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  • 特許-睫毛カール具 図1
  • 特許-睫毛カール具 図2
  • 特許-睫毛カール具 図3
  • 特許-睫毛カール具 図4
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-21
(45)【発行日】2024-03-29
(54)【発明の名称】睫毛カール具
(51)【国際特許分類】
   A45D 2/48 20060101AFI20240322BHJP
【FI】
A45D2/48
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2020015459
(22)【出願日】2020-01-31
(65)【公開番号】P2021122316
(43)【公開日】2021-08-30
【審査請求日】2022-10-06
(73)【特許権者】
【識別番号】501449702
【氏名又は名称】戎屋化学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100141586
【弁理士】
【氏名又は名称】沖中 仁
(74)【代理人】
【識別番号】100102211
【弁理士】
【氏名又は名称】森 治
(72)【発明者】
【氏名】清水 恵理依
(72)【発明者】
【氏名】永留 和彦
(72)【発明者】
【氏名】加藤 啓育
(72)【発明者】
【氏名】辻井 宣博
【審査官】新井 浩士
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-229722(JP,A)
【文献】特開2005-246044(JP,A)
【文献】特表2008-506479(JP,A)
【文献】特開2014-004128(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0074865(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A45D 2/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
睫毛を、湾曲した硬質部材からなる第1の挟持片と、弾性部材からなる第2の挟持片とで挟み成形する成形部と、挟持片を挟み操作するための操作部を備えた保持部とから構成した睫毛カール具において、前記第1の挟持片として、曲率及び/又は幅寸法が異なる2種類の挟持片を背中合わせに配置して備え、該2種類の挟持片の上下位置を切り替える切替用操作部を設けることで、2種類の挟持片を選択して使用するようにしてなることを特徴とする睫毛カール具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、睫毛カール具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ビューラーと称される睫毛カール具として、睫毛を、湾曲した硬質部材からなる第1の挟持片と、弾性部材からなる第2の挟持片とで挟み成形する成形部と、挟持片を挟み操作するための操作部を備えた保持部とから構成したものが汎用されている(例えば、特許文献1~2参照。)。
【0003】
ところで、目の大きさや目蓋の膨らみ具合は個々人で異なるため、それに適合した睫毛カール具を購入したいという要請や、睫毛のカール度合いをTPOに合わせて変化させたいという要請があるが、従来の睫毛カール具は、睫毛を挟み成形する成形部のうち湾曲した硬質部材からなる第1の挟持片の曲率及び幅寸法が睫毛カール具毎に固定であるため、これに対応するためには、複数種類の睫毛カール具を買い揃える必要があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2004-89582号公報
【文献】特許第4119942号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記従来の睫毛カール具の有する問題点に鑑み、1つの睫毛カール具で、睫毛を挟み成形する成形部のうち湾曲した硬質部材からなる第1の挟持片の曲率及び/又は幅寸法を変えることができる睫毛カール具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の睫毛カール具は、睫毛を、湾曲した硬質部材からなる第1の挟持片と、弾性部材からなる第2の挟持片とで挟み成形する成形部と、挟持片を挟み操作するための操作部を備えた保持部とから構成した睫毛カール具において、前記第1の挟持片として、曲率及び/又は幅寸法が異なる複数種類の挟持片を備え、該複数種類の挟持片を選択して使用するようにしてなることを特徴とする。
【0007】
この場合において、前記第1の挟持片として、曲率及び/又は幅寸法が異なる2種類の挟持片を、背中合わせに配置するようにしてなるようにすることができる。
【0008】
前記第1の挟持片として、曲率及び/又は幅寸法が異なる複数種類の挟持片を一体に形成し、回転軸にて回転可能に配置するようにしてなるようにすることができる。
【0009】
前記第1の挟持片として、曲率及び/又は幅寸法が異なる複数種類の挟持片を用意し、該挟持片を選択して配置するようにしてなるようにすることができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明の睫毛カール具によれば、湾曲した硬質部材からなる第1の挟持片として、曲率及び/又は幅寸法が異なる複数種類の挟持片を備え、該複数種類の挟持片を選択して使用するようにしてなるようにすることにより、1つの睫毛カール具で、第1の挟持片の曲率及び/又は幅寸法を変えることができ、個々人の目の大きさや目蓋の膨らみ具合の差に適合し、また、TPOに合わせて睫毛のカール度合いを変化させて成形することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の睫毛カール具の第1実施例を示し、(a)は正面図、(b)は平面図、(c)は側面図、(d)は曲率が大きい方の第1の挟持片を使用する場合の側面図、(e)は同成形部で睫毛を挟み成形している状態を示す側面拡大図、(f)は第1の挟持片の切替用操作部を示す側面拡大断面図、(g)は曲率が小さい方の第1の挟持片を使用する場合の側面図、(h)は同成形部で睫毛を挟み成形している状態を示す側面拡大断面図である。
図2】本発明の睫毛カール具の第2実施例を示し、(a)は曲率が大きい方の第1の挟持片を使用する場合の正面図、(b)は同平面図、(c)は同側面図である。
図3】同睫毛カール具の成形部で睫毛を挟み成形している状態を示す側面図である。
図4】同睫毛カール具を示し、(a)は曲率が小さい方の第1の挟持片を使用する場合の正面図、(b)は同平面図、(c)は同側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の睫毛カール具の実施の形態を、図面に基づいて説明する。
【実施例1】
【0013】
図1に、本発明の睫毛カール具の第1実施例を示す。
この睫毛カール具は、睫毛を、湾曲した硬質部材からなる第1の挟持片11と、弾性部材からなる第2の挟持片12とで挟み成形する成形部1と、挟持片11、12を挟み操作するための操作部3を備えた保持部2とから構成し、第1の挟持片11として、曲率が異なる2種類の挟持片11a、11bを備え、この2種類の挟持片11a、11bを背中合わせに配置して、選択して使用するようにしている。
【0014】
この場合において、成形部1を構成する硬質部材からなる第1の挟持片11は、金属製又は合成樹脂製のものからなる。
そして、第1の挟持片11として、背中合わせに配置するようにした2種類の挟持片11a、11bのうち、挟持片11aは曲率を大きく、すなわち、深い湾曲に、挟持片11bは曲率を挟持片11aより小さく、すなわち、浅い湾曲に、それぞれ設定するようにしている。
これにより、個々人の目蓋の膨らみ具合の差に適合し、また、TPOに合わせて睫毛のカール度合いを変化させて成形することもできるようにしている。
【0015】
ここで、2種類の挟持片11a、11bの幅寸法Wは、同じに形成するようにしているが、例えば、曲率を大きくした挟持片11aの幅寸法Wを、曲率を小さくした挟持片11bの幅寸法Wより小さく(又は大きく)設定するようにしたり、2つの挟持片の曲率は変えずに、幅寸法Wのみ変えて設定するようにしたりすることができる。
これにより、個々人の目の大きさや目蓋の膨らみ具合の差に適合し、また、TPOに合わせて睫毛のカール度合いを変化させて成形したり、中央や目尻の睫毛を部分的にカール度合いを変化させて成形したりすることができる。
【0016】
ところで、本実施例において、成形部1を構成する背中合わせに配置した2種類の挟持片11a、11bのいずれか一方と、第2の挟持片12とで睫毛を挟み成形する際に、他方の挟持片11a、11bが干渉しないように、挟持片11aを上下位置を切り替える切替用操作部13を設ける。
そして、切替用操作部13及び保持部2には、切替用操作部13の位置を安定させるための位置決め突起13a、13b、13c、13d、2a、2b、2c、2dを形成する。
【0017】
そして、成形部1を構成する弾性部材からなる第2の挟持片12は、シリコンゴム等の合成樹脂製やゴム製で、2種類の挟持片11a、11bで共用する1つの部材からなる。
ここで、第2の挟持片12は、汚損しやすいため、新しい部材と交換可能に構成することが好ましい。
さらに、第2の挟持片12の幅寸法は、2種類の挟持片11a、11bの幅寸法Wに合わせて設定するようにし、挟持片11a又は挟持片11bの幅寸法Wを小さく(又は大きく)設定した場合は、それに合わせて幅寸法を小さく(又は大きく)設定するようにするようすることができる。
【0018】
次に、この睫毛カール具の使用方法について説明する。
図1(c)に示す中立位置から、図1(d)に示すように、切替用操作部13を下げ操作することにより、挟持片11aの位置を下降させ、この状態で、操作部3を上げ操作することにより、第2の挟持片12を上昇させ、挟持片11bが干渉することなく、挟持片11aと、第2の挟持片12とで睫毛を挟み成形することができる。
【0019】
また、図1(c)に示す中立位置から、図1(g)に示すように、切替用操作部13を上げ操作することにより、挟持片11aの位置を上昇させ、この状態で、操作部3を上げ操作することにより、第2の挟持片12を上昇させ、挟持片11aが干渉することなく、挟持片11bと、第2の挟持片12とで睫毛を挟み成形することができる。
【実施例2】
【0020】
図2図4に、本発明の睫毛カール具の第2実施例を示す。
この睫毛カール具は、睫毛を、湾曲した硬質部材からなる第1の挟持片11と、弾性部材からなる第2の挟持片12とで挟み成形する成形部1と、挟持片11、12を挟み操作するための鋏形状の操作ハンドル31、32からなる操作部3を備えた保持部2とから構成し、第1の挟持片11として、曲率が異なる2種類の挟持片11a、11bを備え、この2種類の挟持片11a、11bを一体に形成し、回転軸11cにて回転可能となるよう配置して、選択して使用するようにしている。
【0021】
この場合において、成形部1を構成する硬質部材からなる第1の挟持片11は、金属製又は合成樹脂製のものからなる。
そして、第1の挟持片11として、回転軸11cを中心に180°回転対称位置に配置するようにした2種類の挟持片11a、11bのうち、挟持片11aは曲率を大きく、すなわち、深い湾曲に、挟持片11bは曲率を挟持片11aより小さく、すなわち、浅い湾曲に、それぞれ設定するようにしている。
これにより、個々人の目蓋の膨らみ具合の差に適合し、また、TPOに合わせて睫毛のカール度合いを変化させて成形することができるようにしている。
【0022】
ここで、2種類の挟持片11a、11bの幅寸法Wは、同じに形成するようにしているが、例えば、曲率を大きくした挟持片11aの幅寸法Wを、曲率を小さくした挟持片11bの幅寸法Wより小さく(又は大きく)設定するようにしたり、2つの挟持片の曲率は変えずに、幅寸法Wのみ変えて設定するようにしたりすることができる。
これにより、個々人の目の大きさや目蓋の膨らみ具合の差に適合し、また、TPOに合わせて睫毛のカール度合いを変化させて成形したり、中央や目尻の睫毛を部分的にカール度合いを変化させて成形したりすることができる。
【0023】
ところで、本実施例においては、成形部1を構成する第1の挟持片11を、回転軸11cの180°回転対称位置に配置するようにした2種類の挟持片11a、11bで構成するようにしたが、回転軸11cの120°回転対称位置に3種類の挟持片を配置するようにすることもできる。
そして、いずれの場合も、第1の挟持片11のうち、選択して使用する挟持片と、第2の挟持片12とで睫毛を挟み成形することができるように、回転軸11cには、所定の回転角度で位置を安定させるための位置決め手段(図示省略)を設けるようにする。
【0024】
また、成形部1を構成する弾性部材からなる第2の挟持片12は、シリコンゴム等の合成樹脂製やゴム製で、2種類の挟持片11a、11bで共用する1つの部材からなる。
ここで、第2の挟持片12は、汚損しやすいため、新しい部材と交換可能に構成することが好ましい。
さらに、第2の挟持片12の幅寸法は、2種類の挟持片11a、11bの幅寸法Wに合わせて設定するようにし、挟持片11a又は挟持片11bの幅寸法Wを小さく(又は大きく)設定した場合は、それに合わせて幅寸法を小さく(又は大きく)設定するようにするようすることができる。
【0025】
次に、この睫毛カール具の使用方法について説明する。
図2図3に示すように、挟持片11aが第2の挟持片12と対向するように回転軸11cを軸に回転させ、この状態で、操作ハンドル31、32を操作することにより、第2の挟持片12を上昇させ、挟持片11aと、第2の挟持片12とで睫毛を挟み成形することができる。
【0026】
また、図4に示すように、挟持片11bが第2の挟持片12と対向するように回転軸11cを軸に回転させ、この状態で、操作ハンドル31、32を操作することにより、第2の挟持片12を上昇させ、挟持片11bと、第2の挟持片12とで睫毛を挟み成形することができる。
【0027】
以上、本発明の睫毛カール具について、複数の実施例に基づいて説明したが、本発明は上記実施例に記載した構成に限定されるものではなく、例えば、第1の挟持片として、曲率及び/又は幅寸法が異なる複数種類の挟持片を用意しておき、この複数種類の挟持片のうちの1つを選択して配置、例えば、保持部2に備えた操作ハンドル31の先端部に設けた着脱機構(図示省略)を介して配置するようにする等、その趣旨を逸脱しない範囲において適宜その構成を変更することができるものである。
【産業上の利用可能性】
【0028】
本発明の睫毛カール具は、1つの睫毛カール具で、睫毛を挟み成形する成形部のうち湾曲した硬質部材からなる第1の挟持片の曲率及び/又は幅寸法を変えることができることから、睫毛カール具の用途に好適に用いることができる。
【符号の説明】
【0029】
1 成形部
11 第1の挟持片
11a 挟持片(第1の挟持片)
11b 挟持片(第1の挟持片)
11c 回転軸
12 第2の挟持片
13 切替用操作部
13a 位置決め突起
13b 位置決め突起
13c 位置決め突起
13d 位置決め突起
2 保持部
2a 位置決め突起
2b 位置決め突起
2c 位置決め突起
2d 位置決め突起
3 操作部
31 操作ハンドル
32 操作ハンドル
図1
図2
図3
図4