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  • 特許-貨物自動車及び荷台着地機構 図1
  • 特許-貨物自動車及び荷台着地機構 図2
  • 特許-貨物自動車及び荷台着地機構 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-21
(45)【発行日】2024-03-29
(54)【発明の名称】貨物自動車及び荷台着地機構
(51)【国際特許分類】
   B60P 1/00 20060101AFI20240322BHJP
   B60P 1/43 20060101ALI20240322BHJP
   B65G 67/02 20060101ALI20240322BHJP
【FI】
B60P1/00 C
B60P1/43 B
B65G67/02
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2023101495
(22)【出願日】2023-06-21
【審査請求日】2023-08-31
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 株式会社花見台自動車が、JAF(一般社団法人日本自動車連盟)に、能條幹也が発明した「荷台着地機構」を搭載した貨物自動車について、販売目的で、「荷台着地機構」を搭載した貨物自動車の実物を提示して公開(公開日:令和5年3月17日)した。
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】591084388
【氏名又は名称】株式会社花見台自動車
(74)【代理人】
【識別番号】100094536
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 隆二
(74)【代理人】
【識別番号】100129805
【弁理士】
【氏名又は名称】上野 晋
(74)【代理人】
【識別番号】100189315
【弁理士】
【氏名又は名称】杉原 誉胤
(72)【発明者】
【氏名】能條 幹也
【審査官】林 政道
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2010/0086386(US,A1)
【文献】特開2002-096672(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60P 1/00
B65G 67/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シャーシに設けられたガイドレールに沿って車両前後方向に荷台を移動させて該荷台を地上面に降ろしたり該荷台を該シャーシ上に水平状態で配置させたりする荷台移動傾斜機構が設けられた貨物自動車であって、
前記荷台は、貨物が載置される平面視・矩形の床部を有し、
前記床部の裏面側には、該荷台を地上面に着地させ移動させるための車輪を備えた荷台着地機構が設けられ、
前記荷台には、側アオリ及びリアゲートが設けられておらず、
前記荷台着地機構は、
一端部が前記床部の裏面・後端側に回動自在に支持され且つ他端部で前記車輪を回転自在に支持している車輪支持アームと、
前記床部の裏面を基準にして前記車輪支持アームを前記床部に対して略倒伏した状態にさせたり、前記床部に対して略下方に起立した状態にさせたりする油圧シリンダーとを有し、
前記車輪は、前記車輪支持アームの他端部に設けられた回転軸を介して前記他端部に回転自在に支持されており、
前記油圧シリンダーは、シリンダチューブ及びピストンロッドを有し、該シリンダチューブの後端部が、前記床部の裏面・後端側に回動自在に支持され、該ピストンロッドの先端部が前記回転軸に回動自在に接続され、
前記車輪支持アームが前記床部に対して略倒伏した状態において、且つ前記荷台移動傾斜機構が前記荷台を後方に移動させて地上面に降ろしている最中に、前記油圧シリンダーを動作させて前記ピストンロッドを伸長させると、該油圧シリンダーにより、前記回転軸を介して前記車輪及び前記車輪支持アームが車両後方側に押されて、該車輪支持アームが下方向に回動するとともに、前記油圧シリンダーが下方向に回動し、前記車輪支持アームが前記床部の裏面を基準に略下方向に起立し、それにともない、前記車輪支持アームの他端部に支持された前記車輪が前記床部から下方側に引き出された状態になり、該地上面に前記車輪が着地して該荷台の後端部が該地上面に接触せずに該地上面から離間した状態で該荷台が移動するようになっており、
前記車輪支持アームが前記床部に対して略起立して前記車輪が地上面に着地した状態において、前記油圧シリンダーを動作させて前記ピストンロッドを収縮させると、該油圧シリンダーにより、前記回転軸を介して前記車輪及び前記車輪支持アームが車両前方側に引っ張られて、前記車輪及び前記車輪支持アームが前記床部の裏面側に引き込まれ、前記地上面から離間した状態の前記荷台の後端部側が下降して、該荷台の後端部が前記地上面に接地し、該地上面と該荷台の床部が連続的に繋がった搬送路を形成するようになっていることを特徴とする貨物自動車。
【請求項2】
貨物自動車の荷台を地上面に着地させ移動させるための車輪を備えた荷台着地機構であって、
前記貨物自動車には、車両前後方向に前記荷台を移動させて該荷台を地上面に降ろす荷台移動傾斜機構が設けられ、
前記荷台は、貨物が載置される平面視・矩形の床部を有し、
前記荷台には、側アオリ及びリアゲートが設けられておらず、
前記荷台着地機構は、
一端部が前記床部の裏面・後端側に回動自在に支持され且つ他端部で前記車輪を回転自在に支持している車輪支持アームと、
前記床部の裏面を基準にして前記車輪支持アームを前記床部に対して略倒伏した状態にさせたり、前記床部に対して略下方に起立した状態にさせたりする油圧シリンダーとを有し、
前記車輪は、前記車輪支持アームの他端部に設けられた回転軸を介して前記他端部に回転自在に支持されており、
前記油圧シリンダーは、シリンダチューブ及びピストンロッドを有し、該シリンダチューブの後端部が、前記床部の裏面・後端側に回動自在に支持され、該ピストンロッドの先端部が前記回転軸に回動自在に接続され、
前記車輪支持アームが前記床部に対して略倒伏した状態において、且つ前記荷台移動傾斜機構が前記荷台を後方に移動させて地上面に降ろしている最中に、前記油圧シリンダーを動作させて前記ピストンロッドを伸長させると、該油圧シリンダーにより、前記回転軸を介して前記車輪及び前記車輪支持アームが車両後方側に押されて、該車輪支持アームが下方向に回動するとともに、前記油圧シリンダーが下方向に回動し、前記車輪支持アームが前記床部の裏面を基準に略下方向に起立し、それにともない、前記車輪支持アームの他端部に支持された前記車輪が前記床部から下方側に引き出された状態になり、該地上面に前記車輪が着地して該荷台の後端部が該地上面に接触せずに該地上面から離間した状態で該荷台が移動するようになっており、
前記車輪支持アームが前記床部に対して略起立して前記車輪が地上面に着地した状態において、前記油圧シリンダーを動作させて前記ピストンロッドを収縮させると、該油圧シリンダーにより、前記回転軸を介して前記車輪及び前記車輪支持アームが車両前方側に引っ張られて、前記車輪及び前記車輪支持アームが前記床部の裏面側に引き込まれ、前記地上面から離間した状態の前記荷台の後端部側が下降して、該荷台の後端部が前記地上面に接地し、該地上面と該荷台の床部が連続的に繋がった搬送路を形成するようになっていることを特徴とする荷台着地機構。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、貨物自動車及び荷台着地機構に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車を運搬する車載専用車は、法律上、自動車しか搭載することができないため、自動車と一緒に、その自動車に関連するバンパーやタイヤ等を輸送したいときには、別途、車載専用ではない貨物自動車(例えば、一般貨物型・貨物自動車)を用意する必要がある。また、車載専用車は、荷台がホイールベースの2/3まで認められているため、市街地等を走行している際に荷台の後方部をぶつけてしまう虞があり、慎重な運転が求められ、運転手に大きな業務負担を負わせている。
【0003】
そのため、近年では、荷台を後方に移動させつつ傾斜させる荷台移動傾斜機構が設けられた、一般貨物型・貨物自動車を用いて、自動車等の車両を搬送することが行われている。この荷台移動傾斜機構が設けられた、一般貨物型・貨物自動車は、荷台の後端部に、地面と荷台を架け渡すために用いられるリアゲートが設けられている。また、この一般貨物型・貨物自動車は、荷台に自動車だけではなく、その関連部品(タイヤ、バンパー等)を一緒に搭載して運ぶことができるとともに、自動車を搬送する以外の用途にも使えるという利点がある。また、この一般貨物型・貨物自動車は、荷台がホイールベースの1/2までしか認められていないため、車載専用車と比べて、運転が簡単であり、運転手の業務負担を軽減することができる。
【0004】
そして、リアゲートが設けられている貨物自動車に車両を積み込む場合には、荷台移動傾斜機構により、荷台の後端部側を地上面に設置させる(積み降ろしできる姿勢にする)。その後、作業者は、荷台のゲートロック機構を解除し、立設しているリアゲートを回動させてリアゲートの先端(自由端)を地上に接地させる。これにより、荷台およびリアゲートによって地上から連続的に繋がった搬送路が形成される。作業者は、地上の運搬車両を運転し、上記の搬送路を通行させて、荷台に運搬車両を搭載できるようになっている。
また、荷台に車両を積み込んだ後は、リアゲートの先端を持ち上げ回動させて起立させた状態にしてロック機構で固定するとともに、荷台駆動手段により、荷台を前方に移動させるとともに、傾斜姿勢の傾動ベースを前方に移動させて水平姿勢に戻す。
【0005】
なお、車両を運ぶタイプのものではないが、一般貨物型・貨物自動車に、荷台移動傾斜機構が設けた構成が、例えば、特許文献1に開示されている。
具体的には、特許文献1に記載の貨物自動車は、自動車本体の後端部を支点として後傾動作可能に設けられた傾動ベースと、この傾動ベースの上に取り付けられ当該傾動ベースに対して平面視重複して荷物を運搬し得る水平姿勢から後端部よりも後方に迫り出した際に自重により傾動ベースを後傾動作させて後端を接地させた積み降ろし姿勢まで前後スライド可能に取り付けられたスライド荷台(以下、「荷台」)と、荷台を傾動ベースに対して前後方向にスライド動作させ得る荷台駆動手段とを有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】実用新案登録3186284号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、上述した従来技術の一般貨物型・貨物自動車は、走行するときには、水平な荷台に対して、矩形・板状のリアゲートが略垂直に立設した状態で固定されているため、空荷のときにも、リアゲートが風の抵抗を受けることになり、燃費の悪化を招くという課題を有している。
そこで、本願出願人は、上記課題を解決するために、リアゲートが設けられていない貨物自動車の荷台機構の構成を発明し、2022年11月22日に特許出願(特願2022-186604号)を行った。
【0008】
上記の特許出願(特願2022-186604号)は、シャーシに設けられたガイドレールに沿って荷台を前後方向に移動させて荷台を傾斜させたり該荷台を該シャーシ上に水平状態で配置させたりする荷台移動傾斜機構が設けられた貨物自動車の荷台機構に関するものである。
具体的には、上記の貨物自動車の荷台機構は、荷物が載置される床部を備えた荷台と、床部の後端部に設けられたヒンジと、ヒンジを介して床部の後端部に連結されている荷台後端スロープと、ガイドレールに対して荷台後端スロープを着脱自在に固定するロック機構とを備えている。また、ロック機構は、ガイドレール及び荷台がシャーシの上に配置され且つシャーシに対して平行な走行可能状態のときに、荷台後端スロープを荷台に対して略水平に倒伏している状態で該ガイドレールに固定しロックするようになっているとともに、荷台移動傾斜機構により荷台を前後方に移動させることで、荷台後端スロープをロックしたり、該ロックを解除したりするようになっている。
【0009】
上記の特許出願に係る発明の構成では、ロック機構が、ガイドレール及び荷台がシャーシの上に配置され且つシャーシに対して平行な走行可能状態のときに、荷台後端スロープを荷台に対して略水平に倒伏している状態で該ガイドレールに固定しロックするようになっている。すなわち、上記の特許出願に係る発明は、走行可能状態のときに荷台に対して略垂直に立設するリアゲートが設けられていないため、「空荷のときにも、風の抵抗を受けるという問題」が生じることがなく、リアゲートを備えた貨物自動車と比べて、燃費性能を向上させることができる。
【0010】
一方、上記の特許出願に係る発明の貨物自動車では、荷台移動傾斜機構が、荷台を傾斜させながら後方に移動させて荷台を地上面に降ろす際に、荷台の自由端(後端部)が地上面に当接した状態で後方にスライドすることになる。そして、上記の貨物自動車の荷台機構は、荷台を降ろすところが不整地である場合に、荷台をスムーズに移動させることができないという課題を有している。なお、上記の貨物自動車の荷台機構は、荷台を降ろすところが不整地である場合、後方に荷台を移動させている最中に、荷台の自由端(後端部)が不整地である地上面の石や土等をかきあげてしまう。
【0011】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、荷台移動傾斜機構が設けられた貨物自動車であって、不整地に荷台を降ろしている際にも荷台をスムーズに移動させるこができる荷台着地機構を有する貨物自動車を提供することにある。また、本発明は、前記荷台着地機構を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するためになされた本発明は、シャーシに設けられたガイドレールに沿って車両前後方向に荷台を移動させて該荷台を地上面に降ろしたり該荷台を該シャーシ上に水平状態で配置させたりする荷台移動傾斜機構が設けられた貨物自動車であって、
前記荷台は、貨物が載置される平面視・矩形の床部を有し、前記床部の裏面側には、該荷台を地上面に着地させ移動させるための車輪を備えた荷台着地機構が設けられ、前記荷台には、側アオリ及びリアゲートが設けられておらず、前記荷台着地機構は、一端部が前記床部の裏面・後端側に回動自在に支持され且つ他端部で前記車輪を回転自在に支持している車輪支持アームと、前記床部の裏面を基準にして前記車輪支持アームを前記床部に対して略倒伏した状態にさせたり、前記床部に対して略下方に起立した状態にさせたりする油圧シリンダーとを有し、前記車輪は、前記車輪支持アームの他端部に設けられた回転軸を介して前記他端部に回転自在に支持されており、前記油圧シリンダーは、シリンダチューブ及びピストンロッドを有し、該シリンダチューブの後端部が、前記床部の裏面・後端側に回動自在に支持され、該ピストンロッドの先端部が前記回転軸に回動自在に接続され、
前記車輪支持アームが前記床部に対して略倒伏した状態において、且つ前記荷台移動傾斜機構が前記荷台を後方に移動させて地上面に降ろしている最中に、前記油圧シリンダーを動作させて前記ピストンロッドを伸長させると、該油圧シリンダーにより、前記回転軸を介して前記車輪及び前記車輪支持アームが車両後方側に押されて、該車輪支持アームが下方向に回動するとともに、前記油圧シリンダーが下方向に回動し、前記車輪支持アームが前記床部の裏面を基準に略下方向に起立し、それにともない、前記車輪支持アームの他端部に支持された前記車輪が前記床部から下方側に引き出された状態になり、該地上面に前記車輪が着地して該荷台の後端部が該地上面に接触せずに該地上面から離間した状態で該荷台が移動するようになっており、前記車輪支持アームが前記床部に対して略起立して前記車輪が地上面に着地した状態において、前記油圧シリンダーを動作させて前記ピストンロッドを収縮させると、該油圧シリンダーにより、前記回転軸を介して前記車輪及び前記車輪支持アームが車両前方側に引っ張られて、前記車輪及び前記車輪支持アームが前記床部の裏面側に引き込まれ、前記地上面から離間した状態の前記荷台の後端部側が下降して、該荷台の後端部が前記地上面に接地し、該地上面と該荷台の床部が連続的に繋がった搬送路を形成するようになっていることを特徴とする。
【0014】
このように、本発明の貨物自動車は、荷台の床部の裏面側に、荷台を地上面に着地させ移動させるための車輪を備えた荷台着地機構が設けられている。
そして、本発明によれば、荷台移動傾斜機構が荷台を後方に移動させて地上面に降ろしている際に、油圧シリンダーを動作させて床部の裏面を基準にして車輪支持アームを下方に起立させて該床部から下方に該車輪を引き出すことで、地上面に車輪を着地させ荷台の後端部を地上面に接触させずに地上面から離間した状態で荷台を移動させることができるようになっている。
そのため、本発明の貨物自動車によれば、不整地に荷台を降ろす場合であっても、荷台着地機構により、スムーズに荷台を移動させることができる。
また、本発明の貨物自動車によれば、荷台を後方に移動させて地上面に降ろしている最中に、荷台の後端部(自由端)が地上面に当接した状態で後方にスライドすることはない。そのため、本発明によれば、例えば、リアゲートが設けられていない荷台を不整地に降ろしたとしても、荷台の後端部(自由端)が地上面の石や土等をかきあげてしまうことを防止できる。
【0015】
また、本発明は、シャーシに設けられたガイドレールに沿って車両前後方向に荷台を移動させて該荷台を地上面に降ろしたり該荷台を該シャーシ上に水平状態で配置させたりする荷台移動傾斜機構が設けられた貨物自動車であって、前記荷台は、貨物が載置される平面視・矩形の床部を有し、前記床部の裏面側には、該荷台を地上面に着地させ移動させるための車輪を備えた荷台着地機構が設けられ、前記荷台には、側アオリ及びリアゲートが設けられておらず、前記荷台着地機構は、一端部が前記床部の裏面・後端側に回動自在に支持され且つ他端部で前記車輪を回転自在に支持している車輪支持アームと、前記床部の裏面を基準にして前記車輪支持アームを前記床部に対して略倒伏した状態にさせたり、前記床部に対して略下方に起立した状態にさせたりする油圧シリンダーとを有し、前記車輪は、前記車輪支持アームの他端部に設けられた回転軸を介して前記他端部に回転自在に支持されており、前記油圧シリンダーは、シリンダチューブ及びピストンロッドを有し、該シリンダチューブの後端部が、前記床部の裏面・後端側に回動自在に支持され、該ピストンロッドの先端部が前記回転軸に回動自在に接続され、前記車輪支持アームが前記床部に対して略倒伏した状態において、且つ前記荷台移動傾斜機構が前記荷台を後方に移動させて地上面に降ろしている最中に、前記油圧シリンダーを動作させて前記ピストンロッドを伸長させると、該油圧シリンダーにより、前記回転軸を介して前記車輪及び前記車輪支持アームが車両後方側に押されて、該車輪支持アームが下方向に回動するとともに、前記油圧シリンダーが下方向に回動し、前記車輪支持アームが前記床部の裏面を基準に略下方向に起立し、それにともない、前記車輪支持アームの他端部に支持された前記車輪が前記床部から下方側に引き出された状態になり、該地上面に前記車輪が着地して該荷台の後端部が該地上面に接触せずに該地上面から離間した状態で該荷台が移動するようになっており、
前記車輪支持アームが前記床部に対して略起立して前記車輪が地上面に着地した状態において、前記油圧シリンダーを動作させて前記ピストンロッドを収縮させると、該油圧シリンダーにより、前記回転軸を介して前記車輪及び前記車輪支持アームが車両前方側に引っ張られて、前記車輪及び前記車輪支持アームが前記床部の裏面側に引き込まれ、前記地上面から離間した状態の前記荷台の後端部側が下降して、該荷台の後端部が前記地上面に接地し、該地上面と該荷台の床部が連続的に繋がった搬送路を形成するようになっていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、荷台移動傾斜機構が設けられた貨物自動車であって、不整地に荷台を降ろしている際にも荷台をスムーズに移動させるこができる荷台着地機構を有する貨物自動車を提供することができる。また、本発明は、前記荷台着地機構を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の実施形態の荷台移動傾斜機構及び荷台着地機構を備えた貨物自動車を示した模式図である。
図2】本発明の実施形態の荷台着地機構の設置位置を説明するための模式図である。
図3】本発明の実施形態の荷台着地機構の動作を説明するための模式図であり、(a)が荷台着地機構の車輪を荷台側に上昇させた状態を示した模式図であり、(b)が荷台着地機構の車輪を荷台から下降させ地上面に着地させた状態を示した模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態の荷台着地機構を備えた貨物自動車について、図面に基づいて説明する。
本実施形態の荷台着地機構Wは、荷台移動傾斜機構が設けられた、一般貨物型・貨物自動車に搭載されるものであり、自動車だけでなく、自動車以外の貨物も搬送することができるようになっている。
【0019】
なお、本実施形態の貨物自動車は、リアゲートや後あおりが設けられていない荷台20と、その荷台20の裏面側に設けられた荷台着地機構Wの構成に特徴があり、荷台移動傾斜機構等の構成は従来のものと同じである。そのため、以下では、上記の特徴を詳細に説明し、それ以外の構成については、省略或いは簡略化して説明する。
【0020】
《貨物自動車の全体構成》
先ず、本実施形態の貨物自動車の全体構成について、図1~3を参照しながら説明する。
ここで、図1は、本実施形態の荷台移動傾斜機構及び荷台着地機構を備えた貨物自動車を示した模式図である。図2は、本実施形態の荷台着地機構の設置位置を説明するための模式図である。図3は、本実施形態の荷台着地機構の動作を説明するための模式図であり、(a)が荷台着地機構の車輪を荷台側に上昇させた状態を示した模式図であり、(b)が荷台着地機構の車輪を荷台から下降させ地上面に着地させた状態を示した模式図である。
【0021】
図1に示すように、本実施形態の貨物自動車は、キャビン1と、キャビン1に接続され且つ車両前後方向(X方向)に延びるシャーシ3と、荷台20と、荷台20を移動自在に支持する荷台移動傾斜機構とを有し、荷台20の裏面側に、荷台20を地上面GLに着地させ移動させるための車輪85を備えた荷台着地機構Wが設けられている。
【0022】
荷台20は、車両(自動車)等の貨物が載置される平面視・矩形の床部21と、床部21の前端側(キャビン1側)に、床部21に対して上方に向けて直角に延設されている鳥居部22とを備えている。また、荷台20には、側アオリ及び後アオリ(又はリアゲート)が設けられていない。
また、床部21は、その上面の後端部側の部分が傾斜面を形成したスロープ部21aになっており、スロープ部21a以外の部分(床部21の前端からスロープ部21aまでの部分)が、水平面部21bになっている(図2参照)。また、床部21の下面(裏面)の後端部には、キャスター(車輪)90が設けられている。
なお、床部21の下面(裏面)の後端部側の部分(荷台20の後端部から所定寸法・車両の前方側の位置)には、荷台20を地上面GLに着地させて移動させる荷台着地機構Wが取り付けられている(図1、2参照)。
【0023】
荷台移動傾斜機構は、シャーシ3に設けられたガイドレール10に沿って荷台20を前後方向に移動させることができるようになっており、荷台20を後方に移動させて地上面GLに降ろした状態にしたり、荷台20をシャーシ3の上に水平状態で配置させた状態にしたりする。
【0024】
具体的には、荷台移動傾斜機構は、シャーシ3の後部の傾斜基軸5により支持される一対のガイドレール(以下、単に「レール」)10を備えている。このレール10は、荷台20を摺動自在支持しており、荷台20がレール10に沿って車両の前後方向(X方向)に往復移動できるようになっている。また、荷台移動傾斜機構は、レール10の後部に形成された下方に突出する支持脚13と、レール10に沿って車両前後方向に荷台20を往復移動させるスライドシリンダ(図示せず)とを備えている。なお、スライドシリンダには、例えば、油圧シリンダを用いることができる。
【0025】
また、レール10を支持する傾斜基軸5は、シャーシ3の後端部のフレーム間において、レール10の長手方向に対して垂直に軸止されている。レール10の底部には、傾斜基軸5と対応する位置に係合部が形成されており、この係合部に傾斜基軸5が挿嵌されて、レール10がシャーシ3に回動自在に支持されている。
【0026】
また、シャーシ3の上にレール10及び荷台20が水平(シャーシ3に対して平行)に載置されている状態(説明の便宜上、「走行可能状態」)において、荷台20を後方に移動させる場合、荷台移動傾斜機構のスライドシリンダを伸長させて、荷台20に対して、車両・後方側に荷重をかける。これにより、荷台20は、レール10に沿って水平に後方移動する。なお、レール10自体は、傾斜基軸5に連結されているので、水平方向には移動しない。
【0027】
そして、荷台20が、ある程度後方に移動すると、荷台20自体の重量(若しくは荷台2と貨物を合わせた重量)により、レール10が後方側に傾斜し、且つ荷台20がレール10と共に傾斜しつつ、レール10に沿って後方に移動する。即ち、傾斜基軸5を中心として、傾斜基軸5より後方にかかるモーメントが一定値になると荷台20が傾斜しながら後方側に移動していき、荷台20の大部分が地上面GLに降ろされた状態になる。
なお、後方移動及び傾斜動作は、例えば、支持脚13が地上面GLに接地するタイミングで、スライドシリンダを停止させることで完了する。
【0028】
また、荷台20を傾斜状態から水平な走行可能状態に戻すときには、スライドシリンダを収縮させて、荷台20に対して、車両・前方側に荷重をかけて、上記と逆の動作をさせる。これにより、荷台20は、シャーシ3の上に平行な状態で戻される。
なお、本実施形態では、一例として、荷台移動傾斜機構が、荷台20自体の重量(若しくは荷台20と貨物を合わせた重量)により、レール10及び荷台20を傾斜させるタイプのもの(例えば、特許第3172130号公報、特許第3361734号公報に記載された荷台移動傾斜機構)を示しているが特にこれに限定されるものではない。荷台移動傾斜機構は、荷台20を後方に移動させて傾斜させるものであれば、どのような構成のものであっても良い。
【0029】
《荷台着地機構Wの構成》
次に、荷台20の下面(裏面)に設けられている荷台着地機構Wについて説明する。
荷台着地機構Wは、荷台移動傾斜機構により荷台20が傾斜しながら後方に移動して地上面GLに降ろされている際に、図3(b)に示すように、車輪85を支持している車輪支持アーム81を床部21に対して略下方向に起立した状態にする。これにより、荷台移動傾斜機構により荷台20が傾斜しながら後方に移動して地上面GLに降ろされている際に、車輪85を地上面GLに着地させることができる。
【0030】
そして、荷台20は、荷台着地機構Wの車輪85が地上面GLに着地することにより、その後端部(自由端)が地上面GLに当接せずに地上面GLから離間して浮上している状態で後方に移動する。すなわち、本実施形態の荷台着地機構Wの構成によれば、荷台移動傾斜機構が、荷台20を傾斜させながら後方に移動させて荷台を地上面GLに降ろしている最中に、荷台20の後端部(自由端)が地上面GLに当接した状態で後方にスライドすることはない。
その結果、本実施形態によれば、不整地に荷台20を降ろす場合であっても、荷台着地機構Wにより、スムーズに荷台20を移動させることができる。また、本実施形態の構成によれば、不整地に荷台20を降ろしている際に、荷台20の上に地上面GLの石や土等をかきあげることが防止される。
【0031】
また、荷台移動傾斜機構による荷台20を地上面GLに降ろす動作が完了すると、荷台着地機構Wは、車輪85を支持している車輪支持アーム81を床部21側に上昇させ引き込んで床部21に対して略平行な倒伏した状態(図3(a)に示す状態)にする。これにより、荷台30の後端部側が下方に下がるとともに、荷台20の後端部のキャスター(車輪)90が地上面に接地して、地上面GLと荷台20の床部21が連続的に繋がった状態になる。
【0032】
具体的には、荷台着地機構Wは、荷台20の床部21の後端側の裏面に回動自在に支持されていている一対の車輪支持アーム81と、1対の車輪支持アーム81の他端部に設けられた回転軸S1と、回転軸S1に回転自在に支持されている車輪85と、床部21の裏面を基準にして、車輪支持アーム81を起伏させるための油圧シリンダー60とを備えている。
油圧シリンダー60は、シリンダチューブ61と、シリンダチューブ61に対して出入りするピストンロッド62とを有し、シリンダチューブ61の後端部が、荷台20の床部21の後端側の裏面に回動自在に支持され、ピストンロッド62の先端部が回転軸S1に回動自在に接続されている。
【0033】
また、車輪支持アーム81は、略長板状に形成されており、その一端部が、荷台20の床部21の後端側のスロープ部20aの裏面に取り付けられた支持金具80に設けられた回転軸S2に回動自在に支持されている。
また、車輪支持アーム81の他端部には回転軸S1が設けられ、この回転軸S1に車輪85が回転自在に支持されている。また、回転軸S1に油圧シリンダー60のピストンロッド62の先端部が回動自在に接続されている。
また、油圧シリンダー60は、シリンダチューブ61の端部が、荷台20の床部21の後端側の水平面20bの裏面に取り付けられた支持金具70に設けられた回転軸S3に回動自在に支持されている。
【0034】
そして、油圧シリンダー60のピストンロッド62がシリンダチューブ61に収納された収縮状態のときには、図3(a)に示すように、油圧シリンダー60により、回転軸S1を介して車輪85及び車輪支持アーム81が車両前方側に引っ張られ、車輪支持アーム81が床部21の裏面に対して略平行な倒伏している状態になり、それにともない、車輪支持アーム81の他端部に支持されている車輪85が床部21の裏面に近接した位置に保持された状態になる。
【0035】
一方、図3(a)に示す状態において、油圧シリンダー60のピストンロッド62を伸長させると、図3(b)に示すように、油圧シリンダー60により、回転軸S1を介して車輪85及び車輪支持アーム81が車両後方側に押されて、車輪支持アーム81が回転軸S2を回転中心にして下方に向けて回動するとともに、油圧シリンダー60が回転軸S3を回転中心にして下方に向けて回動する。これにより、車輪支持アーム81が床部21の裏面を基準に略下方向に起立した状態になり、それにともない、車輪支持アーム81の他端部に支持された車輪85が床部21から下方側に引き出された状態になる。すなわち、油圧シリンダー60及び車輪支持アーム81が「略L字状」に屈曲して床部21から下方に突出した状態になる。
【0036】
また、図3(b)に示す状態において、油圧シリンダー60のピストンロッド62を収縮させると、図3(a)に示すように、油圧シリンダー60により、回転軸S1を介して車輪85及び車輪支持アーム81が車両前方側に引っ張られ、車輪支持アーム81が回転軸S2を回転中心にして床部21に向けて回動するとともに、油圧シリンダー60が回転軸S3を回転中心にして床部21に向けて回動する。これにより、車輪支持アーム81が床部21の裏面に対して略倒伏している状態になり、それにともない、車輪支持アーム81の他端部に支持されている車輪85が床部21の裏面に近接した位置に保持された状態になる。
【0037】
《荷台着地機構Wの動作》
次に、本実施形態の貨物自動車の荷台着地機構Wの動作について説明する。
本実施形態では、貨物自動車が走行可能状態(シャーシ3の上にレール10及び荷台20が水平に載置されている状態)のときには、荷台着地機構Wは、図3(a)に示すように、床部21の裏面に引き込まれた状態になっている。
【0038】
そして、荷台移動傾斜機構がスライドシリンダを伸長させて、荷台20に対して、車両・後方側に荷重をかけて荷台20を傾斜させながら後方に移動させて地上面GLに降ろしている際に、荷台着地機構Wの油圧シリンダー60のピストンロッド62を伸長させて、図3(b)に示すように、床部21から下方に車輪85が引き出された状態にする。この状態により、荷台20が後方側に移動しながら地上面GLに降ろされている際に、荷台着地機構Wの車輪85が地上面GLに着地して、荷台20が車輪85の回転によりスムーズに後方側に移動する。
また、荷台20は、荷台着地機構Wの車輪85が地上面GLに着地している状態になると、その後端部が地上面GLから離間して浮上している状態になり、荷台20を後方に移動させて地上面GLに降ろしている最中に、荷台20の後端部(自由端)が地上面GLに当接した状態で後方にスライドすることがない。その結果、本実施形態によれば、不整地に荷台20を降ろしている際に荷台20の後端部(自由端)が地上面GLの石や土等をかきあげてしまうことを防止できる。また、不整地であっても、スムーズに荷台20を後方に移動させることができる。
【0039】
また、荷台20が地上面GLに降ろされた状態(図3(b)に示す状態)において、荷台着地機構Wの油圧シリンダー60のピストンロッド62を収縮させると、油圧シリンダー60により、回転軸S1を介して車輪85及び車輪支持アーム81が車両前方側に引っ張られ、車輪85及び車輪支持アーム81が床部21の裏面側に引き込まれる。このとき、荷台20の後端部側が下降していき、荷台20の後端部のキャスター(車輪)90が地上面に接地して、地上面GLと荷台20が連続的に繋がった搬送路を形成した状態(図3(a)に示す状態)になる。
【0040】
また、荷台20をシャーシ3の上に戻すときには、図3(a)に示す状態の荷台着地機構Wの油圧シリンダー60のピストンロッド62を伸長させる。これにより、油圧シリンダー60により、回転軸S1を介して車輪85及び車輪支持アーム81が車両後方側に押され、車輪支持アーム81が床部21の裏面に対して下方向に起立して、床部21から下方に車輪85が引き出された状態になる。このときに、荷台20の後端部側が上昇し、荷台20の後端部のキャスター(車輪)90も上昇して地上面GLから離間した状態(図3(b)に示す状態)になる。その後、荷台移動傾斜機構がスライドシリンダを収縮させることで、荷台20が前方側に移動して、荷台20をシャーシ3の上でシャーシ3に対して平行な状態に戻すことができる。本実施形態では、荷台着地機構Wの車輪85により、不整地であってもスムーズに荷台20を前方に移動させることができる。
【0041】
以上、説明したように、本実施形態の貨物自動車は、荷台20の床部21の裏面側に、荷台20を地上面GLに着地させ移動させるための車輪85を備えた荷台着地機構Wが設けられている。
本実施形態によれば、荷台移動傾斜機構が荷台20を後方に移動させて地上面GLに降ろしている際に、油圧シリンダー60を動作させて床部21の裏面を基準にして車輪支持アーム81を下方に起立させて床部21から下方に車輪85を引き出すことで、地上面GLに車輪85を着地させ荷台20の後端部を地上面GLに接触させずに地上面GLから離間した状態(浮上した状態)で荷台20を移動させることができる。
【0042】
そのため、本実施形態の貨物自動車によれば、不整地に荷台20を降ろす場合であっても、荷台着地機構Wにより、スムーズに荷台20を移動させることができる。
また、本実施形態の貨物自動車によれば、荷台20を後方に移動させて地上面に降ろしている最中に、荷台20の後端部(自由端)が地上面GLに当接した状態で後方にスライドすることはない。そのため、本実施形態のように、リアゲートが設けられていない荷台20を不整地に降ろしたとしても、荷台20の後端部(自由端)が地上面の石や土等をかきあげてしまうことを防止できる。
【0043】
なお、本実施形態の貨物自動車は、荷台20にリアゲートが設けられておらず、且つ荷台20の後端部側が傾斜面を形成したスロープ部21aになっているため、荷台移動傾斜機構により地上面GLに荷台20を降ろして、荷台着地機構Wを動作させるだけで、地上面GLと荷台20が連続的に繋がった搬送路を形成することができる。
すなわち、本実施形態によれば、従来技術のリアゲート(或いは後あおり)のように、「荷台に車両等の貨物の積み下ろしをする際に、その都度、作業者が荷台のリアゲートを操作して、リアゲートをロックしたり、リアゲートのロックを解除させる作業」が不要になり、作業者の労力負担が大幅に軽減される。
【0044】
また、本実施形態では、荷台20の後端部にリアゲートや後あおりが無いため、従来技術の「荷台に対して垂直に立設して固定されているリアゲート」を備えた貨物自動車のように、走行している際に、強い風の抵抗を受けることがない。
すなわち、本実施形態の貨物自動車の構成によれば、従来技術のリアゲートを備えた貨物自動車のような「空荷のときにも、風の抵抗を受けるという問題」が生じることがなく、従来技術のリアゲートを備えた貨物自動車と比べて、燃費性能を向上させることができる。
また、本実施形態では、荷台20の後端部にリアゲートや後あおりが無いため、例えば、全長寸法が長い自動車(車両)を荷台20に積んで運搬するような場合であっても、リアゲートを備えた貨物自動車のように、運搬する車両のバンパー等を傷つけてしまうことがない。
【0045】
以上説明したように、本実施形態によれば、荷台移動傾斜機構が設けられた貨物自動車であって、不整地に荷台を降ろしている際にも荷台20をスムーズに移動させるこができる荷台着地機構Wを有する貨物自動車を提供することができる。また、本実施形態によれば、不整地に荷台を降ろしている際にも、荷台20上に地上面の石や土等をかきあげることを防止する荷台着地機構Wを有する貨物自動車を提供することができる。
【0046】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内において種々の変更が可能である。
例えば、上述した実施形態では、リアゲートが設けられていない荷台20に荷台着地機構Wが設けられているが特にこれに限定されるものではない。リアゲートが設けられている荷台20に、荷台着地機構Wを取り付けるようにしても良い。このような場合であっても、不整地に荷台20を降ろす際に、スムーズに荷台20を移動させることができる。
【符号の説明】
【0047】
W…貨物自動車
1…キャビン
3…シャーシ
5…傾斜基軸
10…ガイドレール
13…支持脚
20…荷台
21…床部
21a…スロープ部
21b…水平面部
22…鳥居部
25…接地ローラ
30…荷台後端スロープ
40…ヒンジ
50…ロック機構
50A…舌片部
50B…受け部
50B1…開口
【要約】
【課題】不整地に荷台を降ろしている際にも荷台をスムーズに移動させるこができる荷台着地機構を有する貨物自動車を提供する。
【解決手段】荷台移動傾斜機構が設けられた貨物自動車であって、荷台20の床部21の裏面側に荷台着地機構Wが設けられ、荷台着地機構Wは、一端部が床部21の裏面・後端側に回動自在に支持され且つ他端部で車輪85を回転自在に支持している車輪支持アーム81と、車輪支持アーム81を起伏させる油圧シリンダー60とを有し、荷台移動傾斜機構が荷台20を後方に移動させて地上面GLに降ろしている際に、油圧シリンダー60を動作させて床部21の裏面を基準にして車輪支持アーム85を下方に起立させて床部21から下方に車輪85を引き出すことで、地上面GLに車輪85を着地させ荷台20の後端部を地上面GLに接触させずに地上面GLから離間した状態で荷台20を移動させる。
【選択図】図1
図1
図2
図3