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特許7458022電気設備用固定装置、電気設備システム、及び電気設備固定方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-21
(45)【発行日】2024-03-29
(54)【発明の名称】電気設備用固定装置、電気設備システム、及び電気設備固定方法
(51)【国際特許分類】
   H05K 5/02 20060101AFI20240322BHJP
   H05K 5/03 20060101ALI20240322BHJP
   H02B 1/01 20060101ALI20240322BHJP
   H02B 3/00 20060101ALI20240322BHJP
   F16B 5/02 20060101ALI20240322BHJP
【FI】
H05K5/02 E
H05K5/02 B
H05K5/02 L
H05K5/03 D
H02B1/01 B
H02B3/00 D
F16B5/02 U
F16B5/02 B
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2020089222
(22)【出願日】2020-05-21
(65)【公開番号】P2021184424
(43)【公開日】2021-12-02
【審査請求日】2023-01-16
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】弁理士法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中本 篤志
(72)【発明者】
【氏名】森田 聖史
(72)【発明者】
【氏名】吉岡 健太
(72)【発明者】
【氏名】大坪 啓一
【審査官】小林 大介
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-012767(JP,A)
【文献】特開平08-035689(JP,A)
【文献】特開2000-337667(JP,A)
【文献】特開2015-164487(JP,A)
【文献】実開昭54-173954(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 5/00- 5/03
H02B 1/01
H02B 3/00
F16B 5/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体部及び前記本体部を支える脚部を有する電気設備の固定に用いられる電気設備用固定装置であって、
前記電気設備が据置台に載せられた状態で前記据置台に固定される前記脚部、及び、前記脚部が固定される前記据置台の少なくとも一方を、前記据置台が置かれる載置面と交差する施工面に対して固定するための施工面用固定具を備え、
前記施工面用固定具が、第1固定具と、前記施工面に固定される第2固定具と、を備え、
前記第1固定具は、前記据置台の上面との間に前記脚部を挟んだ状態で前記脚部と共に前記据置台に共締めされる接触片と、前記接触片の端部から前記接触片の表面と交差する方向に突出する第1連結片と、を有し、
前記第2固定具が、前記第1固定具の前記第1連結片に固定される第2連結片と、前記施工面に固定される壁固定片とを備え、
前記第2連結片は前記第1連結片に対して鉛直方向において所定の可動範囲内で相対移動可能な状態で結合され、前記壁固定片が前記施工面に固定される固定位置が少なくとも水平方向において調整可能である、
電気設備用固定装置。
【請求項2】
前記脚部を前記据置台に対して固定するための脚部固定具を更に備える、
請求項1に記載の電気設備用固定装置。
【請求項3】
前記施工面用固定具は、前記据置台に対して固定される据置台固定部を有し、
前記施工面用固定具は、少なくとも前記据置台を前記施工面に対して固定する、
請求項1又は2に記載の電気設備用固定装置。
【請求項4】
前記施工面用固定具は、前記接触片の端部から前記接触片の表面と交差する方向に突出する補強リブを含み、
前記補強リブから前記接触片の表面と交差する方向に前記第1連結片が突出し、
前記補強リブは、前記施工面と直交する方向において、前記本体部に対して前記施工面と反対側に出ない範囲に設けられている、
請求項1~3のいずれか1項に記載の電気設備用固定装置。
【請求項5】
前記脚部は、前記本体部の外表面に取り付けられている、
請求項1~4のいずれか1項に記載の電気設備用固定装置。
【請求項6】
前記施工面用固定具は、前記施工面用固定具が前記施工面に固定される固定位置が少なくとも水平方向において調整可能である、
請求項1~5のいずれか1項に記載の電気設備用固定装置。
【請求項7】
前記施工面用固定具は、水平方向において複数の固定位置で前記施工面に対して取り付け可能であり、
前記複数の固定位置の間隔が複数通りある、
請求項1~6のいずれか1項に記載の電気設備用固定装置。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか1項に記載の電気設備用固定装置と、
前記電気設備用固定装置を用いて前記施工面に固定される前記電気設備と、を備える、
電気設備システム。
【請求項9】
本体部及び前記本体部を支える脚部を有する電気設備を固定する電気設備固定方法であって、
前記電気設備が据置台に載せられた状態で前記据置台に固定される前記脚部、及び、前記脚部が固定される前記据置台の少なくとも一方を、前記据置台が置かれる載置面と交差する施工面に対して固定するための施工面用固定具を用いて、前記電気設備を前記施工面に固定する工程を有し、
前記施工面用固定具が、第1固定具と、前記施工面に固定される第2固定具と、を備え、
前記第1固定具は、前記据置台の上面との間に前記脚部を挟んだ状態で前記脚部と共に前記据置台に共締めされる接触片と、前記接触片の端部から前記接触片の表面と交差する方向に突出する第1連結片と、を有し、
前記第2固定具が、前記第1固定具の前記第1連結片に固定される第2連結片と、前記施工面に固定される壁固定片とを備え、
前記第2連結片は前記第1連結片に対して鉛直方向において所定の可動範囲内で相対移動可能な状態で結合され、前記壁固定片が前記施工面に固定される固定位置が少なくとも水平方向において調整可能である、
電気設備固定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電気設備用固定装置、電気設備システム、及び電気設備固定方法に関する。より詳細には、本開示は、据置台に載せられた電気設備を固定するための電気設備用固定装置、電気設備システム、及び電気設備固定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、支持部材(据置台)に載せられた電気設備の固定方法を開示する。電気設備は、本体(本体部)の背面に取り付けられる固定部材を、建物の基礎部分に固定することによって、建物に固定される。また、本体の上部には、転倒防止部材が取り付けられており、この転倒防止部材を基礎部分の上側にある建物壁に取り付けることで、本体の転倒を抑制している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-220534号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した電気設備の固定方法では、電気設備の本体が固定部材及び転倒防止部材(電気設備用固定装置)を介して建物に固定されている。そのため、例えば地震等による振動が電気設備に加わると、固定部材及び転倒防止部材が取り付けられた本体の部位に振動による応力が加わる可能性があり、電気設備の本体が変形する等して、電気設備の品質が低下する可能性があった。
【0005】
本開示の目的は、電気設備の品質の低下を抑制可能な電気設備用固定装置、電気設備システム、及び電気設備固定方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様の電気設備用固定装置は、本体部及び前記本体部を支える脚部を有する電気設備の固定に用いられる電気設備用固定装置である。前記電気設備用固定装置は、施工面用固定具を備える。前記施工面用固定具は、前記電気設備が据置台に載せられた状態で前記据置台に固定される前記脚部、及び、前記脚部が固定される前記据置台の少なくとも一方を、前記据置台が置かれる載置面と交差する施工面に対して固定するための前記施工面用固定具である。前記施工面用固定具が、前記据置台の上面との間に前記脚部を挟んだ状態で前記脚部と共に前記据置台に共締めされる接触片と、前記接触片の端部から前記接触片の表面と交差する方向に突出する第1連結片とを有する第1固定具と、前記施工面に固定される第2固定具と、を備える。前記第2固定具が、前記第1固定具の前記第1連結片に固定される第2連結片と、前記施工面に固定される壁固定片とを備える。前記第2連結片は前記第1連結片に対して鉛直方向において所定の可動範囲内で相対移動可能な状態で結合され、前記壁固定片が前記施工面に固定される固定位置が少なくとも水平方向において調整可能である。
【0007】
本開示の一態様の電気設備システムは、前記電気設備用固定装置と、前記電気設備用固定装置を用いて前記施工面に固定される前記電気設備と、を備える。
【0008】
本開示の一態様の電気設備固定方法は、本体部及び前記本体部を支える脚部を有する電気設備を固定する電気設備固定方法である。前記電気設備固定方法は、施工面用固定具を用いて、前記電気設備を施工面に固定する工程を有する。前記施工面用固定具は、前記電気設備が据置台に載せられた状態で前記据置台に固定される前記脚部、及び、前記脚部が固定される前記据置台の少なくとも一方を、前記据置台が置かれる載置面と交差する施工面に対して固定するための前記施工面用固定具である。前記施工面用固定具が、前記据置台の上面との間に前記脚部を挟んだ状態で前記脚部と共に前記据置台に共締めされる接触片と、前記接触片の端部から前記接触片の表面と交差する方向に突出する第1連結片とを有する第1固定具と、前記施工面に固定される第2固定具と、を備える。前記第2固定具が、前記第1固定具の前記第1連結片に固定される第2連結片と、前記施工面に固定される壁固定片とを備える。前記第2連結片は前記第1連結片に対して鉛直方向において所定の可動範囲内で相対移動可能な状態で結合され、前記壁固定片が前記施工面に固定される固定位置が少なくとも水平方向において調整可能である。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、電気設備の品質の低下を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、本開示の一実施形態に係る電気設備用固定装置及び電気設備の外観斜視図である。
図2図2は、同上の電気設備用固定装置を用いて電気設備を固定した状態を示す外観斜視図である。
図3図3は、同上の電気設備用固定装置を用いて電気設備を固定した状態の正面図である。
図4図4は、同上の電気設備用固定装置を用いて電気設備を固定する工程の説明図である。
図5図5は、同上の電気設備用固定装置を用いて電気設備を固定する工程の説明図である。
図6図6は、同上の電気設備用固定装置を用いて電気設備を固定する工程の説明図である。
図7図7は、同上の電気設備用固定装置を用いて電気設備を固定する工程の説明図である。
図8図8は、同上の電気設備用固定装置を用いて電気設備を固定した状態の斜視図である。
図9図9は、同上の電気設備用固定装置を用いて電気設備を固定した状態の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(実施形態)
(1)概要
以下の実施形態において説明する各図は、模式的な図であり、各図中の各構成要素の大きさ及び厚さそれぞれの比が、必ずしも実際の寸法比を反映しているとは限らない。
【0012】
本実施形態の電気設備用固定装置1は、図1に示すように、本体部110及び本体部110を支える脚部120を有する電気設備100の固定に用いられる。電気設備用固定装置1は施工面用固定具20を備える。施工面用固定具20は、電気設備100が据置台10に載せられた状態で据置台10に固定される脚部120、及び脚部120が固定される据置台10の少なくとも一方を、施工面330(図2及び図3参照)に対して固定する。施工面330は、据置台10が置かれる載置面200と交差する面である。
【0013】
また、本実施形態の電気設備固定方法は、上記の電気設備100を固定する電気設備固定方法である。電気設備固定方法は、上記の施工面用固定具20を用いて、電気設備100を施工面330に固定する工程を有する。
【0014】
電気設備用固定装置1を用いて固定される電気設備100は、載置面200に置かれる据置台10に載せられた状態で、載置面200と交差する施工面330に対して固定される。以下では、電気設備100が蓄電池を箱状の本体部に収容した蓄電システムである場合を例に説明する。また、施工面330は例えば載置面200から上向きに立ち上がった建物300の壁面であり、以下では、施工面330が建物300の外壁の表面であり、載置面200が建物300の外側の地面である場合を例に説明する。なお、建物300の外壁は、コンクリート等の基礎部分310と、基礎部分310の上にあるサイディング320とを含み、以下では電気設備100が基礎部分310の表面である施工面330に固定される場合を例に説明する。
【0015】
施工面用固定具20が本体部110を施工面330に対して直接固定する場合には、施工面用固定具20を本体部110に対して固定する必要がある。例えば、電気設備100の施工現場において、施工面用固定具20を本体部110にボルト等で固定する場合は、施工現場において、本体部110にボルトを通す孔等を開ける必要があり、この孔から本体部110の内部に水などが入る可能性もある。また、地震等によって本体部110に振動が加わった場合、施工面用固定具20が固定された本体部110の部位に応力が加わる可能性がある。それに対して、本実施形態では、施工面用固定具20が、据置台10に固定される脚部120、及び脚部120が固定される据置台10の少なくとも一方を施工面330に対して固定することによって、電気設備100の本体部110を施工面330に対して間接的に固定する。したがって、施工現場において施工面用固定具20を本体部110に固定する必要がなく、施工面用固定具20を固定するためのボルトを通す孔等を施工現場で本体部110に開ける必要がないので、本体部110の内部への水の浸入等を抑制でき、電気設備100の品質の低下を抑制できる。なお、脚部120が本体部110と別体である場合でも、工場等で脚部120を本体部110にボルト等で予め取り付けておくことができ、脚部120が本体部110に取り付けられた状態で電気設備100を工場から施工現場に出荷できる。したがって、施工現場において本体部110にボルトを通すための孔等を開ける必要が無いから、電気設備100の品質の低下を抑制できる。また、地震等で本体部110に振動が加わった場合でも、施工面用固定具20は脚部120及び据置台10の少なくとも一方を施工面330に対して固定しているので、本体部110に応力が加わる可能性を低減でき、電気設備100の品質の低下を抑制できる。
【0016】
(2)詳細
以下、本実施形態の電気設備用固定装置1、電気設備用固定装置1を用いて固定される電気設備100、及び、電気設備用固定装置1と電気設備100とを備える電気設備システムA1について図面を参照して詳しく説明する。以下の説明では、特に断りがない限り、図面中のX軸方向を左右方向、Y軸方向(施工面330と直交する方向)を前後方向、Z軸方向を上下方向と規定する。さらに、X軸方向の正の向きを右側、Y軸方向の正の向きを前側、Z軸方向の正の向きを上側と規定する。ただし、これらの方向は一例であり、電気設備用固定装置1及び電気設備100の使用時の方向を限定する趣旨ではない。また、図面中の各方向を示す矢印は説明のために表記しているに過ぎず、実体を伴わない。
【0017】
(2.1)電気設備
上述のように本実施形態では、電気設備100が蓄電システムである場合について説明する。
【0018】
蓄電システムである電気設備100は、図1図3に示すように、蓄電池を内部に収容する本体部110を備える。本体部110は、左右方向の寸法及び上下方向の寸法に比べて前後方向の寸法が小さい直方体状に形成されている。本体部110の内部には、例えば複数の蓄電池と、コントロールユニットが少なくとも収容されている。コントロールユニットは、複数の蓄電池の充放電を制御する充放電制御回路と、外部システムと通信する通信回路とを含む。
【0019】
本体部110の底板111には、左右両側にそれぞれ脚部120が1つずつ取り付けられている。電気設備100は左右両側の脚部120で自立することができる。
【0020】
脚部120は、例えば長尺の金属板をZ形に折り曲げることによって形成される。脚部120は、前後方向に沿って伸びる長尺の中央片121と、中央片121の下端部から外側に向かって突出する第1固定片122と、中央片121の上端部から第1固定片122と反対向きに突出する第2固定片123と、を備える。第2固定片123は例えばボルト125によって本体部110の底板111に固定される。第1固定片122は据置台10の上面に載せられる。第1固定片122の前後方向における両側縁にはU形の溝124が1つずつ設けられている。
【0021】
脚部120は、本体部110の外表面に取り付けられている。つまり、脚部120は本体部110とは別の部材であり、この脚部120が施工面用固定具20を介して施工面330に固定されている。なお、本実施形態では脚部120が本体部110の底板111に固定されている。したがって、脚部120を本体部110にボルト125を用いて固定する場合でも、ボルト125を通すために底板111に設けられた孔等から雨水等が浸入する可能性を低減できる。
【0022】
(2.2)電気設備用固定装置
上述のように電気設備用固定装置1は施工面用固定具20を備える。また電気設備用固定装置1は据置台10を更に備える。そして、本実施形態では施工面用固定具20が、脚部120と据置台10との少なくとも一方に固定される第1固定具30と、施工面330に固定される第2固定具40と、を含んでいる。第1固定具30と第2固定具40とは結合部50によって結合される。本実施形態では、電気設備用固定装置1が、2つの据置台10を備えており、2つの据置台10に対応して2組の施工面用固定具20を有している。なお、以下では第1固定具30が脚部120と据置台10との両方に固定されるのであるが、第1固定具30は脚部120と据置台10とのいずれか一方のみに固定されてもよい。また、本実施形態の電気設備用固定装置1は位置調整部材60を更に備えている。なお、位置調整部材60は電気設備用固定装置1に必須の構成ではなく適宜省略が可能である。
【0023】
据置台10は例えばコンクリート製のブロックである。据置台10は前後方向から見た形状が台形状に形成されたブロックである。据置台10の上面には、前後方向に沿って伸びる溝11が形成されている。溝11には脚部120及び第1固定具30を固定するための六角ボルトのようなボルト70の頭部が挿入されている。溝11の開口部分の左右方向の寸法は、溝11の下側部分の左右方向の寸法に比べて狭くなっている。溝11の開口部分の左右方向の寸法は、ボルト70の頭部よりも狭く、ボルト70のねじ部よりは広い寸法に設計されている。また、溝11の下側部分の左右方向の寸法は、ボルト70の頭部の二面幅よりもやや広い寸法に設計されている。ボルト70のねじ部が溝11の開口部分から外側に突出した状態で、ボルト70の頭部が溝11内に挿入される。
【0024】
上述のように、本実施形態では、2つの据置台10にそれぞれ対応して2つの施工面用固定具20が設けられている。ここで、2つの施工面用固定具20を区別する場合、右側の施工面用固定具20を施工面用固定具20Rと記載し、左側の施工面用固定具20を施工面用固定具20Lと記載する。左右の施工面用固定具20R,20Lはそれぞれ第1固定具30及び第2固定具40を1つずつ備えている。ここで、第2固定具40は左右の施工面用固定具20R,20Lで共通であり、向きを変えて使用されている。一方、右側の施工面用固定具20Rが有する第1固定具30と、左側の施工面用固定具20Lが有する第1固定具30とは左右対称な形状に形成されている。以下の説明で左右の第1固定具30を区別して説明する場合、右側の施工面用固定具20Rが有する第1固定具30を第1固定具30Rと記載し、左側の施工面用固定具20Lが有する第1固定具30を第1固定具30Lと記載する場合もある。
【0025】
第1固定具30R,30Lの各々は、例えば金属板を折り曲げて形成されている。第1固定具30R,30Lの各々は、据置台10の上面に接触する接触片31と、補強リブ32と、第2固定具40が固定される第1連結片33とを備える。すなわち、本実施形態の施工面用固定具20は、据置台10に接触する接触片31と、接触片31の端部から接触片31の表面と交差する方向に突出する補強リブ32と、を含んでいる。
【0026】
接触片31は、左右方向の寸法に比べて前後方向の寸法が長い矩形板状に形成されている。接触片31には、前後方向に間隔をあけて2つの長孔34が形成されている。2つの長孔34は据置台10の溝11に沿って設けられている。接触片31は、据置台10の上面に載せられた脚部120の第1固定片122に重ねて配置される。溝11に頭部が挿入されたボルト70のねじ部は、第1固定片122の溝124と、接触片31の長孔34とに通され、長孔34から上側に突出する。そして、長孔34から上側に突出するボルト70のねじ部にワッシャ71を通してナット72を取り付けることによって、接触片31と脚部120とが据置台10に固定される。ここにおいて、ボルト70とナット72とで脚部固定部75(図2参照)が構成される。つまり、ボルト70とナット72とで接触片31及び脚部120が据置台10に共締めされている。換言すると、施工面用固定具20は、脚部120を据置台10に対して固定するための脚部固定具73を更に備えており、本実施形態では脚部固定具73がボルト70とナット72とで構成されている。なお、脚部固定具73は、ボルト70とナット72で構成されるものに限定されず、適宜変更が可能である。また、施工面用固定具20は、据置台10に対して固定される据置台固定部(本実施形態では接触片31からなる)を有しており、施工面用固定具20は少なくとも据置台10を施工面330に対して固定することができる。なお、本実施形態では、接触片31と据置台10との間に電気設備100の脚部120が固定されているので、電気設備100の脚部120も施工面330に対して固定されている。つまり、本実施形態では、据置台固定部(接触片31からなる)が、据置台10及び脚部120の両方に対して固定されているので、据置台10及び脚部120の両方を施工面330に対して固定することができる。
【0027】
また、ボルト70のねじ部は第2連結片41の長孔34に挿入されるので、施工面用固定具20は、施工面330と直交する方向(前後方向)において、所定の調整範囲内で調整可能な固定位置で、脚部120と据置台10との少なくとも一方に固定される。所定の調整範囲は、例えば長孔34内でボルト70のねじ部が移動可能な範囲である。施工面用固定具20は、前後方向において所定の調整範囲内で調整可能な固定位置で、脚部120及び据置台10に固定されるので、据置台10に載せられた電気設備100と施工面330との間の間隔を調整することができる。
【0028】
接触片31の左右方向における片側縁からは上側に向かって補強リブ32が突出している。ここで、金属板を折り曲げることによって補強リブ32が形成されているので、第1固定具30R,30Lの強度を高めることができる。なお、施工面用固定具20を用いて脚部120が据置台10に固定された状態では、補強リブ32が、脚部120の中央片121に接触している。補強リブ32は、接触片31の片側縁の前側部分311を除いて片側縁のほぼ全体から上側に向かって突出している。接触片31の前側部分311は、電気設備100を固定した状態で、前後方向において、電気設備100の本体部110よりも前側(施工面330と反対側)にはみ出す可能性がある部分である。この前側部分311には上側に向かって突出する補強リブ32が設けられていない。つまり、補強リブ32は、施工面330と直交する方向(前後方向)において、本体部110に対して施工面330と反対側に出ない範囲に設けられているので、ユーザの身体(例えば手足等)が補強リブ32に当たる可能性を低減できる。
【0029】
また、補強リブ32の後部には、さらに上側に向かって突出する第1連結片33が設けられている。第1連結片33には、端面にねじ溝が形成されたねじ孔35が上下に1つずつ設けられている。
【0030】
第2固定具40は、例えば矩形状の金属板を直角に折り曲げることによって形成される。第2固定具40は、第1固定具30R,30Lの第1連結片33に重ねられる第2連結片41と、施工面330又は位置調整部材60のいずれかに固定される壁固定片42とを備える。
【0031】
第2連結片41には、長孔43が上下に1つずつ設けられている。2つの長孔43は上下方向に沿って設けられている。なお、長孔43の数、形状、及び大きさは適宜変更が可能である。
【0032】
壁固定片42には、図3に示すように、施工面330に設けられたアンカーボルト82のねじ部を通すための4つの丸孔44が設けられている。4つの丸孔44は、壁固定片42の上側及び下側にそれぞれ2個ずつ設けられている。また、壁固定片42には、上下方向の寸法よりも左右方向の寸法が長い複数(例えば8個)の長孔45が設けられている。壁固定片42には、2個で1組の長孔45が左右方向に並べて設けられており、2個で1組の長孔45が上下方向に間隔をあけて4組設けられている。施工面330が建物300の木質系のサイディング320である場合等に、サイディング320に壁固定片42を固定するためのハイローねじを通すための孔として長孔45は使用される。長孔45は、水平方向に長い長円形状に形成されているので、長孔45内でハイローねじが水平方向に移動可能な範囲で、施工面330に対する固定位置を調整可能である。すなわち、施工面用固定具20は、施工面用固定具20が施工面330に固定される固定位置が少なくとも水平方向において調整可能であるので、施工面330の状態等に応じて最適な固定位置で施工面用固定具20を施工面330に固定することができる。なお、長孔45は、壁固定片42を後述する位置調整部材60に固定するためのボルトを挿入するための孔としても利用可能である。ここにおいて、第2固定具40に設けられた長孔43、45及び丸孔44の数、形状、及び大きさは適宜変更が可能である。
【0033】
第1固定具30(30R、30L)と第2固定具40とは2つの結合部50を用いて結合される。2つの結合部50の各々は、円筒状の金属製のスペーサ51と、ボルト52とを含む。各結合部50のスペーサ51は、第2連結片41の長孔43に挿入される。ここで、スペーサ51の高さ寸法は、第2連結片41の厚み寸法よりも大きい寸法に設定されている。第2連結片41の2つの長孔43にそれぞれ挿入された2つのスペーサ51に2つのボルト52をそれぞれ通し、2つのボルト52をそれぞれ第1連結片33の2つのねじ孔35にねじ込むことによって、第1固定具30と第2固定具40とが結合される。ここで、長孔43にはスペーサ51が挿入されているので、第1固定具30と第2固定具40とは、鉛直方向において所定の可動範囲(スペーサ51が長孔43内で移動可能な範囲)内で相対移動可能な状態で結合されている。すなわち、結合部50は、第1固定具30及び第2固定具40を鉛直方向において所定の可動範囲内で相対移動可能な状態で結合する。例えば据置台10が軟弱な地面に置かれている場合、電気設備100の重量で据置台10が載置面200にめり込むために、据置台10が施工面330に対して下方へ移動する可能性がある。このとき、第1固定具30及び第2固定具40は鉛直方向において所定の可動範囲内で相対移動可能な状態で結合されているので、据置台10が載置面200にめり込んだ場合でも、第1固定具30と第2固定具40との結合部分に、電気設備110の自重による歪みの力が加わる可能性を低減できる。
【0034】
位置調整部材60は、施工面用固定具20の第2固定具40を施工面330に直接固定できない場合に使用される。例えば、施工面330において電気設備100を固定可能な強度を有する被固定部位(例えば建物300のサイディングの裏側にある間柱等)と第2固定具40の位置が合わない場合、第2固定具40は位置調整部材60を用いて施工面330に固定される。位置調整部材60を使用する場合、図8及び図9に示すように、施工面330に固定された位置調整部材60に対して施工面用固定具20の第2固定具40が固定される。すなわち、施工面用固定具20は位置調整部材60を介して施工面330に固定される。
【0035】
位置調整部材60は、矩形状の金属板をZ形に折り曲げて形成されている。位置調整部材60は、施工面330に固定される第1固定片61と、施工面用固定具20の第2固定具40が固定される第2固定片62とを有している。第1固定片61と第2固定片62との間には金属板を折り曲げることによって段差部分63が設けられている。段差部分63が設けられているので、施工面330に固定された第1固定片61と、第2固定片62との間に隙間を設けることができ、この隙間によって建物300の水切り部分340と第2固定片62が干渉するのを回避することができる。
【0036】
第2固定片62には、端面にねじ溝が形成されたねじ孔64が左右に2個ずつ設けられている。
【0037】
第1固定片61の左右方向の中央部には、位置調整部材60を施工面に仮固定するためのねじを通すだるま孔65が設けられている。第1固定片61には、上下方向における上部、中間部、及び下部に、それぞれ複数個の長孔66が水平方向に並んで設けられている。位置調整部材60は、例えば長孔66に通したハイローねじ等の固定部材を用いて施工面330を構成する建物300の壁に固定される。位置調整部材60を建物300の壁に固定するための固定部材が、水平方向に長い長孔66に挿入されているので、位置調整部材60を施工面330に固定する固定位置が水平方向において調整可能である。すなわち、本実施形態の電気設備用固定装置1は、施工面用固定具20を保持して施工面330に固定される位置調整部材(位置調整部材60)を更に備えている。この位置調整部材(位置調整部材60)は、水平方向において所定の調整範囲内で調整可能な固定位置で、施工面330に固定されるので、施工面330の状態に応じた適切な固定位置で位置調整部材を固定することができる。
【0038】
なお、第1固定片61の上部、中間部、及び下部のそれぞれで、水平方向に並んで設けられた複数個の長孔66が設けられている。第1固定片61は、長孔66に挿入された固定部材を用い、複数の固定位置で施工面330に固定されるのであるが、複数の固定位置の間隔が、複数通りの間隔のいずれかとなるように、長孔66の数、位置、及び長さが設定されている。すなわち、位置調整部材(位置調整部材60)は、水平方向において複数の固定位置で施工面330に対して取り付け可能であり、複数の固定位置の間隔が複数通りある。本実施形態では、第1固定片61の上部、中間部、及び下部のそれぞれに14個の長孔66が左右方向に並べて設けられている。第1固定片61の左右方向における中心線L1に対して左側にある複数の長孔66と右側にある複数の長孔66とは、中心線L1に対して対称な位置に設けられている。ここで、左右方向において複数並んでいる複数の長孔66の数、位置、及び間隔は、施工面330に対する複数の固定位置の間隔に合わせて設定されている。複数の固定位置の間隔は、例えば、施工面330を構成する壁の裏側に設けられた間柱350(図9参照)の間隔、施工面330を構成するタイル壁の目地の間隔などに対応できるよう、例えば250,430,445,455,500mmの間隔に設定されている。なお、複数の固定位置の間隔は上記の間隔に限定されず、適宜変更が可能である。
【0039】
(2.3)電気設備システム
電気設備システムA1は、上記の電気設備用固定装置1と、電気設備用固定装置1を用いて施工面330に固定される電気設備100と、を備える。
【0040】
上述のように、電気設備用固定装置1は、電気設備100の脚部120及び脚部120が固定される据置台10を施工面330に対して固定することによって、電気設備100の本体部110を施工面330に間接的に固定している。したがって、電気設備110の品質の低下を抑制可能な状態で、電気設備100を施工面330に固定することが可能になり、電気設備100の転倒を抑制できる。
【0041】
(2.4)電気設備の固定方法
電気設備用固定装置1を用いる電気設備100の固定方法について図2図9を参照して説明を行う。
【0042】
まず、図4に示すように、電気設備100を固定する施工面330の前の載置面200に、電気設備200の左右の脚部120の幅に合わせて2つの据置台10を配置し、2つの据置台10の上に左右の脚部120を載せる。そして、脚部120を固定するための2本のボルト70を溝11内に前後から1つずつ入れて、ボルト70のねじ部を脚部120の溝124内に挿入する。
【0043】
次に、図5に示すように、本体部110と施工面330との距離を合わせて、第1固定具30を脚部120の第1固定片122の上に載せ、ボルト70のねじ部を第1固定具30の長孔34に挿入する。そして、長孔34を通して第1固定具30の上側に露出しているボルト70のねじ部にワッシャ71を介してナット72を取り付け、ナット72で第1固定具30と脚部120とを据置台10に共締めする。これにより、第1固定具30と脚部120とが据置台10に仮固定される。
【0044】
次に、図6に示すように、ねじ部をスペーサ51の孔に通したボルト52を、第2固定具40の長孔43に通して、第1固定具30の第1連結片33のねじ孔35にねじ込み、第2固定具40を第1固定具30に結合する(図7参照)。ここで、長孔43の前後方向の寸法はスペーサ51の直径よりも若干大きく、第2連結片41の厚み寸法よりもスペーサ51の左右方向の寸法が若干大きいので、第2固定具40と第1固定具30とは鉛直方向において相対移動が可能な状態で結合される。
【0045】
第2固定具40が第1固定具30に結合された状態で、第2固定具40の壁固定片42を施工面330に当て、壁固定片42の丸孔44の位置を示す印を施工面330につける。電気設備100を別の場所に移動させ、施工面330において印をつけた場所にアンカーボルト82を打ち込んだ後、電気設備100を元の場所に戻してアンカーボルト82を壁固定片42の丸孔44に通す。そして、アンカーボルト82にナット81をねじ込むことによって第2固定具40を施工面330に固定する(図3参照)。第2固定具40が施工面330に固定された状態で、ナット72を緩めて、施工面330と電気設備100との距離を再調整した後、ナット72を締め直して、第1固定具30を脚部120及び据置台10に本固定する。これにより、電気設備100の脚部120及び据置台10が電気設備用固定装置1を用いて施工面330に固定されるので、電気設備100を間接的に施工面330に固定することができる。
【0046】
ところで、第2固定具40には、アンカーボルト82を通すための丸孔44が4個設けられており、図3の例では4個の丸孔44のうちの2カ所にアンカーボルト82を通し、アンカーボルト82にナット81をねじ込むことで第2固定具40を施工面330に固定している。なお、アンカーボルト82を用いた固定に利用する丸孔44は4個のうちから適宜選択可能であり、少なくとも1個の丸孔44に通したアンカーボルト82にナット81をねじ込むことによって、第2固定具40を施工面330に固定すればよい。
【0047】
なお、第2固定具40を例えばサイディング320の裏側にある間柱350(図9参照)に固定する場合は、長孔45に通したハイローねじを間柱350にねじ込むことによって、第2固定具40を施工面330に固定すればよい。ここで、第2固定具40の壁固定片42には、左右方向に2つ並んだ長孔45が、上下方向に間隔をあけて合計8個設けられており、間柱350の位置に合わせて選択された長孔45にハイローねじを通して間柱350に固定することができる。各々の長孔45は左右方向に長い長円形状に形成されているので、第2固定具40を間柱350に固定する位置を水平方向において調整可能である。
【0048】
また、第2固定具40がサイディング320の裏側にある間柱350に固定される場合に、間柱350と第2固定具40の位置が合わない場合、第2固定具40は位置調整部材60を用いて施工面330に固定される(図8及び図9参照)。
【0049】
まず、位置調整部材60の長孔66と間柱350の位置を合わせた状態で、サイディング320に固定したねじにだるま孔65を引っかけた状態でサイディング320に位置調整部材60を仮固定する。この状態で、長孔66に通したハイローねじ83をサイディング320及び間柱350にねじ込むことによって位置調整部材60を施工面330に固定する。その後、第2固定具40の壁固定片42の長孔45に通したボルト80を、位置調整部材60のねじ孔64にねじ込むことによって第2固定具40が位置調整部材60を介して施工面330に固定される。これにより、電気設備100の脚部120及び据置台10が電気設備用固定装置1(位置調整部材60を含む)を用いて施工面330に固定されるので、電気設備100を間接的に施工面330に固定することができる。
【0050】
(3)変形例
上記の実施形態では、脚部120及び据置台10の両方に施工面用固定具20が固定されており、脚部120及び据置台10の両方が施工面用固定具20を介して施工面330に固定されているが、脚部120及び据置台10のいずれかが施工面用固定具20を介して施工面330に固定されていてもよい。
【0051】
上記の実施形態において、第1固定具30及び第2固定具40の形状は電気設備100及び施工面330に合わせて適宜変更が可能である。また、第1固定具30を脚部120及び据置台10に固定するための固定部材もボルト70とナット72の組み合わせに限定されず、固定部材の数及び形態は適宜変更が可能である。また、第1固定具30と第2固定具40とを連結する結合部50は、スペーサ51、ボルト52、第2固定具40の長孔43、第1固定具30のねじ孔35などで構成されているが、結合部50の数及び形態は適宜変更が可能である。また、第2固定具40を施工面330に固定するための固定部材は、アンカーボルト82及びナット81、又は、ハイローねじ83に限定されず適宜変更が可能である。
【0052】
また、電気設備用固定装置1を用いて固定される電気設備100は、蓄電システムに限定されず、太陽光発電システムのような分散電源システムが備える電力変換装置、エアコンディショナの室外機、配電盤等でもよい。また、載置面200は地面であることに限定されない。例えば建物300が集合住宅である場合、施工面330は一般的にコンクリートの外壁の表面であり、載置面200はバルコニー部分のコンクリート等の床になる。また、施工面330は、建物300の外壁の表面に限定されず、建物300の内壁の表面でもよい。また、施工面330は建物300の壁面に限定されず、橋梁等の構造物の壁でもよい。また、施工面330は工作機械、自動車、船舶、航空機等の移動体の壁でもよく、その場合、載置面200は移動体の床になる。
【0053】
(まとめ)
以上説明したように、第1の態様の電気設備用固定装置(1)は、本体部(110)及び本体部(110)を支える脚部(120)を有する電気設備(100)の固定に用いられる電気設備用固定装置(1)である。電気設備用固定装置(1)は、施工面用固定具(20)を備える。施工面用固定具(20)は、電気設備(100)が据置台(10)に載せられた状態で据置台(10)に固定される脚部(120)、及び、脚部(120)が固定される据置台(10)の少なくとも一方を、据置台(10)が置かれる載置面(200)と交差する施工面(330)に対して固定するための施工面用固定具(20)である。
【0054】
この態様によれば、電気設備(100)の品質の低下を抑制することができる。
【0055】
第2の態様の電気設備用固定装置(1)では、第1の態様において、脚部(120)を据置台(10)に対して固定するための脚部固定具(73)を更に備える。
【0056】
この態様によれば、電気設備(100)の品質の低下を抑制することができる。
【0057】
第3の態様の電気設備用固定装置(1)では、第1又は第2の態様において、施工面用固定具(20)は、据置台(10)に対して固定される据置台固定部(31)を有する。施工面用固定具(20)は、少なくとも据置台(10)を施工面(330)に対して固定する。
【0058】
この態様によれば、電気設備(100)の品質の低下を抑制することができる。
【0059】
第4の態様の電気設備用固定装置(1)では、第3の態様において、据置台固定部(31)は、据置台(10)及び脚部(120)の両方に対して固定される。
【0060】
この態様によれば、電気設備(100)の品質の低下を抑制することができる。
【0061】
第5の態様の電気設備用固定装置(1)では、第1~4のいずれかの態様において、施工面用固定具(20)は、脚部(120)と据置台(10)との少なくとも一方に固定される第1固定具(30)と、施工面(330)に固定される第2固定具(40)と、を含む。第1固定具(30)と第2固定具(40)とは結合部(50)にて互いに結合される。
【0062】
この態様によれば、電気設備(100)の品質の低下を抑制することができる。
【0063】
第6の態様の電気設備用固定装置(1)では、第5の態様において、結合部(50)は、第1固定具(30)及び第2固定具(40)を鉛直方向において所定の可動範囲内で相対移動可能な状態で結合する。
【0064】
この態様によれば、電気設備(100)の品質の低下を抑制することができる。
【0065】
第7の態様の電気設備用固定装置(1)では、第1~6のいずれかの態様において、施工面用固定具(20)は、施工面(330)と直交する方向において、所定の調整範囲内で調整可能な固定位置で、脚部(120)と据置台(10)との少なくとも一方に固定される。
【0066】
この態様によれば、電気設備(100)の品質の低下を抑制することができる。
【0067】
第8の態様の電気設備用固定装置(1)では、第1~7のいずれかの態様において、施工面用固定具(20)は、据置台(10)に接触する接触片(31)と、接触片(31)の端部から接触片(31)の表面と交差する方向に突出する補強リブ(32)と、を含む。補強リブ(32)は、施工面(330)と直交する方向において、本体部(110)に対して施工面(330)と反対側に出ない範囲に設けられている。
【0068】
この態様によれば、電気設備(100)の品質の低下を抑制することができる。
【0069】
第9の態様の電気設備用固定装置(1)では、第1~8のいずれかの態様において、脚部(120)は、本体部(110)の外表面に取り付けられている。
【0070】
この態様によれば、電気設備(100)の品質の低下を抑制することができる。
【0071】
第10の態様の電気設備用固定装置(1)では、第1~9のいずれかの態様において、施工面用固定具(20)は、施工面用固定具(20)が施工面(330)に固定される固定位置が少なくとも水平方向において調整可能である。
【0072】
この態様によれば、電気設備(100)の品質の低下を抑制することができる。
【0073】
第11の態様の電気設備用固定装置(1)は、第10の態様において、施工面用固定具(20)を保持して施工面(330)に固定される位置調整部材(60)を更に備える。位置調整部材(60)は、水平方向において所定の調整範囲内で調整可能な固定位置で、施工面(330)に固定される。
【0074】
この態様によれば、電気設備(100)の品質の低下を抑制することができる。
【0075】
第12の態様の電気設備用固定装置(1)では、第1~11のいずれかの態様において、施工面用固定具(20)は、水平方向において複数の固定位置で施工面(330)に対して取り付け可能であり、複数の固定位置の間隔が複数通りある。
【0076】
この態様によれば、電気設備(100)の品質の低下を抑制することができる。
【0077】
第13の態様の電気設備システム(A1)は、第1~12のいずれかの態様の電気設備用固定装置(1)と、電気設備用固定装置(1)を用いて施工面(330)に固定される電気設備(100)と、を備える。
【0078】
この態様によれば、電気設備(100)の品質の低下を抑制することができる。
【0079】
第14の態様の電気設備固定方法は、本体部(110)及び本体部(110)を支える脚部(120)を有する電気設備(100)を固定する電気設備固定方法である。電気設備固定方法は、施工面用固定具(20)を用いて、電気設備(100)を施工面(330)に固定する工程を有する。施工面用固定具(20)は、電気設備(100)が据置台(10)に載せられた状態で据置台(10)に固定される脚部(120)、及び、脚部(120)が固定される据置台(10)の少なくとも一方を、据置台(10)が置かれる載置面(200)と交差する施工面(330)に対して固定するための施工面用固定具(20)である。
【0080】
この態様によれば、電気設備(100)の品質の低下を抑制することができる。
【0081】
第2~第12の態様に係る構成については、電気設備用固定装置(1)に必須の構成ではなく、適宜省略可能である。
【符号の説明】
【0082】
1 電気設備用固定装置
10 据置台
20 施工面用固定具
30 第1固定具
31 接触片(据置台固定部)
32 補強リブ
40 第2固定具
50 結合部
60 位置調整部材
73 脚部固定具
110 本体部
120 脚部
200 載置面
330 施工面
A1 電気設備システム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9