(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-21
(45)【発行日】2024-03-29
(54)【発明の名称】画像表示装置
(51)【国際特許分類】
H04N 5/64 20060101AFI20240322BHJP
【FI】
H04N5/64 551G
(21)【出願番号】P 2021516115
(86)(22)【出願日】2020-04-20
(86)【国際出願番号】 JP2020017119
(87)【国際公開番号】W WO2020218266
(87)【国際公開日】2020-10-29
【審査請求日】2022-11-22
(31)【優先権主張番号】P 2019081220
(32)【優先日】2019-04-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】山下 修司
(72)【発明者】
【氏名】奥田 一郎
(72)【発明者】
【氏名】松川 智治
【審査官】鈴木 圭一郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-267977(JP,A)
【文献】国際公開第2018/139111(WO,A1)
【文献】特開2013-062785(JP,A)
【文献】特開2018-040852(JP,A)
【文献】国際公開第2016/092801(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 5/64
H01Q 1/12-1/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
前面に画像を表示する表示パネルと、
前記表示パネルの前記前面よりも前方に位置するように設けられるアンテナ部と、
前記アンテナ部を収容する非導電性部材と、
前記表示パネルよりも後方に設けられかつ前記アンテナ部と通信可能な通信基板と、を備え、
前記通信基板は、前記通信基板の厚み方向が前後方向と交差する姿勢で配置されている、
画像表示装置。
【請求項2】
前記アンテナ部は、前後方向において、前記表示パネルと重なるように設けられる、
請求項1に記載の画像表示装置。
【請求項3】
前記非導電性部材は、前記表示パネルの下縁部に沿って設けられかつ前記表示パネルよりも前方に突出するように設けられる、
請求項1または2に記載の画像表示装置。
【請求項4】
前記非導電性部材は、前記表示パネルの上縁部に沿って設けられかつ前記表示パネルよりも前方に突出するように設けられる、
請求項1または2に記載の画像表示装置。
【請求項5】
前記非導電性部材は、下方に開口しかつ前記アンテナ部を収容する収容部と、前記収容部に設けられる蓋部とを有する、
請求項1から
4のいずれか一項に記載の画像表示装置。
【請求項6】
さらに、前記表示パネルの縁部に沿って設けられる筐体を備え、
前記非導電性部材は、前記筐体の一部を構成している、
請求項1から
5のいずれか一項に記載の画像表示装置。
【請求項7】
前面に画像を表示する表示パネルと、
前記表示パネルの前記前面よりも前方に位置するように設けられるアンテナ部と、
前記アンテナ部を収容する非導電性部材と
、を備え、
前記非導電性部材は、下方に開口しかつ前記アンテナ部を収容する収容部と、前記収容部に設けられる蓋部とを有する、
画像表示装置。
【請求項8】
前記アンテナ部は、前記蓋部に支持されている、
請求項7に記載の画像表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、アンテナ部を備える画像表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、スロットアンテナを備える液晶テレビを開示する。この液晶テレビでは、液晶パネルの上方において、スロットアンテナが導電性部材に収容されており、外部の質問機から発信された電波をスロットアンテナで受信する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、受信性能を向上できる画像表示装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示における画像表示装置は、前面に画像を表示する表示パネルと、前記表示パネルの前記前面よりも前方に位置するように設けられるアンテナ部と、前記アンテナ部を収容する非導電性部材と、を備える。
【発明の効果】
【0006】
本開示における画像表示装置によれば、受信性能を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、実施の形態1に係る画像表示装置の、第一透過モードで動作している状態を示す外観斜視図である。
【
図2】
図2は、実施の形態1に係る画像表示装置の、画像表示モードで動作している状態を示す外観斜視図である。
【
図3】
図3は、実施の形態1に係る画像表示装置の、第二透過モードで動作している状態を示す外観斜視図である。
【
図4】
図4は、実施の形態1に係る画像表示装置の、下板部近傍を示す分解斜視図である。
【
図5】
図5は、実施の形態1に係る画像表示装置の、制御部を示す平面図である。
【
図7】
図7は、実施の形態2に係る画像表示装置の、第一透過モードで動作している状態を示す外観斜視図である。
【
図8】
図8は、実施の形態2に係る画像表示装置の、上板部近傍を示す分解斜視図である。
【
図9】
図9は、実施の形態2に係る画像表示装置の、制御部を示す平面図である。
【
図11】
図11は、他の実施の形態に係る画像表示装置を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本願発明者は、従来の液晶テレビに関し、以下の問題が生じることを見出した。上記従来の液晶テレビでは、液晶パネルの上方において、スロットアンテナが導電性部材に収容されているため、受信性能が低下してしまう。
【0009】
本開示は、このような知見に基づいてなされたものであり、本願発明者が鋭意検討した結果、受信性能を向上できる画像表示装置の構造についての着想を得た。
【0010】
以下、適宜図面を参照しながら実施の形態を説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。たとえば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。また、各図は、必ずしも厳密に図示したものではない。
【0011】
なお、本願発明者は、当業者が本開示を十分に理解するために添付図面および以下の説明を提供するのであって、これらによって請求の範囲に記載の主題を限定することを意図するものではない。
【0012】
また、以下の実施の形態において、説明の便宜上、上下方向をZ軸方向と一致させ、前後方向をY軸方向と一致させ、左右方向をX軸方向と一致させているが、これら対応付けは、本開示に係る画像表示装置の製造時または使用時における姿勢を限定するものではない。また、以下の説明において、たとえば、X軸プラス側とは、X軸の矢印方向側を示し、X軸マイナス側とは、X軸プラス側とは反対側を示す。Y軸方向およびZ軸方向についても同様である。
【0013】
さらに、以下の実施の形態において、平行および直交等の、2つの方向の相対的な姿勢を示す表現が用いられる場合があるが、これらの表現は、厳密にはその姿勢ではない場合も含む。たとえば、2つの方向が平行である、という場合、特に断りのない限り、当該2つの方向が完全に平行であることを意味するだけでなく、実質的に平行であること、すなわち、たとえば数%程度の差異を含むことも意味する。
【0014】
以下、図面を用いて実施の形態について説明する。
【0015】
<実施の形態1>
まず、実施の形態1について説明する。
【0016】
図1は、実施の形態1に係る画像表示装置10の、第一透過モードで動作している状態を示す外観斜視図である。
図2は、実施の形態1に係る画像表示装置10の、画像表示モードで動作している状態を示す外観斜視図である。
図3は、実施の形態1に係る画像表示装置10の、第二透過モードで動作している状態を示す外観斜視図である。
図4は、実施の形態1に係る画像表示装置10の、下板部24近傍を示す分解斜視図である。
図5は、実施の形態1に係る画像表示装置10の、制御部16を示す平面図である。
図6は、
図5のVI-VI線断面図である。なお、図面が煩雑になることを避けるため、
図4ではソース基板52等の図示を省略する。また、図面をわかりやすくするため、
図5では、カバー部34等の図示を省略し、表示パネル12の下縁部を二点鎖線で示す。
【0017】
[画像表示装置の構成]
図1および
図4に示すように、本実施の形態に係る画像表示装置10は、表示パネル12、筐体14、および制御部16を備える。画像表示装置10は、表示パネル12の下縁部近傍に設けられるアンテナ部54(後述)等によって、Wifi(登録商標)等に接続可能な画像表示装置である。以下、各構成について説明する。
【0018】
(表示パネル)
図1から
図3に示すように、表示パネル12は、前面13に画像を表示する画像表示モードと、前方から見た場合に、表示パネル12の背面側の物体が視認可能な透過状態となる透過モードとの切り替えが可能なディスプレイ装置であり、前方から見たとき矩形状である。具体的には、
図6に示すように、表示パネル12は、有機EL(electro-luminescence)パネルであって、前面ガラス板18と、前面ガラス板18の背面側に配置されるOLED(organic light-emitting diode)パネル20とを有する。本実施の形態において、OLEDパネル20では、EL層と、EL層を挟む透明電極とを有する有機EL素子がマトリクス状に配列されており、画像(背景画像を含む)を表示しない領域は、一般的に透明と呼ばれる程度の光透過性を有している。表示パネル12に表示される「画像」は、静止画および動画のいずれであってもよく、静止画および動画の両方を含む映像コンテンツであってもよい。
【0019】
上記の表示パネル12では、たとえば、
図1に示すように、表示パネル12に画像を表示させないことで、表示パネル12の背面側の物体200が視認可能な第一透過モードとなる。また、
図2に示すように、表示パネル12の画像表示領域の全域に画像202を表示させることで、画像表示モードとなる。さらに、
図3に示すように、表示パネル12の画像表示領域の一部に部分画像204を表示させることによって、部分画像204を表示させつつ表示パネル12の背面側の物体200が視認可能な第二透過モードとなる。また、表示パネル12は、上記説明された構成要素の他、たとえば、反射防止フィルムおよび調光パネル等の光学部材を有していてもよい。また、本実施の形態では、表示パネル12の前面13は、前面ガラス板18の前面である。なお、表示パネル12は、前面ガラス板18を有していなくてもよく、表示パネル12が前面ガラス板18を有していない場合、表示パネル12の前面は、OLEDパネル20の前面である。
【0020】
(筐体)
図1に示すように、筐体14は、表示パネル12の縁部に沿って設けられ、表示パネル12を支持する。筐体14は、表示パネル12がやや後方に傾くように、表示パネル12を支持する。筐体14は、表示パネル12の上縁部に沿って設けられる上板部22、下縁部に沿って設けられる下板部24、左縁部に沿って設けられる左板部26、および右縁部に沿って設けられる右板部28を有する。上板部22、下板部24、左板部26および右板部28はそれぞれ、板状である。上板部22、下板部24、左板部26および右板部28はそれぞれ、表示パネル12よりも前方および後方に突出する。上板部22および下板部24は、相互に平行に設けられ、左板部26および右板部28は、相互に平行に設けられる。
【0021】
上板部22は、上方に凹む溝部(図示せず)を有し、当該溝部には、表示パネル12の上縁部が収容される。
【0022】
図4から
図6に示すように、下板部24は、底板部30、前壁部32、およびカバー部34を有する。底板部30は、左右方向に延び、底板部30上には、制御部16等が設けられる。底板部30は、底板部30の前縁部を切り欠く切り欠き部31を有する。切り欠き部31は、底板部30の前縁部において後方に凹み、かつ左右方向に延びる。切り欠き部31は、左右方向における底板部30の中央部よりも右方に形成されている。切り欠き部31には、蓋部40(後述)が配置される。前壁部32は、本体部35、収容部36、切り欠き部38、および蓋部40を有する。本体部35は、表示パネル12の下縁部よりも前方において、表示パネル12の下縁部に沿って左右方向に延び、底板部30の前縁部に固定される。このように、本体部35は、表示パネル12の下縁部よりも前方に突出するように設けられる。本体部35は、表示パネル12の前面13よりも前方に位置しており、前後方向において表示パネル12と重なっている。具体的には、本体部35は、表示パネル12の前面13の下縁部よりも前方に位置しており、前後方向において表示パネル12の下縁部と重なっている。収容部36は、アンテナ部54を収容する部分であり、左右方向における本体部35の中央部よりも右方に形成されている。収容部36は、本体部35の下面において開口すなわち下方に開口し、上方に凹む。収容部36は、切り欠き部31の上方に位置し、切り欠き部31に沿って左右方向に延びる。収容部36は、左右方向における表示パネル12の中央部よりも右方に位置している。また、収容部36は、表示パネル12の前面13よりも前方に位置しており、前後方向において表示パネル12と重なっている。具体的には、収容部36は、表示パネル12の前面13の下縁部よりも前方に位置しており、前後方向において表示パネル12の下縁部と重なっている。切り欠き部38は、アンテナ部54と通信基板56(後述)とを繋ぐ電線72(後述)が通る部分であり、収容部36の後方において、本体部35を切り欠くように形成されている。蓋部40は、アンテナ部54を下方から支持する部材である。蓋部40は、左右方向に延び、収容部36の開口42を塞ぐように、収容部36に設けられる。蓋部40は、2つのボルト44によって、本体部35に取り付けられる。カバー部34は、制御部16等を覆うように、底板部30の上方に設けられる。カバー部34の前縁部は、前後方向において前壁部32と間隔を空けて設けられる。下板部24は、前壁部32とカバー部34の前縁部との間に表示パネル12の下縁部を挿入することによって、表示パネル12の下縁部を収容する。カバー部34の上面には、物体200(写真、人形、花瓶、玩具、模型、または絵画等)を載置可能であり、表示パネル12が透過モードで動作する場合、ユーザは、表示パネル12を介して、カバー部34の上面に載置された物体200を視認することができる。なお、下板部24に収容される要素は、制御部16には限定されず、たとえば、図示しないスピーカ装置、排気ファン、テレビチューナおよび光ディスクプレーヤ等が収容されてもよい。
【0023】
左板部26は、上板部22の左縁部と下板部24の左縁部とを連結する。左板部26は、左方に凹む溝部(図示せず)を有し、当該溝部には、表示パネル12の左縁部が収容される。右板部28は、上板部22の右縁部と下板部24の右縁部とを連結する。右板部28は、右方に凹む溝部29を有し、溝部29には、表示パネル12の右縁部が収容される。
【0024】
上板部22、左板部26、右板部28、本体部35、および蓋部40の材料としては、たとえば、木材または樹脂等の非導電性材料を用いることができる。底板部30およびカバー部34の材料としては、たとえば、金属等の導電性材料を用いることができる。本実施の形態では、前壁部32が非導電性部材に相当し、前壁部32は、筐体14の一部を構成している。
【0025】
(制御部)
図4から
図6に示すように、制御部16は、下板部24に収容され、表示パネル12の動作を制御する。制御部16は、電源基板46、信号基板48、T-con基板50、2つのソース基板52、アンテナ部54、および通信基板56を有する。アンテナ部54は、表示パネル12の下縁部よりも前方に設けられ、電源基板46、信号基板48、T-con基板50、2つのソース基板52、および通信基板56は、表示パネル12の下縁部よりも後方に設けられる。具体的には、アンテナ部54は、表示パネル12の前面13の下縁部よりも前方に設けられ、電源基板46、信号基板48、T-con基板50、2つのソース基板52、および通信基板56は、表示パネル12の前面13の下縁部よりも後方に設けられる。
【0026】
電源基板46は、電線58を介して外部電源(図示せず)に接続され、電線60を介して信号基板48に接続され、電線62を介してT-con基板50に接続される。電源基板46は、外部電源からの電力を、信号基板48およびT-con基板50等に供給する。電源基板46は、左右方向における底板部30の中央部よりも右方に設けられる。
【0027】
信号基板48は、電線64を介して通信基板56に接続され、通信基板56に対して信号の送受信を行う。また、信号基板48は、電線66を介してT-con基板50に接続され、T-con基板50に対して信号の送受信を行う。信号基板48は、左右方向における底板部30の中央部よりも左方に設けられる。
【0028】
T-con基板50は、いわゆるタイミングコントローラを構成しており、フレキシブルプリント基板68を介して2つのソース基板52に接続される。T-con基板50は、表示パネル12に表示される画像データを表示パネル12が有する各画素に分配するためのクロック信号等の各種信号を生成し、当該信号をソース基板52に供給する。T-con基板50は、左右方向における底板部30の中央部に設けられる。
【0029】
2つのソース基板52は、フレキシブルプリント基板70を介して表示パネル12に接続され、T-con基板50からの信号を表示パネル12に供給する。2つのソース基板52は、相互に隣り合い、電源基板46、信号基板48、T-con基板50、および通信基板56よりも前方に設けられる。
【0030】
アンテナ部54は、電線72を介して通信基板56に接続される。アンテナ部54は、たとえば、通信基板56と他の通信機器(図示せず)とがWifi(登録商標)規格に従った通信を行うための電波を送受信する。アンテナ部54は、左右方向に延びかつ板状である。アンテナ部54は、上下方向に立設する姿勢で収容部36に収容され、表示パネル12の下縁部近傍に設けられる。アンテナ部54は、左右方向における本体部35の中央部および左右方向における表示パネル12の中央部よりも右方に位置している。また、アンテナ部54は、表示パネル12の前面13よりも前方に位置し、前後方向において表示パネル12と重なっている。具体的には、アンテナ部54は、表示パネル12の前面13の下縁部よりも前方に位置し、前後方向において表示パネル12の下縁部と重なっている。また、アンテナ部54の全体が、表示パネル12の前面13の下縁部よりも前方に位置している。アンテナ部54は、蓋部40によって下方から支持される。アンテナ部54の前方、上方、左方、および右方は、本体部35に覆われており、アンテナ部54の下方は、蓋部40に覆われている。なお、アンテナ部54の全体が、表示パネル12の前面13の下縁部よりも前方に位置していなくてもよく、たとえば、アンテナ部54の少なくとも一部が、表示パネル12の前面13の下縁部よりも前方に位置していてもよい。アンテナ部54の材料としては、たとえば、金属等の導電性材料を用いることができる。具体的には、たとえば、アンテナ部54は、金属部材と、金属部材の少なくとも一部を覆う樹脂とで構成されている。
【0031】
通信基板56は、アンテナ部54を介して他の通信機器と通信を行う。また、通信基板56は、信号基板48に対して信号の送受信を行う。通信基板56は、左右方向において、底板部30の中央部よりも右方であって、底板部30の右縁部よりもやや中央よりに設けられる。通信基板56は、左右方向において、表示パネル12の中央部およびアンテナ部54よりも右方に位置する。
【0032】
[効果等]
以上説明したように、本実施の形態に係る画像表示装置10は、前面13に画像を表示する表示パネル12と、表示パネル12の前面13よりも前方に位置するように設けられるアンテナ部54と、アンテナ部54を収容する前壁部32と、を備える。
【0033】
この構成によれば、表示パネル12の前面13よりも前方に位置するようにアンテナ部54が設けられる。これによって、たとえば、画像表示装置10を壁際に設置したとしても、アンテナ部54が受信する電波が壁に遮られることを抑制でき、アンテナ部54の受信性能を向上できる。また、アンテナ部54は、前壁部32の収容部36に収容される。これによって、アンテナ部54が導電性部材に収容される場合に比べて、アンテナ部54の感度が低下することを抑制でき、アンテナ部54の受信性能を向上できる。また、これによって、アンテナ部54がユーザから見えることを抑制し、画像表示装置10の見栄えを良くすることができるとともに、ユーザが直接的にアンテナ部54に触れることを抑制し、安全性を向上できる。
【0034】
また、本実施の形態に係る画像表示装置10は、さらに、表示パネル12よりも後方に設けられかつアンテナ部54と通信可能な通信基板56を備える。
【0035】
この構成によれば、表示パネル12の後方に通信基板56が設けられるので、表示パネル12の前方にいるユーザから通信基板56が見えることを抑制しつつ、アンテナ部54の受信性能を向上できる。
【0036】
また、本実施の形態に係る画像表示装置10において、前壁部32は、下方に開口しかつアンテナ部54を収容する収容部36と、収容部36に設けられる蓋部40とを有する。
【0037】
この構成によれば、収容部36が下方に開口するので、表示パネル12の前方にいるユーザからアンテナ部54および蓋部40が見えることを抑制しつつ、アンテナ部54の受信性能を向上できる。
【0038】
また、本実施の形態に係る画像表示装置10は、さらに、表示パネル12の縁部に沿って設けられる筐体14を備え、前壁部32は、筐体14の一部を構成している。
【0039】
この構成によれば、前壁部32が筐体14の一部を構成しているので、別途アンテナ部54を収容する部材を設けることなく、アンテナ部54を収容できる。
【0040】
上述した作用効果については、後述する実施の形態2においても同様に奏することができる。
【0041】
また、本実施の形態に係る画像表示装置10において、アンテナ部54は、前後方向において、表示パネル12と重なるように設けられる。
【0042】
この構成によれば、アンテナ部54が前後方向において表示パネル12と重ならない場合に比べて、画像表示装置10が上下方向および左右方向に大きくなることを抑制しつつ、アンテナ部54の受信性能を向上できる。
【0043】
また、本実施の形態に係る画像表示装置10において、前壁部32は、表示パネル12の下縁部に沿って設けられかつ表示パネル12よりも前方に突出するように設けられる。
【0044】
この構成によれば、アンテナ部54を表示パネル12の下縁部近傍に配置できるので、表示パネル12に表示された画像がアンテナ部54と重なり当該画像が見にくくなることを抑制しつつ、アンテナ部54の受信性能を向上できる。
【0045】
<実施の形態2>
ついで、実施の形態2について説明する。
【0046】
図7は、実施の形態2に係る画像表示装置10aの、第一透過モードで動作している状態を示す外観斜視図である。
図8は、実施の形態2に係る画像表示装置10aの、上板部22a近傍を示す分解斜視図である。
図9は、実施の形態2に係る画像表示装置10aの、制御部16aを示す平面図である。
図10は、
図9のX-X線断面図である。なお、図面が煩雑になることを避けるため、
図8ではソース基板52a等の図示を省略する。また、図面をわかりやすくするため、
図9では、上板部22a等の図示を省略し、表示パネル12の上縁部を二点鎖線で示す。
【0047】
[画像表示装置の構成]
図7から
図10に示すように、本実施の形態に係る画像表示装置10aは、表示パネル12、筐体14a、制御部16a、および照明部74を備える。画像表示装置10aは、表示パネル12の上縁部近傍に設けられるアンテナ部54等によって、Wifi(登録商標)等に接続可能な画像表示装置である。以下、各構成について説明する。なお、以下の説明においては、実施の形態1に係る画像表示装置10との相違点を中心に説明する。表示パネル12については、上述した実施の形態1における説明を参照することによって、詳細な説明を省略する。
【0048】
(筐体)
図7に示すように、筐体14aは、上板部22a、下板部24a、左板部26、および右板部28を有する。上板部22a、下板部24a、左板部26および右板部28はそれぞれ、表示パネル12よりも前方および後方に突出する。
【0049】
図8から
図10に示すように、上板部22aは、本体部75および溝部76を有する。本体部75は、左右方向に延び、表示パネル12の上縁部に沿って設けられる。本体部75は、表示パネル12よりも前方および後方に突出する。本体部75は、表示パネル12の前面13よりも前方に位置しており、前後方向において表示パネル12と重なっている。具体的には、本体部75は、表示パネル12の前面13の上縁部よりも前方に位置しており、前後方向において表示パネル12の上縁部と重なっている。溝部76は、表示パネル12の上縁部が収容される溝部であり、本体部75の下面において開口すなわち下方に開口し、上方に凹む。溝部76は、表示パネル12の上縁部に沿って左右方向に延びる。また、上板部22aは、収容部36a、溝部38a、および蓋部40を有する。収容部36aは、アンテナ部54を収容する部分であり、左右方向における本体部75の中央部よりも右方に形成されている。収容部36aは、本体部75の下面において開口すなわち下方に開口し、上方に凹む。収容部36aは、左右方向に延びる。収容部36aは、左右方向における表示パネル12の中央部よりも右方に位置している。また、収容部36aは、表示パネル12の前面13よりも前方に位置しており、前後方向において表示パネル12と重なっている。具体的には、収容部36aは、表示パネル12の前面13の上縁部よりも前方に位置しており、前後方向において表示パネル12の上縁部と重なっている。溝部38aは、アンテナ部54と通信基板56a(後述)とを繋ぐ電線72a(後述)が通る部分である。溝部38aは、本体部75の下面において開口すなわち下方に開口し、上方に凹む。溝部38aは、収容部36aと連通し、収容部36aから後方に延びた後、右方に延びる。蓋部40は、アンテナ部54を下方から支持する部材であり、収容部36a内に設けられる。蓋部40は、2つのボルト44によって、本体部75に取り付けられる。
【0050】
下板部24aは、下方に凹む溝部(図示せず)を有し、当該溝部には、表示パネル12の下縁部が収容される。左板部26および右板部28については、上述した実施の形態1における説明を参照することによって、詳細な説明を省略する。
【0051】
本体部75、蓋部40、下板部24a、左板部26、および右板部28の材料としては、たとえば、木材または樹脂等の非導電性材料を用いることができる。本実施の形態では、上板部22aが非導電性部材に相当し、上板部22aは、筐体14の一部を構成している。
【0052】
(制御部)
図8から
図10に示すように、制御部16aは、上板部22aの下面側において上板部22aに支持され、表示パネル12および照明部74の動作を制御する。制御部16aは、電源基板46a、信号基板48a、T-con基板50a、2つのソース基板52a、アンテナ部54、通信基板56a、および支持部77を有する。電源基板46a、信号基板48a、T-con基板50a、および2つのソース基板52aについては、上述した実施の形態1における説明を参照することによって、詳細な説明を省略する。
【0053】
アンテナ部54は、電線72aを介して通信基板56aに接続される。アンテナ部54は、たとえば、通信基板56aと他の通信機器(図示せず)とがWifi(登録商標)規格に従った通信を行うための電波を送受信する。アンテナ部54は、左右方向に延びかつ板状である。アンテナ部54は、上下方向に立設する姿勢で収容部36aに収容され、表示パネル12の上縁部近傍に設けられる。アンテナ部54は、左右方向における本体部75の中央部および左右方向における表示パネル12の中央部よりも右方に位置している。また、アンテナ部54は、表示パネル12の前面13よりも前方に位置している。具体的には、アンテナ部54は、表示パネル12の前面13の上縁部よりも前方に位置している。また、アンテナ部54の全体が、表示パネル12の前面13の上縁部よりも前方に位置している。アンテナ部54は、蓋部40によって下方から支持される。アンテナ部54の前方、上方、左方、および右方は、本体部75に覆われており、アンテナ部54の下方は、蓋部40に覆われている。本実施の形態のように、表示パネル12が後方に傾くように支持されている場合であって、アンテナ部54が表示パネル12の上縁部近傍に設けられる場合、アンテナ部54は、表示パネル12の前面13の少なくとも上縁部よりも前方に位置していればよく、表示パネル12の前面13の下縁部よりも後方に位置していてもよい。また、アンテナ部54の全体が、表示パネル12の前面13の上縁部よりも前方に位置していなくてもよく、たとえば、アンテナ部54の少なくとも一部が、表示パネル12の前面13の上縁部よりも前方に位置していてもよい。また、アンテナ部54は、前後方向において表示パネル12と重なっていてもよい。具体的には、アンテナ部54は、前後方向において表示パネル12の上縁部と重なっていてもよい。アンテナ部54の材料としては、たとえば、金属等の導電性材料を用いることができる。具体的には、たとえば、アンテナ部54は、金属部材と、金属部材の少なくとも一部を覆う樹脂とで構成されている。
【0054】
通信基板56aは、アンテナ部54を介して他の通信機器と通信を行う。また、通信基板56aは、信号基板48aに対して信号の送受信を行う。通信基板56aは、左右方向において、支持部77の中央部よりも右方であって、支持部77の右縁部よりもやや中央よりに設けられる。通信基板56aは、左右方向において、表示パネル12の中央部およびアンテナ部54よりも右方に位置する。
【0055】
支持部77は、左右方向に延び、上板部22aの下面に取り付けられるとともに、左板部26と右板部28とを連結する。支持部77は、底部78、左側部80、右側部82、および背部84を有する。底部78は、左右方向に延びかつ板状であり、上板部22aと略平行に設けられる。底部78の前縁部は、断面略逆U字状に形成されており(
図10参照)、底部78の前縁部には、照明部74が支持される。左側部80は、底部78の左縁部から上方に突出し、左板部26に沿って設けられる。左側部80は、ボルト等(図示せず)によって、左板部26に固定される。右側部82は、底部78の右縁部から上方に突出し、右板部28に沿って設けられる。右側部82は、ボルト等(図示せず)によって、右板部28に固定される。左側部80が左板部26に固定され、右側部82が右板部28に固定されることによって、支持部77は、左板部26と右板部28とを連結する。背部84は、底部78の後縁部から上方に突出する。背部84の上縁部は、後方に折り返され、ボルト(図示せず)によって上板部22aに固定される。支持部77の材料としては、たとえば、金属等の導電性材料を用いることができる。
【0056】
(照明部)
図10に示すように、照明部74は、支持部77の底部78の前縁部に設けられ、電線(図示せず)を介して制御部16aに電気的に接続される。上述したように、表示パネル12は、有機EL素子および液晶等の微細な遮光要素が分散して配置されているため、透過モードで動作する場合であっても、光の透過率は、たとえば40%~50%程度である。したがって、たとえば、比較的に暗い環境に画像表示装置10aが置かれた場合、ユーザは、表示パネル12の背面側にある物体200を明瞭に視認できない可能性がある。しかしながら、照明部74から出射される光により、表示パネル12の背面側にある物体200を照らすことができる。
【0057】
照明部74は、底部78の前縁部に埋設されており、これにより、表示パネル12が透過状態になった場合において、照明部74から出射された光が、画像表示装置10aの前方に存在するユーザの目に直接的に入ることを抑制できる。照明部74は、左右方向に長尺状の基板86と、基板86に実装されかつ光を放出する複数のLED素子88とを有する。上記のように構成された照明部74により、下板部24aに載置された1以上の物体200が照らされる。
【0058】
[効果等]
以上説明したように、本実施の形態に係る画像表示装置10aにおいて、上板部22aは、表示パネル12の上縁部に沿って設けられかつ表示パネル12よりも前方に突出するように設けられる。
【0059】
この構成によれば、アンテナ部54を表示パネル12の上縁部近傍に配置できるので、表示パネル12に表示された画像がアンテナ部54と重なり当該画像が見にくくなることを抑制しつつ、アンテナ部54の受信性能を向上できる。
【0060】
<他の実施の形態等>
以上のように、本出願において開示する技術の例示として、実施の形態を説明した。しかしながら、本開示における技術は、これらに限定されず、適宜、変更、置き換え、付加、省略等を行った実施の形態にも適用可能である。また、上記実施の形態で説明した各構成要素を組み合わせて、新たな実施の形態とすることも可能である。そこで、以下、他の実施の形態を例示する。
【0061】
上述した実施の形態では、表示パネル12が、前面13に画像を表示する画像表示モードと、前方から見た場合に、表示パネル12の背面側の物体が視認可能な透過状態となる透過モードとの切り替えが可能である場合について説明したが、これに限定されない。たとえば、表示パネル12bは、画像表示モードと透過モードとの切り替えができない液晶パネル等であってもよい。この場合、アンテナ部54は、表示パネル12bの前面よりも前方に位置するように設けられていればよい(
図11参照)。
【0062】
上述した実施の形態では、アンテナ部54が、表示パネル12の下縁部に沿って設けられる下板部24に収容される場合、および表示パネル12の上縁部に沿って設けられる上板部22aに収容される場合について説明したが、これに限定されない。たとえば、アンテナ部54は、表示パネル12の左縁部に沿って設けられる左板部26に収容されてもよく、表示パネル12の右縁部に沿って設けられる右板部28に収容されてもよい。
【0063】
上述した実施の形態では、アンテナ部54および収容部36が、左右方向における表示パネル12の中央部よりも右方に位置する場合、ならびにアンテナ部54および収容部36aが、左右方向における表示パネル12の中央部よりも右方に位置する場合について説明したが、これに限定されない。たとえば、アンテナ部および収容部は、左右方向における表示パネル12の中央部に位置してもよいし、左右方向における表示パネル12の中央部よりも左方に位置してもよい。
【0064】
上述した実施の形態では、筐体14が、板状の上板部22、下板部24、左板部26および右板部28を有する場合、ならびに筐体14aが、板状の上板部22a、下板部24a、左板部26および右板部28を有する場合について説明したが、これに限定されない。たとえば、筐体は、角柱状等の上枠部、下枠部、左枠部、および右枠部を有していてもよい。
【0065】
上述した実施の形態では、筐体14が、表示パネル12がやや後方に傾くように、表示パネル12を支持する場合について説明したが、これに限定されない。たとえば、筐体は、表示パネル12が前後方向に傾かないように、表示パネル12を支持してもよい。
【0066】
上述した実施の形態では、アンテナ部54が、板状である場合について説明したが、これに限定されない。たとえば、アンテナ部は、棒状、筒状または柱状等であってもよい。また、たとえば、アンテナ部は、ミアンダ形状等であってもよい。
【0067】
以上のように、本開示における技術の例示として、実施の形態を説明した。そのために、添付図面および詳細な説明を提供した。
【0068】
したがって、添付図面および詳細な説明に記載された構成要素の中には、課題解決のために必須な構成要素だけでなく、上記技術を例示するために、課題解決のためには必須でない構成要素も含まれ得る。そのため、それらの必須ではない構成要素が添付図面や詳細な説明に記載されていることをもって、直ちに、それらの必須ではない構成要素が必須であるとの認定をするべきではない。
【0069】
また、上述の実施の形態は、本開示における技術を例示するためのものであるから、請求の範囲またはその均等の範囲において種々の変更、置き換え、付加、省略等を行うことができる。
【産業上の利用可能性】
【0070】
本開示は、テレビジョン受像機、モニタディスプレイ、または、デジタルサイネージ等の画像表示装置に適用可能である。
【符号の説明】
【0071】
10,10a 画像表示装置
12,12b 表示パネル
13 前面
14,14a 筐体
16,16a 制御部
22,22a 上板部
24,24a 下板部
26 左板部
28 右板部
32 前壁部
36,36a 収容部
40 蓋部
54 アンテナ部
56,56a 通信基板