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  • 特許-開閉弁装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-21
(45)【発行日】2024-03-29
(54)【発明の名称】開閉弁装置
(51)【国際特許分類】
   F16K 1/38 20060101AFI20240322BHJP
   F16K 1/36 20060101ALI20240322BHJP
【FI】
F16K1/38 A
F16K1/36 A
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2019235323
(22)【出願日】2019-12-25
(65)【公開番号】P2021102995
(43)【公開日】2021-07-15
【審査請求日】2022-08-22
(73)【特許権者】
【識別番号】391003989
【氏名又は名称】株式会社コスメック
(72)【発明者】
【氏名】土田 武司
【審査官】藤森 一真
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第04327770(US,A)
【文献】特開2015-028381(JP,A)
【文献】米国特許第04442863(US,A)
【文献】実開平01-039972(JP,U)
【文献】特開2006-153204(JP,A)
【文献】実開昭56-050865(JP,U)
【文献】特開平10-141516(JP,A)
【文献】実開昭56-070262(JP,U)
【文献】実開平02-080287(JP,U)
【文献】特表2001-505642(JP,A)
【文献】特開2019-206995(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16K 1/36 - 1/38
F16K 15/00 - 15/20
F16L 37/00 - 37/62
F16L 39/00 - 39/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
筒状のケーシング(15)の内周壁にその筒孔の軸方向の先端側へ向かうにつれて先細りするように形成されるテーパ内周面(19)と、
前記テーパ内周面(19)の前記軸方向の基端側に連続するように形成される逃がし面(20)であって、前記テーパ内周面(19)に交差するように形成される逃がし面(20)と、
前記テーパ内周面(19)の前記軸方向の基端側部分に形成される第1弁座(21)と、
前記ケーシング(15)の筒孔内に前記軸方向に移動可能に挿入される第1弁部材(23)と、
前記第1弁部材(23)の外周壁に前記先端側へ向かうにつれて軸心に近づくように形成されるテーパ外周面(24)と、
前記テーパ外周面(24)に周方向に開口される装着溝(25)と、
前記装着溝(25)に装着される封止部材(26)であって、その封止部材(26)の前記軸方向の先端側内周面が前記装着溝(25)に密着される封止部材(26)と、
前記封止部材(26)の外周壁に形成されると共に、前記第1弁座(21)に当接可能となっている第1弁面(27)と、
前記封止部材(26)の前記軸方向の基端側外周面と前記装着溝(25)の前記軸方向の基端側内周面との間に形成される隙間(31)と、を備える、
ことを特徴とする開閉弁装置。
【請求項2】
ケーシング(40)に形成される装着孔(41)と、
前記装着孔(41)の底壁に当該装着孔(41)の軸方向の先端側へ突設される弁座部材(42)と、
前記弁座部材(42)に前記基端側へ向かうにつれて先細りするように周方向に形成されるテーパ外周面(43)と、
前記テーパ外周面(43)の前記軸方向の基端側に連続するように形成されると共に、テーパ外周面43と交差する逃がし面(44)と、
前記テーパ外周面(43)の前記軸方向の基端側に周方向に形成される第2弁座(45)と、
前記装着孔(41)に前記軸方向に移動可能に挿入される筒状の第2弁部材(46)と、
前記第2弁部材(46)の内周壁に前記軸方向の基端側に向かうにつれて先細りするように形成されるテーパ内周面(46a)と、前記テーパ内周面(46a)に周方向に開口される装着溝(47)に装着される封止部材(48)と、
前記封止部材(48)の外周壁に周方向に形成されると共に、前記第2弁座(45)に当接可能となっている第2弁面(49)と、
前記封止部材(48)の前記軸方向の基端側外周面と前記装着溝(47)の前記基端側内周面との間に形成される隙間(50)と、を備える、
ことを特徴とする開閉弁装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、圧縮流体の流路を閉弁および開弁する開閉弁装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の開閉弁装置には、従来では、特許文献1(日本国・特開2017-26131号公報)に記載されたカップリング装置内に設けられるようなものがある。その従来技術は、次のように構成されている。
従来の開閉弁装置では、図3Dから図3Fに示すように、弁ケース60が筒状に形成され、その筒孔の内周壁から突起部61が当該筒孔の径方向の内方(図3Dから図3Fにおいては右方)に向けて形成される。その突起部61のテーパ内周面62によって弁座63が構成される。また、弁ケース60の筒孔に弁部材64が上下方向へ移動可能に挿入される。その弁部材64は、筒孔に摺動可能に挿入されるロッド部分と、ロッド部分の上側であって当該ロッド部よりも大径に形成される先端部分65とを有している。その先端部分65の外周壁にテーパ外周面66が形成されると共に、そのテーパ外周面66に装着溝67が周方向に形成される。その装着溝67にゴムや樹脂等の封止部材68が装着される。装着溝67の下側周壁によって薄肉部69が構成される。その薄肉部69を上方へ押圧して塑性変形させることにより、装着溝67の周壁全体が封止部材68を把持して当該装着溝67内に固定する。その装着溝67の開口部から封止部材68の一部が押し出されて、弁部材64のテーパ外周面66から外側に突出している。その封止部材68の外周壁に形成される弁面70が、上記の弁座63に面接触可能となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-26131号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の従来技術は、弁部材の薄肉部を塑性変形させて、装着溝の周壁が封止部材を把持することにより、封止部材を装着溝に強固に固定できる点で優れている。しかしながら、装着溝の周壁を封止部材に均一に押圧させなければ、封止部材の外周面の高さや、封止部材の弾性にムラが生じることになり、その装着作業に手間がかかっていた。開閉弁装置の封止部材を装着溝に簡単かつ確実に固定できるようにする点で改良の余地があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の目的を達成するため、第1発明は、例えば、図1から図3Hに示すように、開閉弁装置を次のように構成した。
筒状のケーシング15の内周壁にテーパ内周面19が、ケーシング15の筒孔の軸方向の先端側へ向かうにつれて先細りするように形成される。前記テーパ内周面19の前記軸方向の基端側に連続する逃がし面20が形成され、逃がし面20が前記テーパ内周面19に交差するように形成される。前記テーパ内周面19の前記軸方向の基端側部分に第1弁座21形成される。前記ケーシング15の筒孔内に第1弁部材23が前記軸方向に移動可能に挿入される。前記第1弁部材23の外周壁にテーパ外周面24が前記先端側へ向かうにつれて軸心に近づくように形成される。前記テーパ外周面24に装着溝25が周方向に開口される。前記装着溝25に封止部材26が装着される。その封止部材(26)の前記軸方向の先端側内周面が前記装着溝(25)に密着される。前記封止部材26の外周壁に形成される第1弁面27が、前記第1弁座21に当接可能となっている。前記封止部材26の前記軸方向の基端側外周面と前記装着溝25の前記軸方向の基端側内周面との間に隙間31が形成される。
【0006】
本発明は、例えば、同上の図1から図3Hに示すように、次のような作用効果を奏する。
本発明開閉弁装置では、封止部材を装着溝に簡単かつ確実に固定できる。
【0007】
上記の目的を達成するため、第2発明は、例えば、図1から図3Hに示すように、開閉弁装置を次のように構成した。
ケーシング40に形成される装着孔41の底壁に、弁座部材42が当該装着孔41の軸方向の先端側へ突設される。前記弁座部材42に前記基端側へ向かうにつれて先細りするテーパ外周面43が周方向に形成される。前記テーパ外周面43の前記軸方向の基端側に連続する逃がし面44が形成され、その逃がし面44がテーパ外周面43と交差する。前記テーパ外周面43の前記軸方向の基端側外周壁に第2弁座45が周方向に形成される。前記装着孔41に筒状の第2弁部材46が前記軸方向に移動可能に挿入される。前記第2弁部材46の内周壁にテーパ内周面46aが前記軸方向の基端側に向かうにつれて先細りするように形成される。前記テーパ内周面46aに周方向に開口される装着溝47に、封止部材48が装着される。前記封止部材48の外周壁に周方向に形成される第2弁面49が、前記第2弁座45に当接可能となっている。前記封止部材48の前記軸方向の基端側外周面と前記装着溝47の前記基端側内周面との間に隙間50が形成される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、本発明の一実施形態を示し、開閉弁装置を備えるカップリング装置の断面視の模式図である。
図2図2は、上記のカップリング装置の連結状態を示す断面視の模式図である。
図3図3A図3Gは、図1中のA,G部分を示す部分拡大図である。図3C図3Hは、図2中のC,H部分を示す部分拡大図である。図3Bは、図3Aから図3Cへの切換途中を示す図である。図3Dから図3Fは、従来の開閉弁装置を示す図であり、図3Aに類似する図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1から図3は、本発明の一実施形態を示し、まず、図1によって開閉弁装置を備えるカップリング装置の構造を説明する。
【0010】
上記カップリング装置の基準ブロック1に、可動ブロック2が着脱自在に上方から装着される。本発明のカップリング装置は、基準ブロック1に装着された第1継手5と、可動ブロック2に装着された第2継手6とを有する。その第1継手5内に第1給排路7が形成されると共に、第2継手6内に第2給排路8が形成される。
【0011】
上記基準ブロック1に第1継手5の第1ケーシング10がボルトによって固定される。その第1ケーシング10は、外筒11と、その外筒11の内周孔の下部に螺合される内筒12とを有する。その内筒12は、外筒11に保密状に螺合される大径部分12aと、その大径部分12aの上側に設けられた小径部分12bとを有する。小径部分12bと外筒11の内周孔との間に隙間が形成され、その隙間に弁ケース(ケーシング)15の大径部分15aが封止部材12cを介して保密状で上下方向へ移動可能に挿入される。その大径部分15aの上側に小径部分15bが突設される。また、弁ケース15が駆動手段Dによって上下方向へ移動可能に挿入され、その駆動手段Dは、次のように構成される。
【0012】
上記の外筒11の内周孔と内筒12の外周部と弁ケース15の大径部分15aとによってロック室16が区画形成される。そのロック室16は、給排路17を介して圧油供給源(図示せず)に接続されている。その給排路17は、第1ケーシング10に形成された流路17aと、基準ブロック1に形成された流路17bとを有する。また、第1ケーシング10の内周孔の上部に半径方向の内方に向けて突設された突出部分10aの下面と、弁ケース15の大径部分15aの上面との間にリリースバネ18が装着される。そのリリースバネ18が弁ケース15を下方へ付勢している。
【0013】
上記の弁ケース15の上端部から突出部分15cが当該弁ケース15の半径方向の内方へ突設される。図3Aから図3Cに示すように、その突出部分15cの内周壁にテーパ内周面19が上方へ向かうにつれて先細りするように形成される。そのテーパ内周面19に連続するように、逃がし面20が当該テーパ内周面19に交差するように形成される。なお、本実施形態の逃がし面20は、弁ケース15の軸心に対して垂直となるように形成されているが、これに限定されず、テーパ内周面19に対して交差して角を形成していればよい。また、テーパ内周面19の下端部または、テーパ内周面19の下端部およびテーパ内周面19と逃がし面20との接続部によって第1弁座21が形成される。さらに、その角が曲面状に加工される場合には、テーパ内周面19と逃がし面20との接続部によって第1弁座21を形成するようにしてもよい。
【0014】
上記の弁ケース15の小径部分15bの内周孔にリング状の案内部材22が止め輪によって固定される。その案内部材22の内周孔に第1弁部材23の小径部分23aが上下方向に移動可能に挿入される。その第1弁部材23の小径部分23aの上側に大径部分23bが形成される。その大径部分23bの外周壁が、上方へ向かうにつれて軸心に近づくように、テーパ外周面24が形成されると共に、周方向に形成された装着溝25を有する。その装着溝25に封止部材であるOリング26が装着され、そのOリング26の外周部に第1弁面27が形成され、その第1弁面27が弁ケース15の第1弁座21に当接可能となっている。そのOリング26は、ゴム又は樹脂等の弾性体によって形成されている。また、装着前のOリング26の直径は、装着溝25の底壁の直径と同じかそれより小さくなるように設定されている。このため、装着後のOリング26は、装着溝25から外れる方向へ外力が作用されても、自らの弾性復元力によって装着溝25の底壁に向けて付勢される。また、Oリング26の下端面と装着溝25の周縁近傍との間に隙間が形成されている。より詳しく言うと、その隙間31は、第1弁面27と第1弁座21とが当接する位置から前記軸方向の下側位置に形成されている。このため、第1弁面27が第1弁座21に係合したときに、Oリング26の内側部分が装着溝25に密着もしくは近接した状態を維持しながら、外側部分が隙間31に退避する。
【0015】
上記の案内部材22と第1弁部材23の大径部分23aとの間に、第1閉弁バネ(第1付勢手段)28が装着され、その第1閉弁バネ28が第1弁部材23を弁ケース15の突出部分15cに向けて押圧している。このため、その第1弁面27が第1弁座21に当接している。
【0016】
上記の第1給排路7は、第1弁座21および第1弁面27の間に形成された開弁隙間と、弁ケース15の内周孔と、案内部材22に形成される連通孔29と、内筒12に形成される第1給排口30と、によって構成される。
【0017】
上記可動ブロック2に第2継手6の第2ケーシング(ケーシング)40がボルトによって固定される。その第2ケーシング40に装着孔41が形成され、その装着孔41の底壁に弁座部材42が下方へ突設される。その弁座部材42の下側外周壁にテーパ外周面43が上方へ向かうにつれて先細りするように周方向に形成され、そのテーパ外周面43の上側に連続するように逃がし面44が形成される。テーパ外周面43と逃がし面44とによって角が形成される。なお、本実施形態の逃がし面44は、弁座部材42の軸心に対して垂直となるように形成されているが、これに限定されず、テーパ外周面43に対して交差するように構成されていればよい。また、本実施形態の角部が曲面加工されており、その加工がされた部分(テーパ外周面43と逃がし面44との接続部分)とテーパ外周面43の下端部とに第2弁座45が周方向に形成される。上記の装着孔41に筒状の第2弁部材46が封止部材を介して保密状で上下方向へ移動可能に挿入される。その第2弁部材46の下端側内周壁に上方に向かうにつれて先細りするテーパ内周面46aが形成され、そのテーパ内周面46aに装着溝47が周方向に形成される。その装着溝47に封止部材としてのOリング48が装着される。そのOリング48の外周壁に第2弁面49が周方向に形成され、その第2弁面49が上記の第2弁座45に上側から当接可能となっている。そのOリング48は、ゴム又は樹脂等の弾性体によって形成されている。
上記のOリング48の下面と装着溝47の周壁との間に隙間50が形成される。このため、第2弁面49が第2弁座45に係合したときに、Oリング48の外側部分が装着溝47に密着もしくは近接した状態を維持しながら、外側部分が隙間50に退避する。
【0018】
上記の装着孔41の底壁と第2弁部材46との間に第2閉弁バネ(第2付勢手段)53が装着され、その第2閉弁バネ53が第2弁部材46を弁座部材42に向けて付勢している。このため、その第2弁面49が第2弁座45に上側から当接可能となっている。
【0019】
上記の第2給排路8は、第2弁座43と第2弁面46との間に形成された開弁隙間と、装着孔41と、その装着孔41の底壁に形成された連通孔54と、第2ケーシング40の上部に形成された第2給排口55とによって構成される。
【0020】
上記の第2弁部材45の下壁に溝56が下方へ開口するように周方向に形成され、その溝52に封止部材57が装着される。これにより、上記の弁ケース15が上方へロック駆動したときに、弁ケース15の上端面が上記の封止部材57に当接される(図2を参照)。
【0021】
上記のカップリング装置は、図1及び図2に示すように、次のように作動する。
図1の分離状態では、第1継手5のロック室16から圧油が排出されると共に、リリースバネ18が弁ケース15を下方へ移動させている。また、第1閉弁バネ28が第1弁部材23を上方に移動させている。
上記の第2継手6では、第2閉弁バネ53が第2弁部材46を下方に移動させている。
【0022】
前記の可動ブロック2を図1の分離状態から図2の連結状態に切換えるときには、まず、図1に示すように、第2継手6を第1継手5の上方へ移動する。次いで、第2継手6を下方へ移動させていくと、弁ケース15の突出部分15cの上面に第2弁部材46の封止部材56が当接する。さらに、図2に示すように、第1継手5の支持面10bに第2継手6の被支持面40aが当接する。
次いで、ロック室16に圧油を供給すると、弁ケース15がリリースバネ18に抗して上方へ移動されていき、その弁ケース15が第2弁部材46を第2閉弁バネ53に抗して上方へ移動させていく。次いで、弁ケース15の上端部が、第2継手6の収容孔58に挿入されていき、第2弁部材46の第2弁面49が弁座部材42の第2弁座45から離間されて開弁される。これと同時に、第1弁部材23の大径部分23bの上面が弁座部材42の下面に当接されることにより、第1弁部材23の第1弁面27が弁ケース15の第1弁座21から離間されて開弁される。このため、第1継手5の第1給排路7と第2継手6の第2給排路8とが連通される。
最後に、図3に示すように、弁ケース15が収容孔58の底壁に受け止められ、第1継手5と第2継手6とが連結される。
【0023】
上記のカップリング装置を図2の連結状態から図1の分離状態へ切換えるときには、まず、ロック室16から圧油を排出すると、リリースバネ18が弁ケース15を下方へ移動させる。すると、第2閉弁バネ53が第2弁部材46を下方へ移動させると共に、第1閉弁バネ28が第1弁部材23を閉弁方向へ移動させる。これにより、第1弁部材23の第1弁面27が第1ケーシング10の第1弁座21に当接して閉弁されると共に、第2弁部材46の第2弁面49が弁座部材42の第2弁座45に当接して閉弁する。
その後可動ブロック2を上方へ搬出すると、図1に示すように、第2継手6が第1継手5から分離される。
【0024】
上記実施形態の開閉弁装置は、図3Dから図3Fに示す従来の開閉弁装置に比べて次の点で優れている。
従来の開閉弁装置では、筒状の弁部材64の薄肉部69を塑性変形させて、装着溝67の周壁が封止部材68を把持することにより、封止部材68を弁部材64に固定している。このため、装着溝67の周壁が封止部材68を均一に押圧しなければ、封止部材68の外周面の高さや、封止部材68の弾性にムラ、封止部材68のねじれが生じるおそれがある。また、装着溝67の周壁が封止部材68を押圧しているので、その開閉弁装置を閉弁させるときに、押圧力に抗して弁部材64を弁座63に向けて強力に押す必要がある。また、従来の開閉弁装置を図3Dの閉弁状態から図3Fの開弁状態に切り換える途中において、図3Eに示すように、弁ケース60のテーパ内周面62全体によって構成される弁座63から、弁面63が当該弁座63に対して広い面積で密着した状態で弁ケース60の突起部61から弁部材64が離間されるので、装着溝67から封止部材68を引きはがそうとする力が作用する。このため、封止部材68が摩耗したり破損したり、装着溝67から離脱したり、装着溝67内でよじれたりするおそれがある。
これに対して、本実施形態の開閉弁装置では、弁部材23,46に形成される装着溝25,47にOリング26,48が装着溝25,47の周壁によって押圧されることなく均一に装着される。また、Oリング26,48は、装着溝25,47の周壁によって押圧されていないので、小さな押圧力によって弾性変形できる。すなわち、閉弁バネ28,53のバネ定数を小さく設定でき、バネを小さくできる。さらに、本実施形態の開閉弁装置では、弁座21,45に隣接して逃がし面20,40が形成されると共に、弁部材23,46の軸方向であって弁面27,49の反対側外周面と、装着溝25,47の周壁との間に隙間31,50が形成される。このため、Oリング26,48の個体差による大きさのばらつきがあっても、Oリング26,48が隙間31,50に退避してばらつきを吸収できる。また、逃がし面20,40を設けることにより、弁面27,49と弁座21,45との接触面積を小さくできるので、離間時に装着溝67から封止部材68を引きはがそうとする力が作用しにくい。
【0025】
上記の各実施形態は次のように変更可能である。
上記の実施形態では、開閉弁装置が、カップリング装置内に備えられるが、これに限らず、他の弁装置、例えば逆止弁、減圧弁、リリーフ弁などに適用してもよい。
上記のテーパ内周面およびテーパ外周面は、軸方向に対してテーパ状に形成されることに限られず、鉛直面であってもよい。
その他に、当業者が想定できる範囲で種々の変更を行えることは勿論である。
図1
図2
図3