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特許7458015負荷制御装置、負荷制御方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-21
(45)【発行日】2024-03-29
(54)【発明の名称】負荷制御装置、負荷制御方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   H05B 47/19 20200101AFI20240322BHJP
   H02M 3/00 20060101ALI20240322BHJP
   G05F 1/45 20060101ALI20240322BHJP
【FI】
H05B47/19
H02M3/00 X
H02M3/00 C
G05F1/45 A
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2019099544
(22)【出願日】2019-05-28
(65)【公開番号】P2020195217
(43)【公開日】2020-12-03
【審査請求日】2022-01-24
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】弁理士法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小熊 勇佑
(72)【発明者】
【氏名】菅原 隆行
【審査官】野木 新治
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-101784(JP,A)
【文献】特開2018-056770(JP,A)
【文献】特開2001-094505(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 47/00
H02M 3/00
G05F 1/45
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
交流電源と負荷との間を導通及び遮断することで、前記交流電源から前記負荷への電力の供給を制御して前記負荷を動作及び停止させるスイッチング部と、
前記スイッチング部を制御するスイッチ制御部と、
前記交流電源から供給される交流電力を第1直流電力に変換する変換部と、
前記変換部で変換された前記第1直流電力の電圧を定電圧化する定電圧回路と、
前記定電圧回路で定電圧化された第2直流電力の電流を定電流化する定電流回路と、
前記定電流回路から出力された第3直流電力を用いて動作し、外部の通信装置との間で無線通信を行う無線部と、
前記定電流回路から出力された前記第3直流電力によって放電可能に蓄電され、蓄電された電力を、前記定電流回路から出力された前記第3直流電力として前記無線部に放電可能なバッファ部と、
前記バッファ部の出力電圧に基づいて前記無線部を制御する制御部と、を備える、
負荷制御装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記バッファ部の前記出力電圧が低下するに連れて前記無線部の消費電力を低減するように、前記無線部を制御する、
請求項1に記載の負荷制御装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記バッファ部の前記出力電圧が第1閾値電圧以下である場合は、前記無線部の動作を制限する、
請求項1又は2に記載の負荷制御装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記無線部の動作の制限として、前記無線部の送信を制限する、
請求項3に記載の負荷制御装置。
【請求項5】
前記無線部は、送信を行う前に、キャリアセンスが成功したか失敗したかの判定を行い、キャリアセンスが成功したと判定した場合は送信を行い、キャリアセンスが失敗したと判定した場合は送信を停止し、
前記制御部は、前記無線部にキャリアセンスが失敗したと判定させることで、前記無線部の送信を禁止させる、
請求項4に記載の負荷制御装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記無線部の動作の制限として、前記無線部による新たな送信の開始を禁止する、
請求項4又は5に記載の負荷制御装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記無線部が特定の送信を行うことを許容する、
請求項4~6の何れか1項に記載の負荷制御装置。
【請求項8】
前記制御部は、前記バッファ部の前記出力電圧が前記第1閾値電圧よりも小さい第2閾値電圧以下である場合は、前記無線部の受信を禁止する、
請求項3~7の何れか1項に記載の負荷制御装置。
【請求項9】
前記制御部は、前記バッファ部の前記出力電圧が前記第2閾値電圧よりも大きい第3閾値電圧以上である場合は、前記無線部の受信の禁止を解除する、
請求項8に記載の負荷制御装置。
【請求項10】
前記第3閾値電圧は、前記第1閾値電圧以上である
請求項9に記載の負荷制御装置。
【請求項11】
前記無線部は、待機中は、受信可能状態と受信不可能状態とを一定時間毎に繰り返す間欠受信を行う、
請求項1~10の何れか1項に記載の負荷制御装置。
【請求項12】
前記間欠受信の周期は、前記交流電力の交流周期よりも短い、
請求項11に記載の負荷制御装置。
【請求項13】
交流電源と負荷との間を導通及び遮断することで、前記交流電源から前記負荷への電力の供給を制御して前記負荷を動作及び停止させるスイッチング部と、
前記スイッチング部を制御するスイッチ制御部と、
前記交流電源から供給される交流電力を第1直流電力に変換する変換部と、
前記変換部で変換された前記第1直流電力の電圧を定電圧化する定電圧回路と、
前記定電圧回路で定電圧化された第2直流電力の電流を定電流化する定電流回路と、
前記定電流回路から出力された第3直流電力を用いて動作し、外部の通信装置との間で無線通信を行う無線部と、
前記定電流回路から出力された前記第3直流電力によって放電可能に蓄電され、蓄電された電力を、前記定電流回路から出力された前記第3直流電力として前記無線部に放電可能なバッファ部と、
を備えた負荷制御装置を制御する負荷制御方法であって、
前記バッファ部の出力電圧に基づいて前記無線部を制御する制御処理を含む、
負荷制御方法。
【請求項14】
コンピュータシステムに、
請求項13に記載の負荷制御方法を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に負荷制御装置、負荷制御方法及びプログラムに関し、より詳細には、交流電源から負荷への給電を制御する負荷制御装置、負荷制御方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、照明負荷を制御する2線式調光装置(負荷制御装置)を開示する。この2線式調光装置は、交流電源から照明負荷への給電路を開閉する2つのFETと、交流電源から供給された交流電力から直流電力を生成するダイオード(変換部)と、前記直流電力を平滑化するコンデンサ(バッファ部)と、コンデンサで平滑化された直流電力で動作し、FETをオンオフ制御する制御回路と、を備えている。この2線式調光装置では、コンデンサの出力電圧によって電源電圧が供給される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第4620773号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の2線式調光装置では、コンデンサの出力電圧によって供給される電源電圧が規定電圧を下回ると、制御回路がリセットされる場合がある。制御回路がリセットされると、制御回路が再起動するまでの間、制御回路、したがって負荷制御装置が使用不可能になる。
【0005】
本開示は、上記事由に鑑みて、バッファ部の出力電圧によって供給される電源電圧が規定電圧以下に低下することを抑制できる負荷制御装置、負荷制御方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る負荷制御装置は、スイッチング部と、スイッチ制御部と、変換部と、定電圧回路と、定電流回路と、無線部と、バッファ部と、制御部と、を備える。前記スイッチング部は、交流電源と負荷との間を導通及び遮断することで、前記交流電源から前記負荷への電力の供給を制御して前記負荷を動作及び停止させる。前記スイッチ制御部は、前記スイッチング部を制御する。前記変換部は、前記交流電源から供給される交流電力を第1直流電力に変換する。前記定電圧回路は、前記変換部で変換された前記第1直流電力の電圧を定電圧化する。前記定電流回路は、前記定電圧回路で定電圧化された第2直流電力の電流を定電流化する。前記無線部は、前記定電流回路から出力された第3直流電力を用いて動作し、外部の通信装置との間で無線通信を行う。前記バッファ部は、前記定電流回路から出力された前記第3直流電力によって放電可能に蓄電され、蓄電された電力を、前記定電流回路から出力された前記第3直流電力として前記無線部に放電可能である。前記制御部は、前記バッファ部の出力電圧に基づいて前記無線部を制御する。
【0007】
本開示の一態様に係る負荷制御方法は、負荷制御装置を制御する負荷制御方法である。前記負荷制御装置は、スイッチング部と、スイッチ制御部と、変換部と、定電圧回路と、定電流回路と、無線部と、バッファ部と、を備える。前記スイッチング部は、交流電源と負荷との間を導通及び遮断することで、前記交流電源から前記負荷への電力の供給を制御して前記負荷を動作及び停止させる。前記スイッチ制御部は、前記スイッチング部を制御する。前記変換部は、前記交流電源から供給される交流電力を第1直流電力に変換する。前記定電圧回路は、前記変換部で変換された前記第1直流電力の電圧を定電圧化する。前記定電流回路は、前記定電圧回路で定電圧化された第2直流電力の電流を定電流化する。前記無線部は、前記定電流回路から出力された第3直流電力を用いて動作し、外部の通信装置との間で無線通信を行う。前記バッファ部は、前記定電流回路から出力された第3直流電力によって放電可能に蓄電され、蓄電された電力を、前記定電流回路から出力された前記第3直流電力として前記無線部に放電可能である。前記負荷制御方法は、前記バッファ部の出力電圧に基づいて前記無線部を制御する制御処理を含む。

【0008】
本開示の一態様に係るプログラムは、コンピュータシステムに、上記の一態様の負荷制御方法を実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0009】
本開示は、バッファ部の出力電圧によって供給される電源電圧が規定電圧以下に低下することを抑制できる、という利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、実施形態1に係る負荷制御装置の構成概略図である。
図2図2は、同上の負荷制御装置の動作を説明するタイミングチャートである。
図3図3は、同上の負荷制御装置の動作を説明するフローチャートである。
図4図4Aは、実施形態1の変形例1に係る負荷制御装置の構成概略図である。図4Bは、変形例1に係る負荷制御装置の変形例の構成概略図である。
図5図5は、実施形態2に係る負荷制御装置の制御部の動作を説明するタイミングチャートである。
図6図6は、同上の負荷制御装置の動作を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、実施形態に係る負荷制御装置について説明する。下記の実施形態は、本開示の様々な実施形態の例に過ぎない。また、下記の実施形態は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
【0012】
(実施形態1)
図1を参照して、実施形態1に係る負荷制御装置1について説明する。
【0013】
図1に示すように、負荷制御装置1は、2線式の負荷制御装置である。負荷制御装置1は、交流電源B1と負荷Q1との間に直列に接続されており、交流電源B1から負荷Q1に供給される電力を制御する。負荷制御装置1は、交流電源B1からの電力で動作する。すなわち、交流電源B1からの電力で、負荷Q1と負荷制御装置1とが動作する。
【0014】
負荷制御装置1は、例えば、リモコン装置20からの無線信号による制御信号によって制御可能である。すなわち、リモコン装置20からの操作によって負荷制御装置1を制御することで、負荷Q1の動作を制御可能である。
【0015】
負荷Q1は、例えば照明器具である。照明器具は、例えば、建物の屋内に設置されて屋内を照明する照明器具である。負荷Q1は、2つの電源端子を有する。2つの電源端子に交流電源B1からの交流電力が入力される。
【0016】
交流電源B1は、例えば、商用の交流電源である。交流電源B1は、2つの出力端を有する。一方の出力端は、電路H1を介して負荷Q1の一方の電源端子に接続され、他方の出力端は、電路H2を介して負荷Q1の他方の電源端子に接続されている。
【0017】
負荷制御装置1は、スイッチング部2と、駆動回路3と、スイッチ制御部4と、無線部5と、電源部6とを備えている。
【0018】
スイッチング部2は、交流電源B1と負荷Q1との間を導通及び遮断する。これにより、交流電源B1からの負荷Q1への電力の供給を制御して負荷Q1を動作及び停止させる。負荷Q1を動作させるとは、負荷Q1が照明器具である場合、負荷Q1が点灯させることであり、負荷Q1を停止させるとは、負荷Q1が照明器具である場合、負荷Q1を消灯させることである。スイッチング部2は、交流電源B1と負荷Q1との間に直列に接続されている。すなわち、スイッチング部2は、電路H1に直列に接続されている。
【0019】
スイッチング部2は、2つのスイッチング素子M1,M2を有する。2つのスイッチング素子M1,M2は、例えば半導体スイッチング素子であり、より詳細にはエンハンスメント形のNチャンネルのMOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field Effect Transistor)である。一方のスイッチング素子M1のドレインが交流電源B1の一方の出力端と電気的に接続されている。また、他方のスイッチング素子M2のドレインが負荷Q1を介して交流電源B1の他方の出力端と電気的に接続されている。さらに、2つのスイッチング素子M1,M2のソース同士が電気的に接続されている。2つのスイッチング素子M1,M2のソースの接続点NP3は、接地点に接地されている。2つのスイッチング素子M1,M2のゲートは、駆動回路3に電気的に接続されている。駆動回路3は、スイッチ制御部4の制御に応じて、2つのスイッチング素子M1,M2をオン及びオフする。
【0020】
各スイッチング素子M1,M2は、電路H1に直列に接続されており、電路H1を導通及び遮断する。一方のスイッチング素子M1は、交流電源B1の正の半サイクルにおいて導通し、他方のスイッチング素子M2は、交流電源B1の負の半サイクルにおいて導通する。つまり、負荷制御装置1は、各スイッチング素子M1,M2をオンオフすることにより、交流電源B1から負荷Q1である照明器具に供給する交流電圧を位相制御し、照明器具を点灯及び調光する。例えば、各スイッチング素子M1,M2は、スイッチ制御部4の制御に応じて、交流電源B1の各半サイクルの始めにオン(導通)し、負荷Q1の所望の輝度に応じて半サイクルの間の或る時刻にオフ(遮断)する。なお、各スイッチング素子M1,M2は、スイッチ制御部4の制御に応じて、交流電源B1の半サイクル内の所望の位相でオン(導通)し、その半サイクルの終わりでオフ(遮断)してもよい。
【0021】
駆動回路3は、スイッチ制御部4の制御に応じて、スイッチング部2を駆動する。より詳細には、駆動回路3は、スイッチング部2の2つのスイッチング素子M1,M2のゲート・ソース間に駆動電圧を印加することで、2つのスイッチング素子M1,M2をオン(導通状態)とオフ(遮断状態)とに切り替える。
【0022】
無線部5は、リモコン装置20(外部の通信装置)との間で無線信号による通信(無線通信)を行う。無線部5は、リモコン装置20から無線信号による制御信号を受信する。無線部5は、受信した制御信号をスイッチ制御部4に出力する。この出力により、無線部5は、スイッチ制御部4を制御する。なお、無線信号の信号媒体は、赤外線又は電波である。無線部5は、後述の制御部17によって制御される。無線部5は、例えば、Bluetooth(登録商標)、Zigbee(登録商標)、Wi-Fi(登録商標)、特定小電力無線の何れかであってもよい。
【0023】
無線部5は、外部の無線装置(例えばリモコン装置20)への送信の要求(送信要求)があった場合、その送信を行う前に、キャリアセンスを実行し、キャリアセンスが成功したか否かの判定を行う。キャリアセンスとは、無線部5が送信をしようとする際に、無線部5が送信で使用する無線チャンネルが、他の無線装置の使用中であるか否かを検知することである。無線部5は、キャリアセンスが成功したと判定した場合は送信を行い、キャリアセンスが失敗したと判定した場合は送信を停止する。この場合、無線部5は、一定時間経過後、再度、送信を行う。なお、キャリアセンスの成功とは、無線部5が送信で使用しようとする無線チャンネルが他の無線装置の使用中でないことを検知したことを意味する。キャリアセンスの失敗とは、無線部5が送信で使用しようとする無線チャンネルが他の無線装置の使用中であることを検知したことを意味する。なお、このキャリアセンスを行う期間は、CCA(Clear Channel Assessment)と呼ばれる。送信要求は、例えば、無線部5内の所定の処理部が発生する場合、又は、後述の制御部17が生成する場合がある。
【0024】
また、無線部5は、送信要求があった場合、送信要求とCCAとの間にバックオフ期間(ランダムな長さの待機時間)を入れるが、このバックオフ期間では、受信を行わない。これにより、無線部5は、バックオフ期間でスリープ(一時的に機能を停止すること)することができ、後述のバッファ部14の充電電荷(充電電力)を回復できる。
【0025】
スイッチ制御部4は、無線部5の制御に応じて、駆動回路3を介してスイッチング部2をオンオフ制御する。これにより、負荷Q1の点灯、消灯及び調光が制御される。
【0026】
より詳細には、スイッチ制御部4は、交流電源B1からの交流電力の各半サイクル内でのオン期間の長さを制御する。オン期間とは、スイッチング部2がオンにされてからオフにされるまでの期間である。例えば、スイッチ制御部4は、交流電源B1からの交流電力の各半サイクルの始め(交流電力のゼロ交点)でスイッチング部2をオンに制御し、半サイクル内の所望の時点でスイッチング部2をオフにする。すなわち、スイッチ制御部4は、スイッチング部2をオフにするタイミングを制御することで、スイッチング部2のオン時間の長さを制御する。オン時間がゼロ又はゼロ以外の所望の長さに制御されることで、負荷Q1が消灯又は点灯に切り替えられる。また、オン時間の長さが制御されることで、負荷Q1が調光される。
【0027】
なお、スイッチ制御部4は、交流電源B1からの交流電力の半サイクルの所望の時点でスイッチング部2をオンに制御し、その半サイクルの終わりでスイッチング部2をオフすることで、オン時間の長さを制御してもよい。
【0028】
電源部6は、交流電源B1から供給される交流電力を直流電力に変換し、変換した直流電力を駆動回路3、スイッチ制御部4及び無線部5に供給する。すなわち、駆動回路3、スイッチ制御部4及び無線部5は、交流電源B1からの交流電力で動作する。
【0029】
電源部6は、整流回路10(変換部)と、定電圧回路11と、定電流回路12と、DC-DCコンバータ16(降圧回路)と、平滑コンデンサC1,C3と、バッファ部14と、制御部17とを備えている。
【0030】
整流回路10は、交流電源B1から供給される交流電力を直流電力に変換する。すなわち、整流回路10は、交流電力から、駆動回路3、スイッチ制御部4及び無線部5に供給するための直流電力を生成する。整流回路10は、2つの整流素子D1,D2を有する。各整流素子D1,D2のアノードは、電路H1において、スイッチング部2の両側の分岐点NP1,NP2に接続されている。各整流素子D1,D2のカソードは互いに接続されて、定電圧回路11の入力端に接続されている。
【0031】
整流回路10は、分岐点NP1,NP2において、交流電源B1からの交流電力を入力し、入力した交流電力を直流電力に変換する。より詳細には、整流回路10は、交流電源B1からの交流電力のサイクルが正の半サイクルのときは、分岐点NP1から交流電力を入力し、入力した交流電力を整流素子D1に通して整流して直流電力に変換する。また、整流回路10は、交流電源B1からの交流電力のサイクルが負の半サイクルのときは、分岐点NP2から交流電力を入力し、入力した交流電力を整流素子D2に通して整流して直流電力に変換する。整流回路10は、交流電源B1から供給される交流電圧を全波整流した脈流電圧(直流電圧)を定電圧回路11に出力する。
【0032】
定電圧回路11は、整流回路10から供給される脈流電圧を安定した直流電圧(例えば80Vの直流電圧)に変換して定電圧化する。これにより、定電圧回路11は、駆動回路3,スイッチ制御部4及び無線部5に供給される直流電圧を安定させる。より詳細には、定電圧回路11は、整流回路10からの直流電力の電圧V1の電圧値を所定の電圧値に変換して出力し、その出力電圧V2の電圧値を所定の電圧値に維持する。定電圧回路11は、例えば、ツェナダイード、抵抗及び半導体スイッチ等で構成されている。
【0033】
定電圧回路11の後段には、平滑コンデンサC1が設けられている。より詳細には、平滑コンデンサC1は、定電圧回路11の出力端と定電流回路12の入力端との間の電路の分岐点と接地点との間に接続されている。
【0034】
定電流回路12は、定電圧回路11からの直流電力(すなわち定電圧回路11で制御された直流電力)の電流I2を所定の電流値に制御する。すなわち、定電流回路12は、駆動回路3、スイッチ制御部4及び無線部5に供給される直流電流を定電流化する。より詳細には、定電流回路12は、定電圧回路11からの直流電力の電流I2の電流値を所定の電流値に変換して出力し、その出力電流I3の電流値を上記の所定の電流値に維持する。
【0035】
定電流回路12は、スイッチング部2の動作状態及び停止状態(すなわち負荷Q1の点灯時及び消灯時)に応じて、定電圧回路11の出力電流I2の電流値を、所定の電流値として、第1電流値(例えば0.5mA)と第2電流値(例えば3.0mA)とに切り替える。スイッチング部2の動作状態とは、スイッチング素子M1,M2をオンオフ制御して交流電源B1から負荷Q1に供給される交流電圧を位相制御する状態であり、負荷Q1を動作(点灯)させる状態である。スイッチング部2の停止状態とは、スイッチング素子M1,M2をオフ制御して交流電源B1から負荷Q1への給電を停止する状態であり、負荷Q1を停止(消灯)させる状態である。第2電流値は、第1電流値よりも大きい電流値である。より詳細には、定電流回路12は、スイッチング部2の停止状態(すなわち負荷Q1の消灯時)では、定電圧回路11の出力電流I2の電流値を第1電流値に変換して出力し、その出力電流I3の電圧値を第1電流値に維持する。また、定電流回路12は、スイッチング部の動作状態(すなわち負荷Q1の点灯時)では、定電圧回路11の出力電流I2の電流値を第2電流値に変換して出力し、その出力電流I3の電流値を第2電流値に維持する。定電流回路12は、例えば、半導体スイッチ、バイアス抵抗、シャント抵抗、シャントレギュラータ等で構成されている。
【0036】
バッファ部14は、定電流回路12の後段に設けられている。より詳細には、バッファ部14は、定電流回路12の出力端とDC-DCコンバータ16の入力端との間の電路の分岐点NP4と接地点との間に接続されている。バッファ部14は、バッファ用のコンデンサC2で構成されている。バッファ部14は、定電流回路12の出力電圧V3で充電される。すなわち、バッファ部14は、定電流回路12の出力電力(出力電流I3)を充放電可能なエネルギーとして蓄電する。なお、定電流回路12の出力電力は、整流回路10で変換された直流電力が元になっているので、バッファ部14は、整流回路10で変換された直流電力で放電可能に充電されるといえる。バッファ部14は、定電流回路12の出力電流I3が不足するとき、充電電荷(充電電力)を定電流回路12の出力電流I3として放電可能である。これにより、定電流回路12の出力電流I3の不足分が補われる。なお、バッファ部14の出力電圧V4は、電源電圧として、DC-DCコンバータ16を介して、駆動回路3,スイッチ制御部4及び無線部5に供給される。バッファ部14の出力電圧V4は、バッファ部14の蓄電電荷(蓄電電力)に比例する。
【0037】
DC-DCコンバータ16は、定電流回路12から出力された直流電力の電圧V3の電圧値を所定の電圧値(例えば3.3V)に降圧し、降圧した直流電力を、スイッチ制御部4、無線部5及び駆動回路3に供給する。すなわち、スイッチ制御部4、無線部5及び駆動回路3は、DC-DCコンバータ16の出力電力を用いて動作する。DC-DCコンバータ16の出力電力は、整流回路10で変換された直流電力が元になっているので、スイッチ制御部4、無線部5及び駆動回路3は、整流回路10で変換された直流電力で動作するといえる。上記の所定の電圧値(例えば3.3V)は、スイッチ制御部4、無線部5及び駆動回路3が要求する要求電圧の一例である。
【0038】
DC-DCコンバータ16の後段には、平滑コンデンサC3が設けられている。より詳細には、平滑コンデンサC3は、DC-DCコンバータ16の出力端と接地点との間に接続されている。
【0039】
制御部17は、バッファ部14の出力電圧V4に基づいて、無線部5を制御する。すなわち、制御部17は、バッファ部14の出力電圧V4に基づいて、無線部5の動作内容を決定する。なお、バッファ部14の出力電圧V4とは、バッファ部14の2つの電極の間の電圧である。
【0040】
より詳細には、制御部17は、バッファ部14の出力電圧V4が低下するに連れて無線部5の消費電力を低減するように、無線部5を制御する。更に詳細には、制御部17は、バッファ部14の出力電圧V4が閾値電圧Vs1以上であるか否かを検出(すなわち監視)する。なお、バッファ部14の出力電圧V4は、バッファ部14の充電電荷に比例する。このため、バッファ部14の出力電圧V4を検出することは、バッファ部14の蓄電電荷を検出することと等価である。
【0041】
そして、バッファ部14の出力電圧V4が閾値電圧Vs1を超える場合は、制御部17は、無線部5を通常動作で動作させる。通常動作とは、無線部5の動作を制限せずに送信及び受信の両方が可能に無線部5を動作させることである。また、制御部17は、バッファ部14の出力電圧V4が閾値電圧Vs1以下である場合は、無線部5の動作を制限する。制御部17は、無線部5の動作の制限の一例として、無線部5の送信を禁止する。この送信の禁止は、無線部5の送信の制限の一例である。
【0042】
閾値電圧Vs1は、無線部5の送信を禁止するか否かを決める閾値電圧である。閾値電圧Vs1は、例えば、スイッチ制御部4及び無線部5の各々のリセット電圧よりも大きい電圧である。スイッチ制御部4のリセット電圧とは、スイッチ制御部4内のマイコン(マイクロコンピュータ)がリセットされて再起動する電圧である。すなわち、スイッチ制御部4内のマイコンは、供給される電圧がリセット電圧以下になると再起動する。同様に、無線部5のリセット電圧とは、無線部5内のマイコンがリセットされて再起動する電圧である。すなわち、無線部5内のマイコンは、供給される電圧がリセット電圧以下になると再起動する。
【0043】
なお、本実施形態では、スイッチ制御部4及び無線部5はそれぞれ、例えばマイコンで構成されている。スイッチ制御部4及び無線部5は、バッファ部14の出力電圧V4が低下して、スイッチ制御部4及び無線部5に供給される電力の電圧がリセット電圧を下回ると、自動的にリセットして再起動する。
【0044】
本実施形態では、上述の通り、制御部17は、バッファ部14の出力電圧V4が閾値電圧Vs1以下である場合は、無線部5の送信を禁止する。これは、バッファ部14の出力電圧V4が閾値電圧Vs1以下である場合は、バッファ部14の蓄電電荷が十分な電荷量でないため、無線部5の送信が最後まで完了できずに中止される可能性が高いからである。すなわち、本実施形態では、バッファ部14の蓄電電荷が、無線部5の送信を最後まで完了させることができる電荷量であるときだけ、制御部17は、無線部5の送信を許可する。これにより、無線部5の送信の中止を低減して送信の応答性を向上できる。
【0045】
制御部17は、無線部5の送信禁止中に無線部5が送信をしようとした場合は、無線部にキャリアセンスが失敗したと強制的に判定させることで、無線部5の送信を禁止する。この場合、無線部5は、キャリアセンスを実行せずにキャリアセンスが失敗したと判定する。すなわち、無線部5は、キャリアセンスを実行せずにキャリアセンスを失敗扱いとする。これにより、無線部5のキャリアセンスの機能を利用して(すなわち既存の機能を利用して)、無線部5の送信を禁止できる。また、送信禁止を行うための消費電力を低減できる。制御部5は、無線部5にキャリアセンスが失敗したと強制的に判定させた場合、その判定を、無線部5の送信が許可されるまで(すなわち送信の禁止が解除されて送信が可能になるまで)維持する。
【0046】
制御部17は、無線部5の送信中に無線部5の送信が禁止になった場合は、その送信中の送信を中止せずに最後まで完了させ、その完了時以降から、無線部5の送信(すなわち新たな送信)を禁止する。これにより、送信の中止に伴う電力の無駄を無くせ、また、送信の応答生も向上できる。
【0047】
次に図1を参照して、この負荷制御装置1の動作を説明する。この負荷制御装置1では、交流電源B1からの交流電力が電源部6に入力される。そして、電源部6に入力された交流電力は、整流回路10で整流されて直流電力に変換される。そして、その変換された直流電力は、定電圧回路11で所定の電圧値(例えば80V)に維持され、定電流回路12で所定の電流値(第1電流値又は第2電流値)に維持され、DC-DCコンバータ16で所定の電圧値(例えば3.3V)に降圧される。そして、DC-DCコンバータ16で降圧された直流電力は、駆動回路3、スイッチ制御部4及び無線部5に供給される。この電力供給によって、駆動回路3、スイッチ制御部4及び無線部5が動作する。また、定電流回路12の出力電圧V3によってバッファ部14が充電される。そして、駆動回路3、スイッチ制御部4及び無線部5の消費電流が増加して、定電流回路12の出力電流I3が不足すると、その不足分を補うように、バッファ部14の充電電荷(充電電力)が、定電流回路12の出力電流I3として放電される。そして、この放電電流が、出力電流I3として、駆動回路3、スイッチ制御部4及び無線部5に供給される。これにより、駆動回路3、スイッチ制御部4及び無線部5に供給される電力の不足を抑制できる。
【0048】
本実施形態では、第1電流値(負荷Q1の消灯時の定電流回路12の出力電流I3の電流値)は、一例として、0.5mAに設定される。この設定は、負荷Q1の消灯時では、負荷Q1への給電を制御するための回路(例えばスイッチ制御部4及び無線部5)の消費電流が0.7mA以下の場合は、負荷Q1は誤点灯しないことを前提する。そして、この場合において少し余裕を持たせて、第1電流値が0.5mAに設定されている。
【0049】
第1電流値が0.5mAである場合は、定電流回路12の出力電圧が50Vとすると、定電流回路12の出力電力は、25mW(=0.5mA×50V)である。そして、DC-DCコンバータ16の効率を80%とすると、DC-DCコンバータ16の出力電力は、20mW(=25mW×80%)である。この場合、スイッチ制御部4及び無線部5で消費可能な消費電流は、約6mAである。この場合、スイッチ制御部4及び無線部5の消費電流が瞬間的に6mAを超えると、バッファ部14の充電電荷が放電されて、定電流回路12の出力電流I3が第1電流値(0.5mA)に維持される。
【0050】
また、本実施形態では、一例として、第2電流値(負荷Q1の点灯時の定電流回路12の出力電流I3の電流値)は、一例として、比較的低い電流値である5.0mAに設定される。これにより、負荷Q1の点灯時では、負荷Q1から見たインピーダンスが小さくなる。この結果、スイッチ制御部4及び無線部5の消費電流が大きい場合に、スイッチ制御部4及び無線部5の消費電流が変動しても、負荷Q1を、ちらつきの無い安定した点灯状態に維持できる。
【0051】
また、この負荷制御装置1では、バッファ部14の出力電圧V4が閾値電圧Vs1を超える場合は、制御部17は、無線部5の動作を制限することなく(すなわち通常動作で)無線部5を動作させる。他方、バッファ部14の出力電圧V4が閾値電圧Vs1以下である場合は、制御部17は、無線部5の送信を制限(例えば禁止)する。これにより、無線部5の消費電力が抑制される。この結果、バッファ部14の出力電圧V4がリセット電圧(規定電圧)を下回ることを抑制できる。そして、制御部17は、バッファ部14の出力電圧V4が閾値電圧Vs1を超えると、無線部5を通常動作で動作させる。
【0052】
次に図2を参照して、負荷制御装置1の動作の具体例を説明する。
【0053】
図2の上段は、無線部5の動作のタイミングチャートを示し、図2の中段は、バッファ部14の出力電圧V4の時間変化を示し、図2の下段は、無線部5の状態が送信禁止状態であるか送信許可状態であるかを示す。無線部5の送信禁止状態は、制御部17が無線部5の送信を禁止する状態である。無線部5の送信許可状態は、制御部17が無線部5の送信を許可する状態(すなわち送信を禁止していない状態)である。なお、制御部17は、バッファ部14の出力電圧V4が閾値電圧Vs1を超える場合は、無線部5の送信を許可し(すなわち禁止せず)、制御部17は、バッファ部14の出力電圧V4が閾値電圧Vs1以下である場合は、無線部5の送信を禁止する。
【0054】
時点t0では、バッファ部14の出力電圧V4は出力電圧範囲の最大電圧Vmaxであり、無線部5の状態は、送信許可状態である。
【0055】
時点t1で送信要求が発生すると、無線部5は、バックオフ期間を介してキャリアセンスを実行する(CCA期間)。そして、図2の例では、無線部5は、キャリアセンスが成功したと判定する(時点t2)。この判定時点t2では、無線部5の状態は送信許可状態である。すなわち、制御部17は、バッファ部14の出力電圧V4が閾値電圧Vs1を超えるため、無線部5の送信を許可している。このため、無線部5は、時点t2で送信を開始する。この送信によって、バッファ部14の充電電荷が消費されて、バッファ部14の出力電圧V4が低下する。
【0056】
そして、時点t3で、バッファ部14の出力電圧V4が閾値電圧Vs1を下回ると、無線部5の状態が送信禁止状態になる。すなわち、制御部17は、バッファ部14の出力電圧V4が閾値電圧Vs1以下であるため、無線部5の送信を禁止する。時刻t3で、無線部5の状態が送信許可状態から送信禁止状態に変わるが、無線部5は送信中であるため、制御部17は、無線部5に対して、送信を中止させず送信完了するまで送信を続行させる。
【0057】
そして、時点t4で、無線部5の送信が完了すると、無線部5は、次の送信要求が発生するまで、待機状態になる。無線部5は、待機状態では、間欠受信を行う。間欠受信は、無線部5が受信可能な受信可能状態と、無線部5が受信を行わない受信不可状態とを一定間隔毎に切り替えることで、電力消費を抑制する受信モードである。無線部5は、間欠受信の受信可能期間で受信を行い、その受信が受信可能期間を超える場合は、間欠受信でない通常の受信に切り替わって受信を行い、その受信が終わると、再度、間欠受信に戻る。ここで、受信可能期間とは、受信可能状態の期間である。また、時点t4で、無線部5の送信が完了すると、無線部5の電力消費が低下するため、バッファ部14の放電よりも充電の方が優勢になってバッファ部14の出力電圧V4が上昇する。
【0058】
そして、時点t5で、次の送信要求が発生する。この発生時点t5では、バッファ部14の出力電圧V4が閾値電圧Vs1以下であるため、無線部5の状態は送信禁止状態である。このため、制御部17は、無線部5に対してキャリアセンスが失敗であると強制的に判定させることで、無線部5の送信を禁止させる。これにより、バッファ部14の出力電圧V4がリセット電圧を下回ることを抑制できる。そして、制御部17は、この判定(強制失敗判定)を、バッファ部14の出力電圧V4が閾値電圧Vs1を超える時点(図2の例では時点t6)まで継続する。
【0059】
そして、時点t6で、バッファ部14の出力電圧V4が閾値電圧Vs1を超えると、無線部5の状態が送信許可状態になり、制御部17が無線部5に対して強制失敗判定を止めさせる。これにより、無線部5は、キャリアセンスを行い、図2の例ではキャリアセンスが成功して、時点t5での送信要求に対する送信を開始する。
【0060】
そして、図2の例では、その後の時点t7で、バッファ部14の出力電圧V4が閾値電圧Vs1以下になる。これにより、無線部5の状態が送信禁止状態に変わるが、無線部5の送信は送信中であるため、制御部17は、無線部5に対して、送信を中止させず送信完了するまで送信を続行させる。そして、時点t8で、無線部5の送信が完了すると、無線部5は、次の送信要求が発生するまで、待機状態になる。無線部5は、待機状態では、間欠受信を行う。
【0061】
次に図3を参照して、負荷制御装置1の動作を説明する。
【0062】
送信要求が発生していない場合は(S1:No)、無線部5は、送信要求が発生するまで待機状態になる(S11)。他方、送信要求が発生すると(S1:Yes)、制御部1は、バッファ部14の出力電圧V4が閾値電圧Vs1を超えるか否か判定する(S2)。その判定の結果、バッファ部14の出力電圧V4が閾値電圧Vs1以下である場合(S2:No)は、制御部17は、無線部5に対してキャリアセンスが失敗であると強制的に判定させる(S3)。これにより、制御部17は、無線部5の送信を禁止させる。すなわち、制御部17は、無線部5に新たな無線を行わせない。以後、上記の判定をキャリアセンス強制失敗判定と記載する。そして、処理がステップS2に戻る。そして、ステップS2でバッファ部14の出力電圧V4が閾値電圧Vs1を超えるまで、S2→S3→S2の処理の流れが繰り返されることで、ステップS3のキャリアセンス強制失敗判定が継続される。
【0063】
そして、ステップS2の判定の結果、バッファ部14の出力電圧V4が閾値電圧Vs1を超える場合(S2:Yes)は、制御部17は、無線部5の送信を許可する。これにより、無線部5は、通常通り、バックオフ期間を介してキャリアセンスを実行する(S4)。なお、無線部5は、バッファオフ期間は、受信を行わない。これにより、バックオフ期間でスリープ状態(一時的に機能を停止すること)になることができ、バッファ部14の充電電荷を回復できる。
【0064】
そして、ステップS4のキャリアセンスの実行の結果、キャリアセンスが失敗した場合(S5:No)は、一定時間経過後(S6)、ステップS2に戻って上述の処理が繰り返される。他方、キャリアセンスが成功した場合(S5:Yes)は、無線部5は、ステップS1の送信要求に対する送信を開始する(S7)。この送信の途中で、バッファ部14の出力電圧V4が閾値電圧Vs1を超える場合(S8:Yes)、無線部5は、その送信を最後まで継続して完了させる(S10)。他方、バッファ部14の出力電圧V4が閾値電圧Vs1以下になった場合(S8:No)は、無線部5は、その送信を中止せずに(S9)最後まで継続して送信完了させる(S10)。そして、無線部5の送信完了後、無線部5は、次の送信要求が発生するまで待機状態になる(S11)。そして、処理がステップS1に戻る。
【0065】
以上、この実施形態に係る負荷制御装置1によれは、バッファ部14の放電電荷(出力電流)で動作する無線部5が、バッファ部14の出力電圧V4に基づいて制御される。このため、バッファ部14の出力電圧V4によって供給される電源電圧が低下して規定電圧(例えばリセット電圧)以下になることを抑制できる。
【0066】
(実施形態1の変形例、及び他の実施形態)
実施形態1は、本発明の様々な実施形態の一つに過ぎない。実施形態1は、本発明の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。さらに、実施形態1に係る態様は、負荷制御装置1で具現化されることに限らない。例えば、負荷制御方法、コンピュータプログラム、又はプログラムを記憶した記憶媒体等で、実施形態1に係る態様が具現化されてもよい。以下に説明する実施形態1の変形例及び他の実施形態(変形例を含む)は、適宜組み合わせて適用可能である。
【0067】
上記の負荷制御方法は、負荷制御装置1を制御する負荷制御方法である。負荷制御装置1は、スイッチング部2と、スイッチ制御部4と、整流回路10(変換部)と、無線部5と、バッファ部14と、制御部17とを備える。スイッチング部2は、交流電源B1と負荷Q1との間を導通及び遮断することで、交流電源B1から負荷Q1への電力の供給を制御して負荷Q1を動作及び停止させる。スイッチ制御部4は、スイッチング部2を制御する。整流回路10は、交流電源B1から供給される交流電力を直流電力に変換する。無線部5は、整流回路10で変換された直流電力を用いて動作し、外部の通信装置との間で無線通信を行う。バッファ部14は、整流回路10で変換された直流電力によって放電可能に蓄電され、蓄電された電力を前記直流電力として無線部5に放電可能である。上記の負荷制御方法は、バッファ部14の出力電圧V4に基づいて無線部5を制御する制御処理を含む。
【0068】
(変形例1)
実施形態1では、定電圧回路11、定電流回路12及びDC-DCコンバータ16を備えるが、図4Aに示すように、各回路12,13,16の全部を備えなくてもよい。図4Aの例の場合は、整流回路10の出力電流によって直接、バッファ部14が放電可能に充電される。そして、バッファ部14の放電電力が直接、スイッチ制御部4及び無線部5に供給される。また、各回路12,13,16の何れか1つ又は何れか2つを備えるだけでもよい。例えば、各回路12,13,16のうち定電流回路12だけを備える場合は、図4Bに示すように構成される。図4Bの例の場合は、整流回路10の出力電流が直接、定電流回路12に入力される。そして、図4Aの場合と同様に、バッファ部14の放電電力が直接、スイッチ制御部4及び無線部5に供給される。
【0069】
(変形例2)
実施形態1では、無線部5は、バッファ部14の出力電圧V4が閾値電圧Vs1以下である場合は、送信を禁止する。この送信の禁止では、全ての送信を一律に禁止することを想定している。ただし、無線部5は、全ての送信を一律に禁止するのではなく、特定の送信を許容し、特定の送信以外の送信だけを禁止してもよい。これにより、無線部5の送信機能の全部を禁止することを回避できる。
【0070】
上記の特定の送信とは、必要性の高い送信(例えば発火検知信号の送信又はACKの送信)である。
【0071】
上記の発火検知信号は、無線部5又は負荷制御装置1内の発火を検知した時にその旨を外部に送信するための信号である。発火検知信号を送信禁止の対象から除外する場合は、無線部5又は負荷制御装置1内の発火を検知する検知部を負荷制御装置1が備えることを前提とする。
【0072】
上記のACK(acknowledgement)は、例えば、ユニキャスト送信のように、無線部5が送信相手からデータを受信したときに、そのデータを正しく受信したことを送信相手に通知するために送る信号である。なお、ユニキャスト送信とは、単一の送信相手を指定して、データを送信することである。送信禁止によってACKの送信が禁止されると、送信が成功していても、送信相手は送信が失敗したと判断して、再度送信することになる。この結果、電力が無駄になり、送信の応答生も低下する。このため、送信禁止の対象からACKを除外することが望ましい。
【0073】
(変形例3)
実施形態1において、無線部5が待機状態で行う間欠受信の周期を交流電源B1の交流電力の交流周期よりも短くしてもよい。間欠受信は、上述の通り、無線部5が受信可能な受信可能状態と、無線部5が受信を行わない受信不可状態とを一定時間毎に切り替える受信モードである。間欠受信の周期とは、間欠受信の受信可能期間の始まりからこの受信可能期間の次の受信不可期間の終わりまでの期間である。すなわち、間欠受信の周期とは、時系列に隣り合う1組の受信可能期間及び受信不可能期間を合わせた期間の長さである。なお、受信不可能期間とは、受信不可能状態の期間であり、受信可能期間とは、受信可能状態の期間である。
【0074】
この変形例によれば、間欠受信の周期のうちの受信可能期間を十分に短くできる。これにより、1つの受信可能期間での受信の消費電力を低減できるため、無線部5の受信の電力消費でバッファ部の蓄電電荷が一気に低下することを抑制できる。この結果、バッファ部14の出力電圧V4によって供給される電源電圧が低下して規定電圧(例えばリセット電圧)以下になることを抑制できる。
【0075】
(変形例4)
実施形態1において、制御部17は、例えばプロセッサ及びメモリを主構成とするマイクロコンピュータにて構成されてもよい。つまり、制御部17は、プロセッサ及びメモリを有するコンピュータシステムにて実現されてもよい。この場合、プロセッサが適宜のプログラムを実行することにより、コンピュータシステムが制御部17として機能する。プログラムは、メモリに予め記録されていてもよいし、インターネット等の電気通信回線を通じて、又はメモリカード等の非一時的な記録媒体に記録されて提供されてもよい。同様に、スイッチ制御部4及び無線部5(付加機能部)も、例えばプロセッサ及びメモリを主構成とするマイクロコンピュータにて構成されてもよい。
【0076】
(実施形態2)
実施形態2は、実施形態1と比べて、制御部17が、バッファ部14の出力電圧V4が閾値電圧Vs2(第2閾値電圧)以下である場合は、無線部5の受信を禁止し、バッファ部14の出力電圧V4が閾値電圧Vs2を超える場合は、無線部5の受信を禁止しない点が異なる。ここで、閾値電圧Vs2は、閾値電圧Vs1よりも小さい。
【0077】
また、実施形態2は、実施形態1と比べて、制御部17が、バッファ部14の出力電圧V4が閾値電圧Vs3(第3閾値電圧)以上になると、無線部5の受信の禁止を解除する点が異なる。すなわち、無線部5は、バッファ部14の出力電圧V4が閾値電圧Vs2以下になって受信が一旦禁止されると、バッファ部14の出力電圧V4が閾値電圧Vs3以上になって受信禁止が解除されない限り、受信を行わない。なお、閾値電圧Vs3は、閾値電圧Vs2よりも大きい。また、閾値電圧Vs3は、一例として閾値電圧Vs1と同じ電圧である。
【0078】
図5を参照して、実施形態2の主要動作の具体例を説明する。
【0079】
図5の最上段は、無線部5の動作のタイミングチャートを示し、図5の上から2段目は、バッファ部14の出力電圧V4の時間変化を示し、図5の上から3段目は、無線部5が送信禁止状態であるか送信許可状態であるかを示す。無線部5の送信禁止状態は、制御部17が無線部5の送信を禁止する状態である。無線部5の送信許可状態は、制御部17が無線部5の送信を許可する状態(すなわち送信を禁止しない状態)である。図5の最下段は、無線部5が受信禁止状態であるか受信禁止解除状態であるかを示す。無線部5の受信禁止状態は、制御部17が無線部5の受信を禁止する状態である。無線部5の受信禁止解除状態は、制御部17が無線部5の受信禁止を解除した状態である。
【0080】
時点t0~時点t4までは、図2の時点t0~時点t4までと同じであるため、説明は省略する。以下では、時点t4から説明する。
【0081】
時点t4では、無線部5は、待機状態になり、間欠受信を行う。図5の例では、無線部5は、待機状態で、外部の無線装置から複数回(例えば2回)データを受信する。1回目のデータの受信は、時点t10~t11の間で行われ、2回目のデータの受信は、時点t12~t13の間で行われる。無線部5の受信中は、バッファ部14の蓄電電荷が無線部5の受信で消費されるため、バッファ部14の出力電圧V4は低下する。
【0082】
そして、時点t13で、バッファ部14の出力電圧V4が閾値電圧Vs2以下になると、制御部17は、無線部5の受信を禁止する。すなわち、制御部17は無線部5の受信を強制的に禁止する。なお、この無線部5の受信の禁止には、無線部5の間欠受信の禁止も含まれる。これにより、無線部5の送信及び受信が禁止されるため、バッファ部14の充電が放電よりも優勢になってバッファ部14の出力電圧V4が上昇する。
【0083】
そして、時点t14でバッファ部14の出力電圧V4が閾値電圧Vs1を超えると、無線部5の状態が送信許可状態になる。また、時点t14でバッファ部14の出力電圧V4が閾値電圧Vs3(=Vs1)を超えると、無線部5の状態が受信禁止解除状態になる。
【0084】
そして、時点t15で送信要求が発生すると、無線部5は、バックオフ期間を介してキャリアセンスを実行する(CCA期間)。このバックオフ期間では、無線部5は、受信を行わない。そして、図5の例では、無線部5は、キャリアセンスが成功したと判定する(時点t16)。この判定時点t16では、無線部5の状態は送信許可状態である。すなわち、制御部17は、バッファ部14の出力電圧V4が閾値電圧Vs1を超えるため、無線部5の送信を許可している。このため、無線部5は、時点t16で送信を開始する。この送信によって、バッファ部14の蓄電電荷が消費されて、バッファ部14の出力電圧V4が低下する。そして、無線部5は、時点t17で送信完了して待機状態になる。無線部5は、待機状態では、間欠受信を行う。
【0085】
次に図6を参照して、本実施形態に係る負荷制御装置1の動作を説明する。
【0086】
図6のステップS1~S11は、図3のステップS1~S11と同じである。このため、以下の説明では、図6のステップS12から説明する。
【0087】
無線部5の待機状態(S11)において、無線部5が受信禁止状態でなく(S12:No)、かつバッファ部14の出力電圧V4が閾値電圧Vs2を超える場合(S13:Yes)は、処理がステップS1に戻る。これにより、無線部5の受信が禁止されていない状態において、送信要求が発生した場合の動作に対応可能である。
【0088】
他方、無線部5の待機状態(S11)において、無線部5が受信禁止状態でなく(S12:No)、かつバッファ部14の出力電圧V4が閾値電圧Vs2以下である場合(S13:No)は、制御部17は、無線部5の受信を禁止する(S14)。この禁止により、バッファ部14の充電が放電よりも優勢になってバッファ部14の出力電圧V4が上昇する。そして、バッファ部14の出力電圧V4が閾値電圧Vs3を超える場合(S15:Yes)は、制御部17が無線部5の受信禁止を解除する(S16)。そして、処理がステップS1に戻る。これにより、無線部5の受信禁止が解除された状態において、送信要求が発生した場合の動作に対応可能である。
【0089】
他方、無線部5の受信禁止状態(S14)において、バッファ部14の出力電圧V4が閾値電圧Vs3以下である場合(S15:No)は、処理がステップS1に戻る。これにより、無線部5の受信禁止状態において、送信要求が発生した場合の動作に対応可能である。この場合、処理がステップS1に戻ったとき、ステップS1~S12の間の何れかの処理経路を経て、ステップS12に到る。ステップS12では、上記のステップS14での受信禁止状態が継続しているため(S12:Yes)、処理がステップS15に進み、上述同様に処理が進む。
【0090】
以上、本実施形態によれば、制御部17は、バッファ部14の出力電圧V4が閾値電圧Vs2以下である場合は、無線部5の受信を禁止する。このため、バッファ部14の出力電圧V4によって供給される電源電圧が低下して規定電圧(例えばリセット電圧)以下になることを抑制できる。
【0091】
また、制御部17は、バッファ部14の出力電圧V4が閾値電圧Vs3以上になると、無線部5の受信の禁止を解除するため、閾値電圧Vs2の前後で無線部5の受信の禁止及びその解除が何度も繰り返されることを抑制できる。
【0092】
また、閾値電圧Vs3は、閾値電圧Vs1と同じ電圧であるため、無線部5の受信機能と共に送信機能も回復できる(効果1)。なお、本実施形態では、閾値電圧Vs3は、閾値電圧Vs1と同じであるが、閾値電圧Vs3は、閾値電圧Vs1よりも小さい電圧であってもよいし、閾値電圧s1よりも大きい電圧であってもよい。閾値電圧Vs3が閾値電圧s1以上であれば、上記の効果1と同様の効果を得る。
【0093】
(まとめ)
第1の態様の負荷制御装置(1)は、スイッチング部(2)と、スイッチ制御部(4)と、変換部(10)と、無線部(5)と、バッファ部(14)と、制御部(17)と、を備える。スイッチング部(2)は、交流電源(B1)と負荷(Q1)との間を導通及び遮断することで、交流電源(B1)から負荷(Q1)への電力の供給を制御して負荷(Q1)を動作及び停止させる。スイッチ制御部(4)は、スイッチング部(2)を制御する。変換部(10)は、交流電源(B1)から供給される交流電力を直流電力に変換する。無線部(5)は、変換部(10)で変換された直流電力を用いて動作し、外部の通信装置との間で無線通信を行う。バッファ部(14)は、変換部(10)で変換された直流電力によって放電可能に蓄電され、蓄電された電力を直流電力として無線部(5)に放電可能である。制御部(17)は、バッファ部(14)の出力電圧(V4)に基づいて無線部(5)を制御する。
【0094】
この構成によれば、バッファ部(14)の放電電力で動作する無線部(5)が、バッファ部(14)の出力電圧(V4)に基づいて制御される。このため、バッファ部(14)の出力電圧(V4)によって供給される電源電圧が低下して規定電圧(例えばリセット電圧)以下になることを抑制できる。
【0095】
第2の態様の負荷制御装置(1)では、第1の態様において、制御部(17)は、バッファ部(14)の出力電圧(V1)が低下するに連れて無線部(5)の消費電力を低減するように、無線部(5)を制御する。
【0096】
この構成によれば、バッファ部(14)の出力電圧(V4)によって供給される電源電圧が低下して規定電圧(例えばリセット電圧)以下になることを抑制できる。
【0097】
第3の態様の負荷制御装置(1)では、第1又は第2の態様において、制御部(17)は、バッファ部(14)の出力電圧(V4)が第1閾値電圧(Vs1)以下である場合は、無線部(5)の動作を制限する。
【0098】
この構成によれば、バッファ部(14)の出力電圧(V4)が閾値電圧以下である場合に無線部(5)の動作を制限するため、バッファ部(14)の出力電圧(V4)によって供給される電源電圧が低下して規定電圧以下になることを抑制できる。
【0099】
第4の態様の負荷制御装置(1)では、第3の態様において、制御部(17)は、無線部(5)の動作の制限として、無線部(5)の送信を制限する。
【0100】
この構成によれば、無線部(5)の動作を制限するとき、無線部(5)の受信機能を維持できる。これにより、外部から送信される制御信号に対する応答性を確保できる。
【0101】
第5の態様の負荷制御装置(1)では、第4の態様において、無線部(5)は、送信を行う前に、キャリアセンスが成功したか失敗したかの判定を行い、キャリアセンスが成功したと判定した場合は送信を行い、キャリアセンスが失敗したと判定した場合は送信を停止する。制御部(17)は、無線部(5)にキャリアセンスが失敗したと判定させることで、無線部(5)の送信を禁止する。
【0102】
この構成によれば、無線部(5)のキャリアセンスの処理を利用して、無線部(5)の送信を禁止させることができる。
【0103】
第6の態様の負荷制御装置(1)では、第4又は第5の態様において、制御部(17)は、無線部(5)の動作の制限として、無線部(5)による新たな送信の開始を禁止する。
【0104】
この構成によれば、送信の途中で送信が停止されることを抑制でき、この結果、無線部(5)の送信の応答性を向上できる。
【0105】
第7の態様の負荷制御装置(1)では、第4~第6の態様の何れか1つの態様において、制御部(17)は、無線部(5)が特定の送信を行うことを許容する。
【0106】
この構成によれば、無線部(5)の送信機能の全部を停止することを回避できる。
【0107】
第8の態様の負荷制御装置(1)では、第2~第7の態様の何れか1つの態様において、制御部(17)は、バッファ部(14)の出力電圧(V4)が第1閾値電圧(Vs1)よりも小さい第2閾値電圧(Vs2)以下である場合は、無線部(5)の受信を禁止する。
【0108】
この構成によれば、バッファ部(14)の出力電圧(V4)が第2閾値電圧(Vs2)以下である場合は無線部(5)の受信が禁止される。このため、バッファ部(14)の出力電圧(V4)によって供給される電源電圧が低下して規定電圧(例えばリセット電圧)以下になることを更に抑制できる。
【0109】
第9の態様の負荷制御装置(1)では、第8の態様において、制御部(17)は、バッファ部(14)の出力電圧(V4)が第2閾値電圧(Vs2)よりも大きい第3閾値電圧(Vs3)以上である場合は、無線部(5)の受信の禁止を解除する。
【0110】
この構成によれば、第2閾値電圧(Vs2)の前後で無線部(5)の受信の禁止及びその解除が何度も繰り返されることを抑制できる。
【0111】
第10の態様の負荷制御装置(1)では、第8の態様において、第3閾値電圧(Vs3)は、第1閾値電圧(Vs1)以上である。
【0112】
この構成によれば、無線部(5)の受信機能と共に送信機能も回復できる。
【0113】
第11の態様の負荷制御装置(1)では、第1~第10の態様の何れか1つの態様において、無線部(5)は、待機中は、受信可能状態と受信不可能状態とを一定時間毎に繰り返す間欠受信を行う。
【0114】
この構成によれば、無線部(5)の待機中の受信の電力消費を低減できる。
【0115】
第12の態様の負荷制御装置(1)では、第11の態様において、間欠受信の周期は、交流電力の交流周期よりも短い。
【0116】
この構成によれば、間欠受信の周期のうちの受信可能期間を十分に短くできる。これにより、1つの受信可能期間での受信の電力消費を低減できるため、無線部(5)の受信の電力消費によってバッファ部(14)の蓄電電荷が一気に低下することを抑制できる。
【0117】
第13の態様の負荷制御方法は、負荷制御装置(1)を制御する負荷制御方法である。負荷制御装置(1)は、スイッチング部(2)と、スイッチ制御部(4)と、変換部(10)と、無線部(5)と、バッファ部(14)と、制御部(17)と、を備える。スイッチング部(2)は、交流電源(B1)と負荷(Q1)との間を導通及び遮断することで、交流電源(B1)から負荷(Q1)への電力の供給を制御して負荷(Q1)を動作及び停止させる。スイッチ制御部(4)は、スイッチング部(2)を制御する。変換部(10)は、交流電源(B1)から供給される交流電力を直流電力に変換する。無線部(5)は、変換部(10)で変換された直流電力を用いて動作し、外部の通信装置との間で無線通信を行う。バッファ部(14)は、変換部(10)で変換された直流電力によって放電可能に蓄電され、蓄電された電力を直流電力として無線部(5)に放電可能である。負荷制御方法は、バッファ部(14)の出力電圧(V4)に基づいて無線部(5)を制御する制御処理を含む。
【0118】
第14の態様のプログラムは、コンピュータシステムに、第13の態様の負荷制御方法を実行させるためのプログラムである。
【0119】
この構成によれば、上記の負荷制御方法をプロセッサに実行させるためのプログラムを提供できる。
【符号の説明】
【0120】
1 負荷制御装置
2 スイッチング部
4 スイッチ制御部
5 無線部
10 整流回路(変換部)
14 バッファ部
17 制御部
B1 交流電源
Q1 負荷
V4 出力電圧
Vs1~Vs3 閾値電圧
図1
図2
図3
図4
図5
図6