、冷凍サイクルの冷媒漏洩に対してユーザがとるべき対応は、冷媒が漏洩している空間の体積や、状況によっても変化する。このため、従来の構成では、空間の体積や、状況等によって、所定の時間が経過したときに、ユーザが冷媒漏洩に対して適切な対応を取ることができない虞があった。
【0005】
本発明は、冷媒漏洩が発生したときに、ユーザが適切な対応を取ることができる空気調和装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、冷媒を循環させる冷凍サイクルと、前記冷凍サイクルに接続された熱交換器が設けられ、室内空間に設置される室内機と、冷媒を検知する冷媒漏洩センサと、ユーザに所定の情報を報知する報知部と、前記室内空間の空間体積を設定する空間体積設定部と、前記冷媒漏洩センサが検知した冷媒の単位時間当たりの変化量を算出する算出部と、前記算出部が算出した冷媒の変化量と、前記空間体積設定部が設定した空間体積とに基いて、冷媒が燃焼するまでにかかる時間を算出し、算出された冷媒が燃焼するまでにかかる時間に基づいて、前記報知部に報知させる情報を判定する判定部とを備えていることを特徴とする空気調和装置である。
【0007】
これによれば、空気調和装置は、冷媒漏洩が生じたときにおいて、室内機が設けられた室内空間の空間体積と、冷媒の濃度の変化量とに応じて、当該室内空間にいるユーザに取るべき対応を報知部に報知させることができる。このため、空気調和装置は、冷媒漏洩が発生したときに、ユーザに適切な対応を取ることを促すことができる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、冷媒漏洩が発生したときに、ユーザが適切な対応を取ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の実施形態に係る空気調和装置の室内機の構成を示す斜視図
【
図4】空気調和装置の所定の動作を示すフローチャート
【
図5】空気調和装置の所定の動作を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0010】
第1の発明は、冷媒を循環させる冷凍サイクルと、前記冷凍サイクルに接続された熱交換器が設けられ、室内空間に設置される室内機と、冷媒を検知する冷媒漏洩センサと、ユーザに所定の情報を報知する報知部と、前記室内空間の空間体積を設定する空間体積設定部と、前記冷媒漏洩センサが検知した冷媒の単位時間当たりの変化量を算出する算出部と、前記算出部が算出した冷媒の変化量と、前記空間体積設定部が設定した空間体積とに基いて、前記報知部に報知させる情報を判定する判定部とを備えている。
【0011】
これによれば、空気調和装置は、冷媒漏洩が生じたときにおいて、室内機が設けられた室内空間の空間体積と、冷媒の濃度の変化量とに応じて、当該室内空間にいるユーザに取るべき対応を報知部に報知させることができる。このため、空気調和装置は、冷媒漏洩が発生したときに、ユーザに適切な対応を取ることを促すことができる。
【0012】
第2の発明は、前記室内空間の所定温度以上の熱源を検知する熱センサを備え、前記判定部は、前記算出部が算出した冷媒の変化量と、前記空間体積設定部が設定した空間体積と、前記熱センサの検知結果に基づいて、前記報知部に報知させる情報を判定する。
【0013】
これによれば、空気調和装置は、冷媒漏洩が生じたときにおいて、室内機が設けられた室内空間の空間体積と、冷媒の濃度の変化量とに加え、室内空間に冷媒の着火源となりうる温度以上の熱源が存在するか否かに応じて、当該室内空間にいるユーザに取るべき対応を報知部に報知させることができる。このため、空気調和装置は、冷媒漏洩が発生したときに、ユーザに適切な対応を取ることを促すことができる。
【0014】
第3の発明は、前記室内空間を撮像する撮像部を備え、前記判定部は、前記算出部が算出した冷媒の変化量と、前記空間体積設定部が設定した空間体積と、前記撮像部が撮像した画像に基づいて、前記報知部に報知させる情報を判定する。
【0015】
これによれば、これによれば、空気調和装置は、冷媒漏洩が生じたときにおいて、室内機が設けられた室内空間の空間体積と、冷媒の濃度の変化量とに加え、室内空間の状況に応じて、当該室内空間にいるユーザに取るべき対応を報知部に報知させることができる。このため、空気調和装置は、冷媒漏洩が発生したときに、ユーザに適切な対応を取ることを促すことができる。
【0016】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る空気調和装置1の室内機10の構成を示す斜視図である。
図2は、室内機10の縦断面図である。
空気調和装置1(
図3)は、室内機10に収められた室内熱交換器30と、室外機60に収められた圧縮機や減圧装置、室外熱交換器等と、膨張弁や切換え弁等とで形成された冷凍サイクルを備え、この冷凍サイクルに冷媒を流通させることで、室内機10が設けられた室内空間の空調を行うものである。
【0017】
図1に示すように、本実施形態の空気調和装置1が備える室内機10は、4方向に送風可能な所謂天井埋込型の室内ユニットである。この室内機10は、
図2に示すように、建屋の天井11と、この天井11の下方に設置された天井板12との間の天井空間13に設置されるものである。
室内機10は、下面が開放された箱型に形成された室内機本体14を備えており、室内機本体14の外側角部には、吊り用金具18が取り付けられている。室内機本体14は、吊り用金具18に連結された吊りボルト15で天井11から吊り下げられた状態で設置される。この室内機本体14の内側には、発泡スチロール製の断熱部材16が、室内機本体14の側板17の内面に接した状態で配置され、側板17における結露を防止している。
【0018】
室内機本体14の上板の下面には、ファンモータ21が取り付けられており、このファンモータ21には、ファンモータ21の駆動により回転駆動される回転シャフト22が下方に延在するように設けられている。この回転シャフト22の下端部分には、ターボファン23が取り付けられており、このファンモータ21とターボファン23とで送風機20を構成している。
【0019】
ターボファン23は、環状の板状に形成された主板24を備えている。主板24の中心部分には、下方に延出する逆円錐台形状のモータ収容部25が形成されている。
モータ収容部25には、ファンモータ21が収容されており、ファンモータ21の回転シャフト22は、下方に延在しモータ収容部25の底面に連結されている。そして、ファンモータ21を回転駆動させることにより、回転シャフト22を介してターボファン23を回転動作させるように構成されている。
【0020】
主板24の下方には、シュラウド26が設けられており、シュラウド26は、周面が弧状に形成された環状に形成されている。主板24とシュラウド26の内周面との間には、周方向に所定間隔をもって配置される複数の羽根部材27が一体に形成されている。
シュラウド26の下方には、オリフィス28が配置されており、オリフィス28は、周面が弧状に形成された環状に形成されている。
【0021】
この送風機20と断熱部材16との間には、送風機20の側方を取り囲むように、平面視でほぼ四角形状に曲折形成された室内熱交換器30が配置されている。
室内熱交換器30は、冷房運転時には、冷媒の蒸発器として機能し、暖房運転時、冷媒の凝縮器として機能する室内熱交換器30である。室内熱交換器30は、室内機本体14の内部に吸い込まれる室内の空気と冷媒との熱交換を行って、冷房運転時には、空調室内の空気を冷却し、暖房運転時には、室内の空気を加熱することができるように構成されている。
【0022】
室内熱交換器30の下側には、室内熱交換器30の下面に対応するようにドレンパン31が配置されている。このドレンパン31は、室内熱交換器30で発生するドレン水を受けるためのものである。また、ドレンパン31の中央部分には、送風機20の吸い込み口32が形成されている。
【0023】
室内機10において、室内熱交換器30の近傍には、冷媒漏洩センサ29が配置されている。本実施形態の冷媒漏洩センサ29は、ドレンパン31に取り付けられ、室内熱交換器30とオリフィス28との間の空間に配置されている。冷媒漏洩センサ29は、冷媒の濃度を検知するガスセンサである。
【0024】
室内機本体14の下面には、室内機本体14の下側開口を覆うように、ほぼ四角形状の化粧パネル33が取り付けられている。
化粧パネル33の中央部分には、ドレンパン31の吸い込み口32に連通する吸い込み口34が形成されており、化粧パネル33の吸い込み口34部分には、吸い込み口34を覆う吸い込みグリル35が着脱可能に取り付けられている。吸い込みグリル35の室内機本体14側には、空気中の塵などを除去するためのフィルタ36が設けられている。
【0025】
化粧パネル33の吸い込み口34の外側であって、化粧パネル33の各辺に沿った位置には、空調後の空気を室内に送る吹き出し口37がそれぞれ形成されている。各吹き出し口37には、各吹き出し口37の開閉、及び各吹き出し口37からの風向を変更するフラップ38がそれぞれ設けられている。
【0026】
本実施形態の室内機10では、送風機20が駆動されることで、室内空間内の空気が吸い込み口34から吸い込まれる。吸い込まれた空気は、フィルタ36を通過した後に室内熱交換器30を通過して熱交換され、空調後の空気が風として吹き出し口37から室内空間内に送られる。
【0027】
化粧パネル33の1つの吹き出し口37の外側であって、化粧パネル33の1辺に沿った位置には、表示パネル44が設けられている。
この表示パネル44は、所謂液晶ディスプレイである。表示パネル44には、空気調和装置1の状態に関する情報や、当該状態に対する対応等といった各種の情報が文字情報として表示される。すなわち、表示パネル44は、空気調和装置1の室内空間にいるユーザに対して、各種の情報を報知する報知部として機能する。
【0028】
化粧パネル33の1つの角部には、カメラ46が取り付けられている。カメラ46は、天井11を含む室内機10の周囲を撮像する撮像部として機能する。本実施形態のカメラ46は、室内空間全体を撮像可能となっている。なお、カメラ46の位置は、
図1、2に示した位置に限定されず、カメラ46が室内空間全体を認識可能な位置に取り付けられていればよい。また、カメラ46は、1台に限らず複数台が設けられていてもよい。
【0029】
化粧パネル33の1つの角部には、熱源感知センサ48が設けられている。熱源感知センサ48は、例えば赤外線検知器のような、室内空間で所定以上の温度を発する熱源を感知する熱センサである。本実施形態の熱源感知センサ48は、空気調和装置1に用いられる冷媒の着火源となりうる温度以上の熱源を感知する。このような熱源は、例えばライターの火や、電気ヒータ等である。
【0030】
室内機10には、不図示の冷媒配管が接続される複数の配管接続部19が設けられている。室内機10は、この配管接続部19のそれぞれに接続された冷媒配管によって室外機60と連結されている。空気調和装置1の冷凍サイクルは、室内機10と、室外機60とが冷媒配管によって連結されることで形成されている。
【0031】
次に、本実施形態における制御構成について説明する。
図3は、空気調和装置1の制御構成を示すブロック図である。
図3に示すように、空気調和装置1は、制御装置50を備えている。制御装置50は、CPUやMPUなどのプロセッサと、ROMやRAMなどのメモリデバイスとを有したコンピュータを備え、空気調和装置1の各部を制御する制御部として機能する。なお、制御装置50は、複数のプロセッサ、または半導体チップにより実現してもよい。
制御装置50は、有線または無線で、空気調和装置1の各部と信号の送受信を行う通信部を備えている。これによって、制御装置50は、空気調和装置1の各部から送信された信号を受信し、また、空気調和装置1の各部に信号を送信することで、当該空気調和装置1の冷凍サイクルを形成する各部の運転を制御する。
具体的には、制御装置50は、室内機10や室外機60の運転制御、各部に設けられた不図示の膨張弁、切換え弁の開度および開閉等の制御を行う。
【0032】
制御装置50は、空気調和装置1の各部の制御を行う。
具体的には、制御装置50は、室内機10と、室外機60とに有線、または無線で接続されている。
制御装置50は、室内機10の送風機20の駆動や、室外機60の圧縮機の駆動等を制御する。これによって、制御装置50は、空気調和装置1の冷凍サイクルを制御する。
【0033】
制御装置50には、カメラ46と、冷媒漏洩センサ29と、熱源感知センサ48とが有線または無線で接続され、各種の信号の送受信が可能となっている。
【0034】
制御装置50は、画像認識部51を備えている。画像認識部51は、カメラ46が撮像した画像を取得し、画像認識を実行する。
具体的には、画像認識部51は、カメラ46が撮像した画像を所得すると、当該画像から、室内空間に存在する窓を検出する。すなわち、画像認識部51は、室内空間に、換気をさせることで漏洩した冷媒を排出可能なものが設けられているか否かを判定する。
なお、画像認識部51は、窓に限らず、ドアや換気装置等の室内空間を換気する機能を有する他のものを検出してもよい。
【0035】
制御装置50は、空間体積設定部52を備えている。本実施形態の空間体積設定部52は、カメラ46が撮像した画像を取得し、当該画像から室内空間の空間体積を算出して設定する。
なお、空間体積設定部52は、画像からの算出に限らず、例えば、空気調和装置1の設置作業時に、作業者によって入力された情報に基づいて空間体積を設定してもよい。
また例えば、空間体積設定部52は、接続された室内機10の馬力等の情報を自動識別などによって取得することで、当該室内機10が設けられた室内空間の空間体積を設定してもよい。
【0036】
制御装置50は、変化量算出部54を備えている。変化量算出部54は、冷媒漏洩センサ29から送信された検知信号を受信する。当該検知信号は、冷媒の検知、及び冷媒濃度を伝達する信号であり、変化量算出部54は、所定の時間内に取得した検知信号から、冷媒濃度の単位時間当たりの変化量を算出する。この算出された変化量は、制御装置50において、漏洩した冷媒の単位時間当たりの変化量として処理される。
【0037】
制御装置50は、許容漏洩時間算出部56を備えている。許容漏洩時間算出部56は、室内機10が設置された室内空間において、漏洩した冷媒の燃焼するまでにかかる時間、すなわち、漏洩した冷媒の燃焼を抑制可能な時間を算出する。
許容漏洩時間算出部56は、次式(1)を用いて許容漏洩時間を算出する。
T=(Vr×Q)/M (1)
式(1)において、T(s)は、許容漏洩時間であり、Vr(m3)は、室内空間の空間体積であり、Qは、冷媒の漏れ許容濃度であり、M(kg/s)は、冷媒の漏洩速度である。
許容漏洩時間算出部56は、空間体積設定部52が設定した空間体積を当該空間体積設定部52から取得し、変化量算出部54が算出した単位時間当たりの変化量を冷媒の漏洩速度として、当該変化量算出部54から取得する。
【0038】
また、冷媒の漏れ許容濃度Qは、次式(2)を用いて算出される。
Q=C×LFL (2)
式(2)において、Cは、空気調和装置1の構成や設置状況に依存する所定の安全率である。LFL(vol%)は、空気調和装置1に用いられる冷媒が着火によって燃焼を起こす最低濃度を表す燃焼下限界(Lower Flammability Limit)である。
【0039】
制御装置50は、対応判定部58を備えている。対応判定部58は、熱源感知センサ48から検出信号を受信し、室内空間に冷媒の着火源となりうる温度以上の熱源が存在するか否かを判定する。
【0040】
また、対応判定部58は、冷媒漏洩センサ29から送信された検知信号を受信し、冷媒漏洩センサ29が検知した冷媒濃度が所定値以上の濃度であるか否かを判定する。
本実施形態の対応判定部58は、あらかじめ設定された2つの所定値と冷媒漏洩センサ29が検知した冷媒濃度とを比較する。1つ目の所定値である第一所定値は、室内空間に冷媒の着火源となりうる温度以上の熱源が存在する、と対応判定部58が判定したときに用いられる。2つ目の所定値である第二所定値は、室内空間に冷媒の着火源となりうる温度以上の熱源が存在しない、と対応判定部58が判定したときに用いられる。なお、第一所定値は、第二所定値よりも低い数値となっている。すなわち、対応判定部58は、着火源となりうる温度以上の熱源が存在する場合、より低い所定値と冷媒漏洩センサ29が検知した冷媒濃度とを比較する。
【0041】
対応判定部58は、表示パネル44に有線、または無線で接続され、当該表示パネル44に所定の情報を表示させる。本実施形態では、冷媒漏洩センサ29が検知した冷媒濃度が第一所定値、あるいは第二所定値以上であると判定したときに、冷媒が漏洩していることを表示パネル44に表示させる。
また、対応判定部58は、冷媒漏洩センサ29が検知した冷媒濃度が第一所定値以上で、且つ室内空間に冷媒の着火源となりうる温度以上の熱源が存在する、と判定したときに、熱源の除去の指示を表示パネル44に表示させる。
【0042】
対応判定部58は、画像認識部51が判定した室内空間に窓が設けられているか否かの判定結果を取得する。窓が設けられていという判定結果を取得した場合、対応判定部58は、窓の開放の指示を表示パネル44に表示させる。
【0043】
対応判定部58は、許容漏洩時間算出部56に許容漏洩時間Tを算出させると共に、当該許容漏洩時間Tを取得する。そして、対応判定部58は、取得した許容漏洩時間Tと、あらかじめ設定された数値である所定値T1、T2、T3、T4のいずれかとを比較し、取得した許容漏洩時間Tが各所定値T1、T2、T3、T4よりも短いか否かを判定する。
【0044】
所定値T1は、室内空間に冷媒の着火源となりうる温度以上の熱源が存在し、且つ冷媒漏洩センサ29が検知した冷媒濃度が第一所定値以上であり、且つ画像認識部51が室内空間に窓が存在すると対応判定部58が判定したときに用いられる数値である。
【0045】
対応判定部58は、許容漏洩時間Tが所定値T1よりも短いと判定すると、室内空間からの退避の指示を表示パネル44に表示させる。これによって、漏洩した冷媒が燃焼するまでの時間が短いと想定される、すなわち漏洩した冷媒が燃焼する可能性が高い室内空間からユーザを退避させることが可能となる。
【0046】
一方、対応判定部58は、許容漏洩時間Tが所定値T1よりも長いと判定すると、空気調和装置1の管理者に連絡させる指示を表示パネル44に表示させる。これによって、漏洩した冷媒が燃焼するまでの時間が長いと想定される、すなわち漏洩した冷媒が燃焼する可能性が低い室内空間において、管理者に連絡させるという冷媒漏洩の対応をユーザに取らせることが可能となる。
【0047】
所定値T2は、室内空間に冷媒の着火源となりうる温度以上の熱源が存在し、且つ冷媒漏洩センサ29が検知した冷媒濃度が第一所定値以上であり、且つ画像認識部51が室内空間に窓が存在しない、と対応判定部58が判定したときに用いられる数値である。
【0048】
対応判定部58は、許容漏洩時間Tが所定値T2よりも短いと判定すると、室内空間からの退避の指示を表示パネル44に表示させる。これによって、漏洩した冷媒が燃焼するまでの時間が短いと想定される、すなわち漏洩した冷媒が燃焼する可能性が高い室内空間からユーザを退避させることが可能となる。
【0049】
一方、対応判定部58は、許容漏洩時間Tが所定値T2よりも長いと判定すると、空気調和装置1の管理者に連絡させる指示を表示パネル44に表示させる。これによって、漏洩した冷媒が燃焼するまでの時間が長いと想定される、すなわち漏洩した冷媒が燃焼する可能性が低い室内空間において、管理者に連絡させるという冷媒漏洩の対応をユーザに取らせることが可能となる。
【0050】
所定値T3は、室内空間に冷媒の着火源となりうる温度以上の熱源が存在せず、且つ冷媒漏洩センサ29が検知した冷媒濃度が第一所定値以上であり、且つ画像認識部51が室内空間に窓が存在すると対応判定部58が判定したときに用いられる数値である。
【0051】
対応判定部58は、許容漏洩時間Tが所定値T3よりも短いと判定すると、室内空間からの退避の指示を表示パネル44に表示させる。これによって、漏洩した冷媒が燃焼するまでの時間が短いと想定される、すなわち漏洩した冷媒が燃焼する可能性が高い室内空間からユーザを退避させることが可能となる。
【0052】
一方、対応判定部58は、許容漏洩時間Tが所定値T3よりも長いと判定すると、空気調和装置1の管理者に連絡させる指示を表示パネル44に表示させる。これによって、漏洩した冷媒が燃焼するまでの時間が長いと想定される、すなわち漏洩した冷媒が燃焼する可能性が低い室内空間において、管理者に連絡させるという冷媒漏洩の対応をユーザに取らせることが可能となる。
【0053】
所定値T4は、室内空間に冷媒の着火源となりうる温度以上の熱源が存在せず、且つ冷媒漏洩センサ29が検知した冷媒濃度が第一所定値以上であり、且つ画像認識部51が室内空間に窓が存在しない、と対応判定部58が判定したときに用いられる数値である。
【0054】
対応判定部58は、許容漏洩時間Tが所定値T4よりも短いと判定すると、室内空間からの退避の指示を表示パネル44に表示させる。これによって、漏洩した冷媒が燃焼するまでの時間が短いと想定される、すなわち漏洩した冷媒が燃焼する可能性が高い室内空間からユーザを退避させることが可能となる。
【0055】
一方、対応判定部58は、許容漏洩時間Tが所定値T4よりも長いと判定すると、空気調和装置1の管理者に連絡させる指示を表示パネル44に表示させる。これによって、漏洩した冷媒が燃焼するまでの時間が長いと想定される、すなわち漏洩した冷媒が燃焼する可能性が低い室内空間において、管理者に連絡させるという冷媒漏洩の対応をユーザに取らせることが可能となる。
【0056】
なお、本実施形態では、所定値T1は、所定値T2よりも長い値となり、所定値T4は、所定値T1よりも長い値となっている。所定値T3は、所定値T4よりもさらに長い値となっている。
【0057】
制御装置50は、空気調和装置1の運転モードや、冷媒の漏れ許容濃度Q、所定値T1、T2、T3、T4、といった、空気調和装置1の運転に係る各種のデータを記憶する記憶部59を備えている。
【0058】
次に、本実施形態の作用について説明する。
空気調和装置1の運転では、室外機60の圧縮機が駆動し、圧縮機は、各減圧装置、室外熱交換器等と、膨張弁や切換え弁等及び各冷媒配管等から構成される冷凍サイクルの内部に封入された冷媒を圧縮し、各冷媒配管を経由して冷媒を室内熱交換器30に送り出す。
室内機10では、送風機20が駆動し、吸い込みグリル35、及びフィルタ36を通じて室内空間内の空気が室内機10の内部に導入される。
室内機10の内部に導入された空気は、室内熱交換器30で流れ込んだ冷媒と熱交換された後に、フラップ38により風向が調整され、吹き出し口37を通じて室内空間に吹き出される。これによって、空気調和装置1は、室内空間の空気調を行う。
室内熱交換器30で熱交換した冷媒は、配管を通って膨張弁に流入した後、さらに配管を通って室外熱交換器に流入する。
【0059】
次いで、
図4、及び
図5を参照しながら、空気調和装置1の制御装置50が室内空間にいるユーザに冷媒漏洩の発生とその対応とを報知するときの動作について説明する。
図4、及び
図5は、空気調和装置1の所定の動作を示すフローチャートである。
空気調和装置1が運転しているときにおいて、対応判定部58は、所定の機会に室内機10が設置された室内空間に冷媒の着火源となりうる温度以上の熱源が存在するか否かを判定する(ステップSA1)。当該熱源が存在すると判定された場合(ステップSA1:YES)、対応判定部58は、冷媒漏洩センサ29が検知した冷媒濃度を取得し、第一所定値よりも高い濃度であるか否かを判定する(ステップSA2)。
【0060】
冷媒漏洩センサ29が検知した冷媒濃度が第一所定値よりも高い濃度であると判定された場合(ステップSA2:YES)、対応判定部58は、冷媒が漏洩していることを表示パネル44に表示させる(ステップSA3)。さらに、対応判定部58は、室内空間存在する冷媒の着火源となりうる熱源の除去の指示を表示パネル44に表示させる(ステップSA4)。
【0061】
次いで、画像認識部51は、カメラ46が撮像した画像を取得し、室内空間に窓が設けられているか否かを判定する(ステップSA5)。
窓が設けられていると判定された場合(ステップSA5:YES)、対応判定部58は、窓の開放の指示を表示パネル44に表示させる(ステップSA6)。
次いで、対応判定部58は、許容漏洩時間算出部56に許容漏洩時間Tを算出させる(ステップSA7)。対応判定部58は、算出された許容漏洩時間Tを取得し、当該許容漏洩時間Tが所定値T1よりも短いか否かを判定する(ステップSA8)。
【0062】
許容漏洩時間Tが所定値T1よりも短いと判定された場合(ステップSA8:YES)、対応判定部58は、室内空間からの退避の指示を表示パネル44に表示させる(ステップSA9)。
許容漏洩時間Tが所定値T1よりも長いと判定された場合(ステップSA8:NO)、対応判定部58は、空気調和装置1の管理者に連絡させる指示を表示パネル44に表示させる(ステップSA10)。
【0063】
ステップSA5において、窓が設けられていないと判定された場合(ステップSA5:NO)、対応判定部58は、許容漏洩時間算出部56に許容漏洩時間Tを算出させる(ステップSA11)。対応判定部58は、算出された許容漏洩時間Tを取得し、当該許容漏洩時間Tが所定値T2よりも短いか否かを判定する(ステップSA12)。
【0064】
許容漏洩時間Tが所定値T2よりも短いと判定された場合(ステップSA12:YES)、対応判定部58は、室内空間からの退避の指示を表示パネル44に表示させる(ステップSA13)。
許容漏洩時間Tが所定値T2よりも長いと判定された場合(ステップSA12:NO)、対応判定部58は、空気調和装置1の管理者に連絡させる指示を表示パネル44に表示させる(ステップSA14)。
【0065】
ステップSA1において、室内空間に冷媒の着火源となりうる熱源が存在しないと判定された場合(ステップSA1:NO)、対応判定部58は、冷媒漏洩センサ29が検知した冷媒濃度を取得し、第二所定値よりも高い濃度であるか否かを判定する(ステップSA15)。
なお、対応判定部58は、冷媒漏洩センサ29が検知した冷媒濃度が第一所定値、あるいは第二所定値よりも高い濃度であると判定されるまで、所定の頻度でステップSA1と、ステップSA2、またはステップSA15とを繰り返す。
【0066】
冷媒漏洩センサ29が検知した冷媒濃度が第二所定値よりも高い濃度であると判定された場合(ステップSA15:YES)、対応判定部58は、冷媒が漏洩していることを表示パネル44に表示させる(ステップSA16)。
【0067】
次いで、画像認識部51は、カメラ46が撮像した画像を取得し、室内空間に窓が設けられているか否かを判定する(ステップSA17)。
窓が設けられていると判定された場合(ステップSA17:YES)、対応判定部58は、窓の開放の指示を表示パネル44に表示させる(ステップSA18)。
次いで、対応判定部58は、許容漏洩時間算出部56に許容漏洩時間Tを算出させる(ステップSA19)。対応判定部58は、算出された許容漏洩時間Tを取得し、当該許容漏洩時間Tが所定値T3よりも短いか否かを判定する(ステップSA120)。
【0068】
許容漏洩時間Tが所定値T3よりも短いと判定された場合(ステップSA20:YES)、対応判定部58は、室内空間からの退避の指示を表示パネル44に表示させる(ステップSA21)。
許容漏洩時間Tが所定値T3よりも長いと判定された場合(ステップSA20:NO)、対応判定部58は、空気調和装置1の管理者に連絡させる指示を表示パネル44に表示させる(ステップSA22)。
【0069】
ステップSA17において、窓が設けられていないと判定された場合(ステップSA17:NO)、対応判定部58は、許容漏洩時間算出部56に許容漏洩時間Tを算出させる(ステップSA23)。対応判定部58は、算出された許容漏洩時間Tを取得し、当該許容漏洩時間Tが所定値T4よりも短いか否かを判定する(ステップSA24)。
【0070】
許容漏洩時間Tが所定値T4よりも短いと判定された場合(ステップSA24:YES)、対応判定部58は、室内空間からの退避の指示を表示パネル44に表示させる(ステップSA25)。
許容漏洩時間Tが所定値T4よりも長いと判定された場合(ステップSA24:NO)、対応判定部58は、空気調和装置1の管理者に連絡させる指示を表示パネル44に表示させる(ステップSA26)。
【0071】
このように、空気調和装置1は、冷媒漏洩が生じたときにおいて、室内機10が設けられた室内空間の空間体積と、室内空間の状況と、冷媒漏洩の状況とに応じて、室内空間にいるユーザに取るべき対応を表示パネル44に表示させることができる。このため、空気調和装置1では、冷媒漏洩が発生したときに、ユーザが適切な対応を取ることができる。
【0072】
以上説明したように、本実施形態によれば、空気調和装置1は、冷媒を循環させる冷凍サイクルと、冷凍サイクルに接続された室内熱交換器30が設けられ、室内空間に設置される室内機10を備えている。この空気調和装置1は、冷媒を検知する冷媒漏洩センサ29と、ユーザに所定の情報を表示する表示パネル44と、室内空間の空間体積を設定する空間体積設定部52と、冷媒漏洩センサ29が検知した冷媒の単位時間当たりの変化量を算出する変化量算出部54とを備える。そして、空気調和装置1は、変化量算出部54が算出した冷媒の変化量と、空間体積設定部52が設定した空間体積とに基いて、表示パネル44に表示させる情報を判定する対応判定部58を備えている構成とした。
【0073】
これによれば、空気調和装置1は、冷媒漏洩が生じたときにおいて、室内機10が設けられた室内空間の空間体積と、冷媒の濃度の変化量とに応じて、当該室内空間にいるユーザに取るべき対応を表示パネル44に表示させることができる。このため、空気調和装置1は、冷媒漏洩が発生したときに、ユーザに適切な対応を取ることを促すことができる。
【0074】
また、本実施形態によれば、空気調和装置1は、室内空間の所定温度以上の熱源を検知する熱源感知センサ48を備えている。そして、対応判定部58は、変化量算出部54が算出した冷媒の変化量と、空間体積設定部52が設定した空間体積と、熱源感知センサ48の検知結果に基づいて、表示パネル44に表示させる情報を判定する構成とした。
これによれば、空気調和装置1は、冷媒漏洩が生じたときにおいて、室内機10が設けられた室内空間の空間体積と、冷媒の濃度の変化量とに加え、室内空間に冷媒の着火源となりうる温度以上の熱源が存在するか否かに応じて、当該室内空間にいるユーザに取るべき対応を表示パネル44に表示させることができる。このため、空気調和装置1は、冷媒漏洩が発生したときに、ユーザに適切な対応を取ることを促すことができる。
【0075】
また、本実施形態によれば、空気調和装置1は、室内空間を撮像するカメラ46を備えている。そして、対応判定部58は、変化量算出部54が算出した冷媒の変化量と、空間体積設定部52が設定した空間体積と、カメラ46が撮像した画像に基づいて、報知部に報知させる情報を判定する構成とした。
これによれば、空気調和装置1は、冷媒漏洩が生じたときにおいて、室内機10が設けられた室内空間の空間体積と、冷媒の濃度の変化量とに加え、室内空間の状況に応じて、当該室内空間にいるユーザに取るべき対応を表示パネル44に表示させることができる。このため、空気調和装置1は、冷媒漏洩が発生したときに、ユーザに適切な対応を取ることを促すことができる。
【0076】
上述した実施形態は、本発明の一態様を例示したものであって、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で任意に変形、及び応用が可能である。
【0077】
上述した実施形態では、空気調和装置1には、カメラ46、及び熱源感知センサ48が設けられているとしたが、これに限らず人感センサや照度センサ、壁や家具等との位置を検知する対物センサ等といった、他のセンサが設けられていてもよい。
また例えば、制御装置50は、カメラ46、及び熱源感知センサ48に替えて、他のセンサで室内空間の空間体積や状況を取得してもよい。例えば、熱源感知センサ48に替えて、人感センサや照度センサを用いて冷媒の着火源となりうる温度以上の熱源を検知してもよい。また例えば、カメラ46に替えて、対物センサを用いて室内空間の空間体積の算出や、窓の有無を判定してもよい。
また例えば、空気調和装置1には、カメラ46、及び熱源感知センサ48と他のセンサとを組み合わせることで室内空間の空間体積や状況を取得してもよい。
【0078】
また例えば、空気調和装置1は、人感センサを備え、当該人感センサで室内空間内に人がいるか否かを検知し、対応判定部58は、当該検知結果に応じて表示パネル44に表示する表示内容を決定してもよい。
【0079】
また、上述した実施形態では、室内機10が設けられた室内空間にいる人をユーザとしたが、これに限らず、当該室内空間外にいる管理者や、設置作業者をユーザとしてもよい。
【0080】
また、空気調和装置1は、表示パネル44に限らず、ランプや、音声によって報知するブザー、スピーカ等の他の形態の報知部を備えていてもよい。また、表示パネル44や、このような報知部は、室内機10に限らず、室内空間内に設置される空気調和装置1のリモートコントローラや、室内空間の壁面、管理者等のユーザがいる室内空間の外部の空間等に設けられていてもよい。
【0081】
また、上述した実施形態では、冷媒漏洩センサ29は、室内機の内部に設けられているとしたが、これに限らず、室内空間の壁面等に設けられていてもよい。
【0082】
また、上述した実施形態では、室内機10は、4方向に送風可能な天井埋込型の室内ユニットであるとしたが、これに限らず、例えば、2方向に送風可能な天井埋込型や、天吊り型、壁掛け型、床置き型等、他の形態の室内ユニットであってもよい。
【0083】
また、
図3に示した各部は一例であって、具体的な実装形態は特に限定されない。つまり、必ずしも各部に個別に対応するハードウェアが実装される必要はなく、一つのプロセッサがプログラムを実行することで各部の機能を実現する構成とすることも勿論可能である。また、上述した実施形態においてソフトウェアで実現される機能の一部をハードウェアとしてもよく、或いは、ハードウェアで実現される機能の一部をソフトウェアで実現してもよい。その他、制御装置50、室外機60、及び、室内機10の他の各部の具体的な細部構成についても、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で任意に変更可能である。
【0084】
また、例えば、
図4-
図5に示す動作のステップ単位は、制御装置50の各部の動作の理解を容易にするために、主な処理内容に応じて分割したものであり、処理単位の分割の仕方や名称によって、本発明が限定されることはない。処理内容に応じて、さらに多くのステップ単位に分割してもよい。また、1つのステップ単位がさらに多くの処理を含むように分割してもよい。また、そのステップの順番は、本発明の趣旨に支障のない範囲で適宜に入れ替えてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0085】
以上のように、本発明に係る空気調和装置は、冷媒漏洩が発生したときに、ユーザが適切な対応を取ることができる空気調和装置として、好適に利用可能である。
【符号の説明】
【0086】
1 空気調和装置
10 室内機
29 冷媒漏洩センサ
30 室内熱交換器(熱交換器)
44 表示パネル(報知部)
46 カメラ(撮像部)
48 熱源感知センサ(熱センサ)
50 制御装置
51 画像認識部
52 空間体積設定部
54 変化量算出部(算出部)
56 許容漏洩時間算出部
58 対応判定部