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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-21
(45)【発行日】2024-03-29
(54)【発明の名称】物量算出装置、および、物量算出方法
(51)【国際特許分類】
   G01B 11/16 20060101AFI20240322BHJP
   G01B 11/24 20060101ALI20240322BHJP
【FI】
G01B11/16 Z
G01B11/24 A
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2021503526
(86)(22)【出願日】2020-02-19
(86)【国際出願番号】 JP2020006390
(87)【国際公開番号】W WO2020179438
(87)【国際公開日】2020-09-10
【審査請求日】2022-12-06
(31)【優先権主張番号】62/813,351
(32)【優先日】2019-03-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【弁理士】
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【弁理士】
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【弁理士】
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】福田 将貴
(72)【発明者】
【氏名】杉尾 敏康
(72)【発明者】
【氏名】松延 徹
(72)【発明者】
【氏名】吉川 哲史
(72)【発明者】
【氏名】寺西 研翔
【審査官】仲野 一秀
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-103263(JP,A)
【文献】特開2003-77011(JP,A)
【文献】特開2004-54308(JP,A)
【文献】特開2005-114744(JP,A)
【文献】特開2002-39747(JP,A)
【文献】特開平9-30484(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01B 11/00-11/30
G01C 3/00-3/32
G01C 1/00-1/14
5/00-15/14
G01F 23/00
23/14-23/2965
23/80
G06T 7/00-7/90
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれが同一の所定の空間を示し、且つ、領域ごとに属性情報を有する三次元モデルであって、第1三次元モデルと、前記第1三次元モデルとは異なる第2三次元モデルと、を取得する取得部と、
前記第1三次元モデルおよび前記第2三次元モデルのそれぞれが有する属性情報に基づいて、前記第1三次元モデルと前記第2三次元モデルとの位置合わせを行う位置合わせ部と、
前記位置合わせ部によって位置合わせされた前記第1三次元モデルと前記第2三次元モデルとの差分を算出し、前記差分が互いに異なる複数の属性情報を有する場合、前記複数の属性情報のうちの一部である2以上の属性情報に対応する前記差分の量と、前記2以上の属性情報と、を出力する算出部と、を備える
物量算出装置。
【請求項2】
前記一部である2以上の属性情報は、前記一部である2以上の属性情報に対応する前記差分が混合物であることを示す
請求項1に記載の物量算出装置。
【請求項3】
前記一部である2以上の属性情報は、前記一部である2以上の属性情報に対応する前記差分が自然物又は人工物であることを示す
請求項1に記載の物量算出装置。
【請求項4】
さらに、前記所定の空間を示す複数の画像から前記第1三次元モデルおよび前記第2三次元モデルのうち少なくとも一方を生成する生成部を備える
請求項1~3のいずれか1項に記載の物量算出装置。
【請求項5】
前記算出部は、前記差分が前記複数の属性情報を有する場合、前記複数の属性情報を種別ごとに分類して出力することで、前記種別ごとに前記複数の属性情報をまとめて表示装置に表示させる
請求項1~4のいずれか1項に記載の物量算出装置。
【請求項6】
前記算出部は、前記種別ごとに前記差分の量を算出する
請求項5に記載の物量算出装置。
【請求項7】
前記差分の量は、前記差分の体積および重量の少なくとも一方である
請求項1~6のいずれか1項に記載の物量算出装置。
【請求項8】
前記位置合わせ部は、前記第1三次元モデルと前記第2三次元モデルとのそれぞれで共通する属性情報を有する部分モデルを、前記第1三次元モデルと前記第2三次元モデルとのそれぞれから抽出し、抽出したそれぞれの前記部分モデルの対応する位置の座標が一致するように、それぞれの前記部分モデルを移動させることで位置合わせした後で、それぞれの前記部分モデルの移動に合わせて前記第1三次元モデルと前記第2三次元モデルとを移動させることで、前記第1三次元モデルと前記第2三次元モデルとを位置合わせする
請求項1~7のいずれか1項に記載の物量算出装置。
【請求項9】
前記位置合わせ部は、前記所定の空間のうちの一部である部分領域における前記第1三次元モデルが有する第1部分属性情報と、前記部分領域における前記第2三次元モデルが有する第2部分属性情報であって、前記第1部分属性情報と同じ第2部分属性情報と、に基づいて、前記部分領域における前記第1三次元モデルと前記第2三次元モデルとの位置合わせを行う
請求項1~7のいずれか1項に記載の物量算出装置。
【請求項10】
前記位置合わせ部は、前記部分領域における前記第1三次元モデルと前記第2三次元モデルとの位置合わせによる前記第1三次元モデル及び前記第2三次元モデルの少なくとも一方の移動に合わせて、前記部分領域以外の前記所定の空間の前記第1三次元モデル及び前記第2三次元モデルの少なくとも一方を移動させる
請求項9に記載の物量算出装置。
【請求項11】
前記位置合わせ部は、前記第1三次元モデルおよび前記第2三次元モデルのそれぞれが少なくとも2つの属性情報を有する場合、前記少なくとも2つの属性情報のうち、予め定められた属性情報であって、前記第1三次元モデルおよび前記第2三次元モデルがそれぞれ有する属性情報に基づいて、前記第1三次元モデルと前記第2三次元モデルとの位置合わせを行う
請求項1~10のいずれか1項に記載の物量算出装置。
【請求項12】
前記少なくとも2つの属性情報のうち他の属性情報よりも前記予め定められた属性情報を優先する操作を受け付けるユーザーインターフェースをさらに備える
請求項11に記載の物量算出装置。
【請求項13】
前記位置合わせ部によって前記第1三次元モデルと前記第2三次元モデルとの位置合わせが行われていない状態で、前記第1三次元モデルが有する属性情報、および、前記第2三次元モデルが有する属性情報を抽出する属性情報抽出部を備え、
前記位置合わせ部は、前記属性情報抽出部が抽出した前記第1三次元モデルが有する属性情報、および、前記第2三次元モデルが有する属性情報を用いて、前記第1三次元モデルと前記第2三次元モデルとの位置合わせを行う
請求項1~12のいずれか1項に記載の物量算出装置。
【請求項14】
それぞれが同一の所定の空間を示し、且つ、領域ごとに属性情報を有する三次元モデルであって、第1三次元モデルと、前記第1三次元モデルとは異なる第2三次元モデルと、を取得する取得ステップと、
前記第1三次元モデルおよび前記第2三次元モデルのそれぞれが有する属性情報に基づいて、前記第1三次元モデルと前記第2三次元モデルとの位置合わせを行う位置合わせステップと、
前記位置合わせステップで位置合わせした前記第1三次元モデルと前記第2三次元モデルとの差分を算出し、前記差分が互いに異なる複数の属性情報を有する場合、前記複数の属性情報のうちの一部である2以上の属性情報に対応する前記差分の量と、前記2以上の属性情報と、を出力する算出ステップと、を含む
物量算出方法。
【請求項15】
前記取得ステップでは、土砂が流入される前の前記所定の空間を示す前記第1三次元モデルと、前記土砂が流入された後の前記所定の空間を示す前記第2三次元モデルと、を取得し、
前記算出ステップでは、前記差分の量として前記土砂の量を算出する
請求項14に記載の物量算出方法。
【請求項16】
前記位置合わせステップで前記第1三次元モデルと前記第2三次元モデルとの位置合わせが行われていない状態で、前記第1三次元モデルが有する属性情報、および、前記第2三次元モデルが有する属性情報を抽出する属性情報抽出ステップを含み、
前記位置合わせステップでは、前記属性情報抽出ステップで抽出した前記第1三次元モデルが有する属性情報、および、前記第2三次元モデルが有する属性情報を用いて、前記第1三次元モデルと前記第2三次元モデルとの位置合わせを行う
請求項14又は15に記載の物量算出方法。
【請求項17】
請求項14~16のいずれか1項に記載の物量算出方法をコンピュータが実行するための
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、物量算出装置、および、物量算出方法に関する。
【背景技術】
【0002】
所定の空間に位置する物体に関する体積または重量等の量を測定する技術がある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に開示されている技術では、崩落現場における崩落発生前後の画像を比較して当該画像の位置合わせをし、位置合わせをした当該画像を用いて三次元モデルを生成し、生成した三次元モデルに基づいて崩落現場の被災量を算出する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2002-328021号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記被災量等の所定の空間に位置する物体の量を算出する処理には、処理時間が短いことが望まれている。
【0006】
本開示は、物体の量を算出する処理時間を短縮できる物量算出装置等を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様に係る物量算出装置は、それぞれが同一の所定の空間を示し、且つ、領域ごとに属性情報を有する三次元モデルであって、第1三次元モデルと、前記第1三次元モデルとは異なる第2三次元モデルと、を取得する取得部と、前記第1三次元モデルおよび前記第2三次元モデルのそれぞれが有する属性情報に基づいて、前記第1三次元モデルと前記第2三次元モデルとの位置合わせを行う位置合わせ部と、前記位置合わせ部によって位置合わせされた前記第1三次元モデルと前記第2三次元モデルとの差分の量を算出し、前記差分が有する属性情報と前記差分の量とを出力する算出部と、を備える。
【0008】
また、本開示の一態様に係る物量算出方法は、それぞれが同一の所定の空間を示し、且つ、領域ごとに属性情報を有する三次元モデルであって、第1三次元モデルと、前記第1三次元モデルとは異なる第2三次元モデルと、を取得する取得ステップと、前記第1三次元モデルおよび前記第2三次元モデルのそれぞれが有する属性情報に基づいて、前記第1三次元モデルと前記第2三次元モデルとの位置合わせを行う位置合わせステップと、前記位置合わせステップで位置合わせした前記第1三次元モデルと前記第2三次元モデルとの差分の量を算出し、前記差分が有する属性情報と前記差分の量とを出力する算出ステップと、を含む。
【0009】
なお、本開示は、上記物量算出方法に含まれるステップをコンピュータに実行させるプログラムとして実現されてもよい。また、本開示は、そのプログラムを記録したコンピュータによって読み取り可能なCD-ROM等の非一時的な記録媒体として実現されてもよい。また、本開示は、そのプログラムを示す情報、データまたは信号として実現されてもよい。そして、それらプログラム、情報、データおよび信号は、インターネット等の通信ネットワークを介して配信されてもよい。
【発明の効果】
【0010】
本開示によれば、物体の量を算出する処理時間を短縮できる物量算出装置等を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、実施の形態に係る土砂量計測システムの概要を説明するための図である。
図2図2は、実施の形態に係る土砂量計測システムが実行する、属性情報を抽出する処理の概要を説明するための図である。
図3図3は、実施の形態に係る土砂量計測システムが実行する、土砂量の算出処理の概要を説明するための図である。
図4図4は、実施の形態に係る土砂量計測システムの構成を示すブロック図である。
図5図5は、実施の形態に係る土砂量計測システムが備える撮像装置の構成を示すブロック図である。
図6図6は、実施の形態に係る土砂量計測システムが備える制御装置の構成を示すブロック図である。
図7図7は、実施の形態に係る土砂量計測システムが備える土砂量算出装置の構成を示すブロック図である。
図8図8は、実施の形態に係る土砂量計測システムが実行する、三次元モデルの位置合わせの処理を示すフローチャートである。
図9図9は、位置合わせ部が実行する2つの三次元モデルの位置合わせを説明するための図である。
図10図10は、実施の形態に係る土砂量計測システムの処理を示すシーケンス図である。
図11図11は、実施の形態に係る土砂量計測システムが実行する、土砂量の算出処理を示すフローチャートである。
図12図12は、実施の形態に係る土砂量計測システムが備えるユーザーインタフェースが2つの三次元モデルを位置合わせする際に提示する画像の一例を示す図である。
図13図13は、実施の形態に係る土砂量計測システムが備えるユーザーインタフェースが提示する差異情報の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(本開示の概要)
本開示の一態様に係る物量算出装置は、それぞれが同一の所定の空間を示し、且つ、領域ごとに属性情報を有する三次元モデルであって、第1三次元モデルと、前記第1三次元モデルとは異なる第2三次元モデルと、を取得する取得部と、前記第1三次元モデルおよび前記第2三次元モデルのそれぞれが有する属性情報に基づいて、前記第1三次元モデルと前記第2三次元モデルとの位置合わせを行う位置合わせ部と、前記位置合わせ部によって位置合わせされた前記第1三次元モデルと前記第2三次元モデルとの差分の量を算出し、前記差分が有する属性情報と前記差分の量とを出力する算出部と、を備える。
【0013】
従来、例えば、土砂災害現場等で崩落等の影響で所定の空間に流入した土砂量を計測(算出)する方法がある。レーザー計測による土砂量の算出では、高精度に量を算出できるが、算出に時間およびコストがかかる問題がある。そこで、本開示に係る物量算出装置では、例えば、所定の空間における、土砂等の量を算出したい物体が存在しない状態での当該所定の空間を示す三次元モデル(第1三次元モデル)と、当該物体が存在する状態での当該所定の空間を示す三次元モデル(第2三次元モデル)とを比較する。これによれば、第1三次元モデルと第2三次元モデルとを適切に位置合わせをすることで、簡便に第1三次元モデルと第2三次元モデルとの差分を算出できる。そのため、本開示に係る物量算出装置によれば、物体の量を算出する処理時間を短縮できる。
【0014】
また、例えば、本開示の一態様に係る物量算出装置は、さらに、それぞれが前記所定の空間を示す複数の画像から前記第1三次元モデルおよび前記第2三次元モデルのうち少なくとも一方を生成する生成部を備える。
【0015】
これによれば、画像を生成するためのカメラ等の簡便な構成で、差分の量を算出できる。
【0016】
また、例えば、前記算出部は、前記差分が互いに異なる複数の属性情報を含む場合、前記複数の属性情報を種別ごとに分類して出力することで、前記種別ごとに前記複数の属性情報をまとめて表示装置に表示させる。
【0017】
これによれば、差分に含まれる物体の種別が分類されて表示装置に表示されるため、当該表示装置を確認するユーザーに差分に含まれる種別を理解させやすくできる。
【0018】
また、例えば、前記算出部は、前記種別ごとに前記差分に含まれる量を算出する。
【0019】
これによれば、差分に含まれる物体の種別ごとの量が表示装置に表示されるため、当該表示装置を確認するユーザーに差分に含まれる種別ごとの量を理解させやすくできる。
【0020】
また、例えば、前記差分の量は、前記差分の体積および重量の少なくとも一方である。
【0021】
これによれば、本開示に係る物量算出装置は、差分の量および体積の少なくとも一方を算出できる。
【0022】
また、例えば、前記位置合わせ部は、前記第1三次元モデルと前記第2三次元モデルとのそれぞれで共通する属性情報を有する部分モデルを、前記第1三次元モデルと前記第2三次元モデルとのそれぞれから抽出し、抽出したそれぞれの前記部分モデルの対応する位置の座標が一致するように、それぞれの前記部分モデルを移動させることで位置合わせした後で、それぞれの前記部分モデルの移動に合わせて前記第1三次元モデルと前記第2三次元モデルとを移動させることで、前記第1三次元モデルと前記第2三次元モデルとを位置合わせする。
【0023】
これによれば、本開示に係る物量算出装置は、三次元モデルの形状を比較することによる位置合わせ等の処理時間がかかる処理をせずに第1三次元モデルと第2三次元モデルとの位置合わせをできる。そのため、これによれば、本開示に係る物量算出装置の処理時間がさらに短縮され得る。
【0024】
また、本開示の一態様に係る物量算出方法は、それぞれが同一の所定の空間を示し、且つ、領域ごとに属性情報を有する三次元モデルであって、第1三次元モデルと、前記第1三次元モデルとは異なる第2三次元モデルと、を取得する取得ステップと、前記第1三次元モデルおよび前記第2三次元モデルのそれぞれが有する属性情報に基づいて、前記第1三次元モデルと前記第2三次元モデルとの位置合わせを行う位置合わせステップと、前記位置合わせステップで位置合わせした前記第1三次元モデルと前記第2三次元モデルとの差分の量を算出し、前記差分が有する属性情報と前記差分の量とを出力する算出ステップと、を含む。
【0025】
これによれば、第1三次元モデルと第2三次元モデルとを適切に位置合わせをすることで、簡便に第1三次元モデルと第2三次元モデルとの差分を算出できる。そのため、本開示に係る物量算出方法によれば、物体の量を算出する処理時間を短縮できる。
【0026】
また、例えば、前記取得ステップでは、土砂が流入される前の前記所定の空間を示す前記第1三次元モデルと、前記土砂が流入された後の前記所定の空間を示す前記第2三次元モデルと、を取得し、前記算出ステップでは、前記差分の量として前記土砂の量を算出する。
【0027】
これによれば、所定の空間に土砂が流入されるような災害前後の当該所定の空間を示す三次元モデルを適切に位置合わせをすることで、簡便に差分となる土砂の量を算出できる。そのため、本開示に係る物量算出方法によれば、土砂の量を算出する処理時間を短縮できる。
【0028】
以下では、本開示の各実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する各実施の形態は、いずれも本開示の一具体例を示すものである。したがって、以下の各実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置および接続形態、ステップ、ステップの順序等は、一例であり、本開示を限定する主旨ではない。
【0029】
また、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付しており、重複する説明は省略または簡略化する場合がある。
【0030】
(実施の形態)
[概要]
図1は、実施の形態に係る土砂量計測システムの概要を説明するための図である。
【0031】
実施の形態に係る土砂量計測システム1000(例えば、図4参照)は、所定の三次元空間A1(以下、単に空間A1ともいう)内を撮像(以下、撮影ともいう)するためのカメラ100を複数台備える。具体例を挙げると、空間A1は、土砂21が堆積した道路20上の空間である。別の具体例を挙げると、空間A1は、土砂21または流木等が堆積した河川上の空間である。土砂量計測システム1000は、本開示に係る物量算出装置の一例である。
【0032】
複数台のカメラ100のそれぞれは、互いに異なる位置に配置されており、それぞれが共通する三次元空間(例えば、空間A1)を撮像する。このため、空間A1内における複数台のカメラ100の撮像対象の領域は、少なくとも一部に重複する領域を有する。例えば、複数台のカメラ100は、道路20上の土砂21を含む空間A1を一部囲むように、互いに異なる位置に設置される。また、複数台のカメラ100は、それぞれ互いに異なる姿勢をとる。そして、複数台のカメラ100の撮像対象の領域では、少なくとも一部が重複する。撮像対象の領域において少なくとも一部が重複することは、撮像により得られた映像データに基づいて空間A1の三次元モデル(例えば、点群データ)を生成(再構成)するためである。
【0033】
なお、撮像の対象となる領域は、複数台のカメラ100のうちの一部のカメラ100で重複していてもよいし、複数台のカメラ100の全てで重複していてもよい。
【0034】
また、複数台のカメラ100は、同一カメラによって別々の時刻に撮像する、すなわち移動カメラであってもよい。このため、カメラ100が移動カメラであれば、カメラ100は1つ以上あればよく、個数は限定されない。
【0035】
三次元再構成で行う処理(空間A1の三次元モデルを生成する処理)では、このように複数台のカメラ100からそれぞれ得られた複数の映像(以下、映像は、画像ともいう)を用いて空間A1を示す三次元モデル22を算出(生成)する。三次元再構成で行う処理は、例えば、複数台のカメラ100からそれぞれ得られた複数の画像間で対応付けを行い、得られた対応関係から幾何学的な計算を行うことで三次元モデル22を算出する。
【0036】
ここで、三次元モデルとは、所定の三次元空間(本実施の形態では、空間A1)の幾何学的な形状が表現されたデータのことである。三次元形状を表現するためのモデルは、例えば、複数の三次元点からなる点群である。また、三次元モデルは、ボクセルで表現されてもよいし、メッシュで表現されていてもよい。
【0037】
なお、これら三次元モデルの表現は一例であり、三次元モデルの表現方法を限定するものではない。
【0038】
また、三次元モデルを生成するための元となるデータは、画像でなくてもよく、特に限定されない。例えば、三次元モデルを生成するための元となるデータは、LiDAR等の計測器から取得されるデータでもよい。
【0039】
LiDARは、物体との距離を測定するためのセンサである。所定の領域についてLiDARを走査(移動および測定)させることで、当該所定の領域に位置する物体の位置を算出できる。
【0040】
LiDAR等のこの種の計測器は、電磁波を発し、且つ、発した電磁波が計測対象で反射された反射波を取得することで、三次元モデルを生成する。具体的には、計測器は、電磁波を発してから計測対象で反射して計測器に当該電磁波が戻るまでにかかった時間を計測し、計測した時間と電磁波の波長とを用いて、計測器と計測対象の表面上の点との間の距離を算出する。
【0041】
例えば、計測器は、当該計測器の基準点から予め定められた放射状の複数の方向へ電磁波を発する。例えば、計測器は、水平方向周りに第1の角度間隔で電磁波を発し、垂直方向周りに第2の角度間隔で電磁波を発する。このため、計測器は、当該計測器の周りの複数の方向それぞれにおける計測対象との間の距離を算出することで、計測対象上の複数の点の三次元座標を算出することができる。
【0042】
計測器は、例えば、電磁波としてのレーザ光を照射する。あるいは、計測器は、例えば、電磁波としてミリ波を出射することで計測対象との間の距離を計測する。
【0043】
図2は、実施の形態に係る土砂量計測システム1000が実行する、属性情報を抽出する処理の概要を説明するための図である。具体的には、図2の(a)は、空間A1を撮像することで生成された画像の一例を示す図である。図2の(b)は、空間A1を示す三次元モデルを示す図である。図2の(c)は、図2の(a)に示す画像における「木」の属性情報を有する画素を拡大して示す図である。
【0044】
土砂量計測システム1000は、空間A1を複数台のカメラ100により撮像した複数の画像データ、または空間A1を再構成した三次元モデルを用いて、属性情報の抽出を行う。
【0045】
ここで、属性情報とは、画像または三次元モデルにおける特定の領域がどのような意味を持つかを認識した結果を示す情報である。属性情報は、例えば、画像における任意の領域に含まれる物体が「木」であるといった属性を示す情報である。また、別の例としては、属性情報は、点群で表現された三次元モデルにおける任意の部分点群が「木」であるといった属性を示す情報である。つまり、「木」、「流木」、「土砂」、「家」等は、それぞれ属性情報の一例である。このように、例えば、三次元モデルは、領域ごとに属性情報を有する。当該領域は、三次元モデルにおける予め定められた範囲でもよいし、三次元モデルを構成する三次元点ごとでもよく、特に限定されない。また、当該領域は、後述する部分モデルごとでもよい。つまり、三次元モデルは、後述する部分モデルごとに、属性情報を有してもよい。
【0046】
属性情報を抽出する処理は、例えば、セマンティックセグメンテーションを行うことで実現される。セマンティックセグメンテーションとは、画素、または三次元モデルの最小構成単位に対し、当該画素、または三次元モデルの最小構成単位の周辺の情報を用いて意味のあるラベル付けを行う処理である。
【0047】
具体的に例えば、セマンティックセグメンテーションとは、図2の(c)に示すように、所定の三次元空間に存在する「木」が撮像された各画素に「木」というラベルがつけられる処理である。周辺画素の情報を参照することで、各画素のラベル付けを行うことが可能になる。周辺画素の情報は、R(Red)G(Green)B(Blue)の値でもよいし、輝度値でもよいし、画素値の分布でもよいし、勾配でもよい。これによれば、例えば、「木」の属性情報が付与された点群の集合である部分モデルを「木」の属性情報を有する部分モデルとすることができる。
【0048】
属性情報の抽出は、例えば、予め定められた「木」等を示すデータからパターン認識等により行われる。ユーザーが後述するユーザーインタフェース400(図4参照)を操作することにより、属性情報と画像または三次元モデルに含まれる物体との対応付けをしてもよい。
【0049】
図3は、実施の形態に係る土砂量計測システム1000が実行する、土砂量の算出処理の概要を説明するための図である。具体的には、図3の(a)は、災害前の空間A1を示す三次元モデルを示す図である。また、図3の(b)は、災害後の空間A1を示す三次元モデルを示す図である。また、図3の(c)は、土砂量計測システム1000が実行する差異情報を算出する処理を示す図である。図3の(d)は、土砂量計測システム1000が出力する差異情報の一例を示す図である。
【0050】
土砂量計測システム1000は、空間A1を再構成した、災害前の三次元モデル(以下、第1三次元モデルともいう)と、災害後の三次元モデル(以下、第2三次元モデルともいう)とを用いて差異を算出することで土砂21の情報(差異情報)を抽出する。
【0051】
土砂量計測システム1000は、2つの三次元モデルにおいて、災害前と災害後とで変化がより顕著な部分を抽出する。差異の算出結果は、差異情報としてユーザーに提示される。
【0052】
ここで、差異情報とは、例えば、三次元メッシュモデルにおいて、災害前の三次元モデルと災害後の三次元モデルとで面が重ならない、または交差しない三次元部分領域の体積である。このように算出される差異の量は、例えば、災害後に所定の三次元空間に堆積された土砂の量となる。
【0053】
また、差異情報は、2つの三次元モデルにおいて災害前と災害後とで変化がより顕著な部分における、属性情報の抽出によって得られた属性情報、例えば、土砂21の中に含まれる流木またはがれき等の割合といった、互いに異なる複数の属性情報を含む混合物の情報を含んでもよい。
【0054】
混合物は、例えば、互いに異なる属性情報を有する複数の部分モデルの集合である。上記の例では、混合物は、土砂である。また、混合物(つまり、土砂)は、「流木」を示す属性情報を有する部分モデル(第1部分モデル)と、「がれき」を示す属性情報を有する部分モデル(第2部分モデル)とから構成される三次元モデルである。差異情報は、例えば、混合物に含まれる1以上の属性情報を含み、当該混合物の体積を差異の量として含み、かつ、当該混合物の体積における第1部分モデルが占める割合と第2部分モデルが占める割合とを示す情報を含む。
【0055】
また、属性情報の種別ごとに混合物が複数に分類されてもよい。例えば、混合物が「流木」を示す属性情報を有する部分モデル(第1部分モデル)と、「がれき」を示す属性情報を有する部分モデル(第2部分モデル)と、「標識」を示す属性情報を有する部分モデル(第3部分モデル)と、「信号機」を示す属性情報を有する部分モデル(第4部分モデル)とから構成されるとする。この場合、混合物は、自然物からなる第1部分モデルおよび第2部分モデルからなる混合物(第1混合物)と、人工物からなる第3部分モデルおよび第4部分モデルからなる混合物(第2混合物)と、に分類されてもよい。また、この場合、差異情報は、混合物の体積における第1混合物が占める割合と第2混合物が占める割合とを示す情報を含んでもよい。
【0056】
上記したように、差異情報は、例えば、2つの三次元モデルの差分の量を示す差分情報と、当該差分が有する属性情報と、を含む。差分の量は、例えば、当該差分の体積および重量の少なくとも一方である。
【0057】
なお、上記は、差異情報の一例であり、差異情報を限定するものではない。
【0058】
また、三次元モデルのスケールは、2つの三次元モデルのうちの災害前、および災害後のどちらか一方の三次元モデルが所望のスケールに調整されてもよい。例えば、2つの三次元モデルのうちの災害前、および災害後のどちらか一方の三次元モデルは、空間A1のスケールに調整されていてもよい。また、2つの三次元モデルのうちの災害前、および災害後のどちらか一方の三次元モデルは、土砂量計測システム1000の外部から与えられたスケールの情報からスケールが調整されてもよい。三次元モデルのスケールが同じになるように調整されることで、災害前の三次元モデルと災害後の三次元モデルとを同じスケールで差異を算出できる。これにより、空間A1のスケールで土砂量を算出することができる。
【0059】
なお、土砂量計測システム1000は、本開示に係る物量算出装置の一例である。上記した差異情報を算出する方法は、土砂以外の対象、例えば、倉庫の在庫量の算出に用いられてもよいし、施工作業時の作業箇所における施工部材等の算出に用いられてもよい。
【0060】
[構成]
<土砂量計測システム>
続いて、土砂量計測システム1000の構成について詳細に説明する。
【0061】
図4は、実施の形態に係る土砂量計測システム1000の構成を示すブロック図である。
【0062】
土砂量計測システム1000は、複数の撮像装置10a~10n(例えば、撮像装置10a、撮像装置10b、~、撮像装置10nまでのn(2以上の整数)台)、制御装置200、土砂量算出装置300、およびユーザーインタフェース400を備える。撮像装置10a~10nは、制御装置200と通信可能に接続されている。また、土砂量算出装置300、およびユーザーインタフェース400は、制御装置200と通信可能に接続されている。
【0063】
なお、撮像装置10a~10nは、制御装置200と有線通信可能に接続されていてもよいし、無線通信可能に接続されていてもよい。また、土砂量算出装置300、およびユーザーインタフェース400は、制御装置200と有線通信可能に接続されていてもよいし、無線通信可能に接続されていてもよい。
【0064】
ユーザーインタフェース400は、ユーザーからの操作を受け付けるための受付機器である。ユーザーインタフェース400は、例えば、制御装置200に接続される表示装置、タッチスクリーン、トラックパッド、キーボード、マウス、その他のコントローラ類、またはこれらの組み合わせによって実現される。また、ユーザーインタフェース400は、本開示に係る物量算出装置が算出した属性情報および差分情報を表示するための表示装置の一例である。
【0065】
<撮像装置>
図5は、実施の形態に係る土砂量計測システム1000が備える撮像装置10aの構成を示すブロック図である。なお、以降では、図4に示す撮像装置10a~10nの構成は、本実施の形態では互いに同じであるため、土砂量計測システム1000が備える複数の撮像装置10a~10nのうちの1台の撮像装置について説明する場合には、撮像装置10aについて説明する。つまり、以降において撮像装置10aについて説明している箇所は、他の撮像装置10b~10nについても同様のことがいえる。
【0066】
複数の撮像装置10a~10nは、それぞれが空間A1を撮像するための図1に示すカメラ100に相当するカメラを備える装置である。複数の撮像装置10a~10nのそれぞれが取り得る構成は、例えば、互いに共通である。
【0067】
なお、ここでいう空間A1とは、複数台のカメラ100それぞれの撮像領域の和集合である。
【0068】
撮像装置10a~10nのそれぞれは、カメラ100を有し、架台110を備えてもよい。
【0069】
カメラ100は、記憶部101、制御部102、光学系103、およびイメージセンサ104を備える。
【0070】
記憶部101には、制御部102が読み出して実行するプログラムが記憶されている。また、記憶部101には、イメージセンサ104を用いて撮影された撮像領域の映像データ、この映像データに付されるタイムスタンプ等のメタ情報、カメラ100のカメラパラメータ、および、適用中のフレームレートまたは解像度等の撮影設定が一時的に記憶される。
【0071】
このような記憶部101は、例えばフラッシュメモリ等の書き換え可能な不揮発性の半導体メモリを用いて実現される。また、保存されるデータの書き換えの要否もしくは必要な保存期間等に応じて書き換え不可能なROM(Read-Only Memory)、または、揮発性のRaM(Random access Memory)も記憶部101として用いられ得る。
【0072】
なお、土砂量計測システム1000が備える撮像装置の個数は、特に限定されない。例えば、土砂量計測システム1000が備える撮像装置の個数は、複数でもよい。また、土砂量計測システム1000が備える各撮像装置10a~10nの特性は、共通でなくてもよい。また、各撮像装置10a~10nのそれぞれが備えるカメラ100は、モノラルカメラに限定されず、ステレオカメラでもよい。
【0073】
また、土砂量計測システム1000が備える撮像装置の個数は、当該撮像装置が位置および姿勢を変更することで複数の視点から空間A1を撮像することができれば、1つでもよい。
【0074】
制御部102は、例えばCPU(Central Processing Unit)を用いて実現され、記憶部101に記憶されるプログラムを読み出して実行することで、カメラ100が備える各構成要素を制御して撮像機能およびその他の機能を発揮させる。
【0075】
なお、制御部102は、カメラ100が備える各構成要素を制御して撮像機能およびその他の機能を発揮させる専用回路により実現されてもよい。つまり、制御部102は、ソフトウェアで実現されてもよいし、ハードウェアで実現されてもよい。
【0076】
光学系103は、撮像領域からの光をイメージセンサ104上に結像させる構成要素であり、レンズを含む光学素子を用いて実現される。また、光学系103は、焦点距離および画角が変更可能な構成であってもよい。また、光学系103には、広角レンズ、または魚眼レンズのような超広角レンズが用いられてもよい。例えば、本開示に係る物量算出装置が備えるカメラが撮影する映像が監視システムに用いられる場合、広範な撮像領域を得るために広角レンズが用いられることがある。
【0077】
イメージセンサ104は、光学系103によって集められた光を受光面で受け、この受けた光を、画像を示す電気信号に変換するCCD(Charge Coupled Devices)イメージセンサ、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサ、またはMOS(Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサ等の固体撮像素子で実現される。
【0078】
架台110は、土砂量の算出に用いられる映像を撮像によって生成中のカメラ100を、所定の位置で固定し支えるための構成要素であり、例えば三脚で実現される。
【0079】
なお、この撮像の準備としてカメラ100の固定位置を調整するために、架台110の脚部分は、長さおよび角度が調整可能であってもよい。
【0080】
また、架台110には、カメラ100をパンまたはチルトするために雲台を回転させる機構、および上下に移動させるためのエレベータ機構等が備えられてもよい。あるいは、架台110は、ドリー、またはクレーン等の、カメラ100を支えかつ移動させる機構を含んでもよい。
【0081】
なお、撮像装置10a~10nは、必ずしも固定されていなくてもよい。このため、撮像装置10a~10nは、架台110を有しない構成であってもよい。
【0082】
なお、土砂量計測システム1000が備える撮像装置10aは、複数の固定カメラ、1つ以上の移動カメラ、またはそれらの組み合わせであれば特に個数は限定されない。また、モノラルカメラに限定されず、ステレオカメラのような複眼カメラが含まれていてもよい。
【0083】
<制御装置>
図6は、実施の形態に係る土砂量計測システム1000が備える制御装置200の構成を示すブロック図である。
【0084】
制御装置200は、記憶部201、制御部202、およびタイマー203を備える。
【0085】
制御装置200は、撮像装置10a~10nの制御、およびユーザーインタフェース400への入出力をする。また、制御装置200は、土砂量算出装置300に対して各撮像装置10a~10nから受け取ったデータにおける土砂量算出指令を行う。
【0086】
このような制御装置200は、例えばコンピュータである。この場合、記憶部201はこのコンピュータの記憶装置であり、ハードディスクドライブもしくは各種の半導体メモリ、またはこれらの組み合わせで実現される。また、制御部202は、このコンピュータのCPUで実現される。
【0087】
タイマー203は、制御部202を実現するCPUが参照する、制御装置200に備えられるタイマーである。
【0088】
記憶部201には、制御部202が読み出して実行するプログラムが記憶されている。また、記憶部201には、撮像装置10a~10nから受け取ったデータであって、制御部202による処理の対象であるデータが記憶される。
【0089】
制御部202は、記憶部201に記憶されるプログラムを読み出して実行することで、上記の撮像装置10a~10nおよび土砂量算出装置300の制御を行う。
【0090】
また、制御部202は、これらの制御および処理に関するユーザーからの指令に対する処理を実行する。これらの処理のひとつとして、撮像装置10a~10nがそれぞれ備える複数台のカメラ100による同期映像の撮影の制御が挙げられる。また、これらの処理のひとつには、土砂量算出指令が含まれていてもよい。
【0091】
制御部202は、機能的には、撮像制御部202a、ユーザー指示取得部202b、および土砂量算出指令部202cを含む。
【0092】
制御部202に含まれるユーザー指示取得部202bは、ユーザーからの指示を取得するためのプログラムを制御部202が実行することで実現される機能的な構成要素である。
【0093】
また、制御部202に含まれる土砂量算出指令部202cは、土砂量算出指令のためのプログラムを制御部202が実行することで実現される機能的な構成要素である。
【0094】
なお、制御部202の、撮像制御部202a、ユーザー指示取得部202b、および土砂量算出指令部202cは、撮像制御、ユーザー指示取得、土砂量算出指令、および土砂量算出処理等を発揮させる専用回路により実現されてもよい。つまり、制御部202は、ソフトウェアで実現されてもよいし、ハードウェアで実現されてもよい。
【0095】
撮像制御部202aは、複数の撮像装置10a~10nのそれぞれに、撮像領域である空間A1を異なる複数のタイミングで撮像させる。撮像制御部202aは、複数の撮像装置10a~10nのそれぞれが、予め定められた位置にあり、かつ、予め定められた方向を向いた姿勢にある状態で、複数の撮像装置10a~10nに撮像領域を撮像させる。
【0096】
ユーザー指示取得部202bは、撮像装置10a~10nから提供された撮像状況情報をユーザーインタフェース400へ送り、ユーザーからの入力を取得する。ユーザーからの入力とは、土砂量の算出を行う対象のデータの選択結果、土砂量算出処理の可否、またはそれらの組み合わせである。ユーザー指示取得部202bは、ユーザーからの入力が土砂量算出処理の可否である場合、土砂量算出処理の可否を、例えば土砂量算出指令部202cに出力する。
【0097】
土砂量算出指令部202cは、ユーザー指示取得部202bから受け取った土砂量算出処理の可否等に基づいて、土砂量算出装置300に土砂量算出処理を実行させる。また、土砂量算出指令部202cは、土砂量の算出を行う対象のデータの選択結果に基づいて、土砂量算出装置300に土砂量算出処理を実行させてもよい。土砂量算出指令部202cによる処理については具体例を後述する。
【0098】
<土砂量算出装置>
図7は、実施の形態に係る土砂量計測システム1000が備える土砂量算出装置300の構成を示すブロック図である。
【0099】
土砂量算出装置300は、記憶部301および処理部302を備える。
【0100】
土砂量算出装置300は、制御装置200を介して受け取ったデータを処理する。具体的には、土砂量算出装置300は、各撮像装置10a~10nが備えるカメラ100が撮像した空間A1内に存在する土砂21に対して土砂量算出処理を実行する。
【0101】
土砂量算出装置300が土砂量算出処理を実行する対象は、例えば、災害後の空間A1である。これにより、災害前の空間A1の三次元モデルとの差異を算出することで、空間A1に堆積した土砂21の量(土砂量)を求めることができる。
【0102】
また、土砂量算出装置300が土砂量算出処理を実行する対象は、災害直後の空間A1でなくてもよく、例えば、土砂撤去作業中の空間A1でもよい。これにより、土砂量算出装置300は、土砂量を逐次算出することで土砂撤去作業の進捗具合を算出することができる。
【0103】
なお、土砂量算出装置300が土砂量算出処理を実行する対象は、災害前後の空間A1でなくてもよく、特に限定されない。
【0104】
このような土砂量算出装置300は、例えばコンピュータである。この場合、記憶部301は、このコンピュータの記憶装置であり、ハードディスクドライブもしくは各種の半導体メモリ、またはこれらの組み合わせで実現される。また、処理部302は、このコンピュータのCPUで実現される。なお、土砂量算出装置300は、制御装置200と同じコンピュータにより実現されてもよい。
【0105】
記憶部301には、処理部302が読み出して実行するプログラムが記憶されている。また、記憶部301には、制御装置200を介して撮像装置10a~10nから受け取ったデータ、および外部の装置から取得した三次元モデルのデータであって、処理部302による処理の対象であるデータが記憶される。つまり、記憶部301には、三次元再構成結果が記憶されていてもよいし、属性情報抽出結果が記憶されていてもよい。また、三次元再構成結果としては、災害前の三次元モデルが記憶されていてもよいし、災害後の三次元モデルが記憶されていてもよい。
【0106】
処理部302は、記憶部301に記憶されるプログラムを読み出して実行することで、撮像装置10a~10nから受け取ったデータの処理を行う。この処理のひとつとして、空間A1の三次元再構成が挙げられる。
【0107】
処理部302は、画像取得部302a、三次元再構成部302b、属性情報抽出部302c、モデル取得部302d、位置合わせ部302e、および差異算出部302fを有する。
【0108】
画像取得部302aは、複数の撮像装置10a~10nによりそれぞれ撮像された複数の画像を取得する。画像取得部302aは、さらに、複数の画像と共に、当該複数の画像のそれぞれに対応しており、当該複数の画像のそれぞれが撮像されたカメラ100を示すカメララベルを取得する。画像取得部302aは、例えば、カメララベルが付与された画像を取得することで、複数の画像とカメララベルとを取得してもよい。複数の画像のそれぞれは、静止画像であってもよいし、動画像であってもよい。
【0109】
なお、校正処理(三次元再構成処理)に利用される複数の画像は、それぞれ、ある対応する1タイミングにおいて(つまり、同時刻において)複数の撮像装置10a~10nにより撮像されることで得られた画像であることが好ましい。画像取得部302aにより取得された複数の画像は、記憶部301に記憶される。また、画像取得部302aは制御装置200から土砂量算出指令を受け取る前に、事前に画像およびカメララベルを記憶部301に記憶していてもよい。これにより、土砂量算出装置300は、土砂量算出が必要と判断された際に、土砂量算出処理を開始できる。
【0110】
三次元再構成部302bは、それぞれが空間A1を示す複数の画像から第1三次元モデルおよび第2三次元モデルのうち少なくとも一方を生成する。より具体的には、三次元再構成部302bは、空間A1に対し、複数の撮像装置10a~10nにより撮影された複数の画像を用いて、空間A1の三次元形状を算出する。例えば、三次元再構成部302bは、第1時刻の画像群を用いて当該第1時刻の空間A1の三次元モデルを生成する。また、三次元再構成部302bは、当該第1時刻とは異なる時刻の画像群を用いて空間A1の三次元モデルを生成する。このように、三次元再構成部302bは、同一領域の三次元モデルであって、互いに時刻の異なる第1三次元モデルと第2三次元モデルとを生成する。
【0111】
三次元再構成部302bは、例えば、複数の撮像装置10a~10nにより撮影された複数の画像間の対応付けを行い、対応関係から幾何学的な計算により空間A1の三次元形状を算出する。三次元形状を表現するためのモデルは、点群で表現されてもよいし、ボクセルで表現されてもよいし、メッシュで表現されていてもよい。
【0112】
なお、これら三次元モデルの表現は、一例である。三次元モデルの表現方法は、上記に特に限定されない。
【0113】
属性情報抽出部302cは、複数の撮像装置10a~10nによりそれぞれ撮像された複数の画像、三次元再構成部302bによって再構成された三次元モデル、または後述のモデル取得部302dで取得した三次元モデルに対し、属性情報の抽出を行う。属性情報抽出部302cは、例えば、三次元点群に対し、周囲の点の情報をもとに各点の属性を推定し、推定した属性を属性情報として算出する。また、属性情報抽出部302cは、例えば、画像データに対し、周囲の画素の情報をもとに各画像で撮像された物体の属性情報を推定し、推定した属性情報を再構成した三次元モデルの各最小構成単位と紐付ける。
【0114】
また、属性情報抽出部302cは、三次元再構成部302bによって再構成された三次元モデルを取得してもよいし、記憶部301から複数の撮像装置10a~10nによりそれぞれ撮像された複数の画像を取得してもよいし、記憶部301から取得した三次元モデルを取得してもよいし、後述のモデル取得部302dから三次元モデルを取得してもよい。
【0115】
モデル取得部302dは、三次元再構成部302b、および記憶部301から三次元モデルを取得する。モデル取得部302dは、例えば、災害前の空間A1を再構成したモデルを記憶部301から取得し、かつ、災害後の空間A1を再構成したモデルを三次元再構成部302bから取得する。
【0116】
なお、モデル取得部302dは、記憶部301から2つ以上の三次元モデルを取得してもよい。例えば、モデル取得部302dは、空間A1を示す第1三次元モデルと、空間A1を示し、当該第1三次元モデルとは異なる第2三次元モデルと、を取得する。具体的には、モデル取得部302dは、第1時刻における空間A1を示す第1三次元モデルと、当該第1時刻とが異なる第2時刻における空間A1を示す第2三次元モデルと、を取得する。本実施の形態では、モデル取得部302dは、記憶部301から空間A1における災害前後の2つの三次元モデル(つまり、災害前(第1時刻)における空間A1を示す第1三次元モデル、および、災害後(第2時刻)における空間A1を示す第2三次元モデル)を取得する。これにより、三次元再構成部302bにおいて三次元再構成処理を行わずとも、モデル間の差異を算出することが可能である。
【0117】
モデル取得部302dが取得する三次元モデルは、土砂量計測システム1000の外部で画像データから算出されたモデルでもよいし、土砂量計測システム1000の外部でレーザー計測から算出されたモデルでもよい。
【0118】
なお、取得する三次元モデルの表現方法は、ボクセルデータでもよいし、メッシュデータでもよいし、点群データでもよい。
【0119】
位置合わせ部302eは、モデル取得部302dにより取得した2つ以上の三次元モデルと、属性情報抽出部302cにより算出された属性情報と、を用いて三次元モデル間の座標系を統一する処理、つまり、三次元モデル同士の位置合わせをする処理を行う。つまり、位置合わせ部302eは、第1三次元モデルおよび第2三次元モデルそれぞれが有する属性情報に基づいて、第1三次元モデルと第2三次元モデルとの位置合わせを行う。具体的には、位置合わせ部302eは、属性情報をもとに、同じ属性情報を有する三次元モデルを含む空間A1の一部の領域である部分領域を比較することにより、効率的にモデルの比較を行うことができる。
【0120】
位置合わせ部302eは、同じ属性情報を有する部分モデル内で組み合わせを変えながら部分モデル同士を対応付ける。
【0121】
次に、位置合わせ部302eは、少なくとも一つ以上の同じ属性情報を有する部分モデル間で最小構成単位、例えば、点群で表現された三次元モデルであれば三次元点の比較を行う。
【0122】
ここで、部分モデルとは、三次元モデルの一部または全部の領域を示す最小構成単位の集合である。
【0123】
位置合わせ部302eは、部分モデル間で互いに最近傍の点を探索し対応付け、各点の位置の差が小さくなるように座標系の位置姿勢を調整する。位置合わせ部302eは、上記した部分モデルの対応付け、および点の対応付けを変更しながら繰り返し計算することにより、最も差が小さくなる座標系を算出し、算出したその座標系に座標変換した三次元モデルを算出する。
【0124】
上記のように、位置合わせ部302eは、属性情報に基づいて位置合わせ(座標変換およびサイズ合わせ)を行う。例えば、位置合わせ部302eは、複数の三次元モデルにおいて、同じ属性情報を有する三次元モデル(部分モデル)を複数の三次元モデルそれぞれで抽出する。位置合わせ部302eは、抽出した三次元モデルを比較して位置合わせをする。さらに、位置合わせ部302eは、位置合わせで変化させた部分モデルに合わせて三次元モデル全体を変化させる。つまり、位置合わせ部302eは、第1三次元モデルと第2三次元モデルとのそれぞれで共通する属性情報を有する部分モデルを、第1三次元モデルと第2三次元モデルとのそれぞれから抽出し、抽出したそれぞれの部分モデルの対応する位置の座標が一致するように、それぞれの部分モデルを移動させることで位置合わせした後で、それぞれの部分モデルの移動に合わせて第1三次元モデルと第2三次元モデルとを移動させることで、第1三次元モデルと第2三次元モデルとを位置合わせする。
【0125】
これにより、位置合わせ部302eは、三次元モデル全体を一斉に位置合わせさせるよりも効率的に三次元モデルの位置合わせを行うことができる。
【0126】
変換後のモデルは、記憶部301に記憶されてもよい。
【0127】
部分モデルの対応付け、および最小構成単位の対応付けは、ランダムでもよいし、特徴量をもとにした選び方でもよい。また、部分モデルの対応付け、および最小構成単位の対応付けは、上記の方法に限定されない。なお、色付きモデル同士の位置合わせでは、色の差分の情報が位置合わせに用いられてもよい。
【0128】
また、三次元モデルのスケールは、災害前および災害後どちらか一方の三次元モデルが所望のスケールに調整されてもよい。例えば、空間A1のスケールに調整されていてもよい。また、土砂量計測システム1000の外部から与えられたスケールの情報から三次元モデルのスケールが調整されてもよい。三次元モデルのスケールを調整することで、災害前の三次元モデルと災害後の三次元モデルと同じスケールで差異を算出できる。これにより、空間A1のスケールで土砂量を算出することができる。
【0129】
差異算出部302fは、第1三次元モデルと第2三次元モデルとの差分の量を算出し、差分が有する属性情報と差分の量を示す差分情報とを出力する。具体的には、差異算出部302fは、位置合わせ部302eにより座標系が統一された2つ以上の三次元モデル間の差異情報を算出する。差異算出部302fは、例えば、同じ座標系のメッシュモデルにおいて面が重ならない、または交差しない、面で被覆された三次元領域の体積を算出する。
【0130】
差異算出部302fが算出する差異情報には、差異が顕著な領域における属性情報、例えば、土砂に含まれる混合物の情報が含まれていてもよい。なお、上記の差異情報は、一例であり、本開示を限定する主旨ではない。
【0131】
差異算出部302fは、例えば、算出した差異情報をユーザーインタフェース400に出力する。これにより、ユーザーは、ユーザーインタフェース400を操作することで、差異情報(つまり、差分の量である土砂21の量および属性)を確認できる。
【0132】
また、例えば、差異算出部302fは、差分が互いに異なる複数の属性情報を含む場合、当該複数の属性情報を種別ごとに分類して出力することで、種別ごとに複数の属性情報をまとめて表示装置(例えば、ユーザーインタフェース400)に表示させる。この場合、例えば、差異算出部302fは、種別ごとに差分に含まれる量を算出する。
【0133】
[処理手順]
<位置合わせ処理>
図8は、実施の形態に係る土砂量計測システム1000が実行する、三次元モデルの位置合わせの処理を示すフローチャートである。図9は、位置合わせ部302eが実行する2つの三次元モデルの位置合わせを説明するための図である。
【0134】
本実施の形態における土砂量算出装置300が備える位置合わせ部302eは、まず、少なくとも2つ以上の三次元モデルに対し、同じ属性情報を有する部分モデル同士、例えば、「家」とラベル付けされた部分モデル同士を対応付ける(S31)。つまり、この場合、例えば、2つの三次元モデルは、いずれも「家」を示す属性情報を有する部分モデルを含む。
【0135】
例えば、図9の(a)に示すように、第1三次元モデル500と第2三次元モデル510との差分を算出するとする。この場合、位置合わせ部302eは、まず。第1三次元モデル500と第2三次元モデル510とのいずれにも含まれる属性情報を有する部分モデルを抽出する。ここでは、位置合わせ部302eは、第1三次元モデル500に含まれ、「家」の属性情報を有する第1部分モデル501と、第2三次元モデル510に含まれ、「家」の属性情報を有する第2部分モデル511と、を抽出したとする。次に、図9の(b)に示すように、位置合わせ部302eは、第1部分モデル501と第2部分モデル511とを対応付ける。具体的には、位置合わせ部302eは、第1部分モデル501に含まれる1つ以上の特徴点と第2部分モデル511に含まれる1つ以上の特徴点とを抽出し、抽出した第1部分モデル501の特徴点と抽出した第2部分モデル511の特徴点とを対応付ける。ここで抽出する特徴点は、任意でよい。例えば、特徴点は、部分モデルにおける角部である。位置合わせ部302eは、第1部分モデル501の特徴点と抽出した第2部分モデル511の特徴点とで同じ特徴点同士を対応付ける。例えば、位置合わせ部302eは、第1部分モデル501の特徴点520と抽出した第2部分モデル511の特徴点521とを対応付ける。
【0136】
再び図8を参照し、ステップS31の次に、位置合わせ部302eは、少なくとも1つ以上の同じ属性情報を有する部分モデル間で最小構成単位、例えば、点群で表現された三次元モデルであれば三次元点を比較し、部分モデル間の各点において互いに最近傍の点を探索し対応付けを行う(S32)。
【0137】
次に、位置合わせ部302eは、ステップS32で対応付けた各点の位置の差が小さくなるように、部分モデルの座標系の位置および姿勢を調整する(S33)。例えば、図9の(c)に示すように、位置合わせ部302eは、対応付けられた特徴点同士が同じ座標に位置するように、第1部分モデル501および第2部分モデル511の少なくとも一方を変化させる。例えば、位置合わせ部302eは、対応付けられた特徴点同士である特徴点520と特徴点521とがそれぞれ同じ座標に位置するように、第1部分モデル501および第2部分モデル511の少なくとも一方を移動させる。また、位置合わせ部302eは、部分モデルの変更にあわせて、三次元モデル全体を変更する。これにより、位置合わせ部302eは、第1三次元モデル500と第2三次元モデル510とにおいて同じ物体を示すモデルが同じ位置および姿勢で位置するように変更する。
【0138】
なお、位置合わせ部302eは、位置および姿勢の調整時に三次元モデルのスケールを調整してもよい。また、スケールは、2つの三次元モデルのどちらか一方に合わせてもよいし、外部から得たスケールの情報をもとに2つの三次元モデルの両方のスケールを調整してもよい。
【0139】
再び図8を参照し、ステップS33の次に、位置合わせ部302eは、ステップS33で実行した部分モデル(例えば、図9に示す第1部分モデル501および第2部分モデル511の少なくとも一方)の位置および姿勢の変化が少ないか否かを判定する(S34)。位置および姿勢を調整時の変化が大きければステップS32へ、変化が小さければステップS35に進む。
【0140】
ここで基準とする変化量は、予め任意に定められてよい。例えば、位置合わせ部302eは、部分モデルの位置および姿勢を調整した際の調整前後の変化量が予め任意に定められた基準変化量以上である場合、次にステップS32を実行する。一方、例えば、位置合わせ部302eは、部分モデルの位置および姿勢を調整した際の調整前後の変化量が上記基準変化量未満である場合、次にステップS35を実行する。変化量とは、例えば、各点の移動量である。部分モデル全体をある基準点に対して回転させる場合、変化量は、当該回転による回転角度でもよい。
【0141】
次に、位置合わせ部302eは、位置および調整の結果から三次元モデルの全体を比較し、全体の差が大きいか否かを判定する(S35)。全体の差が大きければ、ステップS36へ、差が小さければステップS37に進む。
【0142】
ここで基準とする全体の差は、予め任意に定められてよい。例えば、位置合わせ部302eは、三次元モデル全体の位置および姿勢を調整した際の調整前後の差が予め任意に定められた基準差以上である場合、次にステップS36を実行する。一方、例えば、位置合わせ部302eは、三次元モデル全体の位置および姿勢を調整した際の調整前後の変化の差が上記基準差未満である場合、次にステップS37を実行する。ここでの差とは、例えば、2つの三次元モデルにおける各三次元点で座標が一致しない点の量である。
【0143】
次に、位置合わせ部302eは、ステップS31、およびステップS32で取りうる全ての組み合わせが比較されたかを判定する(S36)。全組み合わせが終了していればステップS37に進み、終了していなければステップS31に進む。ここで、例えば、ステップS31に進んだ場合、位置合わせ部302eは、例えば、第1三次元モデル500と第2三次元モデル510とで未だ比較していない部分モデルを抽出して対応付けを行う。
【0144】
なお、図8に示すステップおよびステップの順序はあくまで一例であって、特に限定されない。例えば、ステップS33を終了した後、ステップS36に進む構成であってもよい。また、ステップS34、およびステップS35を含まない構成であってもよい。
【0145】
最後に、位置合わせ部302eは、全体の差が最も小さくなる座標系、および座標変換後の三次元モデルを出力する(S37)。
【0146】
<シーケンス図>
図10は、実施の形態に係る土砂量計測システム1000の処理を示すシーケンス図である。
【0147】
土砂量計測システム1000は、ユーザーの処理指示があったときに、土砂量算出処理を開始する。
【0148】
制御装置200は、撮像装置10a~10n(図10には、撮像装置10aのみを示す)に撮像指示を送り、撮像装置10a~10nから受け取った撮像映像を撮像情報としてユーザーインタフェース400に送り、ユーザーに撮像情報を提示する(S41)。撮像情報は、例えば、空間A1の画像である。
【0149】
ユーザーは、ユーザーインタフェース400を操作することで、撮像情報を確認し、撮像装置10a~10nが所望の空間を適切に撮像できているか、および処理を開始するのに十分な撮像情報であるか等を判断し、処理の指示を行う(S42)。具体的には、ユーザーは、ユーザーインタフェース400を操作することで、上記処理の指示を示す情報をユーザーインタフェース400に制御装置200へ送信させる。
【0150】
ユーザーインタフェース400を介して送信されるユーザー処理指示は、土砂量算出処理を開始するか、撮像装置10a~10nが撮像を継続するかを示す情報または信号である。なお、ユーザー処理指示に、どの撮像情報を土砂量算出処理に用いるかを特定する情報、または出力したい結果を指定する情報が含まれていてもよい。
【0151】
次に、制御装置200は、ユーザーインタフェース400から受信したユーザーの処理指示を示す情報をもとに、土砂量算出処理を実行するか撮像装置10a~10nが撮像を継続するかを判定する(S43)。制御装置200は、土砂量算出処理を開始すると判定した場合(S43でYes)、土砂量算出指令、および撮像映像を土砂量算出装置300に送信する。
【0152】
一方、制御装置200は、撮像装置10a~10nが撮像を継続すると判定した場合(S43でNo)、撮像装置10a~10nに撮像を継続する指示を示す情報を送信し、撮像装置10a~10nに撮像を継続させる。
【0153】
次に、土砂量算出装置300は、制御装置200から受信した土砂量算出指令を示す情報を受信した場合、当該情報をもとに、撮像映像を用いて土砂量算出処理を実行する(S44)。ステップS44は、例えば、図9に示すステップS31~ステップS37の処理である。土砂量算出装置300は、土砂量算出処理を完了した後、処理結果を示す情報を制御装置200に送信する。
【0154】
次に、制御装置200は、土砂量算出装置300から受け取った処理結果をユーザー処理指示に基づいて整理し、ユーザーインタフェース400に差異情報を出力(送信)する(S45)。
【0155】
ユーザーインタフェース400は、制御装置200から受信した差異情報をユーザーに提示する(S46)。ユーザーに提示される差異情報の具体例については、後述する。
【0156】
<処理手順まとめ>
図11は、実施の形態に係る土砂量計測システム1000が実行する、土砂量の算出処理を示すフローチャートである。
【0157】
本実施の形態における土砂量算出装置300における土砂量の算出処理では、まず、画像取得部302aは、複数の撮像装置10a~10nによりそれぞれ撮像された複数の画像を取得する(S51)。
【0158】
次に、三次元再構成部302bは、複数の画像を用いて三次元再構成処理を実行する(S52)。例えば、三次元再構成部302bは、空間A1を示し、且つ、領域ごとに属性情報を有する第1三次元モデルと、空間A1を示し、且つ、領域ごとに属性情報を有する第2三次元モデルであって、第1三次元モデルとは異なる(例えば、時刻が異なる)第2三次元モデルと、を生成する。
【0159】
次に、モデル取得部302dは、三次元再構成部302b、または記憶部301から2つ以上の三次元モデルを取得する(S53)。なお、三次元再構成部302bから一つ以上、記憶部301から一つ以上取得してもよいし、記憶部301から2つ以上取得してもよい。
【0160】
次に、属性情報抽出部302cは、撮像装置10a~10nによりそれぞれ撮像された複数の画像、または三次元モデルから属性情報を抽出する(S54)。なお、ステップS54は、ステップS53の前に行われてもよいし、ステップS53の後に行われてもよいし、またはその両方で行われてもよい。
【0161】
次に、位置合わせ部302eは、2つ以上の三次元モデルと属性情報とから座標を統一する処理を行う(S55)。具体的には、位置合わせ部302eは、第1三次元モデルおよび第2三次元モデルのそれぞれが有する属性情報に基づいて、第1三次元モデルと第2三次元モデルとの位置合わせを行う。例えば、位置合わせ部302eは、第1三次元モデルおよび第2三次元モデルのそれぞれが有する属性情報に基づいて、第1三次元モデルと第2三次元モデルとで同一の点となる対応点を検出し、検出した対応点を用いて、第1三次元モデルと第2三次元モデルとの位置合わせを行う。位置合わせ部302eは、三次元モデルにおいて同じ属性情報を有する領域同士(つまり、互いに同じ属性情報を有する部分モデル同士)を比較することで、効率的に、かつ精度よく位置合わせを行うことができる。
【0162】
次に、差異算出部302fは、位置合わせ部302eにより座標系が統一された(つまり、位置合わせ部302eにより位置合わせされた)2つ以上のモデル間の差異情報を算出する(S56)。差異情報には、例えば、差分の量を示す差分情報と、差分が有する属性情報とが含まれる。また、差異算出部302fは、例えば、算出した差異情報をユーザーインタフェース400(より具体的には、制御装置200を介してユーザーインタフェース400)に出力する。ユーザーインタフェース400は、取得した差異情報をユーザーに提示(より具体的には、表示)する。
【0163】
[出力例]
図12は、実施の形態に係る土砂量計測システム1000が備えるユーザーインタフェース400が2つの三次元モデルを位置合わせする際に提示する画像600の一例を示す図である。
【0164】
ユーザーインタフェース400は、例えば、タッチパネルディスプレイ等を表示装置および入力装置を有するスマートフォン、タブレット端末等のモバイル端末を用いて実現される。
【0165】
なお、図12に示すようなタブレット型のモバイル端末を用いて、位置合わせに用いる属性をユーザーが任意に選択してもよい。
【0166】
例えば、画像600は、三次元画像601と、対象選択部602と、決定部603とを含む。
【0167】
三次元画像601は、災害後の三次元モデルを示す画像である。
【0168】
対象選択部602は、位置合わせ部302eが優先して対応付ける属性情報を有する部分モデルの選択を受け付けるための画像である。ユーザーは、例えば、三次元画像601または対象選択部602のうち、位置合わせ部302eに優先して対応付けさせたい属性情報または当該属性情報を有する部分モデルをタッチする。ユーザーインタフェース400は、例えば、ユーザーにタッチされた属性情報または当該属性情報を有する部分モデルを示す情報を、例えば、図10に示すステップS42の後にユーザー処理指示を示す情報とあわせて制御装置200に送信する。制御装置200は、例えば、ユーザーにタッチされた属性情報または当該属性情報を有する部分モデルを示す情報を、土砂量算出指令および撮像情報とともに土砂量算出装置300に送信する。位置合わせ部302eは、例えば、ステップS31では、まず、ユーザーにタッチされた属性情報または当該属性情報を有する部分モデルを示す情報に基づいて部分モデルを選択して対応付けをする。
【0169】
図13は、実施の形態に係る土砂量計測システム1000が備えるユーザーインタフェース400が提示する差異情報の一例を示す図である。
【0170】
ユーザーインタフェース400は、図13に示すようなタブレット型のモバイル端末を用いて、算出した差分の量の一例である土砂量の結果を表示する。ユーザーインタフェース400は、土砂量の体積以外に推定重量を算出結果として表示してもよい。
【0171】
また、ユーザーインタフェース400は、属性情報抽出部302cで得た属性情報を用いて土砂に該当する部分の混合物を表示してもよい。これにより、土砂および混合物の撤去に必要な情報を効率的に取得できる。また、混合物の表示方法は文字に限定されず、3次元モデルまたは画像上の該当部分の色付けを行うことで実現してもよい。
【0172】
例えば、ユーザーインタフェース400は、画像610を表示することで、ユーザーに差異情報を提示する。例えば、画像610は、三次元画像611と、強調線612と、差分量情報画像613と、属性情報画像614と、を含む。
【0173】
三次元画像611は、災害後の三次元モデルを示す画像である。
【0174】
強調線612は、三次元画像611において、災害前の三次元モデルとの差分の位置、領域等を示すための線である。図13においては、強調線612を説明のために破線の円で示しているが、強調線612は、実線、破線、太線、他部とは異なる色が付されたカラー線、矩形、多角形等、任意でよい。
【0175】
差分量情報画像613は、ユーザーに差分量を提示するための画像である。差分量情報画像613には、例えば、差分の体積および土砂の推定重量を示す情報が含まれる。
【0176】
属性情報画像614は、ユーザーに差分に含まれる部分モデルが有する属性情報を提示するための画像である。例えば、属性情報画像614には、差分に含まれる部分モデルの属性情報として、「土砂」、「流木」、「標識」、「信号機」等を示す情報が含まれる。また、本例では、属性情報画像614には、差分全体における、属性情報に示される部分の体積または重量の割合が含まれる。このように、差分の量は、属性ごとに表示されてもよい。
【0177】
また、本例では、属性情報画像614は、第1種別画像615と、第2種別画像616と、を含む。
【0178】
第1種別画像615は、差分に含まれる複数の属性のうち、第1条件を満たす属性をまとめて提示するための画像である。
【0179】
第2種別画像616は、差分に含まれる複数の属性のうち、第2条件を満たす属性をまとめて提示するための画像である。
【0180】
これらのように、ユーザーインタフェースは、属性の種別ごとにまとめて属性情報および当該属性情報を有する部分モデルの量を表示してもよい。
【0181】
なお、本例では、第1条件は、自然物であり、第2条件は、人工物である。これらの条件は、予め任意に定められてよく、特に限定されない。
【0182】
[効果等]
以上説明したように、本開示の一態様に係る物量算出装置(例えば、土砂量計測システム1000、より具体的には、土砂量算出装置300)は、それぞれが同一の所定の空間(例えば、空間A1)を示し、且つ、領域ごと(例えば、部分モデルごとまたは三次元モデルを構成する三次元点ごと)に属性情報を有する三次元モデルであって、第1三次元モデルと、当該第1三次元モデルとは異なる第2三次元モデルと、を取得する取得部(例えば、モデル取得部302d)と、前記位置合わせ部によって位置合わせされた第1三次元モデルおよび第2三次元モデルのそれぞれが有する属性情報に基づいて、第1三次元モデルと第2三次元モデルとの位置合わせを行う位置合わせ部302eと、第1三次元モデルと第2三次元モデルとの差分の量を算出し、差分が有する属性情報と差分の量とを出力する算出部(例えば、差異算出部302f)と、を備える。
【0183】
従来、例えば、土砂災害現場等で崩落等の影響で所定の空間に流入した土砂量を算出する方法がある。レーザー計測による土砂量の算出では、高精度に量を算出できるが、算出に時間およびコストがかかる問題がある。そこで、本開示に係る物量算出装置では、例えば、所定の空間における、土砂等の量を算出したい物体が存在しない状態での当該所定の空間を示す三次元モデル(第1三次元モデル)と、当該物体が存在する状態での当該所定の空間を示す三次元モデル(第2三次元モデル)とを比較する。これによれば、第1三次元モデルと第2三次元モデルとを適切に位置合わせをすることで、簡便に第1三次元モデルと第2三次元モデルとの差分を算出できる。そのため、本開示に係る物量算出装置によれば、物体の量を算出する処理時間を短縮できる。
【0184】
また、例えば、本開示に係る物量算出装置は、さらに、それぞれが所定の空間を示す複数の画像から第1三次元モデルおよび第2三次元モデルのうち少なくとも一方を生成する生成部(例えば、三次元再構成部302b)を備える。
【0185】
これによれば、画像を生成するためのカメラ等の簡便な構成で、差分の量を算出できる。
【0186】
また、例えば、算出部は、差分が互いに異なる複数の属性情報を含む場合、当該複数の属性情報を種別ごとに分類して出力することで、種別ごとに複数の属性情報をまとめて表示装置(例えば、ユーザーインタフェース400)に表示させる。
【0187】
これによれば、差分に含まれる物体の種別が分類されて表示装置に表示されるため、当該表示装置を確認するユーザーに差分に含まれる種別を理解させやすくできる。
【0188】
また、例えば、算出部は、種別ごとに差分に含まれる量を算出する。
【0189】
これによれば、差分に含まれる物体の種別ごとの量が表示装置に表示されるため、当該表示装置を確認するユーザーに差分に含まれる種別ごとの量を理解させやすくできる。
【0190】
また、例えば、差分の量は、差分の体積および重量の少なくとも一方である。
【0191】
これによれば、本開示に係る物量算出装置は、差分の量および体積の少なくとも一方を算出できる。
【0192】
また、例えば、位置合わせ部は、第1三次元モデルと第2三次元モデルとのそれぞれで共通する属性情報を有する部分モデルを、第1三次元モデルと第2三次元モデルとのそれぞれから抽出し、抽出したそれぞれの部分モデルの対応する位置の座標が一致するように、それぞれの部分モデルを移動させることで位置合わせした後で、それぞれの部分モデルの移動に合わせて第1三次元モデルと第2三次元モデルとを移動させることで、第1三次元モデルと第2三次元モデルとを位置合わせする。
【0193】
これによれば、本開示に係る物量算出装置は、三次元モデルの形状を比較することによる位置合わせ等の処理時間がかかる処理をせずに第1三次元モデルと第2三次元モデルとの位置合わせをできる。そのため、これによれば、本開示に係る物量算出装置の処理時間がさらに短縮され得る。
【0194】
また、本開示の一態様に係る物量算出方法は、それぞれが同一の所定の空間を示し、且つ、領域ごとに属性情報を有する三次元モデルであって、第1三次元モデルと、第1三次元モデルとは異なる第2三次元モデルと、を取得する取得ステップ(例えば、ステップS53)と、第1三次元モデルおよび第2三次元モデルそれぞれが有する属性情報に基づいて、第1三次元モデルと第2三次元モデルとの位置合わせを行う位置合わせステップ(例えば、ステップS55)と、第1三次元モデルと第2三次元モデルとの差分の量を算出し、差分が有する属性情報と差分の量を示す差分情報とを出力する算出ステップ(例えば、ステップS56)と、を含む。
【0195】
これによれば、第1三次元モデルと第2三次元モデルとを適切に位置合わせをすることで、簡便に第1三次元モデルと第2三次元モデルとの差分を算出できる。そのため、本開示に係る物量算出方法によれば、物体の量を算出する処理時間を短縮できる。
【0196】
また、例えば、上記取得ステップでは、土砂が流入される前の所定の空間を示す第1三次元モデルと、当該土砂が流入された後の所定の空間を示す第2三次元モデルと、を取得し、上記算出ステップでは、前記差分の量として前記土砂の量を算出する。
【0197】
これによれば、所定の空間に土砂が流入されるような災害前後の当該所定の空間を示す三次元モデルを適切に位置合わせをすることで、簡便に差分となる土砂の量を算出できる。そのため、本開示に係る物量算出方法によれば、土砂の量を算出する処理時間を短縮できる。
【0198】
(その他の実施の形態)
以上、本開示に係る物量算出装置等について、上記実施の形態に基づいて説明したが、本開示は、上記実施の形態に限定されるものではない。
【0199】
例えば、上記実施の形態では、物量算出装置等が備える処理部は、CPUと制御プログラムとによって実現されると説明した。例えば、当該処理部の構成要素は、それぞれ1つまたは複数の電子回路で構成されてもよい。1つまたは複数の電子回路は、それぞれ、汎用的な回路でもよいし、専用の回路でもよい。1つまたは複数の電子回路には、例えば、半導体装置、IC(Integrated Circuit)、または、LSI(Large Scale Integration)等が含まれてもよい。ICまたはLSIは、1つのチップに集積されてもよく、複数のチップに集積されてもよい。ここでは、ICまたはLSIと呼んでいるが、集積の度合いによって呼び方が変わり、システムLSI、VLSI(Very Large Scale Integration)、または、ULSI(Ultra Large Scale Integration)と呼ばれるかもしれない。また、LSIの製造後にプログラムされるFPGA(Field Programmable Gate Array)も同じ目的で使うことができる。
【0200】
また、本開示の全般的または具体的な態様は、システム、装置、方法、集積回路、または、コンピュータプログラムで実現されてもよい。あるいは、当該コンピュータプログラムが記憶された光学ディスク、HDD(Hard Disk Drive)もしくは半導体メモリ等のコンピュータ読み取り可能な非一時的記録媒体で実現されてもよい。また、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラムおよび記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
【0201】
また、ブロック図における機能ブロックの分割は一例であり、複数の機能ブロックを一つの機能ブロックとして実現したり、一つの機能ブロックを複数に分割したり、一部の機能を他の機能ブロックに移してもよい。また、類似する機能を有する複数の機能ブロックの機能を単一のハードウェアまたはソフトウェアが並列又は時分割に処理してもよい。
【0202】
また、フローチャートにおける各ステップが実行される順序は、本開示を具体的に説明するために例示するためのものであり、上記以外の順序であってもよい。また、上記ステップの一部が、他のステップと同時(並列)に実行されてもよい。
【0203】
その他、上記実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態や、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で実施の形態における構成要素および機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本開示に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0204】
本開示は、三次元モデルから差分を算出する物量算出装置に適用でき、例えば、物体の量を算出する装置等に適用できる。
【符号の説明】
【0205】
10a、10b、10n 撮像装置
20 道路
21 土砂
22 三次元モデル
100 カメラ
101、201、301 記憶部
102、202 制御部
103 光学系
104 イメージセンサ
110 架台
200 制御装置
202a 撮像制御部
202b ユーザー指示取得部
202c 土砂量算出指令部
203 タイマー
300 土砂量算出装置
302 処理部
302a 画像取得部
302b 三次元再構成部
302c 属性情報抽出部
302d モデル取得部
302e 位置合わせ部
302f 差異算出部
400 ユーザーインタフェース
500 第1三次元モデル
501 第1部分モデル
510 第2三次元モデル
511 第2部分モデル
520、521 特徴点
600、610 画像
601、611 三次元画像
602 対象選択部
603 決定部
612 強調線
613 差分量情報画像
614 属性情報画像
615 第1種別画像
616 第2種別画像
1000 土砂量計測システム
A1 三次元空間(空間)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13