IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 三笠電子工業株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-装飾具 図1
  • 特許-装飾具 図2
  • 特許-装飾具 図3
  • 特許-装飾具 図4
  • 特許-装飾具 図5
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-21
(45)【発行日】2024-03-29
(54)【発明の名称】装飾具
(51)【国際特許分類】
   H05B 47/11 20200101AFI20240322BHJP
   H05B 47/16 20200101ALI20240322BHJP
   H05B 47/165 20200101ALI20240322BHJP
   F21S 2/00 20160101ALI20240322BHJP
   F21V 23/00 20150101ALI20240322BHJP
   F21V 33/00 20060101ALI20240322BHJP
【FI】
H05B47/11
H05B47/16
H05B47/165
F21S2/00 350
F21V23/00 110
F21V23/00 140
F21V23/00 113
F21V33/00 420
F21V33/00 430
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2023075342
(22)【出願日】2023-04-29
【審査請求日】2023-11-14
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】511085976
【氏名又は名称】三笠電子工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100095577
【弁理士】
【氏名又は名称】小西 富雅
(74)【代理人】
【識別番号】100100424
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 知公
(72)【発明者】
【氏名】石永 裕也
(72)【発明者】
【氏名】大野 利治
【審査官】塩治 雅也
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-199480(JP,A)
【文献】特開2007-012445(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 39/00-39/10
H05B 45/00-45/59
H05B 47/00-47/29
F21K 9/00- 9/90
F21S 2/00-45/70
F21V 23/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
温度センサ、第1光源及び前記温度センサの出力に応じて前記第1光源を制御する第1コントローラを備える第1光源ユニット、
湿度センサ、第2光源及び前記湿度センサの出力に応じて前記第2光源を制御する第2コントローラを備える第2光源ユニット、及び
フレーム、を備える装飾具であって、
前記第1光源からの第1照射光は前記フレームの第1照明領域を照射し、前記第2光源からの第2照射光は前記フレームの第2照明領域を照射し、
前記第1照明領域と前記第2照明領域は前記フレームにおいて分離されており、
前記第1照射光と前記第2照射光とは交差しない、装飾具。
【請求項2】
前記第1照明領域には第1オブジェクトをセット可能であり、前記第2照明領域には第2オブジェクトをセット可能であり、
前記第1オブジェクト及び/又は前記第2オブジェクトは照射態様情報提供部を備え、前記第1照明領域及び/又は前記第2照明領域は前記照射態様情報提供部から照射態様情報を読取る読取り部を備え、
該読取り部に読み取られた照射態様情報に基づき第1制御信号を出力する照明コントローラが更に備えられ、
前記第1コントローラ及び/又は前記第2コントローラは前記第1制御信号に基づき、前記第1光源及び/又は前記第2光源に対する制御態様を変更する、請求項1に記載の装飾具。
【請求項3】
前記読取り部は光センサを備え、
前記照明コントローラは該光センサが前記照射態様情報提供部を読み取るとき、前記第1照射光及び前記第2照射光が前記光センサに干渉することを防止する、請求項2に記載の装飾具。
【請求項4】
カレンダー保存部が更に備えられ、このカレンダー保存部には、カレンダーデータと該カレンダーデータに応じた第2照明態様が保存される、
照明コントローラは前記カレンダー保存部に保存されているカレンダーデータと現在時刻とを対照して現在時刻に対応する前記第2照明態様を読出して第2制御信号を出力し、
第1コントローラ及び/又は前記第2コントローラは前記第2制御信号に基づき、前記前記第1光源及び/又は前記第2光源の制御態様を変更する、請求項1に記載の装飾具。
【請求項5】
前記第1コントローラは第1温度閾値より低い温度で前記第1照射光を照射態様Aとし、前記第1温度閾値以上の温度で前記第1照射光を照射態様Bとし、
前記第2制御信号に基づき、前記第1コントローラは、前記第1温度閾値を変化させるか、又は、前記照射態様A及び/又は照射態様Bを変化させる、
及び/又は
前記第2コントローラは第1湿度閾値より低い湿度で前記第2照射光を照射態様Cとし、前記第1湿度閾値以上の湿度で前記第2照射光を照射態様Dとし、
前記第2制御信号に基づき、前記第2コントローラは、前記第1湿度閾値を変化させるか、又は、前記照射態様C及び/又は照射態様Dを変化させる、請求項4に記載の装飾具。
【請求項6】
カレンダー書込み部が更に備えられ、
該カレンダー書込み部は任意のカレンダーデータと該カレンダーデータに応じた任意の第3照明態様を、前記カレンダー保存部へ書き込むことを許容する、請求項4に記載の装飾具。
【請求項7】
音出力部と第3コントローラとが更に備えられ、
前記第3コントローラは前記温度センサの出力が所定の第2温度閾値を超えて変化したとき、及び/又は湿度センサの出力が所定の第2湿度閾値を超えて変化したとき、前記音出力部をオンにする、請求項1に記載の装飾具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は装飾具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、装飾具として、光源からの光で被照明物(オブジェクト)を照明するタイプのものが提案されており、その照明の態様は様々である。
特許文献1の装飾具では、非照明物に予め付された固有の照明情報(例えば平面的なコード情報)が読取られ、この照明情報に応じた照明の態様で被照明物が照明される。
また、特許文献2に記載の照明装置では、環境の温度や湿度に応じて照明態様の調整(調光)が行なわれている。
その他、この発明に関連する先行文献として特許文献3を参照されたい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2014-186885号公報
【文献】特開平7-73711号公報
【文献】実用新案公報第3189270号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記、光源による照明機能を備える装飾具の現状に鑑み、この発明は光源による照明機能を備える装飾具に新たな装飾効果や新たな意匠性を具備させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、光源による照明機能を備える装飾具について鋭意検討したところ、今迄にない照明の態様を奏する装飾具に想到した。
即ち、この発明の第1局面は次のように規定される。
温度センサ、第1光源及び前記温度センサの出力に応じて前記第1光源を制御する第1コントローラを備える第1光源ユニット、
湿度センサ、第2光源及び前記湿度センサの出力に応じて前記第2光源を制御する第2コントローラを備える第2光源ユニット、及び
フレーム、を備える装飾具であって、
前記第1光源からの第1照射光は前記フレームの第1照明領域を照射し、前記第2光源からの第2照射光は前記フレームの第2照明領域を照射し、
前記第1照明領域と前記第2照明領域は前記フレームにおいて分離されており、
前記第1照射光と前記第2照射光とは交差しない、装飾具。
【0006】
このように規定される第1局面の装飾具によれば、同じフレームにおいて第1照明領域と第2照明領域とが分離されており、それぞれが第1光源ユニット及び第2光源ユニットにより独立して照明される。装飾具が置かれた環境の温度に応じて第1光源ユニットの照明は制御され、同じく環境の湿度に応じて第2光源ユニットの照明は制御される。
このような照明の態様を備えた装飾具はこれが置かれた空間に新規な雰囲気を提供することができる。
【0007】
この発明の第2局面は次のように規定される。即ち。
第1局面の装飾具において、前記第1照明領域には第1オブジェクトをセット可能であり、前記第2照明領域には第2オブジェクトをセット可能であり、
前記第1オブジェクト及び/又は前記第2オブジェクトは照射態様情報提供部を備え、前記1照明領域及び/又は前記第2照明領域は前記照射態様情報提供部から照射態様情報を読取る読取り部を備え、
該読取り部に読み取られた照射態様情報に基づき第1制御信号を出力する照明コントローラが更に備えられ、
前記第1コントローラ及び/又は前記第2コントローラは前記第1制御信号に基づき、前記第1光源及び/又は前記第2光源に対する制御態様を変更する。
【0008】
このように規定される第2局面の装飾具によれば、照明領域に任意のオブジェクト(被照明物)がセットされるところ、オブジェクトには固有の(当該オブジェクトに適した)照射態様を規定する照明態様情報を持った照明態様情報提供部が備えられる。第1照明領域(第2照明領域)にセットするオブジェクトを取り換えたとき、取り換えられたオブジェクトに備えられた照明態様情報提供部の照明態様情報が読取り部に読み取られ、読み取られた照明態様情報に基づき照明コントローラが第1制御信号を出力し、もって第1光源ユニット(第2光源ユニット)によるオブジェクトに対する照明の態様が変更される。
これにより、オブジェクトに応じた、かつ環境の温度(湿度)を反映した、新規な雰囲気を装飾具が置かれた空間に提供することができる。
【0009】
この発明の第3局面は次のように規定される。即ち、
第2局面に規定の装飾具であって、前記読取り部は光センサを備え、
前記照明コントローラは該光センサが前記照明態様情報提供部を読み取るとき、前記第1照射光及び前記第2照射光が前記光センサに干渉することを防止する。
【0010】
照明態様情報提供部において、バーコードや二次元バーコードに代表されるプリント物等を用いて照明対象情報が表されているとき、読取り部はこのプリント物等を読み取るために光源と光センサを備える。装飾具はそもそも第1光源ユニットと第2光源ユニットを備えるので、これらからの光が光センサに干渉するおそれがある。そこで、この第3局面で規定するように、照明態様情報提供部からの光を光センサに読み取らせるとき、第1照射光及び第2照射光が光センサに干渉することを照明コントローラに防止させることで、光センサによる読取り誤動作を防止する。例えば、光センサによる読取りのタイミングと、各光源ユニットの光源の発光のタイミングをずらせることで、第1照射光及び第2照射光が光センサに干渉することを防止できる。
【0011】
この発明の第4局面は次の様に規定される。即ち、
第1局面に規定の装飾具において、カレンダー保存部が更に備えられ、このカレンダー保存部には、カレンダーデータと該カレンダーデータに応じた第2照明態様が保存される、
前記照明コントローラは前記カレンダー保存部に保存されているカレンダーデータと現在時刻とを対照して現在時刻に対応する前記第2照明態様を読出して第2制御信号を出力し、
前記第1コントローラ及び/又は前記第2コントローラは前記第2制御信号に基づき、前記第1光源及び/又は前記第2光源の制御態様を変更する。
【0012】
このように規定される第4局面の装飾具によれば、カレンダー保存部のカレンダーデータに基づき、第1光源ユニット及び/又は第2光源ユニットは、現在の時節に応じた照明の態様を実現できる。
【0013】
照明の態様の具体例は次の様になる(第5局面)。
第4局面に規定の装飾具において、前記第1コントローラは第1温度閾値より低い温度で前記第1照射光を照射態様Aとし、前記第1温度閾値以上の温度で前記第1照射光を照射態様Bとし、
前記第2制御信号に基づき、前記第1コントローラは、前記第1温度閾値を変化させるか、又は、前記照射態様A及び/又は照射態様Bを変化させる、
及び/又は
前記第2コントローラは第1湿度閾値より低い湿度で前記第2照射光を照射態様Cとし、前記第1湿度閾値以上の湿度で前記第2照射光を照射態様Dとし、
前記第2制御信号に基づき、前記第2コントローラは、前記第1湿度閾値を変化させるか、又は、前記照射態様C及び/又は照射態様Dを変化させる。
【0014】
この発明の第6局面は次のように規定される。即ち、
第4局面に規定の装飾具において、
カレンダー書込み部が更に備えられ、
該カレンダー書込み部は任意のカレンダーデータと該カレンダーデータに応じた第3照明態様を、前記カレンダー保存部へ書き込むことを許容する。
このように規定される、第6局面の装飾具によれば、装飾具の所有者がその誕生日などのイベントをカレンダーデータとして、また、そのイベントに適した第3照明態様を、カレンダー書込み部を介して、カレンダー保存部に書き込むことができる。
第3照明態様として、例えば、本来の照明態様に特別のグラデーションや点滅などの変化を与えることができる。また、温度や湿度の変化に依存せずに、統一した照明態様(イベントが協調される態様)とすることもできる。これにより、イベントの特別感を装飾具の所有者に与えることができる。
【0015】
この発明の第7局面の装飾具は次のように規定される。即ち、
第1局面に規定の装飾具において、音出力部と第3コントローラとが更に備えられ、
前記第3コントローラは前記温度センサの出力が所定の第2温度閾値を超えて変化したとき、及び/又は湿度センサの出力が所定の第2湿度閾値を超えて変化したとき、前記音出力部をオンにする。
この第7局面に規定の装飾具では、その環境(温度、湿度)が所定の閾値(第2閾値温度や第2閾値湿度)を超えて変化したとき、音出力部をオンとして、これから所定のメロディーやビープ音を出力し、装飾具の置かれた環境に変化が生じたことを利用者に知らせる。
【0016】
この発明の第8局面の装飾具は次のように規定される。即ち、
第1光源及び前記第1光源を制御する照明コントローラを備える第1光源ユニットと、
フレームと、を備える装飾具であって、
前記第1光源からの第1照射光は前記フレームの第1照明領域を照射し、
カレンダー保存部が更に備えられ、このカレンダー保存部には、カレンダーデータと該カレンダーデータに応じた照明態様が保存され、
カレンダー書込み部が更に備えられ、該カレンダー書込み部は任意のカレンダーデータと該カレンダーデータに応じた任意の照明態様を、前記カレンダー保存部へ書き込むことを許容し、
前記照明コントローラは前記カレンダー保存部に保存されているカレンダーデータと現在時刻とを対照して現在時刻に対応する前記照明態様を読出して前記第1光源を制御する装飾具。
このように規定される第8局面の装飾具によれば、装飾具の所有者がその誕生日などのイベントをカレンダーデータとして、また、そのイベントに適した照明態様を、カレンダー書込み部を介して、カレンダー保存部に書き込むことができる。
【0017】
この発明の第9局面の装飾具は次のように規定される。即ち、
第8局面に規定の装飾具において、前記第1照明領域には第1オブジェクトをセット可能であり、
前記第1オブジェクトは照明態様情報提供部を備え、前記第1照明領域は前記照明態様情報提供部を読み取る読取り部を備え、
前記読み取られた用明態様情報に基づき前記照明コントローラは前記第1光源の制御態様を変更する。
このように規定される第9局面の装飾具によれば、第2局面と同様の作用効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1図1はこの発明の実施形態の装飾具の正面図である。
図2図2は実施形態の装飾具の各光源ユニットの構成を示すブロック図である。
図3図3は装飾具に提供される制御機構を示すブロック図である。
図4図4は装飾具に適用される他の制御機構を示すブロック図である。
図5図5は装飾具に適用される他の制御機構を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、この発明を実施の形態に基づき更に詳細に説明する。
この発明の実施の形態の装飾具1の正面図を図1に示す。
この装飾具1はフレーム3、第1照明領域4及び第2照明領域6、第1光源ユニット10、第2光源ユニット20及び人感センサ30を備える。
この例のフレーム3は矩形の意匠を備えるが、フレームの形状は任意に選択できる。例えば、立体的なフレームの採用も可能である。
【0020】
フレーム3には矩形の第1照明領域4と同じく矩形の第2照明領域6とが備えられる。両領域はスペース8で仕切られている。
第1照明領域4及び第2照明領域6には、それぞれ第1光源ユニット10からの第1照射光L1及び第2光源ユニット20からの第2照射光L2が照射される。
第1照射光L1と第2照射光L2を各領域へ導入する方法は任意であるが、この例では、フレームの裏面に、第1光源ユニット10と第1照明領域4とをつなぐ第1導光板(図示せず)と、第2光源ユニット20と第2照明領域6とをつなぐ第2導光板(図示せず)を独立、かつ分離して付設する。
これにより、第1光源ユニット10からの照射光L1と第2光源ユニット20からの照射光L2との交差が避けられる。
【0021】
第1光源ユニット10からの第1照射光L1を、直接、第1照明領域4へ照射させてもよい。同じく、第2光源ユニット20からの第2照射光L2を、直接、第2照明領域6へ照射させてもよい。
この場合、反射光や散乱光の影響を避けるために、第1照明領域4と第2照明領域6とを、かつ第1光源ユニット10と第2光源ユニット20とを分離するよう仕切板を配置することが好ましい。
【0022】
人感センサ30はヒトが装飾具1に近づくことを検知するものであり、この例では赤外線式の人感センサを採用しているが、その方式は特に限定されない。
人感センサ30がヒトの存在を検知すると、これからON信号が第1及び第2光源ユニット10、20の各コントローラ15、25へ送られ、第1及び第2光源ユニット10、20が活性化される。
なお、人感センサ30は所定のインターバル(例えば5秒間隔)でヒトの存在の有無を検出しており、ヒトの存在が1時間以上検出されないときは、OFF信号を各コントローラ15、25へ送信して、第1及び第2光源ユニット10、20を休止状態にすることができる。
【0023】
人感センサ30からのON/OFF信号を受ける第1光源ユニット10は温度センサ11、第1光源13及び第1コントローラ15を備える。
温度センサ11は装飾具1の環境の温度を検出するものであり、この例では半導体式の温度センサを採用したが、その方式は特に限定されるものでない。
第1光源13は所望の波長の可視光を第1照明領域へ向けて放出し、もって第1照明領域にセットされた第1オブジェクト5を照明する。この例では照明の色調に変化を与えるためRGBからなるLED光源を採用したが、バルブや液晶などの他の光源の採用も可能である。
第1コントローラ15は、温度センサ11の出力(検出温度)に応じて、第1光源13を制御し、第1照射光L1の色調を変化させる。温度センサ11の検出した温度と照明態様との関係を表1(A)に示す。第1照明領域4には第1オブジェクト5がセットされているものとする。
【0024】
【表1】

表1(A)に従えば、装飾具1の環境の気温がT1℃より低いときの第1光源ユニット10の照明態様は「照明態様K」であり、T1℃以上T2℃未満のときは「照明態様A」であり、T2℃以上T3℃未満のときは「照明態様B」であり、T3℃以上のときは「照明態様X」となる。
RGB光源を構成する各LEDの出力を調整することで照明態様(色調)を変えることができる。この例では、温度が高いほど青色の色調を強くし、温度が低いほど赤色の色調を強くしている。
上記の例では色調を変化させているが、色調に加えて、若しくは独立して輝度を変化させることもできる。
【0025】
人感センサ30からのON/OFF信号を受ける第2光源ユニット20は湿度センサ21、第2光源23及び第2コントローラ25を備える。
湿度センサ21は装飾具1の環境の湿度を検出するものであり、この例では抵抗変化型温度センサを採用したが、その方式は特に限定されるものでない。湿度センサと温度センサは統合されたものを用いることができる。
第1光源23は所望の波長の可視光を第2照明領域へ向けて放出し、もって第2照明領域にセットされた第2オブジェクト7を照明する。この例では第1光源23と同様にRGBからなるLED光源を採用したが、バルブや液晶などの他の光源の採用も可能である。
第2コントローラ25は、湿度センサ21の出力(検出湿度)に応じて、第2光源23の制御し、第2照射光L2の色調を変化させる。湿度センサ21の検出した温度と照明態様との関係を表1(B)に示す。第2照明領域6には第2オブジェクト7がセットされているものとする。
【0026】
表1(B)に従えば、装飾具1の環境の湿度がM1%より低いときの第2光源ユニット20の照明態様は「照明態様L」であり、M1%以上M2%未満のときは「照明態様C」であり、M2%以上M3%未満のときは「照明態様D」であり、M3%以上のときは「照明態様Y」となる。
RGB光源を構成する各LEDの出力を調整することで照明態様(色調)を変えることができる。この例では、湿度が高いほど青色の色調を強くし、湿度が低いほど赤色の色調を強くしている。
上記の例では色調を変化させているが、色調に加えて、若しくは独立して輝度を変化させることもできる。
【0027】
このような第1及び第2の光源ユニット10、20を備える装飾具1によれば、装飾具1の環境の温度と湿度に応じて、第1照明領域4及び第2照明領域6に照射される第1照射光L1と第2照射光L2とに変化が与えられる。
【0028】
図3に、装飾具1に適用される音源ユニット40の例を示す。なお、図3において、図2と同一の要素には同一の符号を付してその説明を省略する。音源ユニット40は第3コントローラとスピーカ47とを備える。
この例では下記の条件のとき、第3コントローラ45は音出力装置としてのスピーカ47らから所定の音を出力させる。
音出力の条件として、温度センサ1による温度が所定の閾値(第2温度閾値、図1の例ではT3℃)を超えたとき、及び/又は、湿度センサ21による湿度の所定の閾値(第2湿度閾値、図2の例ではM3%)を超えたとき、等を挙げることができる。
【0029】
図4に装飾具に適用される他の制御機構を示す。なお、図4において、図2と同一の要素には同一の符号を付してその説明を省略する。
この例では、オブジェクト毎に、そのオブジェクトに適合した照明態様を実現する。
図4に示す第1オブジェクト5には第1照射情報提供部51が付設され、第2オブジェクト7には第2照射情報提供部71が付設されている。
第1及び第2照射情報提供部51、71にはそれぞれバーコードが印刷されている。これらのバーコードは、第1オブジェクト5及び第2オブジェクト7に対する好適な照明態様を規定する情報を含む。
【0030】
読取り装置53は光源55と光センサ57とを備えて、第1照射情報提供部51にプリントされたバーコードを画像として読み取る。読み取られた画像データは照明コントローラ100へ送られて、そこに組み込まれた画像解読装置で照射情報に解読される。
照明コントローラ100は、解読した照射情報に基づき第1オブジェクト5に対する照明態様を規定する第2制御信号を第1コントローラ15へ送る。
同様に、読取り装置73は光源75と光センサ77とを備えて、第2照射情報提供部71にプリントされたバーコードを画像として読み取る。読み取られた画像データは照明コントローラ100へ送られて、そこに組み込まれた画像解読装置で照射情報に解読される。
照明コントローラ100は、解読した照射情報に基づき第2オブジェクト7に対する照明態様を規定する第2制御信号を第2コントローラ25へ送る。
【0031】
第2制御信号を受信した第1、第2コントローラ15、25は、当該第2制御信号に基づき、第1及び第2光源ユニットの照射の態様を変更させる。
なお、第1、第2コントローラ15、25は、第2制御信号に対応した照射の態様を予め保存しているもとする。ここに、第1、第2コントローラが保存する照射の態様がオブジェクト毎に定められておれば、当該オブジェクトを特定するID情報を照射態様情報とすることもできる。
【0032】
表2に、オブジェクトと照射態様の関係を示す。
【表2】
【0033】
表2に従えば、第1照明領域にセットされるべき第1オブジェクト5を他の第3オブジェクトに交換すると、第3オブジェクトに付設された照射態様情報保存部の照射態様情報が読取り装置53に読み取られ、照明コントローラ100で解析されて第2制御信号が第1コントローラ15へ送られる。第1コントローラ15は、表2(C)の第3オブジェクト用の温度と照明態様の関係を読出し、それに基づいて、第1光源ユニット10からの第1照射光L1の色調などを制御する。
同じく、第2照明領域にセットされるべき第2オブジェクト7を他の第4オブジェクトに交換すると、第4オブジェクトに付設された照射態様情報保存部の照射態様情報が読取り装置73に読み取られ、照明コントローラ100で解析されて第2制御信号が第2コントローラ25へ送られる。第2コントローラ25は、表2(D)の第4オブジェクト用の湿度と照明態様の関係を読出し、それに基づいて、第2光源ユニット20からの第2照射光L2の色調などを制御する。
【0034】
図5に装飾具に適用される他の制御機構を示す。なお、図4と同一の要素には同一の符号を付してその説明を省略する。
図5の制御機構では、カレンダー保存部110、カレンダー書込み部120及びタイムサーバ130が備えられる。
カレンダー保存部110には、カレンダーデータ(年月日を規定するデータ)とカレンダーデータに対応する照明態様(第2照明態様)が保存されている。
【0035】
この例では、表3に示すように、カレンダーデータがイベントと紐づけされており、イベントに応じて照明態様が規定されている(表4、5参照)。
【表3】

表3において、ROMエリアに記述されるカレンダーデータとイベントとの関係は固定であり、RAMエリアに既述されるカレンダーデータとイベントとの関係は書き換え可能である。
【0036】
図5の制御機構において、タイムサーバ130により現在の時間が特定され、例えば現在が5月1日であるとすると、イベントとしてシーズン1が特定される。シーズン1における第1光源ユニット10の照射の態様は表4(A)に示されており、シーズン1の照明態様をデフォルトとしている。
【表4】

日付が変わり、現在が6月1日であると、イベントとしてシーズン2が特定される。シーズン2における第1光源ユニット10の照射の態様は表4(B)に示される。表4(B)と表4(A)との違いは、閾値の温度に変化を与えたことにある。
表4(C)に示すように、閾値温度は変えずに、照明態様自体に変化を与えてもよい。閾値温度に変化を与えてかつ照明態様にも変化を与えることができる。
【0037】
他のイベントにおいても、同様にその照明態様を定義することで、各イベントに対応した第1光源ユニット10の照明態様を制御できる。
また、湿度センサ21の出力に基づく制御を行う第2光源ユニットにおいても、上記第1光源ユニットと同様に制御できることは当業者であれば容易に理解できよう。即ち、イベントに応じて表4に対応する、湿度の閾値と照明態様の変化の関係を予め作成して、第2コントローラに保存しておく。
【0038】
図5において、カレンダー書込み部120を介して、装飾具1の利用者は、任意のカレンダーデータと照明態様(第3照明態様)をカレンダー保存部110へ書き込むことができる。書き込まれたデータは表3におけるRAMエリアに記述される。
現在がRAMエリアのカレンダーデータに該当するときは、これがROMエリアのカレンダーデータに優先し、RAMエリアに規定される照明態様が採用される。
例えば、表5に示すように、シーズン1に含まれる特定の日(例えば、端午の節句5月5日)においては、表5(A)に示すデフォルトの照明態様がキャンセルされて、同(B)の照明態様が採用される。この例では、温度の変化にかかわらず、同じ照明態様Q1を採用することとしているが、照明態様の選択は任意である。
【0039】
【表5】

なお、照明態様をマニュアルで設定することには技術を要するので、各種の照明態様をライブラリとして準備し、利用者が選択引用できるようにしておくことが好ましい。
【0040】
この発明は、上記発明の実施形態の説明に何ら限定されるものではない。特許請求の範囲の記載を逸脱せず、当業者が容易に想到できる範囲で種々の変形態様もこの発明に含まれる。
【符号の説明】
【0041】
1 装飾具
3 フレーム
4 第1照明領域
5 第1オブジェクト
6 第2照明領域
7 第2オブジェクト
10 第1光源ユニット
20 第2光源ユニット
30 人感センサ
【要約】      (修正有)
【課題】この発明は光源による照明機能を備える装飾具に新たな装飾効果や新たな意匠性を具備させることを目的とする。
【解決手段】この発明の装飾具は、温度センサ、第1光源及び温度センサの出力に応じて第1光源を制御する第1コントローラを備える第1光源ユニット、湿度センサ、第2光源及び湿度センサの出力に応じて第2光源を制御する第2コントローラを備える第2光源ユニット、及びフレーム、を備える装飾具であって、第1光源からの第1照射光はフレームの第1照明領域を照射し、第2光源からの第2照射光はフレームの第2照明領域を照射し、第1照明領域と第2照明領域はフレームにおいて分離されており、第1照射光と第2照射光とは交差しない。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5