(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-21
(45)【発行日】2024-03-29
(54)【発明の名称】表示装置及びスタンド
(51)【国際特許分類】
H04N 5/64 20060101AFI20240322BHJP
【FI】
H04N5/64 581C
(21)【出願番号】P 2023504678
(86)(22)【出願日】2022-03-28
(86)【国際出願番号】 JP2022014857
(87)【国際公開番号】W WO2023007852
(87)【国際公開日】2023-02-02
【審査請求日】2023-01-23
(31)【優先権主張番号】P 2021122903
(32)【優先日】2021-07-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】本多 和也
(72)【発明者】
【氏名】植野 達朗
(72)【発明者】
【氏名】中元 千里
【審査官】石丸 昌平
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-157614(JP,A)
【文献】特開2005-039527(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2020-0025102(KR,A)
【文献】国際公開第2021/005814(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0277955(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 5/64
G09F 9/00
B60B 33/00
F16M 11/22
A47B 81/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を表示する本体部と、
床面上に載置された状態で前記本体部を支持する台座とを備え、
前記台座は、前記床面上で転動する複数のキャスタを有し、
前記複数のキャスタは、少なくとも1つの第一キャスタと、当該第一キャスタよりも硬度が低い第二キャスタとを含む
表示装置。
【請求項2】
前記複数のキャスタは、前記台座における周方向に沿って配列されており、
前記第一キャスタは、2つ設けられており、
2つの前記第一キャスタは、前記本体部における表示面に沿う方向に配列され、前記台座の平面視で前記本体部に重なる位置に配置されている
請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記台座は、当該台座を平面視した場合において、前記本体部の重心と重なる位置に配置されていて、
前記本体部は、前記台座を平面視した場合に両側部が前記台座から突出している
請求項1または2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記台座から立設し、前記本体部を支持する柱部を有する
請求項1~3のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項5】
表示装置を支持するスタンドであって、
床面上に載置された状態で前記表示装置を保持する台座を備え、
前記台座は、前記床面上で転動する複数のキャスタを有し、
前記複数のキャスタは、少なくとも1つの第一キャスタと、当該第一キャスタよりも硬度が低い第二キャスタとを含む
スタンド。
【請求項6】
前記表示装置の位置を規制する規制部を備え、
前記複数のキャスタは、前記台座における周方向に沿って配列されており、
前記第一キャスタは、2つ設けられており、
前記規制部は、2つの前記第一キャスタが、前記表示装置における表示面に沿う方向に配列され、前記台座の平面視で前記表示装置に重なる位置となるように、前記表示装置の位置を規制する
請求項5に記載のスタンド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置及びスタンドに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば特許文献1には、キャスタを備えたスタンドで表示装置を保持し、表示装置の移動性能を高めた技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、近年においては、チューナ装置と表示装置とを別体とし、チューナ装置から放送信号を無線で表示装置に送信する技術が開発されている。この場合、表示装置は、アンテナ線が不要となるために移動の自由度が高まり、従来よりも移動の頻度も増加しうる。ここで、各キャスタの硬度が高いと走行音が大きくなる。一方、各キャスタの硬度が低いと、長時間放置した際に変形(クリープ変形)してしまい、移動の安定性が損なわれてしまう。
【0005】
本発明の目的は、走行音を抑えつつ、キャスタの変形を抑制可能な表示装置及びスタンドを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る表示装置は、画像を表示する本体部と、床面上に載置された状態で前記本体部を支持する台座とを備え、前記台座は、前記床面上で転動する複数のキャスタを有し、前記複数のキャスタは、少なくとも1つの第一キャスタと、当該第一キャスタよりも硬度が低い第二キャスタとを含む。
【0007】
本発明の一態様に係るスタンドは、表示装置を支持するスタンドであって、床面上に載置された状態で前記表示装置を保持する台座を備え、前記台座は、前記床面上で転動する複数のキャスタを有し、前記複数のキャスタは、少なくとも1つの第一キャスタと、当該第一キャスタよりも硬度が低い第二キャスタとを含む。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、走行音を抑えつつ、キャスタの変形を抑制可能な表示装置及びスタンドを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、実施の形態1に係る表示装置の概略構成を示す説明図である。
【
図2】
図2は、実施の形態1に係る表示装置の概略構成を示す下面図である。
【
図3】
図3は、実施の形態1に係るキャスタの概略構成を示す斜視図である。
【
図4】
図4は、実施の形態1に係る表示装置の移動時の状態を示す説明図である。
【
図5】
図5は、実施の形態2に係る表示装置及びスタンドを示す説明図である。
【
図6】
図6は、変形例に係る、第一キャスタ及び第二キャスタのレイアウト例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下では、本発明に係る表示装置などの実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、いずれも本発明の好ましい一具体例を示すものである。したがって、以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置及び接続形態等は、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。
【0011】
なお、当業者が本発明を十分に理解するために添付図面及び以下の説明を提供するのであって、これらによって請求の範囲に記載の主題を限定することを意図するものではない。
【0012】
また、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付しており、重複する説明は省略又は簡略化される場合がある。
【0013】
(実施の形態1)
[表示装置]
まず、実施の形態1に係る表示装置100について説明する。
図1は、実施の形態1に係る表示装置100の概略構成を示す説明図である。
図1に示すように、表示装置100は、当該表示装置100とは別体のチューナ装置200と無線通信自在である。チューナ装置200は、放送波を受信して放送信号を生成する。チューナ装置200は、放送信号に基づき無線伝送用の映像信号を生成し、無線で送信する。表示装置100は、このチューナ装置200から送信された映像信号を受信し、当該映像信号に基づく画像を表示できるようになっている。なお、表示装置100は、PC、スマートフォン、タブレット端末などの端末装置と無線または有線で通信し、画像を表示するモニタ装置であってもよい。
【0014】
また、表示装置100は、スタンド一体型の表示装置である。具体的には、表示装置100は、画像を表示する本体部10と、本体部10を支持するスタンド部20とを有している。スタンド部20は、本体部10に連結され、当該本体部10を下方から支持する1つの柱部21と、床面上に載置された状態で柱部21を介して本体部10を支持する台座22とを有している。
【0015】
柱部21は、台座22の上面略中央部から鉛直方向に沿うように立設している。具体的には、柱部21の上端部は本体部10に固定されており、柱部21の下端部は台座22に固定されている。柱部21は、下面視において本体部10の重心P(
図2参照)と重なる位置または重心Pの近傍位置に配置されている。このため、台座22は、当該台座22を平面視(下面視)した場合における本体部10の重心Pと重なる位置に配置される。また、下面視において、本体部10の両側部は、台座22から突出している。
【0016】
柱部21内には、本体部10に電力を供給する配線が内蔵されている。
図1では円柱状の柱部21を例示しているが、柱部の外形は如何様でもよい。例えば、柱部のその他の外形としては、楕円柱状、長円柱状、多角柱状などが挙げられる。
【0017】
次に台座22の詳細について説明する。
図2は、実施の形態1に係る表示装置100の概略構成を示す下面図である。
図2に示すように、台座22は、下面視円形状の台座本体221と、台座本体221の底面に配置された複数のキャスタ23とを有している。
【0018】
台座本体221は、円板状の外形を有しており、その底面には、電源ケーブル15を収容するための開閉式の収容部229が設けられている。また、台座本体221の底面には、各キャスタ23を内部に有する複数の凹部222が形成されている。複数の凹部222は、台座本体221の外周部において、周方向に沿って均等に配列されている。本実施の形態では、凹部222は6つ設けられているので、各凹部222は、仮想的な正六角形の頂点部分に配置されていると言える。ここで、6つの凹部222のうち、2つの凹部222aは、本体部10における表示面111に沿う方向に配列されており、台座22の平面視で本体部10に重なる位置に配置されている。2つの凹部222aは、表示面111に沿う方向で、他の4つの凹部222bを挟む位置に配置されている。換言すると、2つの凹部222aは、全ての凹部222において、表示面111に沿う方向で両端に配置されている。なお、2つの凹部222aは、台座22の平面視で本体部10に重なっていなくてもよい。その他の4つの凹部222bは、本体部10よりも前方または後方に配置されている。また、その他の4つの凹部222bは、2つの凹部222aよりも、本体部10の幅方向(左右方向)における内側に配置されている。
【0019】
図3は、実施の形態1に係るキャスタ23の概略構成を示す斜視図である。
図3に示すように、キャスタ23は、車輪24と、車輪24を回転自在に支持する支持部25と、支持部25を旋回自在に支持する基台26とを有している。車輪24の車軸は、両端部が支持部25により回転自在に軸支されている。各キャスタ23は、概ね同じ構造であるが、車輪24の硬度が異なる。以降、2つの凹部222a内に配置される2つのキャスタ23を第一キャスタ231と称し、他の4つの凹部222b内に配置される4つのキャスタ23を第二キャスタ232と称す(
図2参照)。
【0020】
第二キャスタ232の車輪24の硬度は、第一キャスタ231の車輪24の硬度よりも低い。具体的には、第一キャスタ231の車輪24と、第二キャスタ232の車輪24とは、材料を異ならせることで硬度が設定されている。例えば、第一キャスタ231の車輪24は、ナイロンで形成されており、第二キャスタ232の車輪24は、エラストマーまたはウレタンで形成されている。なお、ここで例示した材料はあくまで一例であり、第二キャスタ232の車輪24の硬度が、第一キャスタ231の車輪24の硬度よりも低いという関係性が満たされるのであれば如何なる材料が採用されてもよい。なお、車輪24の構造により硬度を調整することも可能である。例えば、第一キャスタ231の車輪24と、第二キャスタ232の車輪24とを同じ材料で形成したとしても、第一キャスタ231の車輪24を密な構造とし、第二キャスタ232の車輪24を粗な構造とすることで、硬度を調整することができる。このように、比較的硬度が高い2つの第一キャスタ231は、
図2に示す通り2つの凹部222a内に配置されるので、表示面111に沿う方向で他の4つの第二キャスタ232を挟む位置に配置される。これにより、2つの第一キャスタ231は、本体部10における表示面111に沿う方向に配列され、台座22の平面視で本体部10に重なる位置に配置されることになる。つまり、本体部10の両側部は、下面視において2つの第一キャスタ231から外方に突出した位置に配置される。
【0021】
(表示装置の移動について)
次に、表示装置100の移動について説明する。
図4は、実施の形態1に係る表示装置100の移動時の状態を示す説明図である。
図4に示すように、ユーザは、本体部10の一方の側部を把握して、他方に向けて押すことで表示装置100を移動させる。あるいは、ユーザは本体部10の一方の側部を把握して、手前に引くことで表示装置100を移動させる(図における矢印Y1参照)。移動時において床面上では、硬度の高い2つの第一キャスタ231と、硬度の低い4つの第二キャスタ232とが転動している。このため、6つ全てが第一キャスタ231である場合と比較しても、第一キャスタ231の設置個数が少なくなり、走行音を小さくすることができる。さらに、硬度の高い第一キャスタ231を起因とする床の損傷も抑制することができる。
【0022】
また、2つの第一キャスタ231は、台座22の平面視で本体部10に重なる位置に配置されているために、4つの第二キャスタ232と比べても大きな荷重を受ける。このため、2つの第一キャスタ231の硬度が低いと床面との摩擦力も大きくなって、絨毯99などの段差を乗り越える際や、旋回時につんのめってしまい、走行性が不安定となりやすい。これは、進行方向の最先にあるキャスタ23で顕著である。しかし、本実施の形態では、2つの第一キャスタ231の硬度が、第二キャスタ232の硬度よりも高められているので、床面との摩擦力も低減され、走行性を安定化することが可能である。特に、2つの第一キャスタ231は、それぞれ進行方向Y1の最先に位置しているので、走行性を安定化させるうえで好適である。
【0023】
また、停止時においては、6つ全てが第二キャスタ232である場合を想定すると、表示装置100の自重により各第二キャスタ232がクリープ変形してしまう。一方、本実施の形態では、硬度の高い2つの第一キャスタ231と、硬度の低い4つの第二キャスタ232とで台座本体221、柱部21及び本体部10を支えている。各第一キャスタ231は、比較的硬度が高いために変形しにくい。さらに、各第一キャスタ231が元の形状を維持していれば、比較的硬度の低い各第二キャスタ232に作用する荷重も抑制されるので、各第二キャスタ232の変形も抑制される。つまり、各キャスタ23の変形が抑制されるので、安定した走行性を維持することが可能である。
【0024】
[効果等]
以上のように、実施の形態に係る表示装置100によれば、画像を表示する本体部10と、床面上に載置された状態で本体部10を支持する台座22とを備えている。台座22は、床面上で転動する複数のキャスタ23を有している。複数のキャスタ23は、少なくとも1つの第一キャスタ231と、当該第一キャスタ231よりも硬度が低い第二キャスタ232とを含む。
【0025】
これによれば、第二キャスタ232が第一キャスタ231よりも硬度が低いので、キャスタ23の全てが第一キャスタ231の場合と比べても、走行音を低減することが可能である。一方、第一キャスタ231は第二キャスタ232よりも硬度が高いので、キャスタ23の全てが第二キャスタ232の場合と比べても、各キャスタ23(第一キャスタ231及び第二キャスタ232)の変形を抑制することができる。したがって、走行音を抑えつつ、キャスタ23の変形を抑制可能な表示装置100を提供することができる。
【0026】
また、複数のキャスタ23は、台座22における周方向に沿って配列されており、第一キャスタ231は、2つ設けられており、2つの第一キャスタは、本体部10における表示面111に沿う方向に配列され、台座22の平面視で本体部10に重なる位置に配置されている。
【0027】
これによれば、硬度の高い2つの第一キャスタ231が本体部10における表示面111に沿う方向に配列され、台座22の平面視で本体部10に重なる位置に配置されているので、段差を乗り越える際や、旋回時の走行性を安定させることができる。
【0028】
また、台座22は、当該台座22を平面視した場合における本体部10の重心Pと重なる位置に配置されている。本体部10は、台座22を平面視した場合に両側部が台座22から突出している。
【0029】
ここで、本体部10の重心Pに重なる位置に台座22が配置されていたとしても、本体部10の両側部が台座22から突出していると、段差を乗り越える際や、旋回時につんのめり易い。このようなつんのめり易い形態の表示装置100においても、第一キャスタ231と第二キャスタ232が設けられているので走行性を高めることが可能である。
【0030】
また、表示装置100は、台座22から立設し、本体部10を支持する柱部21を有している。
【0031】
前述したように、本実施の形態の表示装置100は、第一キャスタ231及び第二キャスタ232により安定した走行性が実現されている。走行性が安定化されていれば、本体部10と台座22とを連結する部位も簡素化することができる。このため、本実施の形態では、本体部10と台座22とを連結する部位を柱部21とすることでシンプルな意匠性を実現している。
【0032】
(実施の形態2)
上記実施の形態1では、スタンド一体型の表示装置100を例示した。本実施の形態では、表示装置100Aとスタンド300Aとが別体である場合を例示する。以降の説明において、実施の形態1と同等の部分については同等の符号を付してその説明を省略する場合がある。
【0033】
図5は、実施の形態2に係る表示装置100A及びスタンド300Aを示す説明図である。
図5に示すように、表示装置100Aは、実施の形態1の本体部10に相当する部位である。スタンド300Aは、実施の形態1のスタンド部20に相当する部位であるが、表示装置100Aとは元々別体であり、表示装置100Aが載置されることで一体化される。具体的には、スタンド300Aは、柱部21と、台座22と、規制部310aとを有している。規制部310aは、柱部21の先端部に固定された状態で水平方向に延設されている。規制部310aは、下面視において、表示装置100Aの表示面111に平行な方向に長尺に形成されている。つまり、規制部310aの長手方向は、表示面111に平行な方向である。規制部310aの上面には表示装置100Aが載置される。規制部310aの上面には、表示装置100Aを位置決めするための位置決め突起311が設けられている。この位置決め突起311は、スタンド300Aの2つの第一キャスタ231が、表示装置100Aにおける表示面111に沿う方向に配列され、台座22の平面視で表示装置100Aに重なる位置となるように、表示装置100Aの位置を規制する。
【0034】
なお、例えばボルトなどの係止部材によって、表示装置100Aを規制部310aに係止してもよい。この場合、表示装置100Aの表示面111に沿う方向を、2つの第一キャスタ231の並び方向とする。この場合、表示装置100Aの底面を係止部材によって規制部310aに固定してもよいし、表示装置100Aの背面で係止部材によって係止できる形状に規制部310aを構成してもよい。また、この場合、規制部の長手方向が表示面に平行でなくてもよいし、規制部が長尺形状でなくてもよい。
【0035】
[効果等]
以上のように、表示装置100Aを支持するスタンド300Aは、床面上に載置された状態で表示装置100Aを保持する台座22を備えている。台座22は、床面上で転動する複数のキャスタ23を有している。複数のキャスタ23は、少なくとも1つの第一キャスタ231と、当該第一キャスタ231よりも硬度が低い第二キャスタ232とを含む。
【0036】
これによれば、第二キャスタ232が第一キャスタ231よりも硬度が低いので、キャスタ23の全てが第一キャスタ231の場合と比べても、走行音を低減することが可能である。一方、第一キャスタ231は第二キャスタ232よりも硬度が高いので、キャスタ23の全てが第二キャスタ232の場合と比べても、各キャスタ23(第一キャスタ231及び第二キャスタ232)の変形を抑制することができる。したがって、走行音を抑えつつ、キャスタ23の変形を抑制可能なスタンド300Aを提供することができる。
【0037】
また、スタンド300Aは、表示装置100Aの位置を規制する規制部310aを備えている。複数のキャスタ23は、台座22における周方向に沿って配列されている。第一キャスタ231は、2つ設けられている。規制部310aは、2つの第一キャスタ231が、表示装置100Aにおける表示面111に沿う方向に配列され、台座22の平面視で表示装置100Aに重なる位置となるように、表示装置100Aの位置を規制する。
【0038】
これによれば、規制部310aによって、硬度の高い2つの第一キャスタ231が本体部10における表示面111に沿う方向に配列され、台座22の平面視で本体部10に重なる位置に配置されているので、段差を乗り越える際や、旋回時の走行性を安定させることができる。
【0039】
(その他)
以上、本発明に係る表示装置及びスタンドについて、上記実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではない。
【0040】
例えば、上記実施の形態では、1つの柱部21のみで台座22及び本体部10が連結されている場合を例示した。しかしながら、柱部の設置個数は2つ以上であってもよい。例えば柱部が複数あれば安定して本体部を支持することが可能である。また、台座と本体部とは柱部で連結されていなくてもよい。つまり、台座の直上に本体部が載置されていてもよい。
【0041】
上記実施の形態では、キャスタ23の設置個数が6個であり、これらが仮想的な正六角形の頂点部分に配置される場合を例示した。しかしながら、キャスタ23の設置個数及びレイアウトは、規格化された転倒角を満たすものであれば、如何様でもよい。転倒角とは、鉛直方向に対する装置の傾きであって、転倒角以下の角度で装置が傾いた場合に、当該装置の転倒を防止するための指標である。例えば、装置の大きさ(高さ)に依存して転倒角が規格化されている場合もあり、この場合には装置の大きさによって適切なキャスタ23の設置個数及びレイアウトを決定する。
【0042】
以下に、第一キャスタ231及び第二キャスタ232の他のレイアウトについて説明する。
図6は、変形例に係る、第一キャスタ231及び第二キャスタ232のレイアウト例を示す説明図である。
【0043】
図6の(a)では、第一キャスタ231が1つのみ設けられている場合のレイアウト例を示している。
図6の(a)では、第一キャスタ231が台座22の中央部に配置されており、他の第二キャスタ232が台座22の外周部に均等に配置されている。中央部に配置された1つの第一キャスタ231が大きな荷重を受けるために、硬度の低い各第二キャスタ232のクリープ変形を抑制することが可能である。また、第一キャスタ231の設置個数が最少個数であるので、第一キャスタ231を起因とした走行音も抑制できる。
【0044】
図6の(b)では、キャスタ23の総数が6個以外である場合のレイアウト例を示している。
図6の(b)に示すように、4つのキャスタ23は正四角形状に配置されており、そのうち、2つの第一キャスタ231が、本体部10における表示面111に沿う方向に配列され、台座22の平面視で本体部10に重なる位置に配置されている場合を示している。
【0045】
図6の(c)では、第一キャスタ231が3つ設けられている場合のレイアウト例を示している。3つの第一キャスタ231のうち、2つの第一キャスタ231は、本体部10における表示面111に沿う方向に配列され、台座22の平面視で本体部10に重なる位置に配置されている。この2つの第一キャスタ231を結ぶ先よりも前方(または後方)に、残りの第一キャスタ231が配置されている。この場合、3つの第一キャスタ231で平面的に表示装置100の自重を支えるので、各第二キャスタ232にかかる荷重をより抑制することができる。したがって、各第二キャスタ232の変形をより抑制できる。
【0046】
また、上記実施の形態では、台座本体221の底面に、各キャスタ23を収容する複数の凹部222が形成されている場合を例示した。しかしながら、台座本体221の底面が全体としてフラットであり、そのフラットな底面に各キャスタ23が取り付けられていてもよい。
【0047】
また、上記実施の形態では、台座本体221が円板状の外形を有している場合を例示したが、台座本体の外形は如何様でもよい。例えば、台座本体のその他の外形としては、楕円板状、長円板状、多角形板状などが挙げられる。
【0048】
上記実施の形態では旋回するキャスタ23を例示したが、床面上を転動するのであれば如何なるキャスタを採用してもよい。その他のキャスタとしては、旋回しないキャスタが挙げられる。具体的には、支持部が基台に対して旋回せず、固定または一体的に形成されている。この場合、車輪が床面上を転動することでスタンド部20が表示面111に沿った方向に移動可能となるように、車輪の向きが台座に対して取り付けられている。つまり、車輪の車軸が表示面111に直交する向きに車輪が台座に取り付けられている。
【0049】
キャスタの他の例としては、車軸が支持部によって片持ち状に支持されたキャスタが挙げられる。具体的には、車輪の車軸の一端部のみが、支持部によって回転自在に支持されている。
【0050】
キャスタの他の例としては、1つの支持部で2つの車輪を支持するキャスタが挙げられる。具体的には、車軸の両端部に2つの車輪が軸支されており、車軸の中央部を支持部が支持している。このキャスタを第一キャスタ及び第二キャスタに採用した場合、第二キャスタは両輪ともに硬度が低く、第一キャスタは、少なくとも一方の車輪の硬度が第二キャスタの硬度よりも高ければよい。
【0051】
キャスタの他の例としては、車輪がボール状のキャスタであってもよい。具体的には、ボール状の車輪が、ボール受けを有する支持部によって回転自在に支持されている。この場合、ボール状の車輪が任意の方向に回転するので、スタンド部も任意の方向に移動することができる。
【0052】
これらの例は、第一キャスタ及び第二キャスタのそれぞれに同じタイプが採用されてもよいし、異なるタイプが採用されてもよい。いずれの場合においても、第二キャスタの硬度は、第一キャスタの硬度よりも低くすれば、本開示の効果を得ることが可能である。
【0053】
その他、実施の形態及び変形例に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態や、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0054】
本発明は、例えばキャスタを有する表示装置及びスタンドとして広く利用可能である。
【符号の説明】
【0055】
10 本体部
15 電源ケーブル
20 スタンド部
21 柱部
22 台座
23 キャスタ
24 車輪
25 支持部
26 基台
99 絨毯
100、100A 表示装置
111 表示面
200 チューナ装置
221 台座本体
222 凹部
222a、222b 凹部
229 収容部
231 第一キャスタ
232 第二キャスタ
300A スタンド
310a 規制部
311 位置決め突起
P 重心
Y1 進行方向